日本以外の先進国、早くも景気過熱&金利上昇の懸念…日本経済、警戒が必要なモード入り

 米国の金利が急ピッチで上がっていることから、金融政策の見直しが囁かれるようになってきた。今のところ日本の金利は安定しているが、米国の金利上昇が続けば日本も無縁ではいられない。金利が上がれば、否が応でも出口戦略を議論せざるを得なくなるという現実を考えると、量的緩和策はいよいよ大きな曲がり角を迎えたといってよい。

米国の長期金利が急上昇

 今年に入って米国の長期金利が急上昇している。年初には1%前後だった10年物国債の金利は3月に一時、1.7%を突破。その後、少し落ち着いたものの1.5%台を維持している状況だ。絶対値としてはまだ低い水準だが、2020年中には0.5%まで金利が下がっていたことを考えると、直近の金利上昇はかなりの急ピッチと映る。

 米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は2014年に量的緩和策を終了し、その後、金利の正常化を試みた。市場動向を見ながらも一定のペースで金利を引き上げることが当初の目標だったが、これに待ったをかけたのかトランプ前大統領である。トランプ氏は景気拡大を優先するため、FRBによる金利引上げを牽制。この動きと前後して米国の景気が一時、踊り場に差し掛かったこともあり、パウエルFRB議長は、機械的な金利の引き上げについて断念せざるを得なかった。

 量的緩和策という非常事態から元の状態に戻すことを出口戦略と呼ぶが、コロナ危機の発生で各国景気が悪化し、米国の金利もが2020年に入って急落したことから、出口戦略はかなり先になるとの見方が一般的となった。

 ところがコロナ危機が市場に思わぬ変化をもたらしており、景気回復に時間がかかるという従来の常識は変わりつつある。その変化とは、コロナ危機をきっかけとした経済のデジタル化である。

 このところAI(人工知能)に代表される新しいテクノロジーの驚異的な進歩によって、産業構造が激変するとの見方が台頭している。コロナ危機発生前の段階では、一連の変化は10年~20年という単位で進むと思われていたが、コロナ危機の発生が状況を一気に変えた。

 各社はコロナ危機に対応するため、非対面でのビジネスを急拡大し、それに伴って業務のデジタル化を猛烈に進めている。加えて、サプライチェーンのリスクを最小限にするため、調達範囲の縮小と近隣取引の拡大を進めており、これに伴って物資の調達コストが跳ね上がっている。

むしろ景気過熱が心配される事態に

 デジタル化の進展があまりにも急ピッチであることから、全世界的に半導体が不足するという異常事態も発生しており、半導体メーカー世界最大手の米インテルは、何と国内に他社の半導体製造受託を行う新工場(ファウンドリー)を建設するという驚くべき決断を行っている。

 しかも、日本を除く先進各国ではワクチン接種が順調に進んでいることから、世界はコロナ後を見据えた先行投資競争に邁進しており、資材価格も急騰している状況だ。

 つまり、コロナ危機によって経済のデジタル化が急ピッチで進み、ワクチン接種によって景気回復の目処が立ったことから、景気過熱すら指摘されるようになってきた。景気の過熱要因はそれだけではない。新しく政権の座についたバイデン米大統領は、矢継ぎ早に超大型の財政出動を表明しており、その規模は総額で約420兆円という途方もない額に膨れあがっている。

 予算は議会が決定するため、全額が執行されるのかは分からないが、前代未聞の財政出動が実施されるのはほぼ間違いない。バイデン政権は財源を確保するため法人増税や富裕層向けの所得増税などを行う方針だが、財源の多くは国債増発となるので、増税による消費低迷よりも財政出動効果のほうが圧倒的に大きいだろう。

 整理すると、コロナ危機をきっかけに、次世代の成長エンジンとなるデジタル化投資が前倒しで行われ、ワクチン接種が進んだことから、コロナ後を見据えた資材の争奪戦がスタート。さらには米政府が前代未聞となる巨額の財政出動を計画している。景気を後押しする材料がここまで出揃うことは珍しく、市場において景気過熱を懸念する声が出てくるのは、当然の結果といってよいだろう。

市場ではインフレ懸念が台頭中

 景気が過熱するとインフレが予想されるので、債券市場はそれを見越して金利の上昇が始まっているというのが一般的な解釈である。同時に財政出動の財源の多くが国債であることから、財政悪化を警戒する動きも混じっている。景気拡大と財政懸念の両方が混在した形で、金利上昇が進んでいると見てよいだろう。

 もし米国の景気が順調に回復すれば、賃金や物価も相応に上がり、いわゆる良いインフレになる可能性もある。だが需要過多で物不足が続いた場合には、予想外にインフレが進む可能性があることは否定できない。そうなってくると、注目を集めるのが金融当局のスタンスである。

 今のところFRBは目立った動きを見せておらず、パウエル議長も正常化について「まだ議論する時期ではない」と市場を牽制する発言を行っている。足元のインフレ懸念の上昇だけで正常化を急ぐことはないだろうが、予想外に金利が上昇した場合には話は違ってくる。

 現在1.6%程度の金利が1%台後半となり、2%を突破するような状況となれば、FRBも何らかの対応を行わざるを得なくなる。5月12日の株式市場では、4月の消費者物価指数が予想外の伸びだったことから、金利上昇が警戒され売り一色となった。一方で、債券市場は買いが旺盛であり、金利はむしろ下がっている。実際に株式と債券を現物で行き来する投資家は少ないが、見かけ上は株の売却で得られた資金が債券に回った格好であり、株と債券のダブル安にはなっていない。

