新台「甘デジ」で「フルスペック」仕様! 人気シリーズ最新作は特定絵柄揃いで「2回ループ」確定!!

 シリーズ初となる「W HAPPY システム」を搭載。ヒットメーカーの京楽産業.はこのほど、最新タイトル『ぱちんこ 冬のソナタ SWEET HAPPY Version』の発売を発表。製品サイトを公開し、ゲーム性を明かした。

 社会現象にもなった大ヒット韓国ドラマ「冬のソナタ」をモチーフとした同社の人気シリーズ最新作は、大当り確率約99.9分の1の甘デジタイプ。

 大当りは大別して青図柄揃い、チュンサン図柄揃いの2種類で、チュンサン図柄が揃った場合は往年のCR機フルスペックタイプと同じく、以降2回の大当りが約束される。

 つまり、チュンサン図柄が揃えば初当りを含めて最低でも計3回の大当りが確定。途中で再度チュンサン絵柄が揃えばそこから2回ループが加算されるので、ヒキ次第では無限に大当りを積み重ねることができるのだ。

 青図柄揃いとチュンサン図柄揃いの比率は状況を問わず65%対35%で、400個の出玉を得られる青図柄揃い後は時短30回or100回or298回の「チャンスタイム」へ突入。チュンサン図柄揃いは出玉400個or1,000個の2パターンで、その振り分けは27%対8%となる。

 また、本機は遊タイム機能を搭載しており、低確率状態299回転消化で時短370回「恋愛チャンス」へ突入。仮に青図柄揃い後に298回の時短に突入した場合は、時短終了後1回転で遊タイムへ到達することとなる。

 演出については新規実写リーチを多数搭載しており、新しい「冬のソナタ」を満喫できること必至。実機カスタマイズで自分好みの演出バランスを調整できる点も、ファンにとっては嬉しい限りであろう。

 そんな遊びやすくも新要素を加えた本機の導入は9月6日の予定で、同社の直営店では8月27日よりフィールドテスト導入を開始予定だ。

 詳細を述べると、サンシャイン栄店とサンシャイン平針店は9時より4円パチンコに3台、サンシャイン南店は9時より4円パチンコに3台、1円パチンコに1台。

 サンシャイン蟹江店には12時より4円パチンコに2台(開放は15時)、サンシャイン植田店には14時より4円パチンコに3台設置するとのこと。話題のマシンにいち早く触れたい方は、サンシャインKYORAKUの公式HPをチェックしておくべきであろう。

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パチスロ5号機で実現した「夢コラボ」…話題沸騰中の「超ヒット作」参戦の可能性は!?

 少し前には『鬼滅の刃』だの『呪術廻戦』だのと騒いでいたような気がするが、最近は『東京卍リベンジャーズ』というヤンキー系漫画が何かと話題になっている。

 そこで今回はヤンキー系漫画の遊技機を取り上げてみたい。最初に挙げたいのが2006年にエレコからリリースされたパチスロ5号機『BE-BOP』(2006年)。

 2006年といえば翌年に4号機の撤去を控えており、5号機も各メーカーから続々と登場していた。しかし何れも苦戦しており、当時はまだアルゼだったユニバーサル系の機種も例外ではなかった。

 そのビーバップの原作となるのがご存知『ビー・バップ・ハイスクール』。言わずと知れたヤンキー系漫画の金字塔で実写化された映画も大ヒットしている。

 主人公は『加藤浩志』、『中間徹』のつっぱりコンビでケンカあり、笑いあり、恋愛ありの青春漫画でもある。そして登場人物にはモデルが存在する…ということはよくある話なのだが、それだけではないという情報もあるのだ。

 ちなみにこれは私が過去に務めていたホールスタッフに、ビーバップの原作者である『きうちかずひろ』氏の後輩だと名乗る人物から実際に聞いた話だ。

 話を戻すが、実はパチスロ化から遡ること2004年にサンセイR&Dから『CRビーバップ』としてパチンコ化されている。あの『牙狼』が世に出るのはまだもう少し先の話だ。

 きうちかずひろ氏には漫画原作者の『木内一雅』氏と言う実兄がおり、代表作はアウトロー漫画の『代紋TAKE2』という作品で、2008年にエレコから『スロット代紋TAKE2』としてパチスロ化されている。

 ヤンキー系の遊技機はまだ他にも結構ある。高橋ヒロシ氏の『クローズ』や『QP』等がそうだろう。2008年には今は亡きトリビーから『パチスロクローズ』が、2013年にはオーイズミから『パチスロQP』がリリースされている。

 その原作はビーバップとは少し違い、ケンカの要素が強い内容。女性キャラクターもほとんど登場しなかったが、結果的には超ヒット作となった。

 しかし、これらの遊技機は大ヒットと呼べる結果を残せず、設置店を探すのも難しかったような記憶がある。

『東京卍リベンジャーズ』も漫画、アニメ、実写映画化もされる等、大ヒットとなっているだけに連載終了後には…!? 可能性はあるかもしれないと思うのだが、そうなった場合にはヒット機種となることを願うばかりだ。

(文=オーハナB)
<著者プロフィール>
元ホール店員、店長経験者。パチンコ店の裏側で起きた出来事や、人間関係を題材にしたコラムを担当している。過去に話題になった業界ネタなど、時代背景を感じる記事も作成中。自身の思い入れのあるシリーズの動向にも熱い視線を注ぐ。

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 一大ブームを巻き起こした『P大工の源さん 超韋駄天』を筆頭に、『Pとある魔術の禁書目録』や『P牙狼月虹ノ旅人』など、数々の大ヒット機種がP機で誕生し、パチンコを大いに盛り上げている。

