セーラー万年筆の経営を傾かせた財務省エリートOB社長の罪…8期連続赤字でも無策

 筆記具メーカー、セーラー万年筆(東証2部)は7月13日、文具・事務用品大手プラス(東京・港区、非上場)を割当先とする新株予約権付社債(転換社債=CB)を発行して20億円を調達した。株式へ転換後、プラスの持ち株比率は14.3%から57.7%へ高まり、プラスの子会社となる。

 セーラーとプラスは2018年春、資本・業務提携を結び、プラスがセーラーの筆頭株主となった。プラスから取締役2人を迎えるなど人事での交流を深めてきた。セーラーは、プラスが5月に立ち上げた販売会社、コーラス(東京・港区)に販売業務を委託する。協業することによって効率よく販路の拡大を進める。

 セーラーの業績は低迷している。19年12月期の連結決算の売上高が前期比1.4%減の53億円、営業損益は2100万円の赤字(2018年同期は7100万円の赤字)、最終損益は1億3900万円の赤字(同9000万円の赤字)。中国でのボールペン販売の落ち込みが響き、2期連続の最終赤字となった。

 6月24日、東京株式市場でセーラー株が急伸した。買い気配のまま取引が成立せず、気配値は制限値幅の上限(ストップ高水準)となる前日比50円(35%)高の192円まで上昇。終値も192円で年初来高値を更新。多くの買い注文を残したまま取引を終えた。売買代金は前日の26倍に膨らんだ。前日の6月23日、プラスを割当先とするCB発行を発表。再建が進むとの期待から個人投資家の買いが集まった。

 プラスの傘下に入ったことを数字として示せるかどうかが焦点となる。20年12月期に最終黒字転換できるかどうかだ。

大蔵省キャリア組の中島義雄社長を解任

 セーラーは日本を代表する万年筆メーカーだった。1911(明治44)年、阪田久五郎が広島県・呉市で初の国産万年筆(14金ペン)の製造を始めた。1932(昭和7)年、セーラー万年筆阪田製作所を設立して法人化。社名の「セーラー(水兵)」は、軍港だった創業地・呉にちなんだものだ。60年、現商号に変更。49年、広島証券取引所に上場し、61年、東京証券取引所2部に指定替えとなった。

 国産初のボールペンの発売、カートリッジ式万年筆や、ふでペンなどの開発を行い、現在はDAKSなどの海外ブランドも加わり、筆記具の多彩なラインナップを持っている。社名にもなっている万年筆を使う学生はほとんどいないが、贈答用として命脈を保ってきた。文具のほか、成型機用取り出し機を手掛けるロボット機器事業が売上の3割を占める。

 創業100年を超える老舗文具メーカー、セーラーに2015年12月、突然、内紛が起き、株式市場を驚かせた。6年間、社長の座にあった中島義雄氏を解職し、比佐泰取締役を社長とする人事を発表。対する中島氏は東京地裁に解職無効の仮処分を申し立て、泥沼の訴訟合戦になるかと思われた。ところが、中島氏は仮処分を取り下げ、両者は突如、和解。中島氏は社長を退き、16年3月取締役も退任した。

 お家騒動が耳目を集めたのは、中島氏が“超有名人”だったからである。中島氏は大蔵省(現財務省)のエリート官僚。「花の41年組」といわれた同期のなかでも有力な事務次官候補とされていた。1993年に同期の武藤敏郎氏(のちに大蔵・財務次官、現2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会事務総長)と並んで主計局次長に就任。しかし、金融機関による過剰接待疑惑をきっかけに95年に引責辞任した。

 その後、京セラや船井電機の役員として活躍していたが、09年、当時の碓井初秋社長がセーラーに招き入れた。碓井社長の死去に伴い、同年12月、社長に就任した。中島氏は高級万年筆を強化し、ロボット機器事業は中韓など海外での販売を増やすことを考え、経営を立て直そうとした。音声を再生するペン型再生機「音声ペン」などを開発し、第三の柱に育てようとしたが、すべてうまくいかなかった。社長に就任してから1度も黒字になったことはなく、14年12月期まで8期連続の最終赤字が続いた。

 それでいて中島氏は講演活動に忙しく、幹部が「本業の立て直しに集中してほしい」と求めても、行動様式は、まったく変わらなかった。このため取締役会は中島氏を社長から解職した。

 新社長に就いた比佐泰氏は、18年にプラスを筆頭株主として受け入れ、今回プラスの子会社として再建に取り組むことを決断した。業態の転換が迅速にできなかったのは、「万年筆のメーカーの先駆者」というプライドの高さゆえ、といわれている。

プラスがコクヨに挑んだ「PK戦争」

 プラスは1948(昭和23)年、東京で事務用品卸を営んでいた今泉商店と鈴木商店が合併した千代田文具がルーツ。1959年にプラスに商号変更した。文具・事務用品卸から自社工場をもつ本格的なメーカーに転進した。今泉一族の同族会社で非上場を貫いている。

「PK戦争」がプラスの名前を全国区にした。「キャンパスノート」を筆頭に文具メーカーとして圧倒的な力をもつコクヨに、流通に強いプラスが戦いを挑んだ。両社の頭文字をとって「PK戦争」と呼ばれた。2017年、プラスはたて続けにノートメーカーや卸会社を買収した。「極東ノート」のキョクトウ・アソシエイツ、量販店向け文具・事務用品卸の妙高コーポレーション(旧・三菱文具)、「アピカノート」のアピカを子会社にした。

 18年には量販店向けの文具・事務用品卸の大平紙業を100%子会社にした。19年、アピカとキョクトウ・アソシエイツが事業統合し、日本ノートとして再スタートを切った。2019年12月期の売上高は日本ノートが91億円、妙高コーポレーションが216億円、大平紙業が106億円。コクヨの牙城である文具市場で、プラスは量販店向けの物流を押さえることに重点を置いた。

 そして、プラスの19年12月期の連結売上高は前期比5.3%増の1867億円、営業利益は34.7%増の12.9億円、純利益は41.8%増の9.9億円だった。

ぺんてる争奪戦でコクヨに一矢報いる

 プラスとコクヨは、筆記具メーカー・ぺんてる(東京・中央区、非上場)の争奪戦でガチンコ勝負を展開した。敵対的買収を仕掛けたコクヨがぺんてる株式の46%を持っていた。プラスはぺんてるの「ホワイトナイト(白馬の騎士)」として約30%を確保した。コクヨは過半の確保に失敗。プラスは経営陣を支持する株主を含め過半数を制した。ぺんてるは6月25日、都内の本社ビルで定時株主総会を開いた。コクヨは子会社にする計画を取り下げ、提携協議を目指す融和路線にかじを切った。

 株主総会にはコクヨの黒田英邦社長が出席。コクヨ、プラスの双方とも会社提案の人事案に賛成票を投じた。和田優社長は代表権のない会長に退き、生え抜きの小野裕之取締役生産本部長兼草加工場長が新しい社長になった。

 ぺんてる(単体)の20年3月期の決算公告によると、売上高は前期比3.7%減の226億円、最終損益は23億円の赤字となった。ホームページによると19年3月期の連結売上高は403億円だった。ぺんてるはサインペンで世界的に認知度が高い。プラスにとっても魅力的な存在だ。もし、ぺんてるがプラスの傘下に入れば、リーディングカンパニーのコクヨは国内の業界再編で大きく立ち遅れる。

