創価学会を除名された元幹部たちが実名告発…「幹部が官僚化・権威化」「池田氏の精神ない」

 世の中には思わぬかたちで、志が達せられることがある。だが、たとえその志が達せられなくとも、認めてほしい相手に認めてもらえることは、人にとっての幸せなのかもしれない。逆に、志が達せられたとしても、認めてほしい相手に認めてもらえなければ、はたして、それは幸せといえるのか、少なからず疑問である――。

 今から84年前の1936年2月26日、世にいう「二・二六事件」で決起した陸軍の青年将校たちと日本のその後の歩みを見るにつけ、そう思わずにはいられない。

 この青年将校たちがひとまず目指したのは、財閥解体と農地や農民の解放だ。この頃、不況により国民、とりわけ自らの農地を持たない小作農の生活は窮乏を極めた。

 その一方で巨大資本を持つ財閥が肥え太り、政治に目を向ければ、内閣による経済面への失政も重なっていた。また、政界と財閥との癒着で汚職事件が相次いだことから、国民の政治不信はピークに達していく。

 そうした状況下、二・二六事件に連座した青年将校らは、天皇による直接政治、すなわち「天皇親政」が実現されれば、窮乏による塗炭の苦しみに喘ぐ国民を救えると考えた。

 やや雑な物言いだが、青年将校たちにとって、不況やそれに伴う国民の苦しみも、すべての元凶は政治家であり、それと癒着する財界だった。天皇に近い政治家や財界が、天皇に国民の現状をきちんと上げていない、天皇が国民の現状を知れば、きっと国民を救ってくれるはず――、そう考え、決起した。だが、結果は4日間で鎮圧され、逮捕。その年のうちに銃殺刑となる。

 その青年将校らが銃殺刑となってから、およそ10年後、彼らが目指した政策のうち、「財閥解体」「農地・農民の解放」が、意外なかたちで実現する。太平洋戦争の敗戦に伴い、アメリカをはじめとする連合国軍(GHQ)による占領だ。GHQによる占領政策の目玉は、まさしく二・二六の青年将校が目指した「財閥解体」と「農地解放」だった。

マッカーサーは学会的には「諸天善神」

 そのGHQの最高司令官はダグラス・マッカーサーだ。マッカーサー率いるGHQは、日本占領にあたり、ともすれば軍国主義的とみられていた日本の国柄を変えるべく、徹底した民主化政策を推し進めた。そのなかにひとつに「信教の自由」がある。

 こうした一連の動きについて、創価学会第2代会長・戸田城聖氏は、「マッカーサーは諸天善神(法華経の信者を守る善神)」だとし、彼が進める一連の政策を支持したという。

 創価学会は、1930年に教育者・牧口常三郎氏を初代会長とする「創価教育学会」を前身として発足するも、太平洋戦争中の一時、その活動が停滞、休眠状態に陥っていた。これを戦後に創価学会と名を改め、今日よく知られる組織を築く鍬入れを行ったのが戸田氏だ。

 その戸田氏の弟子が池田大作氏である。60年に第3代会長に就いた池田氏は、その驚異的な組織化によって、学会を“日本宗教界のガリバー”と呼ばれるほどの巨大組織へと育てあげた。いわば「学会の中興の祖」だ。以来、会長は第4代・北条浩、第5代・秋谷栄之助の各氏、そして現在、第6代・原田稔氏へとそのバトンを引き継いでいる。

 この歴代会長のうち、第3代以前と第4代以降では、会長職の位置づけがまるで違う。

 第3代までの会員たちは自分たちのことを、それぞれ「牧口先生の弟子」「戸田先生の弟子」などと、誇りを持って称している。会長と会員は師匠と弟子であって、ここに会員たちは強い自覚と誇りを持っていた。だが、こうした関係は、第3代・池田氏の代までだ。その池田氏は、会長を退いても名誉会長・SGI(創価学会インタナショナル)会長として学会組織に君臨、会員の精神的支柱となった。

創価王国の“天皇”・池田大作名誉会長

 第4代・北条氏、第5代・秋谷氏、第6代・原田氏まで、各代の会長自身が「池田先生の弟子」と位置づけている。これらの会長たちは、組織のライン職から退いた名誉会長の池田氏を「先生」と呼び、自らを会員たちに「秋谷先生」「原田先生」と呼ばせることは決してなかった。先生、すなわち師匠とは、学会にとって池田氏のみだからである。

 こうした学会の会長職を、その実権が目に見えない様子を皮肉って「雇われマダム」と称する人がいるくらいだ。

 今、学会では池田氏を「永遠の師匠」とし、その神格化が加速している。元学会員のひとりは、その様子をこう話す。

「まるで戦前の時代、その頃の天皇は、こういう感じなのだろうなと思う」

 元学会員によると、学会での会合時、何か意見を通そうとするならば、「池田先生が」と言えば、その場の空気がピリッと変わるという。確かに戦前・戦中に「陛下が」と言えば、軍人が直立不動の姿勢を取っていたといわれており、それを彷彿とさせる。時に「国内国家」といわれ、「創価王国」とも呼ばれる学会内部の空気感が伝わってくるようだ。

創価学会のエリート養成機関、創価大学

 その池田氏が創立したのが創価大学だ。1971年に開学した同大は、会員たちの間で「創大」もしくは「S大」の略称で知られる。この創価大や「学園」と呼ばれる東京と大阪にある小学校から高校までの姉妹校出身者は、学会のなかでも一目置かれる存在だ。

 会員として真面目に活動している限り、“S大出”は学会の将来の地方幹部要員として遇されるという。全国に約300人程度いるという副会長の地位や、手厚い支持基盤に守られて地方政界への出馬、地方議員の地位も夢ではないそうだ。前出の元学会員は、その実情を次のように語る。

「普通の会員は、名誉会長のことを『池田先生』と呼びます。しかし、創大出や学園出の会員は『創立者』と呼ぶのです」

 創価学会の会合時、この「創立者」という言葉を用いる会員がいれば、周囲は「この人は創価大か学園の出身」であることがわかるのだという。学会のなかで創価大卒業生とは、「池田先生が創られた学び舎」で学んだ“池田先生の直弟子”であり、“学会の東大”ともいうべき大学を出たエリートだ。なかには、「池田名誉会長のことを創立者と呼びたいから、創価大へ入学した」という人もいるそうだ。前出の元学会員が続けて語る。

