パチンコ店「高稼働時の注意事項3選」…大胆不敵な犯行を行う極悪人も!?

 元パチンコ店店員「ミリオン銀次」でございます。

 先日、忙しくなった状況におけるミスを紹介させていただきました。人は冷静な判断ができなくなった時に、大きなミスを犯してしまうもの。私の場合は、隣のお客様の別積みされたドル箱も全てジェットに流してしまうという…大失態を犯してしまったのでした。心の優しいお客様で笑って許していただけたのですが、今でも申し訳ない気持ちで一杯でございます。

 何故あのような失態を紹介したかと申しますと、「ホール店員のミス」によって思わぬ事態が起きてしまう可能性もあるということをお伝えしたかったからです。皆様にも、交換する際は気を付けていただきたいということだったのですが…。

 今回お話させていただくのは、ホールが混み合っている状況で気をつけていただきたい内容です。好稼働に乗じて悪事を企てる輩が現れるケースもあるのです。

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 ちょっとした気の緩みが原因で、思わぬ被害に遭ってしまう…そんな可能性もゼロではありません。私がホール店員時代の実体験をもとに、好稼働のパチンコ店で「注意するべき3点」をご紹介したいと思います。

【ちょっとの油断が命取り!?】

 ホールには遊技目的ではなく、窃盗するためだけに来店する不届き者も少なからずいます。実際に、私が勤めていたホールではこのような事例が何回か体験したことがあります。

 特に印象に残っているのはサンドのICカード泥棒。お客様がジュースを買いにいった一瞬の隙をついて、残高7000円のICカードが盗まれるというケースがありました。

 カメラで確認してみると、犯人はレストコーナーで待機→数分後にホール徘徊という行為を繰り返している姿を確認。その目線は台ではなく、常にサンドへ向けられていたのです。

 このように台を打つ気配もなく、ただただホール内を徘徊するという人物がいたら注意が必要。もちろん打つ台がなくて探し回っている人もいると思いますが、席を離れる際には財布やICカードなどの貴重品は持ち歩くようにするのが最善といえるでしょう。

 こういった事例が起きるのは好稼働の日が多かった印象です。ターゲットが多く、ホール店員も対応に追われているため監視の目が届きにくい状況。悪事を企てる輩にとっては、かっこうの狙い目となっているのかもしれません。

【狙われているのは貴重品だけではない!?】

 先述したように財布やICカードなどの貴重品が盗まれるというケースは、よく聞く話だと思います。ただ、悪人の中にはそれ以外を標的としている場合もあるのです。

 それは「出玉」で、パチスロであればメダル、パチンコであれば玉を横取り。交換してそのまま店外へ逃亡するという大胆不敵な悪事を実行する極悪人も存在します。

 これは非常に稀な例ですが、可能性はゼロではありません。実際に、私の勤め先でも同様の手口で出玉を盗もうとしたアジア系外国人2人組が現れたことがありました。

 この時期は近隣店舗で同様の被害が多発。スタッフも警戒しながらホールを巡回していました。別積みされていたドル箱を運び出そうとしたところを捕え、被害を阻止することができたのです。

 これも先述したケースと同じく、ゴールデンタイムとなる高稼働のタイミングで起きた一件。盗まれる可能性はかなり薄いですが、別積みするほどの出玉を獲得した際は気にかけながら遊技したほうがいいかもしれません。

【お客様同士の思わぬトラブル】

 最後は少し内容が違いますが、高稼働のホールで起きやすいエピソードをご紹介させていただきます。お客様が多く来店されると、時に「思いもよらぬトラブル」が発生することも少なくありません。

 先述したような盗難系もそうですが、お客様同士のトラブルも起きやすくなってしまうのです。口論が勃発してしまうのも避けたいところですが、ヒートアップしてしまった方の場合は「取っ組み合い」に発展するケースもあります。そうなると警察への連絡をも考えなくてはならなくなるわけですが…。

 本件は“その可能性”を感じてしまったエピソードでございます。

 ある日ホールを巡回していると、お客様から「客2人が揉めてるぞ!」という報告がありました。現場に向かってみると、そこには男性のお客様2名が口論している姿を確認。まさに一触即発の状態で、周りの方々も怖がりだしていたのです。

「このままでは大乱闘が起きる!」と感じた私は、慌ててお二方の仲裁に入ったのでした。

 話を聞いてみると一人のお客様は「こいつが打っていた台を横取りした」と怒り心頭な様子。「台に残していた出玉も勝手に使われた」というのです。

 事実だとすれば許されることではありません。しかしながら、この時点で判断するのは軽率。当然、相手からも事情を伺わなければなりません。その方を落ち着かせるように、言葉を選びながら丁寧に質問したのでした。

 すると、その方から発せられたのは「ありもしない言い掛かりをつけられている」という言葉。「あのオッサン絶対勘違いしている」と、苛立ちを隠せない様子で私に訴えてきたのです。

 どちらかが嘘をついているのか。それとも…。

 とりあえず現時点ではどちらの主張が正しいかは判断がつかないので、私は慎重に対応を進めることにしました。このままだと殴りかかりそうな勢いだったため、お二方をセーフティな距離へ引き離しつつカメラ確認を行うことにしたのです。

