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中古車のガリバー、果敢なDX化・AI活用で売上1兆円へ…優秀なエンジニアを採用できる理由
●この記事のポイント
・中古車市場大手の「Gulliver」を運営するIDOM、DX化を積極的に推進
・DX実行部隊となるIDOM Digital Drive(IDD)を設立した目的の一つがエンジニアの採用
・CRMシステムの作り直しでプロフィット・マネジメントからプロセス・マネジメントへ転換
国内中古車市場でトップクラスのシェアを誇り、2025年2月期には過去最高益を達成した、「Gulliver(ガリバー)」の展開・運営を行うIDOM。実は同社はかねてよりIT活用に積極的な姿勢で知られており、現在は総額50~60億円規模を投資する「顧客接点システム」の開発に取り組むなど、果敢にDX化を推進している。昨年9月には、エンジニアを抱え同社のDX(デジタル・トランスフォーメーション)実行部隊となるIDOM Digital Drive(IDD)を設立し、さらなる成長加速を追求している。その経緯や取り組み、今後のDX戦略について、IDOMのデジタル戦略本部責任者とIDD代表取締役社長を兼任する野原昌崇氏に聞いた。
●目次
- IDOM Digital Driveは「Gulliver」ブランドにDXでドライブをかける
- IDOMはシステムの力で、利益を創出する仕組みを転換する
- 「AIによるニーズ掘り起し」と「業務効率化」で収益貢献を追求
IDOM Digital Driveは「Gulliver」ブランドにDXでドライブをかける
IDOMはDXの推進にあたり、経営陣直下のデジタル戦略本部とは別に、100%子会社ではあるものの、別会社としてIDDを設立している。その理由は何だろうか。
「IDOMには『あなたの人生を彩り続ける、「まちのクルマ屋」に挑む。』というミッションステートメントがあります。その子会社でありIDOMのDX戦略を担うIDDの目的は、IDOMのミッション実現の途上で発生する「リソース調達の壁」という障害を取り除くこと。そのリソースとはDXを推進するエンジニアであり、エンジニアの採用がIDDの第一の使命です。
私はこれまで、家電量販店のビックカメラと、ホームセンターのカインズでDX推進に従事してきました。その両社、およびIDOMが抱えてきた共通の課題は、エンジニアの採用ができないことです。こと事業会社においては、システムエンジニアの採用が難しいんです」
その1番の急所は、休日数などの就業環境なのだという。一般的に、エンジニアが働くメインフィールドであるITコンサルやSIer(システムインテグレーター)の場合、年間休日は120日以上ある。これに対して、IDOM社員の年間休日は115日(有給休暇5日を除く)であり、この違いはエンジニアにとっては案外大きなインパクトがある。給与の違いであれば適宜調整することは可能だが、休日数という明示された根幹的な条件に職種によって差をつける、いわば一国二制度でやっていくのは、往々にして軋轢を生みがちだというのだ。
「この問題を解決するため、エンジニアの受け皿としてIDDという別会社を作りました。これは私が在籍していたビックカメラなど、DXの面で先進的な小売企業が採用している手法で、IDDは年間休日を126日としています。さらに、IDDの社員はフレックス勤務が可能ですし、リモート勤務もIDOMより広く認められています。
IDDの社員はみなIDOMに出向し、IDOMの名刺を持って仕事をしています。IDDのエンジニアはIDOMの一員という自覚をもって業務に携わり、IDOM本体の社員は、エンジニアはグループ会社所属なので自分たちとまったく同じ待遇ではない、ということは認識しているという形です」
この他にも、エンジニアが事業会社で働く際に、「企業文化」の点で不安を感じることが少なくない。特に小売業の場合、IT企業とは異なり業界特有の厳しい規律や数字で結果を問われること、さらには販売店で営業マンとして働くことを求められるのでは、といった心配を持っても不思議はないだろう。
「その点について、IDOMは明確なメッセージを打ち出しています。私たちはエンジニアの力を必要としているので、IDDというエンジニアが働きやすい環境を作っています。給与や休日、就業形態、使用する機材など、あらゆる点でIT企業と同等の働き方ができます。この2点は、有能なエンジニアを採用するためでは当然のことです。そのうえで当社が強調したいのが、『事業会社の中で働くことはIT企業で働くより面白い』ということです。
ITコンサルやSIerは、お客様からシステム開発を受注して納めることが仕事です。これに対して、事業会社で働くエンジニアは、むしろシステムが導入されたところがスタート。そこから事業成長のために、システムをいかに成長させていくかが私たちの仕事なんです。納品して売り上げが立ったら終わり、というIT企業の限界を多くのエンジニアが認識しており、だからこそ事業会社で働くことは面白いと、私は自信を持って言えるんです」
IDOMはシステムの力で、利益を創出する仕組みを転換する
IDDによるエンジニアの採用は、順調に進んでいると野原氏は語る。IDDのエンジニアは、出向先のIDOMにおいて、どのようなプロジェクトに従事することになるのだろうか。
「当社においては、売上高を現在の5000億円から1兆円に伸ばすことはすでに想定内であり、問題はそれをいかに短い時間で達成するか。ここにデジタルの力で改革ドライブをかけ、達成を早めることがIDDに求められています。そのために現在進めているのが、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)システムの作り直しであり、これを武器として、プロフィット・マネジメントからプロセス・マネジメントへの転換を実現することです。
当社が行っている中古車ビジネスでは、店舗責任者が替わると利益が倍になったり半分になったりと、大きく変動することがよくあります。商材である中古車の金額が高い分、店舗責任者個々の能力によって成果が振れやすい。中古車流通の業界では一般的にプロフィット・マネジメント、つまり『利益を出す』という方向で、店舗責任者に指導や指示が行われがちです。
その1つの帰結が、2年前に社会問題になった同業他社の不正で、あの根幹にあるのがプロフィット・マネジメントだと私は考えています。当社がその弊に陥らないためには、プロフィット・マネジメントでなく、プロセス・マネジメントを行わないといけない。プロセス、つまり店舗責任者に求められるものを本部が標準化・手順化して、それを遵守するマネジメントに変えていく必要があります」
ここで問題になるのが、拙速にプロセス・マネジメントへの切り替えを進めてしまうと、売上の低下が避けられないことだ。営業の現場に「言われた通りやれば数字が出なくてもいいんですね」と受け取られてしまっては元も子もない。そこで、定められたプロセスが正しく効果があるということを担保し、それが個々の店舗で適切に行われているどうかを確認するのが、システムなのだ。
「プロフィット・マネジメントは、店舗責任者個々の能力に依存するものなので、当社全体という規模での再現性に欠けます。この先、当社が売上高倍増の道を進むにあたっては、ハイペースに出店を継続する必要がある。それに応じて、能力の高い営業責任者を続々と用意できるかというと、短期間では難しい。だからこそ、定められた通りに実行していけば利益が出るプロセスを会社として用意するべきだと考えているわけで、ここにCRMの作り直しが関わってきます。
Gulliverは中古車の買取・販売・整備を行っており、この3事業のそれぞれに顧客管理の仕組みがあります。ただ、これらの顧客データを引き出しやすい形でつなげることはできていませんでした。あるお客様の名前を入力した時に、中古車の売却・購入・整備といった当社とのお付き合いの履歴を一挙に確認できるような形にはなっていないんです。必要なのは、顧客のデータを全社的に同一のシステムで、一気通貫に見られるようにすることで、これを実現するためにCRMを作り直しているわけです。それによって、仮に店舗責任者や営業担当が違っても、すべてのお客様にGulliverというブランドとして、均一に高水準のサービスを提供できるようになります。
今後はオンライン上での商談を含めてシステムを構築し、ご成約後の納車の管理から納車後の定期整備のご案内などはシステムに担当させていきます。その代わり、営業社員には人間だからこそできる、きめ細かい感情面をケアする営業活動に注力してもらいます。これが、システムを活用してプロフィット・マネジメントからプロセス・マネジメントに移行する流れのイメージです」
中古車ビジネスにおいてもシステムをフル活用することで、Eコマースサイトが訪問客の導線や購入履歴を把握して別の商品のレコメンドを行っているように、顧客に対して機を逃さず商機をプッシュすることが可能になる、と野原氏は語る。具体的には、店舗への来店やオンライン上での接客の際にシステムを活用して顧客情報をデータ化しておき、それをAIに解析させるのだ。
