甘デジ「ハマリ知らず」の激熱スペック!?「約87%継続」RUSHも魅力の手を出したくなる小悪魔マシン!!

 ギャル雑誌「小悪魔ageha」が復活を遂げていた。一時期は30万部を売り上げたこともある人気のファッション誌だったが、深刻な出版不況のあおりを受けて版元が倒産。その後は、復刊と休刊を繰り返し、今年の始めにWebメディアとして復活したという。

 実は去年の春から1年に4回、3ヵ月ごとに発行される「季刊誌」として復帰を果たしていたのだが、新型コロナウイルスの影響で発行が中止されていた。それでも今年の4月には春号の発売に至ったという。

 雑誌の休刊は事実上「廃刊」を意味することがほとんどなのだが、何度も蘇ってみせる「小悪魔ageha」には底知れないパワーを感じる。

 その一方、パチンコの小悪魔も現場に復帰した。『PAぱちんこ戦国コレクション小悪魔99』である。今年の3月に登場したST+時短のセットから強力なRUSHを構築していたライトミドルマシンの甘デジタイプになる。

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 ゲーム性はライトミドルと同様で、最上位モードとなる「戦コレRUSH」はST20回+時短130回で構成され、継続率が約87%とライトミドルから大幅にアップしている。その分、右打ち中は3ラウンド約270発の大当りがメインとなるが、強化されたループ性でどこまで連チャンを伸ばせるかが勝負のカギとなる。

 そのRUSHに突入させるためには初当り後のほとんどで移行する「修羅モード」中に大当りさせる必要がある。このモードはSTの20回転で1/29.5を引き当てなくてはならない。突破率は約52%(残保留込み)とこの手の突破型では高い数値である。

 ちなみに、初当りからでもRUSHに直接突入することもあるが、振り分けはわずか0.5%なので「修羅モード」での引き戻しがRUSHへの基本ルートになる。ただ、本機にも遊タイムが搭載されており、RUSH突入をサポートする有力な機能として存在。

 通常確率状態を299回転消化すれば379回の電サポが発動し、97.8%が大当りに結びつく。つまり遊タイム突入=RUSH濃厚の激アツチャンスとなるのである。さらに、RUSHには130回転分の時短があるので、RUSH終了後は遊タイムまで残り169回転と、大幅に遊タイム突入条件を短縮できるという強みがある。

 これはライトミドルから受け継がれたゲーム性で、遊タイム前に次の大当りが訪れても約50%でRUSHを狙える遊びやすさが本機最大の持ち味といえよう。甘デジであっても連チャン即ヤメの立ち回りが目立つ現在のパチンコにあって、滞在率を高めることに働くスペックやゲーム性はプレイヤーファーストの機械づくりがなせる業ではないだろうか。

 演出面でも、最強の小悪魔・織田信長を中心とした、戦国武将モチーフのかわいいキャラが大活躍し、時短中は3つの選べる演出モードを搭載するなど飽きのこない内容となっている。

 85%を超える高い連チャン性を持っているほか、ハマリ知らずの遊タイムや突破率など立ち回りやすいマシンとなっている。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

JRA武豊もベタ惚れ「世界のダート王」の忘れ形見に超プレミアの予感!? コントレイルの近親は一瞬で満口……絶好調「DMM×矢作芳人厩舎」が示した先見の明

 27日、阪神競馬場で行われた6R・2歳新馬戦は、2番人気の米国産馬フーリッシュホビー(牝2歳、栗東・杉山佳明厩舎)が勝利。スタートでやや出遅れたものの、しっかりとデビュー戦を白星で飾った。

アロゲート産駒対決に勝ちましたね」

 レース後、杉山佳調教師がそう話した通り、フーリッシュホビーに加え、シェイリーンという2頭のアロゲート産駒が人気を分け合ったレース。鞍上の幸英明騎手も「相手はユーイチ(福永祐一騎手)だけと思っていた」と1番人気馬を意識。人気こそライバルに譲ったが、最後の一騎打ちではクビ差前に出る会心の勝利だった。

 今年はドレフォン、シルバーステート、キタサンブラックといった新種牡馬が旋風を巻き起こしているが、かつて「世界のダート王」として名を馳せた米国の新種牡馬アロゲートもまた、日本で大きな存在感を示している1頭だ。

 海外種牡馬ということもあり、現在JRAの厩舎に所属しているのは8頭に過ぎないが、今回のフーリッシュホビーを含め、3頭がデビュー戦を勝利。クビ差の接戦を演じたシェイリーンも勝ち上がりは時間の問題だろう。

 また、勝ちっぷりのインパクトも絶大だ。

 まずは産駒の日本初勝利となったジャスパーグレイトのデビュー戦は、10馬身差の圧勝というド派手なものだった。

 その後、本馬はいきなり世界の頂点に位置する米ブリーダーズCジュベナイル(G1)に挑戦。いかにも管理する森秀行調教師らしい積極果敢な海外遠征だったが、結果は10着。世界の壁には跳ね返されたものの、この経験は後に大きな糧になるはずだ。来年には米国の三冠レースに挑んでいるかもしれない。

 一方で、騎乗した武豊騎手が「本気でケンタッキーダービー(G1)へ行きたい」と惚れ込んでいるのが、アロゲート産駒2勝目を挙げたジュタロウだ。

 ジャスパーグレイトが2着に1.6秒差なら、こちらは2.4秒差をつける大差勝ち。それも出走5着馬さえタイムオーバーを食らったのだから、日本が誇るレジェンドジョッキーがベタ惚れするのも無理はないだろう。

 武豊騎手の願いが叶えば、米国三冠レースでジャスパーグレイトとの「アロゲート産駒対決」が実現するかもしれない。

「ここまでのパフォーマンスから、アロゲート産駒の日本のダート適性はかなり高そうです。海外の種牡馬のため、日本で走る産駒の数は限られるでしょうが、来年以降、日本のバイヤーの人気が高騰することはほぼ間違いないでしょうね。

ただ、惜しむらくはアロゲートが昨年すでに他界しているという点。産駒はわずか3世代しか残されておらず、そういった点でも、アロゲート人気は今後日本だけでなく世界的に高まっていく可能性があります」(競馬記者)

