楽天モバイル、繰り返すシステム障害に通信速度の低下でユーザーの不満はピークに!

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2020年のキャリア参入以降、着実に顧客数を伸ばしてきた楽天モバイル。しかしここのところ、立て続けに発生したシステム障害やネット接続の低速化により、暗雲が立ち込めている。ユーザーからの不満が紛糾し、このままでは顧客流出に繋がりかねない状況だ。一体、楽天モバイルに何が起こっているのだろうか……!?

人気ナンバーワンの楽天モバイルでシステム障害発生

 楽天モバイルといえば、2021年8月には合計契約数が500万回線を突破するなど、キャリア参入以降めざましい成長を遂げているスマホブランドだ。楽天モバイルのプランは「データ1GBまで0円」などデータ使用量によって料金が変動する従量制プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」一択で、プランの分かりやすさも魅力のひとつとなっている。5Gエリアの拡大も積極的に行っており、今後もさらなる利便性の向上が期待できるサービスと言えるだろう。9月にアンケートサイト「ボイスノート」が発表した「人気の格安スマホランキング」では、2位以下に圧倒的な差を付けて楽天モバイルがトップに選ばれたほどで、契約数の伸びも人気ぶりも問題ないように思える。

 しかしそんな状況とは裏腹に、大きな問題も抱えているようだ。楽天モバイルは9月27日の16時27分~20時ごろ、MNP(携帯電話番号ポータビリティ)を利用できない障害が発生していたと発表。利用できなかったのは、楽天モバイルと他社の間での転入・転出にともなうMNPの開通手続きと、実店舗での他社からのMNPによる新規契約。原因はシステム障害によるものだった。このトラブルは約3時間で復旧し、比較的早期に解決したものの、ユーザーからは厳しい声が寄せられている。

 というのも、同社でのMNPの障害は今回が初めてではなく、9月11日の13時頃~17時30分ごろまで、さらに3月に2回も発生していたのだ。何度も同じシステム障害が繰り返されるのも、ユーザーとして不安が募るだろうが、不満の声が上がる理由はそれだけではない。

 ネット上では、「9月11日の大規模通信障害以降、ずっとデータ通信でパケ止まり、パケ詰まりしてる!」「その日(11日)を境に体感速度が明らかに遅くなった」など、通信速度の低下も相次いで指摘されているのだ。さらに「なんか起きているならアナウンスしてほしい」といった…

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パチスロ激アツ展開で「余裕の完走」と思いきや…地獄の始まり!?

 ひろ吉のパチスロ「実戦」紹介。今回は大人気アニメをモチーフにした『バジリスク~甲賀忍法帖~絆2(通称、絆2)』について書いていく。

 本機は純増「約2.9枚」のAT「バジリスクタイム(以下、BT)」を軸に「バジリスクチャンス(以下、BC)」を絡めながら出玉を伸ばしていく仕様。通常時はレア役からBC突入を目指す。BC当選時は「設定」「モード(A~D)」「状態」を参照して、BT突入抽選を行う。

 6号機の中でも高い人気を誇る本機だが、筆者もよく打つ機種だ。何度か実戦記事も書かせていただいている。

 本機を打つときは決まってとあるホールに足を運ぶのだが、今まで高設定(5,6)を掴んだことはない。ただ設定1は使っていない(過去のデータを見る限り)ホールでもあるので、流れが良ければ「プラス収支」で終われる可能性も十分にあるのだ。

 今回も、そのホールで高設定を掴むべく実戦をしてきたので紹介させていただきたい。

 朝一、平日という事もありお客さんは20名程。ここのホールは抽選ではなく並び順での入場なので、30分程前に到着して無事『絆2』を確保した。

 打ち始めて332G、超高確中の巻物からBCに当選。初っ端からハマってしまい、悪い立ち上がりだ。その後も12G、87Gと立て続けにBCに当選するもBT突入することはなかったが…。

「BC間天井(最大7スルー)に行っても構わないから、早いBCが欲しい」と考えていると、91Gに超高確中の巻物からBCに当選。見事に初BTを射止めることに成功した。

「単発だけは回避したい」と願っていると、BT開始画面でまさかの「天膳」が登場する。この時点で、シナリオ「夢幻(12セット目まで継続)」or「激闘(12セット目まで継続率80%)」確定である。

 夢幻が選ばれる確率はかなり薄い(全設定共通で1/256)ので、「おそらく激闘だろうな」と考えていた。しかし激闘が選ばれただけでも、設定5の可能性がそこそこ高くなる。粘る価値は十分にあるだろう。

 とりあえず、高設定に期待しすぎず「なんとしてもここで伸ばしたい」と思って打ち続けた。しかし、レア役など何も引けず天膳とのバトルへ。嫌な予感はしていたが、いつも通りの展開のまま単発終了を食らってしまう。

 大チャンスを逃してしまったのは痛いが、高設定にも期待できる要素だったので気を取り直して続行。しかし88G、29G、153G、とBCは早いもののBTには繋がらない。気持ちが切れそうになったのだが…。

 148Gに当選したBCからBTを射止めることに成功。ここまで初当りを2度引いているが、最大3スルーなので悪くはない展開である。そこから大きな見せ場はなく500枚程を獲得するに留まったが、「初当りが軽い」「シナリオ激闘が選ばれた」という事もあり打ち続けることを選択したのだが…。

 地獄の始まりはここからだった。

 BC5スルーから6回目のBCでBTに当選するも、300枚程獲得して終了。もう一発BT引くまで粘り、BC6スルーから7回目のBCでBTを射止めたが、単発終了を食らう展開…最終的に投資1400枚で実戦終了となった。

 最後に実戦データを紹介しよう。総ゲーム数3712G、弱チェリー確率:1/43.7(設定3の近似値)、謎当り1回、偶数設定確定画面1回。サンプルが少ないので何とも言えないが、6は考えにくい。まぁ、2か4といったところだろう。

 それなりの負け額になってしまったが、 BT80%継続を引けたのでチャンスは十分にあった。引きが絡みあってれば「プラス収支」で終われた可能性もあった。そう考え、良しとしよう。

(文=ひろ吉)

<著者プロフィール>

 IT業界の世界に興味を抱き、iPhoneアプリの開発を4年程経験。その後、WEBマーケティングの知識や経験を重ねてきた。パチンコ・パチスロのヘビーユーザーであり、機種のスペック等の研究に時間を注いでいる。現在はパチMAXにて、パチンコやスロットの考察記事・実戦記事をメインに作成中。自身が好む低純増・低ベース機の動向にも注目している。

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遊びやすさに特化したパチンコ新台「羽根のない羽根物」!!

遊びやすさに特化したパチンコ新台「羽根のない羽根物」!!

