新築ビル、空室率14%の異常な高さ…都心テナント解約続出&大量供給で市場悪化

 東京都心部のオフィスマーケットの悪化が止まらない。毎月発表される三鬼商事の調査によれば、2021年10月における都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の1フロア100坪以上のオフィスビルの空室率は6.47%。貸手借手の有利不利が決まる分水嶺とされる5%を上回る水準に悪化している。すでにコロナ禍の影響が出始めていた前年4月の空室率が1.56%であったが、実に1年半ほどの間に4.91%もの上昇は、これまでに例を見ない上昇幅である。

 コロナ禍で多くの企業で通常勤務が制約を受け、オフィスの利用率が下がり始めた当初、空室率の悪化は、一部のIT、情報通信系の中小企業が業績悪化などを理由にオフィスの縮小・解約を行っているにすぎず、マーケットには一切関係ないというのが、多くの業界関係者の共通した見方だった。なかには大手ビル業者の首脳による、コロナ禍はむしろチャンスであり、社員同士のソーシャルディスタンスを確保しなければならないから企業の増床ニーズが強まり、マーケットは活況を呈するとの頓珍漢なコメントまでがメディアには掲載されていた。

 こうしたコメントがあったにもかかわらず、コロナ禍が騒がれ始めて1年半が経過した現在、オフィスの縮小・解約はむしろ加速しているのが現実だ。コロナ禍は一過性の感染症であることについては、多くの人々が共通して認識していることだ。一過性であるならば、企業はあわててオフィスを縮小・解約する必要はないはずだ。オフィスマーケットには一切影響がないとされた当初の論拠はここにある。

大型テナントの解約ラッシュ

 ところが、最近では都内各所で大型テナントの面積縮小や解約が相次いでいる。ヤフーを傘下におくZホールディングスは、今般賃借しているオフィスの約4割に相当する3万平方メートル(約9000坪)を解約すると発表、世間を驚かせた。具体的には千代田区の赤坂見附駅付近にある紀尾井タワーの7フロア、赤坂Kタワーの5フロアだ。ヤフーはIT、情報通信系のフロントランナーだが、多くの社員がテレワークを今後も継続するなか、オフィスのあり方を根本的に見直すとしたものだ。

 ヤフーが解約したフロアに、この9月にスタートするデジタル庁が入居するとのことだ。オフィスが必要ないと考えたデジタル最先端企業が手放したオフィスに、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を国を挙げて推進するデジタル庁が入居するというのも、なんだか皮肉めいたものだ。

 またディー・エヌ・エー(DeNA)は渋谷ヒカリエに本社ビルを構えていたが、6フロア約4000坪相当を解約、同じ渋谷にある渋谷スクランブルスクエアのWeWork内に移転。それまで2800席あった座席を4分の1の700席に縮小。コワーキング施設内に入居することでオフィス賃料という固定費を変動費に変え、大幅なコスト削減を図るものだ。

 縮小・解約の動きはIT、情報通信系だけではない。四大監査法人の一角であるデロイトトーマツは、千代田区丸の内にある三菱地所の基幹ビルのひとつ、二重橋ビルの2フロアの解約を発表した。このビルは1フロアが900坪超であるから、1800坪を超える大型解約である。

 だが、こうした動きはまだ「始まりの終わり」であるかもしれない。現在、多くの大規模ビルに入居するテナントの多くが、期間3年から6年程度の建物定期賃貸借契約を結んでいる。この契約は期限を迎えない限り、条件を変更することが基本的にはできない仕組みになっている。つまり、今すぐにオフィス面積を縮小、解約したくても、契約期限が到来しなければ具体的な行動に移せない状況にある。

 コロナ禍が始まったのが1年半前である。この期間中に期限を迎えた大型テナントは、オフィス面積の縮小・解約に舵を切れたが、その他の多くのテナントが、膨大な解約予備軍になっている可能性もあるのだ。

 もちろん現状は期限を迎えるまでは、契約を継続しなければならない立場にあるので、具体的にビルオーナーと交渉しているテナントの数は少ない。こうした表面的な現象だけを根拠に「うちには影響はない」と嘯(うそぶ)いているビル事業関係者は多いが、内心ではこれから起こるかもしれない環境変化に心休まらない日々を過ごしていることであろう。

大規模オフィスが続々竣工

 影響は今後オープンする新築ビルのテナント募集にも出始めた。21年10月の空室率は6.47%だが、これを竣工6カ月以内の新築ビルについてみれば、空室率は14.03%におよぶ。前年同月は2.13%だから、その変貌ぶりは瞠目に値する。浜松町に再開発される世界貿易センタービルも今のところ2割程度の空室があるという。また東京駅八重洲口にオープンした常盤橋タワーも満室オープンとはならなかったようだ。

 一過性であるはずのコロナ禍が、思っていた以上に収束に手間取ってしまったことは業界としては大誤算だ。コロナ禍による緊急事態宣言の発令が、昨年の4月から6月の3カ月だけで終わり、SARSや新型インフルエンザなどの騒動と同じく収束していたならば、おそらくテレワークは臨時避難的働き方と位置付けられ、オフィスは活況を取り戻していたはずだ。だが、世の中が変わるときというのはこうしたものだ。

「え、そんなはずはない。なに、今に元に戻るさ。オフィスに人が来なくなるなんてありえない。だって今までだって、みんな来てたじゃないか」

 政府の後手後手のコロナ対策と、どこか似ているような気もする。23年には都内は大規模オフィスが続々竣工を迎える。来年から再来年にかけて契約期限を迎える大型テナントの面積縮小・解約がだらだらと続くなか、迎える23年の大量供給問題。

「これまでも2003年問題とか13年問題はあったけど、みんな乗り越えたさ。だから平気」などと楽観していると、世の中はある日大きく変わった姿として業界関係者の目の前に現れるかもしれない。変化を見通すことが今、重要なのである。

(文=牧野知弘/オラガ総研代表取締役)

●牧野知弘(まきの・ともひろ)

オラガ総研代表取締役。金融・経営コンサルティング、不動産運用から証券化まで、幅広いキャリアを持つ。 また、三井ガーデンホテルにおいてホテルの企画・運営にも関わり、経営改善、リノベーション事業、コスト削減等を実践。ホテル事業を不動産運用の一環と位置付け、「不動産の中で最も運用の難しい事業のひとつ」であるホテル事業を、その根本から見直し、複眼的視点でクライアントの悩みに応える。

からあげ棒もファミチキも店頭から消える?クリスマス、チキンが手に入らない?