「たとえば、地方の高校や大学を出た幹部を相手に若いS大出身者が『創立者が……』と発言したとして、幹部がその言葉に従わなければ池田先生に盾突くのと同じだと捉える人もいるくらいです。それだけの威厳があります」

 このS大出のうち、東京にある創価高校、または大阪にある関西創価高校卒業であれば、会員たちの間では、「純粋培養組のエリート」として一目も二目も置かれるという。小・中学校も東京か関西の創価学園、すなわち「創価の名がつく学び舎」卒業であれば、なおさらだ。

 ただ、同じ学園生でも、「関西校」を「東京校」に比べて一段格下にみる人もいるという。それでもS大の学生や卒業生、ひいては学会に籍を置く人たちの間では、地元の高校、それもその地域ではナンバーワンスクールと呼ばれる公立の進学校や有名私学出身者よりも、はるか上の位置づけであることは言うまでもない。

 このあたりも、旧陸軍将校と同じく、陸軍幼年学校(現在の高校に相当する軍の学校)から陸軍士官学校(同じく現在の大学に相当する軍の学校)に入学した者がエリートとして遇され、幼年学校を経ず、旧制中学(現在の高校)から士官学校に入学した者は、格下に甘んじ、その後の軍人人生も“外様扱い”され続けたのと似ている。

 もっとも、その幼年学校も全国にいくつかあったが、特に「東京陸軍幼年学校」出身者が幅を利かせていたといわれる。同じく令和の時代の創価学会でも、東京の創価学園から創価大を出た者が、内部では「キャリア組」と見なされるようだ。

 学会内部でも、創価学会本部職員として採用される者は、法人職員としての立場と学会員としてのそれを併せ持ち、学会員としての役職はほかの学会員と比べ、それこそ旧軍の士官学校卒のエリート青年将校並みにスピード出世を果たすという。

元学会エリートが目指す、理想の「学会像」

 そんな学会の青年将校ともいうべき、学会エリート3人組が決起した。『実名告発 創価学会』(金曜日刊)を著した野口裕介、滝川清志、小平秀一の3氏だ。

 もっとも、彼らは今、学会本部職員でもなければ学会員でもない。彼らなりに学会を憂い、学会内部で自らと気脈を通じる仲間と結束を強めた――。これが学会では御法度の「組織内組織」と捉えられ、職員としては懲戒解雇、学会員としては除名という、社会人としても、信仰者としても“極刑”ともいうべき刑を言い渡された。

 いわば無冠となった元学会エリートは、「安保体制容認は池田氏の意思とは真逆」「幹部や職員の官僚化・権威化」と批判し、もはや「今の学会本部には師匠(池田氏)の精神はない」(同書より)と切って捨てている。

 同書から伝わってくる彼らの主張は、「今の学会は、池田名誉会長が目指した学会精神とはかけ離れたもの」であり、「学会の高級幹部が、師匠である池田氏に末端会員の実情を伝えない」ので、学会内部に軋轢が起こる。だから官僚的で権威化著しい学会幹部を排して、池田氏のもとに学会を取り戻そうといったところか。

 このあたりも、二・二六事件の青年将校が「君側の奸(君主の側につきながらも、その君主をないがしろにし、君主を思うがままに動かし、悪政を行う者)」とみなした天皇側近の政治家や財界人を自分たちで排除、「天皇による直接政治(親政)」を目指したこととどこか重なって映る。

 だが、二・二六事件では、「天皇のために」決起した青年将校たちは、その天皇から「私のもっとも信頼する大臣たちを殺害した」と怒りを買い、反乱分子として処刑された。

 旧陸軍は二・二六事件を逆手に取って軍部内の統制をますます強め、本来、政治には関与しない立場の軍部が深く政治にかかわり、その権限と権益を実質的に広げていった。結果的に旧陸軍は“焼け太り”したという声もあるくらいだ。

 現代の学会に目を向けると、元学会エリート3人組の決起も早々に“反乱”とみなされ、彼らが愛した学会から除名・懲戒解雇とされた。今や学会員たちの間に彼らの名は「反逆者」として刻まれており、学会内部で口にすることも憚られる存在だという。

 二・二六事件の旧陸軍と同じく、令和の時代の創価学会もまた、元学会エリート3人組の反乱を契機に、組織内の不満分子を一掃、かつてないほどに学会内部は結束、この組織力をウリに権力の中枢への食い込みに成功した。

 本来、権力に対して一定の距離を置くはずの宗教が、権力の傘に入る――。このあたりも、政治とは一線を画すはずの軍が政権に食い込み、権勢を欲しいままにした旧陸軍の軌跡と奇妙なほど似通っている。

元学会エリートたちから見た創価学会

 かつて権勢を誇った旧陸軍も、敗戦により組織は崩壊した。戦時中、そして終戦直後、話すに話せなかった国民の不満が、真偽不明の内容と共に広く伝わってきた。

 今、学会は“活動家”と呼ばれる学会員が高齢化し、その後継が育っておらず、もはや組織的崩壊は時間の問題だという指摘も耳にする。

 そうした学会内部の状況をビビッドに描いたとされるのが、『創価学会よ、大改革を断行せよ!』(創価学会の明日を考える有志の会著・パレード刊)だ。

 同書では、末端の学会員が抱える学会への不満が描かれている。そして、学会に内在する問題点を指摘、その改善策を提言している。

 同書にせよ、前出の『実名告発 創価学会』にせよ、そこで描かれている内容が、はたして真実か否か、本当の学会の姿かどうかは、外部にいる私たちにはわからない。

 だが、両書を通して、かつて一枚岩といわれた学会内部に異変が起こっていることは窺い知ることができる。

外部からの声で「池田氏の精神」が体現される学会の今

 創価学会では「座談会」と呼ばれる会合がしばしば行われる。そこでは池田氏の著作や言葉を通して信仰を深めるべく、会員に向けて幹部が指導を行うのだが、近頃では池田氏に代わって、学会に理解のあるといわれる作家・佐藤優氏の著作や言葉が、しばしば取り上げられるという。

 今、学会は3世、4世の時代といわれる。聞き慣れた池田氏の著作や言葉よりも、学会外部の佐藤氏の著作や言葉、その生き様を通した指導は、会員らにとって、「外からの目」を養うことにもつながり、それがかえって信心を深めることにつながっていくという。会員のひとりは、その様子を次のように語る。

