SMAはなぜ錦鯉M-1優勝を生んだか…ツッコミ渡辺隆の頭脳、バイきんぐ小峠の愛の助言

 昨年12月19日にテレビ朝日系で放送された『M-1グランプリ 2021』において、過去最多6017組の頂点に立ち、第17代目王者に輝いたお笑いコンビの錦鯉。50歳の長谷川まさのり(1971年生まれ)と43歳の渡辺隆(1978年生まれ)という“おじさんコンビ”が優勝をかっさらったとあって、今回のM-1は過去にはないほどの感動を呼んだ。

 ふたりの優勝が決まった瞬間、審査員を務めたサンドウィッチマンの富澤たけしやナイツの塙宣之が流した涙に象徴されているように、長い下積み生活を経験しながら決して夢を諦めなかった“中年の星”による人生逆転劇は、日本全土に感動の嵐を巻き起こしたといっても過言ではないだろう。

 多くのお笑い番組を担当するある放送作家は、次のように語る。

「錦鯉は前回のM-1に彗星のごとく現れ、結果的には4位でしたが、その後は多くの地上波バラエティ番組を一巡するほどのプチブレイクを果たしてはいました。しかし、どうしてもM-1で優勝したかったというふたりは今回、さらにネタに磨きをかけ、見事優勝。この1年間テレビに出演し続けてハードルが非常に上がった状態で決勝まで残るというのは、無名だった昨年よりも難しかったはず。しかし彼らはそんななか王者の座を勝ち取ったわけで、すごいと思いますね。

 現在ではレギュラー冠番組も決まり、急きょ放送決定したという『情熱大陸』(TBS系)も好評でした。50歳での大ブレイクを果たしたボケの長谷川さんは同業者からも愛される存在。全力でバカをやり、ずっと貧乏暮らしで歯が8本もないという彼を、まわりの芸人たちは温かく応援している印象ですね。いま売れている芸人からすれば、『自分がもしかして売れていなかったら、こうなっていたのかも……』という存在に見えるのでしょう。だからこそ富澤さんや塙さんは、涙ながらに錦鯉に投票したのではないでしょうか」

“芸人の墓場”どころか“ダメ芸人再生工場”として注目されるソニー・ミュージックアーティスツ

 そんな錦鯉の優勝には、同じSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)に所属するバイきんぐ・小峠英二やハリウッドザコシショウの存在もあったという。

「ハリウッドザコシショウは、『まさのりはバカなんだから、とにかくバカを押し出せ』とアドバイスし、それが長谷川さんのおバカキャラを生んだ……という逸話は知られた話。今回のM-1でも、12月2日に開催された準決勝の前にバイきんぐのふたりとザコシさんが錦鯉のネタをチェックし、対策を考えたとか。最終決戦で披露したネタのオチについて、『ライフ・イズ・ビューティフルと言ったほうが面白い』とアドバイスしたのは小峠さんだったそうで、この助言がまさに優勝の決め手になるほどの爆笑を得たわけで、さすが小峠さんというところ。

 彼らが所属するSMAは入所のハードルが極めて低く、基本的には誰でも所属できることから、“芸人の墓場”などと面白おかしく揶揄されてきましたが、そんなSMAがついにM-1王者を輩出した。芸人の墓場というより、“ダメ芸人再生工場”ですよ。いま、他事務所で仕事がなくて苦しんでいるような芸人たちは、みんな移籍したがっていますね。

 でもそもそもM-1は、あの島田紳助さんが『芸歴10年で結果が出なかったら、芸人をやめて次の人生を歩んだほうがいい』という考えのもとに創設したという賞レースです(現在は結成15年まで出場可能)。それが今回の錦鯉の優勝で、『コンビを組み直して50歳で優勝した者だっている』という事実に勇気づけられ、むしろ夢を諦められない芸人が続出する可能性も(笑)。今回の錦鯉の優勝は、今後多くのダメ芸人を生んでしまうかもしれません」(前出の放送作家)

実は“頭脳派”の43歳・渡辺隆、バイきんぐやハリウッドザコシショウのブレーンも

 ボケの長谷川のほうにばかり注目が集まりがちだが、ツッコミの渡辺こそが錦鯉の頭脳。「渡辺さんの非凡な才能が、錦鯉を化けさせた」と語るのは、バラエティ番組を担当するあるキー局のプロデューサーだ。

「ワードを徹底的にそぎ落とし、無駄を省いたツッコミがとにかくすごい。声を張るわけでもなく、シニカルかつわかりやすくツッコむというスタイルは、錦鯉のネタに間口の広さを与えています。バイきんぐやハリウッドザコシショウのライブのブレーンをやったり、事務所の後輩であるアキラ100%の芸名を考案したりしたのも彼。渡辺さんの作家としての才能を買っている同業者も多く、錦鯉どころかSMAの頭脳として、今後も重宝されるのではないかと思いますね。

 すでにキャラが確立した感のある長谷川さんにはバラエティ番組のオファーが殺到していますが、今後、渡辺さんがバラエティの“平場”でのトークでブレイクすれば、錦鯉がもうひとつ上のステージに行くことも可能でしょう。とはいえ錦鯉は今年から漫才協会に加入し、東洋館(「浅草フランス座」として知られる演芸場)で定期的にネタをやっていますから、彼らはあくまでも、漫才師として突き進んでいくつもりなのでしょうね。50歳と43歳から始まるスター街道ですから、ワクワクさせられますよね(笑)」

 知る人ぞ知る“愛され中年芸人”のまま散りゆくことなく、確かな実力でM-1王者の座を勝ち取った錦鯉。夢を諦めなかったふたりの努力が報われた……。こんな劇的なストーリー以上に“ライフ・イズ・ビューティフル”なことはないだろう。

(文=藤原三星)

●藤原三星(ふじわら・さんせい)
ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。<twitter:@samsungfujiwara

共通テスト・東大で刺傷、京王線事件のコピーキャットの可能性…被害者意識と拡大自殺

 1月15日朝、大学入学共通テストの実施会場の東京大学本郷キャンパス敷地内で、高校生の男女2人と70代の男性が包丁で切りつけられた。殺人未遂容疑で現行犯逮捕されたのは、名古屋市に住む17歳の高校2年生の少年で、「東大近くの駅で火をつけようとした」と供述している。実際、この事件の前に東大前駅でボヤ騒ぎがあったようで、駅の改札に爆竹のようなものがまかれ、駅員が消し止めたという。

