頻尿に悩む人に朗報のはずの「ボトックス」、なぜ普及しない?費用対効果は…

「トイレから出たばかりなのに、すぐにトイレに行きたくなる」

「尿意を感じてからトイレに行くまでに、我慢できずに漏れてしまう」

「就寝中、何度もトイレに起きる」

 このような症状に悩む中高年は少なくないだろう。これらは「過活動膀胱」といわれ、膀胱の筋肉が硬くなった状態であることを示している。

 従来、過活動膀胱の治療は薬を服用することが一般的だったが、2020年4月にボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法が保険適用となった。過活動膀胱の患者にとっては朗報であるが、まだ広く知られていないのが現状である。新たな治療法であるボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法と過活動膀胱について、くぼたクリニック松戸五香院長の窪田徹矢医師に聞いた。

「過活動膀胱とは、急に尿意を感じ我慢できなくなり、慌ててトイレに駆け込むような症状をいい、一度、尿意を感じ始めると我慢できなくなり、頻尿になります。また、夜間頻尿を伴うことが多い症状ですが、実際にトイレに行っても、尿は僅かしか出ないという点も特徴です」

 日本では、 40 歳以上で 12.4%(男性 14.3%、女性 10.8%)の人が過活動膀胱の症状を有するとの統計もあり、性別を問わず加齢に伴い増加する傾向にあるが、理由は加齢だけではないという。

「加齢により膀胱の筋肉が硬くなり伸び縮みが悪くなることも原因のひとつですが、男性の場合は、前立腺疾患などが影響していることもあります。前立腺疾患の場合は、そちらの治療を行います。しかし、過活動膀胱は原因不明なケースも多く、ストレスなどが影響することも多くあります。いずれの原因の場合も、過活動膀胱により生活の質(QOL)が低下するなど、頻尿に悩む人は少なくありません。

 頻尿の目安としては、日中にトイレに行く回数が8回以上。夜間頻尿は、就寝中に1 回でもトイレに起きれば当てはまります。これまで、過活動膀胱の治療といえば、まず行動療法を行い、効果がない場合や症状がひどい場合には薬物療法も合わせて行うことがメインでした。しかし、薬物療法では、他の疾患によっては使用できる薬に制限が出るケースもあります。ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法が新しい選択肢として加わったことは、過活動膀胱に悩む患者にとって有益だと思います」

 過活動膀胱の治療薬のなかには、緑内障がある場合には使用できないものもあり、薬の選択には注意が必要となる。

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法はなぜ普及しない?

 ボツリヌス毒素による治療は「ボトックス」と呼ばれ、美容医療の分野では、顔の筋肉を動かすことによって起きる表情ジワの改善に使用されており、安全性は高い。ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は、ボトックスにより膀胱の筋肉を緩めることで症状を緩和する。

「実は、保険適用となる以前から、自由診療によって取り入れている医療機関もありました。しかし、全額自己負担となるため、希望する患者さんは多くはいなかったのが実情です」

 それが保険適用となり、多くの医療機関で行われるようになるかと思われたが、実際はそうではないという。

「保険適用となったことで、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法が適すると考えられる患者さんには治療を行いやすくなりましたが、どの過活動膀胱の患者さんにも適用できるかというと、そうではありません。ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は、局所麻酔を打ち、尿道から膀胱内に入れた内視鏡で観察しながら、専用の細い注射針を膀胱の筋肉に注射します。その量は、ボツリヌス毒素を100~200単位、20~30箇所に分けて打ちます。入院の必要はなく、外来で行うことができ、所用時間はわずか10~20分程度です」

 通常、治療後2~3日で効果を感じるが、6カ月程度で徐々に効果がなくなるという。

「効果が得られ、治療を継続する場合には1年に2回、膀胱への注射が必要となります。使用するボツリヌス毒素の量が多いため、保険適用とはいえ窓口負担は1回の治療で3万円ほどになり、1年に2回治療を行うと約6万円。費用対効果は患者さんによって異なると思います。また、ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は泌尿器の専門医しか行うことができないので、治療を行う医療機関が限られます」

 世界では90カ国以上の国で行われ、安全性が高い治療法ではあるが、副作用が起きる可能性もある。

「尿道から内視鏡を入れるため、まれに細菌感染が起きることもあり、その場合は抗生物質を服用します。また、ボトックスの効果により、筋肉が緩みすぎて尿を出すことが困難となり、尿閉(尿が出ない)になるケースが5~9%程度、起きると報告されています。尿閉となった場合には、尿道から管を入れて尿を出す自己導尿を行う必要があります」

 ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法に伴い、さまざまなケアが必要となることがあるため、医師とよく相談する必要があるが、興味がある人は泌尿器科の専門医に相談してほしい。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

パチスロ『北斗の拳』への愛情がダダ漏れ! 人気芸人の好きな演出BEST3動画が大反響!!

 累計販売台数62万台。これは4号機時代に登場したサミーの『パチスロ北斗の拳』が打ち立てた驚異的な記録で、ギネスブックにも記載されている。

 当時はパチスロ設置台の全てが当機といったホールもあったほどで、多くの人々が斬新システム「バトルボーナス」に熱狂。原作の世界観を絶妙に組み込んだ演出とスピード感ある出玉に一喜一憂したものだが…。

 大人気お笑いコンビ「かまいたち」の濱家隆一と山内健司も、そんな当機に魅せられたスロッターだという。

 彼らが実機購入の末に実戦の模様を公式YouTubeチャンネル「かまいたちチャンネル」で公開したこと、その実機を用いてラオウ昇天、即ちバトルボーナス20連以上を目指して生配信を行ったことなどは、当サイトでもお伝え済み。生配信に関しては当日の深夜に同時接続数で19万人を突破し、その時間帯でのYouTube生配信ランキングで世界一を樹立した。

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 そんなパチスロ愛、北斗愛に溢れる彼らは先日、新たな動画「【北斗の拳レア演出映像】かまいたちがパチスロ北斗の拳好きな演出BEST3を発表!」を公開。11月9日現在で視聴回数約47万回に到達するなど、大きな反響を呼んでいる。

