ニトリ、“お値段未満”な冬商品5選…乾きにくいバスマット、寝返りでズレまくる敷きパッド

 日本の家具・インテリア業界大手である「ニトリ」。その歴史は1967年12月の札幌で始まり、1993年3月に茨城県ひたちなか市で本州第1号店をオープン以降、全国47都道府県に出店。2020年12月17日現在の日本国内の店舗数は567店に上り、台湾や中国、アメリカにも進出している。

 2020年11月13日にはホームセンターを展開している島忠が、ニトリを運営するニトリホールディングスとの経営統合に合意したと発表。さらには、34期連続増収増益が確実視されているなど、世界的に新型コロナウイルス感染症が流行している状況ながらも上り調子にあるようだ。

 ニトリは“お、ねだん以上”というキャッチコピーで知名度を向上させ、そのコピーに恥じない優秀なコストパフォーマンスを実現させた商品が数多い。しかし、なかには残念ながら“値段未満”のクオリティだとユーザーから指摘されるような商品も、ちらほらと見受けられる。

 そこで「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は、ニトリで販売されているアイテムをリサーチし、「この冬、買ってはいけないニトリ商品」5つをピックアップした。調査班が独断で選出したものではあるが、ニトリでのショッピングで役立てていただければ幸いである。

スリムペダルペール20L(LGY-N)(ゴミ箱)/999円(税込、以下同)

 毎日の生活に必要不可欠なゴミ箱。ニトリでもさまざまなゴミ箱が販売されており、2020年5月4日付当サイト記事『ニトリ、部屋がオシャレになる日用品4選&楽にお茶やコーヒーがつくれる斬新ポット』で紹介した、「袋が見えにくいダストボックス チューブラスクエア」はその代表例だ。

 同じくニトリのゴミ箱である「スリムペダルペール20L(LGY-N)」は幅20cm、奥行35.5cm、高さ45cmで、ペダルで開閉するフタが付いていることが特徴。だが、こちらは残念ながらおすすめしづらいアイテムとなっている。

 購入したユーザーから指摘されている主な難点は、ペダルでフタを開けたときにゴミ箱自体が動いてしまうことと、ゴミ袋の取り付けづらさの2点。重量が約1.1kgとかなり軽いので、ゴミが入っていない状態ではフタの開閉で動きやすいうえ、袋止めが正面から見て左右に付いているため、なかなかきれいに取り付けられないのである。単純な使いやすさで選ぶのであれば、この商品は選択肢から外したほうがいいかもしれない。

バスマット(テリー2 35×50)/407円

 温かい風呂が恋しくなる冬は、バスグッズを買い揃えて入浴の時間をより豊かにするのにちょうどいい時期だろう。

 さて、風呂上がりの足の裏の水分を拭き取り、床が濡れてしまうのを防ぐバスマットは、普段はなかなかその恩恵を感じることは少ないが、大事なバスグッズのひとつ。しかし、「バスマット(テリー2 35×50)」は1枚407円と、ニトリのバスマットのなかでも手軽に購入できるアイテムなのだが、そのクオリティには批判的な意見も寄せられている。

 肌触りの良さと速乾性はバスマットに求められる重要な要素。しかし、この商品はやや薄めで乾きづらい欠点を抱えているのだ。試しに使用してみたところ、夜に入浴したときに吸った水分が翌朝までしっかり残ってしまっていた。ふわふわとしたやさしい踏み心地や、速乾性を重視するのであれば買い控えるべきだろう。

ゴム無し敷きパッド シングル(Nウォーム モイストoMOS)(マットレス)/3990円

 ニトリを代表する商品である「Nウォーム」シリーズ。テレビCMで名前を聞いたことがあるという方も多いのではないだろうか。人気シリーズということもあって高い評価を受けている商品がいくつもあるのだが、なかにはこの「ゴム無し敷きパッド シングル(Nウォーム モイストoMOS)」のように不評な商品も存在する。

 このアイテムは、しっとりとした肌触りと保湿機能を備えたNウォームモイストの寝具で、ゴムバンドがないためそのまま置くだけで使えることが最大の特徴だ。

 しかし、シリコーン樹脂の滑り止めによって「ズレにくい」と商品説明に記載されているにもかかわらず、使っていると簡単にズレてしまうと、購入者から批判されているのである。寝返りをよく打つという方は、ゴムバンド付きの敷きパッドを購入したほうが賢明かもしれない。

水で洗えるふさふさバスクリーナー/814円

 肌寒い冬の風呂掃除は体が冷えないうちにパパっと終わらせたいと思う方も少なくないはず。そんなときに役立つのが、自ら浴槽の中に入らずとも掃除ができるバスクリーナーだ。

「水で洗えるふさふさバスクリーナー」はポリプロピレン製の網目繊維によって、その名の通り、洗剤を使わずに風呂場全体を掃除できることが特徴の商品。一見すると非常に便利に思えるが、ユーザーからの評価は芳しくない。

 最大の問題点はクリーナーとしての性能の低さ。“力を入れずになでるだけで石鹸カスやヌメリが落とせる”という謳い文句なのだが、実際に使ってみると、一度では汚れを落としきれないことも多く、ゴシゴシと力を入れて拭き取らなければならなかった。無理にこのアイテムで掃除するよりも、スポンジと洗剤を使ったほうがよっぽど早く終わるだろう。

吊り下げティッシュケース/814円

 鼻水が出やすい冬は、必然的にティッシュを使う機会が増える季節でもある。ティッシュの箱を収納するティッシュケースは、部屋をよりオシャレに演出し、机の下に吊り下げてデッドスペースを有効活用するなど、さまざまな用途に使うことができる便利グッズだ。

 この「吊り下げティッシュケース」は、取っ手の長さが2段階に調節可能で、取っ手を外すことで普通のティッシュケースとして使うこともできることが魅力。しかし、取り出し口が狭くティッシュが取り出しづらいと、購入者から不満の声が上がっており、実際に使用してみたところ、取り出し口に引っかかってティッシュが破けてしまうこともあった。

 ニトリでは、昨冬の当サイト記事『ニトリ、今冬“激売れ&革新的”な日用品5選…着る毛布、冷蔵庫脇ラック』で紹介した「ティッシュケース NOSETE2」のように、優秀なティッシュケースも販売されている。ニトリでティッシュケースを買いたいときは、ほかの商品を選んだほうがいいだろう。

 ニトリ商品は優秀なものが多いが、なかには期待した用途に使えないものも少なからずあるようだ。値段や宣伝文句で即決せず、慎重な買い物を心がけてほしい。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」 from A4studio)

※情報は2020年12月17日現在のものです。

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出玉「8万発」情報も浮上の『初代・牙狼』超えパチンコも話題に! 快進撃を見せたヒットメーカー「確変突入率100%」の激アツ新台を発表!!

 昨年もパチンコ分野を大いに盛り上げたサンセイR&D。「スペック革命」「遊び方革命」「保留玉革命」が特徴の『P笑点』や、「三冠ドリームスペック」を搭載した『P GI DREAMROAD』を発表し注目を集めた。

 その中でも特に大きな反響が寄せられたのは、同社を代表する大物シリーズ『牙狼』である。

 上半期は、シリーズで登場する絶狼を主役としたスピンオフ作品『P10カウントチャージ絶狼』がホールに熱狂を呼び込んだ。

「初代牙狼を超える」と宣言した本機は「最高峰の時間性能」が最大のウリ。1セット約148秒という高速消化を実現し、さらに右打ち時はALL1500発という一撃性の高い性能が好評を得た。「終日で8万発」といった出玉報告が浮上したこともあり、興味を示すユーザーが日に日に増えていた印象だ。

 下半期には高速爽快STを搭載した『P真・牙狼』がデビュー。演出やスペックなどを一新した仕上がりに期待の声が続出していた。

 スピードを徹底強化しており、高い一撃性も有している本機。こちらも「約9万発の出玉を目撃」といった景気の良い情報も浮上している。新解釈基準に対応した時短も搭載するなど、シリーズの進化を感じさせる仕上がりだ。評価する声が聞こえたことも納得できるだろう。