 記者の話からも、今後アロゲート産駒には“プレミア”がつく可能性が高く、日本のバイヤーも容易に手に入れるのが難しくなることが想定される。

 そんな中、早くも先見の明を発揮しているのが、DMMドリームクラブと矢作芳人厩舎だ。

 DMMと矢作厩舎といえば、今月ラヴズオンリーユーが日本競馬史上初となる米ブリーダーズCフィリー&メアターフ(G1)を制すなど、今ノリに乗っている組み合わせ。そんな世界の名コンビが、9月に行われた米キーンランド・セプテンバーセールで、すでにアロゲート産駒を購入しているというから驚きだ。

「DMMが落札したのは、フォークロア2020。父アロゲートも然ることながら、母フォークロアはブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(G1)を制した米2歳牝馬チャンピオンという超良血です。

また、フォークロアの産駒であるロードクロサイトは日本に輸入され、三冠馬のコントレイルを輩出しました。つまり、フォークロア2020はコントレイルの叔父にあたります。

すでにDMMドリームクラブで一口馬主の募集を行ったそうですが、あっという間に満口になったとか……。管理するのが矢作厩舎ということもあって、非常に人気が高かったそうです」(別の記者)

「能力が高いですし、これからが楽しみです」

 レース後、そうフーリッシュホビーに期待を寄せた幸騎手。ジャスパーグレイトやジュタロウほど派手な勝ち方ではなかったが、こちらのアロゲート産駒も将来が楽しみな馬のようだ。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

首相官邸と官僚の“便利屋”化する自衛隊、内部で不満充満…接種センター設置の内実

「もはや自衛隊は官邸と忖度官僚の人気取りに使われる便利屋と化しているんですよ」

 ある防衛省幹部は編集部の取材にこう吐き捨てた。自衛隊は今年、新型コロナウイルス対策で5月から東京と大阪に設置されたワクチン大規模接種センターや災害対応での活躍を見せ、国民の間で「危機の時には頼りになる」との印象を強めた。ただ、その裏では現場の事情を考慮しない首相官邸のゴリ押しによる混乱や、本来必要かどうか疑問の災害対応に、自衛隊の内部では不満があふれていたという。その内情を関係者の証言などにより明らかにしていく。

ワクチン接種センター、突然報道で開設発表、3日前は別の説明

「3日前の説明とまったく違うじゃないか」――。4月25日に大規模接種センターの開設が報道されると、自衛隊の内部に衝撃が走った。22日に自衛隊内で「もしワクチン接種の支援を我々がするなら、接種業務ではなくワクチンの輸送など側面支援になる」と各部隊に説明するテレビ会議が開かれていたためだ。自衛隊内の混乱が続くなか、27日に菅義偉首相(当時)による総理大臣指示、防衛大臣指示が出てそれが裏付けられた。

 菅氏は「ワクチン接種が新型コロナ感染対策の決め手」であり、「東京、埼玉、千葉、神奈川のワクチン接種を国としても後押しするため、医官、看護官による組織的な活動が唯一可能な国の組織である防衛省・自衛隊により大規模接種センターを5月24日を目途として3ヶ月東京に設置し、運営」し、「同様に大阪府を中心とする地域を対象として支援」することを指示した。

東京会場は即決定したが、大阪では副大臣と政務官の地元選挙区に当初から限定

 4月30日に防衛大臣名で自衛隊一般命令が発出され、センター設置が実施に移された。最初の課題は設置場所だったが、東京センターは大手町の合同庁舎に早々と決まり、命令後すぐに準備が始まった。問題は大阪だったが、ゴールデンウィークに入る直前に5月3日に中山泰秀副大臣(当時)が現地視察して場所が決定することが決まった。決定直前にコロナ対応を取り仕切る町田一仁審議官と家護谷昌徳統幕参事官等が現地視察、下交渉を会場候補の運営者と実施し、予定通り3日に中山副大臣が大阪入りし、会場を大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)とすることを公表した。

 その選定プロセスは、初めから予定調和で政治色が強かったという。陸自幹部は明かす。

「会場候補は国際会議場と府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)に初めから絞り込まれていました。実は国際会議場は中山副大臣の選挙区、府立体育会館は大西宏幸政務官(当時)の選挙区に位置しています。絞り込みの表向きの理由は、地元選出の議員のほうが地権者などを早く説得できるということでしょうが、現場では『ワクチンを早く地元民が打てるとなれば次の衆院選でプラスになる』という打算が中山、大西両氏に働いたと考えない人間はいませんでした。最終的に中山氏の地盤の会場に決まったのも『副大臣のほうが格上』というのが大きく関係したとみていいでしょう。大西氏にしても『候補には入った』ということで地元へのメンツが立った」

大阪会場の候補地地盤の両議員は落選、中山氏は名門出身も失言目立つ

 この2人とも、先の衆院選で日本維新の会の候補に落選したことはなんとも皮肉である。特に中山氏はセンター開設を指揮した実績をアピールしたが、及ばなかった。自民党関係者はこう分析する。

「確かに先の選挙では維新が議席を約4倍にするなど勢いがあったことは確かだが、中山氏は世襲議員としての地盤があったことに加え、今回のセンター設置で下駄まではかせてもらったのに落選したのは実力不足だとしかいいようがない。防衛副大臣としても、5月に発生したイスラエル・パレスチナ危機について個人のツイッターでイスラエル寄りのコメントを突如発表したり、6月にはアメリカの保守系シンクタンクの講演会で『台湾を民主主義国家』と表現し中国を不要に刺激したりするなど、閣僚としての資質を疑うような言動が目立ったことも大きい」

 東京、大阪ともに会場の契約手続きや、センター運営などの業者選定の入札などが実施され、自衛隊側でも部隊編成などが完了し、5月24日に予定通り運営が始まった。ただ、運営後はシステムの不備など問題が相次いだことは周知の通りだ。その内幕についても詳述する。

(文=編集部)

JRAプリンスリターン元主戦・原田和真いよいよ干された!? 約2年ぶり復活勝利から3騎手で3連勝「騎乗数激減」は当然の結果?