 2004年の風営法規則改定は現代のパチンコにおけるエポックメイキングな出来事として後世のパチンコ史に刻まれることになるだろう。

 当初は大当りの下限が1/500に緩和されたことや確変割合の上限50%が撤廃されたことがとりわけフィーチャーされたが、P機の時代となる今にいたっては、このときの規則改正による最大のポイントは「種区分の撤廃」であったことが確認できる。

 つまり、「1種2種混合機」の誕生である。初代『牙狼』を生み出し、P機の高機能スペックの土壌となっているこの新たな形態はデジパチタイプばかりではなく、羽根物などの役物機にも多大なる影響を与えた。

 デジタルとアナログの融合によるゲーム性や連チャン力など、ソフトにハードに新たな規格を作り出してきたが、ここにきてついに「羽根のない羽根物」を爆誕させた。新台『PAウイニングボール』である。

 この遊びやすさに特化した役物機、羽根の代わりとなる入賞機能は「飛び込み口」となる。盤面上部の中央にある「▽」が描かれたヘソのような部分を玉が通過すると直下にある役物に入賞。

 このエリアには8つの穴があいた回転体役物が搭載され、「ストライクゾーン」と記された2つのポケットに入賞すると第2関門へ通過できるようになっている。回転による軌道の変化やタイミングなど、シンプルながら機微のあふれる役物となっている。

 回転体を突破すると待ち受けているのはシーソー役物。左右の端が上下運動するこの役物によってタイミングよく右側に設置された「START」装置に入賞すればデジタル抽選が発動する。

 デジタル抽選はシーソー役物の下にあるランプによる演出で展開。ランプの左側4つ分を占める「ホームラン(5~8番)」で停止すれば見事大当りとなる。

 ランプの変動には数種類のパターンを用意。通常の1から8へコマ送りで進行していくパターンを始め、アウトとホームランの間(4、5番)を行き来する変動やアウトを高速、ホームランを低速で移動するパターンなどのリーチ演出で大当りを盛り上げるようになっている。このデジタルでの抽選確率は1/4.85~1/4.10の6段階。

 ホームラン=大当り後は右打ちで消化。2ラウンドが9回連続するセットタイプの大当りとなり、最終的な出玉は約300個。ただ、大当り終了後は残保留で展開する連チャンゾーン「9回裏二死満塁一打逆転サヨナラチャンス」に突入。ここで引き戻せば再び2ラウンド×9回セットを獲得できる。

 この引き戻しゾーンによる連チャン率は約50%~57%。設定によって期待度が変化するようになっている。また、引き戻した場合は大当り終了後に通常モードに移行するのでループ性はない。

「羽根のない羽根物」と形容されるように、早いテンポで大当りを積み重ね徐々に出玉を増やしていくタイプのマシンとなる。シンプルだが飽きのこない役物機構と疲れのこないランプ演出、適度に発生してくれる連チャン性と長く遊べる機種となっているのである。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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 つまり、「1種2種混合機」の誕生である。初代『牙狼』を生み出し、P機の高機能スペックの土壌となっているこの新たな形態はデジパチタイプばかりではなく、羽根物などの役物機にも多大なる影響を与えた。

 デジタルとアナログの融合によるゲーム性や連チャン力など、ソフトにハードに新たな規格を作り出してきたが、ここにきてついに「羽根のない羽根物」を爆誕させた。新台『PAウイニングボール』である。

 この遊びやすさに特化した役物機、羽根の代わりとなる入賞機能は「飛び込み口」となる。盤面上部の中央にある「▽」が描かれたヘソのような部分を玉が通過すると直下にある役物に入賞。

 このエリアには8つの穴があいた回転体役物が搭載され、「ストライクゾーン」と記された2つのポケットに入賞すると第2関門へ通過できるようになっている。回転による軌道の変化やタイミングなど、シンプルながら機微のあふれる役物となっている。

 回転体を突破すると待ち受けているのはシーソー役物。左右の端が上下運動するこの役物によってタイミングよく右側に設置された「START」装置に入賞すればデジタル抽選が発動する。

 デジタル抽選はシーソー役物の下にあるランプによる演出で展開。ランプの左側4つ分を占める「ホームラン(5~8番)」で停止すれば見事大当りとなる。

 ランプの変動には数種類のパターンを用意。通常の1から8へコマ送りで進行していくパターンを始め、アウトとホームランの間(4、5番)を行き来する変動やアウトを高速、ホームランを低速で移動するパターンなどのリーチ演出で大当りを盛り上げるようになっている。このデジタルでの抽選確率は1/4.85~1/4.10の6段階。

 ホームラン=大当り後は右打ちで消化。2ラウンドが9回連続するセットタイプの大当りとなり、最終的な出玉は約300個。ただ、大当り終了後は残保留で展開する連チャンゾーン「9回裏二死満塁一打逆転サヨナラチャンス」に突入。ここで引き戻せば再び2ラウンド×9回セットを獲得できる。

 この引き戻しゾーンによる連チャン率は約50%~57%。設定によって期待度が変化するようになっている。また、引き戻した場合は大当り終了後に通常モードに移行するのでループ性はない。

「羽根のない羽根物」と形容されるように、早いテンポで大当りを積み重ね徐々に出玉を増やしていくタイプのマシンとなる。シンプルだが飽きのこない役物機構と疲れのこないランプ演出、適度に発生してくれる連チャン性と長く遊べる機種となっているのである。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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JRA川田将雅「美味しいとこ」取りで功労者はお役御免!? 関西の中堅を待っていたのは「残酷」な現実、奪われた相手に菊花賞苦戦の予感

 先週26日、中京競馬場で行われた神戸新聞杯(G2)は、吉田隼人騎手が騎乗した2番人気のステラヴェローチェが快勝。春二冠の皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)ではともに3着と涙を飲んだが、クラシック最終関門での天下獲りに大きく前進する勝利だった。

 菊花賞トライアルの神戸新聞杯は、3着以内の馬の本番への優先出走権が付与されるレース。単勝オッズ1.8倍の断然人気に推された今年のダービー馬シャフリヤールが4着に沈む中、2着に入って権利取りに成功したのは、関西の中堅・藤岡康太騎手とレッドジェネシス(牡3、栗東・友道康夫厩舎)のコンビだ。

 同馬は前走の日本ダービーで、馬群から大きく離された後方からの競馬で11着に惨敗しての休み明け。このときは、コンビを組んでいた横山典弘騎手の “無気力”にも映る騎乗ぶりに、ファンの間では賛否が分かれることにもなった。

 その影響もあってか5番人気に推されたとはいえ、10頭という少頭数でのもの。4番人気のワンダフルタウンの単勝オッズが9.1倍だったのに対し、レッドジェネシスは26.5倍と大きな開きがあった。オッズから分かるように、下馬評でも「上位人気4頭VSその他」と見られていた。

 この日の中京は朝から降り続く雨に馬場の悪化が進み、良で始まった馬場状態もメインレースが行われる頃には不良となっていた。足元の悪さを気にして内を避ける騎手もいた中、あえてインを走らせた藤岡康騎手のファインプレーも功を奏した。

 芝2200mのレースでスタートを無難にこなすと、藤岡康騎手はレッドジェネシスを外ではなく内の7番手につける。最終コーナーでは、逃げていたテイエムタツマキの1頭分だけ外を回す最短距離での抜け出しを図り、残り200mでは先頭に立つシーンも演出したほど……。

 惜しくもゴール前でステラヴェローチェに交わされたものの、2頭の着差はわずか1/2馬身。結果的に敗れはしたが、勝ち馬が無難に外を回していたら着順が入れ替わっていたかもしれない。

「馬群も外めに流れていましたし、内々を立ち回る形で運びました。走り方でこのような馬場は苦にしないと思っていました。勝負どころも内をついて最後もよく伸びてくれています。勝ち馬の決め手にやられる形になりました。着差が着差だけに何とかしたかったですね」

