JRA過去1年でわずか1勝……「長距離戦は騎手で買え」の格言は通用せず?全国リーディングをひた走るC.ルメール唯一の“不適性距離”とは?

 先週の札幌競馬で、ダート1000mのレースに2度ほど騎乗したC.ルメール騎手。14日の3Rは5番人気のザント、15日の9Rは1番人気に推されたミエノワールドに騎乗したが、それぞれ最下位、4着と敗れ、いずれも馬券圏外に終わってしまった。

 誰もが認めるトップジョッキーのルメール騎手とはいえ、ダート1000mは苦手条件といえるのかもしれない。先週の2鞍を含め、昨年7月から今年の8月15日現在の約1年間。函館と札幌のダート1000mで15戦してわずか1勝。勝率はたった6.7%と散々な成績である。昨年204勝、今年も15日まで115勝を挙げているリーディングジョッキーにも、“不適性距離”が存在しているようだ。

 2017年から、4年連続JRA最多勝を記録しているルメール騎手。多くの競馬関係者も認める、そのストロングポイントを挙げればきりがない。

 メンタルはもちろん、フィジカル面も秀逸。下半身の柔らかさだけでなく、腕力は他の日本人騎手以上ともいわれているその類まれなパワーで、引っ掛かる馬をなだめる「折り合い力」は素晴らしく、過去には幾多の“神”騎乗を披露してきた。

 2004年のジャパンC(G1)では、東京競馬場の芝2400mを舞台に「折り合いに難あり」といわれたコスモバルクをピタリと番手で折り合わせて、2着に導く好騎乗。09年の同レースでも、やんちゃでナイーヴなイメージのあるウォッカと折り合いをつけて、見事優勝を果たした。

 ルメール騎手が近年でその「折り合い力」を遺憾なく発揮したのが、フィエールマンとのコンビだろう。3歳時には、道中2度の坂超えを経験する3000mの菊花賞(G1)を制覇。古馬になってからも同じ淀の舞台で200m延びた3200mの天皇賞・春(G1)を連覇するなど、長距離戦を総ナメ。「長距離戦は騎手で買え」とは昔から伝わる競馬格言だが、まさにルメール騎手は数々の長距離レースで、その格言を証明してくれた。

 こうした長距離戦と、一線を画するのが函館・札幌のダート1000m。ルメール騎手がその「折り合い力」を披露するチャンスは、必然的に少なくなるのかもしれない。

 1分未満でゴールまで突っ走る、JRAのレースなかでも最短距離戦の1000m。とにかく出遅れたらジ・エンド。さらに道中は、騎乗テクニックよりも「なにがなんでもハナに立つ」といったガッツも必要で、ある意味ジョッキーの騎乗技術ではどうにもならない距離でもある。

 実際、レース後の敗因を問われた騎手たちは「出遅れがすべて」「(1000mは)忙しかった」などと証言するケースも多い。結果的にルメール騎手のストロングポイントは活かされることなく、他の騎手との差もそれほど生まれないことが、過去1年間の成績に結びついているのではないだろうか。

 今夏の札幌開催は、あと6日間。残り少ないダート1000mで“不適性距離”を返上できるか、ルメール騎手の手綱さばきを注意深く見守りたい。
(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

クレジットカード利用率最新ランキング、3位は「ヤフーカード」2位「イオンカード」1位はあのポイントが貯まるカードに!

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

今や「うち、現金のみなんです」と言われると焦ってしまうほど、キャッシュレス決済が浸透している。キャッシュレスといえばQRコード決済が思い浮かぶが、そのQRコード決済の多くでは、紐づけるクレジットカードの存在は不可欠と言っていい。2021年8月、株式会社スパコロが、全国20代~60代3,244名を対象に実施した「クレジットカード利用率についての調査」の結果が発表された。1位は、もはやクレジットカードの代名詞ともいえる、あのカードとなった。

利用金額によって、クレカを選ぶ理由にも微妙な“格差”が見える

 ランキングの発表の前に、クレジットカードを選ぶ理由について見ていこう。3位は「ポイント交換商品が良いから」(13.6%)、2位は「年会費が無料・安いから」(28.6%)。そしてダントツで1位となったのは「ポイント・マイルが貯めやすいから」(45.4%)だった。クレジットカードそのものは、正直どれでも決済するときの使い勝手は同じ。だからこそ、「このカードを使う」メリットをどれだけ感じられるかで選ばれるのだろう。

 また、クレジットカード利用額が10万円以内の人と10万円以上…

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ワクチン接種世界最多、封じ込め成功したはずの中国、コロナ感染が再拡大…政府の対策が隘路に

 新型コロナウイルスのデルタ株の流行が世界に暗い影を投げかけている。デルタ株は既知の呼吸器系ウイルスのなかでも感染力が非常に強く、他の変異株よりも重症化を引き起こしやすく、抗体を回避する能力も高いからである。

 中国は新型コロナウイルスの封じ込めに成功したとされているが、デルタ株に対しても有効な手立てを講じることができるのだろうか。7月10日に中国東部の江蘇省南京市で始まった感染は中国31省の半数以上に拡大し、1000人以上の感染者が報告されている。

 中国政府は、昨年1月に武漢市で実施した封鎖、検査、隔離による「感染者ゼロ」対策を堅持している。特に全住民を対象とするPCR検査を重視しており、新型コロナの感染が確認された自治体は、人口が500万人までであれば全住民向けのPCR検査を2日以内に、500万人以上であれば3日以内に終了することを義務づけられている。新型コロナウイルス感染者が最初に発生した武漢市では再び1200万人分のPCR検査が実施され、都市封鎖を恐れる市民が買いだめに走る姿が散見された。

 しかし鉄壁の封鎖もデルタ株の感染力を前に有効ではなくなりつつある。中国が重要視するもうひとつの戦略は、ワクチン接種による集団免疫の形成である。中国政府は11日、新型コロナウイルスワクチンの接種回数が18億回を突破したことに加え、デルタ株の流行に備えて不活化ワクチンである中国製ワクチン(シノバック製)と米製薬会社イノビオのDNAワクチンの混合接種についての臨床試験を承認したことを明らかにした。DNAワクチンはメッセンジャーRNAワクチンと同様、最先端の遺伝子技術を用いて開発されているが、いまだに世界で承認された事例はない。イノビオは複数の国で自社ワクチンの臨床試験を行っているが、これまでのところ有効性に関するデータを一切公表していない。