「パチスロ芸人みたいになってますね」。そう自嘲した濱家は、まず第3位に「バトルボーナス中ケンシロウ攻撃時レイカットイン」をチョイス。これはバトルボーナス4G目に発生する可能性がある継続率79%以上確定、しかも継続率88%時に最も発生しやすいパターンで、山内も「この青は1番綺麗な青だと思う」と、早くも興奮を隠せない様子だった。

 山内の第3位は「第3リール停止時に赤リンゴ3つ落ち」で、こちらはチェリー対応及び高確or前兆確定演出。動画内でも山内が触れた通り、2枚チェリーに期待できる激アツ演出で、第2停止時点で缶やリンゴが落ちない状況でのドキドキ感を熱弁している。

 濱家は第2位に、これと同系統「バットつまずくと同時に赤リンゴ3つ落ち」を選び、「こんなニアなことがあるんやな」と2人でニヤリ。濱家的には「真ん中7、右上7」を狙った後の左リール停止時に、「4チェの可能性が高そうな段階で、2チェに俺がねじ込むんだ」とアツくなっていたのだそうだ。

 一方、山内は第2位に「アミバ演出でトキだった時」を選択。これは、演出「奇跡の村編」でアミバではなくトキが治療する大当り確定パターンで、山内曰く、当演出は「他の演出で当たり確定してて、7がまだ揃ってない時、これにいくパターンが多い」そうだが、「ごく稀に、全くまだ当たってるか分かんない状態で一気にここいってくれる時がある」とし、「なんなの。このトキの神々しさ」と2人して演出に見惚れる場面も印象的だ。

 その後、いよいよ第1位が発表されるわけだが、それについてはあえて割愛。気になる方は是非ともご自身で確かめていただきたい。
 

JRA福島記念(G3)「令和のツインターボ」パンサラッサ“圧逃”! 4馬身圧勝も「歴史的偉業」には一歩及ばず…これには“師匠”もニッコリ?

 14日、福島競馬場で行われた福島記念(G3)は、5番人気のパンサラッサ(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)が逃げ切り。前走に続く2連勝で嬉しい重賞初制覇を決めた。

「ハナに行こうと思っていた。ペースが速いのは分かっていたけど、抑えるよりは直線を向くまではしっかりと体力を温存しようと思って」

 鞍上・菱田裕二騎手の腹をくくった作戦が見事にハマった。16頭立て芝2000mで行われたレース。ゲートから飛び出したパンサラッサは迷いなくハナを主張。ディアンドルが内から抵抗し、外からコントラチェックも食い下がろうとしたが、構わずぶっ飛ばした。

 最初の600mの入りが33.6秒というスプリント戦のようなペース。馬群はあっという間に縦長になり、1000m通過は57.3秒。誰もがパンサラッサの暴走だと信じて疑わなかったに違いない。

 しかし、「福島ですし、(後続を)待っても仕方がないので積極的にいきました」と振り返る菱田騎手の腹は座っていた。ペースよりも、相棒の気持ちを優先した騎乗で2番手に食い下がるコントラチェックを振り切ると、7、8馬身という大きなリードを持って最後の直線を迎えた。

「追い出してからの反応も良かったし、これなら追いつかれないだろうと」

 菱田騎手の“放任主義”は、見事にパンサラッサのやる気と噛み合った。292.0mと短い福島の直線で粘りに粘るパンサラッサ。後続が必死に追い上げるも、時すでに遅し。最後は2着ヒュミドールに4馬身差をつける圧勝劇だった。

「菱田騎手の肝が据わった凄い逃げでしたね。大逃げがハマった前走(オクトーバーS・1着)も参考になっていたと思います。元々、気分次第というか成績にムラがあるタイプ。理屈よりも気持ちを優先させてあげることが、この馬には合ってるんでしょうね。見事なレースだったと思います」(競馬記者)

 超ハイペースからの逃げ切りといえば、1998年にJRA特別賞を受賞したサイレンススズカが有名だが、福島の大逃げというキャラではやはりツインターボか。

 1993年の七夕賞(G3)やオールカマー(当時G3)で外連味のない逃げで勝利し、人気を博したツインターボ。今春に大ヒットした競馬アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)で個性派ウマ娘として登場して一躍人気者になった。

 そんな背景もあってか、レース後にはSNSや掲示板でも「令和のツインターボ!」「これにはツインターボ師匠もニッコリ」と、かつての大逃げ馬を彷彿とさせたファンも多かったようだ。ちなみに「師匠」は、アニメ放送で「ターボ師匠」呼ばれていたことからファンの間にも定着している。

「ツインターボが逃げ切った七夕賞も同じ福島の2000m。あの時も前半1000m通過が57.4秒でしたが、この日のパンサラッサも57.3秒と同じようなペースで逃げています。2着の着差が4馬身差という点も同じですね。

実はグレード制導入以降の福島・芝2000m重賞での4馬身差は最大着差。タイム差だとパンサラッサが0.6秒差で、ツインターボが0.7秒差と“師匠”の方に軍配が上がっていますので『まだまだだな』といったところでしょうか(笑)。パンサラッサはまだ4歳ですし、今後かつてのツインターボのようにファンから愛される馬になるかもしれません」(別の記者)

「素晴らしい馬に乗せてもらえて感謝しています」

 そう話した菱田騎手は昨夏のアイビスサマーダッシュ(G3)以来、約1年3カ月ぶりの重賞勝利で通算4勝目。実は逃げの名手として知られている鞍上・中舘英二騎手はツインターボの七夕賞が重賞2勝目だった。騎手人生を変えた歴史的名牝ヒシアマゾンと出会ったのは、ツインターボと共にオールカマーで重賞連勝を決めた同日だ。

「重賞を勝つのはタイミングもあると思いますが、大きな舞台で乗せてもらえるようにコツコツと頑張っていきます」

 今年ここまで28勝と中堅の壁を突破できないでいる菱田騎手。果たして今後、騎手人生を変えるような名馬との出会いは待っているのだろうか。まずはパンサラッサの“手綱”をしっかりと握っておきたい。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

甘デジ「継続率約91%」や「継続率80%×右半分2000発」の大本命を発表…パチンコ分野で話題を集めるヒットメーカー激アツ情報!!

