JRA福永祐一「申し訳ない」“勝率100%”シャフリヤールは「何故」敗れたのか。道悪適性だけで片付けられない安藤勝己氏も示唆した「不安要素」とは

 26日、中京競馬場で行われた神戸新聞杯(G2)は、2番人気のステラヴェローチェが勝利。春は皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)ともに3着に泣いた“善戦マン”が、3度目の正直となる菊花賞(G1)へ大きく前進した。

 レース後、鞍上の吉田隼人騎手が「前哨戦を勝ってくれたので、次はどんな馬が来ても『やってやる!』という感じで挑みたい」と菊花賞へ意気込めば、元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterで「間違いなく本番に繋がる勝ち方。これを機に一皮も二皮も剥けてくる」と絶賛。

 皐月賞馬エフフォーリアが天皇賞・秋(G1)へ回ったこともあって、ラスト一冠の主役が定まった印象だ。

 一方、単勝1.8倍の支持を集めながら痛恨の4着に沈んだのが、ダービー馬シャフリヤール(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)だ。

「1番人気に応えられず申し訳ない……」

 近10年、ダービー馬が神戸新聞杯へ出走した5頭はすべて勝利。“勝率100%”という鉄板データに後押しされたシャフリヤールだったが、降りしきる雨、そして36年ぶりの不良馬場というイレギュラーな状況には通用しなかった。「良馬場でこそのタイプだと感じました」とは、主戦の福永祐一騎手の敗戦の弁だ。

 この結果には、藤原調教師も「これだけ雨に降られたら……得手、不得手が出てしまった」と恨み節。来週の凱旋門賞(仏G1)に挑むクロノジェネシスを筆頭に、抜群の道悪適性を誇るバゴ産駒のステラヴェローチェとの明暗が大きく分かれた。

 ただ、今回のシャフリヤールの敗因は「単純な道悪適性だけではない」と記者は話す。

「福永騎手や藤原調教師が話している通り、シャフリヤールが不良馬場の影響で本来の力を発揮できなかったことは確かだと思います。ただ、個人的にそれ以上に気になったのが本馬のイレ込み具合でした。

というのも、シャフリヤールの8枠10番という大外枠は、馬場状態を考えれば(馬場の良い外を回りやすくなるため)有利な枠になるはずでした。しかし、この日のシャフリヤールはレース前からややうるさい面を見せていたので、福永騎手はスタートしてすぐに前に馬を置かざるを得ない状況に……。

結局、最後の直線まで好位組のイクスプロージョンの後ろにつけていましたが、最終コーナーで距離ロスを顧みず外を選らんだように、本来ならもっと馬場の良いところを走らせたかったと思います」(競馬記者)

 記者が話す通り、近5年で3度の稍重など、馬場が荒れることで有名な宝塚記念(G1)では、5年中3年で8枠の馬が馬券に絡んでいる。今回のシャフリヤールも8枠を活かしたかったはずだが、1頭で折り合いを付けられない状況が、結果的にその優位性を奪ってしまった格好だ。

「レース後、藤原調教師が今後について『オーナーと相談して決める』と話していましたが、仮に3000mの菊花賞になるなら、気性面で不安を残したことは大きな課題になると思います。とはいえ、2000mの天皇賞・秋(G1)では、福永騎手はコントレイルの先約があるでしょうし、非常に難しい状況に置かれました。

それでも春の日本ダービーの前には、福永騎手が『距離に関しても(共同通信杯や毎日杯の)1800mだと少し流れに乗るのに脚を使うところがあるので、2400mになるのはプラス』と語っており、その通りの勝利。陣営も当初は、神戸新聞杯を勝って菊花賞の青写真を描いていたはずです。休み明けだったので、この敗戦が良いガス抜きになればいいのですが……」(同)

 また、この敗戦には安藤氏も自身のTwitterで「(シャフリヤールの)距離に限界が見えた」とツイート。2400mを勝ったダービー馬の2200mの敗戦にあえて距離の限界を語るのは、やはりシャフリヤールの気性面に不安を覚えたからではないだろうか。

 レース後、「返し馬も良かったし、コンディションは申し分なかった」と相棒と陣営を庇った福永騎手は昨年、距離不安が囁かれたコントレイルで見事三冠を達成し、その勝負強さを見せつけている。

 果たして、第88代ダービー馬シャフリヤールはどこへ向かうのか、陣営にとっても頭を悩ます秋になりそうだ。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

JRAスプリンターズS、万馬券に直結する隠れ穴馬…プロとアマの予想の差に愕然

今年の秋競馬で勝つ秘訣

 待ちに待った秋競馬の開幕だ。いよいよ今週末のスプリンターズステークスを皮切りに、秋華賞、菊花賞、天皇賞、そしてジャパンカップや有馬記念と続く秋のG1シーズンがスタートする。昨年に続き今年もコロナ禍の影響は避けられず、競馬場は観客数に制限があり、また場外馬券場でも馬券の購入などが制限されている。それでも競馬の魅力は変わらず、この秋も大きな盛り上がりを見せることは間違いない。

 競馬の魅力は、なんといっても馬券、そしてレースの迫力、人と馬が織りなすさまざまなドラマだ。そのなかでもファンとしては、やはり一獲千金を狙った馬券戦術に力を入れる人も多い。最高配当6億円のWIN5を筆頭に、100円が数万円の払い戻しとなる万馬券といった魅力的な馬券。宝くじやロトなどよりも身近で現実的な投資がそこにあるのだ。

 特にG1レースは配当も大きくなりやすく、また知名度の高い馬が多くいることで馬券売上は数百億円にも達するのだから驚きだ。そんなG1レースを運任せに買うのではなく、しっかりとした馬券戦略をもって利益を得ることが理想的な姿。とはいえ、一般競馬ファンにとって、それは夢のまた夢。偶然的に1レースや2レースの的中はあっても、トータルで利益を得るような戦略を立てることは難しい。さらに仕事に追われるサラリーマンが、週末の限られた時間で完璧な予想をするのも困難。そういった時こそ活用したいのが、プロの競馬関係者が提供するG1レースの無料情報だ。

「これぞプロ」と実感する情報力

 競馬予想において、プロとアマチュアの線引きは難しい。しかし、明確にプロの競馬関係者と断言できるのは、実際に競馬サークル(編注:直接的な競馬関係者のこと)内で活動していた人物だけであろう。

 なかでも、あらゆる分野のスペシャリストが集結した「競馬セブン」は、業界屈指のプロ集団といえる。創業24年の歴史を持つ競馬セブンには、全国から集結したさまざまな競馬関係者が多く所属している。代表的なメンバーを紹介すると、まずは総監督を務める徳吉一己氏に驚かされる。彼は元JRA(日本中央競馬会)の騎手であり、引退後はJRA競馬学校の教官として、今や競馬界を代表する福永祐一騎手や池添謙一騎手といったトップジョッキーに指導していたのだ。

 これだけで一般競馬ファンや競馬マスコミとは天と地ほどの差があるといえよう。さらに、元JRA調教師の小原伊佐美氏は名馬タマモクロスを管理していた名伯楽であり、貴重な馬産地情報を把握するのは、元札幌馬主協会理事の斉藤隆氏という大物。極め付きは、競馬界を牽引する社台グループの情報を知り尽くす林勲氏だ。社台スタリオンステーションの場長を務めていた経歴からも、どれだけ重要な人物だったかわかるはず。

