ジャングリア沖縄は「全く新しいカテゴリー」のテーマパークだった…なぜ総事業費はUSJの半額以下?

●この記事のポイント
・沖縄に開業した「ジャングリア沖縄」、東京ディズニーランドを上回る敷地面積ながら、総事業費はUSJの半額以下
・運営元はジャングリア沖縄で成功させたミドルクラスのテーマパーク・モデルを、アジアや中東に輸出していく計画
・これまで日本にはなかった全く新しいカテゴリーのテーマパーク

 昨日(7月25日)、沖縄の大型テーマパーク「ジャングリア沖縄」が開業した。前日に盛大に行われた「前夜祭」の様子は多くのメディアで取り上げられ、世間の関心の高さがうかがえる。沖縄県北部の名護市と今帰仁村にまたがるかたちで、東京ディズニーランドを上回る約60万平方メートルの敷地面積を擁するが、総事業費が700億円と1000億円以下に抑えられ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の開業時の半額以下となっている点も注目されている。運営元はジャングリア沖縄で成功させたミドルクラスのテーマパーク・モデルを、アジアや中東に輸出して事業拡大につなげる計画だ。東京ディズニーリゾートやUSJなどの「都市型テーマパーク」とは一線を画した「自然共生型テーマパーク」、国内居住者と海外居住者で価格を分ける二重価格など、珍しい取り組みを行うジャングリア沖縄は、果たして成功を収めることができるのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

●目次

総事業費1000億円のテーマパークはアジア圏で開発のハードルが低い

 国内での大型テーマパークの開業は、2022年に愛知県に開業した「ジブリパーク」以来、3年ぶり。22のアトラクションやショー、レストラン、ショップなどを擁し、目玉アトラクションである「ダイナソーサファリ」やジップライン、バンジージャンプに象徴されるとおり、大自然との一体化が志向されており、その点は東京ディズニーリゾートやUSJなどと大きく異なる。両テーマパークとの違いとしては、現時点では隣接するホテルなどの宿泊施設がなく、提携のホテルまで車で30分程度かかる点がネックとされる。

 運営元のジャパンエンターテイメントは2018年に設立され、開業に向けて7年もの歳月をかけて準備を進めてきたが、その筆頭株主でテーマパークの企画を担うのが刀だ。刀の代表取締役CEOであり、USJ復活の立役者として知られている有名マーケター・森岡毅氏が企画を指揮。1月に開かれたジャングリア沖縄の記者会見には石破茂首相も出席するなど、国からも大きな期待を寄せられている様子がうかがえる。

 ゴルフ場跡地である広大な敷地の形状を活かすことで、総事業費を約700億円に抑えた。沖縄本島北部は、観光客が多い那覇市を含む中南部からは離れているが、非都市型で総事業費1000億円のテーマパークはアジア圏で開発のハードルが低いとみて、運営元はジャングリア沖縄で確立した成功モデルをアジアなどに輸出する構想を抱いている。

「もともとゴルフ場だったところをテーマパークに生まれ変わらせる跡地の活用はジャングリア沖縄だけではなく、海外へ展開できるビジネスのチャンスを視野に入れています。まずは今回のパークを成功させる(第1フェーズ)、ゴルフ場跡地全体の敷地面積は120haで、今回はそのうちの60haを活用しており、次は残りの半分を活用する(第2フェーズ)。第3フェーズとしての海外展開を視野に入れている。そこからも逆算して価格設定をしています。体験価値に応じての価格設定です。今後投資をどんどんしていきます。現在活用する60haの土地にもフューチャーエリアといわれる新しく建設できるエリアを設けています。残りの60haもパーク自体を活用するという案もあり、体験価値に応じて価格が変動する可能性はあります」(ジャパンエンターテイメント/3月4日付当サイト記事より)

二重価格制は海外では珍しくない

 そのほかに異例とされるのが、二重価格を導入している点だ。チケット料金(12歳以上)は国内在住者は6930円、国外在住者は8800円と異なる価格が設定されている。その理由について運営元は次のように説明する。

「二重価格制については海外での観光施設では見られることですが、さまざまな議論を呼ぶ可能性は認識していました。市場調査、需要予測を行ったうえで、弊社が提供する体験価値に基づいて価格設定を試みました。世界的に見ると、たとえば、米国カリフォルニアのディズニーランドは、為替変動もありますが1万9000円前後。香港ディズニーランドは1万6000円前後であります。国内的には、多くの方が思っている価格よりも高い価格設定かもしれませんが、記者会見後、国際的にはリゾートとしては割安という声をいただくこともあります。我々も海外のお客様に満足いただけるように、言語対応プラスアルファで、体験価値をしっかり作りこんでいきます。国内在住者に対しては日本、沖縄の持つ観光の価値、ジャングリアの体験価値を認知していただく。積極的に体験し、発信もしていただきたいという考えもあってより利用しやすい、体験しやすい価格に設定させていただきました」(ジャパンエンターテイメント/3月4日付当サイト記事より)

全く新しいカテゴリーのテーマパーク

 将来的には年間来場者数300万人を見込むジャングリア沖縄の成長性について、テーマパーク経営に詳しい桜美林大学教授の山口有次氏はいう。

「ディズニーリゾートやUSJのような大規模テーマパークと自然公園を組み合わせた、これまで日本にはなかった全く新しいカテゴリーのテーマパークといえます。樹木や植栽がふんだんに使われ、“箱型”のアトラクションは少なく、ゲストが体を動かして楽しむアクティビティ型のアトラクションがメインである点も特徴です。これによって事業費を低く抑えられるので、進出先の国・地域によって違った形態のテーマパークにローカライズしていく必要はあるものの、モデルとして輸出しやすい面はあるかもしれません」

 課題もあるという。

「テーマパークに限らずレジャー施設というのは、何度も訪問する客をいかに獲得できるのかがカギとなってきますが、ジャングリア沖縄がそのようなリピーターを確保できるのか。また、テーマパークはいかに地元の住民に支持されるのかが、その成否を大きく左右しますが、ジャングリア沖縄は現段階では地元のニーズと乖離しており、地元住民の吸引を想定していないようにみえるので、その点が課題になってくるかもしれません」(山口氏)

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=山口有次/桜美林大学教授)

LLMはユーザーの情報をどこまで守れるか…海外のAIサービス利用にはリスクが伴う?

●この記事のポイント
・欧州各国ではディープシークのアプリの削除命令が出されたり調査が開始されるなど、世界的に規制の動き
・米国企業が提供するLLMも、日本の企業や個人のデータが大量に米国事業者のサーバーに流れている

 今年1月に米Open AIの「ChatGPT」に匹敵する性能を持つAIモデルを、米国製の10分の1以下のコストで開発したと発表した中国の新興AI企業DeepSeek(ディープシーク)。その同社がユーザ情報を中国政府に提供している可能性が浮上している問題を受け、ドイツ当局は6月、ディープシークのサービスについて米アップルなどに対しアプリストアから削除するよう要請。以前から欧州各国では、ディープシークのアプリの削除命令が出されたり調査が開始されるなど、世界的に規制の動きが広まっていた。日本では中国アリババクラウドのQwenを使う日本企業も増えつつあるが、中国企業のAIモデルを利用するのはリスクが伴うのか。また、米国企業が提供するLLM(大規模言語モデル)は日本でも広く使われているが、そのLLMは米国事業者のデータセンターのサーバー上で動いており、日本の企業や個人のデータが大量に米国事業者のサーバーに流れていることになるが、これは何かリスクがあるといえるのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。

●目次

実際のところは「わからない」

 各国が提供するAIモデルを利用するのはリスクが伴うのか。AI開発者で東京大学生産技術研究所特任教授の三宅陽一郎氏はいう。

「一般的には『わからない』というのが正しい言い方かもしれません。もし仮に大規模言語モデル(LLM)のサービスなどからユーザ情報が他に流れていたとしても、公式に認められることはないですし、『100%ないといえるのか』といえば、わからないということになります。日本企業側には言語エンジンに対する情報漏えいの懸念もあって、大規模言語モデルのサービス開始当初から慎重な姿勢がありました。そこでサービス側としては、インプット情報を記録しない、保存しないというエンタープライズ向けのサービスが拡張された、という経緯があります。むしろ現在では個人ユーザ向けに情報漏洩の懸念が広まっていないのかもしれません。

