小売店が目指すべきは「おばあちゃんのためのDX」?

あらゆる業界でオンラインシフトが急速に進み、生活者の価値観や購買プロセスにも大きな変化が起こっている今、オンラインとオフラインがシームレスにつながった新しい購買体験が求められています。

国内電通グループは2021年2月より、OMO(オンラインとオフラインの融合)時代の新たな「ショッピング体験」をデザインするプロジェクト「dentsu SX(エスエックス)」(※1)をスタート。SXという名称には「Shopping Transformation」と「Shopping Experience」の両義が込められており、世界有数のデザインファームであるfrog design inc.との強力なパートナーシップのもと、テクノロジーとクリエイティビティを武器に、これからの時代に合わせた新たなショッピング体験を戦略・実装・運用までワンストップで支援します。

本連載では、「コスメ」「金融」「ファッション」「日用消費財」「家電品」の5つの業界で起きている変化を捉え、今後の展望を考察します。

連載第5回は、「日用消費財」で起きている変化と今後の展望について、電通テックの本間立平氏にお話しいただきました。

※1 dentsu SX
国内電通グループ7社による、OMO時代に沿ったオンオフ統合の購買体験を顧客目線でデザインし、リテール領域において企業の事業成長に貢献するプロジェクト。電通グループのこれまでの事業蓄積と、戦略パートナーとして参画するfrog design inc.の知見を統合。電通独自の顧客行動データや、AIやクラウドなどの最新テクノロジーを活用し、顧客インサイトを掴むクリエイティビティと掛け合わせることで、顧客視点に立ったブランド独自のショッピング体験を創出する。(詳しくはリリースを参照
 

店頭は「ペインポイントの塊」になってしまった

現在、スーパーやドラッグストアなどの小売店が抱えている課題は、なんといっても「非接触」です。新型コロナウイルスの影響で、店頭の問題点が浮き彫りになりました。そもそも店頭は、来店客で「密」になりやすい場であり、買い物カゴやタッチパネル、商品など、触れなければならない箇所がたくさんあります。レジでは、キャッシュレス払いやセルフレジの導入が進んでいますが、レジ待ちの行列はそれほど解消されていないようです。

その解決策として、例えば、下記のようなソリューションが期待されています。

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あらゆる業界で言われていることですが、新型コロナウイルスの影響で、各企業が計画していたDX(デジタル・トランスフォーメーション)のスピードは、いっそう加速しました。感染のリスクが減り、今まで以上に便利になるのは良いことです。しかしその半面、危ぶまれているのは、リアル店舗そのものの存続です。欧米では、コロナ禍以前からの閉店ラッシュに、さらに拍車がかかっています。買い物がECへシフトしていることは言わずもがなです。

ECがここまで伸長しているのには、他にも理由があります。Amazonの「アレクサ」などの音声アシスタントデバイスの利用が増えているのです。日本ではまだ実感が湧かないかもしれませんが、アメリカでは、家にいながらにして、声で商品を注文することは、日常的になりつつあります。デバイスを使うと、買い物の量も増える傾向があり、アレクサ利用者は、非利用者よりも「1.3倍」も多く買い物をしているというデータもあります。

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また、商品をリコメンドするAIも目覚ましく進化しており、個人の好みや買い物のタイミングを精度高く把握できるようになっています。近い将来、AIが心の中を見抜き、本人が発注しなくても、欲しかった商品が自動的に届くようになるかもしれません。

店頭は「購買地点」から、「情報発信地点」へ

小売店にとって悲観的なことばかり挙げてしまいましたが、リアルの店舗にもチャンスがあります。それは、スマートフォンとSNSの登場により、店頭が、単なる買い物スポットから「情報発信地点」になったことです。

近年、生活者の欲求は「商品」(モノ消費)から「思い出づくり」や「イベント」(コト消費)に移っているといわれます。そして最近は、SNSに発信したくなる「話題」(ネタ消費)を求める傾向が強くなっています。

情報感度の高い人は、常にリアルの世界でネタになることを探しています。もし、街の小売店に、珍しい商品、楽しい売場、心に刺さるメッセージなどがあれば、それらはSNSによって瞬く間に拡散されます。

従来は、テレビで商品を知り、ネットで調べ、お店で買う。という買い物が普通でした。しかし今では、リアルな店頭で起きたことが、ネットで拡散され、テレビがそれを取り上げる。といった逆の流れも生まれています。

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一例をあげましょう。スーパーの店頭で、幼児を連れた女性がお惣菜を選んでいました。すると、見知らぬ高齢の男性から

母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ

と言われてしまったそうです。

このエピソードがSNSでツイートされると、大きな波紋が広がりました。「ポテトサラダは、果たして簡単な料理なのか?」とか、「お惣菜は手抜きなのか?」などの議論が飛び交います。

その様子を見たテレビ局は、「ポテサラ論争が勃発!」と大きく取り上げました。

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このような時は、売り上げを伸ばすチャンスです。あるメーカーは、ポテトサラダを簡単に作れる調理器具を紹介しました。あるスーパーは、「お惣菜は手抜きじゃなくて“時短”です」という主旨のメッセージを売り場のPOPから発信しました。すると、その様子も再びSNSに投稿され、大きな共感を呼んで広がっていきました。

リアルとデジタルは、対立軸で語られることが多いと思いますが、このような事例にみるように、店頭は大きなSNS情報網の中にある、情報の着火点になりうるということです。まさに、オンラインがオフラインを包含している「OMO」的な状態を確認することができます。

SNSと店頭の図

ここでひとつ、小売店様に提案があります。店舗ごとに「SNSマーケター」を立ててはいかがでしょうか。お店の情報をSNSで発信するだけでなく、世の中に起きた「トレンド」をいち早く捉え、売場づくりや、キャンペーン企画に反映させていくのです。

きっと、
「いつ行っても“ニュース”があるお店」
として話題化し、継続的にファンを増やしていくことができると思います。


DXで、「顧客との会話」が失われてはならない

最後に、忘れられないエピソードをひとつ紹介します。

あるスーパーが、「モバイル会員限定」の割引キャンペーンを実施したのですが、それを店頭で知った常連のおばあちゃんが激怒したのです。

いつもの『かりんとう』が安く買えない!私は携帯電話を持っていないんだ!