 ワクチン接種により、重症化や死亡リスクは低下することは明らかになっているが、デルタ株の感染防止にはあまり効果を上げていない。中国での感染者の多くはワクチン接種を済ませており、ワクチンによるゼロ・コロナは期待できないのである。

政府、「コロナとの共存」論の火消しに躍起

 コロナ封じ込めの出口が見えない隘路にはまりつつあるなか、中国でも「コロナとの共存」を唱える声が上がり始めている。口火を切ったのは7月29日の上海復旦大学の感染症専門家のウェイボ-(中国版ツイッター)への投稿だった。「中国の今後の選択は、世界との相互コミュニケーションを実現し、通常の生活に戻っていくと同時に、ウイルスに対する国民の不安を取り除くことを保障できなければならない」という投げかけに、他の専門家たちは「伝搬速度の速いデルタ株が厳しい制限措置にもかかわらず、国境封鎖を突破しており、完全に阻止することは難しい」「デルタ株の流行により、大量のワクチン接種で集団免疫を達成し、コロナの流行を防ぐという従来の目標はすでに幻想になった。中国のコロナ戦略は『ゼロ感染』からレッドラインを設定する方式に変更する必要がある」などと同調した。

 しかし共存論が広がるやいなや、中国政府は急ブレーキを引いた。御用学者たちに「ウイルスとの共存は絶対に不可である。世界的なウイルスの再拡散は、英国と米国が盲目的にウイルス制御を解除・緩和し、安易にワクチン接種に頼った結果である。政治制度の欠陥から作られた防疫政策の失敗で、個人主義の価値観を崇拝した必然的な誤りである」と主張させたのである。

 感染者数が少ないなかでの厳しい感染抑制策に加え、世界最高レベルのワクチン接種回数は、中国共産党がコロナ撲滅に向けどれだけ大がかりな政治的投資を行っているかを物語っている。中国指導部は少なくとも来年いっぱいは厳しい制限を維持するとされている。来年2月の北京五輪や秋に開催される5年に1度の共産党大会での習近平国家主席の3期目就任に影を落としたりするような感染急拡大を、なんとしてでも避けなければならない。

 だが、コロナ対策を容易にかいくぐる新たな変異種の発生により、こうした政策を無期限に維持するためのコストは膨らむばかりである。感染の初期段階で厳格な措置を講ずることにより、ゼロ・コロナを達成した中国は、世界に先駆けて経済を急回復させたが、このやり方が有効なのは短期戦の場合のみである。コロナ撲滅は一時的には可能だが、永遠には無理だ。このままでは世界のどの国よりも経済を犠牲にする厳しい政策を自らに強いることになってしまうことだろう。

対外強硬策も

 世界では多くの国が新型コロナウイルスとの共生に軸足を移しつつあるが、世界第2位の経済大国である中国が今後何年もの間、孤立したままの状態に陥るかもしれない。「ウイルスとの共存不可」という政府の主張の陰には、外の世界とつながる程度をどの水準に維持するのかという政治的な配慮、すなわち、「国民をできる限り西側社会から遠ざけたい」とする思惑があるとの指摘もある。しかし中国がこの政策を続ければ続けるほど人的往来が途絶え、毛沢東時代のような鎖国時代に逆戻りしてしまう。

 中国は権威主義国家の統制力の強みを生かしてコロナの封じ込めに成功してきたが、今後はこの「成功体験」が逆に大きな障害になるとの懸念が生じているのである。膨大なコストをかけた封じ込め策が徒労に終われば、中国全体が大混乱となってしまう可能性も排除できない。体制の優秀性を喧伝してきただけに、コロナ封じ込めに失敗すれば、政府は国民の不満を回避するための対外強硬策に打って出るかもしれない。国際社会は「中国発の地政学リスク」に備えるべきではないだろうか。

(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)

●藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー

1984年 通商産業省入省

1991年 ドイツ留学(JETRO研修生)

1996年 警察庁へ出向(岩手県警警務部長)

1998年 石油公団へ出向(備蓄計画課長、総務課長)

2003年 内閣官房へ出向(内閣情報調査室内閣参事官、内閣情報分析官)

2011年 公益財団法人世界平和研究所へ出向(主任研究員)

2016年 経済産業研究所上席研究員

2021年 現職

JRA ユーバーレーベンに最大の「ライバル」登場!? 出世レース制した「厄介な相手」はお手馬、秋華賞(G1)のライバルは自身が背中を知る馬か

 15日、新潟競馬場で行われた10Rの三面川特別 (2勝クラス)は、M.デムーロ騎手騎乗の1番人気エイシンチラー(牝3、美浦・田中剛厩舎)が自身3勝目を決めた。

 12頭立てで行われた牝馬限定条件の芝1800m戦。エイシンチラーは大外12番からスタートすると、前走と打って変わって今回は後方で足を溜める形に。前半3Fが37秒1とスローペースで流れるなか、直線で外に持ち出すと上がり最速33秒1の末脚を繰り出し、ゴール前で粘る年長馬を差し切った。

 鞍上のデムーロ騎手は、「道中はずっと手応えが良かったです。リラックスして走ってくれました。最後まで一生懸命頑張ってくれました」とパートナーを労った。

 また、管理する田中剛師は、「道中はふわふわしてたみたいですが、最後に気合をつけだして、集中して気持ちが入った時の脚の破壊力はすごい。秋に向けて楽しみです」と期待を膨らませている。

 ところで、エイシンチラーが制した三面川特別だが、ちょっとした出世レースでもある。この舞台で好走した3歳馬が、後に近年G1や重賞などのオープンで好走するケースが目立っているのだ。

 昨年の優勝馬クラヴェルが今年に入ってG3で連続好走中。18年2着のウラヌスチャームがリステッドとオープン特別をそれぞれ1勝。また、14年3着には後にグランプリホースに輝くマリアライトもいた。

 また、秋華賞(G1)トライアルだけでなく、本番での好走も目立つ。17年2着カワキタエンカは、次走のローズS(G2)で2着と好走。13年4着スマートレイアーは秋華賞2着、12年3着ラスヴェンチュラスがローズSでジェンティルドンナの3着に入った。更に遡ると、07年優勝レインダンスは、秋華賞でウオッカに先着する2着と健闘した。