 しかしながら市場にインフレ懸念が存在しているのは間違いなく、何かをきっかけにそれが債券売りにつながる可能性については警戒が必要だろう。

金利上昇の影響をもっとも受けるのは日本

 米国の場合、経済に十分な基礎体力があり、巨額の財政出動による効果も期待できるので、仮に金利を引き上げても軟着陸を模索できる。一方、不用意に金利が上がった時に極めて制御が難しくなるのが日本である。

 2021年3月末時点における日銀の国債保有額は530兆円を突破している。量的緩和策で供給されたマネーはほとんどが日銀当座預金にブタ積みされており、市中には出回っていない。だが金利が上がれば銀行は収益を犠牲することはできないので、当座預金を引き出す可能性が高く、巨額のマネーがいよいよ市中に流出する(これを防ぐため日銀が巨額の利子を付与すれば莫大な国民負担が生じる)。

 日本はワクチン接種で致命的に出遅れており、景気回復の見通しも立っていないことから、10年物国債の金利は0.1%弱で安定推移している。日銀としては量的緩和策を継続する以外に選択肢はなく、日本において今、出口戦略を議論しても鬼が笑うだけだろう。だが、市場というのは時に制御できない力を持つものであり、グローバルで金利上昇が顕著となれば日本市場だけが無風というわけにはいかなくなる。

 実際、米国の金利が急上昇した2021年3月には、一時的ではあるが、日本の長期金利が0.15%に急騰し、一部の投資家を震撼させた。その後、再び金利は低位安定しているが、3月の動きは市場が持つパワーを垣間見せたとも言える。

 日本が金利への警戒感を持つ必要がない理由が、ワクチン接種の遅れというのは何とも情けない話だが、当面の間は、日本の金融政策に変更はないだろう。だが、グローバル市場はコロナ後を見据えて急ピッチで変化している。気がついた時にはすでに金利上昇が止まらなくなっているという可能性もゼロではない。相応の警戒が必要なモードに入ったと考えるべきだろう。

(文=加谷珪一/経済評論家)

●加谷珪一/経済評論家

1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)、『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)、『教養として身につけたい戦争と経済の本質』(総合法令出版)、『中国経済の属国ニッポン、マスコミが言わない隣国の支配戦略』(幻冬舎新書)などがある。

予約が消える“ポンコツ”のワクチン予約サイト、報道に逆切れした岸防衛相の呆れた不見識

面子を潰されて怒る防衛大臣

「岸信夫@KishiNobuo 5月18日

自衛隊大規模接種センター予約の報道について。

今回、朝日新聞出版AERAドット及び毎日新聞の記者が不正な手段により予約を実施した行為は、本来のワクチン接種を希望する65歳以上の方の接種機会を奪い、貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない極めて悪質な行為です」 

 5月17日、菅義偉首相の肝いりで始まった、自衛隊による新型コロナウイルスワクチンの「大規模接種」オペレーションの予約。これをめぐり同日、実在しない接種券番号でも予約ができてしまうことを実際に確かめつつ報じた朝日新聞出版と毎日新聞に対し、岸信夫防衛相は前掲のツイートで猛批判した後、防衛省として両社に対し、書面で抗議した。でたらめな番号でも予約できることを実際に確かめる「裏取り」作業をしたことを具体的に報じたことが、とにかく気に食わなかったようだ。

 岸防衛相のツイートに連なる世間の反響(引用ツイート)の中には、防衛相の実兄である安倍晋三前首相の、

「朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える。

防衛省の抗議に両社がどう答えるか注目」

といったものもあり、輪をかけて賑やかになって今では“お祭り騒ぎ”の様相を呈している。実在しない接種券番号でも予約できることを、裏取りしながら報じた記事には日経クロステックのものもあるのだが、引用ツイートの中には、「日経には抗議しないの?」と防衛相に尋ねているものもある。

 ただ、引用ツイートのコメントに目を通していくと、防衛相を支持するものと、朝日や毎日の記事を支持するものが半々といった情勢。ネット民の大勢は今のところ、どちらか一方に与しているわけではなさそうだ。朝日の記事(AERAドット)には、

「予約が始まった直後、『ワクチン予約に大変な欠陥が見つかった。システムのセキュリティが機能していない』(防衛省関係者)という情報が飛び込んできた」

とある。事実であれば、取材の端緒は内部告発だったことになる。朝日だけでなく毎日や日経も、予約が始まった5月17日のうちに当該記事を配信しており、この内部告発者(一人なのか複数なのかは不明だが)は、サイトの不備が原因で「大規模接種」が大規模な混乱に陥ることを危惧し、複数のメディアに対し、そうなる前にリークしたことになる。「実在しない接種券番号でも予約できる」と伝えたのは、システムに素人の記者でもすぐ理解できるように、特にわかりやすい問題点を選んで知らせた可能性が高く、予約システムにはそれ以外にも重大な欠陥が潜んでいる恐れがあるかも、と筆者は睨んでいた。

 ともあれ、このリークは「公益通報」としての情報提供であり、通報者は公益通報者保護法で保護されるべき対象となるのだろう。そうなると、次に危惧されるのは、防衛省が躍起になって“犯人捜し”と“報復”を始めることだった。

        ※

 驚いたのは翌日の5月18日夕方、時事通信が、「防衛省はシステム上の不備を事前に把握していたが、24日の接種スタートを優先し、改修を見送っていた」として、「岸信夫防衛相は18日の記者会見で、国が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種の予約システムを一部改修すると表明した」と報じたことだった。なんと防衛省は、予約システムの不備を知っていながら内緒にして「大規模接種センター」の予約をスタートさせていたのである。

