東大並みの難関…東京藝大、実は天才じゃなくても合格できる?論理的な訓練が重要

 10月1日より放送され大きな話題を集めているテレビアニメ『ブルーピリオド』(MBS)。山口つばさ原作の同作は高校生の主人公が一枚の絵に出会ったのをきっかけに、東京藝術大学(以下、東京藝大)合格を目指して奮闘する姿を描いた物語だ。原作コミックスは「マンガ大賞2020」や「第44回講談社漫画賞総合部門」を受賞し、累計400万部(2021年7月時点)を超える大ヒット作となっている。

 美術大学の入試といえば、学科試験のほかにデッサンや作品の提出などの課題が課されることが多く、合格のためには一般の大学入試とは違った対策が必要とされる。しかし、明確な解答のある学科試験と比較して、合否をつけるために美術の作品を点数化するのは難しそうだ。そのため、どんな対策をしてどんな作品を作れば合格できるのか、素人にはなかなか見当がつかない。

 なかでも東京藝大は“東京大学より入るのが難しい”といわれることもある超難関であるうえに、そんな入試を突破して入学した学生たちの人柄や生活にもミステリアスなイメージがある。2016年発売のノンフィクション作品『最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常』(新潮社)がシリーズ累計40万部を突破していることは、世間が東京藝大へ向ける好奇心の強さを裏付けているだろう。

 そこで今回は、入試対策はもちろん、入学後の生活や進路に関しても謎の多い美術大学の内情を知るべく、神奈川県内に3校を展開する美術予備校「湘南美術学院」の学院長・佐藤武夫氏と営業部長・髙橋薫氏に話を聞いた。

“衝撃的な一発逆転”も可能? 美大合格に必要なたった一つの才能とは

 先述したとおり、美術大学の入試の大きな特徴は実技試験が中心となる点だろう。これまでたくさんの生徒を美術大学へ送り出してきた学院長・佐藤氏いわく、この実技試験の影響で美大入試の世界では一発逆転がありえるのだという。

「学科によっては“衝撃的な逆転合格”というのもありえるんです。よくいわれるのは東京藝大。美術教育的な側面の強い芸術学科であれば、共通テストの点数が9割2分以上という“東大に手が届くくらいのレベル”でないと合格が厳しいといわれる一方で、油絵や日本画、彫刻、工芸といった純粋芸術の学科だと共通テストであまり点数が振るわなかった生徒が合格したこともあります。

 最近ではバランスも重視されるようになってきたともいわれていますが、それでも実技試験の結果が見られる傾向が高いといえます。私立美大の場合は学科試験と実技試験の配点がしっかり決まっているので大逆転は難しいかもしれませんが、学科試験の点数が振るわなくても実技試験で点数を稼げたおかげで、滑り込み合格するというケースもあります」(佐藤氏)

 しかし、明確な答えがなさそうに見える美術の作品で、確実に高得点が取れるように訓練するのは難しいのではないだろうか。

「過去の合格例を見て分析すると、その学科が重視しているポイント、すなわち合格するための答えはある程度見えてきますので、訓練によって合格できる絵に近づけていくことは可能です。アイデアが重視される試験であっても、実はフィーリングより論理的に伝わっているかどうかという点が重要になってくることもありますからね」(佐藤氏)

 そんななかでも難関といわれているのが東京藝大だ。そもそも、東京藝大が難関といわれる所以を、自身と実子の親子二代で東京藝大卒だという佐藤氏は語る。

「東京藝大は定員数が少ないので、いくら実力があっても入学できるとは限らず、合格するには受験生のなかで上位数%に入らなくてはいけないわけです。ただ、生まれつきセンスや才能に恵まれた天才のような人しか入れないというわけではありません。あえて合格に必要な才能を挙げるとしたら、美術が好きで向上するための努力を続けることができる、その姿勢が大切です。

 私自身、東京藝大を目指すと父親に宣言したとき、『うちの家系に美術をやっている者はいないから、お前にもそんな才能はない』と言われていたんです。ですが先ほどお伝えしたような、求められている答えに近づこうとひとつずつ課題をクリアしていけば、私のように天才でなくても東京藝大に合格できるのです」(佐藤氏)

 さて、そんな難関を突破した藝大生は、ミステリアスなイメージで語られることも多い。

「藝大生は、絶対に東京藝大に通いたいという気持ちを持って1年目でダメなら2年、3年……と何度でも受験にチャレジして合格している人も多いんです。そのため、自分のこだわりを突き詰めた結果、マニアックな趣味嗜好になっている人の比率は、確かに高いかもしれません。私が在籍していた当時もすごく頭が良い人や音楽に詳しい人など、さまざまな分野に強い学生がいました。

 また、専攻や授業にかかわらず、自分の関心のあることに対してアグレッシブに動く人も多いですね。サークルなどの横のつながりから自分の専門外の分野の手伝いをする人や、大好きな映画監督のもとに何度も押しかけて弟子入りを懇願している人などもいますね。 好きなものに素直に向き合っていく姿勢は今後の社会においても大切な姿勢の一つだと思います」(佐藤氏)

日本画、版画、油絵専攻でも就職率95%超え?近年は美大出身者の需要増加

 では、美術大学を卒業した学生の進路はどうなっているのか。

「情報化社会の現代においてはウェブや3D、ゲームといった分野で美大出身者の活躍の場がどんどん増えています。アートディレクターやプロデューサーという立場で仕事をしている方も多いですね。もちろん、アーティストやデザイナーとして活躍する方も少なくありません」(髙橋氏)

 確かに今の時代、デザインや映像に関する分野を学んだ学生は引く手あまたなのはわかる。しかし、油絵や日本画、彫刻といった純粋芸術の場合、そのスキルを発揮できる場面が少なさそうに思えるが。