 わざわざ上京して犯行に及んでいるうえ、火をつけてから刃物を振り回しているので、昨年10月31日夜、京王線の電車内で発生した無差別殺傷事件のコピーキャット(模倣)である可能性が高い。京王線事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された当時24歳の服部恭太容疑者は「2人以上殺して死刑になりたかった」と供述しており、いわゆる「死刑のための殺人」をもくろんだ「拡大自殺」とも考えられる。

 今回の事件の容疑者も「医者になるため東大を目指したが、約1年前から成績が上がらず、自信をなくした」「医者になれないなら自殺しよう、人を殺して罪悪感を背負って切腹しようと考えた」と話しているらしいので、やはり「拡大自殺」だろう。

 この2人には、「できるだけ多くの人を巻き込んで不幸にしてやりたい」という願望が共通して認められる。17歳の少年は、受験勉強がうまくいかず、「東大に入れないなら」あるいは「医者になれないなら」、「自分はもうダメだ」と絶望したが、自分だけ不幸なのは許せないと感じ、他の受験生も自分と同じように不幸にしてやりたくて犯行に及んだのかもしれない。

 こうした思考回路の根底に潜んでいるのは、強い怒りである。古代ローマの哲学者セネカが見抜いたように、「怒りが楽しむのは他人の苦しみ」であり、「怒りは不幸にするのを欲する」。悪意や嫉妬は「他人の不幸は蜜の味」という言葉通り、「相手が不幸になるのを欲する」が、そんな悠長なことを言っていられないのが怒りだ。怒りは、相手が不幸になるのを待っていられず、自ら害を与える。場合によっては、人間にとって最大の不幸である死をもたらそうとする。

 今回の事件を起こした17歳の少年も、強い怒りに突き動かされていた可能性が高い。それに拍車をかけるのが「自分だけが割を食っている」とか「自分だけが理不尽な目に遭っていると」という被害者意識である。厄介なことに、このような被害者意識によって犯行が正当化されることも少なくない。

 容疑者の少年は一体何に対して怒っていたのか。そして、犯行に及んだきっかけは何だったのか。慎重に捜査していただきたい。

(文=片田珠美/精神科医)

参考文献

片田珠美『無差別殺人の精神分析』新潮選書、 2009年

片田珠美『拡大自殺―大量殺人・自爆テロ・無理心中』角川選書、2017年

●片田珠美/精神科医

広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第8大学精神分析学部でラカン派の精神分析を学ぶ。DEA(専門研究課程修了証書)取得。パリ第8大学博士課程中退。京都大学非常勤講師(2003年度~2016年度)。精神科医として臨床に携わり、臨床経験にもとづいて、犯罪心理や心の病の構造を分析。社会問題にも目を向け、社会の根底に潜む構造的な問題を精神分析学的視点から分析。

 

パチンコ「さらば旧基準機」…予想外の珍台を最後に打てて良かった!!

 レトロ台記事を主力としハネモノにも目がない私ですが、最後にアムテックス『CRAトキオプレミアム』をもう1度打ちたいと思い、Pワールドで検索しあるホールへ足を運んだところ…「予想外の珍台」を発見したのです。

 それがニューギン『CRAワニざんすα』(2015年)。もうビックリでした。そもそも未だ残っていることにも気づいていなかったもので。これを発見した時点で非常に得した気分なり、トキオは置いておきこちらに集中することに。

 トキオの設置が400店舗以上残っているのに対しワニざんすは50店舗あまりですからまごう事なきレア台ですね。

 最初の『ワニざんす』が登場したのは既にハネモノ人気も落ち込んでいた2002年。私自身も4号機に傾倒しておりましたが、時おりリリースされるハネモノのチェックは怠らない日々で、ワニざんすには軽くハマりました。

【注目記事】
パチスロ新台「爆裂AT機」復刻版や、継続率約93%のST型AT搭載機などが導入開始!1月24日パチスロ導入リスト
パチンコ台の中から「猛毒を持つ危険生物」が!? 仰天…そして衝撃!!

 ハネモノの面白さを文字で表現するのは困難ですが、醍醐味はやはり役物に尽きるでしょうか。ワニの動きが絶妙で最高でした。それを10数年ぶりにリメイクしたのが本機ですから、ニューギンとしても思い入れもあり自信作なんでしょうね。

 最近のパチンコといえば出玉やスピードがもてはやされてばかり。もちろんそれでパチンコ業界が盛り上がることに異論はありません。私自身も遊技しますが、ハネモノのようなノンビリと遊べる遊技機ももっとあっても良いと思うのです。

 ここ10年くらいだとハネモノがリリースされたのは僅か30機種程度。それもほとんどは、アムテックスか三共(ジェイビー、ビスティ)あたり。さすがに年間3機種程度というのは寂しすぎる気がします。

 パチスロではリバイバル、リメイク機が数多くリリースされ成功をおさめた機種もあります。ハネモノも、もっとドンドンやれば良いと思うのです。リリースしたところで販売台数も知れていますし、ゴトやその他諸々の事情があるのも理解はできるのですけど…。

 それこそ西陣やニューギンなんかは物凄く面白かったハネモノが沢山あるので、是非お願いしたいところです。2000円使って3000円返ってくる…昔には帰れないし戻れないのは当然ですが、今だからこそまたそれもアリなのではないでしょうか…。

 今回見つけたワニざんすも、盤面がめちゃくちゃ綺麗だったんですよね。よく手入れされていて「大事に使われていたんだろうな~」というのが物凄く感じ取れました。

 その日はたまたま空き台でしたが、データを見ると高稼働しているのもよく分かりました。2年前には『100日後に死ぬワニ』という4コマ漫画が話題になりましたが、このワニは死なずに、ずーっと6年以上も生き残っていたんですね。

 逆にいえばハネモノには、細く長く生き残れる可能性があると思うんです。もちろんその店のスタイルに大きく左右されるものだとは思いますが、そこにマッチすれば長く…本当に地味ですが長~く活躍してくれるんです。

 奇しくも世の中はレトロブーム。ハネモノ名機のリメイクが登場すれば、思わぬヒットを生み出すかも知れません。

 ワニざんす。 最後に打てて良かった。

(文=電撃しらっち)
<著者プロフィール>
業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や、業界関係者への取材記事も担当。羽根モノや一発台を特集するなど、オールドファンにも響く内容も積極的に作成している。

JRA大出世レース・共同通信杯(G3)今年も「超大物」続々……。ジオグリフVSダノンスコーピオン、昨年のエフフォーリアに続く大器出現の予感

 約1か月後、2月13日に東京競馬場で行われる共同通信杯(G3)に、今年も好メンバーが集まりそうだと話題になっている。

 昨年はエフフォーリアがここで重賞初制覇を飾ると、その勢いのまま皐月賞(G1)も勝利。秋には天皇賞・秋(G1)、有馬記念(G1)を連勝し、年度代表馬まで上り詰めた。

