イオン、キャンドゥ買収で生まれる絶大なシナジー効果…真のWin-Win関係構築

 小売り大手のイオンが、100円均一ショップなどを運営するキャンドゥを買収する。国内外の異なる消費市場で、より広い範囲の需要を獲得しビジネスチャンスを広げる狙いがあるだろう。イオンによる買収に関して、キャンドゥも賛同を表明している。一方、キャンドゥは、イオン傘下に入ることによって事業運営の効率性を高めたい。同社が国内事業に加えて海外事業を強化して成長を目指すために、流通大手企業の傘下に入る意義は大きい。

 今後の注目点の一つは、イオンが買収によって得た組織をどう運営するかだ。イオンは国内の食品スーパーの買収も行っている。イオンがさらなる成長を目指すために、国内外での買収戦略の重要性は一段と高まるだろう。買収を成長につなげるためには、イオン経営陣が組織を一つにまとめて従業員のチャレンジする心理や集中力を引き出し、消費者の欲する新しいモノやサービスを創出しようとする心理を増やすことができるか否かが問われる。

広い範囲の国内外需要の獲得目指すイオン

 イオンは、国内の消費市場でのさらなる需要獲得を一段と重視し始めたようだ。その一つの手段として、同社は買収戦略を重視している。キャンドゥ買収に加えて、イオンは中四国が地盤の食品スーパーのフジも買収する。

 イオンがキャンドゥを買収する狙いの一つは、低価格の商品開発力を強化して事業環境の変化の加速化に対応し、より多くの需要を獲得することだ。まず、1990年代初頭の資産バブル崩壊以降、国内の需要は伸び悩み、経済は縮小均衡に向かっている。少子化、高齢化、および人口の減少はそうした変化に追い打ちをかけた。その上にコロナ禍が発生し、環境変化のスピードが加速化している。

 具体的な変化の一つが、“ワンストップショッピング”の重要性が一段と高まったことだ。感染再拡大によって動線が寸断された結果、一つの場所(店舗)で必要なモノをそろえたいと思う消費者が増えている。食料品や日用品を取り扱うドラッグストアが増えているのは顕著な例だ。

 今のところ、イオンの業況はドラッグストアなどの事業は相対的に堅調だ。しかし、デルタ株の感染再拡大の影響によって動線が寸断された結果、総合スーパー(GMS)の非食料品や、イオンモールの専門店の売り上げは想定を下回った。イオンにとって、ワンストップショッピングなど消費者ニーズの多様化に対応するために低価格の商品開発力を強化する重要性は喫緊の課題といってよい。それがキャンドゥ買収の背景要因の一つだ。

 また、イオンの海外事業を取り巻く不確定要素の増加も、キャンドゥ買収の一つの要因だろう。足許ではイオンが事業運営を強化してきた中国経済の減速が鮮明だ。短期的に、イオンにとって低価格商品分野での商品開発力を強化するなどして、より多くの国内需要を獲得し、収益基盤の強化に取り組む重要性は高まる。その上で、やや長めの目線で今後の展開を考えると、イオンは成長期待の高い東南アジアの新興国事業の強化などに経営資源を再配分するだろう。

イオン傘下に入るキャンドゥの思惑

 他方で、イオンによる買収提案は、キャンドゥにとってかなりの魅力があったと推察される。その背景要因として、3つの点に注目したい。

 まず、キャンドゥはコスト増加リスクの高まりに直面している。現在の世界経済では感染再拡大による供給制約の深刻化や物流の混乱が起きている。さらには中国や欧州など世界的な電力不足によって天然ガスや石炭、原油などエネルギー資源の価格が高い。電力価格の上昇によって、アルミなどの非鉄金属の価格にも上昇圧力がかかっている。いずれもキャンドゥの売上原価や販管費を増加させ、利益率は低下する恐れがある。コスト増加への対応力を引き上げるために、イオンが持つ物流網などを活用する意義は大きい。

 2点目に、キャンドゥにとってイオンの傘下に入ることは、より安定した、新しい店舗運営の基盤確保につながる。2020年11月期のキャンドゥの決算説明資料には、商業施設の閉鎖継続が事業運営上のマイナスの要素と記載された。イオンの運営するショッピングモールへの出店強化は、店舗の運営基盤の安定化につながるだろう。それに加えて、主として都心の主要駅近くに店舗を構えるキャンドゥにとって、郊外のショッピングモールへの出店は新しい店舗運営にもつながる。それは、コロナ禍でテレワークが増加した結果、自然環境豊かな郊外での生活を重視する人の増加という変化に対応するためにも重要だ。

 3点目に、キャンドゥには海外事業を強化したいとの考えもあるだろう。2015年、モンゴルにキャンドゥは店舗を開き、2016年11月期には海外店舗数を30に増やそうとしていると報じられた。しかし、2020年11月末時点で、全店舗1,065のうち、海外店舗数は8にとどまっている。海外事業の運営は苦戦しているとの印象を持つ。中長期的な目線でキャンドゥの事業運営の展開を考えると、相対的に成長期待の高いアジア新興国などでの事業運営の強化は成長実現に重要だ。コスト増加への対応、出店基盤や海外事業戦略の強化などのためにキャンドゥはイオンによる買収に賛同したと考えられる。