 2020年も抜群の存在感を放っていたサンセイR&D。そんなヒットメーカーは、今年もファンを釘付けにしそうな気配だ。

 12日からの週には『PAキャプテン翼 石崎バージョン』を導入予定。人気キャラクター石崎了をフィーチャーした本機は、大当り確率が1/39.96で18回セットがループするという仕様となっている。遊びやすくも、まとまった出玉が狙える点が特長だ。

 2月にはパチンコ新台『Pジューシーハニー3』がホールへ降臨予定。三上悠亜や紗倉まななど総勢20名の人気女優による進化した演出は、これまで以上の興奮を与えてくれそうである。

 バランスに優れたスペックや、通常時623回転消化で946回転の時短が発動する遊タイムも魅力。確かな実績を持つ人気シリーズが、新時代でも旋風を巻き起こせるかに注目したいが…。

 サンセイR&Dは、さらなる激アツ新台を発表。「確変突入率100%」「遊タイム搭載」「全大当り後 電サポ回数100回転以上」と宣言する、「安心・安全・安定」スペックが熱視線を浴びている。

 新機種『P笑ゥせぇるすまん 最後の忠告』のPVがYouTube公式チャンネルで公開中。映像ではスペックの一部や、迫力ある筐体の様子を確認することができる。

「気になるスペックは、大当り確率1/219のライトミドルタイプ。RUSH突入率100%、全ての大当り後に100回+αの電サポが付与、時短800回の遊タイムを搭載と安定感は抜群です。また10R(1500発)比率が50%と、一撃にも期待できそうな印象ですね。

スペック以外にも興味を掻き立てられる演出面の内容を紹介。早くも期待の声があがっています。特に大当りorモード終了まで継続する『デッドオアアライブモード』は、最高のスリルを感じられそうな気配。総合的に好評を得そうな仕上がりではないでしょうか」(パチンコ記者)

「安心・安全・安定」を宣言する『P笑ゥせぇるすまん 最後の忠告』が、パチンコ新時代で旋風を巻き起こすのだろうか。導入は3月を予定している。

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ブランドビジネスの大変革!「D2C」を成功させる三つの鍵は?

D2Cとは「Direct To Consumer」の略称。

企業や個人が小売店舗や流通を介さずに、自社サイトで生活者に直接商品やサービスを販売するビジネスモデルのことです。

ビジネス界で近年、最も話題になっている言葉のひとつではないでしょうか?

しかしながら、

実は何をもってD2Cブランドと定義されるのか、理解が追いついていない

人も少なくないかもしれません。

本連載では、電通と共に企業のD2Cブランド開発を支援するパートナー、インフルエンサー・マーケティング会社タグピクのファウンダー兼会長にして、D2C専業マーケティング会社マルシェのブランドプロデューサーでもある泉健太氏に、D2Cビジネスの全体像を解説してもらいます。

今回は、従来型のECとは異なるD2Cブランドの本質や、日本企業ならではのD2C市場の攻め方、D2Cビジネスに欠かせない事業開発のプロセスや必要人材など、これから始めたい企業が必ず押さえておくべきポイントを聞きました。

<目次>
D2Cの本質は①世界観への共感②ユーザーへの利益還元③SNSインフルエンサーの拡散力
D2C流行の背景にある、「消費行動の民主化」とは?
アメリカと日本のD2C事情。「体験価値を損なわない物流」が、日本のD2C発展を後押しする!
中国と日本のD2C事情。日本の“伸びしろ”を握るインフルエンサー
「ネットでも売る」ではなく「完全な新規事業」として捉えるべし
D2Cは「総合格闘技戦」!…そのココロは?

 

・泉健太氏とは?
タグピクのファウンダー兼会長。自身のSNSアカウント「@nikuterrorist」ではInstagram/TikTokを中心にフォロワー43万人超を有する美食家インフルエンサーの顔を持つ、ハイブリット系経営者。
金融業界と上場企業のプロ経営者の経験を生かし、ブランディングと戦略コンサルティングで数多くの企業価値を向上させてきた“上場請負人”でもある。
・タグピクとは?
日本およびアジア圏に5000人のインフルエンサーを抱え、SNSブランディングによる共感形成の領域でトップクラスの実績を持つインフルエンサー・マーケティング会社。
泉氏や共同創業者の代表取締役・安岡あゆみ氏ら、役員や社員も現役インフルエンサーとして活躍し、SNSやD2Cの成功法則を知り尽くしている。2020年9月、D2C専業子会社「マルシェ」を設立。https://tagpic.jp/
・電通とタグピク
電通は、タグピクおよびそのグループ子会社でD2Cブランド開発を専門とするマルシェと業務提携を結んでいる。(詳しくは広報リリースを参照
     

D2Cの本質は①世界観への共感②ユーザーへの利益還元③SNSインフルエンサーの拡散力

今やあらゆるビジネスシーンで登場する「D2C」というワード。日本では「自社製品をデジタル広告とCRMを駆使して、ネット通販メインで売るビジネス」と理解されていることが多いが、泉氏は「D2Cと従来のネット販売専業のブランドは、根本的に別物」という。
今やあらゆるビジネスシーンで登場する「D2C」というワード。日本では「自社製品をデジタル広告とCRMを駆使して、ネット通販メインで売るビジネス」と理解されていることが多いが、泉氏は「D2Cと従来のネット販売専業のブランドは、根本的に別物」という。

D2Cというビジネスモデルは、近年はバズワード的に大きな盛り上がりを見せています。

アメリカではここ数年で、いくつものD2Cブランドが巨額の資金調達を達成し、「ユニコーン企業」(※)となっています。日本でもスタートアップを中心にD2Cビジネスを始める企業が急増しており、投資家や企業から熱い視線を浴びています。

※ユニコーン企業=時価総額10億ドルを超える未上場のベンチャー企業のこと。

 

D2Cとは端的にいえば、「生活者に直接モノを届けること」です。

「以前から、自社サイトで商品・サービスを売るEコマース(EC)はあったけど、何か違うの?」

と思われるかもしれませんが、私は現在確立されつつあるD2Cブランドには、従来型の自社サイトにはない三つの特徴があると考えています。

D2Cブランドの特徴①世界観を伝えるUX設計

D2Cブランドの特徴は、「ブランドストーリーをオンライン上で伝える」ことを大事にしている点にあります。

モノが出来上がるまでのストーリーや、原材料や素材に対するこだわり、つまり「何を背景に」「誰が」「何のために」つくった商品・サービスなのかを伝えるUX設計が求められます。

従来型の自社サイトは、商品・サービスの機能の特徴や成分など、ファクトを訴求する場として活用するケースがほとんどでした。それが今、大きな転換点を迎えています。

D2Cブランドでは、SNSを中心としたあらゆる接点を通してブランドの世界観を提示し、その全ての接点で一貫したユーザー体験を提供します。そして、それに「共感」した生活者は、商品と共に、いわばその世界観を手に入れます。

さらに購入後も、SNSやメールマガジンなどのデジタル接点で繋がりを持つことにより、共感度の高いユーザーとのコミュニケーションは続き、リピートやインフルエンスを促すためのファン形成が重視されます。

これまでは、メルマガ配信や広告施策による“発信者主体”のコミュニケーションが多かったのに比べ、あくまでファン形成を目的に、“ユーザー主体”で一連の購入前・後の体験価値がしっかりとデザインされているところが、従来のネット通販との大きな違いです。

D2Cブランドの特徴②ユーザーへの利益還元

D2Cブランドでは店舗を持たず、流通を介さないケースが多いため、コストを抑えることができ、その観点では利益が出ます。

その余剰利益を、ユーザーに対し「価格で還元し、安く設定する」か、「価値を還元し、店舗では手に入らないものを売るor付加価値を増やす」かの2択になります。

特に、後者の「余剰利益を高付加価値に転換する」仕組みが重要です。

例えば原材料や素材にこだわれば、ユーザーは原価率の高い商品を手に入れられますし、箱のデザインに注力すれば、開けるときの高揚度が上がり、より上質な体験価値を提供できます。