 極大の出玉性能を発揮できるようになったP機だからこそ、上記のような特大ホームランを狙おうと各メーカーがしのぎを削っているが、その一握りのトップを目指す争いのなかで苦労しているメーカーも多いだろう。

 東の古豪、西陣もまたそんな競争に苦しんでいるメーカーのひとつに見えるかもしれないが、コンスタントに良作をリリースし続けていていたりするのである。派手なホームランは少ないかもしれないが、ツーベース、スリーベースの長打を連発しているようなイメージである。

 それは特にライトミドルタイプで発揮されていて、安定性と出玉感を両立した遊びやすいマシンとなっている。最新機種『Pモモキュンソード閃撃』もそんな一台なのである。

 大当り確率が1/219.18で、初当りのほとんどは時短1回+残保留4個のRUSH突入チャレンジ「酒呑童子バトル」に移行。ここで大当りすれば、継続率約90%を誇る連チャンモード「閃撃RUSH」に突入するという1種2種混合機おなじみのゲーム性。

 その「閃撃RUSH」は時短13回転+残保留4個の構成だが、即当りを含めた決着の早い展開が特徴。疾走感あふれる昨今のムーブが反映されたモードとなっている。

 また、破格の高ループマシンながら右打ち中の20%で1000発出玉を獲得できるボリューム感も備わっている。1回のまとまった出玉をアクセントに、スピード感と出玉感が押し寄せるRUSHの打感は格別であろう。

 このように流行とファンニーズ、出玉性を巧みに取り入れたスペック力が魅力の一台だが、遊びやすさの面でも鋭さを見せているのが本機の注目ポイントでもある。それは遊タイムである。

 通常回転で550回消化すると遊タイムが発動し、250回転の電サポモードに突入する。右打ち中の大当り確率が1/7.89なので実質的には遊タイムでの大当りが濃厚。さらに電サポ中の大当りなのでRUSH突入も約束される。得られる恩恵は極めて大きい。

 発動回数が浅いうえに、RUSH突入濃厚な至れり尽くせりのハマリ救済機能となれば、それを加味した立ち回りも有効。遊タイムを加味した戦略は期待値が激高で、多くのパチンカーが意識するところであろう。

 そんなファンの声に応えるように、宵越し遊タイム狙いをアシストする機能が搭載されているのである。

 朝イチ1回転目にかぎり、筐体上部に搭載されたトップランプ(出っ張りのある装飾役物)の動向によって、ある程度ラムクリアの有無を判別できるようになっている。

 ランプが点滅しなかった場合はラムクリアされた可能性が大きく、しかも遊タイムまでの道のりは判然としない。一方、5秒間ほど点滅した場合は据え置き&遊タイムまで残り219回以内に期待できる。

 ちなみに、一瞬点滅するパターンもあり、その際は遊タイムまで残り550回転以内と大雑把な状況しか確認できないので注意が必要である。

 ライトミドルタイプやコンテンツの種類も関係するのだろうが、ヘビーな層やマスに対してあまり訴求していかないが、優秀なスペックと充実の機能で地味に良台の『Pモモキュンソード閃撃』。注目である。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

 

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JRA「デビュー24年」重賞勝ちゼロの苦労人が掴んだチャンス! 降ろされた馬が重賞勝ちの屈辱から4年、武豊も折り合えなかった“暴れん坊”に再登板

 29日、新潟競馬場では芝1400m戦の朱鷺S(L)が行われる。19年のきさらぎ賞(G3)優勝馬ダノンチェイサーや、G2に出走した近2走で連続3着と好走のカイザーミノルなど、実績馬が名を連ねている。

『netkeiba.com』の予想オッズによると、先述の2頭に続く3番人気に推されているのがダディーズビビッド(牡3歳、栗東・千田輝彦厩舎)だ。前走は葵S(G)で2番人気に推されたが、16着に大敗。今回が仕切り直しの一戦となる。

「引っ掛かってしまった。スイッチが入ってコントロールが利かなかったですね」

 レース後に出された武豊騎手のコメントでも伝わるように、それまでダディーズビビッドを手中に収めていた名手をもってしても、スイッチが入った“暴れん坊”を制御できなかった。

 初めての1200m戦だった前走。好スタートを決めるとスッと好位に取りつき、流れに乗っていると思った矢先、頭を激しく振るシーンもあったダディーズビビッドは折り合いを欠いてしまう。

 武豊騎手が必死に手綱を引っ張って宥めるも、一度リズムを崩した影響か、直線で外に持ち出されても全く伸びなかった。

「武豊騎手の他にダディーズビビッドには、大野拓弥騎手や浜中俊騎手が乗ってきましたが、みんな折り合うのに苦労していました。しかし、ただ1人だけピタリと折り合い、完璧にエスコートした騎手がいます。それが、竹之下智昭騎手です」(競馬記者)

 今回、ダディーズビビッドの手綱を任された竹之下騎手は、デビュー24年目で10月に42歳を迎えるベテランジョッキーだ。同期に池添謙一騎手や酒井学騎手などG1ジョッキーがいる。

 98年にデビューした竹之下騎手は、デビュー初勝利が降着でお預けになるアクシデントがあったものの11勝。2年目は13勝、3年目は16勝と僅かではあるが着々と勝ち星を年々増やしていった。ただ、年間勝利数が二桁となるのは現時点では3年目が最後だ。4年目以降は、勝利数一桁が続いており、0勝の年も珍しくない。現在までJRA通算93勝、重賞勝ちにもまだ縁がない苦労人である。

 そんな竹之下騎手を語る上で欠かせない馬が、テイエムジンソクだ。同馬は、デビュー戦から18戦目まで竹之下騎手がずっと乗ってきた苦楽を知るパートナーだったが、19戦目で乗り替わりとなるという憂き目に遭った。