「いえ、純粋芸術を学んでいた学生も同じように就職率は高いです。というのも、たとえばデザインに関する求人があった場合、デザインを学んでいた人たちからたくさん応募があるわけです。ただ、彫刻を学んできたという人は少ないことがアドバンテージとなり、採用する側の目に留まりやすくなることもあるのです」(佐藤氏)

「生徒の親御さんは、美術大学を卒業してきちんとした仕事を見つけられるのかという点で心配されることも多いですが、たとえば多摩美術大学の日本画専攻、版画専攻、油絵専攻の就職率を見ると毎年だいたい95%以上で、就職率は高いんです。昔なら純粋芸術系学科の卒業生は、自分の作品を作りたいから就職をしないという選択をする人も多かったのですが、最近は学んだことを仕事に活かせる場が増えていることから、就職し社会で活躍するケースも多いですね」(髙橋氏)

 特殊な世界と思われがちな美大だが、どうやら訓練次第で美大受験の合格に近づいていけるし、美大卒業後の職業選択の幅も決して狭くはないようだ。

(取材・文=福永全体/A4studio)

塩分の過剰摂取、胃がんの最大原因…一日7.6g以下が推奨、特に子どもは要注意

 食事の塩分量に気をつかっていますか? アメリカ食品医薬品局は、長い沈黙を破り、一日の塩分摂取量に関する国民向け指針を発表しました【注1】。

 このような指針は従来からあったのですが、アメリカも縦割り社会のため、役所や学会によって内容がバラバラでした。塩分を減らすとむしろ寿命が縮まるというデータが発表されたこともあり、混乱が続いていたのです。

 今回、発表された改訂指針は、ずばり「一日のナトリウム摂取量を3グラム以下に!」というものでした。ナトリウムは食塩の主成分ですが、これを食塩に換算すると約7.6グラムになります【注2】。ちなみに日本人の一日平均塩分摂取量は、厚生労働省の最新データで、女性9.3グラム、男性10.9グラムとなっています。

 過剰な塩分摂取が原因で起こる病気の代表は、血圧の上昇によって起こる脳卒中です。塩分を厳しく制限することで、この病気を大幅に減らせることは、すでに広く知られているところです。

 意外に知られていないのは、塩分の取り過ぎが「胃がん」の最大原因になっているという事実です。図をご覧ください。これは少し前のデータですが、欧米各国の研究者たちが共同でまとめたもので、横軸が1日の塩分摂取量、縦軸が10年間の胃がんによる死亡率となっています【注3】。ひと目でわかるのは、食肉や乳製品などの消費が多い欧米諸国では、胃がんによる死亡が非常に少なく、一方、塩分が味付けの中心になっている東アジアの国々では、日本を含めて圧倒的に多くなっていることです。

 アメリカでは、保存用に塩漬けにした肉を食べていた時代、胃がんによる死亡が最上位を占めていました。しかし、電気冷蔵庫の普及にともなって食生活が激変し、その後、胃がん死亡もほとんどゼロになっていったのです。この事実から、日本でも塩分摂取を減らす努力を国全体で進めていけば、胃がんを撲滅できるかもしれないという期待があります。

 これらのエビデンスを総合してアメリカ食品医薬品局は、今後10年で国民の塩分摂取量を4割減らせれば、50万人の命を救えると試算しています。塩分摂取が1日7.6グラム以下というのは、日本人の食生活を考えると、かなり厳しい目標値です。そんなに減らして大丈夫なのか、という心配もあります。

食塩に代わる味付けをする

 そこで参考になるのは、われわれの祖先の食生活です。石器時代まで遡ってみましょう。そのころ製塩の技術はもちろんなく、とくに海から遠く離れた土地に生活していた祖先は、食塩を取るチャンスはほとんどなかったはずなのです。研究者の推測によれば、野に咲く草花や木の実、魚や動物の肉などに含まれている塩分が中心で、その量はおよそ1日3グラム以下だったそうです。

 その時代を出発点にして遺伝子を育み、今日に至っているのがわれわれの体です。産業革命以降、突然、われわれは大量の食塩と砂糖を食するようになってしまい、体の仕組みが追いついていないのが実情です。

 では、現代の食生活で1日塩分摂取量を7.6グラム以下にするには、どうすればいいでしょうか。アメリカ食品医薬品局は、まず食品加工を行っている企業や外食産業、レストラン業界、あるいは安価な食品やお菓子(いわゆるジャンクフード)を製造している企業などに対し、商品から徹底して塩分を抜く努力をしてほしいとの通達を出しました。しかし全米のレストラン協会、マクドナルドなどの外食産業の反応は鈍く、当局からの要請に対して、黙して語らずの態度を取っています【注4】。

 とくに2歳から13歳くらいまでの子供の塩分摂取量が多くなりがちで、小さいうちからの食育が大切です。子供は親の食べ方を見て育ちますから、すべて大人の責任といえるでしょう。食卓にソース、しょうゆ、塩、マヨネーズなどを置かないようにしましょう。外食でラーメンやそばを食べるときは、汁を全部、飲まないこと。インスタントラーメン1袋に6グラム、大きめの梅干し1個に約2グラムの食塩が含まれていることなどを覚えておくとよいでしょう。

 パンには塩分が加えられていますが、お米(ご飯)は塩分ゼロの最優良食品です。食塩に代わる味付けには、レモン水、お酢、胡椒、ハーブなどがお勧めです。ポストコロナ、健康に対する最大の脅威は、間違いなく過剰な塩分です。

(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)

参考文献

【1】   FDA, Sodium reduction, accessed Nov 15, 2021.

【2】   Joossens JV, et al., Dietary salt, nitrate and stomach cancer mortality in 24 countries. J Epidemiol 25: 494-504, 1996.

【3】   Cogswell ME, et al., Estimated 24-hour urinary sodium and potassium excretion in US adults. JAMA 319: 1209-1220, 2018

【4】   Jacobs A, F.D.A. issues guidelines to reduce salt in foods, New York Times, Oct 13, 2021.