 昨年はシリーズ累計発行部数3,100万部を誇るライトノベルを原作としたアニメとのタイアップ機『Pとある魔術の禁書目録』を導入した藤商事。安定感を有しながらも「2万発レベル」の出玉が狙える仕様は、多くのファンから称賛の声を浴びた。

 そんな勝ち組「とある」シリーズが始動。同社はパチンコ新台『Pとある科学の超電磁砲』のリリースを発表すると共に、ティザーPVを公開し熱視線を浴びている。

「とある科学の超電磁砲」は、「とある魔術の禁書目録」のヒロイン・御坂美琴を主人公としたスピンオフ作品。2009年、2013年、2020年と3期に渡ってテレビアニメ化もされるなど、「とある」シリーズの中でも人気の高い作品だ。

 そんなコンテンツをモチーフとした当機のティザーPVでは「藤商事が放つ 本命中の本命」「SS級コンテンツ 遂に、始動」との文言を紹介。宣言する「業界最高峰のオンリーワンスペック」に関しては「右打ち中の約50%が2000個OVER」「最大出玉約4700個」「継続率約80%」といった強力な内容を明らかにしており、早くも期待の声が続出中だ。

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 パチンコ分野において抜群の存在感を放つ藤商事。そんな敏腕メーカーは、2021年もスタートから話題作を続々と投入し注目を集めた。

 バトルが発生する回数が多いほど大当りに近づくシステムを搭載した『P FAIRY TAIL2』や、「Vチャージ」によって連チャンを発生させる「Vチャージシステム」が特徴の『P戦国†恋姫 Vチャージver.』がホールへ降臨。

 次世代システムとして話題となった『P緋弾のアリア~緋弾覚醒編~』や、約2000発の大当りが71%でループするという『P暴れん坊将軍 双撃』は大量出玉情報が話題となった。

 甘デジ分野にも激熱マシンを投入。中でも人気シリーズの『P地獄少女 きくりのお祭りLIVE』はデビューから好稼働を実現していた印象だ。「1/69.9」という破格の大当り確率ながら、出玉感も有した仕上がりへ注目が集まった。

 同社が誇る『地獄少女』シリーズの「きくり」を主役に据えた本機は、「熱響お祭りLIVE」が出玉のカギを握る。その間は「電サポ120回」が付与され、1/124.1となる転落フラグを引かない限り継続する仕様だ。転落確率などを含めたモード継続率は「約91.5%」と、強力な連チャン性能を搭載している。

 遊びやすさに加え出玉感も有した仕上がりを称賛する声も浮上したが、先日デビューを果たしたシリーズ最新作も反響を得ている状況。「6万発データを発見」など、気になる報告も浮上している。

『P地獄少女 華』

■大当り確率:1/319(1/109)
■賞球数:3&1&2&5&15
■大当りラウンド(カウント数):3R or 4R or 10R(9カウント)
■時短回数:70回
■確変突入率:50%(トータル突入率 約59%)※確変50%、時短経由突入の合算値(残保留4回込み)
■継続率:約84% ※確変80%、時短経由引き戻しの合算値(残保留4回込み)
■出玉:ヘソ(約540発)電チュー(約405発 or 約1350発)

〇〇〇

「初代誕生から10年」という大きな節目に登場した最新作は、大当り確率約1/319のV確変ループタイプ。初回大当りの確変率は50%で、通常大当りだった場合は時短70回の「チャンスタイム」に移行する。

 右打ち中は「10R確変・約1350発→73%」「3R確変・約405発→7%」「3R時短・約405発→20%」で確変割合は合計80%。時短引き戻しを含めたトータル継続率は約84%と、展開次第では大量出玉にも十分に期待できる仕様だ。

「華やかな極彩色筐体」「リアリティを徹底追求した映像表現」などファン必見の要素は満載。「究極の地獄少女が誕生」と紹介された最新作が、時間を経過した際にどのような評価を得ているかに注目したい。

『P地獄少女 華』を含めた新機種の動向が気になるところだが、同社に関連する興味深い情報は他にも存在する。

 藤商事のYouTubeチャンネル「FUJIちゅ~ぶ」にて制作したオリジナルキャラクター「藤丸くん」のオリジナル楽曲MVを公開した。同社のマシンを遊技したユーザーなら共感できる内容や、ド派手な映像を楽しめる仕上がりだ。興味のある方は、チェックしてみてはいかがだろうか。

JRA武豊、東京スポーツ杯2歳S(G2)に本命候補の「真打」登場!? 超ハイレベル2歳馬が1番時計で猛アピール

 先週7日(日)に阪神競馬場で行われたみやこS(G3)で、1番人気のクリンチャーに騎乗した武豊騎手。結果は6着と人気を裏切るなど、今年の古馬重賞戦線では苦戦傾向が続いている。

 しかし、2歳戦に限ってみれば状況は一変。有力なお手馬が多数いる状況で、暮れの2歳G1にどの馬で臨むのか注目が集まっている。

 キーファーズ所有で野路菊Sを勝ち2戦2勝のロンやアイビーS(L)を勝ったドウデュース、『ウマ娘』でお馴染み藤田晋オーナー所有で前走ききょうSを勝ったドーブネ、池江泰寿厩舎のディープインパクト産駒で次走京都2歳S(G3)を予定のトゥデイイズザデイなど有力馬がズラリと並ぶ。