 では、大規模言語モデルを提供するAIモデルを使うのは避けたほうがよいのかどうか、という話でいいますと、それは注意の上で使用する以外なく、なるべく個人が特定できる情報を避け、社内のコンフィデンシャルな情報を書き込むことを禁止する以外にありません。ユーザの検索履歴やAIとのデータのやり取りというのは、AIサービスを提供する企業のサーバー側に残るわけで、大規模言語サービスが出始めた初期の頃は、ユーザ情報が別のユーザに伝わってしまうという問題がたびたび起きていました。ユーザがLLMに入力したデータが学習データとして回収されるので、社内情報をAIに話すことを禁止している企業は多いのです。

 初期には企画内容の詳細や個人名を渡してしまうユーザーもあり、過去には特定の会社・部署の人の名前をそのAIで検索すると電話番号が分かってしまうということもありました。入力した内容は基本的には全てサーバーに渡ってしまいます。それは相手がアメリカのAI企業であろうが、中国のAI企業であろうが、欧州のAI企業であろうが同じことです。その取扱いは、それぞれの運営ポリシーによって処理されます。利用許諾で使用しないことを明確にしている企業もあります。あとは、それぞれの企業ごとの方針ですので、企業がAIサービスを利用する際には、提供元企業との間で、受け取ったデータを学習に使わないという内容の契約を結ぶのが一般的です。それを見越して、エンタープライズ向けのサービスがデザインされています。それでもなお慎重になる企業も多いのです」

企業情報が企業外に渡った場合の想定リスク

 では、仮に企業の情報が他国の政府など企業外に渡った場合、どのようなリスクが想定されるのか。

「企業のコンフィデンシャルな情報はLLM経由であろうと、どのような経由であろうと当然、守られる必要があります。ただLLMの応答速度やパーソナライズされた返答に、それが閉じた会話であるように多くの人は思ってしまうのです。しかし実際は数百キロ離れた場所のサーバーとやりとりしていることを忘れてなりません。一人一人が少しの情報を漏洩しても、積算して大きな傾向として見えてしまう、ということもあります。

 実際、LLMが何をどのように学習するか、ということは原理はわかっていても、管理者にさえブラックボックスなところがあります。そのブラックボックスから情報を抽出するという行為を検出することは通常の質問になりますので、なかなか防ぎ難いことです。またLLMでは、特定の情報をその中で消去する、ということは原理上難しいところがあります。できることは、外に出てこないように出力側にフィルターをかけることと、そして入力をしないことです。現在は過渡期ですので、次第にLLM周りのガイドラインが整備されるかと思いますが、現在のところ各社、各自の注意が必要です。過度に控える必要はありませんが、依存し過ぎず、インターネットと同じく万人が使用するツールであることを頭に置いておくことが大切です」

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=三宅陽一郎/AI開発者、東京大学生産技術研究所特任教授)

車や家電に再生プラ使用義務=メーカー、計画作成が必須に―経産省

 経済産業省は25日、再生プラスチックの使用義務を課す製品に自動車と家電製品、容器包装を指定する方針を示した。5月に成立した改正資源有効利用促進法に基づく措置で、対象製品を製造する事業者に、再生プラスチックの使用目標を含む計画の作成と提出を義務付ける。資源循環を促進し、新たにプラスチックを製造する際に発生する二酸化炭素(CO2)の排出削減につなげる。 

 改正法は、プラスチックを多く使う製品を念頭に、メーカーに再生材の使用計画の作成や、実績に関する定期報告を義務付けることなどを定めた。25日開いた有識者会議で、同省は規制の対象となる企業の要件を提示。自動車は1万台以上、家電ではエアコンとテレビ、冷蔵庫、洗濯機の4品目について、それぞれ5万台以上を生産・販売する企業を対象とする。

 業界の意見を聴取した上、8月にも方針を決定する。来年4月の改正法施行後、企業の準備期間を経た上で、計画は2027年6月までの提出を求め、定期報告は28年度以降の開始を目指す。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2025/07/25-20:09)

3300万ユーザーをECに誘導、TikTok Shopの威力…ディスカバリーEコマースという新たな体験

●この記事のポイント
・国内で月間ユーザー3300万人超を誇るTikTokが「TikTok Shop」を開始
・既存アプリにEC機能を追加し、ユーザーはショート動画やライブ配信のなかで紹介された商品をアプリ上で購入
・新しい購買体験「ディスカバリーEコマース」、自分に合った魅力的なコンテンツをTikTok上で発見し、購入できるサービス

 国内で月間ユーザー3300万人超を誇るTikTokが、6月30日、インターネット通販「TikTok Shop」を開始した。既存アプリにEC機能を追加し、ユーザーはショート動画やライブ配信のなかで紹介された商品をアプリ上で購入できる。日本では大手企業がライブコマースに注力するも普及はこれからといえる状況のなか、TikTok Shopは「単なるライブコマースではない『ディスカバリーEコマース』」だと説明する。Amazon.co.jpや楽天市場をはじめ大手ECがひしめくなか、TikTok Shopはどのような成長戦略を描いているのか。TikTok Shop Japanに取材した。

●目次

ディスカバリーEコマースとは

 日本市場で「TikTok Shop」を開始する背景・理由について、TikTok Shop Japanは次のようにいう。

「日本では、毎月3300万人を超えるユーザーの皆さんがTikTokを訪れて、お気に入りのクリエイターが発信するコンテンツからエンターテインメント動画、そして役立つコンテンツまで、幅広い動画を楽しんでいます。また、特に2021年以降、『TikTok売れ』のようにコミュニティ主導のトレンドを通じて、人々は自分のお気に入りの商品を発見し、共有することが主流になっています。TikTokでは、こうした流れの中で、さまざまなブランドやビジネスがコミュニティとつながることで成功を収めています。この強力なコミュニティに、現在のEC業界の成長も加わることで、さらなる可能性が広がっていくと考えています。

 他の地域で多くの成功事例を収めているTikTok Shopですが、このたびの日本市場への展開はグローバルで17市場目となります。2024年12月以降では8市場目の導入となります。私たちは常にユーザーの皆さまのニーズを起点に検討・行動しています。また、ユーザーの皆さまからの声を聞きながら、各市場に合わせたサービスを展開できるよう努めています。ユーザーの皆さまに『創造性を刺激し、喜びをもたらす』ことで、TikTokの強みを生かしたTikTok Shopならではの『ディスカバリーEコマース』という新しい購買体験を届けられるよう、さまざまな機能のテストやチャレンジを続けています。

 具体的にどのような特徴を持つECなのか。

「TikTok Shopは、自分に合った魅力的なコンテンツをTikTok上で発見し、購入できるサービスです。ショッピング動画やLIVE配信を通じてユーザーはお気に入りのアイテムに出会い、その場で購入が可能となる新しい購買体験を『ディスカバリーEコマース』と位置づけています」

 既存のECとは、どのような点が違うのか。

「TikTok Shopは、発見を起点とした『ディスカバリーEコマース』を提供しています。これが大きな特長となります。現在、EC業界は成長を続けていますが、まだまだオフラインにおける購入の力のほうが強いと考えています。その中で、従来のECプラットフォームと根本的に異なるのは、TikTok ShopがEコマースのプラットフォームである以前に、コンテンツプラットフォームである点です。ユーザーはあくまでもコンテンツを楽しみながら、自分が気になるアイテムと出会う。企業やクリエイター側から見ると、あくまで1つのコンテンツとして、その商品の特徴を説明する表現形式をとる。そのマインドセットが違うと考えています。

『自分はこれがほしいけれど、何と検索すればいいのかわからない』という消費者もいます。また、検索してもたくさんの検索結果が出ますので、売る側は消費者に出会ってもらえないこともあります。TikTok Shopでは、コンテンツの力を通じて多くの人に気に入ってもらえれば、『いいね』『コメント』『シェア』などの複合的なリアクション要素が考慮され、より多くのユーザーにそのコンテンツがおすすめされることとなり、フォロワー数や広告配信に依存せずとも、多くの消費者に発見してもらえる可能性を秘めています。そこで、当社は価値提供ができると考えています。

 また、ユーザーからの視点では、『おすすめフィード』におけるコンテンツを見る体験は、まるで自分専用の商店街やショッピングモールを歩いているようなものだといえます。自分にぴったりの商品が次々と見つかり、それぞれの分野に詳しいクリエイターたちが、その魅力や使い方をわかりやすく伝えてくれます。自分から探しに行かずとも、『本当に欲しいもの』と出会える体験です」

