カテゴリー: 暮らしの情報センター
パチスロ業界に「激震」!? パイオニアが先告知の代名詞「ハイビスカス」商標登録
日本では南国のイメージをまとった植物として広く親しまれている「ハイビスカス」。パチンコ・パチスロファンにとっては「パトランプ」と共に先告知ランプの代名詞的存在であり、数多くのマシンに採用されている。
その先駆けはパイオニアの『シオサイ-30』。1997年発売当初は沖縄県にしか設置がなかったものの、以後、沖スロ人気に徐々に火が付くと、沖縄から九州、九州から全国へと設置が広まった。
シオサイという機種名は、潮が満ちる時に波が発する音を表す「潮騒」が由来。シリーズを代表する女性キャラクターも「海辺の女性」をイメージしているそうだ。
今やシオサイシリーズよりも人気の「ハナハナ」シリーズは、2001年に初代『ハナハナ-30』が登場。ハイビスカスのデザインは機種によってサイズの変更こそあるものの、形は不変というこだわりで、そのシンプルながらも美しいデザインは多くのファンを魅了している。
ハナハナという機種名は沖縄県で「乾杯」を表す方言が由来。シリーズ機種には必ず「HANAHANA」のロゴが記されている。
このように沖スロ界をリードし続けている同社が8月31日、1G連フリーズよりも衝撃的な「お知らせ」を発表した。8月19日付けでハナハナシリーズの象徴であるハイビスカスに関連する図形商標が、経済産業省特許庁より「登録第6281596号」として正式に商標登録されたというのだ。
同社は上記商標に先だって、2017年1月27日付けでコーナーランプのハイビスカスを位置商標として取得済み(登録第5916783号)。他にも複数のハイビスカス(図形・位置)に関する商標を既に登録している。
同社はこれら一連の「ハイビスカス商標」の商標権に基づき、第三者によるパチスロ及びぱちんこ遊技機に関する同商標の使用について「形状等が近似するものを含めて」類似する商標の使用を禁止することができる。
今回の件に関して、同社は「取引先企業様及びファンの皆様のご支援・ご理解等により、そういった当社の取組みが結実し、業界内でハイビスカスといえばパイオニア、そしてハナハナシリーズ等を連想するという状況に至っていると自負しております」とコメント。
商標の整備を進めたことに関しては「ご支援いただいている当社製品のブランドを守る必要性を感じたからに他なりません」と説明した。
さらに「当社は、当社の製品または営業との誤認混同を生じさせる恐れのある第三者による所謂『ハイビスカスモチーフの遊技機』の『今後のリリース』に対しては当社商標等当社のブランドを尊重していただくように要請する準備があります(上記共に原文まま)」とした。
HP上ではホール及びメディア向けとして、今回のリリースは「今後販売される」パチスロ及びぱちんこ遊技機の開発・販売に向けての注意喚起と説明。既に販売済みの機種(設置の如何は問わず)に対しては、ホールに迷惑をかけることがないように何らかのアクションを取ることを検討中だそうだ。
沖スロファンの中では、告知ランプがハイビスカスというだけで遊技動機になるものも少なくない。例えば「32G以内がアツい」あのマシンの続編はどうなるのか。各メーカーの動向にも注目したい。
JRAダービー2着馬ダノンキングリーの弟が今週デビュー予定! 父キングカメハメハの”ある特徴”が適性に大きく影響も!?
6日(日)、新潟競馬場・芝1800mの新馬戦にダノンヴェロシティ(牡2歳、美浦・萩原清厩舎)が出走を予定している。
母マイグッドネスは、昨年の日本ダービー(G1)で2着と健闘したダノンキングリー(父ディープインパクト)を輩出。過去にはダノンレジェンド(父Macho Uno)やダノングッド(父Elusive Quality)と言ったダート活躍馬も輩出しており、父によってそれぞれの適性を持った産駒を輩出する、種牡馬を選ばない繁殖牝馬と言えるだろう。
ただ、今回は父がキングカメハメハに替わったという事で、どのような産駒になるのかという意味では今までの産駒よりも興味深い。
と言うのも、先ほども触れたように母は父の良さを引き出す繁殖牝馬であるが、父もまた母の良さを引き出す種牡馬だからだ。
父キングカメハメハは、これまでに数々の名馬を輩出してきた訳だが、近年種牡馬となったキングカメハメハ産駒はそれぞれ異なる個性を持っている。
まず、ホッコータルマエはJRAのダートG1であるチャンピオンズカップを勝利した他、地方のダートG1で9勝を挙げたダートの雄である。
次にロードカナロアであるが、香港スプリント(G1)やスプリンターズS(G1)、高松宮記念(G1)など、主に芝の1200m戦で活躍した快速馬だ。
最後にドゥラメンテだが、こちらは春のクラシック2冠馬。皐月賞(2000m)、日本ダービー(2400m)の距離からも、芝の中長距離で強さを発揮したことがわかるだろう。
以上を踏まえて以下の母成績を見れば、キングカメハメハ産駒は母の特色を強く引き継いでいる可能性が高いと言える。
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マダムチェロキー(ホッコータルマエの母)
ダート「1700m~1800m」で4勝
レディブラッサム(ロードカナロアの母)
芝、ダート問わず「1000m~1400m」で5勝
アドマイヤグルーヴ(ドゥラメンテの母)
芝「1600m~2200m」で8勝
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つまり、この未知なる配合は「特性を引き出す父」と「特性を出させる母」、いわゆる“矛と盾”の関係にあるのだ。
複雑な話になるが、仮に父キングカメハメハが母を強く引き出した場合、マイグッドネスの父Storm Catの影響を強く受けそうで芝ダート兼用の短距離馬になる可能性が考えられる。
逆に母マイグッドネスが父を強く引き出した場合は、キングカメハメハのように中距離馬になるという事もあるだろう。
「キングカメハメハは基本的に母系を強く引き出しますが、逆にキングカメハメハが強く引き出されたらどうなるのかというのは気になりますよね。ダノンヴェロシティは芝の1800mで出走を予定していますが、キングカメハメハが強く出ているなら距離は問題ないでしょう」(競馬記者)
実際、キングカメハメハがデビュー戦の1800mを快勝。日本ダービーを勝利している事からも距離は心配ないだろう。
過去の産駒成績からも関係者の期待が大きい馬。実戦でどのような走りを見せるのかに注目だ。
JRA新潟記念(G3)カデナ「鬼脚炸裂」の大チャンス到来! 展開不向きの宝塚記念(G1)は度外視可能!?