 そんな武豊騎手が期待を寄せる馬がいる。20日(土)に東京競馬場で行われる東京スポーツ杯2歳S(G2)へ出走予定のアルナシーム(牡2、栗東・橋口慎介厩舎)だ。叔父に今年のダービー馬シャフリヤールや2017年の皐月賞馬アルアインがいる血統で、クラシックへの期待も高まっている。

 同馬は7月の函館でデビューし、小柄ながらも非凡な瞬発力で函館の新馬戦を圧勝。鞍上の武豊騎手も「走るね」と評価しており、早くもモーリス産駒の最高傑作との呼び声も高い。

 10日の1週前追い切りでは武豊騎手が跨り、栗東CWで79秒5-12秒4と破格の時計をマークした。併せた古馬2勝クラスのココナッツスルーを追走して1秒以上先着という内容も然ることながら、2歳馬ながらこの日の1番時計を記録。もともとデビュー前から調教は動く馬だが、橋口調教師も「頭を上げずに走れていたし、体の使い方が良くなっている」と成長を感じているようだ。

 さらに、デビュー時は418キロと小柄だった馬体も現時点で440キロまで成長。夏を越して馬体も一回り大きくなり、新馬以来の復帰戦を東京スポーツ杯2歳Sに見据えている。

 コントレイル、ワグネリアン、イスラボニータなど、多くの勝ち馬が後にG1馬となったまさに出世レース。イクイノックス、レッドベルアーム、ダンテスビューなど決して楽ではない好メンバーが揃ったが、素質では見劣りはしないアルナシームが強豪をまとめて差し切るシーンがみられるか。来年のクラシック戦線に向けても重要な一戦となりそうだ。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

レクサスの名に恥じない新型ESがコスパの高い“上級セダン”と言える理由

 前回、新型「レクサスES」の試乗を踏まえて、アメリカにおけるレクサスブランドの販売事情について述べた。

 アメリカで年間4万台強販売したレクサスESが、日本国内でも初めて2018年にレクサスESとして発売されると、たちまち注目されるようになった。ただ、アメリカのように“中間管理職の憧れのクルマ”といった背景ではなかったのである。

 2017年10月に、5代目となる現行レクサスLSが国内デビューした。ところが、デビューした現行型は全長が5235ミリメートルとなり、5メートルを超えた。これが現行LSの販売にブレーキをかけてしまったのである。購入検討するのは富裕層となるのは察しがつくが、日本では駐車スペースで全長が5メートル超に対応しているところは少なく、富裕層の住む豪邸のガレージであっても物理上停められなくなってしまうケースが多発してしまったのである。

 デビュー当初はレクサスLSにV8もなくなったということで、LSをあきらめレクサスGS F(V8搭載モデル)がよく売れるなど“珍事”が発生したが、レクサスESがデビューすると「これで十分」と、富裕層のなかからもレクサスESが選ばれるケースが多発したというのである。つまり、先代レクサスLSオーナーなども車庫に入らず、現行モデルへの乗り替えに困っているときにレクサスESが登場したので、それを購入して乗るようになったのである。

 そもそも日本ではレクサスブランド内にアメリカほどの強烈なヒエラルキーはなく、基本は所得に余裕のある人がレクサスオーナーのメインとなるが、職業や社会的地位、収入にそれほど関係なく購入可能な人が、自分たちの使用環境(車庫の広さやコンパクトなモデルに乗りたいなど)に応じて、気に入ったレクサス車を選んでいるように見える。

 その点では、日本の新車販売の世界はアメリカほど“縛り”のない“選択の自由”があると筆者は感じている。アメリカでは“FFよりFRのほうが偉い”という考え方が根強く、アウディは最近まで「FFベースなのに、なんであんなに高いんだ」とアメリカでは“不思議なブランド”扱いであったが、クワトロ(AWD)を全面に押し出し、最近はステイタスを一気に上げている。

 ホンダのプレミアムブランドであるアキュラはアウディ以上にFF臭が強い部分で苦戦しているという話もある。しかし、日本では良くも悪くも、今の社会ではアメリカほどクルマへ強いこだわりを持つ人は限定的となっている。当然、駆動方式への強いこだわりを持つ人も限定的なので、より広い層にレクサスES(FF)が、かなり上級の“ラグジュアリーサルーン”として受け入れられているのである。

 ただ、個人タクシーではLSやセンチュリーなども見かけるが、最近では法人タクシーとしてレクサスESがタクシー車両として街なかを走っているシーンを頻繁に見かけるようになった。アメリカ人が見れば、なんとも不思議な光景に見えるかもしれない。

レクサスブランドに恥じない新型ES

 今回初めてレクサスESを試乗したのだが、“カムリの豪華版”というのが、かなり荒っぽい表現であるのがよくわかった。内外装は完全に異なるし、ステアリングフィール、足回り、どれをとっても、レクサスブランドに恥じないものとなっており、道路の継ぎ目もショックも少なく“いなす”、その様子をみると、良い意味で「これで十分」となるのも納得してしまう。

 重箱の隅をつつくような見方をすれば、カムリっぽさがないわけではないが、レクサスブランドセダンのエントリーモデルだけではなく、昨今のダウンサイズニーズにも対応し、“レクサスLSからの受け皿”という面も重視されて開発されているような印象も強く受けた。

 よく「なぜ、インフィニティ(日産の上級ブランド)やアキュラ(ホンダの上級ブランド)は日本で展開しないんだ」という話を聞く。それは、諸外国ほど社会において明確なヒエラルキーが日本では存在しないことが大きい。つまり、日産とインフィニティ、ホンダとアキュラの違いが日本の自動車ユーザーには、はっきりしないのである。格差社会の広がる日本の社会とされているが、アメリカをはじめ諸外国ほど強烈な格差社会にはまだ至っていないことも影響しているようだ。

 2005年にレクサスブランドの日本展開をスタートさせたとき、大きくて豪華なショールームや、独特の上質なスタッフの言葉づかいや接客姿勢が話題となった。日本国内ではクラウンなどの存在で、すでにトヨタブランドのイメージが世の中では高まっていた。そのなかで「クラウンより上級車ですよ」というだけでは、なかなかレクサスブランド車について消費者の理解は得られない。そこで、店舗展開も含めた“レクサスブランド”というものをアピールしたのではないかと筆者は考えている。