 すると、驚愕の事実が…。

 なんと「横取りされた」と主張するお客様の台は、隣の島であることが判明したのです。

 私は直ぐに現場へ戻ってお2人へ真相を説明しました。早とちりだったと気づいたお客様から怒りは消え、「本当にゴメンなさい」と深く謝罪。相手の方も最初は納得できない様子でしたが、続けられる謝罪に興奮は収まっていったようでした。

 最終的には「もう。気をつけてよ」と、許してくださり一件落着となったのです。あのままの状態だったら警察への連絡も考えたかもしれないので、心から安堵したことを覚えています。

 こういったケースは非常に珍しいですが、高稼働であれば多くのお客様と同じ空間を共有します。すると本件のような争いが起こることも…思いもよらぬトラブルに巻き込まれる可能性もあるということです。その際はいち早くスタッフを呼ぶのが最善の手段と言えるでしょう。

(文=ミリオン銀次)

<著者プロフィール>
 ホール店員・雀荘店員といった職種を経験。それらを活かし、ライターとして活動中。特に力を入れているのはパチンコ・パチスロ分野で、自身の遊技体験やホール店員時代のエピソードを中心にしたコラムを執筆している。パチンコ・パチスロ歴は10年以上で「打ちたい台をトコトン打つ」がモットー。結果として、目も当てられない大敗を多く経験。「悲惨なエピソードも明るく紹介したい」といった拘りを持つ。

セブン-イレブンの無料Wi-Fiサービス「7SPOT」終了も賛成派多数のワケとは

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

外出先で何かと頼りになる、コンビニエンスストアの無料Wi-Fiサービス。メールアドレス等を入力するだけでWi-Fiが一定時間利用できるため、お世話になったことがある人も多いはずだ。そんな便利なサービスのひとつであったセブン-イレブンの「7SPOT」が2022年3月31日を以て終了することが発表された。しかし、意外にも“賛成派”が多数だという。いったいなぜだろうか。

7SPOT終了に歓迎の声多数…その理由とは

今回サービス終了となるのは、日本国内にあるセブン&アイグループの各種店舗。2022年3月31日23時59分を以て終了し、以降はセブン-イレブンに来てもWi-Fiに繋ぐことができなくなる。

ネットでは「災害時や携帯キャリアの通信障害時など、セブンに行けば何とかなるという安心感がなくなるのはやや寂しい」という意見もある一方で、大多数は7SPOT終了に賛成。というのも、“無料でインターネットにつなげる場所”として認知されることにより、治安が悪くなっているのだという。

一般客からは「やめればいいと思うよ。コンビニ利用者じゃない人が昼休憩で駐車場にずーっといる光景は異常だし」という声が上がっているほか、セブンの店員を名乗る人からは「小学生が深夜にやってきてスマホつなげてきたり、見た目がアレな人物が無料時間分限界ギリギリまで繋げてる。メリットよりもデメリットが大きい」といった意見も。どうやら、終了を歓迎している人の方が多いようだ。

また、「セブン-イレブンでバーコード決済が出来なかったんだけど原因が7SPOTだった時は脱力したなあ。Wi-Fiを切ったらバーコード決済出来る様になりました」と、通信速度が遅いため逆に不便があったという意見も。たしかに、コンビニのレジでバーコード決済をしようとしたら、自動的にコンビニのWi-Fiに接続されてしまい、なかなかバーコードが更新されない…ということはよくある。セブン-イレブンが身銭を切って提供していたサービスだが、惜しまれることもなく終了という結末になりそうだ。

業界トップの決断を受けて、ローソンとファミリーマートはどう動くのだろうか。彼らも同じく無料Wi-Fiサービスを提供しており、セブン-イレブンと同じような課題を抱えているはずだ。

しかし、コンビニのWi-Fiサービスは、災害時や通信障…

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パチンコ『初代・北斗無双』の継承者や一撃万枚コンテンツ始動!激アツ最新情報!!

 12月6日からの週は激アツ新台が続々と登場予定。パチンコでは「高突入(約66%)×高継続(約81%)×高出力(ALL1500発+α)」の『P北斗の拳9 闘神』や、C時短による新たなゲーム性を実現させた『P真・花の慶次2~漆黒の衝撃~EXTRA RUSH』などが遂にホールへと降臨します。

 そしてパチスロ分野には、ノーマルタイプ希望の星『マイジャグラーV』や『スターパルサー』。『押忍!番長』のシステムを継承した夢のコラボ機『S牙狼-黄金騎士-』や、ゲーム数短縮や711枚BONUSといった初代の要素を6号機に落とし込んだ『主役は銭形3』など千両役者が勢揃いです。

 まさに目移りしてしまうラインナップですが、先述した超大物たちに負けずとも劣らないマシンの新情報も公開されました。

 パチンコ分野では新台『P牙狼 月虹ノ旅人 絆GIGA GHOST ver.』の詳細が遂に明らかに。10万発レベルの出玉報告も多くあがった『P牙狼 月虹ノ旅人』をスペックUPさせた仕上がりで、初当り時の獲得出玉が「3R・450発→6R・900発メイン」に変更されています。

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 また、魔戒CHANCE突入率も「50%→53.1%」と上昇。その代わり遊タイム非搭載となっていますが、突入機会&初回獲得出玉が増える点は大きなプラス材料といえるでしょう。ちなみに右打ち性能は引き続き「81%継続×ALL1500発」なので、爆発力は健在です。

 そして、パチスロでは予てから熱視線を浴びていた話題作『押忍!番長ZERO』のPVが遂に公開されました。「轟 金剛」の祖父にあたる「轟 鋼鉄」をメインに、昭和時代の若かりし頃が舞台となっています。