最近は、キャンペーンもどんどんデジタルシフトしており、応募から抽選、賞品の受け渡しまですべてスマートフォンで完結するものも増えてきました。

しかし、忘れてはいけないのは、リアル店舗は、地域の人とつながる「コミュニケーション接点」であるということです。日頃から、お客様に接して、その買い物行動や、要望を把握していれば、もっと常連さんをケアしてあげることができたかもしれません。

今後、スマートレジの導入や、商品補充の自動化などで、必要なスタッフ数は減っていくでしょう。人件費の削減にはつながります。しかし、その結果、「お客様の顔が見えなくなった」では本末転倒です。

DXで作業から解放された「レジ係」は、解雇するのではなく、来店客にお声がけをして、さまざまな問題を解決する「総合買い物サポート係」へ配置転換すべきです。

デジタル化を進めた結果、それが、一部のリテラシーの高い人だけのものになっては失敗です。そういった意味で、日用消費財におけるDXは、どこまでいっても「おばあちゃんのためのDX」でなければならないと、最後に申し上げて締めくくりたいと思います。

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dentsu SXでは、企業の皆さまからのご相談やご質問を受け付けております。興味のある方は、ぜひ公式サイトからお問い合わせください。
 

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銀行の振込手数料がまさかの値下げ、その裏にある事情とは?公取委がコスト構造を問題視

 手数料が引き上げられた、優遇サービスが改悪になる……そんなネガティブなニュースばかりが取り上げられがちな「銀行」だが、珍しく利用者が歓迎すべきトピックが報じられた。2021年10月以降に、大手銀行の他行あて振込手数料が引き下げになるという。

 今の振込手数料より下がる額は、三菱UFJ銀行では3万円未満が66円、3万円以上が110円、三井住友銀行は3万円未満が55円、3万円以上が110円(※11月以降)、みずほ銀行は3万円未満が60円、3万円以上が110円(みずほダイレクトは3万円未満が70円、3万円以上が120円)。

 現在、三菱UFJ銀行のATMで現金1万円を振り込むとすると440円の手数料がかかるが、それが374円と安くなる。さらに、インターネットバンキングを使う場合は今の220円が154円だ。

 ネット銀行も引き下げに動く。ソニー銀行は現行の振込手数料220円を10月以降は110円とする。GMOあおぞらネット銀行は個人口座で157円が、法人口座で3万円未満166円・3万円以上261円がかかっていたのを、一律145円に引き下げる。ただし、多くのネット銀行は取引に応じて手数料の無料回数が増える優遇ステージ制を採用しているため、インパクトは小さいが、それでも安くなるのに越したことはないだろう。

 消費税の10%引き上げに合わせてATM手数料がアップしたことはあったが、なぜ今のタイミングで引き下げになるのか。その理由は「お上のひと声」だ。

 直接的には、全国銀行協会が銀行間の決済をオンライン処理する「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」の手数料を見直すとしたからだ。このシステム上で、銀行間で送金し合う際の手数料は3万円未満117円、3万円以上162円となっており、その金額はなんと40年間も変わらないままだった。各銀行はこの数字をベースにして、自行分の手数料を上乗せし、おのおの振込手数料を決めてきた。

 しかし、全銀協が2021年10月から、一律でこれを62円に引き下げる。ベース金額が下がるならと、銀行も振込手数料の引き下げに踏み切ったというわけだ。

公取委が銀行間振込取引のコスト構造を問題視

 しかし、今回の手数料見直しは全銀システム側が自主的に行ったわけではない。外圧があったからだ。

 2020年4月に公正取引委員会が各銀行からのヒアリングを含む調査報告を出したが、その中で銀行間振込取引のコスト構造について問題視している。本来なら、こうした手数料は相対の交渉で決定することとされているが、現状ではすべてが3万円未満117円、3万円以上162円の同一金額で、報告書によると、昭和 54 年2月以降に現行の水準以外の銀行間手数料が用いられていた事実や、この調査開始までの期間において、いずれかの銀行が銀行間手数料の水準を変更するための交渉を行った事実は確認できなかった――とある。

 慣習化したまま、「これは高いんじゃないか」と誰も声を上げてはこなかったと、チクリと刺しているようだ。

 いや、もっと手厳しい。単なる送金手数料だけではなく、全銀システムの構築費、運営費、維持費を賄うための経費も含まれるにしろ、銀行側からの「振込を受ける際にコストが100円も生じることはない」「紙ベースで人件費がかかっていた時代と同じ水準のままの手数料は高すぎる」との声も添えて、公取委は「(現在の銀行間手数料の水準は)事務コストを大幅に上回っているとの見解」とバッサリだ。

 ここまで材料を揃えられると、外堀を埋められたも同然だろう。全銀協としてはもう下げるしかないし、下げられない合理的な説明は難しい。銀行側も、ベース金額が62円に下がるのなら損はないので、振込手数料の改定に向かうことにした。それが今回の引き下げだ。

 とはいえ、公取委がここまで口を出したのは銀行のためではない。この報告書のタイトルは「QRコード等を用いたキャッシュレス決済に関する実態調査報告」となっている。コード決済の利用者が自分のアカウントへ銀行からチャージする際のコスト、またコード決済された売上金を加盟店の銀行口座へ払い出す際の振込手数料など、コード決済事業者が負担する費用についても細々と調査をしている。

 特に振込手数料がネックとなり、キャッシュレス加盟店への売上金の振込頻度を月1回や2回までに絞る現状がある。売上金がなかなか振り込まれないと店も困るが、事業者側も振込手数料のコストがバカにならないので対応しにくい。つまりは、振込手数料が高いのがキャッシュレス導入の妨げになっている、と暗に言っているようなものだ。