●岡田正彦/新潟大学名誉教授

医学博士。現・水野介護老人保健施設長。1946年京都府に生まれる。1972年新潟大学医学部卒業、1990年より同大学医学部教授。1981年新潟日報文化賞、2001年臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」を受賞。専門は予防医療学、長寿科学。『人はなぜ太るのか-肥満を科学する』(岩波新書)など著書多数。

有吉弘行、亀梨和也、中村倫也、中川大志…実は寅年生まれの“注目の年男”たち

 前回は「2022年、注目の年女」を挙げたが、今回は“年男”をフィーチャー。

 昨年に続いて今年も、特にスター揃いなのが、第2次ベビーブーム中の1974年生まれ(今年で48歳)。まず芸人の層が厚く、「こんなに多いのか」と驚かされる。

 中でも1人挙げるとしたら有吉弘行だろう。昨年4月、夏目三久との結婚を発表して驚かせるとともに、『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で「最初で最後」の夫婦共演。すでに日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジテレビ、テレビ東京、NHKの主要6局で冠番組を持つ唯一無二の存在だったが、昨秋に『有吉クイズ』(テレビ朝日系)、『有吉の世界同時中継~今そっちどうなってますか?~』(テレビ東京系)もスタートするなど、無双状態となっている。

 その他の芸人には、サンドウィッチマン・伊達みきおと富澤たけし陣内智則千原兄弟・千原ジュニアフットボールアワー・後藤輝基ふかわりょうハリウッドザコシショウビビる大木サバンナ・八木真澄笑い飯・西田幸治安田大サーカス・団長安田アキラ100%永野と、そうそうたる顔ぶれが揃う。

 俳優では、秋ドラマ『最愛』(TBS系)の熱演が光ったばかりの井浦新を筆頭に、加瀬亮鈴木浩介小澤征悦荒川良々大倉孝二渋川清彦山崎樹範ら個性派が目立つ。さらに、草彅剛国分太一和泉元彌照英らも寅年生まれ。

活動の幅を広げる亀梨和也と山崎育三郎

 ひと世代下の1986年生まれ(今年で36歳)も多彩な顔ぶれ。まずジャニーズからKAT-TUNの亀梨和也、NEWSの増田貴久、Kis-My-Ft2の横尾渉、A.B.C-Zの戸塚祥太塚田僚一と、各グループのメンバーが揃った。

 中でも亀梨は昨年、『レッドアイズ 監視捜査班』(日本テレビ系)主演に加えて『正義の天秤』でNHKドラマ初主演を飾ったほか、今春も『正体』(WOWOW)主演が決定している。さらに、『一撃解明バラエティ ひと目でわかる!』『日テレ系音楽の祭典 Premium Music 2021』『ネオコロッセオ』(すべて日本テレビ系)でMCを担当。演じる役柄も、MC番組のジャンルも、明らかに幅が広がり始めているだけに、今年はさらに大きな動きがあるかもしれない。

 俳優では、中村倫也山崎育三郎勝地涼柄本佑小池徹平猪塚健太前野朋哉と多彩な顔ぶれ。なかでも今、最も引く手あまたなのは山崎育三郎だろう。

 昨年は本業のミュージカルに加えて、ドラマでは『監察医 朝顔』(フジテレビ系)、『殴り愛 炎』(テレビ朝日系)、『イチケイのカラス』(フジテレビ系)、『青天を衝け』(NHK)に出演。しかも主演、助演、ゲスト、大河ドラマと、役割の異なるオファーをこなし、ユーティリティぶりを見せつけた。

 今年も1月から『DCU』(TBS系)で公安刑事役を演じる。さらに、トークバラエティ『おしゃれクリップ』(日本テレビ系)のMCに就任。尾上松也、城田優とのユニット「IMY」でも活動し、夏の甲子園大会開会式で「栄冠は君に輝く」を独唱するなど、歌手としての活動も活発だった。

 その他、芸人ではハライチ・澤部佑と岩井勇気ミルクボーイ・駒場孝レイザーラモンRGはんにゃ・金田哲あばれる君超新塾・アイクぬわら。アーティストの西島隆弘、メンタリストのDaiGoらがいる。

大物から寵愛を受ける中川大志も寅年

 さらに、もうひと世代下の1998年生まれ(今年で24歳)の筆頭と言えば、中川大志。子役時代からすでに15年目と実績十分であり、昨年も『ボクの殺意が恋をした』(日本テレビ系)、映画『砕け散るところを見せてあげる』『FUNNY BUNNY』で主演を務めるなど、若くして風格を漂わせていた。今年も三谷幸喜脚本の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)への出演が決まっているなど、大物からの寵愛を受け続けている。

 その他では、中川大輔ゆうたろう前田航基佐久本宝西山潤島太星らがいる。

 高年齢層に目を向けると、1962年生まれ(今年で60歳)には、実績はもちろん個性的な顔ぶれが揃った。俳優では、豊川悦司手塚とおる神保悟志寺脇康文渡辺いっけい筧利夫山西惇利重剛風間トオル宇梶剛士六角精児小沢仁志川平慈英石原良純柳沢慎吾。アーティストでは、久保田利伸布袋寅泰藤井フミヤデーモン閣下KANダイヤモンド★ユカイTRF・SAM

 芸人では、とんねるず・木梨憲武浅草キッド・水道橋博士ダチョウ倶楽部・寺門ジモンホンジャマカ・石塚英彦。さらに、美容家のIKKO、劇作家・演出家の松尾スズキ、脳科学者の茂木健一郎、映画監督の是枝裕和らがいる。

 さらに世代を上げると、1950年生まれ(今年で72歳)には、まだまだ元気な各分野の大物が勢揃い。俳優では、舘ひろし神田正輝奥田瑛二鹿賀丈史でんでん渡辺哲大和田獏我修院達也。芸人の綾小路きみまろ島田洋七三遊亭円楽。演歌歌手の細川たかし山本譲二。さらに、梅沢富美男久石譲池上彰ドン小西らがいる。

