3COINS「MCメイクパレット」が“超優秀”と人気…必須コスメがパレットに集約!

 300円商品を中心に販売している3COINSの「MCメイクパレット」が、めちゃくちゃ優秀なのでご紹介します!

 この商品、リップ、アイシャドウ、チークが1つのパレットに収まっている上、ミラーとメイクチップまでついているというスグレモノ。カラーはピンク系とブラウン系の2種類で、各550円(税込)での販売となっています。

 インターネット上でも、

「公式サイトでチェックしてた時から『カワイイ!』と思ってたけど、何よりもリップ、アイシャドウ、チークがひとまとめになってて持ち運びに便利なのが良い!」

「時間がなくて急いで家を出なきゃいけない日も、とりあえずファンデーション塗って眉毛だけ描いておけば、あとはこのメイクパレットさえ持って行けばなんとかなるっていう安心感」

「ピンク系は優しい印象のメイクができるし、ブラウン系もオトナな華やかさを出せる」

「個人的にはどちらもチークが良い感じ! ピンク系のほうはくすみカラーでカワイイし、ブラウン系のチークも絶妙で、探すとなかなか見つけられない色だから重宝しそう」

「どっちのパレットも、使いやすい色ばかり入ってて最高!」

と、話題になっている「MCメイクパレット」。荷物を少なくしたい時にピッタリなのはもちろん、やっぱり550円でリップ、アイシャドウ、チークが揃うのが嬉しいです。パレット自体もシンプルなのに“高見え”するデザインで、お泊りなどにも堂々と持っていけちゃいます!
(文=編集部)

中国人観光客激減で老舗旅館が経営破綻…新型コロナ、日本企業への影響拡大で倒産増加か

 新型コロナウイルスの感染拡大が日本企業にも打撃を与えている。愛知県蒲郡市の観光旅館「冨士見荘」は近く裁判所に破産手続きの開始を申請する見込みで、新型コロナウイルスの影響で経営破綻する初のケースとなる。収益の柱だった中国人観光客のキャンセルが相次ぎ、1月下旬に中国政府が海外への団体旅行を禁止したことが決定打になったという。

 東京商工リサーチの調査によると、新型コロナウイルスによる企業活動への影響について、「現時点で影響は出ていないが、今後影響が出る可能性がある」「現時点ですでに影響が出ている」と答えた企業が約7割(66.4%)を占めるなど、企業活動への影響が顕在化している。「多業種にわたって影響があり、収束の見通しが立たないことから、今年の倒産件数は前年を上回るのではないか」と語る、東京商工リサーチ情報本部情報部の原田三寛部長に話を聞いた。

サプライチェーンの乱れが製造業を直撃か

――新型コロナウイルスの影響で、愛知・西浦温泉の旅館の経営破綻が明らかになりました。

原田三寛氏(以下、原田) 1956年設立の冨士見荘は三河湾を望む景観と新鮮な魚介類を売りに、2005年12月期には約5億5000万円の売上高を計上していましたが、その後、業績不振により資金ショートを起こしていました。近年は中国人ツアー客の受け入れに注力していましたが、新型コロナウイルスの影響で中国からの団体ツアー客のキャンセルが相次ぎ、先行きの見通しが立たなくなったことから事業継続を断念しました。

 このように、インバウンドに売り上げを依存しているようなケースは、今回の影響が資金繰りに直結します。今後、短期的には体力のない宿泊業、小売業、飲食業などで経営破綻が増えると見ています。

――1万2348社の国内企業を対象にした調査結果の概要を教えてください。

原田 新型コロナウイルスの影響について、66.4%が「今後影響が出る可能性がある」「現時点ですでに影響が出ている」と回答しています。「すでに影響が出ている」と答えた企業のうち、35.9%が「現地サプライヤーからの仕入が困難となった」と回答。また、感染拡大による懸念については、51.3%の企業が「中国の消費減速、経済の低迷」を挙げています。

 企業規模別では、「すでに影響が出ている」は大企業(資本金1億円以上)で31.5%、中小企業(同1億円未満)は20.6%。グローバルに事業を展開し、中国との取引密度が高い大企業のほうが影響が大きいことがわかります。