 新型コロナ禍の緊急事態宣言を脱し、街は賑わいを取り戻した。クリスマスを前に街はイルミネーションに彩られ、いやがおうでも気持ちが昂る。クリスマスには家族でケーキとローストチキンを取り囲む団欒を楽しみにしている人は多いのではないだろうか。

 だが、最近ネット上では「ファミチキが店頭から消える」というニュースが大きな話題となっている。ファミリーマートの店頭をのぞいてみると、ファミチキが品薄となり「お客様各位 ファミチキはただいま品薄となっています」といった張り紙が目につく。ファミマの店員だという人物のツイッターでも次のような書き込みがみられる。

「(ファミマ店員が皆様の脳内に直接お伝えいたします。新型コロナの影響で、タイの工場の稼働率が大幅に落ちているため、当面の間、ファミチキが相当な品薄になります。店舗辺りの1週間の割当が120個のため、1日辺りの作成可能数が17個程度になる見込みです。ご迷惑をおかけしますが、ご了承ください)」

 ファミマも「ファミチキの原料がタイ産であり、不足している」ことは事実だと認めているが、これは何もファミマだけではない。セブン-イレブンでも一部地域で「からあげ棒」の供給が休止している。

 味の素冷凍食品では「ザ★から揚げ」「塩麹レモンから揚げ」「若鶏の備長炭焼き」などを家庭用冷凍食品5品、業務用40品を値上げする。家庭用は2022年2月1日納品分から約6~10%、業務用は3月1日納品分から約6~8%値上げするという。

「うちは7、8月にタイの原材料の仕入れ工場でコロナが広がり、それが生産工場に飛び火して安定生産できなくなりました。なんとか生産が安定したので原材料価格の上昇を反映して値段を引き上げました」(味の素冷凍食品広報担当者)

 一方でローソン、ケンタッキーフライドチキンなどは、国産のチキンを使っているために大きな影響はないという。

 2020年度でみると、鶏肉は国内消費(251万トン)のうち34%を輸入鶏肉で賄っているが、輸入鶏肉の生肉(55万トン)では70%がブラジル産、25%がタイ産、すでに加工されている鶏肉調製品(46万トン)はそのほとんどがタイから輸入されている。ところがタイでは多くの生産施設が稼働できなくなっている。

「今年5月頃から7月にかけて新型コロナウイルスの感染者が増加し、複数の食鳥処理場でクラスターが発生し、1カ月から2カ月程度操業が停止してしまいました。その影響で10月ごろから輸入量が大幅に減ってきているのです」(農林水産省関係者)

 新型コロナの感染者は8月に入り減少傾向に入っているが、輸出用の加工鶏肉の生産にどれだけの影響が出ているのかは農水省でも把握できないないという。さらに鶏肉の卸売価格も上昇し、むね肉は昨年あたりから上昇を続け2019年には年平均で1kg260円だったものが20年には297円まで上昇。さらに21年4月には1kg314円だったものが、10月には338円にまで上昇しているという。

年明けには需給環境改善の見込み

 チキンは今どのような状況になっているのか。クリスマスには家庭の食卓に上るのか。大手食肉会社の担当者に話を聞いた。

――現状では鶏肉は不足しているのか、これがいつまで続くのか。

担当者 輸入鶏肉の国内在庫は9月末で10万7584トン。月の推定出回り量の約2.2カ月分の水準であり、通常2.7~3カ月分の水準の在庫量があることを考えると低水準であるといえます。9、10月にブラジルからそれぞれ約4万5000トンが日本向けに船積みされているとの情報もあり、年明けには需給環境は改善することが見込まれます。

――鶏肉の価格は上昇しているが、どこまで上昇するのか。

担当者 すでに上昇は止まっております。上記の通り需給環境の改善に伴い、安定した相場になることが見込まれます。

――鶏肉の不足の原因は、タイの鳥処理場で5月から7月にかけてコロナのクラスターが発生し、操業停止に追い込まれたためだといわれているが、どのくらいの処理場が操業停止に追い込まれたのか。7月以降どのくらいの処理場が操業を開始しているのか。供給体制はどうなっているのか。

担当者 パッカー(食肉処理工場)にもよりますが、現状通常の7~8割の稼働レベルまで回復してきている模様です。

――代替輸入はどこから行われているのか。中国や米国か。価格への影響はどうか。

担当者 一部はブラジルからです。

――クリスマスでローストチキンが不足することはないのか。

担当者 小売のお客様もタイ産は入ってこないことを想定して、代替商品を手配しているという話で、現時点で不足するような話は聞いておりません。

 ちなみにセブンはすでに供給体制を整備し、クリスマス用のローストチキンは別途確保が済んでいるという。ファミリーマートも調達先の調整を進めており、12月中旬までには問題なく供給できるようにするという。

(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

●松崎隆司/経済ジャーナリスト

1962年生まれ。中央大学法学部を卒業。経済出版社を退社後、パブリックリレーションのコンサルティング会社を経て、2000年1月、経済ジャーナリストとして独立。企業経営やM&A、雇用問題、事業継承、ビジネスモデルの研究、経済事件などを取材。エコノミスト、プレジデントなどの経済誌や総合雑誌、サンケイビジネスアイ、日刊ゲンダイなどで執筆している。主な著書には「ロッテを創った男 重光武雄論」(ダイヤモンド社)、「堤清二と昭和の大物」(光文社)、「東芝崩壊19万人の巨艦企業を沈めた真犯人」(宝島社)など多数。日本ペンクラブ会員。

維新・松井一郎が掟破りの「30人宴会」も逆ギレ・開き直りの噴飯会見! コロナ失策ごまかすため大阪市職員は大量処分したくせに

 10万円給付の5万円分クーポン支給問題や文書通信交通滞在費(文通費)問題で存在感アピールに余念がない日本維新の会代表である松井一郎・大阪市長に、「掟破りのコロナ会食」が判明した。現在、大阪府は府民に対して「同一テーブル4人以内、2時間程度以内での飲食」を要請しているが、松...

パチンコ新台「93%ループの超熱コラボ」に熱視線!! 業界人による最速試打も話題に!!