 注目のスペックは、純増2.7枚/Gで1セット30Gの「頂ROAD」と「頂CHARGE」によって繰り広げられる「漢気ループ零式」が出玉の主軸。お馴染みの「絶頂」のほか、強力な出玉フラグと思われるトリガーも確認できます。更なるスペック詳細が非常に気になるマシンですね。

 パチンコ・パチスロ共に豪華タイトルがひしめく激アツ状態と言えますが、後続も決して負けてはいません。今後のホールを大いに盛り上げるであろう新機種が続々と検定を通過しているのです。

○○○
・『SデビルメイクライファイブXA』(アデリオン)

・『P大工の源さん超韋駄天ブラックCS』(三洋物産)

・『P真北斗無双FWQG』(サミー)
○○○

 パチスロでは『SデビルメイクライファイブXA』が検定を通過。系列メーカーより発売された前作『デビルメイクライ クロス』は、A+ARTタイプの強烈な上乗せ性能を有するマシンとして人気でした。

 特化ゾーン高確率状態の「魔人召喚チャンス」突入から3種類の上乗せモード「Let’s Rock」を目指すゲーム性で、クロス図柄が熱い展開を生み出すスタイリッシュ仕様。一撃万枚オーバーが報告されることも多かった印象です。シリーズ最新作となる本機は、どのような仕上がりとなっているのでしょうか。続報が楽しみですね。

 そしてパチンコ分野ではP機屈指の爆速タイトル最新作『P大工の源さん超韋駄天ブラックCS』と、現役最強の意思を継ぐ『P真北斗無双FWQG』という2大巨塔が一挙に検定を通過しました。

 前者は「約93%継続×超スピード」で大ヒットを記録した『P大工の源さん 超韋駄天』の新タイトル。三洋物産が「本命適合」を発表するという異例の対応も話題となったわけですが、検定を通過したということは新情報が発表される日が近いのかもしれません。

 そして後者に関しては、『P真・北斗無双Re:319ver.』の製品サイトがすでに公開中。当サイトでも何度か取り上げていますが、外見から中身に至るあらゆる面を初代に寄せたリメイク機となっています。

 ミドルタイプのV-ST仕様で、初当りの50%がST突入。通常大当りでも時短100回が付与されるお馴染みのフローが展開され、最大出玉が抑えられた代わりに右70%が1500発を獲得可能です。1月末に撤去となる初代の穴を埋める活躍を期待しましょう。

 今回は検定を通過したパチンコ・パチスロ計3機種を取り上げさせていただきました。それぞれ詳細が分かり次第、各機種の情報を紹介させていただきます。

(文=HIRA.777)

<著者プロフィール>

 飲食店やホテルマン、営業など幅広い職種にチャレンジ。どれも長続きせずにいたが、趣味であったパチンコ関連業界へ就職し現在に至る。今では自身の体験談や、業界関係者から入手した情報などを元に記事を作成中。パチスロ4号機にハマっていたいわゆる「北斗世代」で、長きに亘り活躍するシリーズの動向に注目している。主に検定通過情報や、動画レビュー記事を担当。動画は大量出玉を実現した内容を好んで紹介している。

ソフバンがTポイント排除で今後はどうなる? ソフトバンクポイント、PayPayボーナスを詳しく解説!

生活をもっと楽しく刺激的に。 オトナライフより】

ソフトバンクは2022年4月1日から、新しい「ソフトバンクポイント」の提供を開始するのをご存じだろうか? それに伴い、「ソフトバンクのスマホサービス」と「ソフトバンクカード」の“Tポイント”付与が、2022年3月31日をもって終了するのだ。もともと、PayPay&ソフトバンク経済圏では2つのポイントがあってややこしかったが、いよいよTポイントが排除され、PayPayボーナスに統一されるのかも……。

2022年4月から始まるソフトバンクポイントとは?

ソフトバンクとヤフーを中心とした「ソフトバンク経済圏」では、古くから「Tポイント」が利用されてきた。

そこにスマホ決済サービスの「PayPay(ペイペイ)」でもらえる「PayPayボーナス」が加わったことで、ソフトバンク経済圏のポイントは少々ややこしいことになっている。

ソフトバンク経済圏については→こちらで詳しく解説しているが、いよいよソフトバンクからTポイントが排除され、PayPayボーナスに統一されるのかもしれない……。

それを感じさせるのが、ソフトバンクで新しく導入される「ソフトバンクポイント」サービスだ。これにより、今までソフトバンクスマホやソフトバンクカード(クレカ)でもらえていたTポイントが、2022年3月末で終了されるのである。

そして、2022年4月1日からはソフトバンクポイントが付与される。もちろん、貯まったソフトバンクポイントはPayPayボーナスに交換できるため、これまで以上にポイントが使いやすくなるとみられている。

ちなみに、PayPayでは4種類のポイント区分があるので、その違いについては→こちらで確認してほしい。

これまで貯めたTポイントはどうなるの?

