パチスロ設定1でも「102%」の「激アマ」を実現!? ファン歓喜の『新ハナビ』ついに公開!!

 パチスロ「ボーナスタイプ」を語る上で「ハナビ」シリーズは欠かせないマシンだ。最もオーソドックスで、最上位の人気を誇るシリーズといっても過言ではない。

 その人気から様々な兄弟機が存在しており、いずれにもファンが存在。6号機においても『ドンちゃん2』はノーマルタイプユーザーから高い評価を受けている。

 特に5号機『ハナビ』の人気は凄まじい。リーチ目機においては同機種の右に出るものはおらず、そのシンプルなゲーム性でユーザーを魅了した。

 残念ながら遅くとも来年には撤去期限を迎えることとなり、ファンは胸中穏やかではいられない様子。そんな中、「ハナビ」シリーズが動きを見せた。

 5月10日、ユニバーサルエンターテインメントはパチスロ新台『新ハナビ』のリリースを発表し話題となっている。

 既に機種サイトがオープンしており、YouTubeでは本機PVと最速解説動画が公開。各動画には多くの反響が寄せられている。

 シリーズ最新機の本機は、5号機『ハナビ』のゲームフローを完全継承し、新演出はもちろん、レベル別の技術介入要素など様々な要素が追加されているようだ。

 さらに小役狙いポイントの追加や新しい演出法則など、ユーザーの探究心をくすぐる新仕様で、シリーズ最高峰のゲーム性を実現している。

 全ボーナスタイプファン待望の本作は今年7月に登場予定だ。

 また同社社員「小野P」が半公式で運営する「A PROJECTチャンネル」では『新ハナビ最速解説動画【前編】』が公開されており、本機の打ち方や演出等を紹介している。

 同動画によればボーナス確率は約1/ 156.0〜1/ 131.6となっており前作5号機『ハナビ』に比べ大幅アップとなっているようだ。

 特にBB確率が設定1で約1/ 277となっており、前作においての設定6と同等の数値であることにも注目したい。

 さらに出玉率はフル攻略で「約102%」という激アマ仕様とのこと。初心者からヘビーユーザーまで遊びやすいスペックといえるだろう。

 本動画はスペックや通常時の解説のみとなっているが、「後半」ではボーナス中やRTの解説だけでなく、出玉率の秘密などにも迫っていくとのこと。

 気になった方、ご興味のある方は是非チェックしてみてはいかがだろうか。

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経団連は十倉・新会長で地盤沈下加速が必至だ…安倍前首相が嫌った「あの人」の秘蔵っ子

「財界総理」と呼ばれる経団連の会長が任期の途中で交代する。リンパ腫の治療のため入院中の中西宏明・日立製作所会長(75)が、6月1日付で退き、後任には住友化学の十倉雅和会長(70)が就く。

 中西氏は2018年5月に経団連の会長に就任した。しかし、19年6月、リンパ腫と診断されたと公表。同年9月に復帰したが、20年7月、精密検査のため再入院し、再発がわかった。抗がん剤治療を続けながら、テレビ会議システムなどを使って職務を続けてきた。容体が悪化し、4月13日、「健康上の理由により(6月1日の)定時総会をもって退任したい」と電話で久保田政一事務総長に伝えた。経団連会長が任期の途中で病気で退陣するのは初めての事態である。

 中西氏の会長としての最後の仕事が、新任の副会長の選任だった。ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子会長、日立製作所の東原敏昭社長、日本製鉄の橋本英二社長、三菱電機の柵山正樹会長、パナソニックの津賀一宏社長、住友化学の岩田圭一社長、経団連の久保田事務総長の7人が6月1日付で副会長になる。副会長が2人増えるという“インフレ人事”だ。

“中西人事”の目玉はDeNAの南場氏の副会長就任だ。女性の副会長起用は初めて。とはいっても、財界・経済界の首脳たちは日立の東原社長が副会長になることに強い関心を示した。中西氏は、いうまでもなく日立の会長。東原氏が副会長になれば、同一企業から会長・副会長が出るという珍しいケースになる。「同じ企業から同じ時期に会長、副会長は出さない」が“不文律”になっているはずだからである。

 1980年から86年まで6年間にわたり新日本製鐵の稲山嘉寛氏が第5代会長で斎藤英四郎氏が副会長だった。斎藤氏はそのまま第6代経団連会長になったが、日立から会長・副会長が同時に出るのは、この時以来のことになる。「病気の会長続投といい、日立から会長・副会長が出ることといい、日立による新しい経団連の支配」(外資系証券会社のアナリスト)との批判が各方面から出た。

 2002年に旧経団連と日本経営者団体連盟(日経連)が統合して現在の経団連が発足して以来、任期の途中で会長が辞任するのは初めて。1990年に斎藤英四郎・第6代会長が「若返り」を理由に任期半ばで辞任しているが、病気で辞めるのは長い経団連の歴史の中でも初である。斎藤氏の場合は、マージャン仲間を複数、副会長に起用した“お友達内閣”が運営に行き詰まったために引きずり降ろされたと伝えられている。いずれにせよ、中西氏の病気の辞任は希有な出来事なのである。

中西氏はどうして区切りで辞めなかったのか

 副会長を選任後、「中西氏はリンパ腫の治療に専念するため、会長を任期途中で辞任する」(経団連の元副会長)との見方が急浮上した。経団連の会長は現職の副会長や、その経験者から選ぶのが慣例だ。その場合の最有力候補は、6月で経団連副会長の任期を了える日本製鉄の進藤孝生会長だった。この見方は衆目の一致するところだ。大リストラの最中とはいえ、日本製鉄は新日鐵の時代から「経団連御三家」の筆頭格だった。

 確かに日本商工会議所の三村明夫会頭は日本製鉄の名誉会長である。経済三団体のトップを同一企業が占めないという暗黙のルールが存在することは皆、知っている。

「緊急時だし、問題にならない。かつて、新日鐵が二団体のトップを同時期にやっていたことがある。永野重雄氏(日本商工会議所会頭、1959~1984年)と稲山嘉寛氏(経団連会長、1980~1986年)である」(経団連の副会長経験者で財界の長老)