 27日、東京競馬場で行われたキャピタルS(L、芝1600m)は、2番人気のプリンスリターン(牡4歳、栗東・加用正厩舎)が勝利。これで小倉日経オープン(OP)、ポートアイランドS(L)に続く3連勝となった。

 ゴール直後、「充実の4歳秋を迎えています!」と実況されたプリンスリターン。父ストロングリターンは6歳の安田記念(G1)でG1初制覇を飾った遅咲きのマイラーということもあって、来年のマイル戦線を賑わす1頭になりそうだ。

 しかし、この馬の場合、素直に「4歳秋に本格化」と評して良いものかどうか、少々迷うところがある。

 何故なら、プリンスリターンは2歳の朝日杯フューチュリティS(G1)で、単勝347.1倍という低評価を覆して5着に好走。頭角を現すと、3歳のシンザン記念(G3)で2着、アーリントンC(G3)でも3着と、若駒の頃から「重賞制覇は時間の問題」と言われてきた逸材だからだ。

 しかし、その後に大きく低迷。今年8月の小倉日経OPで約2年ぶりの復活勝利を挙げると、ここまで怒涛の3連勝と長い低迷期が嘘のような充実ぶりを見せている。

「こんなことは言いたくないですが、この馬の場合『騎手の差』としか言いようがない気がします。というのもデビュー戦から12戦連続で、プリンスリターンの鞍上は原田和真騎手でしたが、低迷期を脱出したきっかけになったのが、松若風馬騎手への乗り替わりでした。

小倉日経OPの勝利だけなら、松若騎手の会心の騎乗と言えるかもしれません。ただ、その後もポートアイランドSを松山弘平騎手、そして今回のキャピタルSを横山武史騎手と、それぞれ異なる騎手で勝利。そうなると、原田騎手の騎乗に足りない部分があったと考えざるを得ません。

酷な話ですが、もしかしたら、もう原田騎手はプリンスリターンには乗れないかもしれません」(競馬記者)

 2012年のデビューから約10年で、JRA通算51勝。今年ここまで、わずか1勝と苦しんでいる原田騎手にとって、オープンクラスで戦えるプリンスリターンの存在は騎手としての大きなモチベーションだったに違いない。実際に美浦所属の騎手ながら、何度も栗東までプリンスリターンの調教をつけに行くなど熱い気持ちを見せていただけに、主戦降板はこの上ないショックだったはずだ。

 しかし、自分がショックを受けるだけなら、まだよかったのかもしれない。最大の問題は、原田騎手が降板してから間もなくプリンスリターンの復活という「明確な結果」を受けた周囲の反応だろう。

「実は、プリンスリターンが松若騎手の騎乗で復活勝利を飾った今年の8月29日以降、原田騎手の騎乗が目に見えて減っているんですよね……。

もちろん、周囲の関係者からすれば『少しでも良い騎手』を乗せたいのは当然の心理。しかも、プリンスリターンを通じて、これだけわかりやすい結果を残されては、今、原田騎手の騎乗にポジティブな印象を持っている人は少数派と言わざるを得ません。弱肉強食が競馬界の常ですが、原田騎手はいよいよ崖っぷちと言えるかもしれません」(別の記者)

 実際に、今年の1月5日から8月29日までに、原田騎手は126回の騎乗があった。しかし、プリンスリターンが小倉日経OPを勝った翌週9月4日以降の約3か月間で、明日の騎乗を含めてもわずか22回に留まっている。それも3月21日の勝利を最後に現在87連敗中、ここ10戦はすべて10番人気以下というから深刻な状況だ。

「左にもたれる面はありますが、いずれ重賞を獲れる力はあります」

 レース後、そう話した横山武騎手。もちろん、純粋にプリンスリターンを評価した言葉であることは間違いないが、元主戦の原田騎手にとっては複雑な感情で受け止めざるを得ない言葉だろう。

 果たして、原田騎手は意地を見せることができるか。“元相棒”の奮闘に触発されるような逆襲を期待したい。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

丸美屋「麻婆豆腐の素」が圧倒的に売れる理由…発売50年、シェアは驚異の5割

「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画や著作も多数あるジャーナリスト・経営コンサルタントの高井尚之氏が、経営側だけでなく、商品の製作現場レベルの視点を織り交ぜて人気商品の裏側を解説する。

 食品メーカーや飲料メーカーを取材しながら「日本の食生活」を調べると、「高度成長期に定着した飲食は強い」と感じることが多い。

「外食」では、ハンバーグやステーキ、カレーなどがそうだ。和食の人気も高いが、いずれも時代とともに味・中身が進化しており、こうした定番メニューを駆逐するほどの新ジャンルはほとんど出てこない。

 自宅での食事をさす「内食」はどうだろう。コメ離れの一方でパンや麺類を食べる機会が増えており、小売店ではさまざまな商品が並ぶが、やはり定番が強い一面がある。簡単・便利なレトルトや、パック入り味付けの食品も多種多様だ。

 今回はそのなかで、内食でつくる「麻婆豆腐」(ソース)に注目してみた。家庭向けに浸透させたメーカーの商品が発売50周年になると聞いたからだ。

 現在でも売れゆきは堅調という。どんな取り組みで消費者と向き合っているのか。トップブランドを取材しながら考えた。

半世紀の間、味の基本は変えていない

「丸美屋の『麻婆豆腐の素』は、1971年に発売されました。現在も麻婆豆腐市場では約50%を占めています。発売50周年を記念した商品『黄金の麻婆豆腐の素』『黒麻婆豆腐の素』も、2022年3月31日までの期間限定で販売中です」

 新井信吾さん(丸美屋食品工業 マーケティング部 中華即席チーム係長)は、こう話す。

 ひき肉などの具材が入っており、基本的に豆腐を用意すれば簡単な調理で仕上がる「麻婆ソース」市場は、たとえば「Cook Do」(味の素)や「理研ビタミン」「新宿中村屋」といった競合がある。そのなかでも半数のシェアを持つのは、不易流行(時代とともに変えること・変えないこと)を意識した施策が見逃せない。

「発売以来、商品の基本はほぼ変えていません。過去にうまみとコクを高め、ひき肉を増量したことはありますが、消費者が求める味の世界観を維持してきました」(同)

 たとえば味付けへのこだわりは、大きく次の3点に分けられる。

(1)「鶏がらスープの旨みとこだわりの醤(ジャン)」

(2)しょうがとニンニクの風味を効かせた、ねぎ入りのトロミ粉で「食欲をそそる香り」

(3)厳選したでん粉を使用した「絶妙なトロミ」

 そして、「2回分入り」も発売時から変わらない。

 昨年の“巣ごもり特需”の反動で今年は対前年割れだが、2019年比では104%だという。

簡便だが「ちょい足し」をする消費者が多い

「中華料理店とは違う家庭の味」という「麻婆豆腐の素」のつくり方は、次の通りだ。

市販の豆腐を細かく切る。同封のトロミ粉を水で溶く(トロミ粉液)。

→フライパンに麻婆豆腐の素(1回分)、水180ml、豆腐を入れて火をつけ、軽く混ぜながら煮立ちさせる。

→いったん火を止め、トロミ粉液をかき混ぜてから入れて全体を混ぜ合わせる。

→再度火をつけ、中火で全体を混ぜ合わせながら煮込み、トロミがついたら火を止める。

 今回、筆者も久しぶりにつくったが、簡単だった。「何かを足す」消費者も多いようだ。

「別に用意したひき肉を足したり、ねぎや春雨を足したり、ご家庭によってそれぞれ味が違うと思います。片栗粉を用意しなくてすむのも消費者からは好評です」(同)