 エイシンチラーは、これまで6戦して馬券圏内を外したのが重馬場だった3走前のみと安定感が長所だ。ただ、前走は雨で傷んだ馬場のインコースを突いて勝利しており、渋った馬場が苦手という訳でもなさそう。初勝利が逃げ切り勝ちであるように、前から後ろでも競馬できる自在な脚質もセールスポイントとして挙げられるだろう。

 田中剛師のレース後コメントから、この後は秋華賞へ向けて調整が濃厚。秋華賞と相性のいい三面川特別の傾向からも侮れない存在だろう。

 前走勝利後に、「(エイシンチラー)は凄くいい馬」と絶賛していたデムーロ騎手。今回の勝利で秋への手応えもつかんだはずだが、嬉しい誤算となる可能性もある。オークスを制したユーバーレーベンの主戦だけに、秋華賞戴冠を目論むユーバーレーベンにとって、厄介な相手となるかもしれない。

(文=寺沢アリマ)

<著者プロフィール>
大手スポーツ新聞社勤務を経て、編集部所属のライターへ。サラ系・ばん馬のどちらも嗜む二刀流で「競馬界の大谷翔平」を目指すも収支はマイナス。好きな競走馬はホクショウマサル。目指すは馬券的中31連勝だが、自己ベストは6連勝と道は険しい…。

パチンコ「転落式なのに次まで当る」!? 超人気機種に隠された「3000発大当りの秘密」に迫る!!【クセ強スペック研究所】

 今回クセ強スペック研究所で扱う機種は、3000発大当りや超速の出玉スピード、右打ちオール1500発など魅惑の出玉性能で現在人気爆発中の『Pフィーバー機動戦士ガンダムユニコーン』(以下ガンダムUC)である。

 たしかに、転落抽選や3連移行になると変動速度が大幅にアップする第2のRUSH「覚醒HYPER」など独特の仕組みや機能が搭載されているが、ここで取り上げるほど変わった機種だとは感じないという向きもあろう。すでにいくつか登場しているし、条件で変動スピードが変化する確変モードもよく知られた存在である。

 では、本機の何が特殊なのか。それは3000発大当りの仕組みである。

 通常の3000発大当りは10ラウンド1500発当りを2回ワンセットにすることで実現しているが、これはつまり次の大当りが約束されていることを意味する。次回ループ式なら話は簡単だが、1種2種だと少し複雑になる。

 たとえば『Pフィーバーゴルゴ13疾風Ver.』は、ほぼ1回で大当りする右打ち中に時短のある・なしの振り分けをすることで、大当りの回数を1回か2回のフラグを用意することが可能となっている。ただ、この仕組みだと3000発がループするゲーム性に縛られる。

 一方、1種2種混合機でも時短の回数を増やすことで次回ループ確変のように次の大当りを確かなものにすることはできる。『Pフィーバー機動戦士ガンダム逆襲のシャア』における「PREMIUM逆襲RUSH」である。しかし、これだと一続きの大当りのようにみせることはできない。

 しかも『ガンダムUC』は転落抽選方式。つまり、時短の回数を増やしたところで転落抽選を引けばRUSH(時短)は終了してしまうのである。いったいどうやって3000発大当りを確保しているのだろうか。

 答えは転落抽選のリミットというか逆リミットというか、転落小当りが規定回数に到達するまで転落しないという状態となっているという。こんなことが可能だったとは衝撃である。

 これは『Pフェアリーテイル2』で採用されていた「小当り天井」の亜種で、天井となる255回の転落小当りに当選しないと真の転落が発動しないというものだろうか。いや、あれは電チューの作動によるもの。

 あるいは、転落といえども概念的には抽選を引き当てた「大当り」の一部なので確変リミットのような機能を用いて、確変とは逆の動きが働くのだろうか、など疑問はつきない。

 ただ、この仕組みは転落抽選により幅の広いゲーム性をもたらせてくれそうである。

 先の『Pフェアリーテイル2』とは逆に「○回負けたら転落濃厚」、つまりは○回負けるまで転落しないというような演出的なことから、リミットによって継続率の異なる2つのモードを搭載できるといったスペック的なことまで、妄想は広がるばかりである。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

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突破考#2 新たなビジネス変革【BX・ビジネストランスフォーメーション】とは?

企業や産業全体の変革をドライブする「突破考」は、どのように生まれ、どんな未来をもたらすのか? 知られざるストーリーに迫り、明日のビジネスへの糧を見つけるオリジナル番組『突破考』。

今回は、「企業・社会の変革」をドライブするために、この5月に資本業務提携を結んだ電通グループとドリームインキュベータ社のアプローチを深堀りします。

モデレーターは佐々木紀彦(NewsPicks NewSchool 校長)。ゲストMCは早稲田ビジネススクールの入山章栄氏。そして電通の佐野傑氏、ドリームインキュベータの代表取締役社長である三宅孝之氏を迎え、両社の提携で生まれるBX(ビジネスの変革)の可能性に迫ります。

※本記事はNewspicksからの転載記事です。

両社の提携で新たに生まれる価値とは

佐々木:2020年11月にNewsPicksに掲載されて話題となった1つの記事があります。

タイトルは「【電通】我々は、もはや広告会社ではない」。電通の事業領域の幅広さ、そしてそれを生かして企業の成長にどう貢献していくのかという内容でした。この記事を読んで、入山さんはどのような感想をお持ちになりましたか?

