武豊「低迷」の裏で若手騎手が飛躍的な躍進!? 着々と押し寄せる「世代交代」の波とリーディング上位に食い込んだ若手たち…… 劇的変化を見せたのは横山武史ではない?

 27日に阪神競馬場で行われる宝塚記念(G1)を控えた中央競馬。今週末、東京では3歳ダート重賞のユニコーンS(G3)、阪神では牝馬の中距離重賞・マーメイドS(G3)の開催を予定している。

 無冠の待機ダノンキングリーがマイルの絶対女王グランアレグリアを破った安田記念(G1)を終え、ちょうどG1中休みとなるが、全国騎手リーディングでもちょっとした異変が起きていた。

 13日の開催終了時点、リーディングトップに立つのは87勝を挙げて独走中のC.ルメール騎手。これを16勝差で追う川田将雅騎手が71勝を挙げて2位、ともに56勝の福永祐一騎手が2着の差で3位、松山弘平騎手が4位と続いている。

 ここまでの並び順は昨年の1位から4位と同じ顔触れ。年始で大きく出遅れた川田騎手は、短期間で勝ち星を量産して定位置に復帰した。

 これに対し、昨年の全国リーディングで5位の武豊騎手は20位と大きく後退。腰痛や骨折で騎乗機会が減った影響があったにしろ、JRAのホームページに記載の1ページ目(20位まで)から姿を消しかねない状況となっている。

 5位はソダシでブレイクして成績を伸ばした吉田隼人騎手が45勝、6位に幸英明騎手が40勝で追っている。

 劇的な変化があったとすれば、これ以降の騎手である。

 ここからは売り出し中の若手騎手が多数食い込んだ。7位に38勝の横山和生騎手、8位に鮫島克駿騎手、9位に岩田望来騎手、10位に西村淳也騎手、11位に昨年の関東リーディング・横山武史騎手がようやく顔を出す。

 若手の快進撃はこれだけでなく、15位に菅原明良騎手、18位にも泉谷楓真騎手が入ったように、世代交代が着々と進んでいることが分かる。

 リーディング上位陣の牙城を崩すにはまだ時間が掛かりそうだが、トップ20位までに7人の若手が名を連ねたことには驚きを隠せない。

「今年は父の横山典弘騎手より長男の和生騎手や武史騎手が活躍しているように、着々と世代交代の波が押し寄せていることを感じます。長らくトップにいた騎手も高齢化が進んできました。ルメール騎手や福永騎手もベテランといえる年齢ですし、5年後10年後もこの状況が続くのかとなるとわかりません。

そういう意味では若手の台頭は歓迎すべきでしょう。個人的には武豊騎手や横山典騎手、柴田善臣騎手など、大ベテランの活躍をまだまだ見たいという思いもあります。ですが、将来的なことを考えると、前向きに考えた方がよさそうです」(競馬記者)

 なかでも、最も劇的な変化を残した横山和騎手の急成長は衝撃的ともいえるだろう。昨年は年間を通しても30勝だったが、今年はすでに38勝と前年超え。これまで最多だった13年の39勝を、すぐにも更新しそうな勢いだ。

 エフフォーリアで皐月賞(G1)を制した三男の横山武騎手ばかりに注目が集まっている現状だが、この好調が続くようなら関東リーディングも夢ではないかもしれない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

JRAまるで「消化試合」の大誤算!? クロノジェネシスVSレイパパレ激突も…… 史上最高から平常運転に転落した宝塚記念(G1)に拭えぬガッカリ感

 27日、阪神競馬場では夏のグランプリレース・宝塚記念(G1)が開催される。前期競馬を締めくくる最後のG1ともあって、心待ちにしているファンも多いだろう。

 だが、有馬記念(G1)と同じくグランプリを称する宝塚記念には、1年の総決算的な意味合いもある暮れの大一番に比して、もうひとつ盛り上がりを欠く傾向がある。

 その大きな理由として考えられるのは、開催時期が6月下旬というデメリットだ。

 古馬の一線級と3歳トップクラスが、世代を超えて激突するのは有馬記念と同じだが、有馬記念とは違って非常にレアケース。2003年には二冠を制したネオユニヴァース、07年のダービー馬ウオッカが挑戦したものの、古馬の壁に跳ね返された。春の大目標とするクラシックを終えた3歳馬が、あえてもう1戦挟んで古馬に挑むメリットは、ほぼないに等しい。

 そのような背景もあった中、今年は例年になく豪華なメンバーが集まりそうだった。

 デビューから無敗の6連勝で大阪杯(G1)を制したレイパパレをはじめ、昨年の三冠を無敗で制したコントレイル、デアリングタクトがともに参戦を表明。さらにはラヴズオンリーユー、昨年のグランプリを連覇したクロノジェネシスも出走を発表していた。

 例年だとまるで消化試合のような宝塚記念が、一転して有馬記念以上にも感じられた“朗報”に、競馬ファンの多くが色めき立ったのは当然の成り行きかもしれない。

 ところが、そんなファンの期待とは裏腹に次々と“悲報”が舞い込んでしまった。

 出走していれば最大の目玉となったコントレイルは、大阪杯の疲れが抜けないという理由で回避が決定。クイーンエリザベス2世C(G1)を優勝したラヴズオンリーユーは脚元に不安が出たため、同レース3着のデアリングタクトは右前肢繋靱帯炎を発症して戦線を離脱した。

 あれだけ盛り上がった出走予定馬の顔触れも結局、クロノジェネシスVSレイパパレの構図に落ち着いたのは、“平常運転”の宝塚記念といった印象だ。

「ハイレベルなメンバーが集まったことで、宝塚記念史上最高の一戦になるのではないかといわれていましたが残念です。大阪杯のG1昇格で手薄になると危惧されていましたが、終わってみればといった感想です。

ただ、結果的にアクシデントによる回避でしたから、グランプリレースとしての存在意義を問われるまでの危機的状況ではなかったように思います。大阪杯は重馬場が味方したと見られているレイパパレとクロノジェネシスの激突は面白そうですよ」(競馬記者)

 阪神競馬場キャンペーンの公式Twitter(@HanshinKeiba_cp)では、「#夢の宝塚記念2021」のハッシュタグをつけて歴代優勝馬のあなたの推し馬を教えてと、競馬ファンからの投稿を募集している宝塚記念。

 JRAとしても、有力馬の相次ぐ回避は思わぬ誤算となってしまったが、前期最後のG1に相応しい熱戦が繰り広げられることに期待したい。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

マネックスG、“コインチェック頼み”経営の危うさ…ビットコイン価格の乱高下で株価上下

 仮想通貨(暗号資産)の価格がジェットコースターさながらに乱高下を続けている。4月、仮想通貨のブームは頂点に達した。4月14日、米国の仮想通貨取引所大手コインベースが米ナスダックに上場。時価総額は一時、12兆2000億円に膨らみ、同日、ビットコインは史上最高価格となる700万円を突破した。だが、一瞬にしてビットコインバブルは弾けた。

 ビットコインバブルを牽引したと名指しされているのは、米電気自動車(EV)テスラ創業者、イーロン・マスク氏である。2月、ビットコインを15億ドル(約1600億円)分購入し、テスラ車の決済手段としてビットコインを受け入れる方針を表明した。これでビットコインバブルに火がついた。

 バブル崩壊の引き金を引いたのもマスク氏だ。「車の購入にビットコインを使用するのを一時停止する」とツイートした。この発言が伝わり、ビットコインの価格は急落し、4月の高値から1カ月半で半値となった。とどめを刺したのもマスク氏だ。6月4日、ビットコインの価格が390万円台まで下落した。前日は400万円前後で推移していたが、マスクCEOがツイッター上でビットコインに対して離別を示唆したのが売り材料となった。

 ツイッターにビットコインのハッシュダックを付け、ひび割れたハートの絵文字と別れ話をするカップルの写真を投稿した。「ビットコインとの別れを示唆した」との見方が市場に一気に広がった。南アフリカの資産運用会社のCEOがビットコイン価格に関するマスク氏のツイートが「市場操作であり、米証券取引委員会(SEC)の調査を受けるべきだ」と述べた。

 6月13日、マスク氏は保有するビットコインの約10%を売却したことを明らかにした。「市場を動かさずにビットコインを簡単にやり取りできることを確認するため」と売却の理由を説明したが、マスク氏の旗色はよくない。

「マイニング(採掘)と呼ばれる計算作業に使われる電力の50%がクリーンエネルギー由来であると確認できれば、ビットコインによるEV購入手続きを再開する」とマスク氏は表明。この後にビットコインの価格は上昇したが、市場では「あや戻し」と冷ややかだ。

ビットコイン価格の急落と連動してマネックスG株が下げる

 東京株式市場ではビットコイン価格の急落を受け、マネックスグループ(G)株が下げた。4月21日には一時、前日比50円(5%)安の872円と3週間ぶりの安値をつけた。14日の高値1135円から23%下落した。ビットコインは4月14日の最高値から19日までに1割超安くなった。マネックスGは仮想通貨取引所のコインチェック(東京・渋谷区)を傘下に持っている。取引量の減少を懸念した投資家が、利益確定売りを急いだ。

 マネックスGの株価はビットコインの価格に連動して動く。4月上旬、マネックスG株は1000円を上回っていたけれど、ビットコイン価格の急落によって下げのトレンドに入った。

マネックスGの2021年3月期は仮想通貨交換事業で利益を捻出

 日本の仮想通貨ブームの先頭を走るのはコインチェックといわれている。コインチェックは2018年1月、利用者から預かっていた約580億円の仮想通貨が外部からの不正アクセスにより流出した。同年4月、コインチェックはマネックスGの子会社となった。仮想通貨への参入を目指していたマネックスと、不正流出後の経営再建で支援先を探していたコインチェックの利害が一致した。

