JRA川田将雅「芝G1・29連敗中」だけじゃない!? ガロアクリークと日本ダービー(G1)参戦も、 意外な不安要素が……

 13日、皐月賞(G1)で3着に好走したガロアクリーク川田将雅騎手との新コンビで日本ダービー(G1)へ向かうことが明らかになった。近2走の手綱を取ったL.ヒューイットソン騎手が短期免許期間の終了に伴い帰国したため、現在のリーディングジョッキーに白羽の矢が立った。

 前走の皐月賞ではスプリングS(G2)勝ち馬にもかかわらず、8番人気の低評価だったガロアクリーク。この原因は前走で破ったヴェルトライゼンデが万全な仕上げでなかったことや、キンシャサノキセキ産駒ということで距離不安があったからだろう。しかし、レースではその下馬評を覆し、コントレイル、サリオスに次ぐ3着に健闘した。

 レース後、ヒューイットソン騎手は「リラックスして走れるのがこの馬のいいところ。ダービー(の距離)もこなせると思う」とコメントを残している。距離不安を吹き飛ばす好走に加えて、鞍上のお墨付きとなればダービーでの400mの距離延長をあまり心配する必要はないかもしれない。

 これまでにキンシャサノキセキ産駒のダービー出走は例がなく、ガロアクリークが初出走となる。だが、キンシャサノキセキの父フジキセキ産駒はダービー出走経験があり、その成績は心強いものだ。

 実際にフジキセキ産駒で、ドリームパスポートが皐月賞で2着、日本ダービーで3着と人気薄の低評価を覆す好走をした。また皐月賞馬イスラボニータも、日本ダービーで2着と結果を出している。フジキセキ産駒も短距離で好走する傾向があったが、この2頭はガロアクリーク同様に距離の壁を越えているのだ。

 また過去10年で皐月賞の3着馬はエイシンフラッシュ、ディープブリランテがダービー馬になっていることから、縁起がいい臨戦過程でもある。

 日本ダービーに向けて不安がないように思われるガロアクリークだが、新コンビを組む川田騎手が懸念材料となるかもしれない。

 2016年にマカヒキでダービージョッキーとなった川田騎手。現在リーディングトップの74勝を挙げており好調に思われるが、いざG1になると結果が出せてない。

 前回G1を勝利したのはクリソベリルで制した昨年のチャンピオンズC(G1)だが、芝G1となるとファインニードルで制した18年のスプリンターズS(G1)まで遡らなければならない。いくらリーディングジョッキーとは言え、このデータは歓迎できるものではない。

 だが、それ以上に影響がありそうなのが関西所属騎手という点だ。

「現在、新型コロナウイルス感染防止策として、レースを除いて騎手の東西移動は自粛されています。そのため、関西のジョッキーは美浦の追い切りに行けず、関東のジョッキーも同様に栗東での追い切りに行けません。

 今年の大阪杯(G1)でブラストワンピースに騎乗した川田騎手は、本来であれば美浦で最終追い切りに騎乗するはずが、この移動制限の影響で叶いませんでした。直接的な敗因ではありませんが、結果的に7着に敗れてしまいました。またC.ルメール騎手が皐月賞で騎乗したサトノフラッグもレース当日が初コンタクトとなり、5着に敗れてしました。

 関東馬のガロアクリークも同様に、レース当日が川田騎手との初コンタクトとなるため、安心はできないかもしれません」(競馬記者)

 スプリングS、皐月賞で手綱を取ったヒューイットソン騎手は、関東で調教に跨っていたため、ガロアクリークのことをよく理解してレースに臨んでいた。それがダービー当日の初コンタクトとなれば、トップジョッキーへの乗り替わりでも不安に思われてしまう。

 果たして川田騎手は、“初めまして”のガロアクリークでどのような結果を残すだろうか。4年前のダービーの再現を期待したいところだ。

JRAヴィクトリアマイル、最有力馬アーモンドアイの不安要素と高配当生む穴馬の激走情報

 新型コロナウイルスの感染防止のため、非常事態宣言が5月末まで延長されることが決定。その結果、残念ながら5月中のプロ野球やJリーグといったプロスポーツの開催も観戦も不可能となってしまった。しかし、このコロナとの戦いも、着実にゴールへ向かっていると思われる。我々ができることは「3密」を防ぎ、可能な限り自粛をして過ごすことだ。

 しかし、そんな状況でも人間はストレスが溜まるもの。多くの人が長期間の自宅待機で鬱憤が溜まっているはずで、かなりの人が時間を持て余しているだろう。再放送と過去番組の編集ばかりとなったテレビに飽き、アマゾンプライムビデオやU-NEXT、NETFLIXも見飽きたという人も少なくないのではないだろうか。

 そんな時間を持て余す人にお勧めなのが、大人のゲームである「競馬」だ。今週末の日曜日は、JRA(日本中央競馬会)の東京競馬場でヴィクトリアマイルというレースが行われる。このレースは、春の古馬女王を決める牝馬限定の大一番。そして今年は、現役最強馬・アーモンドアイの参戦で大きな盛り上がりを見せているのだ。