ソフトバンクブランドのスマホとソフトバンクカードのTポイント付与と利用は、2022年3月31日で終了される。となると、これまで貯めてきたTポイントは、どうなるのか心配になる人も多いだろう。

まず、現在貯まっているTポイントは、そのまま4月1日以降も引き続き利用できるので安心してほしい。次に、2022年4月1日~2023年3月31日までの1年間は、Tポイントからソフトバンクポイントに交換することが可能となっている。

Tポイントをソフトバンクポイントに交換すれば、ソフトバンクブランドのスマホ料…

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レクサス「NX」、初のPHEV投入の真意…盲目的なEV化に一石投じる開発姿勢

 レクサスの新型「NX」が誕生した。すでにスタイルやインテリアは発表されており、キープコンセプトながら革新的なオーラを発散させていることは、すでに本連載でも確認済みだが、今回認可が下り、試乗が許されたのである。

 新型NXはこれまで通り、豊富なパワーユニットをラインナップする。直列4気筒を基本に、2.5リッターのNAと2.4リッターターボ、2.5リッターハイブリッド、そして新たに加わったレクサスとしては初のPHEV(プラグインハイブリッド)。FFとAWDの設定もあり(PHEVとターボはAWDのみの設定)、ついに6種類のバリエーションを誇るに至ったのだ。最大のトピックは、PHEV仕様となる「450h+」の投入だろう。

 だが、それがレクサスのEV化邁進の現れだと考えるのは早計だ。世界はカーボンニュートラルに突き進んでおり、レクサスも同様に2019年に次世代電動化戦略「レクサス・エレクトリファイ」を発表してCO2削減に舵を切っているものの、全方位的にパワーユニットの可能性を残している。それはNXを豊富なラインナップ展開としていることからも想像できる。

 内燃機関の環境性能を鍛え上げることにも手を抜かず、それでいて電動化技術的の研鑚にも淀みがない。それでいて、レクサスが得意とするハイブリッド技術にも磨きをかけた形である。盲目的なEV化には否定的な立場なのだ。現状ではPHEVが理想的だとしているに違いない。筆者も同様の考え方である。PHEVの投入は、そのひとつなのである。

 総電力量18.1kWhの大容量バッテリーを搭載し、満充電からのEV走行距離は88kmに達する。自宅の急速充電で電力を満たせば、日常生活での移動ならば走行中に一切のCO2を排出せずにすみそうだ。その一方で、長距離移動では搭載する内燃機関での走行が可能なばかりか、バッテリーに電力を蓄えることも可能。急速充電器の普及が遅れている日本での利便性は高い。あるいは化石燃料依存度の高い日本では、EVが環境性能の解決策とはならない。EV走行と内燃機関での走行を併用するPHEVが主力になりそうなことの主張であろう。

 その証明になるのかもしれないが、PHEVとはいえ環境性能だけを追い求めたわけではない。クルマとしての基本性能を磨き上げることに力点を置いている。ボディ剛性を徹底的に高めているのが特徴だ。ボディ剛性の高さで定評のあるドイツ車なみの補強技術を盛り込んでいる。大容量バッテリーを床下に低く広く薄く搭載することで、低重心感覚が強く、一際重厚感の高い走行フィーリングを得ているのだ。

 加速フィールも頼もしい。低回転域からの力強さは抜きん出ており、市街地での流れを軽々とリードする。それでいて、すっきりと深みのあるステア特性が魅力的だ。環境性能を高めていながらも、高級車であることの誇りを失っていない。むしろ、クルマとしての質感を最優先に開発している。

 話題の中心であるPHEVは、確かに環境に優しい。だが、クルマとしての本質を見誤ってはいない。走りの質感を最優先に開発されたモデルである。

(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

パチンコ新台『牙狼』別スペックは「魔戒CHANCE」突入率がUP! 遊タイム非搭載のシリーズ最新作が降臨!!

 ホールを賑わす超速パチンコの中でも圧倒的な出玉性能を誇る、サンセイR&Dのキラータイトル『P牙狼月虹ノ旅人』。一撃「50,000発」どころかそれ以上の出玉獲得も十分に狙える仕様で、その破壊力の高さに心酔しているファンも多いことだろう。

 1種2種混合タイプである当機の大当り確率は319.6分の1で、お馴染みの出玉トリガー「魔戒CHANCE」へは初当り時の50%で突入。3種類の演出から任意で選べる魔戒CHANCEの継続率は初代と同じく81%で、3カウントでスピーディーに当選する大当りは全て10R約1,500個の出玉を獲得できる点が最大の魅力だ。

 ただ、初当り時の50%を突破できなければ、3R約450個の出玉が払い出されるだけで終了。これが2回、3回と続くと笑えない金額を溶かすこととなるわけで、この50%の壁がネックと考えるプレイヤーも少なくないと聞くが、そんなプレイヤーにとってシリーズ最新作『P牙狼月虹ノ旅人絆 GIGA GHOST Ver.』の発売発表は、まさしく朗報といえるのではなかろうか。

 すでに基本スペックは同社公式YouTube「サンセイチャンネル」での新台紹介動画で公開済みで、当機は『P牙狼月虹ノ旅人』に搭載されていた遊タイムを排除。これによって同じ初当り確率ながらも魔戒CHANCE突入率を「53.1%」までアップさせており、加えて、初回大当り時の獲得出玉も6R約900個がメインに改良されている。
  
 もちろん魔戒CHANCEの継続率は81%で、右打ち中の大当りはALL10R約1,500個。ひとたび魔戒CHANCEへ突入させられれば、『P牙狼月虹ノ旅人』と同様のイケイケ感を味わうことができるのである。

