JRA伝説の新馬戦再び!? 福永祐一「ダービー出れるわ」ゆくゆくは引退を発表した父の後継種牡馬にも……、「鉄板ニックス配合」の大物がベールを脱ぐ

 27日、宝塚記念(G1)当日に行われる、阪神5R芝1800mの新馬戦。

 昨年の勝ち馬ダノンザキッドは2歳G1のホープフルSを優勝。皐月賞(G1)でも1番人気に支持された。2着のワンダフルタウンも青葉賞(G2)など重賞2勝と、翌年のクラシック戦線を賑わせたが、今年もハイレベルなメンバーが、顔を揃えそうだ。

 今年の日本ダービー(G1)をシャフリヤールで制した藤原英昭厩舎が、“ダービー連覇”に向けて送り出すのが、同厩舎で共にデイリー杯2歳S(G2)を制したベッドベルジュール、レッドベルオーブの弟・レッドベルアームだ。

 兄の2頭はディープインパクト産駒だったが、こちらはハーツクライ産駒。1週前追い切りに騎乗し、デビュー戦でも手綱を執る予定の福永祐一騎手は、「ハーツクライ産駒で馬っぷりがいい。距離は兄たちよりもつと思う」と『スポーツ報知』の取材に対しコメント。

 さらには、笑顔を見せながら「ダービー出れるわ」とも話していたというのだから余程のスケールを感じているのかもしれない。

「宝塚記念当日の阪神芝1800mの新馬戦には、ショウナンパンドラの全弟ローマンネイチャーや、ルメール騎手が騎乗予定のディープインパクト産駒キラーアビリティ、ダノックス&川田将雅騎手の黄金コンビ・ダノンフォーナインなど、超豪華メンバーが出走を予定しています。

レッドベルアームは2週前追い切りの時点では、デビュー戦はまだ未定とのことでした。1週前の感触が非常に良かったようで、強豪が揃うと分かった上であえてこのレースにぶつけてきたということは、それだけ仕上がりや素質に自信があるということではないでしょうか」(競馬記者)

 厩舎がダービー連覇を目指す中、福永騎手は早くも“ダービー三連覇”を見据えているのかもしれない。レッドベルアームの母レッドファンタジアの仔は、4頭全てがデビュー戦で2着以内に入っており、2戦目までに勝ち上がっている。いきなり走れる血統でもあり、初戦から注目の1頭と言えそうだ。

 一方でつい先日、レッドベルアームの父であるハーツクライの種牡馬引退が発表された。

 同馬が繋養されている社台SSの吉田勝己代表取締役は、「今年もつけていないし、もう来年も種付けをしません。後継種牡馬も出してくれたし、牧場を助けてくれた馬。これからはゆっくりしてほしい」と話したという。

 ハーツクライの後継種牡馬としてはジャスタウェイやワンアンドオンリー、スワーヴリチャードなどが挙げられる。レッドベルアームも今後の活躍次第では、ハーツクライの後継種牡馬として名を連ねることも可能かもしれない。

「レッドベルアームの血統構成は父の代表産駒であるスワーヴリチャードと同じ、父ハーツクライ×母父アンブライドルズソングです。この血統は15頭中8頭がJRAで勝利を収めている“鉄板のニックス配合”と言っていいでしょう。

血統背景的には大物感が十分にありそうです。兄のレッドベルジュールは現役時代にG2を1勝のみでしたが、種牡馬入りを果たしています。レッドベルアームも活躍次第によっては種牡馬入りすることも十分に可能でしょう」(同)

 日曜日にデビューする若駒たちは来年のクラシックはおろか、種牡馬としても今後末永く競馬ファンを楽しませてくれるかもしれない。非常に楽しみな一戦となりそうだ。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

富士興産に敵対的TOB…ファンドの背後に「任天堂の創業家」と「村上ファンド」か

 石油製品の販売を手掛ける東証1部上場の富士興産を舞台に、熾烈な敵対的買収が繰り広げられている。

 買収を仕掛けるのは新興のアクティビストファンド、アスリード・キャピタル。2020年から富士興産の株を買い増し、21年1月4日には13.61%まで買い進み、筆頭株主だった石油元売りトップのENEOSホールディングス(12.64%)を抜き筆頭株主に浮上。その後も市場で買い増しを進め、現在は15.27%を保有する。

 そのアスリードが4月28日から突如として富士興産にTOB(株式公開買い付け)を開始した。TOB価格は1250円。当初設定されたTOB期間は4月28日から6月14日までの30営業日。TOBの下限はすでに保有している15.27%を含めて40%に設定し、上限は定めていない。下限を過半数とせずに40%としたのは、富士興産の株主総会における議決権行使比率などを勘案し、40%でも十分に経営支配権を握れる算段がつくと踏んだもよう。

 アスリードは、TOB開始前には富士興産経営陣に対してMBOによる非公開化を提案していたとされるが、TOBについては富士興産に知らせることなく開始された。TOBの目的は、富士興産の非公開化(100%株式取得による上場廃止)だが、肝心の富士興産経営陣の賛同を得ていない。

 富士興産は5月17日、TOBに対する意見表明を留保し、質問権を行使。アスリードは24日、対質問回答報告書を提出。同日、富士興産は買収防衛策を公表した。

 5月28日には富士興産は、TOB期間終了日を当初の6月14日から6月24日に予定されている定時株主総会以降に延長するよう要請。同時に、TOBに反対意見を表明し、6月の定時総会で買収防衛策導入の承認と新株予約権の無償割当ての議案を上程し、株主意思確認を行うことを明らかにした。さらに富士興産は、剰余金の配当として、普通配当と特別配当合わせて1株当たり103円とすることをあわせて公表(前年実績は普通配当のみで1株当たり16円)した。

 ところがアスリードは6月8日、TOB期間の延長を拒否すると公表。あくまで6月14日にTOBを終了させることを宣言した。それに対して富士興産は11日、アスリードによる期間延長拒否を受けて、7月末日を基準日として買収防衛策(新株予約権の無償割当て)を取締役会決議のみで発動した。これを受け、アスリードは14日、新株予約権無償割当ての差し止め仮処分を申し立て、TOB期間を7月9日まで延長することを発表した。新株予約権無償割当ての差し止めが認められなければ、TOBを撤回することも公表している。