 現在、競馬は春の繁忙期を迎え、毎週無観客で開催されているが、馬券の売り上げも時に前年を上回るほどの人気を博している。ゴールデンウィーク中に行われた伝統の一戦である天皇賞(春)は、ディープインパクト産駒のフィエールマンが大激戦を制して勝利。もちろん競馬は馬券も魅力であり、この天皇賞(春)は超人気薄のスティッフェリオの激走で500倍を超える万馬券が飛び出した。

 このスティッフェリオは、多くのスポーツ紙や競馬専門紙がノーマークにしていた馬ということもあってか、14頭立てで11番人気という人気薄。ただし、同馬が人気薄だったのは、取材規制の影響もあろう。というのも、JRAはコロナウイルス感染防止のため、マスコミのトレーニングセンターや競馬場への入場規制および取材規制を行っている。これは、ファンからすれば厄介な話だ。この取材規制もあって、マスコミの予想や情報が信頼できないからだ。

 しかし、そんな状況でも競馬ファンの救世主が存在した。それこそが、天皇賞(春)にて11番人気スティッフェリオの激走情報を独占入手し、500倍を超える万馬券を的中させた「競馬セブン」だ。この競馬セブンが公開した天皇賞(春)情報を参考にした競馬ファンは、この1レースだけで5万円や50万円、なかには100万円という「臨時収入」を手にした人もいたという。なんとも羨ましいところだが、幸いなことに天皇賞(春)が終わっても、さらなる注目レースが今週以降も続いていく。今週末のヴィクトリアマイル、そして来週末は優駿牝馬(オークス)、再来週末には東京優駿(日本ダービー)。つまり、まだまだ「臨時収入」をゲットするチャンスがあるのだ。

 競馬界を代表するプロフェッショナル集団の競馬セブンは、競馬関係者から直接「本音」が聞き出せる。それを可能としているのが、競馬セブンの大物関係者たちだ。総監督を務めるのは、元JRA騎手でJRA騎手学校の教官も務めた徳吉一己。教え子には、あの池添謙一や福永祐一らがいるのだから、騎手情報は万全であろう。また競馬記者暦40年以上の現役トラックマン・古川幸弘は、“美浦の地獄耳”と呼ばれるほどの情報通。そして名馬・タマモクロスなどを手掛けた小原伊佐美、関東の名伯楽嶋田潤、競馬界の名門二本柳俊一といった元JRA調教師も在籍。

 さらに、元札幌馬主会理事で“馬産地日高の帝王”との異名を持つ斉藤隆、元社台スタリオンステーション荻伏場長で、社台グループ一強の基礎を築いた重鎮林勲、加えて総勢数百人規模の情報網が、競馬セブンの一員として全国で活動中。この情報力によって、社台グループ、騎手、調教師、馬主、外厩などから、ありとあらゆる情報を入手。まさに競馬界の裏も表も知り尽くす最強のチームだ。

 そんな競馬セブンが、今週末に行われるヴィクトリアマイルで「一般向けに無料提供」を実施するというのだから、聞き捨てならない。2年連続でヴィクトリアマイルを的中させ、天皇賞(春)で500倍の万馬券を的中させた情報力は必見。というのも、彼らが提供するヴィクトリアマイル情報は、なんと天皇賞(春)同様に「かなりの高配当」が期待できるレースなのである。

 このヴィクトリアマイルは過去に2070万馬券が飛び出したことがあり、現在も8年連続で万馬券が飛び出している波乱必至のレース。そして彼らが入手した情報もまた強力だ。なんと1番人気が濃厚なアーモンドアイに関する衝撃の情報だったのである。

「今年のヴィクトリアマイルは、アーモンドアイを負かそうとたくらむ関係者の勝負気配が非常に高いのです。それこそアーモンドアイ包囲網といっていいでしょう。昨年の安田記念、そして年末の有馬記念で負けた時と同様に、アーモンドアイをとりまく環境は厳しくなっています。そしてその情報が、このレース的中のカギともいえるでしょう。

 今年はアーモンドアイのほかにも、グランアレグリア、ノームコア、ダノンファンタジー、ラヴズオンリーユー、サウンドキアラ、プリモシーン、コントラチェック、スカーレットカラー、トロワゼトワルなど、かなりの実力馬が揃い混戦模様。取材規制もあって情報が表に出にくくなっています。しかし、我々は関係者と直接連絡を取っており、取材規制の影響はゼロです。逆にマスコミとの差は広がる一方でしょう。

 このレースは過去4年で3度的中させていますが、今年も的中を確信させる勝負情報を極秘入手済みです。そして天皇賞のスティッフェリオ同様に、激走が見込める穴馬も把握。今年も高配当を見込んでいますので、ぜひ無料情報に期待してほしいですね」

と、自信満々の様子で語っているのだ。これは競馬ファンだけでなく、まったくの未経験者も注目してほしいイベントといっていいだろう。

 競馬セブンの実力は実績を見れば一目瞭然だ。春のG1レースで天皇賞(春)の3連単・5万5200円、馬連・5770円、3連複・1万3500円、皐月賞の3連単・2万6310円、フィリーズレビューの3連単・11万9820円など、G1レースで万馬券を連続的中。そしてこのヴィクトリアマイルは抜群の相性を誇っており、ここ2年はそれぞれ数十万円の払戻金を手にしているというファンもいるほど。

