パチスロ新台「特化ゾーン=99%ループ」シリーズ最強クラスの上乗せ性能が“2400枚完走”を導く‼―パチスロ編―

 シリーズでお馴染みの「OPT」は達成型特化ゾーンへと進化。苦戦が続く6号機時代でも快進撃を続けるヒットメーカー・ネットはこのほど、パチスロ最新作『シンデレラブレイド4』をリリースする。

『シンデレラブレイド4』

 本機は、同社初の有利区間3000Gに対応した6.2号機。出玉増加の軸となるAT「武闘会」は自力継続のバトルロイヤルタイプで、純増枚数は約2.7枚となっている。

 主な突入契機は、2部構成のCZ「滅龍戦線」で、前半の「滅龍戦線 絆」は40G間に姉との合流を目指し、後半の「滅龍戦線 死闘」では合流した姉とともにボス・ラーシルを倒すゲーム性。このラーシルは「第一形態」「第二形態」……と倒す度に進化していき、ラストの「最終形態」を倒すことができればAT確定となる。

 なお、前半のCZ中は「武闘会」と同じく約2.7枚のAT状態。そのため、100枚弱のコインを持った状態でバトルに挑むことが可能だ。

「武闘会」はループ率約72%のガチバトルAT。消化中は、姉にダメージに与えて撃破→上乗せ特化ゾーン「おしりペンペンタイム(以下、OPT)」を目指すゲーム性で、OPTでの上乗せが上位AT=エンディング到達のカギを握る。

 まず姉撃破時は「おしりペンペンチャンス」が発生し、そこで姉パネルが選択されればOPTが確定。また、AT中は継続するたびに日数がカウントされていき、3日目と7日目はOPT確定となるペンペン棒獲得の大チャンスだ。これらのチャンスを活かしつつ、OPTでの上乗せが合計600枚に達すると、最上位AT「クイーンズバウト」へ。

 女王・アーデルハイトとの最終決戦となる本バトルは、継続率93%の上乗せループタイプで、継続抽選に漏れるまで差枚数を上乗せしていく仕様。突入時の有利区間完走率は驚異の約53%を誇る。

 なお、本機には「暴走モード」なるOPT突入の超高確率状態も存在。これはOPTで獲得した枚数を消化する「(超)シンデレラボーナス」中にゲーム数獲得抽選を行っており、このモード中の姉撃破はOPT突入が約束される。

 通常時の自力感はもちろん、OPTを起点とした出玉性能も要必見。そんな見どころ満載の『シンデレラブレイド4』は12月20日に導入予定だ。

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【参加者募集】逆塾(全11回パック)〜逆転の発想によるアイデア出しと企画力を鍛える講座

真のイノベーションを起こすための共創の場「WASEDA NEO」と「ウェブ電通報」が連携してお届けする社会人向けオンライン講座「ウェブ電通報×WASEDA NEO 連携講座シリーズ」。
今回のテーマは「逆塾」。2022年1月26日から全11回で開催される。ファシリテーターは、Creative Project Base代表の倉成英俊氏。Bチームアクティブラーニングこんなのどうだろう研究所の知見や方法論をふんだんに紹介する。
全11回パックの参加費は33000円で、1月26日の午後1時まで受け付ける。

ウェブ電通報×WASEDA NEO 連携講座シリーズ「逆塾」告知案内

【講演概要】

逆転の発想。逆張りの成功例。いま学ぶべき「逆」の方法論が、ここに集結する。

みんながいいと思っている流行の方法ばかり試すことに違和感はないだろうか?枠にとらわれないユニークな発想法とは?
逆転の発想、逆張り、逆走、逆手に取る、など、「逆」について学ぶ、ここだけの特別講座。名付けて、「逆塾」。塾長は、電通Bチーム創設者で現Creative Project Base代表の倉成英俊氏。自身で逆の方法を多数実践してきた彼が共感する、逆の実践者、逆の方法論をここに集め、ファシリテートする。

逆塾のロゴ

日時:2022年1月26日(水)19:00〜20:30
開催回数:全11回
開催場所:オンライン、早稲田大学 日本橋キャンパス
※第1回~第3回、第8回はオンライン(Zoom)、第4回以降(第8回を除く)は対面+Zoomのハイブリッド開催
席数:55席
申込期限:2022年1月26日(水)13:00
参加費:33000円(税込)/全11回

■詳細・お申し込みはこちら

【講師/ファシリテーター】
Creative Project Base 代表/電通Bチームfounder
倉成 英俊 / Hidetoshi Kuranari

1975年佐賀県生まれ。小学校の時の将来の夢は「発明家」。東京大学機械工学科卒、同大学院中退。2000年電通入社。クリエーティブ局に配属、多数の広告を企画制作。その最中に、プロダクトを自主制作し多数発表。2007年バルセロナのプロダクトデザイナーMarti Guxieのスタジオに勤務。帰国後、広告のスキルを超拡大応用し、各社新規事業部の新プロジェクト創出支援や、APEC JAPAN 2010や東京モーターショー2011、IMF/世界銀行総会2012日本開催の総合プロデュース、佐賀県有田焼創業400年事業など、さまざまなジャンルのプロジェクトをリードする。2014年より、電通社員でありながら個人活動(B面)を持つ社員56人と「電通Bチーム」を組織、社会を変えるこれまでと違うオルタナティブな方法やプロジェクトを社会に提供。2015年には、答えのないクリエイティブな教育プログラムを提供する「電通アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所」をスタート。2020年7月1日Creative Project Baseを起業。Marti Guxieにより日本人初のex-designerに認定。 

【逆塾】全11回 スケジュール
 
<第1回> 1月26日(水)19:00〜20:30 オンライン
逆塾 OPENINGセミナー「 PlanBを作ろう! -『AじゃなくてB』の時代の到来-」
講師:倉成英俊(Creative Project Base 代表/電通Bチームfounder)

<第2回> 2月9日(水)19:00〜20:30 オンライン
「スモールメリット -小さいことの価値を活かす-」
日本最小農家 西田栄喜

<第3回> 3月16日(水)19:00〜20:30 オンライン
「重く作って、軽く売る -脱マーケティングのススメ-」
大和桜酒造5代目 若松徹幹
 
<第4回> 4月13日(水)19:00〜21:00 日本橋キャンパス+オンライン
ワークショップ①逆転の発想法 「無のチャンス」
電通Bチーム PLAY担当 大山徹
 
<第5回> 5月18日(水)19:00〜20:30 日本橋キャンパス+オンライン
「世界6カ国で受けてきた『逆』の教育」
 2015年世界コピーライターランキング1位 キリーロバ・ナージャ
 
<第6回> 6月15日(水)19:00〜21:00 日本橋キャンパス+オンライン
ワークショップ②「『逆事例』採集」
Forbes JAPAN藤吉雅春編集長 × 倉成英俊
 
<第7回> 7月20日(水)19:00〜20:30 日本橋キャンパス+オンライン
「教育業界からの逆襲 - ビジネス界に超役立つ教育界の凄い方法 5-」
小金井市教育長 大熊雅士

<第8回> 8月24日(水)19:00〜21:00 オンライン
「逆張り力|人と違うことを始める力」
minitts代表取締役 中村朱美(佰食屋オーナー/創業者)

<第9回> 9月14日(水)19:00〜21:00 日本橋キャンパス+オンライン
ワークショップ③ 逆転の発想法「NO “NO”法」
電通Bチーム 発明担当 高橋鴻介

<第10回> 10月19日(水)19:00〜20:30 日本橋キャンパス+オンライン
「売れるためには、売れないことが大事」
カリスマバイヤー 山田遊

<第11回> 11月未定 19:00〜20:30 日本橋キャンパス+オンライン
Secret Talk Session 
第6回で「逆」の成功例を議論し、その中から選ばれた事例に関する講師をオファー。
 

パチンコ新台「ST100%×10R比率50%」の激熱ライトスペック…「最大94%継続」甘デジなど大物シリーズ最新作が続々始動!!