 今後も、コクヨとプラスは、ぺんてるの綱引きで火花を散らすことなる。19年9月、「PK戦争」の陣頭指揮を執っていたプラスの今泉公二社長が急逝した。実兄の今泉嘉久会長が社長を兼務。7月1日付で嘉久氏の長男の忠久常務が社長に昇格した。新社長のもと、プラスのM&A路線はどう深化していくのか。「PK戦争」の帰趨にも関心が集まる。

(文=編集部)

コロナ禍の今こそ必要。社員の声を経営意思決定に反映する「WE.CAPTURE」

多くの場面で企業の変革が求められています。
「コロナ禍の今、社員の働き方をもう一度考え直したい」
「企業ビジョンの強度・共感度を高めたい」
「PMI(企業統合による組織再編)に当たり、社員の本音を知りたい」
そんな経営層の声に対し、「企業の経営課題を解くカギは、実は現場の社員にあるのではないか?」という思いから、電通ビジネスデザインスクエア(以下、BDS)では、VISITS Technologiesの協力・技術提供により、社員一人一人の意見やアイデアを経営の意思決定に生かすサービス「WE.CAPTURE」をスタートさせました。

どのような課題に応えるサービスなのか、BDS高橋舞氏にその内容、活用例を教えてもらいました。

すべての従業員の個性を生かし、企業の未来をかたちづくる

BDSでは「愛せる未来を、企業とつくる。」をミッションに掲げ、さまざまなクライアントと共創プロジェクトに取り組んでいます。新しいクライアントに出会うたび、驚かされるのが企業ごとに異なる社員の皆さんの個性です。その個性をもっと活用することができたら、もっと愛せる未来がつくれるに違いない。そんな思いが、「WE.CAPTURE」が生まれるきっかけになりました。

私はこれまでいろいろな企業の組織変革プロジェクトに関わり、効果検証を担当してきました。でも、多くの場合、「この会社についてどう思いますか?」「どんなところに魅力を感じますか?」とES調査(従業員満足度調査)で自由に意見を書いてもらっても、すべてを読んで正しく分析するのは非常に困難です。かといって「五つの選択肢から選んでください」という定量アンケート方式では、その選択肢以外の意見を拾うことができません。

このような課題を解決するためのひとつの方法として、すべての従業員から意見やアイデアを網羅的に集め、ロジカルに評価・分析・可視化する「WE.CAPTURE」を開発しました。すべての従業員から意見を募るプラットフォームを用意し、集まった何百何千ものアイデアを定量的・構造的に可視化することで、経営の意思決定に資するものにすることが可能となります。1万人以上の大規模な企業でも対応可能です。

WE.CAPTUREのプロセス

「WE.CAPTURE」では、まず従業員の皆さんに問いを投げかけ、オンラインで自由に意見やアイデアを出してもらいます。こうして集まった意見を、ただリスト化するだけでなく、従業員自身にお互いの意見を評価してもらいます。自然言語処理によって多様なアイデアをカテゴリー化されたマップとして可視化するとともに、各カテゴリーは評価結果から導き出された共感度スコアとして定量化されます。そのマップを元に、課題解決に向けたアクションを決めていく。こうしたプロセスにより、単に従業員の意見を集めるだけでなく、皆さんが本当に良いと思った施策、共感するアイデアに取り組むことができるのです。

さらに、例えば、「このアイデアは全社的にはあまり評価されなかったけれど、アメリカの従業員からは高く評価されている」「工場勤務の従業員からは共感されなかったけれど、営業部員からは評価が高い」といった、部署によるグラデーションも可視化できます。「会社としてはこの施策を打つけれど、個々の部署ではこの案を採用しよう」と、柔軟かつ論理的に施策のストーリーをアイデアの地図に加えていくことができます。

こんな時こそ従業員の声を。「WE.CAPTURE」活用例

このように、「WE.CAPTURE」は「社員の意見を聞いてみたいけど…」と思ったことがある、あらゆる場面で活用できます。どんな困りごとを解決できるのか、具体的な活用事例を紹介しましょう。

WE.CAPTURE活用例

1.企業カルチャー変革・企業ビジョン策定

コロナ禍において、企業ビジョンの強度を高めよう、企業カルチャーを見直そうという動きが高まっています。同じ企業に勤めているにもかかわらず、本社勤務の従業員はリモートワークができ、工場勤務の従業員は現場でフル稼働。そんな働き方の格差が広がり、その会社で働く意義が見えにくくなっていたり、組織の求心力が低下していることがその要因です。経営層だけでなく、社員からも「こんな時代だからこそ、企業の未来を自分たちでデザインしたい」「私たちはどこへ向かうべきか考えたい」という声が上がっているそうです。

これからの時代、働き方はますます多様になるでしょう。でも、強いビジョンを掲げ、その志に共感する従業員が集まれば、どんな働き方であっても同じ目標に向かって歩いていけるはず。「WE.CAPTURE」なら、従業員からのリアルな声を共有し、企業ビジョンを策定できます。

2.事業変革・サービス変革

事業やサービスを展開する上で、従業員の皆さんこそ事業の課題をバリューチェーンの隅々まで知り尽くしているのではないでしょうか。課題に対し、時間をかけて問題点を見つけ、一つずつ解決していくのは非効率的です。どこをどのように改善すべきか、課題を発見し、取り組むべき優先順位を決定するのに「WE.CAPTURE」は大きな力を発揮します。

3.PMI施策の最適化

M&Aなどにより二つの企業を統合する時、文化の違いをどのように乗り越えるか、どのようにシナジーを生むかが大きな課題となります。私自身、統合から数年を経た企業に入社したことがありますが、やはり企業文化はバラバラのまま。システムや業務の統合はできても、人や文化、社の空気は何年たっても変わらないのだと痛感しました。そこで「WE.CAPTURE」では、統合される2社の企業文化の違いを可視化し、スピード感を持ってPMIを推進するためのサポートをしていきます。クライアントからのお問い合わせが多いのも、この領域です。

4.特命チーム組成

あるプロジェクトを立ち上げる時、参加メンバーを決めるのに苦労した経験はありませんか?「なんとなくこの人がいいような気がする」という勘と経験で、メンバーを選んだこともあるのではないでしょうか。でも、人選を間違えたためにプロジェクトの推進力が弱まることも。そこで役立つのが「WE.CAPTURE」です。

例えば事業変革を行う場合、事前に「WE.CAPTURE」でアイデアを出してもらえば、決定案に近い考えの従業員をプロジェクトチームにアサインできます。もちろん、あえて逆の考えを持つ従業員をメンバーに加えることも可能です。従業員から出されたアイデアに対し、他の従業員がどのように評価したかを分析し、ロジカルにチームを編成できます。

コロナ禍の今こそ、よりスピーディーに事業課題の解決を

「WE.CAPTURE」は、コロナ禍の今こそ、真価を発揮するサービスです。新型コロナウイルス感染症により、社会の変化が加速しています。このような状況下では、企業が次に何をすべきか、企業の成長を妨げている問題は何か、スピーディーに情報を集めて対応しなければなりません。そのためのヒントは、従業員の皆さんが働く現場にあります。BDSでは、コロナが引き起こす業務・事業課題に特化したパッケージ「WE.CAPTURE for COVID-19」も同時に提供しています。

