午後ティー、発売35年でも売上ダントツの理由…多彩な訴求、社会課題の解決まで

「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画や著作も多数あるジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之氏が、経営側だけでなく、商品の製作現場レベルの視点を織り交ぜて人気商品の裏側を解説する。

「2019年と20年は7月に2年続いた冷夏、今年の8月は稼ぎ時のお盆に日本列島に前線が停滞して長雨が続きました。晴れて暑くなるほど商品の売れ行きが伸びるので、冷夏や長雨は胃が痛くなる思いです」

 清涼飲料の取材で話を聞いた、人気ブランドの責任者はこう苦笑した。同ブランドは長雨の影響を受けながらも好調に推移したので苦笑いですんだが、夏向け商品に携わる人には、天気の崩れは苦痛だっただろう。

 清涼飲料は市場全体で約5兆円の巨大市場だが、2020年の実績は新型コロナの影響もあり、対前年比93.5%「17億7850万ケース」と落ち込んだ(「飲料総研」調べ)。在宅勤務が増え、ビジネス出張や観光旅行の自粛、学生からシニアまで各種スポーツ大会や発表会も中止となり、移動時に携帯されるペットボトル飲料も影響を受けた。

 今年は春先が好調だったが、8月と9月は長雨も多かった。夏の清涼飲料は「止渇」(しかつ=のどの渇きを止める)だが、最近は付加価値である機能性を訴求する例も多い。

 今回は売れ筋ブランドのうち、紅茶飲料の「午後の紅茶」に焦点を当てた。発売35年を迎えたが、いまだに人気が高いからだ。合わせて茶系飲料への消費者意識も考えたい。

紅茶飲料で唯一、トップ10入り

 清涼飲料の上位ブランドは別表のとおりだ。味別に分けると、「水」(サントリー天然水、森の水だより&いろはす)、「コーヒー」(ジョージア、BOSS、WONDA)、「日本茶」(お~いお茶、綾鷹、伊右衛門)が目立つ。紅茶カテゴリー首位、全体でもトップ10入りするのは「午後の紅茶」しかない。

【2020年 飲料ブランド別販売ランキング】

※以下、(順位)ブランド名、数量(単位=万ケース)

(1)サントリー天然水 11,290

(2)ジョージア 10,300

(3)BOSS 10,270

(4)お~いお茶 8,310

(5)コカ・コーラ 7,950

(6)綾鷹 5,960

(7)伊右衛門 5,560

(8)午後の紅茶 4,890

(9)森の水だより&いろはす 4,580

(10)アクエリアス 4,490

(出所:飲料総研)

 最近の売れ行きも好調だ。

「今年7月の販売実績は、レギュラー(ストレートティー・ミルクティー・レモンティー)3品が好調で、おいしい無糖も2割増、ブランド全体では対前年比104%となっています」

 広報担当の安平裕太郎氏(キリンホールディングス コーポレートコミュニケーション部)は、こう説明する。長年の活動の中には浮沈もあったが、さまざまな施策を行ってきた。

レギュラー3品は鉄板、もっとも売れるのは「ミルクティー」

 消費者から“午後ティー”と呼ばれて親しまれるブランドは、現在さまざまな種類と容器サイズで提供する。定番3品が「ミルクティー」「レモンティー」「ストレートティー」だ(正式商品名は「キリン 午後の紅茶 ミルクティー」等となる)。もっとも売れるのが「ミルクティー」だ。これは後述する消費者心理を考えると興味深い。

「35年で商品ラインナップ、容器サイズは拡大し、ホット飲料も投入しましたが、『茶葉から淹れた紅茶のおいしさ』と『紅茶の飲用シーンを拡げる』を大切にしています」(安平氏)

 マーケティング現場では「消費者はどんどん変化」するが、「人間の本質はそんなに変わらない」も共通認識だ。「不易流行」(時代とともに変わる・変わらない)の考え方だ。

「ブランド35年の歴史で、変えてきたもの=パッケージデザイン・味覚・容器形態で、変えないもの=ブランドアセット・おいしさへのこだわり、になります」(同)

 パッケージデザインは変えてきたが、ブランドロゴも大きく変わらない。

「発売時から『アンナ・マリア』(7代目ベッドフォード公爵夫人。アフタヌーン・ティーの習慣を始めた存在)と明朝体の文字表記を採用しています」(同)

 フレーバー(味覚)も多様化し、今年は「午後の紅茶 熊本県産いちごティー」という商品も発売。同県産のいちご「ゆうべに」を用いたフルーツティーだ。

発売時は1.5リットル、「ごくごく飲む」の先駆者だった

 1986年の発売時は1.5リットルのペットボトル「ストレートティー」からスタートした。

「当時、缶入りの紅茶はありましたが、甘さが強く売れ行きはいまひとつ。一方、家庭で飲む紅茶は茶葉やティーバッグで淹れるホットティーが大半。自分でアイスティーをつくろうとすると、非常に面倒でした。

 そこで『RTD(Ready To Drink=缶やペットボトルに入ったすぐ飲める飲料)で、紅茶本来の味わいが楽しめるアイスティーをつくれないか』という、開発担当者の熱い思いから商品開発がスタートしたのです」(安平氏)

 試行錯誤の末に開発されたのが、液色を透明にする「クリアアイスティー製法」。紅茶には「冷やせば濁る」という性質があり、それを解決するブレイクスルーとなった技術だ。

 缶入り紅茶の歴史の始まりはその十数年前で、缶コーヒーが浸透して自動販売機の定番飲料になったのに比べて、缶ティーはパッとしなかったが、それもペットボトル紅茶で変わった。

 また、当時は現在の小型ペットボトル(500ミリリットルが主流)飲料は許可されておらず(1997年に解禁)、大型ペットボトルとして登場した。だが、これもまた興味深い。

 それまでの紅茶は前述の茶葉やティーバッグでの手淹れが中心で、「ゆっくり飲む嗜好品」だった。それがペットボトルならごくごく飲める。紅茶をより身近な存在に変えたのだ。

 小型ペット解禁後も人気だったが、やがて低迷。2003年のリニューアルで息を吹き返した。

無糖飲料が幅をきかせるなか、「有糖が8割」の市場

 意外にも、紅茶市場では「有糖カテゴリーがシェア約8割」だという。「意外にも」と記したのは理由がある。国内市場全体での「無糖飲料製品」構成比は「2018年は約49%」(全国清涼飲料連合会調べ)と、半数が無糖になっているからだ。

「無糖も成長しており『午後の紅茶 おいしい無糖』や、微糖紅茶『ザ・マイスターズ』シリーズは、甘さ・糖離れ志向の働く大人層の女性を中心に好評をいただいています。一方で、有糖紅茶しか飲まない消費者も約6割いらっしゃいます」(同)

 別のメーカーからは興味深い話を聞いた。「茶系飲料には『緑色』と『茶色』の2大勢力があり、売り上げ規模もほぼ拮抗する」(サントリー食品インターナショナル)という。前者は緑茶、後者は紅茶、麦茶、ブレンド茶、ウーロン茶、ほうじ茶などがある。前述した日本茶市場とはまた別の分け方だ。