 実際にキャッシュレス事業者からも、全銀システムの手数料にメスを入れてほしいとの声を聞いたことがある。国の肝いり政策の一つだったキャッシュレス推進のためには、現状の「3万円未満117円、3万円以上162円」にメスを入れる必要があった――と絵解きができるのだ。携帯電話料金にしろ、振込手数料にしろ、天の声はそれほど強いのか。

コストカットばかりでなく利用者還元も期待

 今回の手数料改定は銀行のためではないと書いたが、キャッシュレス化は彼らの敵というわけでもない。コード決済を利用するためのチャージ方法としては銀行口座、クレジットカード,ATM を利用した現金チャージ等があるが、先の報告書によれば、最も多く消費者が利用している方法は銀行口座だとある。デジタルネイティブな若者たちを未来の顧客としてつなぎとめるには、キャッシュレス事業者と平和的共存していく方が賢いだろう。

 むろん、振込手数料が安い方が助かるが、我が身に置き換えると、家賃を払う以外に他行への振込を利用する機会は少ない。また、今時はコード決済アプリのアカウント間で送金し合えば手数料もかからないし、割り勘の支払いも小遣いも、銀行を介する必要なくお金のやり取りが済む時代になった。銀行が存在感を発揮するシーンは減っているようにも見える。

 マイナス金利以降、稼ぐのが苦しくなったとばかりに銀行はATMや支店をどんどん減らし、手数料も一部値上げしてきた上に、メガバンクを中心に通帳の有料化や2年以上使われてない未利用口座への管理手数料も導入した。そして、今回の全銀システムの手数料引き下げで、銀行が負担するコストは軽くなるだろう。

 そんなにあれこれコストカットしているのだから、ぜひ利用者に還元できるサービスに振り向けてほしいものだ。せめてコロナ禍で厳しい環境にある経営者や起業を目指す若者たちへの融資・サポートなど、銀行の本業分野で稼いでくれるように期待したい。

(文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト)

●松崎のり子(まつざき・のりこ)
消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。Facebookページ「消費経済リサーチルーム

東芝・三菱電機・経産省、「ガバナンス」「経営における善悪」への恐ろしいほどの無関心の原因

 東芝と経済産業省による株主総会への不正介入疑惑や、三菱電機による大規模な不正行為の隠蔽など、日本経済の屋台骨ともいえる名門企業に相次いで不祥事が発生している。両社に共通しているのはガバナンスに対する著しい認識の欠如であり、小手先の対応で改善できるものではない。事態を矮小化し、場当たり的な対策に終始すれば、再び同じような問題を起こす可能性が高い。

あまりにも著しい認識の乖離

 東芝は筆頭株主であったエフィッシモ・キャピタル・マネジメントによる株主提案を受け、2020年7月に行われた株主総会が適性だったのか外部弁護士による調査を実施した。これは東芝自身が決断したことではなく、株主が同社の経営に不信感を抱き、調査を求める議案を提出したことがきっかけである。そもそも、こうした議案が提案・可決されること事態が希であり、株主が経営陣に対していかに不信感を持っていたのかが分かる。

 2021年6月10日に公表された報告書では、株主総会は「公正に運営されたものとはいえない」と結論付けている。東芝が経産省に支援を要請し、同省と東芝が一部株主に不当な影響を与えたとの見解だ。

 この調査結果に対して梶山経済産業大臣は6月15日、東芝への個別対応について「経産省として当然のことを行っている」として、半ば開き直りとも取れる説明を行っている。調査報告書についても「根拠が必ずしも明らかではない」としたものの、同省として独自調査は行う予定はなく、今後についても「東芝の動きを注視していく」と述べるにとどまった。結局のところ、東芝に対して個別対応は行ったが、それは正当な行為であり、後のことは東芝に任せるという「逃げ」の姿勢が鮮明になっている。

 東芝は10日後の6月25日に定時株主総会を開催したが、11名の取締役選任案の採決で永山治取締役会議長と小林伸行監査委員の再任が反対多数で否決されるという異例の事態となった。永山氏への反対票は56%、「総会の運営に問題がなかった」としていた監査委員の小林氏への反対票は何と74%にのぼっている。これだけの反対票が投じられたということは、一部の外国人投資家だけではなく、生保など日本の機関投資家ですら、東芝のガバナンスに怒りを表明したことになる。国内の機関投資家が上場企業に経営にここまで介入するのは極めて希であり、東芝問題がいかに深刻であるかを物語っている。

 それにしても、東芝と経済産業省と株主(市場)との間に生じている意識の断絶は凄まじい。東芝と経産省は自らの行為について問題ないと認識していたようだが、会社の所有者(つまり主権者)である株主は正反対のことを考えていた。このような事態に陥ってしまったのは、企業のガバナンスにおける根本的な善悪について、東芝と経産省がまったく無関心だったことが原因である。

ガバナンスに対する基本的な価値観の欠如

 東芝は株式会社なのでルール上、経営の最終決定権は株主にある。株式会社というのは、株主が会社の所有権を持てるようあえて設計された形態なので、経営者が株主の意向を尊重しないというのは、株式会社の理屈としてあり得ないこといえる。

 もし株主の意向に左右されたくないのなら、株式会社の形態をやめればよいだけで、実際、米国には投資家の意向に左右されないようLP(リミテッド・パートナーシップ)など株式会社以外の形態を選択するケースも多い。コーポレートガバナンスというのは、民主主義の統治から派生した概念であり、商業活動や企業活動について規定している商法や会社法も民主主義の体系の一部となっている。したがって企業のガバナンスについても、条文の些末な解釈以前の問題として「根本的な理念や価値観」というものがあり、「やって良いこと」と「やってはいけないこと」ことが明確に区分されている。

 商法や会社法が示す理念や価値観と、国家運営との間で利害の対立が生じるケースは当然、想定される。政府には国家の安全を守る義務があるが、商業活動の自由も安全保障と同様、資本主義国家・民主主義国家の土台となる基本原則である。安全保障上の理由から株主の権利を侵害する可能性が考えられる場合には、ルールに従って慎重に対応しなければならない(これは戦争などの非常事態において私権が制限されることの是非と同じ文脈である)。東芝の場合、こうした手順を無視しているため多くの株主が怒りを表明している。