 仮想通貨交換業者は金融庁への登録が必要だ。不正流出事件後、金融庁は厳しい姿勢で臨み、コインチェックの早期登録は難しいと見られていた。マネックスは登録前だが、「みなし業者」として営業できるコインチェックを買収。マネックスの信用力を担保にコインチェックは19年1月には仮想通貨交換業者への登録を完了した。

 コインチェックがマネックスGの業績を押し上げた。21年3月期の連結決算(国際会計基準)は売上高に当たる営業収益が20年3月期比46.4%増の779億円。税引前利益は5.1倍の212億円、純利益は4.8倍の143億円と過去最高益を更新した。仮想通貨市場の活況でコインチェックの取引が増え、トレーディング収益が膨らんだ。

 コインチェックの営業収益は20年3月期比5.4倍の208億円、セグメント利益(税引前利益)は33.7倍の98億円を叩き出した。マネックスは本業の証券部門でも、個人投資家の株式取引が活発だったため手数料収入が大きく増え、営業収益は16.4%増の309億円、セグメント利益は2.6倍の72億円となった。それでもコインチェックの利益が証券部門のそれを上回る。全社の税引き前利益の46%をコインチェックが稼いでいるという図式なのである。

 4月27日のオンライン会見でマネックスGの松本大会長は「各部門とも好調でグループ全体の顧客預かり資産は6.4兆円。上位地銀と同規模まで増えた」と胸を張った。年間配当は20年3月期の5.9円から12.0円へとほぼ倍増した。22年3月期の連結業績を開示していない。アナリストの業績見通しだと営業収益は21年3月期比11%減の696億円、税引き前利益は19%減の177億円、当期利益は15%減の122億円。減収・減益を予想している。ビットコインはテスラのイーロン・マスクCEO頼みの様相を強めている。もしマスク氏が手を引けば、価格上昇の風は完全にやむ。

(文=編集部)

ラグジュアリー業界に求められるSDGsとは?

コロナ禍がラグジュアリーブランドのビジネスに与えた影響に関する調査(電通、ザ・ゴール、コンデナスト・ジャパンの共同調査)を基に、ラグジュアリー業界における「グレート・リセット」と呼ぶべき地殻変動を明らかにする本連載。

【グレート・リセットとは】
資本主義を再定義し、現在の世界経済のシステムをあらゆる側面から考え直さなければならないという考え方。2021年世界経済フォーラムのテーマにもなっている。


今回は『VOGUE JAPAN』などを発行するコンデナスト・ジャパン副社長の平石敬晴氏をゲストに迎え、電通の松田融氏、天野彬氏がSDGsの潮流やグレート・リセットを踏まえたコミュニケーションの在り方についてお話を伺った。

調査概況については、連載第1回、第2回を参照
第1回:コロナ禍のデジタルシフトが生んだ、新たなカスタマージャーニー
第2回:今、ラグジュアリーブランドに求められているもの

平石氏、松田氏、天野氏

若い世代がブランドに求めるRealityとは?

天野:はじめに、今回の共同調査を実施した背景について、改めてお聞かせいただけますか?

平石:共同調査を企画したのが2020年6月ごろ。当時、多くの店舗がクローズし、百貨店も含めてラグジュアリーブランド各社が甚大なビジネスダメージを受け、われわれメディアとしても先行きの見えない未来を案じる毎日でした。

一方、コロナ禍をきっかけにテクノロジーが急速に浸透したことも相まって、生活者のライフスタイルや価値観にも大きな変化が生まれています。メディアの選び方、情報の捉え方、ショッピング体験などが変わる中、生活者のラグジュアリーブランドに対する興味・関心や購買行動を深く知ることで、未来への明るい展望を見いだし、それをパートナーの皆さまと共有したいと考え、今回の調査を実施しました。

天野:調査結果を受けて、特に平石さんが興味を抱いたポイントを教えていただけますか?

平石:「Reality」と「Reliability(信頼性)」という2つのキーワードに着目しました。バーチャルな生活環境で日々膨大な量の情報を浴びるようになり、生活者は「自分にとって信じられるものは何なのか」をますます重視するようになっています。ブランドと顧客、あるいはメディアとオーディエンスという両者のエンゲージメントを高める上で、2つのキーワードは非常に大切なポイントであると感じています。

松田:同感です。定量調査の結果はもちろん、定性調査のインタビューでも「公式ECで気に入ったアイテムを見つけたら、フリマアプリなどで一般の人が撮影しているリアルな写真をチェックしてイメージと違わないか確認する」といった意見があり、Realityが求められていることをひしひしと実感しました。

第二回抜粋
連載第1回より抜粋

Reliability(信頼性)が示す、オーセンティックメディアの価値

天野:Reliabilityに対するニーズの高まりも注目すべきポイントですよね。コロナ禍の中でSNSの利用率やそれに伴う影響力が増す半面、その情報の真偽や拡散を巡ってメディアリテラシーの重要性が改めて問われるシーンも増えています。また、そもそもSNSでシェアされる情報は元をたどるとパブリッシャーの情報であることが多いのですが、『VOGUE』のようなオーセンティックな(信頼に値する)メディアの価値はどのように定義できるでしょうか?

『VOGUE JAPAN』2021年7月号
『VOGUE JAPAN』2021年7月号

平石:『VOGUE』は1892年の創刊以来、常に「クリエイティビティー・クオリティー・リライアビリティー」を追求しながら、世界中のオーディエンスを魅了するコンテンツを届けてまいりました。

その源泉にあるのは、編集者の企画力・ジャーナリズム・クリエイティブです。これらの結晶が雑誌のみならず、ウェブサイト、ソーシャルメディア、動画、イベントなどさまざまなプラットフォームで評価され、オーセンティックメディアとしてのポジションを得ることができていると自負しています。

Reliabilityに対する生活者の志向が強くなればなるほど、オーセンティックメディアの存在価値や(それに対する)期待もますます高まると思いますし、だからこそ、信頼を裏切らないようにクオリティーを追求し続ける必要があると感じています。

天野:お話しいただいたように、『VOGUE』はさまざまなプラットフォームに展開されていますが、雑誌というメディアの価値はどのように捉えているでしょうか?

平石:今回の調査結果では、ミレニアルズ世代(25~39歳)やジェネラル(35歳以上)の世代ではファッションなどの情報源として雑誌は高い評価を得ていることが分かりました。一方、Z世代(24歳以下)ではソーシャルメディアやウェブサイト、動画プラットフォームなどデジタルが上位を占めています。

ここで、さらに掘り下げてみたいと感じたことがあります。それは、デジタル優勢の時代にあえて紙の雑誌に触れている読者とは一体どういった人たちなのだろうか、ということ。Z世代は決して数は多くありませんが確かに存在しますし、ミレニアルズ世代ではさらに多くの評価をいただいています。そして、弊社の調査では昨年1年間での雑誌『VOGUE』購買者のうち約40%の人たちが、実はZ世代とミレニアルズ世代で構成されていることが分かりました。

若い人たちが雑誌を手に取って1ページずつめくることに、どのような価値を見いだしているのか。それは同じく若い世代とのエンゲージを課題としているラグジュアリーブランドにとっても有益なインサイトになり得るので、今後も研究を重ねていきたいと考えています。

グレート・リセットを率先して行うフランスの動き

天野:SDGsが国際的なアジェンダとなり、各産業でさまざまな取り組みが広がっています。この潮流はファッション業界にどのような影響をもたらしているでしょうか?

平石:全ての産業が避けては通れない課題ですが、特にサステナビリティー・環境問題というテーマに関しては、ファッション産業は最も取り組まなければならない産業の一つです。

なぜなら、世界的にみるとファッション産業は第2位の環境汚染産業ともいわれており、自ら率先して改革していく必要があるからです。『VOGUE JAPAN』も日本のファッション業界がもたらす環境負荷の改善を求める「サステナブルなファッションの促進に向けた提案」に署名し、小泉進次郎環境大臣に提出するなどさまざまな取り組みを実施しています。

松田:一昔前はSDGsがブランディングの一環として捉えられる側面もありましたが、今やSDGsに取り組まないブランドはラグジュアリーブランドと名乗れないのではないかと思うほど、必須条件になっているように感じます。

平石:サステナビリティーに配慮したブランドであるかどうかを、購買時に考慮するユーザーも増えています。

松田:特に若い世代はその傾向が強いですよね。また、ラグジュアリーブランドのコングロマリット化が進み株式市場を無視できない中で、欧米では投資家がSDGsへの取り組みを注視していることも影響していると思います。

天野:本連載のテーマはグレート・リセットですが、ラグジュアリー業界でこれまでの在り方が見直されるようになったのはなぜでしょうか?