6日(日)、夏競馬を締めくくる重賞・新潟記念(G3、芝2000m)が行われる。今年も秋競馬での飛躍を見据えた馬たちが参戦しているが、カデナ(牡6、栗東・中竹和也厩舎)もそのうちの1頭だ。
今年2月の小倉大賞典(G3、芝1800m)では、後方待機策から最後の直線で上がり3ハロン最速35秒1の末脚を繰り出して優勝。17年の弥生賞(G2)以来となる約3年ぶりの勝利を飾った。
その後、向かった大阪杯(G1)でも最後方から切れ味鋭い末脚を武器に4着と健闘。馬券圏内までは0秒1差届かなったものの、上位陣を脅かす走りを見せた。だが、続く宝塚記念(G1)では得意の後方からの競馬をするも振るわず、12着と惨敗を喫している。
「新潟競馬場は、先週から1000m戦以外の逃げ切りはナシ。開催が進んで馬場が傷んできたことも影響しているのか、完全に差し馬有利の傾向が出てきているようです。
カデナは昨年の新潟記念で上がり最速タイの脚を使って3着。新潟開催最終日となれば、さらに馬場も荒れているはず。カデナにとってはこれ以上ないほど展開が向いてきた感がありますね」(競馬誌ライター)
重賞4勝目を狙うカデナは栗東の坂路で1週前追い切り。力強い走りで4ハロン53秒4、ラスト12秒5をマークしており、調整は順調に進んでいると見て良さそうだ。
「カデナは今回の新潟記念で、メンバー最重量となる58キロの斤量を背負うことになりました。今年の宝塚記念で58キロを背負い12着、また昨年の天皇賞・秋(G1)も斤量58キロで出走し、13着に終わっています。
ただこれは斤量以前に、G1のメンバー相手に力負けと考えたほうがよさそうです。今回のメンバー相手で、さらに差し有利の新潟ならば、58キロを背負っても五分に戦うことができるはず。ここは期待してもいいのではないでしょうか?」(競馬記者)
1年ぶりに訪れた越後の地で、見る者の度肝を抜く大胆な大外一気が炸裂することに期待したい。
なぜか面白い企画のヒミツ
次の時代を創るリーダーが、真のイノベーションを起こすための“共創の場”を提供する「WASEDA NEO」と、電通のニュースサイト「ウェブ電通報」が連携し、電通のクリエーターらを講師にした、社会人向けのオンライン講座「ウェブ電通報×WASEDA NEO 連携講座シリーズ」。第1回の講師は、電通のクリエーテイブディレクター・武藤新二氏です。
人を引き寄せる企画は、どんなプロセスで磨かれるのか?それが、今回、私がお伝えしたいテーマです。大事なことは、見栄えのいい企画書を書くこと、ではありません。こうなったらいいな、というゴールイメージへ向かって、チーム全員が希望あふれるプロセスを共有し、それを具現化していくことです。
今回ご紹介するのは、私が、というより私のチームが手がけた三つの事例です。いずれの事例も「テレビCMなどをつくる広告会社のクリエイターが、なんでそんな仕事をしているの?」というものばかりです。そこに、なんらかのヒントを感じていただけたら、幸いです。
ケース①:広告会社による「ダンス」事業
ことの発端は、仕事を通じて親交のある振付師のパパイヤ鈴木さんからの相談でした。2012年から学校の必修項目に「ダンス」が加わり、教育の現場が戸惑っているというんです。何しろ教える側も教わる側も初めてのことですから、いわゆる「教科書」がない。そこで、誰もが簡単に踊れる「譜面」のようなメソッドをつくって、それをiPhoneのアプリやYouTubeなどを使って発信していきましょう!という企画をスタートさせました。
その後、プロジェクトそのものが書籍化され、英語教育を手がける会社とのコラボが生まれ、ダンススクール事業開発へと発展し、14年には「パパイヤ式キッズダンスアカデミー」へとつながっていきました。すべての出発点は、教科書ではなく「譜面」があったらいいよね、という気づき。そこからアイデアが膨らみ、そのアイデアに人が集まってくる。さらに、ゴールイメージを掲げ、周りと共有することで、企画がカタチになり、事業にもなっていく。こうして、最初の気づきが磨かれていったんです。
ケース②:「一芸手当」という人事改革
こちらは静岡県で中古車買取・販売を営む「オーベル」という会社のケースです。先方から頂いたオリエンは「テレビCMを新しくしたい」というものでした。今流しているCMが古びてきたから、新しくしたい。確かにそれは、目先にある問題です。でも、そこにはもっと根本的な問題があるのではないか。そう思い立ち、先方の社長や社員の方々にインタビューを行いました。インタビューというよりは、雑談ですね。その結果、素晴らしい話、ダイヤの原石のような話が聞くことができました。
現場の社員の皆さんは、とにかく「お客さまにどうしたら喜んでいただけるか?」ということ考えて行動しているんです。音楽好きのお客さまには納車の際、好みの音楽ジャンルのおすすめリストをお渡しする。車の買取の際に、愛車との最後の記念写真を撮って、額装しプレゼントする。いずれも、音楽や写真を趣味や特技としている社員の方々が、日々、実践されている工夫です。瞬時に「一芸入試」「一芸入社」というモチーフが、頭に浮かびました。