D2Cブランドの特徴③SNSインフルエンサーの拡散力

従来のブランドはメディアを活用したプロモーションが主流でした。D2Cブランドのプロモーション戦略では、個のインフルエンサーを起点としたSNSでの情報発信が重要な鍵を握ります。

近年は生活者がSNSを“情報収集ツール”としても使うようになったことで、特にミレニアル世代以降を中心に、インフルエンサーによるSNSでの発信は影響力を増しています。

テレビや雑誌で一度も見たことがないブランドでも、信頼しているインフルエンサーがSNSでレコメンドした商品なら購入する、という購買行動も起きているのです。

こうしたインフルエンサーをD2Cブランドのエバンジェリストとして捉え、その拡散力を最大限に活かすことで、従来型の広告に依存しないプロモーション展開が可能になります。

昨今、時流に乗っているD2Cブランドの中には、商品化される前の開発段階からインフルエンサーをアサインし意見交換するブランドや、インフルエンサーをプロモーションの主軸に置いたブランドも増えてきています。

ブランドのストーリーや世界観を伝えるUX設計、ユーザーへの利益還元、SNSインフルエンサーの拡散力、この3点がD2Cブランドの根幹にあることを、まず押さえておきましょう。

D2C流行の背景にある、「消費行動の民主化」とは?

上図は、ブランド企業と生活者に現在起こりつつある大きなシフトを整理したもの。かつてはバラバラに存在していた「購買」を構成する各要素が、Instagramを主とするSNSの発展と、個のエンパワーメントにより、強く相関するようになっているのが分かる。
上図は、ブランド企業と生活者に現在起こりつつある大きなシフトを整理したもの。かつてはバラバラに存在していた「購買」を構成する要素が、Instagramを主とするSNSの発展と、個のエンパワーメントにより、強く相関するようになっている。

D2Cが急成長を遂げている理由のひとつに、生活者による「消費行動の民主化」が挙げられます。

2000年代以降、大手ECプラットフォームの隆盛によってインターネットでモノを買うことが当たり前となりました。やがてモノやお店を評価するサイトや口コミ機能が一般化し、生活者の消費行動が少しずつ変化してきました。

もちろん現在も、大手ECプラットフォームは強い影響力を持ちますが、ここ数年間で、さらに生活者は変化しています。

評価やレコメンドをうのみにするのではなく、例えばInstagramでおいしいお店を見つけ出すなど、生活者が自分で「発見」したり、「検証」したり、一連の消費行動プロセスに価値を見いだしてモノを買う消費スタイルが、ミレニアル世代以降を中心に急増しています。

一方的に与えられたモノを購入するのではなく、生活者が自分でモノを選んで購入する。あるいは、自分が信用する友人やインフルエンサーがレコメンドするモノを購入する。

その判断基準が、

ブランドのストーリーや世界観に自分が共感できるかどうか

なのです。

従来は受け身だった生活者に起こった変化は、極端にいうと「消費行動の民主化」です。「みんなが持っているモノ」よりも「自分の価値基準で選ぶコト」を大切にする生活者が増えたことで、消費はより“生活者主体”へとシフトしています。

そして情報収集の手段も変化しています。4マス(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)しか存在しなかった時代と比較すると、生活者が検索サイトを使うようになり、さらに進んで今ではSNSが影響力を増しつつあります。

企業の意向が反映された広告や評価サイトの情報よりも、SNSで友人やインフルエンサー、あるいは他の生活者によって発信される情報の方が、ニュートラルで信用できるものだと認識されているのです。

既に述べたように、D2Cブランドの本質は、SNSを中心に、商品のストーリーや世界観への「共感」を生み出すことと、店舗を持たない/流通を介さないことで生まれる余剰利益を、ユーザーの体験価値向上に還元できることです。

ブランドはまずSNS上で生活者に「発見」され、ストーリーに「共感」してもらい、上質な「体験価値」を提供します。そして、ブランドに共感した生活者は、個人のうそ偽りのないレコメンドを「発信」する。その発信を見た別の生活者が、また新たにブランドの世界観に触れて「共感」するというサイクルが確立されていきました。

D2Cブランドが、SNSを主戦場として発展を遂げてきたのは必然だったといえそうです。

アメリカと日本のD2C事情。「体験価値を損なわない物流」が、日本のD2C発展を後押しする!

楽しみにしていた商品を受け取り、開封する一連の流れも重要なユーザー体験だ。当たり前のようで、実は世界では当たり前ではない「注文した品物が発送した状態で、速やかに、きれいな状態で届くのが当然」という物流環境は、日本独自のD2Cブランドの発展につながる。
楽しみにしていた商品を受け取り、開封する一連の流れも重要なユーザー体験だ。当たり前のようで、実は世界では当たり前ではない「注文した品物が発送した状態で、速やかに、きれいな状態で届くのが当然」という物流環境は、日本独自のD2Cブランドの発展につながる。

D2Cはアメリカで産声を上げ、近年は中国でも流行しつつありますが、ここで日本とアメリカ・中国との違いを整理してみましょう。

まずアメリカと日本の比較ですが、大きく「国土・店舗・物流」という条件に違いがあります。

国土はアメリカの方が圧倒的に広く、その分、ヒトやモノの移動に時間がかかることが多くなります。

店舗についても、日本ではコンビニエンスストアや総合スーパーなど、何でも揃う店が全国各地の住宅地で充実していますが、アメリカでは多くの場合、都市部でない限りは、自動車を遠くまで走らせないと、そういったお店にはたどり着けません。

また、日本の小売店は接客やサービスに均一性があり、国内のどこの店舗に行ってもある程度同じサービスが期待できるなど、小売の利便性は日本の方が高いといえるでしょう。

そして日本の最大の強みが、高度に発達した物流ネットワークです。日本はアメリカなど他国と比べて、冷蔵・冷凍の管理も含めた配送の品質管理レベルが非常に高いのです。

ブランドとデジタルで接点を持って、購入まで至った生活者は、自宅に届いた商品を受け取り開封するときにも、一貫した世界観やユーザー体験を期待します。

その点、日本の優れた物流網は、「商品が届いたときの体験価値」を損なわない点で、D2C市場の発展において非常に優位性があるのです。 

ご参考までに、マルシェで展開しているブランシェ・ショコラの、以下のブランドサイトとSNS投稿動画をぜひ見てみてください。

[まるでハイブランドのジュエリーBOXのような体験価値のデザイン]
https://branche-chocolat.jp 
 
[化粧箱の開封イメージ]
https://www.instagram.com/p/CFrPxfBDu6X/
 

中国と日本のD2C事情。日本の“伸びしろ”を握るインフルエンサー

自分の価値観や世界観を重視する生活者が増える中、SNS上で多くの共感を集めるインフルエンサーの役割が大きくなった。特に中国では、企業が自社の世界観にマッチしたインフルエンサー(KOL)を起用する「ライブコマース」が盛んだ。
自分の価値観や世界観を重視する生活者が増える中、SNS上で多くの共感を集めるインフルエンサーの役割が大きくなった。特に中国では、企業が自社の世界観にマッチしたインフルエンサー(KOL)を起用する「ライブコマース」が盛んだ。

続いて中国と日本を比較してみましょう。最大の違いは、中国では、ECにおけるインフルエンサー(Key Opinion Leader、KOLと呼ばれます)の影響力が強く、ライブ配信の比率も高いことです。

企業とタイアップしたインフルエンサーがライブ配信しながら商品を販売する「ライブコマース」の文化も、中国ではすっかり根付いた感があり、その市場規模は、2021年には2兆元(約31兆円)に達するといわれています(※)。しかし日本では、まだ市場の創造期の段階でしかありません。

※ 日本貿易振興機構(ジェトロ)資料よりhttps://www.jetro.go.jp/biznews/2020/10/a96bbe55659f00d6.html
 

その背景には、もともとの文化や習慣の違いがあります。例えば日本だと、街中でボイスメッセージで友人とコミュニケーションをとったり、自分のスマホから音声を流す習慣はありません。このような違いから、中国ではライブ配信からのコマースが非常に発展し、“しゃべれてモノが売れる”インフルエンサーが急増しています。