シナジー実現のためイオンに必要な発想

 今後の注目点はイオンの事業運営だ。今後、これまで以上のスピードで、イオンを取り巻く不確定要素は増えるだろう。国内経済は、少子高齢化などを背景に縮小均衡に向かう展開が想定される。また、海外では中国の不動産会社のデフォルトが増加して不動産市況が悪化し、景気減速は一段と鮮明化するリスクが高まっている。さらに、イオンは世界経済のデジタル化や脱炭素などにも対応しなければならない。

 加速度的に変化する事業環境に対応するために、イオンにとって重要性の低下した資産を売却する一方で、先端分野や手薄なセグメントで買収や提携を行う重要性は増す。その中でイオンに求められることは、買収などによって取り込んだ社外の要素を活かして新しい需要を創出することだ。例えば、キャンドゥの商品開発力と自社の小売りビジネスを結合して、これまでにはなかった業態の日用雑貨品ブランドを開発する。それを、日本のブランドへの憧れが強いアジア新興国の需要獲得につなげるといった展開が想定される。

 そのためには、イオンの経営陣が、買収した企業との協業を強化できるか否かが問われる。キャンドゥ株式に対する公開買付けの説明文書の中でイオンは数名の取締役を派遣する考えを示しつつ、買収後の事業運営体制はキャンドゥと協議する意向を示した。その記述の一つの解釈として、イオンは、社外から取り込んだ新しい発想などを活かし、新しい需要創出に取り組む体制を確立したいはずだ。

 それが有言実行できるか否かが注目される。もし、イオンの経営陣が過去の事業運営の発想に固執し、自社の商品開発や組織運営の発想に従うように求めれば、買収によって得た組織を構成する人々の心理は不安定化し、モチベーションも低下するだろう。それでは組織全体での集中力を発揮して成長を目指すことは難しくなる恐れがある。

 今後、国内外でイオンが買収をより重視する可能性は高まっている。そうした展開が想定される中、キャンドゥなどの買収、その後の組織統合を経てイオン全体で収益性が上昇するか否かは、買収によるシナジー効果を評価するための重要なポイントだ。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

●真壁昭夫/法政大学大学院教授

一橋大学商学部卒業、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学大学院(修士)。ロンドン証券現地法人勤務、市場営業部、みずほ総合研究所等を経て、信州大学経法学部を歴任、現職に至る。商工会議所政策委員会学識委員、FP協会評議員。

著書・論文

『仮想通貨で銀行が消える日』(祥伝社、2017年4月)

『逆オイルショック』(祥伝社、2016年4月)

『VW不正と中国・ドイツ 経済同盟』、『金融マーケットの法則』(朝日新書、2015年8月)

『AIIBの正体』(祥伝社、2015年7月)

『行動経済学入門』(ダイヤモンド社、2010年4月)他。

“DX騒ぎ”に隠された、既存人材リスキリング(能力再開発)の重要性

「DX推進の課題は、スキル人材不足」といわれています。世界と比べても、日本は特に深刻です。

その解決策として注目されているのが、既存人材のスキル再開発、すなわち「リスキリング」(Reskilling)です。

今回の記事では、DXの本質と課題、そしてそれを解決する鍵となるリスキリングについて解説します。

「DX人材」の確保に悩む企業の人事担当者。
新しいスキルの習得で、デジタル領域でのキャリアアップを目指す人。
また、家庭の事情等でキャリアを離れてしまったが、新しい働き方を模索する人。

そんな方々に読んでいただけたらうれしいです。

<目次>
DX人材が不足している?そもそも「DX人材」とは?
既存人材のDX、「リスキリング」という概念
「デジタル〇〇が死語になる時代」に向けての人材育成
リスキリング導入の課題、「必要スキルを誰が伝授するのか」
 

ちなみに筆者の所属する電通イノベーションイニシアティブ(以下、DII)は、世界各国の最先端のデジタル・データソリューションを発掘・検証し、企業のDXとイノベーションを推進するチームです。

リスキリングの領域でも、フランスのOpenClassroomsとパートナーシップを組み、日本で実際にプログラムを提供することで、DX人材育成の実証実験と調査を進めてきました。

DX人材が不足している?そもそも「DX人材」とは?

DXの推進には、デジタルとデータ技術を核に、

「業務フローの改善」
「ビジネスモデルのアップデート」
「新規事業の開発」

が求められます。

そして、三菱総合研究所のレポートによると、DX推進上の課題トップ2は、

「DXの全体工程を管理する人が不足している」
「ビジネス案を実際に形にする人が不足している」

です。つまり “DX人材不足”です。

三菱総合研究所 DX成功のカギはデジタル人材の育成
出典:三菱総合研究所 DX成功のカギはデジタル人材の育成
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20200528.html

さらに、今後はこれまで労働人口の多くを占めていた「生産職」や「事務職」が淘汰(とうた)されていき、結果、人材需給のアンバランスは、ますます加速することが予想されています。

同レポートによると、2030年には、「デジタル人材を含む専門技術人材」(技術革新をリードしビジネスに適用する人材)が170万人も不足するといいます。

出典:三菱総合研究所 DX成功のカギはデジタル人材の育成
出典:三菱総合研究所 DX成功のカギはデジタル人材の育成
https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20200528.html