――産業別では、どのような結果でしょうか。

原田 卸売業、運輸業、製造業で「すでに影響が出ている」が、それぞれ3割近くを占めました。「今後影響が出る可能性」は製造業が51.7%で最多、次いで卸売業の47.3%です。国際的なサプライチェーンを構築する製造業や、価格競争の面から国境をまたいで商品を輸入する卸売業などへの影響が色濃く出たかたちです。宿泊業や旅行業が含まれるサービス業他は38.3%でした。

――日本企業への影響が拡大していることが顕在化しましたね。

原田 濃淡はあるにせよ、観光、小売、製造、建設・不動産など、多くの業種に影響が波及していることがわかりました。中長期的にはサプライチェーンの乱れによる小・零細の製造業者への打撃が懸念され、今後は生産調整などの影響も出てくるでしょう。また、中国の取引先の経営状況を懸念する声も上がっており、中国では企業の信用度に大きな変動が生じているようです。

 また、住宅設備機器は中国で製造されたものを輸入しているケースが多く、生産が滞るとマンションなどの全体工期や引き渡しが遅れる可能性があり、デベロッパーにも影響が及びます。さらに、高額の投資用マンションなどはチャイナマネーが流入して活況を迎えていましたが、今後は相場が弱含みになる可能性もあるでしょう。

新型コロナの影響で企業倒産が増える可能性も

――今後、さらに大型の倒産が発生する可能性もあるのでしょうか。

原田 今回、大きな懸念は供給能力の落ち込みよりも、中長期的な需要がどれだけ落ち込むかです。影響が長引けば、大型の倒産もあり得るでしょう。特に、インバウンドに依存していて不動産などに大きな投資をし、資金繰りに不安がある企業はリスクが高いです。

 企業倒産は19年に対前年比で11年ぶりに増加(8383件)しました。また、19年12月、20年1月は対前年比で10%以上増えています。最悪のケースを想定すると、20年は対前年比で15~20%増え、9000~1万件に迫るかもしれません。

――企業は中国頼みの経営戦略からの変更を迫られそうですね。

原田 日本はすでに市場が成熟していることもあり、中国の成長に頼る側面もあったことは否めません。中国は世界の工場であると同時に約14億人という巨大市場でもあり、製造と消費の両面で大きなマーケットになっています。今回、懸念材料として多くの製造業がサプライチェーンの乱れを挙げた背景には、中国への依存度が高まっている事情があります。ホテルや旅館などの宿泊業も、中国人頼みの状況では、今回のような事態が起きたときに一気に経営が傾いてしまいます。

 与信の世界では1社傾注の取引は危険だというのが常識ですが、いわば1国傾注になりかけている企業も多いわけです。そこで、リスクヘッジのためにビジネスモデルを転換できるかどうかが鍵となるでしょう。

――政府の対応についてはいかがでしょうか。

原田 政府は緊急対策案として、日本政策金融公庫などに5000億円の緊急貸付・保証枠を設け、観光産業などの中小企業を支援する姿勢です。これはいい政策だと思いますが、新型コロナウイルスの影響がいつまで続くかわからないため返済計画も不透明にならざるを得ず、いわば経営者が借りる勇気を持てるかどうかが課題になりそうです。

(構成=長井雄一朗/ライター)

JRAモズアスコット史上6頭目の芝ダートのダブル王者! 過去の5頭と実績比較、将来性は?

 2020年最初のJRA・G1レース・フェブラリーSを制したのは、安田記念馬モズアスコットだった。つまり同馬は芝とダートのG1レースをそれぞれ制したわけだが、これはグレード制が始まった1984年以降、史上6頭目の快挙でもある。

 チャンピオンズC(旧ジャパンカップダート)が誕生したのが2000年。さらに地方交流重賞も増え、以前よりもダートのG1レースは増加したが、それでも6頭しかいないのは、やはりダートのプロフェッショナルも増えたことで、一介の芝馬が簡単には勝てないという事情もあるだろう。

実際に芝のG1レースを制し、ダートのG1レースに挑戦した馬も少なくはない。例えばタイムフライヤー、レッツゴードンキ、カレンブラックヒル、ローレルゲレイロ、エイシンプレストンなどがそうだ。そういった意味でもモズアスコットの快挙は非常に価値がある。