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 また、演出面では『P牙狼冴島鋼牙XX』や『P真・牙狼』で好評だったW液晶を駆使した「ギガゴーストビジョン」を採用することで、表現力を大幅アップ。大迫力の演出の一部は、同動画で確認可能だ。

 ホールにもよるが、基本的に遊タイム搭載機は調整が厳しめになる傾向がある。そういった意味でも遊タイム非搭載バージョンの登場は、プレイヤーとしても嬉しい限り。導入は1月24日予定とのことなので、まずは動画をチェックして、はやる気持ちをグッと抑えていただきたい。

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 ホットな新台をユーザーの感想を交えつつ掘り下げていくこのコーナー、【激アツ新台実戦JUDGEMENT】。今回のピックアップマシンは、地上最強を目指す少年の激動の日々を描いた原作と同様にパチンコでホール最強を目指す『Pバキ319ver.』(以下バキ)だ。

 コンテンツに見合った破壊力のある出玉性能を武器に覇権を狙う本機だが、当選確率約1/3.2のバトルモードでは、「秒殺決着ゾーン」と「バトルゾーン」のスピーディーでスリリングな展開を楽しむことができる。

「10分1万発」「2万発出て時間は20分くらい」など、分速1000発クラスの圧倒的なスピード感を持つ右打ちモードであることがうかがえる。時速6万発のポテンシャルで怒涛の出玉を吐き出すのである。

 バトルモードの継続率は約85%で大当りの80%が10ラウンド約1360発出玉。既存の爆裂機と比較してもそのRUSH性能の高さから本機のヤバさがわかるはず。スペックでブン殴る系の破壊力に満ちた爆裂マシンとなる。

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パチンコ店「高稼働時の注意事項3選」…大胆不敵な犯行を行う極悪人も!?

「連日4万発出ていた」「朝イチで50連超え。隣が」「10万発出てる台があった」と間違いのない出玉性能でシーンを塗り替えようと奮闘している。

 このスペックを生み出しているのが特殊なゲーム性。いわゆる大当り確率は1/319.6だが、これは特図1小当りの際にRUSHチャレンジモードとなる「地上最強の親子喧嘩」に突入する確率である。

 本機は大当り・小当りが別々に抽選されており、従来(特図1)の大当りを引いた際はほとんどの場合で2ラウンド300発の出玉を獲得すると通常モードに直帰し、RUSH直撃はわずか1%しか用意されていない鬼仕様。

 一方の小当りだと「地上最強の親子喧嘩」に移行し、チャレンジ演出に成功すればV入賞から大当りを獲得できるが、突破率は約51.2%となっている。「地上最強の親子喧嘩」には「バトルチャレンジ」と「役物チャレンジ」2つの演出があり、後者なら約80%の期待度になる(突破率は2つの演出確率の合算)。

 さらにチャレンジを失敗した際は時短どころか出玉もなし。息子・範馬刃牙に生き死にの特訓をさせるオーガの如きスパルタスタイルで打ち手をビビらせてくる。ただ、こうしてRUSHまでのハードルを高くした分、右打ち時の爆発力を極限まで引き上げることができたのである。

 したがって、RUSHに突入すれば今度はホールが震える番。前述の出玉性能を充分すぎるほど発揮し、恐怖のどん底に叩き込むことになる。

 ただ、この尖ったスペックゆえかもともとの販売台数が少なく設置店舗が限られている状況。これまで紹介してきたミドルタイプに加え、大当り確率(地上最強の親子喧嘩突入率)が1/199.8のライトミドルタイプも存在するが、実際に打つのにも一苦労しそうである。

(文=大森町男)

<著者プロフィール>

 羽根物によってパチンコの魅力にとり憑かれ、パチンコ雑誌を製作する編集プロダクションに入社。パチンコに関する記事作りや編集業務に携わる。編集長としてファン雑誌の制作に取り組むなどの経験を活かし、その後は携帯サイトやweb、動画コンテンツなど幅広いパチンコメディアに従事。現在はフリーランスのパチンコライターとして活動。パチMaxを中心に消極的に執筆の場を広げている。

JRA 阪神JF(G1)アカイトリノムスメを超える「最有力候補」がC.デムーロと新タッグ!「G1・100連敗」到達、あの実力派ジョッキーが無念の乗り替わりに……

 先月21日に東京競馬場で行われた赤松賞(1勝クラス)を快勝したナミュール(牝2歳、栗東・高野友和厩舎)。次走、来週12日に阪神で開催される阪神JF(G1)では、C.デムーロ騎手と新たにコンビを結成することが分かった。

 同馬は現在、新馬・特別戦と2連勝中。前走の赤松賞で記録した1分33秒8は、昨年の同レースを勝った秋華賞馬のアカイトリノムスメを0秒7上回る好タイム。またサークルオブライフが1分34秒0で勝った、10月のアルテミスS(G3)よりも速い勝ち時計だった。そのため、阪神JFでは最有力候補の1頭として目されている。

 さらに近親には、先月ブリーダーズCディスタフ(米G1)制覇の快挙を達成したマルシュロレーヌがいる。いま最も勢いにのっている一族の1つといっていい。母サンブルエミューズは2012年の阪神JFで2番人気8着と期待を裏切ってしまったが、娘がその無念を晴らせるかにも注目したい。