 レース後のコメントから、藤岡康騎手が単なる人気薄の大駆けではなく、明らかに勝利を意識していたことが伝わる。ダービー馬にも4馬身半と大きく先着し、本番でも勝算ありの手応えを感じただろう。

 しかし、最高に近い結果を残したにもかかわらず、藤岡康騎手はラスト一冠で再びレッドジェネシスの手綱を取ることは叶わなかった。なぜなら同馬の所属する東京サラブレッドクラブが、川田将雅騎手とのコンビで菊花賞(G1)に向かうことをホームページで発表するという残酷な現実が待っていたからである。

「藤岡康騎手にとっては気の毒に思える乗り替わりですが、川田騎手が空いていたのも不運でした。ダービーで騎乗したヨーホーレイクは武豊騎手で菊花賞の話が出た後に回避を決定。レッドジェネシスには春も騎乗しており、京都新聞杯(G2)を制しています。

また、川田騎手は同日に行われた中山のオールカマー(G2)でレイパパレに騎乗していましたから、結果に関係なく今回は代打騎乗だった可能性もありそうですね。ただ、この乗り替わりが必ずしも正解だったかどうかは分かりません」(競馬記者)

 記者の歯切れが悪かったのは、乗り替わる相手の川田騎手に長距離レースを苦手としている疑惑があるからだという。

 菊花賞は2010年にビッグウィークで制しているが、このときは7番人気という人気薄での勝利。雨の影響で前にいた馬に有利な状況も後押しした格好で、騎乗していたのはこういった馬場を得意とするバゴ産駒だった。

 スローペースを味方に早めに上がって直線で先頭に立つ判断もハマり、1番人気のローズキングダムが脚を余した格好で捕まえ損ねたレース。武豊騎手が距離を意識して後ろにつけ過ぎた幸運にも恵まれたことは否定できない。

 勿論、川田騎手の好判断が勝利を呼び込んだことには違いないが、これだけで大歓迎という訳にはいかない理由もある。

 実は、11年前に手にしたこの勝利を最後に、芝3000m以上の長距離重賞で一度も勝てていないのは気になる材料だ。デビューからトータルでもこの条件で【1.2.3.31/37】の勝率2.7%では、苦手にしているという疑惑も拭えない。19年には1番人気のヴェロックスで挑んだが、3着に敗れて人気を裏切った。

 馬は菊花賞の権利取りに成功しながら、最終的に自身は“権利取り”が叶わなかった藤岡康騎手。チャンスを奪った格好となる川田騎手としては、結果を残すことでこの乗り替わりがマイナスではなかったことを証明したいところだ。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

JRAスプリンターズS、短距離王の系譜…ダノンスマッシュの親子制覇なるか?

 昨日、投開票が行われた自民党総裁選が世間の話題を集めているが、10月3日の日曜日に注目すべきイベントがある。

 フランスで凱旋門賞(G1)が行われ、日本からはクロノジェネシスとディープボンドが出走し、武豊騎手も悲願の初勝利を目指して遠征する。そして日本中央競馬会(JRA)では、令和の短距離王を決めるスプリンターズステークス(G1)が行われるのだ。

 JRAを代表する短距離王といえば、サクラバクシンオーとロードカナロアが有名。同年代ではないので単純な比較はできないが、インパクトの強さでいえば人気ゲーム『ウマ娘』でもお馴染みのサクラバクシンオーだろうか。

 アメリカの強豪たちが遠征してきた1994年のスプリンターズステークスにおいて、圧倒的なパフォーマンスで勝利。あの力強さは今も多くのファンの脳裏に残っている。当時は短距離のG1レースがスプリンターズステークスのみだったので、今のように高松宮記念や香港スプリントがあれば、さらに多くのG1レースを勝利したと思うのは当然だ。

 一方で、実績を見ればロードカナロアを置いてほかにはいない。スプリンターズステークスを2勝、高松宮記念を1勝、そして香港スプリントを連覇するなど1200mのG1レースを5勝、さらにサクラバクシンオーも勝利できなかったマイルG1の安田記念も勝利と、その実績は他の追随を許さない。

 この2頭が日本競馬短距離界の礎となっていることは間違いない。なぜなら、サクラバクシンオーは種牡馬としてショウナンカンプやビッグアーサーといった短距離G1馬を輩出し、ロードカナロアも初年度産駒からアーモンドアイが大活躍、そしてダノンスマッシュが父と同じ高松宮記念と香港スプリントを制しているのだ。

 そして今週末行われるスプリンターズステークスにも、ダノンスマッシュが親子制覇、そして短距離G1レースの完全制覇を目指しているほか、ファストフォースは父ロードカナロア・母の父サクラバクシンオーという血統。ほかにもビアンフェとピクシーナイトがサクラバクシンオーの血を引いている。果たしてダノンスマッシュは勝利できるのか、立ちはだかるライバルはどんな存在なのか、このスプリンターズステークスを検証してみた。

 1番人気が予想されるダノンスマッシュは、過去にスプリンターズステークスに挑戦し3着・2着と、勝利まであと一歩の成績。加えて中山競馬場で行われた重賞のオーシャンステークス(G3)を勝利しており、このコース・条件になんら不安はない。鞍上の川田将雅騎手は2018年にファインニードルで制しているし、ダノンスマッシュの主戦騎手として誰よりも同馬を知る存在。そして管理する安田隆行調教師は、ロードカナロアとカレンチャンで1200mのG1レースを7勝と、現役調教師のなかでも群を抜く成績。この条件を勝つ仕上げを熟知しているといっていいだろう。

 では、肝心のライバル陣営の評価はどうだろうか。相手1番手と目されているのが、前哨戦のセントウルステークス(G2)を勝利したレシステンシアだ。高松宮記念ではダノンスマッシュに惜敗して2着となったが、今回の鞍上は現在2年連続でスプリンターズステークスを勝利しているクリストフ・ルメール騎手。4月以来の休み明けとなるダノンスマッシュと異なり、順調度では一歩リードしているかもしれない。

 さらに、活きのいい3歳馬を見てみよう。北九州記念(G3)を勝利した九州産馬ヨカヨカの出走回避は残念だが、それでもセントウルステークス2着で福永祐一騎手のピクシーナイト、1200m戦は3戦2勝のメイケイエールと、駒は揃った印象。ほかにも、超速の逃げ馬モズスーパーフレア、幻の高松宮記念馬クリノガウディーなど実力馬が揃い、かなり難解なレースとなっている。

 難解ということは、馬券的な妙味が高いことも意味しており、このレースを的中できれば驚きの“臨時収入”を獲得できるかもしれないのだ。そのため、誰もが的中させたいところだろう。そこでさらにこのレースをディープに検証するため、「競馬セブン」の情報を活用することをオススメしたい。

 なぜ競馬セブンなのか。それは、このチームには日本を代表する本物の競馬関係者が数多く所属しているからである。何をもって日本を代表する人材といえるのか、それは競馬セブンに所属する豪華な競馬関係者集団を見れば一目瞭然だ。なかでも元JRA騎手でJRA騎手学校の教官まで務めた徳吉一己氏の存在は別格といえよう。