 一言でいえば、産業構造の変化によるスキルギャップ(=スキルのずれ)の発生です。AIやロボティクスが台頭する“第4次産業革命”の中で、企業が求めるスキルは大きく変化しています。

では実際、DXの領域では、どんな人材が必要とされているのでしょうか。そもそも「DX人材」とは何なのでしょうか。

世界の労働市場のデータによると、「システムエンジニア」などの技術系の人材はもちろんのこと、従来のようなビジネス知見+データ・デジタル知見の両方を持って価値を生み出せる、いわばハイブリッドな人材も、急速にニーズが高まっています。

例えば以下のような人材です。

「DXリード」
「データアナリスト」
「AIエンジニア」
「UXデザイナー」
「プロダクトマネージャー」
「デジタルマーケター」
「デジタルプロジェクトマネージャー」

環境の変化は激しく、「創造力」「適応力」「問題解決力」といった認知能力によるところのソフトスキルも、ますます重要となります。

加速する人材不足の背景
ただ、これらのスキルと知見を併せ持つ人材が足りないというのは、いってみれば当然のことです。過去の第1次~第3次産業革命でもそうでしたが、大きな技術進化があるたびに、必要なスキルは変化し、人は学び進化してきたのです。

第1~第4次産業革命

既存人材のDX、「リスキリング」という概念

そこで、注目されているのが、「リスキリング」という概念です。
定義:リスキリングとは?
「既存人材」の再開発で、デジタルとデータの知識やスキルを兼ね備えた人材を、トレーニングを通して増やしていくこと。
そしてそれを通して社会やビジネスのあらゆるニーズに柔軟性高く対応できる人材を生み出し続けること。
世界的にDX人材が不足している今、最初からスキル条件を満たす人材を採用市場から見つけてくるのは、時間とコストがかかり、非効率的です。いざ採用できても、結局スキルがその企業のニーズと合致していなかった、というケースも少なくありません。

だからこそ、今後は、採用や人事異動において、「既存人材のDX=リスキリング」を前提とした人事戦略も検討する必要があります。

リスキリングを前提とした人事戦略
リスキリングを通して、以下のような方々がDX領域で活躍できるようになり、企業の課題解決と個人のキャリア形成が実現できます。

  1. 社員にとっては、仕事を継続しながら、全く別の領域への異動の可能性が広がる
  2. 転職希望者は、成長領域での将来性のあるキャリアアップを目指せる
  3. 育児・介護など家庭の事情等で一度キャリアを離れてしまった“潜在的人材”も、選べる選択肢が増え、活躍の場が広がる

これまでデジタル領域と縁が薄い職種だった方も、「今まで培ってきた領域」だけにとらわれて、自分の可能性を狭める必要はありません。

企業の求めるものと、実際の人材の“スキルギャップ”が顕著な産業転換期だからこそ、リスキリングという選択肢を知ってほしいのです。

ここで、私自身のお話をさせてください。DIIのメンバーである私ももともと、DX領域のエキスパートではありませんでした。

大学卒業後、電通で営業として何年か勤めた後は、グローバル教育領域での事業や、大学院で講師などをやっておりました。30代で夫の仕事でロンドンに移住し出産、育児をしながら、遠隔で教育関連のプロジェクトを続けました。

そして、4年ほど前、子供も保育園に入り、次の働き方を考え始めた私は、ロンドンでも「教育機関でのポジションがないかな」と考え、同じく教育に興味を持つ先輩にキャリア相談をしました。すると、先輩から思いがけない言葉が返ってきました。

「あやちゃんさ、デジタルとか、自分ともう関係のない話だと思ってるでしょ?」

「俺も以前はそう思っていたんだけど、もうデジタルはどの領域に入っても避けて通れないものになっていると思うんだ。せっかくデジタル領域のスタートアップがいっぱいあるロンドンにいるなら、まずはそういうところに飛び込んでみたら?」

その時は、すぐにその言葉の意味するところを理解して、積極的にデジタル領域の仕事を探すほど、腑(ふ)に落ちたわけでもありませんでした。

ただ、そんな時に、動画データ分析プラットフォームのベンチャー企業で、事業サポートをさせてもらうポジションのお話をいただきました。心に残っていた先輩の言葉を思い出し、正解は分からないけど、まずは飛び込んでみようと思いました。

こうして、私の飛び込みリスキリングが始まりました。

ほぼ全員がエンジニアのチームの中で、メンバーとの情報連携は、会話の3割くらいの理解で何とかこなしているような気持ちでした。私の楽しみは、チーム内唯一の女性でCTOのエマと、仕事の合間に近くのカフェに行くことでした。

とてもおいしいコーヒーを飲みながら、ある日は、クラウドの仕組みやアジャイル開発、プログラミング言語の違いについて教えてもらい、また別の日は、ロンドンの有名なクラブに私が行ったことがないと知ると、「信じられない!必ず一緒に行こう!」と誘ってくれました。