 そこで今回はモズアスコット以前に芝ダートのG1レースを制した5頭を紹介しよう。


■クロフネ

 アメリカから輸入された外国産馬だったが、まさに「黒船」の名に相応しいインパクトを残した。3歳時にNHKマイルCをレコードで勝ち、2番人気の日本ダービーは5着。しかし秋のダート初戦の武蔵野S、ジャパンカップダート(当時)もレコードで勝利した怪物。脚部不安でジャパンカップダート後に引退となったが、現役であればダートのビッグレースを総なめにしたであろう。この2戦だけでJRA賞最優秀ダートホースにも選ばれている。種牡馬となってもカレンチャンやアエロリットが芝のG1を勝ち、ホワイトフーガがJBCレディスクラシックなどを勝利、さらにアップトゥデイトが中山大障害を勝つなど多方面で活躍している。

芝G1レース
・NHKマイルC=芝1600m

ダートG1レース
・ジャパンカップダート=ダート2100m


■アグネスデジタル

 レース内容でいえばクロフネに譲るが、実績で言えばこちらが上。3歳時(現2歳)にダート交流重賞の全日本3歳優駿(当時)を勝ち、翌年秋には13番人気でマイルCSをレコード勝ち。その後は南部杯を勝ち、天皇賞(秋)ではテイエムオペラオーを差し切って勝利。12月は香港カップに勝利し、翌年はフェブラリーSを勝ち、その後も1年ぶりのレースとなった安田記念をレコードで勝利と、現在では信じられないような使われ方と実績を重ねている。特に4歳秋~5歳の南部杯~天皇賞(秋)~香港カップ~フェブラリーS~安田記念のG1レース5連勝は圧巻。競走馬には様々なタイプがいるが、間違いなく今後同じような馬は出てこないと思わせる実績だ。2001年のJRA賞最優秀4歳以上牡馬でもある。種牡馬となっても、ヤマニンキングリーが父同様に芝ダートで重賞を勝つなど活躍した。

芝G1レース
・マイルCS=芝1600m
・天皇賞(秋)=芝2000m
・香港カップ=芝2000m
・安田記念=芝1600m

ダートG1レース
・MCS南部杯=ダート1600m
・フェブラリーS=ダート1600m

■アドマイヤドン

 デビューから3連勝で朝日杯FS(G1)を制したものの、クラシックは皐月賞7着・日本ダービー6着・菊花賞4着と及ばず。陣営はダート転向を決断し、菊花賞から中1週で行われたJBCクラシックを勝利。するとダート適性が開花し、南部杯、フェブラリーS、JBCクラシック3連覇、帝王賞などダートG1を6勝と勝ちまくった。2003年のJRA賞最優秀ダートホースでもある。菊花賞からの強行ローテーションは当時賛否あったが、しっかり結果を出したあたり、さすが名伯楽の松田博資調教師といえるだろう。

芝G1レース
・朝日杯FS=芝1600m

ダートG1レース
・MCS南部杯=ダート1600m
・フェブラリーS=ダート1600m
・帝王賞=ダート2000m
・JBCクラシック2002=ダート2000m
・JBCクラシック2003=ダート2000m
・JBCクラシック2004=ダート2000m


■ホクトベガ

 牝馬ながら牡馬相手にダートで圧勝を続けた女傑。3歳時はフラワーC(G3)を勝つなどクラシック戦線で活躍し、秋のエリザベス女王杯で見事芝のG1レースを勝利。翌年も札幌記念(当時G3)を勝利したが、その後芝で9戦して一度も勝てず、陣営は交流重賞のエンプレス杯を選択し見事圧勝。その後芝のレースを使うも5戦して未勝利。6歳から本格的にダート戦線へ転向し、川崎記念から7連勝を達成。その合間にエリザベス女王杯と有馬記念に挑戦するも敗退。再び川崎記念を圧勝すると、次走でドバイワールドカップに遠征。しかしレース中に故障を発症し競走中止、無念の予後不良となってしまった。

芝G1レース
・エリザベス女王杯=芝2200m

ダートG1レース
・川崎記念1996=ダート2000m
・川崎記念1997=ダート2000m
・帝王賞=ダート2000m
・MCS南部杯=ダート1600m
・フェブラリーS=ダート1600m ※当時G2


■イーグルカフェ

 アメリカから輸入された外国産馬で、3歳時には共同通信杯を勝利。そしてNHKマイルCも堂々勝利した。しかしその後は芝もダートも20連敗と不名誉な成績を残し、早熟かと疑われたが5歳夏の七夕賞で久々の勝利を挙げると、11月のジャパンカップダートを快勝。これは鞍上ランフランコ・デットーリの巧みな手腕が光ったレースでもあった。その後はまた連敗が続き引退、種牡馬となったが活躍馬に恵まれなかった。