 パチンコ界の異端児「豊丸産業」はこれまで多くの異色コラボレーションマシンを生み出しユーザーを驚かせてきた。

 オリジナルのパチンコキャラクター同士のコラボや芸能人のコラボなど例を挙げれば暇がないが、特に「実際に存在する企業とのタイアップ」は注目せざるを得ない。

 外食チェーンとコラボした「CR餃子の王将シリーズ」や『Pすしざんまい極上5700』などは業界に衝撃を与えたと共に、練り込まれたゲーム性を称賛するユーザーも続出した。

 そんな豊丸産業は、このほど有名美容外科医院とタイアップした『Pyes!高須クリニック~超整形BLACK~』を発表。インターネット上では大きな話題となっている。

【注目記事】

パチスロ新台『マイジャグラー』と肩を並べる最上位スペック!? ノーマルタイプ屈指の性能を誇る人気シリーズ最新作を完全攻略!

パチスロ「完全6号機体制」に対する人気ライターの考えとは…【アニかつ・濱マモルの回胴酔虎伝Vol.15】

 同社公式YouTubeチャンネルではプロモーション映像も公開されており、ゲーム性やスペックなどもベールを脱いだ。

 大当り確率は1/36.9の権利物。初回大当り出玉は約1,110個の払い出しとなり、その後は100%「TAKA須RUSH」へ突入する。RUSH継続率は93.1%と超高ループを実現しており、平均して7,230個以上の出玉を得られるという。

 筐体中央に高須院長を模した巨大役物が鎮座しており、『CR餃子の王将』シリーズや『Pすしざんまい』と同じく役物の動きが玉の行方に大きく関わると思われる。

 導入は2月上旬を予定しているが、待ち切れないユーザーには朗報だ。YouTubeには本機の試打動画が存在する。

 それは「しまんくすチャンネル」の『パチンコ最新台動画!!RUSH中は大工の源さん!!高須医院長完全復活!!パチンコyes!高須クリニックを完全解説&試打します!!』だ。 

 同チャンネルはパチンコホールのエリア長を務める人物が運営するチャンネルで、新台の試打動画をどこよりも早く投稿することで知られている。

 エリア長による遊技説明が収録されているので導入前に確認して損はない動画といえるだろう。試打風景はリアクション等のない遊技のみの映像となり、実際に自分で遊技しているような感覚で視聴ができる。

 動画では通常時の演出やラッシュ時の様子など一通りの流れを確認可能。CMで御馴染みのアイキャッチなど、斬新でコミカルな演出をそのまま堪能することもできる。

 気になる方、ご興味のある方は是非チェックしてみてはいかがだろうか。

さらば優駿たち~コントレイル、グランアレグリア、クロノジェネシス、ダノンスマッシュ、キセキ…。2021年引退馬リスト

 引退レースのジャパンC(G1)を勝利で締めくくったコントレイルが、種牡馬として第2の馬生を歩むため栗東トレセンを退厩した。4歳の引退は早い気もするが、2019年に亡くなったディープインパクトの後継種牡馬として大きく期待されているだけに、 新たな門出を祝いたい。

 コントレイルだけでなく、この秋はJRAを盛り上げてきた実力馬の引退ニュースが相次いだ。すでにマイルCS(G1)で有終の美を飾ったグランアレグリアや、週末の香港スプリント(G1)がラストランとなるダノンスマッシュ、そして年末の有馬記念(G1)に出走するクロノジェネシスとキセキなど、多くの馬が引退を発表している。

 JRAの将来は新たな世代、そして現役を続ける古豪たちに引き継がれるわけだが、ここでは今年既に引退及び引退が決定している馬たちを紹介しよう。


■コントレイル

 矢作芳人厩舎、ノースヒルズ生産。2020年に父ディープインパクトに続き無敗でクラシック三冠を達成。ホープフルS(G1)、ジャパンCを含めG1を5勝。サリオスら同世代のレベルに疑問は残るものの、引退レースのジャパンCで今年の日本ダービー(G1)馬シャフリヤールらを退けて勝利し、種牡馬としての価値を高めることに成功した。初年度の種付け料はディープインパクトと同じ1200万円でスタートとなり、期待の高さを物語っている。

■グランアレグリア

 藤沢和雄厩舎、ノーザンファーム生産。デビューから2連勝でサウジアラビアRC(G3)を勝利。暮れは阪神JF(G1)ではなく牡馬相手に朝日杯FS(G1)へ出走するも3着に敗退。3歳初戦の桜花賞(G1)で圧勝。その後は安田記念(G1)でアーモンドアイを破り、スプリンターズS(G1)、マイルCSとG1レース3連勝を達成。今年に入ってもヴィクトリアマイル(G1)、引退レースのマイルCSを快勝。2000mの大阪杯(G1)と天皇賞・秋(G1)は勝利できなかったが、マイルG1の5勝の実績から、ディープインパクト産駒最高傑作のマイラーといえよう。


■クロノジェネシス

 斉藤崇史厩舎、ノーザンファーム生産。日本に馴染みの少ないバゴ産駒だったが、新馬戦からその強さを発揮。阪神JF、桜花賞、オークス(G1)はあと一歩だったが、秋華賞(G1)で初G1勝利。その後は宝塚記念(G1)、有馬記念、宝塚記念とグランプリを3連勝。凱旋門賞(G1)は残念ながら7着に敗退したが、中長距離での強さは現役屈指。グランプリ4連勝の偉業を狙う有馬記念がラストラン。C.ルメール騎手がどう乗るかも興味深い。


■インディチャンプ

 音無秀孝厩舎、ノーザンファーム生産。ステイゴールド産駒を代表するマイラーで、週末の香港マイル(G1)がいよいよラストラン。22戦して掲示板外は1回という堅実派。唯一掲示板外の7着に敗退した香港マイルを、引退レースに選ぶところに陣営の意気込みを感じる。福永祐一騎手に導かれ、ぜひ有終の美を飾ってほしい。


■ダノンスマッシュ

 安田隆行厩舎、ケイアイファーム生産。ロードカナロア代表産駒の一頭で、アーモンドアイやサートゥルナーリアと異なりスプリンターとして名をはせた。昨年の香港スプリントで父に次ぐ親子制覇を達成。今年の高松宮記念(G1)も制し、連覇を狙う週末の香港スプリントが引退レース。川田将雅騎手の手綱捌きにも注目したい。