 ところが、中西氏が後継指名したのは住友化学の十倉会長。サプライズ人事である。5月10日の十倉・新会長の会見に同席した久保田事務総長が「(住友化学が)気候変動でいろいろ取り組みをしているので推薦したいということだった」と説明した。久保田事務総長が中西氏の意向を伝えるメッセンジャーの役割を果たした。

「日本製鉄の進藤会長へのバトンタッチだけは嫌だった、ということなのだろう。中西さんらしいね」(前出の財界長老)との冷ややかな受け止め方と大きな失望が、あっという間に経済・産業界に溢れ出した。

「中西さんの任期(残り1年)を引き継ぐだけでも問題ありなのに、4年の任期が新たに設定されたというのだから驚きだ」(新興企業の若手経営者)。

「中西氏は経団連会長に就任する前の14年から4年間、十倉氏も翌15年から4年間、それぞれ経団連の副会長をやっている。中西氏は副会長の1年先輩ということ。付き合いが長く、気心が知れているということだ。何も言わなくても中西路線は継承される」(経団連関係者)

 どこも書かないので、あえて正論を書く。病気で途中退任する中西氏の推薦があるとはいえ、正副会長会議できちんと“ポスト中西”を議論して決めたのだろうか。日立から会長、副会長が同時に出るということの是非についても、きちんと議論された形跡がない。ましてやコロナ禍の経済のカジ取りを担う重責を負う経団連会長を誰にするかという、経団連の将来を左右するような、非常に重要な問題である。きちんと論議しなかったらおかしい。

 そして、今度は住友化学から経団連会長と副会長が出ることになった。こんなイレギュラーなことが何度も続けば組織としてタガが緩まないわけがない。経団連の規律はどうなっているのだ。

安倍前首相が「あの人」と嫌った故・米倉弘昌氏の秘蔵っ子

 住友化学から経団連会長が出るのは、故・米倉弘昌氏(10年5月~14年6月)に続いて2人目だ。会長に就く十倉雅和氏とは、どんな人物なのか。

 1950年7月、兵庫県生まれ。東京大学経済学部を卒業し、1974年に住友化学工業(現・住友化学)に入社。住友化学元社長の米倉氏の秘蔵っ子として経営企画などの要職を歴任。03年に三井化学との経営統合を目指した際には交渉の最前線に立った。統合は結局、失敗。白紙撤回されたが、社長だった米倉氏は統合準備室部長の十倉氏を執行役員に昇進させた。その後、米倉氏の側近として出世階段を駆け上がり、11年から8年間社長を務め、19年から会長である。米倉氏が経団連会長を退いたのに伴い、15年6月から4年間、経団連副会長を務め、19年5月から審議員会副議長に横滑りしていた。

 米倉氏は前首相の安倍晋三氏の不興を買った経団連会長として有名だ。安倍氏がかつて、内輪で口にしたジョークがある。「この世で嫌いなものは3つ。朝日新聞とNHKとあの人」。「あの人」とは前経団連会長の米倉弘昌氏のことだ。

 2012年秋、安倍氏が自民党総裁選で“予想外”の勝利を収め、「総理帰り咲き確実」の立場で、経団連を訪ねた際、ふんぞり返った米倉氏に「“無鉄砲”なアベノミクス」と経済政策を批判され、安倍氏は机を叩いて激高したという。以来、安倍氏は「あの人」と名前すら口にせず、米倉氏を経団連会長の指定席である経済財政諮問会議の民間議員から外し、彼を指名した前任会長(06~10年)の御手洗冨士夫・キヤノン会長まで一時、冷遇した。

 米倉氏の後任の経団連会長(14~18年)になった榊原定征氏(東レ会長)は安倍政権との距離を縮めるのに四苦八苦。近くなりすぎて「安倍さんのポチ」(当時の経団連の幹部)と揶揄された。政権に近づきすぎた経団連を中西氏は軌道修正しようとしたが、結局、病気で情報発信力を回復することはできなかった。アイデンティティは低下の一途だ。

十倉氏は任期を全(まっと)うできるのか

 十倉氏は中西氏の任期(1年)を引き継ぐのではなく、新たに2期4年やる。十倉氏は「榊原定征前会長、中西会長が築いてきた政権との良好の関係を維持していきたい」と語った。発言力が低下し、“軽団連”と酷評されることもある経団連の会長に軽量級の十倉氏が就任する。「経団連会長の器にあらず」「なんで十倉さんなの?」。ブーイングの声が鳴り響く。

 中西路線の継承を前面に出し、「自由民主義、法の支配、人権を普遍的価値として持つスタンスは微動だにしない」と十倉氏は言い切ったが、「安定した日中関係の構築は重要」と付言した。米中経済戦争が激化する中で正しいカジ取りを期待していいのだろうか。「闘病しながらいろいろ発信した中西会長の不屈の精神に敬意を表したい」と前任者を称え、「(4月15日に会長就任の)打診を受けたが、『義を貫きたい』との信念でお受けした」と十倉氏は会見で語った。新・経団連会長の「義」とは何なのであろうか。

(文=有森隆/ジャーナリスト)

難民も強制送還「入管法改正」強行の動きに小泉今日子、SUGIZOも反対を表明! 入管のスリランカ人女性“見殺し”隠蔽にも非難殺到

 いま、東京五輪の開催強行に反対の声が大きくなっているが、同じように反対の声をあげなくてはならない問題がある。それは、入国管理法(入管法)改正案が今週中、早い場合は明日12日の衆院法務委員会で強行採決されるのではないかと見られているからだ。  この入管法改正案に対しては、...

パチスロ「人気番組」で「異例のバトル」開始… 「100万再生オーバー」の対決再び!?