 安全保障上、東芝の技術を保護する必要があるのなら、改正外為法の拡大解釈といった方法ではなく、明確な法律に基づき、正面から対応するのがスジだろう。また経産省が本気でそうした措置を考えているのなら、後は東芝に任せるといった無責任な対応は取れないはずだ。結局のところ、経産省と東芝は、ガバナンスに対する基本的な価値観が欠如しており、介入によって発生する事態に対して、政府が責任を持って対処するという覚悟も見られない。結局はこうした無責任な体制が露呈したということにほかならない。

三菱電機は取締役会を完全無視

 まったくの偶然だが、似たようなケースが三菱電機でも発生している。同社では、鉄道車両向け空調装置で長年にわたって不正行為を行っていたことが発覚し、杉山武史社長が引責辞任を表明した。だが一連の過程においてガバナンスがまったく機能していないお粗末な実態が明らかとなっている。

 同社は少なくとも1985年から35年以上にわたって、仕様書とは異なる条件で検査したり、検査そのものを実施しないといった形で不正行為を繰り返していた。顧客には適性に検査をしたように見せかけた書類を提出しており、しかも架空のデータを自動的に生成するソフトウェアまで使用していたというのだから、意図的かつ組織的であることは明らかだ。

 しかも同社では過去に何度も似たような不正行為が発覚しており、2016年から19年にかけて大規模な車内点検を3度も実施している。過去3回の点検でも今回の不正は見逃されており、事態がまったく改善していない。ここまで不正行為が続くと、組織全体として改善する意思がゼロと判断されても致し方ないだろう。

 これはまさに同社の経営そのものに根ざした問題といってよいが、案の定、同社のガバナンスは東芝と同様、ほとんど機能していない状況にある。それは今回の不正発覚と外部への説明が行われた手順を見れば明らかである。

 今回の不正は2021年6月14日に判明したが、最初に同社が選択した行動は経済産業省への説明だった。同社は29日に株主総会を控えており、株主総会では杉山社長以下、経営陣の再任を提案している。当然のことながら株主に対してこの重大な事実を通知しないまま総会を開催すれば、株主を欺くことになる。ところが同社は経産省には報告したものの、株主には情報を開示せず、29日には平然と株主総会を行って杉山社長は再任された。

 不正を公表したのは何と総会翌日の30日で、しかも総会で情報を開示しないことは取締役会にも諮られなかった。当初、杉山氏は取締役会の了承を得たという趣旨の発言をしていたが、これは虚偽であったことが明らかとなっている。

 会社の所有者である株主と、その意向を間接的に企業に反映させるために存在する取締役会は完全に無視された形といってよい。同社の取締役には、元検事総長や元外務次官、元メガバンク頭取などが就任しているが、メンツは丸つぶれといってよく、ここまで株主と取締役会が軽んじられるケースも珍しい。三菱電機の幹部は、企業経営における根本的な善悪が著しく欠如しているとしか思えない。

あまり深く物事を考えていない?

 筆者が一連の問題に底知れぬ恐怖を感じるのは、東芝の経営陣も三菱電機の経営陣も、企業活動の根源的な善悪について、異様なまでに関心が低いことである。意図的にガバナンスを無視しようと思っているのではなく、あまり深く考えずに、こうした行為に及んでいる可能性が高いのだ。

 東芝の調査報告書を読むと、モノ言う株主にどう対処するか、経営陣がそれだけで頭がいっぱいだった様子がありありと伝わってくるし、ガバナンスにおける善悪というものを理解していれば、杉山氏が「取締役には諮ってある」などと、息を吸うように虚偽の説明をするわけがない。

 企業経営あるいはガバナンスに対する基本的な哲学を欠いたまま、いくらコーポレートガバナンス指針などのマニュアル参照したところで、正しい行動が取れるわけがない。日本は以前からガバナンスの欠如が指摘されてきたが、これは極めて根が深い問題であると筆者は考えている。

(文=加谷珪一/経済評論家)

●加谷珪一/経済評論家

1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)、『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)、『教養として身につけたい戦争と経済の本質』(総合法令出版)、『中国経済の属国ニッポン、マスコミが言わない隣国の支配戦略』(幻冬舎新書)などがある。

【安倍前首相「桜を見る会」不起訴不当】事件は終わっていない!…江川紹子はこう見る

 総理大臣主催の公的行事「桜を見る会」の開催前夜に安倍晋三前首相の後援会が開いていた宴会の費用を安倍氏側が補填していた問題を巡って、東京第一検察審査会は、安倍氏本人や秘書らを不起訴とした東京地検特捜部の処分のうち、公職選挙法違反などについて、不起訴を「不当」とする議決を行った。議決書は「付言」のなかで「総理大臣であった者が、秘書がやったことだと言って関知しないという姿勢は国民感情として納得できない」と述べるなど、安倍氏の対応や検察の捜査に対する厳しい批判が込められる内容となった。

検察の「やる気のなさ」を厳しく批判…検察は当初から不起訴の結論ありきだったのでは?