こうして、数カ月たつと、異次元の言葉に聞こえたチームの会話が少しずつ自然と分かるようになり、いつの間にか、新しい自分がそこにいる感じがしました。

適切なリスキリングで、誰もが「従来の経験、スキル」×「デジタル・データ関連のスキル」により、新しい領域での挑戦が可能になります。

私自身も、現在、企業のDXを支援するチームに参加できているのは、ロンドン時代に自分のリスキリングに挑戦できたからこそだと思います。

「デジタル〇〇が死語になる時代」に向けての人材育成

私自身のリスキリングの経験から言うと、例えば自分の興味関心領域が「教育」であっても、使うツールという視点でも、教育内容という視点でも、「デジタルとデータ理解」は未来の教育の形を考えるには不可欠なものでした。そう、先輩は正しかったのです。

これは、教育だけでなくあらゆる領域で当てはまることなのだと思います。多くの人は、まだデジタルを「特効薬」だと考えています。しかし、DXの本質を考えると、デジタルは「水」です。

つまり、みんなが使う水のようなものとなり、あらゆる企業や人がデジタルをごく自然なものとして駆使していける世界では、「DX」はもちろん、「デジタル〇〇」という言葉自体が死語になるでしょう。そのシフトの鍵が、既存人材のリスキリングなのです。

このリスキリング領域をリードする企業の一つが、冒頭でも少し触れたフランスのOpenClassroomsです。「今後、需要が高まるスキル」に特化して、専門デジタル人材を育成するオンライン学習プラットフォームです。

OpenClassrooms

OpenClassroomsのリスキリングでは、本格的な6~18カ月間の実践型プロジェクトに取り組みます。毎週、専門家と1on1の“メンターセッション”があり、また、オンラインならではの柔軟なスケジュールで、働きながら学習ができます。

最終的には習得スキルを証明するための課題プレゼンテーションがあり、合格すると、フランス政府認定の学士や修士レベルのディプロマが取得できます。

さらに、OpenClassroomsは受講者全員に「就職の保証」もします。そのための、OpenClassroomsの「学習コンテンツ制作」のプロセスは特徴的です。各領域で求められる最新スキルを、現場専門家へ聞き取り調査し、労働市場データの分析をした上で、プログラムを制作しています。

その結果、OpenClassroomsが提供するスキルは「市場でのニーズが高いもの」であり、コース修了者で、就職ができなかった人は、これまでゼロ(!)とのことです。

OpenClassrooms

共同創業者のMathieu Nebraは、「誰でもデジタルスキルを身につけられるように」と、分かりやすさにこだわった学習コンテンツを、13歳からオンラインサイトに無料でアップし続けてきました。そしてついにフランスではプログラミングを学ぶ際の定番サイトになったのです。

彼の情熱から始まったOpenClassroomsは今も“Make education accessible.”をミッションに、動画学習教材は全て「無料」で公開しています。

デジタルスキルを身につける機会を「全ての人」に提供することで、未経験者も含め、あらゆる世界の人々のキャリアアップを目指しているのです。

リスキリング導入の課題、「必要スキルを誰が伝授するのか」

さて、企業にとってリスキリングの導入の課題は何でしょうか。

実は、日本では「領域を跨(また)いでのリスキリング」は、欧米に比べると「元々やってきたこと」であり、幸いにも全く新しい取り組みではないと思います。

というのも、日本の多くの企業では「総合職採用」などにより、例えば最初の配属が営業でも、その後、人事にいったり、アナリストになったりと、流動的な異動が受け入れられている土壌がすでにあります。

結果的に、変化の激しい時代に最も求められる「適応力」においても、強みを持つのではないでしょうか。

ただ、それも「すでに各企業内に、それら領域への知見や継承ノウハウが蓄積されている」ことが前提です。DX時代のリスキリングにおける課題は、

「企業に欠如するデジタル領域の必要スキルを、誰が伝授するのか」

です。

これまでは、社内に蓄積したナレッジ共有や、先輩からの丁寧な指導、個人の学習努力で、何とかなってきたという日本ならではの特徴もあります。

しかし、技術進化によるこの巨大な転換期においては、最新のスキル習得は、今までの社内完結のトレーニングでは非効率なだけではなく、本当の意味での事業シフトの足かせにさえなりかねません。

実際、電通デジタルのレポートによると、DXに関する人材の課題のトップは「自社内で育成を担える人材が乏しい」であり、社内での育成の難しさが顕著となってきました。

出典:電通デジタル 日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2020年度)
出典:電通デジタル 日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査(2020年度)
https://www.dentsudigital.co.jp/release/2020/1218-000737/

今後、企業がDX人材の育成・確保を進めるためには、まずは通例のやり方の枠を超え、外部の専門機関も効果的に活用する必要があるでしょう。

また、リスキリングの可能性を理解した上で、“潜在的人材”にもポジションの枠を広げていくことが、デジタルを自然に使いこなす企業としての成長に直結するはずです。潜在的人材については、次回の記事でまた詳しく触れていきます。

ここまで、DX時代における「企業にとってのリスキリングの重要性」を中心にお話しさせていただきました。

最後に。この転換期は、企業にとってだけでなく、さまざまな理由で「リスキリングを目指す個人個人」にとっても、新たな可能性に満ち溢(あふ)れています。全く新しい世界に飛び込むことには不安もつきものです。一方で、また新しい自分が見えてくるチャンス、人生をポジティブな方向に導いてくれるチャンスかもしれません。