「テイエムジンソクが竹之下騎手から替わった途端、一気の3連勝。その後、重賞2勝を挙げると、G1でも2着に好走しました。それまで乗り続けていた竹之下騎手にとって、最大のチャンスを逃がしたことは、相当悔しい想いをしたことでしょう」(同記者)

 しかし、その後も腐らず地道に騎手を続けた竹之下騎手の努力が報われたのが一昨年。「正直、無理だと思っていた」と、語っていた日本ダービー(G1)初出場を果たした。

 武豊騎手は自身のブログにて、「性格のいいナイスガイ。いい馬に乗れば、腕は見せられるんです」と評価している竹之下騎手の再登板。今週末の朱鷺Sでも、その腕が見られることに期待したい。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。

JRA「超光速の粒子」アグネスタキオンの“長男坊”が輝いた16年前の夏、そして「非業の死」を遂げた10年前の春

 29日、新潟競馬場で行われるのは、2歳のマイル重賞・新潟2歳S(G3)。現在の芝外回り1600m、左回りコースで施行されるようになった2002年から、今年でちょうど20年目を迎える。

 キャリアの浅い若駒が集い、日本で最も長い659mの直線が待ち受けるこのコース。とにかく道中はスローペースで流れ、瞬発力勝負になりやすいのが特徴だ。

 この傾向を裏付けるように勝ち馬19頭のうち、実に16頭が差しか追い込み。逃げ切り勝ちは1頭もいない。そんな追い込み馬が台頭しやすいレースで、最もインパクトある勝ち方を見せた1頭が05年の覇者ショウナンタキオンだろう。

 その名前からも分かるとおり、父は01年の皐月賞馬アグネスタキオン。4戦無敗のまま故障で引退した父の無念を晴らすべく、その初年度産駒として05年にデビューした。

 馬名にある「タキオン」とは「超光速の粒子」という意味で、父アグネスタキオンはその名の通り、数少ないキャリアで名前負けしない圧倒的なスピードを見せつけた。その父に種牡馬としての重賞初勝利をプレゼントしたショウナンタキオン。05年9月4日、重馬場で披露した豪脚は、まさに父の現役時代を彷彿とさせる切れ味だったといえるだろう。

 新潟芝1400mのデビュー戦を快勝して臨んだショウナンタキオンは、初重賞の2戦目で堂々1番人気に支持された。

 7枠13番の外目の枠からスタートで大きく立ち遅れると、最後方17番手をケイコアデージョと併走。田中勝春騎手は、最後の長い直線でショウナンタキオンを大外に持ち出し、末脚勝負に懸けた。

 直線を向いた時点ではまだ最後方にいたものの、鞍上がゴーサインを送ると、瞬時にトップギアに。残り400m地点でムチが入ると、あっという間に先頭に躍り出た。

 ショウナンタキオンは、重馬場に苦しむライバルたちを尻目にそのスピードを落とすことなく、最後は2着馬に5馬身差をつけた。直線だけで16頭をごぼう抜きにした上がり3ハロンの時計は重馬場としては驚異の33秒9。2着に入った上がり2位のニシノフジムスメの35秒3を実に1秒4も上回る、まさに超光速の末脚だった。

 その後はデビュー3連勝を懸けて、朝日杯FS(G1)に出走。3番人気に支持されたが、フサイチリシャールの4着に敗れた。3歳以降は、期待に沿う成績を残せなかったショウナンタキオンだが、新潟競馬場には非常に縁がある馬だった。

 皐月賞(G1)で17着に大敗した後に休養に入り、1年ぶりに実戦復帰したのがデビュー戦と同じ新潟芝1400mが舞台の谷川岳S(OP)。そのレースは5着に敗れたが、2か月半後には新潟マイル戦で自己条件(1000万下=現2勝クラス)を完勝。新潟2歳S以来、1年10か月ぶりの美酒を味わった。

 復調したかに思われたが、1600万下(現3勝クラス)に昇級後は連戦連敗。5歳夏から7歳秋まで2年2か月という長期休養を挟み8歳春まで現役を続けた。

 ショウナンタキオンにとって生涯最後のレースは新潟のマイル戦だった。2桁着順が当たり前になっていた8歳馬が出走したのは11年4月に行われた魚沼S。重賞制覇を果たした舞台で6年ぶりに輝きを取り戻すか……。そんな淡い期待を胸に中団を進んだショウナンタキオンだったが、4コーナーで前に崩れ落ちるように転倒し、競走中止。直線を迎えることなく非業の死を遂げた。

 11歳で早逝したアグネスタキオンの初年度産駒として、ショウナンタキオンが輝いたのはほんの一瞬だったかもしれない。しかし、16年前の夏、我々に与えた衝撃は今後も色褪せることはないだろう。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

スズキはトヨタの“下請け”になるのか?トヨタのアフリカ進出の“先兵”に

 トヨタ自動車を中心とする商用車の技術開発提携である脱炭素連合に、スズキとダイハツ工業が加わることになった。大型トラックを製造するいすゞ自動車と日野自動車に、商用の軽自動車を扱うスズキとトヨタ子会社のダイハツが合流し、軽商用車でもコネクテッドカーや電動化、自動運転などCASEと呼ばれる次世代技術・サービスの開発に5社で取り組む。

 トヨタ、いすゞ、日野が4月に設立した共同出資会社「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)」にスズキとダイハツが10%ずつ出資する。トヨタの保有分を譲り受ける。トヨタの出資分は80%から60%に下がる。いすゞと日野は各々10%のまま。トヨタ以外の4社の出資比率は横並びとなる。

 CJPTはトラックを中心に、商用車の技術開発を目的に設立された。軽のスズキとダイハツが加わることで、大型トラックから軽商用車まで、商用車のフルラインナップとなる。コネクテッドと安全技術、電動化の3点を重要領域として挙げている。コネクテッドでは「ラストワンマイル」(最終拠点からエンドユーザーへの物流サービス)を担う軽商用車までのデータ基盤を構築し、物流ルートの効率化につなげる。