顧客が成約前にどのようなニーズを語り、どんな車を探していて、どんなご家族構成で、営業担当がどのように接客したのかということを、Eコマースにおける訪問客のウェブ上の挙動のように、詳細にデータとして蓄積する。それを解析したAIは、中古車を購入した顧客が点検を必要とする時期を察知することができるし、買い替えのニーズやその家族構成に合った車種などを、営業社員に対してプッシュすることができる。このような形でIDOMのプロセス・マネジメントは実現できるし、Amazonより優秀なレコメンドエンジンを作れると、野原氏は自信を隠さない。
「AIによるニーズ掘り起し」と「業務効率化」で収益貢献を追求
CRMシステムの再構築とマネジメント体制の転換の先に、同社は根本的なゲームチェンジを見据えているという。
「米国のCarMaxという中古車小売業者は、オンライン上で中古車販売を完結させています。消費者がパソコンやスマホの画面を通して中古車を選び、そのまま商談から契約まで行える仕組みが、米国ではもう出来上がっているんです。遅れを取っている日本において、当社はいち早くオンライン販売の環境を整えていきます。そうなれば、顧客情報の管理とニーズの掘り起こし、即応がよりスムーズになります。
もちろん、当社のビジネスがどこまで行っても、現場で動く営業社員と、当社が仕入れている車という物理的な存在が主役であることは間違いありません。これを強力にサポートする力としてシステムを構築していくことが、当社におけるDXの1つのミッションです。
そしてもう1つ、サプライチェーンのシステムもIDDの管掌です。当社の場合、中古車を仕入れてから販売するまでの期間をいかに縮められるかによって、収益が大きく変わります。というのも、中古車は1カ月でも売価が数万円下がるから。当社は数万台の在庫を保有しているので、全部を1カ月寝かせれば、億単位の評価損が発生します。つまり重要なのは、仕入れた車をいかに早く展示場に並べ、ホームページに掲載し、ひいてはご成約後の納車をいかに早めるか。こうしたマネジメントの効率化もまた、システムの得意分野なのです」
効率化という部分では、同社が急ピッチで進める大型店の出店においてもシステムの活用は必須だと野原氏は強調する。大型店は中古車の在庫を大量に抱えるのと同時に、多くの人員が配置される。在庫を効率よくさばき、適切な場所・時間帯に過不足ない人員を配置して効率的に動けるようにしなければ、大型店を出店すればするほど評価損と人件費が増加することになりかねないわけだ。このように、猛スピードで規模を追う裏側ではそれを支える徹底的な効率化が求められ、そこにDXの大きな役割があると野原氏は考えている。そんな同社において、野原氏の考えるDXが業績への影響を及ぼしていくのは、いつ頃になると考えているのだろうか。
「今年中にCRMの新システムをリリースしますので、2026年2月期の第4四半期は、それをベースに事業が動き出します。新システムが導入されるのは当社の約460店舗のうち、約220ある販売メインの店舗です。つまり、第2四半期の売上高や利益の半分以上は、新システムを土台に上げたものになるわけです。
それによって、店舗責任者の勘と経験と度胸、つまり小売業で言う「KKD」でやってきたものが、新システムによって可視化されていきます。それによってまず改善できるのが、営業社員のシフト組みです。たとえば、何曜日のこの時間帯はお客様の来店は少ないが購入意欲の高い方が多いとか、逆にこの時間帯は来客は多いがほとんどが見るだけなど、来客の傾向がシステムを通じて目に見えるようになります。それに応じたシフトを組むことで、人件費の適正化と売上アップにつなげることが、システムが業績に貢献する最初の道筋になると考えています」
IDOM Digital Driveという社名には、車のドライブという意味に加えて、デジタルの導入にドライブをかけていくというダブルミーニングがかかっているという。野原氏はこれに、IDOMという会社にデジタルの力でドライブをかけていく、という独自の解釈を加える。中古車市場という労働集約型かつモノの動きを伴うクラシカルな世界に、システムという資本装備によるデジタル化がいかに変革を起こしていくのか。それによって業界地図はいかに変動し、消費者である我々の体験や行動は、どう変わっていくのか。目が離せない数年間が、すでに始まっていると言えそうだ。
(文=日野秀規/フリーライター)
SEO対策もAI検索対策も、結局やることは変わらない?すぐにLLMOに取り組むべきか
●この記事のポイント
・グーグルが「AIモード」をリリース。AI検索の増加で従来のSEO対策の有効性が低下するとの見方も
・AIエージェントの登場によってフェーズが変わる
・GEOやLLMO、AIエージェントの仕組みなどを知った上で検索への対策をすることが重要
昨年(2024年)に「AI Overviews」をリリースし、一部のキーワード検索について機械学習モデルを活用した検索結果・要約情報をページ上位に表示させるようになったグーグル。先月には米国で「AIモード」をリリースするなどAI検索に注力する姿勢をみせている。世界でOpenAIの生成AIモデル「ChatGPT」などを利用する動きが広まるなか、検索エンジンの利用が減少して従来のSEO対策の有効性が低下したり、ネット関連のサービスを手掛ける企業がサイトへの流入減などの影響を受けるのではないかという見方も出ている。AIやLLMへの最適化対策として「LLMO」「GEO」「AI SEO」といったキーワードも注目されているが、SEOとは何が違うのか。また、企業はすぐにでも本格的にLLMOに取り組む必要があるのか。専門家への見解を交えて追ってみたい。
●目次
情報の多様性と構造化がカギ
グーグルのAI OverviewなどのAI検索が広がると、ネット関連のサービスを提供する企業に大きな変化や影響が生じる可能性はあるのか。カスタムAI開発などを通じてクライアントの課題解決を行う株式会社Laboro.AIの執行役員マーケティング部長、和田氏はいう。
「ウェブサイトの形態によって差が出てくると思います。ユーザーが単に情報を調べるために検索した時にAI Overviewで情報が出てきて、その内容で納得すれば、そこで検索をやめるでしょう。一方、商品を購入したい場合はAI Overviewで情報を見ただけでは目的を達成できないので、さらに商品サイトなどにアクセスしていくことになります。ですので比較サイトなどはAI Overviewの登場によって自社サイトへの流入が減るといった変化が生じるかもしれません。一方、ブランドなど商品を販売しているサイトはユーザーが情報検索の結果を受けてウェブページにたどり着こうとしてくれるので、現時点ではあまり影響はないのではないかと思います」
AI検索の利用が増えることで、従来のSEO対策が不要になる、もしくは有効性が低下するということはあるのか。
「まだ正解が定まっていないテーマなので、あくまで私自身のなかでの仮説となりますが、当面はあまり変わらないのではないかと予測しています。ネット検索・AI検索への対策をめぐってはSEO、AIO、GEO、LLMOなどいくつかのキーワードが出てきていますが、すべてを包含している最上位の概念がAIO(Artificial Intelligence Optimization)であり、その下に複数の対策がぶら下がっている構造だと考えています。SEOはウェブサービス的に捉えられますが、結局のところグーグルのアルゴリズム、AI機械学習の技術使っているので、AIOの一つとして位置づけられます。
多くの企業が取り組んでいるSEO対策としての検索エンジンの最適化は、グーグルのページランクというアルゴリズムが元になっており、もともとは学術研究でリサーチをするためのシステムでした。学術研究の信頼性は他の論文にどれだけ引用されているかという引用数の多さなので、他の論文から引用される数が多い論文ほど上位に表示をするという仕様でした。その考え方を踏襲して、グーグル検索では被リンクの数が重視され、次第にコンテンツの内容も分析できるようになってくるとキーワードがどれだけ含まれているかという要素も判断されるようになってきました。この流れを受けて、企業はサイトの信頼性を上げるために被リンクの数と、コンテンツ内にキーワードをどれだけ散りばめるのかという網羅性を意識したSEO対策をやっているというのが現在です。
そして最近出てきているのが生成AIをベースにしたウェブ検索のあり方で、これがGEO(Generative Engine Optimization)です。LLM(大規模言語モデル)よりも大きな概念であり、テキスト情報に加えて画像や映像なども含めた検索です。ですのでGEOでは、情報の多様性があるのかどうかという評価軸が、SEOにプラスして重要になってくるのではないでしょうか。
一般ユーザーがLLMで検索する情報というのは、個人の潜在化した相談や悩みも多いです。言語化できなかったり、モヤモヤしている悩みを相談するというのがLLMの利用のされ方になると仮定すると、企業側はそれを見越した上で、マーケティング用語でいう『ペイン』のような、理由はよくわからないけれども痛みがあるという状態、プラス企業が訴えたい情報というのをセットでサイト上に構造化しておくと、LLM検索でヒットしやすくなるかもしれません」(和田氏)
EEATという概念に集約?