日本でもコマース領域で活躍するインフルエンサーが徐々に登場していますが、中国とは異なる、日本ならではの形態が生まれるのではないかと思っています。

今はYouTubeが最もインフルエンサーにとって稼げるプラットフォームですが、今後のInstagramやTikTokのマネタイズプログラムによっては大きく変化する領域なので、プラットフォーム側の動向を注視しておく必要があります。

ここまでをまとめると、日本市場はD2Cブランドを展開するに当たって、

  • 小売や物流など、ユーザー体験に大きく影響する要素のレベルが高い
  • インフルエンサーの台頭など、成長の余地が大きい

といったメリットがあると考えられます。

現状、日本のD2Cブランドは、一部のスタートアップ企業によるラグジュアリー商品、ニッチ商品、コンプレックス商品などが先行しています。

しかし、アメリカではD2Cブランドを大手ブランド企業が買収するフェーズに差し掛かっており、アメリカや中国での急速な市場の広がりは、当然日本企業にも影響を与えます。

これからは、ナショナルブランドや大手ブランド企業も確実に参入し始め、D2Cで扱われる商品ジャンルも多様化していくことでしょう。

「ネットでも売る」ではなく「完全な新規事業」として捉えるべし

D2Cは「既存のラインアップをネット通販に切り替える」「ネットでも売るようにする」といった考え方ではなく、完全な「新規事業」として設計することが成功のポイント。特に重要なのは世界観・ストーリーづくりだ。
D2Cは「既存のラインアップをネット通販に切り替える」「ネットでも売るようにする」といった考え方ではなく、完全な「新規事業」として設計することが成功のポイント。特に重要なのは世界観・ストーリーづくりだ。

さて、実際に日本企業がD2Cブランドを始める上で何が必要なのでしょうか。その心構えから整理しましょう。

●ユーザー体験価値の設計

まず、ブランドとして考えるべきは、とにかく「ユーザー体験価値の設計」です。生活者がブランドに「接触する前」「購入時」「購入後」全ての体験価値をデザインする必要があります。

どのように生活者の目に触れて、どのように注文され、どんな状態で届き、どう開けられて、どう食べられて、どんな写真が撮られるのか。その後、どのタイミングでリピート購入するのか。ユーザー体験のすべてを計算して、商品設計やUI・UX設計を行うのが、D2Cです。

中でも実際の売り場となるブランドサイトのデザインやUIは重要です。ストーリーや世界観をつくり込むためには、コンテンツ構成、キャッチコピー、写真など、一つ一つのクオリティーにこだわらなくてはなりません。

ときどき、D2Cブランドを立ち上げようとしている企業から

「商品写真はカタログや大手ECサイトで使っているものがすでにあるので、それを使えませんか」

と言われる残念なケースがあり、お断りする場合もあります。紙に合ったクリエイティブと、SNSで映えるクリエイティブはそもそも異なりますし、既存の素材の使い回しでは世界観を十分に伝えることはできません。

D2Cを始めるのであれば、もともとのブランドを、「新たなD2Cブランド」として完全にイチから立ち上げ直すマインドセットが必要なのです。

ちなみに当社のブランシェ・ショコラにおいては、独自の世界観を表現するため、フォント自体をオリジナルで開発し、サイトや印刷物のディテールの表現の一つ一つにこだわっています。

また、企業には「そもそもD2Cにふさわしい商品なのかどうか」の判断も求められます。日本は小売や流通が発達しているので、低単価商品などは、駅前のコンビニやカテゴリーショップで販売した方が圧倒的に効率よく売れることもたくさんあります。流行しているからと、なんでもD2Cに切り替える必要はありません。

そして、後述しますが、D2Cをビジネスに取り入れるとしても、今までの店舗・チャネルは当然ながら重要です。

●ユーザーへの利益還元

そして、D2Cには「ユーザーへの利益還元」が欠かせません。そもそもオンラインでモノを購入するということは、送料がかかります。小売店や送料無料の大手ECプラットフォームでも購入できるものを、生活者はわざわざ送料を自己負担してD2Cブランドで買いたいとは思わないでしょう。

そこで、D2Cブランドにおいては、流通や小売の手数料をカットした分、生活者が送料を負担してでも買いたくなるような「付加価値」の提供が必須です。

つまりD2Cにふさわしい商品やサービスとは、高付加価値型の商品の方が向いています。生活者の共感を生むようなストーリーや世界観を構築できるもの、品質へのこだわりがあるものです。

必ずしも「品質の良さ」だけでなく、生活者の立場で考えて「送料を負担してでも買いたくなる要素」は全て付加価値となります。

先に述べたように、現在のD2Cは美容・ファッション、嗜好品やラグジュアリーブランド、コンプレックス商材などが主流です。本来は冷凍で輸送できるケーキ・スイーツなど「サイズがあり持ち運びにくい商品」や、水・お酒などの飲料、米、ドッグフードなど「小売店で買うと重たくて持ち運びにくい商品」もD2Cとの相性が良いでしょう。

まとめると、D2Cは「今までの商品を、自社のネットショップでも売る」という思考ではなく、「新規事業」として捉えることがポイントです。

D2Cにふさわしい商品を新しく開発する

既存商品であれば、D2Cブランドにふさわしいものとして完全に再設計する

というマインドセットを持ちましょう。

D2Cは「総合格闘技戦」!…そのココロは?

今、ビジネスは、ブランドのファンを増やし、長期的なコミュニケーションを取っていくものになりつつある。D2Cという形態は、そうした時代に欠かせない大きな武器といえる。
今、ビジネスは、ブランドのファンを増やし、長期的なコミュニケーションを取っていくものになりつつある。D2Cという形態は、そうした時代に欠かせない大きな武器といえる。

D2Cで大事なのは、ブランドに共感してくれた生活者との長期的なコミュニケーションです。

つまり、単に商品を開発して売って終わりではなく、

  • 生活者の共感を集めるためのコミュニケーション設計
  • 認知から購入までの導線設計など、ECソリューションの実装
  • SNSマーケティング・戦略PRの実施
  • データマーケティング(CRM、顧客管理)

といった一連のサービス設計が必要になります。

そのためには、まず市場やターゲットの選定から始まり、リサーチャーやコピーライターを交えてブランドコンセプトを策定します。

その後、外部パートナーの選定も含めたプロジェクトチームの組成を行い、プロダクトの内容に応じて、その領域に詳しい専門家を入れながらプロダクト企画・開発を行います。

ブランドの世界観を左右するデザイナーやコピーライター、顧客体験価値を設計するUI/UXデザイナー、SNSマーケティングの専門家は外部のスペシャリストをチームに迎え入れることをお勧めします。

今回はD2Cの概要を伝えることが目的なので、具体的なプロジェクトの進め方や必要な人材などについては、別の回でまた触れます。

最後に、D2Cオーダースーツブランドの「FABRIC TOKYO」の森社長も記事でそう発言されていましたが、私たちは、D2Cビジネスの難しさを「総合格闘技戦」と呼んでいます。

SNSがD2Cにおける“主戦場”であることは今回解説した通りですが、マスメディアや小売、ECプラットフォームといった既存チャネルの存在を無視していいわけではありません。

タグピクで扱っているD2Cブランドも、商材に応じて雑誌社などマスメディアとのリレーションを大切にしています。また販売チャネルも、自社サイト一本とは限らず、大手ECプラットフォームを活用することもあります。

また、D2Cではリアル店舗の位置づけも変化します。マットレスのCasperや眼鏡のWarby Parkerなど、アメリカのD2Cブランドがこぞってニューヨークのソーホー地区に店舗を出店したように、リアル店舗でしかできない「体験価値」の提供ができるからです。

これまでのリアル店舗は「売り上げ」が主な指標となっていましたが、D2Cではブランドの世界観やストーリーを体験する場として店舗があり、実際に購入するのはオンラインでもよかったりします。