 問題となった宴会は、2013~19年に都内の高級ホテルで行われ、「桜を見る会」に招かれた地元山口県の後援者などが参加。会費は5000円だったが、この金額ではまかなえるはずがない、として安倍氏側が補填した疑惑が持ち上がった。

 しかし、安倍氏は疑惑を強く否定。突然、1日2回もぶらさがり記者会見を開くなどして、積極的に“潔白”を主張した。安倍氏は、「すべての費用は参加者の自己負担で支払われた。事務所や後援会としての補填も立て替えもない。事務所にも後援会にも一切の入金や出金はない。政治資金収支報告書への記載の義務は生じない」と断言し、国会でも同様の答弁を繰り返した。野党の追及に色をなして反論することもあったが、真相を明らかにするための調査には消極的で、ホテル発行の明細書の提出を求められても突っぱねた。

 ところが、弁護士らの告発を受けた特捜部の捜査で、安倍氏の主張は崩壊した。

 検察の捜査は、山口県選挙管理委員会で政治資金収支報告書が保管されていた2016~2019年に絞られたが、この4年間だけで、約708万円を安倍氏側が補填していたことが明らかになった。特捜部は昨年12月、4年間の収支報告書に収入支出の合計3022万円を記載しなかったとして、安倍氏の元公設第1秘書で、後援会代表を務めていた配川博之氏を政治資金規正法違反で略式起訴した。すでに罰金100万円の略式命令が確定している。

 この際、安倍氏は不起訴となり、「会計処理は私が知らないなかで行われていた」「秘書に任せていた」と弁明。補填の原資については、「手持ち資金として、私が事務所に預けているものから支出した」と述べた。

 安倍氏は2019年11月~2020年3月に、国会で本件に関して内容虚偽の答弁を合計118回も行っていることが明らかになり、それについては陳謝した。

 今回の議決は、この時に不起訴となった容疑のうち2つについて、安倍氏を「不起訴不当」とした。ひとつは、宴会費用の補填は、選挙区内の人への寄付行為を禁じる公職選挙法に違反するのではないかという容疑。もうひとつは、安倍事務所の“金庫番”とも称されていた、安倍氏の資金管理団体「晋和会」の元会計責任者について、選任・監督に対する注意義務を怠った政治資金規正法違反の容疑だ。

 このうち公選法違反について、検察側は、宴会参加者には参加費以上の利益供与、すなわち寄付を受けた認識があったことを認定する十分な証拠がないとして不起訴とした。

 一方、検審の議決は、検察側が一部の参加者の供述だけで参加者全体の認識を判断したうえ、安倍氏本人や秘書の供述だけで、安倍氏の意図を判断した点などが捜査不十分だと指摘。「メール等の客観資料も入手した上で」認定するよう求めた。

 この指摘は、検察の「やる気のなさ」を批判したものともいえよう。河井克行・案里夫妻による公職選挙法違反事件を見てもわかるように、検察が本気で立件をめざす場合、まずは事務所などの捜索を行って、証拠類を押さえるのが定石。安倍氏に関しては、関係先を捜索した、との報はない。告発があった時点で、検察は当初から不起訴との結論ありきだったのではないか。

 それはおそらく、前夜祭は後援会の主催であり、ホテルへの支払いの主体も同じである、という安倍氏側の説明を鵜呑みにしていたせいではないか。だから、後援会の役職にも就いていない安倍氏を刑事責任に問うことはできない、と決めてかかったのだろう。しかし検察審査会は、この構図に疑問符をつけた。

検察審査会が安倍前首相に突き付けた「透明性」と「説明責任」

 議決書によれば、前夜祭の開催に当たっては、「晋和会」会計責任者の元私設秘書が「主体的、実質的に関与していた」。そう言い切るには、それだけの証拠があるはずだ。

 しかも、ホテルが発行した領収書の宛先は「晋和会」だ。通常、こうした領収書は、支払いの主体に宛てて発行される。それをあえて、同会ではなく支払いの主体は後援会である、と認定するなら、それなりに納得のいく説明や証拠が必要だ。ところが、そうした捜査が行われていない、という指摘だ。

 議決書は「(安倍氏側に)積極的な説明や資料提出を求めるべきであり、その信用性は慎重に判断されるべきである」として、検察の捜査のあり方に厳しく注文をつけた。

 支払いの主体が、安倍氏が代表を務める「晋和会」であり、そこがホテルと契約したのであれば、同会の収支報告書に収支を記載し、報告しなければならないはずだ。議決書は、同会の元会計責任者については政治資金規正法違反の収支報告書の不記載容疑で、安倍氏についてはその選任・監督責任に関して、捜査を尽くすよう求めた。

 議決書は、こうした結論を述べた後、「付言」として安倍氏に対して、強い批判を連ねている。そのポイントは「透明性」と国民に対する「説明責任」だ。

 まず、税金を使った公的行事である「桜を見る会」に、本来招待されるべき資格のない安倍氏後援会の人たちが多数参加していた件。「国民からの疑念がもたれないように、(招待者の)選定基準に則って厳格かつ透明性の高いものにしてもらいたい」と注文をつけた。

 そして、前夜祭の費用不足分を安倍氏の個人資産で補填していた、という説明についても、「疑義が生じないように証拠書類を保存し、透明性のある資金管理を行ってもらいたい」と要求。

 さらに、総理大臣を務めた政治家が、疑惑にきちんと答えず、問題が明らかになっても「秘書がやった」で済ませる対応に加え、国民に対する説明を怠った点についても、次のような批判を行った。

「国民の代表者である自覚を持ち、清廉潔白な政治活動を行い、疑義が生じた際には、きちんと説明責任を果たすべきである」

 検察審査会は、有権者の名簿から無作為に選出された11人で構成される。野党支持や安倍氏に批判的な人を意図的に集めることはできない。今回の場合は、法的な問題点について助言する弁護士が審査補助員として加わっている。そのような審査会において、メンバーの過半数が検察の捜査のあり方や不起訴処分に疑問符をつけ、安倍氏に対してこれだけ厳しい批判をしたことを、検察および安倍氏は重く受け止めるべきだろう。

 2回の議決で検察の判断とは関係なく強制起訴となる「起訴相当」と異なり、「不起訴不当」は検察が再度不起訴処分とすれば、刑事事件としてのプロセスは終わる。それを見越してだろう、安倍氏は「私としては今後、(検察)当局の対応を静かに見守りたい」と述べた。

 まるで他人事のような反応だ。しかし、「見守る」だけでいいのか。

安倍前首相は国会の場で説明を…検察も不起訴ありきではなく説明責任を果たせ

 補填疑惑が持ち上がった時、安倍氏側がきちんとホテルに問い合わせるなどしていれば、国会で内閣総理大臣が118回も虚偽答弁を行う、とんでもない事態にはならなかった。安倍首相は疑惑が向けられると、いつも野党議員に敵がい心を燃やすばかりで、真相解明や国民に向けての真摯な説明を避けてきた。