LLM検索への対策としては、情報の負荷も大きな要素になってくると、Laboro.AIのソリューションデザイン部、シニアソリューションデザイナの白鳥氏はいう。
「普及が進んでいるAIエージェントは、単純にテキスト情報を調べたりテキストを生成するというだけではなく、自律的により複雑なタスクをこなしたり、自己フィードバック、自己認識をして、自分が出した出力を確認した上で『どこが間違っているのか』という校正・校閲のようなことを行い訂正するということまでできるようになってきています。そうすると、情報を読み込むための負荷が少ない情報のほうが、LLMやAIエージェントによって引っ張られやすくなり、検索結果において優先度が上がってくるはずなので、企業側のコンテンツにはより正確性が求められるようになってきます。
従来のSEOやLLMOでは、ページ上のコンテンツが多少正確性に欠けていても、被リンクが多ければ信頼性が高いと判断されて引っ張られていた面もありますが、AIエージェントの登場によってフェーズが変わるのではないかと考えられます」
では、企業はすぐにでも本格的にLLMOに取り組む必要があるのか。
「AI Overviewなどの登場でコンテンツの網羅性、多様性、構造性、正確性などが重要視されると、結局のところ必要な対策は、グーグルが重視する指標であるEEAT(Experience<経験>・Expertise<専門性>・Authoritativeness<権威性>・Trustworthiness<信頼性>)という概念に網羅されるのではないかと結構思っていまして。そうなると、企業側としての対策はこれまでとあまり変わらないのではないかという考え方もあるでしょう。ChatGPTも裏側ではグーグルの検索システムを使っていたりしますし、生成AIのリーズニングモデルでも裏側ではキーワード検索していたりもするようです。
ただ、GEOやLLMO、AIエージェントの仕組みなどを知った上で従来と同じことをやるのと、知らないでやるのとでは、対策の仕方や結果は微妙に変わってくるとも考えられます。FAQのような問いと解答があるという構造化されたコンテンツは検索で引っ張られやすいのではないかということはいわれているので、とりあえずそれをたくさん載せましょうみたいな方向に動いていくのではないでしょうか」(和田氏)
(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=Laboro.AI)
5月の訪日旅行者6万3300人=前年比微増も過去最高―シンガポール
【シンガポール時事】日本政府観光局が18日発表した5月の訪日外国人旅行者数(推計値)によると、シンガポールから日本への旅行者は6万3300人だった。前年同月比では1.0%増と微増だったが、5月としては過去最高を記録した。
観光局シンガポール事務所によると、5月は上半期の中でも比較的訪日需要が高い傾向にあるという。今年はスクールホリデーが昨年に比べ始まりが遅かった影響があるものの、継続する日本人気に加え、シンガポール-沖縄など直行便数の増加もあり、前年水準を上回った。
1~5月の累計では、前年同期比14.7%増の27万6600人と好調に推移している。(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2025/06/19-15:34)
CRM比較2025|中小企業向けおすすめツール15選【無料あり・料金・機能を徹底比較】
「その顧客管理、属人化していませんか?」
顧客情報は企業の重要な資産であり、営業成果や顧客満足度に直結するため、担当者の記憶やExcelに頼った管理では限界があります。管理者にとっても、情報の散在や引き継ぎの困難さは、事業継続のリスクとなり得ます。
- ☑️ 担当者が変わると顧客対応の品質にばらつきが生じる
- ☑️ 過去の問い合わせ履歴が見つからず対応に時間がかかる
- ☑️ 顧客の声が商品開発に活かされていない
このような課題を解決する方法として、CRM(顧客関係管理)システムの導入が広がっています。顧客情報の一元管理、営業活動の可視化、AI機能による業務効率化により、個人営業から組織営業への転換を実現できるのが特徴です。
そこで、本記事ではCRMシステムの基本機能やメリット、選び方のポイント、さらに2025年最新版のおすすめツール15選を紹介します。自社に合った最適なシステムを見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
CRMとは?SFAとMAの違い
CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)とは、顧客情報を一元管理し、顧客との良好な関係を構築・強化、維持するためのマネジメント手法、またはそれを実現するシステムを指します。
よく類似のシステムとしてSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)やMA(Marketing Automation:マーケティング自動化ツール)がありますが、それぞれ役割が異なります。SFAは営業活動の効率化や案件管理に特化し、MAはリード獲得や育成といったマーケティング活動の自動化を主目的とします。CRMはこれらと連携しつつ、より広範な顧客接点全体を管理する包括的な役割を担います。
| システム | 主な目的 | 重点分野 |
|---|---|---|
| CRM | 顧客データの一元管理と全接点の可視化 | 顧客情報の蓄積 |
| SFA | 営業活動の標準化・自動化 | 案件管理と売上予測 |
| MA | 見込み客育成とキャンペーンの自動化 | リード獲得から育成のプロセス |
なぜ今CRMなのか ― 導入理由と解決できる課題
属人的な顧客情報管理の脱却による顧客満足度の向上
「〇〇さんがいないと対応できない」「担当者の退職で顧客情報が消失した」といった状況は、中小企業にとって大きなリスクです。2025年版中小企業白書でも、経営者が現状を正確に把握し、的確な対策を取る「経営力」の重要性が強調されています。
多くの企業では顧客情報をExcelや紙で管理しており、営業担当者個人のメモや記憶に頼った対応が一般的です。電話やメールでやり取りしていても、過去の取引履歴や顧客の好みといった重要な情報が散らばってしまっています。
このような状況では、担当者が変わると顧客対応の品質にばらつきが生じ、商機を逃すリスクが高まります。CRMを導入すれば、顧客情報を「個人の財産」から「組織の資産」へ転換でき、どの担当者でも一定水準の対応が可能となり、顧客満足度の向上と経営の安定化につながります。
CRM導入によるメリット
- 顧客情報の組織的共有と活用
- 対応品質の標準化・安定化
- 担当者変更時のリスク軽減
- 顧客満足度の向上
過去の問い合わせの把握による応答時間の削減
顧客からの問い合わせに迅速かつ的確に対応することは、ビジネスを成功に導く鍵です。過去のやり取りや提案内容がはっきりしていないと、対応の一貫性が失われ、信頼を損なう原因にもなります。
CRMはこれらの情報を蓄積・可視化し、スムーズな顧客対応を実現します。これは顧客満足度の向上だけでなく、担当者の業務効率化にも直結します。「お客様の問い合わせ履歴がすぐに確認できるようになり、電話対応時間が半分になった」と報告する導入企業も少なくありません。
応答データ利活用による商品開発
顧客の声は、新商品開発や既存商品改良の貴重な資源です。しかし、多くの中小企業ではこうした情報が体系的に蓄積・分析されていません。CRMを活用することで、顧客の声を一元管理し、ニーズの傾向分析や満足度の低い製品・サービスの特定が可能になります。