「他人を裏切らない――。そんな佐藤氏の生き様は、私たちの師匠、池田先生が戸田先生と共に牢獄まで付き添って権力と戦ったそれと似ています。だから、佐藤氏の著作は、私たちにはとても響くのです」

 学会では、2015年の安保法制騒動以降、元学会エリート3人組とそのシンパの排除に成功したといわれる。これにより学会は「一宗教団体」から「政権与党・公明党の創設団体にして最大の支援団体」へと脱皮。会員たちは、“与党の支援団体の構成員”としての責任を自覚、宗教を通して平和を目指すという「池田氏の精神」をより深く自覚し、その実現に向けて行動するようになったという。

 こうした流れが学会の中で今、実現しつつあるというのは、なんとも皮肉である。

 そんな外からは窺い知れない「池田氏の精神」や学会の実態について描かれているのが、この両書だ。

 二・二六事件でも、その是非はさておき、反乱軍とされた青年将校側に立った作品は、今でも面白い。同じく、創価王国のキャリア組だった元学会エリート3人組や、今なお残る学会側からみれば不満分子、彼ら自身は改革派と称する人たちによるインサイドウォッチもまた、ごく一般の世界に生きる私たちが、ビジネスの世界で生き残る上で参考とすべきところ大だ。是非、ご一読あれ。
(文=佐津川剛/宗教ライター)

二・二六事件―「昭和維新」の思想と行動 (中公新書)新書 – 1994/2/1
高橋 正衛

実名告発 創価学会 2016/11/15
野口 裕介、滝川 清志、小平 秀一

創価学会よ、大改革を断行せよ! – 2020/2/4
創価学会の明日を考える有志の会

SNSでの活動、その人の特性をかなり正確に表わす傾向…人と所有物に関する詳細研究

 私たちは自分自身のことをどのように理解しているのでしょうか。心理学では、人は自分の能力、パーソナリティ、身体的特徴などさまざまな側面について「自分はこうである」という信念を持っているとして、これらの信念の集合を「自己概念」と呼んでいます【註1】。自己概念は古くから研究されており、いろいろなタイプの自己で構成されていることが明らかになっています【註2、註3】。よく知られている自己には、現在の自分についての信念(現実自己)、そうなりたいというイメージ(理想自己)、他者が自分をどう思っているのか、あるいは他者にどう思われたいのかについての考え(社会的自己)があります。

 今回は、自己概念の一つである「拡張自己」に焦点を当てます。拡張自己は、心理学者のウィリアム・ジェイムズが1890年に提唱した「人間の自己は、私の家族、私の仕事のように、『私の(my)』が付けられるあらゆるものの集合である」という考え方をベースに、マーケティング学者のラッセル・ベルクが1988年に消費者行動研究で理論化したものです【註4】。ベルクは、人が自己を自分が所有しているモノ(所有物)で定義する傾向にあり、自己と所有の関係性を理解することが消費者行動の理解にとって重要であることを主張しました。

 拡張自己の一部となる所有物は、その人にとって意味(価値)があり、自分のアイデンティティの中心や一部のように捉えられます【註5】。したがって、もしも災害や盗難などでそれらを失った場合には、自分のアイデンティティも失ったように感じます。自分の能力を広げてくれる道具や楽器は典型的な所有物ですが、前述した家族や仕事のほかに、家、自動車、ペット、場所、好きなスポーツチームやアーティストなどさまざまなものが対象になります【註3、註4】。また、長い間愛用してきたモノ、就職など人生の転機に獲得したモノ、表彰状や表彰記念品、旅行先で購入した記念品なども拡張自己の一部になります【註3】。必ずしも高額なモノとは限りません。所有物に対する満足度は、自己拡張の一部になるほど高くなることも実証されています【註6】。

拡張自己と製品選択

 拡張自己は、モノを所有したり使用したりすることによって、自己概念を創造あるいは修正することとも定義されます【註2】。自分のアイデンティティが十分に形成されていない人が、望ましいアイデンティティ(理想自己)を持つ製品やブランドを使用することによって、自分のアイデンティティを強化しようとする行為は、拡張自己になります。ソロモンは、思春期の男子が「男らしい」というアイデンティティを形成するために、タバコを吸ったり車を乗り回したりすることを例としてあげています【註7】。魅力的なイメージを持った製品やブランドは多数存在するので、アイデンティティが確立している人でも「自己を表現したい」といった動機づけが働くと、特定のイメージを持つ製品やブランドを人前で使用することによる拡張自己を行います。人は、ブランドの持つ特定のイメージが自分の人生にとって有用と考えるときに、そのブランドとのつながりを構築し、所有しようとするのです【註8】。したがって、人は自己概念と一致するブランドを好む傾向にあります。

ディジタルな世界における拡張自己とは

 近年のディジタル技術の急速な進展は、拡張自己に影響を与えています【註2、註9、註10】。ネット上では、表現したい自己の選択や現実自己の修正を比較的自由に行うことができます。例えば、実年齢よりも若く、あるいは老けているように自分を表現する、恥ずかしがり屋の人が大胆な発言をするといったことが簡単にできます。ベルクは、オンラインでは現実自己よりも理想自己に近い形で自己が表現される傾向にあるものの、SNSでの活動はその人のパーソナリティ特性をかなり正確に表わす傾向にあると述べています。いずれにしても、現在は従来のオフラインでの拡張自己に加えて、オンラインにおけるディジタルな拡張自己が自己を定義する鍵になっています。

拡張自己と脱物質化

 ベルクは、こうしたディジタルな拡張自己の拡大とともに起きている現象として、有形財の脱物質化(デ・マテリアライゼーション)を挙げています【註9、註10】。音楽、本、写真アルバム、手紙、新聞、雑誌などの有形財が、パソコン、スマートフォンタブレット端末に移動し、ディジタル化・無形化しています。モノの獲得、使用、保存、および廃棄の仕方が変わり、製品との関わり方も変化しています。

 ただし、ベルクによると、ディジタル所有は有形財の所有と比べると、コントロールしているとか所有しているといった感覚は得にくいようです。そのため多くの人はバックアップやハードコピーをとったりしますが、それでも「獲得している」「意味がある」「本物である」といった感覚は、有形財の所有よりも弱いと説明しています。また、有形財の所有では、コレクションとしてディスプレイしたり、古くなってくると他にない自分だけのモノといった感覚が得られたりしますが、ディジタル所有ではそうした経験は得にくいということも指摘しています。

 有形財の所有とディジタルの所有に対する選好にはもちろん個人差があります。音楽に深く関わっている人はディジタルよりも有形で所有することを望む人が多いことや、若者は高齢者よりもディジタル所有を拡張自己の一部として捉える傾向にあることが報告されています。有形財の所有とディジタル無形財の所有のどちらが拡張自己により強く影響し、そしてより高い満足度をもたらすかは人それぞれということになりますが、私たちの日常の生活は有形財で囲まれたマテリアルワールドの中で営まれているので、両方による自己の拡張が安定した自己概念の形成につながるのではないかと思われます。

(文=白井美由里/慶應義塾大学商学部教授)

【参考文献】

【註1】中島義明・繁桝数男・箱田祐司(2005)『新・心理学の基礎知識』、有斐閣.