資金源は任天堂創業家か

 熾烈な敵対的買収を仕掛けるアスリードとは何者か。

 19年11月に設立されたシンガポール籍のアクティビストファンド。20年8月ごろから、富士興産やキャリアデザインセンターなど時価総額が100億円程度の上場会社の株を物色していた。代表者は門田泰人氏。UBSやドイツ銀行など外資系投資銀行を経て、米系PEファンド、ローンスターに転じ、その後、アスリードを設立している。

 アスリードは、一部では「エンゲージメントファンドの皮をかぶった狼」とも報じられ、「投資先候補の企業には横柄な態度でいきなり敵対的な要求を突き付けて」いくスタイルとも報じられている。アスリードをよく知る人物によると、「実態は村上ファンドの一つ」という。「UBS時代に村上世彰氏と知己を得て、アスリード設立後も投資判断など実質的に村上氏の指揮下にあり、“村上ファンドの別動隊”とされている」(ファンドに詳しい事情通)

 その村上ファンドの別動隊ともいえるアスリードを資金面で裏から支えるのが、任天堂創業家の資産運用を生業とする「Yamauchi No.10 Family Office」(以下、山内FO)だ。山内FOは、任天堂の創業家で中興の祖といわれる山内溥氏の養子で、血縁的には孫にあたる山内万丈氏が2020年に設立。万丈氏は溥氏の没後、巨額の遺産を相続し、その資産規模は1000億円に上るともいわれている。この任天堂創業家が、長期資金としてアスリードに出資し、富士興産に敵対的買収を仕掛けているという構図だ。

ジャパンシステム買収では対抗TOBを目論むが失敗

 富士興産への敵対的TOB以前に、山内FO・アスリード連合による「幻の第一号案件」といわれるものがある。20年12月、財務管理ソフトを手掛けるJASDAQ上場のジャパンシステムに対して、ロングリーチグループというPEファンドが取締役会の賛同を得て実施していた友好的TOBに割り込むかたちで、山内FOはジャパンシステムの当時の社長を抱き込むかたちで対抗TOB・MBOによる非公開化の意向を表明した。

 このときの座組みは、山内FOが前面に出て対抗TOBを実施し、その戦略的パートナーとしてアスリードがTOBを支援するというものだが、関係者によると、この時も実質的にはアスリードが仕掛けていたという。アスリードは村上氏の意向により、この強引ともいえる対抗TOBの意向表明をせざるを得なかったという。

 山内FOは、ロングリーチの行うTOBのほうが経営陣に敵対的だと繰り返し批判を展開するが、ジャパンシステムには過半数の株を保有する親会社DXCテクノロジーが存在し、その親会社はジャパンシステム取締役会が賛同するロングリーチによるTOBを支持。最終的に、ロングリーチグループによるTOBが成立し、非公開化を実現している。

 山内FOは、宣言した対抗TOBを開始することなく空振りに終わる。対象会社の支持を得ていない段階で非公開化をぶち上げるという構図は、今回の富士興産の事例とも通じる。

両社の意見は真っ向から対立

 富士興産の経営権をめぐる戦いは、6月24日に開催される富士興産の定時株主総会で山場を迎える。富士興産は6月24日の定時株主総会で事後的に、買収防衛策を株主意思確認の総会決議に諮る。買収防衛策導入と新株予約権無償割当ての両議案が承認されれば、取締役会で決定した買収防衛策発動は継続し、いずれか一つでも否決されれば、買収防衛策発動を中止するというもの。株主の意思で買収防衛策が認められるかどうかにより、現在アスリードから申し立てられている新株予約券無償割当ての差し止めの仮処分にも影響すると考えられるからだ。

 両者の主張は、山場となる株主総会に向けて真っ向から対立している。まず富士興産側だ。意見表明報告書の中で次のようにアスリードを厳しく批判している。

・実態は非公開化ありきの非公開化のための非公開化

・変更報告書の不提出罪・虚偽記載罪に関し捜査が現実化するリスク

・このように金融商品取引法に違反していると疑われる者が当社の100%株主になってしまうと、当社の信用を失います

・アスリード・キャピタルの関心は当社の現預金

・キャッシュの使い道がなくなっている状況、大胆な株主還元を頂かないと困ると言い、24 億円を自己株式取得に充てた場合のシミュレーションを提示し自己株式取得を求めてきた

・アスリード・キャピタルが、多数派株主として自己の利益のみを目的として濫用的な会社運営をし、当社の企業価値を損ない、株主共同の利益を害するおそれがある

 一方でアスリード側も、訂正公開買付届出書で富士興産経営陣をこう批判している。

・本有事買収防衛策は、(中略)明らかに経営陣の保身、経営陣による株主の恣意的な選別を目的としている

・コーポレートガバナンスを退行させる悪質なもの

・前中期経営計画が事実上未達であるにも関わらず、経営責任を自覚する様子が見られないことから、新中期計画への経営陣のコミットメントは疑わしく、新中期計画の実現には強力な経営の規律付けがなされなければ難しいと言わざるを得ない

 富士興産の広報担当者は次のように語る。

「私たちはTOBには反対しています。大きな懸念を抱いているからです。彼らは私たちの中期経営計画に反対し、非上場化するよう主張していますが、具体的な経営についてはこちらに任せると言って方向性を示しません。これでは彼らが何をしたいのかよくわかりません。それで買収防衛策を発動したわけですが、現在差し止め請求を受けており、その成り行きを伺っています」

 ここで富士興産の株主に承認されれば、アスリード・キャピタルはその第一号案件で、撤退を余儀なくされる可能性が高い。「株主に認められなかった敵対的買収者」として、その後の案件にも影響は必至だ。「別動隊」としての戦略的意義が損なわれることにもなりかねない。

 他方、株主が買収防衛策を否決すれば、TOBの下限は既存保有分と合わせて40%と低く設定してあり、アスリードのTOBが成立する可能性が高い。非公開化まではできないとしても、議決権行使比率によっては取締役選任議案などを実質的に通すことができるようになり、実質的な支配権を握ることとなる。果たして24日の総会で株主たちはどう判断するのか、目が離せない。

(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

●松崎隆司/経済ジャーナリスト

1962年生まれ。中央大学法学部を卒業。経済出版社を退社後、パブリックリレーションのコンサルティング会社を経て、2000年1月、経済ジャーナリストとして独立。企業経営やM&A、雇用問題、事業継承、ビジネスモデルの研究、経済事件などを取材。エコノミスト、プレジデントなどの経済誌や総合雑誌、サンケイビジネスアイ、日刊ゲンダイなどで執筆している。主な著書には「ロッテを創った男 重光武雄論」(ダイヤモンド社)、「堤清二と昭和の大物」(光文社)、「東芝崩壊19万人の巨艦企業を沈めた真犯人」(宝島社)などを多数。日本ペンクラブ会員。

