ドコモ「ahamo」が申し込めない!? 突如の臨時メンテナンス実施の裏側

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

ドコモ「ahamo」に新たなトラブルが起こったようだ。4月の6日から7日にかけて、ahamoの公式サイトがメンテナンスに入ったのだ。これは事前に告知されており突発的な不具合ではなかったと思われるが、通常時から毎週火曜日に定期メンテナンスを実施する旨も告知されており、それとは別のイレギュラーな対応であった様子が伺える。ahamoではこれまでも、サービス開始直後に公式サイトでシステム障害が発生したり、キャンペーンが終了直前で条件が緩和されたりとバタバタした雰囲気が存在していた。
今回は、ahamoが迎えている数々の困難の原因について考えていきたい。

ドコモ「ahamo」がおよそ12時間の臨時メンテナンスを実施

 ドコモが期待の新プランとして送り出したahamoは6日、臨時メンテナンスの実施を予告した。4月6日21時30分から翌日の4月7日9時までの期間であるとされ、メンテナンス中は新規契約や乗り換え(MNP)、プラン変更などの各種手続きが行えないことが伝えられた。このメンテナンスの理由は明らかにされていないが、ahamo公式サイトではこれまでに「手続きの完了確認画面が表示…

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JRA 二刀流は大谷翔平だけじゃない!? 競馬界の「リアル二刀流」レジェンドたちの偉業を振り返る

 去る4月5日(現地時間4日)、対ホワイトソックス戦に「2番・投手」でスタメン出場したMLBエンゼルスの大谷翔平選手。先発マウンドに立って最速163キロを記録。さらに初打席では137mの特大本塁打を放つなど、世界中の野球ファンを驚かせたニュースは競馬ファンの耳にも届いているだろう。

 世界最高峰のメジャーの舞台で、投手と打者の両方をこなす驚愕のパフォーマンスをみせ、まさに“リアル二刀流”を実現した大谷選手に対し、競馬界にも“リアル二刀流”は存在する。

 今回は競馬の主役である馬たちはもちろん、競馬に関わるホースマンにも焦点を当ててみたい。

 まずは芝とダートの両方をこなす”二刀流”馬で、記憶に新しいのがモズアスコット。2018年の安田記念と、2020年のフェブラリーS(ともにG1)を制している。ほかにも、残念ながら今年1月に天に召されたクロフネは、2001年のNHKマイルCとジャパンカップダートの両G1を制覇。さらにアグネスデジタル、イーグルカフェ、アドマイヤドンら、芝・ダート両G1制覇を達成した馬は、長い中央競馬の歴史でも5頭しかいない。

 しかし、芝・ダートの二刀流といえば、パイオニア(先駆者)としてあの一頭を忘れるわけにはいかないのが、ホクトベガだ。

 1993年にデビューした同馬は、牝馬クラシック候補として、桜花賞(G1)、オークス(G1)に出走するも、同じ星の名を持つベガに完敗。辛酸を嘗めた。しかし秋のエリザベス女王杯(G1)では、9番人気ながら優勝。「ベガはベガでもホクトベガ!」の名実況を覚えているファンも多いはずだ。

 翌1994年、古馬になってから成績が伸び悩み、障害転向も検討されたホクトベガ。転機が訪れたのは翌95年。川崎競馬場のエンプレス杯(G1・当時)で優勝して優れたダート適性をみせると、96年には、川崎記念(G1)を皮切りに地方・中央ダート重賞7連勝を達成。なかには当時、まだG2だったフェブラリーSも含まれるなど、牡馬も蹴散らす「砂の女王」に君臨した。

 今から50年以上前には、長距離と短距離をこなした”二刀流”馬もいた。

 1967年にデビューしたタケシバオーは、翌年の皐月賞やダービーのクラシックロードでは2着続きも、古馬になってから3200メートルの天皇賞・春で優勝。その後は、現在のスプリンターズS(G1)の前身レースでもある「英国フェア開催記念」というレースで、中山競馬場の1200メートルをコース新記録で快勝した。

 中央競馬初となる賞金1億円を達成したタケシバオーの国内成績は、通算27戦16勝(2着10回3着1回)。2004年に殿堂入りを果たしている。

 レジェンド馬たちに続いて、ホースマンからは、やはり平地と障害の両レースをこなす”二刀流”騎手を紹介したい。

 デビュー36年目を迎えた熊沢重文騎手は、元祖”二刀流”ジョッキー。4日現在で通算1044勝を挙げている大ベテランを知らない競馬ファンはいないだろう。

 1991年、ダイユウサクで制した有馬記念(G1)など平地重賞は16勝している一方で、2012年マーベラスカイザーで中山大障害(J・G1)を優勝するなど、ジャンプ重賞では15勝している。

 特に熊沢騎手は、障害レースにもグレード制が導入された1999年以来、平地と障害の両G1を制した史上初のジョッキーとなった。また柴田大知騎手も、2011年と12年の中山グランドジャンプと、2013年のNHKマイルCの両G1を制して、“リアル二刀流”を体現している。

 全米の野球ファンを驚嘆させた大谷選手と、芝・ダート両G1を制した熊沢騎手と紹介したレジェンド級の馬たち。ともに共通するのは、その「危険度」だ。

 投手と野手を兼任する大谷選手のトレーニングは、投手と野手の両方をこなさなければならず、ケガをする可能性は絶対的に高い。

 一方の競馬界では、騎手は平場のレースはもちろん、障害レースに騎乗することで、危険度のリスクは間違いなく上がる。

 脚元の健康こそ、自らの「生命線」といえる競走馬もしかりだろう。どちらか一方に専念することなく、芝やダートを全速力で駆け抜けることで、脚部にダメージを受けることは想像に難くない。

 こうした背景をモノともせず、抜群のパフォーマンスをみせる”二刀流”の達人たちからは、まさに“人智を超えた”パワーを感じずにはいられない。

 ちなみに熊沢騎手の持つ障害歴代2位の251勝は、星野忍さんの最多記録254勝まであと3つ。こうした記録に注目するだけでなく、我々ファンは常にリスペクトを忘れずにいたい。

JRA ソダシが呼び起こす「伝説の美少女」の記憶、桜花賞(G1)を5連勝で駆け抜けたレジェンドとの共通点とは……

 11日、阪神競馬場では第81回桜花賞(G1)が行われる。注目は何といっても4連勝中の白毛馬ソダシ(牝3歳、栗東・須貝尚介厩舎)だろう。

 デビューから無傷の4連勝で阪神JF(G1)を制し、白毛馬として初めてのG1制覇の夢を叶えた。今回は4か月ぶりの実戦となるが、「白毛馬のクラシック制覇が見たい」と願う多くのファンの存在もあって、1番人気が濃厚だ。