平石:私の印象としては、2018年にとあるブランドの売れ残り商品廃棄処分問題に端を発し、パリ協定に基づく「ファッション業界気候行動憲章」(※1)、2019年のフランスG7サミットにおける「Fashion Pact」(※2)の発表など、フランスがイニシアチブをとって、これまでの在り方を大幅に見直す流れがどんどん加速していったように感じます。

※1=ファッション業界気候行動憲章
パリ協定の長期目標の一つ、「世界の気温上昇を産業革命以前の水準より2℃未満に抑える努力を追求する」を支持する条約。2030年までに温室効果ガス(GHG)の総排出量の30%削減を達成し、2050年までに実質ゼロにすることを目標にしており、コンデナストもメディアカンパニーとして初めて署名。
 
※2=Fashion Pact
2019年8月にフランス・ビアリッツで開催されたG7サミットにおいて、欧州を中心とするファッションおよびテキスタイル業界の32社が、気候変動、生物多様性、および海洋保護の3分野で、共通の具体的な目標に向かって取り組むことを誓約したもの。


天野:その中で、ブランド・メゾンの動きとして印象的だったものを教えてください。

平石:ケリング・グループ傘下のグッチが、ラグジュアリーブランドを扱う中古品販売プラットフォーム「ザ・リアルリアル」とパートナーシップ契約を締結しました。同グループは、中古ブランド品マーケットプレイスの「ヴェスティエール・コレクティブ」への出資も発表しています。また。ラルフローレンは洋服のサブスクリプション・レンタルサービスを開始しました。

ラグジュアリーブランドがリセールマーケットやレンタルビジネスに参入することは、これまでになかった新しい動きとして非常に注目しています。

他にも、LVMHジャパンが女性の再就職支援プロジェクトをスタートしたり、プラダが再生ナイロンの「Re-Nylon」コレクションを発表したりするなど、各ブランドがSDGsのそれぞれのテーマで社会課題解決に取り組んでいます。

天野:ラグジュアリーブランドは偽物も多く出回っているからこそ、ブランド主体のリセール展開はユーザー側にも大きなメリットがありますよね。

平石:そうですね。公式の中古品であれば、間違いなく本物だし、丁寧にメンテナンスされたものだとユーザーも感じると思います。

インパクトの有無にかかわらず、SDGsに取り組むことが当たり前の世界に

天野:ラグジュアリーブランド業界のグレート・リセットが進む中、コンデナストとしてはどのような取り組みに注力しているのでしょうか?

平石:『VOGUE』はオーセンティックメディアとして、各ブランドのさまざまな取り組みを世の中に正しく、多くの人に伝えていくことがミッションだと思っています。

とりわけ、SDGsをテーマとして深く掘り下げた情報発信を行う場として、2020年に「VOGUE CHANGE」(※3)を立ち上げました。

※3=VOGUE CHANGE
サステナビリティーやダイバーシティー、インクルージョンをテーマとして国内・国外を問わず、あらゆる情報を紹介し、読者やオーディエンスと共に少しでもより良い未来社会を目指してCHANGEしていくプロジェクト。


SDGsへの取り組みは、企業主体で発信することが難しいテーマだと思っています。例えば、とあるブランドの担当者は、「当然SDGsに取り組んでいるけれど、自分たちからそれを発信することはブランドの哲学にそぐわないのでやらない」といったことを言っていました。

「言う/言わない」の是非ではなく、どのブランドも素晴らしい取り組みをしているという事実を、正しく顧客やオーディエンスに知ってもらうことが大切であり、そこにオーセンティックメディアとしての役割と責任があると思っています。

天野:SDGsへの取り組みをあえて発信しないブランドがあることは非常に興味深いです。一方で、SDGsにどのように取り組めばいいのか分からない企業もまだまだ多いと思います。改めて、SDGsがブランドのマーケティング活動にどのようなインパクトをもたらすのか、お聞かせいただけますか?

平石:インパクトの有無にかかわらず、取り組むことが当たり前に求められる世界になりつつあります。どのテーマにフォーカスするかはブランドの哲学やプロダクトで異なりますが、SDGsのテーマをベースに考えたマーケティング活動が欠かせないことは間違いないでしょう。

松田:昔はSDGsが“意識高い系”と揶揄されることもありましたが、今の社会はもう違います。特に若い世代にSDGsの重要性を聞くと、「そんなの当たり前じゃないですか」とあきれられることもあるほどです。

平石:未来の顧客となる若い世代の人たちに、今からきちんと評価されるコミュニケーションを行うことが大切ですよね。私たちもオーセンティックメディアとして、今後もさまざまなブランドの情報発信を積極的にサポートしていきたいと思います。

天野:本日はありがとうございました!

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「好奇心の強さ」と「追求心」がニッポンコンテンツ普及のカギ?~グローバルコンテンツ調査中国・韓国編~

グローバルコンテンツ連載第1回画像1
現地の人でにぎわう北京市内の玩具店。店頭にはニッポンコンテンツのおもちゃも多数並んでいる。(写真は2017年5月撮影)

アニメ・ゲームといった日本発のキャラクターコンテンツが、世界各国で人気を集めています。昨今では動画配信サービスが定着したこともあり、従来と比べてより多くの国で日本のコンテンツに接しやすくなってきました。

日本発のキャラクターコンテンツを活用し、新たなビジネスチャンスのヒントを得るため、電通と電通マクロミルインサイトは共同で、2020年末から2021年始めにかけて「グローバルコンテンツ調査」を実施。その結果を分析すると、国ごとに人気のあるキャラクターコンテンツの傾向が異なることや、その理由も見えてきました。

本連載では調査結果をご紹介しつつ、世界各国での駐在経験のある社員の声を交え、各国の文化の違いや日本のコンテンツ・キャラクターが人気を集める背景について掘り下げていきます。

第1回は、調査結果から見えた全体の傾向と、筆者である私が合計5年間駐在した中国・韓国の傾向について解説します。

中国では「名探偵コナン」、韓国・東南アジアでは「ドラえもん」「NARUTO」、英米では「ポケットモンスター」が人気

今回の調査では、「コンテンツ(漫画やアニメ、作品)」の人気度、「キャラクター(キャラクターグッズなど、さまざまな展開をしているもの)」の人気度を、認知度やイメージといった項目に分けてアンケートを実施し、分析しています。

【図表1】 各国の「漫画・アニメ」認知度ランキング

グローバルコンテンツ連載第1回図表1

この調査結果からは、テレビでの放映に加え、さまざまな動画配信サービスの発展や、コンテンツの展開などが増えてきたことにより、世界で日本のコンテンツの存在感が高まってきている様子が見えてきます。

今回は、日本の人気コンテンツに加え、海外の人気コンテンツも一部選択肢として用意し調査を行いましたが、認知度の1位は調査対象の8カ国でいずれも日本のコンテンツが獲得しました。特徴的に認知度が高いコンテンツを国別で見ると、中国では「名探偵コナン」、韓国・東南アジアでは「ドラえもん」「NARUTO」、英米では「ポケットモンスター」(全体スコアでは、「アナと雪の女王」が同率首位)です。

「名探偵コナン」はテレビ放映やネットでの配信だけでなく、世界中で劇場版が公開され、広く認知されています。「ドラえもん」は昭和の時代からずっと漫画やアニメが世界中の言語に翻訳されており、幅広い認知を獲得しています。忍者の世界を舞台にしながらも、現代的な世界観も含まれた「NARUTO」も、世界中の言語に翻訳され、ファンに愛されています。「ポケットモンスター」は、ゲームから始まり、アニメ化、ハリウッドでの実写映画化と、コンテンツとしての裾野をさらに広げています。

中国、韓国、ベトナムで人気のキャラクターは「クレヨンしんちゃん」

【図表2】各国の「キャラクター」認知度ランキング
グローバルコンテンツ連載第1回図表2

中国、韓国、ベトナムにおいて認知度が高いのが「クレヨンしんちゃん」です。海外コンテンツの「ミッキーマウス」や、「スパイダーマン」などを抑えて1位を獲得するほどのコンテンツパワーです。他に中国では「ウルトラマン」が、その他の国では「スパイダーマン(タイ、マレーシア、インドネシアで1位)」や、日本コンテンツでは「ハローキティ(韓国3位、インドネシア3位)」や「マリオ(アメリカ1位、ベトナム2位、イギリス・タイで3位)」の人気が高くなっています。

日本のコンテンツは「オリジナリティー」の高さで支持を集める

【図表3】主要コンテンツ・キャラクターの中国・韓国での年代別認知度

グローバルコンテンツ連載第1回図表3
【図表4】中国・韓国での「名探偵コナン」イメージチャート

グローバルコンテンツ連載第1回図表4

【図表5】中国・韓国での「進撃の巨人」イメージチャート

グローバルコンテンツ連載第1回図表5

【図表6】中国・韓国での「鬼滅の刃」イメージチャート

グローバルコンテンツ連載第1回図表6

【図表7】中国・韓国での「クレヨンしんちゃん」イメージチャート

グローバルコンテンツ連載第1回図表7

【図表8】中国・韓国での「ウルトラマン」イメージチャート

グローバルコンテンツ連載第1回図表8

ここからは、中国・韓国で特徴的に人気が高いコンテンツと、その人気の理由を深掘りしていきましょう。

今回は、私自身が駐在した中国での特徴や傾向を中心としたレポートとなってしまい恐縮ですが、同じ東アジアに属する中国と韓国は認知度の高いコンテンツの傾向は似通ったものがあります。

「名探偵コナン」「クレヨンしんちゃん」など、両国で共通して認知の高いコンテンツに加え、韓国では特徴的に認知度が高く、中国でも徐々に人気が広がりつつある「進撃の巨人」についても、それぞれの国でのイメージを確認していきます。

「名探偵コナン」は、中国・韓国どちらの国でも幅広い年代に認知され、「知的なコンテンツ」「新しいコンテンツ」「オリジナリティーのあるコンテンツ」として支持されています。

前述の通り、歴史あるこの作品はさまざまな形で各国の生活者に届けられてきましたが、それに加え、昨今のアジアでの「謎解き」ブームも、「名探偵コナン」の人気を後押ししているのではないでしょうか。日本で人気の「リアル脱出ゲーム」のような体験型イベントスペースが中国でも人気を博しており、2019年時点で、中国全土に1100カ所の謎解きゲーム施設ができているそうです。(出典:日本経済新聞 2020年12月1日付)

「進撃の巨人」は、韓国での認知が非常に高く、作品の「オリジナリティー」が高く評価されています。作品連載初期・アニメ放送開始当初から韓国での人気が沸騰していたと言われていますが、作品自体の重厚な世界観や魅力に加え、世界中に先駆けた、韓国での漫画・アニメ展開の早さというのが根強い人気につながっていると推察されます。