入山 章栄 早稲田大学ビジネススクール教授
入山電通が単なる広告会社ではないことは理解していたつもりです。しかし、記事を読んであらためて認識させられたのは、今や広告やマーケティングといったドメインで事業を区切っている時代ではない、ということですよね。
ありとあらゆる領域にまたがって顧客企業について考えなければならず、その中で電通という企業もまた、大きく変わりつつあるのだと感じました。
佐々木:おっしゃる通りだと思います。この記事から半年が経った今、具体的にどのような取り組みが進んでいるのかを、今日はお聞きしたいと思います。佐野さんはあの記事についてどう感じていますか。
佐野傑。株式会社電通 執行役員
佐野傑。電通 執行役員
佐野:我々は顧客企業の領域拡張に合わせて、自らの領域をAX(Advertising Transformation)、BX(Business Transformation)、CX(Customer Experience Transformation)、DX(Digital Transformation)、と再定義しています。
ああいった形で記事にしていただいたおかげで、電通社内の人間もあらためてそれを認識する良い機会になったのではないでしょうか。
入山:一般的に理解されているのはDXだけだと思うんですが、他のA~Cはどういう意味なんですか?
佐野:簡単に言いますと、AXは我々が長らく関わってきたアドバタイジングの世界をより高度化すること。BXは企業や事業そのものを変革していくこと。そしてCXはお客さま(生活者)の体験を変革して高度化してくことです。
顧客企業の持続的な成長に向けて
佐野:成長の「S字カーブ」を例に考えていただきたいのですが、あるイノベーションが起きて成長をみせ、一定の段階で成長が鈍化すると、またもう一度、変革=イノベーションを生み出し、次のカーブを起こしていく必要があるわけです。
我々はその「変革」と「成長」の両方をお手伝いし、伴走していきたいと考えています
入山:この図で言うと、AX/CX/DXがくるくる回るということ(緑部分)が「成長」、つまりビジネスが回るということ。ただそれだけでは、どこかでアタマ打ちになってしまう。そこで事業全体の「変革」(青部分)も電通がサポートしていくという仕組みになっているんですね。
佐々木:では、その中で、今日は特にBXの部分をお伺いするために、この5月に電通グループと資本業務提携を結んだばかりの、ドリームインキュベータの社長・三宅孝之さんにも来ていただきました。
三宅さん、ドリームインキュベータの事業領域について、簡単に教えていただけますか
三宅孝之。株式会社ドリームインキュベータ代表取締役社長COO
三宅孝之。ドリームインキュベータ代表取締役社長COO
三宅:ドリームインキュベータはコンサルティング会社でありながら、業務改善やコスト削減といったオーソドックスなコンサルティングをやらない不思議な会社です(笑)。
では何をやっているのかというと、我々は「ビジネスプロデュース」と言っているのですが、大手企業に特化して、1000億円、3000億円、あるいは1兆円という規模の新規事業を創造する部分にコミットしています。
こうした規模で事業創造を行なう場合、重要なのは戦略よりもその手前の構想なんです。つまり、「世の中はこうあるべきだ」とか「業界の構造をこう変えなければならない」といった個社の枠を超えた発想の部分ですね。そのために仲間を増やし、必要に応じて政策やルールの変更を働きかけ、産業そのものを創っていこうというやり方です。
たとえば、日本では絶対に普及しないと言われていたLED照明を、メーカーや経産省と話しながら制度や補助金の在り方などを変えていくことで広めたり、というようなことをやってきました。
DIのビジネスプロデュースの特徴
佐野:面白いですよね。電通の場合はこれまで、ひとつひとつの企業、個社と向き合ってベストを追求するスタンスでしたから、産業全体を変えようというスケールの大きさは興味深いものがあります。
一方で、我々もまた、自社を「Integrated Growth Partner」と規定しており、企業の成長を通して社会全体を良くしていきたいという理念を持っています。まさにこの点がドリームインキュベータさんと合致しているんですよ。
三宅:正直、電通グループとの提携が決まった時は社外を中心に驚きの声が多かったです。しかしいざ協業してみると、他社が改善、改善ばかりなのに対して、トップライン重視の「成長志向」という部分で、非常にカルチャーが近いことを実感しています。
佐野:DNAが似ているんですよね。互いに何事も最後までやりきる粘り強さも持っている。すでに何度も打ち合わせを重ねていますが、毎度話が尽きなくて何時間でも話していられるんですよ(笑)。
入山:めちゃくちゃ相思相愛じゃないですか。まあ、付き合い始めたばかりの頃というのは、そういうものかもしれませんが(笑)。

社会課題への取り組みをどう事業化するか

この5月に資本業務提携を結んだ電通グループとドリームインキュベータ社のディスカッションの様子①
佐々木:では、電通グループとドリームインキュベータのタッグで、どのような価値が生まれるのか。今回最もお伺いしたいのはまさにこの点になります。
佐野:ドリームインキュベータさんは、産業や社会という視点が非常に強いのですが、企業でいうとR&D(研究開発)がとても強い企業なんです。
一方の我々は、市場および生活者視点から機会を発見し、需要を創造するようなことをやってきました。こうした特性がぶつかり合うことで、新たな価値を作り出したり、市場/産業を創造したりすることに繋がるのではないかと考えています。
顧客の成長を通じて、日本経済と社会の持続的成長にコミットする
入山:経営学にストラクチャル・ホール理論というのがあるのですが、これはクラスタとクラスタの間のハブの部分にいる人や企業が、最も価値を生み出すという考え方です。
両社の提携はまさにこれで、おそらく日本中のシーズ(ドリームインキュベータ)とニーズ(電通)の間をブリッジできるハブになり得るし、そこで新しい価値創造を目指すってことですよね。
佐野:見事な解説をありがとうございます!
この5月に資本業務提携を結んだ電通グループとドリームインキュベータ社のディスカッションの様子②
三宅:実際、僕らの話を聞いた電通さんから、いろんなアイデアが次々に出てくるので驚いています。そして、それを聞いた僕らのほうにも新たな視点が生まれ、構想がどんどん進化していくんです。
入山:価値創造とはイノベーションであり、イノベーションとは組み合わせなのだと僕は考えています。既存の物であっても、意外な物が繋がり合うことで、新たな知見やアイデアが生まれるというのは、経済学者のヨーゼフ・シュンペーターが80年以上も前から指摘していることです。
シーズサイドのドリームインキュベータとニーズサイドの電通は、それぞれまだお互いが認知していない構想・知見をたくさん持っているはずで、今後は現時点でまだ想定すらしていないような発想や「新しい言葉」がたくさん生まれるのではないかと期待してしまいますね。
佐々木:ちなみに2社自身で市場を生み出すんでしょうか? それとも他企業とも組んで?
佐野:もちろん、さまざまな企業様と一緒に取り組みたいと考えています。どんな市場も、ビジネスにならなければ持続せず、コストで終わってしまいます。
たとえばサステナビリティ、脱炭素の領域などでも、きちんとビジネスになり、企業にも、生活者にも喜んでもらえる事業なり市場が創造できることが理想ですよね。
この5月に資本業務提携を結んだ電通グループとドリームインキュベータ社のディスカッションの様子③