 朝日や毎日の記事に対する岸防衛相の一連のリアクションは、国の安全保障を担う防衛省の面子を潰されて逆切れし、さも“そんなことはお前に言われなくてもわかっていたもんね”と意気がっているのと変わりない。朝日や毎日にケンカを売ったツイートを諫める側近はいなかったのだろうか。

 そして5月21日、筆者の嫌な予感が的中する。同日の東京新聞朝刊は1面トップ記事で、「大規模接種」の予約サイトで正しい接種券番号を入力してもエラーが出て予約できない人が、都内の板橋区や目黒区などで続出していると伝えた。今度は「予約ができない」というのである。いやはや、かなりのポンコツシステムだ。しかし岸防衛相は、東京新聞の報道があってもなお事態を把握できておらず、21日午前の記者会見でもまだ、「利用者に混乱が生じているとの報告はない」と述べていた。大変まずい対応である。

 事態を受け、防衛省は急遽、同日から電話での相談を受け付けることになった。ネットでの予約方法に関する質問に、電話で答えるのだという。でも予約は受け付けず、予約はあくまでもネットを通じて予約サイトでやらなければならないのだそうだ。なんと効率の悪いことをやっているのだろう。

 さらに5月25日、取れたはずの接種予約が消えてしまうケースまであると、同日の東京新聞朝刊が報じる。予約システムそのものに欠陥があることは、もはや誰の目から見ても明らかだった。

 筆者は当サイトで先日、新型コロナワクチンの接種予約にまつわる問題点を指摘する記事を書いたばかりなのだが、どうも我が国にとってワクチンの「予約」は鬼門であるらしい。

一連の報道は誰の役に立ったのか?

 またしても日本国民は、自分の祖国がデジタル後進国であることを思い知らされたわけだが、本稿では、朝日新聞出版と毎日新聞の報道が、公益通報をもとにした「公益性のある報道」なのか、それとも安倍晋三氏が言う「悪質な妨害愉快犯」なのかを検討してみたい。その判断基準となるキーワードは「公益性」であり「皆の役に立ったかどうか」である。

 そもそも、予約システムに何の心配もなければ、「防衛省関係者」が身の危険を冒して朝日や毎日等に欠陥情報をリークする必要はさらさらなかった。この関係者氏は、問題が発生した際に責任を取らされる立場の人かもしれない。システムの欠陥が、オペレーションに重大な支障をもたらす危険があり、それに目をつぶったまま、何の対策も取らずに走り出そうとしていたからこそ、予約開始の直後に内部告発した――と考えるのが自然だろう。この「防衛省関係者」氏の行動がなければ、朝日や毎日の報道もまた、なかった。

 しかし、1日1万人の高齢者のワクチン接種を目指すからには、その数倍の人が日々アクセスするサイトとなるだけに、いずれ不具合が生じて欠陥がバレてしまうのは時間の問題だった。前掲の東京新聞の「予約ができない」報道が、まさにそのことを証明している。つまり、防衛省が隠し通すことは不可能だった。

 それに、実在しない接種券番号でも予約ができてしまうことより、その後明らかになった「正しく入力しても予約できない」ことのほうが、よほど問題である。予約ができなければ接種も始まらないわけで、システムの改修が必要なのは「予約できない」ことのほうであるのは論を俟たない。

 もし「予約できない」システムであることのほうが先に世間の知るところとなっていれば、文字どおりの一大スキャンダルに発展し、岸防衛相は間違いなくその責任を追及されたことだろう。ことと次第によっては更迭されていたかもしれない。となると岸氏は朝日や毎日に抗議どころか、感謝しなければならないのかもしれない。

(文=明石昇二郎/ルポライター)

●明石昇二郎/ルポライター、ルポルタージュ研究所代表

1985年東洋大学社会学部応用社会学科マスコミ学専攻卒業。

1987年『朝日ジャーナル』に青森県六ヶ所村の「核燃料サイクル基地」計画を巡るルポを発表し、ルポライターとしてデビュー。その後、『技術と人間』『フライデー』『週刊プレイボーイ』『週刊現代』『サンデー毎日』『週刊金曜日』『週刊朝日』『世界』などで執筆活動。

ルポの対象とするテーマは、原子力発電、食品公害、著作権など多岐にわたる。築地市場や津軽海峡のマグロにも詳しい。

フリーのテレビディレクターとしても活動し、1994年日本テレビ・ニュースプラス1特集「ニッポン紛争地図」で民放連盟賞受賞。

うつ病に腸内細菌が関与との研究…腸内環境が悪化→うつ誘発?ストレスを受けない生活習慣

 長引くコロナ禍にあって、心身のバランスを崩す人も多い。「病は気から」と諺にもあるように、ストレスによって体調を崩し、その果てに、うつ病になってしまうケースもある。うつ病の原因はひとつではないが、米学術雑誌「サイエンス」(5月9日号)に画期的な研究結果が紹介され、関心を集めている。その内容は「うつや気分障害に腸内細菌がかかわっていることが解明されてきた」というものだ。予防医療研究協会理事長で麹町皮ふ科・形成外科クリニック院長の苅部淳医師が解説する。

 競争の激しい現代社会は、ストレスとの戦いである。それに加えて長引くコロナ禍で、人との接触も減少するなど、ストレスは増大するばかりだ。そんなストレスこそが、うつを誘発しかねない。