ウイルスによって働き方がどう変わったのか。取引先との関係がどのように変わっていくのか。会社のビジョンはどうあるべきか。こうした声を現場からすくい上げ、企業として次の打ち手を決める上で、このパッケージは大きな武器になるでしょう。すべてがオンラインで完結し、最短3週間で意見をとりまとめられるため、スピード感をもって変革に向けた施策を打つことができます。

従業員中心で施策を考える、デザイン思考の企業経営

近年、人を中心に物事を設計する「デザイン思考」が定着しつつあります。大切なのは、人に寄り添い、問題を解決すること。新しい事業や企業文化をつくる時にも、トップダウンではなく、現場で働く社員を中心に問題に取り組むことが重要ではないでしょうか。いかにその人の視点に立って、物事を考えるか。そんな従業員中心の「デザイン思考」が、これからの経営のあり方にふさわしいのではないかと思います。

現場をよく知る社員一人一人の声に耳を傾ければ、ボトムアップ式で施策を打ち出すことができます。ダイバーシティーが叫ばれる時代だからこそ、「WE.CAPTURE」で全従業員の自由な意見をすくい上げ、経営の意思決定に活用してください。


「WE.CAPTURE」リリース:
電通、全従業員の声を経営意思決定に活用する企業経営層向けサービス「WE.CAPTURE」の提供を開始
 

日立、コロナ禍でも今期利益3.5倍の3千億円に…“事業ポートフォリオ組み換え”が奏功

 近年、日立製作所はIT、エネルギー、産業向けサービス、物流や移動、住生活関連の5分野の事業を強化するために、家電や重電といったハード事業からソフトウェア分野への「選択と集中」を進めてきた。同社は主要上場子会社の一角を売却し、それによって得られた経営資源をITなど成長期待の高い分野での資産取得に再配分した。

 その結果、2020年3月期、主要5セグメントの営業利益率は8.5%だった。それは前期から0.7ポイント改善した。新型コロナウイルスの影響によって世界経済が低迷したことを考えると、日立の構造改革は収益の安定と成長の両面において大きな成果を発揮したといえる。

 一方、今後の展開を考えた時、日立にはさらなる事業ポートフォリオの構築が求められるだろう。新型コロナウイルスによって当面の世界経済は低迷するとみられる。ただ、その状況がいつまでも続くわけではない。変化に対応するには経営者が短期および中長期的な世界経済の展開を念頭に置き、経営の守りを固めたうえで、成長期待の高い事業を確保しなければならない。そのために、事業ポートフォリオの見直しと入れ替えの重要性が高まっていることは間違いない。

日立が取り組んだ選択と集中

 リーマンショック後の2009年3月期、日立は7873億円の最終赤字に陥った。それは、当時の日立経営陣に強烈な危機感を与えた。つまり、火力や原子力発電などの重電事業や家電を中心とするハード事業を重視して、長期存続を目指すことが難しいとの認識だ。

 リーマンショックを境に、日立は事業ポートフォリオを見直し、選択と集中に取り組んだ。日立はAI(人工知能)を用いたビッグデータの分析、それを用いたインフラや物流などのソリューション提供やコンサルティングなど、複数の産業分野でのソフトウェア事業を核とするビジネスモデルの構築に取り組んだ。そのために、同社は主要子会社など資産の売却を行った。その一方で、日立はソフトウェア事業の収益力を高めるためにスイス重電大手ABBの送配電事業などを買収し、事業ポートフォリオを大胆に入れ替えた。別の角度から考えると、日立は選択と集中を進めることによって、コングロマリット・ディスカウントの解消に取り組んだ。

 コングロマリット・ディスカウントとは複数の産業を事業ポートフォリオに組み入れた複合企業の経営の効率性が低下してしまう現象を指す。かつての日立のようにさまざまな産業に属する上場子会社を抱えていると、経営者が各業界の機敏に変化をとらえ、それに対応することは難しい。また、上場子会社の他の株主との利害調整には時間がかかる。そうした要因から、コングロマリット企業の株価は伸び悩みやすい。

 それよりも、経済環境が良好な場合は、経営者がITなどを中心に成長期待の高い分野に経営資源を再配分したほうが成長性は高まる。リーマンショック後、日立は世界経済のIT化に対応するために、製造業を中心としたコングロマリット経営よりもソフトウェア分野を中心に経営資源を再配分し、成長性を高めようとした。新型コロナショックが発生する中でも日立が重視する5つの事業分野が堅調な業績を示したことを考えると、これまでの日立経営陣の選択と集中へのコミットメントは大きな成果を発揮した。

重要性増す安定性と成長性のバランス

 2021年3月期の業績予想に関して、日立は連結ベースの最終利益が3350億円と前期から3.5倍増加するとの見通しを示した。同社が収益の安定性と成長性を重視して選択と集中を進めたことによって、経営陣はしっかりとした業績予想を示すことができている。今後、日立は計画を着実に実現しなければならない。

 そのために、日立は事業の安定性と成長性の両面から事業ポートフォリオのさらなる入れ替えを進めることとなるだろう。それは、短期と中長期の時間軸に分けて考えるとよい。

 短期的な世界経済の展開を考えると、先行きはかなり読みづらい。世界経済が新型コロナウイルスの影響から完全に立ち直るためには、効果のあるワクチンや医薬品の開発が欠かせない。早ければ9月に英アストラゼネカがワクチンの実用化と供給の開始を目指している。

 ただし、急ピッチでワクチン開発が進められているため、どの程度の効果があるかなど不確実な部分は多い。当面、各国の企業は新型コロナウイルスの感染が続くことを念頭に事業を行わなければならないだろう。状況によっては、感染が一段と深刻化し、世界経済により大きな下押し圧力がかかる展開も想定される。そうした展開を考えると、日立はさらなる事業の安定性と成長性の強化に注力しなければならないそれは、コングロマリット経営の重要性が高まっていることと言い換えられる。

 中長期的に考えると、いずれワクチンの実用化が進むなどして、世界経済の成長率は時間をかけてコロナ前の水準を回復するだろう。重要なことは、コロナショックが世界を大きく変えていることだ。コロナショックによってテレワークの推進やオンラインの診療など、デジタル化が急速に進んでいる。それによって世界全体で新しい働き方や生き方が見出された。もう、後戻りはできない。世界経済の活動が正常化に向かうとともにIT先端分野を中心に成長への期待は高まるだろう。その場合、日立は再度、選択と集中に注力し、成長性の高い事業を育成しなければならない。

日立に求められるさらなる構造改革

 重要なことは、そうした変化が顕在化する前に、企業は将来の成長に向けた事業戦略を進めなければならないことだ。ライバル企業が目先の収益や資金繰りの確保に奔走している状況こそがチャンスだ。そう考えると、日立は事業の安定性を重視しつつ、持続的な成長が期待できる事業を事業ポートフォリオに組み入れる必要がある。それは、日立がこれまで以上の姿勢で構造改革に取り組むことを意味する。