車を買い取ったり、売ったら、そこでおしまい。ではなく、お客さまにどうしたら感動していただけるだろう?そのために、自分にはなにができるのだろう?そうした思いがこのプロジェクトを通して社内に増殖することで、社員の方々のモチベーションや会社へのロイヤルティー、接客サービスの向上や、広告、PR、リクルーティングまで全てにつながっていきました。現場で密かに行われていた工夫(磨けば光る原石)を発掘したことが、根本的な問題を解決し、さまざまな取り組みに広がっていった事例です。
ケース③:おじぃとおばぁのロックンロール
こちらは、沖縄県で映像制作会社を経営する狩俣さんという方からのある相談から始まった企画でした。「沖縄のおじぃ、おばぁが長生きなのは、歌と踊りにあるように思う。それを、沖縄を元気にする起爆剤にできないものだろうか?」と投げかけられました。確かに、三線の音色に乗って楽しそうに踊るおじぃ、おばぁの姿はテレビなどでも目にする。でも、単純に民謡を歌ってもらっても、オモシロくない。ならば、ロックンロールとかはどうですか?という話をしました。65歳以上のおじぃとおばぁに、ロックンロールを覚えて歌ってもらってはどうか?という提案です。
意外に思われるかもしれませんが、アイデアモチーフは「アイドルグループ」でした。歌って踊るアイドルグループを、おじぃとおばぁに「置き換え」たら、なにかが爆発するのでは?という発想です。目論見は当たりました。沖縄国際映画祭でのステージデビューをきっかけに、フェスにも参加。メディアにも取り上げられ2時間&17曲におよぶ単独ライブも実現。地方のCMにも出演。たった3人のメンバーから始まったプロジェクトが、今では60人のおじぃとおばぁの大所帯です。
アイデアの出発点は、常に荒唐無稽なもの。でも、その先にあるゴールイメージを想像してみんなが幸せになれるプロセスを逆算してつくっていく。そこに、いろいろな人のパワーが重なっていくことで、多くの笑顔が生まれる。そんなことを肌実感したプロジェクトです。
2016年に結成された、平均年齢70歳の歌って踊るロックンロールコーラス隊。ロックンロールを中心に、ポップス、ブルース、ゴスペルなど老若男女が楽しめるカバー曲を歌う。沖縄県下のイベントやステージ、ミュージカル、テレビCM、番組などで活躍中。
今回ご紹介した事例に共通するのは、「創造力」よりも「想像力」が大事だということ。目の前にある現象や事例に対する「発見」(気づき)を出発点に、ゴールへの「プロセス」を想像する。そのゴールから逆算して、モデルとなるモチーフを探す。企画を磨く。
そして、ここが一番大事な点なのですが、「かわいい企画には、旅をさせろ」ということ。企画をカタチにして、はい、おしまいでは小さな仕事で終わってしまう。より広く、より深く、その企画の価値に気づいてもらえる仲間を増やしていく。そこに「驚きと共感」が生まれる。それが、私の、というより私が愛するチームの流儀であり、「なぜか面白い企画」を実現するためのすべての仕事に共通するレシピなんです。
武藤新二氏による過去のコラムは、こちら。
WASEDA NEOの公式サイトは、こちら。
WASEDA NEOは、早稲田大が運営する“知の更新とアウトプット、応援し合える仲間づくりのための、未来に向けた前向きな学びのコミュニティ”で、東京・中央区に日本橋キャンパスを構える。同所では、各種セミナーやワークショップなどを開催するとともに、交流イベントなど、会員同士の交流の場も提供している。
(編集後記)希望は、学びの先にある。
連載を始めるに当たって編集部が設定したキーワードは「希望は、学びの先にある」というものだ。早稲田大総長を務めた大隈重信氏が、1909年に行った演説の一節「人間は希望によって生活している。希望そのものは人間の命である」にちなんだ。
個人も、企業も、不安や閉塞感を抱えている現代。特に、コロナ渦にあっては誰も、信じられない。何も、信じられない。メディアは、特にSNSは、しばしば、ストレスのはけ口として利用されがちだ。誰かを、何かを批判することで、自身の心を落ち着かせたい。でも、それでは、真の満足は得られない。
ステイホームを余儀なくされる中、私たちは「教養」というものの大切さを、改めて実感しつつあるように思う。こんなことで、どうして心が癒やされるのだろう?これ、実は苦手だったんだ。相手はどう思っているのだろう、どう感じているのだろう。などなど。そうした小さな気づきが、大いなる探究心を呼び覚ましてくれる。時空を超えた想像力の旅に、誘ってくれる。それこそが、「教養」というものの価値ではないだろうか。
学びたい、という気持ちが芽生えると、人は謙虚になる。他人に対して、やさしくなれる。先人を、心から敬うことができる。その気持ちが、生きていく上での希望に変わっていく。希望は、学びの先にある。この連載が、読者の方の「知の旅」へのチケットとなることを願って。
顧客、従業員、事業の三つをどう動かせば強い組織になる?