自衛隊、隊内で性的暴行受けた女性自衛官に「嘆願書」承諾を強要…事件を隠蔽の意図か

 元自衛官で20代女性のAさんが、昨年7月に北海道の矢臼別演習場での訓練中に40代の男性幹部自衛官Bから性的暴力を受けた強制性交事件について、その実態と、陸上自衛隊の情報管理の甘さについて見てきた。

 今回は事件に関するAさんへの聴取内容が部隊内に漏えいした原因に加え、自衛隊側がBに懲戒免職処分を下す直前、Aさんに処分公表を見送ることに同意させる「嘆願書」を手渡していた事実について明らかにする(記事中の階級は当時)。

中隊長が聴取内容書いた書類を机の上に放置、隊員全員が閲覧可能に、誹謗中傷に拍車

 前回、警務隊によるAさんへの聴取内容がダダ漏れになり、誹謗中傷される原因になっていることについて報じた。本来、聴取内容は警務隊をはじめ、ごく一部の人間しか知り得ないはずである。Aさんへの取材によると、中隊長が隊内の自分の机の上に、聴取内容が書かれた書類を隊員全員が閲覧できる状態で放置していたことが原因だという。その書類を閲覧した隊員の間で噂話が広がっていった。

 この中隊長は動画投稿SNS「TikTok」の熱心なユーザーであり、Aさんに対する聴取直後に自分の動画を投稿するなど、およそAさんの性被害に真剣に向き合っている姿勢とは思えなかったという。Aさんはこの中隊長について現状報告をしなければならなかったが、事件について必要以上の内容の報告を求められ、話すとそれが隊内に広がり、誹謗中傷に拍車をかけていた。

 さらに、Aさんの母親とも被害への対応などをめぐってLINEで連絡を取っていたが、「いっしょにご飯を食べに行こう」などと、Aさんの事件とまったく関係ないメッセージを送っていた。Aさんの母親は奇異に感じ、その後の連絡は控えるようにしたという。

 性暴力の被害者への聴取内容はプライバシーの最たるものである。犯行について被害者に語らせる行為はセカンドレイプとも呼ばれ、被害者に大きな精神的苦痛をもたらす。その点からすれば、直接聴取する警務官にすら話すのが辛い内容であり、それを万人が見られるような状態にしておくとは、明らかに不適切である。

 中隊長だけでなく、直属の上司である営内班長に対してAさんが電話で報告した内容も漏えいしていた。この班長も聴取内容を閲覧できたが、風呂場で内容を別の隊員に漏らしているのが目撃されている。

警務隊の人事制度

 今回の事件では、自衛隊内の警察にあたる警務隊の聴取が、Bの「同意があった」という発言に引きずられ、被害者であるAさんに過度に圧迫的になっていたことについては前回指摘した。これには警務隊の人事システムが関係あるという。以下は防衛省幹部の解説。

「警務官は自衛官が陸曹段階で選択して就任するため、自衛隊内の階級秩序に縛られることが、今回の圧迫的な聴取の原因だと考えられます。警務隊は指揮系統上、防衛大臣直轄ですが、現場レベルでいうと階級が上の人間にはどうしても弱い。例えば、Aさんのように自分よりも階級が低い自衛官には積極的に聴取できますが、Bのような幹部自衛官となると『俺より階級が下のお前らがエラそうに』と凄まれれば躊躇するのが実態です。

 まして、相手が将官といった高級幹部だった場合、不祥事を積極的に取り調べることなど不可能に近い。今回の事件についても、階級が自分たちより上のBが『同意があった』と言った以上、それを覆してAさんの見方をするより、Bの発言を前提とした結論に持って行くほうが無難で保身につながると考えた疑いが濃厚です」

 不祥事を取り締まるべき警務隊が自衛隊内の階級制度に縛られている限り、公正な監視体制が実現することは困難だ。隠蔽体質をなくすためにも、自衛官と人材育成システムを別にするなど組織改編が必要だろう。

自衛隊、幹部へのコネの有無で違いすぎる待遇

 自衛隊の階級社会の悪弊が出るのは、警務隊だけではない。今回の事件では、幹部へのコネの有無で懲戒処分への大きく違いが出る体質も明らかになった。

 Aさんは聴取が始まった後、昨年10月に自衛隊OBなどからなる自衛隊援護協会に被害を相談したところ、あるOBが懲戒処分の検討状況について自衛隊側に確認してくれることとなった。その結果、少なくとも10月下旬の段階では、Aさんが所属していた北部方面隊第7師団第7特科連隊を管轄する北部方面総監と7師団長は、事案を把握していなかったことが明らかになったという。OBの間でこの件が話題になり、それが北部方面総監の耳にも入り、聴取が円滑に進むようになった。Aさんは「もし自分が援護協会に相談しなかった場合、自衛隊側はBを懲戒免職処分にせずに、懲戒処分にして残留させていた疑いが相当強い」と憤る。

 当然だが、訓練中の強制性交事件は重大案件である。北部方面総監が事案発生から約3カ月も経過して把握すらしていないというのは本来あり得ない。Aさんが前出のOBから聞いたところによると、「中隊から上がってきた報告書では、相違点や不審な点がいくつもある文書であった」という。少なくとも連隊などで、もみ消しの動きがあった可能性もある。

 今年3月末で退官した湯浅悟郎前陸幕長の下で、不祥事のもみ消しが常態化していたことについてはすでに指摘した。Aさんが知人の陸自幹部に陸上幕僚監部に直接事件について報告したほうがいいか相談したところ、「今の陸幕だとムダだから、やめたほうがいい」と諭されたという。陸自全体で当時の湯浅体制の隠蔽体質が知れ渡っていたということを裏付ける証言だ。

Aさん、所属部隊幹部から無責任発言を受けて精神的苦痛

 この事件の対処にあたった前連隊長の1等陸佐は、Bが起訴された12月に陸上幕僚監部防衛部防衛課研究室長に異動している。事件が発生した7月末から4カ月ほど経過してからの異動になるが、「明らかに対応としては遅く、事件の最終的な責任をとらなくてよいようなタイミングを陸幕上層部と図っていたのでは」(先の防衛省幹部)との疑念の声も出ている。