 他にも、ここ10年でゴールドシップ、イスラボニータ、ディーマジェスティと勝ち馬から3頭の皐月賞馬が出現。他にもリアルスティール、スワーヴリチャード、ダノンキングリーが後にG1を勝つなど、近年はまさに登竜門といえるレースだ。

 そんな出世レースに、今年もクラシックを狙う大物候補たちが集結した。中でも、注目されているのが、札幌2歳S(G3)の覇者ジオグリフ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。

 前走の朝日杯フューチュリティS(G1)では、2番人気に推されたものの5着。ただ、1800mでデビューしている通り、マイル戦はやや忙しい印象だった。2戦2勝の1800mに戻れば本領発揮は必至の存在だ。

 モーリス産駒の兄アルビージャが2000mを超えるレースで3連勝。昨年、初年度産駒がデビューしたばかりのドレフォン産駒ながら、距離が延びるクラシックでも楽しみな存在になるだろう。

 そんなジオグリフと人気を分け合うことになりそうだなのが、ダノンスコーピオン(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)だ。

 前走の朝日杯FSでは、勝ったドウデュースに0.2秒差の3着と力を見せた。だが、こちらも1800mでは、後にホープフルS(G1)を勝つキラーアビリティをクビ差で退けた萩S(L)の勝利が光る。

 今月6日に帰厩し、じっくりと調整。管理する安田隆調教師も「今週末あたりから時計を出していく予定」と話しており、クラシックを見据え、ここで賞金加算を狙ってくるはずだ。

 この2頭に割って入れるだけのスケールを感じさせるのが、ダノンベルーガ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 1戦1勝と実績面では見劣るが、11月のデビュー戦で見せた上がり3ハロン33.1秒の豪脚には、底知れないスケールが感じられた。鞍上の石橋脩騎手も「最後の脚はすごかった」と手放しで絶賛。2019年のセレクトセールにおいて1億6000万円(税抜き)で落札された大器が早くも片鱗を見せた。

 父ハーツクライに、母はBCジュヴェナイルフィリーズターフ(米G1)で2着した実績馬と、早期から活躍できる下地は揃っている。ここで賞金を上積みできるようなら、クラシックで上位を争う存在になるだろう。

 昨秋の東京スポーツ杯2歳S(G2)で2着したアサヒ(牡3歳、美浦・金成貴史厩舎)も、このメンバーでは上位の存在だ。

 ここまで4勝1勝とやや勝ち味に遅いものの、前走の東京スポーツ杯2歳Sで賞金の加算に成功した。勝ったイクイノックスには完敗だったものの、相手はこの世代でも超が付くほどの大物。同じ東京1800mなら一日の長があるはずだ。

 他にも京都2歳S(G3)2着に、シンザン記念(G3)4着と、重賞で安定感を見せるビーアストニッシドも出走を予定しているなど、4月の皐月賞を占う一戦になりそうだ。

 昨年はエフフォーリアが勝っただけでなく、3着には後のダービー馬シャフリヤール、5着にも今週末の日経新春杯(G2)で主役を張るステラヴェローチェが名を連ねるなど、世代の中心が集った共同通信杯。

 果たして、今年はどんなドラマが待っているのか。大注目の一戦になりそうだ。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

パチスロ新台「完全攻略で激アマ」の“名機復刻”シリーズに熱視線… ゲーム性“改新”で評価は上々!

 1月11日の新台入れ替えでは、ユニバーサルエンターテインメントの「A PROJECT」シリーズ第15弾となるパチスロ最新作『バーサスリヴァイズ』がデビューし、その“改新”(リヴァイズ)されたゲーム性が早くも反響を呼んでいる。

 スペックは、先代のゲーム性を踏襲したボーナス+RTタイプ。BIG(最大222枚)とREG(最大112枚)、BIG終了後に必ず突入するRTで出玉を伸ばしていく、「A PROJECT」シリーズではお馴染みの仕様だ。

【注目記事】
パチスロ界の勢力図を塗り替えた大ヒットマシン… その「正統後継機」が間もなく撤去!
パチスロ新台「爆裂AT機」復刻版や、継続率約93%のST型AT搭載機などが導入開始!1月24日パチスロ導入リスト 

 ただ、消化手順については、BIG・REGともにいくつか変更点があり、BIG中は「予告音非発生時は逆押しで右・中リールにBAR絵柄を狙い→上段にベルをテンパイさせた後、左リール上段に赤7絵柄をビタ押し」することで最大の222枚を獲得でき、一方のREG中は『新ハナビ』と同じく3種類の手順が追加されている。

「初心者向けの順押し手順は、オールフリー打ちで毎ゲーム10枚の獲得が可能。中級者向けの逆押し手順は、右・中リール適当押し→左リールに3連Vを狙えば75%で15枚を獲得できます。

そして玄人向けの中押し手順は、中リール中段にスイカをビタ押し→右リールフリー打ち→左リールはアバウトにスイカを目押しすれば、スイカが揃って15枚をゲットできます。この上級者向け手順を完璧にこなし、通常時も小役などを取りこぼすことなくフルで攻略できれば、出玉率は設定1でも『約102%』。先代の5号機バーサスを超える激アマスペックとなっています。

ちなみに、この中押し手順は『新ハナビ』にも搭載されていましたが、その手順が全リールで2コマ目押し(例外あり)する必要があったため、一部ファンから『めんどくさい』『甘いスペックだけどREG消化がネック』など不評の声がちらほら……。そのような批判を受けて改善したのか、『バーサスリヴァイズ』では消化手順が少し楽になりましたね」(パチンコライター)

 このような新たな試みに対し、ネット上では「目押しが上手な人ならバーサスの方が楽」「玄人向けの台だけど、目押しさえできればそこまでのストレスはない」といった声があがるなど、上級者からの反応は上々の様子だ。

【キャンペーン情報】

 同社は現在、本機の全国デビューを記念して「フォロー&RTキャンペーン」と「LINEキャンペーン」を実施中。まず前者は「QUOカードPay 1000円分」が合計100名の方に当るキャンペーンとなっており、応募方法は同社公式Twitterをフォロー→該当ツイートをリツイートすれば完了だ。

 一方の後者は、コミュニケーションアプリ「LINE」からの応募となり、このツイートのリンク先から友だち登録→「トーク画面下メニューから応募」で完了。抽選で100名の方に、ボーナス図柄の「X」が描かれた「ミニ額縁キーホルダー」(非売品)が当る、ファンなら激アツのキャンペーンとなっている。