世界中で劇場版が公開され、話題となっている「鬼滅の刃」については(※本調査実施時の2020年1月は海外での劇場版公開前)、まだ認知度は高くないものの、中国で「共感性」が非常に高く評価されています。日本のコンテンツの中で描かれる、「家族や仲間との絆」は文化的背景の近いアジア各国での共感を呼びやすく、家族や仲間との絆がテーマの一つである「鬼滅の刃」も、今後のアニメ版の展開や劇場版はこれからさらに話題となっていくと思われます。

次に、中国における「クレヨンしんちゃん」のイメージは、日本や韓国でのイメージと異なり「知的さ」や「新しさ」が評価されています。家族をとても大事にする文化がある中国では、家族の生活を描いたアニメ・漫画が人気を集めやすい傾向にあります。家族像を描きながらも、特有のギャグやユーモアにあふれる作品性が、「知的さ」「新しさ」といったイメージ・人気につながっているのかもしれません。

「ウルトラマン」については、オリジナリティーがあり、親しみのあるコンテンツとして支持されています。長年のシリーズ展開により、中国でもウルトラマンシリーズは親世代・子世代が一緒に楽しめる「親子コンテンツ」となっていると言えます。

こうして見ると、全般的に人気コンテンツに共通するキーワードは「オリジナリティー」ということが分かります。国際放送や動画配信サービスが普及し、世界中であらゆる国のコンテンツが視聴できる現代だからこそ、独自の世界観や面白さといったニッポンコンテンツ特有の「オリジナリティー」に、世界の視聴者が改めて注目していることがうかがえます。

グローバルコンテンツ連載第1回画像2-4
北京市内でもニッポンコンテンツは散見される。ウルトラマンのヒーローショーが玩具店で開かれ、多くの人々の注目の的に。(写真は2017年5月撮影)

中国市場を牽引する「80后世代」は、ニッポンコンテンツを見て育った最初の世代

それでは中国でこれらのコンテンツが人気を集める背景を、少し違った視点で考察していきます。

中国におけるニッポンコンテンツ人気の背景を考える際、「世代観」と「時代背景」がとても重要な視点となります。

特に今回の調査対象に含まれる中国の30〜40代は「80后世代」と呼ばれ、長らく中国市場の中で注目されてきました。彼らは中国で改革開放の時代といわれる1990年代以降に、幼少期・青年期を過ごしました。このころから中国で、日本や海外のさまざまなコンテンツが放送されるようになったため、海外の文化を積極的に取り入れた最初の世代といわれています。この「80后世代」が幼少期に見ていたのが、「ウルトラマン」「クレヨンしんちゃん」「ちびまる子ちゃん」などのニッポンコンテンツでした。

また、その下の世代である「90后世代」「00后世代」になると、Youkuやbilibili動画などの動画配信サイトで、世界中のさまざまなコンテンツに、自分の趣味に合わせて接触するようになりました。

【図表9】中国生活者世代ごとの特徴
グローバルコンテンツ連載第1回図表9-1コンテンツ連載第1回図表9-2コンテンツ連載第1回図表9-3

「好奇心旺盛」で、「いいものは積極的に採り入れたいという柔軟さを持つ」という中国人の性質

私は2020年まで中国に駐在していましたが、中国の生活者の「好奇心の強さ」と「好きなものは追求したい」という熱量には常に圧倒されてきました。この「好奇心の強さ」が、ニッポンコンテンツの中国での人気にもつながっているのではないでしょうか。

例えば、中国では「日本文化」をテーマにした月刊誌が存在し、街の書店で販売されているのを見かけます(写真)。 

グローバルコンテンツ連載第1回画像5-6
写真左:日本文化を紹介し続ける雑誌「知日」、同右:書店には村上春樹の小説が並ぶ。(写真は2018年4月撮影)

また、駐在中の2018年に、RADWIMPSの中国ツアーがありました。2016年に、音楽を担当した映画「君の名は。」が中国で公開されて日本映画として記録的な興行収入を上げ、もともと中国でもファンの多かったRADWIMPS人気にさらに火がついた中で、中国を縦断するツアーが開催されました。

私も観に行ってみたのですが、このライブの中で私が最も驚いたのは、「前前前世」や「もしも」といった名曲の場面で、中国人のファンで埋め尽くされた会場が一体となって「日本語」の合唱が起きたことです。これには、日本人として鳥肌が立ちました。RADWIMPSのメンバーも、中国語でファンに応えるなど、一体感のある熱狂のライブでした(写真)。

これ以外にも、太平洋戦争下の広島で暮らす人々の日常を描いた漫画「この世界の片隅に」も、中国語に翻訳され出版されるなど(ちなみにこちらは、友人であり北京電通OGでもあるMaomaoさんが翻訳しています)、中国でのニッポンコンテンツに対する関心はますます高まりつつあります。

皆様の持つ中国へのイメージや印象はさまざなものがあるかもしれませんが、中国の生活者の「いいものは積極的に取り入れる柔軟さ」という性質も、中国でのニッポンコンテンツの人気の後押しとなっているかもしれません。

グローバルコンテンツ連載第1回写真7
「この世界の片隅で」の中国版。
グローバルコンテンツ連載第1回写真8
北京最大級の競技場「キャデラックアリーナ」を観客で埋め尽くしたRADWIMPS。(写真は2018年7月撮影)
<調査概要>
タイトル:グローバルコンテンツ調査
調査手法:インターネット調査
調査時期:[日本]2020年12月17日~24日
[米国][中国]2021年1月4日~13日
[韓国][タイ]2021年1月5日~14日
[ベトナム][インドネシア]2021年1月6日~16日
[マレーシア][英国] 2021年1月8日~18日
対象者:各国10代~40代男女
コンテンツ日常接触者(対象コンテンツ:漫画、アニメ、各種ゲーム)
調査内容:日本を中心としたコンテンツ(漫画・アニメ)、ゲーム、キャラクターのパワーの把握。日本や日本企業に対する期待度、各国消費者の価値観など。
調査機関:電通マクロミルインサイト、電通
 

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“ひと休み”をアップデートせよ。未知の体験をどう共創したか?

世界に「ひと休み」のアップデートを提案するBREATHERのブリージングデバイス「ZORN」と「ston」。
世界に「ひと休み」のアップデートを提案するBREATHERのブリージングデバイス「ZORN」と「ston」。

新規事業や新商品の開発には、企業によってさまざまな課題があります。

企画、プロトタイプ作製、PoC(実証実験)までは実行できても、商用化・量産化のノウハウがなく、実現に至らないケース。あるいは、量産できたとしても、発売後のコールセンターや修理などのカスタマーサービスをどうするかなど、多岐にわたる課題をクリアする必要があります。

本記事では、新規カテゴリー製品の価格受容性調査から、ODMメーカーアレンジ、工場立ち会い、プロダクトデザイン、パッケージデザイン、コールセンター会社のアレンジまで、“リアライズ(具現化)” 面を文字通り「一気通貫」に、多角的にサポートした電通の「リアライズコンサルティング」事例を紹介します。

今回取り上げるのは、 BREATHERが発売したブリージングデバイス「ston」と「ZORN」(※1)のリアライズです。

新規カテゴリー製品ならではの苦労、商用化に向けた取り組みについて、BREATHERのCTO・御神村友樹氏と、リアライズコンサルティングという形で本製品に携わった電通のビジネストランスフォーメーション・クリエーションセンターの堀田峰布子氏が語り合いました。

BREATHER 御神村友樹氏、電通 堀田峰布子氏
※1 ブリージングデバイス
BREATHERは2019年12月、頑張る人の「ひと休み」の質を高めることをコンセプトにした、ブリージングデバイス「ston」を発売。もうひと踏ん張りしたいときには、爽やかなミントフレーバーでカフェイン配合の「POWER」、気分を落ち着かせたいときには、心安らぐココナッツフレーバーでGABA配合の「CALM」の2種類の専用カートリッジを提供した。2021年6月、ひと休みセンサー搭載で「その人」に適切な休憩時間をレコメンドする新たなブリージングデバイス「ZORN」を発売。

<目次>
「新たな休憩体験」の開発。電通が量産化フェーズでの相談相手に
BREATHER第2弾製品「ZORN」では、デザイン段階から共創体制に!
リアライズコンサルティングの価値は、足りないところを全て補完してくれること


「新たな休憩体験」の開発。電通が量産化フェーズでの相談相手に

堀田:はじめに、BREATHERの紹介を改めてお願いできますか?

御神村:BREATHERは「頑張る人の、ひと休みをアップデートする。」というステートメントを掲げるスタートアップです。近年はDXをはじめ、「いかに効率良く働くか」に世の中の関心が集まっていますが、われわれが着目したのは「いかに戦略的に休むか」ということ。

頑張りたいときや落ち着きたいときなど、休憩にはさまざまなニーズや動機があります。そこで、一つのデバイスを気分やシーンに応じて使い分けられるプロダクトを検討した結果、「リキッドを蒸気化し、その蒸気を深く吸うことを愉しむブリージングデバイス」にたどり着きました。

堀田:“深呼吸”に着目した休憩は、多くの人にとって新しい体験になりますよね。これまでにないカテゴリーのプロダクトを開発する上で、どんな工夫をしたのでしょうか?