■ラヴズオンリーユー

 矢作芳人厩舎、ノーザンファーム生産。DMMバヌーシーの初年度募集馬でいきなりオークスを勝利。その後は不振が続くも京都記念(G2)で復活の勝利を挙げ、香港で行われたクイーンエリザベス2世C(G1)を勝利。さらに日本調教馬初の快挙となるブリーダーズCフィリー&メアターフ(G1)勝利の偉業も成し遂げた。週末の香港C(G1)がラストランで、勝てば同一年度に3か所の海外G1勝利という、とてつもない快挙達成となる。


■キセキ

 辻野泰之厩舎、下河辺牧場生産。もともとは角居勝彦厩舎の管理馬で、厩舎解散に伴い辻野厩舎へ転厩。2017年の菊花賞(G1)馬で、それ以降G1レースは4度の2着があるも、重賞も含めて4年以上未勝利。いよいよ有馬記念が引退レースとなり、来年は種牡馬入りが決定している。最後の一戦で“奇跡”を見せることができるか。

ワールドプレミア

■ワールドプレミア

 友道康夫厩舎、ノーザンファーム生産。セレクトセールにて2億4000万円で落札され、2019年の菊花賞は武豊騎手の好騎乗により重賞未勝利ながら優勝。今年の天皇賞・春(G1)も勝利しジャパンCを目指していたが、無念の引退となった。

■カレンブーケドール

 国枝栄厩舎、社台ファーム生産。3歳時はオークス、秋華賞、ジャパンCでG1・3戦連続2着。その後も牡馬相手に京都記念、オールカマー(G2)、日経賞(G2)で2着とまさにシルバーコレクター。最強の2勝牝馬だったが、脚部不安で引退が決定。母の無念は産駒に引き継がれる。


■モズスーパーフレア

 音無秀孝厩舎、アメリカ産の外国産馬で、突出したスピードは現役屈指。絶対にハナを譲らない競馬で、ここまで12戦連続逃げの手を打っている。2020年の高松宮記念は、クリノガウディーの1着降着でまさかの繰り上がり優勝。週末のカペラS(G3)が引退レースとなり、ここも初志貫徹の逃げが見られるだろう。そのスピードが産駒に引き継がれることを楽しみに待ちたい。


 この10頭以外にも多くの実力馬が今年すでに引退、もしくは引退が決定している。下記に挙げるのは、2021年に競走馬登録が抹消され引退した重賞勝ち馬(今年1走以上した馬のみ。地方転厩、へい死を除く)や、地方所属馬を含め年内で引退が決定している実績馬だ。

アウィルアウェイ(シルクロードS・G3)
エアウィンザー(チャレンジC・G3)
クリソベリル(チャンピオンズC・G1ほか)
サウンドトゥルー(チャンピオンズC・G1ほか)
サトノインプレッサ(毎日杯・G3)
サトノガーネット(中日新聞杯・G3)
サトノティターン(マーチS・G3)
サブノジュニア(JBCスプリント・Jpn1)
サマーセント(マーメイドS・G3)
サンデーウィザード(新潟大賞典・G3)
サンライズソア(平安S・G3ほか)
シュウジ(阪神C・G2ほか)
ショウリュウイクゾ(日経新春杯・G2)
スマートオーディン(京都新聞杯・G2ほか)
セイウンコウセイ(高松宮記念・G1ほか)
センテリュオ(オールカマー・G2)
ダノンプレミアム(朝日杯FS・G1ほか)
テリトーリアル(小倉大賞典・G3)
デンコウアンジュ(愛知杯・G3ほか)
トラスト(札幌2歳S・G3)
ノブワイルド(オーバルスプリント・Jpn3)
パフォーマプロミス(アルゼンチン共和国杯・G2ほか)
ブラックホール(札幌2歳S・G3)
プリモシーン(東京新聞杯・G3ほか)
プリンシアコメータ(レディスプレリュード・Jpn2ほか)
マテラスカイ(プロキオンS・G3ほか)
ムイトオブリガード(アルゼンチン共和国杯・G2)
ヨカヨカ(北九州記念・G3)
リバティハイツ(フィリーズレビュー・G2)
ロジクライ(富士S・G3)

 いずれもこれまでJRAや地方交流重賞を盛り上げてきた馬で、多くの競馬ファンが馬券でお世話になったはず。今後は種牡馬や繁殖牝馬、さらに乗馬や功労馬として余生を過ごしてほしい。

(文=仙谷コウタ)

<著者プロフィール>
初競馬は父親に連れていかれた大井競馬。学生時代から東京競馬場に通い、最初に的中させた重賞はセンゴクシルバーが勝ったダイヤモンドS(G3)。卒業後は出版社のアルバイトを経て競馬雑誌の編集、編集長も歴任。その後テレビやラジオの競馬番組制作にも携わり、多くの人脈を構築する。今はフリーで活動する傍ら、雑誌時代の分析力と人脈を活かし独自の視点でレースの分析を行っている。座右の銘は「万馬券以外は元返し」。

パチンコ新台「RUSH期待度が2倍」に跳ね上がる!? 画期的な“天国準備CZ”を搭載した話題作が登場!

 老舗パチンコメーカーから異例のパチスロ機が登場。創業70年の歴史を誇る西陣はこのほど、看板パチンコシリーズをモチーフにした『パチスロ 春一番』の販売を発表し、そのゲーム性を明らかにした。

「NewNormal 300+」と銘打たれた本機は純増約5枚のATタイプで、BIG(約310枚)とREG(約105枚)で構成される疑似ボーナスの連チャンが出玉増加のメインとなる。ボーナス中には“1G蓮”の抽選も行われており、BIG中であれば約28.5%で1G蓮が発生するという。

 また出玉トリガーとして「極頂BONUS」というのも搭載されており、その恩恵はノンストップで約2000枚の出玉を獲得できる激アツ仕様。ノーマルタイプは実現できない現行機最強クラスのボーナスフラグといえるだろう。

 なお、規定G数を消化すると救済機能が発動し、第一救済は555G+α消化で発動の大チャンス(50%)、第二救済の777+αは必ず発動する仕組みとなっており、555G+α以降のボーナスはBIG確定というおまけ付きだ。