 50年の歳月では、消費者もどんどん代替わりしたはずだ。

「多くの人は、子どもの時にご家庭で食べる味が最初です。子どもが幼い頃は『甘口』で、小学校高学年ぐらいから『中辛』に移るケースが多いようですね。大人になってからも『あの麻婆豆腐の味』と思い出していただく方も多い。調理が簡単なので、1人暮らしをする男性にも支持されています」(同)

 ここまで浸透したのは、日本人になじみ深い豆腐を使う、簡単にできる、多くの人に受ける味、という要素が大きいのだろう。好みによってはラーメンにかけるなど汎用性も高い。

発売当時は「知らない味」に苦戦

 丸美屋食品は、ふりかけで有名だ。なかでも「のりたま」は長年トップブランドで同社の大黒柱。昨年で発売60周年を迎えた同商品に次ぐ柱として、「麻婆豆腐の素」が開発された。

「麻婆豆腐の素の前年に『とり釜めしの素』が発売されてヒット。その勢いに乗って開発されました。世の中もレトルトカレーやインスタントラーメンが浸透した時代でした」(同)

 市販のレトルトカレーは「ボンカレー」(大塚食品、1968年発売)が最初で、即席麺は「チキンラーメン」(日清食品、1958年)によって広まり、1960年代後半には現在もロングセラーの袋麺ブランドが誕生していった。そんな時代の1971年に発売したが……。

「発売当初『麻婆豆腐の素』は苦戦しました。主な理由は、当時なじみのない料理だったこと。麻婆豆腐はまだ一部の高級中華料理店でしか取り扱っておらず、町中華のメニューにない時代で、大半の人には未知の味だったのです」(広報宣伝室課長・青木勇人さん)

 当時の開発スタッフが首都圏の団地を1戸ずつ訪問して無料サンプルを手渡すローラー作戦や、小売店への地道な営業活動を行った。転機は2年後の「オイルショック」だった。

 原油価格の高騰からさまざまな噂が流れ、「日用品が買えなくなる」とパニック状態になった消費者が小売店に殺到した。トイレットペーパーや洗剤の買い占めが有名だが、その影響で食品在庫もさばけ、麻婆豆腐の素も売れた。これが全国各地の人が味を知る一因となった。日本の麻婆豆腐は家庭から浸透し、「身近になったのは1980年頃から」だという。

時代に合わせて「甘口」「辛口」「大辛」を投入

 味の基本設計は変わらないが、時代とともに消費者の好みは変わっていく。

「近年では2017年頃から『マー活』と呼ぶブームが起き、麻(マー)のしびれるような辛さを楽しむ消費者が増えました。当社でも花椒を効かせた本格的な味わいの『贅を味わう 麻婆豆腐の素』が売れています」(新井さん)

 同社の味のバリエーションを時系列的に紹介すると、発売時は現在も一番人気の「麻婆豆腐の素(中辛)」のみで、1970年代に「甘口」(1978年)、「辛口」(1979年)を発売。ここから34年ぶりに「大辛」(2013年)を追加投入している。2019年には「鶏しお味」も発売されたが、まだ一般にはなじみが薄いようだ。筆者の仕事関係者に麻婆豆腐の感想を聞いた際、多くの人から「鶏しお味があるのですか」と驚かれた。

 また、派生商品として「麻婆茄子の素」(あっさりみそ味/こってりみそ味)「麻婆白菜の素」「麻婆キャベツの素」「麻婆もやしの素」を展開している。以前はふりかけチームでマーケティングを担当した新井さんは、中華即席チームに異動すると、自分で一通りつくってみた。

「実は、麻婆味は何にでも合い、食材に合わせてそれぞれ味を変えています。もちろん好みは人それぞれですが、個人的には茄子と麻婆は相性がいいな、と感じました」

消費者の「めんどくさい」にメーカーはどう向き合うか

 少し引いた視点で考えると、近年の消費者心理のキーワードには「めんどくさい」もある。

 たとえば、即席麺では袋麺よりもカップ麺を好み、即席カレーではルーよりもレトルトを好む。1人暮らしが最多世帯となるなど家族形態が変わり、家族と同居していても食事時間や味の好みが異なるという側面もあるが、それだけではないだろう。

 カレールーでは、別の取材で「調理時に野菜を切って煮込むのではなく、市販の野菜ジュースで味付けする消費者も増えた」という話も聞いた。「時短」「効率性」重視だが、「面倒を減らす」行為でもある。こうした時代性に、メーカーはどう向き合っているのか。

「たとえば、当社には『セット米飯』と呼ぶカテゴリーがあり、売れゆきは好調です。ごはん+具材入りソースで、中身を米飯の上にのせてレンジでチンするだけで出来上がります」

 18種類あり、「麻婆丼」は「ビビンバ」「とり釜めし」に次ぐ売れゆきだという。「消費者にとってレンジは調理器具」と聞いたのは10年ほど前だろうか。今や当たり前となった。

なぜ日本の消費者は、何かをかけたがるのか

 ふりかけや麻婆豆腐の素など、白いごはんに何かをかける食文化を浸透させてきた同社に、あえて哲学的な質問もしてみた。なぜ日本の消費者は、何かをかけたがるのだろうか――。

「食生活の多様性もあると思います。その昔、白いごはんが“銀シャリ”と呼ばれて高級品だった時代は、何かをかけるという人は少なかったですが、今はカレーライスやカツ丼、当社の商品でいえば、ふりかけやお茶漬けなども一般的です。お子さんも白いごはんよりも何かをかけたものを好み、学校の米飯給食でも白飯だけを出すことが減っています」

 簡単・便利の延長で、皿の数が少なくてすむという意識もあるようだ。食器洗いが面倒なだけでなく、水やお湯を使う量が減るので環境にもやさしいといえる。

1人世帯向けへの訴求をどう考えるか

 麻婆豆腐の素の今後の課題は何だろうか。

「さらに消費者意識と向き合うことだと思います。将来的には、1人世帯がより増えると予想されます。そうした小口の需要にどう訴求するか。麻婆豆腐への愛着は世代を問わずに強いので、今から51年目に向けて、着手していきたいですね」