【註2】Kimmel, A. J. (2018), Psychological Foundations of Marketing: The Keys to Consumer Behavior, 2nd edition, Routledge.

【註3】Hawkins, D. I. (2012), Consumer Behavior: Building Marketing Strategy, McGraw-Hill/Irwin.

【註4】Belk, R. W. (1988), “Possessions and the Extended Self,”Journal of Consumer Research, 15 (2), pp. 139-169.

【註5】Sivadas, E. and K. A. Machieit (1994), “A Scale to Determine the Extent of Object Incorporation in the Extended Self,” in C. W. Park and D. C. Smith (Eds.), Marketing Theory and Applications, 5, American Marketing Association.

【註6】Sivadas, E. nd R. Venkatesh (1995), “An Examination of Individual and Object-Specific Influences on the Extended Self and Its Relation to Attachment and Satisfaction,” Advances in Consumer Research, 22, pp. 406-412.

【註7】Solomon, M. R. (2006), Consumer Behavior: Buying, Having, and Being, Pearson Education.

【註8】Gal, D. (2015), “Identity-signaling behavior,” In M. I. Norton, D. D. Rucker, and C. Lamberton (Eds.), The Cambridge handbook of consumer psychology (pp. 257–281), Cambridge University Press.

【註9】Belk, R. (2016), “Extended Self and the Digital World,” Current Opinion in Psychology, 10, pp. 50-54.

【註10】Belk, R. W. (2013), “Extended Self in a Digital World,” Journal of Consumer Research, 40 (3), pp. 477-500.

JRA阪急杯(G3)ベストアクター浜中「主演男優賞」ゲットで自ら復帰祝い

 1日、阪神では第64回 阪急杯(G3)が行われ、6番人気の伏兵ベストアクター(騙6、美浦・鹿戸雄一厩舎)が、馬群から抜け出して鮮やかな勝利を飾った。父ディープインパクト×母ベストロケーション、祖母にダイナアクトレスがいる良血だ。

 鞍上・浜中俊騎手は昨年11月24日の京阪杯(G3)で騎乗したファンタジストが故障した際に落馬負傷。29日の土曜に復帰したばかり。土曜は3鞍に騎乗して勝利をあげることはできなかったが、翌日曜には阪神6Rで復帰後初勝利をあげると続けて8Rも連勝して勢いづくと、メインレース阪急杯も見事な手綱捌きで穴馬を勝利に導いた。

 また、直線ではインを突いた北村友一騎手のダイアトニックが、川田将雅騎手のフィアーノロマーノの進路を塞ぐ格好となり、審議となった。どちらも勝つためにはやむを得なかった進路取りの結果であり、不注意騎乗の裁決結果は北村友騎手には厳しい結果となった。

 昨年のダービージョッキーが完全復活だ。

 レースはニシノラッシュが逃げ、これにクリノガウディー、マイスタルが続いて前半34秒1の平均ペース。ベストアクターは好スタートを決めるも鞍上の浜中騎手は先団からやや離れた後方に下げる。直線に入り、ごちゃつく先行勢を避けて外に進路を確保すると1番人気ダイアトニックと2番人気フィアーノロマーノの争いを楽な手応えで交わし去った。

「スタートが良く、理想的な位置を取ることができましたし、直線もうまく進路を見つけて馬群を割ってこれた」と会心の勝利に浜中の喜びもひとしおだ。

 順調な回復と懸命なリハビリで予定よりも1ヶ月早くなった復帰戦ではあったが「たくさんの人に心配をかけて申し訳ないと思っていたので、いい形で結果が出せてうれしい」と完全復活を印象付けた。

 勿論、これが初重賞となったベストアクターもフロック勝ちではない。祖母に名牝ダイナアクトレスがいる良血馬。素質馬ながらも体質の弱さがこれまで出世を遅らせる原因でもあった。

 管理する鹿戸雄一調教師は「今日は祖母のダイナアクトレスの命日なんですってね。この馬も難しいところがあるので、人が少なかったのはよかったかもしれません。去勢してから、本当に強くなりました」と愛馬の成長と祖母との縁に目を細める。

 陣営によると、このあとは一息入れて京王杯SC(G2)から安田記念(G1)に向かうとのこと。

 遅咲きの素質馬が、脇役から雌伏の時を経て、春の主役をめざす。

親会社が子会社に“敵対的TOB”の異常事態…前田道路、筆頭株主の前田建設と全面戦争

 準大手ゼネコン企業である前田建設工業(前田建設)が、グループ企業である前田道路に仕掛けたTOB(株式公開買い付け)をめぐり、両社の関係がもつれにもつれている。同じグループに属する企業同士、これほど相互不信が高まるケースは珍しい。

 背景にある要因の一つは、前田道路と筆頭株主である前田建設の経営方針が大きく異なることだ。積極果敢な営業姿勢などで知られる前田道路は、独自路線を歩みたい。一方、前田建設は連結子会社化を通してグループ全体の体力をつけたい。

 敵対的なTOBは、関連する企業をはじめ、多くの利害関係者に遺恨を残す懸念がある。資本の論理によって一方が他方への支配を強めることはできる。しかし、それと人々の賛同を獲得し、組織全体の安定を目指すことは異なる。今後、両社がどのように関係の修復を目指すなどして、事業の運営体制を落ち着かせることができるか、先行きは見通しづらい。

独自路線にこだわる前田道路

 2020年1月20日時点で、前田建設は前田道路の株式の約25%(間接所有分を含む)を保有する筆頭株主だ。わが国の企業風土では、グループに属する企業は筆頭株主である企業の意向に沿った経営を行うことが多い。