 この「茶色市場」の茶系飲料も、紅茶以外はほとんどが無糖中心となっている。サントリー食品が用いる言葉に「避糖化」(糖を避ける)があり、「大きな流れでは避糖化ですが、消費者は有糖も合わせて楽しみます」とも話す。紅茶飲料は茶色市場で有糖を楽しむ商品群として存在感を持つといえよう。

人気だった「紅茶のおいしい喫茶店」が減った理由

 少し目線を変えた話をしたい。国内のカフェ・喫茶店の店舗数がもっとも多かったのは、40年前の1981(昭和56)年で「15万4630店」。現在はその半分以下で、7万店を割った(全日本コーヒー協会の統計資料による)。

 喫茶店全盛期には紅茶を看板メニューにする店も多く、今も人気店の「ケニヤン」(東京・渋谷)は40年以上続く。昭和時代のアイドル歌手だった柏原芳恵さんのヒット曲歌詞にある「紅茶のおいしい喫茶店」――。だが、ティーサロンは減った。減った理由をフードビジネスコンサルタントの永嶋万州彦氏(元ドトールコーヒー常務)は2年前にこう説明してくれた。

「もともと紅茶を好むのは女性でしたが、コーヒー好きの女性も増えた。紅茶がおいしい店は、気のきいたスイーツやサンドイッチなど、サイドメニューの上品さ、上質な雰囲気が求められたのです。だから百貨店と相性がよく、百貨店内にはティーサロンがあります。しかし最大手のティーサロンチェーンでも、売り上げの過半数はコーヒーです。働く女性が一般的となり忙しく、平日の昼間に紅茶でゆったり……という生活習慣も減りました」

 筆者の各店舗への取材経験でも納得できる話だった。コロナ禍の現在は、カフェや喫茶店に行く機会が限られてしまい「大切な空間+飲食時間」となっている。

商品を通じて「社会課題の解決」も図る

 飲料の話に戻ろう。以前からキリングループは「社会課題の解決」も掲げてきた。

 たとえば、飲食店での酒類提供制限で関心が集まる「ノンアルコール」では、2009年に「キリンフリー」(キリンビール)を発売。飲酒運転厳罰化(07年の道路交通法改正)を受けて「運転前に安心して飲める飲料」として開発したという。

 最近の活動も活発だ。「午後の紅茶」で行うのは、関係の深いスリランカの農園支援。今年8月3日「キリン 午後の紅茶 ストレートティー 250ml紙パック」も発売した。中味にスリランカ産「レインフォレスト・アライアンス認証」を取得した農園の茶葉を用いる。

 カエルのマークで知られる同認証は、米国に本部を置く国際的な非営利団体が定める。農園の環境、土壌・水を含めた天然資源、生態系や生物多様性を守り、労働者の労働条件やその家族・地域社会を含めた教育・福祉などの厳しい基準を満たした農園に与えられる。

 10月12日には独自技術のプラズマ乳酸菌を配合した「キリン 午後の紅茶 ミルクティープラス」(ペット容器)」が発売予定。免疫機能で初めて機能性表示食品として受理された「iMUSE」飲料にも配合されている同乳酸菌を午後ティーにも用いる。

 コロナ禍で消費者心理は変わった。ワクチン接種が進み、以前よりも外出意欲が強まる一方で、健康や免疫に対する意識は依然として高い。最近の調査では「ダイエット」よりも「免疫」意識が上回るほどだ。

 ホットもあればコールドもある通年型商品の「午後の紅茶」――。おいしさや味の多様性を追求しながら、見えないところで「社会課題の解決」も上乗せしている。

(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

1962年生まれ。(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など。

社員わずか24人…銚子電鉄、大手広告代理店も舌を巻く新事業創出&話題創出力

 大都市一極集中に伴う人口減少などの弊害で、経営難にある地方企業が新たな収益源を確保するための新事業の創出は喫緊の課題となっている。経済産業省や中小企業庁などが躍起になってさまざまな施策を展開する中、大胆な新事業創出やゲームコンテンツなどとのコラボレーションによってインターネット上で注目を集めて続けているのが銚子電気鉄道銚子電鉄、千葉県銚子市)だ。鉄道事業の赤字を“ぬれ煎餅の製造・販売で賄う”といった、廃線寸前の経営状態を逆手に取った“自虐ネタ”ともいえるPRを展開し、大手広告代理店の関係者も舌を巻く波及力を見せている。

電気事業への参入、人気ゲームとのコラボにネット沸く

 同社は27日、公式サイト上でプレスリリース『電気買ってください!電気代稼がなくちゃいけないんです! 銚子電鉄が電力事業に参入 「銚子電鉄でんき」10/1(金)より申込受付開始!』を公開した。地元自治体の銚子市などが出資する電力小売業「銚子電力」から営業の一部を請け負うというもの。同プレスリリースによると「月の電気代が約6,000円(年間電気代約70,000円)の方が加入されると、銚子電鉄 銚子~外川1往復分を走らせることができる電気代収入を銚子電鉄は確保することができます」(原文ママ)とのことだ。

 読売新聞は30日、記事『銚子電鉄電力事業参入 あすから 銚子電力の営業一部担当 コロナ苦境経営改善期待』を公開し、新事業創出の背景を次のように解説している。

「銚子電鉄の2021年3月決算は、5期連続の赤字。鉄道事業の営業収入は前期より2割少ない7856万円。一方、食品販売などの副業事業の売り上げは3億9783万円で、全体の8割を占める。売電事業で更なる多角化を進める」

 同社の電力事業への参入は瞬く間にTwitterで拡散。また同社が10月2日からバンダイナムコエンターテインメントの人気ゲームコンテンツ『アイドルマスター SideM』とコラボレーションすることを公表したこともあって、9月30日午前には東京などで「銚子電鉄」がTwitterのトレンド入りした。

“困っていること”を素直に打ち出す優れたPR

 鉄道会社系大手広告代理店のクリエイティブディレクターは次のように語る。

「バンダイナムコさんとのコラボでは、ゲーム内の人気男性アイドルユニット『Jupiter』のコラボ商品を販売するのです。そこで記念乗車券やパスケースなどの商品を出すようなのですが、そもそも銚子電鉄さんの沿線は交通系ICカードが使えないのです。本来であれば、鉄道ファンやゲームファンから『どうなっているんだ』などというネガティブな反応が見られてもおかしくないのですが、今回は『パスケース出しているのに、自分のところで使えないのがウケる』と盛り上がっています。

 電力事業参入のプレスリリースでも、竹本勝紀社長が困り顔で手を合わせて拝んでいる姿を映した手作り感あふれるコラージュ写真が好評で、『おもしろい』と瞬く間に拡散しました。

 ちなみに銚子電鉄さんの社員は24人です。竹本社長自ら鉄道運行の最前線に立って、よくある“やってる感”ではなく、本当に社員総出で奔走している姿を赤裸々に明らかにしてきました。そうしたこれまでの活動が、ネット上の温かな感想につながっているのではないかと思います。