ある製造業では、CRMに蓄積された顧客の声から新製品のアイデアを抽出し、ヒット商品を生み出しました。既存の顧客データを商品開発に活かすことで、市場投入までの時間短縮とコスト削減を実現できます。顧客の声を活用した製品開発に成功した企業は、新製品の市場定着率が大幅に高まるという好結果を得ています。
ナレッジ機能の活用で、組織全体の競争力を強化
中小企業の多くが抱える「ベテラン社員の知識に依存している」という課題を解決するのが、CRMに備わったナレッジ機能です。顧客対応で得られた成功事例やトラブル解決策を体系的に蓄積し、全社員が活用できる仕組みを構築します。
従来は担当者の記憶に頼っていた対応ノウハウが組織の財産となり、新人でも経験豊富な社員と同等の対応が可能になります。AI連携により自然言語での検索も実現し、必要な情報を瞬時に取得できます。結果として対応時間の短縮、サービス品質の均質化、顧客満足度向上を同時に実現できる点が注目されています。
CRM選定で外せない6つのポイント
機能と使いやすさ
ビジネスに必要な機能を過不足なく備え、かつ使いやすいインターフェースを持つCRMを選ぶことが重要です。トライアルを実施するとともに、以下のポイントを確認しましょう。
確認すべきポイント
- 必要な機能が揃っているか(顧客情報管理、活動履歴、商談管理など)
- インターフェースは直感的で使いやすいか
- モバイル対応しているか(外出先での入力・閲覧が可能か)
- カスタマイズの自由度はどの程度か
- 導入教育の負担はどれくらいか
連携性と拡張性
CRMは単独で機能するものではなく、既存システムとの連携や将来の拡張性が成功のカギとなります。以下のポイントを確認しましょう。
連携・拡張性のポイント
- 既存システム(会計ソフト、メールツールなど)との連携
- API公開の有無と開発者向けドキュメントの充実度
- 将来的な事業拡大に対応できるスケーラビリティ
- サードパーティアプリケーションとの連携エコシステム
- データのインポート/エクスポートの容易さ
AI活用と将来性
CRMの世界でもAI活用が急速に進んでいます。将来を見据えた選択が重要です。以下のポイントを確認しましょう。
AI機能のポイント
- AI機能の有無と活用シーン(商談予測、顧客分析、自動レコメンドなど)
- 自然言語処理による検索や分析機能の充実度
- 将来的なAIアップデートへの対応計画
- データ分析機能の拡張性
- 業界動向を踏まえた製品ロードマップの公開
サポート体制
導入後のサポート体制は、CRMの定着・活用に大きく影響します。以下のポイントを確認しましょう。
サポート体制のポイント
- 日本語サポートの有無と対応時間
- 導入時のコンサルティングサービス
- トレーニングプログラムやマニュアルの充実度
- コミュニティフォーラムやナレッジベースの存在
- 定期的なアップデートとロードマップの公開
セキュリティと信頼性
顧客情報を扱うCRMでは、セキュリティと安定性は妥協できない要素です。以下のポイントを確認しましょう。
セキュリティのポイント
- データセンターの所在地と法令遵守状況
- バックアップと災害復旧の体制
- セキュリティ認証(ISO27001、SOC2など)の取得状況
- データ暗号化の仕組み
- サービスレベル契約(SLA)の内容
業界・業種適合性
業種によって顧客管理の方法は大きく異なります。自社の業務フローに適したCRMを選ぶことが重要です。以下のポイントを確認しましょう。
業界適合性のポイント
- 自社の業種に特化した機能やテンプレートの有無
- 同業他社での導入実績とケーススタディ
- 業界特有の規制やコンプライアンス対応
- 業界標準のプロセスやワークフローへの対応
- 業界特有の用語や分類への対応
中小企業におすすめのCRM15選
企業の規模・業種・目的に応じて、最適なCRMシステムは異なります。ここでは厳選した15製品を5つのタイプ別に紹介していきます。
- オールインワンCRMプラットフォーム
- 営業に強いCRM(SFA)
- カスタマイズ重視型CRM
- コスト重視型CRM
- 大手・中堅企業向けCRM
| 製品名 | 月額料金 | 無料プラン | IT導入補助金 | 主な特徴 | 対象規模(目安) |
|---|---|---|---|---|---|
| HubSpot | 1,800円~ | あり | 対象 | 無料からスタートできるオールインワン | 中小~中堅 |
| Zoho CRM | 1,680円/ID~ | あり | 対象 | 3ユーザーまで永久無料 | 小規模~中堅 |
| F-RevoCRM | 20,000円~ | あり | 対象 | オープンソース型で柔軟性が高い | 中小~大企業 |
| GENIEE SFA/CRM | 34,800円(10ID~) | なし | 対象 | 定着率99%の国産SFA/CRM | 中小~中堅 |
| WaWaFrontier | 1,000円/ID+基本料金 | なし | 要問い合わせ | ルートセールス特化 | 中小企業 |
| 戦略箱ADVANCED | 4,000円/ID~ | なし | 対象 | 25年のロングセラー製品 | 中小~中堅 |
| ネクストSFA | 50,000円 | なし | 要問い合わせ | MA・SFA・CRM統合 | 中小~中堅 |
| GRIDY SFA | 55,000円~ | なし | 要問い合わせ | ユーザー数無制限 | 中小~中堅 |
| kintone | 1,000円/ID~ | なし | 対象 | ノーコード開発 | 全規模 |
| JUST.SFA | 要問い合わせ | なし | 要問い合わせ | ノーコードカスタマイズ | 中小~中堅 |
| Ecrea | 1,000円/ID~ | なし | 対象 | 機能選択型料金 | 小規模~中小 |
| Salesforce Sales Cloud | 3,000円/ID~ | なし | 対象 | 業界トップシェア | 中小~大企業 |
| Salesforce Starter Suite | 3,000円/ID | なし | 対象 | 中小企業向けオールインワン | 中小企業 |
| Synergy! | 20,000円~ | なし | 要問い合わせ | 国産CRM・マルチチャネル対応 | 中小~中堅 |
| esm(eセールスマネージャー) | 3,500円(5~30名) | なし | 対象 | 日本の営業スタイル特化 | 中堅~大企業 |
オールインワンCRMプラットフォーム
マーケティング・営業・カスタマーサービスを統合管理できるオールインワン型CRMです。機能が豊富で、企業の成長に合わせて拡張できるのが特徴です。
HubSpot|無料から始められるオールインワンCRM
出典:公式サイト
| 運営会社 | HubSpot Japan株式会社 |
|---|---|
| 月額料金 | Starter 月額1,800円/シート(初年度) |
| 無料プラン | あり(2IDまで) |
| IT導入補助金 | 対象 |
HubSpotは、インバウンドマーケティングという手法を提唱した企業が提供するオールインワンCRMプラットフォームです。無料プランから始められ、企業の成長段階に合わせて機能を拡張できるため、初期投資を抑えたい中小企業に最適です。
HubSpotの強み
- 永久無料プランでコストを抑えてスタート可能
- AIアシスタント機能による営業支援
- MA、SFA、CRM統合プラットフォーム
- 豊富な連携機能とアプリマーケットプレイス
Zoho CRM|世界25万社で導入実績
出典:公式サイト
| 運営会社 | ゾーホージャパン株式会社 |
|---|---|
| 月額料金 | スタンダード 月額1,680円/ID~ |
| 無料プラン | あり(3ユーザーまで永久無料) |
| IT導入補助金 | 対象 |