リスキリングという挑戦が、皆さんにも新たな出会いや発見、チャンスをもたらしてくれることを願っています。

リスキリングプログラム「STAIRGE」(ステアージ)
受講者募集中!(2021年11月30日まで)

https://stairge.accelerators.jp/

※電通グループはOpenClassroomsの事業開発パートナーとして日本での事業拡大の支援を行っています。事業開発支援の一環として、DAS株式会社と共に「STAIRGE」の企画・運営を担当しています。
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トヨタ・新型ランドクルーザー、超難所も快適に踏破…愚直に悪路踏破性へこだわり

 トヨタ自動車の新型「ランドクルーザー」の悪路走破性は本当に高いのか――。それを検証するために筆者は、愛知県にある「さなげアドベンチャーフィールド」に向かった。

 豊田市の市街地に隣接しており、そんな市内に密林のようなラフロードがあるとは思えない環境だが、ゲートを潜るとそこは難攻不落なステージが待ち構えている。

 今回のクロスカントリーテストのためのセクションは数多く、とてもクルマが走るための道には到底思えない。たとえば、スタート直後に待ち構える下りセクションは、最大斜度25度だというから、スキーゲレンデの上級バーン並みである。しかも、路面はフラットであるはずもなく、多くの4輪駆動車が路面を掻き毟った痕跡がある。タイヤがすっぽりと埋まるような陥没や隆起が続く。

 最大の難所に思えるロックセクションなどは、城壁が朽ち果てて崩れたかのようなゴツゴツであり、何を好き好んでここをかけ登らなければならないのか、と自問自答したほどである。人が這いつくばっても、両手両足で一つひとつ岩を掴みながら、ロッククライミングのようにしなければ登れないほどの難所である。水深700mmの渡河性能を確認する川渡りがある。ボンネットすら泥水に浸るような難所である。実際にトライしてみなければ納得できないと思うコース設定だった。

 結果から言えば、すべてのセクションを踏破することができた。だが、それこそ地を這うようにして恐る恐る登り降ったのだが、驚かされたのは、そんな難所に対峙しても、ランドクルーザーは臆することなくアクセルペダルを踏み込めば前進し、ブレーキペダルに足を添えれば止まったことだ。この当たり前のことが信じられないほど、コースは過激である。

 ランドクルーザーは、伝統的にオフロードモデルが採用し続けてきたハシゴ型ラダーフレームを踏襲している。無骨な鉄の太い角材が、まさにはしごのように前後に貫いており、それが骨格となる。ラフロードを踏破するには都合が良く、剛性に優れている。

 一方で、オンロードでの乗り味は荒く、操縦安定性を整えづらい。だから最近では、最大のライバルでありランドクルーザー同様に砂漠や密林での悪路踏破性を武器にするレンジローバー「ディフェンダー」は、ハシゴ型ラダーフレームを諦めて一般的な乗用車が採用するモノコックボディに改めたほどだ。だがランドクルーザーは、悪路踏破性を主眼に開発されており、ラダーフレームにこだわったのである。

 それでも驚きは、そんなラフロードであっても、快適性を盛り込んでいることだ。難攻不落な岩場や急勾配であっても、電子制御関係のサスペンションやスタビライザー、ステアリングが、コクピットの乗員を快適にもてなす。横転しそうな場面でも、サスペンションが長く伸びたりショックを吸収しながら、のしのしと斜面を登っていくのである。これはもうイリュージョンである。

 今回のオフロードテストに挑んでみて、ランドクルーザーの生息地は日本の穏やかな環境ではなく、中東の砂漠やボルネオの密林のような、およそ人が踏み入れることのできないようなステージであろうことを確信した。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

共産党・撮り鉄の議員を「軽犯罪法」違反での立件に仕向けた自民党政権に感じる危うさ

 昨年11月に鉄道写真の撮影目的で埼玉県の秩父鉄道の線路を渡った共産党山添拓参議院議員を、埼玉県警が今年9月中旬に鉄道営業法(鉄道地内立ち入り)容疑で書類送検した。山添氏は「線路を1秒間で渡ったが、軽率な行為と反省している。その場所は近所の人たちに踏み固められた形跡があって、道になっていた。電車が通っていないときに渡ったが、横断禁止だということがわかれば渡らなかった」と述べている。

 最終的に地検秩父支部は9月30日に「諸事情を考慮した」として不起訴としたが、当時の加藤官房長官が会見で触れるなど政権の政治的な思惑が垣間見られ、撮り鉄の私にとってもなんとも薄気味悪い事件となった。

法律違反の程度と運用上の問題は

 現場は地元住民が日常生活のために線路を渡るために線路内に板も置かれている「勝手踏切」と呼ばれているところで、秩父鉄道も十分承知しているものだ。

 日本では踏切以外でこうして線路を渡らないと日常生活が送れないところは数知れず存在し、私も道路から線路を渡らないとたどり着けないレストランや家の出入り口が線路に面しているところも知っている。そのような場所については鉄道会社も認識していて、特段の措置もとっていない。

 では鉄道マニアだけを違法行為として立件することはどうであろうか?