 それぞれの活動が、良い意味で高尚すぎず、経営者などの理念編重も見られず、とにかく“上から目線”を感じないのです。“本当に困っている”ことを素直に打ち出していることに好感を持てるのかもしれません。

 もちろん、そう思われるのは、単に“お金がない”“援助してください”というだけではなく、『ぬれ煎餅』の製造販売にはじまり、映画製作の事業参入など非常に興味深い企画を次々に繰り出しているからこそでしょう。今後は、大手企業がコラボをお願いしに行くことも増えるかもしれませんね。少なくとも、今話題になっているバンダイナムコさんとのコラボも、バンダイさん側が持ちかけた企画であることが、同社のウェブメディア・アソビモットで明らかにされています」

さまざまな企画は銚子電鉄の独自の創意工夫によるもの

 ネット上を騒がせる企画や新事業創出は、銚子電鉄独自のものなのか。国、県と共同で同社の鉄道事業を支援している銚子市企画財政課銚子創生室地域振興班の担当者は次のように話す。

「市は2014年度から銚子電気鉄道応援基金を設置し、市民の皆様などからいただいたご寄附を銚子電鉄の運行維持に必要な設備投資に対する補助金や様々な支援活動に活用させていただいております。基金には2020年度までに計8741件、約2億3000万円のご寄付をいただきました。

 一方、さまざまな事業創出に関して、市などの行政は助言していません。竹本社長をはじめ、銚子電鉄さんの社員の皆さんの創意工夫によるものです」

 銚子電鉄の地道な奮闘ぶりは経営不振に悩む多くの地方企業にとって、回答例のひとつになるかもしれない。

(文・構成=編集部)

 

社員わずか24人…銚子電鉄、大手広告代理店も舌を巻く新事業創出&話題創出力

 大都市一極集中に伴う人口減少などの弊害で、経営難にある地方企業が新たな収益源を確保するための新事業の創出は喫緊の課題となっている。経済産業省や中小企業庁などが躍起になってさまざまな施策を展開する中、大胆な新事業創出やゲームコンテンツなどとのコラボレーションによってインターネット上で注目を集めて続けているのが銚子電気鉄道銚子電鉄、千葉県銚子市)だ。鉄道事業の赤字を“ぬれ煎餅の製造・販売で賄う”といった、廃線寸前の経営状態を逆手に取った“自虐ネタ”ともいえるPRを展開し、大手広告代理店の関係者も舌を巻く波及力を見せている。

電気事業への参入、人気ゲームとのコラボにネット沸く

 同社は27日、公式サイト上でプレスリリース『電気買ってください!電気代稼がなくちゃいけないんです! 銚子電鉄が電力事業に参入 「銚子電鉄でんき」10/1(金)より申込受付開始!』を公開した。地元自治体の銚子市などが出資する電力小売業「銚子電力」から営業の一部を請け負うというもの。同プレスリリースによると「月の電気代が約6,000円(年間電気代約70,000円)の方が加入されると、銚子電鉄 銚子~外川1往復分を走らせることができる電気代収入を銚子電鉄は確保することができます」(原文ママ)とのことだ。

 読売新聞は30日、記事『銚子電鉄電力事業参入 あすから 銚子電力の営業一部担当 コロナ苦境経営改善期待』を公開し、新事業創出の背景を次のように解説している。

「銚子電鉄の2021年3月決算は、5期連続の赤字。鉄道事業の営業収入は前期より2割少ない7856万円。一方、食品販売などの副業事業の売り上げは3億9783万円で、全体の8割を占める。売電事業で更なる多角化を進める」

 同社の電力事業への参入は瞬く間にTwitterで拡散。また同社が10月2日からバンダイナムコエンターテインメントの人気ゲームコンテンツ『アイドルマスター SideM』とコラボレーションすることを公表したこともあって、9月30日午前には東京などで「銚子電鉄」がTwitterのトレンド入りした。

“困っていること”を素直に打ち出す優れたPR

 鉄道会社系大手広告代理店のクリエイティブディレクターは次のように語る。

「バンダイナムコさんとのコラボでは、ゲーム内の人気男性アイドルユニット『Jupiter』のコラボ商品を販売するのです。そこで記念乗車券やパスケースなどの商品を出すようなのですが、そもそも銚子電鉄さんの沿線は交通系ICカードが使えないのです。本来であれば、鉄道ファンやゲームファンから『どうなっているんだ』などというネガティブな反応が見られてもおかしくないのですが、今回は『パスケース出しているのに、自分のところで使えないのがウケる』と盛り上がっています。

 電力事業参入のプレスリリースでも、竹本勝紀社長が困り顔で手を合わせて拝んでいる姿を映した手作り感あふれるコラージュ写真が好評で、『おもしろい』と瞬く間に拡散しました。

 ちなみに銚子電鉄さんの社員は24人です。竹本社長自ら鉄道運行の最前線に立って、よくある“やってる感”ではなく、本当に社員総出で奔走している姿を赤裸々に明らかにしてきました。そうしたこれまでの活動が、ネット上の温かな感想につながっているのではないかと思います。

 それぞれの活動が、良い意味で高尚すぎず、経営者などの理念編重も見られず、とにかく“上から目線”を感じないのです。“本当に困っている”ことを素直に打ち出していることに好感を持てるのかもしれません。

 もちろん、そう思われるのは、単に“お金がない”“援助してください”というだけではなく、『ぬれ煎餅』の製造販売にはじまり、映画製作の事業参入など非常に興味深い企画を次々に繰り出しているからこそでしょう。今後は、大手企業がコラボをお願いしに行くことも増えるかもしれませんね。少なくとも、今話題になっているバンダイナムコさんとのコラボも、バンダイさん側が持ちかけた企画であることが、同社のウェブメディア・アソビモットで明らかにされています」

さまざまな企画は銚子電鉄の独自の創意工夫によるもの

 ネット上を騒がせる企画や新事業創出は、銚子電鉄独自のものなのか。国、県と共同で同社の鉄道事業を支援している銚子市企画財政課銚子創生室地域振興班の担当者は次のように話す。

「市は2014年度から銚子電気鉄道応援基金を設置し、市民の皆様などからいただいたご寄附を銚子電鉄の運行維持に必要な設備投資に対する補助金や様々な支援活動に活用させていただいております。基金には2020年度までに計8741件、約2億3000万円のご寄付をいただきました。

 一方、さまざまな事業創出に関して、市などの行政は助言していません。竹本社長をはじめ、銚子電鉄さんの社員の皆さんの創意工夫によるものです」

 銚子電鉄の地道な奮闘ぶりは経営不振に悩む多くの地方企業にとって、回答例のひとつになるかもしれない。

(文・構成=編集部)

 

JRA 川田将雅「息がしんどかった」単勝1.5倍クリソベリル惨敗の原因は、前ダート王も苦しんだ不治の病? それでも鞍上が前向きな理由

 29日、船橋競馬場で日本テレビ盃(G2)が行われ、矢野貴之騎手のサルサディオーネ(牝7歳、大井・堀千亜樹厩舎)が優勝。2010年フリオーソ以来10年ぶりの地方馬による制覇と交流重賞へ昇格以来初の牝馬による制覇を成し遂げた。