 年の瀬にきてパチンコ甘デジ界隈が激アツだ。ビッグタイトルのシリーズ最新作となる甘デジバージョンが続々と発表されている。

 まずサミーから新台『P北斗の拳8究極乱世』。新たなナンバリングタイトル『P北斗の拳9闘神』が導入されたばかりだが早くも次の動きがありファンを驚かせた。最大の武器はトータル継続率約88%の高ループRUSH。突破型であの『ぱちんこCR真・北斗無双 夢幻闘乱』のゲーム性がさらに進化したスペックとなっている。

 RUSHの「究極乱世モード」は基本的にST64回転で継続率約85%だが、10ラウンド大当りだとSTに100回転の時短がプラスされループ率が約94%までアップ。もちろん、10ラウンド大当り以外でもST終了時に時短が付与されモード継続となるパターンもある。

 また、最大となる10ラウンドでは約1000発の出玉を獲得できるが、右打ち中なら15%の割合と甘デジのなかでも振り分け率が高い。さらに『北斗』シリーズおなじみの高速消化を強力にアシストするストレスゼロの「ZERO SONIC」が搭載されているので、究極の爽快感を味わうことができるのだ。

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 甘デジでも最強の出玉性能を実現した『北斗』のニュー甘デジ。2月中旬から順次導入が開始されるようだ。

 藤商事からも気になる新台情報が届いた。安定感のあるスペックと抜群のコンテンツ力で大ヒットを記録した『Pとある魔術の禁書目録』からライトバージョンが登場する。その名も『Pとある魔術の禁書目録 Light PREMIUM ver.』。

 大当り確率が約1/129となるライトスペックでST突入率100%、電サポ100回、右打ち中の10ラウンド比率50%とミドルタイプを踏襲した内容に、ファンの期待感も高まっていることであろう。

 また本機は、ミドルタイプと比較してリミットブレイクチャンスの期待値が「約25%→約46%」へと大幅にアップしている模様。本作から加えられた新規演出を大量に搭載しているほか、楽曲も追加されている。ミドルにはなかった魅力がつまった仕上がりであるといえるだろう。

 まさに限界をぶち壊す『とある』シリーズ待望の最新作。その仕上がりに期待は高まるばかりだが、そんな同シリーズといえば新台『Pとある科学の超電磁砲』にも熱い視線が注がれている。

 本機はすでに登録が必要な期間限定の特別先行サイトが公開されており、そこには最速試打動画など貴重な情報が確認できる。

 公開期間が12/19の23:59までだったので現在は閲覧することはできないが、もうすぐ公式の機種サイトがオープンされるであろう。ファンにとってのクリスマスプレゼントorお年玉となるだろうか。その動向に注目である

パチンコ「275連・一撃6万発」の伝説を生んだ超爆連マシンが再臨! 魅惑の約98%ループRUSHが再び!?

 大当り確率 1/69.9でありながら「一撃7700発」を狙える突破型マシン『Pカイジ鉄骨渡り 勝負編7000』をリリースするなど、今年も個性あふれる魅力的な機種をホールへ送り出している高尾。先日もパチンコ新台『Pらんま1/2 熱血格闘遊戯 199Ver.』がデビューし、話題となりました。

 大当り確率1/199.8のライトミドルタイプで、大当りすれば必ず「時短4回+残保留4回」のRUSHへ突入。ここで約1/5.56の大当りを射止めることができれば、2連目以降は「時短8回+残保留4回」の約91%ループへ移行するという魅力的なスペックです。本機を含め、年末年始を高尾製のマシンが大いに盛り上げてくれそうですが…。

 そんな同社から、非常に気になる激アツ新台が検定を通過しました。それはパチンコ新台『PGOLDピラミッ伝V1A』です。このタイトルを見て、怒涛の超連チャンが頭をよぎったのは私だけではないでしょう。

『ピラミッ伝』といえば、高尾が誇るオリジナルコンテンツの一つ。以前に登場した『楽園ぱちんこCRおしおきピラミッ伝with丸高愛実』は、尖りまくった爆連スペックで一部ファンから絶大な支持を得た機種です。

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 前作のスペックを簡単におさらいすると、大当り確率1/168のライトタイプ。大当りすれば100%確変に突入しますが、その大半が「電サポ8回(82%)or電サポなし(17.6%)という変則的な仕様です(0.4%はRUSH直行)。

 ではどのようにRUSHへ突入させるかというと、ヘソ大当り後の電サポ8回転の内に1/33.7(高確時)の大当りを射止めなければなりません。極めて高いハードルとなっていますが、確変状態は転落フラグ(確率1/888.3)を引くまで継続するので何度もチャレンジすることが可能となっています。

 とはいえ、大当り出玉は3R・225発しか獲得できませんから、「大当り→潜伏」が延々とループして投資額が膨れ上がるということも少なくありませんでした。ライトスペックでありながら、5~6万円が旅立って大火傷を負ったこともありましたね。あの時は泣きそうになりました…。

 しかし、そんな目に遭ってもRUSHへ突入してしまえばオツリがくるほどの爆連が待っています。連チャンモード「クレオパトRUSH」では、電サポ100回転を約束。転落フラグを引いていなければ、101回転以降も電サポが継続する仕様です。

 本機の特徴を要約すれば「1/888.3の転落フラグを引く前に1/33.7の大当りを射止める」というゲーム性。こうやってみると「やれる気」しかしないのは私だけではないでしょう。継続率は驚愕の約98%ですから、30~40連は平然とやってのけます。その上の100連クラスが炸裂することも余裕であり得たのです。

「終わる気がしない」とはまさにこのこと。過去には「275連・一撃6万発オーバー」という大記録を達成した猛者も現れました。なんでも「朝から夕方まで出っ放し状態」だったとか…。本当に羨ましく思ったのを今でも鮮明に覚えています。

 そんな魅惑の連チャン機の後継と思われる新台『PGOLDピラミッ伝V1A』にも期待せずにはいられません。爆速が当たり前となっているP機として、どのような仕上がりで登場するのか。それこそ「朝から夕方まで出っ放し」とならずとも「1時間で6万発」を吐き出すモンスターとして生まれ変わる可能性もなくはないでしょう。

 まだ検定を通過したばかりなので期待ばかりが先行してしまっていますが、過去作を彷彿とさせる爆連マシンとして再びホールを盛り上げてほしいですね。

(文=HIRA.777)

<著者プロフィール>

 飲食店やホテルマン、営業など幅広い職種にチャレンジ。どれも長続きせずにいたが、趣味であったパチンコ関連業界へ就職し現在に至る。今では自身の体験談や、業界関係者から入手した情報などを元に記事を作成中。パチスロ4号機にハマっていたいわゆる「北斗世代」で、長きに亘り活躍するシリーズの動向に注目している。主に検定通過情報や、動画レビュー記事を担当。動画は大量出玉を実現した内容を好んで紹介している。

JRA C.ルメール×クロノジェネシス「コンビ解散」の危機!?「オーナーに報告できない」大失態で調教師“激怒”……有馬記念(G1)最強コンビに走った亀裂

 26日に中山競馬場で行われる総決算・有馬記念(G1)。今年は……いや、今年も主役は前人未到のグランプリ4連覇がかかるクロノジェネシス(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)で間違いないだろう。

 2018年のデビューから第一線で活躍し、ついにラストランを迎えるクロノジェネシス。この秋は、すでにグランアレグリア、ラヴズオンリーユーといった同世代のクラシックを分け合った名牝が有終の美を飾っており、秋華賞馬の本馬が“大トリ”を務める。有馬記念でグランプリ4連覇を飾れば、競馬史に残る伝説となるだろう。

 そんな大役のエスコートを託されたのが、鞍上のC.ルメール騎手だ。主戦の北村友一騎手が落馬負傷したため、今夏の宝塚記念(G1)で初のコンビ結成。一発回答で結果を残し、4年連続リーディングジョッキーの貫禄を見せつけたことは、ファンの記憶にも新しいはずだ。