 競馬は20歳以上なら学生でも馬券が購入できるし、クレジットカードやインターネットバンキングを利用しての馬券購入もできる。今週末も「ステイホーム」は必須だが、競馬があれば新鮮な週末を過ごすことができるだろう。ぜひ競馬セブンの無料情報を手にし、ヴィクトリアマイルで「臨時収入」を手にしようではないか。

(文=編集部)

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※本稿はPR記事です。

ニトリ、コロナ禍でも増収増益の“異次元の強さ”…大手アパレル買収観測が浮上

 新型コロナウイルスの感染拡大で百貨店など小売業が惨状を呈するなか、ニトリホールディングスが強気の決算見通しを発表した。「またまた(会長兼CEOの)似鳥昭雄さんの大風呂敷」(大手百貨店の首脳)といわれつつ、小売業界に羨望の声が広がる。

 4月6日、ニトリは2021年2月期連結決算を34年連続の増収増益になると公表した際に、似鳥氏は「さらなる上振れもある」と示唆し、先行きに強い自信を示した。決算説明会の席上で、似鳥氏は「最低でもこうなりますよ。プラスになる可能性があると思っている」と怪気炎を上げた。今期の連結売上高は前期比2%増の6532億円、営業利益は4%増の1122億円とした。

 上半期(2020年3月~8月)はコロナによる来店客減が続き、既存店売上高はマイナスと想定。ただ、下半期(20年9月~21年2月)はプラスに転じると見ている。インターネット通販サイトや女性向け衣料などが伸びて、通期の増収増益を確保するというシナリオだ。女性向け衣料がキーワードだ。

 強気の背景には、3月度(2月21日~3月20日)の既存店売上高が前年同月比10.9%増となり、客数も13%増となったという裏付けがある。3月下旬から首都圏では週末の外出自粛要請が出たため、首都圏のショッピングセンターなどにテナントとして入居している店舗では客数が2~3割減ったが、地方や郊外の路面店では、逆に来店客数が増えていた。

 昨年10月の消費税率の引き上げ前の駆け込み需要の反動で、同年11月、12月、20年1月の既存店売り上げ高はマイナスだった。12月の7.3%減が直近のワースト。1月が2.9%減と底を打った。2月度(1月21日~2月20日)は1.6%増、客数は2.0%増。そして3月度は売り上げ、客数とも2ケタ伸びを達成した。

 4月度(3月21日~4月20日)はさすがに前年同月実績を下回った。それでも既存店売り上げは4.0%減、客数は1.0%減と底堅い動きを続けている。新年度入りしてからの3、4月のトータルでは2.7%増、5.1%増となっている。4月度には5店舗を新たに出店し、退店は1カ所。純増は4店。三重県名張市の店を移転した。テレワークが増えたことに伴い、ホームオフィス家具の需要が高まった。一方で、ショッピングセンターや商業施設に出店している店舗が、行政からの要請で休業、または営業時間を短縮した影響を受けたという。

 新型コロナの影響で、消費行動が変化した。外出自粛で、家で過ごす時間が長くなったため、消費者の志向が「家の中」に向かっている。3月によく売れたのは、収納付きベッドフレーム家具や、新生活向けの家電だった。家で使う家具やグッズは気に入ったものを使いたいという欲求である。「巣ごもり消費の拡大」が似鳥氏の強気の支えとなっている。

コロナの影響は軽微

 東南アジアの生産拠点へのコロナの影響は軽微だ。「一時的な出荷停止はあったが、サプライチェーンに大幅な遅延は起きていない」(白井俊之社長兼COO<最高執行責任者>)。製造拠点が集中しているベトナムでは外出禁止令が出ていたが、「工場の稼働停止命令はなく、ニトリの生産工場はすべて稼働している」(武田政則取締役・事業会社ニトリ社長)。

 それでも、マレーシアやインド、バングラデシュなどでは、行政の指導で工場の稼働が止まっており、「新型コロナの影響は見通しきれていないところがある」(白井社長)。先行きの不安要素があることを認めている。

 ニトリはリーマンショックの後に、長期間のセールを敢行し、家具販売のシェアを伸ばしたが、それで「安売りのイメージが定着。払拭するのに時間がかかった」(似鳥氏)との反省がある。

買収するアパレルはどこなのか

「今はまだ言えないが、秘策もある」と似鳥氏。アパレル大手の買収か、とアパレル業界は色めき立った。

 5月7日の東京株式市場。アパレル大手オンワードホールディングスの株価が45年ぶりの安値(319円)をつけた。2年連続で700店ずつ店舗を閉鎖する予定で、20年2月期の連結決算は521億円の最終赤字だった。

 アパレルは存亡の危機だ。三陽商会は2015年、キラー・コンテンツだった「バーバリー」のライセンス契約が切れて以降、4期連続の赤字。ジリ貧が続く同社の再生は容易ではない。

 三陽商会をめぐっては、大株主の米ファンド、RMBキャピタルが社外取締役による経営刷新を求め、株主提案する構えだ。5月26日開催予定の株主総会では経営側とファンドの委任状争奪戦に発展するかもしれない。