月の売上が20倍以上に成長した例も

 TikTok Shopでは、LIVE配信を始めたことで売上が20倍以上にまで成長するケースが出ているという。

「TikTok Shopには、全世界で1,500万以上のセラーが登録しています。TikTok Shopは日本国内において、大企業から中小企業まで幅広くサポートを提供しており、2025年6月30日のサービス提供開始と同時にすでに株式会社I-ne、アンカー・ジャパン株式会社、株式会社ウィゴー(WEGO)、株式会社MTG、花王グループのKATE、CAGUUU株式会社、株式会社KINUJO、SHOPLIST株式会社、日清食品株式会社、株式会社丸善ジュンク堂書店、ヤーマン株式会社、株式会社yutori、ユニリーバ・ジャパン株式会社、株式会社Yogibo(ヨギボー)、株式会社ラコステジャパン(AIGLE)、株式会社ワイ・ヨットなどをはじめとする多くの日本およびグローバル企業がTikTok Shopに参画しています。

 その他、海外市場では、NIVEAや資生堂ANESSA、PUMA、P&Gなどの大手ブランドにもご活用いただき、高い成果を上げられています。一例ですが、ベトナムのあるファッションブランドは、TikTok ShopでのLIVE配信を始めてわずか1年で、月の売上が20倍以上に成長しました、北アイルランドには1年で売り上げを2倍にしたベーカリーブランドもあります」

 今後の短期および中長期の事業目標について聞いた。

「短期的な観点では、TikTok Shopをより多くの日本の皆さまに親しんでいただけるよう、日本市場に根ざしたサービスづくりを進めています。具体的には、特定のカテゴリに限定することなく、より多くのセラーの皆さまの販路拡大を支援できるような仕組みと機会を提供していくことを目標として定めています。

 中長期的には、『ディスカバリーEコマース』の体験を基に、より多くのユーザーの皆さまにショッピング体験そのものを楽しんでいただけるような価値を提供することが当面の目標です。また、オフラインとの連携を含めた取り組みも重視して日本のEコマースの浸透率を拡大し、日本ならではの“隠れた価値”をTikTok Shopを通じて日本国内、そして世界中のユーザーにも届けていきたいと考えています」

セラー、クリエイター、ユーザーが協力しあえるエコシステムを構築

 日本ではライブコマース参入組の撤退も相次ぐなど、普及はこれからという段階だが、今後日本で事業を成長させるために、どのような施策を進めていくのか。

「TikTok Shopは単なるライブコマースではなく、自分に合った魅力的なコンテンツをTikTok上で発見し、購入できるサービスです。ショッピング動画やLIVE配信を通じてユーザーはお気に入りのアイテムに出会い、その場で購入が可能となる新しい購買体験を『ディスカバリーEコマース』と位置づけています。この新たな購買体験により、商品との偶然の出会いが日々生まれるプラットフォームとして、ビジネスの規模にかかわらず、商品とコンテンツの力でより多くのビジネスチャンスが創出されることを確信しています。また、セラー、クリエイター、ユーザーの皆さんが各方面にて協力し、力を発揮しあえるようにエコシステムを構築していきたいと考えています。

 ・ユーザーには、『発見したものをその瞬間に欲しくなる』という直感的な買い物体験を
 ・クリエイターには、新たな収益化の選択肢(方法)を
 ・セラーには、コンテンツ経由で売り上げを創出できる新たな販路を

 私たちは、ユーザー、クリエイター、セラーの皆様それぞれにとって価値ある『三方よし』のエコシステムを共に築いていけるよう取り組んでまいります。そして、日本の購買体験そのもののアップデートに挑戦していきます。また、皆様と協力してビジネスの価値を提供するにあたって、やはり責任というものが生じると認識しています。健全でかつ長期にわたって持続可能なエコシステムを構築すべく、継続的な成長とイノベーションを促進していきたいと思っています」

電通デザイアデザイン FUKAYOMIチーム著「未来の消費者は何を欲望するのか」発売

電通において消費者研究を行うプロジェクトチーム「DENTSU DESIRE DESIGN(電通デザイアデザイン)」による著書「未来の消費者は何を欲望するのか―ヒット作品を読み解いて分かった6つの価値観変化―」(日経BP)が7月26日(土)に発売される。ヒットコンテンツが消費者の価値観に与える影響から、消費者の「未来の欲望」を予測する新メソッド「FUKAYOMI」が紹介されている。

「未来の消費者は何を欲望するのか―ヒット作品を読み解いて分かった6つの価値観変化―」(日経BP)
日経BP、A5判、480ページ、2640円(税込)、ISBN:978-4-296-20834-0


【書籍の内容】
電通デザイアデザインの「FUKAYOMIチーム」に所属する10人以上の現役マーケターとクリエイターは、毎年30作品以上のヒットコンテンツを独自の分析手法で「深読み」して、クライアントに対して消費者インサイトやマーケティング活動のヒントを提供している。

本書では、映画、ドラマ、アニメなどのヒットコンテンツをソーシャルリスニングなどの手法を用いて分析し、コンテンツが消費者の価値観に与える影響から「未来の欲望」を予測する新メソッド「FUKAYOMI」について紹介している。

また、2020~25年のヒットコンテンツの「FUKAYOMI」分析の結果として、今後消費者に生じる「6つの価値観変化」と、そこから生じる消費者の「未来の欲望」の予測、さらに2030年の消費者像を描いた小説「未来“欲望”予想図」を書き下ろしている。

コロナ禍をはじめ、AIの進化、地球温暖化、物価高など、昨今の大きな社会環境変化により、これまでの常識が書き換えられる「価値観のアップグレード期」を生きる消費者を理解し、中長期的に支持されるコミュニケーションや商品・サービスを能動的に構想するためには、現在の消費者の行動や意識を調査・分析するだけではなく、見えないところで進行する時代の「価値観変化」の道筋を先んじて捉え、そこから生じる「未来の欲望」を予測することが重要である。

マーケティングの最前線で蓄積した「FUKAYOMI」の知見をまとめた本書は、アフターコロナの暮らしが定着していく中で、これからの社会を生きる消費者の行動原理や消費動機の変化を俯瞰(ふかん)的に捉え、多くの示唆を提供する。今までにない消費者理解のための書籍として、企業のマーケティング担当者にとって、これからの時代の消費者コミュニケーションや、商品・サービス開発のヒントとなる。

【目次より】
第1章    ヒットコンテンツで未来の欲望を読み解く
第2章    価値観変化①“みんな”と同じ感情を共有する ― 細分化する個人の好みの裏で強まる他者とつながりたい気持ち ―
第3章    価値観変化②“自分軸”を信じて我が道を行く ― コロナ禍の分断によって強化された自分本位欲望 ―
第4章    価値観変化③“自分の好き”と“誰かのため”をつなげる ― やりたいことの追求が社会的意義も持ってほしい社会接続欲望 ―
第5章    価値観変化④“神の視点”から見下ろす ― 正解が複雑化した世の中で、俯瞰して真実に近づく ―
第6章    価値観変化⑤“社会のひずみ”に気付かされる ― 日常の裏に潜む誰かの負を改善して、みんな幸せに ―
第7章    価値観変化⑥“熱中・夢中・没頭” ― 経済合理性を超えて、生きている手応えを取り戻す ―
第8章    データからひもとく「6つの価値観変化」
第9章    未来の消費者は何を欲望するのか
小説  未来“欲望”予想図


■電通デザイアデザイン FUKAYOMIチーム
電通デザイアデザインは消費のドライバーとなる深層心理「欲望」に着目した電通のプランニング部門横断の研究開発プロジェクト。独自の「欲望行動モデル」を基に消費者の「欲望」を解明し、トレンド分析、マーケティング戦略立案、新商品開発など、消費者の心が動くさまざまなマーケティングスキームを提唱している。FUKAYOMIチームはヒットコンテンツの消費者への影響から「未来の欲望」を予測する、電通の現役マーケターとクリエイターで構成された専門集団。

本書籍についてブログで公開中。
https://www.d-sol.jp/blog/ddd-fukayomi
 

■本件に関するリリースはこちら
 

【2025年最新】予算管理システム比較15選|Excel脱却で業務効率化を実現

「また予算の集計でミスが見つかった…」「担当者が休むと予算業務が止まってしまう…」こんな悩みを抱えていませんか?