 この1佐は連隊長としてAさんと面談した際、「一度起きた化学反応は止められない」と発言し、副連隊長も「国家賠償請求訴訟をすればいいじゃないか」と話したという。聴取内容が漏えいしたことで誹謗中傷を受けたAさんに対し、情報管理の甘さについての謝罪や、再発防止に向けた積極的な言動は何もなかった上、司法に任せればいいというような無責任な発言は非常に大きな精神的な苦痛を与えた。

公表をやめさせるための「嘆願書」まで作成

 隠蔽体質の極めつけは、Bの懲戒免職処分が公開される直前の今年2月に師団側が作成し、Aさんに承諾するように求めた以下の「嘆願書」だ。

 この「懲戒処分公表に関する嘆願書」の4番目の項目にはこうある。

「マスコミへの公表にあたり、個人情報は伏せると聞きましたが、部隊や周囲の人がそのニュースを見聞きしたら、分かる人には分かってしまうと思います。公表によって私や家族がそのニュースを見聞きしたり、誰かから事案について言われたりして、自分や家族が精神的に耐えられるかが不安であります。懲戒処分の公表による精神的苦痛、また、家族にも悪影響があると本末転倒になってしまいますので、多くの人に知られないよう公表しないでいただけるよう嘆願します」

 Aさんが依頼したものではないにもかかわらず、Aさんや家族の「精神的苦痛」を代弁する形で記述されている上、最後の「多くの人に知られないよう公表しないでいただけるよう嘆願します」という一文からは、自衛隊がこの事件についての公表を避け、隠蔽する意図があったことがうかがえる。これを被害者であるAさんに承諾させようとしているのだから、モラルが疑われる。

 加害者のBには実刑判決が下されることがほぼ確実となっていた時期での文書であるだけに、Aさんに「自衛隊は最後まで被害者の自分を守らないばかりか隠蔽しようとしている」という苦痛を、追い打ちのように与え、自衛隊の組織全体への信頼を失わせた。これに湯浅体制下で防衛省、陸幕が関与していたとすれば、関係した幹部の責任が問われる。自衛隊内では、懲戒処分があると毎回このような文書を被害者に承諾させるような慣習があるのかについても、防衛省は明らかにする責任がある。

防衛省と自衛隊の幹部は、若い女性の夢が性暴力により潰された重みを実感すべき

 性暴力が女性のキャリアを潰してしまう例は少なくない。Aさんはもともと消防士志望だったが、試験に落ち、病院で救急救命士として勤務していた。知人に誘われて自衛隊に入隊し、将来は消防士になることを目指していたが、今回の被害を受けて、夢を断念した。「いつ被害がフラッシュバックしたり、心身に異常を来したりするかもしれない身では、人の命を預かる仕事に就くべきではないから」という。

 社会貢献の意志が強いAさんは、20代ながら確固たる志を持っていた。それがBの身勝手な欲望により踏みにじられたばかりか、陸自の隠蔽体質によりさらに傷を広げられた。今回、辛い思いで事件について語ってくれたAさんはこう話す。

「今後、私が受けたような被害が再発し、他の女性自衛官にも辛い思いをしてほしくないという一心です。自衛隊内にはまだ女性自衛官の同期がおりますし、これからも女性自衛官が入隊してくるでしょうが、今のままではとても安心できません。

 今の自衛隊は災害支援などで国民の支持を得ていますが、Bがもし懲戒免職にならずに自衛隊に残ったとしたら、国民はどう思うでしょうか? 災害支援の現場で女性に性暴力を振るうかもしれないような男性自衛官がすぐそばにいるとわかったら、どんな気持ちになるでしょうか? 階級が下ということや、女性というだけでまともに人間扱いされない組織は健全といえるでしょうか? それらのことについて、岸信夫防衛相以下、防衛省幹部、陸自幹部には徹底して考え対策を講じていただきたいです。

 もしそうでなければ、女性自衛官を募集するということは、世間の風潮に迎合した単なるキレイゴトにすぎず、狼の群れに羊を投げ込むようなものではないでしょうか。自衛隊が国民の信頼を得る組織となるためにも、二度と私のような被害者を出さないようにしていただきたいです」

 問題は、被害者の尊厳を踏みにじるような組織体質が、自衛隊には明白に存在するということである。防衛大学出身の陸幕長が約30年続き、一般大卒の吉田圭秀氏が4月に就任した。筆者は純血主義が今の陸自の体たらくにつながっていると考えており、吉田氏にはぜひ組織体質の改善を図っていただきたいと思う。今後の採用方針としても、一般大卒、社会人からの転入組など多様性を確保するのは必須だろう。

 今回はたまたま陸自内で露見したが、海上自衛隊も航空自衛隊も隠蔽体質は同じである。岸防衛相以下、責任ある自衛隊幹部は総出で体質を改善すべきである。

防衛省の見解

 なお、当サイトが防衛省陸上幕僚監部広報室に複数の質問項目を送付したところ、以下の回答が寄せられた。

「・元来、個別の事案について逐一詳細をお答えすることは差し控えさせていただいております。

・各種事案が発生した場合、事実に基づき厳正に対応しています。

・被害者またはその関係者のプライバシー等の権利利益を侵害するおそれがある場合等の理由により公表が適当でないと認める場合には、公表内容の全部または一部を公表しないことができるとしており、個々の懲戒処分の公表については、様々な状況を総合的に判断し、適切に対応しております」

(文=松岡久蔵/ジャーナリスト)

●松岡 久蔵(まつおか きゅうぞう)

Kyuzo Matsuoka

ジャーナリスト

記者クラブ問題や防衛、航空、自動車などを幅広くカバー。特技は相撲の猫じゃらし。現代ビジネスや⽂春オンライン、東洋経済オンラインなどにも寄稿している。ツイッターアカウントは @kyuzo_matsuoka

ホームページはhttp://kyuzo-matsuoka.com/

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JRA宝塚記念(G1)「117億円」が一瞬で紙くずに……。ゴールドシップの「超後方ポツン」に横山典弘も苦笑い!? “愛されキャラ”の怪走に響き渡った悲鳴、怒号、落胆の声

 今週末の阪神競馬場では宝塚記念(G1)が開催される。単勝1倍台に支持された大本命馬が敗れるなど波乱の続いた春G1だが、今年の上半期の掉尾を飾るグランプリレースには、どのような結末が待っているだろうか。

 同レースは雨が降りやすい梅雨に行われる上に、秋の始動に尾を引く6月下旬の日程に加え、荒れた馬場を嫌ったトップクラスの馬が回避することも珍しくないのも特徴の一つである。