芝G1レース
・NHKマイルC=芝1600m

ダートG1レース
・ジャパンカップダート=ダート1800m


 以上、芝ダートのG1レースを勝利した5頭の名馬をまとめた。モズアスコットを含め共通するのは、ホクトベガを除いた6頭中5頭に芝のマイルG1レースで勝利実績があること。スタミナが要求されるダートだが、マイルG1を勝ちきるスピードも求められているといっていいだろう。さらに6頭中4頭がアメリカ産の外国産馬ということ。芝ダート路線がともに充実しているアメリカ産の馬は、やはり芝ダート兼用が多いのかもしれない。

 モズアスコットはこの両方に当てはまり、芝では頭打ちの感じがするものの、ダートに絞ればまだまだ活躍が期待できそうだ。ただし勝ったフェブラリーSにはクリソベリル、ゴールドドリーム、ルヴァンスレーヴといった過去3年のJRA賞最優秀ダートホース馬が不在。さらにチュウワウィザード、エアアルマス、オメガパフュームといった強豪とも未対戦であり、本当のダート界最強馬と戦っていない。彼らと戦い結果を出してこそ、本当の強さが分かるだろう。

コロナのさなか秋葉首相補佐官だけでなく杉田水脈も政治資金パーティ! 櫻井よしこが発起人、稲田朋美、ケント・G、フィフィも

 あの首相にしてこの取り巻き、ということか。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、政府が大規模なイベントの自粛を呼びかけた26日、よりにもよって首相補佐官である自民党・秋葉賢也衆院議員が、政治資金パーティを立食形式で開催していたことが発覚した。  国民に負担や行動制限を強...

パチンコ軽いのに「1/3で2400発」……異端のドラムマシンを特集!!

 古い話が続いたので最近のドラム機について言及したい。今回取り上げる機種はここ5年くらいで最も私に影響を与えた重要なマシンである。

CRドラムロイド』。「アンドロイド」を引っ掛けた機種名からわかるようにロボットをモチーフとした台で、ドラムの上にその頭部をかたどったギミックが搭載されている。

 本機が秀逸なのはその設定で、このロボットはパチンコ玉を生産しているブリキ機械が悪戦苦闘しながら本来の役目となる「パチンコ玉の生産」を大当りを介してプレイヤーに提供するメタ構造となっているのである。

 また、このロボットの名前こそが「ドラムロイド」なのであるが、彼には細かなキャラ設定が用意されていて、ドラムにしてはバラエティに富んだ多彩な演出は、そのディティールとリンクしている。そのルックスからは一見わからない芸の細かさがあるのだ。

 この台の何がすごいかって、そのように細部にこだわり構築した演出が、リーチにすら発展しなかったり、アツそうな演出をことごとく外したりと、ほとんど意味がわからなかったりするところなのである。

 このロボット及び工場の原理や法則、メソッドなりアルゴリズムなりがまったくわからないし、ロボットSFの定番であるロボット工学三原則もガン無視していると思われる。なぜなら私の貴重な財産を強奪するという危害を及ぼしているからだ。

 私は初打ち以来、このマシンを事あるごとに打ってきたし、歴代のドラムマシンの中でも十指に入るほど好きな機種なのであるが、大当り確率以内で当ったことがないのはもちろん、3倍ハマリ以内で当ったら「今日は早く当ったな」ってなもんである。

 はっきりいってまったく勝てないし、出玉を交換した記憶もない。それでも私は『CRドラムロイド』が大好きで、愛しているといっても差し支えない。

 若い諸君には信じられないかもしれないが、パチンコ・パチスロ歴も不当に長くなると、「負けても楽しい」「コテンパンにやられたほうが却って面白い」のようなこじらせ現象が起こるのである。

 まあ、もともとが場末の工場が舞台となっている貧乏物語である。いや、しらんけど。世に華々しく訴えかけるような勝ち組仕様ではなく、奇を衒う変則スペックなので難しい勝負を強いられるのではある。

 ただ、そのスペックも町男のような好事家には刺さるものがあり、大当り確率が1/128.75のミニライトミドルタイプながら1/3が2400発とボリューム感のある大当りとなっている。