 徳吉氏は、騎手として重賞を14勝するなど通算536勝を記録。日本騎手クラブの副会長を務めるなど人望は厚く、引退後はその技術と経験、そして実績が評価されてJRA騎手学校の教官に就任したほどの人物だ。その教え子は「花の12期生」と呼ばれた福永祐一、和田竜二、古川吉洋、柴田大知、細江純子や、武幸四郎、池添謙一、酒井学、北村宏司などトップジョッキーがズラリ。徳吉氏は彼らから「鬼教官」として恐れられたという。そんな人物が総監督を務め、ファンのために情報収集とレースの分析を行っているのだから、誰もが注目するのは当然である。

 さらにこの競馬セブンには、名馬タマモクロスを管理した小原伊佐美氏をはじめ、嶋田潤氏、二本柳俊一氏といった元JRA調教師や、社台グループの重鎮、馬主協会の大物、超ベテラン競馬記者の古川幸弘氏など、大物競馬関係者も多数所属している。

 大物競馬関係者が多数所属しているとはいえ、実際にどれほどの実力と実績があるのか。これはやはり、これまでの馬券成績で判断するのがいいだろう。

 昨年はスプリンターズステークスを的中させただけでなく、その後に続く秋華賞、菊花賞、天皇賞(秋)と、4連続G1レース的中を達成。特に秋華賞は4万馬券という高配当だったので、これにはかなり驚かされる。そして今年春のG1レースも、高松宮記念の万馬券を筆頭に11戦8勝という高的中率を記録し、万馬券も連発させている。しかも春のG1レースでは、馬連のみの購入でも166万8000円の払い戻しを獲得するなど、その実力は本物。この成績からも、スプリンターズステークスを的中させたいのであれば、競馬セブンの情報を活用するのが最適な判断だとわかる。

 今回のスプリンターズステークスに向けても、前哨戦のセントウルステークスを的中させており、しかも出走メンバーを見ると福永祐一騎手が騎乗するピクシーナイト、池添謙一騎手が騎乗するメイケイエール、和田竜二騎手が騎乗するミッキーブリランテが出走予定。これらの馬が仮にダノンスマッシュやレシステンシアを破ることができれば、彼らを指導した徳吉氏としてもうれしい結果となろう。

 ほかにも競馬セブンに所属するスタッフと関連のある馬や厩舎、騎手や馬主が多数出走。つまりその状況からも、競馬セブンだけが入手できる関係者の本音や裏事情があるのは明白なのだ。そういった意味でも競馬セブン、そして総監督を務める徳吉氏がこのスプリンターズステークスでどんなジャッジを示すか、非常に興味深い状況なのである。

 彼らによると、このスプリンターズステークスは「秋競馬開幕の記念企画として無料公開」を実施するとのこと。しかもその情報は、競馬セブンが独自に入手した自信の「隠れ穴馬を含めた厳選馬連3点勝負」だというから聞き捨てならない。本物の関係者だけが知る「ダノンスマッシュやレシステンシアを超える勢いの隠れ穴馬」とは、いったいどの馬なのか。今週末はこの無料情報を使って、ぜひスプリンターズステークスの馬券を買ってみたい。

 また競馬セブンでは、一般的なマスコミでは入手できないようなさまざまな競馬情報を、公式サイトを通じて無料で一般公開するというサービスも行っている。スプリンターズステークス以外の情報にも興味があれば、そちらも合わせてチェックするのがオススメだ。いずれにせよ、今年の秋競馬は競馬セブンの情報を活用することで、今までとはまったく違う週末を過ごすことができそうだ。

(文=編集部)

CLICK→【無料公開!スプリンターズS「厳選馬連3点勝負」】競馬セブン

※本稿はPR記事です。

クジラのCMから20年。解決しない課題を考えつづけるのが下手な僕ら。

 

高崎卓馬氏による、公共広告機構(現・ACジャパン)CM 「imagination/クジラ 子供から創造力を奪わないでください」


環境にまつわる仕事をすることになった。本や記事を読み漁ったけれど、肌が理解する前に頭で整理してしまう。無責任な言葉を書いてしまいそうで怖くなって、つてをたどって大学の先生にいろいろと教えてもらうことにした。研究者の言葉は重く、わかりやすく、学びは大きかった。僕が「海洋プラスチックが〜」と聞きかじった情報で質問をしたら、先生は微笑んでひとこと言った。

「その前に、高崎さんは酸性雨ってご存じですよね?」僕はもちろんと答えた。すると「以前、酸性雨の問題は世の中の関心を集めてひとつのブームになりました。それからだいぶ時間がたって今は海洋プラスチックの問題が世界中でブームのようになっています。でも、酸性雨の問題ってあれから何一つ解決していないんです」と先生は淡々と続けた。

ショックだった。広告の仕事は世の中の耳目を集めるのは得意だ。信じられるSocial Goodなことを見つけて、モチベーションを高めて、世界をちょっとでもいい方向にと頭と経験を駆使する。でも先生のそのひとことに自分たちの仕事の無責任な部分を指摘されたようで、言葉が続かなかった。先生は微笑んだまま続ける。「環境の問題って、何かをしたらそれで解決するというものでもないんですよ。だから永遠に考えつづけなければいけないんです」。人間が動く限りその問題はついてくる。人間の動きを止めることはできない。だから常に私たちは考えつづけて改善していく必要がある。聞けばそのとおりだと思う。でもここに来るまで次の課題、次の課題、と生きてきた気がする。

広告は課題解決の道具とよく言われる。課題の発見の鮮やかさが称賛を集める。でも課題を見つけてあぶりだすだけで終わっているものが多くないだろうか。課題には答えがある。そう信じすぎているのかもしれない。かつて賞をもらったその手の広告やクライアントはその後どうしているだろう。答えのない課題とどう向き合うか。向き合いつづけられるか。そういう課題を広告自体がはらんでいるのかもしれない。

このクジラのCMを最近よくとりあげてもらう。このCMを作ったのは20年も前だ。今見てもそう古く感じないのは、実はここでとりあげた課題はやっぱり少しも解決していないからなのかもしれない。僕がぐるぐる考えるあいだ先生は微笑んだまんまだった。

……………………………………………

最近、思い切り断捨離をした。迷ったら捨てる、を基準にしていたらかなり身軽になった。いつか形にと思いつつたまりつづける没コンテの山。やたらオプションのページが多い企画書たち。生まれてはじめて作ったCMのオーディションのビデオテープ。どんどん捨てた。たぶん少したつと「しまった!」と思うだろうけれど、まあこの気持ちの軽さを手に入れる代償なら仕方ない。

ふと手が止まった。懐かしさが手首をつかむ。メモ帳よりは大きめで、企画するには小さめの厚みのあるノートが2冊。20代後半にカンヌ国際広告祭(現・カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル)にはじめて行ったときのものと、もうすこし大人になってから行ったときのものだ。浴びまくった海外のCMの何かを必死に自分のものにしようとした痕跡が生々しい。死ぬほど冷えた映画館で唇を紫にしながら、はじめて見るCMにかなり興奮した。そのときの記憶があふれだしてくる。これがなかったらクジラのCMを作ることはなかった。