 これほどの大物関係者が揃っているのだから、他とは一線を画すのは間違いない。そしてその実績は彼らがファンに提供してきた実績からも証明されている。

的中のオンパレード

 前述したように、彼らがどれほど正確な情報を有しているかは、その的中実績が証明している。例えば、今週末に行われるスプリンターズSに関連しているレースでいえば、前哨戦のセントウルステークス(G2)で馬連・3連複・3連単をパーフェクト的中。そして春の短距離王決定戦・高松宮記念(G1)でも万馬券を的中。そして昨年のスプリンターズSも的中と、まさに非の打ち所がない結果を残している。

 しかも昨年は、スプリンターズSを皮切りに、デアリングタクトが牝馬三冠を達成した秋華賞で3連単・4万4110円の万馬券などを的中させ、続くコントレイルが無敗の三冠馬となった菊花賞、アーモンドアイが勝利した天皇賞(秋)も的中と、4連続G1レース的中をやってのけている。

 さらに、今年春のG1レースも、11戦8勝で的中率72.7%というハイアベレージを記録。そのなかには桜花賞、天皇賞(春)、NHKマイルカップなどで万馬券を的中させ、馬連のみの購入でも166万8000円という衝撃の払い戻しを獲得している。はっきり言って、これは驚異的なレベルだ。かつてここまでの実力があるプロ集団があっただろうか。もっと早く彼らを知っていればと、大きく後悔するほどである。

スプリンターズSの見解は?

 ここまでの実績を見れば、競馬セブンが今週末のスプリンターズSについて、どんな情報を得ているのか、どれほどの手応えを感じているのか、非常に興味深い。今年のスプリンターズSは、近年でも屈指の好メンバーが揃ったといわれている。

 断然の主役であるダノンスマッシュには川田将雅騎手が騎乗。ライバルのレシステンシアにはクリストフ・ルメール騎手が騎乗。北九州記念(G3)を勝利した九州産馬ヨカヨカの回避は残念だが、昨年最下位からの下剋上を狙うビアンフェ、衝撃の上がり馬ファストフォースの2頭も出走。そして実力馬クリノガウディー、ピクシーナイト、モズスーパーフレアなど見どころ満載なうえ、波乱含みで高配当も期待できる一戦だ。

 そのなかで競馬セブンが特に注目しているのは、ダノンスマッシュでもレシステンシアでもない、意外な隠れ穴馬だという。

高配当を呼ぶ隠れ穴馬とは?

 今年の出走馬を見ると、ダノンスマッシュとレシステンシアにマスコミの関心が集まるのは間違いない。一方で、その2頭に人気が集中すればするほど、マスコミノーマークの穴馬に絶好のチャンスがやってくるというのだ。

 その穴馬はスプリンターズSを目標に完璧な仕上げで出走し、勝利に向けた完璧な作戦をすでに確立。ダノンスマッシュやレシステンシアであっても逆転できるほどの手応えを、すでに陣営は感じているという。その隠れ穴馬の激走情報を極秘に入手したのは、競馬セブンのみ。競馬界に巨大な人脈を持ち、関係者からも信頼の厚い彼らだからこそ、この情報を入手できたのである。そしてファンも、スプリンターズSでの高配当馬券的中は、この穴馬情報を入手できるかどうかにかかっているといえよう。

 馬券は、競馬ファンでなくても20歳以上であれば誰でも買える。この秋から馬券を買ってみたいと考えている人にとっても、競馬セブンだけが知る“隠れ穴馬情報”は必見といって間違いない。しかも競馬セブンによれば、スプリンターズSは秋競馬の開幕を告げる重要なレースで、競馬関係者の立場としても大きく盛り上げたいという意向がある様子。

 そのため特別企画として、隠れ穴馬を含めた「厳選馬連3点勝負」を無料で一般公開すると発表している。スポーツ紙や競馬専門紙といった競馬マスコミの予想では、馬連は7点や8点が当たり前。その半分以下の点数で的中を宣言しているのだから、投資金は半額以下で済む。無駄な購入点数を減らすこともファンにとっては重要な要素であり、やはり競馬セブンは別格だ。

 スプリンターズSから始まる秋のG1シーズンで的中と利益を得るためにも、彼らが無料で提供する情報は必見。スプリンターズSも秋華賞も有馬記念も、競馬セブンの情報を活用して競馬の勝ち組を目指してほしい。

(文=編集部)

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※本稿はPR記事です。

朝ドラ『おかえりモネ』最終章の気仙沼編に山寺宏一と山口紗弥加が登場!

 台風の被害を受けた地元が心配な永浦百音(清原果耶)は、恋人の菅波光太朗(坂口健太郎)の後押しを受けて、助けに行くことを決意した。昔の後悔から抜け出し、新しいスタートを切った9月20日(月)~24日(金)のNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』を振り返ろう。

台風被害を受けた地元が心配で島に戻る百音

 百音の電話に、母の亜哉子(鈴木京香)は「心配することはない」とごまかしたが、百音の祖父・龍己(藤竜也)の牡蠣棚が被害を受けていた。

 コインランドリーでうたた寝をしてしまった百音が目覚めると、目の前には菅波の姿があった。そして、神野マリアンナ莉子(今田美桜)の予言通り、プロポーズを受けた。

 2人が今後について考えているとき、野村明日美(恒松祐里)から、龍己の牡蠣棚が被害を受けたと知らせが入った。電話がつながらず、焦るばかりの百音を見て、菅波は島に戻ることを提案。百音は会社の許可を得て、気仙沼に帰ることにした。

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 会社で実家の事情を話すと、朝岡覚(西島秀俊)が「もう引き戻せなくなるかもしれない」とこぼした。以前、百音が提案した、人の顔が見える距離での仕事の実現に一歩近づいたが、やりがいがある分キツいこともあると伝えると、百音は「それが自分にできるのか、確かめて来る」と言い残して島へと急いだ。

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 百音を見送った菅波が汐見湯で休憩していると、ボイラーの修理業者がやってきた。大家の井上菜津(マイコ)との会話から、その修理師は、かつて菅波の診断を信頼してプロの道をあきらめた、元ホルン奏者の宮田彰悟(石井正則)であることがわかった。

 宮田はボイラー修理の仕事に就き、毎日を楽しんでいると伝え、「先生のことを恨んでました」と本音も打ち明けた。しかし、「命を助けてもらった。今、生きていることが大切なんだ」と感謝した。

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 島に帰った百音の目に映ったのは、仲間たちが力を合わせて、被害を受けた牡蠣の出荷などに勤しむ姿だった。誰もが元気で笑顔で活気にあふれた楽しそうな様子を見て、震災のときの記憶が蘇り、自然と涙が出てくる。しかし、百音はそれを振り切って一歩を踏み出し、サポートを申し出た。

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 商品にできない牡蠣でバーベキューを楽しんでいると、酔った後藤三生(前田航基)が「家を継ぐ!」と宣言。決意表明として、断髪式を行うことになった。幼なじみ連中と三生の父・秀水(千葉哲也)で髪を切り落とすと、三生は涙を浮かべながら、新しいスタートを誓った。

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 翌朝、百音は龍己と台風や被害について話した。心配する百音に龍己は「たいしたことない」と優しく諭し、自分たちはしぶといんだと笑った。

 力強く生きる島の仲間に感化され、百音は妹の未知(蒔田彩珠)に「こっちに戻ってきてもいいかな?」とたずねた。現在、会社に地域密着型の新事業を提案中であること、いまだに後ろめたい気持ちがあること、そして、突然やってくる災害からみんなを守りたいこと、などを打ち明けた。

 未知は「いられなくしたのは私だ」と顔をしかめたが、百音はそれを否定して「もう一度やり直させてほしい」と真剣に伝えた。すると、未知は涙を浮かべながら「戻ってきなよ、いいに決まってる」と笑い、自分の部屋に戻ると思い切り泣いた。