こうした課題に直面している企業は決して少なくありません。実際、予算管理業務に課題を感じている企業は72%*に上るというデータもあり、Excel管理の限界は多くの企業で共通の課題となっています。

そこで本記事では、2025年最新の予算管理システム15選をタイプ別に分類し、選定ステップガイドとともにご紹介します。

* 出典:BBS, 「中堅規模企業の予算管理DX―デジタル化推進の現状と課題を徹底解説」

予算管理システムとは?なぜ今導入が急務なのか

予算管理システムは、企業の予算編成から実績管理、分析レポートまでを一元的に処理するITシステムです。従来のExcel管理と比較して、リアルタイムでの予実管理、複数部門での同時作業、自動集計・分析機能などを有している点で優れています。

Excel予算管理の限界と課題

多くの企業で長年使われてきたExcelによる予算管理ですが、現代のビジネス環境では以下のような影響があります。

カテゴリ 主な問題 詳細と業務への影響
属人化リスク 特定担当者への業務依存 担当者不在時に予算業務が完全停止
複雑な計算式やマクロの意味が分からず、引き継ぎに数ヶ月を要する
ベテラン担当者の退職で予算管理ノウハウが完全に失われる
リアルタイム性の欠如 タイムリーな状況把握の困難 月次締めまで予算達成状況が把握できず、対策が後手に回る
経営陣から「今の売上予算はいくら?」と聞かれても即答できない
市場変化への対応が遅れ、競合他社に先を越される
バージョン管理の混乱 ファイル管理の複雑化 「予算_最終版.xlsx」「予算_最終版_修正.xlsx」などの複数ファイルが乱立
部門間で異なるバージョンを使用し、会議で数字が合わない事態が発生
過去の予算データとの比較分析が困難
セキュリティの脆弱性 情報漏洩リスク 機密性の高い予算データをメール添付で送信し、情報漏洩リスク常在
USBメモリでの持ち出しやクラウドストレージでの無統制な共有
退職者でもファイルにアクセス可能な状態

予算管理システム導入の必要性

予算管理システムの導入により、以下のように課題解決と業務効率化の両立が期待できます。

デジタル化の加速

変化が激しい現代において、迅速な業績把握と対策実行が企業競争力を左右します。予算管理システムによる予算編成から実績管理、分析レポートのデジタル化によって、紙やExcelでの煩雑な管理がなくなり、データ収集・集計・分析を効率化できます。これにより、投資家や金融機関からの問い合わせにも迅速に対応できるようになり、企業の信頼性向上に繋がります。

経営判断スピードの重要性増大

市場環境の激しい変化の中で、企業競争力を維持するには迅速な経営判断が不可欠です。従来のExcel管理では、リアルタイムな予実把握や経営陣への即時報告が難しく、市場変化への対応が遅れるリスクがありました。予算管理システムを導入することで、リアルタイムでの予実管理が可能となり、スピーディーな経営判断ができるようになります。

内部統制・ガバナンス強化要求

上場準備企業や監査対応において、適切な予算管理体制の整備が求められるケースが増えています。株主・投資家からの透明性要求に応えるため、不正リスク低減への取り組みも重要です。

予算管理システムの主要機能と種類

自社の課題を解決する最適な予算管理システムを選ぶには、まず製品ごとの機能や特性の違いを知る必要があります。ここでは、システムに共通する主要な機能と、それぞれの得意分野に応じた3つのタイプについて解説します。

予算管理システムの基本機能一覧

機能カテゴリ 主な用途・効果 重要度 ★の数の根拠
予算編成・予実管理 予算計画策定、予実差異分析、進捗モニタリング、部門統合管理 ★★★ 予算管理の核心業務。72%の企業が課題を感じる最重要機能。
データ収集・自動集計 各部門データ自動収集、手作業削減、リアルタイム統合、転記ミス防止 ★★★ Excelでの最大の課題である同時編集や集計業務の解決につながる。
レポート・ダッシュボード 経営層向けレポート自動生成、KPI可視化、ダッシュボード表示 ★★★ 迅速な経営判断に必須。たくさんのフォーマットがある。
システム連携 会計・ERP連携、Excel取込、外部データ連携、既存資産活用 ★★☆ 導入成功の鍵。Excel移行での障壁がなくなり、実用性向上
シミュレーション・予測 複数シナリオ分析、ローリングフォーキャスト、将来予測、感度分析 ★★☆ 戦略的な予算管理に重要。基本機能が確立したあとの高度機能として検討。
ワークフロー・権限管理 承認プロセス、アクセス制御、監査ログ、内部統制対応 ★☆☆ 企業規模・業種により重要度変動。大企業・上場企業では必須

3つのタイプ別分類

タイプ 特徴 適用企業
Excel活用型 Excelライクな操作感
既存ワークフローの維持
テンプレート活用
Excel操作に慣れ親しんだ組織
段階的な移行を希望する企業
一元管理型 承認ワークフロー
部門間連携機能
リアルタイムデータ共有
成長企業
部門間の連携強化を図りたい企業
分析特化型 高度な分析機能
BI連携
多次元分析
シナリオプランニング
上場企業
複雑な組織構造を持つ企業
戦略立案を重視する企業

Excel活用型システム5選

BizForecast BC

出典:公式サイト

提供形態 クラウド
サポート体制 標準導入サポート(コーチング形式)
Enterprise Editionには別途保守サポートサービス
料金 Standard Editionは3ユーザーで月額50,000円(年払い)~
Enterprise Editionは要お問い合わせ
無料トライアル 要お問い合わせ

BizForecast BCは、Excelの利便性と柔軟性を維持しながらも、そのデメリットを克服し、可用性、保守性、安全性を追求した予算管理・管理会計ソリューションです。「”脱Excel” ではなく “活Excel”」をコンセプトに提供されており、導入企業はグループ経営管理業務の高度化を実現し、Excel運用における課題を解消することが可能となります。

BizForecast BCの強み
  • 既存のExcel資産をシステム上でそのまま再現し、システム移行時の学習コストとストレスを最小限に抑えられる
  • Excelの柔軟性を保ちながら、情報共有や情報保全といったExcel運用で課題となっていた点を解決
  • BI機能やワークフロー機能など豊富なオプションにより、幅広いスコープと高度な業務要件に対応可能

Loglass 経営管理

出典:公式サイト

提供形態 クラウド
サポート体制 専任コンシェルジュによる伴走支援
管理会計の実務経験者が導入プロジェクトを牽引
料金 要お問い合わせ
無料トライアル 要お問い合わせ

Loglass経営管理は、予実管理の課題を解決し、迷いのない経営判断へと導くクラウドシステムです。データの収集から統合・加工、分析までをワンストップで完結できるため、意思決定の精度とスピードが飛躍的に向上し、よりデータドリブンな経営が実現できるようになります。

Loglass 経営管理の強み
  • 各事業部の予算データ(財務/KPI)の自動収集・自動統合により、予算策定プロセスが効率化
  • 予算・実績・見込データを自由に組み合わせて比較分析でき、多段階・複雑な配賦ルールにも対応し、精緻な予実管理を実現
  • 財務/KPIデータがほぼリアルタイムでダッシュボードに自動連携され、生成AIにより数値分析や報告サマリーを自動生成

iFUSION

出典:公式サイト

提供形態 オンプレミス/クラウド
サポート体制 社内開発メンバーによる迅速なサポート
料金 要お問い合わせ
無料トライアル 要お問い合わせ

iFUSIONは、煩雑で膨大な情報を効率的にまとめることを目指すExcel運用サポートシステムです。誰でも直感的に操作できるため、従来の属人化していた業務を解決し、Excelに関する多くの手作業を自動化することで、担当者は本来の業務に注力できるようになるでしょう。

iFUSIONの強み
  • 直感的な操作性により、作業の属人化を解消し、誰でもスムーズに業務に取り組める
  • 計算式やフォーマットの自動保護機能で、意図しない改変やエラーの発生を抑制
  • 収集データのデータベース一元管理により、安全性と多様な資料作成の可能性が向上

Sactona

出典:公式サイト

提供形態 クラウド/オンプレミス
サポート体制 導入支援コンサルティング
導入アドバイザリーサービス
豊富なトレーニングコンテンツなど
料金 要お問い合わせ
無料トライアル 要お問い合わせ

Sactonaは、管理会計・経営管理の高度化と効率化のための経営管理システムです。大規模運用に耐えうる多次元データベースシステムでありながら、ユーザーインターフェースは使い慣れたExcelであるため、現場の抵抗を抑えつつ迅速な利用開始が可能となるでしょう。クラウド/オンプレミス両方に対応しています。

Sactonaの強み
  • Excelの操作感を維持しつつ、多次元データベースによる大規模運用に耐えうる堅牢なシステム構築が可能
  • 企業ごとの個別性や独自性を容易に実現できる柔軟性を持ち、既存の業務プロセスをシステムの型に合わせる必要がない
  • 段階的なシステム展開が可能であり、小規模から始めて適用範囲を拡大していくことで、迅速な導入と社内運用定着を促進