 一方、このレースで単勝オッズ1.5倍と圧倒的な支持を受けながら着外に敗れたのが、川田将雅騎手のクリソベリル(牡5歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。

 JRA馬4頭、地方馬7頭の計11頭で争われたダート1800m戦。2枠2番から好スタートを切ったクリソベリルは、外から果敢にハナへ立ったサルサディオーネをマークする2番手の位置でレースを進める。

 道中で隊列が大きく変わることなく直線へ。逃げ切りを図るサルサディオーネを捉えようと川田騎手が懸命に追って差を詰めようとするが、中々差は詰まらず。逆に残り200m付近でダノンファラオら後続馬に交わされてしまい、6着に敗れた。

 クリソベリルと言えば、昨年12月のチャンピオンズC(G1)で4着に敗れるまで国内では8戦8勝。まさに「ダート王者」と呼ぶに相応しい成績だった。

 そんな王者を苦しめたのが、右後肢の輪状靭帯損傷だ。靭帯の損傷は屈腱炎とならび競走馬にとって致命的な故障とされている。メジロマックイーンやエピファネイアなどの名馬も靭帯を傷めたことを理由に、現役を退いている。

 また、仮に休養を挟み復帰したとしても厳しい現実が待っている可能性が高い。その代表例として挙げられるのが、クリソベリルと同じくダートで活躍したルヴァンスレーヴだ。クリソベリルの1歳年上で、クリソベリルが出る前の「ダート王」として知られている。

 17年8月にデビューしたルヴァンスレーヴは、18年チャンピオンズCを3歳で勝利。同レースまで8戦7勝2着1回、G1を計4勝と抜群の成績を残した。しかし、チャンピオンズC後に繋靭帯炎が判明した。

 約1年半の休養を経て20年かしわ記念(G1)で復帰を果たすも、直線早々に後方から押し寄せた馬に抜かれて5着。続いて挑んだ帝王賞(G1)では、馬体を絞って臨んだが直線で伸び切れず10着。このレースを最後にルヴァンスレーヴは、ターフを去ることになった。

 ルヴァンスレーヴとクリソベリルは、故障前の成績などが非常に似ている。そして2頭とも靭帯を傷めたことで休養を余儀なくされたため、今回のクリソベリルの走りを見てルヴァンスレーヴを思い出したファンも多いはずだ。そのため、中にはルヴァンスレーヴのようにクリソベリルもこのまま終わってしまうのかと悲観してしまうファンもいるに違いない。

 ただ、希望が持てる話もある。今回のレースを終えた川田騎手は「チャンピオンズC以来のレースで、息がしんどかったですね。でも、競馬の前も競馬の間も、ある程度本人が楽しんでくれている様子があったので、それを嬉しく思います」と、コメント。クリソベリルにはまだ闘争心などは十分ありそう。

 果たして、クリソベリルはかつての輝きを取り戻し再び「ダート王」の座につくことができるのか。厳しい状況だが、引き続き注目したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

実は店員待機、万引きリスク…ファミマ・1千店「無人レジ店舗」の全貌と誤解

 店舗数で業界2位のファミリーマートが、無人レジを使ったコンビニエンスストアを2024年度末までに全国に1000店舗展開する。本格的な無人レジ店舗の展開は日本で初めて。ターゲットはマイクロマーケットだという。

 人口減少や新型コロナウイルス感染拡大による外国人労働者の大量帰国などで日本国内の需要は大幅に減少し、コンビニの国内店舗展開は6万店を前に増加の速度が鈍化しているが、「これまで通常店舗として出店できなかったような場所でも出店することができる」(ファミリーマート広報担当者)と新しい可能性を語る。約3000アイテムを販売する標準的店舗(一般的には50~60坪、165~200平方メートル程度といわれている)での無人レジの展開はまだ考えていないという。

 ファミリーマートが無人レジの展開に乗り出したのは2020年夏ごろだ。「無人レジ」システムの開発に成功した「TOUCH TO GO」(TTG、本社:東京都港区)との協議を始め、同11月には業務提携に持ち込んだ。TTGは日本最大の鉄道会社、JR東日本グループとITベンチャー企業、サインポスト(本社:東京中央区)が19年7月に無人レジの事業化を進めるために設立した合弁企業だ。

 サインポストは07年3月に設立されたベンチャー企業で、ウォークスルー型の無人決済システム(無人レジのこと)「スーパーワンダーレジ」の開発に成功した。棚の重量センサーと天井に取り付けられたカメラなどの情報から入店した客と手に取った商品をリアルタイムに認識して、決済エリアに客が立つとタッチパネルに商品と購入金額を表示。客が商品を持ったら、出口でタッチパネルの表示内容を確認して支払いをするだけで買い物ができるという仕組みだ。

人員削減効果

 サインポストは17年4月、「JR東日本スタートアッププログラム」に応募し最終選考11社のなかに残り、JR東日本グループとの共創がスタート。東京都赤羽や埼玉県大宮のJR駅内に無人レジの店舗を設立して実証実験を行い、19年7月1日、両社は合弁会社TTGを設立した。そしてTTGは20年3月23日、JR東日本が山手線沿線に49年ぶりに新設した「高輪ゲートウエイ駅」内に常設の無人AI決済店舗「TOUCH TO GO」をオープンした。

 その後こうした実績を踏まえ、ファミリーマートが提携。21 年2月にはTTGと資本提携を結び、3月に東京駅近くに無人レジ店舗「ファミマ!!サピアタワー/S店」をオープンした。広さは55平方メートルの小型店。店内には菓子や飲料など約700アイテムの商品が並び、それを48台のカメラで管理する。

 1階に設置したのは、ビルだけでなく直結する東京駅から流れてくる客を期待してのことだ。店内は無人だが、バックヤードには年齢確認の必要な酒類販売に対応する従業員が1人待機する。それでも通常2人必要な人員を1人減らすことができるという。

「報道などではよく無人店舗といわれますが、トラブルが起こった場合の対応のために1人バックヤードに待機しています。また、お客様がお酒を購入した場合は、バックヤードでブザーがなって店員に報告し、画面を通して対面による年齢確認を行います。たばこについては現在、監督官庁などと交渉しています」(ファミリーマート広報担当者)

 酒やたばこなどのライセンス商品は売上高の1割5分から2割を占めるため、それが売れるかどうかは収益に大きく作用するからだ。AIカメラなどの機材はレンタルするという。

「費用は機材をレンタルする方式で月50万円程度です。一人が6時から23時まで働くと一人80万円程度の人件費がかかるといわれており、大幅な人件費の削減になります」(TTG広報担当者)

無人レジ店舗の課題

 8月13日には西武鉄道と提携し出店していたフランチャイズの「トモニー中井駅店(東京都新宿区)」にも無人レジを導入しリニューアルオープンした。

「トモニー中井駅店(東京都新宿区)」に無人レジを導入したことで、ファミマと提携する他の鉄道会社からの問い合わせが増え、ファミマは駅ナカでの店舗展開の加速を期待しているという。しかし課題も山積している。