 最後に1938年生まれ(今年で84歳)には、小林旭ミッキー・カーチスらがいる。いまだコロナ禍が続くだけに、高齢の寅年生まれには感染予防を徹底しつつ、年男としての元気な姿を見せて同世代に元気を与えてほしいところだ。

(文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト)

●木村隆志(きむら・たかし)
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』(フジテレビ系)、『TBSレビュー』(TBS系)などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

コロナと五輪で悪質ぶり発揮した御用コメンテーター10位〜6位発表! いつもの顔ぶれに夏野剛、谷原章介、ブラマヨ吉田&小杉も

“政権に尻尾をふる犬”の皆さんにリテラ が毎年、贈呈している「御用ジャーナリスト大賞」。2021年は安倍首相に続いて、菅首相もコロナ対策で完全にボロが出て撃沈。御用ジャーナリスト、政権応援団コメンテーターのみなさんもさすがに恥ずかしくておとなしくなるかと思っていたのだが、そ...

パチンコ「17万発」も話題となったP機最強スペックを創造…「RUSHストック」の斬新システムなど多彩なラインナップで2021年を盛り上げた激熱メーカー!!

 2021年に最も魅力的なパチンコ機種を提供したメーカーといえば、SANKYOの名を挙げるユーザーも多いであろう。

 業界のリーディングカンパニーとして活躍を続ける同社の一年間を振り返ってみると、演出やスペックに優れた新機種が多くのユーザーの心を掴んでいた印象だ。今回は、そんなSANKYOが2021年にリリースしたマシンの中から、特に反響の大きかったものをピックアップしたいと思う。

・「RUSHストック」の斬新システム搭載マシン!!

 SANKYOが先日リリースした新台『新世紀エヴァンゲリオン〜未来への咆哮〜』は、既存マシンの概念を覆す「スマートハンドル」を搭載。筐体中央に配置されたハンドルは、手を伸ばすことなく快適に遊技できると大好評となっていた。

 このような斬新な要素を含んだ機種といえば、『Pフィーバー アイドルマスター ミリオンライブ!』も特筆すべきマシンであろう。

【注目記事】
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パチスロ「5万枚」も達成の4号機時代ファン必見… 年末年始はレジェンド級の実戦を楽しもう!!

 本機は大当り確率1/319.7のミドルタイプで、初当り後は100or150回の「ストックタイム」へ突入。ここで「Vストック」を集め、ストックタイム終了後にそれらを一気に放出するゲーム性となっている。最大4個までストック可能だ。

「V-LOOP」はストック1個が独立した「継続率72%のRUSH」となっており、1回の初当りから複数のRUSHを獲得できるという斬新なシステム。つまり、最大となる4個のストックを獲得できれば「継続率72%のRUSH」を4回分消化できるという事だ。

 更に本機は出玉面も優秀で、右打ち中の大当りは50%で「約1500発」を獲得できる。革命的なRUSHの連チャン性能とボリューム満点の出玉感によって、「一撃6万発」「終日10万発」といった景気の良い出玉が数多く報告された。

 爆発力に富んだマシンが数多く誕生した2021年。本機もそのカテゴリに該当するSANKYOの代表作と言えるのではないだろうか。

・『17万発』報告も話題となったP機最強スペック!!

 2021年に最も活躍したSANKYOマシンといえば多くのユーザーが『Pフィーバー 機動戦士ガンダムユニコーン』と答えるのではないだろうか。出玉性能・スピードともに突出したRUSHを武器に、派手な出玉報告が続出したのが本機である。

 大当り確率1/319.7の1種2種混合機&転落抽選スペック。ヘソ大当り時の60%で突入するRUSH中の大当りは、全て1500発を獲得できる。その継続率は約81%と連チャン性能も優秀だ。

 通常時の注目ポイントは、「3000FEVER大当り」。ヘソ大当り時の20%を引き当てた際は「3000発+RUSH突入」が約束される。初当りからまとまった出玉を得られる点は大きな魅力だろう。

 大当り中は「デストロイアタッカー」によって、ラウンド間のインターバルが少ない点も特徴の一つ。打ちっぱなしによるロスも少なく、ストレスフリーなラウンド消化を味わえる。

 そして本機最大の武器といえるのが、業界初となる「BOOSTトリガー」。本機のRUSHは連続大当り3回到達で「覚醒HYPER」へと突入する。ここでは超短縮変動ブーストが発動した状態となり、RUSHスピードが3倍速へ切り替わるのだ。かつてない爽快感を堪能できるだろう。

 デビューしてから数多くの大量出玉報告が続出した本機。10万発クラスの超出玉が確認されることも珍しくなく、中には「17万発」という記録的なデータもネット上で公開され大きな話題となった。秘めたるポテンシャルは間違いなくP機最強レベルと言えるだろう。
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 このほかにも、『Pフィーバー戦姫絶唱シンフォギア』、『Pフィーバー革命機ヴァルヴレイヴ2』、『Pフィーバーゴルゴ13 疾風マシンガンver.』、『Pフィーバーマクロスフロンティア4』など、多彩なラインナップで今年を盛り上げていたSANKYO。2022年も勢いそのままに快進撃を続けてほしいものである。

パチンコへ「給料の大半」を投資!? 後悔が生まれた2つのエピソードを紹介

 パチンコ・パチスロに熱くなりすぎてしまったことはないだろうか。筆者は昔、平日は毎日残業・土日は必ず朝からパチスロ三昧という生活を送っていたことがある。お金がカツカツになるまで打ち続けていた日々…振り返れば、「正気ではなかった」とさえ思ってしまう。

 今回は、そのような「後悔が生まれた瞬間」というお話を特集してみた。パチンコ・パチスロユーザーさんから聞いた「2つのエピソード」を紹介したい。

『負けると思っているのに時間があれば打ちに行く』

(匿名希望Aさん)