 加えて、安倍氏はネポティズム(権力者による身びいき)で、日本の政治を荒廃させてきた、との批判もある。「桜を見る会」を巡る一件はその象徴ともいえるだろう。

 この催しは本来、「各界において功績、功労のあった方々をお招きし、日頃の労苦、慰労をするためなどのため」に行われる公的行事だ。にもかかわらず、安倍氏などの後援者が数多く参加し、マルチ商法で知られる反社会的な人物が招かれ、それを悪用していることも明らかになっている。公的行事の私物化だ。

 安倍氏は議決書の「付記」を熟読し、自らを省みて、国民に語るべきことがあるのではないか。野党は国会での証人喚問を求めている。自民党の判断を待つことなく、安倍氏自ら、求めに応じて、国民に向けて語るべきだろう。

 検察も、不起訴ありきではなく、議決書が指摘した捜査不足の点をしっかり調べ、それを国民に説明してもらいたい。検察は不起訴事件の詳細を公表しないことが多いが、今回は安倍氏が現職の内閣総理大臣だった時期の容疑である。検察には国民への説明義務があるといえよう。

 たとえば公選法違反容疑について。検察は最近、菅原一秀・元経済産業大相を同法違反で略式起訴した(罰金40万円、公民権停止3年の略式命令確定済み)。当初は、香典や枕花など合わせて30万円分を選挙区の人に寄付していたと認定したうえで、起訴猶予としたが、検察審査会の「起訴相当」議決を経て再捜査の結果、地元の行事に参加した際の祝儀などを含め約80万円分の違法の寄付をしていたことがわかり、判断を一転させた。

 一方、安倍氏側の会費補填は、2016~2019年の4年間だけで708万円に上る。参加者ひとり当たりにすれば、金額は少額かもしれない。しかし、菅原氏が、地元団体が催す行事に出した数千円から1万円程度の祝儀も違法な寄付と認定されて立件されたことを考えれば、安倍氏側のケースも同様に考えるべきではないだろうか。安倍氏を再び不起訴にするなら、検察はそれについての説明が必要だ。

 また、ホテルは「晋和会」への領収書を出したのに、後援会が支払いの主体とする判断を維持するのかどうかについても、検討や説明が求められる。

 この事件は、まだ一件落着ではない。

(文=江川紹子/ジャーナリスト)

●江川紹子(えがわ・しょうこ)
東京都出身。神奈川新聞社会部記者を経て、フリーランスに。著書に『魂の虜囚 オウム事件はなぜ起きたか』『人を助ける仕事』『勇気ってなんだろう』ほか。『「歴史認識」とは何か – 対立の構図を超えて』(著者・大沼保昭)では聞き手を務めている。クラシック音楽への造詣も深い。

江川紹子ジャーナル www.egawashoko.com、twitter:amneris84、Facebook:shokoeg

「調子に乗ってる」 田中圭、各局で起用に警戒か…コロナ禍で密パーティー、警察“保護”騒動も

 毎クールのように連続テレビドラマに出演し、現在も“フジ月9”『ナイト・ドクター』(フジテレビ系)に重要な役どころで出演中の俳優、田中圭。ドラマの仕事に加え、今年だけでも主演作3本を含む計6本の出演映画が封切りとなるなど、“いったい、いつ休んでいるのか?”とファンならずとも心配になるほど多忙を極めている。

 田中といえば、2011年に出演した香里奈主演のドラマ『私が恋愛できない理由』(フジ系)あたりから名バイプレーヤーとして注目され始め、18年放送の連続テレビドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)で大ブレイク。以降、『あなたの番です』(19年/日本テレビ系)、『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(20年/フジ系)など話題作に次々と出演し、今やドラマ・映画界では欠かせない人気俳優の地位を確立している。

 そんな田中にとって“良くないニュース”が流れ、各方面に少なからぬ影響を及ぼしているという。先週7月29日発売の「週刊文春」(文藝春秋)によれば、新型コロナウイルス感染拡大に伴い東京で「まん延防止等重点措置」が実施されていた7月、俳優仲間の眞島秀和や正名僕蔵らを含む20人以上と共に、自宅マンションで自身のお誕生日パーティーに興じていたという。ちなみに田中は7月、新型コロナウイルスの感染が発表されている。

 田中といえば、これまでもたびたびプライベートでの素行がメディアを騒がせてきた。田中は既婚者で2児の父親だが、15年には週刊誌「FLASH」(光文社)に『妻子あり田中圭 グラドルにセクハラ泥酔合コン』という記事で、グラビアアイドルの西崎莉麻との合コンでキスをせがんでいる様子がキャッチ。無類の麻雀好きとして知られるが、18年には“賭け麻雀”を行っていることが発覚。同年には『女性セブン』(小学館)で、女優の内田理央と親密な様子で酒を飲んでいる様子をキャッチされたことも。そして昨年8月には、早朝に泥酔してタクシーに乗車し、料金を支払えなかったために警視庁に保護されるという不祥事を起こして、大きなニュースにもなった。

『アンサング・シンデレラ』の収録現場では二日酔いの状態で仕事に来たところ、主演の石原さとみに“叱られた”という報道もあったが――。

「自覚がなさすぎる」行動

「世間的にはそうしたイメージは強くないものの、この数年だけでこの“不祥事”の数は、ちょっと多い印象です。ただ、よほどの強運の持ち主なのか、なぜか世間的にはほとんど“スルー”されて、仕事に影響が出たことはない。明白な違法行為である“賭け麻雀”が発覚した際は『獣になれない私たち』(日テレ系)に出演中だっただけに、最悪の事態も想定されたものの、結局“お咎めなし”で乗り切りました」(週刊誌記者)