7月16日、電通、電通デジタル、ビービットの3社がウェビナー「ニューノーマルの時代に求められるトランスフォーメーションとは?」を開催しました。
withコロナの時代、不可逆となった変化を受け入れて、新しい社会や常識をつくっていくことを指す「ニューノーマル」という言葉がよく聞かれます。しかし実際に何がニューノーマルで、何がそうでないのか?
言葉の定義に振り回されることなく、withコロナの時代に企業が何に取り組んでいくべきなのかを、異なる立場で視点を持った3人の有識者が語りました。
最終回は、電通デジタルのDX部門の責任者である八木克全氏が、コロナ禍において企業が目指す組織の在り方を提案します。
<目次>
▼五つの鍵で小さく始めて大きく変革する
▼サザンオールスターズに見た新時代の“四方よし”
▼DX加速のために「顧客」「従業員」「事業」をどう動かす?
▼これから日本企業が目指すべき三つの変革の方向性
(モデレーター:電通デジタル 加形拓也)
五つの鍵で小さく始めて大きく変革する
企業の目指すべき大きな方向性が見えたところで、最後の登壇者として電通デジタルの八木克全氏が立ちました。
同社でトランスフォーメーションコンサルティング&デザイン組織を立ち上げ、DX領域執行役員を務める人物で、まさに今、日本企業がどのようにDXを実行していかねばならないかを最も知る人材といえます。
そんな彼が掲げた、トランスフォーメーションのためのキーワードは、
「五つの鍵で小さく始めて大きく変革する」
というものでした。

八木氏は、冒頭、元am/pmの相澤利彦氏から教わったという「七つの資本主義」という書籍について紹介しました。
「資本主義」というのは一見すごくシンプルなコンセプトであるにもかかわらず、国によって使われ方が全く違うということを解き明かした書籍で、どんな素晴らしいコンセプトであっても、国の文化や価値観と折り合いを付けないと機能しないというのです。
本書では、「協力しながら競争する、いわば集団主義と個人主義が矛盾するのが日本の資本主義である」と記してあり、八木氏は「すごく納得感があった」「今のコロナ禍の状況に対して、かなり学ぶことがあった」と述べました。
ここで八木氏は、「鈴木氏の言う“四方よし”を進めていくに当たって、五つの鍵がある」と提議しました。

- 鍵1 顧客が使い続ける提供サービス
- 鍵2 従業員が楽しく自走するサービス提供プロセス
- 鍵3 社会にとって意義のある存在
- 鍵4 デジタルプラットフォームと「四方よし」をつなぐストーリー
- 鍵5 社内外の必要なところにヒト・モノ・カネを最適に配置できる組織
これら一つ一つの鍵は小さなところからスタートして、最終的にブランドとして成長するというのがニューノーマル時代のトランスフォーメーションということです。
サザンオールスターズに見た新時代の“四方よし”
具体例として八木氏がまず挙げたのが、藤井氏の話にもあったサザンオールスターズの特別ライブです。
横浜アリーナで、最大収容人数が1万7000人で、1人9500円のチケット代金だとすると1億6000万円の売り上げになります。しかし、サザンが今回デジタルで有料配信したことで、50万人が同時視聴し、6億4800万円ぐらいの売り上げがあったのではともいわれています。
「やっぱり、今、売る側にとってデジタルプラットフォームが機能していて、例えばソーシャルの中で盛り上がったものを刈り取っていく“見逃し配信”だったり、Spotifyがすぐに当日のセットリストを再現したプレイリストを公開したり。一過性のイベントというよりも、より音楽を楽しむ、それも本質的に質の高いものを楽しむというところまで消化した案件だと思っています」
続いて八木氏は、二つ目以降の「鍵」についても言及しました。
「コロナの影響でスタッフが職をなくすということがけっこうあった。そこに400人のライブスタッフを投入して、高品質なコンテンツを通常通りつくり、配信するという。それを追いかけて報道する記事が出てきたりして、それを見たファンはますますサザンを応援したくなるし、こういうイベントをつくり上げてくれている裏方のスタッフも応援したくなる。そういうことが社会に対して発信され、バズっていった事例なんです」
ここでサザンの事例を、八木氏が最初の「五つの鍵」に整理してくれました。
- 鍵1.顧客がサービスを使うというときに、質の高いリアルタイム体験が提供された他、見逃し配信・プレイリスト配信といった補完するオンライン施策がよく機能した。
- 鍵2.新型コロナウイルスによって活躍の場所がなくなっていたライブスタッフに活躍の場を提供した。
- 鍵3.本来、おカネを払う価値があるというのは、リアルな大規模会場で実際にやるものを見るというところに基本はあった。でもそれだけじゃなくて、お客さん側に「コロナ禍対策で、お金を払って貢献したい」というモチベーションが出てきた。さらに、こうした事態全てが、報道含めて社会で比較的好意的に共有されたのは、意味合いとして大きい。
- 鍵4.バリューチェーンが機能していた。高品質な有料配信無観客ライブというものにもともと投資していたアミューズがまずいて、そこにデジタル配信プラットフォームが乗っかってくる。こういうバリューチェーンをしっかり埋めたのが今回は大きかった。
- 鍵5.こういう鍵1~4がある中で、日本の一大行事として受け止められ、感染拡大を阻止しながらの本格的なエンターテインメントとしてうまく機能した。

このような例を通じ、鈴木氏の提唱した「四方よし」を実現していけるのではないかと八木氏は語ります。また、特に最初の四つの鍵を考えながら施策をつくっていくと効果が出やすいとも改めて語りました。
DX加速のために「顧客」「従業員」「事業」をどう動かす?