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 パチンコ界のレジェンドがまさかのパチスロ化。それに加え、6号機時代のノーマルタイプに相応しいゲーム性を採用しているだけに、登場後の反響が非常に楽しみである。来年1月末のデビューが今から待ち遠しい限りだが……。

 そんな西陣といえば、主戦場であるパチンコ分野でも大きな話題を呼んでおり、先日発表された最終タイトル『P刀使ノ巫女』には“天国準備CZ”なる画期的な機能が搭載されているという。

「『P刀使ノ巫女』は大当り確率約1/199のライトミドルタイプ。出玉増加の軸となる右打ち『大荒魂討伐モード(快刀乱麻+最後の一太刀)』は継続率約83%のループタイプで、最大出玉は1100個と一撃性の高いスペックになっています。

気になるRUSH突入率はトータルで約55%となっているのですが、ヘソ大当りの一部で『絶対領域』という時短が発生する可能性あり。消化中は、大当り抽選に加えて“突然時短”の抽選も行われており、このダブル抽選によってRUSH期待度は2倍に跳ね上がるようです」(パチンコライター)

 昨年から時短に関する解釈基準が変更され、パチンコには3つの時短を搭載できるようになった。内訳は、「大当り後の時短」、「遊タイム」、そして『P刀使ノ巫女』に搭載されている「突然時短(C時短)」であり、その中でもC時短の存在はゲーム性を格段に広げる大きな要因となった。昨今は同時短を用いた変則的なスぺックが多数登場しており、今回の『P刀使ノ巫女』も興味深い仕様といえるだろう。

元JRA藤田伸二氏「さすがユタカさん。空気を読める人」C.ルメール「大楽勝ムード」から“油断”でコントレイル馬主にアピール失敗!? 川田将雅「あまりにも人気が…」騎手買いはもう常識?【週末GJ人気記事ぶった斬り!】

 様々なGORAKUを心から愛する「GJ」。今週も人気だった競馬記事を、下手の横好きライター「A」と、当サイトの酔いどれデスク「Y」が徒然なるままに振り返ってみた!!

JRA C.ルメール「大楽勝ムード」から“油断騎乗”で痛恨の2着!? 「普通に乗ってれば勝ってたんじゃ……」単勝1.8倍もコントレイル馬主にアピールならず

デスク「Y」:マツケンサンバと有馬記念(G1)のコラボ、めちゃくちゃ面白いんだけど!(笑)

ライター「A」:JRAのコラボ企画は、毎回面白いというか斬新ですよねー。僕はエヴァンゲリオンとのコラボが印象に残ってます。

デスク「Y」:ああいうぶっ飛んだ感じ、好きだわ~。

ライター「A」:わかります(笑)。さて、JRA様を褒めるのもたいがいにして、そろそろ本題に入りましょう。先週、4日の新馬戦で単勝1.8倍に支持されたストロングウィルでしたが、惜しくも2着に敗れてしまいました。

デスク「Y」:記事のタイトル通り、大楽勝ムードだったんだけどなあ。最後の直線で馬なりのまま先頭に立ったら、C.ルメール騎手じゃなくても「圧勝する!」って思うじゃん?

ライター「A」:ところが、そこからあまり伸びませんでしたね。内を突いた勝ち馬ラリュエルの松山弘平騎手の好騎乗もありましたが、それ以上にストロングウィルの負け方が印象に残ったレースでした。

デスク「Y」:うーん、単純に切れる脚が使えないのか、それともソラを使うとか気性面の問題なのか……。ただ、2歳新馬とかでよく「馬なりで大楽勝」とか見かけるけど、「じゃあ、実際にちゃんと追ったらどれくらい上積みがあるの?」っていう疑問はあるよね。

ライター「A」:我々ファンとしては「本気で走ったらどれだけ強いんだろう」という妄想が膨らむというか、どうしても大きな上積みを想像してしまいますもんね。

デスク「Y」:もちろん、想像通りさらに凄いパフォーマンスを発揮する馬もいるんだけど、逆に案外ってのもいるよね。

ライター「A」:僕が印象に残ってるのは、サートゥルナーリアですね。デビュー2戦を楽勝していて「これは三冠馬になる」って衝撃を受けたんですが、初めて本気で走った3戦目のホープフルS(G1)が案外で……。

デスク「Y」:ちゃんと勝ったからいいじゃん! オレは最近だとファンディーナだね。あの馬は「これはヤバイ!」って思ったもん。

ライター「A」:ああ、覚えてます。たしか牝馬ながらに皐月賞(G1)に出走して1番人気になりましたよね。

デスク「Y」:そうそう。皐月賞まで、ずっと馬なりのまま楽勝で「本気で走ったらどうなるんだ!?」ってスケール感が凄かった。

ライター「A」:GJでも、かなり大々的に取り上げてましたよね。皐月賞は残念ながら7着に敗れてしまいましたが、1番人気だったのはウチが煽り過ぎたせいなんじゃ……。

デスク「Y」:だったら、GJがオッズに影響を与えたってことになるね。デスクとしては鼻高々ですよ、ハッハッハッ!

ライター「A」:皆様、その節は本当に申し訳ございませんでした。これも競馬と思って、どうかご容赦を……(なんで僕が謝ってるんだ)

元JRA藤田伸二氏「さすがユタカさん。空気を読める人」、チャンピオンズC(G1)ソダシにハナ譲った? 4着武豊インティに「ハナ行ってたら、楽に2着はあったかも」

ライター「A」:先週のチャンピオンズCですが、テーオーケインズが素晴らしい走りを見せた一方、ダート初挑戦だったソダシにとっては残念なレースになってしまいました。

デスク「Y」:ソダシは12着だっけ? 最後の直線、あそこから伸びなかったのはダート適性がないからか、それとも気性的な問題か……。上手にハナに立つまでは完璧だったと思うし、1000m通過が61.4秒って見たときは「ちょっとソダシを可愛がり過ぎじゃない!?」くらいに思ったんだけどなあ。

ライター「A」:そこに関しては元JRA騎手の藤田伸二さんも同じような感想を思っているようで、YouTubeのライブ配信でも「さすがユタカさん。空気を読める人」と発言されていたとか。

デスク「Y」:インティの武豊騎手だよね? まあ、ソダシは今や競馬界のアイドル的な存在だし、あんなに楽に逃がしちゃったら「他の騎手が忖度してる」って思うわなあ。

ライター「A」:でも、逃げ馬に騎乗した武豊騎手って、わりと他の逃げ馬に競り掛けないこともありますもんね。呉越同舟というか、スローペースで一緒にワンツーゴールしましょう的な。キタサンブラックとか、そんなイメージです。

デスク「Y」:あの馬は、ハナにこだわらなくてもよかったからね。武さんも行くときは厳しくいくんだけど、あの時のソダシには優しかったね。でも、それでインティが4着に頑張ったんだから、判断としては正しかったんじゃないかな。

ライター「A」:藤田さんは逆に「ハナ行ってたら、楽に2着はあったかも」と話されていたみたいですけどね。

デスク「Y」:インティは気持ちで走るタイプだから、あり得るかも。それにしてもソダシの1枠1番には驚いたね。

ライター「A」:どういうことですか?