「必要なカメラの数は天井の高さと店舗の広さによって決まるために、標準的な店舗の3000アイテムまで増えても対応は可能だ」(TTG広報担当者)という。しかしコンビ二の業界関係者は、通常店に導入するには解決しなければならない課題があるという。

「通常のコンビニは約3000アイテムを取り扱っていますが、このうち1週間で100アイテムが入れ替わってしまいますから、これを毎週改めて登録していかなければならない。しかも陳列棚が変わればその情報も入力しなければならない。商品を手にとったお客さんも、いつも決められた場所に置くとは限らないので、そうした情報も必要となっていく。見た目ほど簡単なもんではないと思います」(コンビニ業界に詳しい事情通)

 しかも万引きのリスクも少なくない。ファミマは「天井には複数のカメラがあり、ゲートは決済しなければ通過できないようになっている。簡単には万引きはできない仕組みとなっている」(同社広報担当者)と説明する。

「無人レジでは複数の客が重なってしまうと誰が商品を取ったかわからず、AIカメラが認識できない。決済せずに商品を持ち出すことができるわけです。これを意図的にやられてしまうと万引きのリスクが高まる」(コンビニ業界に詳しい事情通)

 そのため10人という入場制限を行っているが、入場制限は販売機会損失につながってしまう恐れがある。入場制限の撤廃や収益性については現在ファミマは検証を続けているというが、業界トップに躍り出る起爆剤になるのか、今後が注目される。

(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

●松崎隆司/経済ジャーナリスト

1962年生まれ。中央大学法学部を卒業。経済出版社を退社後、パブリックリレーションのコンサルティング会社を経て、2000年1月、経済ジャーナリストとして独立。企業経営やM&A、雇用問題、事業継承、ビジネスモデルの研究、経済事件などを取材。エコノミスト、プレジデントなどの経済誌や総合雑誌、サンケイビジネスアイ、日刊ゲンダイなどで執筆している。主な著書には「ロッテを創った男 重光武雄論」(ダイヤモンド社)、「堤清二と昭和の大物」(光文社)、「東芝崩壊19万人の巨艦企業を沈めた真犯人」(宝島社)など多数。日本ペンクラブ会員。

新台『P真北斗無双』が始動!パチンコ界に旋風を巻き起こした爆裂の復活は!?

 パチスロ6号機「A+AT機」の完成形との声もあがる『パチスロ コードギアス 反逆のルルーシュ3』や、プレイヤーファーストを実現した「超高密度AT」搭載の『パチスロ楽園追放』を発表するなど抜群の存在感を放っているサミー。

 パチンコ分野でも人気のテレビドラマ「火曜サスペンス劇場」を題材としたシリーズ最新作や、甘デジ『北斗無双』シリーズが絶賛稼働中だ。

 今後も両分野に話題作を投入予定の同社。その中でも熱い視線を浴びているのは、業界を代表する『北斗の拳』シリーズ最新作だろう。

 パチンコ新台『P北斗の拳9 闘神』(製造元:株式会社銀座)が適合通知を受けたことを発表。30日時点で詳細の発表はないが「闘神と呼ぶに相応しい出玉性能の可能性大」「適合の段階で発表したのは自信の表れ」といった声が浮上している。「北斗らしさ」を感じるスペックを期待したいが…。

 他の追随を許さない出玉性能で、瞬く間にユーザーのハートを鷲掴みにした爆裂シリーズも動き出した。

 パチンコ新機種『P真北斗無双FWJB』が検定通過。早くもファンのボルテージは高まっているようだ。

 大ヒットアクションゲームをモチーフに据えた、サミーの「北斗無双」シリーズ。その中でも2016年3月にデビューした初代『ぱちんこCR真・北斗無双』は、今なお高稼働を実現する大ヒットマシンだ。

 大当り確率は約1/319.7で、ST「幻闘RUSH」突入率は50%。初当りでST抽選に漏れた場合は100回転の時短「激闘MISSION」へ突入し、この間に大当りを射止めた場合はST突入が濃厚となる。

 最大の特徴は超強力な出玉性能。ST継続率は約80%を誇り、ST中の大当りは半数以上が16R(約2400発)という爆裂仕様だ。これまでにない『北斗の拳』シリーズの世界観に加え、この圧倒的な一撃性を武器に快進撃を見せた名作である。

 その後に登場したシリーズ機には厳しい意見もあるが、新作へ興味を示すファンは今なお多い。検定を通過した『P真北斗無双FWJB』へ、注目が集まっているのも当然だろう。

「今年の夏頃から動向を気にする声はありましたが、ついに検定を通過しましたね。いまや北斗無双シリーズはサミーにおけるキラーコンテンツのひとつ。その最新作という時点で話題になるのは当然でしょう。

現在のところ詳細は明らかにされていませんが、初代を意識した仕上がりと予想する関係者も多いようです。いずれにせよ無双らしいループ率&獲得出玉になっている可能性は高いと思います。現在のトレンドを取り入れていることも、十分にあり得るのではないでしょうか。期待したいですね」(パチンコライター)

「現行ホールの覇者」初代の遺伝子を受け継いだ新作が降臨するのだろうか。続報が気になるところだ。まずは、正式な発表を待ちたい。

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鳥取県、2年連続「SDGsランキング首位」…社会人の副業づくりにも応用可能!

 さまざまな企業現場を取材すると、「このキーワード(言葉)は最近目立つな」という話も多い。ここ数年は「SDGs」(持続可能な開発目標)だ。もともと国連が採択したものだが、各業界や企業では、たとえば次のような内容で説明を受ける。

「酒類メーカーの当社としては、消費者の健康志向は大切にしつつ“お酒離れ”を防ぎたい。ノンアルや微アル(アルコール度数0・00%のノンアルコールや0・5%の微アルコール)飲料の商品開発に力を注ぐのも、当社にとってのSDGsです」(総合酒類メーカー)

「アパレル業界では今、SDGsへの関心が急速に高まっています。当社も環境に配慮し、リユース、リメイク、リペアを柱とするプロジェクトを立ち上げます。その第1弾として使わなくなった当社製品を無料で引き取り、職人が丁寧に修理して再販売するリユース(再利用)事業に参入します」(アパレルメーカー)

 つまり、事業活動の襟を正す意味でも用いられ、その目指す道は「自社の新たな評価」だ。

 筆者は「コーポレート活動のコンサルティング」をする一方、社会人のスキルアップの相談にも応じてきたが、SDGsの視点は“個人のキャリアづくり”にも応用できると思う。