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 東京へ戻ると、菅波が汐見湯で百音の帰りを待っていた。そして、「合わせたい人がいる」と宮田を紹介した。宮田のサプライズ演奏を聞き、百音は中学のブラスバンド部時代を思い出した。一度は自分から手放したが、再び音楽の力に背中を押され、島に戻ることを決心した。

 再び新規事業のプレゼン大会に参加した百音は、ブービー賞を獲得。ウェザーエキスパーツの地方営業所の社員1号となった。

最終章に山寺宏一と山口紗弥加が登場

 今週は百音が地元へ戻り、地域に密着した活動を始めるというストーリーだ。まずは、市役所に就職した幼なじみの早坂悠人(高田彪我)を頼って、コミュニティFMで天気予報を担当することになる。

 地元に帰ってきた百音がまず出会うのは、悠人の上司の遠藤克敏(山寺宏一)。地元に貢献しようとする百音にとって頼れる人物で、震災後に立ち上げた災害FMのパーソナリティーも務めている。

 そんな遠藤を演じる山寺は、声優のほかにナレーターや司会業、俳優など幅広いジャンルで活躍している。声優デビューは1985年のアニメ『メガゾーン23』。その後は、アニメ、映画の吹き替え、子ども向けバラエティ番組のメイン司会者などにも挑戦し、現在では「七色の声を持つ男」という異名を持つまでになった。

 プライベートの方では、今年の6月にラジオ番組で共演していたタレントの岡田ロビン翔子と3度目の結婚を果たした。

 もう一人、百音が出会うのは、コミュニティFMを通じて知り合うことになる高橋美佳子(山口紗弥加)。元気でテキパキとした性格で、気仙沼で居酒屋を営む女性だ。闇を抱えている女性や悪女の役、また鬼気迫る演技に定評がある山口が、元気で明るい女性をどう演じるのかも見どころだろう。

 また、今作の出演について山口は、過去に「自分にできることはないだろうか」と気仙沼を訪れていたことを明かしている。さらに、山口の朝ドラ出演は2004年後期の『わかば』以来となるが、同作は阪神・淡路大震災を経験したヒロインが造園家として街と人の心の再生をなしとげるというストーリー。どちらも震災をテーマにしていることから、何かのつながりを感じる。

 新しいメンバーが仲間入りした最終章で、百音は地元のために活躍できるのだろうか? 懸命に地元を支える百音を最後まで見守ろう。

(文=安倍川モチ子/フリーライター)

経営苦境の新聞輪転機メーカー大手に、なぜ投資ファンドが買収仕掛けた?攻防激化

買収防衛でポイズンピル

 最古の輪転機の名門メーカーが買い占めのターゲットになった。新聞輪転機大手の東京機械製作所(東証1部上場)である。

 7月20日、アジアインベストメントファンド(東京・中央区)が東京機械株の8.08%を新規保有し、筆頭株主に躍り出た。買い増しが続き、7月末には保有割合があっという間に32.72%に達した。9月中旬時点では39.94%を買い占められた。別名義での保有分を含めれば「50%を取得済み」(関係者)という未確認情報もあるが、正式に公表された数字ではない。アジアインベストメントは東証2部上場のアジア開発キャピタル(旧・日本橋倉庫)の子会社だ。アジア開発は香港を拠点とする企業グループ、サンフンカイグループの傘下にある。

 東京機械製作所は1874(明治7)年創業。1906年に国産初の輪転機を開発した名門。顧客には国内主要新聞社がずらりと並ぶ。だが、新聞の発行部数が減少し、新聞各社の経営環境が厳しさを増すにつれて業績は低迷。2021年3月期の連結決算は売上高が前期比7.6%減の108億9700万円に落ち込んだ。最終損益は3億円の黒字(20年3月期は9億9800万円の赤字)に転換した。採算の良いメンテナンス事業を伸ばす方針で状況を打開しようとしている。

 アジアインベストメントは保有目的を当初「純投資」としていたが、その後「支配権の取得」に変更した。大量保有報告書によると8月16日時点で保有割合は38.64%と3分の1を超え、株主総会で合併など重要議案の特別議案を単独で拒否できる。東京機械は8月初めに有事対応型買収防衛策の導入と独立委員会の設置を決め、応戦の構えだ。

 8月30日、「既存の株主に対し新株の予約権を無償で割り当てる買収防衛策の発動方針を10月下旬に開催する臨時株主総会に諮る」と発表した。アジアインベストメントが東京機械の株式の約4割を取得しており、それ以外の株主の持ち株を増やして、ファンドの影響力を薄める狙いがある。

 アジア開発キャピタルは9月17日、東京機械製作所が導入した買収防衛策の発動の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請した、と発表した。今回の買収防衛策はポイズンピルと呼ばれる手法。買収を仕掛けてきた相手の持ち株比率を下げるため、既存の株主に新しい株式を買い取る権利(新株予約権)を与える。今回は、新株の予約権は株式1つに対し1つ割り当てる。東京機械はアジアインベストメントの株式取得は「手続きを順守することなく行われた」とし、「株主が買い付けの是非を判断するため期間を確保する」と説明した。

 東京機械側は「一方的に株式を取得され、誠に遺憾」としており、「中長期的に株式を保有し、東京機械の企業価値を高めたい」とするアジアインベストメントの説明に納得していない。東京機械とファンドとの攻防戦は臨時株主総会にもつれ込みそうな雲行きだ。

東京ソワールは敵対的買収者を明示した買収防衛策

 家電販売から出発し、数々の上場企業の買収を仕掛けてきた佐々木ベジ氏は「秋葉原の風雲児」の異名をとる。フリージア・マクロス(東証2部上場)の会長。上場企業を含む30社以上のフリージアグループのオーナーである。

 不振企業や倒産企業の再生が得意技。コロナ禍で経営不振にあえぐ婦人フォーマルウェア最大手、東京ソワール(東証2部上場)を次の標的に定めた。フリージアは21年6月、東京ソワール株5.93%を新規に取得した。その後7度買い増し、6月末には保有割合を16.72%にまで高めた。東京ソワールは6月30日、同日を基準日として7月30日に臨時株主総会を開催すると公表した。

 議案は2つ。ひとつはフリージア・マクロス及びその関係者による大規模買付行為等の対応策(買収防衛策)の導入及び継続の件。関係者として会長の佐々木氏、佐々木氏の実弟で社長の奥山一寸法師氏をはじめ、フリージアグループの企業名が列記された。もうひとつは買収防衛策に基づく新株予約権の無償割当の件である。東京機械製作所でも登場するポイズンピルだ。

 物言う株主などによる敵対的TOB(株式公開買い付け)への対応で買収防衛策を導入する企業は少なくないが、わざわざ敵対的買収者の名前を盛り込むのはきわめて異例だ。東京ソワールは8月2日、関東財務局に臨時報告書を提出し、臨時株主総会での議決権行使の結果を明らかにした。第2号議案(新株予約権の無償割り当ての件)は総会直前に取り下げた。

 第1号議案は賛成数2万371個、反対数2646個、賛成の割合68.76%で可決した。棄権が6608個と圧倒的に多かったのが特徴だ。東京ソワールは、ひとまず臨時株主総会を乗り切った。しかし、フリージアとの攻防はこれからが本番とみられている。

 東京ソワールは児島絹子(本名・草野絹子)氏が1954年、オーダーメイドの高級婦人店、ソワール洋装店を東京・世田谷に開いたのが始まり。69年に東京ソワールに改称。児島氏は、喪服や礼服といえば黒の紋付が定番だったのを、洋服に変えさせた婦人フォーマルウェアの先駆者だ。