 しかし、前田建設と前田道路の関係はやや異なる。1990年代以降、前田道路は自力での成長を目指し、実現してきた。1990年代初頭、資産バブル(株式と不動産のバブル)が崩壊した後、1997年度まで政府は公共事業関連の支出を増やした。それに伴い道路舗装などが増えた。前田道路はそうした需要を積極的に取り込み、業績拡大につなげた。

 その後、公共事業は削減されたが、前田道路は営業攻勢を強めて需要を開拓し、売り上げの増加につなげた。敵対的TOB以前の2019年12月末時点で前田道路の時価総額は2384億円に達し、前田建設を上回っていた。自助努力を重ねて成長を遂げた前田道路の内部に、外部から指図されたくないという心理が浸透したことは想像に難くない。

 しかし近年、前田道路の売り上げは伸び悩んでいる。それに加え、前田道路のガバナンス体制への懸念も浮上した。2017年ごろからアスファルト合材の価格カルテルに同社が関与していた疑いが浮上し、公正取引委員会は調査を進めた。

 2019年5月、前田建設前田道路に役員派遣を提案するなどし、ガバナンス体制の整備と、効率的なグループ経営を目指そうとした。それは、変化のスピードが加速化する事業環境への対応力を高めるために重要だ。この時点で、前田建設はどちらかといえば友好的な姿勢をとり、グループ全体の調和を乱さないように前田道路への影響力を強めようとしたとみられる。

 しかし、前田道路はその提案を拒否し、独自路線にこだわった。その結果、関係が徐々にこじれ始めた。本年1月、前田建設は前田道路へのTOBを発表し、資本の論理によって影響力を強めようとした。なお、TOBの期日は3月4日である。

TOBへの反対と対抗措置

 前田道路はTOBに反対した。その結果、当初は友好的に提案されたTOBは敵対的なものへと変わり、両社の関係はかなりこじれている。自社の意思決定を影響されたくないという前田道路の考えは、かなり強い。同社は敵対的TOBを回避するためにさまざまな対抗策を検討している。

 対抗策の一つとして、前田道路は“ホワイトナイト”を探そうとした。ホワイトナイトとは、買収候補となっている企業の株式を友好的に取得してくれる企業や投資家を指す。ただ、この取り組みは思うように進んでいないようだ。近年、前田道路の業績は伸び悩んでいる。ホワイトナイトになる企業にとって、同社の株式を、しかも相応に高い価格で取得するリスクは軽視できない。前田道路内部には、第3者が主要株主となることでこれまでの経営風土が変化するのではないかとの不安や警戒もあるだろう。今後、ホワイトナイトが表れるか否か、状況は不透明とみられる。

 この状況の中で、2月20日の取締役会において同社は、敵対的TOBの成立を回避するためにかなり思い切った意思決定を下した。それは、当初計画の6倍にあたる535億円の特別配当を実施すると決めたことだ。

 端的に、前田道路は自社の資産を減らし、その魅力を削ごうとしている。同社はTOBの主な目的が、自社の豊富な現金などの確保にあると考えているようだ。前田道路は、配当として現金を支払えば前田建設がTOBを取り下げると考え、特別配当を決めたのだろう。なお、昨年末の時点で、前田道路の現金預金の保有額は約630億円だった。4月14日に同社は臨時株主総会を開催して、特別配当の実施を決定するとしている。

 配当金として資産を払い出せば、一時的に株主の利得は増える。前田建設にとってそれはプラスだ。ただ、1月20日に公表したTOBに関する説明資料において前田建設は、IT化などの変化への対応力をつけるためにグループとしての連携を高めることなどが今回のTOBの目的と表明している。特別配当の実施によって敵対的TOBがどうなるかは見通しづらい。前田道路が増資などその他のTOB対抗策を打ち出す可能性も排除はできないだろう。

グループ運営の不安定化懸念

 突き詰めて考えた時、敵対的TOBは対象企業や株主など、多くの利害関係者に遺恨を残す可能性がある。買収企業にとっても、被買収企業にとっても、相互不信が組織全体の士気に与える影響は軽視できない。それは、企業が長期にわたって事業体制を強化し、成長を目指す上で大きな足かせとなる恐れがある。

 それに加え、世界経済の先行き不透明感が高まる中で両社の関係がこじれていることも軽視できない。現在、新型肺炎の感染拡大などを受け、わが国の景気に大きな影響を与えてきた中国経済の減速懸念が高まっている。中国経済が想定以上に減速する展開が現実となれば、わが国の経済には相応の下押し圧力がかかるだろう。それは、前田建設と前田道路の業績悪化懸念を高める主な要因の一つと考えられる。特別配当が本当に実施され、利害関係者に無視できない影響が及ぶ可能性も排除できない。

 また、わが国では少子化、高齢化が進むと同時に人口が減少している。経済成長が高まりづらいなか、道路舗装をはじめとする建設需要は右肩下がりの展開となるだろう。景気先行き懸念の高まりとともに建設案件が想定された以上に落ち込み、ゼネコン業界が縮小均衡に向かうリスクも軽視できない。

 この状況から脱するには、相対的に成長期待が高いアジアの新興国への進出など海外戦略を強化し、需要の獲得に取り組む必要がある。それには、ヒト・モノ・カネの面で体力をつけなければならない。それを目指して業界再編が進む展開も想定される。

 本来、前田建設と前田道路がそうしたリスクに対応しつつ成長を目指すためには、財務と事業運営の両面でより安定した体制を目指すべきだろう。その上で、経営資源をより効率的に再配分し、収益性を高めることが求められる。そのための一つの方法として、グループ間でシナジーの発揮を目指す発想は大切といえる。

 そう考えると、これまでに蓄積されてきたと現金などを特別配当に回すのとは異なる発想があってよいはずだ。現時点で、両社がこうした考えに回帰し、現実的な視線で対応策の協議に臨むとは想定しづらい。敵対的TOBをめぐって関係が一段と不安定化する展開は排除できないだろう。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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 片づけはストレスフリーに生きる近道! 元片づけられない収納スタイリスト・整理収納アドバイザー吉川永里子です。

 毎回「片づけ」をテーマに、働くオトナが今よりもっと快適に生きるためのヒントをお届けしています。前回までは、片づけが苦手な方によくある「あるある行動」についてお話ししました。今回はちょっと方向性を変えて、オトナにオススメするスタンダードな収納グッズをご紹介します!