 行ったらほとんど負けて帰ってくるのに、諦めずにパチンコを打ち続けていた時期がありました。頭の中では「負けるんだろうな」と思っていたんですが、「次は爆勝ちするかもしれない!」という気持ちが勝ってしまっていたのです。

 このようなことは誰もが経験しているかもしれませんが、私のソレは強烈すぎたような気がします。YouTubeの動画で大勝している人を見てテンションはアップ。「たまたま良い台に座れなかっただけだ」「次は連チャンする台に座れる」と希望を持ってしまっていたのです。

 あの時期は、本当に熱くなりすぎていたと思います。やはり自身のスタンスにあった楽しみ方をするのが一番…「パチンコは適度に楽しむという気持ちで付き合おう」と思えるようになったエピソードでした。

『パチンコを優先して大事な〇〇を…』

(匿名希望Bさん)

 パチンコ・パチスロの当った瞬間の刺激が好きです。少しでも暇があればホールへ向かうヘビーユーザーですが、あの時の行動は間違っていました。パチンコのせいで大事な友人を失いかけたことがあります。

 ある日、待ち合わせをしていた友人から「少し遅れる」との連絡が。このような時、何をして時間を潰そうかと考えると思いますが、私は躊躇なくホールへ向かってしまったのです。別に当てたかったわけではありませんが、気になる機種があったので少しだけ遊技したいと考えてしまったのでした。

 そういった時間に余裕がない時ほど爆発することはよくある話。この時も投資500円で当ってしまい、大連チャンが始まってしまったのです。

 遅れてきた友人は「少し遅れた間に、なぜパチンコを打つ? 理解できない!」と大激怒。当然ですよね…そのまま帰ってしまったのでした。

 それから数日は連絡をしても無視されましたが、必死に謝罪を続けて許してもらうことができました。あれは、本当に後悔したエピソードです。この失敗から、時間を含めた計画を立てて遊技するようになったのは言うまでもありません。

(文=ひろ吉)

<著者プロフィール>

 IT業界の世界に興味を抱き、iPhoneアプリの開発を4年程経験。その後、WEBマーケティングの知識や経験を重ねてきた。パチンコ・パチスロのヘビーユーザーであり、機種のスペック等の研究に時間を注いでいる。現在はパチMAXにて、パチンコやスロットの考察記事・実戦記事をメインに作成中。自身が好む低純増・低ベース機の動向にも注目している。

フジテレビ『みんなのKEIBA』痛恨の「144馬券」払戻し!? 2→3→1番人気も佐野瑞樹アナ「違うと思います。ごめんなさい」100万馬券ゲットから数秒でぬか喜びに【GJ人気記事ぶった斬り!延長戦】

 毎週末恒例の【週末GJ人気記事ぶった斬り!】のコーナー。今回は臨時企画【年末GJ人気記事ぶった斬り!】ということだったが、昨年の話題はまだまだ盛りだくさん……。

 そこで延長戦として、いつもの下手の横好きライター「A」と、当サイトの酔いどれデスク「Y」が徒然なるままに喋りつくすことになった。新年、初笑いはこちらからどうぞ!

フジテレビ『みんなのKEIBA』痛恨の「三連単14459.0倍」払戻し!? 2→3→1番人気の決着に佐野瑞樹アナ「違うと思います。ごめんなさい」100万馬券ゲットから数秒でぬか喜びに

ライター「A」:昨年はコロナ禍で、なかなか競馬場に行けない1年でした。それでも競馬人気に陰りがなかったのは、やっぱりテレビがしっかり中継しているからこそ。昨年も様々なハプニングがありましたが、最後まで楽しく見させていただきました。

デスク「Y」:色々あったね~。馬券売上が好調を維持したのは、もちろんインターネット発売の普及も大きいけど、競馬中継の充実も大きいよね。外出が難しい中、土日にパッとテレビつけて競馬がやってたら「暇だし競馬でもやってみようかな」ってなるもの。

ライター「A」:ライブ放送なので、ある意味ハプニングはつきものですが、今回ピックアップしたのは日曜のメイン中継でお馴染みの『みんなのKEIBA』(フジテレビ系)から。2→3→1番人気で決着したレースだったのに、「三連単14459.0倍」というテロップが表示されるシーンがありました。

デスク「Y」:ああ、覚えてるわ。144万馬券でしょ? レースのリプレイ中に出てきたから「こんなについたの!?」って思うよねえ。いやいや、そんなわけないと思いながらも、人ってついつい「もしかしたら……」って思っちゃうもんね(笑)。

ライター「A」:知り合いのテレビ関係者に聞いたことあるんですけど、生中継の裏方ってホント地獄らしくて……。次々起こる色々なことに即座に対応しないとダメだから緊張しっぱなしですし、予定外のことなんて「あって当たり前」って言ってましたね。

デスク「Y」:わかるわかる。オレも新聞社で裏方の仕事したことあるけど、テレビほどじゃないにしても、やっぱり締め切りの時間って何回やっても緊張するもの。なんかミスっても、それがそのまま全国に行っちゃうわけだもんね。“やらかした”後の空気って言ったら、もう……。

ライター「A」:ああいう裏方の仕事って「減点方式が辛い」ってよく聞きます。できて当たり前というか「100点満点で当然」の仕事なんですよね。100点とって褒められないとか、子供だったら将来が心配になりますよ。

デスク「Y」:そうそう、オレなんかいつも80点の仕事なのにさ。どれだけ頑張っても評価されにくい仕事って辛いよね。

ライター「A」:80点って、さりげなく謙遜したつもりかもしれませんが、ぶっちゃけ60点が良い方では? あんまり自己評価が甘々だと、みんな怒りますよ(笑)

デスク「Y」:新年早々、今年も厳しい風当たりを感じずにはいられませんわ……。お荷物社員ですが、今年もよろしくお願いいたします~。お願いだから、お正月明けたらみんな帰ってきてね(笑)

ライター「A」:競馬中継関係者の皆様、いつもありがとうございます! 本年もよろしくお願いいたします~!