Zoho CRMは、世界25万社以上で導入されているクラウド型CRMツールです。無料プランから始められ、高度なカスタマイズ機能により企業規模や業種を問わず最適化できるため、初期投資を抑えたい中小企業から大企業まで幅広く対応します。
Zoho CRMの強み
- 3ユーザーまで永久無料プラン
- AIアシスタント「Zia」による売上予測等の営業支援
- 50以上のビジネスツールとの連携
- 高度なカスタマイズ機能
Salesforce Starter Suite|中小企業向けオールインワン
出典:公式サイト
| 運営会社 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
|---|---|
| 月額料金 | 月額3,000円(税抜)/ユーザー |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 対象 |
Salesforce Starter Suiteは、中小企業・スタートアップ向けのオールインワンCRMプラットフォームです。営業・マーケティング・カスタマーサービスのデータを一元管理し、ケース管理機能とナレッジ管理により効率的な顧客対応を実現できます。
Salesforce Starter Suiteの強み
- ケース管理、ナレッジ管理、メールテンプレート
- ケース管理機能により問い合わせを一元管理
- ガイド付きセットアップによる早期立ち上げ可能
- Salesforceエコシステムの活用
営業に強いCRM(SFA)
営業活動の効率化と売上向上に特化したCRM・SFAシステムです。営業プロセスの可視化や案件管理機能が充実しているのが特徴です。
GENIEE SFA/CRM(旧ちきゅう)|定着率99%の国産SFA/CRM
出典:公式サイト
| 運営会社 | 株式会社ジーニー |
|---|---|
| 月額料金 | スタンダード 月額34,800円(10ID分)~ |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 対象 |
GENIEE SFA/CRM(旧ちきゅう)は、定着率99%を誇る国産営業管理ツールです。シンプルで使いやすいインターフェースと低価格設定により、大手SFA/CRMツールの約1/3のコストで導入可能。ITツールを活用していなかった企業でも直感的に操作できます。
GENIEE SFA/CRMの強み
- 定着率99%の国産SFA/CRM
- AI「GPT-4」標準搭載の営業支援
- 顧客管理、案件管理、商談管理、売上分析を一元管理
- 低コストでの導入が可能
WaWaFrontier|ルートセールスに最適
出典:公式サイト
| 運営会社 | 株式会社アイアットOEC |
|---|---|
| 月額料金 | Light版 月額1,000円/ID+基本料金2,500円 |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 要問い合わせ |
WaWaFrontierは、営業担当者個人に留まりがちな顧客情報をCRMとして共有化し、個人営業から組織営業への転換を支援するSFA機能も有しています。特にルートセールスなど訪問件数が多い営業担当者向けの機能が充実しており、お手頃な料金で営業活動の効率化を実現します。
WaWaFrontierの強み
- ルートセールスに最適な一括日報入力機能
- 営業活動の見える化機能(行動分析表)
- WaWaOfficeシリーズとの連携
- 低価格でのSFA/CRM導入
ネクストSFA|MA・SFA・CRM統合プラットフォーム
出典:公式サイト
| 運営会社 | 株式会社ジオコード |
|---|---|
| 月額料金 | 月額50,000円(10ユーザー含む) |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 要問い合わせ |
ネクストSFAは、MA・SFA・CRMの全機能を搭載した営業管理システムです。使いやすさと見やすさを徹底追求した画面設計により、継続率98.6%を実現(25年3月末時点)。1つのツールで見込み顧客の獲得から育成、商談管理、顧客管理まで一貫して管理できます。
ネクストSFAの強み
- 簡単に使える画面設計とボタン配置で高い定着率を実現
- 顧客獲得、育成、商談管理、顧客管理までワンパッケージ
- 案件の一覧管理、フェーズ表示で見える化
- 東証スタンダード上場企業が提供する安心感
esm(eセールスマネージャー)|日本の営業スタイル特化
出典:公式サイト
| 運営会社 | ソフトブレーン株式会社 |
|---|---|
| 月額料金 | Basic 月額3,500円(5~30名) |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 対象 |
esm(eセールスマネージャー)は、5,500社*超の導入実績を誇る国産SFA/CRMです。日本の営業スタイルに特化した機能で多様な業種での採用実績があり、専任アドバイザーによるサポートで高い定着率を実現しています。
esm(eセールスマネージャー)の強み
- 一度の情報入力で関連する全ての項目に自動反映
- 日本の営業スタイル特化(ルート作成、人脈管理機能等)
- 定着支援チームによる継続サポート
- 185業種での導入実績
カスタマイズ重視型CRM
自社の業務プロセスに合わせて柔軟にカスタマイズできるCRMシステムです。既存の業務フローを大きく変えることなく導入できるのが特徴です。
F-RevoCRM|オープンソース型で柔軟性が高い
出典:公式サイト
| 運営会社 | シンキングリード株式会社 |
|---|---|
| 月額料金 | Cloud Edition 月額20,000円~(1-10名) |
| 無料プラン | あり(OSS版無料) |
| IT導入補助金 | 対象 |
F-RevoCRMは、2万社以上で導入されているオープンソース統合型顧客管理システムです。OSS(オープンソース)をベースとした柔軟性と拡張性により、利用人数ではなく利用規模に応じた料金体系を実現。初期費用を抑えたい中小企業から大規模カスタマイズが必要な大企業まで幅広く対応します。
F-RevoCRMの強み
- OSS版であれば基本機能が継続的に無料
- オンプレミス、クラウド型どちらも対応
- SFA,CRM,MA一体管理
- 高いカスタマイズ性と拡張性
kintone|ノーコード開発プラットフォーム
出典:公式サイト
| 運営会社 | サイボウズ株式会社 |
|---|---|
| 月額料金 | ライトコース 月額1,000円~/ID~(最小契約数10ユーザー) |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 対象 |
kintoneは、プログラミング知識不要でノーコード開発が可能な業務改善プラットフォームです。営業支援(SFA)パックをはじめ、100種類以上のサンプルアプリを活用して顧客管理から案件管理まで一元化できます。
kintoneの強み
- プログラミング知識不要なノーコード開発
- 営業支援パック(顧客管理、案件管理等)による早期導入
- 200種類以上の連携サービスに対応
- 段階的な拡張が可能
JUST.SFA|ノーコードカスタマイズ
出典:公式サイト
| 運営会社 | 株式会社ジャストシステム |
|---|---|
| 月額料金 | 要問い合わせ |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 要問い合わせ |
JUST.SFAは、個人と組織の継続成長を支援する”成長型”営業支援クラウドサービスです。ノーコードでの柔軟なカスタマイズ機能により、営業現場の要望をあっという間に実現できるスピード感が特徴。ドラッグ&ドロップの簡単操作で自社専用のCRM及びSFAを構築できます。