 しかし、そんな田中も今回の“密パーティー”をめぐっては、業界内で問題視する声が広まっているという。

「もともと頻繁に飲み歩く姿がキャッチされてきた田中だが、出演する『ナイト・ドクター』が放送中の出来事で、しかも田中の劇中での役どころは救急救命医ということで、ちょっとシャレにならない。さらに8月には主演の舞台も控えているなかでのことですから、あまりに自覚がなさすぎる。ウチの局内では、“起用には慎重になったほうがよい”“調子に乗っている”という声も出ています。これまで起こしたトラブルのことを考えても、各局で起用に二の足を踏む動きが出てもおかしくはない空気です。もし連ドラ放送中に何かしでかされたりでもしたら、スポンサーに説明がつかないですしね」(テレビ局関係者)

 また、芸能事務所関係者はいう。

「田中が所属するトライストーン・エンタテイメントは、規模はそれほど大きくないものの、勢いのある人気俳優を複数抱える個性的な事務所ですが、所属タレントのプライベートには口を出さないというか、むしろ“俳優たるもの遊びも芸の肥やし”的な姿勢で知られています。所属する小栗旬や綾野剛などが良い例でしょう。ただ、田中ももうれっきとした人気俳優だけに、それをしっかりと自覚して私生活も自重していかないと、足元をすくわれかねませんよ」

 私生活での“つまらない失態”で、将来の俳優活動をふいにしてしまうことだけは、避けてほしいものだ。

(文=編集部)

 

救急搬送困難続出で菅首相が「重症・重症化リスク以外は入院させない」の棄民方針!入れ込む抗体カクテル療法も使えない可能性大

 東京五輪のお祭り騒ぎの一方、感染爆発によって医療逼迫が深刻化している東京都。7月第4週には、感染が疑われる患者の搬送先が30分以上決まらない「救急搬送困難事案」が698件にものぼり、さらには119番通報した50代の重症患者がおよそ100の病院から受け入れ拒否され、8時間後...

パチンコ令和の時代に「名作」を堪能できる!「伝説のゲーム」がハートを鷲掴みにして離さない!!

 電撃しらっちといえばレトロ記事、レトロ記事といえば電撃しらっち。

 という事で、今回は私の出番で間違いないですよね? いつもご愛読ありがとうございます。電撃しらっちです。

 メーシーから『Pナムココレクション』、『PAナムココレクション』がリリースされますが、懐かしい名作レトロゲームがたっぷりと詰まっていますね。

 世界的な知名度を誇る『パックマン』を始め『ディグダグ』、『ゼビウス』、『ドルアーガの塔』と伝説の4タイトルを採用。全て元々はアーケード版のゲームタイトルですが『ファミコン』を筆頭に、現在まで数十機種以上の家庭用ゲーム機にも移植されている往年の名作ゲームたちです。

 これらは全て1980年代の発売。収録タイトルを見て《グッと》キテいる方の多くはパチンコ業界でも大ベテランかと思われます。そういう私も「辛抱たまらん」という感じですね。

 昔はどこにでもあった街の小さなゲーセンなんかで小銭を入れてはピコピコしていたのを思い出しますし、ファミコン世代にも『どストライク』だと思われます。

 出玉のカギを握るのは小当りRUSH「ナムコラッシュEX」で、残機3つがなくなるまで継続。ゲーム感覚で小当りRUSHを楽しむことができます。味のある8bitサウンドも感涙ものです。

 ゲームばかりしては怒られ、その数年後にはパチンコ、パチスロばかりして怒られていた青春時代が甦りますね。

 大当り確率もシャレが効いています。

 P機ではナムコだけに1/176.5。
 PA機ではパックマンよろしく1/89となっております。

 SPリーチにはディグダグ「プーカァをやっつけろ!!」、ゼビウス「アンドアジェネシスをやっつけろ!!」、ドルアーガの塔「クオックスをやっつけろ!!」パックマン「フルーツをとりかえせ!!」などを用意。テンションが上がります。

『遊びをクリエイトする』とは1980年代ナムコの有名なキャッチコピーですが、正に遊び心たっぷりですね。

 パチンコ業界でもいくつかの開発メーカーが星となり消えていきましたが、ゲーム業界でもいくつものメーカーが消えていきました。

 そんな中でもTOPを走り続けるナムコとメーシーのタイアップ機が面白くないはずがありません。

 決してメインタイプのパチンコ機ではありませんが、そっと数台設置しておけば素通りはできないはず。

 ゲームに『どハマり』した年代のお客さんたちのハートを鷲掴みにして離さないかも知れませんね。

 あっ♪そうそう、今月の21日には文字盤がそっくりそのままパックマンのゲーム画面になっているデジタル時計がCASIOから販売されるそうです。

 思わず目を引きそうなかわいいデザインだったので、気になる方は是非こちらもチェックしてみてください。

(文=電撃しらっち)
<著者プロフィール>
業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や、業界関係者への取材記事も担当。羽根モノや一発台を特集するなど、オールドファンにも響く内容も積極的に作成している。

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 今ではテレビではなく、YouTubeメインで視聴している方々も非常に多いようですね。自分の好きなタイミングで、気軽に趣向に合った動画を楽しめる点がYouTubeの魅力の一つ。検索ワードを入れるだけで、関連動画を手軽に見られるのは本当に便利です。

 今やYouTubeは、芸能人やプロスポーツ選手など、様々なジャンルの第一人者が活躍しているのはご存じの通り。それはパチンコ業界も同様で、人気ライターの方々が続々とチャンネルを開設している状況です。

 去年の暮れごろには大御所ライター「大崎一万発」さんが、YouTubeチャンネル「まんぱつ」を開設。自身の最高月収や業界の裏事情を公開するなど、精力的に活動を続けています。

 そして今年4月には、先述した大崎さんとゆかりの深い大物ライター「ヒロシ・ヤング」さんが「ヤングちゃん、寝る?」を開設しました。

「オッサンですが、ヤングです」というお馴染みのフレーズと、物腰柔らかな立ち振る舞いはYouTubeでも健在。行きつけだったホールの店長へ「出入り禁止」の解除を直訴するなど、独自の切り口で動画を展開し着実に登録者数を増やしています。

 ちなみに、当サイトでも何度かご紹介させていただいているので、興味のある方は下記をチェックしてみてください。

○○○
・【パチンコ大物ライターが「出禁解除」を直談判! ホール店長との和解は…「前代未聞の体当たり企画」が話題!!