店舗の役割が変化するなら、店舗オペレーションも再設計する必要があります。例えば、

  • SNSへの誘導率やLINE@への登録率を店舗のKPIに設定する
  • ソーシャル力やインフルエンス力が高い人材を店舗スタッフに登用する

など、店舗へのインセンティブを設計するために、人事部門も巻き込んだ戦略構築が考えられます。

ちなみに、「リアル店舗における体験価値の提供」は、スタートアップ企業よりも既に自社店舗や流通ルート、知名度を備えている大手ブランド企業やナショナルブランドに優位性があると考えています。

ただ、忘れてはならないのは、ブランドのストーリーや世界観を伝えられないECプラットフォームや小売店に露出すると、ブランド全体の価値を損ねてしまう可能性もあることです。

このようにD2Cブランドといっても、商品の特性や世界観に応じて、マルチメディア、マルチプラットフォーム展開の予算をどう振り分けるのか、ブランディングを考えながら戦略を練る必要があります。

世の中全体のデジタルシフトは進んでいますが、決してデジタルだけで勝ちきらないといけないわけではありません。既存の資産を生かしながら、ユーザー体験価値を軸にしたブランド戦略の設計/再設計を行う。考えれば考えるほど、やはりD2Cビジネスは「総合格闘技戦」ではないかと思うのです。

1万人が参加した「とつぜんはじまる避難訓練」はどう生まれたのか。

電通のクリエイティブ横串組織「Future Creative Center」(FCC)は、広告の枠を超えて、未来づくりの領域をクリエイティビティーでサポートする70名強による集団。この連載では、「Future×クリエイティビティー」をテーマに、センター員がこれからの取り組みについて語ります。

今回取り上げるのは、2020年にLINE Fukuoka株式会社  と福岡市が行った「とつぜんはじまる避難訓練 」。決められた期間内に突然、福岡市のLINE公式アカウント(友だち追加はこちら )から“災害発生”の通知が届き、そのままLINE上で避難の仕方や注意点、付近の避難場所など、災害時の行動を学べるものです。オンライン完結の避難訓練で、1万4857人が参加登録。現在では、LINE公式アカウントを活用した防災のアイディアとして全国の自治体に紹介されています。

とつぜんはじまる避難訓練
とつぜんはじまる避難訓練

このプロジェクトに関わったのが、電通FCCメンバーの姉川伊織氏、熊谷由紀氏、長島龍大氏。LINEの通知機能を使い、予定調和になりがちだった避難訓練を一新したこの企画はどう生まれたのか、プロジェクトの過程を振り返りました。

電通FCCメンバーの姉川伊織氏、熊谷由紀氏、長島龍大氏
※この取材は、オンラインで行われました。 


優れた機能はそのままに、世の中に必要とされるきっかけをどうつくるか

長島:災害は、何の前置きもなく、突然やってくるもの。一方、避難訓練は、決められた日時・場所に集まって実施するのが一般的で、予定調和になりがちです。そんな防災の課題に着目して、LINEの通知機能を使って「避難訓練が突然やってくる」新しい体験を作れないかと考えました。今までになかった、災害の突発性にアプローチする防災が「とつぜんはじまる避難訓練」のポイントです。

熊谷:事前登録した人に向けて、9月1〜6日のどこかで福岡市のLINE公式アカウントから“災害発生”の通知を送信。通知タイミングは実際の災害を想定していつ来るか分からない形に。通知のタイミングを20パターン以上用意して、参加者をランダムに配置、家族や友達同士でもばらばらになるようにしました。通知後、LINEに届くメッセージに従って操作をすると、災害時にとるべき避難行動を学べるという内容です。

姉川:LINEというプラットフォームは、改めて考えるとすごいものです。生活者の大半が毎日使っていて、みんなに通知が行き届く。そのポテンシャルを生かした避難訓練ができればと考えて、この形になりましたよね。

実際のスマホ上での通知画面
実際のスマホ上での通知画面

姉川:プロジェクトが始まったきっかけは、今年の6月16日。大学時代の知人がLINE FukuokaのPRマネージャーをしていて、オフィシャルではなく、あくまで個人的にツイッターで福岡の街づくりを手伝う人を募っていたことです。 それに返信したのが始まりで。いろいろ話す中で、福岡市ではLINE公式アカウントをインフラとした、市民への情報発信のデジタル化が進んでいて、そのひとつである「防災機能の認知を上げたい」と相談を受けました。それで、よく仕事をするADの熊谷とプランナーの長島に声をかけました。

熊谷:今回の核になった防災機能は 、最初から福岡市のLINE公式アカウントにあったんです。主に、防災情報のセグメント配信、避難行動支援機能、道路公園等通報機能の三つで構成されていて、LINE上で簡単に家や職場近くの避難所を見られたり、災害時のデモが体験できたりする。それを活用した形です。今年はコロナ禍で、集まって行う避難訓練ができないので、防災のデジタル化を普及させやすいタイミングでしたね。

長島:防災機能をはじめとする、福岡市のLINE公式アカウントの機能を知ったとき、本当にすごい発明だと思ったんです。ただ難しいのが、どんなに機能が便利でも「防災情報をLINEで見ることができる」というだけでは、なかなか使ってもらえない。この素晴らしい機能は変えることなく、世の中に広めるにはどうすればいいか。そこを徹底的に考えました。

熊谷:それで長島が「とつぜんはじまる避難訓練」のアイデアを持ってきました。LINEの通知機能に着目して。

長島:LINEアプリで改めて着目したのが、「ピコン」という通知機能。多くの人のスマホに、いつでもどこでも一斉に通知できるのは、当たり前だけど実はすさまじいパワーを持っているなと。突然くる緊急地震速報のアラートで、スマホが鳴るたびに驚いてしまうように、「突然の通知」を入り口にすることで、LINEにしかできない防災体験が生まれると考えました。

クライアントの中に入って進めた「新しい制作様式」

熊谷:防災機能はそのままに、「通知からはじまる」という体験の入り口を変えるだけで、世の中の課題を解決する企画になるのがいいなと。一気にタイトルやデザインをチームで掘り下げました。

姉川:LINE Fukuokaの方にこのアイデアを出したら、気に入っていただいて。その後は「一緒に考えながら作りましょう」という姿勢で協力していただいたのが印象的でしたね。普段のやりとりもメールではなく、LINEグループを作って頻繁にコミュニケーションしながら。

熊谷:時間がない中で、すごいスピード感でした。本企画の体験設計はじめ、デザイン面も、先方でテストアカウントを作って見え方を検証してくれて。PRもLINE Fukuokaさんでメディアプロモートしていただいたり、本当に一心同体のチームでした。私たちは“見せ方”を考えただけで、具現化はほとんどLINE Fukuokaさんにやっていただきました。

長島:僕らがLINE Fukuokaに出向している感覚でしたよね。あと、打ち合わせが全てリモートだったのも大きかったかも。このご時世ならではですね。また、福岡市の方もコロナ禍で通常の避難訓練ができない中、アイデアを喜んでいただいた。市民全員を巻き込むことが狙いだったので、企画の中心に高島宗一郎福岡市長がいる形を提案し、告知ムービーにも出演していただきました。

サービスの潜在的な価値に光を当てた企画は他にも。

長島:今回のプロジェクトは、新しい何かを作ったのではなく、もともとクライアントのLINE Fukuokaが持っていたサービスに、違う角度から光を当てられた事例だと思っています。福岡市のLINE公式アカウントが持っていた防災機能や、LINEそのものの通知機能のポテンシャルに着目し、世の中の課題解決をしていく。振り返ると、僕ら3人のチームはそういう企画が多いかもしれませんね。

姉川:最初に3人でやった「おくる福島民報」もそうですね。地方紙の「福島民報」を“手紙”として全国に届けられるようにしたもので、東日本大震災の影響で県外に避難した県民の方が、地元の情報に触れて故郷を思い出すきっかけになればと。これまでは「日々の情報源」だった地方紙が、光の当て方を変えると「故郷を思い出す手紙」になる。同じ新聞でも、当てる光を変えると新しい課題解決ができる。