 三井物産は三陽商会の実質筆頭株主(名義は日本トラスティ信託口)である。「物産は直接社長を出す代わりに、ゴールドウィンに転じた大江伸治氏を3月1日付で副社長に送り込んだ」(物産の元役員)。物産の旗印を背負った大江氏がファンドを迎え撃つ。ファンドを退けた後の大江氏の最後の大仕事は、「三陽商会の“嫁入り先”を見つけること」(アパレル業界の首脳)である。レナウンも中国資本の傘下に入ったが、日本人の社長が株主総会で再任されなかったりしており、先行き不透明だ。

 コロナ禍で上場アパレルには他にも“出物”が増えている。ニトリが買う気になれば、よりどりみどりなのである。

(文=編集部)

暮らしの衣替えをコンサルする 「街のテキスタイルバー」

未来商店街スケッチは、「消費する」だけでなく「生み出す」ことを価値とする、これからの新しい暮らし方・生き方を模索するプロジェクト。未来潮流を踏まえて「こんなお店があったらいいな」というプランを、電通のプランナーと外部有識者たちが共創していきます。

今回のテーマは「テキスタイル(布)」。テキスタイルデザイナーの鈴木マサル氏、設計事務所imaの小林恭氏、小林マナ氏を招き、電通の小布施典孝(電通 コミュニケーション・プランニング・センター長)と小柴尊昭(電通ビジネスデザインスクエア)と共に「未来にあったらいい、テキスタイルのお店」をディスカッション。その結果を基にして、最後にアイデアをスケッチでまとめました。

※この記事は2020年2月6日に取材を行いました。
 

「作品であり素材でもある」。テキスタイルに引かれたワケ

小柴:支払いがキャッシュレスになったり、クリックひとつで買い物ができたり、「生活の無実感化」が進んでいると思います。その反動として、暮らしの中に“ぬくもり”や“実感”を取り込もうとするニーズが高まっていくのではないでしょうか。という予想から、今回は「テキスタイル」に着目してみました。

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ディスカッションのメンバー。左から小林マナ氏、恭氏(設計事務所ima)、小布施典孝(電通)、鈴木マサル氏(テキスタイルデザイナー)。撮影は小柴尊昭(電通)

今日来ていただいた皆さんは、テキスタイルとの関わりが深いですよね。まずは未来のお店を考える前に、そもそもテキスタイルに関わり始めたきっかけを伺いたいと。鈴木さんは、テキスタイルデザイナーとしてmarimekko(フィンランドの老舗テキスタイルブランド)のデザインを手掛けるなど、活躍されています。どんな経緯でテキスタイルとの関わりが深まったんですか。

鈴木:テキスタイルを始めた理由は、大学受験でこの分野の学科しか受からなかったから(笑)。ただ、勉強しだしたら面白くて、すぐハマってました。特に引かれたのは、どんな使い方もできることです。絵画のように飾るだけではない、カーテンにもクッションカバーにも、テーブルクロスにもできますよね。一枚の布にはいろいろな色やデザインが落とし込まれていますが、それが目的を持たずにプロダクトとして存在している。その面白さに引かれたんです。

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小布施:ある意味、「完成品ではない」ともいえますよね。テキスタイル単体で完結せず、そこからいろいろなものを作れるという可能性がある。

鈴木:そうですね。布を見たときに「これで何を作ろう」とか「何に使おう」とか。それは、テキスタイルから生まれる独特な感情だと思うんです。

恭:すごく分かりますね。作品であり、素材でもあるというか。例えば好きなデザインの部分だけ切り取ってクッションにもできるし。その自由度が面白いですよね。絵画だとそうはいかないから。この部分を切り取って何か作ろうと考えられるのは、テキスタイルの特徴ですよね。

小柴:設計事務所のimaでは、テキスタイルを取り込んだ設計が多いですよね。何かきっかけはあったんですか。

マナ:marimekkoの店舗とインテリアのデザインを手掛けたことに尽きると思います。最初は2006年ですかね。半年ほどかけてテキスタイルを猛勉強したんですけど、すごく面白くて。

例えば、フィンランドではカーテンの柄を家の外側に向けて掛けることがあるというんですね。普通、柄は内側、部屋の中に向けて掛けるじゃないですか。どうして外側に向けるかというと、街や通りを明るくするためなんです。

恭:フィンランドは、冬になると空が本当に暗いんですよね。だから、カーテンの工夫で少しでも街の雰囲気を明るくするのだと。それを市民がやっているんですよ。

マナ:もちろん、家の中を好きなテキスタイルであふれさせている家庭もヨーロッパには多いですよね。カーテン、クッション、テーブルクロス。いろんなところに好みの色やデザインを取り込んでいる。そういう部屋を見ると、気分が上がりますよ(笑)。ちょっとした間仕切りにテキスタイルを掛けるだけでも、部屋の印象は全然変わりますし。

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そもそも、人は生まれた瞬間から布に包まれている!