このように、人が直接接触できる接点がなくても、「デジタル・ハイタッチ」が加速していく予感があり、八木氏としても
「われわれが企業のDXを加速させることが、社会をより早く幸せにする。取り組む意義がある領域」
と使命感を覗かせました。
そして、こうした取り組みを通常の事業推進に活用するため、“動かしたい三つのモノ”として、「顧客」「従業員」「事業」を挙げました。
「お客さまと従業員を動かすことで事業を動かすというところにヒントがあるのではないか」と八木氏。



まず顧客を動かすことについては、お客さんの心を震わせて、それを頭で理解してもらい、体で行動して納得してもらう必要があり、「それこそが生活に定着したり、周囲も理解するということで、買い続けたり使い続けたりすることにつながるんです」と述べました。
一方で従業員を動かすというのは、企業がミッションや組織をつくり、環境整備をして、その中に従業員を入れてKPIを設定し、その枠組みの中で事業を推進していくということ。事業がうまくいっていることで従業員も腹落ちして、意気に感じて、自律的に動く。そこまでやって「従業員を動かす」といえるだろうと八木氏は語ります。
つまり、顧客を動かすには「感性」「理性」「環境」の順番で。従業員を動かすには、その逆で。事業を動かす立場の人は「こういう順番で動くんだ」ということを前提に考えなければ、と。
従って、事業の構想と計画を立てるときは、まず顧客の心を動かし、従業員の環境を整えることが必要ですが、これだけではうまくいかず、実際に良い状況を生むには、お客さまと従業員に腹落ちさせ、意気に感じて自律的に動く状況を目指す必要があり、ここをつくるのが一番難しいのだと八木氏は述べました。
特に難しいのは、従業員。お客さまにはカスタマージャーニーがあり、ファネルの最上流で興味を持って使い続ける流れがあるのに対し、従業員側は商品開発からアライアンスまで分かれて存在しており、違う人が一人のお客さまに向き合うことになるので、「顧客と従業員」をセットで考えるのが難しくなります。
では、どうすればうまくいくのか。八木氏は成功事例を二つ紹介しました。
「一つは、損保会社です。自動車オーナーが『明日は5年に1度の大雪らしい。車に何かあったらどうしよう?』と思ったときに、企業側はどうするか。『明日、お車を運転するご予定がありますか』『万が一、雪や雹による損害が発生した場合に、ご加入いただいている車両保険の適用が可能です』とメッセージを送るんですね。加入者の顧客情報をちゃんと見ることで、チャットやメールやコールセンターが必要なタイミングで必要な情報をアウトバウンドできる。このようなアプローチが事業に貢献していることがデータとして証明されています」
もう一つの事例は、生保会社です。
「商談時は営業担当が気合を入れて事情を聞きますが、何かあってコールセンターに電話をすると、またもう1回全部イチから説明しなきゃいけない。それがきっかけで解約していくお客さまが多いんですね。最初の商談の情報をデータベースに書き込んでデータ連携すれば、適切な担当者が対応できるようになります。また、例えば子どもがいるお客さまであれば、同じくらいの子どものいるオペレーターが対応することで、同じママ同士なので話しやすくなり、やはり解約率を下げる効果が出ています」
さらに、海外のファッションブランドの事例では、顧客の目線と従業員の目線を持ったインフルエンサー、いわばプロ顧客のような従業員を使い、SNSなども活用して顧客に影響を与えている事例を紹介しました。
さて、顧客と従業員を動かしたら、いよいよ「事業を動かす」フェーズです。八木氏は、中国の美団点評(メイチュアン・ディエンピン)という、アリババ、テンセントに次ぐ第3位グループのプラットフォーマーの話を紹介しました。
「この会社はウーバーイーツ+食べログのような、フードデリバリーと口コミサービスを主とした事業者です。まずは高頻度に利用されているフードサービスを通じてユーザーを獲得し、そのユーザーコミュニティーを隣接する低頻度のサービス、つまりホテルとかお店への送客や予約獲得につなぐことに成功しています。プラットフォームとしての実力を証明し、収益がすごく上がっているんですね」
八木氏は、この事例を引いて「このように中国では、お客さまと従業員の間でやりとりされるデータを使いながら、新たな事業に広げていき、成功している会社が次々と出てきています。日本でそれを解釈し直して、どう展開するか。われわれは考えねばなりません」と決意を語りました。
これから日本企業が目指すべき三つの変革の方向性
ウェビナーのまとめとして、八木氏は日本企業に三つの変革の方向性を提案しました。
「一つ目は、顧客と従業員を分けて考えずに、一緒に協力することで企業活動の助けにすること。ブランドにアドバイスをするプロ顧客として、もう一方ではブランドの良さを伝えるプロ従業員として、そういう人たちが本音でぶつかり合えるコミュニティーをたくさんつくり、社会に開放する。そのことで、日本的な『協力と競争』を企業やブランドが社会に提供できるのではないか」

「二つ目は、そうしたコミュニティーにたまるデータを判断基準に使って、自社のサービスのバリューチェーンをどう伸ばしていくのか。事業提携のような形も活用しながら、強固なバリューチェーンをつくっていく。データはそうした意思決定のヒントになります」

「最後に三つ目ですが、こういう形で顧客や従業員がバリューチェーンを社会につないでいくということを、多くの会社がやろうとしています。その際は『自社のユニークな存在意義』をしっかりと見つけて、それを顧客や従業員の声も聴きながら推進していく。この三つの方向性で、社会の中で機能する強い組織をつくっていけると思います」

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「副業」から「複業」へ。そして、「福業」へ。
お互いの距離は離れていても、テクノロジーを上手に使うことで、今までよりも近くに感じられる。ちょっとした発想の転換で、まったく新たなつながりが生まれる。新型コロナをきっかけにして始まりつつある新しいライフスタイルは「リモコンライフ」(Remote Connection Life)といえるものなのかもしれません。リモコンライフは、Remote Communication Lifeであり、Remote Comfortable Lifeも生み出していく。そうした離れながらつながっていくライフスタイルの「未来図」を、雑誌の編集長と電通のクリエイターが一緒に考えていく本連載。
4回目は「SPA!」の編集長・犬飼孝司さんに伺いました。
<目次>
▼【リモコンライフストーリー#04 副業から福業へ】
▼ 会社に縛られないために、今、何が必要なのか?