 実は、一番売れるのは1月。「おせち料理が終わった時期」だというのも興味深い。

 冒頭で記した「高度成長期に定着した飲食」も、歴史にあぐらをかくと淘汰される時代だ。志の高いメーカーの開発現場には、「新商品は発売時から改良対象」という認識もある。移り気な消費者とどう向き合うか、今後の取り組みも注視したい。

(文=高井尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

高井 尚之(たかい・なおゆき/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

1962年生まれ。(株)日本実業出版社の編集者、花王(株)情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。出版社とメーカーでの組織人経験を生かし、大企業・中小企業の経営者や幹部の取材をし続ける。足で稼いだ企業事例の分析は、講演・セミナーでも好評を博す。近著に『20年続く人気カフェづくりの本』(プレジデント社)がある。これ以外に『なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?』(同)、『「解」は己の中にあり』(講談社)など、

離婚の理由は“母乳”?驚愕した離婚裁判の一部始終…不倫夫の“想像を絶する”身勝手な主張

 平成生まれは知らないだろうが、昭和の時代に女性が赤ちゃんにあげる母乳について「赤ちゃんのもので、パパのものではない」といった内容の歌謡曲が大ヒットとなった。小学生は無邪気だから、外で大声を張り上げて競い合う光景があちこちで見られるほどのブームとなった。

 それが半世紀を経た令和の時代に、神聖な法廷で論じられることになるとは――。

 ある日、筆者は出向いた場所の近くにあった地方裁判所に、軽い気持ちで入った。その日に開廷される裁判を調べるには、入り口付近にある機械を操作して法廷の場所を確認する。開廷時間、訴えの案件名、原告などが横一列に表記されている。閲覧しているうちに、離婚に関する裁判が目に留まった。

 離婚で夫婦間の話し合いがうまくいかない場合は、弁護士に依頼して協議離婚をしたり、家庭裁判所の調停で解決を求めることが多い。調停が不和に終わった場合、裁判になるのが一般的だが、いきなり裁判を起こすこともある。夫婦間で裁判になる場合は、すでに感情の亀裂は決定的だと考えるのが普通だ。

 筆者が傍聴した法廷内はこぢんまりとして、裁判長ひとりと1段下に書記官がひとりいた。原告は妻、訴えられているのは夫とその愛人で、3人は同じ会社に勤務していた。驚いたことに夫には妻と結婚する前から婚外子がひとりいた。結婚する直前に夫は妻にそのことを告白。衝撃を受けた妻は家族に相談した。当たり前だが、妻の両親は激怒し、娘に別れるように迫った。しかし、娘の説得に根負けし、結婚を認めることになった。

 夫はそれまで認知もせず、養育費も払っていなかったため、両親は弁護士に相談を持ちかけ、結局、婚外子を認知することになり、社会人になるまで養育費を支払うことになったものの、妻の猛反対で夫からの面会の申し出は認められないことにしたという。

 大波乱で幕を開けた結婚だったが、夫婦は共に有名企業の支店勤務だったため、妻は結婚を機に退社した。夫は妻に優しく、妻は永遠の愛を疑わない日々が1年ほど続いた。両親もそんな二人をみて、安心をするようになった。

夫の不倫で体調を崩した妻

 結婚直後、夫の職場に愛人が転職してきた。世間の妻が夫の浮気を疑うきっかけは、「帰りが遅くなった」「何か隠し事をしている」などと、夫の変化に気づくことだが、この夫は違った。夫は妻に愛人と関係ができたことを告白した。「黙っていることが心苦しい」というのが理由だ。愛人も愛人で、職場の他の男性たちとの関係を彼に打ち明け、夫はそれを妻に話した。

 浮気を知った妻は激怒したり、悲しみにくれたりすることが普通だが、この妻は嘆き悲しみながらも「もっと妻として努力する。愛人とは別れてほしい」と夫に言い、家事に育児にこれまで以上に打ち込んだ。しかし、夫は愛人との関係をやめなかった。

 やがて、妻は食事もとれなくなるほど体調が悪化した。両親は娘の体調と子供の育児を心配して、実家に呼び寄せた。

 あろうことか夫は妻との共同名義の家に、愛人を呼び寄せた。そのことを知った妻は、うつ病を発症するほどになった。悲しみに暮れる娘を見かねた両親が、弁護士に相談して、慰謝料請求の裁判を起こしたのだった。

 裁判では、夫が初めて愛人と肉体関係を持った日や、愛人との毎月の回数まで暴かれていく。証言台の妻は、立つのもやっとという状態だったが、親族の目の前で別居までの間に夫との肉体関係の回数も聞かれる。夫はそんな妻に「お前は愛人と違って肉体関係を持っても気持ち良くない」と吐いて捨てるように言い放ったという。妻は消え入りそうな声で「子供も生まれたばかりで、夫は絶対に戻ってくると信じていた」と泣き崩れた。妻の小刻みに震える後ろ姿は見ていられないほどだった。

 妻の必死の訴えに、一度は愛人との別れを決めた夫だったが、愛人に別れを告げに行ったその日のうちに再び関係を結び、そこからズルズルと関係を続けた。夫は、妻が深く傷ついていることに気がつかなかったと言い、愛人も「悪いとは思ったが、彼が『大丈夫』と言ったので、いいんだと思った」と証言した。

 夫は給料から婚外子と妻に生活費を振り込み、住宅ローンの支払いもあり、手元には小遣い程度しか残らないと訴え、愛人は社内で「誰とでも寝る女」と評判になりだしたために退職し、今は新しい企業に勤め、彼を養っていることを主張した。

「僕に断りもなかったことが、それが今でも許せない」

 妻は、ものすごく真面目で恋愛経験も少なかったのではないか。よく離婚を切り出されると、「自分に悪いところが」「自分が変われば」と思う人は少なくない。妻はそんな性格なことに加え、子供には父親が必要だと考え、耐えたのだろう。そんな妻の心の傷にも思いを馳せることもなく、さらに愛人まで手に入れたのだから、夫は「俺ってモテ男かも」と大いなる勘違いをしたのかもしれない。