 応募締め切りは、どちらも同月17日まで。ただし、「フォロー&RTキャンペーン」に関しては、昼11:59までが応募期限と思われるので、気になる方はTwitterの動向を必ずチェックしておこう。

JRA 日経新春杯(G2)ステラヴェローチェ「一強ムード」に待ったをかけるのは武豊!? フライライクバードに期待できる十分すぎる根拠の数々

 16日に中京競馬場で新春恒例のハンデ重賞、日経新春杯(G2)が行われる。

 昨年の有馬記念(G1)4着以来となるステラヴェローチェが断然の人気を背負いそうだが、同馬は昨年のクラシックを皆勤し、昨年出走した6レース全てで掲示板を外していない。今回の出走馬の中で実績が頭一つ抜けている事は間違いないだろう。

 ただ、勝利したのは神戸新聞杯(G2)のみ。堅実な一方で勝ちきれないレースが多いのも事実だ。また、近走は後ろから追い込んで届かずの競馬が続いている。先行有利の傾向が強い今の中京芝のトラックバイアスも、マイナスに働く可能性は否めない。

 さらに荒れるハンデ戦らしく、過去10年でトップハンデを背負った馬が勝利したのは2012年のトゥザグローリーのみ。同様に過去10年で57kg以上を背負った4歳馬が、馬券圏内に来たことがないことも気になるところ。データ面からは不安材料が多く、全幅の信頼は置きづらい。

 一方、ステラヴェローチェとは対照的に、プラス材料が多いのがフライライクバード(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。

 前走は昇級戦のアルゼンチン共和国杯(G2)で、いきなり3着と好走。今回と同じG2で好走したにも関わらず、据え置きの55kgで出走できる点は恵まれているだろう。

 日経新春杯の過去10年で3着以内に入った30頭中25頭が、前走以下の斤量で出走している。逆にトップハンデや前走から斤量増の馬が壊滅的な戦績になっているなど、斤量の増減が鍵を握るレース。前走と同じ斤量で出走できるのは、大きなアドバンテージになりそうだ。

 加えて、中京開催に替わっている事も追い風になりそうだ。同馬は中京の芝2200mで(2.1.0.0)と抜群の相性を誇っている。好位からの競馬を得意としているため、先行有利な馬場コンディションが味方しそうだ。

 何より今回は3戦連続で騎乗していた岩田望来騎手から武豊騎手に乗り替わりとなる。

 岩田望騎手も昨年は勝ち星を大きく伸ばしているが、こと重賞では勝ちきれないレースが続いており、不名誉な連敗記録を更新中。百戦錬磨のレジェンドにスイッチして、鞍上強化は明白と言える。

 友道厩舎・武騎手と言えば、最近では昨年の朝日杯FS(G1)を制し、最優秀賞2歳牡馬を受賞したドウデュースのタッグ。両者がコンビを組んだ際の通算成績は勝率28%、複勝率59%とかなりの高水準で、現役屈指の鉄板ラインの一つと言えるかも知れない。今週の調教で初めてフライライクバードに騎乗した武騎手は好感触を掴んだ様子で、状態面も良さそうだ。

 ステラヴェローチェ一強ムードを覆せるだけの好条件が、これでもかと揃った同馬を狙わないわけにはいかないだろう。

 新年早々、ここをステップにして飛躍した馬も多いレースだけに、負けられない一戦になりそうだ。

(文=椎名佳祐)

<著者プロフィール>
 ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。

渋沢栄一が仕えた井上馨の妻は“建武新政”新田義貞の子孫…新田一族の悲しき負け組の歴史

幕臣をディスりつつ、幕臣の娘たちを妻に持った明治新政府の重鎮たち

 昨年12月26日に最終回が放送されたNHK大河ドラマ『青天を衝け』。その第34回「栄一と伝説の商人」(11月7日放送)では、来日する前アメリカ大統領一家の接待のため、政財界のご婦人たちが総動員されたのだが、そのうちの3人は旗本の娘だった。

・大隈重信(演:大倉孝二)夫人 綾子(演:朝倉あき)  旗本三枝家の娘
・井上 馨(演:福士誠治)夫人 武子(演:愛希れいか) 旗本岩松(新田)家の娘
・益田 孝(演:安井順平)夫人 栄子(演:呉城久美)  旗本富永家の娘

 大久保利通(演:石丸幹二)が幕臣の重用に憤ったり、玉乃世履(たまの・よふみ/演:高木渉)が幕臣の下では働けないと不満を漏らしていたりしたのだが、明治新政府の重鎮たちは私生活では幕臣の娘たちの尻に敷かれていたのだ。

足利家と同じく源氏の名門であった新田家、鎌倉初期の“スタートダッシュ”で大失敗

 井上馨の妻・武子は、南北朝の武将・新田義貞で有名な新田家の出身である。もっとも、彼女が生まれた頃はまだ岩松を名乗っていた。なぜかというと、歴史の「負け組」だったからだ。新田一族の歴史は「負け組」の歴史といってよい。

 新田家の家祖は、八幡太郎義家の孫・新田義重である。上野(こうずけ/群馬県)の新田荘という荘園を本拠としていたことから新田を名乗った。弟の足利義康は下野(しもつけ/栃木県)の足利荘を本拠としていた。その名でわかるように、足利将軍家の先祖だ。

 足利家が武士の支持を得て幕府を開くことができたのは、源氏の名門だからという側面が大きい。一方の新田家はパッとしない貧乏御家人で、足利家の分家だと思われていた。

 両家の始まりはほぼ同じだったのに、鎌倉時代に大きな格差が生じたのは、そのスタートラインでつまずいたからだ。

 源頼朝が挙兵した時、新田義重は源氏にも平氏にもつかない中立的な立場を保っていたが、頼朝の従兄弟・木曽義仲(きそ・よしなか)が上野に出張ってくると、義重は鎌倉に参上(=義仲を恐れ、頼朝の援護を求めて鎌倉に逃げた)。なし崩し的に頼朝の幕下につくことになった。

 一方、義重の弟の足利義康は頼朝が挙兵すると早々と馳せ参じた。義康の妻が頼朝の母の姉妹(姪という説もある)だったからだ。頼朝は足利家を重用し、北条家も足利家と代々姻戚関係を結んだ。