 安全技術ではコストを抑えた先進安全技術を開発する。電動化では温暖化ガス排出量をゼロとする「カーボンニュートラル(CN)」に向けた技術協力を行い、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)など電動化した軽自動車を開発する。

 スズキ、ダイハツのトップと一緒にオンラインで記者会見した豊田章男・トヨタ社長は「軽商用車は収益面だけを考えれば非常に厳しいと思うが、日本になくてはならない車」と指摘。「決まったルートを走る商用車とCASE技術は相性が良い」とし、「物流現場の課題を解決したい」と語った。

長年のライバルだったスズキとダイハツが手を握った理由

 長年ライバルだったスズキとダイハツが軽商用車のEVの技術開発で提携する。2021年3月期の軽商用車の国内シェアは、軽バンや軽トラックの「ハイゼット」を販売するダイハツが37%、軽バン「エブリィ」、軽トラ「キャリイ」を主力に持つスズキが30%と激しく競り合っている。

 ダイハツの奥平総一郎社長は「いまの価格を維持したまま二酸化炭素(CO2)の排出量を減らすのは並大抵のことではない」と軽商用車を電動化する難しさを力説した。

 軽自動車の主戦場である地方は人口減に歯止めがかからない。商用車は軽乗用車に比べ1台当たり20万から40万円も価格を抑えているうえに、あぜ道などで出力を高めることが必要で生産コストがかさむ。その一方で、世界的な脱炭素の機運もあって、電動化への対応は急務となっている。スズキとダイハツが組むのは、「お金のかかる部分」(奥平社長)の開発を分担することでコストを抑える狙いがある。

 大型トラックを使って運んだ荷物を一時的に都市近郊に集め、そこから軽商用車で客先まで運ぶなど、新たな需要が生まれるとの読みもある。

 軽商用EVは三菱自動車工業の「ミニキャブ・ミーブ」が稼働しているだけだ。日本郵便は東京を中心に1200台のミニキャブ・ミーブを導入し、脱炭素に向けて動き出した。宅配大手の佐川急便は中国製の軽商用EVバン7200台を導入すると発表している。ダイハツ、スズキにとって軽商用EVの商品化が喫緊の課題となっている。

 6月の株主総会で新社長に就任したダイハツの奥平氏の初仕事がライバルのスズキと商用軽EVで提携することだった。奥平氏はトヨタの専務役員からダイハツの社長に送り込まれた。

トヨタがスズキを取り込んだ狙いはアフリカ市場を攻める先兵にするため

 カリスマ経営者だった鈴木修会長が相談役に退いたスズキはどこに行くのか。「トヨタの先兵としてアフリカに行く」(外資系証券会社の自動車アナリスト)と予想されている。

 トヨタはアフリカ事業を加速させている。昨年9月、小型車「トヨタ・スターレット」をアフリカで売り出した。アフリカでトヨタ車の販売を担うのがグループ商社の豊田通商。スズキがインドで生産している「バレーノ」のOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けた。価格は5人乗りで130万円からに抑えた。アフリカで手薄だった小型車を強化し、経済的に富んできたアフリカで増え続ける中間層を取り込む。

 バレーノは小型車としては室内空間が広めに設計されており、高身長の人が多い地域でも乗りやすい。インドで高いシェアを持つスズキから供給を受けることで、価格を抑えることが可能だ。現在アフリカで販売する小型車の中心価格帯である200万円台を大幅に下回る価格で売れるのが強みだ。

 21年中にスズキからSUV「ビターラブレッツァ」やセダン「シアズ」、ミニバン「エルティガ」のOEM供給を受け、トヨタ車としてアフリカ市場に投入することを計画している。スズキは22年から豊田通商のガーナ工場で「スイフト」を生産し、アフリカ市場に投入する。

 スズキは19年にトヨタと資本提携した。スズキがトヨタから電動車技術の供給を受ける見返りに、トヨタはインドやアフリカ市場でスズキ車のOEM供給を受けるなど、協業の実を上げつつある。

 豊田通商は「20年に97万台だったアフリカの新車市場が25年に約1.5倍の150万台に成長する」と試算している。脱炭素は世界的なテーマだが、アフリカでは充電インフラが普及しておらず、走行距離が短いEVを売り込むのは当面、難しい。HVは値段が高いというネックがある。「そこで、スズキから低価格のクルマの供給を受け、アフリカでトヨタブランドの浸透を図る」作戦だ。

 スズキは近い将来、トヨタの「下請け」となるのだろうか。アフリカでの現状からも、そうした見方も広まっている。

(文=編集部)

事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。

こんにちは、コピーライターの阿部広太郎です。

電通のコンテンツビジネス・デザイン・センターに所属し、コンテンツの企画・プロデュースの仕事をしております。

先日、ディスカヴァー・トゥエンティワンから書籍『それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』を刊行しました。

それ、勝手な決めつけかもよ?
ディスカヴァー・トゥエンティワン、288ページ、1650円(税込)、ISBN 978-4799327371

先の見えない時代にあふれる不安や心配事を、「解釈」を変えることでやわらかく受け止め、自分の納得いく生き方をたぐり寄せるための本です。

「周りの空気がこうだから自分もこうじゃなきゃいけない」
「親や先輩が言っているんだからその通りにしないといけない」
「みんながこうだからこういうものなんだ

そんな勝手な決めつけを自分自身に課してしまうことはありませんか?