 その真っ白な馬体とともに特徴的なのが、その馬名。ソダシとはサンスクリット語で「純粋、輝き」を意味するが、その由来通り、その純白の馬体はデビューから緑のターフ上で美しく輝いてきた。

 もう一つ特徴的なのは馬名が3文字という点だ。近年ではキズナ(13年日本ダービー)やキセキ(17年菊花賞)などがクラシックを制覇しているが、数自体はそれほど多くない。

 これまで80回を数える桜花賞では、過去に1頭だけ3文字の馬名を持つ馬が優勝したことがある。それが、1970年の桜花賞を制したタマミだ。

 ソダシとタマミは馬名が3文字という以外にも幾つかの共通点を持つ。ソダシは桜花賞を勝てば、5連勝での戴冠。一方のタマミは、2歳時はスランプもあって7戦2勝という冴えない成績だったが、本格化した2歳12月からは勝利を重ね、5連勝で桜花賞制覇を遂げた。

 そして2頭の最大の共通点はその美しさだ。ご存じの通り、ソダシはその真っ白な馬体が多くのファンの心を引きつけてきた。51年前のタマミもまたその美しさで名を馳せた。

 毛色はサラブレッドで最も多いとされる鹿毛だったが、色合いは栃栗毛に近く、額にあった大きな白斑が際立っていた。また、その白斑から鼻面にかけて流星が伸び、「目千両」と評されたキレイな瞳も相まって、「美少女」と呼ばれ人気を博した。

 ソダシと共通するのはその美しさに加え実力も伴っていたことだ。桜花賞を制した後も、快速逃げ馬として活躍。桜花賞以後、引退までに重賞級レースを合計2勝した。牡馬も顔負けの類まれなるスピードを武器に、才色兼備のタマミは世の男性ファンを虜にしたといわれている。

「年代的にタマミの現役時代を知るファンはそう多くないでしょう。半ば伝説と化していますが、競馬評論家の井崎脩五郎さんもかつて『最も美しい馬』としてタマミの名前を挙げたとか。写真を見たこともありますが、確かに『美少女』でした(笑)」(競馬誌ライター)

 ソダシはタマミと同じく5連勝で桜花賞馬の栄冠をつかむことはできるのか。51年の時を経て、美少女伝説が幕を開ける。

人気沸騰『ウマ娘』に白毛アイドル・ソダシは登場できない?JRA桜花賞、衝撃の裏事情

 競馬を題材とした人気スマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)が絶好調だ。ダウンロード数は400万を超え、3月の売り上げはなんと120億円を超えたという。人気馬サイレンススズカやスペシャルウィーク、エルコンドルパサーなどが登場する『ウマ娘』は今や社会現象ともなっており、このゲームがきっかけで競馬や競走馬に興味を持つようになったファンもいるようだ。

 今週末は日本中央競馬会(JRA)の注目G1レース、桜花賞(G1)が行われ、白毛のアイドルホース・ソダシや、ライバルのサトノレイナスらが出走する。この2頭は、一部のファンから『ウマ娘』に登場するのを待ちわびる声も聞かれるほど人気が高い。しかし残念ながら、ソダシが今後『ウマ娘』に登場する可能性は低いと思われる。それはなぜなのか――。

『ウマ娘』には実際にJRAで活躍した名馬が多く登場しているが、逆にJRAで活躍しながら『ウマ娘』に登場していない名馬も、ジェンティルドンナやディープインパクト、キングカメハメハ、クロフネ、オルフェーヴルなど、かなりの数に上る。それは一部個人馬主の馬や、某大手生産者グループ関連のクラブ馬などであるが、おそらくさまざまな“大人の事情”が絡んでいると思われる。ソダシのオーナーはディープインパクトやキングカメハメハのオーナーでもあり、それらの馬が登場していないことを考えると、同様にソダシも登場する可能性は低いのである。

 一方で、サトノレイナスに関していえば、同馬のオーナーが所有していたサトノダイヤモンドが『ウマ娘』に登場したことを考えると、こちらはなんの問題もなく登場しそうだ。そういった意味でも、この桜花賞がどんな結末になるのか、興味深い。 

 その桜花賞は、ぜひとも馬券を購入して楽しみたいレースだ。ソダシやサトノレイナス、さらに父ディープインパクト・母アパパネという三冠馬を両親に持つアカイトリノムスメ、重賞3勝のメイケイエール、父が新種牡馬モーリスであるシゲルピンクルビー、外国産馬のエリザベスタワーなど、数多くの注目馬が出走する。そのなかでソダシが白毛馬として初めて3歳G1レースを勝利することができるか、それとも陣営が「アーモンドアイ級の素質馬」と評価するディープインパクト産駒のサトノレイナスがその素質を開花させるか――。

 このレースは今後、語り草となっていくのは間違いない。そしてレースをただ見るだけではなく、実際に予想して馬券を購入し、共に感動と興奮を味わうことができれば、それは何よりも素晴らしい体験になるだろう。

 だが、多くの競馬ファンや競馬初心者にとって、この桜花賞はソダシを買えばいいのか、それともサトノレイナスが買うべきなのか、なかなか判断がつかないはず。そこで、競馬情報のプロとして、ありとあらゆる競馬情報を知り尽くす「マスターズ」が特別に公開する【桜花賞無料情報】を参考にすることをおすすめしたい。

 マスターズは、実際に競走馬を管理する東西のトレーニングセンターで活動していた競馬関係者が組織の中心となり、同じ釜の飯を食った競馬関係者と密接な関係を構築。ゆえに一般的な競馬マスコミでは入手できない、さまざまな関係者の本音や裏事情を知ることができる。マスターズに所属するのは元調教師や元騎手、さらに元厩務員や元調教助手など、競馬の達人ばかり。まさしくプロの中のプロが集まった本物の情報集団だ。

 そんなマスターズを活用すれば、驚くような的中を体験することができる。たとえば、昨年春のG1シーズンは、4週連続G1的中や44本の万馬券的中など圧巻の成績。今年も万馬券を数多く的中させ、100円が約20万円の配当になる19万8500円馬券、約17万円になる16万8680円という高額万馬券も的中させている。これこそ競馬情報を扱うプロのあるべき姿であろう。とてもではないが、競馬ファンの素人予想や一般マスコミにここまでの結果を求めるのは厳しい。そのマスターズが語る“桜花賞の意外な裏事情”は、まさに目から鱗が落ちる内容だった。

「この桜花賞で注目を浴びるサトノレイナスとソダシは、いずれもノーザンファームの生産馬ですが、この2頭はともに昨年12月からの休み明けでの出走。トライアルレースを使っていません。そしてお互い関東馬と関西馬の東西ライバル関係にあります。なぜ休み明けなのか、仕上がりはどうなのかといった事情は重要なポイントですが、さすがに関係者はマスコミ相手に本音を語っていません。もちろん、我々マスターズは、そういった裏事情をすべて把握しております。