 メルセデスベンツやBMWは、老舗輸入車ディーラーも取り扱っていることもあり、日本では絶大なブランドパワーを構築している。そのような市場環境で、トヨタでさえ店舗展開まで特別なものとして国内市場でのレクサスブランド展開へ挑戦していった姿勢を見て、「ウチ(日産やホンダ)では無理だ」と日本市場での展開を留まったといった話もまことしやかに聞いている。

 アメリカではレクサスLSより明らかに低く見られているレクサスESだが、日本ではレクサスLSと同列と見られているケースが多いのは確か。

 試乗したモデルはオプション込みで700万円オーバーとなっていた。車両本体価格のみで見ると、少々贅沢なトヨタ「アルファード」が買える程度の支払い総額である。アルファードは今や年間10万台強を販売する“大衆ミニバン”となっている。そう考えると、ESはコストパフォーマンスの高い“上級プレミアムサルーン”と表現もできる。

 ただ、日本では欧米など諸外国ほど社会的ステイタスを強く意識して新車を購入しているかといえば、超高級輸入ブランドやメルセデスベンツ、BMWなどの欧州系上級ブランドを除けば答えは“ノー”だろう(趣味で選ぶ欧米ブランドを除く)。生活レベルでは格差社会が広がっているとされる日本だが、購入予算さえ用意できれば、それこそ欧州上級ブランド車も含み、好きな新車を選んで乗ることができる日本の新車販売事情は、世界的に見ても“選択の自由”がまだまだあるフラットな世界といっていいだろう。新型ESに触れながら、ふとその立ち位置などを考察してしまった。

(文=小林敦志/フリー編集記者)

JRA C.ルメール「54万馬券」級ぶっ飛びの大波乱! 大本命スタニングスターにのしかかるフランケル牝馬の決定的弱点

 14日、エリザベス女王杯(G1)を控える阪神競馬場で行われた5Rの2歳新馬(芝1600m)は、松若風馬騎手の9番人気カレンマックナイトが2番手から押し切りデビュー勝ち。

 2着に2番人気ハンス、3着に6番人気フィンスタビライザが入った大波乱の払戻は、馬単3万9830円、3連単54万3560円という高配当となった。

「非力なところがあって、どうかと思ったけど、芝でいい走りをしてくれました。もう少し力がついてくればもっと走れるようになる」 

 レース後、そう振り返った松若騎手はさらなる良化を感じるコメントを残した。カレンマックナイトは9番人気のノーマークだったとはいえ、血統的にも大阪杯(G1)やジャパンC(G1)を勝利したスワーヴリチャードの甥にあたる良血馬。次走でも注目の存在となりそうだ。

 これに対し、大波乱の立役者となってしまったのが、見せ場なく9着に敗れたスタニングスター(牝2、栗東・友道康夫厩舎)だ。C.ルメール騎手とのコンビで単勝オッズ2.1倍の大本命に支持されたものの、大きく期待を裏切った。

「まだ若いし、緩さもあって最後は甘くなった。距離は延ばした方がいいね。これから良くなるはず」とはルメール騎手の敗戦の弁である。

 父フランケル×母スタセリタという血統は、2017年のオークス馬ソウルスターリングの全妹という超良血。陣営も「能力は間違いない」と自信を隠さなかっただけに、今後に不安を残すデビュー戦だった。

 14頭立てのレース。逃げ馬が前半3ハロン36秒9で先導したスローペース。スタニングスターも無難にスタートを決め、ルメール騎手も好位を取りに行く構えを見せた。ところが鞍上に促されても、道中でも6番手と反応は鈍かった。

 最後の直線を迎えても、ポジションを上げるどころか8番手に後退。ルメール騎手も懸命に促すも、他馬との脚色は見劣った。結果、勝ち馬から0秒8離されてのゴールと、ほろ苦い船出となった。

「関西の名門・友道厩舎の期待馬に姉の手綱も取っていたルメール騎手でデビュー。人気になって不思議ではない背景があった割に、残念なレースとなりました。距離が延びて良くなりそうというコメントが出ていましたが、正直かなり厳しい内容だったように感じます。

スタートしてからずっと押っつけながらの追走でしたし、直線に入っての反応も次走で一変を期待できるような脚ではありませんでした。日本でフランケル産駒の牝馬はどちらかというと早熟タイプが多い傾向ですから、次走で巻き返しとなるとどうでしょうか」(競馬記者)

 フランケル産駒は6歳になっても芝ダートの二刀流でG1勝ちしたモズアスコットのような例もあるが、こちらは牡馬。牝馬となると姉のソウルスターリングも5戦4勝でオークスを勝利して以降、約3年近く勝てないまま引退した。G1級と期待されたミスエルテやモンファボリなども、期待されたほど活躍できないまま3歳を迎えている。

 成長力に疑問が残る現状だけに、デビュー戦からいきなり大敗を喫したスタニングスターの巻き返しは、あまり期待できないのかもしれない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

渋沢栄一の起業仲間たち…ホテルオークラ創業者の父、セメント王・浅野総一郎、西園寺公成

『青天を衝け』で総動員された、渋沢栄一の“ゆかいな仲間たち”のご婦人たち

 NHK大河ドラマ『青天を衝け』第34回(11月7日放送)では、来日する前アメリカ大統領一家の接待のため、政財界のご婦人たちが総動員された。

・渋沢栄一(演:吉沢亮)夫人  千代(演:橋本愛)
・渋沢喜作(演:高良健吾)夫人 よし(演:成海璃子)
・大隈重信(演:大倉孝二)夫人 綾子(演:朝倉あき)
・井上 馨(演:福士誠治)夫人 武子(演:愛希れいか)
・益田 孝(演:安井順平)夫人 栄子(演:呉城久美)
・大倉喜八郎 夫人       徳子(演:菅野莉央)