入山:社会課題への取り組みは非常に重要ですが、それをどうお金にするかが問題です。

三宅:仰る通りで、我々もずっとテーマにしているのは、「社会課題を解決し続けるような仕組みを作る」ことです。

実際いろいろなことをやってきているのですが、ポイントは、これまで見逃されてきた価値をちゃんと認識させて、それにお金を払うというビジネスモデルをどれだけ作れるかです。

今後、具体的にやっていきたいことの一つとして、サステナビリティに通じるビジネスプロデュースを考えています。

たとえば二酸化炭素の吸収源などのトピックスがあります。CCS(排出されるCO2を回収し貯留する技術)などの技術もありますが、インパクトが大きいのは森林、具体的には木を植え替えることでCO2の吸収量を高めることです。

そういった取り組みをどう価値化し、世の中にどう広めてビジネスにするかということを、電通さんと一緒にやっていきたいと思っています。

入山:具体で聞くとすごいですね。

佐々木:ヒントが見えてきますね。ちなみにこだわる必要はないかもしれないのですが、今回、日本企業同士が組むことには、どういった意味がありますか?

佐野:そうですね、我々はともに日本オリジンの会社なので、日本企業の皆様と、日本社会や日本の生活者のみなさんが幸せになってくために、志を持ってやっていきたいなと思っています。

三宅:日本は、技術を含めて、本当にすばらしいものを持っていると思います。コロナワクチンも、決めるまでは遅くても、決めてしまえばものすごいスピードで動く。世界はもっと日本の企業を使うべきだと感じますね。

入山:僕はこの先10年でまた大きな変革が起きると思っています。デジタル化の波に数年内に自動翻訳が加わり、これまで言語で守られてきた日本のサービス産業が打撃を受けるのではないかと。

入山 章栄 早稲田大学ビジネススクール教授②
入山:そんな中で、「日本のサービス産業」である電通やドリームインキュベータが出せる価値が何かというと、パッションとか人脈とか、一緒に物事を構想していくといった、言語だけじゃないソフトスキルの部分ですよね。
それって簡単にデジタルだと突破されないもので、多分この両社とも強い部分なのではないかと思って期待しています。

「妄想力と実現力」で変革をもたらす


佐々木:最後に佐野さんと三宅さんに、これからどのような成長と変革をもたらしたいか、キーワードでお聞きしましょう。佐野さんからお願いします。

この5月に資本業務提携を結んだ電通グループとドリームインキュベータ社のディスカッションの様子④
佐野:私は「非連続」です。先ほどお話した「S字カーブ」の成長ですね。日本企業は非連続の成長、つまりイノベーションが苦手とされていますが、そこをお手伝いできないかと考えています。非連続を続けることで、持続的な成長に繋げられればいいですね。
三宅:私は「南米スタイルのサッカー」です。これは「パ・リーグのバッティングスタイル」と置き換えてもいいのですが、何回も全力でシュートを打つ、あるいは全力でバットを振るような思い切ったことが出来るような世の中にしたいです。
日本はなかなか枠を超えたチャレンジが出来ないと言われますが、誰もが全力で、かつ、何度でもチャレンジできる社会をつくり、そのチャレンジの先にあるBX、事業創造を推進していきたいと思っています。
佐々木:そんなお2人のキーワードを踏まえて、最後に入山さんに総括していただきましょう。
入山:この両社の組み合わせから感じられるのは、「妄想力と実現力」に尽きます。突拍子もない妄想に聞こえるようなアイデアが、今の日本に最も欠けているものだと思います。
構想というのは妄想や夢から始まります。でも、その先にはそれを実現、実行する力がものすごく必要で、妄想はあるけどその実行力で力尽きる会社も多いわけじゃないですか。
実現力も併せ持つこの2社が、これからどんな面白いことを仕掛けていくのか、楽しみにしています。
佐々木:そうですね。今後も折りに触れ、様々な事業の進捗をお聞きしていければと思います。今日はBXについて興味深いお話を伺うことができました。皆さん、本日はありがとうございました。
 
番組視聴はこちらから。
電通の事業変革についてはこちらをご覧ください。

突破考#1 業界最大イベント「東京ゲームショウ」 オンライン化の舞台裏

企業や産業全体の変革をドライブする「突破考」は、どのように生まれ、どんな未来をもたらすのか? 知られざるストーリーに迫り、明日のビジネスへの糧を見つけるオリジナル番組『突破考』。

第1回となる今回は、世界規模の市場でもあるゲーム産業をテーマに、業界最大のイベント「東京ゲームショウ」にスポットをあて、ディスカッションします。

モデレーターは、佐々木紀彦(NewsPicks NewSchool 校長)、ゲストMCとして須藤憲司氏(Kaizen Platform 代表取締役)を迎え、東京ゲームショウの主催者であるCESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)理事・イベント委員会委員長 辻󠄀本春弘氏と、アマゾンジャパン合同会社の川本洋子氏、株式会社電通の永山昌美氏、石川剛氏が登場。

コロナ禍により開催が危ぶまれた2020年の東京ゲームショウでは、いかにしてピンチを乗り越えたのか、その顧客体験設計の秘密に迫ります。

※本記事はNewspicksからの転載記事です。

オンラインに活路を見出した東京ゲームショウ

業界最大のイベント「東京ゲームショウ」にスポットをあてたディスカッションの様子①

佐々木:近年ではeスポーツの台頭もあり、ますます盛り上がっているゲーム産業ですが、須藤さんはどのようにご覧になっていますか?