 そこで今回は、前半は「地方自治体の成功事例」を紹介し、後半はその応用編で「個人の魅力づくり」に置き換えて考えたい。

都道府県別SDGsで「鳥取県」が2年連続首位に

 まずは以下の表をご覧いただきたい。

【2020年都道府県・SDGs評価ランキングTOP15】
※(順位)都道府県名、SDGs指標
(1)鳥取県 51.9
(2)石川県 50.5
(3)千葉県 48.1
(4)広島県 47.9
(5)三重県 47.8
(5)福島県 47.8
(7)北海道 47.7
(7)熊本県 47.7
(9)神奈川県 47.4
(10)京都府 47.1
(11)宮崎県 46.8.
(11)東京都 46.8
(13)大阪府 46.7
(14)山梨県 46.5
(14)福井県 46.5
(14)島根県 46.5
(出所:ブランド総合研究所の調査。同率順位あり)

 株式会社ブランド総合研究所が2021年5月に発表した「第2回都道府県SDGs調査2020」によれば、第1回に続き、鳥取県が首位となった(インターネット調査で登録調査モニター<15歳以上>から、居住している都道府県別に調査。調査時期は2020年6月12~29日。有効回答数1万5991人)。

 なぜSDGsを都道府県別で集計したのかについて、同社はこう記す。

「SDGsは日本全国でも取り組みが始まっているが、そもそも地球全体の視点で作られたものであり、日本各地での状況を踏まえた『住民の視点』になっているとは言えません」

 そこで住民目線による地域の持続性評価、悩みや不満、および幸福度や定住意欲度などを調査したという。具体的な調査結果を上記のランキング形式で発表した。

なぜ鳥取は「住民評価」が高いのか?

 テーマ的に、大都市圏よりも地方の県のほうが上位に来る傾向があるが、発表数字では鳥取県への住民評価が非常に高い。

「地域の持続性を高めるために社会や環境に配慮しているかと思うか」という質問に対しては、「とても配慮している」の回答が11.9%で、全国平均(4.8%)の2倍以上。「やや配慮している」と合わせて住民の4割以上が県の持続性への取り組みを評価していた。

 ここまで評価が高い理由について、同県の担当課ではこう回答した。

「鳥取県では、県内への移住定住・子育て支援・生活困窮対策、働き方改革、環境保全等、県民の皆様の声にきめ細やかに対応し進めてきました。

 こうしたさまざまな活動が『SDGs達成のための積極的取り組み』として評価されるとともに、オール鳥取で進めてきた『とっとりSDGsネットワーク』『とっとりSDGsパートナー制度』などの普及活動が、県内でのSDGs実践につながったと考えています」

 SDGsといっても日々の活動の結果だ。具体的にどんな取り組みをしているのか。

「役割を終えたランドセル」を外国籍の家庭に贈る

 同県の担当者が話した内容のうち、たとえば「子育て支援」の取り組み事例が2020年から始まった「ランドセルの再活用」だ。

 これは子どもが卒業して使わなくなった「家庭に眠るランドセル」を回収し、必要としている人に渡して使ってもらう取り組み。初回の同年は、県内に設置された回収ボックスに2カ月で170個以上のランドセルが持ち込まれた。

 実際に行ったのは地域密着サービスを提供する流通株式会社(同県倉吉市)で、整理収納アドバイザーの資格を持つ江原朋美さん(「ランドセル FOR ALL」プロジェクトの発起人)を中心に担当。単なる回収→寄贈だけではなく、回収したランドセルには流通(社)のスタッフがメンテナンスをし、寄贈者からのメッセージタグも付けられた。

 なかには亡き父母に買ってもらった自分のランドセルを寄贈した女性もおり、寄贈時はその女性の娘が小学校入学前で一緒に寄贈。「大切に6年間使うことも娘に伝えたかった」という。

 一方、寄贈を受けたのは主に県内に住む外国籍の家庭だ。ランドセルの文化がない外国出身の家庭は必要性の理解も難しく、最近のランドセルは総じて高額だ。趣旨に賛同する双方にとっては、思いが一致する取り組みだった。

 2021年は6月より回収を開始しており、今後、希望者に随時贈られる予定だという。

砂丘の草生栽培で「ラベンダーづくり」

 これ以外の事例も簡単に紹介したい。

 鳥取県のシンボルである砂丘。この砂丘地に目をつけ、ラベンダー栽培を始めたのが関西地方で美容室を経営しながら、妻の出身地である同県に移り住んだ寺田健太郎さんだ。

 大阪、神戸、京都で4店の美容室を経営する寺田さんは、以前から手がけていたラベンダー栽培、製品化を砂丘地で行うことを考えた。そこで地権者や自治体にかけあい2020年から栽培を開始。初年度は500ミリリットルのラベンダー精油からシャンプー400リットルとコンディショナー400キログラムを製造した。

 栽培は循環型農業の「草生栽培」。県の話でいえば「環境保全」だ。製品化へのストーリー性も考え、美容室の経営理念「ずっとへ、まっすぐ」も意識したという。

 環境保全では、森林リサイクルで木のストローや木の紙などを製造販売する例もある。

 いずれの事例も共通点は「できることで魅力づくり」と「喜ばれる仕組みづくり」だ。鳥取県は人口約55万人の「日本一人口の少ない県」。だからこそ身の丈で活動する。

SDGsを副業に置き換えて「取引先の信頼」を得る

「できることで魅力づくり」の視点は、社会人のキャリアづくりにも応用できる。

 これには理由がある。筆者は大手ビジネス誌で「副業」の記事を何度も担当してきたが、コロナ禍で収入が減った人も多く、副業は小遣い稼ぎから収入の補填になってきた。

 引いた視点で考えれば、副業は「明日のメシ」。商品開発でいえば新商品だ。このご時世では本業と親和性のない“飛び地の業務”よりも親和性の高い業務で専門性を広げていき、明日の主力商品に育てるのが理想といえよう。

「SDGs=持続可能な開発目標」を副業に置き換えて、もっともお勧めなのは「取引先の手伝い」だ。実はこれを行う人は多く、小さな仕事から関わるのがコツだ。その際に「できることで(自分の)魅力づくり」を意識しながら地道に取り組む。後々を考え、所属する会社に届け出を行う、話のわかる上司に話すことも忘れずに行いたい。

 たとえば、あなたが物流業務の担当者なら、在職中に取引先(物流委託先)の業務改善を提案する。これは無償かもしれないが(自社からは給料をもらう)、そうした経験を積み重ねれば、独立して物流コンサルタントの道が拓けることもある。取引先から「ウチに来ないか」という話が出るかもしれない。何度もそうした事例を取材してきた。

 銀行出身者が、50歳以降に取引先企業の経理や財務責任者に移る例は長年多かったが、今後はどうか。もっと現場実務に合った人材の移籍例が増えると感じている。

「自分の得意分野」のありもの探し

 もう一度、鳥取県がSDGs活動で、ランキング首位となった事例から考えたい。

 住民の評価が高い=取引先の評価が高い、ランドセルの再活用=できることを行い、周囲を(心地よく)巻き込む――の視点といえないだろうか。

 50代会社員の友人・知人(複数)からは「何歳まで働こうか」「独立も視野に入れて週末起業の本も読んでいる」という話も聞いてきた。コロナ以前なので、今はもっと切実感があるだろうが、多くの会社員は、まだ定年が近づいてから行動し始めると感じている。

 まずは「得意分野のありもの探し」を抽出し、副業収入につなげてはいかがだろうか。

「人口最小の県が2年続けてランキング首位」に学べることはきっとあるはずだ。
(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)
1962年生まれ。(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。 近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

鳥取県、2年連続「SDGsランキング首位」…社会人の副業づくりにも応用可能!