 暮れのグランプリ・有馬記念(G1)に比してメンバーが手薄になりやすく、少頭数で行われることも多い。このレースで初G1勝ちとなる馬が出やすいこともこのような背景もあってだろう。

 古くはメジロライアン、マーベラスサンデー、サイレンススズカ、メイショウドトウ。直近の10年でも2011年アーネストリー、15年ラブリーデイ、18年ミッキーロケットがこのケースに該当する。

 また、芝2200mという紛れのある非根幹距離の条件も、波乱の決着を後押ししているかもしれない。過去10年でも3連単の払戻が10万円を超える大波乱となった例が4度もあるほどだ。

 なかでも最も競馬ファンを狼狽させたのは15年の宝塚記念だろう。この年の1番人気は横山典弘騎手とゴールドシップのコンビである。ゴールドシップは13年、14年と連覇し、絶大な相性の良さを誇った。しかも、2年連続で人気を裏切った春の天皇賞(G1)を三度目の正直で見事に優勝したこともあり、単勝オッズ1.9倍の断然人気にファンが支持したのも無理もない。

 だが、この日のゴールドシップはいつも以上に破天荒な姿を見せた。目隠しされたゴールドシップは最初にゲート入り。しばらくは落ち着いていたが、内隣のトーホウジャッカルがチャカついたことも影響したのか徐々に冷静さを欠いていった。

 最後にラブリーデイがゲートへ入る頃には、トーホウジャッカルを威嚇するように立ち上がった。一度目は横山典騎手が「待ってくれ」と声を上げたことで事なきを得たかに思われたが、ゲートが開くと同時に再び立ち上がってしまった。

 その後、何とかゲートを出たものの、10馬身以上も出遅れる致命的なロス。ゴールドシップに一体何があったのか。大本命馬のまさかの光景を目の当たりにした観衆からは、悲鳴、怒号、落胆の声が響き渡った。

 結局、レースでも最後まで後方のまま15着に大敗。6番人気の伏兵ラブリーデイの勝利で3連単の払戻は52万8510円の大波乱となり、ゴールドシップ絡みの馬券「約117億円」は、一瞬にして紙くずへと変わったのである。

 レース後、ゴールドシップに騎乗した横山典騎手でさえ「彼に聞かなきゃ分からない」と苦笑い。1頭だけ離れた後方で競馬をする様を一部のファンから「後方ポツン」といわれる横山典騎手ですら予想外のアクシデント。管理する須貝尚介調教師も「普段から突拍子もないことをするが、この馬だけは本当に分からん」とコメントしたほどに頭を悩ませた。

 この不可解な凡走がきっかけとなったのか、ターフを沸かせた芦毛の怪物は秋のジャパンC(G1)を2番人気で10着、有馬記念でも1番人気の支持を受けながら8着に大敗し、このレースを最後に現役生活と別れを告げる。

 その一方で、レースでは破天荒なゴールドシップだが、それ以外では愛くるしい姿を見せる一面もあり、そのギャップにゾッコンのファンも多かった。危うさを感じさせながらも決めるときは決める“クセ馬” だけに、なにをやっても許せてしまいそうなところもまた、大きな魅力だった。

 引退式で一番思い出されることについて横山典騎手が「宝塚のゲートですか。一瞬にして何十億と紙くずにしてすみませんでした」とコメントをした際、見守ったファンがドッと沸いた辺りもどこか憎めないゴールドシップの人柄ならぬ“馬柄”の伝わってくるシーンといえる。

 種牡馬としても今年のオークス馬ユーバーレーベンを出したように、第二の人生でも期待されるゴールドシップ。これからもファンを楽しませ続けてくれるに違いない。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

「“軽”団連」と揶揄…経団連、存在意義の低下が深刻、消去法で選出された十倉・新会長

「財界総理」と呼ばれる経団連中西宏明会長(日立製作所会長、75)が、リンパ腫が再発したため6月1日の定時総会で交代した。中西氏は日立でも相談役に退いた。経団連会長が病気で任期途中で退任するのは初めて。新しい会長には住友化学の十倉雅和会長(70)が就任した。中西氏の残りの任期、1年をやるのではなく、新たに2期4年の任期である。

 中西氏は18年5月に経団連会長の椅子に座った。リンパ腫を19年6月に公表。復帰したが、昨年7月に再発がわかった。入院して抗がん剤治療を続けながら、テレビ会議システムなどを使って職務を続けてきたが、容体が悪化。4月、久保田政一事務総長に退任の意向を伝えた。

 新しい会長を選ぶ際に基準がある。副会長経験者、出身企業で社長または会長、製造業出身の3つだ。今回もこれが準用された。“ポスト中西”に該当するのは5人だった。現職の副会長では日本製鉄の進藤孝生会長(71)とコマツの大橋徹二会長(67)。副会長OBは三菱重工業の宮永俊一会長(73)、トヨタ自動車の内山田竹志会長(74)、そして十倉氏だった。

「デジタル化と環境問題に造詣が深い」という理由で中西氏が推薦した。名誉会長(歴代の会長経験者)の了承を取り付け、十倉氏の次期会長が決まった。十倉雅和氏は下馬評にものぼらなかったサプライズ人事だが、伏線はあった。

「日本製鉄の進藤氏は4年前にも会長候補で中西さんと競い合った。だから、(中西さんに)進藤さんを選ぶという選択肢はなかったのだろう。製造業の現役の副会長から選ぶとなると、コマツしかいない。しかし、大橋さんは(経団連会長としては)若い。かつドライな理論派で政府の委員等には適任だが、他の企業のうるさ方のトップに頭を下げてまでして意見をまとめるタイプではない」(経団連の元副会長)

「製造業以外に候補を広げようとしたが、銀行、総合商社とも業界内の競争が激しく、座り具合が悪かった」(現役の副会長)

「消去法で十倉さんがなったのだろう。真面目で敵は少ない」(別の副会長)。

 日立の幹部は別の見方をする。

「(中西氏と十倉氏は)価値観が一致している。かつて同時期に経団連の副会長を務めたし、16年に政府の総合科学技術・イノベーション会議の議員を、中西さんは十倉さんにバトンタッチしている。何も言わなくても中西路線は踏襲される」

 十倉・新会長は「闘病しながらいろいろ発信した中西会長の不屈の精神に敬意を表したい」と前任者を称えた。2人はウマが合うのである。もし、中西氏が22年春の任期を全うしていれば、「十倉氏の出番はなかった」(有力会員企業のトップ)。6月1日付でパナソニックの津賀一宏社長(64)、日本製鉄の橋本英二社長(65)など複数の有力な製造業のトップが副会長になったからである。