 さて、毎度バカバカしいお話にお付き合いいただきありがとうございました。『GJ』では昨年もたくさんの記事を掲載しております。お手すきの際に2021年を振り返りながら、ご笑覧いただけたら幸いです。
(構成=編集部)

元JRA藤田伸二氏「あんなんしてホンマにええの?」またも岩田康誠に大激怒!? “幅寄せ事件”復帰初日、反省の色なしに不快の声続々……【GJ人気記事ぶった斬り!延長戦】

 毎週末恒例の【週末GJ人気記事ぶった斬り!】のコーナー。今回は臨時企画【年末GJ人気記事ぶった斬り!】ということだったが、昨年の話題はまだまだ盛りだくさん……。

 そこで延長戦として、いつもの下手の横好きライター「A」と、当サイトの酔いどれデスク「Y」が徒然なるままに喋りつくすことになった。新年、初笑いはこちらからどうぞ!

元JRA藤田伸二氏、岩田康誠「斜行勝利」ガッツポーズに大激怒!? 「あんなんしてホンマにええの?」騎乗停止復帰初日、反省の色なしにファンからも不快の声続々……

ライター「A」:歯に衣着せぬ物言いで、一部のファンから熱烈な人気のある元JRA騎手の藤田伸二さんですが、昨年最も激怒したのは、この一件じゃないでしょうか。

デスク「Y」:まあ、岩田康誠騎手のあのガッツポーズを素直に受け止められる人はなかなかいないよ。斜行で戒告を受けたことはもちろんだけど、それ以上に藤懸貴志騎手との一件があって以来だったからね。

ライター「A」:岩田康騎手による藤懸騎手への“幅寄せ事件”は、間違いなく2021年の競馬界の大きなトピックでしたね。昔から村社会と言われる競馬界の闇の部分が露呈したというか、それがレース開催中の競馬場、しかもコース内で起きただけに驚いたファンも少なくなかったと思います。

デスク「Y」:昭和じゃないんだから、岩田康騎手みたいな例は稀だと思うけどね。でもあれで騎乗停止2週間(14日間)は、さすがにオレも甘いと思う。

ライター「A」:一部のファンからは「追放すべき」という厳しい声もありましたね。

デスク「Y」:JRAの処分の基準は公正競馬の確保に基づいてるから、どうしてもレースに影響が小さい箇所での事件は処分が甘くなる傾向にあるよね。被害馬のテイエムマジックが、当日のレースで2着(6番人気)したことも大きいから、ある意味、藤懸騎手のファインプレーに助けられた面もありそう。

ライター「A」:藤田さんは関係者から独自の取材を行って、藤懸騎手に限らず、岩田康騎手が以前から後輩イジメをしていたことを告白しています。藤田さん自身が見聞きしたわけではないので、どこまで正確かはわかりませんが、それらがうやむやになってしまうのもどうかと思いますね。

デスク「Y」:去年は持続化給付金の不正受給問題もあったけど、競馬界の臭い物に蓋をする方針は、ずっと昔からファンの間でも度々話題になってること。そういう点でも、藤田さんみたいな人は貴重な存在だよね。あ~、1時間でいいからインタビューさせてくれないかな?

ライター「A」:1時間まるまる説教されるだけだと思いますよ……。


 さて、毎度バカバカしいお話にお付き合いいただきありがとうございました。『GJ』では昨年もたくさんの記事を掲載しております。お手すきの際に2021年を振り返りながら、ご笑覧いただけたら幸いです。
(構成=編集部)

新年はクラシックでお祝い!ウィーン・フィルのコンサート、締めの2曲が最高!

 明けましておめでとうございます。今年も“篠崎靖男「世界を渡り歩いた指揮者の目」”をよろしくお願いします。

 日本のお正月といえば、初詣をして、家に帰ってお屠蘇を飲み、おせち料理をつまみながら、子供にお年玉をあげるというイメージですが、音楽家の僕としては、ひとつだけ足りないものがあります。

 それは音楽です。12月に入ればコンサートホールではベートーヴェンの『第九』が演奏され、街中ではクリスマス・ソングが流れますし、大晦日ともなれば『輝く!レコード大賞』(TBS系)、『NHK紅白歌合戦』など音楽が満ちあふれますが、元旦を迎えた日本は急に音楽がなくなってしまいます。もちろん、雅楽などがお正月を彩りますし、普段耳にしない日本の伝統音楽に耳を傾ける良い機会ではありますが、それにしても音楽が極端に少なくなるというのが、音楽家の僕にとっての新春のイメージなのです。

“新春コンサート”と銘打ってコンサートを行うオーケストラもありますが、やはりオーケストラ楽員も日本人としては、お正月はお休みしたいのが心情です。東京の主要コンサートホールのスケジュールを調べても、元日には何もやっていないようです。

 そんななか、サントリーホールだけは三が日、恒例のウィーン・フォルクスオーパー交響楽団が来日してニューイヤーコンサートを予定していました。ヨーロッパではクリスマスに比べて新年は重要ではないので、日本に行って一稼ぎというわけですが、今回、日本政府による「水際対策措置の強化」のために入国が困難な状況となり、中止となってしまったようです。

 ウィーン・フォルクスオーパー交響楽団のメンバーは、今年の新春はウィーンの自宅で過ごすことになりましたが、このオーケストラはウィーン・フォルクスオペラ所属なので、ウィーンの新春恒例オペラ、ヨハン・シュトラウスの喜歌劇『こうもり』の上演のために、代わりに仕事をすることになった楽員も多いでしょう。

 そんな元日ですが、クラシックファンのみならず、クラシックに興味がなくても毎年、テレビで観る方も多いウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートは今年も開催される予定です。テレビの音量をいつも以上に上げて、ぜひ今年の元日はクラシック音楽で祝ってください。

ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート、締めはヨハン・シュトラウス親子

 このニューイヤーコンサートは変わった演奏会で、プログラムはモーツァルトやベートーヴェンではなく、ほとんどがウィーンのワルツ王、ヨハン・シュトラウス2世のワルツやポルカ、19世紀に大ブームを起こしたダンス音楽です。ヨハンは自分専属のオーケストラの前で自らもヴァイオリンで演奏しながら指揮をするスタイルによって当時のウィーンの寵児となりましたが、音楽家になるまでは同じく人気作曲家であった父親(ヨハン・シュトラウス1世)のせいでとても苦労しました。

 父親も自分の楽団を持っているくらい大スターでしたが、子供に音楽をさせることには大反対でした。自分も音楽家だけに、成功よりも失敗する音楽家のほうが遙かに多いことをわかっていたからです。それだけではなく、暴力も振るうほどかんしゃく持ちで、ヨハンがこっそりと弾いていたヴァイオリンを奪い取って、たたき壊すほどでした。

 そんななか、ヨハンに転機が訪れます。それは、父親が女好きだったことが原因でした。父親が若い愛人をつくり、お金を家にも入れずに愛人の家に入り浸ってしまったのです。そうしてヨハンは自由になりました。しかも、母親のアンナは、家に帰らない夫にメラメラと復讐心を持ち、息子ヨハンにヴァイオリンを買い与えて、夫を超える音楽家として育て上げようとしたのです。

 父親が家に帰ってこないのをいいことに、音楽家としての正統教育をしっかりと受けて成長したヨハンがデビューすることになりました。父親も、数々の素晴らしいワルツやポルカを作曲しましたが、基本的にはダンスホールの音楽です。当時のウィーンのダンスホールでは、着飾った紳士淑女が礼節をわきまえながら、お互いに体を触れ合うこともなく優雅に踊るこれまでのスタイルではなく、相手の腰に手を当てて密着し、くるくると回りながら激しく踊る新しいスタイルが大受けしていたのです。“19世紀版チークダンス”のような雰囲気もあったのだと思います。

 父親は、そんなダンスホールを独占状態でした。そして、あらゆる手を使って、新しいライバルになりかねない息子の邪魔をします。仕事場になる飲食店に圧力をかけたり、楽員には息子の下で演奏しないように言いつけたり、なんとデビュー前の息子の中傷記事を新聞に書くように画策までするのです。

 それでもヨハンのデビューコンサートは大成功に終わり、翌年、母親アンナは夫に離縁状を突きつけます。その後のヨハンの大活躍はめざましく、今ではウィーンの土産物店で買うことができる絵はがきといえば、モーツァルト像と、ヨハン・シュトラウス2世像であるくらい、ウィーンを代表する人物にまでになりました。

 このように、父親の女好きが功を奏したヨハンですが、彼自身も生涯に三度も結婚しただけでなく、かなりのプレイボーイだったそうで、結局は父親似だったのです。その後、父親とも和解を果たし、一緒に協力しながら音楽活動を続けることになります。父親に妨害されたデビューコンサートであっても、最後に選んだ曲は父親の代表作『ローレライ・ラインの調べ』だったことからもわかるように、音楽家としての父親に対する尊敬がどこかにあったのだと思います。

 最後に、元日のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートに関して、アンコール後半は毎年、同じ2曲で締めくくるのが伝統です。ヨハン・シュトラウス代表作のワルツ『美しく青きドナウ』ののち、父親の『ラデツキー行進曲』を演奏するのです。父親の曲に合わせて観客が大喜びで手拍子をする最大の盛り上がりを見せ、コンサートが終わります。やはり、息子にとって父親はいつまでも偉大な存在なのです。

(文=篠崎靖男/指揮者)

●篠﨑靖男
 桐朋学園大学卒業。1993年アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで最高位を受賞。その後ウィーン国立音楽大学で研鑽を積み、2000年シベリウス国際指揮者コンクール第2位受賞。
 2001年より2004年までロサンゼルス・フィルの副指揮者を務めた後、英ロンドンに本拠を移してヨーロッパを中心に活躍。ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、BBCフィルハーモニック、ボーンマス交響楽団、フランクフルト放送交響楽団、フィンランド放送交響楽団、スウェーデン放送交響楽団など、各国の主要オーケストラを指揮。
 2007年にフィンランド・キュミ・シンフォニエッタの芸術監督・首席指揮者に就任。7年半にわたり意欲的な活動でオーケストラの目覚ましい発展に尽力し、2014年7月に勇退。
 国内でも主要なオーケストラに登場。なかでも2014年9月よりミュージック・アドバイザー、2015年9月から常任指揮者を務めた静岡交響楽団では、2018年3月に退任するまで正統的なスタイルとダイナミックな指揮で観客を魅了、「新しい静響」の発展に大きな足跡を残した。
 現在は、日本はもちろん、世界中で活躍している。エガミ・アートオフィス所属
オフィシャル・ホームページ http://www.yasuoshinozaki.com/

干支「壬寅」で2022年の変化を大予測!ロシアが勢力伸長、台湾情勢にも異変の歴史

 謹賀新年。

 今年は寅年、十二支の3番目に当たる。この「寅」とはトラを指すが、もともとは矢そのものや矢を引っ張る様子をかたどった象形文字であり、「引っ張る」「延ばす」といった意味を指す。相場格言に「寅千里を走る」とあり、相場がある一定の幅で上下する「往来相場」となる傾向があるらしい。

 また、今年の干支は「壬寅」となる。本来、「干支」とは「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の十干と「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の十二支を組み合わせたものである。同じ「干支」は60年に一度めぐってくることになり、60歳を「還暦」と称するのは、生まれた干支が再びめぐってくるためである。