 また桜花賞には、ほかにも16頭の馬が出走します。この16頭のなかで、この2頭に匹敵する実力と仕上がり、そして重要なコース適性を持つ馬が何頭かいますが、我々が特に注目しているのはマスコミノーマークの、ある人気薄馬。この馬の陣営は密かに桜花賞の勝利を狙っているため、マスコミや周囲に対してその本音を語っていません。ここで堂々と本音を語れば、他馬からマークされて実力を出すどころかレースで不利を受けることもあり得るからです。

 そんな厳しい勝負の世界において、勝負に直結する本音をマスコミなどに語るはずがありません。特に桜花賞は優勝賞金1億500万円のG1レース。なおさらその傾向は強くなります。

 ゆえに本気で馬券勝負するのであれば、この桜花賞を含めたG1レースは格別に関係者の本音を知る必要があるのです。そしてそれが可能なのは、マスコミではなく我々競馬情報のプロフェッショナルであるマスターズです。この桜花賞はあらゆる情報が揃っており、素晴らしい大勝負になるでしょう。

 なおこの桜花賞は、特別に我々が掴んでいる情報を無料で公開することを決定しております。競馬ファンはもちろん、一般のマスコミでは決して入手できない、関係者の本音の本音が詰まったマスターズの勝負情報。ぜひこの無料情報を活用し、共に的中の感動と興奮、そして払い戻しを手にしていただければと思います」

 大きな勝負がかかったG1レースにおいて、関係者がマスコミに本音を語らない事情には衝撃を受けた。確かにどんなプロスポーツでも、その勝負情報や戦略を相手に明かすとは考えられない。そういった意味でもこの桜花賞は、関係者の本音を正確に把握することが的中への近道だ。

 そしてマスターズであれば、その情報を入手できるのだから、今週末の桜花賞はマスターズの無料情報を利用しない手はない。無論それは桜花賞だけでなく、来週末の皐月賞、そして東京優駿(日本ダービー)や宝塚記念へと続いていく春のG1レースで勝利を手にするためにも同様である。とにもかくにも、競馬には正確な情報が必要だ。そして本気で競馬を勝つためにも、マスターズの無料情報は最強の武器となるだろう。

(文=編集部)

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※本稿はPR記事です。

眼鏡着用NG、妊娠したら無給休職…ANA、CAの心身を蝕む“過度な容姿のキレイさ要求”

「お客様! おやめください! どうか、おやめください」――。2017年5月1日、搭乗した客室乗務員(CA)が全員女性だったANA(全日本空輸)の羽田発ロサンゼルス便で、乗客同士の殴り合いのトラブルが発生したが、CAはこう大声で注意するだけで十分な対応ができなかった。ANAのCAはほぼ全員が女性であり、乗客がこうした問題行動を起こした場合、保安要員として十分な抑止力を行使できない可能性がある。

 このようなジェンダーバランスの欠如は、欧米などの航空会社との最大の違いの一つだが、背景には日本の航空業界に根付く男尊女卑の発想がある。

ANAが男性CAの採⽤を開始したのは、たった2年前

 CAはサービス要員としての性格も持つが、基本的には乗客の安全を守る保安要員である。ANAは2年前の2019年4月の新卒採用で初めて日本人男性CAを4人採用したが、同期約700人からすれば、微々たるもの。19年のCAは計約8200人だったが、99%が女性で、これまでパイロット以外の男性で搭乗したのは、総合職の3年間の経験乗務者と、ロンドンベースなど外地採用社員のみだったという。この点では国内競合のJALも同じような状況だ。

ANAはCAに「サービス要員」の要素ばかりを要求

 しかし、普通に考えて保安要員として働くことを求められる職業で、ほとんど女性しかいないのは異常である。海外の航空会社を見てみると、仏エールフランスなどは男性CAの比率が約4割程度で、国際的にみても3~4割が標準だ。なぜ、ANAはこのような現状になったのか。

 まず考えられるのは、そもそも日本が男性中心社会であることだ。ANAが主戦場としている国内線では、コロナ禍前までは出張族の男性会社員の利用が大半を占めており、「癒やし」としての接客を求めたことが考えられる。つまり、日本社会にとってCAとは保安要員というよりは、「サービス要員=きれいどころ」の要素ばかりを要求されてきたということだ。実際、欧州、米国、中東、南米、中国、モンゴル、タイなど海外の客室乗務員は「保安要員」としての国家ライセンスが付与されているところが多いが、日本の総務省における職業分類では「サービス業」となっていることも、これを示している。以下はANAのCAのOGの弁。

「ANAで働いていると、キレイなメイクなどを求められすぎて、それに対する負担が大きいんです。女性にこうあってほしいという規範を押しつけられすぎるような印象を持ちます。また、女性CAは眼鏡の着用が基本的には認められず、コンタクトレンズが体質的に合わない場合は職場にとどまるのは難しい。海外の航空会社では若いCAも眼鏡の着用が普通で、眼鏡だとダメだと会社側が言った場合、人権問題になるにもかかわらず、です。私の先輩で『目が悪くなっても眼鏡がかけられないから』という理由で退職した人が何人もいました。結局、容姿だけが重視される職場だということです。それはANAの制服にパンツがなくスカートだけしかないことに象徴されます。

 私は現役時代、先輩から『女優になりなさい』と言われていました。 嫌なことがあっても、不満があっても決して顔に出してはいけないと。確かにサービス要員としてはそうかもしれませんが、国内線1日4便などの過酷な労働を強いておいて“常に笑っていろ”というのは、肉体だけでなく精神も蝕んでいきます」。

 この連載の第1回で紹介したANACAの評価制度には「お客様の心に残る笑顔の発揮」という項目があることからも、CAは過度な感情労働を要求されている。上司から常に「笑顔が出ているか」をチェックされるような職場など、居心地が悪くて仕方ないだろう。なお、JALの制服はパンツルックもあり、メガネもOKだという。

ANAの女性取締役は15人中、たった1人

 さらに、経営的な観点からすると、「ANAのCA=女性」の給料が「総合職=男性」より安いことが指摘されている。ANAのホームページによると、総合職にあたる「グローバルスタッフ職」(事務)は大卒の新卒で月額21万8557円なのに比べ、CAは大卒で月額18万319円、短大・高専・専門卒では月額17万2417円と4万円程度低い。