 奥サマ同士を引き合わせるくらいだから、当然、ダンナさんたちも仲が良かった(岩崎弥太郎夫人がいないことが象徴的だ)。

多くの他者と協業で起業しまくった渋沢栄一、なんと29社で取締役を務める

『企業家ネットワークの形成と展開』(2009年、名古屋大学出版会)という書籍によれば、明治31(1898)年当時、もっとも多くの企業で役員に選ばれていたのは、渋沢栄一だという。その数、29社。取締役といえば、当該企業に常勤しその企業のためだけに仕事をしているイメージがあるが、1日1社に出向いても1カ月のスケジュールが埋まってしまう。栄一が務めた取締役は、われわれからすれば相談役みたいなイメージだろう。

 なお、その主な企業は下記の通りで、そのほとんどは栄一が設立にかかわっている。

・第一銀行    (現・みずほ銀行)
・日本鉄道    (現・JR東日本)
・東京海上保険  (現・東京海上日動火災保険)
・帝国ホテル
・東京瓦斯    (東京ガス)
・王子製紙    (現・王子ホールディングス)
・東京石川島造船所(現・IHI)
・札幌麦酒    (現・サッポロビール/サッポロホールディングス)

 しかしこれらの企業は、栄一がひとりで創りあげたものではない。いわゆる「合本」(がっぽん)で出資者を募ったり、他者から設立を持ちかけられたり、多くの関係者との協業で創りあげたものだ。

 その結果、栄一と仲のよい企業家たちは、栄一と一緒にその企業の役員を務めている。

ホテルオークラ創業者の父・大倉喜八郎は「オレは銀行はやらない。だから栄一クン、頼むよ!」

 たとえば、大倉喜八郎は5つの企業で栄一と役員会をともにしている。その5社とは、帝国ホテル、北越鉄道、北越石油、札幌麦酒(ビール)、函館船渠(ドック)である。

 大倉喜八郎(1837~1928年)は栄一より3歳年長で、越後(新潟県)新発田藩の質屋の子に生まれた。両親を早くに失ったため、江戸に出て商人となり、鉄砲商に転身、戊辰戦争で官軍・幕軍の双方に武器を売り、明治維新後は台湾出兵や日清・日露戦争で軍需品の調達に貢献。日本有数の富豪となった。

 幕末維新期に一代で巨万の富を得たのは、三菱財閥の岩崎弥太郎と相通ずるところがある。弥太郎は自ら事業を創りあげることは少なく、他者から譲り受けたものを大きく育てて財閥を形成したのだが、喜八郎は新しく起業することが好きで、その興味のおもむくところが、業種も地域もバラバラだった。

 財閥としては珍しいホテル事業(帝国ホテル、川奈ホテル、赤倉観光ホテル)や、中国・北海道(札幌麦酒、函館船渠)への事業展開はその最たるものだろう。

 そのため、喜八郎の死後、番頭たちは「とっ散らかった」事業を整理することから始めなければならなかった。しかも、跡を継いだ2代目・大倉喜七郎が、父に似て「守成の人ではなかった」ので、不満タラタラで終戦を迎えたという(終戦後、その喜七郎がホテルオークラを創ったりして大活躍することになるのだから、世の中わからない)。

 考えてみれば、喜八郎はいろんな事業に手を出す点で渋沢栄一と似ているのだが、その一つひとつが小粒で、かつどちらかといえばマイナーなので、「えっ? あれも渋沢栄一が創ったの?」というような驚きがない。残念な人物だった。

 後述する浅野総一郎は栄一との強い関係が有名だが、喜八郎と栄一がとりわけ親しかったという話は、あまり聞いたことがない気がする。

 ただ、喜八郎は栄一――というより第一銀行――に興味があったに違いない。喜八郎はいろんな事業に興味を持っては手を出したのだが、どういうわけか銀行業だけには手を出さなかった。番頭たちが銀行設立をいくら勧めてもガンとして聞かなかったという(一説によると、「オレは他人からカネを借りて事業するんであって、そのオレが金貸しを始めちゃったらツジツマが合わない」というようなことを言っていたらしい)。

渋沢栄一ともっともビジネスをともにした男・浅野総一郎、セメント王として浅野財閥を形成

青天を衝け』の「ご婦人たち総動員の巻」には出てこないようなのだが、渋沢栄一ともっともビジネスをともにしていたのは浅野総一郎だ。実に10社で、栄一とともに役員をしていた。

 総一郎には、同郷の安田善次郎という銀行家がバックについていたので、第一銀行にはあまり興味がなかったらしい。しかし、総一郎にとって栄一は、いわばビジネスの師匠だった。成功を収め、財閥を形成した晩年になっても、栄一が地方で講演をすると、何かビジネスのタネになるような話があるかもしれないと、どんな僻地にも足を運んで聴きにいったというから恐れ入る。

 初代・浅野総一郎(1848~1930年)は栄一の8歳年下で、越中(富山県)の医師の子として生まれた。10代で事業を志したが失敗。高利貸への返済が滞り、夜逃げ同然で上京。商売を転々として石炭商となった。横浜瓦斯(ガス)局に廃棄されていたコークス・コールタールを買い取り、石炭の代用物として官営深川セメント製造所に売却したところ、大きな利益を得た。
その噂を聞いた王子製紙所が同じようにやってみたが、うまくいかず、総一郎がコークスを引き取った縁で、石炭を納入することになった。渋沢栄一は王子製紙所の創業者なので、総一郎の働きぶりを聞いて面会を希望。総一郎は栄一の信頼を得て、助言と援助を受けるようになった。

 総一郎は栄一の援助で深川セメント製造所の払い下げを受け、浅野工場を設立。これが後に浅野セメント(のち日本セメントを経て、現・太平洋セメント)へと発展。総一郎は「セメント王」として浅野財閥を形成した。