米ソ冷戦の象徴「キューバ危機」

 さて、それでは「壬寅」とはどのような年になるのであろうか。例によって、過去の歴史からその傾向を探って、本年の動きを占ってみよう。

 まず想起されるのは、ロシアの勢力伸長である。元慶6年(882年)、ノヴゴロド公国を建国したリューリクの後継者であるオレーグがキエフに遷都する。これにより実質的にキエフ大公国が成立したとされ、13世紀までその支配は維持されることになる。

 また、仁治3年(1242年)にはノヴゴロド公であったアレクサンドル・ネフスキーが「氷上の戦い」(チュド湖上の戦い)で「北方十字軍」として侵入してきたドイツ騎士団を破っている。なお、この2年前には「ネヴァ河畔の戦い」においてスウェーデン軍を破っており、ロシア正教会においては聖人であると共に今もなお英雄とされている。

 現在、ロシアは、この古都キエフを首都とするウクライナとの国境近くに軍隊を展開、これに伴いロシアとアメリカの間で緊張状態が生じている。あるいは、ロシアがかつてのオレーグのように強硬な手段に訴え、またアレクサンドル・ネフスキーのように外圧をはねつけるといったことが起こるかもしれない。

 大国間の緊張状態といえば、想起されるのは昭和37年(1962年)に発生した「キューバ危機」である。この当時、ソビエト連邦とアメリカ合衆国は冷戦の最中にあり、カリブ海に浮かぶ島国のキューバに攻撃用のミサイルを設置したことで軍事的緊張が生じた。アメリカはミサイルの搬入を阻止するべくキューバを海上封鎖、あわや米ソ核戦争となるのでは、と世界中が震撼した事件である。幸い、危機は回避されたが、今回のウクライナをめぐる事態においても、平和裏に解決されることを望んでやまない。

 キューバといえば、この「キューバ危機」から遡ること60年、明治35年(1902年)にスペインから独立を果たしており、当然これも壬寅の年に当たる。また、寛文2年(1662年)には「国姓爺合戦」で知られる鄭成功が台湾にあるオランダ東インド会社の城塞を襲撃、これを奪取すると共に台湾を統治する政権を打ち立てた。

 このように、壬寅の年は島しょ部において独立の機運が高まる傾向があるようで、台湾がより一層、大陸の重力圏からの離脱を図っていく可能性がある。また、本年はちょうど沖縄の本土復帰(沖縄返還)から50周年に当たることもあり、我が国の沖縄においても何か大きな動きがあるかもしれない。

 一方で、日本国内においては地方反乱に終息が見られることが多い。大宝2年(702年)には種子島・屋久島の反乱を鎮め、康平5年(1062年)には源頼義が安倍貞任・安倍宗任の兄弟を破って争乱を抑えた(前九年の役)。さらに、文明14年(1482年)には室町将軍・足利義政と鎌倉公方・足利成氏との間に和睦が成立し、「享徳の乱」が終息している。

 ただ、天文11年(1542年)だけは逆に反乱の当たり年で、美濃では斎藤道三が主君・土岐頼芸を追放、陸奥では伊達晴宗が父・稙宗に反旗を翻している。果たして今年は地方と中央との対立が緩和されるのか、それとも地方における勢力地図が大きく変わるような事件が多発する年になるのであろうか。現時点ではわからない。

 また、これは毎年言っているような気がしないでもないが、壬寅の年にも多くの災害が起きているので注意が必要である。

 皇極天皇元年(642年)に干ばつが、正平17年(1362年)にも干ばつ、寛文2年(1662年)には近江・若狭および日向でも、相次いで地震が発生した。これらの災害は飢饉を誘発する。

 また、これとは別に天平宝字6年(762年)および天明2年(1782年)にも飢饉となり、多くの餓死者が出た。さすがに、現代の日本において飢餓によって多くの死者が出るということは考え難いが、すでに昨年には新型コロナウイルスの流行や災害などにより、食料の生産や供給に影響する事態が発生しているので油断ならない。災害に備える意味でも、慌てて買い占めに走るのではなく、少しずつ備蓄食料を用意しておくのが賢明ではあるまいか。

ビートルズのデビューも寅年だった

 最後に明るい話を。

 壬寅の年には、新たなビジネスが芽吹く可能性がある。仁治3年(1242年)には、西園寺公経が派遣した宋船が10万貫の銭などと共に帰国している。また、天文11年(1542年)には生野銀山が発見された。慶長7年(1602年)には世界初の株式会社とされるオランダ東インド会社が発足、アジアの富を欧州へと流し込んだ。明治35年(1902年)には合名会社鈴木商店が設立され、ロンドンやニューヨークなどに代理店を設置している。危機や戦乱、災害は経済発展を阻害する要素であるが、その中で新たな利が見いだされることもあるようだ。

 また、後世に影響を与えることになる傑作が生み出される傾向もある。慶長7年(1602年)にイギリスにおいてシェイクスピアの「ハムレット」が初演されたとされ、天保13年(1842年)にはイタリアにおいてヴェルディの「ナブッコ」が初演を迎えている。明治35年(1902年)には世界初のSF映画といわれるジョルジュ・メリエス監督の『月世界旅行』が公開された。また、昭和37年(1962年)にはザ・ビートルズがレコードデビューを果たしている。

 「寅」という字は「演」という字の原字であるという。演技をするにせよ演奏するにせよ、およそ演じるということについて親和性が高い年なのかもしれない。

 さて、歴史から「壬寅」の年を占ってみたが、いかがだったであろうか。蛇足ながら、「虎穴にいらずんば虎子を得ず」の言葉を残した班超が死去したのも、後漢の永元14年(102年)であるから壬寅の年である。彼が志を遂げんと文を捨て武の道へ進んだことは「燕頷投筆」と称され、転じて決断して志を立てることを示す故事成語となっている。我々もまた先行き不透明な時代状況の中で、よき決断ができるようにしたいものだ。

 当たるも八卦、当たらぬも八卦。読者諸氏において、発展の年となる一助となれば何よりである。

(文=井戸恵午/ライター)