 パチンコ・パチスロ実戦動画で盛り上がる企画といえば「出玉対決」。現在最もアツい出玉バトルが繰り広げられる動画シリーズが、マルハンチャンネルの「回胴の鉄人」であろう。

 同チャンネルは往年の名番組「料理の鉄人」を彷彿とさせるような構成となっており、鉄人と挑戦者の熾烈なバトルが展開される。

 鉄人としてARROWS- SCREENの「シーサ。」、黒バラ軍団の「ジロウ」、1GAMEの「ヨースケ」、スクープTVの「寺井一択」の4人がスタンバイ。挑戦者を待ち受ける。

 様々なドラマを生み出してきた同番組は今年5月で1周年を迎えた。思い起こされるは第1回戦「ジロウ」vs「いそまる」の戦いだ。

 現在も最強の出玉性能をほこる『押忍!番長3』にて動画終盤までデッドヒートの攻防を繰り広げた。

 同バトルの再生数はパチスロ動画としてトップレベルの150万を超えており、ユーザーや関係者からの注目度が高いことが伺える。

 番組では組み合わせが2周目となっており、5月7日配信の第24戦目はスロパチステーションの「いそまる」が再び登場。前回の経験を踏まえ更に手強くなった印象だ。

 この激アツバトルの様子は『2回目の挑戦者 いそまる(スロパチステーション)果たして誰を指名する? 回胴の鉄人第24戦』で確認ができる。

 今回は鉄人に1GAMEの「ヨースケ」を指名。鉄人が執筆した本に触れつつ、打倒への気合は充分といった雰囲気が溢れている。

 対する鉄人は「業界トップでデカい顔をしてるのも今のうち。業界で一番顔がデカいのは俺だ」と得意の自虐ネタを絡ませつつ挑戦者を挑発した。

 実戦機種は「いそまる」が『パチスロ 頭文字D』、「ヨースケ」が『SLOTバジリスク~甲賀忍法帖~絆2』を選択。第23回まで「同機種でのバトル」であったが、隣合えば別マシンでの対決も有り、とのことで、異例のバトルが開始された。

 先制は鉄人「ヨースケ」だ。投資2000円で「バジリスクチャンス」に当選。ここではAT当選とならなかったものの、すぐに引き戻し、巻物から見事AT突入となった。

 劣勢の「いそまる」は天井に到達。同機種の天井恩恵はATの継続バトル。これを突破すれば高レベルのATに突入するため、一発で差を縮める大チャンスだが…。

 気になる方、ご興味のある方は是非チェックしてみてはいかがだろうか。

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映画レビュー「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道」

コンパクトカメラを手に、街を歩き、直感に任せて、シャッターを切る。“スナップショットの帝王”の実像に迫るドキュメンタリー。

投稿 映画レビュー「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道」映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。

JRA武豊×レシステンシアに「致命的」弱点!? ヴィクトリアマイル(G1)待望のコンビ復活も……、ダイワメジャー産駒を跳ね返して来た早熟の運命

 16日には東京競馬場でヴィクトリアマイル(G1)が開催される。『netkeiba.com』の予想オッズでグランアレグリアに次ぐ2番人気に想定されているのは武豊騎手が騎乗するレシステンシア(牝4歳、栗東・松下武士厩舎)だ。

 前走は初の1200m戦となる高松宮記念(G1)に出走。8枠16番の外目から発走ということもあってか、代打で騎乗した浜中俊騎手は中団前方で控える競馬を試みた。結果は道中すぐ後ろにいたダノンスマッシュにゴール前で差され、クビ差の2着。今回は走り慣れたマイルに距離を戻して、G1・2勝目を狙う。

 レシステンシアの素質が開花したのは今から約1年半前。デビューから無傷の3連勝で阪神JF(G1)を圧勝し、2歳マイル女王に輝いた。その後も桜花賞(G1)とNHKマイルC(G1)で連続2着するなど、先行力を武器にマイル路線で結果を残してきた。

 同馬の父は現役時代にG1を5勝したダイワメジャー。3歳春に10番人気で皐月賞(G1)を制覇した後は、ノド鳴りの影響で不振に陥ったが、5歳秋に天皇賞・秋(G1)とマイルCS(G1)を連勝。6歳時には安田記念(G1)とマイルCSを勝って春秋マイル王に輝いた。

 ダイワメジャーのG1勝ち鞍は1600mと2000mだけだったが、5~6歳時には有馬記念(G1)で2年連続3着に好走するなど、2000mを超える距離もこなした。また、皐月賞を制してはいるが、本格化したのは5歳以降で、どちらかというと晩成のイメージが強かった。

 しかし、その産駒の特徴は父の現役時代とはやや異なっているようだ。

 まず距離適性だが、基本的には1600mまでが守備範囲。特に重賞クラスになるとそれが顕著で、産駒が挙げた芝の重賞40勝のうち38勝が1600m以下。うち20勝がマイル戦だ。残りの2勝は1800mで、2000m以上の重賞では120戦して未勝利。重賞クラスにおいては、自身が現役時代に見せた距離の融通性は産駒に伝わっていない。

 また、自身が安田記念を勝った東京芝・1600mコースの成績にもある傾向が見られる。産駒が挙げたマイル重賞20勝のうち、東京では5勝しているが、その全てを3歳春までに挙げているのだ。年齢別で見ると、ダイワメジャー産駒の意外な傾向が浮かび上がってきた。

【ダイワメジャー産駒、東京芝1600m の重賞通算成績】
2~3歳春 「5-2-8-21」(複勝率41.7%)
3歳夏以降 「0-1-0-30」(複勝率3.2%)

 3歳春までに東京マイル戦で挙げた5勝のうち実に3勝はG1のNHKマイルCだった(12年カレンブラックヒル、16年にメジャーエンブレム、19年アドマイヤマーズ)。これらの一流ダイワメジャー産駒をもってしても、3歳夏以降は東京芝のマイル戦では好走できず。31戦して2着が1度あるだけだ(13年東京新聞杯2着のダイワマッジョーレ)。

 この傾向を見る限り、レシステンシアにとって距離はベストでも、東京コースが“鬼門”となり得るだろう。武騎手とレシステンシアは、この致命的データを覆す走りを披露することはできるだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

スポンサーの都合で真夏に開催される商業五輪の深い闇…オリンピズムの崩壊と勝利至上主義

 新型コロナウイルスの世界的拡散が深刻化した今、今夏の東京五輪・パラリンピックの中止論が、有識者だけでなく、世論でも大々的に叫ばれるようになった。私も「五輪中止」を訴える一人だが、最近になって以下の名句がなぜか、脳裏をよぎるようにもなっている。