 86年、女性として初めて経済同友会に入会。88年、女性創業者として日本で最初の株式上場(東証2部)を果たした。絹子氏は2002年に最高顧問に退き、同時に子息の草野圭司氏が代表権のある副社長に就任した。以後、社長は3人交代したが、創業家の代表として圭司氏は代表権を持つ副社長であり続けた。だが、業績不振の責任をとり、圭司氏は16年12月期の定時株主総会をもって取締役を退任。20年4月23日、創業者の絹子さんが89歳で亡くなった。この間、創業家は持ち株の売却を続け、20年12月末時点で草野圭司氏の持ち株比率は2.99%(第10位の株主)に低下している。

 東京ソワールは百貨店やショッピングセンターなどを女性用の黒の礼服の主な販路としているが、コロナ禍で百貨店をはじめ小売店が営業中止に追い込まれたことが、業績を直撃した。20年12月期の売上高は前期比32%減の102億円、営業損益段階で22億5000万円の赤字、最終損益は19億8400万円の赤字だった。20年春に入学式が軒並み中止となり、結婚式も中止か延期となった。当然、黒の礼服の売れ行きも落ちた。こうした時期にフリージアが業績不振の東京ソワールの買収を仕掛けた。

婦人服のラピーヌと東京ソワールの合併をもくろむ?

 佐々木ベジ氏は東京都の離島、青ヶ島の出身。バブルの時代に低価格の家電販売で名を馳せ「秋葉原の風雲児」と呼ばれた。米国の化粧品大手エイボン・プロダクツの日本法人に買収を仕掛けたが失敗。1991年、東証2部上場の機械メーカー谷藤機械工業を買収した。現在のフリージア・マクロスである。

 97年通販会社のピーシーネットが倒産。個人として560億円の債務保証をしていた佐々木氏は破産を宣告された。以後、経済の表舞台から消えた。その佐々木氏が20年ぶりに兜町に戻ってきたのである。2017年、電子部品商社ソレキア(ジャスダック上場)に敵対的TOBを仕掛けた。ソレキアは富士通をホワイトナイトに招いた。佐々木氏のフリージアと富士通のTOB合戦に発展したが最終的にフリージアに軍配が上がった。

 4年後の21年1月、独立系の電子部品商社の日邦産業(名古屋第2部、ジャスダック上場)に対して最大で27%あまりの株式の取得を目指してTOBを実施した。日邦産業はTOBに反対を表明。敵対的TOBに発展した。買収防衛策をめぐり、買付期間は再三延長したが、フリージアは7月28日、TOBを撤回した。日邦産業の買収防衛策は無効として、地裁、高裁、最高裁で争ってきたが、申し立てが棄却される見通しとなったため裁判闘争を打ち止めにした。

 フリージアは日邦産業株を19.68%保有(6月10日現在)。この間、ソレキア株の保有比率はフリージアと佐々木ベジ氏の名義で合計50.43%に高めており、「ソレキアと日邦産業の合併を企図していたことは明らかだ」(関係者)。

 東京ソワールについても同じようなシナリオが描かれているとみる向きが多い。中堅アパレルのラピーヌ(東証2部上場、フリージアが32.5%を保有)と東京ソワールの経営統合である。ラピーヌは20年3月にフリージアが筆頭株主になり、佐々木ベジ氏が同年5月に取締役に就いた。代表取締役相談役を経て、同会長となり、21年3月1日付で社長の椅子に座った。青井康弘社長は代表権のない会長に退いた。

 東京ソワールはフリージアの持ち分法適用会社となったラピーヌから、「4月1日に業務提携の打診を受けた」という。フリージアは7月27日付でラピーヌの保有比率を34.35%に高めた。今後、「東京ソワール株の買い増しを続けるのは確実」(関係者)とされる。フリージアと東京ソワールの攻防戦はこれから本番を迎える。

(文=編集部)

稲盛和夫氏がJAL再建時に放った強烈な一言…外様社長が陥りがちな“失敗改革”とは

 みなさん、こんにちは。元グラフィックデザイナーのブランディング専門家・松下一功です。

 ここ数年、「サントリーホールディングス」の新浪剛史代表取締役社長に代表されるように、各業界で“外様社長”、いわゆる再生請負人の活躍が注目されています。ビジネス界において、彼らの変革を無視することはできません。

 しかし、外様社長の改革は必ずしも成功するとは限りません。そこで今回は、外様社長がやってしまいがちな失敗例や成功するポイント、また目標とすべき理念について、ご紹介しましょう。

外様社長が陥りがちな“失敗改革”とは

 外様社長が招かれる理由のほとんどは「経営の立て直し」です。そのときの経営状態にもよりますが、破産寸前の場合やそれに近い状況では、スピード回復を求められることがあります。

 いわゆる、急激なV字回復や短期決戦や復活劇といったものです。世間の人々をあっと驚かせる商品やサービスを提供して、大きな注目を集めて業績を立て直す。それは、外様社長の手腕が問われる絶好の機会でもあります。

 しかし、瞬発力を求められる改革は諸刃の剣といっても過言ではありません。短期間で成果を出そうと獅子奮迅の勢いで取り組んでも、それによる業績回復もまた、短期間で終わってしまう可能性があります。なぜなら、その改革は自分(外様社長)を招いた人や株主に向けて行っているからです。それは、外様社長が陥りがちな失敗改革ともいえます。

 本来、会社を育てるときは10年、20年先を見据えた計画を立てるものです。目標は会社によってさまざまだと思いますが、基本的には業績、規模感、内部の成熟度などが足並みを揃えて成長していかなければ、本当の成長とはいえません。

 それなのに、「計画通りに進まなかったから、まずは業績を優先的に立て直したい」と改革に乗り出しても、ほかの要素が成長していなければ、どこかにシワ寄せが行ってしまいます。

 本当に会社を立て直したいのであれば、長期的な改革を行うことです。そのためには、まず株主に説明して理解を得るところから始める必要があるでしょう。次に、将来的に大きな業績が打ち出せるような会社にするために、社内システムの見直し、社員教育の内容変更などで、会社の内側をよくする改革に着手します。

 社員一人ひとりが信念を持ち、それを実現するために働いているのだという意識に変われば、仕事のモチベーションがアップして、会社の利益につながっていきます。理念にマッチしたお客さんとつながると、お互いにメリットを与え合おうとする信頼関係が築けますし、やがてリピーターとなり、口コミや紹介から新しいお客さんを得ることも期待できます。

 反対に、利益を先行した改革の場合、とりあえず売り上げにつながるお客さんを探そうとしてしまいます。そうすると、ミスコミュニケーションが発生したり、クレームやトラブルに発展してしまいます。そして、悪い口コミが広まってリピート率が下がり、永遠に新規顧客を集客し続けないといけなくなる可能性があります。さらに、利益先行の場合は経営資産を食い尽くすことも。そうなってしまったら本末転倒です。

 上記は極端な例ですが、短期回復と長期回復には雲泥の差があるのは確かでしょう。外様社長として就任した場合は、まわりの期待を一身に背負って、短期に目が向きやすくなりがちですが、そこをグッとこらえて長期を見据える必要があります。

JALを再建させた稲盛和夫氏の「利他の精神」

 外様社長が目標とすべき人物は、「日本航空(JAL)」の再建を行った稲盛和夫さんです。

 京セラ創業者である稲盛さんのご活躍は、私がわざわざ説明しなくてもご存じだと思いますので、ここではあえて割愛します。しかし、一点だけお伝えしたいのは「利他の精神」です。