 現在、新型コロナウイルスの感染拡大によって世界的に需要は低迷している。多くの企業が、資産売却などによって当面の資金繰りを確保しなければならない。そうした状況を活かして、日立は産業、家庭、公的部門などでの普及が期待されるIoT(インターネット・オブ・スィングス)関連の技術を確保することができるだろう。また、同社が米マイクロソフトと提携し、企業の生産や物流の効率化に向けたソリューションの提供体制を強化していることも重要だ。そうした取り組みを後退させることはできない。

 成長期待の高い資産を取得するためには、その原資が必要だ。その一つとして、既存事業の売却は重要だ。日立が安定性と成長性のバランスをとりながらポートフォリオの入れ替えを進めるために、今後も主要子会社の売却などが検討される可能性はある。

 現在の日立の事業ポートフォリオを俯瞰すると、ITソリューションを中心に同社が注力してきた事業は堅調に推移している。その一方、建機、金属関連を中心に子会社の収益動向は不透明だ。中国では政府の補助金に支えられて地場企業が生産規模や価格面で競争力をつけている。建機分野では三一重工の技術力が高まり、米キャタピラーやわが国のコマツからシェアを奪っている。それに加えて、中国の過剰生産能力の問題は低価格競争に拍車をかけている。

 そうしたリスクを考えると、今後も日立は成長性が鈍化している資産の売却を進め、IT関連を中心に安定した収益や持続的な成長が見込まれる資産の取得を進めるだろう。そのなかでどれだけ多くの成長期待の高い事業を日立が確保できるかが、同社の長期存続を左右するだろう。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

カジノ管理委員会の致命的な欠陥…職員の異動を規制しない“ザル法”の実態

第1の欠陥――「推進する政府」と「規制する機関」が最初から骨がらみ

 世の中には、ただでさえ「カネにまつわる事件と犯罪」があふれている。もし、民設民営の巨大カジノビジネスに対する行政の監視が甘ければ、カジノは無数の事件や犯罪を引き寄せ、国民にはうかがい知れない複雑・巧妙な贈収賄による疑獄、金融犯罪などの温床となる。

 巨大なカネは権力そのものであり、政官は容易にその力に屈しがちだ。特に、深層で巨額のカネと政治/行政の権力が共謀すれば、仮に事犯が発覚して摘発され世に報じられたとしても、国民に伝えられる“結末”は単なる「尻尾切り」にすぎない場合が少なくない。

 本連載の初回から述べてきたように、IRカジノを本気でメディアが注視するのであれば、これを監視する「カジノ管理委員会」にまずは焦点を当てる必要がある。国民に代わってカジノビジネスを管理・監督・監視すべき権能が一手に与えられた同委員会の職責は重く、国民の猛反対を無視して禁断の扉を開いた安倍晋三内閣と同委員会は、彼らが高らかにうたった「廉潔性の確保」を字義通りに全うせねばならない。

 しかし、前回までの記事で筆者は、カジノ管理委員会が「素人目にも穴だらけ」で、「いくつもの重大な欠陥・問題を孕んで」おり、「職責を全うできるか」は疑わしく、今のままでは「管理・監督・監視にはならない」と書いた。監視機関が「欠陥だらけ」であれば、国民に公言した「廉潔性の確保」を全うすることはできない。

 カジノ管理委員会は、公正取引委員会や国家公安委員会などと同じく、「内閣府設置法」に基づき内閣府の外局として設置された。それらは、国家行政組織法に基づき環境省の外局として設けられた原子力規制委員会や、同じく法務省の外局である公安審査委員会などと同じ「行政委員会」であり、独立した巨大な権能を与えられている。

 2011年3月11日に東京電力が起こした「東京電力福島第一原発事故」を機に、日本の国民と政府は、いくつもの教訓を“学んだはず”だった。その主要なひとつが、原発を「推進する政府」と「規制する機関」とを明確に分離することである。長年、原発を推進してきた政府は、その規制機関を事実上、傘下に置いて牛耳ってきたことで、天下りや贈収賄による癒着にまみれた原発を「安全神話」で偽装し、その結果として「3.11巨大原子力災害」を引き起こしたからだ。

 事故後の現在、環境省の外局に設置された原子力規制委員会には、カジノ管理委員会と同じく任期5年の委員が5人置かれている。その職責は言うまでもなく、「独立した行政権限による原発の安全規制」だ。「推進」と「規制」が骨がらみにならぬよう、「職員の異動」や「民間登用」を規制し、省庁から規制庁に異動した職員が出身官庁に戻ることを「ノーリターン・ルール」で禁じた。

 また、原子力を推進する民間の組織・団体・企業から登用した職員の出戻りにも同様のルールが適用された。そうした機構上の刷新によって、少なくとも表面的な「形式的な分離」を示したわけだ。

 とはいえ、昨年9月1日に施行した「原子力規制委員会設置法」で「原子力規制庁の職員の原子力利用推進に係る事務を所掌する行政組織への配置転換を認めない」と“出戻り”を禁じていたにもかかわらず、わずか1カ月後に政府は、「原子力の仕事に直接関与する部署以外であれば(出戻りを)認める」と運用ルールの解釈を変更した。設置法は3.11原発事故の教訓を蔑ろにするザル法と化したのである。

 ところが、内閣府の外局として設置されたカジノ管理委員会には、最初から職員の異動に関する「形式的な分離規制」さえ設けられていない。原発の規制委員会と同じく、カジノの規制機関も天下りや贈収賄での馴れ合いを回避するためには当然、「政府から機関分離」する必要があったはずだ。

 その厳格性を欠いたまま始動した同委員会は、人事や運営以前に、「組織そのもの」が起動時点ですでに緩々なのである。警察庁や国土交通省から異動してきた職員は、出身官庁に戻ることもカジノ関連産業に異動することも事実上、不可能ではない。

 周知のように、IRカジノ法を閣法として起案し、国会で合法化した安倍晋三内閣は、経済再生のための数多ある政策案を打ち捨てて、日本史上初の「外資を含む民間カジノ業者による賭博の合法化」を強行採決した。「カジノが財源を潤す」との名目で法制化されたIRカジノ法は、それを起案した政権による「民間賭博ビジネスの奨励」を命題として抱えている。

 外資含みの民間企業によるカジノ賭博の振興で業者に稼がせたカネを期待することが法の目的とされているからには、それを規制・抑圧すれば辻褄が合わなくなる。従って、政府から異動してきて、いずれは政府に戻ったりカジノ関係組織等へと流れていく可能性が大きい職員は当然、将来の異動先で「減点」となるような“厳格規制の実行”には腰が引ける。

 つまり、カジノを規制する行政組織が「職員の異動先を無規制」としたことは、規制機関としての致命的欠陥なのである。最初から原子力規制委員会設置法と同じ「ザル法」ということだ。仮に、政権を揺るがすような巨大疑獄が察知されたとしても、組織そのものが人事面で政権に牛耳られた現在のカジノ管理委員会には、はじめから手も足も出ないのである。

 その結果、規制対象の背後に潜む巨大な「力」の影が大きければ大きいほど、事犯を一瞥した瞬間に、職員や管理職が目を背けがちになる。逆に、それが“許容範囲”の相手であれば、厳しい規制と処断に躊躇することはない。「規制」と「推進」を分離しなければ、そうした歪な“監視”が必然であることは十分に想定内だったはずである。

(文=藤野光太郎/ジャーナリスト)

(以下、次稿)

年間数十万円も節税できる「エンジェル税制」“適用外”にならないための注意点!