JUST.SFAの強み
- 業務パネルをドラッグ&ドロップするノーコード開発
- リアルタイムデータ分析機能
- メール・チャットツール等各種ツールとの連携
- 35年のソフトウェア開発実績
戦略箱ADVANCED|25年のロングセラー製品
出典:公式サイト
| 運営会社 | 株式会社インフォファーム |
|---|---|
| 月額料金 | クラウド版 月額4,000円/ID~(参考価格、最低利用人数10ユーザー) |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 対象 |
戦略箱ADVANCEDは、発売から25年を超えるロングセラー製品です。顧客情報を中心としたデータ構造により、顧客に紐づく全ての情報を1画面で把握可能。業種・業態を選ばない汎用性の高さと、クラウドサービスでありながらカスタマイズに対応する柔軟性で、10年以上の長期利用企業も多数存在します。
戦略箱ADVANCEDの強み
- 顧客関連情報の1画面表示(活動、商談、クレーム等)
- 多数の業種、業態のテンプレートと柔軟なカスタマイズ
- 専任エンジニアによる充実サポート
- 25年の実績と高い定着率
コスト重視型CRM
導入コストと運用コストを抑えながら、必要十分な機能を提供するCRMシステムです。予算に制約がある中小企業に最適です。
Ecrea|機能選択型料金システム
出典:公式サイト
| 運営会社 | 株式会社エクレアラボ |
|---|---|
| 月額料金 | ベースシステム月額1,000円/ID~ |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 対象 |
Ecreaは、業界初のコーディネート型SFA/CRMとして必要な機能だけを選んで導入できるサービスです。「ITが苦手な中小企業でも使えるシステムを適正価格で提供する」をコンセプトに、費用は選んだ機能の分だけという料金体系を実現。
Ecreaの強み
- 必要な機能を選択するコーディネート型料金システム
- 顧客情報一元管理、メール配信
- クラウド・オンプレミス対応
- 段階的な機能拡張が可能
GRIDY SFA(Knowledge Suite)|ユーザー数無制限
出典:公式サイト
| 運営会社 | ブルーテック株式会社 |
|---|---|
| 月額料金 | SFAスタンダード 月額55,000円~ |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 要問い合わせ |
GRIDY SFAは、ユーザー数無制限で利用できる容量課金制のSFAです。顧客情報と営業報告の入力だけで営業プロセスを可視化し、PDCAサイクルの高速化を実現。3ステップの簡単入力で営業報告が完了し、グループウェア機能も統合されています。
GRIDY SFAの強み
- ユーザー数無制限の容量課金制
- 3ステップで完了する営業日報登録
- グループウェアとの統合
- シンプルな操作で営業プロセスを可視化
大手・中堅企業向けCRM
大企業や中堅企業向けの高機能CRMシステムです。豊富な機能と高い拡張性、充実したサポート体制が特徴です。
Salesforce Sales Cloud|業界トップシェア
出典:公式サイト
| 運営会社 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
|---|---|
| 月額料金 | Starter 月額3,000円/ID~ |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 対象 |
Salesforce Sales Cloudは、業界トップシェアのCRMプラットフォームです。AI機能と自動化を標準搭載し、企業の成長に合わせて簡単に拡張可能。営業活動のすべてを一つの統合プラットフォームで管理し、顧客ライフサイクル全体をカバーする包括的な収益管理を実現します。
Salesforce Sales Cloudの強み
- 業界トップシェアのSFA/CRM基盤
- 優先順位等インサイト提供可能なAI機能「Einstein」標準搭載
- 営業プロセス(リード、商談、見積・契約等)の一元化管理
- 豊富なアプリエコシステム
Synergy!|国産CRM・マルチチャネル対応
出典:公式サイト
| 運営会社 | シナジーマーケティング株式会社 |
|---|---|
| 月額料金 | 月額20,000円~ |
| 無料プラン | なし |
| IT導入補助金 | 要問い合わせ |
Synergy!は、4,500社以上*で導入されている国産CRMシステムです。顧客データベースと問い合わせ管理機能を一元化し、メール・LINE等のマルチチャネル対応により顧客との継続的なコミュニケーションを実現できます。
Synergy!の強み
- 直感的操作が可能なマニュアル不要の画面設計
- アンケートとフォーム作成機能で顧客の声を収集・分析
- メール配信、LINE配信、外部システム連携、広告連携
- 高いセキュリティレベル
導入から運用までの流れと注意点
CRMシステムを導入する際には、計画的な準備と運用体制の整備が不可欠です。ここでは、導入から定着までの流れと注意すべきポイントを解説します。
導入前の準備と比較検討のポイント
CRMシステム導入において最初に行うことは、自社の顧客管理における課題を整理し、必要な機能や運用条件を明確にすることです。
システムによって強みや対応範囲が異なるため、複数の候補を比較検討する必要があります。価格や機能だけではなく、将来的な拡張性やサポート体制もチェックしましょう。導入目的と期待する効果を社内で共有し、選定基準を統一しておくと、導入後のミスマッチを防ぐことができます。
導入前のポイント
- 自社の課題と要件を明確化
- 複数製品の比較検討
- 導入目的と期待効果を整理
- 既存データの整理と移行計画
導入ステップと社内体制の整備
導入フェーズでは、まず自社ニーズを明確にし、必要な機能や条件を洗い出した上でシステムを選定しましょう。契約締結後、システムを実際に稼働させる前にテスト運用と調整が必要です。
さらに、本格運用の前に、従業員向けに操作研修や説明会を行い、システム利用への理解を深めてもらいます。スムーズな導入には、現場部門との連携や社内ルールの見直しも重要です。
導入スケジュール(標準:1〜3か月)
- 自社ニーズの明確化・製品選定(2〜4週間)
- 契約・初期設定(1〜2週間)
- データ移行・テスト運用(2〜4週間)
- 研修・説明会(1〜2週間)
- 本格運用開始
運用定着化と従業員の習熟サポート
システム導入後の定着化には、従業員向けの操作研修やマニュアルの整備が効果的です。システムの使い方を理解してもらうことで、入力ミスや運用トラブルを防止できます。
また、導入後も一定期間は利用状況をモニタリングし、課題が発生した場合には迅速に対応できるサポート体制を整えておきましょう。現場の声を反映しながら、運用ルールの改善やサポート強化を図ることで、システムの定着と効果的な運用を実現します。
定着化のためのポイント
- 操作研修・マニュアルの整備
- 利用状況のモニタリング
- 問題発生時のサポート体制の確立
- 継続的な改善と最適化
よくある質問(FAQ)
CRMシステムに関するよくある疑問をまとめました。導入前に気になるポイントを簡単にチェックできます。
Q. CRMシステムの料金相場は?
この記事でご紹介したシステムの平均は、1人あたり月額1,000〜5,000円程度でした。機能やサポート範囲により異なり、初期費用が必要な場合もあります。無料プランを提供しているサービスもあるため、まずは試してみることをおすすめします。