▼ リモートで露呈する、「デキる」「デキない人」
▼ 会社でもなく家でもない「第3の場」が人生を左右する
▼ マネーはストック型へ、モノはフロー型へ
【リモコンライフストーリー#04 副業から福業へ】
(ノザワ トモキ/金融会社勤務/44歳の場合)
「ステイホーム期間はリタイヤ後のシミュレーション」という犬飼編集長にとって、仕事にも行けず飲みにも行けない状況はとても苦痛だったようです。「確かに気楽な面はあるんですけど、やっぱり『仕事はあった方がいいんじゃないかな』って心の底から思いましたね(笑)」
そんな犬飼編集長の示唆をもとに、人生100年時代を迎える私たちにとって、できるだけ長く楽しく仕事をしていくにはどうすればいいのか?新型コロナをきっかけにして進みつつある「新しい働き方」とは何か?ちょっとしたストーリーにまとめてみました。
野澤友宏(電通1CRP局)

イラストレーション: 瓜生 太郎
1時間ほど続いたリモート会議が終わり、チームメンバーのほとんどが画面から消えかけた時、入社5年目のヤマダが「なんか……」とポツリとつぶやいた。「こっちの方が話しやすいっすね……」トモキは退出ボタンに合わせたカーソルをそのままにして、ヤマダの次の言葉を待った。「だって、リアルのノザワさんって」とヤマダが屈託のない笑顔で言った。「マジでしゃべっちゃいけないオーラ、バンバン出してましたから」
こんなことを平気で言えてしまうのも、リモートならではの効果なのだろう。トモキはメンバー全員が消えた画面を仏頂面で見つめて言った。「まったく好き勝手ばかり言いやがって」。ヤマダばかりではない、会議がリモートになってからはメンバーの発言が活発になった。会議室の時のような沈黙の時間がほとんどない。メンバー全員が「効率」を意識してのことだと思っていたが、どうやらトモキの勘違いだったようだ。
「さて」とわざと声を出しながらトモキはYouTubeを開いた。「コメントは来てるかなっと」外出自粛期間中で時間を持て余していたときに、沖縄に住む甥っ子から魚のさばき方を教えてほしいと言われて動画を送った。「すごく分かりやすい!」と喜ばれたことがきっかけとなり、いろんな魚をさばく動画を撮りYouTubeにアップするようになった。
チャンネル名は単純に「魚の美味しいさばき方」。幼少時から釣りが趣味だったが、魚を釣り上げることよりもむしろさばく方が得意だった。動画を撮る際、トモキは魚によって微妙に変わる包丁の入れ方をちゃんと言葉にして丁寧に解説した。対面で教える場合はチカラ加減などなんとなく教えられるが、映像では意外にその「なんとなく」が伝わらない。
チャンネル登録数は大した数ではなかったが、釣り好きはもちろん、主婦や魚が大好きな小学生の男の子まで幅広い層のファンが視聴してくれている。直接教えてほしいという人もちらほら現れ、オンラインで教えるようにもなった。そして、先月からはLIVE配信で初心者にオススメの釣り具を解説するようなことまでしている。始めたばかりの頃に買った道具はすぐに使わなくなってしまう。だから、リセールバリューの高いものを紹介しているのだが、初心者だけでなくベテランのウケもいい。YouTubeからの収入や個人レッスン料など合わせると小遣いと呼ぶには多いほどの実入りになった。
「おお!」とトモキは昨日アップした動画のコメント数を見て思わず声を上げた。「200件!?」先週末に「魚の美味しいさばき方」のリアルイベントを開催し、その時の動画をアップしたのだが、まさかこんなにコメントが来るとは……。イベント自体は大成功で、都内のキッチンスタジオには20人ほどの参加者が集まった。90歳の「釣糸仙人」さんから小学生の「シュン」君まで、まさに老若男女。コメント欄の常連となっている面々がリアルに集うと、不思議とすぐに打ち解けた。
トモキが用意した魚を参加者全員でさばいた後は、当然、酒宴になる。「お、おいしいじゃん」とトモキはきれいに切りそろえられた白身を口に入れて言った、「今のうちからこれだけできたら、将来は日本一のお寿司屋さんになれるぞ」。シュン君が「ホント?」と目を丸くして言った。「ホントだよ、おじさんがさばいたのより、全然おいしい」「やったー!」はしゃぐシュン君を見ながら、トモキは涙があふれそうになるのをこらえた。会社でもなく家庭でもない、新しい居場所ができたことに深い安堵感を感じたのだ。
「いやいや、仕事しなくちゃ、仕事」とはやる気持ちを抑えてコメント欄を閉じようとした時、トモキの目がかわいらしい魚のイラストのアイコンを捉えた。シュン君のアイコンだ。「ま、これだけ読んでから仕事しよう」そうつぶやいてコメントを読み始めたトモキの目が、一気に涙でいっぱいになった。「ともさん、土曜日はありがとうございました。ユーチューブを見ているときはおっかない人かと思ってたけど、会ったらやさしかったのでうれしかったです」
(このストーリーはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません)
会社に縛られないために、今、何が必要なのか?