「オリンピックは勝つことではなく、参加することに意義がある」

 近代オリンピックの父ピエール・ド・クーベルタン男爵が提唱したとされるこの言葉は、実のところクーベルタンのオリジナルではない。

 1908年のロンドン大会。米英の対立で嫌がらせを受けたアメリカ選手団にセントポール大聖堂の主教が語った言葉であり、それに深く共感したクーベルタンが自身のスピーチで引用するようになったのが真相である。

 実際、クーベルタンは「世界平和の象徴」としてのオリンピズムを掲げており、あるべきオリンピックの理想の姿をこんな名句で表現している。

「人生にとって大切なことは、成功することではなく努力することである」

 ナチスドイツのプロパガンダに利用された1936年のベルリン大会や、大戦による中断はあったものの、アマチュアリズムを母体とするオリンピックのあり方が、1896年の第1回アテネ大会以来、長く継承されてきたのも、このクーベルタンが一貫して提唱してきた「オリンピズム」と無縁ではないだろう。

 ただし、それも1976年のモントリオール大会までの話である。

テレビ放映権料の高騰=「ビジネス五輪」へ

 オイルショックによる石油の高騰に加え、前回ミュンヘン大会でのテロ事件を教訓とした警備コストの高騰などによって、同大会は10億ドルもの巨額の赤字を生んだ。これによって世界の大都市は五輪招致に及び腰になり、翌1977年に行われた国際オリンピック委員会(IOC)総会では、唯一手を挙げた米ロサンゼルス市が労せずして1984年の五輪開催地に決定した。そして、ここからクーベルタンが掲げた五輪の意義そのものが、一気に形骸化していく。

 ロス五輪では、元企業経営者のピーター・ユベロス氏が大会組織委員長として辣腕を振るった。まず行ったのが、大幅なコストダウンである。ロサンゼルス市自体が大幅なインフラ整備の必要がなかったものの、五輪のために新建築したのは競輪場と競泳場のみで、メイン競技場は半世紀前の最初のロス五輪の会場を使用した。選手村も大学の学生寮を使用している。

 一方で、五輪に経済的価値を加えるため、民間の活力に頼った。テレビ放映権料に関しては、米4大ネットワークに競合させることで一気に跳ね上げる策に出た。その結果、ABCと約450億円で契約。モントリオール大会のテレビ放映権料が、わずか3500万ドル(現在の価値で約38億円)にすぎなかったことを考えると、これは五輪の常識を覆す桁違いの数字と言えるかもしれない。

 さらに、スポンサー企業の五輪ロゴマーク使用に関しては、企業間の競争意識を煽ることで高額な協賛金を集めることを目的に、「1業種1社のみ」「計30社まで」と決めた。キャラクターグッズの販売を強化し、「1キロ3000ドル」の有料聖火ランナーも集うなど、五輪に商業色を加えるためにあの手この手を使っている。

 こうして、ロス五輪は400億円もの黒字を計上し、以後、このビジネスモデルが五輪運営の主役となっていく。

 だが、この五輪の商業主義の移行によって、オリンピズムそのものが崩壊し、それによる弊害が生まれたことも事実だろう。

 まず、スポンサー企業の発言力が強まったことでビジネス色が増した。ロス五輪が猛暑の中で行われたのも、アメリカンフットボールのシーズンやメジャーリーグのプレーオフと時期が重ならないようにするための米テレビ局の意向が反映されている。以来、真夏の五輪開催は慣例化され、2度目の東京五輪・パラリンピックも真夏の開催が決まった。

「プロ化」によるドーピング&審判買収疑惑…

 一方で、選手のプロ化も進んだ。その結果、スポーツがどうなってしまったか。早い話が、クーベルタンのオリンピズムとは真逆の「オリンピックは参加することではなく、勝つことに意義がある」とする、スポーツ界における「勝利至上主義」の蔓延である。

 これにより、ロス五輪以降は禁止薬物使用のドーピング問題が急増した。1988年のソウル五輪の陸上100mでは、世界記録で金メダルを獲得したベン・ジョンソン(カナダ)の尿からステロイド系の陽性反応が出た(世界記録は取り消され、金メダルも剥奪)。1998年のツール・ド・フランスでも大量のドーピングが発覚。事態を重く見たIOCが、世界反ドーピング機関(WADA)を発足させる契機となっている。

 さらに、2016年にはロシアによる国家ぐるみのドーピング隠蔽工作も発覚。WADAがリオデジャネイロ大会からのロシアの除外を勧告し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)もこの勧告を支持した。

 五輪の商業主義がもたらした弊害は、こうしたドーピング問題だけではない。

 ソウル五輪のボクシング・ライトミドル級決勝では、不可解な判定で韓国人選手が金メダルを獲得したが、のちに韓国の審判が買収されていたことが判明した。バンクーバー冬季五輪(2010年)でも、スポンサーがらみの審判買収嫌疑が浮上している。

 かと思えば、2008年の北京大会のテコンドー男子80キロ級の試合では、試合運営の不手際にいらだったキューバ選手が審判を蹴るという暴挙に出た。同大会のレスリング男子でも、判定を不服としたスウェーデン選手が銅メダルを放置したまま会場を後にした(のちにメダルは剥奪)。日本のスポーツ界に目を向けても、パワハラ疑惑や日大アメフト部の悪質タックルなど、反オリンピズムに根ざした問題が次々と表面化している。

 こうした不祥事の原因のすべてが、スポーツ界に蔓延する商業主義や、そこから派生した勝利至上主義にあると言うつもりはない。確かに、ロス五輪以前にも興奮剤を使用した競輪選手が死亡したり、マラソン銅メダリストの円谷幸吉が自死を遂げたりと、悲しい事件や不祥事が五輪史に刻み込まれてきたのは事実である。