デスク「Y」:キタサンブラックで思い出したんだけど、現役の時、あの馬が内枠ばっかり当たるからJRAの忖度疑惑とか言われてたじゃん? その考えだと、初ダートのソダシはてっきり砂を被る危険が少ない外枠になると思ったんだけどなあ。

ライター「A」:JRAが公正に枠順抽選を行ってるってことですよ。

デスク「Y」:いや、あれはJRAが仕掛ける壮大な「ソダシ感動の復活劇」の序章が始まったんだと思うな。とりあえずソダシに試練を与えておいて連戦連敗、来年の有馬記念辺りで劇的な復活勝利で大団円的な……おっと、誰か来たようだ。

ライター「A」:誰も来てませんよ。妄想もそこまで行くと、もう痛いだけですね……。

JRA 川田将雅「あまりにも人気し過ぎていましたが……」想定以上のオッズにビックリ!? 武豊・C.ルメールだけではない!「川田人気」はもう常識?

ライター「A」:先週の3歳上1勝クラスを1番人気に応えて勝利したロードプレジールですが、鞍上の川田将雅騎手は、あまりにも人気になっていたことに驚いていたようです。

デスク「Y」:まあ、確かに前走4番人気で11着に敗れてる馬だもんな。同じ中京の芝2200mに出てきたのに、いきなり1番人気になったのは、ちょっと意外だったよね。

ライター「A」:結果的にロードプレジールが勝ったわけですから、皆さん馬券が上手ですね。やはり川田騎手への信頼感が人気になった要因でしょうか。

デスク「Y」:まあリーディング54位(9日現在)の中井裕二騎手から2位の川田騎手への乗り替わりだから、相当な鞍上強化だしね。今の競馬は「馬より騎手で買え」っていうのは、みんなの常識になりつつある。

ライター「A」:この秋のG1もルメール騎手、横山武史騎手、福永祐一騎手が大活躍しましたしね。何度、同じような組み合わせを見たことか……。

デスク「Y」:そうそう。我々みたいな素人が、いくら馬のことを考えたってわかるわけないんだから(笑)。もういっそのことレース前の取材とか、共同会見でも馬のことじゃなくて騎手のこと聞いてほしい。

ライター「A」:ルメール騎手に今日は何食べたとか、現在のコンディションとか、体重とかについて聞くってことですか?

デスク「Y」:面白いじゃん。会見で馬のこと聞くなんて競馬くらいのもんだよ。

ライター「A」:そりゃ、競馬は馬が主役ですから。でも、1回くらいそういう会見があっても面白いかも(笑)。

デスク「Y」:もうJRAも「ルメール、横山武史、福永祐一の3点セット」とかを回数券的な感じでパッケージ販売してほしい。回数券を利用して100円買ったら120円分の投票になるお得なセット!

ライター「A」:あまりにも自分の馬券が当たらないせいで、壊れっぷりも1.2倍増しですね……。ご愁傷様です。

 さて、今週も毎度バカバカしいお話にお付き合いいただきありがとうございました。『GJ』では今週末に開催される重賞関連の記事も多数掲載しております。お手すきの際にご笑覧いただけたら幸いです。
(構成=編集部)

JRA中日新聞杯(G3)「特大万馬券」の使者は老いてますます盛ん? 人気はラーゴム、ボッケリーニでも、絶好の狙い目はノーマークのディープインパクト産駒

 11日、中京競馬場では中日新聞杯(G3)が行われる。荒れやすい中距離ハンデ重賞の一つで、過去10年の3連単は払い戻し10万円超えが5回、平均配当は約12万円となっている。

 今年も荒れ模様の一戦になるのか、それとも人気通りに決まるのか。9日現在、『netkeiba.com』の想定オッズではラーゴム、アドマイヤルビルゴ、ボッケリーニの3頭が単勝一桁台と予想されており、オッズ的には三強ムードが濃厚となっている。

 ラーゴムとボッケリーニは、阪神の芝2000mで行われたアンドロメダS(L)から参戦する。前走でハナ差の激戦を繰り広げた2頭が中2週で再び激突する。

 上位人気が注目されているアンドロメダS組だが、伏兵の存在も見逃せない。なかでも特に注目したい1頭となるのが、最年長7歳で出走してくるプレシャスブルー(牡7歳、美浦・相沢郁厩舎)だ。

 前走では先述した2頭から3/4馬身差の3着、ラストの直線では7歳馬とは思えぬ迫力のある差し脚を披露した。また、このときの上がり3ハロン34秒2はメンバー中最速だった。7歳馬といってもまだまだ元気一杯だ。

 脚質が追い込みということもあり、レース展開に左右されることが多いが、プレシャスブルー最大の武器は末脚の切れ味である。今年ここまで6戦中3戦で3着以内を確保しており、いずれも見せ場十分のレース内容だった。

 ここまで様々な騎手が手綱を取ってきたプレシャスブルーだが、今回は吉田隼人騎手と初コンビを組む。リーディング1桁順位の騎手を配するあたり、プレシャスブルーの陣営の勝負気配も強そうだ。

 中日新聞杯において、7歳馬の過去10年の戦績は1-4-0-21/26となっていることも好材料。1着こそ1度しかないが、連対を確保した馬はいずれも穴馬ばかリ。配当的な妙味を考えても狙うだけの価値はあるだろう。

 ちなみにプレシャスブルーは『netkeiba.com』の想定オッズは、12月9日時点で想定11番人気とかなりの人気薄。1、2着馬に注目が集まるアンドロメダS組だが、幸運の万馬券をもたらすのは、この馬かもしれない。