 さまざまな企業現場を取材すると、「このキーワード(言葉)は最近目立つな」という話も多い。ここ数年は「SDGs」(持続可能な開発目標)だ。もともと国連が採択したものだが、各業界や企業では、たとえば次のような内容で説明を受ける。

「酒類メーカーの当社としては、消費者の健康志向は大切にしつつ“お酒離れ”を防ぎたい。ノンアルや微アル(アルコール度数0・00%のノンアルコールや0・5%の微アルコール)飲料の商品開発に力を注ぐのも、当社にとってのSDGsです」(総合酒類メーカー)

「アパレル業界では今、SDGsへの関心が急速に高まっています。当社も環境に配慮し、リユース、リメイク、リペアを柱とするプロジェクトを立ち上げます。その第1弾として使わなくなった当社製品を無料で引き取り、職人が丁寧に修理して再販売するリユース(再利用)事業に参入します」(アパレルメーカー)

 つまり、事業活動の襟を正す意味でも用いられ、その目指す道は「自社の新たな評価」だ。

 筆者は「コーポレート活動のコンサルティング」をする一方、社会人のスキルアップの相談にも応じてきたが、SDGsの視点は“個人のキャリアづくり”にも応用できると思う。

 そこで今回は、前半は「地方自治体の成功事例」を紹介し、後半はその応用編で「個人の魅力づくり」に置き換えて考えたい。

都道府県別SDGsで「鳥取県」が2年連続首位に

 まずは以下の表をご覧いただきたい。

【2020年都道府県・SDGs評価ランキングTOP15】
※(順位)都道府県名、SDGs指標
(1)鳥取県 51.9
(2)石川県 50.5
(3)千葉県 48.1
(4)広島県 47.9
(5)三重県 47.8
(5)福島県 47.8
(7)北海道 47.7
(7)熊本県 47.7
(9)神奈川県 47.4
(10)京都府 47.1
(11)宮崎県 46.8.
(11)東京都 46.8
(13)大阪府 46.7
(14)山梨県 46.5
(14)福井県 46.5
(14)島根県 46.5
(出所:ブランド総合研究所の調査。同率順位あり)

 株式会社ブランド総合研究所が2021年5月に発表した「第2回都道府県SDGs調査2020」によれば、第1回に続き、鳥取県が首位となった(インターネット調査で登録調査モニター<15歳以上>から、居住している都道府県別に調査。調査時期は2020年6月12~29日。有効回答数1万5991人)。

 なぜSDGsを都道府県別で集計したのかについて、同社はこう記す。

「SDGsは日本全国でも取り組みが始まっているが、そもそも地球全体の視点で作られたものであり、日本各地での状況を踏まえた『住民の視点』になっているとは言えません」

 そこで住民目線による地域の持続性評価、悩みや不満、および幸福度や定住意欲度などを調査したという。具体的な調査結果を上記のランキング形式で発表した。

なぜ鳥取は「住民評価」が高いのか?

 テーマ的に、大都市圏よりも地方の県のほうが上位に来る傾向があるが、発表数字では鳥取県への住民評価が非常に高い。

「地域の持続性を高めるために社会や環境に配慮しているかと思うか」という質問に対しては、「とても配慮している」の回答が11.9%で、全国平均(4.8%)の2倍以上。「やや配慮している」と合わせて住民の4割以上が県の持続性への取り組みを評価していた。

 ここまで評価が高い理由について、同県の担当課ではこう回答した。

「鳥取県では、県内への移住定住・子育て支援・生活困窮対策、働き方改革、環境保全等、県民の皆様の声にきめ細やかに対応し進めてきました。

 こうしたさまざまな活動が『SDGs達成のための積極的取り組み』として評価されるとともに、オール鳥取で進めてきた『とっとりSDGsネットワーク』『とっとりSDGsパートナー制度』などの普及活動が、県内でのSDGs実践につながったと考えています」

 SDGsといっても日々の活動の結果だ。具体的にどんな取り組みをしているのか。

「役割を終えたランドセル」を外国籍の家庭に贈る

 同県の担当者が話した内容のうち、たとえば「子育て支援」の取り組み事例が2020年から始まった「ランドセルの再活用」だ。

 これは子どもが卒業して使わなくなった「家庭に眠るランドセル」を回収し、必要としている人に渡して使ってもらう取り組み。初回の同年は、県内に設置された回収ボックスに2カ月で170個以上のランドセルが持ち込まれた。

 実際に行ったのは地域密着サービスを提供する流通株式会社(同県倉吉市)で、整理収納アドバイザーの資格を持つ江原朋美さん(「ランドセル FOR ALL」プロジェクトの発起人)を中心に担当。単なる回収→寄贈だけではなく、回収したランドセルには流通(社)のスタッフがメンテナンスをし、寄贈者からのメッセージタグも付けられた。

 なかには亡き父母に買ってもらった自分のランドセルを寄贈した女性もおり、寄贈時はその女性の娘が小学校入学前で一緒に寄贈。「大切に6年間使うことも娘に伝えたかった」という。

 一方、寄贈を受けたのは主に県内に住む外国籍の家庭だ。ランドセルの文化がない外国出身の家庭は必要性の理解も難しく、最近のランドセルは総じて高額だ。趣旨に賛同する双方にとっては、思いが一致する取り組みだった。

 2021年は6月より回収を開始しており、今後、希望者に随時贈られる予定だという。

砂丘の草生栽培で「ラベンダーづくり」

 これ以外の事例も簡単に紹介したい。

 鳥取県のシンボルである砂丘。この砂丘地に目をつけ、ラベンダー栽培を始めたのが関西地方で美容室を経営しながら、妻の出身地である同県に移り住んだ寺田健太郎さんだ。

 大阪、神戸、京都で4店の美容室を経営する寺田さんは、以前から手がけていたラベンダー栽培、製品化を砂丘地で行うことを考えた。そこで地権者や自治体にかけあい2020年から栽培を開始。初年度は500ミリリットルのラベンダー精油からシャンプー400リットルとコンディショナー400キログラムを製造した。

 栽培は循環型農業の「草生栽培」。県の話でいえば「環境保全」だ。製品化へのストーリー性も考え、美容室の経営理念「ずっとへ、まっすぐ」も意識したという。

 環境保全では、森林リサイクルで木のストローや木の紙などを製造販売する例もある。

 いずれの事例も共通点は「できることで魅力づくり」と「喜ばれる仕組みづくり」だ。鳥取県は人口約55万人の「日本一人口の少ない県」。だからこそ身の丈で活動する。

SDGsを副業に置き換えて「取引先の信頼」を得る

「できることで魅力づくり」の視点は、社会人のキャリアづくりにも応用できる。

 これには理由がある。筆者は大手ビジネス誌で「副業」の記事を何度も担当してきたが、コロナ禍で収入が減った人も多く、副業は小遣い稼ぎから収入の補填になってきた。

 引いた視点で考えれば、副業は「明日のメシ」。商品開発でいえば新商品だ。このご時世では本業と親和性のない“飛び地の業務”よりも親和性の高い業務で専門性を広げていき、明日の主力商品に育てるのが理想といえよう。