「ストレスは腸内環境を乱す大きな要因となり、脳神経やホルモン分泌、腸内細菌が代謝する分泌物などにより双方向にやりとりをしています(腸脳相関)が、これが崩れてしまうのです」(苅部淳医師)

 ストレスで腸内環境が乱れるという経験をしている人は多いだろう。テスト期間や会議の際に腹痛が起きるなどの状況は、まさに腸脳相関といえる。ならば、腸内環境を整え強化すれば、ストレスに強くなるのだろうか。

「そうですね。それには腸の自然免疫、αディフェンシンが鍵となります」

 αディフェンシンとは、小腸から分泌される自然免疫の作用因子である。腸内環境は、恒常性により一定の状態を保っているが、過度のストレスにより恒常性を失うと腸内細菌のバランスが崩れ、αディフェンシンが減少し、不安や鬱を感じるようになる。

「北大の綾部教授らが発表した研究論文によると、αディフェンシンとは名前のごとく、抗菌ペプチドで病原菌を強力に殺菌します。殺菌といっても、抗生物質とは決定的に違い、腸内に必要な常在菌は維持し、腸内環境の恒常性が保っています。αディフェンシンは、腸内環境を良好に保つために必要なものなのです」

 αディフェンシンの減少を防ぐためには、可能な限りストレスを排除することが有効だ。

ストレスを受けない習慣

「強いストレスがかかると、このαディフェンシンが減少し、腸内環境が乱れ、うつになる可能性があることが初めてわかったのです。ストレスは精神的なものというイメージがありますが、そうではありません。ストレスは仕事や家庭内の精神的なものでも、過度な運動、睡眠不足、怪我などの肉体的なストレスでも同じです」

 ストレスに強くなることも大切だが、ストレスを受けない生活習慣を心がけることも重要だ。

「これからの時代は、腸内環境に対する検査、乳酸菌投与などのアプローチで精神的不調や神経系疾患を予防、治療していくのが大切です。私が勧める“ストレスを受けない習慣”は、以下の6つです」

(1)加工食品は食べない(コンビニ弁当、お菓子など)

(2)発酵食品をたくさん摂る(漬物、キムチ、みそ、納豆など)

(3)食物繊維を大量に(緑黄色野菜、海藻など)

(4)小麦は抜く(リーキーガットの予防)

(5)糖分は抜く(清涼飲料水、白砂糖は厳禁)

(6)適度な運動(1日15分程度の軽い運動でも可)

 今後も続くであろうコロナ禍で、ストレスに負けないよう、苅部医師が勧める習慣を心がけてほしい。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)



吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

イモトアヤコ聖火リレー辞退をめぐるワタナベエンタの横暴を鳥取県知事が暴露!「事務所のお偉いさんが」「恫喝された」

 新型コロナウイルスの変異株の猛威が全国に広がり五輪中止論も高まるなか、強行され続けている聖火リレー。芸能人ランナーの辞退も続出し、公道でのリレーを中止する自治体も相次いでいる。  そんななか、鳥取県の平井伸治知事が、聖火リレーをめぐる組織委員会と大手芸能事務所の横暴を暴...

パチンコ「驚愕のアイディア」を実現した名作!!【レトロパチンコ実戦『ちんどん屋』編】

『魔界組』、『ミスターフォール』、『ザ・拳法』、『ニュー金棒くん』、『パチンコ大賞』等々。私が若い頃に夢中になった、西陣のハネモノ全てが本当に素晴らしい台でした。

 それら全てに繋がるのが今回ご紹介する『ちんどん屋』なのかも知れません。

 まだ昭和だった1987年の販売機種で、私がこの世で初めて目にしたパチンコ機がこの『ちんどん屋』でした。

 現役時代に打った事はないのですが、少し歳の離れた兄の隣の席で目にしたのを薄っすらと覚えております。

 元日ではなかったと思いますがお正月三が日だったのかな。「お年玉あげるからな~」と言われパチンコ店に連れていかれた記憶が。現在ではこの『ちんどん屋』そのものが失われつつあるようですが…そもそも「ちんどん屋」をご存知でしょうか?

 私が愛してやまないWikipediaにはこう書かれています。

『チンドン太鼓と呼ばれる楽器を《チンチン・ドンドン・チンドンドン》と鳴らすなどして人目を集め、その地域の商品や店舗などの宣伝を行う日本の請負広告業の一類型である』と。

 昭和のパチンコ店では新装開店などの際に『ちんどん屋』を見かけた事も何度かありましたので、コレをパチンコ機にしてしまったのはナイスなアイディアだったのかも知れません。

 ところで別の記事でも述べました西陣ハネモノの人気機種には何故か人型のキャラクター、役物を用いた機種が多いように思えます。

 本機の役物は当然『ちんどん屋』なのですが…。どう見ても『カー〇おじさん』にしか見えません…。

 おそらく意図的だったとは思いますが、こういったのが許された時代なのでしょうね。

 いずれ紹介する機会があるかもしれませんが冒頭で挙げた『魔界組』の役物は当時大ヒットした映画『霊幻道士』に登場する『キョンシー』。『ザ・拳法』の役物は超人気漫画に登場する『クリ〇ン』そのものと感じます(笑)。

 こういったのが西陣の得意とするところだったのでしょうか。わかりませんが過度の突っ込みは控えておきましょう(笑)。

 他にも従来のハネモノとは違う大きな特徴があり、チャッカーが何とチューリップになっています。

 したがって1度入賞すれば次の入賞は容易に。そういった意味では甘めの仕様だったのかも知れません。

 大当りすれば大開放という垂れ幕が降りてくると共に「お客様は神様です」との声が遊技を盛り上げてくれますが、実はこの『ちんどんや』こそが人の声を取り入れた初めてのパチンコ機だったのですね。