収納の基本は「入れるモノに合わせる」

 片づけが苦手な人に多いのが、片づけようと思い立った時にまず収納グッズを買ってしまうこと……。かつて片づけられなかった私もその傾向がありました。通販カタログやネットでた〜くさんの収納グッズを検索できますよね。

・ベッドと壁の隙間に棚を入れたらスッキリするかな?

・衣装ケースを増やしたら洋服が収まるかな?

・カラーボックスを買い足したらオモチャしまいきれるかな?

なんてふうに、収納グッズを買ってなんとか解決しようとしがちです。

 でもそれは大きな勘違い! 収納グッズ(=外側・ハード面)を増やしたところで、根本の解決にはつながりません。収納グッズを選ぶ時に大切なのは、まず「何を入れたいのか」はっきり決まっていること。次に、入れたいモノの「大きさ」「形状」「量」なども把握する必要があります。洋服を入れる引き出しなのか、文房具を入れる引き出しなのかで、求められる引き出しの大きさ・深さは全然違いますよね? だから、まず必要なモノを選び取る「整理」の作業をして、その後に収納グッズを選んでいきます。今回は場所・アイテム別に、スタンダートで使いやすい収納グッズ10選をご紹介します。

洋服収納にベストな収納グッズ

 改めて洋服収納について考えると、収納方法は「かける」か「たたむ」の2パターンしかありません。また洋服は柔らかいので、たたみ方で大きさを変えることもできるので、収納しやすいアイテムです。

【かける収納】

 洋服をかける場合はハンガーを使いますが、ハンガー選びが重要です。持っている服の肩幅にあったハンガー、重い服には厚みのあるハンガーを使いましょう。また、ネクタイ・ベルト・帽子・バッグなどもかける収納にすると取り出しやすく便利です。

MAWAハンガー

 滑らないハンガーの王様的存在。さまざまな形状・幅・色が揃うので、選びやすい。

ネクタイハンガー

 ぐちゃぐちゃになりやすいネクタイをズボラさんでもサッと取り出せる形状。

【たたむ収納は衣装ケースを使う】

 洋服をたたむのは手間がかかりますが、たたんで収納すればかけて収納するよりも1.5〜2倍の量が収められます。また引き出しの深さを20cm前後のモノにすれば、たたんだ服を立てて収納しやすく、服を探すこともなくなります。長く使うには、丈夫で1段ずつに分かれているケースが使いやすくオススメです。

フィッツケース

 衣装ケースといえば! というど定番。スムーズに引き出せて丈夫な作りで間違いなし。

下着収納ケース

 衣装ケースの中で小物が迷子にならないように、仕切るアイテムも欠かせない。

リビング収納にベストな収納グッズ

 リビングには色々なモノが置かれがちなので、どう収納したらいいか迷ってしまいます。収納するモノをアイテム別・人別などで分けて、収納場所もそれに合わせて区切っていくのがポイントです。

【紙類の収納】

 紙類はついつい溜まっていってしまって、散らかっていってしまうアイテムです。基本はその書類を手に入れた瞬間に「保管」なのか「処分」なのか判断することが重要です。

 紙類は長期保管のものはファイルなどにしまい、すぐ使うものはボックスやトレーに投げ込み式が便利です。

マルチファイルトレー

 大きめの封筒もそのまま入れておけるサイズで、書類の一時置きに最適。

ポリプロピレンファイルボックス

 どんな収納にもマルチに使える優秀なアイテム。個別フォルダを入れれば本格的なファイリングにも。

【小物の収納】

 リモコンや鍵、ペン、ティッシュ、スマホなど、細々したものが散乱しやすいのがリビングです。よく使う小物は1カ所にまとめて、定位置を決めてあげるのが賢い方法。機能はもちろんですが、リビングに置くグッズは見た目も気にいったモノを選びましょう。

cocoshi ウッドティッシュケース

 リビングに置いておきたいモノをスマートにまとめておけるティッシュボックス。

ホルダー付きマグネットキーフック

 家の鍵・車の鍵、ネームカード、印鑑など家族みんなで一括収納するのに便利。

 収納グッズをあれこれ見てるとワクワクしますよね。でも、「素敵〜」と衝動買いするのは絶対にNGです。収納グッズを買っても家は片づきません! 自分の持っているモノ、グッズを置くスペースなどをしっかり吟味して、暮らしに役立つグッズを選んでくださいね!

 次回は、オトナのためのスマートなキッチン収納術をご紹介します。どうぞお楽しみに。

(吉川永里子=収納スタイリスト、整理収納アドバイザー)

【吉川永里子プロフィール】

収納スタイリスト・整理収納アドバイザー

2008年より収納スタイリストとして活動を開始。片づけられない女だった過去の経験を活かし「片づけはストレスフリーに生きる近道」をモットーに、ざっくばらんに整理収納について説く。

働く女性やママの目線で行うライフスタイル提案が好評で、個人宅のアドバイスから、メディア出演・講演など、テンポのいいわかりやすい言葉で女性の暮らしを全力サポート。これまでに10000人以上に片づけをレクチャー。

プライベートは、賃貸住宅で夫と4人の息子たちに囲まれて暮らすステップファミリー。

著書

『なかなか捨てられない人のための鬼速片づけ』

『ズボラさんのための片づけ大事典』

『子どもがいてもキレイがつづく!ラクするための片づけルール』など多数

▶︎公式ウェブサイト「Room&me」

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Youtube

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@erico.rm

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JRA「レジェンド武豊」とサウジで際立った存在感!「海外遠征のパイオニア」新設重賞に条件馬を送り込む名采配

 新設されたサウジカップの1着賞金11億が話題になりがちだが、海外遠征でおなじみのコンビがまたしても快挙を成し遂げた。サウジカップデーに挑んだ「海外遠征のパイオニア」森秀行調教師とレジェンドジョッキー武豊の最強タッグが、その存在を世界にアピールした。

 まだ条件馬だったフルフラット(牡3・栗東・森秀行厩舎)と挑んだサンバサウジダービーでは日本馬初勝利を決めると、続けてサウジアスプリントをマテラスカイ(牡6・栗東・森秀行厩舎)であわやの2着と下馬評を覆す大活躍を見せた。

 2頭を管理する森秀行調教師は、次走についてフルフラットはUAEダービー、マテラスカイはゴールデンシャヒーンと共にドバイへ向かいたいと表明した。

 またしてもこのコンビが魅せた。近年では国内で実績を上げた馬が、海外のレースへ挑戦することは珍しくない時代ではなくなった。だが、G1馬でなくとも適性があると判断して結果を残すのは、これまで培った森師のノウハウがあってこそだろう。