Q. 無料トライアルや無料プランはありますか?
多くのCRMシステムで、一定期間の無料トライアルや無料プランが用意されています。HubSpotやZoho CRMでは永久無料プランも提供されており、導入前の動作確認や、社内理解を深めるためにおすすめです。
Q. モバイル対応していますか?
はい、ほとんどのCRMシステムがスマートフォンやタブレットに対応しています。専用アプリやブラウザ経由で、外出先からも顧客情報の確認や更新が可能です。営業担当者の機動力向上に役立ちます。
Q. 既存の会計ソフトや営業ツールと連携できますか?
多くのCRMシステムが、会計ソフト、メールツール、営業ツールとの連携機能を提供しています。API連携により、データの重複入力を避け、業務効率を大幅に向上させることができます。
Q. AIや自動化機能はありますか?
はい、多くの現代的なCRMシステムでAI機能が搭載されています。商談予測、顧客分析、自動レコメンド、自然言語検索など、営業効率を向上させる機能が利用できます。
Q. セキュリティは大丈夫ですか?
主要なCRMベンダーは、ISO27001やSOC2などの国際的なセキュリティ認証を取得し、データ暗号化、アクセス制御、定期的なバックアップなど、厳格なセキュリティ対策を実施しています。導入前にセキュリティ体制を確認することをおすすめします。
まとめ|CRMシステムを比較して自社に最適な選択を
顧客データを戦略的資産として活用し、営業から顧客サポートまで統合的に最適化する――これがCRM導入の真の価値です。中小企業にとってCRMは持続的な事業成長を実現するための重要な経営基盤となっています。
注目すべきはCRMにおけるAI技術の急速な進化です。データ入力の自動化、顧客行動分析、営業アプローチの提案など、AI機能により営業効率は劇的に改善されています。人的リソースに制約がある中小企業こそ、AI搭載CRMにより競合他社との差別化を図ることができるでしょう。
導入時には自企業の営業スタイルとの適合性を慎重に検討することが不可欠です。フィールドセールス中心か、インサイドセールス重視か、既存の業務フローとの整合性を確認し、現場に定着しやすいシステムを選択する必要があります。
また、AI等の技術動向への継続的な注意も重要です。CRM市場は急速に変化しており、導入後も常に最新の活用方法を模索する姿勢が求められます。
各CRMベンダーの無料トライアルは必ず実施し、実際の業務での使用感を確認してください。操作性や機能の実用性を体験することで、導入後のギャップを最小限に抑えることができます。ベンダーのサポートプログラムも活用し、自社に最適なCRM活用法を見つけることが成功への近道となるでしょう。
CRM導入成功のポイント
- 自社の営業スタイルとの適合性を重視
- 無料トライアルで実際の使用感を確認
- AI機能や将来性を考慮した選択
- 段階的な導入と継続的な改善
- 現場の声を反映した運用体制の構築
本記事を参考に、自社の課題や働き方に合ったCRMシステム選定を進め、より良い顧客関係構築と営業効率化に役立ててください。
メタが約2兆円を投資して取り込むスケールAIとは何者?「ラベリング」めぐる新たな競争か
●この記事のポイント
・米メタ、新興AI企業・米スケールAIに143億ドル(約2兆500億円)もの出資
・スケールAI・CEOのアレクサンダー・ワン氏は、世界最年少でビリオネアになったオピニオンリーダー
・メタ、ラベリングの高い技術力を持つスケールAIを抱えることによって有利に競争を進めていく狙いか
米メタが「ラベリング」を手掛ける新興AI企業・米スケールAIに出資したと発表。メタが143億ドル(約2兆500億円)もの資金を投下してスケールAI株の49%を取得すると伝えられており、話題を呼んでいる。スケールAIとはどのような会社であり、なぜメタは多額の出資を行うのか。また、世界最年少でビリオネア(資産10億ドル以上)になり、AIの世界では20代という若さながらオピニオンリーダー的な存在であるスケールAI・CEOのアレクサンダー・ワン氏とは、どのような人物なのか。専門家の見解を交えて追ってみたい。
●目次
AIを使って大量のラベリング
スケールAIとは、どのような企業なのか。また、同社が手掛ける「ラベリング」とは何なのか。エクサウィザーズ「AI新聞」編集長・湯川鶴章氏はいう。
「AIの領域では重要な要素が3つあるといわれており、一つ目がアルゴリズム、つまりAIのモデル自体、2つ目がそのAIモデルを動かすサーバーの半導体、3つ目が学習データです。スケールAIはこの学習データをつくる会社です。同社が手掛けるラベリングというのは、学習用データの一つひとつに、それが何であるか名前を付ける作業のことです。
例えばAIが猫の写真を見たときに、それが猫であると判断するプロセスは、人間の子どものそれと似ていて、『ヒゲが何本あるのか』『耳が尖っている』といった特徴を細かく教えられることで認識するわけではなく、単純に猫をいっぱい見ることで『これが猫なんだ』とパターン認識するというかたちです。AIに猫の写真を学習させる際には、多数の猫の写真に『これが猫である』というラベルを付ける必要があり、その作業がラベリングです。
従来はこのラベリングという作業は人間が行っていましたが、スケールAIはAIを使ってラベルを自動的につけ、それだけだと不完全なので、人間が確認・修正していくというハイブリッド方式で行っているというのが特徴です。大量の写真に人間がラベルをつけていくためには人を大量に確保する必要があり、人件費が安いアジアやアフリカの人々にオンラインで仕事を発注するネットワークを構築しています」
ラベリングに特化している会社というのは少ないのか。
「米アマゾン・ドット・コムなどは以前から自前でラベリングをやっていましたが、スケールAIは非常に大規模にラベリングに特化し、さらにAIを導入してハイブリッド方式でやっているという点が珍しいです。また、会社自体というよりも、CEOのアレクサンダー・ワン氏がAIのオピニオンリーダー的な存在として有名であり、世界最年少でビリオネアになったことでも知られています」(湯川氏)
メタの焦り
もしラベリングデータが必要であれば顧客としてスケールAIから購入すれば済む話だが、なぜメタは2兆円も出資するのか。
「メタが正式に発表しているわけではありませんが、主目的はワン氏を自社に引き入れることだといわれています。メタは今月にAI搭載スマートグラスの最新の研究用グラス『Aria Gen 2』の詳細を発表したようにAI搭載スマートグラスに力を入れていますが、画像のみならず映像データや3次元世界のデータもラベリングしていく必要があります。そして、ラベリングに特化した会社へのニーズは今後高まってくるため、メタとしては、高い技術力を持つスケールAIを自社で抱えることによって競合他社に対して有利に競争を進めていく狙いがあるのかもしれません。
メタの焦りもあるといわれています。これまではLLMの世界においてはOpenAI、グーグル、Anthropic(アンソロピック)、メタが上位4位と位置づけられてきましたが、メタが今年リリースしたLlama(ラマ) 4がベンチマークのテスト結果は良い数値であるものの、あまり実用的ではないということでいまいち評判が良くなく、現在はメタを除いたかたちで上位3社という言われ方をされています。そうした状況のなかでワン氏を取り込むことで挽回したいという思いもあるのかもしれません」(湯川氏)
メタの競合他社は警戒
今回のメタの動きは、AIの領域にどのような影響・変化を与える可能性があるのか。