亮子「サラリーマンでも起業しやすくなった今の時代。エンジェル税制を知って出資を受けやすくすることに意味はあるよね」

啓子「どれくらいの出資を受けたいか、会社の規模にもよりますけれど、エンジェル税制の準備をしてくれるという経営者の姿勢も大切ですよね」

誰かが持っている株を購入してもエンジェル税制の適用はない

 企業に投資する方法はいくつかありますが、誰かが持っていた株を購入した場合には、エンジェル税制の対象にはなりません。エンジェル税制の適用を受けるためには、(1)要件に当てはまる企業が、(2)新規に発行する株を引き受ける形で出資し、(3)必要な資料を添えて確定申告をしなくてはなりません。

 つまり、投資しようとする企業が一定の要件に当てはまっていること(企業要件)、投資の方法が一定の要件に当てはまっていること(個人投資家要件)、そして、それらを証明するための書類を添えて確定申告をすることが必要になります。

企業要件を満たすかどうかは企業が地方自治体に確認する

 投資しようとする企業がエンジェル税制の要件に当てはまるかどうか、エンジェル投資家側でチェックするのは難しいと思います。要件は下記の通りですが、これを外部から調査したり判断したりするのは難しいでしょう。

<企業要件>

1.特定の株主グループからの投資の合計が6分の5(約83%)を超えないこと

2.大規模法人グループの所有に属さないこと

3.未上場・未登録の株式会社で、風俗営業等に該当しないこと

4.中小企業であること

5.企業の設立経過年数に応じた要件を満たすこと(優遇措置AとBで異なる)

 エンジェル税制の対象になるかどうか、企業が自ら地方自治体に確認申請し、地方自治体が確認することになります。要件に当てはまれば、地方自治体から企業へ確認書が交付されます。そしてエンジェル投資家は、企業から確認書を交付してもらいます。そのため、もし知人の会社や非上場企業に出資をすることになったら、エンジェル税制の対象になるか、エンジェル税制の対象企業になるようにできないのか、を問い合わせてみることをお勧めします。

 なお、エンジェル税制の要件を満たす企業かどうか、事前に確認することができる制度もあります。これを「事前確認制度」といい、エンジェル税制の要件を満たすことを事前に確認された企業名などが、中小企業庁のホームぺージで公表されています。企業は投資家に対してエンジェル税制適用が可能な企業であることを説明できますので、これによって、より円滑な資金調達が期待できるというわけです。ただし、事前確認制度を利用した企業であっても、確認書の交付が省略されるわけではありませんので注意してくださいね。

エンジェル税制は金銭の払込のみ対象となる

 個人投資家が満たす要件は2つあります。1つは、金銭の払い込みにより、対象企業の株式を取得していること。誰かが持っていた株を購入した場合や、金銭以外となる株式や建物・土地などによる出資(現物出資)の場合、エンジェル税制の対象にはなりません。新たに発行される株に対して金銭の払込による出資で応じた場合のみ、優遇措置があります。

 もう1つは、対象企業が同族会社である場合、所有割合(株式数および議決権数)の大きいものから第3位までの株主(およびその親族や関係会社等)の所有割合を順に加算し、その割合がはじめて50%超になる時における株主に属していないこと。ざっくりいえば、投資する人が投資企業の大株主の親族などの関係者ではない、ということです。エンジェル税制は、あくまでも外部の投資家が、企業を応援しようとする場合に優遇を受けられる制度だというわけです。

 企業要件と投資家の要件すべてを満たすかは専門的な知識も必要なので、実際に投資する際には投資しようとする企業にきちんと確認し、事前確認制度を利用してもらうよう促してみるのも良いでしょう。

確定申告を忘れずに

 エンジェル税制を利用できる場合には、確定申告を忘れずに行いましょう。エンジェル税制は、確定申告をしなければ適用されません。企業と出資に関する契約を結び、エンジェル税制に関する確認書を企業から入手しましょう。証券会社を通じた上場企業への投資のみならず、非上場企業に投資する機会も意外とあるものです。友人の会社を応援する投資はもちろんのこと、近年ではクラウドファンディングなども活発に行われるようになってきています。自分の投資によってその企業が素晴らしい商品やサービスを生み出し、社会で活躍する姿を想像するとわくわくしませんか?

 そして、もしその投資がエンジェル税制の要件を満たせば、節税にもなります。新しい企業を応援する際にはぜひ思い出して、企業とともに活用してほしい制度です。

亮子「さて、突然ですが、本連載は、48回目の今回を持って終了させていただくことになりました」

啓子「長いようで短い48回でした。みなさま、長い間、お読みいただき、ありがとうございました!」

亮子「この先は、どうなることやら」

啓子「もしかすると、新たな展開があるかも!?」

亮子&啓子「この連載が少しでもみなさまのお役に立つものとなっていましたら嬉しいです」

(文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士)

●徳光啓子

2009年 公認会計士試験合格

2011年 明治大学商学部卒業

2011年から2016年、有限責任あずさ監査法人に勤務し、主に上場企業(製造業)を中心に監査業務に携わる。

2016年から税理士法人タックス・アイズにて企業の各種税務申告業務や会計・税務コンサルティングを行う。また、同年より茨城大学にて非常勤講師として原価計算論等の講義を行う。

『アイアンマン』を撮ったハリウッド映画人が料理を語る『ザ・シェフ・ショー』がヤバイ

 政府から届いたガーゼマスクを未使用のまま棚にしまい、振り込まれた特別定額給付金にもまだ手を付けず、2020年都知事選立候補者の面々を道端の掲示板で眺め、もうすぐ4歳の息子に「ねー、コロナまだやっちけてないの?」と聞かれ、「まだなんだよねー」とぼんやり答える。

 平坦な日々に、子持ち文筆家・森下くるみが心の栄養とする「エンタメ料理番組」を紹介するこの連載も第5回。

 第1回はイギリス人フードライター兼料理人のレイチェル・クーさん、第2回は大人気料理研究家のコウケンテツさん、第3回は料理家の栗原心平さんが出演する長寿番組『男子ごはん』、第4回はDplayで配信中の『サバイバル・男気クッキング』を取り上げたが、今回はNetflixの大人気番組『ザ・シェフ・ショー 〜だから料理は楽しい!〜』を紹介する。

 番組の出演者は、『アイアンマン』シリーズの監督兼プロデューサーであるジョン・ファヴロー。

 彼が監督を務めたディズニーの長編アニメーション『ライオン・キング』のフルCGリメイク版(2019年)は全世界興行が16億ドルを越え、製作総指揮をした『アベンジャーズ/エンドゲーム』はなんと2020年2月時点で世界歴代興行収入1位となり、俳優としても大作に出演を続け、映画人として無敵に近い形となっている。

 番組では、失敗したレシピをソッコーやり直して完璧なリベンジをやってのけるなど、健康的、紳士的に執念深い。

 もう一人の出演者は、韓国系アメリカ人のシェフ、ロイ・チョイ。

 高級ホテルで腕を振るうシェフだった彼は、2008年に韓国料理×メキシコ料理のフードトラック「Kogi(コギ)」をLAで出店。SNSによる告知&拡散というスタイルも話題となり、フードトラックは全米を巻き込む一大ムーヴメントとなった。