 浮気に走った理由も自己中心だ。妻が新婚当時、同僚たちと会社帰りに語学レッスンに通っていたことをあげつらった。夫は妻が浮気をしていると決めつけていたのだ。

 そして、夫が法廷で語った離婚理由が驚愕するものだった。

「出産後の母体を気遣って、『ミルクと併用していい』と言ったのに、妻は母乳にこだわった。体調を崩した妻に医師が母乳との併用を勧めて、妻は併用をスタートさせた。僕に断りもなかったことが、それが今でも許せない」

 今でもこんなことを言ってのける男がいるのだ。完全なモラハラではないか。夫は、妻が赤ちゃんに母乳かミルクのどちらを飲ませるのかを決める権利は自分にあると主張しているのだ。しかも、夫は育児をほとんどせず、別居後は子供に会いたいとの申し出もない。

 判決はもう少し先になるようだが、考えようによっては“歴史的な判決”となるかもしれない。

 ちなみに、愛人が関係を持った男たちのことを法廷で実名告白したことで、男たちの実名が裁判記録に残されることとなった。恐らく本人たちは、まったくそのことを知らないだろう。

(文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表)

※プライバシー保護のため、登場人物の設定を一部変更しています。

●鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表

出版社勤務後、出産を機に専業主婦に。10年間のブランク後、保険会社のカスタマーサービス職員になるも、両足のケガを機に退職。業界紙の記者に転職。その後、保険ジャーナリスト・ファイナンシャルプランナーとして独立。両親の遠距離介護をきっかけに(社)介護相続コンシェルジュ協会を設立。最近では離婚相談も多い。企業の従業員の生活や人生にかかるセミナーや相談業務を担当。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などでも活躍。

「マーガリンは健康に悪い」は昔の話? トランス脂肪酸の量はバターのほうが多い?

 味わいはあまり変わらない印象のバターマーガリン。料理をつくる際、少々割高なバターの代わりにマーガリンを使う人も多いだろう。

 そんなマーガリンだが、「マーガリンはバターよりトランス脂肪酸が多く含まれているため健康に悪い」といったイメージがあるのも事実。しかし「最近のマーガリンは改良されている」「むしろマーガリンはバターよりトランス脂肪酸が少なくなっている」といった声も聞こえてくる。

 実際のところ、マーガリンはバターより体に悪影響を及ぼすのか。今回は株式会社Luce(ルーチェ)の代表取締役で管理栄養士の望月理恵子氏に話を聞いた。

2010年頃までのマーガリンにトランス脂肪酸が多かったのは事実

 そもそもトランス脂肪酸とは、どういったものなのだろうか。

「トランス脂肪酸とはマーガリンの調理過程で発生する、脂質を構成している成分である脂肪酸の一種のことです。これは、悪玉コレステロール値を上げ、善玉コレステロール値を減らす働きがあるといわれています。

 日本人の多くはもともとトランス脂肪酸の摂取が少ない傾向にあるため、そこまで気にする必要はないのですが、多量に摂取してしまうと、血管が狭くなったり血栓ができたりと、いわゆる動脈硬化の引き金にもなるともいわれています。それが原因で狭心症、心筋梗塞といった病気、冠動脈性心疾患や、糖尿病のリスクを高める場合もあるため、トランス脂肪酸を多量に摂取しないよう注意が必要なのです。

 2002年に開催された『食事、栄養及び慢性疾患予防に関するWHO/FAO合同専門家会合』の報告書で、トランス脂肪酸が冠動脈性心疾患のリスクを高める確実な証拠があるということが語られ、その後もトランス脂肪酸にはメタボリックシンドロームや糖尿病など、さまざまな疾患のリスクを高めることが立て続けに発表されたことがありました。

 そして、2010年頃までに製造されていたマーガリンのなかには、実際15〜20%という、かなりの高数値でトランス脂肪酸を含んでいるものがあったのも事実です。そういった時代があったため“マーガリン=体に悪い食品”という印象がついたといっても過言ではないでしょう」(望月氏)

トランス脂肪酸がかつての15分の1以下…だが栄養面でバターに敵わず?

 2010年頃まではトランス脂肪酸を多く含んでいたというマーガリンだが、望月氏曰く、その認識はすでに過去のものだという。

「驚かれるかもしれませんが、現在販売されているマーガリンのほとんどは、企業努力によってトランス脂肪酸の含有量が1%前後まで低減されているんです。むしろ、バターのトランス脂肪酸含有量は平均で3.3%なので、今やバターのほうがマーガリンよりトランス脂肪酸の含有量が多いものがあるというわけです」(望月氏)

 現在の改良されたマーガリンには、トランス脂肪酸の代わりにパーム油やヤシ油、飽和脂肪酸が使われているとのことだ。

「パーム油とは主にポテトチップスやパンなどの加工食品に含まれている、アブラヤシという木の実から得られる植物油のことで、ヤシ油とはいわゆるココナッツオイルのことです。そして飽和脂肪酸とは牛脂などに多く含まれているもの。いずれもマイナス面が報告されているトランス脂肪酸に比べれば、過剰摂取しない限り問題はない成分といえますね」(望月氏)

 では、現在のマーガリンは栄養面や健康面でバターに匹敵し、むしろより健康的だといえるということなのだろうか。

「そう簡単にいえるものではないのです。このトランス脂肪酸の数値に限っていえば、確かにバター以下のマーガリンが大半になっています。しかし、そもそも牛乳と食塩でつくられるバターと、植物性油脂や動物性油脂からつくられるマーガリンでは栄養面がまったく異なります。ですから、そもそもバターとマーガリンは、コーヒーと紅茶を比較するというぐらい、成分がかけ離れているのです」(望月氏)

バターとマーガリン、それぞれのメリットとデメリット

 バターとマーガリンの味や栄養・健康面には、それぞれどんなメリットとデメリットがあるのかも聞いておこう。

「バターは基本的には牛乳と食塩のみでつくられているので、風味やコクはマーガリンより上といっていいでしょう。またビタミンAを多く含んでいるので、肌や粘膜を健康に保ち、細菌に対する抵抗力を高めてくれます。ですが一方で、その値段の高さ、酸化のしやすさ、マーガリンよりもコレステロール値が高いなどのデメリットも存在します。

 一方のマーガリンは、あっさりとした風味や冷やしてもカチカチに固まらない利便性、そして改良によってトランス脂肪酸の低さはバターより優れているもといえますね。けれど主として液体の植物性油脂を使っており、そのまま冷やしても硬化しないため、乳化剤などを使用しているのです。この乳化剤が一概に健康被害につながるわけではありませんが、なかにはアレルギー被害を呼んでしまうものもあるため、注意は必要でしょう」(望月氏)

 近年のマーガリンは、健康被害につながるとの指摘もあるトランス脂肪酸が激減するという進化を遂げていた。だが、だからといってバターよりマーガリンが優れているということでもないようだ。料理の場面やお財布事情で賢く使い分けるといいだろう。

(文・取材=A4studio)

コア視聴率重視の日本テレビが『笑点』を終わらせない本当の理由とは?