おくる福島民報
おくる福島民報

熊谷:福島民報とは、その後ラジオで「夜の避難訓練」  という企画も行って。文字通り、夜中にラジオで避難訓練が始まるのですが、これもラジオが「家の中にあるインフラ的存在」だからこそ。夜に音だけで行う避難訓練に活用することで、家の中の防災ができる。ラジオの持つ価値を捉え直したものですよね。

商品やサービスの内側から考える、潜在価値発想のクリエイティブ。

姉川:外から何かを持ってくるより、内側にもともとある価値を見つけて新しく光を当てるというか。実はそれが、サービスや商品の根本にある強さでもある。その強さを生かそうとすると、自然と企画の真ん中にクライアントの商品・サービスがくるので、その意味でもメリットがあるなと。

長島:たしかにそうだね。なので最初はできるだけ斜に構えずに、商品やサービスのいいところをピュアに探すようにしています。よくよく考えると、これって当たり前だけどすごいことだな、みたいな気づきから企画が生まれることは多い気がします。

熊谷:あと、商品やサービス中心の企画の場合、長く続けられます。特別なものを作るわけではなく、商品をそのまま生かすので一過性になりにくい。そうやって考えると、私たちの案件はクライアントの力を多大に借りています(笑)。自分たちでゼロから作るより、クライアントの持っている“強み”をお借りして、それを拡大するのが得意というか。

姉川:あと、このチームでいうと、いい意味でも悪い意味でも、3人ともアウトプットの形にこだわりがないです(笑)。クライアントの持つ強み、価値を最大限に広げることが最優先で、その形はどんなものでも構わない。このへんの価値観も似ているから、よく仕事しているのかなと。

熊谷:そのあたりをきちんと話したことはないけど、言われてみれば。これからもこういう考え方は大切にしながら、商品・サービスと世の中、どちらにとってもうれしい企画をしていきたいですね。

長島:今後一気に進んでいくデジタル化の中で、今回のような、世の中におけるサービスの必要性や接点をつくるお手伝いを、もっともっとやっていきたいですね。まだまだいろいろありそう。そのときはまた、3人で一緒にやりましょう(笑)。

「カラフル&シームレス」に開く、テレビ報道の未来

テレビのコンテンツ制作で、面白い取り組みをしている人がいる。

地上波だから、ネットだから、という固定観念にとらわれない。

今の時代に合ったコンテンツの在り方を真摯に考える。

そこから、新しい時代のテレビの在り方が見えてくる。

今回はテレビ朝日「報道ステーション」のデジタル戦略デスク・渡邉 星(ひかる)氏 にインタビュー。ABEMAのニュースチャンネルへの出向で学んだこと、大胆なネットの活用法、「報道ステーション」に対する思い、テレビ朝日が全社を挙げて取り組む企画「未来をここからプロジェクト」など…。現場の最前線からの視点で「テレビのこれから」について語っていただきました。

テレビは、「白黒をつける」から脱却しなければならない

─渡邉さんは、テレビ朝日で朝の情報番組を担当後、AbemaTV(現在はABEMA)のニュースチャンネルに出向。その後、テレビ朝日に戻り「報道ステーション」の担当となったそうですね。地上波に加え、インターネットテレビの制作経験を積まれているのは珍しい経歴だと思います。AbemaTVでは、どのようなことをしていたのでしょうか?

渡邉: 2016年から約4年間、主にお昼の番組「けやきヒルズ」(現ABEMAヒルズ)のプロデューサーと「AbemaNewsチャンネル」のボードメンバーとして、チャンネル全体の編成やブランディングなどを担当しました。

着任してまず取り組んだのが、NewsPicksやWIREDといった人気の高いネットニュースメディアの分析でした。さまざまな記事を読み込み、内容、トーン&マナー、読者層、掲載のタイミングなどを、自分なりに確認していきました。 すると、内容やレベルにものすごく大きなバリエーションがあることが分かってきました。とても硬派で難解な記事もあれば、キャッチーで分かりやすい記事もあり、グラデーションになっている。

テレビの報道番組を担当していたときは、とにかく分かりやすく情報を届けることを意識していました。「一人でも多くの視聴者にすんなり理解していただけるようにコンテンツをつくらなければいけない」「視聴者は分かりやすい情報を求めている」。そんな考えから、「テレビは分かりやすくなければいけない」と思い込んでいた部分がありました。

ところが「AbemaNewsチャンネル」でブランディングや全体編成を考える経験を通して、そうではないと気付くことができました。物事の裏側を知ろうとする人や複雑な情報を欲している人など、世の中には意識や知識欲が高い人が本当にたくさんいる。しかも、そういう人たちがテレビから離れて、ネットニュースに流れてしまっているのです。もっと多様な層に向けて、幅広いコンテンツづくりをしていかなければならないのだと痛感しました。

その後AbemaTVで、多様性やグラデーションを意識した昼のニュース番組「けやきヒルズ」を立ち上げ、2018年からはプロデューサーとして番組を担当。2020年1月、テレビ朝日に戻り「報道ステーション」のデジタル担当デスクという立場になりました。

「カラフル」をテーマに、「報道ステーション」をリニューアル

─渡邉さんは昨年、「報道ステーション」のリニューアルを担当されたそうですね。リニューアルのテーマについて教えてください。

渡邉:まず異動して最初に任されたのが番組のリニューアルでした。そこで新しい番組コンセプトを提案したらたまたま通って、まさか自分のアイデアが採用されるとは思っていなかったのでびっくりしました。

僕が提案したのは「カラフル」というコンセプトです。AbemaTVでの経験や実感を通して、テレビのニュースも、もっとバリエーション豊かに伝えなければならないと思いました。ひとつのニュースをひとつの見方で伝えるのではなくて、もっと多面的に、もっとスペクトルに。なんでも白黒つけようとせず、いろいろな色で、グラデーションのように伝える報道番組があったらすてきだなと思いました。このコンセプトを、先輩方によって「きょう、色々。」という番組コピーにしていただき、そこからプリズムからスペクトルな光があふれ色とりどりの花が咲き乱れる景色につながっていく、「報道ステーション」の新しいオープニング映像 が生まれました。

映像制作:稲葉秀樹(P.I.C.S. management)


─あのオープニング映像には、そんな思いが込められていたんですね。

渡邉:物事にはいろいろな面があり、いろいろな視点があるということを、できるだけそのまま、きちんと伝えなければならないと常に意識しています。ネットでたくさんの視点や考え方が提示されている現代において、ニュースを分かりやすさ最優先で、白黒のみで押し付けることは求められていないように思います。

分かりやすく、かつ、カラフルに。それが今の時代に合った報道の形であり、僕はそういう報道がテレビの未来につながると本気で考えています。

テレビは、呼吸するようにネット展開する時代へ!

─テレビとネットの関係についてはどのように感じていますか? 

渡邉:テレビは、もう「呼吸するようにネット展開しなければいけない時代」になっているのかなと思います。

先日、僕は「報道ステーション」のインタビューコンテンツをテレビ放送に先行する形でネット配信する取り組みを行いました。予告編でもなければプロモーション動画でもない。完全版コンテンツを地上波放送より先出ししてしまうわけで、「なんでそんなことをするのか」という声もいくつか頂きました。

けれど、ネット世代の視聴者からしてみたら、テレビの放送があって、そこから2、3個ステップを踏んで、やっと動画がネット公開されるという現状の方が不自然なんじゃないかなと思うんですよね。そもそも、ネットに親和性が高い現役世代にとって「好きな時間に見られず、巻き戻し・早送りができないテレビ放送は不便」と感じるのが自然ではないかなと。ならば、彼らにとってスタンダードなネット動画という形で先にコンテンツを提供してしまった方が、よほど親切で、なじみやすいのではないかと考えたのです。視聴者にもっとダイレクトにコンテンツが届けられるように、僕は「テレビ報道のD2C」が必要だと思っています。

一方で、テレビが持つ「つけているだけで未知のコンテンツに出合える気軽さや邂逅感 」は、「能動的にコンテンツを探す」ネットにはないものです。テレビクオリティーでつくった地上波版の放送を見てくれた人が「もっと深く見たい」と思ったときに、ネットの完全版をシームレスに見られた方が、相乗効果で盛り上げ合ってくれるという見込みを持って臨みました。

さらに現在は、現役世代に話題になっていることをネットの反応などから拾って、「報道ステーション」の取材力で深掘りし、放送することも担当しています。これは「ネットで話題になっていること=現役世代が気になること」ということで、テレビ報道とネットの境目をなるべくフラットにしようという意味もあります。

よく思うのは、ネット展開は「いざ!」と気合を入れて行うようなものではないということです。もちろん、テレビとネット、どちらが上でどちらが下といった概念も必要ないと思います。現代人にとっては、どちらも情報を得るツールとして対等で、自然な関係なんですよね。垣根なんてないのだから、シームレスに行き来しなければならないと感じています。それが「テレビ報道のDX」の第一歩じゃないかなと思っています。

テレビの未来は、ここからはじまる

─最後に「テレビの力」についてお聞かせください。テレビには、どんな魅力や価値があると思いますか?