須藤:ネットワークに繋がったこともそうですが、テクノロジーによって楽しみ方が大きく広がっている産業ですよね。その一方で、海外を中心に展開されているeスポーツの勢いを、これから国内でどういうふうに考えていくのがいいのか興味深いです。

須藤憲司氏。Kaizen Platform 代表取締役
須藤憲司氏。Kaizen Platform 代表取締役

佐々木:そうですね。そこでカギを握るのが毎年開催されている「東京ゲームショウ」です。まずはこれがどのようなイベントなのか、イベント委員長でもある辻󠄀本さんからご説明いただいてもいいでしょうか。

辻󠄀本:東京ゲームショウは国内最大のゲームイベントであり、アメリカの「E3」、ドイツの「gamescom」と並ぶ世界三大ゲームショウのひとつです。

毎年9月に開催しており、様々なコンテンツやサービスがお披露目される、ゲーム業界の重要な発信の場となっています。近年では出展社の過半数を海外企業を占め、業界内のマッチングの場として機能しているのも特徴ですね。

辻本春弘氏。一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)理事。イベント委員会委員長・株式会社カプコン代表取締役社長 最高執行責任者(COO)
辻本春弘氏。コンピュータエンターテインメント協会(CESA)理事。イベント委員会委員長・カプコン代表取締役社長 最高執行責任者(COO)

須藤:私も足を運んだことがありますが、ものすごい人出で驚きました。注目度の高さを感じます。

佐々木:そんな東京ゲームショウが、現状抱えている課題は何でしょうか。

辻󠄀本:国内においては少子高齢化の影響が避けられず、ゲーム人口をどう維持していくかが喫緊の課題です。そこで重要なのは海外展開で、そのために東京ゲームショウがどのような企画を提供できるかが大切だと思います。

佐々木:ところが昨年はコロナ禍に見舞われ、イベントシーンは苦境に立たされました。東京ゲームショウはどのように対応しましたか。

辻󠄀本:多くのリアルイベントが中止に追い込まれる中、ゲーム領域の貴重な発信の機会を止めないために、我々はイベントの決行を早期に決断しました。

とはいえ、感染症対策の観点からやはりリアルイベントは難しいということで、フルオンラインでの開催に切り替えた経緯があります。

佐々木:なるほど。しかし、ひとつのイベントを全面的にオンライン化するというのは、限られた時間の中で決して容易ではなかったでしょうね。

石川:そうですね。これまでリアルイベントに参加していたユーザーの皆さんが、東京ゲームショウにどのようなことを求めていて、そのうちの何がオンラインに適しているのか、まっさらの状態から考えなければなりませんでした。

永山昌美氏。株式会社電通 アクティベーションビジネスセンター/石川剛氏。株式会社電通 ビジネスプロデュース局
永山昌美氏。電通 アクティベーションビジネスセンター/石川剛氏。電通 ビジネスプロデュース局

辻󠄀本:初めての試みですし、やはり当初は不安しかなかったですよ。オンラインでどこまで顧客満足度を維持できるのか。また、予算を確保するためには、オンラインでどこまで売上、収益を維持できるかという問題もありました。

須藤:リアルとオンラインでは、ユーザー側からするとどうしても価値が変わりますから、どのような体験設定をするかが重要ですよね。

ただ、成功している事例を見れば、距離を問わずオポチュニティが広がっているのも事実ですから、やり方次第でこの先を見据えた好機にもなり得ると思います。

電通×Amazonのコラボでライブコマースを実現

佐々木:問題はまさに、そうした課題をどう突破するかです。

辻󠄀本:そもそも従来の東京ゲームショウは、毎年26万人を動員していましたが、これは会場である幕張メッセの収容人数のMAX値なんです。

定められたキャパシティを超えて、広く海外にまでアピールするために、コンテンツの配信というのは以前から仕掛けていました。むしろ、今回オンラインになった利点をフルに活用すべきであると考えました。

永山:距離の問題がなくなることで、ライト層にアピールするチャンスは広がりますから、必ずしもネガティブに捉える必要はありません。ただ、そのためには会場に足を運ばずとも提供できる体験を用意することが求められました。

佐々木:そこで、最初の「突破考」です。

”Gameful”という新しい価値

石川:まずご提案させていただいたのは、「Gameful」というテーマです。これはゲーム領域と他産業との掛け算により、現実を大きく変えられるゲームの力を体験によって感じていただくイベントにしよう、というコンセプトを表しています。

永山:もともとコロナが蔓延する以前から、「Gameful Tomorrows.(ゲームにできること、ぜんぶやろう。)」というキャッチコピーを用意していたんです。期せずしてこうした状況になり、よりその思いは強いものになりました。

佐々木:しかし、十分な時間のない状況での突然の路線変更は、決して容易ではなかったはず。そこを切り開いた、2つ目の「突破考」は何でしょう?

TGS 2020 ONLINEのサテライト会場としてTGS Amazon 特設会場企画プロデュース
永山:サテライト会場として、TGS Amazon特設会場を設けたことです。東京ゲームショウの重要なコンテンツの一つとして物販がありますが、これをオンラインでストレスなく運用するには、Amazonの力を借りるのがベストであると考えました。
川本 私たちは以前から、いかにお客様に最高の購買体験をしていただくかを考え、試行錯誤しています。今回こうして東京ゲームショウにお声掛けいただいたのは、産業界全体に貢献するチャンスでした。
川本洋子氏。アマゾンジャパン合同会社 エンターテインメントメディア事業本部 音楽・映像・ソフトウェア・ビデオゲーム 統括部長
川本洋子氏。アマゾンジャパン エンターテインメントメディア事業本部
音楽・映像・ソフトウェア・ビデオゲーム 統括部長
須藤:Amazonと組むというのは素晴らしいアイデアですよね。実際に会場で物販の長い行列を経験している身としては、これがオンライン化されるのは大きいと感じます。
佐々木:その際、電通からAmazonに対して具体的にどのような提案を行ったのでしょうか?
永山:たとえば新作ゲームの情報を見ながらショッピングができるような、一気通貫した購買フローが作れないかということですね。実際にライブ配信を観ながら、そこで見た商品を購入できる機能などは実装されています。
石川:オンラインの課題の一つに、リアルイベントで得られていたセレンディピティ(偶然の出会い)をどう表現するかという問題がありました。しかしその点も、Amazonのレコメンド機能などによって解消されたのはよかったですね。
佐々木:ある種、異色なタッグとも言えますが、電通とAmazon、双方の強みが生かされることで、より利便性の高い顧客体験が提供されたということですね。川本さんとしても、この機会を通してあらためて感じるAmazonの強みというのがあったのでは?
川本:そうですね。ライブコマースを通じて、コンテンツと購買をシームレスに繋ぐことができたのは、一つの成果だと感じています。