 しかし、この最強コンビには一つの大きな「亀裂」がある。

「クロノジェネシスはヨーロッパ血統で、柔らかい馬場でも良いパフォーマンスができます。海外、特にフランスでは良い結果を出せると思います」

 今夏の宝塚記念の勝利騎手インタビューで、ルメール騎手はあえてクロノジェネシスの欧州適性について語っている。当時、本馬の凱旋門賞(仏G1)挑戦が決定的な状況であり、何よりもその鞍上に自分がいると信じていたからだ。つまり、この発言はクロノジェネシスの関係者へのアピールでもあった。

 だが、そんなフランス人ジョッキーの思いは儚くも届かなかった。

 クロノジェネシス陣営が下した決断は、O.マーフィー騎手との新コンビで世界最高峰の一戦に挑むというもの。新型コロナウイルスの影響で海外遠征が難しい状況だったことは確かだが、一方で武豊騎手は果敢に遠征して9度目の凱旋門賞挑戦を果たしている。

「日本馬で凱旋門賞を勝てたら引退してもいい」とまで語るルメール騎手にとって、この決定が如何に大きなショックだったかは想像に難しくないだろう。

 結果的にクロノジェネシスは、3番人気(JRA発売)に支持されながらも7着に惨敗。ジョッキーとして「自分が乗っていれば」と思うのは当然であり、母国が世界に誇るビッグレースを勝つチャンスを逃してしまったことは、ルメール騎手だけでなく、日本のファンにとっても残念に思うところがあったに違いない。

 しかし、その一方で当時の裏事情を知る『シンクタンク』の関係者からは「ルメール騎手の降板は必然だった」という声もあるから驚きだ。

「クロノジェネシスで凱旋門賞に挑めなかったことは、ルメール騎手にとって非常に残念なニュースだったことは確かです。引く手あまたの名手ですから、凱旋門賞騎乗による隔離期間など、不在が長引く影響で日本の関係者が首を縦に振らなかった背景もあります。

ただ、それ以上にルメール騎手が抜擢されなかった理由として、最終的な決定権のあるクロノジェネシス陣営から盤石の信頼を得られなかったことも大きいと思いますね」(シンクタンク関係者)

「こんな追い切りじゃ、オーナーに報告できないよ!」

 今夏の宝塚記念に向けたクロノジェネシスの1週前追い切りでの一幕だった。当時を知るシンクタンクの関係者曰く、普段温厚な斉藤崇史調教師が珍しく声を荒げたという。

 栗東のCWで行われた1週前追い切りはジェラルディーナとの併せ馬の予定だったが、ルメール騎手が行きたがるクロノジェネシスを抑えられずに、4コーナーで早々と併せ馬を交わしてしまうアクシデント。この日が本馬との初コンタクトだったとはいえ、想定外の“単走追い”となっては指揮官が頭を抱えるのも当然だ。

「当時はドバイシーマクラシック(G1)からの海外帰りで、この1週前追い切りが休養明け初の併せ馬と、陣営にとっては非常に重要な追い切りでした。もちろん経験豊富なルメール騎手ですから問題ないと思われていましたが、まさかあんなことになってしまうとは……。2週前追い切りで同じく初コンタクトの福永祐一騎手が騎乗した際は、問題なく上手に乗れていたので、余計にルメール騎手の印象が悪くなった経緯もあります。

その後“追試”となった最終追い切りで立て直し、レースも勝って事なきを得ましたが、もし敗れていれば、その瞬間にコンビ解散もあり得たでしょうね」(同)

 クロノジェネシスの宝塚記念快勝に魅了されたファンにとっては衝撃的な事実だが、当時の各紙の報道では「万全の1週前追い切り」「ルメール、初コンタクトで好感触」などの見出しが躍り、そういったアクシデントの経緯がほぼ表に出ていなかったから驚きだ。

「宝塚記念のクロノジェネシスに限らず、レースの有力馬の報道ではよくあることです。記者はどうしても『その時』だけでなく、今後の付き合いもありますし、いくら事実だからといって、そのまま書いてしまっては、それが関係者の目に止まる可能性もありますからね……。

レースが終わった後に真実が明るみになって、ファンの方々から『先に言ってよ!』というような声を頂戴することもありますが、その辺りはご容赦いただきたいというか、古くから続く競馬マスコミの悪しき風習と言えるかもしれません」(競馬記者)

 記者が話した事象は、今秋にもあった。先月のエリザベス女王杯(G1)で3番人気ながら16着に大敗したウインマリリンについてだ。レース前の共同会見では、主戦の横山武史騎手や手塚貴久調教師が万全でないことを強調していたが、実際には大きく報道されず……。

 中には「問題なし」「間に合った」などという見出しがあったことを記憶しているファンも少なくないはずだ。

 無論、前出の記者のように各マスコミにも“事情”や“しがらみ”があることは仕方ないだろう。実際に、競馬界には過去の報道で被害を受け、マスコミを敬遠する関係者も少なくはないのだ。現役では関東の堀宣行調教師や横山典弘騎手、関西の岩田康誠騎手などはマスコミ嫌いで有名である。

 では、そういったマスコミと『シンクタンク』では「何」が違うのか。改めて、話を聞いた。

「弊社が掴んでいる情報は『一切表に出ない』というか、関係者にとって『表に出すメリットのない』ものです。得た情報を多くの人々に伝えるのがマスコミの仕事ですから、取材を受ける関係者の方々も、自分の発言が活字になってしまうマスコミ相手ではなかなか本音を話しません。

一方、我々はマスコミのように大々的に表に情報を出すことがありませんし、気兼ねなく本音を打ち明けられる信頼関係を長年に渡って築いています。関係者は何でも話してくれますから、結果的に我々の方が『マスコミよりも、遥かに深く正確な情報』を得られることは、必然だと思います」(前出のシンクタンク関係者)

 ましてや、『シンクタンク』には元JRAの騎手だけでも、国民的アイドルホースのハイセイコーの主戦騎手を務めた増沢末夫、8戦8勝の名馬・マルゼンスキーの主戦騎手を務めた中野渡清一、史上初めてJRA全10場において重賞を勝利した安田富男など、レジェンド級の元ジョッキー、元調教師が在籍。

 現役関係者に話を聞くどころか、逆に相談を持ち掛けられ、アドバイスを求められることも珍しくないそうだ。必然的にそういった話が「深い内容」になることは、我々素人でも簡単に想像できるだろう。

 そんな『シンクタンク』だが、クロノジェネシスを出走する今週末の有馬記念は、過去5年で4度も予想を的中させている相性抜群のレースだという。100%ではないものの「絶対はない」といわれる競馬で的中率80%など、ファンからすれば夢のような結果だ。

 さらに『シンクタンク』は、この記事をご覧の読者だけを対象に有馬記念の出走馬の中から「5頭」をピックアップしてくれるという。特別に【無料】ということで、馬券の詳細までは非公開だが、我々にとっても難解な有馬記念が、仮にも「5頭立て」になるのであれば大助かりだ。

「今度も海外帰りがカギになりますが、クロノジェネシスに関しては確かな話を聞ける情報ルートがあるので、我々には的確にジャッジできる自信があります」(同)

無論、今回打ち明けてもらったクロノジェネシスに関する情報は『シンクタンク』が抱える競馬界の裏事情や、関係者の本音といった「非公開情報」の氷山の一角に過ぎない。

 長く続くコロナ禍で、再び不景気に直面している日本社会。冬のボーナスで苦い思いをした人も多いと思うが、競馬の裏の裏まで知る“プロの情報”を味方につければ馬券で「臨時ボーナス」を得る近道になるはずだ。

CLICK→【無料公開!有馬記念・最終情報馬5頭】シンクタンク

※本稿はPR記事です。

あの超優良企業、違法行為の巣窟だった…なぜ会社存続のまま全工場と従業員を譲渡?