小柴:今のお話にもつながりますが、改めてテキスタイルの良さ、魅力ってどんなところですか。

恭:部屋という空間に、自分の好きなデザイン、色を自由に取り込めることかなと。テキスタイルって、とにかく気軽に替えられるんですよね。季節や気持ちに合わせて、テーブルクロスでもカーテンでも、取り替えは簡単にできるじゃないですか。

マナ:私も、自分が気に入った布を何枚も棚に保管していて。この生地は「春から夏にかけてテーブルクロスに使おう」とか、「ちょっとした間仕切りにしよう」とか、考えているだけで楽しいですよ。

小布施:自分の好きなデザインや色を生活の一部にする。その豊かさがテキスタイルの根幹にあるのかもしれません。

鈴木:しかも替えるのは手間がかからないですから。そろそろ暖かくなってきたなと思って替えるのもいいし。

恭:さっきはヨーロッパの話を出しましたが、日本も昔から生活に色を取り込む文化があったんですよね。白と青の市松模様が使われた桂離宮の障子はその典型です。お花を生けたり掛け軸を掛けたりというのも、色を取り入れる文化のひとつかもしれません。

鈴木:以前、太宰府天満宮にテキスタイルアートを展示するイベントがあって、小林さんたちが手掛けられましたよね。僕も見に行ったのですが、テキスタイルが掛け軸のように部屋に飾られていて。和室なんですけど、すごくマッチしていました。カーテンやテーブルクロスだけじゃなく、掛け軸のように何げなくテキスタイルを部屋に掛けるだけでも、空間が大きく変わると思うんですよね。

恭:太宰府天満宮の方も、テキスタイルと部屋の相性の良さに驚いてましたね(笑)。

小柴:絵画などのアートを部屋に飾るのはハードルが高いですが、テキスタイルならもっと気軽に、自分の感性で飾れるかもしれないですよね。おっしゃる通り部屋に掛けるだけでもいいですし。

恭:その意味で、一番身近なアートピースかもしれません。しかも、テキスタイルの良さは質感があることですよね。綿や麻など、生地一つ一つで肌触りが違う。どんなにデジタルの時代になっても、肌触りや質感はバーチャルで体験できないものだし、布だからこその良さですよね。

鈴木:そもそも、人って生まれて10秒後には布に包まれて、そこからずっと布に包まれて生きていくじゃないですか。だからこそ、布と接すること自体に特別な感情を抱くのかもしれませんね。

マスターがオススメしてくれるマイクロショップがあればいい

小柴:これまでの話を踏まえて、どんなテキスタイルのお店が未来にあったらいいと思いますか。

小布施:テキスタイルを掛け軸のように飾る発想は面白いですね。掛け替えも簡単なので、季節や気分に合わせられる。そういうテキスタイルを、自由に、日常的に選べるお店があったら面白そうですね。

恭:テキスタイルって本当にいろんな使い方ができるし、アイデアひとつで可能性が広がる。種類も無限にありますよね。逆にいろいろあり過ぎるので、専門家がオススメの布や使い方をアドバイスしてくれるお店があるといいですね。ソムリエやバーテンダーから薦めてもらうように。

小布施:ふらっと行って「これからの季節に合うテキスタイルある?」みたいな(笑)。

恭:そうそう。最近、小さなコーヒースタンドが増えていますけど、そのくらいのスペースのお店でいいかもしれない。テキスタイルのアドバイスをするマスターがいて、お客さんの話を聞きながら「その部屋ならこういうのは?」と、オススメの布を出してくれる。

マナ:マイクロショップみたいな感じで。商品のテキスタイルは後ろの棚に保管してあって、店頭には毎日1枚、その日の気分や季節に合わせて厳選のテキスタイルを飾っておくとか。バーや喫茶店のマスターが「今日はこのレコードをかけよう」と音楽を選ぶように、毎日違うものを飾っていたらすてきですよね。

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小林氏が旅先で撮影したマイクロショップ

小柴:そのテキスタイルをきっかけに、マスターと話しながらオススメの一品を教えてくれると。

鈴木:僕も日々テキスタイルを探していますけど、コミュニケーションって意外と大事ですよね。目の前の布を見るだけじゃなく、解説やストーリーを聞いて、途端に欲しくなることがあるんです。

マナ:コミュニケーションの要素は絶対に必要。マスターの審美眼が良ければ、信頼が生まれて、またいろんな人が買いに来る。それはテキスタイルに限らず、どんなお店も一緒です。

恭:本当に小さな、駅の売店くらいのショップで、相談できるマスターがいて、店頭には大きなテキスタイルが一枚。後ろの棚には、いろんなテキスタイルが保管されている。

鈴木:毎日替わるその一枚がカッコ良ければ、きっと人の目を引くし、訪ねる人も増えるかもしれません。

小布施:365日、毎日違うテキスタイルが掛け軸のように飾られている。そしてマスターがいろいろ相談に乗ってくれる「街のテキスタイルバー」。そんなお店、見てみたいですね。

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今回のスケッチを手掛けた中尾仁士(電通クリエーティブX)

そして座談会から生まれたスケッチは・・・!