 私は1959年からの撮り鉄で、内外の多くの鉄道を撮影してきたが、昔は線路際からの撮影や線路に沿ったあぜ道を歩くことは自然なもので、運転手や地元の人からも注意を受けるということは一度もなかった。

 しかし近年、列車を止めてしまうような非常識な撮り鉄の行為が社会問題化したりコンプライアンスが重視されるようになって、過去の習慣は通用しなくなってきたのも事実である。今回の山添氏の立件について知り合いの古くからの鉄道マニアの多くは一様に驚きを隠せず、「注意し本人が謝罪すれば済む」「初犯でもあるので立件は行き過ぎ」という感想を漏らしている。

 だが、そういう考え方自体も時と場合によっては受け入れられなくなっている社会の変化も否定できないのも事実であろう。目を海外に向けても、いまだに圧倒的に多くの国々で住民や鉄道マニアたちが堂々と線路を渡ったり、道路の代わりとして使っている一方で、取り締まりを始めた国もある。私も旧東ドイツ領の田舎のナローゲージ(狭軌鉄道)でいつものように線路際のあぜ道をカメラ片手に歩いていたら、パトカーに呼ばれ25ユーロの罰金をその場で徴収されたことがある。聞けば法律が変わったというのだ。

 では、これから鉄道会社は敷地内に入る行為に対しどのように対応していけばいいのか。答えは非常に難しい。鉄道営業法や軽犯罪法という法律を大上段に構えるなら、地元住民も等しく立件しなければならない。さらに軽犯罪法違反行為は線路を渡ること以外に日常多岐にわたり、誰しもが知らずして法律違反を行うこともあり得るだろう。

 こうして考えると、やはり法律の運用で対応する以外には策はない。もちろん列車を止めたり安全運行を阻害するなど、悪質な行為には立件することも必要だが、軽微な違反には情況を考慮して対応するしかない。近年増加している心ない撮り鉄が畑を踏み荒らしたり、樹木を切り落としたりする行為に対しては道交法違反のように違反切符を交付するなど検討を行ってはどうか。

 加えて、撮影マナーについてはすでに多くの鉄道雑誌で注意を喚起しているが、著名な鉄道写真家をメディアに出演させ手本を披露するなどして啓蒙することも考えてみたらどうであろう。

撮り鉄のマナー違反を政治的に利用してはならない

 共産党撮り鉄の山添議員に対し、口頭での注意処分を行って事を済ませた。それは結果的に選挙への影響も少なくすると共に、一方でモリカケ桜などの不祥事に対し責任も認めず、謝罪すらしない政権、自民党の対応との違いを鮮明にしたものといえるだろう。

 だが、山添氏立件のプロセスと政治的思惑について不問に付すわけにはいかない。今回鉄道営業法のような軽微な法律を盾に、しかも初犯にあたる山添氏をあえて埼玉県警と秩父鉄道が連携して立件したプロセスは異常なものであった。

「事件」は昨年11月に起きたものだが、立件は今年の9月中旬、当事者の埼玉県警本部長は安倍元首相の秘書官を務めていた人物である。さらに検察庁に処分の伺いを出したところ、立件の指示を出したのが中村格警察庁長官と言われている。氏は2015年にジャーナリストの伊藤詩織氏が元TBS記者の山口敬之氏から性被害を受けたと訴えて警視庁が捜査した当時の刑事部長であった。

 各種報道によると、担当した警察署が準強姦容疑で山口氏の逮捕状を得たものの、それを執行させずのちに東京地検が山口氏を不起訴処分としたが、その中心人物が安倍元首相と盟友関係にあり、中村氏が安倍元首相の意向に従ったとされている。

 さらに山添氏本人が謝罪し、共産党が処分を済ませたのに追い打ちをかけるように加藤官房長官が9月21日の記者会見でこの件でコメントしたことも普通ではない。しかもその内容が大問題なのである。

安全文化を理解しない加藤官房長官発言

 9月21日の会見は読売新聞の記者の山添事件に対する質問に答えたかたちであるが、質問事項は事前通告されるものだ。そもそもこの山添事件の報道は読売新聞が取り上げたことから始まったもので、検察と共に読売新聞が果たした役割は大きなものがある。さらにその場で官房長官が述べた内容も、安全文化の醸成という立場からは逆行するひどいものだ。氏は山添氏が線路を渡った行為について「いかなる理由であれ大変危険な行為」と断定したのである。

 政府を代表する官房長官が「いかなる理由であれ」と言ってしまえば、国民の行動にも大きく影響する。例として先の三陸の大震災のときに宮城県に走る石巻線で高台の道路に向かおうとした多くの車が、警報機が鳴る踏切で立ち往生したために津波に流されたのである。

 当時、電源が地震で喪失し、その結果バッテリーで警報機が鳴り続ける仕組みを知らなかったにしても、左右見通しの良い踏切で電車が接近していないのだから踏切を渡っていれば多くの方々が命を失うこともなかったものである。

 航空事故でも奇跡の生還を果たした原因に、飛行マニュアルに従わず応用操作をした事例がいくつもあるのだ。2009年に起きたハドソン川の奇跡も、マニュアル通りに操作していれば川に安全に着水できなかったのである。

 つまり法律やルールは人間の標準的な行動を前提に作ったもので、逆にそれに縛られるものであってはならない。加藤氏はおそらく石巻線での教訓も頭にないと思われるが、軽々に「いかなる理由があれ」と言うべきではない。それでは本当に危険が迫っているときや一時を争う事態に臨機応変に応用操作ができなくなる。共産党の議員であったからといって鬼の首をとったかのように語気を強めたのであろうが、事は安全文化に関わることで軽々に語ってほしくないのである。

(文=杉江弘/航空評論家、元日本航空機長)

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映画レビュー「MORE/モア」

今から50年前、ヨーロッパ映画界で光芒を放った、伝説の女優ミムジー・ファーマー。その代表作となった鮮烈なロックムービー。

投稿 映画レビュー「MORE/モア」映画遊民 映画をもっと見たくなる! 映画ライター沢宮亘理の映画レビュー、インタビューetc に最初に表示されました。

新台『北斗の拳』に続く大物パチスロに注目集まる…大手サミー激アツ情報が話題!!