御神村:新たな休憩体験を提供することになるので、いかにユーザーの日常に溶け込めるかが重要です。そう考えると、無機質な工業品よりは自然物に近いものや、手になじむもののほうが親近感を覚えやすいなと。いろいろと試行錯誤した末、“小石”というモチーフで生まれたのが「ston」です。

2019年12月、ビジネスパーソンの「ひと休み」の質を高めることをコンセプトに、ブリージングデバイス「ston」を発売。
2019年12月、ビジネスパーソンの「ひと休み」の質を高めることをコンセプトに、ブリージングデバイス「ston」を発売。もうひと踏ん張りしたいときは、爽やかなミントフレーバーでカフェイン配合の「POWER」、気分を落ち着かせたいときは、心安らぐココナッツフレーバーでGABA配合の「CALM」と、2種類の専用カートリッジを使い分けられる。

堀田:これまでに見たことがない、ワクワクするようなデザインですよね。

御神村:はい、われわれもプロトタイプの段階で非常に素晴らしいプロダクトになると確信しました(笑)。しかし、いざ量産化するフェーズに入ると、考えなければならないことが非常に多く、どこから手をつけようか、といった感じでした。

特に、われわれのように研究開発に特化した企業ですとカスタマーサポート構築と広告表現規制に関しての知見が欠落していましたので。とにかく経験ある方に相談したいと、知人を介して堀田さんを紹介していただいたのが最初の出会いでしたね。

堀田:初めてお話を伺ったとき、すごく面白いことを考えていらっしゃるなと思いました。「戦略的に休憩を取ることで自分自身をマネジメントしていく」という着眼点が新しいですし、それをコーヒーやチョコレートのように飲む、食べるということではなく、“吸う”という行為をきっかけにして行うことが新鮮ですよね。

特に、“深呼吸”それ自体は自然に行っているものの、休憩と結び付けて考えていない方が多いので、その行為をいかにデザインするか、という非常にやりがいのあるプロジェクトだと感じました。

御神村:当時は、私たちの中でやりたいことは明確にあるけれど、それをプロダクトとして形にする壮大な道のりのスタート地点にいました。なので、メーカーでプロダクトデザイナーとしての経験も豊富にあり、今は広告会社で事業のコンサルティングでもご活躍されている堀田さんは、まさに理想のパートナーでした。工場のライン一つとっても、その世界の常識や言葉が分かっていらっしゃるので大変心強かったです。

堀田:振り返ってみると、さまざまな場面で“翻訳者”のような立ち位置でサポートさせていただくことが多かったかもしれません。「こうしたい」という御神村さんたちの思いを、ものづくり業界の言葉に翻訳してエンジニアや工場の方に伝える。そうすることで物事がスムーズに進むことがよくありました。

逆に、御神村さんはCTOという肩書ですが、テクノロジーはもちろんですが、サイエンスにも知見をお持ちで、私のこれまで知らなかった領域について教えていただいたりして、大きく視野が広がる経験をさせていただきました。

BREATHER第2弾製品「ZORN」では、デザイン段階から共創体制に!

新商品の「ZORN」は、ひと休みセンサーを搭載し、ユーザーそれぞれに適切な休憩時間をレコメンドしてくれる、ブリージングデバイス。

新商品の「ZORN」は、ひと休みセンサーを搭載し、ユーザーそれぞれに適切な休憩時間をレコメンドしてくれる、ブリージングデバイス。
新商品の「ZORN」は、ひと休みセンサーを搭載し、ユーザーそれぞれに適切な休憩時間をレコメンドしてくれる、ブリージングデバイス。新しい「吸うかたち」をデザインした洗練されたフォルムはもとより、重心バランス、手触り、音にまでこだわり抜いた五感で楽しむプロダクトとなっている。

堀田:そして今回の新商品「ZORN」では、開発の初期段階から参加させていただきました。ZORNのデザインに当たっては、「電源オン」「測定開始」「測定中」「数パターンの測定結果表示」「吸引中」といった状態の遷移をどのようにフィードバックすればユーザーに伝わるのか。人間が操作できるクリックの回数、視認しやすい色の数、点滅の仕方、心地よさも含めて、人間工学や人間中心設計のアプローチから最適な組み合わせを検討しました。

御神村:五感で楽しむプロダクトにしたかったので、操作性だけでなくフォルム、質感、重量、重心バランス、クリック感、キャップを開け閉めするときの振動や音など、細部にわたって心地よいものを追求しましたよね。

堀田:ずっと触っていたくなるキャップの“手遊び感”はかなり議論させていただきました。デザイン案やプロトタイプをすぐに評価していただける体制だったので、トライアンドエラーを繰り返して、UI/UXを向上させることができたと思います。

御神村:パッケージデザインも好評なのですが、高級感や美しさを保ちながらつくりが難し過ぎないようにしたい、というオーダーにも応えてくれました。さまざまなパラメーターを考慮しながら、その中のベストを提案してくださったのがうれしかったです。

リアライズコンサルティングの価値は、足りないところを全て補完してくれること

堀田:二つのブリージングデバイスをリリースしましたが、今後はどのような展開を考えているのでしょうか?

御神村:ユーザーのコメントやデータが徐々に集まってきているので、製品改良の余地があるところは地道に改善していくというのが一つ。それから、“休憩体験”のバリエーションをもっと広げていきたいと考えています。

堀田:ブリージングデバイスを休憩目的だけではなく“アロマ体験”としても捉えると、さらに可能性が広がりそうですよね。

御神村:そうですね。例えばリフレッシュしたいときに、飲み物とブリージングデバイスを組み合わせて、より質の高い「ひと休み」を過ごすこともできると思います。飲み物という味覚が追加されることで、本当の意味で「五感で楽しむZORNの体験」ができそうですよね。

堀田:「香りと味のマリアージュ」、面白そうですね!最後に、ブランドにとっての、今回電通が提供したリアライズコンサルティングの意義を改めて教えていただけますか?

御神村:どんなアイデアも「リアライズ」、つまり具現化しないと本当に価値があるかどうか、誰かの幸せに貢献できるかどうかはわかりません。どんなに斬新で良いアイデアがあったとしてもそれで完成するわけではなく、きちんと安心安全にお客様に幸せを届けきるためには、このリアライズフェーズで「転ばぬ先の杖」が非常にモノを言ってくる。

その点で、堀田さんを中心にリアライズコンサルティングチームの皆さんは、その具現化フェーズでの足りないところ、特に我々が見落としているかもしれない点を指摘/補完してもらえる存在だったと思います。これほど頼もしい存在はありません。

全工程を自力でやろうと思えば、それも可能だったかもしれませんが、1%の見落としが致命傷になるのがハードウエア量産です。多くの法規制や、経験者しか知り得ない落とし穴がたくさんあります。だからこそ、多くのハードウエアベンチャーや新規事業が、このリアライズの段階で頓挫してしまうのではないでしょうか。

BREATHERせ製品での主なサポート項目

堀田:新しいアプリやサービス、また、プロダクトのプロトタイプを作ることは、広告会社やコンサルティング会社でもすでにやっている仕事かもしれません。ただし、ハードウエアも含めた量産化・商用化というリアライズフェーズをコンサルティングさせていただくことは、ある意味“電通らしくない”仕事かもしれません。

今回、BREATHERからチャレンジする機会を頂いたおかげで、リアライズコンサルティングの型をさらに増やせたと思っています。私や電通が持っているスキル・経験は全て差し出しました!(笑)

御神村:本当に助かりました!いつもありがとうございます。

堀田:こちらこそ、ありがとうございました!


電通のリアライズコンサルティングでは、新規事業開発・新規プロダクト開発の各フェーズで、以下のようなサポートを提供することができます。
 
電通のリアライズコンサルティングの範囲とメニュー項目一覧
今回紹介したBREATHERの事例のように、クライアントのニーズや課題に応じて提供メニューはカスタマイズが可能です。興味のある方は、DENTSU DESIGN FIRMまでお気軽にお問い合わせください。
 
メール:info@dentsu-design-firm.com
ウェブサイト:https://dentsu-design-firm.com/


STARTUP x DENTSU

スタートアップエコシステムが拡大する中、電通グループではスタートアップを支援するための多くの取り組みを始めています。
 
「スタートアップと共に成長する」投資や事業開発、「スタートアップと一緒に盛り上げる」アクセラレーターイベントの実施、そして「スタートアップのための」最適なマーケティングソリューションの提案など。
 
個別のサービスについては以下のリンク集をご覧ください。

<投資・事業開発>
■電通ベンチャーズ HP ウェブ電通報連載
……海外企業を中心にグローバルにベンチャー投資を行う、コーポレート・ベンチャーキャピタル・ファンドです。
 
<アクセラレーター>
■SPORTS TECH TOKYO  HP ウェブ電通報連載
……スポーツ×テクノロジーをテーマとしたアクラレーションプログラム。企業やスポーツ関連団体とともにさまざまな事業機会を創出します。
 
■GRASSHOPPER HP 
……世の中を驚かせるサービスやプロダクトを生むスタートアップを、多角的に支援するアクセラレーションプログラムです。
 
<ソリューション・コンサルティング>
■TANTEKI HP ウェブ電通報連載
……スタートアップの新し過ぎる技術やアイデアを、コピーやデザインの力で「伝わる」形にします。
 
■電通グロースデザインユニット リリース ウェブ電通報連載
……スタートアップの各ステージへ、スキルを持った「ヒト」を投資し、ハンズオンコンサルティングで、成長を支援します。

 

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日本人へのコロナ対策は「東京五輪の強硬開催」?無事終了なら大きな安心感を獲得

 JOC(日本オリンピック委員会)が大いに期待した池江璃花子選手の代表入りでの世論の風向きの変化は起こらず、6月の声を聞き、海外の選手団も来日し始め、日本的組織遺伝子である「なし崩しの既成事実化」のフェーズに入った。公権力を握る人々は戦前と同様に「走っている電車を誰も止めようとしない」ので、もはや後戻りはなく、東京オリンピック・パラリンピックの強硬開催は決定的といえそうである。風を読むマスコミなので、論調も東京オリパラに前向きなものが散見され始めた。