「コアターゲット」「コア視聴率」……。それまで聞き慣れなかった名称が一気に広まったのは、今年6月、ダウンタウン・松本人志がツイッターで言及したことがきっかけだった。

 同月12日に放送された『キングオブコントの会』(TBS系)の世帯視聴率を報じるネットニュースに対し、2日後の14日にツイッターで「ネットニュースっていつまで“世帯”視聴率を記事にするんやろう?その指標あんま関係ないねんけど。。。」と異論を唱えたのだ。

 その約5時間後、松本は「補足」として、再び「コア視聴率が良かったんです。コア視聴率はスポンサー的にも局的にも世帯視聴率より今や重要な指標なんです。そのコア視聴率が3時間横並びでトップやったんです」と投稿した。

『キングオブコントの会』は世帯視聴率でいえば6.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だったが、個人視聴率は4.1%だった。

“コア偏重”で時代劇は永久追放?

 ただ一口に“コア視聴率”といっても、その層の範囲や呼称は各局によって違う。フジテレビは男女13~49歳を「キー特性」と呼んでいるし、TBSは男女4~49歳を「新ファミリーコア」と定義し、視聴者の若返りを図っている。30年以上続いていた『噂の!東京マガジン』を4月からBS-TBSに移行させたのは、その象徴的な事件だろう。

 また、男女13~59歳を「ファミリー層」と呼んで重点ターゲットにしているテレビ朝日も、46年続いた『パネルクイズ アタック25』を9月末で終わらせている。

 この概念をいち早く取り入れ、主流にしたのは日本テレビだが、同局では男女13~49歳を「コアターゲット」と呼んでおり、その偏重は強まっている。たとえば、2022年に30周年を迎える旅番組『ぶらり途中下車の旅』。

 以前まで同番組のリポーターとして出演していたのは、なぎら健壱(69歳)、太川陽介(62歳)、さらに金子昇(47歳)といった男性の旅人が多かった。また、女性の旅人としては、もっぱら元フジテレビアナウンサーの小島奈津子が出ていたが、今年8月14日には峯岸みなみ、10月30日には神田沙也加、11月13日には高橋ユウと、若い女性の登場回が多くなっており、視聴者の入れ替えを図っているように見える。

「すでにそれぞれシリーズは終了していますが、『水戸黄門』(TBS系)や『暴れん坊将軍』(テレビ朝日系)といった、ゴールデンの定番だった時代劇も今や風前の灯火。各局がこぞって生放送でオンエアしている長時間にわたる大型音楽番組でも、演歌歌手の出演はごくわずかです。厚生労働省の施設等機関である国立社会保障・人口問題研究所の推計では、3年後の2024年には初めて50歳以上の人口が5割を超えるというスーパー高齢社会の到来が予測されていますが、その巨大マーケットを地上波はみすみす捨てていることになります」(テレビ局関係者)

意外にコア視聴率も高い『笑点』

 そんな変化を余儀なくされるテレビ業界にあって、ほぼ無風状態と言っても過言ではないのが『笑点』(日本テレビ系)だ。1966年5月15日にスタートし、今年で55周年を迎えた、日曜夕方の大長寿番組だ。日常にも溶け込んでいる「座布団1枚!」というフレーズはこの番組が発祥で、もちろん「大喜利」の元祖的番組でもある。

 今や、いかに早く本編に入り、視聴者を食いつかせるかに知恵と工夫を凝らすテレビ業界にあって、オープニングのテーマ曲が長々とかかり、着物を着た出演者が順々に登場し、座布団に正座し、うやうやしくあいさつをするというフォーマットは、この番組を置いて他にはない。ユーチューブで育っている若者の視聴率を心配してしまうが、それは杞憂だという。

「たとえば11月7日放送の視聴率は世帯13.3%で、個人7.6%。そしてコアは3.4%と、予想以上の数字を残しているのです。しかも、このコア視聴率は続く『真相報道 バンキシャ!』の3.8%と遜色ない(世帯13.1%、個人7.8%)。他の週も3~4%は確実に獲得しています。他局では『アタック25』や『東京マガジン』などの長寿番組が撤退する中で、これは稀有な例と言えます。

 ちなみに10月24日は世帯13.1%、個人8.5%。M3(50歳以上男性)層が13.7%と圧倒的なパイを占めるものの、M1(20~34歳男性)は3.1%、M2(35~49歳)も4.7%と、壊滅的な数字ではない。さらにF1(20~34歳女性)は2.6%ですが、F2(35~49歳女性)は5.7%と高視聴率なのです。なお、F3(50歳以上女性)は 13.0%となっています。ちなみに、コア層をがっちりつかんでいる『スクール革命!』の同月24日も、F2=6.1%でした(世帯6.7%、個人3.8%)」(同)

時代に取り残されながら100年続く番組に?

『笑点』は5代目司会者として活躍した桂歌丸が2016年に勇退し、6代目に春風亭昇太が就任した。それに伴い、林家三平が10年ぶりの新メンバーとして加わったが、それ以外の面々は不変だ。それなのに、いったいなぜここまで幅広い層に受け入れられているのだろうか?

「まずは、幼少期に祖父や祖母と一緒に見ていたという、連綿とした歴史が強い。成長していくにつれて番組から離れていくが、ある年齢になると、その良さにもう一度気づくという、遺伝子レベルで刷り込まれているプログラムと言えます。さらに、幼い子どもにもわかりやすい。色分けされた着物を着て、キャラが際立った噺家たちが珍妙な回答をし、座布団をあげたり取られたり……。

 そして、昭和、平成、令和と時代が変わっても、ほとんど何の手も加えてこなかった番組が、かえって新鮮に映るのでしょう。無形文化財的なレア感というか、その特異性が逆に人を惹きつけるわけです。歌丸の勇退後、史上最年少司会として昇太が抜擢された理由は、番組が100年続くことを目論んだからとも言われていますが、それもまったくの絵空事とは言えないかもしれません。時代に取り残されたレトロ感は、時を経るにつれて、ますます輝きを増していくはずです」(同)