 副会長就任が内定していた住友化学の岩田圭一社長は、十倉氏が経団連会長になったため辞退した。中西氏が最後の年に崩してしまった「同一企業から会長、副会長は出さない」との不文律は守られるべきものだった。岩田氏の辞退は当然である。

 10年前に住友化学の社長になった十倉氏は「正義、大義、仁義」を好きな言葉として挙げた。「(中西氏からの)要請を受けることに義があると判断した。義を貫きたい」として、緊急登板することを決断した。十倉氏の「義」とは何なのか。中西氏の負託に応えたいということなのか。

情報発言力の強化も喫緊の課題

 住友化学から経団連会長が出るのは、故・米倉弘昌氏(10年5月~14年6月)に続いて2人目。米倉氏の秘蔵っ子として経営企画などの要職を歴任。2003年、三井化学との経営統合では交渉の最前線に立った。統合は結局、白紙撤回となったが、米倉氏は十倉氏を重用し続けた。米倉氏が経団連会長を退いたのに伴い、15年6月から4年間、経団連副会長を務め、19年5月から審議員会副議長に横滑りしていた。

 米倉氏は安倍晋三・前首相の不興を買ったことで有名になったこと以外に、経団連会長としてこれといった業績はない。「“無鉄砲”なアベノミクス」を批判され、安倍氏は机を叩いて激高したと伝えられている。

 政権に復帰した安倍氏は、経団連会長の指定席だった経済財政諮問会議の民間議員から米倉氏を外し、冷遇し続けた。その後、経団連会長になった榊原定征・東レ元会長(78)は安倍政権との距離を縮めるべく四苦八苦した。政権に近づきすぎた経団連を、中西氏は軌道修正しようとしたが、結局、病気で果たせなかった。

 十倉会長は「榊原定征前会長、中西会長が築いてきた政権との良好な関係を維持していきたい」と抱負を述べた。重要課題に浮上した環境対策では、炭素に価格を付ける政策の是非で産業界の意見が大きく割れている。中西氏は総論で賛成したが、経団連幹部が政府の会議で慎重な姿勢を示すなど一枚岩ではない。

 世界的に脱炭素社会への取り組みが加速するなか、産業界をまとめて、政府に提言できるのか。十倉会長のリーダーシップが試される。中西路線の継承を前面に出し、「自由民主主義、法の支配、人格を普遍的な価値として持つスタンスは微動だにしない」と言い切ったが、住友化学にとって中国市場は大切だ。インタビューでも十倉氏は「安定した日中関係の構築は重要」と付言した。“米中経済戦争”が激化するなかで、ブレないカジ取りを期待できるのだろうか。

 経団連のアイデンティティは低下の一途で「軽団連」などと揶揄されている。情報発言力の強化も喫緊の課題である。

(文=編集部)

1960年代に流行した「ルーレット式おみくじ器」も…令和の世に舞い降りた“レトロ商品”3選

 みなさんは、昭和の時代に流行っていたものってどれくらい知っていますか? 昔ながらの商品やアイテムはレトロな雰囲気を楽しめるため、部屋に飾る人も多いですよね。そこで今回は、“令和の世に舞い降りたレトロ商品3選”をピックアップ。初見の人でも楽しめるのはもちろん、見た瞬間につい「なつかしい!」と思うようなおもしろグッズが揃っていますよ。

1960年代に流行した「ルーレット式おみくじ器」がミニサイズに!?

 1960年代の喫茶&占いブームで人気を博した「ルーレット式おみくじ器」。2021年5月、バンダイは約2分の1のサイズに縮小した「ミニチュア ルーレット式おみくじ器(全3種)」(1回400円)を“カプセル自販機”で販売開始しました。

 発売を知った人からは、「うっわなつかしすぎる! 確か子どもの頃に行ってた焼肉屋にあったな」「レトロ好きは黙っていられないグッズ」「粋な計らいをしてくれたバンダイに感謝」といった反響の声が尽きません。

 同商品はミニチュアサイズになったおもちゃですが、「ルーレット式おみくじ器」の製造元である有限会社北多摩製作所が完全監修。一つひとつにオリジナルの“占い3巻(全9種・ランダム封入)”と専用コインが入っており、“レバーをスライドさせると小さなおみくじが出てくる”というギミックを楽しめます。

 カラーバリエーションは「ベーシックカラー赤」「ベーシックカラー青」「シークレット(バンダイオリジナルカラー)」の3種類。“シークレット”が気になる人は“ガシャポン”を回しに行ってみてはいかが?

「レトロ自販機」をプラモデル化!

“カプセルトイ化”以外には、組み立てる工程を楽しむ“プラモデル”にリメイクしたレトロ商品も。プラモデルメーカーのハセガワは、今年の4月に「レトロ自販機(ハンバーガー)」(1430円)を発売しました。

 最近では見かける機会が少なくなった“レトロ自販機”。同商品は“昭和感満載”のビジュアルを堪能できる“1/12可動フィギュア用アクセサリー”です。「チーズバーガー」「ハンバーガー」の購入ボタンや硬貨投入口なども忠実に再現。また“ハンバーガーの箱”を“取り出し口”の中にセットすることも可能で、おうちにいながら“疑似ショッピング”を満喫できます。

 組み立て方はパーツ同士をつなぎ合わせ、「塗装」「シール貼りつけ」のステップをクリアすればOKです。利用者からは「誰でも簡単につくれる」「難しい工程が少ない」などの声が上がっているので、プラモ初心者でも気軽にトライできるはず。

 ちなみに、今年の7月頃に「レトロ自販機(うどん・そば)」(1650円)を発売予定。1台で満足できなければ“うどん・そばver”をゲットするのもアリですね。

発売当時の雰囲気を楽しめる“レトロウノ”

 幅広い世代から親しまれている定番のカードゲーム「UNO(ウノ)」。実は2021年で“誕生50周年”を迎え、今年5月に50周年限定のスペシャルエディション「ウノ アイコニック 1970年代版」(1100円)をリリースしました。

 同商品はその名の通り、1970年代に流行したレトロなデザインを反映したもの。1971年に登場した「ウノ」ですが、“1970年代版”は発売当時の雰囲気を感じながらゲームを楽しめます。リリース情報によると、「子どもは今までと違ったデザインを新鮮に感じながら、そして大人は懐かしいデザインにノスタルジーを感じながらと、世代ごとに異なる魅力を味わいながらプレイできます」とのこと。

 ちなみに「ウノの日」である1月11日に“50周年記念サイト”を公開。「ウノ50年の歴史」や、声優、芸人、ユーチューバーなどが考えたオリジナルルールを掲載した「50人のワイルドカードスロット」をチェックできます。

 遊ぶ前に「ウノ」についておさらいしたり、オリジナルルールを取り入れたら、より盛り上がるかもしれませんよ。

(文=編集部)

※商品の価格は記事作成時の実売価格です。

京都祇園祭の象徴「山鉾」はイスラーム!? 日本ではほとんど知られていないイスラーム美術の世界を1日集中講義!