 この東京オリパラとは、なんなのであろうか。次々に掲げられた東京オリパラの旗々はすでにない。当初の「311からの復興」の旗は、被災地の方々からそっぽを向かれ下げざるを得なくなり、招致時に猪瀬直樹・東京都知事(当時)が謳っていた「世界一金のかからない東京五輪」は、蓋を開ければ、都の負担額まで合わせると総額で3兆円を超えることとなり、これまでの五輪で最もお金のかかる大会となるというジョーク状態である。この負担は政治家が自由に使える国の金ではなく、国民負担であることを国民は真剣に考えるべきであろう。最後に取りあえず掲げた泥縄の「人類がコロナとの闘いに打ち勝った証し」は、ワクチン接種の進む欧米であればいざ知らず、ワクチンの接種が遅々とした状態である一方で、医療は崩壊の危機といわれ、緊急事態宣言を延長し、御用専門家にも歯向かわれ、コロナをコントロールができているとはいえない状態では、まったく旗印にはならない。このように、東京五輪の旗はもはやないといえよう。

 一方、五輪精神なる美論(政治を超越するスポーツによる「平和」「夢」「勇気」「団結」「共生」「立ち直る力」など)のメッキは、結局IOC(国際オリンピック委員会)は巨大ビジネスで利権とお金が重要ということを再確認させてくれた「ぼったくり男爵」ことバッハIOC会長のお陰で剥げたといえよう。開催地に手を挙げる国が減っているのも、むべなるかなである。

 今回の東京オリパラでのIOCの専横をみて、開催に手を挙げる国は減るのではないであろうか。今回のIOCの行動は、五輪の将来にとって禍根となるのではないかと筆者は思っている。そもそも先進国入りをする国ではなく、老いゆく先進国でしか行えないオリパラの意味とはなんであるかを考える必要があろう。今さら国威発揚であろうか。

 おまけは、バッハIOC会長の発言は、国家主権を超越するという前代未聞のスピーチである。総理大臣からしてオリパラの決定はIOCの権限といって、主権侵害に近い発言に目をつぶる状態である。日本国の主権も安くなったものである。右派の自民党の政治家の行動とはとても思えない。自民党は国体護持の保守の看板を下げたほうが良いのではないか。

日本人の意見は聞かないIOC

 よくよく見れば、コロナと東京五輪への菅政権の対応は、支離滅裂である。「東京五輪はやります」が、「皆さんコロナは危険ですから、緊急事態宣言は延長します」という矛盾である。五輪ができるならそれほど危険ではないと考えるのが、普通の人間である。ゆえに通勤電車等を見ればわかるが、人の移動量はむしろ増えていそうである。事実、宣言延長も形式的で、ほとんど実効性がなくなりつつある。

 その一方で、ビジネス規制では、居酒屋など飲食店の時短営業、昼夜での酒類販売禁止という、効果もわからず検証もされないことをやるのは、「やってる感」政治というマスコミ主導大衆民主制度の末期症状である。軽薄に『8時だョ!全員集合』をもじって悦に入る現東京都知事は、この点に関しては長けているといえそうである。胴元のIOCはといえば、東京五輪開催に関しては、開催地の日本人の意見は聞かないといっている。

 この2つの対応を、五輪を招致し、国産ワクチンができるから1年延長で大丈夫と自信を示した、日本の面子が国民の命より大事と考える政権政党の政治家を筆頭とする関係者は思慮が浅い。一方、IOCにとって東洋の端にある開催地の日本の国民がどうなろうが知ったことではなく、重要なのは、犠牲を払ってでもオリンピックを中止しないで開催することであるという、IOC幹部の傲慢な本音ととらえることもできないではない。しかし、筆者は、日本サイドもIOCサイドもそこまで傲慢であるとは思えない。

 自民党の政治家は知らないが、厚労省の役人もIOCの幹部も、事実としての数字は見ているはずである。日本人のように感情を前提には考えていないはずである。

すでに決まっていたシナリオ

 この観点で、日本のコロナの状況を考えてみよう。コロナ感染が始まって以来の死者数の累計は、1万4000人に満たない。死者の多かったイギリスと同様の死者数を日本に置き換えると、25万人を超える。もし日本で現在25万人が亡くなっていれば、社会の雰囲気は大分違うのではないか。

 また、2020年の超過死亡数は、約1万人のマイナスである。要は、コロナ対策で普通は死ぬはずの1万人の命を救ったわけである。これは、世界に誇れることであろう。余談だが、興味のある方は、コロナ対策費用を1万人で割り、一人当たりの救命費用を算出されると良いかと思う。つまり、日本の状況は、数値的には悲惨な状況ではないという認識であろう。その表れが、辞任した高橋洋一内閣官房参与の「屁みたいなもの」ツイートであろうし、厚労省の役人がコロナ渦中で、大人数で飲み会に行った問題であろう。IOC幹部の認識も同様であろうと思われる。そうであるとすれば、政府とIOCでタッグを組んだ東京オリパラの強硬開催は、すでに決まっていたシナリオであったと考えることができる。

 考えられるリスクは、政府の対応が正しかったから死亡者が少ないわけではなく、単なる運なのでコロナのコントロールはできていないという点である。インドなどの変異株次第では、開催前に陽性者数が急速に増える可能性はあろう。事実、まだ相対的には安全とはいえ、ワクチン接種の大幅な遅れも含めて、コロナのコントロールができていないことで徐々に「COVIDレジリエンス(耐性)ランキング」を落とし、最新では7位から14位に後退している。

安心感の獲得に理屈はいらない

 これから、本稿の核心に入りたいと思う。日本の社会は事実や数字ではなく、庶民感情などの感情が支配する社会である。この社会では、「安心」は重要なキーワードである。事実、菅首相は「選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じ、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく。これが開催にあたっての私の基本的な考え方」とオウムのように繰り返すが、そこでのキーワードは「安心」である。

 日本人は安全と安心を併記するが、その違いをおそらくわかっていない。わかっていれば、併記はできないであろう。それでは、安全と安心とは何かを考えてみよう。まず、「安全」とは、リスクを対象として取り上げ、そのリスクを最小化して客観的にリスクと受益の軽重を判断して、そのレベルのリスクであれば受け入れるということを意味する。リスクがないことはないので、100%安全はあり得ない。安全を求めれば、リスクを見つけ、それを最小化しようするから考えるわけである。

 一方、「安心」は、リスクを対象化することなく、主観的にリスクがないと判断できる状態を求める、つまり、基本的にはリスクをとるのではなく、リスクを回避することを意味する。ゆえに安心のなかでは、100%安全はあり得る。神社のお祓いと同じメカニズムなので目の前にリスクがないと思えれば安心なので、自粛警察のような行動が頻出するわけである。しかし、リスクはなくなるわけではないので、安心であれば安全であるわけではない。安全の観点からは、マスクはどこでもしていることに意味があるわけではないが、安心の観点からは、マスクをどこでもし、皆もしていれば安心するのである。マスクをしていれば安全なわけではないのだが、安心は、科学的根拠は意味をなさない感情の世界である。安全感とは言わず安全性と言い、安心性とはいわず安心感という理由がここにある。安心を求めると、リスクは排除するだけなので、考えることをしない。

 ゆえに「リスク・テイクの安全」と「リスク排除の安心」を併記することは言葉の意味への感度が高ければ、ありえないくらい気持ちの悪いことである。しかし、安全と安心の併記は日常茶飯事なので、多くの日本人の言葉の意味への感度は極めて低いといえよう。

 このような安心教の信徒である日本人にコロナの安心感を与えるにはどうすればよいのであろうか。数字や事実の積み上げはあまり意味をなさない。ワクチンはその一つの方法かもしれないが、ワクチン恐怖症を植え付けられた日本人にどれだけ安心を与えるかは疑問である。そもそも接種にあまりにも時間がかかりすぎるのではないか。コロナはインフルエンザ同様に消えてなくなることはなく、コロナと同居することになるので、一巡すること頃には3回目の接種が始まるのではないだろうか。終わることのない堂々巡りである。

 筆者はひそかに、今回の東京オリパラ強行突破開催が、大きな混乱もなく、現状の死者数増加率を維持して終了するのであれば、国民はオリンピックが大きな問題もなくできたのだから、コロナは大丈夫なんじゃないかと安心するのではないかと思っている。日本人選手のメダルラッシュという一過性の盛り上がりよりも、この安心感の獲得のほうが重要であると考える。安心感の獲得に理屈はいらないので、いっきに不安から安心に振れることは十分にあり得るのではないかと考えている。

 政治家がこれを想定して、強硬開催にまい進していると思えない。自民党の政治家を含む日本の為政者たちは、今回の東京オリパラを歴史に残したい(自分たちの名も教科書に残る)だけではなく、実は歴史上に汚点を残す夏季五輪の二度の中止(戦時下の1940年の東京)は是が非でも避けたいのかもしれない。1964年の栄光の東京オリンピックのノスタルジーに浸る世代である彼らにとっては、ありえなくもない話である。良い意味でも悪い意味でも、今回の東京五輪は、この世代へのレクイエムになるのであろう。いや、そうならないと日本の将来はなさそうである。

 今回の東京オリパラの強硬開催は、政治家の丁半博打なので、国民として、裏目に出た時には、故半藤一利氏が昭和史の最大の教訓として指摘した「(やるまでの)根拠なき自己過信と(まずくいったときの)底知れぬ無責任」を決め込む政治家たちに直面する覚悟をしておく必要があろう。
(文=小笠原泰/明治大学国際日本学部教授)

有吉弘行&夏目三久“結婚報道”全真相…芸能界のドンが日刊スポーツに流した“ある情報”

 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

 この4月から5月にかけて、有吉弘行さんと夏目三久さん、さらに新垣結衣さんと星野源さんと、世間を驚かせるような電撃婚が立て続けに発表されましたね。どちらもビッグカップルであることは間違いありませんが、芸能マネージャー的に注目度が高いのは、断然有吉さんと夏目さんのご結婚のほうです。

 有吉さんと夏目さんといえば、以前、熱愛を通り越して「妊娠」という決定的なニュースが報じられたにもかかわらず、ワイドショーがそれを一切取り上げない……というなんとも奇々怪々な出来事があったの、憶えておいでですか?