 だが、それらが急増したのは、果たしていつからだったのか。37年前のロス五輪の開催が大きな分岐点になったと感じているのは、おそらく私だけではないだろう。

 クーベルタンが教育の一環として目をつけた近代スポーツは、イギリスが発祥の地だと言われている。その主な担い手は同国の高校生や大学生たちで、ルールや規則を整備することによって、「気散じ」や「娯楽」に仲間が集うことへの有用性や意義を付加させた。それが、近代オリンピックの礎になっている。

 感染の拡大が留まることを知らない新型コロナの猛威。これを機に、今夏の東京五輪・パラリンピックは中止し、スポーツのあり方をもう一度見直すべきではないかと、私は思っている。

(文=織田淳太郎/ノンフィクション作家)

志村けんをスターにした『8時だョ!全員集合』の本当のスゴさ…熾烈な視聴率戦争の裏側

 志村けんさん(以下、敬称略)が他界して、はや1年が経つ。だが、いまだその死を現実のものとして受け止められない人も多いことだろう。

 そんな彼の出世作といえば『8時だョ!全員集合』(TBS系)にほかならない。それ以降も『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(同)、『志村けんのバカ殿様』『志村けんのだいじょうぶだぁ』(ともにフジテレビ系)といった代表番組はあるが、出発点はあの“土曜夜8時”であることは間違いない。

 今回は、改めて『全員集合』とは何だったのか、その歴史をたどってみたい。

上層部が“全員反対”だった初の冠番組

『全員集合』が始まるまでのTBSの土曜夜8時は、ドラマ枠だった。では、なぜザ・ドリフターズ(以下、ドリフ)はこの枠をゲットできたのだろうか?

「もともとTBSでは『ドリフターズドン!』という、彼らにとって初の冠番組が土曜の昼に放送されていました。当時、番組化にあたっては『知名度のない人間に任せられない』と上層部が全員反対したそうです。そのときに幅を利かせたのが、ドリフが所属していた渡辺プロダクション(現・ワタナベエンターテインメント)創業者の渡辺晋。プロモーター、実業家でもある彼が、その先見性からドリフを猛プッシュしたことで、彼らはレギュラーの座を獲得することができたのです。すると、これが思いのほか好評を博し、ドリフは『進め!ドリフターズ』『突撃!ドリフターズ』とゴールデンの30分枠を任せられるようになり、どんどん信頼を勝ち得ていきました。

 そして、いよいよ土曜の夜8時を任されるわけですが、彼らにこの枠を託したのがプロデューサーの居作昌果。土曜夜7時半から30分間放送されていた『お笑い頭の体操』を手がけるなどヒットメーカーとして知られていた彼は、土曜夜8時の立て直しを命じられ、『ドリフに賭ける』と覚悟の宣言。居作がそこまで言うのならと、何とか上層部も折れたそうです。のちに居作は『クイズダービー』も担当しています」(芸能ライター)

逆張り戦略でコント55号の冠番組を打ち切りへ

 こうして1969年10月4日に始まった『全員集合』だが、当時、裏番組ではコント55号による公開バラエティ番組『コント55号の世界は笑う』(フジテレビ系)が大人気だった。同番組は、毎週30%を超える視聴率を記録していたという。

 彼らに立ち向かうためには、別のことをしなければならない。そこでドリフが採った戦略が“逆張り”だった。

「『世界は笑う』のコントは、萩本欽一が坂上二郎を狂気的に振り回しながらも、基本的には上品。オナラすらも許されないものでした。そこで『全員集合』は、オナラは上等、ウンコチンチンと、とにかく下品を貫いたそうです」(同)

 そして、半年後の70年3月に『全員集合』は『世界は笑う』を打ち切りに追い込む。挽回を期すフジテレビは75年4月、萩本を単独で使い、さらに『全員集合』の逆張りとなる番組をスタートさせる。それが、素人が考えたコントを採用し、リハーサルなしのぶっつけ本番、アドリブを前面に押し出した『欽ちゃんのドンとやってみよう!』だ。同番組は一時は視聴率で『全員集合』に勝利するも、再逆転されて5年後の80年に終了する。

『ひょうきん族』との熾烈な視聴率戦争

 欽ちゃんとの戦いに勝利したドリフを待っていたのが、『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)だ。

「ビートたけし、明石家さんま、島田紳助ら、漫才ブームと前後して出てきた若手芸人を総出演させたこの番組は、まさに『全員集合』の逆張りでした。素人をスターにしてみたり、『全員集合』を番組内でイジってみたり、NGもアドリブもOKでベタな笑いは禁止、『全員集合』が変わらず長屋のコントをやる裏でトレンドを取り入れてみたり、さらには相手が生放送ならこちらはVTR収録と、とにかくアンチテーゼとして突き進んだのです。

 両番組は、今でも『土8戦争』として語り継がれる熾烈な視聴率争いを繰り広げました。しかし、『全員集合』が85年9月28日に803回をもって16年間の歴史に幕を閉じたとき、実は同時に『ひょうきん族』は自分たちの存在意義を見いだせなくなってしまったといいます。これまでゲリラで戦っていた小兵が、天下を取ってしまったからです」(同)

 ちなみに、『全員集合』のすべての放送リストを見返すと、サブタイトルには「ドリフの国語算数理科社会」「いかりや一家は今日も大混乱」といったように「ドリフ」もしくは「いかりや」の名がついていたが、最後の85年には2回「志村」がついている(5月18日「ドリフのヤクザ!志村の弔い合戦!?」、9月14日「志村の殿様!TVゲームに大興奮!?」)。すでに“志村のドリフ”になっていたことを示す、象徴的な出来事だろう。

『ひょうきん族』が『全員集合』をマネた日

 仮想敵がいなくなった『ひょうきん族』は視聴率の悪化に伴い、公開収録に挑むようになる。あれだけ排除していた「つくり込まれた笑い」をしようとしていたのだ。

「88年8月の放送300回を記念した2度目の公開収録は杉並公会堂で行われたのですが、実に思い切った企画でした。タイトルは『ひょうきん族だョ!全員集合』。オープニングとエンディングは、セットや音楽、そしてメンバーが着る衣装(ハッピ)、カメラ割り、テロップのフォントなど、すべてにおいて『全員集合』をマネて見せたのです」(同)