心の声を聴いて、自分なりの解釈をすることで自分らしく生きていけるのではないかと僕は考えています。この連載では、コピーライターだからこそできる、視点の変え方を具体的な事例とともに紹介していきます。

解釈を猛烈に意識したきっかけ

2020年、コロナ禍において私たちにとっての「当たり前」はどんどん変わっていきました。急速に変化していく価値観に振り回されすぎないためにも、物事の受け取り方、つまりは解釈を考えていく必要があると強く思いました。

なぜ僕がこの本を書くのか?その志を綴った文章をここに紹介させてください。

僕が「解釈」という言葉を猛烈に意識するきっかけになったのは、哲学者のニーチェの言葉がきっかけでした。


事実というものは存在しない。
存在するのは解釈だけである。
ーーーニーチェ

 
コロナ禍で何度、
この言葉をかみしめただろう。
そして、自問自答した。
 
目の前に現れた厳しすぎる現実。
これは、事実じゃないのか?
 
悔しいこと、苦しいこと、切ないこと。
どうしてこうなるんだって下を向いた。
スマホでSNSに目を向けてみれば、
追いきれないほどの情報が迫ってくる。
スクロールしつづけて、ふと虚しくなる。
 
今は、正解のない時代と言われている。
だけど、だれかが見つけた正解に、
飲み込まれそうな自分がいた。
 
胸のつかえがおりたのは、
オンライン講義のおかげだった。
ステイホームの日々、
コピーライターとして
自宅からいくつもの講義に登壇し、
全国各地の参加者に語りかけた。
 
伝えているのは、物事の見方、捉え方。
考え、見つけ、言葉にして分かち合う。
それは広告づくりの取り組み方、そのものだ。
距離を超えて、教室にいるかのように熱を込めて。
そしたら想像以上に、受け取ってもらえた。
 
「気持ちが楽になりました」
「心がふっと軽くなりました」
「肩の荷が下りて救われました」
 
ありがたすぎる言葉に胸が熱くなり、
そして遅ればせながら気づいた。
自分のしてきたことはまさに、
ニーチェの言っている「解釈」なんだ。
 
もうこのままだと厳しいだなんて、
勝手に決めつけていたのは僕じゃないか。
だれかの言葉に振り回されなくていい。
だれかの正解を鵜呑みにしなくていい。

目の前にある現実をどう捉えるか?
それは僕が、あなたが、
決めることができる。
 
勝手に自分を諦めない。
勝手に自分を決めつけない。
勝手に自分をみくびらない。

心に漠然とした閉塞感を抱くのは、
解釈が足りないだけかもしれない。
積極的に解釈してみる。
目の前に立ちはだかる壁にも、
見晴らしのいい窓があるかもしれない。
 
今のあなたのままでいい。
無理に変わろうとしなくていい。
代わりに時代が変わってくれるから。
心がざわついた時こそ解釈の出番だ。
解釈を変えれば、可能性が見えてくる。
より良い方へと僕たちを運んでくれる。
 
取り返したい過去を、向かいたい未来を、
自分の現在を中心にして解釈することで、
納得できる日々をたぐり寄せることができる。
今が一番だと自分を肯定することができる。
そう、すべては解釈次第。
 
僕は、ニーチェにこうアンサーする。

解釈は自分を肯定する翼。
だれかの正解にしばられず、
不安も心配事もやわらかく受け止め、
少しずつでも、自分らしく生きていく。
過去の後悔も、未来の不安も、
自分の正解に変えられる。

自由への翼を、一人でも多くの人に広げていきたい。
羽ばたく練習を、あなたと一緒にしていきたい。
 
これが僕の使命だ。
だからこそ、
一通の「招待状」をあなたに渡したい。


「はじめに」も「招待状」として解釈できる

書籍の構成は、下記のような章立てにしています。

■「はじめに」という名の「招待状」

■ 第1章 自分篇・自分の知らない自分と出会う

■ 第2章 現在篇・今こそ積極的な受け身を

■ 第3章 過去篇・「今思えば」は魔法の言葉

■ 第4章 未来篇・解釈する先に人は進める

■「おわりに」という名の「はじまり」


書籍の導入を書くのが「はじめに」です。その文章を「招待状」と自分なりに解釈して、スタートを切ってもいいはずです。これからはじまるこの連載も、解釈とともに生きていく招待状になれたらと願っています。

次回から、具体的な解釈の事例をまじえつつ書いていきますね。

書籍を刊行してから感激した出来事がありました。「ほぼ日刊イトイ新聞」を主宰する糸井重里さんにコメントを頂けたのです。

毎日、同じ部屋で語り合ってるような、
たいていの人の相手になってくれる本。

この連載が、そして僕の書籍『それ、勝手な決めつけかもよ?だれかの正解にしばられない「解釈」の練習』が、今という揺れる時代の中で寄り添えたらとてもうれしく思います。これからどうぞ、よろしくお願いします。

 

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捕鯨、再開から2年で八方塞がり…鯨肉の需要低迷、“補助金漬け”の商業捕鯨に限界

 日本がクジラの資源管理を協議する「国際捕鯨委員会(IWC)」から脱退し、商業捕鯨を再開してから丸2年が経過した。もともと鯨肉を食べるのはごく一部の層に限られる上、新型コロナウイルス感染拡大を受けた飲食店の休業などが響き、需要は低迷の一途をたどる。「捕鯨にケチをつけられたくない」と考える二階俊博・自民党幹事長らのナショナリズムからIWCを脱退したわけだが、そこには緻密な戦略がなく、商業捕鯨の展望を描ききれない悲惨な事態に陥っている

食文化に文句言うな

「どうして他国の食文化に文句を言い、高圧的な態度で出てくる国があるのか。日本が他国にそんなことをしたことがあるのか」。この発言は2018年12月、捕鯨で有名な和歌山県を地盤とする二階氏によるものだ。同氏はIWC離脱について、「脱退も辞さないと警告してきた。並々ならない決意であることを理解してほしい」と語気を強めた。その半年後の19年6月、脱退が実現した。