 セメント事業が軌道に乗ると、総一郎は石炭商の経験を活かして炭鉱業に進出。「山師」の総一郎は福島県磐城で鉱脈を見つけると、渋沢栄一を説得して大倉喜八郎らと合本で磐城炭鉱(常磐ハワイアンセンターの前身)を設立、炭鉱経営に乗り出した。

 出炭に成功するものの、彼の地は当時まだ汽車も走っていないような地域で、どうにか海岸まで鉄道を敷いたが、海路は三菱が独占して運賃が高い。栄一や三井らが三菱に対抗して共同運輸会社を設立すると、総一郎もこれに加わった。岩崎弥太郎が憤死して、三菱の海運事業と共同運輸会社が合併、日本郵船ができたが、運賃は期待ほどには下がらなかった。そこで、総一郎は再び栄一を説き伏せて海運会社・東洋汽船を設立した。

 そんなわけで、磐城炭礦や東洋汽船などで、浅野総一郎と渋沢栄一は役員席を同じくしたわけだ。

渋沢栄一が旧宇和島藩主・伊達宗城に仕えた縁で、子も孫も第一銀行に勤務した西園寺公成

 渋沢栄一と同一企業で役員を務めていたのは、1位が浅野総一郎の10社、2位が西園寺公成の6社、3位が大倉喜八郎の5社。以下、原六郎・梅浦精一の4社と続く。

……ん!? 西園寺公成? 総理大臣がなぜこんなところに!

 西園寺公成(さいおんじ・きんしげ。生没年不詳)。総理大臣の西園寺公望(きんもち)と1字違いだが、血縁関係はまったくない。南北朝時代に伊予(愛媛県)にわたった西園寺家の末裔を自称し、江戸時代は伊予宇和島藩士として松田姓を名乗っていたのだが、明治維新後に西園寺に復姓した。

 渋沢栄一が官庁勤めをしたときの上司が、旧宇和島藩主・伊達宗城(むねなり/演:菅原大吉)だった縁で、栄一は伊達家の財政顧問のようなことを任された。

 その縁で、栄一の長女「歌子」は宇和島藩きっての秀才・穂積陳重(ほずみ・のぶしげ)と結婚。公成は第一国立銀行に入行し、1873年から1904年まで同行の取締役を務め、東京石川島造船所、磐城炭礦、東京瓦斯などの役員を兼務した。のみならず、次男の西園寺亀次郎も第一銀行の取締役、常務に就任。孫の西園寺実は第一銀行の副頭取まで出世している。

 同じように、旧宇和島藩士の八十島親徳(やそじま・ちかのり)は、渋沢家の執事のようになり、渋沢倉庫専務を務めた。その子・八十島親義(ちかよし)は第一銀行に入行、常務に昇進した後、渋沢倉庫の社長に転出。第一銀行が日本勧業銀行と合併交渉を行う際の密使として活躍した。

 たった数年間、旧藩主が渋沢栄一の上司だったというだけで、渋沢家・第一銀行に代々仕え、戦後の合併工作にまで関与しているのだから、まさに「縁は異なもの」である。

(文=菊地浩之)

●菊地浩之(きくち・ひろゆき)
1963年、北海道札幌市に生まれる。小学6年生の時に「系図マニア」となり、勉強そっちのけで系図に没頭。1982年に國學院大學経済学部に進学、歴史系サークルに入り浸る。1986年に同大同学部を卒業、ソフトウェア会社に入社。2005年、『企業集団の形成と解体』で國學院大學から経済学博士号を授与される。著者に、『日本の15大財閥 現代企業のルーツをひもとく』(平凡社新書、2009年)、『三井・三菱・住友・芙蓉・三和・一勧 日本の六大企業集団』(角川選書、2017年)、『織田家臣団の系図』(角川新書、2019年)、『日本のエリート家系 100家の系図を繋げてみました』(パブリック・ブレイン、2021年)など多数。

パチンコ「右ALL16R」の出玉感と視覚で魅せた激熱マシン…CR終活『ジューシーハニー』編

 パチンコでは、しばしば女性の持つ魅力にフォーカスを当てた機種が登場します。『麻雀物語』や『ミルキーバー』などの名機がヒットしたのも、まったくの無関係ではないかもしれません。男とはそういう生き物です。

 タイアップマシンが盛り上がってくると女性タレントや女優をフィーチャーしたマシンも数多くリリースされました。さらに『CRおねだり!マスカット』や『CR豊丸とソフトオンデマンドの最新作』といった160km豪速球な機種も出現する時代となりました。

 そんななかで私がこよなく愛した台が『CRジューシーハニー』です。サンセイからリリースされた本機は総勢20名の人気女優が出演する夢とロマンにあふれたパチンコです。

 好きな女優をサブキャラなど演出に反映できる「女の子選択」や飛び出す3D演出、ドキドキワクワクのデジタルアクションと演出面が最高なのは言わずもがなですが、スペック的にも魅力たっぷり。

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■パチンコ話題のホールで「10万円実戦」…自称「ボッタくり」は本当か!?

■パチンコ「5万発」射程の最高峰100%STマシンが降臨…激アツ新台入替を振り返る

 大当り確率が1/249.18。大当り確率が1/400になるマックスタイプが隆盛を極めていた時代に登場したライトミドルということで、遊びやすい手頃な確率帯に非常に好感が持てました。しかもSTの継続率が約70%で右打ち中はオール16ラウンド約1500発と出玉感も抜群です。

 また、V-STといえば突入率50%が基本のなか60%と高めに設定されていて、プラセボ効果ではありませんが、通常より入りやすいという思い込みのおかげか本当によくSTに突入した印象です。

 さらにST非突入時の100回転時短でよく引き戻しましたね。これも確率が甘めという思い込みの為せる業。初当りが通常でも「すぐ引き戻せる」と謎の自信で打っていました。私の体感ではトータルのST突入率が80%を超えています。