 オリックスの子会社で後発医薬品(ジェネリック)の有力メーカーである小林化工(福井県あわら市)は、業界大手の沢井製薬を傘下にもつサワイグループホールディングス(GHD)に全工場と従業員を譲渡する。譲渡するのは矢地第一・第二工場・オンコロジーセンターや清間第一・第二工場、総合物流センター、製剤技術総合研究所である。

 全工場などの譲渡にサワイGHDと小林化工、オリックスの3者が合意した。サワイGHDが12月に新設した子会社トラストファーマテック(大阪市)が22年3月末までに小林化工が持つ福井県内の5つの生産拠点や物流拠点、約600人の従業員のうち製造部門など、およそ500人を引き継ぐ。新会社は小林化工の既存の製品は引き継がない。

「小林化工は被害者への対応が終わるまで会社を存続させる」(田中宏明社長)が後発薬事業から全面撤退する。サワイGHDは会社は買わず、工場と従業員の8割強を引き継ぐ、という変則的な買収となった。買収金額は公表していない。

 これまでの経緯を見ておこう。オリックスは20年1月、小林化工の株式の過半数を取得して子会社にした。傘下に収めて1年も経たない20年12月、爪水虫治療薬に睡眠剤が混入していたことによる健康被害が発生した。服用した245人から健康被害の報告があり、2人が死亡した。

 福井県や厚生労働省の立ち入り調査で、製造・品質管理などで多数の法令違反が判明。県から21年2月9日、製薬会社としては過去最長となる116日間の業務停止と業務改善命令を受けた。その後、医薬品の承認申請書類の虚偽記載なども明らかにになり4月、厚労省から12製品の承認取り消しと業務改善命令を受けた。

 小林化工の田中社長は会見で、「目標として1年後の再開を掲げていたが、現状の体制を維持するのは困難と判断した。従業員の雇用を守らなくてはならない」と、自力再建を断念した理由を語った。

 小林化工は譲渡金を被害者の補償や流通する自社製品の自主回収の費用に充てる。「補償は大半が終わっている」(同)としており、今後は清算・廃業に向かう。小林化工の21年3月期の決算公告によると総資産は866億円、うち固定資産は529億円。株主資本は724億円で自己資本比率83%と超優良の財務内容を誇っている。株主の負担なしで清算できる見込みだ。

 オリックスは結果的に失敗したM&Aの“敗戦処理”のメドをひとまずつけた。オリックスが買収した当時の小林化工は業界屈指の優良企業だったが、ふたを開けてみたら“毒まんじゅう”だったことになる。ジェネリック市場は成長分野とみてオリックスは飛び付いたわけだが、オリックスのM&Aの眼力が問われることとなった。

サワイGHDはメリットの大きい工場と人員だけを取得

 今回の取引はサワイGHDがオリックスに持ちかけた。それだけサワイGHDにはメリットが大きいということなのだろう。小林化工という法人を買収しないのだから、小林化工が販売してきた製品を引き継ぐ義務がない。不正のあった製品などをリニューアルして改めて出荷する必要がないのでリスクは少ない。工場と従業員だけ取得するのはこのためだ。

 サワイGHDの澤井光郎会長は記者会見で、「製造設備だけでなく、医薬品製造に関わる人材の両方がそろうことが大きなポイント」と工場や人員を引き継ぐ狙いを語った。小林化工から譲り受けた工場でサワイブランドの後発薬を生産することになる。

 サワイGHDは2031年3月期に年間230億錠の生産能力と20%以上の販売シェアを目標に掲げている。21年3月期の生産能力は年間155億錠。シェアは15.7%だ。この目標の達成に向けて九州第二工場(福岡県飯塚市)に405億円を投じて新しい製造棟を建設する。この製造棟の生産能力は30億錠。工場ができあがって出荷が始まるのは24年4月からだ。

 そこで、小林化工の工場に目をつけた。福井県の工場の生産能力は30億錠ある。新設する工場棟と小林化工の工場を合わせると生産能力は215億錠に拡大する。目標とする230億錠にあと一歩だ。

 取得額は公表していないが、業界筋の推定では100億円程度と見られている。建設中の自社工場より300億円も安い。サワイGHDにとって「おいしい買い物」に映ったのかもしれない。

日医工を突き放し一強体制を目指す

 ジェネリック医薬品は価格が安く、医療費を抑えたい国の使用促進策によって、一気に市場を拡大してきた。だが、急成長による構造上の歪みが一気に露わになった。小林化工を皮切りに不祥事が相次いだ。大手の日医工は品質基準を満たさない製品を出荷していたことが判明。3月に業務停止命令を受けた。品質を保証するための製剤改良などに時間がかかり、現在も多くの製品を出荷できていない。

 日医工は上場企業だが、それ以外でも長生堂製薬(徳島市)が厚生労働省に提出する承認書と異なる方法で後発薬をつくり業務停止命令を受けた。共和薬品工業(大阪市)は自主点検により一部に製造手順書の記載漏れや誤った記載が判明した。両社とも体制の立て直しのため製品出荷を絞った。

 後発薬は品質不正などで生産が滞り、品不足が深刻だ。製薬業の業界団体、日本製薬団体連合会(日薬連)の調べでは、8月末時点で出荷量制限や欠品、出荷停止といった問題のある医薬品は全体の20%の3143品目。そのうち、後発薬は92%にあたる2890品を占めている。

 ジェネリックメーカーは194社(19年11月時点)あり、そのほとんどが中小規模だ。ジェネリック医薬品の安定的な生産体制を築くためにも国は業界の再編に本腰を入れざるを得なくなった。サワイGHDの澤井会長は後発薬メーカーの業界団体のトップを務めるが、国とサワイGHDの考え方は微妙に違うようだ。「国は業界の再編を主導すべきではない」として小林化工の工場の買収に立ち上がったという見方もある。小林化工の資産を譲り受け、これを業界主導による再編のお手本としたいのだろうか。

 後発薬医薬品業界は20年3月期に3年ぶりに首位が交代した。日医工の連結売上収益(国際会計基準)は19年3月期比14%増の1900億円となり、沢井製薬の売上収益(同1825億円)を抜いて首位に立った。19年4月に連結子会社に組み入れたエルメッドが首位躍進の原動力となった。

 サワイGHDは巻き返すべく、小林化工の全工場取得に動いた。サワイGHDの22年3月期の連結売上収益は1964億円。コア営業利益は313億円を見込む。対する日医工は業務停止処分が影響して、売上収益は1850億円にダウンし、コア営業損益は119億円の赤字になると予想している。最終損益は186億円の赤字だ。

 日医工の業績の足踏みを尻目に、サワイGHDは小林化工の全工場取得と自社工場の建設をテコに一気にシェアアップを図る。

(文=編集部)

「人気急落」武豊に足りないものとは何だったのか!? ホープフルS(G1)でJRA・G1完全制覇も現実味、ドウデュースの登場が意味するものとは

 阪神競馬場で19日に開催された朝日杯FS(G1)は、武豊騎手が騎乗した3番人気のドウデユース(牡2、栗東・友道康夫厩舎)が制し、デビューから無傷の3連勝で2歳マイル王に輝いた。

「ついに……、嬉しいです」

 競馬界のレジェンドと呼ばれる第一人者ですら、勝利まであと一歩のところで過去21度も跳ね返され続けたレースだ。

 朝日杯3歳S(当時)にスキーキャプテンとのコンビで初騎乗した1994年、幻の三冠馬フジキセキの2着に敗れてから27年の年月が流れた今年。因縁の2歳G1を勝利したことで、前人未到となるJRA・G1完全制覇という大偉業も視野に入った。

「来週もあるので、リーチ一発で決めたいですね。ようやくこのレースを勝てて本当に嬉しいです」

 会心の勝利を決めたレースをそう振り返った武豊騎手が未勝利のG1は、28日のホープフルSを残すのみ。

 出走していれば上位人気を確実視されていたロン(牝2、栗東・石橋守厩舎)の状態が整わずに回避したことは残念だが、コンビを予定しているアスクワイルドモア(牡2、栗東・藤原英昭厩舎)もチャンスがある1頭。この勢いが来週も続くようなら、あっさり勝利しても不思議ではないだろう。