 IWCはもともと、クジラの持続的な利用を目指すために作られた組織だ。にもかかわらず、米国やオーストラリアなどはいつの間にか保護一辺倒に傾斜した。クジラには知能があるから食べることはかわいそうなど極端な主張も聞かれる。親捕鯨国と反捕鯨国の勢力が拮抗し、感情的な対立が影響してか、何も決められない機能不全に陥ったため、日本政府は脱退という切り札を使った。

 ただ、脱退という選択肢には疑問点もつきまとう。脱退の議論は2010年代に入ってからくすぶっていたとされるが、いざ商業捕鯨が再開されるとなっても、日本周辺の漁場を把握しきれていないなど、準備不足の感は否めない。経営面では、捕鯨業者の足腰も弱いままだ。

脱退は間違い

 国際社会では、米国のトランプ政権発足後、自国優先主義が台頭している。日本はこれまでも対話を重んじてきたが、「しびれを切らした政治家の意向で出て行ったにすぎない」(関係者)のが実情。本来なら、IWCに残って自国の主張を展開した上で、堂々と商業捕鯨を再開する手法が王道のはず。

 業界関係者は31年ぶりの商業捕鯨再開に沸いたが、実は八方塞がりになっている。日本政府は捕獲できる頭数に上限(21年は295頭)を設けており、獲り放題ではない。このため、経営を安定させるためにも、業界側は政府に対し、上限の引き上げを強く求めている。鯨肉は給食で竜田揚げとして提供されるなど、かつては身近な食材だった。しかし、冒頭でも触れたように、食すのは高齢者が中心のため需要拡大は難しい。しかも、外食需要が激減しているため、状況はかなり悪い。

 そうしたなか、果敢な挑戦に挑む企業がある。それは捕鯨大手の共同船舶。同社は今年5月、60億円を投じ、捕鯨母船「日新丸」の後継船として、南極海でも操業できる新母船を建造すると発表した。日新丸は19年に終了した調査捕鯨を担っていたが、同年以降は日本近海で商業捕鯨を行っている。

 商業捕鯨は商売とうたいつつも、多額の補助金が費やされているのは疑いようのない事実。同社は建造する際、国の補助金には一切頼らず、自己資金でまかなうと説明している。クラウドファンディングや融資などが財源となる。

南極捕鯨、国際批判も

 同社は将来的な上限の引き上げを当て込み、新母船の建造を決めた。逆にいえば、捕獲量を増やさなければ、経営状況の改善が見込めず、捕鯨ビジネスそのものが危機に瀕するというシグナルを発したことになる。商品開発を通じ、若年層もターゲットにしていく考え。ただ、多種多彩な食べ物が世にあふれるなか、供給を増やしても、市場が拡大していくかどうかは見通せない。関係者は「母船建造は一種の賭けのようなものだ」と指摘する。

 新たな母船は、大型のナガスクジラを捕獲するため、南極海に出向く可能性がある。現時点では、商業捕鯨に対する国際的な批判はあまり起きていない。ただ、オーストラリアは南極海を自分たちの庭ととらえており、実際に南極海で捕鯨を行えば、日本は国際社会から厳しい批判を浴びそうだ。

 見切り発車でスタートした商業捕鯨。鯨肉の需要減退と国際社会の厳しい目線にどう対処するか。明確な答えは出ていない。

(文=編集部)

東京五輪・日本人選手のメダルラッシュの理由…医師が医学的見地から考察

 開催に賛否両論が渦巻き、新型コロナウイルス感染症の罹患者数が激増していくなかで行われた東京オリンピックも8月8日に無事終了した。日本選手団は、金27個、銀14個、銅17個の計58個のメダルを獲得し、米国、中国に次いで堂々の3位。まさに称賛に値する。

 熱帯並みの高温多湿の日本の気候への不慣れ、コロナ禍のためにその気候に慣れるための日本での事前の合宿練習が十分できなかった外国選手団の体調が必ずしも万全ではなかったことなど、日本選手団への「地の利」は働いたものの、このメダル獲得数は見事といわざるを得ない。

 メダル獲得後のインタビューでメダリストたちから、支えてくれた両親、コーチ、仲間をはじめ、周りの人たちへの「感謝」が異口同音に発せられていたのは驚きであった。逆にいうと、日頃、周りの人々はじめ、すべての事象に対して「感謝」の気持ちを持っている人がメダリストになれるのではないか、とも思われる。

セリエのストレス学説

 ストレス(stress)という物理学用語を初めて医学用語として使ったカナダのハンス・セリエ博士(1907~1982)のストレス学説はこうだ。

 博士は外界の変化や精神の興奮によって起こる刺激(心身の負担)を“stressor(ストレッサー)”と呼び、その結果生ずる生体の変化を“stress(ストレス)”と名付けた。生体にストレッサーが加わると、交感神経や副腎(髄質、皮質)が刺激されて、アドレナリンコルチゾールなどのホルモンが分泌され、血糖や血圧が上昇する。これは生体が力を出し、外敵や心身への負担と戦おうとする防衛反応であるが、長く続くと病気が発症する。これが「セリエのストレス学説」である。

 セリエ博士は晩年にがんを患ったが、西洋医学の治療を拒否し、「自分の生涯はストレスの多い生活だったから、ストレスを取ることでなんとかがんを克服したい」と種々の方法を試みた。最後に「西洋人には希薄だけれども、東洋人独特の“感謝”の気持ちを持つことが心を安寧にし、ストレスを取るのに一番大切」と悟られて、毎日、周囲の人たち、自然、神、自分の置かれている環境などに感謝の気持ちを抱いて生活したところ、見事がんを克服することができた、という。