Diva System FBX

出典:公式サイト

提供形態 クラウド
主な対象業務 グループの非財務情報・予算ファイル収集・集計
料金 要お問い合わせ
無料トライアル 要お問い合わせ

DivaSystem FBXは、グループの非財務情報や予算ファイルの収集・集計を効率化するWebベースのアプリケーションです。本システムを導入することで、メールやExcelによる煩雑な予算管理業務が大幅に効率化され、経営管理におけるデータ収集とレポーティングの質が向上し、迅速な意思決定へとつながります。

Diva System FBXの強み
  • 報告データの一元管理により、ファイルのやり取りやバージョン管理の負担を大幅に軽減
  • 簡単な操作で誰でもメンテナンス可能となり、Excel関数やマクロに依存した作業の属人化を解消
  • 手作業の多い集計・履歴管理・エラーチェックなどが自動化され、ヒューマンエラーを削減

一元管理・効率化も可能なシステム5選

DIGGLE

出典:公式サイト

提供形態 クラウド
サポート体制 専任コンサルタントが初期設定から社内体制構築まで伴走
機能利用や運用に関する質問サポート
定期的な打ち合わせ
料金 初期費用および月額費用
詳細は要お問い合わせ
無料トライアル 要お問い合わせ

DIGGLEは、Excelによる属人化した予算管理業務を解消し、リアルタイムな予実分析を通じてデータドリブンな経営意思決定を強力に支援するクラウドサービスです。独自の技術により面倒な予実突合・集計を自動化し、経営に関わるデータを一元管理することで、業務工数を大幅に削減し、より迅速かつ正確な予実管理を可能にします。

DIGGLEの強み
  • すべての予実管理業務がシステム上で完結し、会計システム、ERP、SFAなど多様な経営データの一元管理を実現
  • 企業ごとの予実管理の思想や流儀に柔軟に対応するカスタマイズ性を持ち、見たい軸や粒度で瞬時にデータを可視化する強力な分析機能を提供
  • 専任コンサルタントが初期設定から社内体制構築、文化づくりまで伴走し、導入後の定着を包括的にサポート

Manageboard

出典:公式サイト

提供形態 クラウド
サポート体制 チャットサポート
管理会計に精通した専任担当による導入・運用サポート
料金 初期費用およびユーザー数に応じた月額従量課金
プランは2種類
詳細は要お問い合わせ
無料トライアル 可能

Manageboardは、「数字がわかる」ことで企業の未来を「変える」経営管理・予実管理システムです。KPIと財務情報が繋がり、ビジネスモデルに合わせた最適なレポート出力や、ワンクリックでの業績予測シミュレーションが可能になるため、経営の質を高めるための基盤構築ができます。

Manageboardの強み
  • PLの勘定科目からドリルダウンでKPI内訳まで確認できるため、数字の背景にある理由を即座に把握し、多角的な経営分析が可能
  • 会計ソフトとのAPI連携やGoogleスプレッドシート連携により、実績データの取り込み工数を大幅に削減し、常に最新の数値をタイムリーに共有できる環境を構築
  • 管理会計に精通した専任担当者が導入から運用、定着までをサポート

Scale Cloud

出典:公式サイト

提供形態 クラウド
サポート体制 KPI設計と運用・定着の伴走支援
月次定例MTGでの継続的なサポート
料金 月額10万円から
詳細は要お問い合わせ
無料トライアル 要お問い合わせ

Scale Cloudは、PLとKPIの一元管理を通じて予算達成率の向上を目指す経営マネジメントシステムです。事業部のKPIと管理部のPLを有機的につなぎ、組織全体が共通認識を持って「One Team」として事業推進に取り組める「場」を提供しています。

Scale Cloudの強み
  • 結果指標だけでなく、リード数や商談数といった先行指標まで幅広く管理できるため、事業状況の解像度が高まり、逆算思考での最適な打ち手を見つけ出すことが可能
  • PLやKPIの設計から運用、定着に至るまで、経験豊富なプロのコンサルタントが伴走支援し、組織全体のPDCAサイクルを効果的に促進
  • 月額10万円から利用できる高いコストパフォーマンスが特長

fusion place

出典:公式サイト

提供形態 クラウド / オンプレミス
サポート体制 メールサポート
Q&Aサイト
運用管理サービス
料金 年間利用料金制
Standard(3ユーザーまで):無償
Enterprise/Enterprise non-stopプラン:要お問い合わせ
無料トライアル 無償版あり

fusion_placeは、Excelによる「経営管理のメタボ」を解消し、現場力を喚起することを目指すクラウド経営管理ワークプレイスです。財務経理部門にとどまらず事業の現場部門までを支援対象に含めることで、組織全体の経営管理力向上を支援する新たなプラットフォームを提供しています。

fusion placeの強み
  • Excelライクな操作感を維持しつつ、リアルタイムで更新・集計可能な超高速処理を実現
  • 数値データだけでなくコメントや投資案件名などの非数値データも一元管理できるため、勘定科目別の予実差理由といった詳細な情報も自在にレポーティング可能となり、より深い分析を可能に
  • 「ワークフロー」と「ワークスペース」機能により、各部署に他部署から隔離されたプライベートな作業環境を提供しつつ、最終的には確定データを一つに統合

bixid

出典:公式サイト

提供形態 クラウド
サポート体制 初期導入サポート
料金 初期費用300,000円(税別)~
月額利用料はプランにより6,000円/月〜30,000円/月(税別)
無料トライアル 30日間無料で試用可能

bixidは、会計データの可視化から月次決算、キャッシュフローの把握、資金繰り対策、予算管理までを一貫して実現する経営支援クラウドです。経営報告を視覚的に表現し、鋭い現状分析を通じて経営課題の解像度を高めることで、経営者が「次の一手」を迅速に打つことを支援しています。

bixidの強み
  • 最大5期分の決算推移表や部門別損益試算表、総勘定元帳など、経営管理に不可欠な基本帳票を閲覧・出力できるため、企業の財務状況を多角的に把握できる
  • スマートフォンアプリを通じて、手軽に経営数値を確認できるため、タイムリーな経営状況把握が可能
  • 会計データや資金繰りデータを利用して将来の資金予測と実績管理を行い、会社にとって理想的な資金管理を実現する資金繰り機能を提供

分析・経営支援も可能なシステム5選

board

出典:公式サイト

提供形態 クラウド/オンプレミス
サポート体制 オンデマンドチュートリアル
ユーザーガイド
専任のカスタマーサクセスチーム
料金 要お問い合わせ
無料トライアル デモのお問い合わせにより体験可能

boardは、高精度な予測を通じて継続的なプランニングを可能にし、財務および業務計画を強化するエンタープライズプランニングプラットフォームです。このプラットフォームを活用することで、企業は自信を持った一貫性のある意思決定ができるようになり、市場変化の激しい現代において競争優位性を確立できるでしょう。

boardの強み
  • 500万件を超える外部データセットとAI、予測分析を組み合わせることで、市場の変動を先読みした戦略的な計画策定が可能
  • 財務、サプライチェーン、人事、小売といったエンタープライズ全体の部門横断的な計画を統合し、全社でのリアルタイムな洞察共有が促進
  • ISO認証やSOCレポートに裏打ちされた最高水準のセキュリティと信頼性の高いクラウドデータセンターにより、機密データを安全に管理

CCH Tagetik

出典:公式サイト

提供形態 クラウド/オンプレミス
サポート体制 24時間サポート(オプション)
コンサルティングサービスなど
料金 要お問い合わせ
無料トライアル 要お問い合わせ

CCH Tagetikは、最先端のAIテクノロジーを駆使し、企業の経営管理プロセスを抜本的に変革するプラットフォームです。この統合プラットフォームを通じて、財務部門はすべての財務プロセスとデータ管理における戦略を強化し、経営全体の効率性と精度を向上させることができます。

CCH Tagetikの強み
  • 予算編成、計画、決算などの複雑な経営管理プロセスが自動化され、財務と業務データの一元管理と統合分析が可能
  • AIベースの予測分析機能により、膨大な生データが経営情報に変換され、将来予測の精度と経営インパクトの向上
  • SAP HANA、Microsoftなど、あらゆる既存のアプリケーションやデータソースとのシームレスな連携が可能

Workday Adaptive Planning

出典:公式サイト

提供形態 クラウド
サポート体制 要お問い合わせ
料金 要お問い合わせ
無料トライアル 可能

Workday Adaptive Planning は、強力な AI と機械学習を搭載したEPMソフトウェアであり、比類ないアジリティ、接続性、拡張性を持ち合わせています。このシステムは、財務計画と業務計画を最適化し、企業が迅速かつスマートな財務上の意思決定を行えるようサポートします。