 その一方で、阪神JF(G1)を3着に敗れたウォーターナビレラの4番人気、朝日杯FSを制したドウデュースの3番人気に、少々淋しさを感じずにはいられなかったというのも率直な感想である。

 何しろ2頭ともデビューから無敗の馬で鞍上はあの武豊騎手なのだ。毎年のようにリーディングを獲得していた一昔前の彼なら、どちらも1番人気の支持を得た可能性も高かったのではないかと思えたからだ。

 実際、競馬において「武豊人気」というものは、確かに存在していた。戦績的に多少見劣りしている馬でも、武豊騎手が乗るならそれだけで1番人気に推されることもしばしば。実力以上の過大評価となるケースも多々あったが、それでも結果を残してきたからこそのリーディングだっただろう。

 しかし、2010年の毎日杯(G3)でザタイキに騎乗した際の落馬負傷を契機に低迷を経験する。この年は年間69勝に終わり、翌11年はデビュー以来最低の年間64勝。12年はそれらをさらに下回る年間56勝と苦しんだ。

 自身も「武豊でも結果が出ないとこういう状況になる」と述べたこのスランプは、落馬事故からの復帰を焦るあまり、体調が不完全なままの騎乗で関係者からの信頼を失ったことも原因の一つだろう。

 その結果、それまで最大の得意先でもあったノーザンファーム、社台ファームの生産馬で結果を残すことが出来ず、有力馬の騎乗依頼は他の騎手へと流れていった。キタサンブラックとの出会いは光明となったものの、外国人騎手や若手騎手の台頭により、かつてのような絶対政権ではなくなりつつある。

 そんな武豊騎手にとって心の支えとなったのが、キーファーズの存在だ。武豊ファンを公言する松島正昭代表は、所有する期待馬を最優先で武豊騎手に騎乗依頼。凱旋門賞(G1)制覇の夢に対しても精力的にサポートをしている。

 期待馬ドウデュースを任せ、ワールドプレミアで制した一昨年の菊花賞以来となるG1勝利を武豊騎手にもたらした最大の要因だったといえる。しかもキーファーズとしても、これがのべ4頭目のG1出走で勝利。マイラプソディで果たせなかった夢のリベンジにも成功した。

 競馬界の最大勢力でもあるノーザン、社台系のバックアップを失ったレジェンドにとって、キーファーズの用意してくれる馬は何よりも頼りになるはずだ。

「僕自身G1レース自体が久しぶりなので、(ファンの皆様からの拍手は)すごく嬉しいです」

 改めてファンや関係者に対し、感謝の気持ちを述べた武豊騎手。キタサンブラックの北島三郎オーナーや、キーファーズ代表の松島氏、そして馬主資格を得た藤田晋オーナーなど、武豊騎手の活躍を願う味方はまだまだ多い。

 苦しい時でもたゆまぬサポートをしてくれる彼らがいる限り、武豊はまだまだ輝けるに違いない。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

第2回:OOHの「世の中ゴト効果」を実証せよ!

街の屋外看板や電車内の広告など、家の外での広告接触を担うOOH(Out Of Home)。

OOHは効果検証が困難なため、今まではリーチ・サーキュレーションなど「どれだけの人が接触しうるか」が重要指標でした。しかし、実際にOOHを出稿する目的は、「世の中の話題にしたい」「話題化によって生活者の態度変容を効果的に起こしたい」など、リーチ・サーキュレーションでは説明できない効果を狙う企画が多くなってきていると強く感じています。

電通は、OOHにはこのような「世の中ゴト効果」があるのでは?という仮説から、効果検証プロジェクトを発足。実際に「世の中ゴト効果」を可視化しました。そこからさらに、効果的なプランニングを態度変容起点で行えるツール(β版)を開発。今後、利活用できるソリューションの開発に向けて始動していきたいと思っています。

OOH価値検証プロジェクト

OOHプランニングに携わる電通社員が集い、OOHの秘めた可能性や効果検証の方法を議論した第1回の座談会に続き、今回はOOHの配信プラットフォームを運営するLIVE BOARDの小林春輝氏を迎え、「世の中ゴト効果」の検証結果について語り合います。

第1回:OOHには秘めたる価値「世の中ゴト効果」がある! 

プロフィール写真
【参加メンバー】
小林春輝:OOH局にて位置情報データを活用したOOH広告の効果検証メソッド「OOH LIQUID」の開発に従事したのち、LIVE BOARDに出向。LIVE BOARDではドコモデータ(モバイル空間統計®※1+その他位置情報等)を活用したプランニングツールの開発サポートや、データドリブンなプランニング・効果検証を担当している。
 
福田博史:第3統合ソリューション局 シニアソリューションディレクター。さまざまなメディアのソリューション開発・立案を担当し、今回のOOHメディアの「世の中ゴト効果」プロジェクトの推進メンバーも務める。
 
粕谷厚介:アウト・オブ・ホームメディア局 メディアプランナー。OOHメディアを中心としたメディアプランニング~検証フェーズまでを一手に担う。幅広い業種へのLIVE BOARD
のセールス実績を持ち、日々、OOHの未来を開拓している。
 
古池茜:OOH局プランナーを経て、現在はデータ・テクノロジーセンターで「テレビ×デジタル×OOH」のトリプルメディアを活用したオン・オフ統合プランニング~効果検証スキームの開発まで携わる。
 
 ※1 「モバイル空間統計」は株式会社NTTドコモの登録商標です 

 

ドコモデータ(モバイル空間統計®+その他位置情報等)を活用した高精度な効果検証基盤

福田:私たちが掲げる「世の中ゴト効果」とは、生活者が広告に接することで「みんながこの広告を見ている」「世間で話題になっているに違いない」という意識を生み出し、商品・サービスの内容理解や、購入・利用意向がリフトアップする、マスメディア特有の世の中の盛り上がりを見せる効果のことを指します。

今回、OOHの「世の中ゴト効果」を可視化するために活躍していただいたのがLIVE BOARDの検証基盤です。はじめに、LIVE BOARDの特徴を改めて小林さんにお聞きしたいと思います。

小林:LIVE BOARDはNTTドコモと電通による、OOH領域のジョイント・ベンチャー・カンパニーです。ドコモが保有するモバイル空間統計®・その他位置情報等を用いて、国内初となるインプレッション(広告視聴者数)に基づく広告配信を実現しています。狙いたいターゲット/モーメント/エリアに応じて適切な広告を配信し、その効果検証もできるOOHメディアである点が最大の特徴です。

LIVE BOARDのターゲティング

福田:いわゆるDOOH(Digital Out of Home:デジタルサイネージを活用した広告)ですね。従来のOOHでは難しかったプランニングを可能にするだけでなく、効果検証の基盤としても優位性があるんですね?

小林:従来のOOHの効果検証は、「OOHの視認エリアにいたと回答した人」にアンケートを実施し、実際にOOHを見たのかどうかも含めて、アンケート対象者の記憶や印象に頼らざるを得ませんでした。一方でLIVE BOARDは、ドコモの位置情報データを使い実際の来訪履歴も同時に確認することで、アンケート対象者を精緻に選定し、ブランドリフトや態度変容のリサーチを高い精度でご提供しています。

粕谷:OOHの「効果の見える化」に対するニーズは高いですね。実際、ある動画配信サービスのクライアントが定期的にLIVE BOARDを活用しているのは「調査がきちんとできるから」という理由で、こういったクライアントが増えている印象がありますね。

小林:ありがとうございます。これまでの調査から、LIVE BOARDによるOOH広告出稿の効果には3つの特徴があることが分かっています。
①リーセンシー効果(広告が購買行動に影響を与えること)が高い
②若年層への訴求効果が特に高い
③テレビ×デジタル×OOHの掛け合わせで、①・②の効果がさらに高まる

効果があることをイメージしていた人は少なくないと思いますが、きちんと数値で可視化できること、また、世代別にOOHの効果がどのように異なるのかも含めて高精度に検証できるのはLIVE BOARDならではの魅力だと私は思っています。

福田:精度の高い調査だからこそ、「世の中ゴト効果」の検証も可能になる。この検証基盤ひとつとっても、LIVE BOARDにはOOHの常識を変える大きな可能性があると感じます。