 もちろん、今に至るにはさまざまな試練や試行錯誤があったという。古参のファンには知られた話だが、初代司会の立川談志がブラックな答えを歓迎することに反発した当時のメンバーが全員降板したり、当初は座布団に座ったままのオープニングだったものの、事前に打ち合わせした感が強く動きがないということで、4代目司会の五代目・三遊亭円楽のときから音楽に乗って登場するようになった、など。また、時事ネタや流行語をお題に取り入れるなど、常に新鮮に映るための工夫もしてきたことだろう。

 いずれにしても、コアターゲットを追い求める日テレの“最後の良心”とも言える『笑点』は、次の50年も見据えている。

(文=編集部)

難しい割り算も瞬時に回答!? 霜降り明星・粗品が「パチンコ算」を提唱

 絶対音感を持ち、自身の音楽レーベルを設立。お笑い芸人だけでなく多方面で活躍する霜降り明星の粗品は、大のギャンブル好きでも有名である。

 自身の公式YouTubeチャンネル「粗品Official Channel」では、「スタインウェイでミリオンゴッドのGOD揃い音弾いてみた」や「借りた金でパチンコ負けた時の歌」といった演奏動画のほか、「お前絶対パチンコ屋で働いてた事あるやろ」「海物語でリーチが来た時のおばあちゃん」「メダル貸出ボタンを、リール止める流れで腹立ちながら押す人間」など、パチンコ・パチスロ好きならば思わずクスリと笑う「あるある」ネタも投稿。

 どれも数秒の短尺ながらも高視聴回数で、この中でも、とりわけ視聴されているのが「パチンコ算~リンゴの割り算編~」と題した動画だ。

「簡単な文章問題です」とのひと言で始まる当動画では、粗品が「リンゴが1500個ありました」「これを4人で均等に分けるとして、一人あたり何個リンゴを貰えるでしょう?」といった問いを出題。その後、単純に「1500÷4」の式を示し、この計算には「数秒かかるでしょ?」とカメラ目線で続けた。

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 その理由として「15が4で割り切れない」ことを挙げ、実際にホワイトボードを使って筆算で計算。数回繰り返す4で割る作業に「時間がかかる」とし、粗品は、そんな時に活用できるのが「パチンコ算なんですよ」と説明した。

 まずは問題を変換し、1500個のリンゴを1500円、その1500円を持って「4円パチンコに行きました」と粗品。「パチンコは500円ずつ貸玉のボタンを押す」と前置きの後、これに限っては1500円分を全て玉に変えると「何発出たでしょう?」とし、すぐさま「375発でしょ」と答えた。

 粗品曰く、これが「パチンコ算」だそうで、パチンコに置き換えると「考えなくても出るでしょ」と断言。何故なら、パチンコをしない人でも「1000を4で割ると250」というのが「常識的にある」と同じように、パチンカーには「500÷4=125」という貸玉数も覚えているからだそうだ。

 このパチンカー特有の常識を応用し、次は「23500個のリンゴを4人で分ける」といった問題も瞬時に回答。ただ、これには「落とし穴がある」そうで、パチンカーにとっては「これが答えではない」「その時点で帰る奴は居ない」「絶対に打つんです」とし、結局、どちらも答えは「0」になるとのオチまで付けた。

 パチンコにドハマりした人間だからこそ染み付いた感覚。このパチンコ算は、意外と活用できるのではなかろうか。

JRA ジャパンC(G1)はハズれても大丈夫!? 35分後の京阪杯(G3)で「一発逆転」目指せるとっておきの“大穴”

 28日、東京競馬場でジャパンC(G1)が行われる。

 日本ダービー、有馬記念と並ぶJRAの一大レースだけあって、多くのファンが馬券を購入すると思われる。

 仮に、馬券が的中すれば少し贅沢をしてみようか、など様々な皮算用が頭をよぎるのが競馬の魅力。その一方で、もしハズれてしまっても「最終レース」で取り戻そうとするのが競馬ファンの性でもある。

 しかし、今年のジャパンCは東京12R。つまり、ジャパンCそのものが最終レースなのだ。

 これでは「最後の一発逆転」のチャンスがない……。と、思ってしまうが、我らの日本中央競馬会様はしっかりとジャパンCの負けを挽回させる「機会」を与えてくれる。それがジャパンCの35分後に発走となる、阪神12Rの京阪杯(G3)だ。

 例年京都競馬場で行われるレースだが、京都競馬場が改修工事中であるため今年も阪神開催となる。それはさておき、京阪杯は例年「荒れる」レースとして知られている。

 後のG1馬ダノンスマッシュが快勝した3年前は、2着・3着に2桁人気の馬が食い込んで3連単54万円の波乱に。さらに4年前の17年は9番人気→6番人気→14番人気で決まって、3連単167万円の帯封決着となっている。昨年は3番人気と1番人気と上位2頭は堅かったが、3着に12番人気のジョーアラビカが入って3連系の配当が跳ねている。

 そんなこんなで伏兵馬のマークが欠かせないレースだが、今年ぜひ推奨しておきたい馬がラヴィングアンサー(牡7歳、栗東・石坂公一厩舎)だ。

 27日14時現在で単勝人気がブービーの「大穴」だが、実績はメンバー上位。重賞勝ちこそないが、リステッド・オープン特別を合わせて3勝している。阪神1200mの実績も十分で、昨年同舞台で行われたタンザナイトS(OP)で追い込み勝ちしている。

 追い込み一辺倒の脚質であるため、今の阪神芝コースは合っていると考えられる。現在の阪神の芝は、8週開催最終週のAコースを使用。連続開催による芝への傷みが内の馬場を中心に見られるため、外の馬場が伸びる傾向にある。それゆえ追い込みが決まりやすい馬場であるため、ラヴィングアンサーにとって願ってもない馬場と言える。

 前走のスプリンターズS(G1)で大敗しているため、状態面などが懸念されるが、その心配は杞憂に終わりそうだ。24日の最終追い切りで栗東坂路の自己ベストタイムをマークしており、7歳ながら今が絶頂期と言えそうだ。

 また、今回初めてブリンカーを着用する予定だ。ブリンカー装着によってレースへの集中力が増すようならば、オープン3勝を上げた自慢の末脚に更に磨きがかかるはず。

 今回の逃げ馬候補は何頭かいるが、鞍上は積極果敢な若手騎手が目立つ。先行争いが激化すれば、なおよし。岩田望来騎手とラヴィングアンサー、そして石坂厩舎のJRA初重賞制覇に期待したい。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……