 それまでのパチンコ機は効果音やメロディーのみだったので実に画期的なパチンコ機だったのです。

 今ではすっかり見かける機会も減った『ちんどん屋』ですが、こんな時代だからこそ…。

 使ってみれば宣伝効果バツグンなのかも知れませんよ。

(文=電撃しらっち)

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 大松のパチスロ「ハイエナ」実戦。今回は特定の機種ではなく「立ち回りの結果」を書いていきたい。

「パチスロ」は「娯楽」である。ハイエナを行う際において「稼ぐ」よりも「楽しむ」に比重を置いて遊技するのが私のポリシーだ。

 だからこそ今回のように、昼過ぎで財布から4万円が失われても取り乱すことはない。しかし、正直に言えば内心は絶望一色。顔色を変えるとみっともないと思い、強がっているに過ぎなかったりする。

 戦犯は3台。まずは『Re:ゼロから始める異世界生活』の240G(1体撃破保有)を打ち、約760Gまで連行された上に2匹目の白鯨にあっさりと負けてしまった。

 続いては『SLOTバジリスク~甲賀忍法帖~絆2』の3スルー213Gや、『パチスロ ラブ嬢2』の5周期(ななめブドウ5回)など好条件の台を掴むも結果は奮わず惨敗。

 その後に数機種を打つも「鳴かず飛ばず」で負債を大きくするに至ってしまった。

 しかし、そんな絶望的な状況を覆してくれたマシンが登場する。それが『南国育ち-30』だ。

 本機は「準備モード狙い」が非常に有効であるが、現在は情報が浸透してしまっているため、その狙い目にお目にかかることは滅多にない状況。

 ただし、「天井狙い」も高威力で一般的には300Gから狙い目とされている。今回は「390G」を発見。これは僥倖だ。

 打ち出していくと約520Gでパトランプが点灯。残念ながらレギュラーボーナスとなったが、本機は初当りを得ることに意義がある。

 蝶は飛ばなかったが、ここからは準備モードとなり次回のボーナスで天国モードへ期待大。有利区間ランプが消灯するまで大チャンスが続く。

 緊張しながら遊技を続けるとリプレイで15枚役と同じフラッシュが発生。これは「特殊フラッシュ」と呼ばれ、ボーナスの当選と天国モード移行が優遇される「モードC以上」が濃厚となり、「モードD以上」の期待大となる激アツ演出だ。

 これまでの投資は合計で45000円。この状況での「特殊フラッシュ」は、地獄を彷徨う最中に天空から下げられた一本の糸を見つけたような「救い」を感じるに充分だった。

 そして130Gでランプが点灯。するとリールが静止したまま、けたたましい音とともに「SUPER LUCKYランプ」が輝いた。この時点でループ率90%オーバーの天国モードが濃厚である。

 勢いは止まらず、2400枚の完走に到達。無事に投資を上回る出玉を獲得し、大逆転に成功した。

 パチスロは時としてドラマを生む。どんな絶望的な状況であっても諦めてはいけないことを実感した実戦となった。

(文=大松)

<著者プロフィール>
 4号機『大花火』でホールデビューし、『パチスロ北斗の拳』でドハマリ。6号機は『パチスロ モンスターハンター:ワールド™』がお気に入り。G&Eビジネススクール卒業後、プログラマーや事務職を経験。現在はライティング業務に従事する傍ら「パチスロガチ勢」として活動中。パチMAXでは主にハイエナ実戦記事や動画レビュー記事を担当。常に攻略情報に注目しており、「6号機でも勝てる」を心情に有益な情報を紹介中。

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JRA若手騎手がコロナ禍の「合コン」発覚で師匠から大目玉! 遅刻、夜遊び、相次ぐ“素行不良”にモラル低下を危惧する声……、危機管理の甘さが導いたきっかけとは

 先週は斎藤新騎手の騎乗自粛の件について触れたが、今週からは小林脩斗騎手が2週間の騎乗自粛を予定しているという。

「朝の調教に続けて遅刻した事で、師匠の奥平雅士調教師が激怒したようです。礼節などに厳しい奥平師はすぐさま何らかの処置が必要と判断しました。ただ、新潟開催中で既にいくつかの依頼が入っていたため、即騎乗自粛だと多方に迷惑をかけるということで2場開催となる今週からの判断となりました」(競馬記者)

 コロナ渦で入場制限などがなされた当初は、若手の騎手ほど規律やルールを守っていたこともあり、意外とベテランの方が飲み歩いたりとモラルに欠ける行為が見られていた。

 ところが、最近は小林凌大騎手や斎藤騎手をはじめ、若手の意識低下が目立っていることは残念だ。なかでも先週はとんでもないニュースがトレセンを賑わせた。坂井瑠星騎手の自宅で会食という名の下で女性との大人数での“合コン”が判明したのである。

 どうやら参加した騎手の1人がインスタグラムにその様子を載せてしまったらしい。これはまさに自爆といえる行為で、すぐさま多くの関係者に拡散されて、明るみに出てしまった。

「詳細は16日の競馬開催が終わり、坂井瑠星騎手の自宅に西村淳也騎手、荻野極騎手が集合。また関東の山田敬士騎手と小林凌大騎手もわざわざ6時間かけて滋賀へ。そこに女友達を加えた10名程度で飲み会がスタート。朝まで大盛り上がりで、酔った勢いでその様子をアップしたという訳です。