 業界を代表する一大コンテンツ『北斗の拳』。大手サミーは、そのパチンコ最新作となる『P北斗の拳9 闘神』のリリースを発表した。

 大当り確率は約1/319.7のミドルスペックで、今作のRUSHでは転落抽選タイプが採用されている。初当り時のRUSH(時短900回)突入振り分けは59.4%。残り40.6%は時短1回の七星チャレンジへ移行となり、残保留を含めたトータル突入率は約66%だ。

 RUSH中は約1/105.1の転落フラグを引かずに、約1/29.5の図柄揃いを射止めるゲーム性。その継続率は約81%を誇り、更に右打ち中の大当り出玉はALL1500+α(秘孔チャッカー)という力強いスペックとなっている。

「高突入×高継続×高出力」を実現し、完璧なる革新を遂げたシリーズ最新作。デビュー予定となる12月が待ち遠しい限りだが、サミーは本機より一足先にパチスロ大型タイトル『パチスロANEMONE 交響詩篇エウレカセブン HI-EVOLUTION』を導入予定だ。

 本機は1Gあたり純増約2.6枚のAT機で、通常時はレア役やベル連でミッション(CZ)やボーナス、AT当選を目指すゲーム性。CZには規定ゲーム数で突入する場合もあり、突入率はトータル1/54.4という破格の確率となっている。

 AT「Dive To Eureka Seven」では通常時と同様にベルが重要な役割を担っており、攻撃パート「VASCUD DRIVE」はベルやレア役でダメージを与える仕様。登場する敵によって期待度や報酬が異なり、勝利時にはAT継続、BIG BONUS、上位ボーナスなど様々な報酬が得られるゲーム性だ。

 他にも引き戻し期待度約70%の「SEVENTH TRACER」や、敵10回撃破で突入する上位AT「CLIMAX MODE」、激アツ展開を呼び込む「フリーズ」など爆裂フラグも充実。自力感と遊びやすさが魅力の本機に、多くのユーザーが期待していることだろう。

 サミー期待のパチスロ新台といえば、先日に検定を通過した『S アラジンクラシック KF』にも注目が集まっている。11月2日時点で詳細は明らかにされていないが、「過去作を踏襲したクラシックシリーズでは?」などの声も浮上。今後の動向から目が離せない話題作だが…。

 サミーの注目新台はこれだけではない。同社が運営する公式LINE及びTwitterアカウントより「パチスロ新機種 SPECIAL MOVIE」が公開された。

 機種名の紹介などはないものの、「そのすべてが受け継がれる」という文言と筐体シルエットが確認できる。中リールを停止して独特の効果音が発生している映像から『ディスクアップ』シリーズの最新作である可能性は高いだろう。続報が待ち遠しい限りだが…。

 そんな『ディスクアップ』シリーズといえば、現在「第二回P-SPORTS超ディスクアッパー選手権HYPER」が開催されており反響が寄せられている。

「P-SPORTS」とは、パチンコ・パチスロの遊技における技術をスポーツとして捉えたサミーが提唱する新たな競技。技術介入機として高い人気を誇る『パチスロ ディスクアップ』の大会専用マシン『超ディスクアップHYPER』を使用して参加者の目押し力を競う大会である。

 優勝賞金331万円となる本大会は、すでに東京予選が終了。今後は11月6日に札幌・大阪・広島、11月13日に仙台・名古屋・福岡の全国7会場で開催予定だ。また、10月30日よりシミュレーターアプリによる予選も行われている(11月17日まで)。

 決勝大会は翌年1月15日に、サミー本社にてオンライン配信される模様。興味のある方は下記リンクにて確認してみてはいかがだろうか。

・「第二回P-SPORTS超ディスクアッパー選手権HYPER」はコチラ

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JRA驚異の馬券圏内90%超え!“絶頂期”迎えても新たなチャレンジ続ける福永祐一×「シゲル軍団」は最強コンビ!?