 当然ながら今回の挑戦もフルフラットは昨年11月のブリーダーズCジュベナイル、マテラスカイはこれまでもドバイ、ブリーダーズCスプリントで遠征経験をさせていた馬である。

 失敗したら赤字になる。そのためにオーナーの理解は不可欠だ。期待に応えるためにも森師は試行錯誤を重ねた。古くはフジヤマケンザン、シーキングザパール、アグネスワールドでの経験が揺るぎない礎となった。

 初の海外遠征は開業翌年の1994年まで遡る。フジヤマケンザンで挑戦した香港国際カップ(香港Cの前身)だった。4着に敗れはしたが翌年に再挑戦し、見事、海外G1初制覇を成し遂げた。その後も1998年にはシーキングザパールでモーリス・ド・ゲスト賞を勝って日本調教馬による欧州G1初制覇の偉業を達成。2年後の2000年にはアグネスワールドでジュライCを勝って「日本馬は強い」と欧州に知られるきっかけを作った。

 当時は海外遠征する馬は珍しい時代である。遠征するには多大な費用もかかり、失敗したら赤字になるリスクがあった。そんな中でも着実に経験と実績を積み重ねての今がある。

 日本は他国に比べて賞金も高額なこともあり、わざわざリスクの大きい海外遠征は望まれない風潮はまだまだ根強い。

 だが、名誉を得るためには、高い登録料を払ってでも行くべきというのが森師の理念であり、ポリシーともいえる。積極的に海外競馬で日本馬の強さをアピールすることで、海外からどんどん馬を買いに来てもらえて、日高も含めて競馬産業が盛り上がる。森師はそう、信じて疑わない。

 そしてそれをサポートするのが、海外遠征には欠かせないレジェンド武豊の存在。

 次にこのコンビが見られるのは3月のドバイとなる。今度はどんな驚きを我々に見せてくれるだろうか。

2000万円の家を購入しても2000万円貯める方法

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

Getty Imagesより

 先日、「家を買っても2000万円貯められる方法について話してほしい」という依頼があり、日本の南の地方都市に行ってまいりました。この2000万円というのは、例の「老後2000万円不足問題」からきています。

 うかがったのは、人口160万人、歴史のある自然豊かな土地です。家を買う人の経済状況をうかがうと、年齢は30代前半、平均年収400~500万円、夫は正社員、妻はパート、もしくは主婦、子どもは1〜2人ということです。

「甘デジ」最強レベルが激突!「最高峰スペック」や「業界初クギナイン」など「明日から狙える」パチンコ新台!!

 3月も話題作がデビュー予定となっているパチンコ。

 人気シリーズ『アクエリオン』の最新作や、通常時も大当り中も「オール右打ち」と革命的な仕様の『P笑点』、出玉は「オール1500発」とまとまった出玉が期待できる『P真・黄門ちゃま』などなど豪華なラインナップとなっているが……。

 今回は、その中より「甘デジ」分野に注目したい。2日からの週には「絶対に打ちたい」といった声が続出している新台がデビューを果たす。

 まず注目したいのは、業界初の入賞機能「クギナイン」を搭載した『Pホームランキング』(アムテックス製)だ。

「打ち出しからスタート入賞まで主要箇所のクギを無くした」斬新な仕様。従来の機種とは異なる「新しい遊技性」を実現した。6段階設定を搭載した1種2種タイプで、大当り確率は約1/99.9~約1/78.3となっている。

 出玉性能も注目したいポイントだ。連チャンモード「ヴィクトリーモード」中の大当りは全て約1000発。最大期待出玉は約4000発と、甘デジながら高い一撃性を実現した。

 4号機時代を彩った名機『アステカ』のゲーム性を継承した『PAでかちりラッシュ』(メーシー製)も熱い視線を浴びている。

 2段階設定付き甘デジとなっており、CT機の快感を本機の魅力である「でかちりRUSH」で再現した。

 RUSHは小当りと大当りの連鎖で平均「2000発オーバー」の出玉を獲得できる仕様。継続率は時短引き戻し込みで約70%となっている。

 ど派手な役物、各種図柄などのデザインもアステカを完全継承。「伝説再来!!」との言葉に期待は高まる。

 ヒットメーカーSANYOが誇る「海遊パチ」シリーズの最新作も見逃せない。『PAスーパー海物語IN地中海』は、シリーズ史上最高の継続期待値を実現した。

 大当り確率は約1/89.8で、ヘソ当りからの98%は時短なしのST20回となる。ここで大当りを引ければST20回+時短80回の「地中海チャンス」へ突入だ。

 突入期待度は約50%で継続期待度は約78%と、遊びやすい確率ながら十分に連チャンを期待できるスペック。新予告も加わるなど、グレードアップした「地中海」を楽しむことができるだろう。

 同日には、日本中を感動の渦に導いた超ビッグタイトルも登場予定。サミーの新機種『デジハネPあの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は、右打ち中の大当り割合の80%が10ラウンドとなっている点が特長だ。まとまった出玉を狙える仕様となっている。

 今回紹介した機種は3月2日の週より全国導入が開始。ぜひともホールで堪能していただきたい。

ジャニーズの先輩も心配するほど“不仲”深刻…キスマイ、囁かれる解散危機

 20日、ジャニーズ事務所の退所が一斉に報じられた中居正広。そんな中居と縁が深い人気ジャニーズグループといえば、今年で結成15周年を迎えるのKis-My-Ft2キスマイ)だろう。デビューから毎年行なっているコンサートツアーも、今年は4月から5都市13公演を予定しているが、ツアー以外でもバラエティ番組、舞台などで精力的にグループでの活動を続けている。

 もともとバラエティでのスキルが強いものの、まだピンで仕事をするには力量不足のメンバーもいるというのがその理由とされるが、キスマイから生まれた派生ユニットで中居がプロデュースを務めていた「舞祭組」の横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永は2月9日から東京グローブ座舞台『〇〇な人の末路~僕たちの選んだ××な選択~』に出演中。舞祭組に限っては芸人ばりに体を張る仕事も任せられると業界内でも評価は上々だが、二階堂が今年で30歳を迎えると千賀以外がオーバー30。そろそろ体を張る仕事も控えたいところだろう。