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安倍応援団の攻撃に怯まない「#検察庁法改正に抗議します」の有名人たち…小泉今日子は「読んで、見て、考えた。その上で今日も呟く」

 多数の著名人を含む人びとがTwitter上で声をあげた「#検察庁法改正案に抗議します」。ついには900万ツイートという驚異的な数字を叩き出しているが、一方、安倍首相はこうした市民の声も無視して検察庁法改正案を明日か明後日にも衆院内閣委員会で強行採決することを目論んでいる。...

パチスロ動画の「事件簿」… 恐怖の「大ハマり」を目撃せよ【自粛中に『最適』な動画特集】


 現在、YouTubeには膨大な数のパチスロ実戦動画が存在している。その中には、ある「事件」を収録した動画も少なくない。

 その事件とは「大ハマり」である。それは一定の確率で訪れ、避けることは不可能な出来事だ。パチスロユーザーの方々も重々承知していることであろう。

 パチスロ動画においては「大ハマり」が見せ場となる場合もある。滅多に発生しない極度のハマりは「希少価値がある」といえるのだ。

 今回は、そんな珍しい「大ハマり事件」を収録した動画を特集。編集部の独断と偏見で選択し、ご紹介していきたい。

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『ワサビ1846Gハマり事件』

 同事件はScooP! tvの配信する『ライターの流儀 vol. 17〜 ワサビ編〜 』にて発生した。

 ノーマルタイプの解説においては定評のあるパチスロライター「ワサビ」が『HANABI』を実戦。リーチ目や演出などを説明しながら番組を進めていくが、そこに「大ハマり」が到来する。

 打てども打てどもボーナスに当選せず、リーチ目が出現した時には「1846G」のハマりとなっていた。この様子は動画開始40分ごろから確認ができる。

 因みに、本機は最低設定の場合でも、ボーナス確率は「約1/172」であり、「約10倍」の大ハマり。これは「ゴルフのアマチュアプレイヤーがホールインワンを達成する確率」と同等だ。

 

『クワーマン2388Gハマり事件』

 同事件はBASH. tvの配信する『【ドリームクルーン】クワーマン 登竜門EX vol. 866 』にて発生。

 同チャンネルの看板演者の1人「クワーマン」が『ドリームクルーン500』を実戦し、「2388G」の大ハマりを記録してしまう。この様子は動画開始35分50秒ごろに確認が可能だ。

 本動画の企画「登竜門」は、視聴者参加型の番組で、BASH.tvメンバーと参加者の出玉バトルである。無論、クワーマンは収支・バトル共に大敗北を喫した。

 本機のボーナス当選率は全設定共通で「約1/489」となっており、今回は「約5倍」の大ハマり。これは「チョコボールで金のエンジェルが出る確率」と同等と言われている。

 

『シーサ。3114Gハマり事件』

 同事件はARROWS- SCREENの配信する『シーサの回胴日記_ 第139話 』にて発生した。

 類まれな「豪腕」で知られるシーサ。だが、敗北の様子も派手である。実戦機種は『緑ドン~キラメキ!炎のオーロラ伝説~』だ。

 動画開始19分55秒ごろに、その日初ARTに突入するも、当選までに費やしたゲーム数は「3114G」。投資は4000枚に上った。

 本機のART突入率は、設定1においても「約1/549」であり、「約6倍」ものハマりに相当する。これは「サイコロを3つ振ってピンゾロ(全部1の目)が出る確率」と同等である。

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 どの大ハマりもパチスロ動画界の歴史に残る「大事件」といえるだろう。気になった方、ご興味がある方は、自粛中のお供に是非チェックしてみてはいかがだろうか。

 

検察庁法改正案強行は河井克行の逮捕潰しだった! 買収の原資“安倍マネー”に捜査が及ぶことを恐れた官邸が検察幹部と裏取引の動き

 コロナ感染拡大のどさくさにまぎれた安倍政権の検察庁法改正ゴリ押しに批判が高まっているなか、政権の介入危機にさらされている検察の新たな動きが報道された。  日本テレビ、そして共同通信が、広島地検が河井克行・前法相を立件するという方針を固めたと報じたのだ。容疑は、妻の案里氏...

JRAヴィクトリアマイル(G1)ラヴズオンリーユーが「絶好調」M.デムーロとのコンビでアーモンドアイの7冠阻止!? リスグラシューの後継者に名乗り

 17日、東京競馬場で行われるヴィクトリアマイル(G1)は、現在G1・6勝をあげているアーモンドアイの7冠達成がなるかに大きな注目が集まっている。見事勝利することが出来ればJRA・G1最多勝に並ぶ7勝となり、さらなる記録更新も見えて来る。

 ラヴズオンリーユー(牝4、栗東・矢作芳人厩舎)に7冠阻止の期待がある。盤石のローテーションで挑むことはできなかったとはいえ、新型コロナウイルス感染拡大防止の影響で中止となったドバイ国際競走に出走を予定していたことは、アーモンドアイも同じ条件だ。

 また、ヴィクトリアマイルといえば、2006年の創設から過去14年の歴史を遡っても、1番人気は3勝しかしていない。07年は12番人気のコイウタが大穴をあけ、1番人気カワカミプリンセスが敗れた結果、3連単が228万馬券となるなど波乱の傾向が強いレースとしても有名だ。