 思慮深い面立ちと、抑えた口調にやたら品性を感じる。両腕にはがっつりタトゥーが入っていて、チベットの高僧がHIPHOP系のキャップとTシャツを身に着けたらこういう感じかもしれない、なんて思ってしまう。

 2人は女優のグウィネス・パルトロウを介して知り合ったのちに、ジョン・ファヴローが監督・脚本・主演を務める2014年の映画『Chef』(邦題:『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』)でロイ・チョイを料理監修として招いた。その縁が、ザ・シェフ・ショーに繋がったということだ。

『死霊のはらわた』『スパイダーマン』で知られる映画監督サム・ライミも登場

『ザ・シェフ・ショー 〜だから料理は楽しい!〜』は、ジョン・ファヴローとロイ・チョイ+さまざまなゲストによる「ガチなおしゃべりクッキング」である。

『死霊のはらわた』や『スパイダーマン』ほかで有名なサム・ライミ監督が、自宅の庭で採取した香草を紙袋に入れてふらりとキッチンにやってきて、ジョン・ファヴロー監督らとオタクレベルの天然酵母の話をしながらパン作りに取りかかったり、人気レストランの厨房に潜入したジョン&ロイが、「選び抜かれた最高級の牛肉を巨大なグリルで焼く場合のベストな火入れと、ソースの相性」などを先輩シェフから手取り足取りレクチャーされたり、人気レストランで次々と運ばれてくる絶品料理に悶絶しながらも、超ヒット作に主演した若手俳優&超ベテラン俳優、大物プロデューサーらと真剣に映画を語ったりと、何から何までプロ仕様、ガチである。

必見のシリーズ1「映画のレシピをもう一度」

 シーズン1は3つのシリーズに分かれていて、「1」はエピソードが8つ、「2」と「3」はそれぞれ6つ、各30分ほど。そのなかでひとつピックアップするなら、シリーズ1のエピソード「映画のレシピをもう一度」がいい。

 これは『Chef』に出てきたパスタやデザートなどのメニューが再現される回で、ニンニク&唐辛子のオイルパスタの工程も素晴らしいが、料理動画で有名なユーチューバー、アンドリュー・リーと作った「チョコレートラバケーキ」の回がめちゃくちゃ楽しい。

 チョコレートラバケーキってなんだろう?と思ったが、「フォンダンショコラ」のことだった。焼き上がったチョコレートケーキを割ると、中から溶岩のようにチョコレートが流れ出す……洋菓子があまり好きではないので食べる機会はないだろうけれど、そういえば、本連載第1回で取り上げたレイチェル・クーさんも『パリの小さなキッチン』で作っていたような。

 正直、チョコレートラバケーキの作り方は難しくない。ボウルのなかで溶かしたチョコにバター、生クリーム、砂糖、溶き卵、中力粉など順番に加えていくだけだし、生地を流し込む前の型の内側にバターを塗っておくなど仕込みにひと手間かかるけれど、慣れたらどうってことない。オーブンの温度に気を遣い、焼き時間さえ間違わなければOK。

料理に対して禅を持ち出し、「美しい」と表現する

 ケーキを作りながら、ジョン・ファヴロー監督たちはえんえんとおしゃべりしている。内容はやはりガチである。

ジョン:「シェフたちに、できることなら二度と作りたくない料理は何かって聞いてみたんだ。人気はあるけどこれはもう限界だろってことで、みんなが答えたのが、チョコレートラバケーキだった。なぜこうも嫌われるんだ?」

ロイ・チョイ:「チョコレートラバケーキは、もともと一流シェフが考案したものなんだ。でも美味しい上に簡単に作れてしまうから、料理に興味のない人もこぞって手を出した。全米のチェーン店で置かれるくらいになり、陳腐になったんだ」

 この会話、日本語字幕だけではほとんど意味がわからないのだけれど、腕利きのシェフにとっては「作り甲斐がなくなった」ってことだろうか。

 ロイ・チョイは独特な人で、調理の途中で「禅」の話題を持ち出したり、チョコレートラバケーキに添えるホイップクリームの色艶、質感を「美しい」と表現する。この時だけでなくロイ・チョイは食材の変化する様によく「beautiful」とコメントするんだけど、わたしはそれを聞き逃さず、いちいち小さな感動をおぼえている。職人気質のなかに情感のたっぷりある人たちが何かを作っているのを見るのが好きなんだよなぁ、と。

 丸い耐熱性容器に生地を流し込んでから、生地の真ん中にガナッシュ(生チョコみたいなもの)を仕込んで、オーブンで9分焼くと出来上がり。

 しかしチョコレートラバケーキが成功かどうかは、焼き上がったケーキのなかを割ってみるまでわからない。失敗すればケーキの真ん中からガナッシュが溶けださない、ということになるが……。

料理を囲んでただただ楽しそうな3人を眺める愉悦

 ジョン&ロイは粗熱の取れた耐熱容器をひっくり返し、ケーキを皿に盛りつける。

 ケーキの横にホイップクリームをトッピングしてイチゴとブルーベリーを載せ、最後に粉砂糖とカカオパウダーを散らすと、映画のあるシーンで出てきたチョコレートラバケーキと見た目は一緒だ。

「さあいくぞ。今が運命の時だ」

 と、大きなスプーンを手にしたジョン・ファヴロー監督は待ちきれねー!というニッコニコの顔で、スプーンをケーキに入れ、中を開ける。すると、ちょうどいい具合に溶けたチョコクリームがとろりと流れた。

「うおおおお! 大成功だあああ、とろっとろだぜぇ!」

 監督、引くぐらい大興奮。ロイとゲストのアンドリューも「Amazing!」とキャッキャして喜んでいる。

 そこからはもう、奪い合うように3人のスプーンがチョコレートケーキをすくっていって、光の速さでお皿が空になり、あまりの微笑ましさに笑ってしまうのと同時に、めちゃくちゃ羨ましかった。

 羨ましいといっても、「チョコケーキ美味しそうだなー、食べたいな」というのではない。キッチンでケーキを囲み、仲間と一緒に仕事で遊び切っているジョン&ロイ+ゲストの3人が、映画『Chef』でキューバサンドのフードトラックを走らせていたキャスト3人のテンションにぴったり重なって、「楽しそうでいいなぁ」となったのだ。

 わたしもケーキが上手に焼けたのを祝してみんなでグータッチがしたいよ! と、本気で思わされた。お菓子作りの上手な友達は、いないのだけれど……。
 
(文=森下くるみ)

森下くるみ(もりした・くるみ)
1980年、秋田県生まれ。文筆家。著作に『すべては「裸になる」から始まって』(講談社、2008年)、『らふ』(青志社、2010年)、『36 書く女×撮る男』(ポンプラボ、2016年)など。<Twitter@morikuru_info

マツキヨ、大不評な夏の定番商品4選…香りがキツすぎる入浴剤、清涼感弱いボディシート

“マツキヨ”の愛称で親しまれている、大手ドラッグストアチェーンのマツモトキヨシ。医薬品はもちろん、日用品や化粧品、食品まで販売しているため、日常的に利用されているという方も多いのではないだろうか。