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「世の中ゴト効果」の正体は、CM印象/人気感/売れ行き感

福田:これだけ優れた検証基盤があれば、OOHの「世の中ゴト効果」を証明できるはず。そのような仮説のもと、私たちはLIVE BOARDを活用した検証を進めました。ポイントは、「単に広告を認知したときと比べて、“世の中で話題になっている=他者推論が発生したとき”のほうが生活者の購入・利用意向を高める」という点。これをどう検証するのか、けっこう試行錯誤したんですよね。

OOH広告を認知した人の意思決定の要素と流れ

小林:そうですね。OOHの持つ世の中での話題感が購入・利用意向にどう影響を与えているのかを突き止めるために、生活者の広告認知から購入・利用意向までの一連の意識を構造化する作業が非常に大変でした。

調査報告などで「相関関係がある」という言葉を耳にする方も多いと思いますが、その分析では「因果関係」までは明らかにできません。仮に「世の中での話題感」と「購入意向」に相関関係があったとしても、「世の中で話題になっているから、購入意向が高まった」のか、「購入意向が高まっているから、世の中でも話題になっていると感じるのか」までは分からないのです。

福田:なるほど、どの要因が、他の要因に対して影響を与えているのか、その因果まで明らかにする必要があったのですね。

小林:そうです。因果関係の仮説は無数にあるので、事前にクロス集計や相関分析をかけることで、より良い仮説を絞り込んで検証を行いました。その結果、3つの要素が「世の中の話題感」の正体であることが分かりました。

①CM印象
世の中の人は、このCMが印象に残っているだろう
②人気感
世の中の人は、これが好きだろう
③売れ行き感
世の中の人は、これを購入・利用したいと思っているのだろう

「世の中の話題感」3つの要素

広告の認知から「世の中ゴト」を介した購入・利用意向は、単純に個人で意思決定をした購入・利用意向と比較すると、1.43倍に高まることが明らかになりました。

福田:これまで、生活者の態度変容を調べるときは、本人の中での意識の差を検証するケースが一般的でした。今回、実は「世の中の人がどう思っているか」という生活者の推論が、興味や購入・利用意向に影響を与えることが分かり、「世の中ゴト効果」という新しい評価軸を確立できたことは大きな意義があったと思います。

小林:今回はLIVE BOARDの59件の調査事例を活用して、購入・利用意向と「世の中ゴト効果」の因果関係を証明することができました。しかし、「実際に購買した」という部分に関する因果関係は案件数が足りず、十分な検証が行えませんでした。今後、LIVE BOARDの事例が増えることで実際の購買との因果関係まで明らかにしたいと考えています。

OOHは生活者の購入・利用意向を高めることができるメディア!

小林:なお、15〜69歳の年代では「世の中ゴト」を介した購入・利用意向は1.43倍に高まりますが、15〜29歳の若年層では2.44倍になることも明らかになりました。若年層が特に効果が高いという、この調査結果は意外でした。

福田:そうですね。若年層がSNSをはじめ、スマートフォンを中心に生活している中で、屋外にあるOOHメディアの効果が高いという結果には、私たちも驚きました。

小林:一般的に、若年層は「明るさに反応しやすい」傾向があるためか、弊社の調査事例にも若者層は「DOOH(デジタルOOH)広告の視認率が高い」「DOOH広告の視認態度が良い」といった特徴が見られました。視聴態度の良さが結果に影響したのでは、と私は感じています。

若者層は「DOOH(デジタルOOH)広告の視認率が高い」
福田:新しい発見ですね。今回の検証結果が全体のコミュニケーションにどのぐらいのインパクトを与えるのかも明らかにする必要があると思いますが、「世の中ゴト効果」を利活用するための良いスタート地点になったのではないでしょうか。

粕谷:私もそう思います。以前から、クライアントも肌感で「世の中ゴト効果」を感じていましたが、今回、それをきちんと可視化できたことで、OOH活用について非常に納得感を持っていただけるようになりました。特に「若年層に効果がある」という部分については、近年、デジタルに代わるコミュニケーションを模索しているクライアントも多いので、その解決策の一つとしてご提案できると考えています。

古池:私も、ここ1年間LIVE BOARDに関わる中で、クライアントから「LIVE BOARDは誰に効果があるの?」といった質問を頂くことが多々ありました。そのお問い合わせに対して、根拠のある数値をもとに「若年層に効果が高い」とご説明できることは、プランナーとしても非常に心強いです。

福田:若年層はもちろん、そもそも年代に限らず生活者の購入・利用意向を1.43倍に高めること自体、コミュニケーションの手段として大きなポテンシャルを感じますよね。他のメディアでも購入・利用意向を高める努力はしているものの、5〜10%アップを見込むことに苦労するケースも少なくありません。その点、OOHメディアによってブランドリフトの大幅な上昇をたくらむことができるのは、非常に魅力的だと思いました。

では、今回の検証結果で分かったOOHの「世の中ゴト効果」を活用すると、どのような価値や未来が創れるのか?次回はその議論を深めていきたいと思います。

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―私と同期― アイデア創出のヒント 〜0→1の新規事業〜(前編)

電通クリエーティブ・ディレクターのアーロン・ズー氏が2021年10月に上梓した『アイデアは図で考えろ!』を起点に、有識者との対話を通してアイデア創出の可能性を問う本連載。

今回はラクスルで数々の事業開発をしてきた高城雄大役員とアーロン氏が、お互いにこれまでの仕事を振り返りながら、社内で「0→1」を生み出すためのノウハウやマインドについて語り合いました。

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(左から)ラクスル高城氏、電通アーロン氏

二人の出会いと事業開発までの道のり

アーロン:高城さんとの出会いは、新卒で入社した大手通信会社で同じ営業部に配属された時でしたね。

高城:この頃からわれわれ2人はけっこう自由にやっていましたよね。アーロンさんは新入社員研修で「この研修に意味あるんですか?」みたいなことを言っていて、「この人はヤバいな」と思って見ていましたが、自分も裏では“日本人版アーロン”と言われていたらしく、お互いエッジが立っていたのだと思います(笑)。

大手通信会社では新潟支店の営業部に配属され、新規の営業を担当しました。朝出社したら50社に電話をかけて、その後10社訪問するという感じで、半年もすると支店の中でも大きな売上を上げる営業となっていました。新潟支店はエンジニアリングについても自前で取り組む環境があり、営業だけでなく、サーバーのセットアップやネットワークの設計から構築、アプリのカスタマイズ・導入といったところまで一通りやれたことは良い経験になっています。

転機になったのは、海外トレーニー制度で、インドで働いている時に、現地法人の社長やファウンダーたちと話をしたことです。スタンフォード大学を出て、起業して5年で時価総額数百億円の企業をつくるような方々と話をする中で、今の自分の仕事の延長線上には彼らがいないことに気付きました。彼らと対等に話せるようになるためには、今の会社にいたら最短でも15年くらいはかかるんじゃないか、それはちょっと待てないと思ったのが辞めたきっかけです。

アーロン:私が辞めた理由も高城さんに似ています。非常に貴重な経験をさせてもらいましたが、自分が描きたい未来の延長線上に当てはまる人を社内で見つけられなかったのは大きいですね。

高城:その後、コンサルティングファームを経て、次に何をやるのか決める時に、自分で事業をやるのか、会社という“箱” の中でやるのかという選択肢がありました。

そこで仕事をする目的を考えてみると、自分がつくったサービスや事業が世の中に残っていることが、自分の人生にとって満足できるポイントだと思いました。私、旅行が趣味で世界遺産を回ったりしている中でよく感じるんですが、人って遺跡や作品みたいに、何かを残したいと思う生き物だと思うんですよ。で、私にとっての残したいものというのが事業でした。

そして、世の中に残るような事業をつくるには、自分だけの資本でやるよりも、会社という“箱”があった方が、圧倒的に資本のレバレッジを掛けられて、時間軸で捉えてもスピーディーに事業を成長させられると考え、企業に所属して事業をつくることを選びました。