髙崎 卓馬


とにかく20代は苦しかった。何が面白いのかもわからない。どうすればいいのかもわからない。ヒットしている広告に惹かれない自分もいる。憧れるCMはあるけれど自分がどうしたらそこに辿り着けるのかまるで見当がつかない。長い打ち合わせで先輩が作った雑なコンテに、CDがもっともらしい注文をつける。プレゼンでそれが通る。演出家が根本から変えてしまう。それが撮影される。やみくもに何タイプも作られる仮編集に吐きそうになる。感覚でもりあがる打ち合わせに目眩を覚える。自分が考えるコンテは自分でも何がしたいのかわからない。整理のつかない気持ちをただ書き殴って日々が過ぎた。グラフィックの仕事だけが楽しかった。徹夜でADの手伝いをしながらデザインのことをいろいろ教わった。本気で美大に入り直してデザイナーになりたいと思ったりもした。はじめてカンヌに行ったのはそんな頃だった。

会場は映画祭と同じ。たくさんある映画館でスクリーニングが行われる。スクリーニングといっても、世界中からエントリーされたCMをカテゴリーに分類するだけでただ垂れ流すだけ。審査員が投票を繰り返してここからショートリストを作る、その丸ごとが見られた。受賞作は会社の資料室でも見られたけれど、この源泉垂れ流しが最高だった。面白そうなのに着地がヘタクソなものとか、なんの広告だかまるでわからないけれど、映像としてやたらとすごいものとか、完成度がいまいち低いものが鬼のようにある。こんなに最高な教材はない。自分だったらこうするなとか、これはこうだから面白さが最後までもたないんだなとか、永遠にやっていられた。

そのうち肌が何かを感じとる。海外のCMにはロジックがちゃんとあるぞ。それは何かを伝えるうえでとても重要な表現の背骨のようなものだ。日本で仕事をしているとそれがあまり必要とされない感じがするけど自分がやりたかったのはこっちだ。浴びるように見ながら、たまに流れるロジックのない日本のCMが幼稚に見える。会場であの大ヒットCMが失笑されている。自分の道が見えた瞬間だった。

そのことに気がついてメモの質が変わった。ロジックが導く表現の「回路」を集めまくった。考えながら浴びるように見るうちに細胞がざわざわするのがわかる。見つけた回路をメモって、そして夜にホテルに戻るとせっせとそれを清書して復習した。そこに新しい自分ならこうするというアイデアを追加した。新しい表現の方法を見つけた気になった僕はもう寝る間も惜しんで、ロゼワインもムール貝もブイヤベースも南フランスの太陽も無視して回路集めに夢中になった。
 

髙崎 卓馬
カンヌ国際広告祭のプログラム。見たカテゴリーをつぶしていく。うまく組み合わせないと全部見ることができない。

受賞に至らないCMたちは雄弁だった。回路を使っているが、回路が見えてしまうものは作者の意図に冷めてしまうから心が動かない。作為を吹き飛ばすものが必要だ。回路より強い何かがないと受賞しない。受賞作だけを見ていると回路より強い何か、に目がいってしまう。だからそこにある回路を見つけづらい。ところが垂れ流されるヘタクソなCMたちは、ロジックも回路もダダ漏れ、隠してないから見つけやすい。初心者にはうってつけだ。

髙崎 卓馬

いちばん多かったのが「時間軸」をコントロールするという回路だ。これは実は大先輩のCMの神様、小田桐昭さんがいろんな場面でおっしゃっていたことだけれど、当時の僕はそれを秒数の使い方の工夫くらいにしか理解していなかった。カンヌでああ、あれはこれのことだったかと理解して強く反省した。映像の醍醐味は時間の軸の操作にある。それによって視聴者を釘付けにすることができる。この技術を使えずに映像を扱う資格はないというくらい基本のものだ。

髙崎 卓馬

これは映画をちゃんと見ていなかったせいでひどい目にあう女性を描いている。まあひどいCMで今なら間違いなく炎上するだろう。その前に放送できないだろう。ここには「主人公を被害者にする」という大きな回路が横たわっている。やっぱりショートリスト未満のCMは最高の教材だ。

髙崎 卓馬 

美しい着地として「商品がオチ」になっているものがある。商品カットがでた瞬間に笑いが起きるなんて最高だ。表現の手法を今も開拓しつづける佐藤雅彦さんは、最近対談したときにも、商品がでた瞬間に片がつくこの形が本当は理想だ、とおっしゃっていた。僕は夜中のホテルでひとつの仮説をたてる。この形に持ち込むには、商品の不在を徹底的に誇張することが重要なのかもしれない。そんなメモだ。ここにあるのはほんの一部でノートにびっしり回路を書きとった。

そして帰国したあと、このノートに書いた回路を駆使して作ったのがクジラだった。エモーショナルなストーリーを作ろうとして考えたのではなく、自分のなかで「時間軸」をコントロールした「ミスリード」ものを「言語に頼らず」に作った。メッセージとテクニックが融合していく感覚があった。エモーショナルなモチーフを選んで誰かの心を動かすことよりも、どこか回路を使ってフルスイングしたいという映像的探究心のほうが強かった気がする。それからもノートを睨みながらあらゆる回路を試しながら企画しつづけた。
 

髙崎 卓馬
クジラのストーリーを思いついたときのメモ帳。

このノートには、あのときの焦燥感と何かを見つけた興奮がびっしり書いてある。それはきっと書いた本人にしかわからないものだろう。断捨離の手を止めてページをめくると今とたいして変わらない考え方が書いてあってそれはそれで愕然とする。ひとって自分が思うよりたいして進化とかできないものかもしれない。回路だってあれからそんなに増えてない。懐かしさに腕をつかまれてページをめくっているうちに久しく使っていなかった脳ミソの筋肉が動かされる。もっと「企画らしい企画をしろよ」このノートが僕にそう言っているような気がする。

コロナになって、会社に行かなくなった。どこかで何かが動いている他のチームの熱気を感じることが難しくなった。若い世代にこの仕事の醍醐味をどこかで教えとかなきゃという気持ちになって、昔やっていた「テラゴヤ」という企画の塾のようなものを復活させた。このノートに書いてある面白さをできるだけ伝えたいと思ったのだ。オンラインやリアルをハイブリッドしながらみんなと話した。

そのなかでこのカンヌのノートを見せると彼らが「どこでそれをまとめて見られるのかわからない」と言う。ああそうか、今はもうどこでも、いつでも、なんでも見られる時代になってしまって逆に探すのに苦労するのか。塊で浴びる場所が見つけにくくなっているのか。受賞していない最高の教材たちと出会う機会がなくなってしまったのか。なかなか難しいものだ。ノートのPDFや過去CMのリンクを共有しながら、こういうところにも効率の弊害は忍び込むのだなと思った。あの時の僕の熱は、間違いなく効きすぎた冷房とともにある。経験とはそういうものだったりする。

あの頃、クジラのCMの最後に「子供から、想像力を奪わないでください。」と書いた。その言葉が20年たってブーメランのように刺さる。想像力という素晴らしい宝物が痩せていかぬよう何ができるか。これは環境問題と同じように、永遠の課題なのだろう。

JRAディープボンドにまさかの「ハプニング」!? 凱旋門賞制覇に黄色信号、C.デムーロ“強奪”に欧州ならではの鉄の掟

 10月3日にパリロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞(G1)へ、ディープボンド(牡4歳、栗東・大久保龍志厩舎)とクロノジェネシス(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が出走を予定。ディープボンドにはC.デムーロ騎手、クロノジェネシスにはO.マーフィー騎手がそれぞれ騎乗する見通しとなっている。