 かくして足利家は鎌倉幕府の名門御家人となり、新田家は貧乏御家人の末路をたどったというわけである。

新田義貞、足利尊氏に敗れる…新田家支流の岩松家が台頭するも上杉禅秀の乱で討ち死に

 後醍醐天皇の討幕命令によって、河内(かわち/大阪府の南部)の楠木正成(くすのき・まさしげ)が挙兵。鎌倉幕府は大番役で在京していた御家人を楠木討伐に向かわせた。新田義貞も討伐軍に参加したが、秘かに討幕の綸旨を受け取り、仮病を使って新田荘に帰って挙兵。1333(元弘3)年5月、鎌倉に攻め入って北条一族を滅ぼした。

 建武の中興で新田一族は上野・播磨・越後・駿河の国司を与えられ、武者所という中央官庁で登用された。

 ところが、後醍醐天皇の新政権ではあっという間に内紛が起き、1335(建武2)年11月には早くも尊氏と義貞が合戦を開始。泥沼の抗争劇が繰り広げられ、1338(建武5)年閏7月に義貞は討ち死にしてしまう。

 では、義貞の死後、新田一族はどうなったのか。義貞の系統である宗家に代わって新田荘近在を治めたのは、支流の岩松家である。岩松家は男系を辿ると足利家の支流にあたるが、鎌倉時代は女子にも相続が認められており、岩松家は義重の孫娘を祖とする家柄なのだ。

 南北朝時代の岩松経家(つねいえ)は新田義貞に属して討ち死にしているが、その子・岩松直国(ただくに)は足利家に属した。

 その孫・岩松満純(みつずみ)は関東管領の上杉氏憲(うじのり)の女婿となっている。氏憲は出家して禅秀(ぜんしゅう)と名乗り、鎌倉公方の足利持氏と対立して「上杉禅秀の乱」を起こし、1417(応永24)年1月に討伐された。当然、女婿の満純も禅秀側につき敗北。捕らえられて斬首されてしまう。

室町6代将軍義教が足利持氏を討った永享の乱に岩松家は新田に復姓するも、戦国の下剋上に敗れる

 岩松満純の遺児・土用松丸(のちの家純)は秘かに逃れて、甲斐の武田家、美濃の土岐家に匿われた。そして、将軍・足利義教が足利持氏を討つと(永享の乱)、今度は討手として活躍。その軍功により、新田の旧領をまるまる回復して、新田家純(いえずみ)と名乗り、家臣の横瀬国繁(よこせ・くにしげ)に新田金山城を築かせた。

 岩松家の系図では、家純の父・満純は岩松家の養子で、実は新田義貞の孫だったといっている。しかし実態は逆で、岩松家が新田荘を回復したから、宗家・新田義貞の末裔だと僭称(せんしょう/勝手に名乗る)したのだろう。

 ところが、その家老・横瀬家が擡頭(たいとう)し、新田(岩松)家を凌ぐ勢力となる。家純の孫・新田尚純(ひさずみ)は横瀬家と対峙するが敗れ、その子・新田昌純(まさずみ)は横瀬成繁(なりしげ)を謀殺しようとするが失敗。城に火を放って自害した。弟の新田氏純(うじずみ)も、横瀬家の専横に絶えかねて自害したという。

新田守純、千載一遇のチャンスに家康にダメ出ししてしまい、わずか20石の旗本へ

 そして、氏純の子・新田守純(もりずみ)は居城・新田金山城から追い出されてしまう。しかし守純には、空前絶後ともいうべき名誉挽回のチャンスが訪れる。関八州の主が、新田支流を僭称する徳川家康に替わったのである。

 ここで家康におべっかを使っておけば、名門好きの家康から相応の待遇を与えられただろう。家康としても、新田本家の守純から一門と歓迎されれば、家柄に箔が付く。

 果たして、守純は家康に拝謁したのだが、家に伝わる系図を見せたところで失言があり、手ぶらで帰されてしまう。その具体的な内容は伝わっていないが、おおかた「三河の徳川? そんな家系は聞いたことがない。新田一門と認めるには、何か具体的な証があれば――どうせないんだろう。この田舎侍が――よいのだが」とかなんとか言ったんじゃないのかな。

 守純が与えられた家禄はたったの20石! しかもその後、孫の岩松秀純(ひでずみ)は岩松に復姓するように命じられた。「新田」を名乗るなってことだ。岩松家の全否定である。

 しかし、1663(寛文3)年、3代将軍・家光の13回忌で、忍藩主・阿部忠秋の推挙により120石に加増された。そして、岩松家は交代寄合(こうたいよりあい)に列したという。交代寄合とは、参勤交代をする格の高い旗本のことで、数千石の高禄であることが多い。わずか120石で交代寄合に列した岩松家の家計は火の車だったようだ。

 そこで、岩松家は絵画制作・販売という珍しい副業を編み出した。秀純の曾孫・岩松温純(あつずみ)が描いた猫の絵「岩松の猫絵」が、ネズミよけに効くといわれ、北関東の養蚕農家でもてはやされた。以後、代々の当主が猫絵を描き、明治時代まで続いた。

岩松家の家老であった横瀬家は家康に気に入られ、江戸期には高家に大出世

 ちなみに、岩松家の家老だった横瀬家は、由良(ゆら)と改姓。由良国繁(くにしげ)は家康にもそつなく応対したのか7000石を与えられ、国繁の曾孫・由良貞房(さだふさ)は名門の出身ということで、「高家」(こうけ)に選ばれている。高家(由良・横瀬)と交代寄合(岩松家)のどちらが格上かといえば、前者に軍配が上がる。岩松家はさぞ悔しかったに違いない。

 由良(旧姓・横瀬)家は小野氏の子孫だといわれているが、新田義貞の遺児・貞氏の末裔と僭称していたのだ。岩松家も義貞の末裔を騙っているが、まぁ新田家の支流であるから大目に見るとしても、徳川家や由良家は新田家とはまったく関係がない。ひどいもんである。

岩松家、明治維新後の“新田家正嫡論争”についに勝って華族に列せらる

 明治維新後、岩松家と由良家はともに新田に復姓した。

 1869(明治2)年に版籍奉還が行われた時、華族・士族・平民の身分階級が設けられ、旧大名・公卿が華族に列せられた。高家と交代寄合は家禄が少ないものの、官位が他の武士に比べて高かったので、華族入りを検討されたが、結局、一律対象外とされてしまった。

 旧岩松家は、南朝で功績のあった新田家・楠木家の子孫を華族に参入するように地道に請願運動を重ねた。その執念が実って、南朝功臣の菊池一族、新田義貞、名和長年(なわ・ながとし)の末裔が華族に列することが決まった(楠木正成の子孫は、家系が混乱して正嫡が見極められなかったので、見送られた)。