 連載第2回で書いた通り、CAの平均勤続年数約6年半のため、「20代で寿退社か転職する前提の人事制度設計としか思えない」(20代現役CA)。50代となると基本給だけで15万円程度、男性総合職と差があるという証言もあり、生涯年収は億単位の差が出てもおかしくない。日本社会では現在でも幹部候補生たる総合職は男性、事務業務のみを担う一般職は女性というような区分けがなされている企業が多く、ANAはその典型といえるだろう。こういう会社の特徴として「女性は若さだけあればいい」というオッサン目線の人事制度設計が組まれており、経営幹部には女性がゼロかほとんどいない。

 ANAもご多分に漏れず取締役にはCAの生え抜きの女性が15人中1人のみ。執⾏役員も23人中、女性がわずか4⼈でCAの生え抜きは2人のみ。管理職のレベルでも、ANAが公表している人事関連データによれば、2020年の上級管理職は男性が676人なのに対し、女性は45人と1割以下。つまり、女性が総合職にあたるグローバルスタッフ職(事務)で入社しても経営の実権を握るような取締役につくことは非常に難しいということだ。

「CAの管理職に実質権限はない」

 さらに、CAの管理職のほとんどは客室センターというCAの統括部署に所属しているが、実質的な権限はほとんどないという。それがよくわかるエピソードを紹介しよう。以下は、ANAのベテランCAの証言。

「米国のある都市への初の就航フライトで、行きに乗務するCAのほかに、帰りの便にフライトする予定のCAが乗客の席で移動したため、現地で宿泊するCAの人数が2倍になった時がありました。ところが、会社の連絡ミスで、その人数分の部屋が予約できてなく、半数のCAが泊まれなかったんです。予約していたホテルはその日は満室だったので、結局、半数のCAはホテルのロビーで一夜を過ごすはめになりました。

 その時、 CAの管理職が同乗していたのですが、別のホテルを手配するなどの措置をしてくれませんでした。結局、管理職といっても何の権限もないんだなと思いました」

 この管理職が特別に機転が利かないということも考えられるが、さすがに多くのCAが現地で困っていたため、現場では不満や別のホテル確保の要求は出ただろう。それでも宿泊予算の追加手配などができない時点で、十分な権限がないか、少なくとも権限を自分の判断で行使する管理職としての訓練がまったくなされていないことがわかる。

ごく一部の「名誉女性」以外の敗者はブラック労働のまま

 ANACA生え抜きの女性の取締役、執行役員のインタビューをみると、世間の華やかなCAのイメージそのものである。厳しい業務もきっちりとこなし、いつも笑顔。彼女たち個人の人生ということだけでいえば、非常に立派で、尊敬する。

 しかし、現場のCAの過酷な労働環境が長らく改善されていないところからみて、彼女たちは「ANAのブラック労働体質に染まっている上、仮に会社の方針に疑問を持っても改善する権限がない」といういびつな現実が垣間見える。

 また、ANAのような男性優位の企業の場合、こうした「名誉女性」的なモデル社員は、経営陣から“労働環境を改善する努力をしないでいい口実”として利用されているのが常だ。経営陣からすれば「CAは総合職よりも給料が安く労働環境も厳しいかもしれないが、こうして適応して頑張って結果を出している人もいる」と主張できるため、「文句を言うヤツは努力が足りない」といったような現場への責任転嫁を可能にする。

妊娠したら無給休職しか選べないという時代遅れの差別的感覚

 本来、経営とはごく⼀部のデキる社員を褒めそやすことではなく、ボリュームゾーンの社員が⼒を発揮できる環境を整えることだろう。社員の半数以上を占める⼥性 CAがたったの約6年半で辞めていく現状は、経営陣の怠惰以外の何物でもない。

 その怠惰の代表例が、妊娠したCAに対する制度である。なんと、すぐに会社に報告し無給休職を取得する選択肢しかないという。妊娠したから仕事をさせない、給料を払わないというのは、時代遅れを通り越して⾮⼈道的であり、労働基準法や男女雇用機会均等法に違反する可能性もある。米国など海外ではマタニティ⽤の制服で勤務可能な企業もあり、JALでは無給休職の他に地上勤務も選べるというから、ANAには現場の⼥性CAの⽬線が致命的に⽋如していることは明らかだ。

 筆者は多くの現役の20代CAから「こんなに⼦育てと仕事が両⽴できない職場だと未来が⾒えない」という絶望のこもった声を聞いたが、それも当然だろう。

ANAもJALも、CAを男女半々にする努力を

 これまでの取材の際、情報提供者に必ず「なぜこんな過酷な労働に堪え忍んでまでANAのCAを続けるんですか」と質問してきた。答えに共通しているのは「いろいろな人に会えて楽しい」「華やかで憧れだったから」といったものだ。憧れは現実とは違うものとはいえ、モチベーションはある以上、育児と両立できるなど制度設計やスケジュールの改善ができれば、状況はかなり変わるのではないかと感じている。

 さらに、現役のANAやJALのCAやOGに男性CAの増加について意見を求めたところ、

「荷物を上げるときに男手があると助かる」

「やはり男性が一人でも乗っていると、変な乗客がいても安心感がある」

「女だけの職場に特有な、細かすぎることや陰口などの悪い傾向が緩まる」

「女性はどうしても真面目になりがちなので、おおざっぱな男の人がいると考え方のバランスがよくなる」

などの声が聞かれ、男性CAの増加に肯定的だった。

 今回のジェンダーバランスの問題は給与面も含めて、JALも違いはほとんどない。保安体制をしっかり整える意味でも、男性中心主義の企業体質を改善する意味でも、ANAとJALはCAの男女比率を半々に近づける努力をすべきだろう。

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)

Kyuzo Matsuoka

ジャーナリスト

マスコミの経営問題や雇用、農林水産業など幅広い分野をカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや文春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは@kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

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JRA C.ルメール「鞍上問題」の意外な結末!? 「強奪」被害に遭ったのはまさかの相手、ノーザンファームの戦略も見え隠れ

 昨年のホープフルS(G1)で2着のオーソクレース(牡3、美浦・久保田貴士厩舎)が、皐月賞(G1)を回避することが6日、所属するキャロットクラブのホームページで発表された。

 同馬を管理する久保田厩舎によると先週の追い切り後、状態に不安が見られたため、回避を決定。近日中にノーザンファーム天栄に放牧に出され、立て直すこととなったようだ。

 これにより、風雲急を告げたのがライバル陣営の鞍上問題だ。

 今年の牡馬クラシック戦線はトップクラスのジョッキーが複数の有力馬をお手馬としており、鞍上問題が多発していた。

 C.ルメール騎手はオーソクレース、グラティアス、武豊騎手はヨーホーレイク、ディープモンスター。これ以外にも川田将雅騎手のダノンザキッドとボーデン、北村友一騎手のラーゴム、シュヴァリエローズなどが本番でのパートナー選択を迫られた。