 一方、無念の乗り替わりとなってしまったのが、前走で同馬の手綱を執っていた三浦皇成騎手だ。

 08年のデビュー以来、毎年コンスタントに勝ち星を積み重ね、すでに通算では900勝以上を挙げている同騎手。武豊騎手の新人最多勝利記録を更新し、一時は「ポスト武豊」とまでいわれたほどの実力派ジョッキーだが、これまでJRAのG1タイトルには不思議と縁がないことでも知られている。

 先週末に行われたジャパンC(G1)では、一昨年のチャレンジC(G3)の勝ち馬であるロードマイウェイに騎乗して15着と敗退。この敗戦によって同騎手は、JRAでは痛恨の「G1・100連敗」に到達してしまった。

 ちなみにJRAでG1を100連敗以上した騎手の例は、他にも田中勝春騎手の139連敗、和田竜二騎手の120連敗の2例がある。ただ、両ジョッキーは連敗が始まる以前に、G1の優勝経験があった。G1未勝利のまま100連敗に到達した騎手は、JRAでは三浦騎手が史上初となる。

 同騎手はナミュールで勝利した赤松賞のレース後、「すべてにおいて優等生。直線の伸びは素晴らしかった」と話し、同馬の素質を大絶賛していた。継続騎乗が叶えばちょうど100連敗で区切りをつけられた可能性も高かったと思われるだけに、まさに痛恨の鞍上スイッチといえるかもしれない。

「前走の赤松賞は、初戦で手綱を執った川田将雅騎手が阪神でマイルCS(G1)に騎乗するため、三浦騎手は代打の意味合いが強かったと思われます。しかし、その川田騎手が今度は香港への遠征を予定しているため、阪神JFの週には再び不在となります。

三浦騎手には継続してナミュールに乗れる可能性もあったと思われただけに、やや残念な乗り替わりとなってしまいそうですね」(競馬誌ライター)

 なお、ナミュールと新コンビを組むC.デムーロ騎手は、短期免許を取得して今月29日まで日本で騎乗することが先日発表された。

 阪神JFの翌週に行われる朝日杯FS(G1)では、藤岡佑介騎手に替わりセリフォスと新タッグを組むことがすでに明かされている。この乗り替わりに関しては、池添謙一騎手が自身のTwitterに、「世知辛い時代に再突入」と投稿。日本人騎手から外国人騎手への乗り替わりを憂う内容だったこともあり、一部で話題を集めた。

 ただ、同騎手は最後に「もっともっと上手くなろう。頑張ろう」と締めくくった。三浦騎手も今回の降板を糧に、今後奮闘してくれることに期待したいところだ。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

販売は欧米を優先?PS5、発売から1年でも品薄&専用タイトルが少ない謎の真相

 ソニーの「PlayStation 5」(以下、PS5)の発売から約1年。昨年11月12日に日本やアメリカで発売開始されたが、今なお品薄状態が続いている。

 PS5の生産台数自体は1000万台を突破(2021年7月現在)しているが、例えば家電通販サイト「ノジマオンライン」のPS5抽選販売の倍率は約60倍(2021年10月現在)。こういった供給不足は日本だけでなく世界各国でも起きている。

 家電量販店などに入荷されても予約抽選販売であったり、その店舗の会員限定の販売であったりと、供給されても即完売というループが続いている印象である。また、そういった品薄状態に加え、発売から1年も経っているのにPS5専用タイトルが少なく、遊べるゲーム自体が多くないといった声も挙がっている。

 そこで今回は、雑誌「ゲーム批評」元編集長、NPO法人国際ゲーム開発者協会日本(IGDA日本)現・名誉理事・事務局長のゲーム教育ジャーナリスト・小野憲史氏に、PS5の現状について解説してもらった。

世界的な半導体不足と転売業者問題が原因か

 これまでのゲーム機も発売から数カ月は品薄になることは珍しくなかったが、なぜ「PS5」は1年経った今でも入手困難なのだろうか。

「まず、コロナ禍のテレワーク需要などでPCやスマホといった半導体を使う商品の需要も高まり、世界的な半導体不足に陥っていることが大きな原因。また、それ以外にもコロナの影響で生産体制が充分に整わなかったり、国際的な物流などのライフラインが壊滅的だったりしたことも要因として考えられます。そのほかに、これもコロナの影響ですが、自宅での時間を充実させようと考えた人々から、家庭用ゲーム機のニーズが高まったことも関係しているでしょう」(小野氏)

 やはりコロナが多角的に影響しており、ユーザーの需要に対しメーカーの供給が圧倒的に追いついていないということなのだろうが、品薄に拍車をかけているであろう転売業者の存在も看過できない。

「確かに転売業者が法律の隙間をすり抜けて、グレーゾーンの転売行為をしていることも問題ですね。メーカー、物流関係者、小売店といったステークホルダーも、どのようにすれば純粋にPS5を欲しがっているユーザーのもとに届けられるかと対策を講じており、一定の効果は出ているのでしょうが、転売行為を根絶するのは難しい状況です」(小野氏)

 PS5の定価は標準モデルで4万9980円(税別)だが、いまだにオークションサイトなどでは倍以上の価格である10万円オーバーで取引されていることがザラ。つまり、厳密にいうと品薄状態が続いているのは“定価販売のPS5”であり、金に糸目をつけなければ、すぐにでも手に入れることはできるのである。

 定価でなら買いたいというゲームファンは多いにもかかわらず、定価よりも圧倒的に高い価格で売りに出されているため、新品のまま箱から出されもしていないPS5が、世界中に山ほど眠っているというイビツな現状ということだ。

ソニーの商品で日本が後回し?