 勝てば7歳にして待望の重賞初制覇となる。遅咲きの老兵の末脚を炸裂させてくれることを楽しみに待ちたい。

(文=鹿取文)

<著者プロフィール>

平日は会社員、土日はグリーンチャンネル三昧の日々を送る。幼少期にグラスワンダーが勝った宝塚記念を生観戦、絶叫する親族にドン引きするも二十年経ち気づけば自分も同じ道へ。逃げ馬の粘りこみが好き。

コロナの起源、中国の抵抗で闇の中へ…新たなパンデミックへの対応に重大な支障

 新型コロナウイルス感染症の流行が始まって2年が経過した。見つかったきっかけが2019年12月末の中国・武漢市の海鮮市場での集団感染だったことから、ここで売られていた野生動物が感染源であり、これを介してヒトに感染するようになったと当初は考えられた。しかしその後、新型コロナの最初の発症は12月8日であり、この海鮮市場とはまったく関連がないことが判明している。

 新型コロナは名前の通りコロナウイルス科に属するウイルスだ。02年に中国から世界へと広がったSARSコロナウイルスや12年にサウジアラビアで発見されたMERSコロナウイルスはどちらもコウモリが宿主だった。SARSの場合はハクビシンが、MERSの場合はヒトコブラクダが中間宿主となってヒトに感染した。新型コロナも宿主はコウモリだとされているが、世界の科学者たちが中間宿主を血眼になって探しているにもかかわらず、現在に至るまでその動物を特定できていない。

 このため「ウイルスは人工的につくられたのではないか」との疑惑が浮上していた。バイデン大統領の求めに応じて、米情報機関は今年8月末に新型コロナの起源に関する報告書をまとめた。「新型コロナがバイオテロのために開発されたウイルスである可能性はない」と結論づけたものの、「コウモリなどの動物からヒトに感染した」説と「研究所から流出した」説のどちらが正しいかは判断できないという内容だった。

武漢ウイルス研究所のDBにアクセスできず

 筆者は中国・武漢ウイルス研究所から流出した可能性が高いと考えている。新型コロナに最も近いとされているのはRaTG13ウイルスだ。遺伝子情報が新型コロナと96.2%一致しているからだが、このウイルスは武漢ウイルス研究所の石正麗氏らがネイチャー誌で「中国・雲南省の鉱山のコウモリから見つかった」と報告している。遺伝子情報は極めて似ているものの、3.8%分の変異が自然界で生じるためには数十年の期間を要することから、新型コロナの直接の起源とはいえない。

 武漢ウイルス研究所はコウモリが保有するコロナウイルスとSARSウイルスの合成ウイルスをつくってヒトの細胞への感染性を評価する、いわゆる機能獲得実験を行ったことも公表していた。武漢ウイルス研究所はバイオセーフティーレベル(BSL)4の基準をクリアした中国初の研究機関だが、この危険な実験を安全管理レベルが格段に低いBSL2の研究室で行っていた。安全管理の意識が低かったといわざるを得ない。

 武漢ウイルス研究所が実施した機能獲得実験に米国国立衛生研究所(NIH)の資金が提供されたことも明らかになっている。今年9月に米インターネットメディアがスクープ報道し、NIHの高官もこの事実を認めるに至っている。

 前述の石氏は昨年2月、「新型コロナは武漢ウイルス研究所から流出したウイルスの可能性がある」と述べたが、その後4カ月にわたり公の場から姿を消した。石氏は昨年6月に復帰したが、それ以前に認めていた事実をすべて否定した。だがネイチャー誌等に掲載された彼女の過去の発言は動かぬ証拠だ。

 今年10月、ラオス北部に生息するコウモリから新型コロナに酷似するBANAL-52ウイルスが見つかった。遺伝子情報が新型コロナと96.8%一致しており、雲南省で採取されたRaTG13ウイルスより高い数字であることから、新型コロナの起源だと注目された。劣勢に立っていた自然発生説が息を吹き返したかと思われたが、11月に入ると「このウイルスのサンプルが17年6月から19年5月の間に研究のために武漢ウイルス研究所に送られていた」事実が明らかになっている。

 武漢ウイルス研究所は2万2000にも及ぶコロナウイルスのデータベースを持っているが、19年9月からこのデータベースにアクセスできない状態が続いている。

バイオ技術の進歩は「諸刃の剣」

 新型コロナにより世界では500万人以上の尊い命が失われ、パンデミックは今でも続いている。新型コロナの新たな変異株(オミクロン株)の出現も問題となっているが、「感染力は高いものの重症度が低いとされるオミクロン株が新型コロナのパンデミックを収束させるのではないか」との期待も出ている。「重症度が低く感染力の強い株がより重症度の高い株を急速に駆逐する」のは過去のウイルスの進化のパターンであり、重症度の低いオミクロン株がデルタ株に置き換われば、新型コロナは季節性のインフルエンザに近いものになるとの理由からだ。

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではないが、パンデミックが終焉すれば、新型コロナの起源への世界の関心は薄れることは間違いない。この問題に大きく関わる中国、そして米国の対応が現状のままでは真実は永遠に闇の中だ。だが、それでは次のパンデミックを防ぐことができないのではないだろうか。

 新型コロナのワクチン開発に携わったサラ・ギルバード英オックスフォード大学教授は12月6日「将来、新型コロナよりも感染力や致死率の高い感染症のパンデミックが起きる可能性がある」と警告を発した。

 近年のバイオ技術の長足の進歩のおかげで、私たちは極めて短期間で効果の高い新型コロナのワクチンを手に入れることができた。だがバイオ技術の進歩は「諸刃の剣」だ。ウイルスの遺伝子組み換えなどの技術が非常に普及しており、極めて危険な実験を行っているのは武漢ウイルス研究所だけではないだろう。次のパンデミックも自然由来ではなく、人工ウイルスによって発生する可能性が高いと思う。

 今回の事例を教訓にして次のパンデミックを防ぐためには、世界各地の研究所の管理を独立した国際的な公的機関に委ねる仕組みを早急に構築することではないだろうか。

(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)

●藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー

1984年 通商産業省入省

1991年 ドイツ留学(JETRO研修生)

1996年 警察庁へ出向(岩手県警警務部長)

1998年 石油公団へ出向(備蓄計画課長、総務課長)