 今年6月の『カンブリア宮殿』(テレビ東京系)に、回転寿司のスシローを展開する「FOOD & LIFE COMPANIES」の水留浩一代表取締役社長CEOが出演しました。水留社長は、稲盛さんの部下として共にJAL再建に尽力した人物です。スシローの最近の成長には目を見張るものがあったので、水留社長がどんな改革を行ったのか、楽しく拝見しました。

 その中で特に印象に残っているのが、JAL再建時の外注業者とのやり取りで、稲盛さんから「君は経営がわかっていない! そんなんじゃ、相手の方が困るだろう!」と怒鳴られたというエピソードです。

 これを聞いて、私は「さすが!」と感服しました。どんなに大きな会社でも、自分の利益や都合を優先していてはいけないんだと。お客さんはもちろん、社内スタッフや提携している企業など、関わっているすべての人にとってプラスになることを考えて実行しなければいけないんだと、再確認させられたのです。

 外様社長が経営改革を実行する際は、たくさんの方々からの助けが必要になります。それを頼りながら自社の利益を優先していれば、そのうちそっぽを向かれてしまっても仕方ありません。

 しかし、関係者全員のプラスになることを優先していれば、関係者全員で一致団結することで、再建できる可能性が高くなります。ポイントになるのは、人の役に立つことができるかできないかです。その根本には、人を大切にする気持ちである「利他の精神」があります。これを忘れずに経営改革に臨めば、10年、20年先も愛される企業に成長できることでしょう。

(松下一功/ブランディング専門家、構成=安倍川モチ子/フリーライター)

ステラヴェローチェ圧倒は「36年ぶり」恩恵のみにあらず!? シャフリヤール撃破で菊の主役に名乗り、元JRA安藤勝己氏が指摘した2頭の明暗

 26日、中京競馬場で行われた菊花賞トライアル・神戸新聞杯(G2)は、吉田隼人騎手の2番人気ステラヴェローチェ(牡3、栗東・須貝尚介厩舎)が優勝。秋の始動戦を完璧な勝利で飾り、ラスト一冠となる菊花賞(G1)獲りに大きく前進した。

 単勝オッズ1倍台後半の断然人気を集めたのは、今年のダービー馬シャフリヤールだった。2頭はこれまで共同通信杯(G3)と日本ダービー(G1)と、二度の直接対決があったものの、いずれもシャフリヤールが勝利。中京コースで無類の勝負強さを誇る福永祐一騎手とのコンビということも人気に拍車が掛かった。

「こういう馬場で最後はバテバテになりましたが、よく交わしてくれました。前半のレースから馬場を意識して、力がある馬がいたので、どっちを通るのかなと見ていました。成長してくれましたし、何しろ馬場がステラヴェローチェに向いたと思います」

 レース後のコメントで吉田隼騎手が振り返ったように、午前中から土砂降りの雨が続いた中京競馬場。芝コースは当日朝の良馬場から徐々に悪化し、メインレースを迎える頃にはついに不良となった。晴雨兼用タイプのステラヴェローチェとはいえ、他馬が苦にする分だけ有利な条件で走れたことも大きかった。

 10頭立て芝2200mのレース。先手を主張したテイエムタツマキがハナに立ってマイペースの逃げを打つ。好位5番手につけたシャフリヤールに対し、ステラヴェローチェは後ろから2番手という大胆な位置からの競馬。道中は行きたがる素振りも見せ、後ろ過ぎるのではないかという懸念もあった。

 だが、各馬が動き始めた3~4コーナーに掛けても、吉田隼騎手が見ていたのはやはりシャフリヤールの後ろ姿。ライバルが外を回すのを確認してから、最後の直線で内を突いた判断も功を奏した。

「切れが身上のシャフリヤールにとって不良馬場が堪えたのは間違いないでしょう。とはいえ、ステラヴェローチェも決して渋った馬場の恩恵だけというわけでもなさそうです。4着に敗れたシャフリヤールには、0秒7とハッキリした差をつけていますし、最後方に近い位置取りから上がり3ハロン最速の脚で差し切りました。

シャフリヤールは全兄アルアインが芝2000mのG1を2勝した中距離色の強い血統。本番の3000mは歓迎といえなさそうなだけに、主役交代を印象付けた勝利でしたね。それにしても吉田隼騎手の『あえて馬群に入る』判断はお見事でした。あそこでもし外を回していたら、2着馬とは半馬身差だっただけに、わからなかったかもしれません」(競馬記者)

 勿論、これだけで2頭の立場が完全に逆転したとはいえないものの、次走への課題を残したシャフリヤールに比べてステラヴェローチェ陣営には得たものも多かった。

 元JRA騎手の安藤勝己氏は自身の公式Twitterで「ステラヴェローチェ。道悪の鬼ではあるけど、直線で馬群を割る競馬を経験させて間違いなく本番に繋がる勝ち方。これを機に一皮も二皮も剥けてくる。シャフリヤールの敗因は馬場で明らかとはいえ、負けられん立場やからいつもと戦法を変えたからね。距離に限界が見えたことと、ダメージが少し気になる」と、2頭の今後を分析。

 少なくとも安藤氏の見解的には、ステラヴェローチェ優勢と見ていることが伝わる内容である。血統面でも父のバゴは、2010年の菊花賞馬ビッグウィークを出しており、距離克服の余地は十分にあるはず。

 凱旋門賞(G1)にも登録されたほど能力を評価されていたステラヴェローチェ。不良の神戸新聞杯は、スピードヒーローが勝った1985年以来となったが、この勝利を36年ぶりのレアケースと甘く見ていたら、菊花賞では痛い目に遭いそうだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

紙コップが野菜に!?北九州市発、コレクティブインパクト

サステナブルな社会の実現に向けて、電通グループが持つ課題解決能力を自分たち自身の変革、そして社会のために発揮する取り組み「Sustainable d Actions」。「d」は、dentsuとdiversity(ダイバーシティ)、そしてdynamic(ダイナミック)の意味が込められています。

本連載では、さまざまな「Sustainable d Actions」を紹介していきます。

初回は、北九州市が本拠地のJリーグサッカークラブ「ギラヴァンツ北九州」と企業、自治体などが連携したコレクティブインパクト(※1)の事例を紹介。スタジアムで使用された紙コップを堆肥化し、その堆肥で野菜を育てる実証実験(リリースはこちら)を、電通でSDGsやサーキュラーエコノミーの施策に取り組む堀田峰布子氏がレポートします。

※1 コレクティブインパクト:多様な企業・自治体との連携。

 

 

15の企業と団体、自治体が連携。「まるごと分解できる紙コップ」を堆肥化し、野菜づくりに役立てる

実証実験は、「ギラヴァンツ北九州」が2021年8月22日(日)、28日(土)に開催したイベント「ギラヴァンツサマーフェスティバル2021」にて行われました(※2)。

このプロジェクトは、三菱ケミカルとNTTビジネスソリューションズ、ウエルクリエイトがタッグを組んだところからスタート。電通、ギラヴァンツ北九州……と参加企業が増え、最終的には15もの多様な企業や団体がそれぞれの得意分野を連携させることで実現しました。

※2 イベントは新型コロナウイルス感染対策をしっかりと行い、来場人数を制限して開催されました。

 

Sustainable d Actions
三菱ケミカルが開発した生分解性プラスチックを使用した紙コップを、ギラヴァンツ北九州のイベントで提供。回収した使用済み紙コップを、NTTビジネスソリューションズとウエルクリエイトが「食品残渣発酵分解装置(フォースターズ)」で食品残渣物などと一緒に堆肥化。その後、堆肥の一部を地元の高校で野菜の栽培に活用し、収穫された野菜をスタジアムで販売する。このサッカースタジアムを起点とした地域食品資源循環型システムの実証実験には、他にも、飲料メーカーや自治体など、15の企業・団体が参加している。