「19歳のときにスケールAIを創業して成功し天才と扱われてきたワン氏が、メタのスーパーインテリジェンス部門の責任者に就いて次世代AIモデルの開発をリードすることになり、メタがどんなモデルを開発してくるのかというのが業界的にはもっとも注目されている点です。一方のワン氏もスケールAIの社内向けのメッセージで、自分にとっては一生に一度のチャンスなんだというようなことを言っており、ラベリングというAIの世界では傍流の部分ではなく、本流のAIモデル競争の分野でグーグルやOpenAIと戦いたいという思いもあるのではないでしょうか。
一方、他社からすれば、事実上メタの傘下となったスケールAIと情報やデータの受け渡しをすると自社の情報がメタに流れてしまうのではないかと警戒するでしょう。グーグルはスケールAIとの取引の見直しを検討するとの報道もありましたが、メタの競合他社が今後、他にラベリングの会社を探すのか、もしくは自社でやっていくのかという動きが注目されます。ラベリングの領域をめぐって新しい競争が生じる可能性もあります」(湯川氏)
前述のとおりワン氏は若くしてビリオネアになったわけだが、AIの世界ではこのように若いうちに大きな成功を収めて莫大な資産を築く事例は今後、増えていくと考えられるのか。
「今の時代は、自力で巨額の資産を築く方法は、自分で起業して上場するか、ストックオプションを得るというような株に起因するケースが大半なので、あり得るかもしれません」(湯川氏)
(文=BUSINESS JOURNAL編集部、協力=湯川鶴章/エクサウィザーズ・AI新聞編集長)
3万円台、あり得ない高スペック…奇跡のスマホ「AQUOS wish5」の秘密をシャープに聞いた
●この記事のポイント
・シャープのスマホ「AQUOS wish5」、高いスペックながら3万円台前半という破格の低価格を実現
・6.6型の大画面ディスプレイを採用し、耐衝撃性能、防水性能、防塵性能、80度の高温・高圧の水流への耐久性を備える
・生産体制の最適化や部品構成の見直しなどを積み重ね、高い機能性を実現しながらも低価格で提供
6月26日に発売されるシャープのエントリースマートフォン「AQUOS wish5」。スマホのハイエンドモデルでは10万円台後半~20万円台が当たり前になるなかで、wish5は高いスペックを備えながらも3万円台前半という破格の低価格を実現。ネット上では「お値段以上すぎる」「これで十分」「こういうのが欲しかった」などと話題を呼んでいる。シャープ自身も「キャリアさんからの引き合いは非常に好調」「期待感を持てるのではないかと考えております」というほど前評判が上昇しているが、いったい、どのようなスマホなのか。そして、なぜ3万円台という魅力的な価格を実現できたのか。シャープへの取材を交えて追ってみたい。
●目次
ファーストスマホとしてお勧め
そもそも、なぜ3万円台という低価格の端末を投入したのか。シャープは次のように説明する。
「wishシリーズはこれまでも幅広いお客さまに手に取っていただきたいという思いで開発してまいりました。また、グローバル展開も進めており、お手に取っていただきやすい価格で、年齢や国境を越えて幅広いお客さまにお届けしたいという思いで市場に投入したという狙いがございます。今回のwish5は堅牢性を維持しつつ見た目のデザインも刷新しておりまして、その雰囲気とともに中学生くらいの年代の方々にファーストスマホというかたちでお勧めできればと考えております」
ちなみに同社は5月に開いた製品発表会で、日本では20代の多くがiPhoneユーザーであるという状況のなかで、より下の世代を狙って「そっちに切り替わらないようにする」と説明しており、親が子どもに持たせるスマホとして選択しやすい価格帯を意識している様子もうかがえる。また、グローバル展開としては、同社は現在、特に台湾、インドネシア、シンガポール市場での販売拡大に力を入れている。
歴代のwishシリーズへの取り組みと蓄積
AQUOS wish5のスペックは「安かろう悪かろう」とはかけ離れている。6.6型の大画面ディスプレイを採用し、米国防総省が定める「MIL-STD-810H」準拠の耐衝撃性能、防水性能、防塵性能、80度の高温・高圧の水流への耐久性を備えるなど高い堅牢性を誇る。プロセッサはwish4に搭載しているものより新しい台湾MediaTekの「Dimensity 6300」を採用して処理能力が向上しており、ディスプレイは120Hzのリフレッシュレートに対応してスクロールの操作がよりなめらかになっている。このほか、子どもの使用も意識して、スマホを強く振ると大音量のアラームが鳴り、位置情報を保護者などに自動で共有する「防犯アラート」機能も搭載している。
気になるのは、エントリーモデルとはいえ高いスペックを備えているにもかかわらず、なぜ3万円台という低価格を実現できたのかという点だ。
「wishシリーズは今作で5作目となりますが、歴代のwishシリーズへの取り組みと蓄積もあり、今作ではIPX9(高圧蒸気洗浄噴射試験)への対応を実現できました。また、生産体制の最適化や部品構成の見直しなども積み重ねており、その結果として高い機能性を実現しながらも低価格でお届けができるかたちになりました」
親会社である台湾・鴻海精密工業(ホンハイ)のグループ力を生かした調達力というのも要因としてはあるのか。
「一つの要素であることは間違いございません。価格と性能のバランスを見極めつつ部材を選定しており、そのなかで鴻海の調達力を活用しているという側面がございます」
ターゲット顧客は、前述のとおり中学生をはじめとする10代となるのか。
「wishシリーズが持つ特性として、やはり低価格という点はあります。法人のお客さまを含めて、いろいろな方々に手に入れていただきやすいという点はwishシリーズの役割だと考えております。特に初めてスマホをお求めになられる層に絞っているわけではありませんが、そうした方々により響くような特徴を多く備えた機種であると考えております」
防犯アラート機能は大きな特徴
特に強調したいwish5の特徴や強みについても聞いた。
「新たに搭載した、振るだけで動作する防犯アラート機能は大きな特徴であると考えております。事前に登録した保護者の方へ電話がかかり、SMSや位置情報を自動で送信することができますので、安心の要素としてご提供できると考えております。また、その他の点としましては、米国防総省の調達規格『MIL-STD-810H』に準拠しており、更に対コンクリート落下性能も備え、アルコールの除菌シートで拭いたりハンドソープ洗浄にも対応しておりますので、日常で安心してお使いいただけるというのも特徴です。IPX9にも対応しており、80℃の熱湯と水道水の約40倍の強い噴水にも耐えられますので、日常で例えば熱いシャワーをかけてお風呂で使われても大丈夫であったり、そういったところで安心してお使いいただけるかなと思っております。
もう一点、ディスプレイに力を入れておりまして、120Hzのリフレッシュレートに対応しております。wish4までは90Hzでしたが、より滑らかな操作の快適性を実現しております」
ITジャーナリストの石川温氏は「お買い得」だとして次のように評価する。
「この価格帯のスマホでありながら、画面表示のリフレッシュレートが120Hz駆動を実現するなど、あり得ないスペックが一部、搭載されています。日本メーカーという点においても安心感があり、かつスペック的にも申し分ありません。
低価格実現の要因としては、チップセットがMediaTek製のコストパフォーマンスのいいものを採用しているという点が大きいです。そもそも、メーカーとしてはこのような安価な端末は決してやりたいものではないでしょう。しかし、総務省が端末の割引価格の上限を2万円に設定したことで、中国メーカーがこの価格帯に一気に製品を投入。シャープとしては対抗せざるを得なくなり、wishシリーズでコスパのいいモデルを出さざるを得なくなったという面もあるのではないでしょうか。親会社であるホンハイの高い調達力も活かすことで、この価格帯で競争力を持つ製品を出せるのではないでしょうか」
(文=BUSINESS JOURNAL編集部)