 ドリフの5人に扮したのは、島崎俊郎(いかりや長介)、ビートたけし、明石家さんま、島田紳助、山田邦子。

 教室コントでは、さんまがいかりやよろしくメガホンを手にして「オッス!」と観客に呼びかけ、生徒役の芸人たちとボケ合戦を展開。最後は「ビバノン音頭」の替え歌で締めくくっている。

「それ以後も、公開収録は何度か行われたそうです。ちなみにこの後、『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』に追いやられ、『ひょうきん族』も89年10月14日に8年の歴史に終止符を打ちます。最終回の打ち上げパーティーでは、ビンゴゲームの景品として『ごきげんテレビ』から“テレビ”が進呈されたといいます。裏番組としてしのぎを削りながらも、相手への敬意を忘れない精神が息づいていたのでしょう」(同)

 今のテレビは“何曜日の何時”という概念で見ることがあまりなくなった。それを思うと、『8時だョ!全員集合』とは、何とストレートで美しいタイトルだろうか。

 そして、YouTube全盛の今、テレビがテレビとして機能していた最後の時代の喜劇人、志村けんが亡くなったことは、芸能界においても、またメディアの転換点としても、象徴的な出来事だったように思う。

(文=編集部)

JRA 日本ダービー(G1)エフフォーリア「二冠」ほぼ確実!? マル外ダービーも今は低レベル、クラシック組のハイレベルが浮き彫りに

 先週、東京競馬場で行われたNHKマイルC(G1)はC.ルメール騎手の2番人気シュネルマイスターがソングラインとの叩き合いをハナ差で制して優勝。2001年クロフネ以来、20年ぶりの外国産馬による勝利を挙げた。

 キングマン産駒としても日本でのG1制覇は初。今後も一流マイラーとして活躍に期待が懸かる。

 その一方、近年のNHKマイルCのレベル低下が進んでいることには些か懸念がある。

 同レースの前身は1995年まで日本ダービーのトライアル・NHK杯(G2・芝2000m)。当時は外国産馬クラシック競走に出走が不可能であり、また短距離馬に春の目標を用意する意味も兼ねて、1996年から3歳春のマイル王決定戦として生まれ変わった。

 過去の勝ち馬にはシーキングザパール、エルコンドルパサー、クロフネ、キングカメハメハなど多くの名馬が名を連ねているように、“マル外ダービー”の名に相応しい顔触れである。

 だが、2001年から徐々にクラシック出走への条件も緩和され、外国産馬の出走も認められるようになったのとは裏腹に、サンデーサイレンスをはじめ、外国から導入された種牡馬や繁殖牝馬の成功によって内国産馬のレベルは飛躍的に上昇する。

 これにともない、強い外国産馬から内国産馬を守るという意味合いが薄れていくとともに、NHKマイルの存在意義も形骸化していった。

 近年では2019年の勝ち馬アドマイヤマーズが香港マイル(G1)を優勝する活躍もあったが、皐月賞(G1)で4着に敗れていた馬。古馬でもマイルG1で一線級の活躍を見せたグランプリボス、ミッキーアイル、アエロリットなどもいるが、クラシック出走組に比べると見劣りは否めないだろう。

「シュネルマイスターは皐月賞を回避したように、距離の不安を抱えていました。適距離に戻ったマイルで本領を発揮したといえます。タイトルホルダーを物差しにすると、皐月賞に出走していれば掲示板に入るくらいは走れたかもしれません。

ただ、勝ち時計に関しては同日の3勝クラスと大差のないタイムでした。時計面のインパクトは強いですが、NHKマイルCのレースレベルはそれほど高くなかったともいえます」(競馬記者)

 今年の勝ち時計1分31秒6は2010年にダノンシャンティが計時したレコード1分31秒4と0秒2差の高速決着だったが、同日の9R湘南S(3勝クラス)の勝ち時計1分32秒0と0秒4差でしかなかった。

 シュネルマイスターはNHKマイルCを制したが、前走の弥生賞(G2)でタイトルホルダーに敗れて2着。同馬が皐月賞でエフフォーリアに3馬身差の完敗だったことを考えれば、クラシック組のレベルの高さが浮き彫りとなる結果だったといえる。

 これらの比較からエフフォーリアの二冠も俄然、現実味を帯びてくるのではないだろうか。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

江川紹子が語る「東京五輪“即刻中止勧告”」…日本の主権はIOCに譲渡されたのか?

 政府は、5月11日までの予定だった4都府県に対する緊急事態宣言を31日まで延長し、さらにその対象に愛知、福岡両県を加えた。感染力が強く、比較的若い年齢でも重症化の懸念がある変異株が急速に広がる。全国の重症者は連日1000人超えを記録している。

 17日に予定されていた国際オリンピック委員会(IOC)バッハ会長の来日は「大変な負担をおかけする」(橋本聖子・東京大会組織委会長)として、見送りとなった。バッハ氏は広島県で聖火リレーを視察する予定だったが、同県は公道での聖火リレーを中止した。

開催の責任を押しつけ合っている場合ではない

 そんななかでも、今夏の東京オリンピック・パラリンピックを強行する姿勢を、政府は崩していない。菅義偉首相は、「IOCが開催の権限を持っている」と繰り返す。IOCが開催を決めている以上、日本政府に選択肢はない、といわんばかりだ。ところが、そのIOC副会長でオーストラリア・オリンピック委員会の会長を務めるジョン・コーツ氏は、東京大会は「絶対に開催される」と断言し、その理由を「日本の首相が米大統領に(開催すると)言ったし、IOCにもそう言い続けている」と説明した。

 日本政府とIOCが、互いに開催の責任を押しつけ合っているようにしか見えない。

 このまま7月23日に予定されている開会式になだれ込むつもりだろうか。ひとたび大会が始まれば、日本国民もテレビの特番に釘付けとなり、感動が不安を押し流す、という目論見かもしれない。しかし、感動が医療供給体制を向上させたり、感染拡大のリスクを低減させたりするわけではない。