 そこで、新田義貞の正当な末裔が誰か、旧岩松家と旧由良家が名乗りを上げ、南朝史に詳しい国学者の谷森善臣(たにもり・よしおみ)が政府の委嘱を受け判定。旧由良家が新田の正嫡である証を200点以上揃えたのに対して、旧岩松家は3点しか用意できなかったという。

 かくして「由良系が新田正統に間違いないことが言い渡されたという。しかし、結果的には新田正統は岩松系の新田満次郎俊純(まんじろう・としずみ)であるとされ、十六年八月十三日付でこちらが華族に列し、俊純は十七年七月の華族令公布時には男爵を授けられる」(松田敬之『<華族爵位>請願人名辞典』(吉川弘文館)より/強調太字は引用者)。

 政治家が学者の決定を覆すのは今も昔も変わらない。なんてったって新田俊純は、明治の元勲である井上馨の妻の父親なのだから、そりゃあ忖度するなってほうが無理であろう。かくして、負け続けてきた新田一族がやっと勝利した瞬間が訪れたのであった。

(文=菊地浩之)

●菊地浩之(きくち・ひろゆき)
経営史学者・系図研究家。1963年、北海道札幌市に生まれる。小学6年生の時に「系図マニア」となり、勉強そっちのけで系図に没頭。1982年に國學院大學経済学部に進学、歴史系サークルに入り浸る。1986年に同大同学部を卒業、ソフトウェア会社に入社。2005年、『企業集団の形成と解体』で國學院大學から経済学博士号を授与される。著者に、『日本の15大財閥 現代企業のルーツをひもとく』(平凡社新書、2009年)、『三井・三菱・住友・芙蓉・三和・一勧 日本の六大企業集団』(角川選書、2017年)、『織田家臣団の系図』(角川新書、2019年)、『日本のエリート家系 100家の系図を繋げてみました』(パブリック・ブレイン、2021年)など多数。

指揮者でオーケストラの音は変わる?指揮の振り方と生まれる音楽の不思議な関係

「指揮者だけはわからない」

 これは日本で有数の音楽事務所の中心的人物のひとりとして長年、日本のみならず世界の超一流指揮者やソリスト、オーケストラ、オペラのマネジメントを手がけてこられ、音楽業界では知らない人がいないような方から伺った言葉です。

 指揮者の何がわからないのかというと、なぜこの指揮者が認められているのか、もっと言えば、どうしてこの指揮者の指揮から、最高のオーケストラサウンドが引き出されるのか、まったくわからないという意味なのです。

 僕も、自分が指揮を振るだけでなく、これまで多くの指揮者を見てきました。なかには「見ているだけで音楽が湧いてくるような凄い指揮」と、うならされるような指揮者はいます。20世紀の大巨匠ヘルベルト・フォン・カラヤン氏や、日本を代表する指揮者・小澤征爾氏などは、見ているだけで感動するくらいです。

 美しくエレガントな指揮をして、素晴らしい音楽を奏でるだけでなく、世界中の女性ファンも虜にするような指揮者もいます。しかし、ものすごく不器用で、お世辞にも美しいとはいえない指揮をしているにもかかわらず、オーケストラから引き出している音楽は感動的で、こよなく美しいという指揮者もいるのです。

 指揮というのは不思議です。きれいでわかりやすい指揮であっても、オーケストラから出る音楽がそれほどでもない指揮者もいれば、ただ3拍子や4拍子の形を淡々と指揮しているだけにもかかわらず、ものすごい音楽が出てくる指揮者もいます。「こんな指揮なのに、なぜ飛び抜けて大活躍をしているのかわからない」という疑問こそが、長年マネージャーをしていた方の結論なのだと思います。

「指揮者で、音は変わるのでしょうか?」

 これは、よく聞かれる質問です。最初に答えを申しますと、Yesであり、Noでもあります。どんな指揮者が指揮をしても、ベートーヴェン交響曲第5番『運命』の音楽は同じです。ここがクラシック音楽と、ジャズやポップスとの違いです。

 クラシック音楽の場合、たとえば、ある種の現代音楽のように「ここからは好きに弾いてほしい」といった指示がない限り、楽譜の通りに演奏します。『運命』は誰が演奏しても「ジャジャジャジャーン」で始まり、仮に指揮者が「今回は“ジャジャーン”にしてほしい」と言ったところで、オーケストラの楽員は困ったような、怒ったような顔をしておしまいです。もっと言えば、テンポが速すぎたり遅すぎたりするだけでも、困った顔をして「本番もこのテンポでしょうか?」と、怒ったように質問されてしまいます。

 では、誰が指揮をしてもまったく同じかといえば、そうではなく、「ジャジャジャジャーン」ひとつを取っても、指揮者によって個性が出てきます。同じオーケストラにもかかわらず、「ドドドドーン」という演奏をさせてしまう指揮者や、「ダーダーダーダーン」と弾かせる指揮者もいます。

 もちろん、口頭で「こういうふうにやりたい」とオーケストラに指示することもありますが、基本的には指揮棒を持った右腕一本でオーケストラにイメージを伝えていきます。熟練したオーケストラメンバーであれば、その指揮ぶりから、すぐさま指揮者のやりたいことを読み取って演奏するのです。しかし、独特なスタイルで、「そんな指揮から、どのようにしてこのような音が出るのかわからない」という指揮者も少なくありません。。

指揮者とオーケストラの不思議な関係

「男と生まれてなってみたいものは、オーケストラの指揮者と連合艦隊の司令長官、それとプロ野球の監督であるという言葉がある。男子憧れの職業や。ワシは監督になれたんやから幸せ」

 これは、名監督の故野村克也さんの言葉です。とはいえ僕は男に生まれましたが、別に連合艦隊の司令長官になりたいと思ったこともなく、野球の監督を頼まれてもすぐに断るでしょう。指揮者にしても、男に生まれたことでなりたかったわけではなく、単純に音楽とオーケストラが好きだっただけです。おそらく野村克也さんも、指揮者になりたくはなかったはずです。

 指揮者には、大まかに言って2つのタイプがあるようです。ひとつ目は、オーケストラと仲良くしながら、時には笑顔も振りまきながら指揮をするタイプ。これは、アメリカに多いのですが、今では世界的に主流になっています。現在の指揮者は、演奏会を終えた翌日に国際線に飛び乗り、すぐに違う国で指揮をするということを頻繁に行う時代なので、昔のように一つのオーケストラに君臨して、活動の大半がそのオーケストラに睨みをきかせて指揮するといった指揮者はほとんどいなくなったからでしょう。