 また、もう1/3の振り分けが約1500発当りなので、一発あたりの出玉感は相当なものなのだ。

 その分、連チャン性能は低い。100%STに突入するタイプながら、高確率の大当りが1/128.5と通常時とほぼ変わらない時短機的なものとなっていて、最大電サポ100回転の引き戻し率は約54%。

 連チャンで出玉を積み上げるゲーム性ではなく、初当りを繰り返すことで持ち玉を徐々に増やしていくタイプの機種となる。

 したがって、ちょっと不ヅキがあったり、調整が悪かったりすれば、たちまち生産停止に追い込まれ首が飛ぶのだが、そんなスペックも愛おしく感じめげず打ち続けたのである。

(文=大森町男)

ウェブと寿司

はじめまして。

2019年の頭にスタートしたDentsu Craft TokyoでHead of Design / Chief Art Director / Web Designerをやらせてもらっている傍ら、spfdesign Inc.というウェブの制作会社を営んでいる、鎌田と申します。

もうかれこれ22年ほどウェブサイトを作り続けていますし、寿司も好きです。
こんなに長いことウェブサイトを作り続けていると、その作り方も移ろいゆくわけですし、人によって作り方もさぞかし違うことでしょう。

今回は、ここ数年の私のウェブサイトの作り方を、寿司づくりになぞらえながら書いてみようと思います。


ホムペ野郎時代

デザインというものに興味を持ち始めていた、私がまだ学生だったころ、街で見かけたカッコいいフライヤーやなんかを見よう見まねでデザインし、アイロン転写紙でオリジナルデザインTシャツを作り、それを友達や後輩に売りつけていました。

そんな折、「インターネットというものを使うと世界中の人にTシャツが売れるかもよ」と、Tシャツ押し売り被害者による被害回避とも取れる情報を耳にし、『一週間でできるホームページ』みたいなタイトルの本を買ってきた時が、私の初めてのインターネットとの接触でした。ピーーヒョロロ〜〜ぶわんっぶわんっぶわんっです。

鼻息荒めに、かっこいいホームページとやらをつくろうと本を開いてみたら、そこにはデザインのことは書かれておらず、技術的なことのみが書かれていました。寿司職人見習いは寿司を握る前に、“握る”以外のあらゆることを覚えないといけないわけです。

URLというものや、サーバーというものの意味を理解したふりをしながら、四苦八苦した末、自分がつくった画像が初めてインターネット越しにブラウザに表示された時、インターネットという大海原の途方もない広大さを、言語化すらできないまま、武者震いしていたような気がします。ちょうど、俵状にした米の上に刺身を乗せてみたら思いのほか寿司っぽくなって思わずにんまりしてしまうようなものでしょうか。

そうこうしながら、それはそれはダサい初めてのホムペ(Welcome to Takashi's Home Page!)を立ち上げたり、またすぐに次のホムペ(訪問者数カウンター付き)を作るなど、度重なるホムペ制作の中で、ウェブサイトにおける、デザイン的側面と技術的側面を同時に経験していく、というスタイルに、必然的になっていたわけです。


職域の越境

そこから時を経て、プロのウェブクリエーターとして活動し始めた時、デザイナーかディベロッパーかの選択を余儀なくされるのです。おまえは寿司を握りたいのか、米を炊きたいのかどちらか選べと。

さすがプロの世界。領域ごとに特化した人間がいることに戸惑いながらも、デザイナーとして活動していくことを選択しました。当時はFlash全盛期でした。若い方の中にはFlashを知らない人もそろそろいるかもしれないので補足しておくと、いわゆる過剰にびよんびよん動くウェブサイトです。

こういったウェブサイトを作ろうとすると必然的に、びよんびよん具合をデザインしたくなるわけですが、悲しいかな、びよんびよんさせるのはディベロッパーなのです。「そのびよんびよんはちょっと違くて、もっとこういうふうにびよんびよんさせたいんだよね」「こう?」「違う、それはびよんびよんじゃなくてビョンビョンだよね」とかしているうちに、「オレにやらせてくれ!」と、自らびよんびよんさせる作業に手を出し始めるのです。自分で納得のいく寿司を握るためには、自分が理想とする米の状態に炊きあがっていてほしいわけです。

こうやって、一度は分業化された構造を、かつてのホムペ野郎時代の、デザイン的側面と技術的側面の両方を担うスタイルへ戻すことになりました。デザインとディベロップの境界線をひとたび取り払うと、他のいろんな要素も芋づる式に領域を越境しはじめます。