 18日の開催が近づくにつれ、徐々に新コンビが発表されたこともあり、各馬の鞍上問題もひとまずは落ち着きを見せつつあった。

 だが、オーソクレースの回避でリーディングジョッキーが空くとなると話は変わって来る。皐月賞開催まではまだ日程にも余裕があるため、「鞍上強化」を目論む陣営が出ても不思議ではないからである。

 「元サヤ濃厚」と考えられていたのは京成杯(G3)でコンビを組んだグラティアス。松山弘平騎手との新コンビが発表されていたものの、同騎手が騎乗停止によって皐月賞での騎乗が困難になり、新たにM.デムーロ騎手が手綱を執ることが発表されていた。

 デムーロ騎手が「代打の代打」だったことを加味すれば、グラティアスとのコンビ復活が最も自然な流れだったかもしれない。

 しかし、ルメール騎手のパートナーとして選ばれたのは、岩田康誠騎手とのコンビが決まっていたアドマイヤハダル。同馬はデビューからの3戦で福永祐一騎手が騎乗し、前走の若葉S(L)は初騎乗の松山騎手の手綱で3馬身差の快勝していた素質馬だった。

「グラティアスやボーデンもいただけに、騎乗経験のないアドマイヤハダルとのコンビは少々意外でした。エージェントが同じ武豊騎手から岩田望来騎手が代打となったヨーホーレイクという可能性も考えられましたし……。

ただ、これらすべてがノーザンファーム系の生産馬ということを考えると、各馬に対する評価の序列も見え隠れしているのかもしれません。

前走の若葉Sの勝ち方は素晴らしい内容でしたし、3馬身負かしたシュヴァリエローズは昨年のホープフルSで5着に入った馬。2走前のエリカ賞(1勝クラス)ではディープモンスターを撃破しているように、皐月賞でも惑星と見られていた存在でした」(競馬記者)

 アドマイヤハダルは主戦を務めていた福永騎手から松山騎手へと乗り替わり、その松山騎手もグラティアスと流れたように、しがらみが少ない中で選ばれたのが岩田康騎手だった。

「強奪」される格好となった岩田康騎手にとっては気の毒な乗り替わりだが、アドマイヤハダルが「ルメールファースト」で知られるノーザンファーム系の馬となると、騎乗馬のいなくなったリーディングジョッキーが優先されたのも仕方のない話といえそうだ。

ザワついて、ほしいの

TVer

鈴木おさむさんに「テレビは今後、どこへ行く?」という仮タイトルで思いの丈を語っていただくこの企画。TVer×ウェブ電通報という、ありそうでなかった座組みで実現しました。

4/9にテレビ朝日系列にて後編が放送予定の新作ドラマ「殴り愛、炎」のお話もちょいちょい折り込んでいただきつつ、鈴木おさむ氏ならではのテレビ論を大いに語っていただきました。

ご安心ください。ウェブ電通報の編集方針として、「とどのつまりは、番宣なのだろう?」といったような凡庸なる記事にはいたしません。乞う、ご期待。

TVer
─TVer×ウェブ電通報×鈴木おさむさんという座組みで実現した本インタビュー企画。
今回も、よろしくお願いいたします。

鈴木:こちらこそ。

─今回は、ですね。鈴木おさむさん、ということで「変って、なんだ?」というテーマでお話を伺っていこうと思います。変わり者の「変」、変態の「変」、変化の「変」、本能寺の変の「変」です。おさむさんの作品を拝見していますと、「変なものをつくりたい」という気持ちが根底にあるような気がするのですが……

鈴木:結果的に「変なもの」になっているのかも知れないけれど、「変なものをつくりたい」という気持ちはないかな。でも、「世の中をザワザワさせたい」という欲望は常にあります。

─「ザワザワ」ですか?

鈴木:そう、ザワザワ。僕が思うに「変なもの=ザワつくもの」ではないんです。変が過ぎると、世の中ってザワつかないものだから。ここで、こんな変なことが起きたら世の中ザワつくだろうな、と思うことはあるけど、それは「変」ありき、ではない。

─「ザワザワ=なんだか不安でしょうがない。でも、無性に興味がそそられる」みたいなことでしょうか?

鈴木:いつハシゴを外されるんだろう、どうやって外されるんだろう、ハシゴを外すとみせかけて、ひょっとしたら最後までハシゴを外さないんじゃないだろうか、みたいな。とても平常心ではいられない。それって、ワクワクでも、ドキドキでもなくて、ザワザワなんだと思うんですよね。

─「鈴木おさむワールド」のキモの部分が、少しはわかってきました。
 

TVer

鈴木:うまく表現できないんだけど、ザワザワっていうのは単純な裏切りじゃないんですよね。内館牧子さんのドラマが僕は大好きなんだけど、内館さんの脚本って、いい意味で性格が悪い。意地悪っていうか。僕の好きな役者さんに、そんな惨めなことさせないでー、みたいな気分にさせられちゃう。見てる側としては、もう、ザワザワしっぱなし。

─いわゆる「毒」の要素ですね。それも、中毒性のある。とても、やっかいな(笑)。

鈴木:僕の中で開眼したのは、「奪い愛、冬」(2017年にテレビ朝日系「金曜ナイトドラマ」枠で放送された鈴木おさむ氏脚本によるドラマ)かな。

番組のプロデューサーから「とにかく変なことばっかりが起きるドラマにしたいんですよ」と言われて、なるほどな、と思ったんです。当時、不倫ドラマが流行ってて、じゃあ、その方向でいくか、みたいな気持ちで始めたんだけど、水野美紀さんが、とにかく変なことばっかりする。タンスの中に隠れてたり、プレゼントにヒールの先を入れたり。

コントって、基本、変なことばっかり起きるじゃないですか。見てる側も、それを期待している。でも、ドロドロ恋愛ドラマだと思って見始めたのに、もしかしてこれ、コメディー?みたいなことが次々と起こると、視聴者としてはザワつかずにはいられないんじゃなかろうか、と。

─そこは、あえて規定しないんですね。

鈴木:そう。見る人によって、見方はいろいろあっていい。不倫モノだろうが、コメディーだろうが、それは受け手に決めてもらうこと。でも、ザワザワだけはしてほしい。僕が書くドラマの第一話に対して圧倒的に多いのが「このドラマ、どうやって見たらいいの?」というとまどいの声なんです。なので、第二話で「なるほど、こうやって見たらいいんだ」という気分にとりあえずなってもらう。でも……

─第三話で、また見方がわからなくなる。

鈴木:気がつくと、クセになってる。

─それはまた、性格が悪い(笑)。

TVer

鈴木:一方で、とことん無視されるのが、テレビ。昔、構成に参加していた「めちゃイケ」で、これはおもしろいと思う回があって、たまたま、実家に帰っていて家族でオンエアを見たんだけど、母親は台所仕事かなんかしてて、まったくの無視。息子の自信作を、ですよ。

でも、それがテレビ。スマホをいじりながら見てても、スマホをいじるのに夢中で完全に無視されていたとしても、それがテレビ。こんなに自由なものはない。だから、楽しい。

─そういうことを言うと、だから鈴木おさむは扱いづらいんだよーとか、局の人から言われたりしません?