 ただ、あんまり連チャンはしないんですよね、私の場合。良くて3連、最高でもたしか5連くらいでしたでしょうか。それでもオール1500発で満足のいく出玉を獲得できますし、スピーディーでメリハリの利いたST演出も面白い。トータルの完成度の高さは5指に入るという個人見解です。

 甘デジ版もこれまた最高で、大当り確率が1/109.95とちょっと重たくなったり、ST突破型の連チャンシステムだったりと、若干ゲーム性は異なりますが、その差異がまた違う面白さを発揮してくれるのです。

 突破時のループ率は68.5%でミドルタイプとそれほど変わらないどころか少し落ちるはずなのですが、なぜかこっちはよく連チャンしました。2ケタ連チャンも普通に発生するし、最高だと18連チャンくらいでしょうか。連チャンの女神が優しく微笑んでくれます。

 みなさんご存知のように『ジューシーハニー』は『2』『3』とシリーズ機がリリースされているので「CR機」を打てなくなることに対する哀愁や惜別感はそれほどないだろと思っているかもしれません。

 しかし、私は後継機についてまったくの別物だという認識ですので、『ジューシーハニー』とはリアル今生の別れだと捉えています。嗚呼、あんな名機がもう打てなくなるかと思うと……。

 とにかく、最後を楽しみました。姉さん、面白いっす、最高っす。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

JRA【東京スポーツ杯2歳S(G2)展望】キタサンブラック産駒の超大物候補が登場!対抗格は福永祐一が「兄弟で一番いい」と高評価のアノ馬

 20日、東京競馬場では第26回東京スポーツ杯2歳S(G2)が行われる。過去4年の勝ち馬のうち3頭が後にG1を制覇(ワグネリアン、コントレイル、ダノンザキッド)。2歳戦屈指の出世レースとして知られ、G2に昇格初年度に再び大物は誕生するか、注目が集まる。

 主役候補は1戦1勝のキタサンブラック産駒イクイノックス(牡2歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。現役時代にG1を7勝した父の初年度産駒で、母シャトーブランシュも15年マーメイドS(G3)を勝っている。

 半兄には、今年のラジオNIKKEI賞(G3)覇者ヴァイスメテオールがいて、デビュー前から注目度は高かった。そんな期待を大きく上回るパフォーマンスを見せつけたのが8月新潟のデビュー戦(芝1800m)だった。

 このときはサトノヘリオスに次ぐやや離れた2番人気だった。レースでは好スタートを決め、好位3番手を追走。長い新潟外回りの直線で、メンバー最速の上がり時計をマークし、2着に6馬身差の圧勝劇を演じた。

 このレースで1秒2差の3着に破ったサークルオブライフは、その後にアルテミスS(G3)を勝利。イクイノックスの強さを間接的に証明した。2歳世代の牡馬は、札幌2歳S(G3)を勝ったジオグリフが一歩リードしているが、素質は同等かそれ以上という声も。出世レースで改めてその素質の高さを証明したい。

 デビュー戦で騎乗したC.ルメール騎手は「エンジンのかかりが早いし、とても良い脚を使いました。伸びしろがありますし、パワーアップしたら楽しみです」と大絶賛。血統から距離は2000m以上がベター。本格化も3歳秋以降だろう。2歳秋に重賞を勝つようなら化け物の可能性もある。

 イクイノックスの対抗格と目されるのはレッドベルアーム(牡2歳、栗東・藤原英昭厩舎)だ。

 デイリー杯2歳S(G2)を兄弟連覇したレッドベルジュールとレッドベルオーブの半弟で、2歳戦での活躍は織り込み済み。父がハーツクライに替わって、本馬は2000m前後が守備範囲か。

 6月に阪神芝1800mで新馬勝ちを収めると、夏はじっくり成長を促し、満を持して秋初戦に照準を合わせてきた。

 デビュー戦は好位から抜け出す強い内容。着差は半馬身だったが、危なげない勝ち方で、センスの高さも感じさせた。

 鞍上はデビュー戦に続き福永祐一騎手が務める。前走後には「兄弟で一番いい」というコメントも飛び出したが、強豪がそろったここは試金石。兄2頭は故障で3歳時の大半を棒に振ったが、弟は出世レースをステップに来年のクラシックでの活躍を期す。

 血統的な魅力では、ダンテスヴュー(牡2歳、栗東・友道康夫厩舎)も負けていない。

 本馬を含め、13頭のきょうだい全てがJRAで勝ち上がっている。このうちボレアスとカミノタサハラの2頭が重賞を勝っているが、G1には手が届いておらず、本馬への期待は大きい。

 8月のデビュー戦は単勝1.4倍の断然人気に支持されたが、人気薄ユキノオウジサマに逃げ切りを許し2着。続く中京での未勝利戦を難なく勝ち上がって、これが3戦目。前走に続き川田将雅騎手が騎乗できるのは心強い。

 友道調教師は中間、『サンスポ』の取材に対し、「操縦性がいいし、瞬発力があって、かつ長く持続できる」と、べた褒め。そのコメントからも東京1800mはうってつけの舞台だろう。この兄弟から初の2歳重賞ウイナーは誕生するか。

 アルナシーム(牡2歳、栗東・橋口慎介厩舎)も血統は一流。母ジュベルアリは未出走だったが、その全弟には皐月賞馬アルアインと今年のダービー馬シャフリヤールがいる良血。7月の函館で見せた豪快な差し切り勝ちは将来の活躍を予感させるには十分だった。

 この他には、3戦中2戦が今回と同コースで、前走のアイビーS(L)でドウデュースにクビ差の2着と好走したグランシエロ(牡2歳、美浦・武井亮厩舎)、近親にトゥザヴィクトリーなどがいるスカイフォール(牡2歳、栗東・ 昆貢厩舎)、コスモス賞(OP)を勝ち、札幌2歳S(G3)でも3着に好走したトーセンヴァンノ(牡2歳、美浦・小桧山悟厩舎)などが出走を予定している。

 G2に格上げとなって1年目の東京スポーツ杯2歳Sから再び大物は誕生するか。発走は20日15時30分だ。