 クロノジェネシスとマーフィー騎手が初コンビであるのに対し、ディープボンドとデムーロ騎手は凱旋門賞が2度目の騎乗であり、初騎乗で最高の結果を残したコンビに期待する声も多かった。

 凱旋門賞の前哨戦である前走のフォワ賞(G2)で、逃げた経験がないディープボンドでハナを奪ってそのまま逃げ切り勝ち。「逃げたのは僕の作戦」と、話したデムーロ騎手のファインプレーだった。

 デムーロ騎手は昨年ソットサスで凱旋門賞を優勝している騎手でもある。今年のフランスリーディングも6位につけているため、ディープボンド陣営にとっては頼もしい騎手を確保したはずだった。

 ところが、本番まであと数日というところで陣営にとって予期せぬハプニングが発生する。現地時間29日に欧州メディア「Race Sharp」などが報じた情報によると、デムーロ騎手が凱旋門賞で急遽ラービアー(牝4歳、仏・J.ルジェ厩舎)に騎乗するというのだ。前哨戦を勝利して手応えを掴んでいたディープボンド陣営にとって、デムーロ騎手を失ったことは大きな誤算となったに違いない。

 これにはデムーロ騎手がルジェ厩舎の管理馬へ優先的に騎乗する専属契約を結んでいることが関係している。今年の凱旋門賞ではルジェ厩舎の管理馬が出走するか未定だったが、今週に入って凱旋門賞とロワイヤリュー賞(G1)の両睨みだったラービアーが凱旋門賞出走を決めた。そのため、デムーロ騎手が契約を優先してラービアーへ騎乗する運びとなった。

 契約上の問題でラービアーへ騎乗することになったデムーロ騎手だが、後ろ髪を引かれる想いだったのではないだろうか。デムーロ騎手は日刊スポーツ主催の実兄・M.デムーロ騎手との対談で「(フォワ賞を勝てて)うれしかったね。ずっと『日本の馬でビッグレースを勝ちたい』って思ってて初めて重賞を勝てた」と、話しており、大きなチャンスだった。

 また、同対談では「日本が大好き。今年もコロナのせいで行けないけど、また短期免許で乗りに行きたいよ。今週は日本のためにも勝ちたい」と、ディープボンドに騎乗しての凱旋門賞連覇へ意欲を見せていた。

 一方、欧州ならではの慣習で鞍上を変えざるを得なくなったディープボンドだが、後釜にM.バルザローナ騎手が入る方針だ。バルザローナ騎手は現時点でフランスリーディング2位のトップジョッキー。日本競馬関連では、今年のドバイターフ(G1)でヴァンドギャルドを2着に導いたこともある。

 さらに、縁起の良い話もある。実は昨年デムーロ騎手へソットサスを薦めたのは、兄のミルコ騎手ということが先述の対談で明かされた。そして、今年ディープボンドを薦めたのもミルコ騎手だ。

 今年もミルコ騎手の見立てが正しければ、鞍上変更という想定外のアクシデントがあったにせよ、ディープボンドの好走は期待できそうだ。新たな鞍上バルザローナ騎手を迎えて、1着で駆け抜けることを祈りたい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

クリエイティブの“世の中を捉える目”は、CXでも必ず力を発揮する。

日々進化し続けるCX(カスタマーエクスペリエンス=顧客体験)。

今やあらゆるシーンで求められるCX設計に対し、電通のクリエイティブはどのように貢献できるのか?

その可能性を解き明かすべく、電通のCX専門部署「CXCC」(CXクリエーティブセンター)メンバーがCXとクリエイティブについて情報発信する新連載、その名も「月刊CX」をスタートします。(月刊CXに関してはコチラ

第1回は、CXCCの手がけたCX成功事例として高く評価されているLIFE TUNING DAYSチームをゲストに迎え、CXクリエイティブの神髄に迫ります。

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【LIFE TUNING DAYS】
LIFE TUNING DAYSとは、約5000年の歴史を持つ「ヨガ」にヒントを得たトータルウェルネスのコミュニティ兼プラットフォーム。B-connect社と電通がパートナーシップを組んで運営する新規事業です。

LIFE TUNING DAYS
https://life-tuning-days.com/

B-connect社はもともと3代にわたる老舗アパレル企業からスピンアウトして生まれたスタートアップ企業です。その事業の拡張を模索して、電通と協業することになりました。取り組みの真ん中にCXがあります。

そこで今回この取り組みのきっかけをつくったトータルプロデューサーでトランスフォーメーション・プロデュース局の三村洋平氏、メインプランナーでデータマーケティングセンター所属の松岡康氏、コピーライター兼プランナーで現在電通デジタル出向中の上遠野茜氏の3人に話を聞きました。

三村氏、松岡氏、上遠野氏

新たな「体験づくり」は新たな「言葉づくり」から

月刊CX:LIFE TUNING DAYSについて詳しく教えてください。 

三村:約5000年以上も前に始まったといわれるヨガからヒントを得たトータルウェルネスのコミュニティ兼プラットフォームです。「心とカラダのバランスを整える」ことを目的としてトータルウェルネスのTipsを集約し、デジタル/リアルのハイブリッドなイベント開催やSNSでの情報発信、ECサイトでの商品販売、スポンサーとのタイアップコンテンツ開発なども行っています。

月刊CX:B-connect社とCXCCのチームは事業の企画段階からクリエイティブメンバーを交えて一緒につくり上げてきたとのことですが。

上遠野:最初にB-connect社の高橋社長から新しい取り組みへの思いを詳しく伺い、われわれがそれをコンセプトに落とすところからスタートしました。高橋社長は「日本の健康寿命を0.5歳伸ばしたい」ということと、ヨガやウェルネスを扱うプラットフォームをつくりたいということをおっしゃっていましたね。

月刊CX:日本の健康寿命を0.5歳伸ばしたい。一見すると小さな数字のようにも思えますが、日本全体のこととして捉えると大きな意味のある素敵な考え方ですね。

上遠野:そうなんです。ヨガというと、どうしても意識が高いイメージがありますよね。でも「健康寿命を日本全体で0.5歳伸ばすこと」を目的にするのであれば、もっと広くみんなに関係あると思ってもらえるコンセプトにできるので、この方向性で考えました。

月刊CX:具体的にはどういうコンセプトにしたのですか?

上遠野:「生きる」ということをチューニングする、というふうに、言い方を少し抽象化して「ライフチューニング」という新しいコンセプトをつくりました。そしてそのためのプラットフォームをつくるということで最終的には「LIFE TUNING DAYS」という名前になりました。

体験を“数珠つなぎ”にすることでより強固なCXが生まれる

松岡:「ライフチューニング」という言葉を生み出したところから、実際のCX設計に取り掛かりました。「生きる」ことのチューニング方法がいくつかあり、そのチューニング方法それぞれにコミュニティが存在することで、参加者全体の活動を活性化させる。そういう形を目指して、まずはチューニング方法を大きく4つに分けました。

4つのチューニング方法

月刊CX:具体的にはどういうチューニング方法ですか?