2021年以降の東京ゲームショウはどうなるのか

業界最大のイベント「東京ゲームショウ」にスポットをあてたディスカッションの様子②
辻󠄀本:こうした取り組みで2020年の東京ゲームショウを実現させたことで、ユーザーの皆さんからも感謝のコメントを多数いただきました。また、会場に行かなくてもいいという、オンラインの利便性を再認識する良い機会でもあったと思います。
佐々木:すると、今年以降はどうするのでしょう? 今後はずっとオンラインで開催することになるのでしょうか。
石川:少なくともオンラインをなくすことはありません。その一方で、ライブ感や熱量、あるいはセレンディピティの点ではやはりリアルイベントにはかなわないので、今後はリアルとオンラインを併用するハイブリッドな形での開催に移行することになるでしょう。
佐々木:なるほど。ビジネス面ではいかがでしょうか。
辻󠄀本:ゲームの物販に関して言えば、オンラインになったことで物としての原価が発生せず、なおかつ買い逃しを防ぐことができるのは大きなメリットでした。売上の面でも、業界全体として良い結果に繋がったと思います。
今後はこの2020年の経験をもって、東京ゲームショウをさらに進化させていかなければなりません。
須藤:今回のケースで特筆すべきは、リアルでやっていることをそのままオンラインに持っていくのではなく、しっかりとコンセプトを拡張している点ですよね。求められていること、必要なことを抽出し、オンラインならではの形に落とし込んだ。だからこそ高い支持が得られたわけです。
佐々木:その通りですね。では最後に、ここまでのお話を踏まえ、今後どのような顧客体験を提供していくか、皆さんに具体的なアイデアをキーワードでお聞きしたいと思います。
業界最大のイベント「東京ゲームショウ」にスポットをあてたディスカッションの様子③
辻󠄀本:私は「インタラクティブ(双方向)」です。
ゲームはもともと双方向性の高いものですが、デジタル化によってユーザーとメーカーの距離はいっそう縮まりました。そこから得られる情報は多いはずで、たとえばどの国でどのタイトルがどのくらい遊ばれているかというデータまで細かく知ることができます。今後はそれによっていかに商品やサービスをアップデートしていけるか、でしょう。
川本:私は「エンターテインメント」です。
テクノロジーの進化により、エンターテインメントコンテンツ全般との接し方は大きく変化しています。ゲームでも音楽でも、お客様それぞれの環境や気分に合わせて、その都度求める楽しみ方が手軽にできる体験提供が必要ではないでしょうか。
永山:私は「エンゲージメント」です。
今後、リアルとオンラインを併用していく中で、お客様にはより満足度の高い体験を、そして各企業にとってはそれがより高度なマーケティングの機会になるよう、設計していければ理想的ですね。
石川:私は来年以降のイベントは、「アップシフト」がカギだと考えています。
ハイブリッドな手法でイベントを開催する際、イベント自体が進化し、拡張していくことが求められます。そのために、こうして東京ゲームショウの大きなシフトチェンジに携わることができた経験を、我々としても積極的に発信していきたいと思います。
佐々木:皆さん、ありがとうございました。今回の「突破考」体験を通して、これからのイベントシーンがどのように発展していくのか、楽しみに見守りたいと思います。
 
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大手サミー「パチンコ事業」は赤字も…エンタテインメント事業はプラスで黒字に 秋以降に「主力タイトル」投入を集中させる予定か

 大手パチンコ・パチスロメーカーのサミーや、ゲームメーカーのセガなどの持ち株会社であるセガサミーホールディングスは8月6日、2022年3月期の第1四半期決算を発表した。

 これによると、売上高は前年同期比22.9%増の594億4,700万円、営業利益は38億4,400万円、経常利益は34億8,400万円、純利益は29億4,000万円。前年同期の売上高は483億8,200万円、営業損失は38億5,100万円、経常損失は40億9,900万円、純損失は33億100万円だった。

 遊技機業界においては、来年1月末に予定されている旧規則機の撤去期限に向けて新規則機への入れ替えが進んでおり、パチンコ遊技機は新規則機の人気タイトルが複数登場。パチスロ遊技機は本年5月より、新基準機6.2号機の型式申請が開始された。

 このような環境下、遊技機事業はパチスロ遊技機として軽快なテンポで上乗せが発生するストレートライブATが魅力の『パチスロAngel Beats!』、4号機時代の名機に技術介入要素を組み込んだ『パチスロガメラ』の2機種をリリース。

 パチンコ遊技機はハイクオリティなグラフィックで原作の世界観を再現した『P甲鉄城のカバネリ』、北斗の黄金フローを完全復活させた『P北斗の拳8 救世主』、サバチャン突入で約3,000個の出玉を得られる『P超ハネ獣王』の3機種を発売し、パチスロ遊技機は9,000台、パチンコ遊技機は15,000台を販売した。前年同期の販売台数は、パチスロ遊技機は485台、パチンコ遊技機は177台だった。

 以上の結果、売上高は前年同期比282.8%増の103億6,100万円、経常損失は14億9,400万円(前年同期は経常損失85億3,200万円)となった。

 これに対して、エンタテインメントコンテンツ事業部はコンシューマ分野でリマスター版や欧米版を中心とする新作タイトルを発売し、658万本を販売(前年同期は1,298万本)。F2Pにおいても既存タイトルと共に堅調に推移した。

 アミューズメント機器分野はUFOキャッチャーシリーズやプライズ等の販売が好調。映像・玩具部門においても劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』を公開したほか、定番製品を中心に販売した。

 以上の結果、売上高は前年同期比4.8%増の474億4,000万円、経常利益は同3.1%増の85億3,300万円となった。

 また、リゾート事業の売上高は前年同期比233.6%増の15億5,000万円、経常損失は19億5,900万円(前年同期は経常損失21億3,500万円)となった。 

 今後の見通しとして遊技機事業では、新規則機への入れ替えが加速すると見込まれる第3四半期以降に主力タイトルを含む新作投入を集中するとのこと。本年5月の公表と変わらず、通期の連結売上高は3120億円、営業利益は200億円、経常利益は200億円、純利益は140億円とした。

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「運がいい人」と「運が悪い人」の小さくて大きすぎる違いとは?