鈴木:でも、それがテレビなんです。CMなんかも、そうでしょ?「いい感じで、おねがいします」「はい、わかりました」でつくったCMなんか、誰も見ない。少なくとも、僕は。チャンネルを変えるか、あるいはスキップして、それで終わりだと思います。

─わかるなあ、わかります。うちの母親に「うちのサラダ油、なんでいつもコレなの?」と尋ねても、「さあ、なんとなく」という答えしか返ってこない。でも、なんかあるんですよね。クセになるなにか、が。それが値段なのか、脂肪がつきにくい成分なのか、それをうたってるCMの効果なのか、はわかりませんが。

鈴木:無視されてナンボ、と開き直ると、じゃあ無視されないためにはどうすればいいのかと考えるわけです。どう考えてもそれは、理屈じゃない。つまるところ見ているひとを、あるいは見る気もなく眺めている人を、どれだけザワザワさせられるかどうか、だと思うわけです。

(聞き手:ウェブ電通報編集部)


【編集後記】
今回は、鈴木おさむ氏に対して「変」というキーワードを投げておきさえすれば、正直、なんとかなるだろうと思っていた。ところが、である。いきなり「別に、変なものをつくろうと思ってはいないんですけど」とのカウンターパンチだ。面食らっていると、即座に「でも、ザワザワは、させたいんだよね」と来た。

仕事をしていると、いや、人生、長く生きていると、「目的」と「手段」がいつの間にか入れ替わっていることがしばしばある。あれこれ調整して、家族でやっと憧れのハワイに来ることができた。いやあ、満足だ。妻も子どもたちも、喜んでいる。ところで、ハワイに来たまではいいけど、ハワイで一体なにをすればいいんだっけ?みたいなことだ。

目的さえ見失わなければ、こんなことは起こらない。「ハワイで、最高の昼寝をすること」が目的であってもいい。そんなことは、個人の自由だ。そのために大枚をはたこうが、他人にとやかく言われることではない。

「テレビはもはや、オワコンである」。巷で噂されるそんな声に、正直、イラっとしていた。でも、こう考えるとすっきりする。「ハワイねえ。何度か行ったけど、正直もう飽きたな」などと言ってるような人に限って、ハワイの魅力を、ハワイで過ごす時間の魅力を、なにひとつ分かってはいないのだ、と。


鈴木おさむ氏が脚本を手がけた最新ドラマ「殴り愛、炎」の情報については、こちら

大丸、百貨店の常識「消化仕入れ」依存を脱却…テナント比率65%の“パルコ化”に活路

 J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店は、3月中旬から高級ブランドの婦人服のサブスクリプション(定額課金)サービスを始めた。月額1万1880円(税込)で海外ブランドなどを毎月3着まで着ることができる。小売り大手によるサブスクは初めてだ。

 まず国内外の50ブランドが参加。イタリアファッションブランドの「マルニ」、フランスのパリジェンヌの気分が味わえる「シーバイクロエ」など海外有力ブランドのほか、三陽商会の「エポカ」、TSIホールディングスの「アドーア」など百貨店向けの高価格帯のブランドが中心になる。9割以上のブランドがサブスクで取り扱われるのは国内初。大丸松坂屋が取引先から買い取り、サブスク用とする。

 利用者は専用サイトで自分好みのジャケットやブラウスなどを3着まで選び、自宅などに届けてもらう。サイズ違いに対応するため、1回の注文で1アイテムまで交換が可能。気に入った商品は会員価格で購入できる。送料、クリーニング料、補修費用は月額料金に含まれている。休会、退会も自由にできる。

 5年後に会員数3万人、売上高で年55億~60億円を目指す。大丸松坂屋が事業主体となり、配送(日立物流)、クリーニング(バレル、洗濯ブラザーズ)、リサイクル(日本環境設計)とパートナーシップを組んで実施する。

 サブスクは、動画配信の米ネットフリックスなど世界大手が日本でも利用者を増やしている。衣料品では新興勢力のエアークローゼット(東京・港区)やアパレル大手のストライプインターナショナル(岡山市)がサブスクを手がけている。ただ、高価格帯のブランドの取り扱いは多くなく、本格的な普及には至っていない。

 コロナ禍で来店客が減るなか、大丸松坂屋はモノの所有ではなく利用を促すことで稼ぐビジネスモデルの構築を模索している。ネットで注文する点も従来の百貨店ビジネスと一線を画す。J・フロントは百貨店業界のサブスクの先駆者になれるのか。

インバウンド消費の象徴「ギンザシックス」が苦戦

 J・フロントは、どこよりも早く脱百貨店に経営の舵を切った。2017年4月、松坂屋銀座店跡地に開業した「ギンザシックス」は、東京・銀座のインバウンドを象徴する都心型商業施設と評された。しかし、新型コロナウイルスによるインバウンド消費の消失で苦戦に陥った。

 今年、開業4周年を迎え、初めての大規模なリニューアルを実施した。20年12月、飲食店、アパレルショップ、化粧品など40店が一斉に退店した。代わって40店が順次出店。高級ブランド「グッチ」のジュエリー・時計の店が出た。フランスの靴ブランド「クレジュリー」などは日本初進出だ。食品ではイオン傘下の有機食品専門店「ビオセボン」が出店した。

 ギンザシックスは銀座の顔として鳴り物入りでオープンした。大理石や高級カーペットを使い、話題づくりに一役買ったが、逆に顧客が店内に入りにくい一因にもなった。観光施設として集客力は抜群だったが、商品を購入している顧客は相対的に多くはなかった。「高級ブランドばかり並んでいるので、なかなか買う気になれない」という声は、開業当初からあった。それでも、開業人気で1年目の売り上げ目標はなんとかクリアした。

 インバウンドに依存していることが、当初から懸念材料として指摘されていた。ギンザシックスの免税売上比率は30%と高かったが、外国人の消費は移ろいやすい。開業効果が薄れ、外国人客が思うように集客できなかったらどうなるのか。高い家賃を払っているテナントの動向が気になった。

 新型コロナで、この心配が現実のものとなった。インバウンドは蒸発。大量のテナントが撤退した。J・フロントの脱百貨店のビジネスモデルは、「コロナの一撃でもろくも崩れ去った。脱百貨店の成果を誇示するギンザシックスは“インバウンドバブル”の象徴となった」(関係者)。