いろいろな企業がある中でラクスルに決めたのは、資金や優秀な人材というアセットを惹きつけていて、正しいビジョンがある。そして、そのビジョンが自分のつくりたい事業と同じ方向を向いていたからです。

アーロン:高城さんは3社目で経営的視点という高い視座に立ったんですね。

私はかつてアメリカ空軍の訓練部隊にいた時に、ひたすら上官に「次はデジタルが来る」と言われていたので、デジタルの全貌を知るという視点で次の会社を考えました。

デジタルは、最も下層の土台にインフラがあり、その上にシステム、またその上にアプリが乗っかるという構造が基本ですから、1社目の大手通信会社で、インフラについて学ぶことができたので、2社目は上位レイヤーのシステムを学ぶために大手IT企業を選びました。

そこでは電力自由化改革などの社会の法的緩和の中でシステムがどのように動くかを、ひたすら動いて学びました。ここでの経験を通して、ITシステムを使ってもっと自由にいろんなことをしたいと思い、3社目にメガベンチャーに行きました。メガベンチャーでは、自由に動ける代わりに結果も求められる世界なので、そこでようやく自分で経営的なことや何かをつくるということをやり始めました。

高城:戦略とかコンセプトとかビジョンの設定とか、だんだん経営的な視点に向かっていくという点で、われわれのこれまでの経歴はけっこう共通点がありますね。

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ビジネスアイデアを生み出す「成長型:切り株バズ論」

アーロン:私はメガベンチャーの後、もっとスピーディーに経営的な視座を手に入れるためにビジネススクールに行きました。

ビジネススクールに行く前って、なんとなくビジネスが主役で、ビジネスさえ良ければ人は付いてくると思っていたんですけど、全然違って、人が全てだということを学びました。

人が良ければ、たとえ変なビジネスでも成功に持っていけます。逆に人が悪かったらどんなに良いビジネスでもダメになるんです。だから、人がメチャクチャ重要です。

その重要な“人”を奮い立たせようとした時に、やっぱり大切になるのは経営ビジョンだろうと。そういう流れから図式化したアイデアが、「成長型:切り株バズ論」です。

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まず、ビジョンが中心にある。そして、そのビジョンをいかに組織に浸透させることができるかがポイントです。だからよくある長い社訓なんかは、良くないですね。社員全員が「あ、なるほどね」ってすぐに分かるシンプルなビジョンが重要なのです。

ビジョンが明確であれば、社員一人一人が「いま、私が目指している場所ってどこなんだろう」、「いま、私がすべきことってなんだろう」ということを考えるようになり、おのずと社員がモチベーションを持てるようになります。

次に重要なのが、やはりアセットです。どんなことを得意とするチームメンバーがいるのか。例えば、ホワイトハッカーがいればエンジニアリング力、広報経験者がいればPR力というように、それが資産になります。だから、ビジョンとアセットがまず先に存在するのです。

ただ、実際に事業開発のカギとなるのは「課題の発見」です。ライブ配信事業を例にとって考えてみると、「世界を代表する会社になる」という大きなビジョンがあり、エンジニアの技術力というアセットがあるから、ライブ配信の事業をつくりたいとはなりませんよね。その前に、解決したい世の中の課題が出てくるはずです。例えば、芸能界デビューしたいけど才能を露出する機会が少ない、自己表現する場がないという課題ですね。

その課題について、エンジニアリング力があって、なおかつビジョンがしっかりしている組織がやるべきことは、ITを使った自己表現の場をつくること。こうして、結果的に「ライブ配信」という事業アイデアにたどり着くのです。

そして、ライブ配信事業に「いつでもどこでも自分だけのステージ」というコンセプトを作り上げたとしたら、ビジョン・アセット・課題・コンセプトが完成します。さらに、ライブ配信事業をどのターゲットに対して、どんな強み(USP)で差別化していくのかを考えるわけです。

このように、何か事業をつくり上げる時の羅針盤になればと思い、「成長型:切り株バズ論」を考えました。

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高城:「成長型:切り株バズ論」ってすごくシャープだと思うんですよね。特に、アセットを“人”と定義しきっているのがすごく良いと思います。古い経営論では、人・モノ・金が経営資源だと定義されがちですが、今の日本の社会は変わってきています。

お金の調達環境は以前よりはるかに改善されています。そして、価値あるモノをつくり、お金を使うのも人なんです。そういった意味では、自分の経営スタイルも人を最重要視した事業経営をしていて、すごく共感できるところだなと。

ラクスルは「仕組みを変えれば世界はもっと良くなる」というビジョンを掲げています。このビジョンで伝えたいのは「印刷産業を変えよう」ではなく、「われわれは仕組みを変える会社だ」ということ。

仕組みが変われば世界は絶対に良くなると思っている人はたくさんいます。そういった方に刺さるビジョンを掲げて共感してもらえるのが、われわれの強みだと思っています。

ラクスルを「成長の型」に当てはめると、どうなるか?

高城:私がいま統括している印刷のカンパニーに関しては、「仕組みを変えれば世界はもっと良くなる」というビジョンのもとでラクスルとして一番最初に立ち上がった事業です。創業時にCEOの松本が目を付けたのが、この「印刷業界」でした。多重下請けに支えられている非効率な業界構造で、まさに「仕組み」を変えるべき対象だったのです。

印刷ってIllustratorなどのソフトウェアを扱える人や、印刷する紙の硬度などの知識がないと、正しく発注するのが難しい、非常に専門性の高い領域でした。

そのため、印刷会社の営業担当が顧客から要望を聞いて受注するというビジネスモデルが一般的で、営業にかかる人件費を考慮すると、1回あたりの受注単価をなかなか下げられません。その結果、1回の発注で高い金額を払うことが難しい中小企業の方々が、印刷に十分アクセスできないという課題が生じていたのです。

そこでわれわれは、インターネットを活用して中小企業が印刷にアクセスできる環境を提供。①営業がいなくても売れる仕組み、②小ロットで制作ができるサプライ、そして最後に、③小ロット注文をかき集めて規模の経済をつくるためにマーケティングに力を入れる。この3つのコンセプトを定めました。

そして、それを実行するためのアセットに関しては、インターネット経由で小ロット注文を受注し、滑らかに生産ができるテクノロジー、規模の経済を実現する圧倒的な資本力、そしてそれらを実現するために、BCGやカーライル、インターネット企業出身のメンバーからなる経営チームを組成し、彼らのリーダーシップのもと、優秀な人材を集めて組織を築き上げたことでアセットが揃いました。

ラクスルを「成長型:切り株バズ論」に当てはめると、このようになると思います。

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アーロン:ここまで整理するなんてさすがです。「既存の仕組みを崩す」という意味では、ラクスルがやったことは単なるスモールビジネスの機会創出ではなく、イノベーションだと思います。

大企業が使う印刷システムと中小企業が使うべき印刷システムというように、マーケットを2つに分断した。大企業の数は日本企業全体の約1%しかないわけだから、日本のマーケットの99%をイノベーションによって網羅できるわけです。これは素晴らしいですね。

高城:「印刷業は斜陽産業」だとよく言われます。しかし、われわれの見立てだと成長産業なんですよね。2008年のリーマンショックで企業が最もコストカットに走った時代から2020年まで、商業印刷に限れば発注数は減少していないのです。日本の人口ピラミッドや富の偏在を考えてみると、やはり紙のメディアでアクセスできる人が圧倒的に多いんです。だから、企業は紙のメディアを捨てて完全にデジタル化はできない。

事業コンセプトを考える際に、マーケット選定は大切で、単純に「印刷って古いよね、小さくなるよね」ではなくて、もっと解像度を高めてマーケットは本当に魅力的なのか、見極めることが大事だと思います。

アーロン:そうなんですよね。なんで印刷会社がそこまで成長するんだって疑問に思っている人もいるかもしれません。でも、ラクスルがやっていることは、要は「両利きの経営」なんです。