上記の「リモコンライフストーリー」のヒントにさせていただいた「SPA!」編集長・犬飼孝司さんのインタビュー内容を、ぜひご覧ください。
新型コロナでハッキリしたのは、結局、「会社と自分の距離感」だと思うんですよね。「SPA!」でもずっとテーマとして提案し続けてきていて、いよいよ進むなと思っているのが「フク業」です。「副業」ではなくて「複業」。複数の収入源を確保することです。
在宅ワークが進んで往復2時間分の通勤時間がなくなったりして、「その時間を使って稼ごう!」という人たちが確実に増えている。あと、「今のうちに仕事をもう一個持ってないと、リタイヤした後に地獄だな」ってことに気づいた人も多い(笑)。なので、会社員ではありながら、月に3万円くらい稼げる複数の仕事をコツコツつくっていくことが割と普通になってくると思います。
今は複業を後押しするようなサービス、いわゆる個人のスキルシェアやマッチングサイトがいっぱいあります。「魚のさばき方教えます」とかけっこういい稼ぎになったりするようですし、オンラインゲームの攻略なんかも需要があるみたいですよ。「複業」をやってて上手くいってる人は、「好きなこと」よりも「得意なこと」を選んだ人ですね。人よりちょっと優れてるものって絶対みんな何か持っているはずなんですよ。それを習熟していけばお金になる道は必ずあるはずなんです。
リモートで露呈する、「デキる」「デキない人」
リモートワークが進んで困っちゃう人も結構いると思っていて、例えば「威圧型の人」。リモート会議って、その人が持ってたオーラが消えるじゃないですか(笑)。対面したときにものすごい威圧感を出して言うことを聞かせていた「威圧型の人」たちは結構しんどいと思うんですよね。いわゆるノンバーバル・コミュニケーションみたいなものが通用しないので。同じように、「雰囲気イケメン」は減るかもしれませんね。オーラを全部消されてしまうから(笑)。
結局、仕事ができる人はどんどん生産性が上がっていくと思うんですけど、本来仕事ができない人はバレバレになっちゃうんで、ホントにキツいことになると思うんですよね。例えば、普通に会社に来ていて、相手の様子が見えるのであれば、ちょっと声を掛けて仕事も頼みやすいし、円滑に仕事を回していける。けれど、オンラインになると全く見えなくなるので、仕事をサボっている人にはほとんど仕事が来なくなる。そうなると、新しいノウハウも得られないでしょうし、生産性もどんどん下がる。オンラインで「デキる人」と「デキない人」の差がどんどん開くことになってしまうと思いますね。
会社でもなく家でもない「第3の場」が人生を左右する
年金の問題もあって、政府からは「定年を引き上げよう」という機運が高まっている。でも、企業はそんな余裕がないんで「無理だ」と思っているところが多い。会社員の側からしても、45歳ぐらいで出世から外れてしまうと、定年まで生涯平社員で過ごすことになり、“消化試合”になっちゃうんですよね(苦笑)。定年までの期間が長くなればなるほどツラくなる。そうなる可能性がある以上は何か次の手立てを考えておくべきじゃないかと、「SPA!」としてずっと提案してきたわけなんですけど、コロナによって、働く人・企業・政府の思惑が一致したんです、ついに!