 J・フロントの好本達也社長の使命は脱・百貨店路線の総仕上げである。大丸心斎橋店(大阪市)は大丸最大の旗艦店で、再開発に5年の歳月をかけた。J・フロントが追及してきたのは「百貨店の未来」像だ。500億円を投じ、本館を建て替え、北館にパルコを誘致した。そして、これまでの百貨店業界の常識だった「消化仕入れ」と呼ばれる仕入れ方法を見直した。

 消化仕入れの売り場では、店頭の商品は取引先の在庫である。商品が売れた時点で百貨店が仕入れたことになる。売れ残っても百貨店には損失が出ない。だから、百貨店は「場所貸し業」といわれてきた。

 19年秋に建て替えた大丸心斎橋店本館は消化仕入れの売り場を大幅に圧縮。旗艦店としては異例のテナント比率65%を達成した。消化仕入れのモデルから、テナントからの家賃収入に依存する不動産モデルに思い切ってシフトした。好本社長が次なるターゲットとして見据えているのは、松坂屋の発祥の地にある、グループ最大の旗艦店、松坂屋名古屋店(名古屋市)だろう。グループの国内百貨店は16店あるが、今後はテナント比率を急拡大し、いわゆる“パルコ化”が検討されることになる。

 脱百貨店の具体策がギンザシックスとパルコ化だったが、コロナが、このビジネスモデルを粉砕した。

21年2月期の業績予想を下方修正

 1月以降の緊急事態宣言の再発出の影響で売り上げが減少したことから、J・フロントは21年2月期の最終損益(国際会計基準)を260億円の赤字(20年同期は212億円の黒字)と、従来予想から74億円下方修正した。

 昨年9月段階で260億円の最終赤字としていた業績予想を、いったんは引き上げた。客足の回復やコスト削減が背景にあった。だが、コロナの第3波の到来で百貨店の客数は12月が前年同月より4割減り、1月も5割減と低空飛行が続く。

 総売上高は従来予想より444億円引き下げ8104億円(前期比28%減)を見込む。年商1兆円の大台を大きく割り込むことになる。賃貸収入も大きく減少し、この結果、売上高にあたる売上収益は前期比34%減の3190億円と従来予想を185億円下回ることになる。

 2月には傘下の商業ビル・パルコで津田沼店(千葉県船橋市)と新所沢店(埼玉県所沢市)の閉店を決めた。店舗閉鎖関連費用(約44億円)のほか減損損失を計上する。パルコの事業環境の悪化を受け、繰り延べ税金資産を取り崩し60億円の税金費用を計上する。

(文=編集部)

中国、発展途上国向け融資で「秘密条項」多用が明るみに…途上国の債務解消の障害に

 フランスが主導し、海上自衛隊や米国、豪州が参加するインド洋の北東部に位置するベンガル湾での海上共同訓練「ラ・ペリーズ」が4月5日に始まった。インド洋のレユニオン島などに海軍基地を持ち、南太平洋に仏領ニューカレドニアを有するフランスは、2019年からラ・ペルーズを実施しているが、今年はインドが初参加した。在インドのフランス大使館はインドの参加について「5カ国による訓練が『自由で開かれたインド太平洋』での協力を推進する機会となる」とその意義を強調した。

 ベンガル湾は中国と国境紛争を抱えるインドの戦力圏であるが、近年中国のエネルギー調達にとって重要な地域となっている。米国との対立を深める中国は、米軍が警戒を強める南シナ海を回避するため、ベンガル湾に面したミャンマーの港から原油・天然ガスを中国に運ぶパイプラインを整備したからである。

 今回の訓練は「インド太平洋地域で覇権拡大を目指す中国への明確な牽制となる」との見方があるが、中国側は「日米豪印の戦略的な枠組み(クアッド)は明らかに中国を標的にしている」と反発している(4月7日付日本経済新聞)。ラ・ペリーズが開始された5日、中国の要請で日中外相電話会談が急遽行われたが、その背景には中国側の危機感の高まりがあったと推察できる。

 そもそも「中国包囲網」ともいうべき動きが出ている原因は、中国自身の行動にある。中国は自ら引き起こした新型コロナウイルスのパンデミック下で、好戦的な「戦狼外交」を繰り広げたことから、中国周辺に限らず、国際社会全体が警戒を強めるようになったのは今や周知の事実である。しかし中国自身はこの構図にまったく気づいていないようだ。

中国、米国と緊張関係にある国々と連携図る

 3月18日に米国アラスカ州で米国の外交トップと会談した中国の王毅外相は3月24日から30日の日程で中東6カ国を歴訪した。米国と緊張関係にある国々との連携を深め「対中包囲網」にくさびを打つ狙いだといわれている。

 最初の訪問国サウジアラビアでは国政の実権を握るムハンマド皇太子と会談した。中国外務省は「サウジアラビアは新疆ウイグル自治区や香港に関わる問題での中国の正当な立場を支持すると述べた。これに対し王氏は『サウジアラビアの内政に口を出すいかなる勢力にも反対する』と応じた」という。しかしサウジアラビア側は具体的な会談内容を公表しておらず、じっさいのやりとりは不明である。

 たしかにサウジアラビアの国営石油企業であるサウジアラムコは「今後50年、中国のエネルギー需要を満たすことが我々の最優先事項である」と秋波を送っているが、サウジアラビアの安全保障に深く関与しているのは米軍である。サウジアラビアの人権問題に厳しいバイデン政権との間で微妙な舵取りが求められている時期に、中国側の「プロパガンダ」の材料にされてしまったことで、サウジ側は苦虫を噛み潰しているのではないだろうか。

 26日に訪問したイランでは、今後25年間にわたる長期の協力協定(4000億ドル規模)に署名して話題となったが、具体的な内容は明らかにされていない。イラン国内では「譲歩しすぎだ」との声が早くも上がっており、先行きは不透明である。これによりイランも中国の広域経済圏構想「一帯一路」に参加することになるが、一帯一路については後述するように逆風が吹き始めている。

 28日に訪問したアラブ首長国連邦(UAE)では、UAEのテック企業が中国産ワクチンの委託生産(年2億回分、中東向けに供給)を行うことで合意した。新型コロナウイルスのワクチン不足が世界的に高まるなか、中国が輸出攻勢をかけているが、「ワクチン供給を中国だけに頼れば外交リスクを抱える恐れがある」との警戒感も出てきている(4月4日付日本経済新聞)。

「一帯一路」の醜い現実

 21世紀に入り破竹の勢いで経済を拡大させてきた中国の動向について、世界は常に注目してきた。習近平政権が掲げるメッセージは「一帯一路」であるが、バラ色のビジョンが綻び始め、醜い現実が明るみになってきている。