通常の紙コップは内側に石油由来の非生分解性プラスチック「ポリエチレン」がコーティングされていますが、今回の実証実験では、三菱ケミカルが開発した生分解性プラスチック「バイオPBS (※3)」が使われた紙コップが製作され、スタジアムの売店などで使用されました。この紙コップは、飲み物の汚れや食品残渣(さ)も含め、まるごと堆肥化することができます。

スタジアムでは紙コップを回収するボックスが各所に設置され、今回の取り組みの概要と回収のお願いがスクリーンで呼びかけられました。イベントに集まった幅広い年代の地域住民やファンが試合や催しものを楽しみながら、この取り組みに参加しました。

※3 バイオPBS(生分解性樹脂BioPBS™:BioPBS™は、三菱ケミカルが開発、基本特許を有する植物由来の生分解性樹脂。自然界の微生物によって水と二酸化炭素に分解されるため、自然環境への負荷が少ないのが特長。また、他の生分解性樹脂に比べ、低温ヒートシール性・耐熱性・柔軟性などで優れた性能を有する。紙コップの内側のラミネート材料にBioPBS™を用いることで、紙コップ全体がコンポスト設備や土壌で分解可能となる。

 

Sustainable d Actions

紙コップは2日間合計で約3600個回収され、翌日には北九州市のリサイクルセンターに送られました。ここには、NTTビジネスソリューションズとウエルクリエイトが共同で提供する食品残渣発酵分解装置「フォースターズ」があります。

Sustainable d Actions
食品残渣発酵分解装置「フォースターズ」(右)で、紙コップが堆肥化される。

 
Sustainable d Actions
投入された紙コップは、サーべリックス(微生物由来の堆肥化促進剤)の力で、4日後には分解され、目視では跡形もなくなります。その後、2次、3次発酵と進み、約2カ月後には堆肥となり、北九州市の福岡県立行橋高等学校が栽培している野菜づくりに使われます。そして、来年の春には野菜が収穫され、スタジアムで販売される予定です。使用済み紙コップが堆肥となり、野菜を育てる。地域の中で循環するSDGsの取り組みが始まっています。

スポーツ・地域・企業が一体となって生まれる新しい循環

北九州市は環境モデル都市としてさまざまなSDGsに取り組んでいます。その北九州市で地域と密着しながら、SDGs達成のために独自の活動も積極的に行っている、ギラヴァンツ北九州。印象的だったのが、今回の実証実験は「特別」ではなく、「当たり前」に行っているSDGs活動の一環である、と担当者が発言されていたことです。

サッカーチームでありながら、なぜ「当たり前」にSDGsに取り組むのか、なぜ、今回の実証実験に参画したのか。その理由を深掘りすると、スポーツ・地域・企業が一体となって取り組むことで見えてくる新たな循環の可能性が見えてきました。

ここからは、ギラヴァンツ北九州代表取締役社長・玉井行人氏へのインタビューから、その可能性をひもといていきます。

Sustainable d Actions
ギラヴァンツ北九州代表取締役社長・玉井行人氏。

 “地域性を理解して、地域から本当の意味で必要とされるクラブとなる”

──なぜ、サッカーチームでありながら、いろいろなSDGs活動に取り組むのでしょうか。

強いチームをつくるだけでなく、地域に愛されるクラブに成長することを目標として掲げています。地域に愛されるためには、地域特性を理解して北九州という地域の人々が営んできたものを現代に置き換えて、共に成長していくことが重要です。

この街はかつての深刻な公害を克服して環境モデル都市になりました。そんな地域だからこそ、自分たちが率先してやらなければという思いで、2019年からさまざまなSDGs達成のための取り組みを行っています。

“スポーツ×地域×企業は幅広い世代の生活者を取り込んだ、新たな循環を生み出す”

──これまでの取り組みに比べて、今回、進化したポイントはどこですか?

私たちがなぜ、地域の中で率先してSDGs活動をやるべきなのか、それは、スポーツが子どもからお年寄りまで幅広い世代を抱えているからなんです。今回の実証実験は、この幅広い世代を取り込んだ循環になっていたことが、これまでの取り組みにはない進歩でした。

スタジアムに来場した子どもたちや家族、大人がこの紙コップで飲み物を飲み、飲み終わって堆肥になって、高校生にわたり、野菜が栽培される。そしてまた食べ物として子どもから大人まで集まるスタジアムに戻ってくる。地域の中でくるくると回るサイクルの中でさまざまな世代を取り込んでいくことができる。そういう循環ができる取り組みになっています。

また、ギラヴァンツ北九州は、三菱化成黒崎サッカー部が前身ということで、今回の三菱ケミカルさんとの取り組みは、我々にとってルーツへの回帰であり、ヘリテージでもあるというところも感慨深く感じています。地域・スポーツ・企業の源流が関わりあってまた新しい未来が生まれていく。このストーリーがとても意義深いと思っています。

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左から、三菱ケミカルの小林哲也氏、ギラヴァンツ北九州の玉井行人氏、NTTビジネスソリューションズの宮奥健人氏、ウエルクリエイトの中原信子氏、電通の堀田峰布子氏。

全国の地域へ。広がる「地域食品循環システム」

インタビューを通して、同じ社会課題解決を目指す多様なプレイヤーが、異なる強みを持ちつつ連携し取り組むこと、幅広い世代の生活者を取り込みながら循環させていくことで、これまでにない成果へとつながるポテンシャルが生まれることを、改めて感じました。

今回の実証実験で行った循環型システムも、数多くの企業や学校などの協力で形成されて、円滑に社会課題解決に取り組むことを可能にする「コレクティブインパクト」となりました。このシステムは、他の地域やスポーツはもちろんのこと、エンターテインメントやイベントでも応用できそうです。

実際、「自分たちのところでも展開ができないか」と、他の自治体やスポーツ団体、さまざまなイベント主催者から問い合わせが来ています。ギラヴァンツ北九州の今後の取り組みや、新たな「コレクティブインパクト」に、大いに期待を感じました。

電通グループはスポーツ、エンターテインメント、イベント、マーケティングなどの分野で蓄積した、さまざまな企業や自治体、団体、学校などとの連携およびその効果的拡大を可能にするノウハウを持っています。今後は、今回の実証実験で得られた成果に基づき、三菱ケミカル及びNTTビジネスソリューションズと共に、サーキュラーエコノミーの実現に貢献する、さらなる展開や、新たなソリューションの開発を進めていきます。 

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コロナ禍で「ヘッドフォン難聴」が増加…98dBの音量で週に75分以上聞くと難聴の危険

 新型コロナウイルスの感染拡大が続き、我々の習慣は大きく変化した。仕事や学校では、リモートが一般化し、スポーツも感染リスクを避けて単独でのジョギングやウォーキングなどをする人が増えた。そういった習慣の変化に伴い、ヘッドフォンやイヤフォンを使用する人が増えた。

 ヘッドフォン等を使用することによって、どこにいても自分の世界に没頭できるという利点がある一方、増加しているのが「ヘッドフォン難聴」だ。

 ヘッドフォン難聴とは、ヘッドフォン等を使用して大きな音を聞き続けることにより生じる難聴である。ヘッドフォン難聴は少しずつ進行し、症状を自覚しにくいため、気づいたときには難聴がかなり進んでいるケースもある。毎日ヘッドフォン等を使用するという人は、難聴を招く行動をしていないか確認してほしい。

 音の伝導は、耳から入った音が内耳(ないじ)の蝸牛(かぎゅう)という器官にある有毛細胞(ゆうもうさいぼう)で振動から電気信号に変換され、脳に伝わることで「音」として認識される。大きな音を聞くことにより、有毛細胞が傷つき、壊れてしまい、振動を正常に変換することができなくなり、音を感じにくくなる。