 6月5日には、未出店であった和歌山県に新店舗がオープン。ドラッグストアとしては初めての全47都道府県への出店を成し遂げた。大手ドラッグストアチェーンのココカラファインとの経営統合を2021年10月1日に予定しており、実現すれば現在業界1位のツルハホールディングスを凌いでトップに躍り出る見込みだ。

 マツキヨには、ラジカセがプリントされたトイレットペーパー「ふんわり3枚重ね12ロール ラジカセ18mトリプル」や、独特な液色のエナジードリンク「EXSTRONGエナジードリンク」シリーズなどで有名なPB(プライベートブランド)の「matsukiyo」がある。商品のクオリティやコストパフォーマンスの高さから、基本的には評価が高いブランドなのだが、なかにはイマイチであったという感想が寄せられるような商品も存在する。

「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は今回、matsukiyo商品を独自にリサーチし、「この夏、買ってはいけない商品」を4つピックアップ。あくまで調査班の独断ではあるが、マツキヨでの買い物の際に参考にしてほしい。

メンズボディシート スーパークール 36枚/328円(税抜、以下同)

 体が汗ばむ夏、汗によるベタつきやニオイが嫌でたまらないという方も多いのではないだろうか。汗を拭き取ってニオイを抑え、清涼感によって気分もリフレッシュさせてくれるのが、フェイスシートやボディシートといった商品だ。

 matsukiyoにもさまざまなフェイスシート、ボディシートが取り揃えられているが、「メンズボディシート スーパークール 36枚」には少々注意が必要だろう。これは強い清涼感とベタつき防止パウダーによる拭いた後のサラサラな肌触りが特徴で、体だけでなく顔にも使用可能な商品であると謳われている。

 ところが、実際に使用してみたところ、清涼感は他社製品と比較するとあまり強くなく、シートの乾きも早いように感じる。また、売り文句の“サラサラ感”も、「言われてみれば……」というレベルで劇的な変化を実感できるわけではない。期待しすぎると肩透かしを食らう可能性もあるだろう。

キズを早くきれいに治すパッチ 超薄型 顔用14枚/478円

 髭剃り中にできた切り傷や、ちょっとした火傷、レーザー治療の痕など、意外と顔には傷ができやすい。現在はさまざまなメーカーから顔用の絆創膏が販売されており、matsukiyoの「キズを早くきれいに治すパッチ 超薄型 顔用14枚」もそのひとつだ。

 この商品は、ハイドロコロイド素材のパッチによって皮膚の自然治癒力を高め、傷を早く綺麗に治すことができる絆創膏だ。しかし、実際に使用したところ、貼った場所はベトベトしており、ユーザーからは剥がれやすいという感想も出ている。

 また、パッケージ裏にも記載されているが、ニキビや湿疹、皮膚炎などには使用できない。超小型というメリットがあるものの、使い心地がイマイチで用途も限られているとなると、選択肢としては弱いと言わざるを得ないだろう。同じmatsukiyoの「ハイドロコロイドパッド」と「ハイドロコロイドパッド厚型」は評価が高く、サイズも3種類あるため、購入するならこちらがオススメだ。

キッチン泡ブリーチ 本体 400g/198円

 雑菌が繁殖しやすい夏場。特に、食に関わるキッチン周りの衛生管理には、あまり料理をしないという方でも気を遣いたいところだ。matsukiyoからは、まな板などの台所用品の除菌・消臭、シンクや排水口などのヌメリ除去、食器の漂白のためのアイテムとして、「キッチン泡ブリーチ 本体 400g」が販売されている。

 この商品は対象物から約10cm離したところから、直接スプレーすることで除菌・漂白・消臭を行う。使用の際にはゴム手袋や保護用眼鏡の着用が推奨され、換気の必要があるなど注意しなければならない点が多いが、基本的な使い方自体はシンプルだ。

 ただ、この商品の問題点として、スプレー機能の性能が挙げられる。泡の出が悪いというレビューのほか、実際に使用したところ、スプレーが狙った方向とは別の向きにも少し飛び出してしまうという問題が発生した。体に付着しないよう気をつけなければならない商品で、狙いとは違う方向に泡が射出されてしまうのは、常用するにはやや不安を感じてしまう。台所用の漂白剤に関しては、別のメーカーの商品を購入することをおススメしたい。

薬用入浴剤 炭酸泡タイプ アソート 16錠(4種×4錠)/369円

 暑い夏は湯船に浸からず、シャワーでサッと汗を洗い流すだけという方も少なくないだろう。だが、実は夏の入浴は冷房による冷えの解消や、疲労物質の除去、リラックス効果が期待できるため、熱いからと敬遠するべきではないのだ。

 入浴の時間をより豊かにするアイテムとして、matsukiyoでは各種入浴剤が販売されている。「薬用入浴剤 炭酸泡タイプ アソート 16錠(4種×4錠)」もそのひとつで、1箱の中にユーカリラベンダー、チェリーローズ、ハーバルフォレスト、フルーティシトラスの4種類の入浴剤が4錠ずつ入っている。

 だが、この商品を実際に使用したユーザーからは、「香りがキツくてリラックスできない」という感想が多い。実際に使用したところ、ギリギリ許容範囲内という印象ではあったが、人工的な香りに敏感な方は購入を避けたほうが無難かもしれない。

 今回ピックアップした商品は、万人におススメできるアイテムではないが、メリットとデメリットをしっかりと把握した上で使うのであれば、十分に期待した効果を発揮してくれるものも多い。使い方やシチュエーションに応じた、慎重な買い物を心掛けてほしい。

(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)

最強「甘デジ」が集結!?「衝撃の一撃」「シリーズ最高継続」など激アツ新台がデビュー!!

 2020年も魅力的な新台が続々と発表されているパチンコ。7月後半も各メーカーより導入予定となっているが、目立つのは好評だった機種の「甘デジスペック」だ。

「桁外れの出玉性能」「最強スペック」といった期待の声が続出中の「激アツ機種」が登場する。今回は7月20日からの週に導入予定の「甘デジ新台」に迫ってみたい。

 まず注目したいのは、驚異的な出玉性能で人気を集めた人気コンテンツ。「一撃3万発」など驚愕の出玉情報も話題になった爆裂マシンが再臨する。

『フィーバー バイオハザード リベレーションズ2 LIGHTver.』(SANKYO)

 

 多くのファンを虜にした『フィーバー バイオハザード リベレーションズ2』の甘デジスペック。大当り確率は1/99.9で、ヘソでの大当りからの確変は5%となっている。

 時短50回の間で、再度大当りを目指すというのが基本的なゲーム性。確変は前作同様に転落タイプとなっており、1/131の転落を引く前に1/69.6の大当りを引き続ける流れだ。

 確変中の継続率は約71%。55%の割合で約1000発の出玉が獲得できるなど、遊びやすい確率ながら“一撃”にも十分に期待できる仕様だ。甘デジ分野でも、強烈な出玉獲得報告が浮上しそうな気配である。

「シリーズ史上最高の継続率」を実現した、名物メーカーの人気作品も注目の1台。大きくパワーアップした仕上がりで登場だ。

『Pミニミニモンスター4a』(竹屋)

 

 人気シリーズ第4弾が登場。インパクト抜群な3種類の可動役物を搭載するなど、演出面は大きくパワーアップしている。設定付きのV-STタイプで6段階設定を搭載。大当り確率は1/125.8~1/99.9だ。