2003年 内閣官房へ出向(内閣情報調査室内閣参事官、内閣情報分析官)

2011年 公益財団法人世界平和研究所へ出向(主任研究員)

2016年 経済産業研究所上席研究員

2021年 現職

櫻井翔、元日本兵に「米国兵を殺してしまった感覚は?」…批判続出、理解示す声も

 太平洋戦争開戦のきっかけとなった1941年(昭和16年)の日本軍によるハワイ真珠湾攻撃から80年目を迎えた12月8日、ハワイ・オアフ島では犠牲者追悼式典が行われたが、その2日前の同月6日に放送された報道番組『news zero』(日本テレビ系)は「真珠湾攻撃から80年…103歳元搭乗員語る」という特集を放送。キャスターの嵐・櫻井翔が真珠湾攻撃に参加した元搭乗員の吉岡政光さんへインタビューを行ったのだが、そのなかでの櫻井の「アメリカ兵を殺してしまったという感覚は?」という質問が議論を呼んでいる。

 目的を知らされないまま空母で日本を出航してハワイに向かい、途中の海上で真珠湾奇襲攻撃の計画を知らされたという吉岡さん。そのときの心境について櫻井に聞かれ、

「これは大戦争で“お前たちは死んでくれ”ということだなと。要は決心しなくちゃならない。23歳の若造が死ぬということを決心するということは、大変なことですよ」

と当時を振り返った。続けて、攻撃機からアメリカ軍に向けて魚雷を投下した際の気持ちについて聞かれると、

「魚雷を落としたからには、自分のは当たってもらいたいですよね。だから、そればっかり一生懸命やって眺めて。魚雷が当たったということで、非常に安心しましたけど」

と語った。そして櫻井は「戦時中というのはもちろんですけど、アメリカ兵を殺してしまったという感覚は?」と質問。吉岡さんは一瞬、言葉に詰まるような様子を見せながらも、少し間をおいて、次のように語った。

「私は“航空母艦と戦艦を沈めてこい”という命令を受けているんですね。“人を殺してこい”ってことは、聞いていないです。したがって命令通りの仕事をしたんだ。もちろん人が乗っていることはよくわかっています。しかし、その環境というと私も同じ条件です。ですけども、それとは切り離すと、戦争はしちゃいけないということを一番身をもって知っているのは、私たちだと思っています」

 最後に吉岡さんは櫻井から「真珠湾から80年たつ今、若い世代に伝えたいことはありますか?」と聞かれると、

「戦争というのは一番、人が死ぬんですよね。戦争だけはやめたほうがいいということは、私たちが一番よく知っているんです。だから私の話を聞いてもらってね、少しでも人が人を殺しちゃいけないということを頭の芯から覚えるように、助けになれればいいなと思っている」

と語った。

「そういう事聞かないならインタビュー自体無意味」

「戦争の話をしますと、顔を知った人が浮かんでくるんです」という理由で、これまで真珠湾攻撃での体験を語ってこなかったという吉岡さんの貴重な証言を引き出した櫻井だが、「アメリカ兵を殺してしまったという感覚は?」という質問に対しては、ネット上では放送直後から次のように批判的な意見や、逆に理解を示す声があがっている。

<事象の表面だけを捉えて自己満足する質問。少なくとも「国のため」に命をかけた人への敬意は感じない>(原文ママ、以下同)

<国の為に自分の人生すべてを捧げるような時代に産まれて戦争に向かった人に、僕はこのセリフは言えない>

<敵兵を殺すことが国のためになると言われていた当時の日本兵に、現代の感覚で失礼極まる質問>

<それまで戦争体験を語る事が無かった、その意味を理解してたら、とてもそんな質問は出来ん>

<仮にこの質問を要望した人が居たとしても、何の疑問も持たず言うのは流石に考え無しの行動と思われても仕方ない>

<その前の質問から「魚雷で相手戦艦を沈める任務を受けて、その向こうにいた米兵の事を考えられたか」の意>

<多分戦争未経験の人間が兵士に対して一番聞きたい事だろ そういう事聞かないならインタビュー自体無意味>

<「現代の感覚で聞く」至極当然の事だと思うよ>

<この質問に問題があると騒ぐのは、戦争が殺し合いだと言う現実から目を背けてるからだよ>

<命令とは言え人を殺したこととどう向き合ってるんやってことやろ>

<別に問題ないでしょ。逆に忖度して質問するべきではない>

キャスターとして聞くべき質問だった?

「局内でも特に問題にはなっていない」と言う日本テレビ関係者は、次のようにみている。

「報道番組の戦争特集という枠のなかで、戦争の悲惨さを訴えるために決心して出演いただいた元搭乗員の方に聞く質問としては、あってしかるべき質問では。この質問を受けたときの、この方の表情や言葉から、戦争を知らない世代の視聴者が感じ取ったものはあると思う。

 もちろん質問項目については櫻井とスタッフの間ですり合わせはしているが、本番ではインタビューの流れからどういう質問をするのかというのは、櫻井次第。櫻井は『zero』以外でも五輪関連や選挙特番などでキャスターを務めることが多いが、アイドルとはいえ自分でもかなり入念に事前の下調べをして挑むタイプ。外国人とのインタビューのために本格的に英会話の勉強もしている。今回の質問も、少なくても“タレントゆえの勉強不足”から出た質問ではなく、櫻井なりにすべき質問だと考えたのだろう」

 また、全国紙記者はいう。

「嵐の活動休止発表の会見で『無責任じゃないかっていう指摘もある』と質問した記者が批判を浴びた際、櫻井は直後の『zero』で“あの質問は必要な質問だった”という意味合いのことを言っていたと思うが、今回の質問も櫻井なりに“キャスターとして聞くべき質問”という判断だったのでは。

 実際に櫻井の質問を受け、元搭乗員の方は『命令通りの仕事をした』『その環境というと私も同じ条件です』と語り、一民間人が国の命令で人の命を奪わなければならない境遇に置かれるという戦争の悲惨さを視聴者に伝える結果となっていたし、その後のご本人の『戦争はしちゃいけない』という反戦の言葉につながっていた。その意味でも、櫻井の質問は“必要な質問”だったと思う。少なくても、インタビューを見れば、その文字面どおりに単に“人を殺す気持ちはどういうものか?”という意味合いで聞いているわけではないことは明らかだろう」

(文=編集部)