Workday Adaptive Planningの強み
  • 柔軟な予算編成、シナリオプランニング、リアルタイムの財務分析機能を通じて、変化の激しいビジネス環境に迅速に適応し、常に先を見据えた計画策定が可能
  • AIにより定型作業が自動化され、高精度な収益予測が作成できるため、より戦略的な業務に時間を割くことが可能
  • あらゆるシステムとの連携により組織全体のプランニングが統合されることで、部門横断的な共通認識の醸成を促進

Amoeba Pro

出典:公式サイト

提供形態 クラウド
サポート体制 管理会計に精通したコンサルタントによる導入コンサルティング
運用サポート
料金 要お問い合わせ
無料トライアル 要お問い合わせ

Amoeba Proは、京セラコミュニケーションシステムが提供するクラウドサービスです。企業の成長発展に不可欠な「経営改善・意思決定のスピード向上」をサポートし、計画・予定の立案から実績の集計作業を効率化することで、自由度の高いレポートやグラフによる分析を可能にします。

Amoeba Proの強み
  • 部門別に加え、商品別やプロジェクト別など多様な切り口での多角的な分析ができ、利益の「見える化」を通じて現場の目標設定を明確にできる
  • 各種システムとの連携により、集計業務がシステム上で自動化され、業務効率が大幅に向上
  • 管理会計に精通したコンサルタントが、現場に負担をかけない運用変更のルール策定や説明を担うことで、スムーズな導入と定着を実現

Jedox

出典:公式サイト

提供形態 SaaS型クラウドサービス
プライベートクラウド
サポート体制 ユーザーサポート
導入支援コンサルティング
運用支援コンサルティング
料金 サブスクリプション形式(3ユーザー以上)
詳細は要お問い合わせ
無料トライアル 体験版を提供

Jedoxは、データ統合、入力管理、見える化までを一つのプラットフォームで一貫して行える業務データ管理プラットフォームです。使い慣れたExcelのインターフェースを活かしつつ、あらゆる業種・職種における多種多様な業務のデータ管理に対応し、煩雑な業務の根本的な改善が期待されます。

Jedoxの強み
  • データ入力と同時にリアルタイムで集計・統合されるため、手作業による集計工数やヒューマンエラーを削減できる
  • Excel上からJedoxへのデータ入力・管理が可能で、従来のExcel運用に慣れたユーザーでもスムーズにシステムを利用し、学習コストを抑えることが可能
  • 自動配賦機能、スケジュール機能、閲覧権限機能などを標準搭載しているため、企業の業務要件に合わせて自由度の高いシステムをスピーディーに構築

導入成功のためのステップガイド

このようなSaaSシステムの導入では、事前の検討不足で失敗してしまうことが多くあります。しかし、正しいプロセスと陥りがちな罠を事前に理解しておけば、失敗のリスクは劇的に低減できます。

ここでは、導入ガイドを3ステップに分けてご紹介します。

ステップ1:現状分析と要件定義

「良いシステムを導入すれば、すべてが解決するはずだ」

これは、導入プロジェクトにおける最も危険な考え方です。重要なのは、「何のために導入するのか」という目的意識を、関係者全員が明確に共有することです。この最初のステップが、プロジェクト全体の成否を分ける最も重要な土台となります。この工程を疎かにしたまま進むと、必ず後で「こんなはずではなかった」という事態に陥ります。

チェックポイント

  • Excel運用における属人化や非効率といった具体的な課題を言語化できているか
  • 業務効率化や経営判断の迅速化など、システム導入で達成したいゴールが明確になっているか
  • 会計システム連携など、絶対に譲れない必須機能(Must)と、あれば嬉しい機能(Want)を切り分けているか

ステップ2:製品比較と絞り込み

要件が固まったら、いよいよ製品選定です。市場には魅力的な製品が溢れており、各社のウェブサイトを見比べるだけでも一苦労でしょう。ここで重要なのは、自社の「身の丈」に合った製品を見極めること。高機能な製品が、必ずしも自社にとって最適とは限りません。

この段階では、2〜3社の候補に絞り込むことを目指します。完璧な製品を探すのではなく、「自社の課題を解決してくれる最適なパートナー」を探すという視点で臨みましょう。

チェックポイント

  • 定義した必須要件を満たし、製品のタイプ(Excel活用型、一元管理型など)が自社の目的に合致しているか
  • 初期費用だけでなく、運用にかかる費用も含めたトータルコストで比較検討できているか
  • 導入から運用定着までを支援してくれる、自社に合ったサポート体制が整っているか

ステップ3:実機検証と最終決定

候補を絞り込んだら、最終決定の前に必ず実機検証(無料トライアルやデモ)を行いましょう。カタログスペックだけでは見えてこない「操作感」や「業務へのフィット感」を、現場の担当者自身の目で確かめることが不可欠です。

経営層や情報システム部門だけで決めてしまうと、現場から「使いにくい」という不満が噴出し、定着に失敗する典型的なパターンに陥ります。長期的なパートナーシップを築けるかどうか、多角的に見極めましょう。

チェックポイント

  • 現場の担当者が直感的に操作でき、Excelよりも業務が楽になると感じられるか
  • 現在利用しているExcelや会計システムのデータを、エラーなくスムーズに連携・移行できるか
  • データ量が増加した場合も想定し、システムの処理速度や安定性に問題がないか

よくある導入課題と対策

よくある導入課題 対策
現場の操作習得に想定以上の時間が必要 無料トライアルで操作性を事前確認し、導入後の研修やマニュアルを整備する
既存システムとの連携で技術的な障壁が発生 事前に連携実績や方法を詳細に確認し、必要であればベンダーのサポートを受ける
カスタマイズや追加機能で予算超過 要件定義の段階で必要な機能を明確にし、将来的な拡張性も考慮して見積もりを取る

よくある質問

Q. 予算管理システムとは、従来のExcel(エクセル)での管理と比べて具体的に何が違うのですか?

最大の違いは、情報をデータベースで一元管理する点です。これにより、Excelで起こりがちなファイルの属人化、手作業による集計ミス、バージョン管理の混乱といった課題を根本から解決し、リアルタイムな情報共有が可能になります。

Q. 予算管理システムを導入することで、どのようなメリットや効果が期待できますか?

最大のメリットは、リアルタイムで精度の高い経営状況を可視化できることです。これにより、経営判断の迅速化や予実差異の原因分析が容易になります。また、業務プロセスの標準化による属人化の解消や内部統制の強化といった効果も期待できます。

Q. 多くの予算管理システムがありますが、自社に最適な製品を比較・選定する際の重要なポイントは何ですか?

目的の明確化→機能とコストの評価→操作性の検証の順で進めることが重要です。詳しくはステップガイドをご覧ください。

Q. 中小企業が予算管理システムを選ぶ際に、特に注意すべき点やおすすめの機能はありますか?

中小企業では、多機能すぎる高価な製品は避け、コストパフォーマンスと使いやすさを重視することが重要です。特に、低コストで始められるクラウド型の製品で、現在使用しているExcelデータを簡単に取り込める機能があると、スムーズに導入を進められます。

Q. 大企業向けの予算管理システムは、中小企業向けのものとどのような機能や特徴が異なりますか?

大企業向けは、連結対応や多通貨対応、ワークフローといった、組織の規模と複雑さに対応する機能が充実しています。一方、中小企業向けはコア機能に絞り、使いやすさと価格を重視しています。

Q. 予算管理システム導入にかかる初期費用や月額費用など、費用の目安を教えてください。

費用は製品やユーザー数によって大きく変動します。あくまで目安ですが、比較的安価なクラウド型で初期費用が0円~30万円程度、月額費用が数万円~というのが一つの相場です。多くは個別見積もりとなるため、複数のベンダーに問い合わせることをお勧めします。

Q. 無料で試せる、または無料で利用できる予算管理システムはありますか?ある場合、有料版との違いは何ですか?

はい、多くの製品で期間限定の無料トライアルが提供されています。また一部には、ユーザー数や機能を限定した無料プランもあります。有料版との違いは主に、利用できる機能の範囲、登録できるユーザー数、そして導入後のサポート体制の有無です。

Q. 予算管理システムで利用できる主な機能(例:予実管理、分析、レポーティングなど)にはどのようなものがありますか?

中核となるのは、予算編成機能と予実管理機能です。その他にも、分析結果を可視化するレポート・ダッシュボード機能、会計ソフトなどと繋ぐシステム連携、承認プロセスを電子化するワークフロー機能などがあります。