「SDGs=持続可能な開発目標」を副業に置き換えて、もっともお勧めなのは「取引先の手伝い」だ。実はこれを行う人は多く、小さな仕事から関わるのがコツだ。その際に「できることで(自分の)魅力づくり」を意識しながら地道に取り組む。後々を考え、所属する会社に届け出を行う、話のわかる上司に話すことも忘れずに行いたい。

 たとえば、あなたが物流業務の担当者なら、在職中に取引先(物流委託先)の業務改善を提案する。これは無償かもしれないが(自社からは給料をもらう)、そうした経験を積み重ねれば、独立して物流コンサルタントの道が拓けることもある。取引先から「ウチに来ないか」という話が出るかもしれない。何度もそうした事例を取材してきた。

 銀行出身者が、50歳以降に取引先企業の経理や財務責任者に移る例は長年多かったが、今後はどうか。もっと現場実務に合った人材の移籍例が増えると感じている。

「自分の得意分野」のありもの探し

 もう一度、鳥取県がSDGs活動で、ランキング首位となった事例から考えたい。

 住民の評価が高い=取引先の評価が高い、ランドセルの再活用=できることを行い、周囲を(心地よく)巻き込む――の視点といえないだろうか。

 50代会社員の友人・知人(複数)からは「何歳まで働こうか」「独立も視野に入れて週末起業の本も読んでいる」という話も聞いてきた。コロナ以前なので、今はもっと切実感があるだろうが、多くの会社員は、まだ定年が近づいてから行動し始めると感じている。

 まずは「得意分野のありもの探し」を抽出し、副業収入につなげてはいかがだろうか。

「人口最小の県が2年続けてランキング首位」に学べることはきっとあるはずだ。
(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)
1962年生まれ。(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。 近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、著書多数。

パチンコ新台「最大継続率87.5%×オール1500発」の超注目作が登場!【新台分析―パチンコ編―】

 右打ち中の出玉性能はALL1500発×継続率81%で、さらに特定の条件を満たすと超高速変動「覚醒HYPER」が発動するなど、その圧倒的な爽快感は現行機トップクラス。『PF 機動戦士ガンダムユニコーン』(SANKYO)は8月の導入以降も連日高稼働を継続中だが、そんな本機を送り出した同社の快進撃はまだまだ続きそうだ。

『Pフィーバーマクロスフロンティア4』(SANKYO)

■大当り確率:1/319.7
■図柄揃い確率(特図2):約1/2.0
■RUSH突入率:約53%
■RUSH継続率:約81%
■ラウンド(カウント):10Ror2R(10C)
■賞球数:3&1&5&15
■出玉:1500発or300発
■振り分け
・特図1
「10R+時短250回+残保留1個」約6%
「2R+時短1回」約94%

・特図2
「10R+時短2回+残保留1個」約48%
「10R+時短1回+残保留1個」約52%
○○○

 10月4日の新台入れ替えでデビューする本機。スペックは大当り確率1/319.7の1種2種混合タイプで、ヘソ大当りの大半が2R+時短1回の「翼の舞チャンス」となり、ここで1/2.0(期待度50%)を引くことできれば、平均継続率81%の右打ち「ギャラクシーライブ」へ突入する。

 この「ギャラクシーライブ」中の大当りはすべて10R(1500個)となるが、継続率に関しては振り分けによって変化。52%で選択される「1回+残保留1個」の継続率は約75%、対して継続率約87.5%の「2回+残保留1個」は48%で選択され、その平均値が81%となる。

 また本機には、『ガンダムユニコーン』と同様にヘソ大当りから3000発獲得の「SPECIAL FEVER」も搭載されており、10R大当り終了後、時短250回+残保留1個の「VICTORY TIME」へ突入することで、次回大当りがほぼ濃厚となる仕組みだ。

「81%継続×ALL1500発×3000発フラグ」搭載という『ガンダムユニコーン』の遺伝子を継承し、さらに最大継続率は87.5%と大量獲得も十分にできる『Pフィーバーマクロスフロンティア4』。アニメファンのみならず、パチンコ界も注目の大ヒットコンテンツだけに、導入後の稼働が非常に楽しみだ。

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千葉ロッテマリーンズをクライマックスシリーズに導いた最高のコンディションの作り方とは?

 スポーツも仕事も最高のパフォーマンスを出すには、心と体をコントロールし、コンディションを整え、良い状態にすること。


 ただ、とかくストレスを感じやすく、心身の健康を保つのが難しい現代。毎日に立ち向かう肉体とメンタル「最強のコンディション」を身につけるための自己改革の方法50個を紹介するのが『突き抜けるコンディション革命』(小林弘幸著、ワニブックス刊)だ。

 

■嫌な仕事、気が乗らないことほど先にやる


 著者で順天堂大学医学部教授・日本スポーツ協会公認スポーツドクターである小林弘幸氏は、大学病院で総合的な健康管理を長年にわたり指導し、多くのアスリートの自己変革をサポート。


 小林氏が所属する順天堂大学病院医学部は、2020年シーズンからプロ野球・千葉ロッテマリーンズと提携して選手の医療サポートを行なっている。心と体を整えることの大切さを説き、チームはシーズンで2位。クライマックスシリーズに進出した。


 では、どのように最高のコンディションを手に入れるのか。


 たとえば、嫌な仕事に取り組まなければならないときは、ストレスがかかるもの。平常心を保ち、いい仕事をするコツが「時間のマネジメント」だ。時間に追われ、焦りが生まれ、集中力不足で正しい判断ができなくなる。その結果、パフォーマンスの低下が起きやすくなる。


 嫌な仕事に取り組む際は「先手必勝」の意識が大切。嫌な仕事ほど意識して先にやる。すぐにやること。焦る前に取り組み、心の余裕を持つことがパフォーマンスの向上につながるという。


 また、緊張する場面やストレスのかかるシチュエーションでは、チョコレートを食べることがおすすめ。ポイントは、ポリポリと噛み砕くのではなく、口に含んで舌で溶かすように舐めること。舌を動かすことで表情筋が緩み、自律神経のバランス調整に効果的なのだそう。


 また、緊張をほぐすなら、顔の表情をゆるめる方法もある。作り笑顔になることで、顔の筋肉を緩め、顔の血流をよくして副交感神経を活発化させることで、全身の緊張感が解けていくというメカニズムだ。


 長く続くコロナ禍で、今まで以上にストレスのかかる生活が続いている。今こそ心と体を整えることが、大切になるはず。すぐに実践できる方法が紹介されている本書を参考に、コンディション革命を起こしてみてはどうだろう。
(T・N/新刊JP編集部)


※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。