ドメインはこうしたほうがもっとオシャレだとか、ファイル・ディレクトリ名など、データ整理の構造、全角・半角の使い分けなんかもそうだし、バックエンドのデータベース設計までも気になってくる。それだけにとどまらず、より効率的な制作の進め方や、情報整理の仕方までも。

完璧にさばいた最高の魚を、完璧に炊き上げた米と、完璧な温度・力・分量配分で握り、完璧なタイミングでお客さまに楽しんでいただく、ということを目指すとするならば、魚の仕入れも自分でしたいし、包丁も完璧に研いでおきたいし、季節に応じた米の炊き具合にしたいし、カウンターと椅子の高さにもこだわりたいし、カウンターに座ったときの視界にも気を配っておきたいわけです。知りませんが、たぶんそうです。

美味しい一貫の寿司には、途方もない量の“握る手前のあれやこれや”が一緒に握り込まれているわけで、つまり、そのあれやこれや全てが寿司づくりと言えるのでしょう。

それに近しいニュアンスで、私はウェブデザイナーと名乗りながら、一領域として確立されている、ディレクションやディベロップパートまでズカズカと立ち入っていくケースが増えてきました。そんななか、超少人数完結型がもつメリットというものが確かにあるなぁというのをこの2〜3年強く思うようになってきました。

一方領域ごとにスペシャリストが集結した方がいい(しないと成立しない)ケースも当然あり、そういう座組みでのプロジェクトに参加することもあります。

ウェブと寿司


超少人数完結型はなぜいいのか

数あるウェブ制作における職域の中でも、主な私の動き方でもあるデザインとディベロップを兼業することによるメリットを五つほど挙げてみます。

メリット その1

実現したい表現の完成ビジュアルをイメージしながら、それをどうやって実装するかを同時に検討することができます。市場で魚を見ている時点で皿の上に置いた状態をイメージしながら、下ごしらえの仕方、それに必要な時間まで計算できるので、20時に予約されているお客さまに提供できるかどうかの判断がその場で下せるわけです。

メリット その2 

企画フェーズでモックアップをスピーディーに作ることができます。案件のタイプにもよりますが、企画フェーズでディベロッパーが同席することはあまりない印象ですがどうでしょう?

Dentsu Craft Tokyo準備期間中、ロゴ開発を進めている際、私はそのロゴ案にモーションが加わった状態を妄想しながら見ていました。最終的にロゴが決定された後の最初の打ち合わせで、下図を持っていきました。まだウェブサイトのデザインはおろか、ワイヤーフレームも存在していない時点で、モーションロゴを完成させることができていたわけです。あら汁にするにはこんな魚がいい、あんな魚がいいと想像するだけでなく、実際に作ってみて味見しながら検討できるというわけです。


メリット その3

ウェブ制作の基本的な流れとして、デザインが完成してから実装に移っていきます。デザイナーは各ページ細かくデザインし、仕様策定し、それをディベロッパーに伝えなければなりません。それらを正確に伝える作業には膨大な時間を要します。そこへきて昨今はPC以外に、スマホやタブレットなど、ウェブサイトが閲覧されるデバイスが増えており、デザイン量がかつての2〜3倍に増えています。当然伝えるための時間も比例して増えるわけです。

しかし、デザインとディベロップを1人で行うと、全ての仕様はデザイナーの頭の中にあると同時にディベロッパーの頭の中にもあることになります。伝える時間0秒です。つまり、魚をさばかずして寿司を握り終えているようなものなのです。寿司の喩えに無理が生じていることは自覚しています。

メリット その4 

デザイナーとディベロッパーが分業された場合、丁寧で真面目なデザイナーほど、綿密に仕様策定しようとします。しかし、実際に作ってみると想定していなかった問題に直面することが往々にしてあります。そうなると、当然想定していなかった差し戻し対応の時間がスケジュールを圧迫することになりますし、申し訳ないという気持ちが生産性を萎縮させることになりかねません。

一方、デザインとディベロップを兼業することにより、実際に実装してみて検証を繰り返しながら仕様策定することができるので、想定外の差し戻しが発生しにくくなります。作ってみたらあんまりおいしくなかったので、また明日お越しください、という寿司屋さんが存在しないのと一緒ということでいいですか?