 世界の4人に1人はイスラーム。イスラームを知らずして世界は何も語れません。
 そしてまた、世界のアートマーケットを大きく動かしているのも中東湾岸諸国のなのです。

 イスラーム美術について、日本ではほとんど何も知られていません。
 しかし、正倉院に収蔵されている白瑠璃碗などサーサーン朝ペルシアのガラス工芸をはじめ、古代より、西アジアの美術品は日本に到来し、日本美術にも影響を与え続けています。
 京都祇園祭の「山鉾」(山鉾行事は重要無形民俗文化財)に飾られている「幻の絨毯」は東インド会社がもたらしたイスラーム美術ですし、豊臣秀吉の陣羽織はペルシアのテキスタイルだったのです。

 世界経済史・文化史からそのルーツを「絨毯が結ぶ世界」(名古屋大学出版会・2016年)において解き明かした講師・鎌田由美子氏が、美しい図版と複雑に絡まる世界史の流れとともに、イスラーム美術の凄さを語り尽くします!

鎌田由美子・「イスラーム美術の世界」


――「イスラーム美術」は、宗教美術(モスクや、コーラン写本など)と世俗美術(アルハンブラ宮殿や、挿絵入り物語写本など)の両方を含みます。その点が「キリスト教美術」や「仏教美術」と大きく異なります。広大なイスラーム圏では、各地の美術伝統と、イスラームが合わさって、独特の美しさと魅力を持つ美術工芸品が生み出されてきました。本講では、イスラーム美術と西洋、日本とのかかわりを考察することを通じて、華やかなイスラーム美術の世界をご紹介します。(本講義シラバスより)

お申し込みはこちらからどうぞ!

鎌田由美子「イスラーム美術の世界」
日 程|7/4(日)
時 間|10:00~17:45(予定)
受講料|10,000円(税込)
会 場|WHITE ROOM(渋谷区道玄坂)
受 講|会場(定員20名)/オンライン
詳 細|https://cyzo.co.jp/whiteroom/kamada_01/
※ 本講義は【1日集中講義】です。
※ 会場受講は定員に達し次第、募集を終了します。

鎌田由美子(かまだ・ゆみこ)
慶應義塾大学経済学部准教授。美術史学専攻(イスラーム美術史)。2002年、慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。2004年、東京大学大学院人文社会系研究科美術史学修了、同年ニューヨーク大学美術研究所博士課程に留学。2008-2010年メトロポリタン美術館ホイットニー研究員。2011年ニューヨーク大学美術研究所より博士号取得。早稲田大学高等研究所を経て2017年より現職。著書『絨毯が結ぶ世界―京都祇園祭インド絨毯への道』(2016年、名古屋大学出版会)などの業績により2018年、日本学士院学術奨励賞、日本学術振興会賞、大平正芳記念賞を受賞。

 

ホワイトルームとは


 渋谷・道玄坂のホワイトルームは、基本月1回のペースでトップクラスの講師による最前線のアートに関する集中講義を続けています。

 日本の教育では、そもそも「アート作品をどのように見ればいいのか」という基本的なことが確立されない。
なぜなら日本の学校で使用されている「美術(アート)」の教科書は、日本と欧米では大きく違っているから。日本の「美術」の教科書は薄く、アートは自由に見ることが大事だと書いてある。一方、欧米の「アート」の教科書は分厚い。それは「アート」=「美術史」だから。現代美術の最前線の作品にはラスコー洞窟絵からはじまるギリシア・ローマ、キリスト教、ルネッサンス、印象派などなど膨大なヒストリーとコンテクストがあり、それをどれだけ感受できるのかが重要で、それこそが教養の基準とされている。それは日本の教科書では学べない。美術史を知らないから、いつまでたってもリテラシーが確立できない。

 ホワイトルームでは、アートのリテラシーを底上げするために、最前線にいるトップクラスの研究者、最前線のアーティストによって、大学半期分の授業を2日の集中講義で行います。
※講義によって、【1日集中講義】の場合もございます。


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赤木ファイル公開で明白になった佐川元理財局長の直接指示! 改ざん指示は安倍首相から菅官房長官、菅から佐川のルートが濃厚に

 本日22日、ついに森友学園への国有地売却をめぐる公文書改ざんの経緯を記した「赤木ファイル」が公開された。 「赤木ファイル」は近畿財務局職員として改ざん作業を強いられ、自死にまで追い込まれた赤木俊夫さんが記したもので、妻の赤木雅子さんが国を相手取った訴訟で提出を要求してき...

パチンコ「終日5万発オーバー」ライトミドル最高峰の出玉性能! 話題の〇〇を忠実に再現した激アツ情報も!

 新時代「P機」でも絶大な存在感を放つ藤商事。昨年リリースの『Pとある魔術の禁書目録』を筆頭に、2021年もパチンコ界を盛り上げる最新マシンが続々と登場中だ。

 2月リリースのシリーズ最新作『P FAIRY TAIL2』は大当り確率1/199.8のライトミドルタイプで、パチンコ初となる新機能「ランクアップバトルシステム」を搭載。右打ち中はバトル(リーチ)が発生するたびに大当り期待度が上昇するという画期的な仕様を実現し、コアなパチンコファンからも注目を集めた。

 翌3月デビューの『P緋弾のアリア~緋弾覚醒編~』も同じくライトミドルタイプ。大当りストック抽選を何度も行う次世代システム「V Attack STOCK TIME」を搭載し、最大4個のストックに加えて、右打ち「強襲任務」中の大当りの約半数が最大出玉「約1300発」という、ツボにハマった時の破壊力はミドル機にも引けを取らない性能となっている。

 実際、本機を遊技してきたユーザーからは「一撃3万発達成!終わる気がまったくしなかった!」「Vストックが貯まったときのイケイケ力はピカイチ!」といった歓喜の声が続出。なかには、終日「5万発オーバー」という驚きの報告もあるなど、本機への注目度はますます高まりそうな気配である。