 WHO(世界保健機関)は、「80dBで1週間当たり40時間以上、98dBで1週間当たり75分以上聞き続けると、難聴になる危険がある」と注意喚起している。

 ヘッドフォン等を使用する際は、直接、耳に音が入るため、大音量であればあるほど有毛細胞へのダメージは大きい。

 ヘッドフォン難聴の症状としては、耳閉感(耳が詰まったように感じる)、耳鳴りなどが現れる場合もあるが、自覚症状に乏しく、少しずつ聞こえが悪くなっていくケースも多い。症状に気づきにくい理由は、ヘッドフォン難聴の初期症状が、「高い音域が聞こえづらくなる」という点にある。

 高い音域とは「4000HZ」程度の音域であり、普段の生活のなかで、そのような高い音域が聞こえづらくても不便を感じることは少ない。しかし、難聴に気づかずにヘッドフォン等を大音量のまま使い続けることで症状が進行し、会話レベルの音域も聞こえづらくなり、そこでようやく難聴に気づくといったケースもある。有毛細胞の損傷によって失った聴力は回復が難しいため、早期に気づき、治療をすることが重要である。

 ヘッドフォン難聴の治療は、ステロイド剤・ビタミン剤・血流改善薬などの薬物治療が用いられる。また、合わせて耳の安静を図ることも有効であり、ヘッドフォン等の使用をやめる、耳栓などを使用して音から耳を守る等の対処を行い、症状の進行を防ぐことも重要である。

 聞こえにくい、耳の詰まる感じがする、耳鳴りや耳の奥が痛いなど、なんらかの耳の違和感に気づいた時は、早急に耳鼻科を受診し、治療を行うことが推奨される。

 現代社会においてヘッドフォン等は不可欠ともいえるが、ヘッドフォン難聴を招かないためには、次の2点に注意が必要だ。

・なるべく小さい音量で使用:ヘッドフォン等を使用しながらでも人と会話できる程度の音量
・使用時間:1回の使用を1時間以内にとどめ、ヘッドフォン等を使用した3倍は使用しない時間をつくり、耳を休ませる

 また、ノイズキャンセリング機能がついたヘッドフォン等を使用することで過度に大きな音量にすることを防げる効果が望める。疲労、睡眠不足、体調が悪いなど体調不良がある時は難聴になりやすい傾向にあるため、通常よりも音量を下げ、長時間の使用を避けることを心がけてほしい。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)



吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

『おかえりモネ』でも活躍、今注目の山神明理…異色の経歴、明るいキャラで大人気

 現在放送中の朝の連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK総合)は、清原果耶演じるヒロイン・永浦百音が気象予報士として奮闘、成長する姿を描く物語。それだけに実際の女性気象予報士が気象キャスター指導として番組に携わっている。それは現在、夕方の報道・情報番組『ニュース シブ5時』で気象情報を担当している山神明理気象予報士だ。SNS上では女優の葵わかなに似ていると評判なので、ご存じの方も多いのではないだろうか。

 そんな彼女は、気象キャスター指導だけでなく、第18週のエピソード『伝えたい守りたい』で2日にわたって実際に本編に登場した。主人公の百音が勤務する気象情報会社・ウェザーエキスパーツの社員役で、朝ドラはもちろんドラマにも初出演だ。2日目には、わずかながらセリフをしゃべる場面もあり、一躍話題となった。

 そこで今回は、山神明理気象予報士の今までの経歴や人となり、その魅力について深堀りしていこうと思う。

 山神は1988年9月20日生まれの33歳。香川県多度郡満濃町(現まんのう町)出身で、京都女子大学発達教育学部教育学科を卒業。気象予報士試験はかなり難関とされ、合格率はたった5%といわれるが、資格を取得したのは大学在学中の2010年だというから、文字通りの”才媛”である。

 この仕事と出合った場所が面白く、なんと書店だという。子供の頃から、食べられる植物を探すことを趣味としていて、通学中にカラスノエンドウについて調べるために書店に入り、”自然”のコーナーに向かったところ、気象予報士の本があった。試しに読んでみたら面白く、気象予報士という仕事に魅了されてしまった。そして気象に関する仕事ならなんでもやってみたいと思うようになり、資格を取ったのだ。

 だが、資格を取った山神は大学卒業後、気象予報士として働かなかった。東京の新宿区にある小学校で教師をしていたのである。ちなみに、小学校教論及び中学校と高等学校の音楽科教論の免許を取得している。

 ただ、教師になってからも天気に関しての興味が尽きることはなく、朝の会でも天気に関して話すことが楽しかったという。教師として子供たちと接するうちに、教え子たちの一生懸命に学ぶ姿に感銘を受け、自分ももっと学びたいし挑戦したいと思うようになっていった。そして教師を辞め、気象会社の入社試験を受け、転職したのである。

関西から全国区へ

 気象会社では当初、テレビ局向けの気象情報の原稿執筆や、データ放送の仕様の決定など裏方を務めていたが、14年に鳥取県鳥取市にある日本海テレビのニュース番組『エブリワン』の気象コーナーを担当することとなる。会社のある千葉県幕張から、中継での出演であった。

 このときに自分で伝えられる楽しさを知った山神は、その後、NHK大阪放送局の気象キャスターオーディションを受け、見事合格。16年、27歳のときに『NHKニュースおはよう関西』と『ぐるっと関西おひるまえ』の気象キャスターに起用されている。ちなみに、この年に防災士の資格も取得している。これらの番組出演により、ネットを中心にかなりの人気を誇り、知名度は抜群に高まった。人気気象予報士としての第一歩は、関西圏から始まったのである。

 そして関西での活動を18年3月末で終了し、翌4月から今度はNHK東京放送局へ。朝の情報・報道番組である『NHKニュースおはよう日本』の気象キャスターに就任し、ついに全国ネットに進出することとなったのだ。この『おはよう関西』のお天気キャスターから東京進出するのは井田寛子、菊池真以、三宅惇子に続く流れで、いわばNHKの女性気象予報士の”出世コース”に乗ったワケである。

独特の世界観と明るいキャラで人気に

 肝心のキャスターぶりだが、可愛い声にほんわかとした語り口、何より落ち着いた雰囲気気象情報を伝える姿は、まさに”朝向き”だった。『おはよう日本』の気象情報は、スタジオから檜山靖洋気象予報士が、NHK放送センター敷地内からの中継では山神が伝えるかたちだったが、雨が降ろうが風が吹こうが毎朝、爽やかな笑顔でお天気情報をお茶の間に伝えてくれる健気さも印象に残っている。加えて面白キャラで番組を盛り上げてくれていた。

 あるとき、山神がこんなフリでスタジオに話を戻したことがある。

「子供の頃、おかっぱだったという檜山さん!よろしくお願いします」

 すると、和久田麻由子アナが「想像つきませんが、よろしくお願いします」と乗っかり、檜山は「はい、お願いします。おはようございます」と冷静に答えた。山神の突然の”ブッ込み”に、どう対応していいか困惑した和久田アナは真顔のままで受け渡し、檜山はクールに流すしかないという印象だった。

 また、昨年夏の8月のある日のこと。新型コロナウイルスの影響で、あまり夏らしいイベントができていないという視聴者に向けて、「(今日くらいのさほど厳しくない暑さなら)お庭の日陰などでスイカ割りをするのはどうでしょうか」と言うなり、目隠しをして唐突にスイカ割りを始めてしまったのである。