 最大の特徴は「シリーズ史上最高」と宣言した継続率。設定1でも約74%と、連チャンに期待できるスペックだ。右打ち中の最大ラウンド比率は15%となるため、まとまった出玉の獲得も現実的だろう。ファン必見の仕上がりだ。

 注目度では、圧倒的な出玉性能で旋風を巻き起こした「怪物マシン」の甘デジスペックも負けてはいない。基本的なゲーム性はそのままに、遊びやすくも爆発力を秘めた仕様に熱視線が注がれている。

『Pひぐらしのなく頃に~憩~』(Daiichi)

 

 大当り確率1/119.81の1種2種混合&転落小当りタイプ。初当り時の大半は3R消化後に時短1回+残り保留4個の「真・身隠しモード」となる。ここで「絆結びRUSH」を射止められれば、時短99回+残り保留4個が付加される。

「絆結びRUSH」の間は、1/20の転落小当りを引かない限り連チャンを続けることができる仕様。さらに右打ち時は、約半数以上の振り分けで「最大ラウンド」が選択されるという強力な性能を実現した。「最高峰スペック」との声が続出していることも納得だ。

 今回紹介した機種は7月20日より導入が開始される予定。ぜひともホールで堪能していただきたい。

安倍官邸の「東京問題」へのスリカエ情報操作が卑劣! 小池vs菅が対立した途端、読売を使って東京の「連絡つかない陽性者」をリーク 

 本日19日、東京都の新規感染者数は188人だと発表された。メディアでは200人を下回るのは4日ぶりなどと報じられているが、昨日までの直近4日間の新規感染者数は1000人を超えており、とてもじゃないが安心できるような数字ではまったくない。なかでも危惧されているのが、療養先が...

三浦春馬さん訃報直前、友人の賀来賢人が意味深な投稿…三吉彩花との破局に驚きの声も

 俳優の三浦春馬さんが、都内の自宅で死亡した。報道によれば、三浦さんは18日、予定が入っていた仕事の現場に現れず、関係者が自宅を訪れたところ、首をつっているのが見つかったといい、自殺とみられている。

 三浦さんは1997年、7歳の頃にNHK連続テレビ小説『あぐり』でデビューし、以降、数多くのテレビドラマや映画、舞台などに出演し、今月公開予定の映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』にも出演。さらに9月に放送開始の連ドラ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系)では主要キャストに名を連ね、亡くなる前日の17日も同ドラマの撮影を行っていたという。15日には自身のインスタグラム上に「本日情報解禁されました。TBSドラマ『おカネの切れ目が恋の始まり』略して【カネ恋】!」などとPRコメントを投稿していただけに、突然の訃報は世間に衝撃を与えている。

 三浦さん死去の第一報が流れた数時間前、同じ所属事務所で親交の深い友人として知られる俳優の賀来賢人がインスタグラムのストーリーに投稿した以下コメントが、ファンの間で“意味深”だと話題になっている。

「人が好きなモノや、一生懸命やっている事を馬鹿にするのなんか超簡単で、否定したり、好きだ嫌いだ言う事も超簡単。本当に超簡単。靴紐結ぶより。SNSがもっとポジティブになる事を願ってます」

俳優をやめようと思っていた時期も

 芸能事務所関係者は語る。

「三浦さんは1月、自身のTwitterで出演した映画『コンフィデンスマンJP』のPRコメントを投稿。その翌日に投稿した内容が、この映画の共演者で不倫騒動の渦中にいた東出昌大を擁護しているのではないかと、一部の心ない人々から批判を浴びる事態に発展していました」

 そのツイートでは東出の名前には触れられていないが、「明るみになる事が清いのか、明るみにならない事が清いのか…どの業界、職種でも、叩くだけ叩き、本人達の気力を奪っていく。皆んなが間違いを犯さない訳じゃないと思う」という内容が、そのタイミングも影響して、さまざまな憶測を呼んだ。

「三浦さんはナイーブな性格なので、もしかしたら、かなりこたえていたのかもしれません。所属事務所のスタッフや周囲の人たちからも、“あまり余計なことはしないほうがよい”などとアドバイスはあったようです。

 ちなみに三浦さんは3月にも、主演を務める舞台『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド ~汚れなき瞳~』で、新型コロナウイルス感染拡大中での公演ということでネット上で一部から批判の声も上がっていました。もしかしたら、そうした出来事が重なり、苦しい思いをされていたのかもしれません」(同)

 三浦さんの繊細な一面については、すでに多くのメディアで報じられているが、三浦さんを知る業界関係者は語る。

三浦さんは4年前の舞台『キンキーブーツ』で高い評価を得ましたが、その前の一時期、仕事について思い悩んでいたようで、気の置ける知人などに『俳優をやめたい』などと漏らすこともありました。三浦さんは精神的に繊細な部分があり、ここ数年はかなり忙しかったようなので、思い詰めてしまう部分もあったのかもしれません。裏方のスタッフなどにも気さくに話しかけてくれる、本当に良い人だったので、“どうして……”という気持ちです」

 三浦は2012年に放送されたテレビ番組『ホンネ日和』(TBS系)で俳優の寺脇康文と対談した際、俳優を辞めようとも思って苦悩した日々について語っていた。『サムライ・ハイスクール』(日本テレビ系/09年)、『ブラッディ・マンデイ Season2』(TBS系/10年)と2クール続けて主演を務めた時期に、それまで感じたことのない疲労感に襲われ、『ブラッディ』の撮影ではまったく台詞を覚えられずに現場に入り、監督から怒られたというエピソードを明かしていた。

『世界はほしいモノにあふれてる』でMCを務める

 そんな三浦さんの最近の様子に変化を感じていたという声も聞こえる。たとえば親交があった俳優の橋本じゅんは18日、三浦さんの訃報を受けて自身のブログで次のように綴っている。

「人にはそれぞれ道があり 事情があって、他人が人の選択をとやかく言う資格はないけど コクーンで、すぐ横でキャストと親しげに話していた 俺としっかり目も合ったはず 結局待ってたよ最後まで 楽屋に訪ねて来なかった翌日から電話してもメールしてもまるで返信なく、しつこくかけ続ければ良かったと思う」

「最近テレビでの言動や態度に 明らかに腑に落ちない変化があって ああ、売れたら人は変わるのかなあって 時々 でも、きっと叫んでたんだな きっと」

 一方、三浦さんをめぐってはこんな声も聞かれる。

「芸能ネタを追うマスコミの記者など一般の人たちとも一緒に飲みに行くほど、本当に誰とでも分け隔てなく接する人で、業界でも評判が良い。モデルの三吉彩花と交際していて、本人も隠す素振りもなく一緒に出歩いていたので、2年前には週刊誌にツーショット写真を撮られたこともありました。その後はあまり2人の関係をウォッチしていなかったのですが、数カ月前に三吉と俳優の竹内涼真の熱愛が明らかになり、三浦さんと三吉はかなりお似合いの印象だったので“そのまま結婚するのかな”とも感じていたので、少し驚いた記憶があります」

 2年前からはテレビ番組『世界はほしいモノにあふれてる』(NHK)でMCを務めるなど活躍の幅を広げ、30歳を迎え、仕事は順調そのものにみえた三浦さん。ご冥福をお祈りしたい。

(文=編集部)