 今回のふたりの結婚発表でも、過去のこの“妊娠報道”については、テレビやスポーツ紙系統の大手マスコミはほとんどスルーしてましたよね。有吉さんと夏目さんは交際が明るみになることもなく、密かに愛をはぐくんできてようやく結ばれた……みたいな。

 一方で週刊誌などの紙媒体は、「あの妊娠報道はなんだったのか?」をさかんに報じていました。いわく「本人リーク説」、いわく「芸能界のドンの怒り」……。

 まあ書かれていたそれらのことは、当たらずとも遠からず……なんだと思いますが、今回は私なりの視点で、あらためて“あの妊娠報道”を踏まえた「有吉・夏目結婚」を考えてみたいと思います。

日刊スポーツの「夏目三久アナ妊娠」のスクープを、有吉も夏目も全否定

 有吉弘行さんは、先日めでたく47歳になられたばかり、デビュー当初から太田プロダクション所属です。太田プロといえば、かつてはビートたけしさんなどが所属するなど「お笑い系の芸能プロ」というイメージも強いかと思いますが、高島礼子さんなど役者さんも何人かいて、また太田プロ現社長・磯野太氏のお姉さんである磯野久美子氏が秋元康氏と昵懇の仲であることから、AKBグループ出身のタレントさんが多いことでも知られていますよね。

 そして夏目三久さんは現在36歳。もともと日本テレビの“売れっ子女子アナ”でしたが、2009年に起きた“コンドーム写真”騒動(後述)がきっかけとなり、2011年1月に日本テレビを退社。しかし、タモリさんなども所属する大手芸能プロ、田辺エージェンシーに即所属し、その後も華々しいご活躍を続けてこられました。

 さて、まずは5年前の“最初の報道”についてです。

 2016年8月24日、有吉さんは42歳、夏目さんは31歳だった夏休みの終わり頃、突如として「日刊スポーツ」1面に、特大スクープが掲載されます。「夏目三久アナが有吉の子ども妊娠」。

 このビッグカップルの交際・妊娠報道に世間はザワザワし始めますが、しかしその日のワイドショーはこの特大ニュースを完全スルー。双方の事務所も「事実無根」と切り捨てます。さらに有吉さんは、同28日に自身の冠ラジオ(JFN系『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』)において、「熱愛、妊娠、結婚というのはまったくないこと」とコメントします。

 そして報道から約1週間が経った9月1日、夏目さんの独占インタビューが世に出ます。掲載先は、「日刊スポーツ」のライバル紙「スポーツニッポン」。「女性にとってこれ以上ない極めて私的な内容が断定して書かれてあったので、とても驚きましたし、あまりにひどい内容に大変ショックを受けました」と、有吉さんと同様に妊娠報道を完全否定してみせます。

 極めつけは、最初の報道から約3カ月が経過した11月24日です。

 なんと、その妊娠報道をした「日刊スポーツ」が、「夏目三久さんに関する報道のお詫びと訂正」と題した謝罪記事を掲載。みずからが、「あれは誤報でした」と認めたのです。こうして、この件は“なかったこと”となり、おふたりも何事もなかったかのように芸能活動を続けていくこととなりました。

ムッシュかまやつ氏のお別れの会においてスパイダースが再結成、田辺社長がドラムを叩いた

 ところが一方で、当初の妊娠報道の直後から、業界内をある噂が駆け巡ります。それは、「日刊スポーツの報道に、田辺エージェンシーの田辺社長が激怒している。“この件は一切報じるべからず”の通達が出ており、テレビや新聞メディアは後追い報道なんて怖くてできない」というもの。事実、そうした情報をもとにことのウラ側を記事化する週刊誌などもありました。

 さてさて、“情報統制”に余念がない一部大手芸能プロと、そうした芸能プロに忖度しつつ報道合戦を繰り広げているテレビ・スポーツ紙メディアによって成り立っている……という部分も大きい日本の芸能報道においてさえも、なかなか見られないような奇々怪々な流れをたどったこの一件。その裏に何があったのかというと……噂通り、「田辺エージェンシーの田辺社長が激怒した」というのは、ほぼほぼ真実だと考えて間違いないと、僕は考えています。

 では、なぜそれほどまでに激怒したのか……?

 それを説明する前に、まずは田辺エージェンシーの田辺社長のご経歴を説明しておきましょうか。

 現在御年82歳の田辺昭知(しょうち)社長は、なんともともとはバンドマン。1960年代に一斉を風靡し、いわゆるグループサウンズの礎をなしたともいわれるバンド「ザ・スパイダース」のドラマーでした。スパイダースといえば、“ムッシュかまやつ”ことかまやつひろしさん、堺正章さん、井上順さんらが所属していた伝説のバンドですよね。

 当初はホリプロ(ホリプロダクション)に所属していたスパイダースですが、リーダー、田辺氏に率いられ、ホリプロ内に芸能プロ「スパイダクション」を設立。スパイダース解散後の1970年代以降、田辺氏は完全にマネジメント側に回り、1973年にスパイダクションを田辺エージェンシーと改称し、完全独立を果たします。

 まあとにかく先見の明をお持ちだったということなのでしょうね。以降、タモリさんや研ナオコさんを見いだすなどして会社は安定、芸能界に多くのコネクションを張り巡らし、田辺エージェンシーは、業界内で隠然たる一大勢力を形成するにいたります。

 そして現在、所属タレントは決して多くはないものの、永作博美さんや堺雅人さんなどの大物役者を抱えつつ、そのトップになお立つ田辺社長は、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏(故人)、バーニングプロダクションの周防郁雄氏などと並び称される「芸能界のドン」として知られるようになりました。

 マネジメント側に回ってからはメディアに顔を出すことなどほぼなかった田辺社長ですが、2017年にかまやつひろしさんが亡くなった際、そのお別れの会において、ザ・スパイダースが再結成! 代表曲「フリフリ」などを披露したバンドの後方にはなんと、ドラムを叩く田辺社長のお姿がしっかりあり、業界内がおおいにざわつきました。なんてったって、“芸能界のドン”がドラムを叩く姿なんて、そうそうお目にかかれるものじゃありませんから……。

 ちなみに田辺社長は1991年、当時田辺エージェンシーに所属していた小林麻美さんと結婚されています。小林さんは当時38歳、洗練された雰囲気の都会派のモデルとして、そして松任谷由実さんが詞を書いた楽曲「雨音はショパンの調べ」(1984年)のヒットなどもある歌手として活躍中でしたが、まあ、ありていにいえば、所属プロの社長である田辺さんとできちゃったわけですね。当時田辺社長は50代前半。長い交際期間を経てのことといわれていますが、この結婚を機に小林さんは芸能界を引退、子育てに専念されることとなりました。

 ところがそんな小林さんが5年前、まさかの大復活を遂げます。まさに「有吉・夏目熱愛妊娠騒動」の直前に当たる2016年7月、マガジンハウスが発行するアラフィフ向けファッション誌「クウネル」の表紙を突如飾られたのです。このとき小林さんは60代前半。この一件にも芸能界はざわつきましたねー。「え? 田辺社長的にこれってOKなの? さすが芸能界のドンは懐が深いねー」なんて。

日刊スポーツの「夏目三久アナ妊娠」のニュースに、芸能界のドンは激怒した

 さてさて、そんなわけで、有吉さんと夏目さんの一件です。

 売れるタレントを見きわめる抜群の“選球眼”をお持ちで、ここぞというときは権力を駆使してでもそのタレントをプッシュしていく辣腕で現役感バリバリの田辺エージェンシー・田辺社長は、夏目三久さんを“逸材”だと見定めたのでしょう。

 夏目さんは2009年7月、コンドームを手にほほえむプライベート写真が「FLASH」(光文社)に掲載され、絶体絶命のピンチに陥ります。当時所属していた日本テレビで居場所をなくし、結果として2011年1月に退職、フリーに転身しますが……その所属プロが田辺エージェンシーと判明したときの、業界内の驚きといったら! 「なるほどー、田辺さんところかー、セント・フォース(女子アナさんが多数所属し、10年ほど前には一斉を風靡した事務所です)とかじゃないのねー、さすが田辺さん」とかなんとか(笑)。

 そして夏目さんは田辺エージェンシーの所属となった途端、『マツコ&有吉の怒り新党』(2011年4月〜、テレビ朝日系)や『真相報道バンキシャ!』(2013年4月〜、日本テレビ系)、『あさチャン!』(2014年3月〜、TBS系)と、現在にもつながってくるレギュラー番組を多数獲得していきます。これには田辺社長以下、田辺エージェンシー全社挙げての手厚いサポートがあったのは明々白々で、このことだけでも、田辺社長がいかに夏目さんに目をかけていたかがわかりますよね。

 そんな夏目さんについての熱愛報道だったわけですから、もし田辺社長の知らぬところで起きたことであったならば、そりゃあ田辺社長も怒りますよね。うちの娘に手を出したのは誰じゃい! それをオレの許可なくニュースにするとはなんじゃい!てなもんです。

 とにもかくにも2016年8月、青天の霹靂のように報じられた「夏目三久アナが有吉の子ども妊娠」のニュース。しかし、テレビ、スポーツ紙の他メディアはなぜかこれを完全黙殺。駆け巡る「田辺社長激怒」の噂。

 でも、でもですよ? 日刊スポーツ側だって、それなりに確たる情報をつかんでいたはずなんです。そもそも、「熱愛」だけでなく「妊娠」とセットですよ? 普通ならば、女性タレントの妊娠をスクープするにしても、記者が産婦人科に通う当人の姿をキャッチし、親類縁者のコメントを取るなり事務所サイドに当てるなりして「確定情報」として報じられるのが一般的です。

 となると日刊スポーツは、誰からの情報をもとにこの件を報じたのか? 一説にはあの件は、夏目さんの友人とか親類とか、それなりに夏目さん本人に近い人からのリークだったのでは……なんて噂も当時、業界内を駆け巡りました。

 その後、夏目さんも有吉さんも報道を完全否定。これは、田辺社長の“お怒り”も踏まえて、おふたりがともに納得の上でなさった行動なのでしょうね……。

 とにかく報道から約3カ月後の11月、日刊スポーツは“正式に”誤報を認め謝罪。日刊スポーツ社内では、この件の責任者の更迭人事も行われたといいますから、社内でもよほどの大問題とされたのでしょう。以後、日刊スポーツは田辺エージェンシーをしばらく“出禁”となったといいます。

「有吉弘行・夏目三久結婚情報」を田辺エージェンシー側は、日刊スポーツに“だけ”情報を流した?