 もう一方は、それこそ一つのオーケストラに君臨する、昔ながらの専制君主のようなタイプです。かつては、まるで連合艦隊の司令長官のように絶対的権力を持ってオーケストラを牛耳るような指揮者がたくさんいました。その傍若無人ぶりは今では考えられないようなもので、20世紀中頃に活躍したイタリアの巨匠トスカニーニなどは、リハーサル中に気に入らない楽員に対して「アウト」と言えば、クビの意味でした。オーケストラに組合ができてからは、そのような横暴はなくなりましたが、決して珍しい光景ではなかったようです。

 またロシアで、いつまでも休憩を取ってくれない指揮者に耐えきれなくなった楽員のひとりが、「すみません、トイレに行きたいのです」と言っただけで、「行っていいけれど、もう帰ってこなくていい」と指揮者が言ったという話を聞いたことがあります。

 ロシアや東ヨーロッパでは今でもそのような気配は残っていますが、そうやって絶対的権力で楽員を押さえつけている指揮者とオーケストラの演奏が重苦しいかといえば、不思議なことにオーケストラはのびのびと演奏している大名演だったりすることがよくあります。トスカニーニにしても、実はオーケストラからはものすごく尊敬されていたのです。

 指揮は不思議です。そして指揮者とオーケストラの関係は、もっと不思議です。

 さて、本連載「世界を渡り歩いた指揮者の目」も今回で200回となりました。最初は20回も書けば打ち切りになるだろうと思っていたのですが、こんなに長く書き続けることができているのは、応援してくださる読者の皆様のおかげだと感謝しております。これからも音楽やオーケストラのお話を書いて参りますので、この連載を読んで、音楽に興味がない方でも、「一度、コンサートに行ってみようかな」と思っていただくきっかけになれば幸いです。これからもよろしくお願いします。

(文=篠崎靖男/指揮者)

●篠﨑靖男
 桐朋学園大学卒業。1993年アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで最高位を受賞。その後ウィーン国立音楽大学で研鑽を積み、2000年シベリウス国際指揮者コンクール第2位受賞。
 2001年より2004年までロサンゼルス・フィルの副指揮者を務めた後、英ロンドンに本拠を移してヨーロッパを中心に活躍。ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、BBCフィルハーモニック、ボーンマス交響楽団、フランクフルト放送交響楽団、フィンランド放送交響楽団、スウェーデン放送交響楽団など、各国の主要オーケストラを指揮。
 2007年にフィンランド・キュミ・シンフォニエッタの芸術監督・首席指揮者に就任。7年半にわたり意欲的な活動でオーケストラの目覚ましい発展に尽力し、2014年7月に勇退。
 国内でも主要なオーケストラに登場。なかでも2014年9月よりミュージック・アドバイザー、2015年9月から常任指揮者を務めた静岡交響楽団では、2018年3月に退任するまで正統的なスタイルとダイナミックな指揮で観客を魅了、「新しい静響」の発展に大きな足跡を残した。
 現在は、日本はもちろん、世界中で活躍している。エガミ・アートオフィス所属
オフィシャル・ホームページ http://www.yasuoshinozaki.com/

JRA【日経新春杯(G2)予想】大本命ステラヴェローチェより期待したい「あの伏兵」に波乱の兆し!? 昨年96万馬券の中京開催だからこそ狙いたい好配当の使者とは

 今回は伝統の古馬ハンデ重賞、日経新春杯(G2)を予想していく。

 先週はシンザン記念(G3)が○→◎→△で的中。今年最初の的中を早めに出せて何よりだった。ラスールは予想通り着外に敗退。やはり新馬勝ちからの休養明けで重賞を勝ち負けするのは、この時期の3歳馬には容易なことではない。

 フェアリーS(G3)は1着2着は予想通りも、3着にノーマークの馬が来てハズレ。もっとも、この3着馬も新馬勝ちからの重賞挑戦で、内容も決して悪いものではなかった。内容的には似たようなものだったので押さえるべきだったか。

 さて、予想に戻ろう。

いつものように、過去10年馬券に絡んだ30頭の前走データが以下の通り。
オリオンS(3勝クラス) 4頭
菊花賞、金鯱賞、グレイトフルS(3勝クラス) 各3頭
中日新聞杯、愛知杯 各2頭
有馬記念、日本ダービー、アルゼンチン共和国杯、札幌記念、ステイヤーズS 各1頭
リステッド 1頭
オープン特別 2頭
条件特別(3勝クラス) 2頭
条件特別(2勝クラス) 3頭
となっている。傾向らしい傾向はないが、3勝クラスからの重賞挑戦で馬券に絡んでいる馬が多いか。金鯱賞(G2)や愛知杯(G3)は施行条件が変わっているので、度外視していいだろう。G2戦だけに前走G1の馬は注目しておきたい。

続いて人気順の成績が以下になる。
1番人気 4-3-0-3
2番人気 3-1-0-6
3番人気 0-1-1-8
4~6番人気 1-3-5-21
7~9番人気 1-0-3-26
10番人気以下 1-2-1-52
となっている。目黒記念(G2)やアルゼンチン共和国杯(G2)でも似たような傾向があるが、伝統あるハンデ戦に限って1番人気と2番人気が意外に信用できる数字を残している。アテにできないのは3番人気で、近5年に絞っても3着が1度あるだけ。逆に1番人気が3勝しているなど優位が目立つ。

 ただし、これは京都2400mという本来の条件で行われていた成績。昨年と今年は中京2200mと施行条件がかなり異なる。昨年は人気馬がすべて飛んで3連単96万馬券が飛び出しているなど、なかなか参考にしづらいところはある。

 これを踏まえての「◎」は4番ステラヴェローチェとする。

 前走はエフフォーリアが完勝した有馬記念(G1)。3番人気と人気になったが、中団から伸びきれず僅差の4着に終わった。

 クラシック皆勤の上、3着、3着、4着と堅実に走ってきた実力は本物だろう。さらに不良馬場ではあったが、今回と同条件の神戸新聞杯(G2)でダービー馬シャフリヤールを完封して勝った実績もやはり見逃すわけにはいくまい。

 コースに得手不得手はあまりなさそうではあるが、左回りの方が多少成績が良い。そういう意味でも今回の中京2200mという舞台はもってこいだろう。トップハンデだが、57kgはこれまで背負って善戦してきたので苦になるまい。

「○」は穴人気しそうだが、11番ショウナンバルディを指名する。

 前走は中日新聞杯(G3)。内枠を活かして逃げを打ち、1000m61.1秒のマイペースでレースを進め、そのまま後続を封じて完勝した。

 これが初重賞制覇だったにもかかわらず、ステラヴェローチェと同じくトップハンデの57kgを背負わされるのは少々見込まれすぎな感はあるが、昨年の鳴尾記念(G3)や七夕賞(G3)の好走が高く見積もられてしまったのだろう。