良くない事ではありますが、SNSにアップしなければ分からなかった事なのに、今の若い子はその辺の危機意識が薄いというか……。特に関東の2人は県を跨いでの移動。勢いのある新人騎手が多く出てきた今は、特に頑張らなければいけない段階だけに、もう少し仕事に対して気持ちを向けて欲しいものです」(同記者)

 この件については、すぐさま騎手会などで事情聴取が行われ、隠せないと判断した参加者はあっさり認めて謝罪したらしい。ただでさえ、世間の目が過敏になっている状況下。本業の活躍ではなく、寝坊や夜の飲み歩きなどの“素行不良”で話題になっている場合ではないだろう。

 特段の処罰はなく、結局は厳重注意という程度で済んだようだが、こういった軽率な行動が続けば感染拡大のリスクも伴うため、最悪の場合は開催中止という事態も招きかねない。

 若くして大金が手に入る騎手という職業だけに、遊びたい盛りに何かと制限の多いコロナ禍では、フラストレーションが溜まるのも分かる話ではある。

 だが、モラルの低下を抑止するためにも、こういった行為が判明した場合にはベテラン若手を問わず、厳しい処罰を課さなければ変わらないのかもしれない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

櫻井翔『ネメシス』視聴率が『ドラゴン桜』の約半分…日テレ&ジャニーズが“緊急事態”

 視聴率三冠王の常連組である日本テレビが、頭を抱えているようだ――。

 4月期の日テレの春ドラマ『コントが始まる』『恋はDeepに』『ネメシス』の3作品が、揃いも揃って視聴率1ケタ台を叩きだすという事態に陥っている。なかでも深刻なのが、嵐の櫻井翔と広瀬すずが主演を務める『ネメシス』。江口洋介、仲村トオル、石黒賢、橋本環奈、勝地涼、中村蒼といった一流俳優陣が脇を固めているのに加え、毎回、大島優子や真木よう子ら豪華なゲストも出演している。

 だが、初回世帯視聴率こそ11.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と2ケタ台をマークしたが、第2話が9.5%、第3話が8.9%。第4話が8.3%。直近の23日放送回は7.4%と低迷している。

「一話あたりの制作費は破格の約1億円といわれています。初回は2ケタ台のスタートとなり、関係者をホッとさせたんです。同じ日曜夜に放送されている『ドラゴン桜』(TBS系)はコンスタントに12~15%近くを取っている。『ネメシス』はその約半分といったところで、これはまさに日テレにとっての緊急事態。年内には映画版『ネメシス』が公開されるようですが、このまま視聴率が一向に上向かない状況が続けば、どうなるのか……」(テレビ局関係者)

 ストーリーとしては、天才的な推理力を持つ助手の美神アンナ(広瀬)と自称天才探偵だが実はポンコツ探偵の風真尚希(櫻井)の二人がコンビを組んで、難事件を解決していくという設定。美神の父親の失踪事件が伏線になっている複合ミステリーだ。

「キャストは最高です。しかし、この配役をドラマスタッフが活かせていない。最悪なのはオリジナルと胸を張るシナリオのレベルの低さだ」と厳しい意見を言うのが、多くのドラマを手掛けた経験を持つプロデューサーだ。

「事件解決の際にアンナが裏から推理を風間に伝え、風間はあたかも自分の推理のように披露し手柄にしてしまう流れですが、これこそ『名探偵コナン』のパクリですよ。コナンが毛利小五郎を眠らせて、あたかも毛利が推理して事件を解決していくかのようにみせるのと同じパターンです。そもそも、アンナがなぜ、ここまでして風間をフォローするのか。そのあたりがまったく描かれておらず、ドラマとして成立していないんです。『名探偵コナン』が日テレ系列の読売テレビ製作でなかったら、パクリで責められてますよ」

 事実、『ネメシス』をめぐってはインターネット上で“名探偵コナン・パクリ説”が話題になっている。

「日テレ上層部や編成幹部らからも似た指摘が、制作現場に寄せられており、スタッフ陣もそれは十二分にわかっています。しかしドラマ収録は主演した櫻井の都合で、昨年10~12月の間にほぼ撮り終えているので、もう修正がきかないんです」(日テレ関係者)

 そんな日テレに、櫻井が所属するジャニーズ事務所が助け舟を出しているという話も聞こえてくる。

「ジャニーズが、年内に公開が予定されている映画版『ネメシス』に嵐メンバーを出演させることを提案しているというんです。ドラマと映画がダブルでコケたら、それこそ櫻井の俳優生命はやばくなる。ジャニーズからしてみれば、まさに日テレと共倒れというリスクはどうしても避けたい。映画の興行収入をアップさせるために、禁じ手である嵐メンバーの出演を提案したと聞きます。もっとも、実際に出演に至るのかは、わかりませんが」(テレビ局関係者)

 いずれにしても、ドラマ版『ネメシス』の視聴率回復に期待したい。

(文=編集部)

飲食店の酒類提供禁止で国が直面する“酒税の税収減”という事態…少子化への悪影響も?