 ここではっきりさせておきたいのは、コロナ禍にあって、日本の人々の国民の命や健康を守る責任は、日本政府にある、ということだ。その責任をまっとうするためには、もはや今夏の東京でのオリ・パラ開催を断念し、IOCにその旨を伝えるべきだ。

 理由は、詳しく述べるまでもない。変異株の感染拡大によって、大阪はすでに医療供給体制が破綻。東京も入院患者数がじわじわと増えている。緊急事態宣言の延長とその間の対策が劇的に功を奏し、第4波から脱することを強く望むが、逆に大阪のような厳しい状況に陥らないとも限らない。危機管理は、常に最悪の事態を想定して対応を考えておくのが常道だ。

 しかも、ワクチンの接種が進んでいない。当初は、医療従事者や高齢者、基礎疾患のある人などへの先行接種は4月中に終え、5月には16歳以上の一般国民への接種を始めたい、としていた。これなら、感染リスクの高い人たちはすべて接種を済ませて五輪開催を迎えられる、という計算だったのだろう。

 しかし実際はワクチン供給が遅れ、3月中に完了するはずだった医療従事者の接種も、2回終えた人は今なお2割強にすぎない。患者搬送で感染リスクが非常に高い救急隊員ですら、接種が終わったのは一部。5月4日付け朝日新聞は、約3000人が接種対象の横浜市消防局において、その開始時期すら決まっていない惨状を報じている。

 このような状況で、多くの人たちが来日する大がかりなイベントを行えば、日本で暮らす人たちの命や健康が大きなリスクにさらされる。五輪のために医療従事者がかり出されれば、ワクチン接種を進める妨げにすらなりかねない。

橋本聖子・大会組織委会長は「アスリートファースト」を強調、しかし「五輪特権」に納得しない人たちも

 菅首相は先月23日の記者会見で、7月末までの高齢者2回接種を完了する目標を掲げ、今月7日の記者会見では、1日に100万回接種の実施をぶち上げた。5月24日には東京と大阪で大規模な接種センターを開設することも明らかにした。けれども、誰が、どのようにすればセンターを利用できるのか、1日何人の接種が可能なのか、明らかでない。

 仮に、菅首相が宣言した目標が達成されたとしても(そうなることを強く願っているが)、五輪開催の時期には、国民の多くがワクチン接種の恩恵を受けられないままだ。

 そんななか、ファイザー社などの製薬会社が、オリ・パラ東京大会に参加する選手や関係者に、ワクチンを提供することになった。菅首相は、自身が同社トップと交渉した成果だと胸を張り、「安全安心の大会に大きく貢献する」と強調した。つい先日まで「ワクチンを前提としなくても、安全安心な大会を開催」と繰り返していたことを忘れたかのようである。

 日本の選手団にもワクチンは供与されることになり、丸川珠代五輪担当相は、日本でも「選手が1000人程度、監督・コーチが1500人程度」が、五輪特別接種の対象になると明らかにした。

 これで、日本選手はかなり守られることになるとしても、五輪選手や指導者は世界中に点在しているのではないか。そのすべての人たちに、温度管理など取り扱いが難しく、期間を空けて2回接種が必要なワクチンを、いつ、誰が、どのように届け、打つつもりなのか。それがよくわからない。

 しかも、五輪選手が多くの国民に先行して接種を受けられることには、異論も出ている。橋本聖子・大会組織委会長は「アスリートファースト」を強調するが、「五輪特権」に納得しない人たちの不満は選手にも向かう。
 白血病による療養を経て、400メートルメドレーリレーで五輪代表入りした競泳の池江璃花子選手は、出場辞退や五輪反対の声を上げるよう求めるメッセージが寄せられていると明かし、「とても苦しい」と訴えた。選手に矛先を向けるのは筋が違うが、同選手は1年前のプレイベントに登場するなど、五輪実施のシンボルになってきたこともあり、開催を強行しようとするIOC、組織委、日本政府などへの批判を代わりに受けている格好だ。

 さらに、選手に批判的な人たちと選手を擁護する人々の間にも対立が生まれている。このように、五輪は国民の間に新たな分断を招いている。

 五輪のコロナ対策として、政府はほかに、選手らに出国前96時間以内に2回の検査を義務づけ、来日後も毎日検査を行うなどのコロナ対策を発表している。選手向けの医療施設も整え、感染が確認された場合の入院先として30カ所の大会指定病院を確保する予定、という。

 とはいえ、検査にも限界がある。五輪会場に予定されている東京・海の森水上競技場で今月初めに開かれたボートのアジア・オセアニア予選で、スリランカチームのスタッフ1人が新型コロナの陽性反応を示した。出国72時間前までに行ったPCR検査、日本入国時の抗原検査、大会前日の抗原検査はすべて陰性で、自覚症状もなかったという。

 選手・関係者への医療提供は、新たな批判を招いている。感染拡大に伴う医療とワクチン接種で、医療従事者にはただでさえ負担がのしかかっている。ワクチン接種の人手不足も指摘される。五輪のために医療スタッフを割く余裕はないのではないか。感染しても入院できずに自宅待機をよぎなくされる患者が増えれば、五輪のために病床を確保しておくことには、とうてい理解は得られまい。

大会期間中に日本を訪れる外国人は選手・コーチらが約1万5000人、報道陣などの関係者は約8万人

 医療関係者からも悲鳴が上がっている。

 東京・立川市の病院は、病棟の窓に「医療は限界 五輪やめて!」「もうカンベン オリンピックむり!」と大書したメッセージを掲げた。

 また、五輪では選手の行動範囲を競技会場と練習会場、選手村に限定し、外部との接触を遮断する「バブル方式」が採用される、という。これも、感染対策としては完璧とはいえない。実際、3月にハンガリーで行われたフェンシングの国際大会や4月にカザフスタンで行われたレスリングの2大会では、感染者が相次ぎ、日本チームの選手やスタッフにも感染が確認されている。