渡邉:僕がテレビ報道の強みだと感じるのが、取材力の高さです。長年の経験に裏打ちされたノウハウや豊かな情報源があり、また、真実を見極め、取り上げる慎重さも持ち合わせていると感じます。

もうひとつの強みが、人の豊富さです。テレビの成長期を経験しているベテランからデジタルネイティブの若手まで層が厚く、さまざまな経験を持つ人材が幅広くそろっています。しかもテレビ朝日の場合は、経験豊富な先輩たちの下、本当にいろいろな経験を若手に積ませてくれます。僕もAbemaTVに行かせてもらったり、「報道ステーション」を担当させてもらったりと、もったいないぐらいの経験をさせてもらっています。

─渡邉さんは、テレビ朝日が全社を挙げて取り組んでいる「未来をここからプロジェクト」において、「報道ステーション」内のコンテンツ制作も任されていますよね。

渡邉:はい。「未来をここからプロジェクト」は、テレビ朝日のいろいろな番組が関わり、人や地球の未来について考える企画です。「報道ステーション」において、僕は「未来を人から」というテーマを掲げ、各界の第一線で活躍する人に未来を語ってもらう企画を立ち上げました。こういう時代だからこそ、さまざまな分野で活躍するリーダーの言葉が、複雑な社会を生き抜くための光になるのではないかと思ったのです。

その第1弾として、2020年10月下旬に5夜連続で、台湾のデジタル担当閣僚オードリー・タンさん、建築家の安藤忠雄さん、チームラボ代表の猪子寿之さんをはじめとする、そうそうたる方々のインタビューをお送りしました。

1月11日からテレビ朝日では「未来をここからWeek」を予定しています。「報道ステーション」では、5夜連続でスペシャルインタビューをお届けする予定です。テレビ、ネットで、ぜひ多くの方に視聴いただけるとうれしいです。

今後、テレビには、コンテンツを制作し放送するだけではないさまざまな役割が求められると思います。ネットとの行き来、利便性の追求、アーカイブの蓄積や、他メディアとのリレーションシップなど…。そこで必要となる知識や経験は、枚挙にいとまがありません。貪欲に勉強し、幅広い分野に対応する力を身に付け、マルチタスクで業務に取り組まなければならなりません。

決して簡単なことではありませんが、希望を持って。カラフルで、シームレスで、フラットで、気軽な、「これからのテレビ」をつくっていければと考えています。
 

<未来をここからWeek 「報道ステーション」番組概要>
・日時:2021年1月11日(月)~15日(金) 21時54分~ テレビ朝日にて放送
未来をここからプロジェクト HP

時代の最先端を走る「人」を特集するシリーズ企画「未来を人から」をはじめ、スポーツや環境問題に特化した大型企画を展開。「未来を人から」では、国際数学オリンピックで日本人女性初の金メダリストに輝いたSTEAM教育家・中島さち子さんを紹介する他、「松岡修造×ダルビッシュ有」「寺川綾×平野美宇」のスペシャルインタビューもお届けします!

パチンコ「異次元の爆裂」が襲来!? 連チャンの概念を覆す「衝撃のシステム」「圧倒的出玉性能」を期待する声が続出!!

 SANKYOがリリースを発表した『Pフィーバー アイドルマスター ミリオンライブ!』が激アツだ。メーカーの直接の取引先となるパチンコホールでは先行で台見せや説明が行われていたが、そういった詳細を聞いた関係者が「天才的」「これはやばい」と口をそろえる。

 本機は初当り後に「ストックタイム」という特殊な時短モードに突入する。ストックタイムの電サポ回数は100or150回で、このモード中に通常の大当り1/319.7の抽選とは別に「Vストック」なる連チャンのカギを握る要素が存在。このVストックを多く獲得することで大量出玉のトリガーとなるのだ。

 Vストックは最大で4個獲得することができ、Vストック1個を獲得できる確率は約64%。ここでストックできなかった場合は通常時に戻るので、ある種の突破型要素があると考えてよいだろう。

 さて、ここからが本番。ストックタイムによって獲得したVストックは「V-LOOP」と呼ばれる連チャンモードによって放出される。その大当りには10ラウンド+V-LOOP継続、3ラウンド+V-LOOP継続、3ラウンドの3つの振り分けが存在し、V-LOOP継続を引き続けるまで連チャンが終わらないようになっているのである。

 V-LOOP継続の振り分けは72%で、その大半が1500発出玉という破壊力。なのだが、ここで終わらないのが本機のすごさ。気づいていたであろうか、上記の流れはVストック1個分。

 つまり、一連のフローがストックタイムで獲得したVストックの個数分、展開されるのだ。ストック1発が72%ループのトリガーとなり、ストック分の連チャンが繰り広げられる。

 これまでの1回の連チャンで出玉を積み重ねたり、リミットによる固定化された大当りを獲得する従来のパチンコの連チャンシステムとは異なる本機。連チャン性を持った複数の当りがそれぞれに無限の出玉の可能性を秘めたこれまでにない出玉獲得システムが搭載されているのだ。

 しかも、モード中の当りはすべて1G連チャンで展開。かつて経験したことのないような異次元の爆裂を体感できるマシンとなっている。普通にパチンコファンが打ちたいスペックだ!

 スペシャルPVが公開されているが、その中で踊っている惹句に偽りなし。コンテンツの強力さも相まって、本年度の目玉機種になりそうである。

(文=デニス坂本)

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2021年も続く? 「リモート会議あるある」

 新型コロナウイルスの流行、緊急事態宣言で外出もままならなくなり、生活が一変した昨年は、「出社」が大前提だった働き方を変えてテレワークを導入した企業が多かった。突然普及したこの働き方が「あたりまえの日常」として定着したように感じられる人は多いはずだ。


 テレワークのおもしろいところは、(やや悪趣味かもしれないが)リモート会議中に子どもやペットが映り込んできたり、宅配便が届いたりと、画面を通じて会社ではわからなかった同僚や取引先の微笑ましい一面を垣間見ることができる点だ。


 そんなテレワークならではのちょっと笑ってしまうような失敗をはじめとしたエピソードを集めたのがデイリーポータルZ編集長の林雄司さんによる『テレワークの達人がやっているゆかいな働き方』(青春出版社刊)である。

 

■2021年も続く?「リモート会議あるある」


 本書では、コロナ禍におけるテレワークで体験したエピソードを明かしつつ、より楽しく働くための知恵と工夫を、デイリーポータルZ編集長の林雄司氏が紹介する。


 特にテレワークのハイライトとなったのが「リモート会議」である。人によってはリモート会議でやりづらさを感じたり、新たな発見をしたこともあるかもしれない。ここではそんなビデオ会議での「あるある」や工夫の仕方を本書の中からいくつか挙げていきたい。


・顔と名前が一致する世界がやってきて会社員生活のストレスが一つ消える


 ビデオ会議の利点は、顔の下に名前が出ること。会議で一緒になるけれど、名前を知らない人がいなくなった。井口さんか江口さんかわからなくて「ぃぇぐちさん」と曖昧に呼びかける必要がなくなった。


 ただ、新たな問題として、読み方がわからない人も現れた。ニックネームや車内チャットのアカウント名だったりすることもある。


・打ち合わせの「空気」が作りにくい


 ビデオ会議では、会議前の雑談がないので、始めてから場が盛り上がるまでに時間がかかる。ただ、リアルな会議でもそんなに和んでいなかったことを思い出すと、気が楽になる。また、不機嫌そうな人がいることもある。その場合は、ウインドウ上に別のウインドウを重ねて、不機嫌そうな人を見えなくするのもストレスフリーでいられる策の一つ。

 

■リモート飲み会はすたれていくのか?