 どんな競技でもメダルを獲得する人たちの体力や技術は拮抗しており、勝負の分かれ目は精神力にあると思われる。競技にあたっては異常な緊張状態にあり、その結果アドレナリンやコルチゾールが分泌され、交感神経が刺激されて、血管が収縮し、血流が悪くなるため体が硬くなり、存分な力を発揮できない選手がほとんどであろう。

 そんな状況で感謝の念を持ち続けると「リラックスの神経」「休息の神経」といわれる副交感神経の働きを活発化させ、その結果、ストレス(緊張)が取れ、本来の力を発揮できる。今回の東京オリンピックでの日本選手のメダルラッシュの背景には、セリエ博士が指摘した外国人には希薄で日本人独特の“感謝の気持ち”があったのではなかろうか。

オキシトシン

 メダリストたちが口にした「感謝」は、周りの人たちから受けた種々の「親切」に対して発せられたものである。

 イギリスの生物化学者のデイビッド・R・ハミルトン博士が2017年に上梓した“The Five Side Effects of Kindness(親切の5つの副作用)”にはとても興味深い内容が書かれている。

(1)「親切」は幸福をもたらす

(2)「親切」は人間関係を良好にする

(3)「親切」はどんどん広がっていく

というもので、これらの効果はすべて“oxytocim(オキシトシン)”という脳下垂体後葉から分泌されるペプチドホルモンを通して行われるとのこと。オキシトシンは別名「愛情ホルモン」「抱擁ホルモン」「絆ホルモン」「信頼ホルモン」とも呼ばれ、親子、家族、友人同士の愛情や信頼を高める作用がある。

 周りの人たちから受けた「親切(恩)」に対して見事メダルを取って恩返しをすることによって、その周りの人たちも幸福になる。そしてその幸福はどんどん広がっていく。今回のメダルラッシュで多くの日本人が幸せな気持ちになったのが何よりの証左だ。

 なお、他者に対して「親切」にすることで分泌されるオキシトシンには、ほかに

(4)動脈壁での一酸化窒素(NO)の合成を促して動脈硬化予防

(5)心臓保護作用

(6)心筋も含めた筋肉再生作用

(7)抗炎症作用

(8)免疫力増強作用

(9)抗老化作用

(10)抗うつ作用

もあるとハミルトン博士は指摘している。

 他者に親切にすると、自分自身にも恩恵が返ってくるのである。

(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)

●石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士

1948年長崎市生まれ。長崎大学医学部を卒業後、血液内科を専攻。「白血球の働きと食物・運動の関係」について研究し、同大学大学院博士課程修了。スイスの自然療法病院B・ベンナー・クリニックや、モスクワの断食療法病院でガンをはじめとする種々の病気、自然療法を勉強。コーカサス地方(ジョージア共和国)の長寿村にも長寿食の研究に5回赴く。現在は東京で漢方薬処方をするクリニックを開く傍ら、伊豆で健康増進を目的とする保養所、ヒポクラティック・サナトリウムを運営。著書はベストセラーとなった『生姜力』(主婦と生活社)、『「食べない」健康法』(PHP文庫)、『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、石原慎太郎氏との共著『老いを生きる自信』(PHP文庫)、『コロナは恐くない 怖いのはあなたの「血の汚れ」だ』など、330冊以上にのぼる。著書は韓国、中国、台湾、アメリカ、ロシア、ドイツ、フランス、タイなど世界各国で合計100冊以上翻訳出版されている。1995~2008年まで、日本テレビ系「おもいッきりテレビ」へのレギュラー出演など、テレビ、ラジオ、講演などでも活躍中。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩の御殿医。

『おかえりモネ』で注目度急上昇、恒松祐里の魅力…『全裸監督』から朝ドラまで幅広い演技力

 現在放送中の朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)。“東京編”に突入してしばらく経つが、1人注目したいキャラクターがいる。

 清原果耶演じるヒロイン・永浦百音の幼馴染で、同級生の野村明日美である。気仙沼時代はあまり目立つことはなかったが、百音の上京後、その下宿先に転がり込んで一緒に住むなど、出番が大幅にアップ。ともすればシリアスな展開になりがちな本作だが、百音と違ってハキハキとしたキャラを武器に、要所要所で物語を明るく照らす太陽のような存在になっているのだ。

幼稚園の頃から芸歴スタート、転機は2015年

 今回は、この明日美を演じる恒松祐里の魅力について探っていきたい。

 恒松祐里は1998年10月9日生まれの現在22歳。若手女優ではあるが、意外と芸歴は長い。幼稚園児の頃、照れ屋な性格を心配した両親の勧めで受けたオーディションに合格したことが芸能活動の始まり。6歳だった2005年に放送された連続ドラマ『瑠璃の島』(日本テレビ系)で子役としてデビューした。

 だが、最初に注目を浴びたのは演技ではなかった。それは13年、夏の恒例番組『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)内の人気コーナー“さんま・中居の今夜も眠れない”でのこと。明石家さんまが、直近1年間で気になった女性を発表する“ラブメイト10”で、当時14歳だった彼女を第6位に選んだことで大反響を呼んだ。

 当然、まだ無名の少女で、業界内でも「あの子は誰だ」と噂になった。ちなみに、さんまとの関係は、FUNKY MONKEY BABYSのラストシングル『ありがとう』のPVに女子生徒役で登場し、共演したことによる。

 ちょうど同じ頃、恒松は自分なりに演技のコツがつかめてきたと述回している。オーディションでも褒められることが増え、最後まで残れるようになり、芝居が楽しくなってきたという。大きな自信になった作品の撮影も、この時期のこと。