 とは言え、57kgが初斤量というわけでもなく、好走歴もあるのでこちらは問題なかろう。むしろ問題になりそうなのはキャリア25戦で2200mが初距離という点か。デビューから徹底して1800mと2000mだけを選んで使われてきており、唯一3歳時に2400m戦を走っているが、9着と完敗している。

 父キングズベストは基本的に中距離に強い種牡馬だが、突然変異的にエイシンフラッシュのような距離をこなす大物も輩出している。また、ダイヤモンドS(G3)を勝った産駒もいるなど、完全にマイナスというわけではなさそうだ。1ハロン延長はしのげると見ての「○」とした。

「▲」だが、穴っぽいところで3番マイネルウィルトスを推す。

 前走はチャレンジC(G3)。ソーヴァリアントが完勝したレースだが、2着以下は0.3秒の中に5頭入るという僅差の接戦で、6着と相応に走っている。5着に入ったスカーフェイスが中山金杯(G3)で2着に好走するなど、レースレベルは高かった。6着なので負けすぎということはなかろう。

 ローテーション的に見ると切りの1頭だが、2走前にアルゼンチン共和国杯で2着しているなど、距離は2000mより長い方が良さそう。今回と同じ56kgかつ左回りコースでの好走なので、ここで一発あってもおかしくない。

「△」は2番クラヴェル、8番フライライクバード、10番ヨーホーレイクの3頭とする。

 クラヴェルは前走エリザベス女王杯(G1)で、339万馬券の片棒をかつぐ3着に好走。近4走すべてが馬券に絡んでいるという堅実な走りを見せている。それもあって人気の一角を担いそうな馬だが、ローテーション的には本来切り。

 だが、これだけ好走していても斤量は54kgと前走から2kg減。これまで51kgや52kgで好走していた馬なので、見込まれているのは事実だが、牡牝混合戦となるとこの2kgは効いてくるはず。

 積極的に重い印を打ちたくない材料はあるが、近走は追い込みで成果を挙げている馬。前で崩れるようなことがあれば、エリザベス女王杯の再現はあると見て推しておく。

 フライライクバードは前走アルゼンチン共和国杯で3着と好走。ローテーション的にも好走例があり、同コースと好相性を見せている。その辺はこの記事に詳しいが、こちらは買い要素ばかりが挙がる。ただ、人気しそうなところがあり、敢えて印を落としての押さえとした。

 ヨーホーレイクは前走日本ダービー(G1)。ホープフルS(G1)やきさらぎ賞(G3)、皐月賞(G1)の好走でそれなりに人気になったが、見せ場なしで7着に沈んだ。

 ダービーからの休み明け初戦というローテーションも1例だけだがあるので、休み明けだからと言って切るのは早計だ。だが、こちらも人気になる可能性が高く、押さえまで。

 今回は人気どころを押さえたが、穴馬で押さえたかった馬にアフリカンゴールドとダノンマジェスティがいる。ローテーション的には推せる上、近走の内容もそう悪くない。

 ただ、過去10年で7歳以上の馬が1頭たりとも馬券に絡んでいないというデータがある。昨年の96万馬券のときですら高齢馬に出番はなかった。そこを鑑みて切りの判断をした。

 ということで、今回は2番、3番、4番、8番、10番、11番の6頭から3連複BOX20点で勝負したい。ステラヴェローチェが絡めばトリガミになる可能性が高いが、逆に飛べばBOXにした効果が生きてくる。マイネルウィルトスやショウナンバルディが良い仕事をすれば、それなりに配当が望めるだろう。

(文=トーラス神田)

<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。

 

パチスロ新規顧客の獲得に繋げるためにも…【濱マモルののほほんコラムVol.131~音量調整~】

 パチンコ・パチスロ遊技機に音量調節機能が搭載されて久しい。個人的には目押しミスを鼻で笑われるのが癪に障るし、なにより比較的静かに打ちたいタイプであるから、音量を自分好みに下げられるのは嬉しい限りなのだが、反面、打ち手側で音量を最大にすることもできる。

 音量MAX。これはなかなかの破壊力で、真横でやられると困るレベル。そんな音量MAXを選択する人に限って耳にイヤホンなんかをしているもので、自分の意志で音楽かなにかを聞いているクセに、パチンコ・パチスロの音量まで最大にするとはどういう了見か。

 こちらとしては正直、パチスロを打ちながらパチスロ動画を視聴している人以上に意味が分からないわけで、プライベートでの遊技時、ガラガラなのに真横でMAXにされるとか、あまりに目に余る行為はやんわりと指摘することもある。

 ちなみに仕事での実戦においては、それがもとでトラブルへ発展して追い出されたら問題なので、絶対に声はかけない。

 誰でもイジれる機能なんだから、どうしようが勝手じゃないか。そう思う人もいるだろうし、まぁ実際、それはそうなのだが、だからと言ってなにも考えずに操作するのは、たとえば喫煙OKだからとカウンター席の飲食店で、ちろっと吸ったシガレットを食事中の人がいるのに、灰皿に放置して煙をまき散らすことと同等の行為。早い話が、モラルの問題なのである。

 そんな考え方の人間だけに、年末に報じられた日工組と日電協による全日遊連への回答書には、喜ばずにはいられない。どうやら、今後はホールで設定できる各段階の音量の目安についてマニュアル等に記載することに加えて、85デシベル未満の音量が設定できていない遊技機については、速やかにその機能を搭載していく旨を示したそうだ。

 全日遊連は昨年10月、厚生労働省において職業性難聴防止のガイドラインの見直し作業が進められていることを理由に、従業員や遊技客が健康被害に遭わないように遊技機の音量上限についてメーカーで統一し、音量調整についてはそれ以下の範囲で行うなどのルールを早急に策定するように要望していた模様。それを受けてメーカー団体は改善策を示したわけで、これによって今後は、隣人の音量攻撃に悩まされることが無くなるかもしれないのである。

 自分のことを棚に上げて言うのもアレだが、高年齢化が進むライター陣を見れば分かる通り、パチスロは若年層をそこまで取り込めていない気がする。もうすぐ「差枚数2,400枚機」の申請も始まるようだし、環境面をさらに整えることも新規顧客の獲得に繋がればいいなぁと、店内の有線放送が普通に聞こえるホールを懐かしむパチスロ歴30年超のおじさんは思うのである。 

(文=濱マモル)