既存事業の深堀りという「知の深化」と同時に、新規事業の開拓という「知の探索」にも取り組んでいるんですよね。

それによって、「ハコベル」といった新しい物流のシステムをつくりだした。世の中の衰退していく企業は「知の深化」ばかりをやっているイメージがあります。既存の事業ばかりに注力してしまい、「知の探索」を全くやっていないんです。

ラクスルの場合、仮にいつか紙媒体が弱くなったとしても、ほかの事業で支えられるように、いまのうちにつくっているんです。日本の企業はもっと時間をかけて、中長期的に「知の探索」をやっていくべきなのです。既存事業が衰え始めて「3年以内に何とかしなきゃ」と思ってもできるわけがありません。それこそ、既存事業の成功体験に依存する「サクセス・トラップ」にはまって、両利きの経営ができない企業もあるでしょう。

高城:われわれもちょうど2〜3年前からこの両利きの経営を実現するために、マネジメント層で同じような会話をしていました。

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日本は、新規事業がやりやすい

高城:日本は潜在的な競合になり得る起業家が少ないので、そういう意味では新規事業をすごくやりやすい国です。やれるアイデアがあったら、とりあえず打席に立ってバットを振ってみるというのは、日本国内のマーケットではすごく良いことだと思います。

アーロン:新規事業に関して言えば、日本はまだ本当にブルーオーシャンが広がっています。例えば、サンフランシスコやロサンゼルスでは、もはや起業して新しいことにチャレンジするのが当たり前の文化として根付いています。

もちろん、大企業にいる人みんなが同じように新規事業開発に取り組めるとは限りません。それでも、何か新しいものをつくるということに関して、日本のマーケットはあまりにも進んでいないように感じます。まだまだ成長する可能性があると思うので、若い人にはぜひチャレンジしてほしいです。

高城:企業という“箱”を活用する、というアプローチもおすすめです。個人として負債を背負うようなリスクを取らずにバットを振れるってめちゃくちゃ良い環境じゃないですか。逆に大変なことや辛いこともあると思いますけど……。

日本ではそういった人材が少ないので、上手くいった経験はプレミアが付くと思いますよ。小規模なビジネスでもかまいません。頭に浮かんだアイデアをフレームワークに当てはめて試行してみるのは良いトレーニングになります。実践する中で、間違っていることにもたくさん気付くようになると思います。

アーロン:新しいビジネスの7割は絶対に方向転換するんですよね。だから考えすぎ、計画しすぎは良くないですね。それよりも、方向転換が必要になった時の臨機応変さや柔軟性が大切です。過度なリスク排除は新規事業にとっては邪魔以外の何ものでもありません。

高城:僕もラクスルでいろんな事業を立ち上げて、そのうちの2個は撤退しているので、打率は半分くらいです。会社全体でも3割くらいの確度を目指していて、7割は失敗する前提に立っているんですね。そういう前提をもって取り組んでみると、心理的安全性があっていいのかなと思います。

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脆弱な接種センター予約システム、委託先企業の顧問は竹中平蔵氏…パソナ利権と酷似

 自衛隊が5月から約半年にわたり開設した新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターをめぐっては、東京センターでの防衛省所管の予約システムの脆弱さが批判された。センター開設は菅義偉前首相の突然の命令によるもので準備期間が短すぎたという事情はあるが、日本政府のITリテラシーの低さを国民の前に露呈することになった。関係者や専門業者への取材に基づき、具体的に検証する。

そもそも20日間しか準備期間がなかった

 問題が多く発生した東京センターの予約システムは東京、埼玉、千葉、神奈川の住民が対象で、予約サイトに自治体から届いた接種券に記載されている「市町村コード」と「接種券番号」「生年月日」を打ち込む仕組みだった。本来センターでの接種資格がない人が適当な数字を打ち込んだ場合でも架空に予約できることや、正しい番号を打ち込んでも予約ができないなどの不備が受付開始直後に発覚し、防衛省が対応に追われた。

 IT立国を掲げて久しい日本政府としては目を覆いたくなる惨状だが、なぜこのような事態になったのか。内情に詳しい防衛省幹部は「第一は準備期間の短さ」と指摘する。菅氏が4月23日に「7月末までの高齢者へのワクチン接種完了を目指す」と発言し、25日に報道先行でセンター開設が周知され、27日に防衛省に正式に指示が出て、翌28日から同省はセンター設営を開始した。予約サイトでの受付は5月17日に開始予定だったため、準備時間は20日間と極端に短く、完璧なシステムを構築するのは厳しかった。

IT業者「防衛省の発注要件がずさん」、東京と大阪で別の業者が運営も問題

 一方で、コロナ禍は20年から本格化しており、全国民を対象としたワクチン接種の必要性はその頃から唱えられていた。予約システムが必要なのはいうまでもなく、たった20日間で突貫工事をやっていること自体、コロナ禍収束に向けた見通しの甘さを物語っている。あるIT業者は「何のトラブルもない完璧なシステムをつくるのは不可能」としながらも、「あまりにレベルの低いミスで、防衛省からの発注要件がそもそも杜撰だった可能性が高い」と話す。

 さらに、大規模接種センターは東京と大阪に設置されたが、東京でトラブルが続出したのは運営業者がそもそも分かれていたからだ。東京は日本旅行、大阪は東武トップツアーズが運営業者に選定されたが、予約システムを別個にシステム業者に発注することを許した時点で、接種状況を一元管理できる運営体制が整っていたとはいいがたい。

東京センターのシステム業者顧問に竹中平蔵氏、東京五輪のパソナと同じ利権の構図

 東京センターの予約システムの構築を受託したのは人間ドックの予約ポータルサイトの開発・運営を手がける企業「MRSO(マーソ)」だが、21年2月には東京センターの運営業務を受託した日本旅行と提携しており、その関係性から今回受託したものとみられる。

 ただ、このマーソ、経営顧問には菅政権の成⻑戦略会議委員を務めた竹中平蔵元経済財政担当相が16年から就任している。竹中氏は今年コロナ禍と東京五輪を食い物にしていると批判を浴びてきた。会長を務める人材派遣大手パソナグループの21年5月期連結決算の最終利益は前期の約10倍の約680億円。コロナ禍で急減した前期からV字回復した格好だが、官公庁や企業から業務プロセスを請け負う「BPOサービス」の受注が急増したためだ。東京五輪の人材派遣をめぐっても人件費の「中抜き」が非難されたが、今回の東京センターの予約システムの受注プロセスも「業績というより竹中ファミリーの一員だからという面が強かった」(先のIT業者)可能性は高い。

防衛省、忖度官僚が密室で検討も行き当たりばったりの惨状

 今回のセンター設立のゴタゴタは、菅氏の4月23日の発言から27日までの4日間、現場の陸上自衛隊幹部やIT専門家に何の相談もせずに、ごく一部の防衛省幹部の間で密談されたというプロセスが引き起こした面が大きい。

 東京新聞の報道によると、予約システムの不備を指摘された同省統合幕僚監部の家護谷昌徳参事官は「えっ、そんなことがあるんですか。まだ私の所に話が上がってきていない。詳細を把握し、しっかり対応させていただく」と回答をした。また、間違った番号でも予約できる事態が明らかになった後も、同省の担当者は報道各社の取材に対し「適正な入力を求める」という国民の善意に寄りかかったゼロ回答を示した。冒頭の同省幹部は「もし国内外の悪意ある個人や組織が大量の架空予約をすれば、日本のワクチン接種に壊滅的な打撃を与えられる危険があったのに、あまりに無責任な発言で呆れた」と嘆く。

 菅官邸の見通しの甘さからくるドタバタぶり、菅氏が突如掲げた「接種目標」のゴリ押しに従い、自らの評価と立場を守ろうとする防衛省の忖度官僚、責任だけ押し付けられる現場。この構図は第二次世界大戦で敗北した旧日本軍そのままではないか。政府が現実的、科学的な根拠で現実的な計画を立てなければ、最終的に被害を被るのは国民である。センター設立の一連の流れは、まだ日本が先の敗戦から十分に教訓を得ていないことを示している。

(文=編集部)