 ここでPS5と過去のゲーム機との流通量の違いを考えてみたい。現在のPS5の生産・供給体制と、ゲーム業界がにぎわっていた1990年代に発売された初代PSや、任天堂の「スーパーファミコン」などの生産・供給体制に違いはあるのだろうか。

「当時は社会現象になるほど人気のあるゲーム機は日本でしか開発されていませんでした。ですからまず日本で販売されて、そこから半年後にアメリカ、その半年後にヨーロッパで販売、といった流れが当時は当たり前だったのです。それからもう少し先の時代を見ても、PS2は日本販売のみで発売3日間で98万台を売り上げました。当時は、日本でハードをつくっており、なおかつ日本市場での高い需要が見込めたので、PS2を大量に販売することが可能だったというわけです」(小野氏)

 しかし、日本と世界の状況やバランスに変化が起こったと小野氏は続ける。

「ここ20年ぐらいの日本とアメリカの平均年収を比較すると、100万円以上の差が開いていることがわかります。PS5の定価は全世界で同一の価格帯なんですが、アメリカに比べて相対的に年収が低い日本ではPS5の4万9980円という価格を高いと感じ、手を出せないというゲームファンが多くなっているんでしょう。

 それは日本で2014年に発売されたPS4が、定価3万9980円(税別)で販売されたときにも通じると思います。実際、日本でもPS4はある程度人気でしたが、アメリカやヨーロッパではそれ以上に大ヒットしていましたからね。ソニーはワールドワイドに販売を行っているので、当然、購入が集中しやすい地域にPS5を優先して供給しています。PS5はPS4のときの経験則を活かして、欧米を優先的に販売しているということでしょう」(小野氏)

 ソニーは日本発のメーカーではあるが、グローバル展開する世界的企業でもある。ゲーム業界における日本国内のマーケットは、もはや最重要視されるものではないということか。

 では最後に、PS5へのもうひとつの不満点として挙げられる、専用タイトルのラインナップの乏しさの原因はなんなのか。PS5専用タイトルはリメイク版の「Demon’s Souls」や、「ラチェット&クランク」シリーズの最新作「ラチェット&クランク パラレル・トラブル」など、わずかなのである。

「そもそも今のゲーム業界ではPS4、PS5、Xboxシリーズ、そしてPCなど多くのプラットフォーム向けに、マルチプラットフォーム対応でソフトがつくられることが常識となりつつあります。また、PS5オリジナルのソフトをつくろうとしても、PS4以上にユーザーの期待を超えるものをつくらなくてはいけないというプレッシャーもあるでしょうし、それだけ開発費用、開発期間も延びてしまいがちなんです。さらに現在はリモートワーク体制によって、メーカーの開発効率が落ちていることもソフト不足の追い打ちとなっているのでしょう。PS5専用タイトルが少ない背景にはこういった要因があるのです」(小野氏)

 確かに、今年PS5で発売された「BIOHAZARD VILLAGE」や「LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶」といった人気タイトルも、マルチプラットフォーム対応だった。PS5専用タイトルとして発売するのは、メーカーのリスクやデメリットが大きいということのようだ。

 いずれにしてもPS5がほしくても品薄で買えない、買えるとしても転売業者の高額販売になってしまうという状況は、一刻も早く解消してもらいたいものである。

(文・取材/A4studio)

エンゲル係数が高止まり、低所得者層が増加…賃金低下+悪い物価上昇、家計貧しく

エンゲル係数で示される生活水準の低下

 経済的なゆとりを示す「エンゲル係数」が、我が国ではコロナショック以降高水準にある。特に今年5月以降は二人以上世帯で27%を超えており、無職世帯に限れば30%を超えている。この背景には、家計全体の支出減や食料品価格の上昇がある。

 エンゲル係数は家計の消費支出に占める食料費の割合である。食料費は生活する上で最も必需な品目のため、一般に数値が下がると生活水準が上がり、逆に数値が上がると生活水準が下がる目安とされている。

背景にはコロナショックの後遺症

 最近の我が国のエンゲル係数上昇は、食料品価格の上昇と支出全体の減少が要因となっているが、その背景には、いずれもコロナショックが関係している。つまり、コロナショック以降の海外の需要急増等に伴う化石燃料や農産物等の資源高が食料品やエネルギーの価格を押し上げる一方で、国内では9月まで行動制限が敷かれていたことでサービス消費の機会が奪われてきたことがある。

 また、昨年度の企業業績の悪化も、タイムラグを伴って今年度の賃金低下をもたらしている。そして、行動制限緩和以降も新型コロナ感染に対する恐怖心に伴いサービス支出の機会が奪われることで家計の節約が続く一方で、世界の需要拡大やコロナに伴う供給制約等で食料品の価格が上昇基調にある。そして、こうした海外に所得が流出する中での生活必需品価格の上昇は、生活水準の低下に拍車をかけている。

節約と食料品価格の上昇が係数押上げ

 2021年9月のエンゲル係数は前年比で▲0.2ポイント低下を記録している。しかし、食料品の値上げが相次いでいる一方で食料品の消費量は減っているように見える。そこで、エンゲル係数の上昇率を食料品の消費量、すなわち実質食料支出と相対価格および全体の消費性向と実質実収入・非消費支出に分けて要因分解してみた。