・【パチスロ美人ライター年収「最高〇千万円」!?「バブル状態」の強烈な話題に驚愕!!
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 このように、魅力的な企画動画を次々に展開している「ヤング」さんですが、7月に入ってからもその勢いは留まることを知りません。自身が見聞きした遠隔操作に関わる情報を発信している「パチ裏ワイドショー」や大崎さんとのコラボ動画など、その内容は実に様々です。

 今回は、その中でも私が特に面白いと感じた作品をご紹介したいと思います。パチンコ業界の第一線で活躍し続けるベテランライターならではの興味深い動画です。

・【ヤングは見た!世にも奇妙なパチ屋の光景

 この動画では、30年前のパチンコ店で目撃した奇妙な光景を紹介しています。当時のホールはパンチパーマの店員が台鍵をチャラチャラ振り回しながら店内を歩いていたと語っています。客層も強面の方々ばかりで、女性が近づき難いような雰囲気だったようですね。今では考えられないような環境です。

 そんな状況だったということもあり、なかなかハードな体験も数多く体験していた模様。中には、犬に台を打たせていたという強者もいたと話しています。子連れ、掛け持ちなど「なんでもアリ状態だったんだな」と思いました。

 動画内では、この他にも様々な体験談を話しています。その中には先述した「犬の遊技」が可愛く思えるほどのハードな内容も…。続きはぜひご自身の目で確かめてみてください。

(文=HIRA.777)

<著者プロフィール>

 飲食店やホテルマン、営業など幅広い職種にチャレンジ。どれも長続きせずにいたが、趣味であったパチンコ関連業界へ就職し現在に至る。今では自身の体験談や、業界関係者から入手した情報などを元に記事を作成中。パチスロ4号機にハマっていたいわゆる「北斗世代」で、長きに亘り活躍するシリーズの動向に注目している。主に検定通過情報や、動画レビュー記事を担当。動画は大量出玉を実現した内容を好んで紹介している。

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C.ルメール「働き方改革」でJRA全10場重賞制覇に王手! 武豊ら過去6人が達成した「偉業、シーズンオフなしの日本競馬界の働き方に一石を投じるか?

 1日、小雨降る函館競馬場で行われたクイーンS(G3)は、3番人気のテルツェット(牝4、美浦・和田正一郎厩舎)が優勝。

 鞍上のC.ルメール騎手は、函館の重賞レースを9度目の挑戦で初制覇。過去には武豊ら6人の騎手が達成しているJRA全10場重賞制覇へ、残すは小倉のみと王手をかけた。

 一方で、クビ差2着に敗れた1番人気マジックキャッスル。管理する国枝栄調教師のレース後のコメント「今日はルメさんにうまくやれました」が全てを物語っていた。

 テン乗りとは思えない、テルツェットとの息の合った騎乗をみせたルメール騎手。そのクイーンSが行われる前週7月24・25日の2日間は、毎年恒例の“夏休み”を満喫するため騎乗なし。自身のSNSには、ゴルフや乗馬を楽しむ姿が公開されていた。つまりルメール騎手は、“バカンス”を楽しんだ後にも関わらず、重賞レースで完璧な騎乗をみせて、しっかりと結果を残したといえる。

 ルメール騎手の“バカンス”といえば、年明けの長期休暇も有名だ。

 年末ギリギリまで続くJRAの競馬開催は、年明けも恒例の金杯からスタート。その開催日は、年明けの1月5日や6日がほとんど。そして週末には、これまた恒例の3日間開催が待ち受けている。

 ここ数年のルメール騎手の年明け始動戦は、その3日間開催からスタート。JRAには、年末から年明けまで“私用のため”の海外渡航届を提出。1月5日や6日の「金杯デー」は参戦しないケースが多い。

 日本人にとって“冬休み”にあたる長期休暇をとるルメール騎手。2019年に始動した1月12・13・14日で5勝。翌20年1月11・12・13日は驚異の7勝。さらに今年の始動戦となった1月9・10・11日でも4勝の固め打ち。

 また、2019年は京成杯、20年はシンザン記念、今年はフェアリーS(すべてG3)を制するなど、毎年確実に重賞レースを勝利。長期休暇をとった直後でも、毎年結果を残している。

 こうした“バカンス”をとるルメール騎手のライフスタイルは、日本人ジョッキーにとってはある意味、羨ましいスタイルともいえるだろう。

 世界的に珍しい、オフシーズンがない日本の競馬界。JRAの騎手たちはケガでもしない限り、長期休暇をとることは難しいのが現状だ。しかも休んだら最後、自身のお手馬を他の騎手にとられてしまう恐怖もあり、少々のケガなら誰も休まない。そんな風潮は、未だに存在している。

 一方のルメール騎手は、存分に“バカンス”を楽しみ、リフレッシュしてから再び戦場に赴き、そして結果を出すという、理想的な行動サイクルを実現。「休む時は休む、仕事するときはする」という、いわゆるオン・オフの切り替えこそ、大きなモチベーションになっていることは明白であり、これこそ同時に、長きに渡りトップジョッキーの座に君臨する“秘訣”ではないだろうか。

 奇しくもJRAは1日に、2021年度秋季競馬番組を発表。今年も12月28日(火)まで、年内いっぱい競馬が開催される。騎手をはじめ、競馬関係者にとっては今年も「休む暇なし」の年末年始を過ごすことになりそうだ。

 一年中行われるレースへの出走を巡って、休みなく働く調教師や厩舎関係者。さらに寒さ暑さ関係なく、春夏秋冬通じてコンディションを整える必要がある騎手たち。

 ルメール騎手のこうした行動サイクルが浸透すれば、いつの日か、日本競馬界にも「働き方改革」が実現する可能性もある。そして同時に、多くのホースマンの技術レベルも底上げするのではないだろうか。

(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。