 15年2月に公開された映画『くちびるに歌を』(アスミック・エース)で、女子中学生・仲村ナズナを好演。特に、新垣結衣演じる合唱部の顧問・柏木ユリからの「なんでそんなに合唱がんばれるの」という問いかけに対して、「ただ(合唱が)好きってだけじゃ、いかんとですか」と答える場面の存在感は圧巻だった。「いっぱい考えて考えて考えた結果、『ただ好きってだけじゃダメですか』っていう答えしか思い浮かばなかった」という演技が、実にリアルだったのである。

 この15年は、土屋太鳳がヒロインを務めた朝ドラ『まれ』にも出演。実は『おかえりモネ』よりも遥か以前に、すでにNHKの朝ドラに出演を果たしていたのだ。このときは第4週に登場し、桶作元治(田中泯)・文(田中裕子)夫婦の孫である友美役を演じている。

 さらに10月には連続ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ系)に主人公・桜庭潤子(石原さとみ)の妹・寧々役で出演。原作のネガティブなキャラクターとは違って、元気な女子高生だった。お姉ちゃんが大好きで応援したり、結婚をけしかけたりしたかと思えば、イケメン高校生にときめいたりと、ハツラツとした演技が実に印象的であった。潤子に鋭いツッコミを入れる場面もあるなど、仲の良い姉妹関係が描かれており、観るものに「こんな妹がいたらいいな」と思わせる好演を見せた。

 そしてこの15年を転機として、次々と話題のドラマに出演していくようになる。16年には大河ドラマ『真田丸』(NHK)で堺雅人演じる主人公・真田信繁の長女・すえ役を、18年には『もみ決して冬~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)で主人公・北沢秀作(山田涼介)の恋人である池江里子役を演じ、一躍注目を浴びている。

振り幅の広い演技が特長

 20年には『女子高生の無駄づかい』(テレビ朝日系)で、岡田結実演じる主人公・田中望(ニックネーム・バカ)の親友である菊池茜(ニックネーム・ヲタ)を好演。漫画家志望でBL(ボーイズラブ)が大好きな腐女子オタクだが、親友のバカには容赦なく突っ込むという“おいしい”役どころであった。

 また、同年は『100文字アイデアをドラマにした!』(テレビ東京系)で、地上波ドラマ初主演を果たした点もポイントだろう。

 今年に入ってからも、白濱亜嵐主演の『泣くな研修医』(テレビ朝日系)で医療系ドラマに本格的に挑戦。主人公・雨野隆治の研修医仲間である中園くるみ役を演じた。このくるみは優等生キャラでクール、何より負けん気が強くてドSという役柄で、強烈なインパクトを残したのである。

 映画でも『凪待ち』(キノフィルムズ)、『アイネクライネナハトムジーク』(ギャガ)、『シグナル100』(東映)、『スパイの妻 劇場版』(ビターズ・エンド)など、次々と話題作に出演。ヒロインの美波役を務めた『凪待ち』では“おおさかシネマフェスティバル2020”で見事、新人女優賞を受賞している。

 そしてなんといっても忘れてはならないのが、『全裸監督』(Netflix)の第2シリーズ出演だろう。『全裸監督』は“成人向けビデオの帝王”といわれた村西とおる監督の半生を描いたNetflix制作のネットドラマ。山田孝之主演で19年に第1シリーズが配信され、大ヒットを記録した。

 その第2シーズンが今年6月24日から配信を開始されたが、恒松はシーズン2のヒロイン・千葉ミユキを演じているのだ。この役は、のちに村西とおるの妻となるセクシー女優・乃木真梨子がモデルである。この作品で恒松は女性特有の色っぽさもある一方、少女のようなあどけなさと天真爛漫さが垣間見えるという絶妙な演技を披露した。

 こうして見てくると気づかされるのは、彼女は実にさまざまなキャラクターを器用に演じ分けられるということだ。『全裸監督』のような艶っぽい作品から爽やかな朝ドラまで、振り幅が広いのである。つまり、何もない真っ白な状態からそれぞれの役の個性をつかむのが抜群にうまいといえるだろうか。

 そんな彼女の真骨頂ともいえるのが、今年7月に発売された1st写真集『月刊 恒松祐里 優』(小学館)だ。この写真集は、長崎県五島列島の福江島と千葉県のレトロなラブホテルで撮影したものなのだが、前者は前述した映画『くちびるに歌を』のロケで約1カ月過ごし、自身が“第2の故郷”と呼んでいる場所。それだけに、表情もかなりリラックスしていて、開放感に溢れている。大人っぽい中にも清楚で品のある雰囲気を漂わせているのだ。

 逆に後者は『全裸監督 シーズン2』の時代設定に合わせたかのように、1980年代後半から90年代前半の世界観がテーマ。そこでセクシーな大人の女性の表情をみせている。まさに異なる表情を自在に操っているのである。

演技力に磨きをかけたキャリア

 こうした演技力は、子役からのキャリアの賜物ともいえる。7歳の頃からオーディションを受け続け、17歳の頃まで月に2回程度受けていたという。ざっと計算すると10年間で240回にも上る。キャリアに裏付けされた演技力があるからこそ、さまざまな役柄に対応できるのだ。

 そして『おかえりモネ』である。百音と菅波光太朗(坂口健太郎)の恋模様も気になるところだが、恒松演じる明日美にも何か新展開があるかもしれない。百音が勤務するウェザーエキスパーツの社員・内田衛(清水尋也)と連絡先を交換しているからだ。内田は控えめでオタクっぽく頼りない印象だが、実は気象予報士試験に一発合格した秀才である。その頭の良さに惚れ込んだ明日美が、持ち前の明るくチャキチャキとした性格でグイグイ迫っていく……なんていう展開も十分考えられるのだ。朝ドラは百音だけではなく、ぜひ恒松祐里演じる野村明日美にも注目していただきたい。
(文=上杉純也/フリーライター)