 そして5年後……。

 2021年4月2日付けのあるスポーツ紙の最終版に、「有吉結婚か」の見出しが踊ります。内容はといえば、「『最後の大物独身芸人』の1人に数えられる有吉弘行(46)の結婚情報が1日、浮上した」というもの。結婚相手には触れず、掲載は紙面のみ、ネット配信はナシ。何も知らされていなかった他メディアは後追いに走る。SNSも騒然。

 そしてその特大スクープを報じたのは……なんと、日刊スポーツ! え? なんで? 5年前に“誤報”でヤラかしたあの日刊スポーツが? どゆこと?

 そして同2日には、有吉さんと夏目さんが連名で、4月1日に結婚したことを互いの所属事務所を通じて発表……。

 前回の“誤報”のリベンジのために日刊スポーツが取材を頑張ったから? いえいえ違います。だったらこんな大ニュースなんですから、ネット中心のこのご時世、いきなりネットで報じてしまえばいいじゃないですか。しかし日刊スポーツはそうせず、“礼儀正しく”紙面で第一報を報じた。

 しかも、有吉さんのお相手が夏目さんであることも含めてご結婚を確定情報として最初に報じたのは、日刊スポーツではなく、4月2日夕方配信のスポーツニッポンなんです。そう、5年前のあの騒動の際、夏目さんによる「全面否定インタビュー」を掲載した、日刊スポーツの“永遠のライバル”です。

 これね、僕聞いたんです、どういうことなのか。答えは簡単。田辺エージェンシー側が、日刊スポーツに“だけ”情報を流したということです。

 わかりますかね、この構図。おそらく田辺社長は、要するにこういうことをおっしゃったわけですよ。

「5年前のときはいろいろあったけど、結果的に有吉とうちの夏目は結婚することになった。あの時はきっちり謝罪記事も出してくれたし、今回、第一報は日刊さんでいってくれていいよ。でもスポニチさんにもいろいろ義理があるから、あっちの顔も立つように、日刊さんは夏目の伏せてくれませんか。それから日刊さんは紙面だけで、ネットのほうはスポニチさんで、ということでどうですかね……」

 とまあ、要はこういうことだったんじゃないかと僕は推測します。であるとするならば、これこそ“ザ・芸能界”、大手芸能プロ、“芸能界のドン”のマスコミ操作術っていうわけです。

 こんな対応されたら日刊スポーツだって、「田辺さん、わかりました。ありがとうございます。それではそういう形で書かせていただきます!」ってなるじゃないですか。ねえ?

大手芸能プロとスポーツ紙の“持ちつ持たれつ”の関係…芸能メディアは芸能界のドンによって牛耳られている?

 ただし読者のみなさんに誤解してほしくないのは、スポーツ紙をはじめとする芸能メディア側が、なんでもかんでも大手芸能プロ側のいいなりだ……ということとは全然違うってことです。もちろんメディア側だって、芸能プロ側が書かれたくないことを書くことはありますし、ましてやタレントが犯罪を犯したともなれば、手加減なんてしません。

 けれどその一方で、取材だけではどうしても取れない情報というものがあり、芸能プロ側がそれをメディア側にこっそり横流ししてあげることによって、メディアをコントロールしていく、ということもあります。「あのとき情報をあげたんだから、今度はこちらのいうこと聞いてよ」とか「あの新人のインタビューをドカンと掲載してくれない?」といった感じですね。

 で、メディア側もそれをわかっていて、情報をもらうところはもらい、書くべきときにはきちんと書いて、上手に“お付き合い”している。「マスコミは芸能プロの言いなりだ」ってことではなく、「大手芸能プロによってメディアは牛耳られている」ってことでもなく、そういった相互依存のバランス関係のなかで成立しているのが、芸能プロと芸能マスコミの関係だってことですね。それを背景に感じながらニュースを読み解くのが、メディアリテラシーってことなんじゃないかなあと、僕は思うのですが。

 今回の件では、特に濃厚な形で、田辺エージェンシーとスポーツ紙との間のそうした関係が垣間見えたわけですが、今回のこれが、週刊誌でもネットメディアでもなく、“スポーツ紙”が舞台であった……というところが、古き良き時代の芸能界を感じさせられます。ひと昔前までの芸能界では、特大スクープを報じるのは決まってスポーツ紙でしたからね。田辺社長は芸能界やメディアを古くから知る人物であって、スポーツ紙との付き合いもそれはそれは長いでしょうから。だからこそ、今回の情報の出先はスポーツ紙であった、ということでしょうね。

 ちなみに、先ほど申し上げた“持ちつ持たれつの関係”というのは、“文春砲”の「週刊文春」や、昨今なんでもかんでも書き放題のネットメディアにはなかなか通用しないですね。「週刊文春」のスクープなんて、どんな大きな芸能プロであろうと、“握りつぶす”なんて不可能ですよ……。

田辺エージェンシー・田辺社長と、モデルとして大活躍中の妻・小林麻美さんとのご関係は?

 というわけで、アメとムチとを上手に使い分けてメディアをコントロールしている田辺社長なわけですが……こと奥さまのこととなると、なかなかそうでもないらしい……という情報も小耳にはさみました。

 先ほど説明した田辺社長の妻・小林麻美さんは、60歳を過ぎてから雑誌「クウネル」にてモデル復帰してからというもの、相変わらずのその美貌からこの世代の“カリスマモデル”となり、一方でオンラインセレクトショップ「Asami+」を立ち上げるなど、第二の人生を謳歌なさっているようです。子どもも独り立ちして自由な時間が増えた小林さんは、25年ぶりに再開した仕事が楽しくてしょうがないのでしょうね。

 2020年7月14日配信の「ミモレ」(講談社運営)のインタビュー記事で小林さんは、現在のご夫婦2人の生活について、こう答えておいでです。

「それぞれ自立した生活ですね。主人はまだ現役でバリバリ働いていますから、私は私で『すみませんけれど、適当にさせてもらいます!』という感じ(笑)」

 芸能界のドンとはいえ、家庭内ではいち夫。そもそもご結婚以前からの長いお付き合いの歴史のあるおふたりです。奥さまのコントロールは、メディアのコントロールほど容易ではないのかもしれませんね。

(構成=田口るい)

●芸能吉之助(げいのう・きちのすけ)
弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

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パチンコは「勝ちたい気持ち7割」に「楽しむ気持ち3割」が重要… ドラフト1位入団の元プロ野球選手が「パチンコへの接し方」を熱弁

 創刊30周年を迎えた業界メディアのシークエンス。そのシークエンスは先日、公式YouTubeチャンネル「SEQUENCE CHANNEL」を立ち上げ、番組「ぱちんこに元気を」をアップした。

 番組の司会は、POKKA吉田こと月刊シークエンス発行人及び編集長の岡﨑徹氏。記念すべき第1回目は元気配達人として活動中の元プロ野球選手・パンチ佐藤氏がゲストとして登場し、パチンコにまつわるエピソードを語っている。

 1989年に熊谷組からドラフト1位でオリックス・ブレーブス(現オリックス・バッファローズ)に入団したパンチ氏は、高校卒業後の春休み、地元の駅前ホールでパチンコデビュー。機種名は不明とのことだが、初打ちで7~8千円のプラスだったという。

 ただ、亜細亜大学時代、社会人時代はパチンコに触れず。実家が裕福ではなく、熊谷組入社で給料を得られることになったパンチ氏は、その大切なお金でパチンコを遊技しようとは思えなかったそうだ。

 一方、社会人時代やプロ野球在籍時の同僚にはパチンコ好きがたくさんいた模様。朝イチから打ちに行くプロ野球選手も少なくなかったそうで、パンチ氏は動画内で試合前に打ちに行くのは良いことかもしれない…と、その持論を展開している。

 また、パンチ氏はとあるパチンコ好きで有名な一流投手の話題から、パチンコをする投手についての気持ちを代弁。その奥深さに野球好きの岡崎氏も、ただただ頷くばかりであった。

 そんなパンチ氏がパチンコを再開したのは、ニコニコ動画の番組出演がきっかけとのこと。『必殺シリーズ』『戦国乙女シリーズ』などがお気に入りだそうで、勝敗よりも、どちらかと言えば、それらに「会いに行く」スタンスだという。

 パンチ氏曰く、野球は、打ちたい気持ちが10割ではダメだそうで、それはパチンコも同じとのこと。勝ちたい気持ちが7割に楽しむ気持ちが3割、これが非常に重要なのだとも語っている。

 誰しも、パチンコ・パチスロを打つならば勝ちたい。大量出玉を、あるいは大量コイン獲得を目指してホールに入店、台に着席するわけだが、確かに勝利に徹する立ち回りをした場合、ふと楽しめていないと気が付くこともある。パチンコは“娯楽”であり、メンタルケアにも役立てられるもの。人生経験豊富な、パンチ氏ならではの解釈と言えるのではなかろうか。

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