 あのウオッカやブエナビスタといった女傑でさえ、連覇に失敗しているようにアーモンドアイといっても油断はできないレースといえる。

 この2頭が敗れた年の共通点といえるのが、前にいる馬を捉え切れなかったことだろう。ウオッカはエイジアンウインズ、ブエナビスタはアパパネと、いずれも先に抜け出した馬が圧倒的な人気馬の追撃を凌ぎ切った。鋭い末脚が武器のアーモンドアイにとっても、警戒すべきは後ろの馬より前の馬となる可能性が高いだろう。

 昨年のラヴズオンリーユーはフレグモーネを発症したため、トライアルを使えずに桜花賞を断念。ローテーションを組み直し、忘れな草賞(L)からオークス(G1)を制した。無敗の4連勝でオークス馬となったが、秋華賞を前に放牧先で右前の爪を痛めてしまい、直行でエリザベス女王杯(G1)に向かわざるを得なかった。

 レースはスローペースで逃げたクロコスミアから離れた2番手を掛かり気味に追走したものの、オークスの456キロから16キロ増えた472キロと余裕残しの馬体の影響もあってか直線ではいつもの切れが鈍り3着に敗れた。

 今回はエリザベス女王杯(G1)から半年ぶりのレースとなるが、ドバイに向けて一度仕上げてからの再調整であり、これまでのような脚部不安によるものではない。前向きな気性からもマイル戦も大きなマイナスとはならないだろう。

 そして何よりも心強いのは、先週のNHKマイルCを9番人気ラウダシオンで制したM.デムーロ騎手の騎乗だ。他の騎手が騎乗馬の折り合いを優先したことに対し、デムーロ騎手はレース展開と馬場状態に重きを置いて勝利を勝ち取った。

「無敗でオークスを制したラヴズオンリーユーの能力の高さは勿論ですが、怖いのはデムーロ騎手が手綱を取ることですね。東京の芝1600mはNHKマイルCを昨年のアドマイヤマーズ、今年のラウダシオンで連覇と得意にしている条件です。

 昨年のエリザベス女王杯を3着に敗れたとはいえ、このレースでもクロコスミアがスローペースの逃げに持ち込む展開を読んだ上で2番手追走でした。順調さを欠いての出走だったため、直線で伸びを欠いて敗れはしましたが、勝負勘はさすがでした」(競馬記者)

 デムーロ騎手はメンタルの浮き沈みがレースでの騎乗に影響しやすいタイプでもあり、一時期のスランプを脱したと思える攻めの騎乗が戻ってくれば手が付けられなくなる可能性もある。打倒アーモンドアイには先に抜け出すレース運びがポイントとなりそうなだけに、類まれな勝負勘で2週続けてあっと言わせる激走があっても不思議ではなさそうだ。

 厩舎の先輩リスグラシューは昨年の有馬記念(G1)でアーモンドアイを撃破した。ラヴズオンリーユーも偉大な先輩に続くことができるか。

JRA武豊ダービーパートナーはやはりあの馬!? 戸崎圭太の復帰で、一時の“贅沢な悩み”はいずこへ……。

 今年の武豊騎手にとって、3歳牡馬は選り取り見取りに思われていたが、日本ダービー(G1)を前に状況は一変してしまった……。

 年明け時点では、3戦3勝で京都2歳S(G3)を制したマイラプソディ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)が武豊騎手のクラシックパートナー筆頭だった。しかし、同馬は年明け初戦の共同通信杯(G3)で4着に敗れてしまう。敗因がはっきりしない不可解な敗戦をしてしまい、皐月賞(G1)に不安を残す形になってしまった。

 その一方、武豊騎手と初コンビのサトノフラッグが弥生賞(G2)を快勝。さらに若葉S(L)をアドマイヤビルゴ、毎日杯(G3)をサトノインプレッサで勝利して、まさに武豊騎手にとって3歳牡馬は選び放題の状態だった。

 この中からマイラプソディとサトノフラッグの2頭が皐月賞に出走。武豊騎手は先約であるマイラプソディに騎乗したが、結果は13着の惨敗。武豊騎手は「道中はいい感じで走れました。ただ、4コーナーで手応えがなくなってしまいました」とコメントした。

 それでもダービーでは、皐月賞に出走しなかった2頭も控えているため、有力馬確保は安泰に思われた。だが、先週の京都新聞杯(G2)でアドマイヤビルゴが4着、NHKマイルC(G1)でサトノインプレッサが13着と揃って敗れてしまう。アドマイヤビルゴは賞金的に厳しいため、早々にダービーを断念。これにより一気に武豊騎手の日本ダービー制覇に「黄色信号」が点灯してしまったのだ。

 さらに追い打ちをかけたのが、戸崎圭太騎手の復帰とサトノインプレッサが坂井瑠星騎手とのコンビでダービー参戦を決定したことだろう。

「ついに戸崎騎手が23日から復帰することが決まりました。なんとかダービーに間に合わせることができたようですね。戸崎騎手は新馬戦でサトノフラッグとコンビを組みましたが、その後はケガで騎乗が叶いませんでした。皐月賞で手綱を取ったC.ルメール騎手はすでにワーケアでダービー参戦を表明しているため、サトノフラッグは戸崎騎手でダービー参戦する可能性が高そうですね。