働く人の中には基本的に「ステイホーム型」の人と「ステイカンパニー型」の人がいて、その間の道ってあんまりなかったんですよ。コロナをきっかけに「自分にとって何が大切か」を改めて考え直すことになった時、会社でもなく家でもない「第3の場」があることの意味が大きくなる気がしています。例えば、オンラインサロンでも、近所の飲み屋のコミュニティーでもなんでもいいんです。遊びながらスモールビジネスが始まることもありますし、同じ価値観を共にできる人たちとのコミュニティーがあるかないかで、人生の豊かさが大きく変わってくると思います。
マネーはストック型へ、モノはフロー型へ
コロナをきっかけにして、お金とモノの価値観が変わったことを実感しています。今までお金って基本的にキャッシュフローを回してナンボという「フロー型」だったと思うんですけど、これから貯蓄のような「ストック型」になっていく。逆に、買い物ははどんどんリセールを前提にした「フロー型」になっていく。
マンションやクルマのように、電化製品・日用品を買うときも、最安値を調べるよりメルカリでいくらで売っているかを見てから選ぶようになる。そんなふうに「フロー型」だったものが「ストック型」になり、「ストック型」だったものが「フロー型」になることが増えています。今まで自分の中に溜め込んできたスキルや知識をどうやって「フロー化」するか。今までなんとなく付き合って人や仲間たちをどうやって「ストック化」するか。「仲間と一緒に楽しく働く」ために、「自分にとって何が大切か」をどう見極めていくかがますます大事になってくるんだと思います。
【リモコンライフチームメンバーより】
犬飼編集長のお話の中から見えてきた、リモコンライフをより楽しむためのキーワードはこちらです。
◉ 副業から複業へ
◉ 余暇から余稼へ
◉ オンラインはオーラを消す
◉ スキルシェア
◉ 第3の場(コミュニティ-の新しい価値)
◉ リセールバリュー
新型コロナウイルスで、私たちのライフスタイルはどう変わるのか──人々の暮らしの中にまぎれたささいな変化や日々の心の変化に目を向け、身近な “新常態”を未来予測し、新たな価値創造を目指したい。この連載では「リモコンライフ」という切り口で、その可能性を探っていきます。
アスリートブレーンズ為末大の「緩急自在」vol.5
為末大さんに「いま、気になっていること」について、フリーに語っていただく連載インタビューコラム。唯一、設定したテーマは「自律とは何か、寛容さとは何か」。謎の「聞き手」からのムチャ振りに為末さんが、あれこれ「気になること」を語ってくれます。さてさて。今回は、どんな話が飛び出すことやら……。乞う、ご期待。
──「自律と寛容」をテーマに、今回は「食と健康」について伺いたいと思います。コロナ禍ということもあり、食とか、健康といったものについて改めて関心が高まっているように思うんです。まずは、非常にベタな質問で恐縮なのですが、アスリートと食、ということで何か聞かせていただけませんか?
為末:体重制限に神経を使う競技といえば、まずマラソンですね。それも、男子よりも、女子。クルマの耐久レースと同じで、もちろんガソリンは必要なんですが、そのガソリンの重みが障害になってくる。なので選手は、ゴールした瞬間にガソリンを使い切ることから逆算して、食事を取っているんです。
──それは、どういうことなのでしょうか?
為末:炭水化物は、持続的なエネルギー源になる。脂肪は、瞬発力になる。そのバランスを緻密に計算しないと、あそこまでの距離は走れないんですよ。われわれトラック競技の人間は、そこまでストイックに食と向き合ってはいない。でも、炭水化物と野菜と肉のバランス、みたいなことは常に考えていましたね。イメージとしてはワンプレートのお皿、あるじゃないですか。あそこにどうメニューを盛り付けるか。
──ああ、それは分かりやすいですね。コロナ禍において、いわゆるコロナ太りとかコロナやせといったことが話題になっていますが、免疫力を高めるといった点からも、食のバランスというのは大事なんですね?
為末:そう思います。
──コロナということで言うと、仲間と気軽に飲食ができなくなっていて、いわゆる「飲みニュケーション」というんですか?「同じ釜のメシを食う」みたいなコミュニケーションがとれない環境になっていますが、アスリートの世界でもそうしたことは、やっぱり大事なんでしょうか?
為末:ゴリラの研究で有名な京大の山極壽一総長によると、「分け合った」という感覚が大事なんだそうです。食事を分け合うことで、仲間意識が生まれる。チームの信頼感とか、一体感とかが生まれる。これは、外交とかにも言えることみたいで、「誰と、何を食べたか」それも、昼よりも夜の方が、圧倒的に重要らしいんです。逆に、相手の国と距離を置きたい場合は、あえて会食をしないで帰ってくる、みたいな。
──いやあ、深いな。
為末:日本のリレー競技が強くなったのも、そこに大きな理由があるみたいですよ。個の能力を伸ばすことはもちろんなのですが、チームとしての結束力を高めるには、やはり「同じ釜のメシをどれだけ食ったか」ということが重要。食って単純に命をつなぐとか、グルメな満足感を得る、といったこと以外に、大切なコミュニケーション手段なんですよね。
──分かります。非常によく、分かります。
為末:ビジネスの世界でも、おそらくはそうでしょう?リモートで会議ができるのだからそれで十分でしょ、というわけにはいかない。コミュニケーションの本質について、そろそろ明文化する必要があると、僕は思いますね。
──“なになにちゃん、おつかれー。また、よろしく頼むよー”みたいなコミュニケーションは、もう、通用しませんものね。
為末:食って、自身の活力の源であるとともに、仲間との心をほぐす手段でもあると思うんです。この連載のテーマで言うと、まさに「緩急自在」ですね。自身に自律を促すと同時に、仲間に対する寛容さを育てる、というか。
(聞き手:ウェブ電通報編集部)
アスリートブレーンズ プロデュースチーム白石より
本連載も今回からテーマが「食と健康」へ。話の切り口だけを捉えると、トップアスリートが考える栄養学や食生活など、より専門性の強い話に発展しそうなところ。しかし、ふたを開ければ、外交やゴリラ(!)といった話を経由して、「食」の本質ともいえる、チーム・組織におけるコミュニケーションの話に大発展。「チーミング・カンパニー」を標榜する電通のイチ社員としても、「飲みニュケーション」を有効活用(?)してきたイチ社会人としても、気づきと発見が多いインタビューでした。
アスリートブレーンズ プロデュースチーム電通/日比昭道(3CRP)・白石幸平(CDC)
為末大さんを中心に展開している「アスリートブレーンズ」。アスリートが培ったナレッジで、世の中(企業・社会)の課題解決につなげるチームの詳細については、こちら。