松岡:
・見た目を整えるインターフェースチューニング
・カラダを動かして整えるボディーチューニング
・カラダのウチに取り入れるもので整えるインナーチューニング
・心を整えるマインドチューニング
の4つです。4つのチューニング方法それぞれが、美容やファッション、ヨガ、食生活、コーチングやメディテーションなど、具体的な体験としっかりと結びついています。

月刊CX:上遠野さんはこの事業にプランナー/コピーライターとして参画しています。そうしたいろいろな「ライフチューニング」がある中で、電通ならではのクリエイティブが特に貢献していることは何でしょうか?

上遠野:一貫した思想をつくった上で、個々の取り組みやイベントがブレないようにしっかり管理しているところだと思います。

LIFE TUNING DAYSには本当にたくさんの取り組みやイベントがあるので、油断しているとすぐ「この商品は、こういう成分が入っていていいよ!」のような、いわゆる“売らんかな”的な状態になってしまいます。そうした一つ一つに対しても、一貫した思想につながる文脈をつけて発信するなど、フィルター的に管理するところが、一番大きい仕事だと思います。

SNSで発信する際にも、例えば立ち上げ期には、私たちクリエイターがインスタライブの台本を毎回書いたりチェックしたりして、演者さんに何を言ってもらうか、マガジンでどういう文脈で発信するかも考えていました。思想が一貫してブレないように丁寧に考えてアウトプットを行うのが、本事業における電通クリエイティブの役割です。

イベントイメージ

月刊CX:体験を提供する上で、ユーザーの共感を得るのが大事なのはもちろんですが、その共感を生み出す元となる“思想”が一貫していることがCXクリエイティブのポイントなんですね。

上遠野:そうです。特にSNSでは公式アカウントの人格に一貫性がないと、今のユーザーには信用されません。ある場面ではソーシャルグッドなことを言っていたのに、次の瞬間「すごく安いよ!」と言っていたのでは、ユーザーの信頼を失います。そういうところをずっと継続して管理して、マネジメントし続けることが重要だと思います。

想定外のことにも即座に対応できる柔軟性が不可欠

月刊CX:LIFE TUNING DAYSが今の形になるまでいろいろあったと思いますが、CXクリエイティブ的にどういう順序で成長しましたか?

松岡:SNSが最初です。というのも、LIFE TUNING DAYSのローンチが2020年3月だったのですが、新型コロナウイルスの影響がいきなりあって、SNSから始めざるを得なかったのです。本来はもっとECとリアル施策が中心になる予定だったのですが、コロナ禍の影響で、SNSを中心としたコミュニティ施策が自然とサービスの中心になっていきました。事業立ち上げのイベントの実施が難しくなったピンチをSNSのコミュニティが救ってくれたともいえます。

月刊CX:いわゆるアジャイルな形で成長してきたのですね。

松岡:特に2020年3月12日〜14日という、新型コロナウイルスの影響で実施が一番難しくなるタイミングにローンチイベントを企画していたので、いきなり壁に当たった感じでした。これは中止かと思ったときに、出演協力をいただいていたタレントの福田萌子さんたちとも会話をする中で、「今だからやんなきゃいけないですよ」という空気が生まれ、やったこともないインスタライブを始めようということになりました。

当時まだインスタグラムの公式アカウントさえ開設して間もない状態でしたが、出演者の方々や配信に必要な機材に詳しい方々にも協力していただきつつ、とにかくみんなで行動に移しました。「まずはみんなでインスタライブっていうのを成功させよう」と、協力し合って動きまわったことを覚えています。

月刊CX:まさに怒涛の展開ですね。

松岡:最初のインスタライブが成功した後、緊急事態宣言に突入。そこからは新たに企画を立ち上げ、毎日リレー方式で、計90日間連続ライブを行っていた感じです。実施に当たってはクリエイティブチームの協力を得ながら、1日も欠かさずに毎日配信を続けて、気づいたときにはインスタライブにおけるわれわれのブランドみたいなものができていました。

そこから6月21日の国際ヨガDAYにオンラインでワンデーイベントも実施したり、ハワイからモデルのSHIHOさんに参加いただいてZoomでイベントをやったり、インスタライブで商品を紹介しながら購入してもらうものもあれば、レシピを紹介するライブも行いまして。本当に1日で心とカラダをみんなで整えようという感じの展開でした。

成長の過程

月刊CX:よくあるキャンペーンのように1回で終わる体験ではなく、少しずつ形を変えながら延々と調整しつつ続ける取り組みですね。

松岡:一度お客様がつくと次も期待してくださるのでそれも大きかったかもしれません。2020年9月からは東急スポーツオアシスにもパートナーとなっていただき、協力してオンラインとオフラインのハイブリッドイベントも行いました。

また、渋谷区で行われた「SOCIAL INNOVATION WEEK」というイベントに合わせて宮下パークの中でリアルなイベントも実施しました。

今年の6月に行った3日間にわたるオンラインイベントでは、世界ナンバーワン瞑想アプリのCalmと連携してダウンロード促進しながら、Calmのコンテンツをオンラインで発信したり、全国のいろんなヨガスタジオをつないでみんなで108回の太陽礼拝にチャレンジする「全国ヨガリレー」をしたりするなど、新しい取り組みも始めています。

今は、11月に渋谷区と一緒に「SOCIAL INNOVATION WEEK」を盛り上げるために、昨年から規模も中身もさらに発展させた「1万人ヨガ」的なものも企画しています。

イベントイメージ

広告クリエイターの“世の中を捉える目”はCXでも力を発揮する

月刊CX:CXクリエイティブを極めるコツや秘訣などあればお伺いできますか?

上遠野:「LIFE TUNING DAYS」のCXクリエイティブで特に意識してやってきたことは、「みんなが信じられるものをつくること」で、そこは間違いなく秘訣です。

例えばスタートアップが大型コマースサイトと真正面から戦っても勝てないですよね。価格競争や品ぞろえ、タレントをアサインする予算など、何もかもケタ違いですので。

そうした相手に対して、スタートアップがECをゼロから立ち上げて運営し始めるときに大切なのは、「この『LIFE TUNING DAYS』が言っていることは信じられる」と思ってもらえるようにすることです。

実際、それが功を奏したのだと思いますが、ユーザーにこの取り組みを信じて、自分たちのものとして積極的に取り入れてもらい、多くの方々にファンになっていただけました。

同じように、協力いただくインフルエンサーや出演者の方々にとっても信じられるものをつくり、ブレないようにマネジメントし続け、そしてそれを全ファネルでやり続けること。CXクリエイティブとしてはそういう仕事が一番大事だと思います。

月刊CX:メインプランナーの松岡さんはいかがでしょうか?

松岡:世の中に対して呼応し続けるということも大事だと思います。マス広告は発信するまでの準備にしっかりと時間をかけ、クライアントも表現を一緒に何度も詰めて、設計し尽くしたものを出していくイメージですよね。一方で、世の中の空気って結構ふわふわしていて移ろいやすく、すぐどこかに行ってしまいます。その変化に対して即座に呼応し続けるのも、CXクリエイティブにおける一つのポイントだと感じています。

そして、変化に呼応するためには「すぐ動けるパートナー」も必要です。いざ何かやろうとなったときに、一瞬で一緒になって進むことができる体制ができているかどうか。「LIFE TUNING DAYS」では、B-connect社や出演者とそうした体制をつくれたことで、クイックな動きができていたと思いますし、いろんな施策を今も打ち続けられていると思います。

月刊CX:CXクリエイティブを手掛けるに当たって、広告クリエイティブをやっているからこういうところにまで目が行き届くとか、サービスづくりに気持ちが行き届くみたいなことはありますか? 