 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象となる都道府県が、どんどん増えている。飲食店は時短営業のみならず、酒類の提供が禁止された地域も少なくない。最初は、まさか冗談でしょう、禁酒法でもあるまいし、とタカをくくっていたところ、本当にそうなったことには驚いた。

 別に酒が新型コロナウイルスを媒介するわけではないのだが、「飲んで大声で騒ぐ」ことが感染リスクを高めるから、という理屈によるらしい。そうであれば牛丼屋で一人、寡黙に飲んでもダメなのかという気がするが……。

 ただでさえ飲食店の経営状況は苦闘が続いている。帝国データバンクによると、2020年度における飲食店事業者の倒産は715件。2年連続の700件超えとなり、過去3番目の高水準となった。業態別で見ると、「酒場・ビヤホール」が183件(全体の25.6%)とかなりの割合を占め、 2000年度以降で最多を更新したという。

 そこへきての「酒類提供NG」だ。これは飲食店にとっては最強のダメ押しとなるだろう。ワインバーやビアホールやバーなどは、真っ向から存在を否定されたようなもの。焼肉屋や焼き鳥、お好み焼き屋も、ビールが出ないとなれば魅力激減、日本酒が飲めない寿司屋もまたしかりだ。酒は主食でおコメ替わりという筆者にとっても、これ以上厳しい試練はない。

 利用者もつらいが、最も苦しんでいるのは飲食店やその取引先だろう。お上に言いたいことも多々あるに違いない。でも、お酒の消費量が減ると、国も少しは困るのではないだろうか。

 たとえば税金だ。飲食店の売り上げが減っているのだから納税額もがた減りしているのは言うまでもないが、その他に酒税というものがある。お酒の需要が減れば、そっちの税収も減るのではないか。実際には、どれくらいのものなのだろう。お酒が飲めない暇つぶしに、まずそこから調べてみた。

酒税の税収は減少

 昨年も酒税は話題になった。酒税法改正により、ビールの税率が下がり、新ジャンルと言われる第3のビールが引き上げられたのは、2020年10月のことだった。酒税改正は全部で3回にわたって行われる予定で、ビール系飲料は最終的に同じ税率に統一されることになっており、昨年は見送られた発泡酒も次回2026年には引き上げになる。

 昨年の改正では、清酒の税率は下がり、ワインは上がった。チューハイやウイスキー、ブランデーもこの先上がる予定だ。家計に与える影響は小さくないだろう。

 このように消費者は酒税と消費税を払ってお酒を購入しているわけだが、とはいえ直接納税しているわけではない。税金を納める義務のある人(納税者)と、税金を負担する人(担税者)が異なる税金は間接税にあたり、酒税はこっちに入る。酒税法では、酒税の納税義務者は「酒類の製造者」及び「酒類を保税地域から引き取る者」と規定しており、後者は海外からの輸入業者を指す。ちなみに、他の間接税には消費税、揮発油税(ガソリン税)、たばこ税、関税、印紙税などがある。

 次に、今年の国家予算の一般会計歳入額を見てみよう。令和3年度の酒税の概算額は1兆1760億円。ちなみに、先に挙げた間接税の中で、消費税を除けば約2兆円のガソリン税に次ぐ税収となっている。

 今年の課税状況はどうか。国税庁の令和2年度の速報値では、昨年4月から今年2月までの累計で1兆273億円。花見も歓送迎会も忘年会も新年会もなかったせいか、ずいぶんな減り方だ。対前年比で1割以上も減少している。

 飲食店でお酒が飲めなくなると、そのぶん出荷も減るだろうし、東京や大阪といった大都市圏の飲食店で酒類の提供ができなければ、かなり影響があるはずだ。家飲みだけでは、さすがに落ち込みはカバーできないだろう。

 コロナがどの程度、課税に影響を与えるかはわからないが、このまま「お酒禁止」が続くと、ささやかながらも税収に影響が出ることは間違いなさそうだ。

「酒の席」は過去の遺物になってしまうのか?

 コロナによってダメージを受けているのは税収ばかりではない。

 この状況での妊娠・出産をためらう動きが出ており、令和2年1~12月の累計妊娠届出数は87万2227件で、前年同期間と比較すると4.8%減だが、すべての月において前年を割っている。また、厚生労働省が5月25日に発表した人口動態統計によると、2020年の出生数は85万3214人で過去最低となった。

 出産だけでなく、婚姻件数も減っている。同じ速報を見ると52万8374組となっており、前年より16%も減少した。これも、コロナ禍により挙式を先延ばしにした影響などもあったかもしれない。

 コロナ禍が続くと、対面での出会いは減少する。ニューノーマルとして「オンラインデートで十分」「アプリ婚が主流になる」であればいいのだが、出会った2人がカップルへと関係を深めるには、実際に会って食事やお酒を楽しむプロセスは必要ではないだろうか。

 このまま飲み会禁止が常態化すれば、出会いの場が減ることは間違いない。合コンも、友人を紹介するための飲み会も、容易にはできなくなるからだ。

 仕事の場でもそうだろう。リモートワークが増え、初対面の人とリアルで会ってもマスク付きのため、相手がどんな顔をしているかよくわからない。これまで距離を縮めるために活用されてきた「お酒の席」という昭和・平成方式は、このまま過去のものになってしまうのか。

 なんだかんだ、酒は出会いの媒介者でもある。気になる相手を「今度飲みに行かない?」と誘ったり、意中の相手と近づいたきっかけが飲み会だったケースは多い。「禁酒」が続けば、それも消えてしまう。

 飲み会や合コンができないから出会いが減って、カップルも減り、やがて少子化につながる、とまで書くのは乱暴だが、まったく関係ありませんとも言い切れない。少なくとも、これまで人が出会う場には飲酒がつきものだった。時短かつアルコール提供なしが続けば、「この後、もう一軒行かない?」も今後は使えない誘い文句となる。もし奇特な学者の先生がいらっしゃれば、ぜひ、恋愛進展におけるお酒の効果について研究をお願いしたいものである。