 サトノインプレッサも坂井騎手とのコンビで参戦を表明しているため、武豊騎手の残る選択肢はマイラプソディだけになってしまいそうです。皐月賞の凡走を見るとダービーは難しそうですね……」(競馬記者)

 3月末時点では、4頭の有力3歳牡馬をお手馬にしていた武豊騎手。それが2か月も経たないうちに、するすると逃げて行ってしまったようだ。

 それでも武豊騎手は日本ダービーで最多の5勝を誇る名手。競馬の祭典には欠かせない存在に違いない。皐月賞惨敗のリベンジを果たしてほしいところだ。

パチスロ界の「レジェンド」新連載がスタート!!【アニマルかつみの回胴青春時代Vol.01】

 いつになったら解除されるのか見通しもつかない緊急事態宣言による外出自粛要請。

 ホールに打ちに行くこともできなければ、気心知れた友人知人らと呑みに出ることもできず、家に籠もって悶々とした日々を過ごしているのは、何も筆者に限ったことではないんだけれど。

 とりあえず時間に余裕ができたこともあって、新たな連載を持たせてもらうこととなった。

 タイトルは「回胴青春時代」。筆者個人の思い出や体験なども交えつつパチスロの歴史を振り返る、というのがざっくりとした企画趣旨である。

 同年代の方には懐かしく思っていただけるかも知れないが、そうでない若い方が果たしてついてこられるか心配なところではあるが。まぁ、ステイホームの暇つぶしにお付き合いしていただければ、これ幸いである。

 さっそくだが、まずは手始めに筆者がパチスロを打つようになったきっかけというか、初打ちの時のエピソードを綴らせていただくとしよう。

 時は1989年、激動の昭和が幕を下ろし平成の世が幕を開けた最初の年の、夏の終わりのある日のことだった。

 その日は朝からパチンコを打っていたのだが、調子が奮わず日が暮れる頃にはけっこうな額を溶かしていた。

「…はぁ、これで最後か。これが無くなったら、また明日から日雇いでもやらな、あかんなぁ」

 当時、筆者は大阪を拠点にバンド活動をしていたのだが、いくらバブルの全盛期で景気がよかったとはいえ、それだけでメシが喰えるほど世の中は甘くはなく、調子がいい時はパチンコで稼ぎ、そうでない時は日雇いとか短期のバイトでしのぐ。そんな不安定な生活に甘んじていた。

 ともかく、起死回生の逆転満塁ホームランを天に祈りつつ、トイレで用を足したあと、財布に残っていた最後の1万円札を景品カウンタそばにあった両替機に挿入した。

 ところが、である。負けが込んで頭に血が上っていたのだろう。両替機と思い込んでいたそれは、パチスロのメダル貸し機だったのだ。

 4金種対応の台間サンドが完備されている現在なら、こんな間違いはしなかっただろう。

しかし当時はというと、パチンコもパチスロも台間サンドはあっても高額紙幣はシマ端などにある両替機で千円札に両替しなければならなかった。

さらに言えば、パチスロに関しては台間サンドも無く、いちいちシマ端のメダル貸し機で千円ずつメダルを借りなくてはならない店も珍しくなかったのである。

 とにかく、50枚のメダルを手にして途方に暮れてしまったわけだが、実は前にも一度、同じミスを犯したことがあって、その時はそのまま計数機に流してタバコに替えた。が、前述のとおりこの日は負けが込んで頭に血が上っていたので、「もう、なるようになれ」とばかりに、パチスロのシマに足を踏み入れたのである。

 広いホールの片隅にあったそこは、明るいパチンコのシマとは違って照明が落とされて薄暗く、素人には近寄りがたい雰囲気が漂っていたが、適当に空き台を選んで腰を降ろした。

 機種は、山佐の1.5号機『パルサーXX-Σ』。総数千数百もの大量リーチ目で人気を博していたマシンである。雑誌の記事でさらっとだが読んだことがあり、なんとなく知ってはいたのだが、いざ実機を前にすると緊張するものである。

台上のリーチ目表と周りの先輩方の所作をチラ見しつつ、おぼつかない手つきで打ち始めた。

 回転するリールを「ぼーっ」と眺めていると、ピンクや黒、緑の塊が一定周期で通り過ぎるのがわかった。

「これを狙えば、そのうち揃うんだろ?」
 
そんな風に思いながら、バンド演奏でカウントインするかのごとく「ワン、ツー、スリー、フォー」とリズムを取りながらボタンを押し続けた。

 奇跡が起きたのは、下皿のメダルが残り数枚になった頃だった。

「じりりりりーん」

 古風なベルの音とともに、ピンク色の7絵柄が3つ、中段に揃った。

 パチンコのセブン機のような祝福のファンファーレもなく、「これが本当に大当りなのか」と不安になったりもしたが、いわゆるビギナーズラックというやつか。たったの千円で、生まれて初めてパチスロを当ててしまったのである。

 もし、あそこで両替機とメダル貸し機を間違えていなかったら、果たしていまの自分はあったのだろうか。人生、どこでどうなるかわからない。だからこそ、面白いんだけれども。

 

(文=アニマルかつみ)