 先週10月30日、東京競馬場で行われたアルテミスS(G3)は、7番人気サークルオブライフが勝利。鞍上のM.デムーロ騎手は、この勝利でJRA重賞100勝を達成した。

 しかし注目はこのコンビよりも、3着に入ったシゲルイワイザケと福永祐一騎手のコンビだ。実は今年の成績を調べると、同騎手が「シゲル馬」に騎乗したときの成績が凄まじいことになっている。

 今年3月14日の中京3Rで、シゲルヒラトリを3着に導いた福永騎手はそれ以来、前出のシゲルイワイザケ3着まで「シゲル馬」に11回騎乗。成績はなんと3勝、2着1回、3着6回で、4着以下は1回だけ。勝率27.3%、連対率36.4%で、馬券圏内に入る複勝率は驚異の90.9%と、恐るべき成績を残しているのだ。

 今年に入って、抜群の安定感を記録する福永騎手と「シゲル馬」のコンビ。「シゲル」といえば、馬主歴約50年を誇る森中蕃氏が個人所有する馬でおなじみの冠名である。

 森中氏は、どちらかといえば高額馬に手を出さず、リーズナブルな価格帯の馬を数多く所有していることでも有名なオーナー。シゲルイワイザケも2020年セレクトセールで4290万円という価格で取引された馬だ。

 一方で、福永騎手の過去の「シゲル馬」とのコンビ成績を調べると、意外な事実が判明した。

 今年3月14日にシゲルヒラトリに騎乗した以前を遡ると、なんと15年7月25日の中京5R新馬戦で、シゲルクロカジキに騎乗して以来の騎乗。つまり今年の福永騎手は「シゲル馬」には約5年7ヶ月ぶりに騎乗するようになったのだ。

 その経緯は定かではないものの、ジョッキーとして“絶頂期”を迎えたようにみえる福永騎手は、決して現状に満足することなく、新たな挑戦を続けているようにもみえる。

 例えば先々週は、果敢にも牝馬のディヴァインラヴでの菊花賞(G1)に挑戦。各スポーツ紙によれば「2走前を勝ったとき、次を勝てば菊花賞の挑戦もありだと(陣営と)話した」と、進言したのは福永騎手だと報じており、その発言からは既存の概念にとらわれない、チャレンジ精神が垣間見えた。

 しかも結果は3着と健闘をみせ、「(牝馬で)いいチャレンジだったと思います」とコメント。横山武史騎手の菊花賞初制覇の陰に隠れて目立たなかったものの、しっかりと3着に入る好騎乗を見せたほか、自身の進言は間違っていなかったことも証明してみせた。

 今年9月26日には、JRA通算2500勝を達成した福永騎手。史上5人目、現役3人目の大記録であり、デビューから25年6ヶ月と26日、年齢では44歳9ヶ月と18日での達成は、武豊騎手に次ぐ史上2番目の速さで記録している。

 そんな“絶頂期”を迎えながら、新たなチャレンジを続ける福永騎手は、今や「新境地」にたどり着いた感すらある。秋から冬にかけてまだまだ続くビッグレースでも、引き続き同騎手の言動に注目したい。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

パチスロ人気演者が「破産」!? 得意マシン実戦も…まさかの事態に

 パチンコ・パチスロ実戦動画はYouTubeでも大きなジャンルの一つとなっている印象だ。

 多くの新規YouTuberが参戦し戦国時代のような状況となっており、近年では芸能人やお笑いタレントのチャンネルでも実戦動画を投稿する機会が目立つ。

 先日、お笑いコンビ「かまいたち」が運営するチャンネルで投稿された4号機『パチスロ 北斗の拳』や『吉宗』を実戦する動画が大きな話題となったことは記憶に新しい。

 また、有名ゲーム実況者「加藤純一」とアニソン界で有名な「オーイシマサヨシ」のチャンネル『オーイシ×加藤のピザラジオ』では『ミリオンゴッド』などをゲームセンターで実戦し注目を浴びた。

 そんなパチンコ・パチスロ実戦動画だが、やはり大手チャンネルの人気は根強い。最大手の「スロパチステーション」は投稿する度に100万に迫る再生回数を叩き出すという人気ぶりである。

 そんなモンスターチャンネルに負けじと勢力を伸ばしている媒体が「1GAME」だ。チャンネル登録者58万人オーバーの大チャンネルで個性豊かな4人の演者が活躍している。

 動画界のカリスマ「てつ」を筆頭に、誰よりもパチンコ・パチスロを愛する「ヨースケ」、ド根性で見せ場を作る「ガット石神」、動画界屈指の美形「あおい」がチャンネルのメインだ。

 そんな人気の1GAMEだが、先日投稿された動画に不穏な文字が確認できる。なんとメンバーの「あおい」が破産したという内容だ。

 その動画のタイトルもズバリ『【悲報】1GAMEあおいが破産しました|1GAMEあおいの煌★漢塾#37』である。

 動画といえどガチ実戦となるため、もちろん大量の投資を強いられ大負けしてしまうこともあるだろう。そんな状況が続いてしまえば、タイトルのような状況に陥る可能性もあるかもしれないが…。

 先日、スクープTVの寺井一択がボートレース番組で60万円負けという大敗を記録し話題となったが、このような金額の負債でなくとも懐事情は人それぞれである。

 動画では『パチスロ ディスクアップ』と『PFマクロスΔ』を実戦。得意機種での実戦だが、「猿も木から落ちる」というように結果が伴わない場合もあるだろう。気になる方、ご興味のある方は是非チェックしてみてはいかがだろうか。

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 我が世の春から一転、衆院選では小選挙区で敗北した責任をとって自民党の幹事長を辞任した甘利明氏。選挙中の街頭演説では「私の妨害をしたら、これは国家の行く末を妨害しているのと同じことなのであります!」などと叫んでいたと報じられたが、口利き賄賂問題の説明もせずに逃げたことに対し...