 米国のウイリアム・アンド・メアリー大学などが3月31日、「中国が発展途上国向けに融資する際、中国にとって有利な返済条件となる『秘密条項』を多用している」とする報告書を公表した。中国が過去20年間に24カ国に対して実施した100件の融資契約書(366億ドル規模)を入手して分析した結果だが、中国優位の融資契約は「債務の罠」に陥った途上国の債務再編を困難にしている。その影響があったのだろうか、今年春に開催が予定されていた「一帯一路」の首脳会談(2017年と2019年に開催)は見送りとなった(4月2日付日本経済新聞)。

 最近の中国を見ていると、豊かになればなるほど「不寛容さ」が目立つという奇妙な現象が起きているように思えてならない。その背景には、中国の悲しい近代の歴史が関係していると筆者は考えている。「自らは世界の中心である」との幻想に浸ってきた中国は、1840年に夷敵である英国と起こしたアヘン戦争で敗北したことを契機に、その後1世紀にわたり半植民地となったという苦い記憶がある。

 昨年末、英国が太平洋地域に空母を派遣した際に中国は「またアヘン戦争でもするつもりなのか」と猛反発していた(2020年12月23日付中央日報)。一方、先日の米中外交トップ会談直後から中国国内のSNSでは「中国すごい」論が蔓延し、中国人の自尊心はこれまでになく肥大化している(4月6日付ニューズウイ-ク)。

 精神分析学者の岸田秀氏は以前から「深刻なトラウマを患う中国は被害妄想に陥る傾向が強いが、これが転じて自我が肥大化すると手に負えない『モンスター』になる」と警告を発していたが、国際社会は試練の時を迎えているのではないだろうか。

(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)

●藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー

1984年 通商産業省入省

1991年 ドイツ留学(JETRO研修生)

1996年 警察庁へ出向(岩手県警警務部長)

1998年 石油公団へ出向(備蓄計画課長、総務課長)

2003年 内閣官房へ出向(内閣情報調査室内閣参事官、内閣情報分析官)

2011年 公益財団法人世界平和研究所へ出向(主任研究員)

2016年 経済産業研究所上席研究員

2021年 現職

「出生率」の知られざる現実…東京都の一部で出生率上昇という事実から学ぶべきこと

 厚生労働省が公表した「人口動態統計」(2021年2月22日・速報値)によると、2020年の出生数は過去最少の87万人(対前年2.5万人減)となった。国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来人口推計」(平成29年推計)では出生数が80万人を割るのは2033年という予測であったが、出生数が80万人を割るのは残り数年で、もはや時間の問題だろう。

 このような状況のなか、先般(2021年4月1日)、菅義偉首相は、子育て政策等を省庁横断的に取り組む「子ども庁」創設に関する検討の指示を出した。政府もついに強い決意で子育て政策に本腰を入れる覚悟を示すようだが、合計特殊出生率(以下「出生率」という)の上昇に何が必要なのか、しっかり見定めることも重要だ。

 例えば、地方創生と出生率の関係である。現在、人口減少に歯止めをかけるため、地方創生では東京一極集中の是正が一つの目標になっているが、仮に東京の人口をゼロにしても出生率はほとんど上昇しない。

 まずは、この簡単な試算を示すため、日本全国を「東京都」と「東京都以外」の2地域に区分しよう。

 出生率はこの2地域の女性が生涯に生む子どもの数で決まるが、「日本の将来推計人口(平成29年推計)」や「平成27年国勢調査 東京都区市町村町丁別報告」によると、女性人口(20―44歳)は日本全体で約1700万人、東京都は約235万人であるから、東京以外の女性人口(20-44歳)は約1465万人となる。

 2019年の東京都の出生率は1.15であり、東京以外の地域における出生率の平均をZとすると、全国平均の出生率は「1.15×235÷1700+Z×1465÷1700」(※)と表現できる。2019年における全国平均の出生率は1.36のため、これが※と一致する条件はZ=1.394となる。

 この数値が意味することは何か。それは出生率が地域に依存して決まる場合、東京の人口をゼロにしても、日本全体の出生率は1.36から1.394までしか上昇しないという事実である。すなわち、出生率の増加は0.034しかない。

 以上は女性人口(20-44歳)で試算した。適切な計算ではないと思われるが、女性人口でなく、日本全体の人口(約1.3億人)、東京都の人口(約1400万人)、東京都以外の人口(約1.16億人)で試算しても、Zは1.385にしか上昇しない。

子育てしやすい都市構造という視点が重要

 あまり知られていないが、むしろ子育てしやすい都市構造という視点が重要であり、ここ数年、東京都の一部エリアで出生率が上昇している事実のほうが重要だろう。例えば、厚生労働省「人口動態保健所・市区町村別統計」において、平成20−24年と比較し、平成25−27年の合計特殊出生率が増加した上位50の区市町村のうち,東京都内の区市が5つもランクインした。しかも、9位が東京都中央区、19位が東京都千代田区であり、各々の出生率は1.39(0.29の上昇)、1.28(0.26の上昇)となっている。

 小泉政権以降、都市再生特区の政策などにより、都心の高層ビルや湾岸部のタワーマンションが次々に建設され、ファミリー向けのマンションも供給が増加。都心4区(千代田・中央・港・江東)の人口も増加した。このため、数年前、これらエリアでの小学校や保育所の不足が話題になったが、これら政策が冒頭の中央区などの出生率増に寄与した可能性がある。この事実は、地方創生で東京一極集中の是正を行えば、出生率が上昇するという一種の「神話」に関する再検証が必要なことを意味する。

 また、育児と仕事の両立を図るためには、保育所における待機児童の解消を速やかに行う必要がある。この視点では、保育所(厚労省所管)のみでなく、幼稚園(文科省所管)や認定こども園(内閣府所管)も一体的に管理し、子育てしやすい都市構造をどう我々が創造するかということのほうが重要である。

 菅義偉首相が「子ども庁」創設の検討指示を出した今こそ、出生数の増加に向けた本当の議論が始まることを期待したい。

(文=小黒一正/法政大学教授)

●小黒一正/法政大学経済学部教授

法政大学経済学部教授。1974年生まれ。

京都大学理学部卒業、一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学博士)。

1997年 大蔵省(現財務省)入省後、大臣官房文書課法令審査官補、関税局監視課総括補佐、財務省財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授などを経て、2015年4月から現職。財務省財務総合政策研究所上席客員研究員、経済産業研究所コンサルティングフェロー。内閣官房「革新的事業活動評価委員会」委員。日本財政学会理事、鹿島平和研究所理事、新時代戦略研究所理事、キャノングローバル戦略研究所主任研究員。専門は公共経済学。