お酒の禁止で“のんべい”も困るが国も困る

 もしこの世にお酒がなければ、飲酒運転も宴会セクハラもなくなり、ケンカやいざこざもずっと減るかもしれない。政府の見解通り、コロナ感染拡大の一端が酒の席にあるというなら、禁止もやむなしだろう。

 しかし、お酒を愛する1のんべいとしては、やっぱり飲食店でノンアルばかりではもの悲しい。その気持ちを紛らわすために、今回は国に納める酒税や少子化への影響を論じてみた。お酒を飲むなと言われるのは悲しいが、さりとて禁止による不利益が国のほうにもないわけではない。我々も、国も、どっちもしんどいのに変わりはないのだ。1日も早く、この酒断ち修行の日々が終わるように祈っている。

(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)

●松崎のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。Facebookページ「消費経済リサーチルーム

低コストで防災グッズの代替品を備える方法…黒いゴミ袋&ペットシーツがトイレ替わり

 私たちは日本全国どこにいても、地震の心配からは逃れられません。東日本大震災から10年。多くの人々が、地震に対する恐れ、そして備えの重要性を再確認しているのではないでしょうか。

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、避難所にも定員が設けられました。危険な場所でなければ、今後は避難所に行かない「在宅避難」が中心となります。とはいえ、「防災は気になるけど、お金はかけられない」と思う人は、多いのではないでしょうか。そこで今回は、防災用品の代わりになるモノを紹介します。

「手づくりヘルメット」で頭を守れ

 私たちがよく目にするプラスチックの「防災用ヘルメット」は、頭部を守るための厚生労働省が定めた安全基準をクリアしたものです。つい見落としがちですが、防災用ヘルメットにも「使用期限」があり、使用を開始してから、または保管を始めてから6年を経過のものは、交換しなければなりません。

 学校には防災ずきん、職場にはヘルメットが常備されていますが、自宅に家族分のヘルメットを用意している家庭は少ないでしょう。そうはいっても、在宅避難が中心となると、ヘルメットがほしいところです。

 調理器具であるステンレス製のボウルは、どこの家庭でも1つや2つはあるのではないでしょうか。ステンレスのボウルは100円均一ショップ(100均)にもあり、値段も手頃。頭にタオルを置き、クッション材代わりにして、上からボウルをかぶり、ズレないようにスカーフで固定する。それだけです。ボウルは大きさもさまざまなので、大人も子供もとりあえず安価に用意できます。

 もちろん、こちらは安全基準をクリアしているヘルメットとは異なりますので、あくまで、いざという時に活用してみてください。

常に風呂に水をためる

 災害時、ライフラインが止まった時、水は必要だということは誰しもわかっています。推奨する量は一人3L×家族の人数×10日分。4人家族であれば、120Lの水が必要になります。1.5Lのペットボトル・6本入りの箱で14ケース分です。ペットボトルを箱買いしている人でも、圧倒的に足りないのが現実です。

 大きな地震で断水が発生する場合も、断水になるまで多少の時間があります。もし大きな地震がきたら、水道から水が出るうちは、水をためられるだけためましょう。余裕があれば、風呂を洗って、きれいな水をためておくこと。

 水道水は、予め塩素で消毒してあるのでそのままで5日間ぐらいは飲料水として使えます。たとえ残り湯でも、生活用水(トイレの洗浄や洗濯など)に使えるので、流さない習慣をつけておきましょう。

コスト10分の1の非常時トイレ

 もし断水になれば、家のトイレは使えなくなります。排便袋として45Lの黒いゴミ袋が代用できます。防災用の携帯トイレは、「排便袋と凝固剤」がセットになったものが中心です。値段はだいたい1セット100円ほどです。単純計算すると、一日5回トイレ×家族の人数×10日分=4人家族で200セット必要となります。

 粉末の凝固剤と同じ成分が入っているペットシーツが代わりになります。ペットシーツは、ペットのトイレ用のシートです。100円ショップでもMサイズ10枚入りセットで売っています。Mサイズのペットシーツであれば、400CC近くの尿を吸ってくれます。200CCの尿であれば2回分使えます。

 災害時、汚れたトイレを使いたくない女性が、人気のない林などで用を足そうとして暴行被害を受けたケースも存在します。トイレ問題は、人権と健康につながる切実な問題。

 在宅避難用にペットシーツと45Lゴミ袋を多めに用意しておくだけでも、小さな安心につながります。

(文=草野かおる/イラストレーター・防災士)

●草野かおる/イラストレーター・防災士

PTA、自治会を通じて16年に渡り防災勉強会や防災訓練などで防災活動に関わったことを生かし、東日本大震災の数日後、ブログにて発信を始め、現在はツイートも積極的におこなっている。2018年に防災士の資格を取得。防災について、講演をおこなうほか、テレビやラジオの出演も。著書・共著に『4コマですぐわかる 新 みんなの防災ハンドブック』『おかあさんと子どものための防災&非常時ごはんブック』『「食事」を正せば、病気、不調知らずのからだになれる ふるさと村のからだを整える「食養術」』(以上ディスカバー21刊)、『伊豆の山奥に住む仙人から教わったからだがよみがえる「食養術」: ダメなボクのからだを変えた 秋山先生の食養ごはん』(徳間書店刊)がある。近著に『激せまシリーズ』第2弾の『激せまキッチンで時短!簡単!ムダなしごはん』(ぴあ刊)がある。

ブログ:大地震に生き残るヒント

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