 やりたいことや目標があっても、めぐり合わせやタイミングが悪くて実現しない人がいる一方で、世の中が大変な状態でもなぜか幸運に恵まれる人もいます。


 「不測の事態を想定しているか」や「戦略の有無」など、両者の違いはさまざまですが、結局のところ、最大の違いは「運」です。


 「運がいい人」と「運が悪い人」。 『1日1分開運ルーティン』(桑名正典著、WAVE出版刊)は、両者を分ける「ほんの少しの違い」に迫ります。

 

■運がいい人は逆境になってからが強い


 もちろん、どんなに運がいい人にも不運なことは起こります。病気になることだってあるでしょうし、今回のコロナ禍のような災害がどんな人にとっても「不運」なのはまちがいありません。


 ただ、運がいい人、著者の桑名正典さんの表現でいうところの「ラッキー・バイブレーション」が出ている人は、そこからが違います。


ラッキー・バイブレーションを身につけている人は、不運と思うような出来事が起こったとしても、ピンチをチャンスに変える現実、人、情報などを引き寄せ、さらなる幸運をつかんでいきます。(P23)


 つまり、運のいい人ほど、不運やピンチに見舞われてもそのままでは終わらないということ。こういう人にとっては逆境など、さらなる幸運をつかむためのきっかけにすぎないのかもしれません。


 そして、運とは決して生まれながらに持っているものでも、生まれながらに見放されているものでもありません。運がいい人は、運がよくなるような生き方をしているのです。

 

■幸運を引き寄せる人になるための3つのキーワード


 「生き方」とは、言いかえれば「習慣」です。桑名さんによると、ラッキー・バイブレーションを得るためのキーワードは3つ。


・ビジョン…理想像や未来像を定めること
・状態…自分自身の心身や環境などの状態
・行動…自分にとって必要な行動をとること


 運がいい人は、この3つを整える習慣が身についているのだそう。たとえば「ビジョン」を整えるためには、1回1分間で、やりたいこと、達成したい未来、なりたい自分について制約を設けずに書き出してみる習慣が有効です。


 ぼんやりとなんとなく生きている人のところに運は訪れません。自分が実現したい未来やなりたい自分像を明確に持っている人のもとに、運は引き寄せられるもの。ビジョンを持つことは、運がいい人になるためのはじめの一歩と言えるかもしれません。

■すべては毎日1分の習慣で変わる


 また「状態」については、毎朝1分間自分と対話してみることがおすすめ。


 「疲れてないか」「ストレスを感じていないか」「きちんと眠れたか」などなど、自分に問いかけてその日の状態を把握することで、いいコンディションを保ちやすくなります。心身をいい状態に保つことは、ラッキー・バイブレーションのためにとても大切なのです。


 「行動」を整えるのも1日1分で大丈夫。家族でも友人でも同僚でも、自分の周りにいる誰かの喜びを考える習慣を持ちましょう。


 他の人を喜ばせるには、自分の楽しさを分かち合い喜んでもらうか、誰かの困りごとを解決する手伝いをするか。毎日1分間だけ使って、自分に何ができるのかを考えてみましょう。


 自分の喜びしか考えていない人のところには運はやってきません。自分だけではなく、他の人の喜びも大切にする人のところにやってくるのです。



 ここでは「ビジョン」「状態」「行動」それぞれを整える1分間の習慣を紹介しましたが、本書では運がいい人になるためのカンタンな習慣がまだまだたくさん紹介されています。


 やりたいことがうまくいかなかったり、仕事が空回りしていたり、毎日の満足度が低いと感じているなら、日々のちょっとした習慣を取り入れることから始めてみてはいかがでしょうか。(新刊JP編集部)


※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

パチスロ新台『ディスクアップ2』気になるスペック…期待を上回る「激アマ」の可能性も!?

 8月5日、パチスロユーザーに衝撃が走った。以前よりウワサされていた『S ディスクアップ2 ZF』が山形県にて検定通過したというのだ。

パチスロ ディスクアップ』といえば、現在でも高稼働を続ける人気マシン。設定1でも出玉率103%という甘いスペックだけでなく、演出やリーチ目などの完成度の高さから多くのユーザーから支持を受けている。

 検定を通過したということは、間もなく我々の前に姿を現すだろう。しかし、スペックや筐体など詳細情報は15日現在で明かされていない。

 インターネット上では「103%あれば文句ない」「6号機の時点で期待できない」「A+ATかもしれない」など、様々な説が飛び交っている。期待と不安が入り混じっている印象だ。

 確かに『ディスクアップ』の名を冠するからには「出玉率103%」と「技術介入」の点は踏襲している可能性が高いだろう。

 仕様は「A+ ART」か「A+ AT」でなければ”ディスクアッパー”たちを納得させることは難しいと思われる。

 前作を踏襲するのであれば「A+ ART」となるであろうが、『パチスロ イニシャルD』『パチスロ コードギアス3』を送り出してきた大手サミーならば「A+ AT」への方向転換も充分に考えられるだろう。

 筆者としては『いろはに愛姫』を想起させるスペックを予想する。

 同機種は6号機でも数少ない「A+ ART」で、知識介入により出玉率が約104%となる激アマ仕様。BBやART中に発生する3択押し順正解によりART上乗せを目指すゲーム性だ。

 知識介入を技術介入へ、上乗せ契機をBB中のみに限定し、最低設定の出玉率を103%に抑えれば前作『パチスロ ディスクアップ』に非常に近いマシンが出来上がる。

 もちろんこれは安易な予想。時代を築いた名機の名を冠するからには、当然メーカーも総力をあげて開発しているはず。我々の期待を大きく上回るマシンとなっていることだろう。

 筆者の『パチスロ ディスクアップ』に対する戦績は微妙。約60万G消化し、マイナス約1000枚となっており、BBが110回ほど足りないことが原因だ。

 BB確率は約1/282なので、60万GならばBBを2083回ほど引ける計算だが、総BBは約1970回。誤差の範囲ではあるが収支への影響は意外に大きい。

 正直、意気消沈してしまい最近ではなかなかチャレンジする機会も少なくなってしまったが、後継機が出るとなればモチベーションが沸々と蘇る思いだ。

『S ディスクアップ2 ZF』がリリースされた暁には、前作のリベンジをさせてもらいたいところである。

(文=大松)

<著者プロフィール>
 4号機『大花火』でホールデビューし、『パチスロ北斗の拳』でドハマリ。6号機は『パチスロ モンスターハンター:ワールド™』がお気に入り。G&Eビジネススクール卒業後、プログラマーや事務職を経験。現在はライティング業務に従事する傍ら「パチスロガチ勢」として活動中。パチMAXでは主にハイエナ実戦記事や動画レビュー記事を担当。常に攻略情報に注目しており、「6号機でも勝てる」を心情に有益な情報を紹介中。

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