上遠野:広告クリエイティブをやっていて良かった点は「世の中ゴト化する視点」を持てることだと思います。私たち広告クリエイターが参加していなかったら、打ち出し方としてはおそらく「ヨガ&ウェルネスです!」ということで終わっていたかもしれません。

ヨガ講師の方々は自分の世界に引き込むすごいフレーズを持っておられる方が多いのですが、それがどういうコンセプトで、みんなの人生にどう役に立つのか、そこを翻訳してあげることが必要だと感じました。

その点、広告クリエイティブはいろんな企業や世の中の潮流に向き合い続けるのが仕事なので、そういう視点が自然と身についています。まさに「ライフチューニング」という言葉もそうですが、「みんなに関係あるよね」というふうに、多くの人に伝わるように翻訳できているのかなと思います。

月刊CX:コピーライターは普段からそういう訓練を受けていますし、腕の見せ所ですね。ちなみにCXを行うとき、アートディレクター(以下AD)の役割やパフォーマンスはどういうふうに見えていますか?

松岡:ADは最強です。チームみんなが価値観を共有する有効な手段として、「言葉」と「ビジュアル」がありますが、やはりビジュアルで見せた方がみんな分かりやすくてテンションが上がります。

「今回こういうタイトルで、こういうビジュアルで考えました」というふうに、イベントのメインビジュアル持って行ったときに、協力いただいていたヨガ講師の方々のテンションの上がり方がとても良くて。「わぁかわいい」とか「わぁ素敵」とか、みんなで盛り上がり、「このイベントに参加しているって、誇りだよね」とも言っていただけました。

上遠野:今のコミュニケーションやCX設計って、価値をバシッと一つの言葉や形にして終わりというよりは、ブランドの世界観や価値観をいかに継続的に発信していくかが重要になっていると思います。

継続的な発信のためには、特にその「世界観づくり」が生命線だと私は思っています。例えばインスタが主戦場だとすると、その世界観がないとどんなに良いことを言ってもユーザーに届きません。ADは世界観を分かりやすく「絵」にして共有してくれますし、それが必要になったときにフットワーク軽く手を動かしてくれます。それは従来のADの働き方とは違うかもしれませんが、本当に大事でありがたい存在です。

月刊CX:ADがつくる「言語外の感覚」みたいなことが生命線になることがありますよね。「何かイイ感じ」という感触も、コントロールできないと、取り組みとして継続できなかったりします。本日はとても貴重なお話をありがとうございました。


(編集後記)
月刊CX 第1回、いかがでしたでしょうか?今回は電通がクライアントのパートナーとなり、顧客体験そのものを生み出したチャレンジを紹介しました。次回は、広告領域でのCXチャレンジとして「ソーシャルエンゲージメント」の取り組みを取り上げたいと思います。

こういう事例やテーマを取り上げてほしいなどのご要望がありましたら、下記お問い合わせページから月刊CX編集部にメッセージをお送りください。

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月刊CX編集部
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くも膜下出血、運転中に発症して大事故に…50歳頃から要注意、前兆症状が表れたら即受診を

 9月11日、東京都千代田区でタクシーが歩行者ら5人を死傷させる事故が起きた。タクシーを運転していた64歳の男性は約16時間後、搬送先の病院で死亡が確認された。報道によると、死因は「くも膜下出血」だったという。

 くも膜下出血は誰にでも起こり得る病気であり、50代以降は特に注意すべき病気である。

 脳は外側から硬膜、くも膜、軟膜で覆われており、くも膜と軟膜のすき間は「くも膜下腔」と呼ばれる。このくも膜下腔には脳血管が走っており、なんらかの原因で出血を起こした状態がくも膜下出血である。くも膜下出血は、わずかな時間で脳全体に広がり強いダメージを与えるため、今回のタクシー事故のように、運転中などに発症すれば悲惨な事故を起こしかねない。

 くも膜下出血の原因の約90%は、脳動脈瘤の破裂である。脳動脈瘤とは、脳内の主要な血管に瘤(こぶ)ができた病態をいう。脳動脈瘤は50歳以降に多く見られ年齢とともに増加していくが、自覚症状がないため、ある日突然、脳動脈瘤が破裂し、初めて脳動脈瘤があったことに気づくケースも少なくない。

 くも膜下出血の前兆症状として、強い頭痛が起きる。「バットで殴られたような強い痛みを感じる」といわれるが、実際には頭痛の強さは人それぞれ異なる。また、急激な血圧の上昇と下降が起きる傾向にあり、それに伴い視力低下、めまい、吐き気・嘔吐、意識の低下といった症状が起きる。こういった症状が現れた後に一度消失し、その後、くも膜下出血が起きるケースが少なくない。したがって、このような症状が現れた際は、速やかに医療機関を受診してほしい。

 前述したように脳動脈瘤とは、脳の主要な血管にできた「こぶ」である。破裂せずに、こぶの状態のままの脳動脈瘤を「未破裂脳動脈瘤」と呼ぶが、50歳以上では2~6%の人が未破裂脳動脈瘤を持っているともいわれる。しかしながら、その未破裂脳動脈瘤を持つ人のなかで、くも膜下出血を起こす可能性は低く、0.02~0.05%と推測されている。必ずしも脳動脈瘤がくも膜下出血に直結するわけではないが、その大きさによって適切な対処が必要となる。

 脳動脈瘤が起きる原因は、はっきりと解明されていないが、外傷によるケースや高血圧、高コレステロール血症、喫煙、習慣的な大量飲酒などが危険因子となる。先天的因子もあり、家系のなかに脳動脈瘤を持つ人やくも膜下出血を起こした人がいる場合は、要注意である。未破裂脳動脈瘤の多くは自覚症状がないため、発見には脳ドックなどで脳の画像診断を受ける必要がある。

 一般的に、5mm以下の脳動脈瘤の場合は経過観察となり、血圧のコントロールをはじめ、過度の飲酒や喫煙など危険因子を極力避けた生活を心がけることが重要となる。5㎜前後以上の大きさの脳動脈瘤については、手術を前向きに検討することが推奨されている。手術も大きさによって適用となる手術の方法が異なるため、医師との十分な相談が必要である。

【手術例】
・脳動脈瘤クリッピング術…脳動脈瘤を金属製のクリップではさみ、瘤の中に血液が入り込まないようにする。全身麻酔下での開頭手術となる。
・脳動脈瘤コイル塞栓術…脳動脈瘤の中にコイルを詰め、瘤の中に血液が入り込まないようにする。全身麻酔で行われる場合もあるが、局所麻酔でも可能であり、大腿の動脈から管(カテーテル)を挿入して行う。

 脳動脈瘤があることを知らずに生活していれば、ある日、くも膜下出血を起こし、最悪の場合、死に至ることもある。50歳を迎える頃から、1年に一度は脳ドックなどの検査をすることをお勧めしたい。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)



吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。