 すると、食料品の消費量減が▲1.2 ポイントもの押し下げに働く一方で、食料品の相対価格上昇と消費性向すなわち消費量全体の減がそれぞれ+0.3、+1.3ポイントの押し上げ要因になっていることがわかる。

 消費量減の背景には、緊急事態宣言発出に伴う外食量減と、食料品価格上昇に伴う購入減が考えられる。一方、消費性向すなわち可処分所得に対する消費の割合が下がった背景には、やはり緊急事態宣下発出に伴う移動や接触を伴う支出が減ったことが推察される。つまり、家計の節約と食料品価格の上昇が、このところのエンゲル係数押し上げの実体である。

食料品価格の上昇は「悪い物価上昇」

 こうした食料やエネルギーといった、国内で十分供給できない輸入品の価格上昇で説明できる物価上昇は、「悪い物価上昇」といえる。そもそも、物価上昇には「良い物価上昇」と「悪い物価上昇」がある。「良い物価上昇」とは、国内需要の拡大によって物価が上昇し、これが企業収益の増加を通じて賃金の上昇をもたらし、さらに国内需要が拡大するという好循環を生み出す。

 しかし、現在の物価上昇は輸入原材料価格の高騰を原因とした食料・エネルギーの値上げによりもたらされている。そして、国内需要の拡大を伴わない物価上昇により、家計は節約を通じて国内需要を一段と委縮させている。その結果、企業の売り上げが減少して景気を悪化させていることからすれば、「悪い物価上昇」以外の何物でもない。

 このように、食料やエネルギーの価格が上昇している背景としては、(1)海外での需要増加等により輸入品の価格が上昇している、(2)世界的な脱炭素化の流れにより化石燃料の採掘関連に投資資金が流れ込みにくくなっている、(3)異常気象により農作物の収穫量が減少している―こと等がある。

 特に、世界的なコロナショックによる世界経済の低迷後、世界の経済成長は回復しつつあるが、主要先進国の金融政策が出口に向かう中でも海外経済は今後とも高い経済成長を遂げると見込まれる。こうなれば、世界の食料・エネルギー需給は、中長期的には人口の増加や所得水準の向上等に伴う需要の拡大に加え、脱炭素化や都市化による農地減少等も要因となり、今後とも需要が供給を上回る状態が継続する可能性が高い。つまり、食料・エネルギー価格は持続的に上昇基調をたどると見ておいたほうがいい。

生活格差をもたらす食料品価格の上昇

 ここで重要なのは、食料・エネルギー価格の上昇が、生活格差の拡大をもたらすことである。食料・エネルギーといえば、低所得であるほど消費支出に占める比重が高く、高所得であるほど比重が低くなる傾向があるためだ。

 事実、総務省「家計調査」によれば、可処分所得に占める食料・エネルギーの割合は、年収最上位20%の世帯が16.8%程度なのに対して、年収最下位20%の世帯では28.2%程度である。従って、全体の物価が下がる中で食料・エネルギーの価格が上昇すると、特に低所得者層を中心に購入価格上昇を通じて負担感が高まり、購買力を抑えることになる。そして、低所得者層の実質購買力が一段と低下し、富裕層との間の実質所得格差は一段と拡大する。

 さらに深刻なのは、我が国の低所得者層が増加傾向を示している一方で、高所得者層が減少傾向を示していることがある。事実、総務省の家計調査年報で年収階層別の世帯構成比を見ると、年収が最も低い 200 万円未満に属する世帯の割合は2000年の2.4%から2020年には3.1%に拡大している一方で、年収が最も高い1500万円以上に属する世帯の割合は2000年の4.8%から2020年には3.1%まで縮小している。

 こうした所得構造の変化は、我が国経済がマクロ安定化政策を誤ったことにより企業や家計がお金をため込む一方で、政府が財政規律を意識して支出が抑制傾向となり、結果として過剰貯蓄を通じて日本国民の購買力が損なわれていることを表しているといえよう。そして、我が国では高所得者層の減少と低所得者層の増加を招き、結果として家計全体が貧しくなってきたといえる。

日銀のインフレ目標達成判断に重要な「食料・エネルギー除く総合」

 これに対し、日銀はインフレ目標2%を掲げている。しかし、輸入食料品価格の上昇により消費者物価の前年比が+2%に到達しても、それは安定した上昇とは言えず、「良い物価上昇」の好循環は描けない。

 つまり、本当の意味でのデフレ脱却には、消費段階での物価上昇だけでなく、国内で生み出された付加価値価格の上昇や国内需要不足の解消、単位あたりの労働コストの上昇が必要となる。

 そしてそうなるには、賃金の上昇により国内需要が強まる「良い物価上昇」がもたらされることが不可欠といえよう。従って、日銀のインフレ目標は、米国のように「食料・エネルギー除く総合、すなわちコアコアCPI」のインフレ率も重視すべきだろう。

(文=永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト)

●永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト

1995年早稲田大学理工学部工業経営学科卒。2005年東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。1995年第一生命保険入社。98年日本経済研究センター出向。2000年4月第一生命経済研究所経済調査部。16年4月より現職。総務省消費統計研究会委員、景気循環学会理事、跡見学園女子大学非常勤講師、国際公認投資アナリスト(CIIA)、日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、あしぎん総合研究所客員研究員、あしかが輝き大使、佐野ふるさと特使、NPO法人ふるさとテレビ顧問。