 一競技の大会でも難しいのに、東京五輪の競技数は33に上る。果たしてバブルは破綻せずに維持されるのだろうか。

 しかも、バブルを維持するための厳しいルールに対する意識は、国によって異なるようだ。5月10日付け日刊スポーツによれば、今月ブルガリアで行われたレスリングの世界選手権の状況について、日本レスリング協会の西口茂樹強化本部長は、「まったくマスクをしないでわめき散らす国が結構あります。バスのなかも、きちんとやっている国はやっているが、そこの差が激しすぎますね」と怒りをあらわにした、という。

 それでも、対策を組み合わせ、バブルでの管理を徹底すれば、選手らのリスクを減らし、選手と一般国民との接触も相当に抑制することは可能だろう。

 問題は、選手以外の関係者と一般人との接触である。

 4月25日付け読売新聞が報じた政府・大会組織委の試算では、大会期間中に日本国内を訪れる外国人は選手、コーチらが約1万5000人であるのに対して、報道陣などその他の関係者は約8万人に上る。バブル内で管理できる選手・コーチより、「その他」のほうがはるかに多いのだ。

 にもかかわらず、政府もメディアも、選手たちの対策は熱心に語るが、それ以外の来日外国人に対する対応については、情報発信があまりに少ない。

 たとえば報道関係者。さまざまな変異株が流行している国や地域からも、数万人に上る報道陣がやってきて、都内や周辺県のホテルに宿泊する。マラソン・競歩を取材するメディアは、札幌に移動し、そこに宿泊する。移動には、タクシーや鉄道、飛行機などの公共交通機関を使うこともあろう。宿泊や移動で、日本の一般人と接触する機会は避けられない。

 そして、ジャーナリストであれば、コロナ禍での五輪開催に、日本の人々がどう考えているのか、日本社会はどう対応しているのか、取材したいと考えるに違いない。いくら自粛を呼びかけても、海外の報道陣が、日本の従順な記者クラブメディアのように統制可能とは考えられない。

 この問題について、ラジオ・フランス特派員のニシムラ・カリン記者が、7日の菅首相の記者会見で、次のような質問をしている。

「海外報道陣は、いろいろな取材をするつもりです。政府が いくら厳しいルールを考えても、非現実的なルールなら意味がなくなり、当然、さまざまな問題が出てきます。数万人の行動を監視するのは、物理的に可能でしょうか」

 この問いに対し菅首相は、選手へのワクチンや検査、選手と一般国民の接触遮断など、選手への対策を繰り返すばかり。質問への直接の答えは、たったこれだけだった。

「それ以外の方は、さまざまな制約がある、水際も含めてありますので、そこは安全対策を徹底していきたいと思っています」

 実効性のある具体策は、なんら示されなかった。

メディア企業が五輪スポンサーである弊害…読売、朝日、日経、毎日の各紙は“オフィシャル・パートナー”

 こうした質問が、日本のメディアではなく、海外メディアの記者から出たのも、象徴的だ。

 一部メディアが、米ワシントン・ポスト紙に掲載された、スポーツジャーナリストのコラムを紹介した。コラムは、IOC幹部の強欲ぶりを酷評し、「強欲と法外なコストのせいで、五輪は開催国にとって重大災害と同じくらいの負担を強いられるイベントになっている」と、今の五輪のあり方を批判。開催都市は五輪関係者に無料で医療を提供し、病院に専用病室を用意しなければならないなどの負担を詳述し、こう書いている。

「日本は五輪開催に同意したとき、主権まで放棄したわけではない」
「世界的なパンデミックの最中に国際的メガイベントを開催するのは非合理的な決定」
「日本の指導者たちがすべきなのは損切り、しかもいますぐの損切りである」

 いちいちもっともな主張だが、悲しいのは、これが日本の大手紙ではなく、アメリカの新聞の発信であることだ。五輪の問題点を厳しく突く論評や今夏の開催に反対する社説を、日本の大手新聞社がみずから掲げないのは、これらメディア企業が五輪のスポンサーになっていることと無縁ではないように思う。

 五輪スポンサーは、提供する金額によって4ランクに分類されるが、読売、朝日、日経、毎日の各紙が3番目のオフィシャル・パートナー、産経と北海道は4番目のオフィシャル・サポーターとなっている。

 つまり、五輪開催について、これらメディアは客観的な立場ではなく、当事者なのだ。

 また放送も、NHKと民放キー局はジャパン・コンソーシアムとして、五輪の放送権を獲得している。この大イベントに対して客観的な立場とはいいがたい。

 その結果、多くの人たちは選手たちの感動的な物語ばかりを見せられ、IOCの金まみれの体質、今夏の大会を強行する理不尽さなどの問題を詳細に知る機会がない。

 そんな情報不足の状態でも、国民の多くは今夏の開催には否定的だ。各種世論調査を見れば、7割前後が今夏の五輪は「中止」または「延期」すべきと答える状態が続いている。読売新聞が今月初めに「延期」の選択肢を除いて行った世論調査でも、59%が「中止」と答えた。

 海外選手が日本各地で予定していた大会前の合宿も、相手国がキャンセルしたり、ホストタウンになるはずだった自治体が辞退したりするなど、中止が相次いでいる。

 海外からの観客受け入れを断念しただけでなく、日本の観客も入れない無観客の実施も視野に入った。

 もはや五輪開催によって日本の人々が受けられる恩恵はほとんどなく、負担ばかりがのしかかる。

 政府は一刻も早く五輪を断念し、ワクチン接種や医療提供体制の改善、事業者や生活が困窮している人たちへの支援など、コロナ対応に全力を尽くしてもらいたい。

 米紙コラムが書いているように、この国は、主権までIOCに譲り渡したわけではないのだ。

(文=江川紹子/ジャーナリスト)

(ワシントン・ポストのコラムの引用は、5月7日にクーリエ・ジャポンが公開した邦訳から行いました)

●江川紹子(えがわ・しょうこ)
東京都出身。神奈川新聞社会部記者を経て、フリーランスに。著書に『魂の虜囚 オウム事件はなぜ起きたか』『人を助ける仕事』『勇気ってなんだろう』ほか。『「歴史認識」とは何か – 対立の構図を超えて』(著者・大沼保昭)では聞き手を務めている。クラシック音楽への造詣も深い。
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