 テレワークで話題にもなったのがリモート飲み会。最初のうちは物珍しく、外出も出来ないので人恋しい気持ちもあり、盛り上がっていた。ただ、何度か繰り返していくうちに、そのブームも終焉に向かっているかもしれない。


 けれど、まだまだリモート飲み会の楽しみ方はある。たとえば、Googleマップのストリートビューを画面共有すると盛り上がる。参加者の一人にブラウザを共有してもらい、ストリートビューで実家の近所を案内してもらうのだ。同僚の地元の話を聞き、子ども時代を想像すると、距離も縮まる。人の実家に行ったような不思議な錯覚を覚え、楽しめるのだ。



 テレワークに限らず、大きな変化に直面した時、私たちは常に失敗したり戸惑いを感じながらも、だんだんと慣れて、新たな日常として習慣化していく。テレワーク黎明期のエピソードを集めた本書には、「わかるわかる」と共感することや、2021年の働き方の参考になることもあるはずだ。(T・N/新刊JP編集部)


※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

JRAシンザン記念(G3)ククナ次第で新たな“格言”誕生!? 前走“不利連発”で負けて強しも、「2着」が濃厚の可能性が……

 10日、中京競馬場ではクラシックへの登竜門、シンザン記念(G3)が開催される。注目は過去10年で「3-2-1-13」と好成績を残している牝馬勢だ。

 過去10年で3着以内に入った牝馬は6頭。そのうち4頭(マルセリーナ、ジェンティルドンナ、ジュエラー、アーモンドアイ)が後にG1を勝っており、牝馬にとっては出世レースとなっている。

 今年は5頭の牝馬がエントリーしているが、注目すべきは良血ククナ(牝3歳、美浦・栗田徹厩舎)だろう。

 デビューは昨夏の札幌。新馬戦こそ取りこぼしたが、続く未勝利戦で勝ち上がると、3戦目にアルテミスS(G3)に出走。ここでは、ソダシから0秒3差の2着に敗れたが、道中幾つもの不利があり、着差以上に強い内容だった。

 その前走を振り返ると、3枠6番からスタートは五分だったククナ。しかし、初めて経験する多頭数競馬(16頭立て)もあってか、ごちゃついた馬群のど真ん中で左右前後からプレッシャーを受け、徐々に位置を下げてしまう。これには鞍上のC.ルメール騎手もレース後に「向正面でトラブルがあって、位置が下がりました」と認めざるを得なかった。

 後方に下がったククナは、3~4コーナーでようやく自身のスペースを確保。ところが、直線に入ると、今度は前が全く開かない。鞍上が外に進路を求めて、ようやく前にスペースができたのは残り300m地点。そこで鞍上がゴーサインを送ると、ククナは鋭く伸びて2着に食い込んだ。

 先行してそつなくレースをこなしたソダシとは対照的に不運が重なったククナ。最後の伸び脚は、際立っていただけにもったいない競馬だったのは間違いない。

「まともに走っていれば、ソダシとは接戦に持ち込めていたと思います。前残りの展開で、あれだけ不利を受けながらの2着はまさに『負けて強し』と言えるでしょう。

今回(シンザン記念)は牡馬が相手ですが、力は上位。おそらく1番人気に支持されると思いますが、血統的には不安な面もあります」(競馬誌ライター)

 ククナの血統に不安があるとはどういうことか……。

 父がキングカメハメハ、そして母の父はディープインパクトという2010年代の日本競馬を代表する種牡馬2頭の血を持つククナ。この組み合わせはこれまで36頭がJRAでデビューし、うち17頭が勝ち上がっている。また、重賞レースにも7頭がのべ19度挑戦しているが、非常に偏った数字が残っているという。

「この血統(父キングカメハメハ×母父ディープインパクト)は、いかにも大物が出そうな組み合わせですが、実は重賞成績は『1-7-0-11』と勝負弱い面があります。

唯一の重賞制覇は、昨年9月にブラヴァスが勝った新潟記念(G3)だけ。一方、2着は7回にも上ります。ククナ自身も前走のアルテミスSで惜敗しましたが、“血の宿命”だったのかもしれませんね」(同)

 もし、ククナがシンザン記念で再び2着に敗れるようなら、「『キングカメハメハ×ディープインパクト』は重賞では勝ち切れない」という新たな格言が生まれるかもしれない。どちらにしても、今度こそその実力を出し切る走りをしてもらいたい。

JRA史上初の屈辱コントレイルが年度代表馬「落選」……。アーモンドアイからバトンを受けた新王者に立ちはだかる「2つの壁」とは

 今年は競馬界を背負うことが期待されるのだが……。

 6日、JRAは2020年度JRA賞の受賞馬を発表。注目を集めた年度代表馬はアーモンドアイが受賞した。

 その一方、史上3頭目となる無敗3冠を達成したコントレイル(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)は最優秀3歳牡馬のみの受賞となった。

 JRA賞の前身である啓衆社賞が始まった1954年以降、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴル、コントレイルと7頭の3冠馬が誕生。これまでの6頭がすべて年度代表馬を受賞してきたが、コントレイルは無敗の3冠馬ながら初めて落選する結果となった。

 やはり、アーモンドアイとの直接対決となったジャパンC(G1)で2着に敗れたことが響いているのだろう。得票数でもアーモンドアイが236票を集めているのに対して、コントレイルはわずか44票。3冠馬とはいえ、アーモンドアイに敗れたことがあまりにも痛かったようだ。

 しかし、アーモンドアイはターフを去り、これからはコントレイルが新たな時代を築くことが期待される。来年こそは年度代表馬に輝くことが期待されるが、そう簡単にはいかないかもしれない。

 1つ目の不安要素はディープインパクト産駒という点である。

 過去に同産駒から6頭のダービー馬が誕生しているが、そのいずれも古馬となってからG1未勝利。ディープブリランテ、ロジャーバローズは早期引退となったが、キズナ、マカヒキ、ワグネリアンは古馬になってから思うような成績を残せていない。

 牝馬ではジェンティルドンナ、マリアライト、ショウナンパンドラなどが2000m以上の古馬G1を勝っているが、牡馬ではフィエールマンとアルアインの2頭だけ。これが早熟傾向にあると言われる理由だ。コントレイルも成長力がないとすれば、4歳シーズン以降は苦戦することになるだろう。

 2つ目が強力なライバルの存在だ。

 アーモンドアイがいないとはいえ、先輩牝馬が立ちはだかることになるだろう。クロノジェネシスは春秋グランプリを勝っており、天皇賞・秋(G1)ではアーモンドアイを「1/2馬身+クビ」差まで追い詰めた。単純比較ではあるが、ジャパンCでコントレイルの着差が「1・1/4馬身」差だったことを考えれば、クロノジェネシスの方が上という見方もできる。

 そして、安田記念(G1)でアーモンドアイを下したグランアレグリアも忘れてはならない。同馬は陣営から距離延長プランが飛び出しており、2000mが適性距離とされるコントレイルと激突する可能性が高そうだ。

 他にも、デアリングタクトやサリオスといった同世代の成長にも警戒する必要があるだろう。

 フィエールマンの電撃引退により長距離路線は王者不在となったが、コントレイル陣営は長距離戦に参戦しない意向を示している。そのため、2000m前後の距離で上記ライバルと鎬を削ることになりそうだ。

 また再び猛威奮い始めた新型コロナウイルスの影響で、今年も海外遠征が著しく制限される以上、G1を勝つハードルは例年以上に高くなることが予想される。

史上初の年度代表馬「落選」3冠馬となったコントレイル。巻き返しが期待される4歳シーズンはそう簡単なものではないだろう。