Q. クラウド型とオンプレミス型では、どちらを選ぶべきでしょうか?それぞれのメリット・デメリットを教えてください。

クラウド型は、初期費用を抑えて迅速に導入できる点がメリットで、特に中小企業におすすめです。一方、オンプレミス型は、自社サーバーで運用するためカスタマイズ性が高い反面、初期費用が高額になり、大企業や独自の要件を持つ企業向けと言えます。

Q. 現在Excel(エクセル)で管理している予算データを、新しい予算管理システムへスムーズに移行する方法はありますか?

はい、ほとんどのシステムがExcelからのデータ移行に対応しています。一般的なのはCSVファイルをインポートする方法です。移行前にデータを整理しておくことが大切です。移行作業の負担を特に減らしたい場合は、Excelファイルを直接活用できるタイプのシステムを選ぶと良いでしょう。

まとめ

本記事では、Excelによる予算管理の課題を解決し、データに基づいた経営判断を可能にする予算管理システムについて、その選び方から導入プロセスまでを解説しました。最適な製品を選ぶ上で最も重要なのは、機能の豊富さではなく自社の課題を解決し、設定した目的を達成できるかという視点です。

まずは関心のある製品の資料請求を行い、各社の提案する解決策や機能性を具体的に比較検討しましょう。

(さらに…)

介護職の配置基準緩和提言=過疎地で人材不足加速―厚労省検討会

 厚生労働省の検討会は24日、高齢者人口がピークを迎える2040年に向け、福祉サービスを維持するため、地域ごとに内容を見直すことを盛り込んだ報告書を了承した。中山間地域などの過疎地で人材不足が加速するとして、介護職員らの配置基準を緩和するよう提言。少ない職員数でも対応できる体制の構築を求めた。

 厚労省は27年度の次期介護報酬改定への反映を目指し、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)介護保険部会などで議論する。 

 報告書は40年に向けた課題として、1人暮らしや認知症の高齢者が増加すると指摘。一方、福祉サービス需要に地域差が生じるため、「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」に分類し、地域ごとのサービス体制整備を提言した。

 このうち、現役世代の減少が進む中山間・人口減少地域では、介護職などの確保が困難になるとし、訪問介護と通所介護に人材が行き来できるような配置の見直しを提案。一方、大都市部では多様な介護需要が高まるとして、情報通信技術(ICT)や人工知能(AI)を活用したサービス提供の検討を求めた。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2025/07/24-19:47)

宇宙ビッグデータで地球を最適化…JAXA発スタートアップが切り拓く、課題解決ビジネス

●この記事のポイント
・JAXAから初めて出資を受けたスタートアップ「天地人」。衛星データを活用し、社会インフラや農業、脱炭素の課題に挑んでいる。
・同社の代表的なプロダクトは「天地人コンパス」。衛星データを活用し、水道の漏水リスクを予測したり、最適な田んぼを見つけて高品質米を育てたりすることができる。これまでに40自治体で導入され、厚労大臣賞も受賞している。さらに、風力発電の適地探しや、カーボンクレジットへの応用も進行中。

 日本のスタートアップシーンにおいて、宇宙という壮大なフロンティアを舞台に、社会課題の解決に挑む異色の企業が注目を集めている。株式会社天地人(以下、天地人)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から初の出資を受けたベンチャー企業として、衛星データを活用した事業で急成長を遂げてきた。

 今年7月には、日本最大級のスタートアップイベント「IVS 2025 LAUNCHPAD」で準優勝を果たし、存在感を一気に高めた。COOの樋口宣人氏は「いつも見学していた立場からファイナリストに選ばれたことは、資金調達においても非常に効果的」と語る。数百社に及ぶ応募から勝ち上がった経験は、天地人が挑戦する意義を社内外に示す大きな転機となるだろう。

目次

創業の原点──技術ドリブンではなく、課題ドリブンの発想

 天地人の原点は、2017年に内閣府宇宙開発戦略推進事務局が主催した「人工衛星データを使ったビジネスアイデア」のピッチコンテスト。そこで出会ったのが、JAXAの職員である百束泰俊氏と、衛星データの社会活用に関心を持っていた櫻庭康人氏だ。彼らの出会いが、天地人の始まりとなる。

 注目すべきは、天地人が会社設立(2019年)以前から、2018年度の宇宙ビジネスコンテスト「S-Booster」でANAホールディングス賞、JAL賞、審査員特別賞の三冠を達成していた点だ。「まだ事業化前にしてこの成果。JAXAの『衛星データの民間利用を推進したい』という意図とも合致していた」と樋口氏は振り返る。

 同社が掲げるビジョンは、単なる宇宙技術の活用ではない。社名の「天地人」が象徴するように、「天」=宇宙ビッグデータを、「地」=地上の課題に応用し、「人」=暮らしを豊かにするという、社会実装を見据えた設計思想がある。

 樋口氏は「多くの宇宙ベンチャーが技術主導で進む中、我々は“課題ドリブン”で進んでいる。衛星データは手段であり、解決したいのは気候変動やインフラ老朽化などの実社会の問題です」と強調する。

「天地人コンパス」で実現する課題解決型プロダクト群

 天地人の主力プロダクトは、衛星データを可視化・解析・提供するWebGISサービス「天地人コンパス」だ。これを基盤に、主に3つの事業領域でソリューションを展開している。いずれも、社会インフラ・農業・脱炭素といった極めて公共性の高い領域にフォーカスしている点が特徴だ。

1. 宇宙水道局──水道インフラを宇宙から可視化

 漏水事故が年間2万件以上発生する日本の水道インフラ。少子高齢化や気候変動の影響もあり、持続可能性が問われている。

 天地人の「宇宙水道局」は、衛星データによって地表面温度・土壌・地盤変動などの情報を解析し、AIで漏水リスクの高い管路やエリアを特定。電子化された給水台帳と連携し、リスクを5段階評価で表示できる。

 人口10万〜20万人規模の導入自治体では、漏水発見効率が6倍、調査費用が79%削減されたという。すでに40自治体が導入(2025年7月現在)。同サービスは厚生労働大臣賞や宇宙開発利用大賞も受賞しており、その有効性は社会的にも高く評価されている。

2. 宇宙ビッグデータ米──気候変動下の農業改革

 高温障害による米の品質低下が深刻化する中、天地人は米卸で国内大手の株式会社神明と、スマート水田サービスを提供する農業ITベンチャー株式会社笑農和と協業し、「宇宙と美水」というブランド米を栽培している。衛星データで最適な栽培地を特定し、IoT給水システムと連携して冷水管理を自動化する。

 2024年の猛暑でも、同ブランドは一等米品質を維持。農業×宇宙の先進モデルとして注目を集めている。農業事業者や自治体と連携し、今後は他の品種や地域にも展開を拡大する方針だ。

3. 脱炭素支援──風力・水田・カーボンクレジットへ

 再生可能エネルギー領域では、風力発電の適地検索支援に加え、水田からのメタン排出量を推定する特許技術も開発中。これにより、農業分野でのカーボンオフセット市場の創出を目指す。

 将来的には、森林・畜産・都市インフラにおける炭素量計測も計画中だ。

「宇宙を身近に」する人材と組織戦略

 出資を通じてJAXAからは多方面にわたる支援を受けており、特に衛星開発やデータ活用に関する高度な知見を活かせることが大きな強みとなっている。

「我々が目指しているのは、宇宙データの民主化。Googleマップのように、誰でも自由に衛星データに触れられる世界です」と樋口氏は語る。「天地人コンパス」はその理念の体現だ。さらに、広範かつ長期間にわたって取得された衛星データを活用し、インフラの50年スパンの変化を可視化することで、街や地域の未来の姿の予測も可能にしている。

IPO、自社衛星、そして垂直統合へ──未来の構想

 創業から6年で売上を18倍に拡大し、現在9カ国に進出中の天地人。2027年には自社衛星「Thermo Earth of Love」を打ち上げ、地表面温度の観測を強化する計画を進めている。これは、地球温暖化の進行やインフラ老朽化の兆候を早期に把握するために極めて有効な指標だ。

 また、インフラ領域では水道管だけでなく、道路や地下構造物などを含めた都市インフラのデータ統合を構想。「街や地域の暮らしを支えるインフラを横断的に捉え、老朽化診断や重要度優先度の評価ができるような“都市OS”の構築に挑戦したい」と樋口氏は語る。国土交通省の掲げるインフラマネジメント構想とも親和性が高く、多様なプレイヤーとの連携が今後の鍵を握る。