「そもそも結成時から仲が良い時期なんてあったのかな? と思うほど、仲が良くないことで有名なグループですからね。ファンもそれをわかっているし、メンバーもファンがどんな思いで自分たちを見ているのかを理解した上で活動をしているので、良い意味で冷静に自分たちの立ち位置が見えているグループです。

 ただ、藤ヶ谷、北山、玉森あたりは個々の仕事も増えており、特に玉森は俳優として結構評価も高いので、グループ活動を負担に思う瞬間はあるでしょう」(テレビ局関係者)

 もともとジャニーズファンの間でも“次に解散しそうなグループ”と認識され、嵐のようにメンバー愛を語るようなグループではない。

「2年前に渋谷すばるが関ジャニ∞を脱退、事務所を退社し、昨年は同じく関ジャニ∞の錦戸亮も渋谷と同じ道を歩んだ頃から、キスマイメンバーの“バラバラっぷり”に拍車がかかっているみたいですね」(業界関係者)

先輩タレントは「スタッフも気遣わない?」とヒヤヒヤ

 そんなキスマイに関して心配するのはファンだけではないようだ。

「音楽番組の収録現場などでキスマイを見たジャニーズの先輩タレントさんなんかは、収録後などに結構深刻そうに周囲に『大丈夫なの?』って聞いたりしていますね。キスマイのメンバーたちはカメラが回ってないときは無言のことが多いので、先輩タレントのなかには『あれだけ仲悪いとさ、スタッフも気を使わない?』などと口にしている人もいるようです。

 キスマイもかなりキャリアを重ねて、ジャニーズのなかではもう若手とはいえない域に入ってきていることもあり、事務所の人間も注意しにくくなってきたとは思います」(芸能事務所関係者)

 気になるグループ内の人間関係だが――。

舞祭組の4人に限ってはソロでの活動が厳しいということもあり、グループ活動に前向きですが、とにかく藤ヶ谷と北山の仲が相当悪い。玉森は基本的に自分のペースで単独行動が多い、という構図ですね。解散危機かと言われれば、“ずっと前から常に解散危機”みたいな状態で、逆にそれが定着しちゃってるみたいな感じです」(業界関係者)

 キスマイの結束が強まるきっかけが今、必要なのかもしれない。

(文=編集部)

エガちゃん公式チャンネルの裏に「『ぷっ』すま」スタッフ…地上波→ネットの人材流出深刻

 NetflixHuluAmazonプライムといった定額制の動画配信サービスが隆盛を極めつつある昨今、地上波テレビからネットへの“スタッフの流出”が止まらないという。

「今や地上波の連続ドラマや映画よりも、ネット配信ドラマの制作費のほうが大きい時代ですからね。『全裸監督』(Netflix)などは、1話あたりの制作費が1億円ともいわれています。当然スタッフに支払われるギャラも高くなり、その結果、地上波から人材がどんどん流出しているということです」(メディア関係者)

 地上波からネットへのスタッフ流出は、ドラマに限った話ではない。バラエティーのスタッフもまた、ネットへと活躍の場を移しているのだ。バラエティー番組に関わる構成作家A氏はこう話す。

「ドラマと同様にバラエティー番組でも、ネットのほうが制作費が高くなりつつありますね。地上波では街中で素人を捕まえるようなロケが多いのに、ネット番組ではサラッと海外ロケに行くこともある。ケンコバさんとくっきー!さんがエジプトに行った番組には驚きましたよ」

 その番組とは、NTTドコモが提供する「dTVチャンネル」内の「ひかりTVチャンネル+」で今年1月より配信開始された『ケンドーコバヤシ&野性爆弾くっきー! JoJoジャーニー』だ。ケンコバとくっきー!の2人が、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)の舞台となった地を巡る旅番組で、実際にエジプトまで行ったのだ。

 dTVチャンネルは、ケーブルテレビのように複数の専門チャンネルをパソコンやスマホで見られるという有料サービス。番組表に沿ってリアルタイムで番組が配信されているものだが、番組によっては見逃し配信で配信後の番組を見ることもできる。

「dTVチャンネルは携帯キャリアであるNTTドコモが母体ということもあって、番組の制作費が潤沢なことが多いですね。当然、スタッフへのギャラも地上波よりも高いし、長年の慣行で実際の支払いサイクルもいい加減なこともあるテレビ業界に比べ、きちんきちんと支払ってくれるのが助かります。バラエティーのスタッフたちも最近では、“dTVの仕事がしたい”なんて話をしていることも(笑)」(A氏)

“アイデア泥棒”の地上波テレビ業界

 地上波の番組では、ときにギャラが支払われないようなことさえあるという。A氏が明かす。

「地上波の番組企画を考えてほしいということで、いくつかネタ出しをしたり、打ち合わせをしたりすることもあるんですが、特にギャラが支払われないままというケースも珍しくないんです。正式に仕事のオファーを受けたわけではないので当然なのかもしれないし、ノーギャラで協力しておくことで人脈もできて後々仕事をもらえるという側面もあるのは事実。でも、事実上のアイディア泥棒、タダ働きなのでは……と思ってしまうことがあるのも事実。

 一方ネット番組の場合、そういったことはほとんどない。最初から“番組1本〇〇万円でお願いします”という感じで事前にギャラを提示された上でオファーされることが多い。フリーランスの構成作家にしてみれば、きちんとギャラがもらえるかどうかは死活問題ですからね。確実にもらえるネットのほうに人材が流れていくのは、なおのこと仕方ないのではないかと思います」

江頭2:50公式チャンネルを手掛ける『「ぷっ」すま』スタッフ

 また、昨今増加中のタレントが開設するYouTubeの公式チャンネルにおいて、実際の制作作業をこれまで地上波で仕事をしてきたスタッフが手掛けることが増えているという話もある。

「たとえば、今話題の江頭2:50さんのYouTubeチャンネルは、「『ぷっ』すま」で江頭さんと仕事をしてきたスタッフが動画を制作しています。また、若手芸人の公式チャンネルなどは、バラエティー番組を手掛けている構成作家が関わっていることも多いですね。ちょっと前のYouTubeであれば、ネット動画専門のスタッフが多かったのですが、今は別のメディアからネットに入ってきた人がかなり増えています。その影響もあってか、YouTubeの動画の編集傾向が、ちょっとずつ地上波っぽくなっているともいわれていますね」(前出・メディア関係者)

 スタッフも動画の内容も、どんどん垣根がなくなっている地上波とネット。もはや両者を分けて考えることこそが時代遅れなのかもしれない。

(文=編集部)