 これにはスタジオの岩野吉樹アナも「今?今?今?」と驚くばかり。山神はそれに構うことなく「ではいきます。天気の呼吸、壱の型、夏空!」と気合いを入れて棒を振り下ろすも命中せず。しかも、その後1分近く時間を使ったあげく、当たるどころかかすりもしなかったのである。

 それでもめげることなく「このスイカなんですが、熱中症予防にも効果があるとされています。水分が90%以上、ビタミンミネラルも豊富です。塩をかけると塩分も取れますね。かけすぎには気をつけましょう。では檜山さん、お願いします。割れなかったーー」と、独自の世界観を演出し切ったのだった。

 少しでも視聴者にわかりやすく、かつ楽しく天気を伝えるために、あれこれ工夫し、ともすれば堅苦しくなりがちな気象情報を盛り上げる姿は”素敵”のひとこと。普通はここまでコミカルなことはしないワケで、まさに多くの視聴者にとって”癒し”の存在となったのである。

 この『おはよう日本』を担当したのは今年3月末までで、それからすぐに現在の『ニュース シブ5時』に異動。朝から夕方へと出番は変わったが、相変わらず明るく元気に爽やかに、天気情報を伝えてくれている。さらにこの先だが、どうせなら夕方から夜に異動して『NHKニュース7』から『ニュースウオッチ9』と、NHKの情報・報道番組制覇を目指してほしいところだ。
(文=上杉純也/フリーライター)

キャッシュビーデータ(CASHb Data)設立 キャッシュバックアプリ「CASHb」の生活者・購買データを活用

 ビックデータを活用して新たな価値を提供するキャッシュビーデータ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:安藤 秀之、以下CBD)は、生活者・購買データを活用した新しいリサーチサービス「賢い買物スキルの生活者向けアンケート by CASHb Data」を2021年10月18日より提供開始します。また、ターゲット広告サービス「スキップされないターゲット広告 by CASHb Data」を2021年12月に提供開始予定です。

 なお、日本初のキャッシュバックアプリ※1「キャッシュビー(CASHb)」を提供するキャッシュビー株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:小川 拓也)と、同社が持つ生活者・購買データを活用した事業展開になります。

 2022年からはサブスクリプションで簡単にデータ利用ができるサービスの提供開始も検討しており、一連のサービスで2022年度は小売・消費財メーカーを中心に20社、3年後にはその他の業界も含め利用企業100社を目指します。

※1 アプリでの広告閲覧などを介したキャッシュバックサービスとして(2016年サービス開始時点)

設立の背景について

 現在、AIやビッグデータ、IoT、ロボットなど、デジタル技術が進展していく第四次産業革命を背景に、情報資産の価値が増しています。そして新型コロナウィルス感染症の影響をうけてよりテクノロジーが進化、DXが進んでいくことで、デジタル技術とデータ活用が進み、AIとビックデータの活用は企業にとってとても重要なものになってきています。日本におけるAIとビックデータを活用することは、海外と比較するとまだ発展途上ではあるものの、今後、日本でもデータ利活用はビジネスのスタンダードとなると予想されています。

 CBDは、AIとビックデータを掛け合わせることによって日本市場を世界水準にし、新たな価値を持ったデータビジネスを創造すべく設立に至りました。今後は、利用企業はもちろん生活者にもメリットを感じてもらえるサービスを利用者自身で完結できるセルフサービス方式で提供していきます。

提供サービスについて

 今回CBDは、CASHbアプリに登録している消費行動の高い生活者に対する調査サービス「賢い買物スキルの生活者向けアンケート by CASHb Data」と、ターゲット広告サービス「スキップされないターゲット広告 by CASHb Data」の2つのサービスを提供します。例えば、小売・消費財メーカーが本サービスを利用すれば、自社の商品やサービスに関連性の高い生活者・購買データ取得ができ、こうした消費行動の高い生活者に効果的なプロモーションを行うことが可能です。

 CBDは、キャッシュビー株式会社と提携し、CASHbアプリのビックデータを活用することで、利用企業の希望に沿った情報を正確な分析のもとキャッシュバック等の付加価値をつけて提供することが可能です。なお、膨大なビッグデータを効率良く識別し分析して新しい知見を得るために、レシートデータの取込とその識別に高度な画像処理とAI-OCR等のAI技術を使用しています。

【各サービスの詳細について】

 CBDでは、「リサーチサービス」「ターゲット広告サービス」「データ利用サービス」の3つのサービスを提供します。

リサーチサービス 「賢い買物スキルの生活者向けアンケート by CASHb Data」

 CASHbアプリを利用している消費行動の高い生活者に対してアンケート調査ができるサービスです。

 利用申し込みから結果報告までご自身で操作され、セルフサービス方式での提供が可能となり、利用企業は、いつでも手軽に自分たちの知りたい情報を得ることが可能となります。

ターゲット広告サービス 「スキップされないターゲット広告 by CASHb Data」 ※2021年12月に提供開始予定

 従来のデモグラフィック属性に加えて、AIデータ分析によって導き出した個人の「価値観」をはじめとする独自のセグメンテーションを可能とし、より関心度の高い生活者に対して広告を届けることが出来るサービスです。

 さらに、広告を見た生活者には、広告内容の提供とともにCASHbアプリ上でキャッシュバックを付与することで、さらにプラスの価値を提供することも可能です。

 これにより、両者のコミュニケーションを促進し、より豊かな消費社会、消費生活に繋がるサイクルを創造します。

データ利用サービス ※2022年に提供開始予定

 膨大なデータの中から求める形のデータを抽出・利用出来るサービスで、都度の申し込みが不要なサブスクリプション制にて提供します。

【各社コメント】

 キャッシュバックサービスを提供する「キャッシュビー」のパートナー会社として、同社に集約されるデータを有効に活用するために、キャッシュビーデータ株式会社を設立しました。事業開始時には、リサーチサービスとターゲット広告サービスを提供し、消費財メーカーだけではなく、あらゆるBtoC企業・組織にご利用頂きたく考えています。私が長年携わってきた消費財メーカー、小売を含む多くのBtoC企業にとって、生活者の声は生命線の一つです。昨今のコロナ禍によるコミュニケーション機会の減少が、各社の業務に影響を及ぼし始めるのは時間の問題かもしれません。そうなる前に、データの有効活用で、企業と生活者のこれまで以上に活発かつ濃密なコミュニケーションを実現し、より良い消費社会を創造したい。当社を通じて、新しいスタイルの生活者との対話を是非お試しください。

キャッシュビーデータ株式会社 代表取締役 安藤 秀之

 この度キャッシュビー株式会社のクライアント企業様を含む多くの企業の皆様への提供価値の向上のため、長年事業を支援頂いている安藤氏にデータの活用・価値の最大化を託しました。安藤氏のこれまでの経営コンサルティングでの経験や知識で、難度の高いレシートデータの正確な読み取り・記載内容の理解・ビッグデータ化を誰よりも効率よく実現致します。キャッシュビー株式会社の特徴でもあるコストパフォーマンスをキャッシュビーデータ株式会社へも継承しつつ、企業の皆様にはこれまでにない費用感でご利用できるサービスを提供して参ります、どうぞご期待下さい。

キャッシュビー株式会社 代表取締役 小川 拓也

【会社概要】

名称:キャッシュビーデータ株式会社

本社所在地:東京都港区元赤坂1-2-7 赤坂Kタワー4階

代表取締役:安藤 秀之

設立:2021年3月

事業内容:マーケティング・リサーチ、データ分析

コーポレートサイト:https://www.cashb-data.co.jp/

【本件に関するお問い合わせ先:CASHb Data PR事務局 泉、森永】

TEL:03-6803-8444、MAIL:cashbdata@vectorinc.co.jp