 天地人の挑戦は、「宇宙から地上の課題を見る」という視座を持ち、データと社会の接点を丁寧に設計することで、新たなビジネスモデルを創出してきた。スタートアップが社会実装に向かうために必要な”課題解決力”とは何か──天地人の軌跡は、その問いに対する力強いヒントを与えてくれる。

(文=UNICORN JOURNAL編集部)

国内電通グループ9社、BtoB企業のサーキュラーエコノミーの実装と地域経済の活性化を支援する 「産業共生コーディネーション」サービスの提供開始

国内電通グループ9社(※1)は、企業と地域のサーキュラーエコノミーを支援する「産業共生コーディネーション」の提供を開始する。本サービスは、BtoB企業が排出する廃棄物や副産物を資源として、その資源を相互活用できる異業種企業をマッチングさせ、サーキュラーエコノミーの実装と企業成長を支援する。また、この異業種企業は地理的に近い企業同士をマッチングさせることで、地域経済の活性化も目指す。

多くの企業がサーキュラーエコノミーへの移行を経営戦略に掲げるなか、具体的なビジネス実装が進まないという課題に直面している。一方で、BtoB領域は大量の資源が流通し、企業間の長期的・安定的な取引関係が構築されていることから、循環型社会の実現において重要な鍵を握っている。同サービスは、このBtoB領域特有の構造を生かし、地理的に近接する異業種間での連携を通じて廃棄物や副産物などの資源を相互に有効活用する「産業共生(Industrial Symbiosis)」(※2)に着目。「産業共生」は、環境負荷の低減とコスト削減の両立だけでなく、それぞれの企業が持つ知識や技術の融合を図ることで、地域のオープンイノベーション基盤にもなる。サーキュラーエコノミーへの移行を加速させる仕組みであると同時に、企業の成長機会と地域経済の活性化の実現にも貢献していく。

<「産業共生」の目指す姿>
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同サービスは、「産業共生」の実現に向けて特につまずきやすい「共生機会の特定」や「マッチング」に関して、国内電通グループ各社のサーキュラーエコノミーやビジネスコンサルティングの専門人財の経験を生かして支援する。地域への「産業共生」の実装にとどまらず、プロジェクトや参加企業のPR、横展開などにも対応し、電通グループならではの一気通貫のコーディネーションを推進。また、サーキュラーエコノミーの社会実装に向け、コミュニティマネジメントの知見や、地域の企業ニーズを把握する各地の電通のネットワークを生かし、地域の産業構造を踏まえた最適な資源循環ネットワークの設計から、自治体・市民との連携まで、社会全体での循環型経済の実現を目指す。

<「産業共生コーディネーション」サービスのプロセス一例>
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<「産業共生コーディネーション」における国内電通グループの強みと各社の役割>
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電通:企業間の創造的な連携機会の特定・マッチング、戦略PR
電通総研:実現可能性評価や開発支援などビジネスコンサルティング
電通ライブ:産業共生コミュニティマネジメント、プロダクト・スペース設計
電通北海道、電通東日本、電通西日本、電通九州、電通沖縄、電通名鉄コミュニケーションズ:地域企業、自治体・市民との連携支援

サービス内容の詳細はこちら:Do solutions! e-book
https://www.d-sol.jp/ebook/industrial-symbiosis-for-circular-economy

※1=国内電通グループ9社(順不同):電通、電通総研、電通ライブ、電通北海道、電通東日本、電通西日本、電通九州、電通沖縄、電通名鉄コミュニケーションズ

※2=「産業共生」とは、地理的に近接する異なる産業間で、廃棄物や副産物、エネルギー、水などの資源を相互に交換・利用する取り組み。CO2削減に多面的に貢献し、環境負荷を低減しながら経済的な利益を目指す。「産業共生」の取り組みには 5つの代表的なタイプがある。
 

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グーグルがLLMで競合するOpenAIに自社半導体を提供する戦略的理由…エヌビディア一強は崩れるのか?

●この記事のタイトル
・OpenAIがLLMで競合関係にある米グーグル製のAI向け半導体「TPU」を採用
・これまでOpenAIは提携関係にあるマイクロソフトのデータセンターと米エヌビディア製の半導体を使っていた
・クラウドサービスや半導体を選択する事業者側に、グーグルのTPUも選択肢の一つとするという動きは出てくる

 米OpenAIがLLM(大規模言語モデル)で競合関係にある米グーグル製のAI向け半導体「TPU」を採用したと伝えられている。これまでOpenAIは提携関係にあるマイクロソフトのデータセンターと米エヌビディア製の半導体を使っていたが、グーグルのクラウドサービス「Google Cloud」とTPUも一部で使っていく計画だという。なぜOpenAIは、蜜月関係にあるとみられていたマイクロソフトと距離を置くような動きをみせているのか。そして、なぜグーグルは競合相手であるOpenAIに自社の重要な技術を提供するのか。識者への取材を交えて追ってみたい。

●目次

リスク管理の観点

 もともと生成AIの一スタートアップだったOpenAIが大きく成長して世界的に注目されるきっかけとなったのは、2019年以降マイクロソフトから累計約2兆円もの出資を受けたことであった。マイクロソフトが初めてOpenAIに投資をしたのは19年。その金額は10億ドルにも上ったことでOpenAIは世界的に注目の的となり、マイクロソフトはOpenAIが開発するChatGPTに使用される言語モデル「GPT-3」の独占ライセンスを取得。23年にはマイクロソフトはChatGPTの技術を活用したAIアシスタントツール「Microsoft Copilot」をリリースするに至った。

 両社の戦略的パートナーシップは今後も継続される。2030年までの契約期間中、OpenAIの知的財産へのアクセス、収益配分の取り決め、OpenAIのAPIに対するマイクロソフトの独占権が継続されることが決まっている。

 そんな両者の間には隙間風が生じていると伝えられている。報道によれば、OpenAIが買収を予定している米ウインドサーフのIP(知的財産)をマイクロソフトが利用することに、OpenAIが反対していることが対立を生んでいるという。マイクロソフトはOpenAIに多額の出資をする見返りに、OpenAIの所有するIPを使用する権利を持つ。また、OpenAIが5月に発表した組織再編をマイクロソフトが承認していないことも影響しているといわれている。

 そうしたなかでOpenAIがグーグルの半導体を採用した背景は何か。ITジャーナリストの神崎洋治氏はいう。

「OpenAIは説明していないので明確な理由はわかりませんが、OpenAIは現在、マイクロソフトのクラウドサービス・AzureとエヌビディアのGPUに依存してしまっている状態なので、例えばAzureに大きな問題が発生した場合には事業が止まってしまうという脆弱性を抱えているわけです。リスク管理の観点からいっても、別の選択肢を持っておいたほうが良いというのは当然です。また、OpenAIはマイクロソフトとの強固な連携が少しずつ崩れているともみられており、Google Cloud(グーグルクラウド)+TPUを一部で利用していく、つまり両建てでいくという考えなのでしょう」

グーグルのTPU部門としてはメリットが大きい

 グーグルはLLMをめぐって競合関係にもあるOpenAIに、なぜ自社の半導体を供給するのか。

「グーグルのTPUはグーグルクラウド向けに特化するかたちで開発されたものですが、AI向け半導体という市場全体を俯瞰すると、エヌビディアのGPUが一強といえる状況であり、そのイメージを少しずつでも覆していきたいという考えがあるのだと思われます。グーグルのGeminiとOpenAIのGPTシリーズは競合関係にあるとはいえ、生成AIの領域で中心的な存在であるOpenAIがグーグルのTPUを採用したとなれば、グーグルのTPU部門からしてみればメリットが大きいです。『AI半導体の選択肢としてはエヌビディアだけではなく、TPUもありますよね』『OpenAIが採用しているんですよ』というイメージを顧客に持たせてシェア拡大につなげたいという思惑があるのでしょう」(神崎氏)

 では、今回のOpenAIの動きが、エヌビディア一強といわれるAI向け半導体市場に大きな影響をもたらす可能性はあるのか。

「エヌビディアのGPUのイメージが低下して売上が落ち込むというような直接的な影響は生じないと考えられますが、これからクラウドサービスや半導体を選択する事業者側に、グーグルのTPUにも目を向けて選択肢の一つとするという動きは出てくるというのは、中長期的にみれば大きな影響をもたらすかもしれません。ただ、繰り返しにはなりますが、TPUという選択肢が開発者にとってイメージ的には大きくなっていくかもしれませんが、すぐにTPUのほうに市場全体が傾いていくということは起こらないでしょう」(神崎氏)

(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=神崎洋治/ITジャーナリスト)