 そんな『アリア』最新作をさらに盛り上げるべく、同社は21日よりプレゼントキャンペーンを実施中。筐体上部に搭載されているアリアユニットを忠実に再現した「オリジナルビート板」を抽選で10名にプレゼントするという。ビート板の大きさは440mm×341mm、下部にはシリアルナンバーも入っているとのことで、原作ファンにとっては見逃せない豪華アイテムといえそうだ。

 参加方法は同社のLINE公式アカウントで友達登録を行い、キャンペーン企画の画面で応募を行うほか、同社の公式Twitterでも応募可能だという。

 ちなみに、今回のプレゼントであるビート板は、キャンペーン実施以前の導入当初から話題になっており、ネット上では「筐体にビート板が付いている!これに乗って波に乗りたい!」「ビート板がめっちゃ目立つな(笑)あったら欲しい!!」といった声があがるなど、一部ファンの笑いを誘っていた。

 そんなファンの期待(?)に応えた同社の遊び心には「さすが藤商事!」「ネタをリアルに再現するとか最高すぎる!」などと称賛の声も寄せられている。

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パチンコ新台「初当り3000発」からの「ALL1500発」を“3倍速”消化も可能!「高ループRUSH」搭載…『牙狼』を超える「覇権スペック」誕生か!?

パチンコ「一撃」VS「鋭い連チャン」など夢の決戦!?「最強の称号」を狙う激アツ機が集結!!

パチンコ「万発報告は当り前」に続く爆裂へ期待!「斬新な北斗シリーズ」「50%で3000発ループ」など「期待の激アツ新台」をピックアップ!!

韓国の景気、実は昨年夏ごろから着実に回復していた…鉱工業生産指数から浮かぶ実像

 景気を測る指標としては国内総生産(GDP)が最も知られており、公表されるとニュースで大きく取り上げられる。GDPは国内で生産されたあらゆる種類の財・サービスをカバーしており、まさに一国の経済活動を測るための最も優れた経済指標といえる。

 しかし政府をはじめとして時々刻々と変化する景気の動きを追う者は、GDPより鉱工業生産指数の動きに注目することが多い。「鉱工業生産指数」は、あまり馴染みのない指標である。公表されれば新聞には出るが、その扱いは地味以外のなにものでもない。そのような地味な経済指標であるが、景気判断を仕事とする者が、景気を判断する上で最も注目する指標のひとつである。

 景気を判断するうえで鉱工業生産指数が注目される理由としては、毎月公表される速報性のある指標であることに加え、景気の動きに敏感なことが挙げられる。GDPは3カ月に1度しか公表されず、毎月変動する景気の動きを追うために十分な公表頻度とはいえない。一方、鉱工業生産指数は毎月公表されるうえ、翌月末に公表され速報性に優れている。また鉱工業生産指数は、主に製造業しかカバーしていない。しかし、製造業は景気が良くなると生産が大きく増え、景気が悪くなると生産が大きく減るなど、景気に対して敏感であり、景気の状況にかかわらず生産があまり変化しないサービス業とは大きな違いがある。よって鉱工業生産指数は、製造業に特化した指標であるがゆえに景気に敏感なのである。

 さて日本では、この鉱工業生産指数は景気の動きを追う者にとって重要な経済指標であるが、韓国でも同じ名称であり、中身も日本の鉱工業生産指数とまったく同じ経済指標がある。そして韓国でも景気の動きを把握するうえで最も有用な経済指標と考えて差支えがない。

 そこで、今回はこの鉱工業生産指数で最新の韓国の景気の状況を判断してみよう。

「3カ月移動平均」で読む

 まず、去る5月31日に公表された最新値である2021年4月の鉱工業生産指数(季節調整値。以下、同じ)の前月比はマイナス1.6%であり、3月はマイナス0.9%であったため2カ月連続のマイナスとなった。鉱工業生産指数の前月比がプラスであれば景気は上向いており、マイナスであれば景気は下向いていると考えられる。よって2カ月連続でマイナスということは景気が後退しているかもしれないと考えることもできる。

 ただし鉱工業生産指数に限らないが、経済指標が滑らかに動くことはそれほど多くなく、毎月の振れが観測されることが多い。何らかの要因で、たまたまある月に生産が多いとその翌月は反動でマイナスになることもある。よって経済指標をみる際にはトレンドを把握することが大切である。

 経済指標のトレンドをつかむ一つの方法が、3カ月移動平均をとる方法である。3カ月移動平均とは、当該月、当該月の前の月、さらにその前の月の3カ月の数値を合計して3で割ることで算出される。2021年6月であれば、2021年6月、5月、4月の数値の合計を3で割った数値となる。3カ月移動平均の利点は、ある月にたまたま数値が高くなっても、その影響が薄められることから、トレンドを把握することができることにある。

 鉱工業生産指数の毎月の数値と3カ月移動平均を図で示したが、これからみると2021年3月と4月は確かに減少しているが、これはたまたま2月に数値が大きく増加したために生じたものであり、3カ月移動平均は3月も4月も順調に増加していることがわかる。数値でも確認してみよう。3カ月移動平均の前月比は、2021年4月が0.6%、その前の3月が0.7%であり、直近2カ月は増加が続いている。よって鉱工業生産指数は傾向として現在もプラスが続いており、韓国の景気は上向いていると判断することができる。

 図から少し長い目で鉱工業生産指数の動きをみると、2020年2月から6月までは傾向として減少しており、その後は増加に転じている。よって鉱工業生産指数から判断する韓国の景気は、コロナ禍で一時的に悪化したものの、昨年の夏頃から回復し、現在においても景気は良いと判断できる。コロナ禍は一時的に韓国の景気を悪くしたが、現在は韓国の景気は着実に回復しているといえよう。

(文=高安雄一/大東文化大学教授)

●高安雄一

大東文化大学経済学部教授。1966年広島県生まれ。1990年一橋大学商学部卒、2010年九州大学経済学府博士後期課程単位修得満期退学。博士(経済学)。1990年経済企画庁(現内閣府)に入庁。調査局、人事院長期在外研究員(ケルン大学)、在大韓民国日本国大使館一等書記官、国民生活局総務課調査室長、筑波大学システム情報工学研究科准教授などを経て、2013年より現職。著書に『やってみよう景気判断』『隣の国の真実 韓国・北朝鮮篇』など。