メリット その5 

先述の通り、デザイナーはPC・スマホ・タブレットなどの各デバイスに最適化されたデザインを作る必要があるのですが、ディベロッパーを兼業すると、“実装をもちましてデザインに代えさせていただきます”ができます。PC用デザインと、少しのスマホ用デザインで承認を取った後は、スマホ・タブレットでの見え方は実装しながら整えていきます。デザインフェーズなのに、実装がまぁまぁ進んじゃってるということになるわけで、これは、はかどります。お品書きを見てもらった時点で寿司の提供を終えたようなもの、ということで!

ウェブと寿司
 というわけで、いかがでしょう?

それなりにメリットがあることが伝わっていればなぁと思います。

ウェブ作りが複雑化し、専門性が細かく分類されることを免れられない中でも、可能な限り広く、そしてもちろん深く探求しつつ、明日もマウスを握っていければなぁと思います。

寿司に例える必要もなければ、そもそもその例えが破綻しつづけているのにもかかわらず最後まで読んでくださりありがとうございました。寿司づくりのことは何も知らないので、正しい情報が知りたい方はウェブデザイナー兼寿司職の人に聞いてください。

Dentsu Craft Tokyoは、組織・立場・肩書などの壁を越え、着想力・制作力・実行力が同居する“クリエイティブハウス”です。名刺に書かれた肩書によって自分のフィールドを制限せず、職域の壁を越えて、自由に作り続けられる場所を探している方は、ぜひご一報ください。

心理学とビジネスの視点から考える 超高齢社会の課題解決に必要なこととは?

3回にわたり超高齢社会の課題をビジネスの視点から解決することの意義や重要性、その手法についてひもといてきた当連載。今回は臨床心理士で老年心理学の専門家・黒川由紀子先生と電通シニアプロジェクト代表の斉藤徹氏がそれぞれの立場から意見を交わします。



高齢者の声とビジネス視点をインタラクティブな関係に

斉藤:先生とのお付き合いは、初対面の際に頂いた『いちばん未来のアイデアブック』を拝読し、大変感銘を受けてからのことです。2016年のことでした。あの本をつくられた背景はどんなものでしたか?

黒川:私がシニアに関心を持ち始めた数十年前は、高齢者は心理学の対象ではないとされ、世間から見向きもされていませんでした。社会の高齢化とともにシニア層が注目されるようになり、昨今は政策やビジネスの視点から相談を頂くことが増えました。

しかし、多くの人は高齢者の実態をよく知らず、あまり触れたこともない。何より「当事者である高齢者の声が聞かれていない!」ということに危惧を覚え、出版に至りました。

斉藤:よく知らないまま、ステレオタイプの高齢者像が先行している場合は多いですね。

黒川:私が開いているシニアの方の歌の会では、少し前まで軍歌や昭和以前の歌謡曲がリクエストの中心でしたが、今はシャンソンやビートルズの曲が飛び交っています。世代によってニーズが変わるため、関わる側もバージョンアップしなくては追い付けません。

斉藤: 10年後にはオタクの高齢者が増えるでしょう。シニア層の内実は常に変化していきますね。

黒川由紀子老年学研究所所長・黒川由紀子氏

黒川:ジェネレーションの中でも個々に違いますし、同じ人でも昨日と今日、朝と夜では違います。誰もが抱えている不自由や不具合、不足というものを、日常生活で特に痛感しているのが高齢者だと想定し、「ミクロのリアルな声を聞くことでいろいろなアイデアが生まれるのではないか?」と発想しました。

斉藤:生活者の個人的な悩みごとから導き出したアイデアをまとめたのが『いちばん未来のアイデアブック』というわけですね。

先生の本に対し、高齢者の悩みをビジネスの視点で解決しようとする企業やベンチャーの試みを拾い集めた本が、『超高齢社会の「困った」を減らす課題解決ビジネスの作り方』です。

黒川:私どものいうミクロの声と、斉藤さんのおっしゃるビジネス視点がインタラクティブになれば、課題解決につながるのかもしれません。


どんな社会を目指すのか?哲学を持って超高齢化を考える

斉藤:今後ますます高齢化が進むことで、直近では、団塊世代が75歳以上の後期高齢期に突入する2025年問題が取りざたされています。健康状態の変化による生活や介護の問題、社会保障費の増大など、課題は山積みです。

黒川:この研究所には、事業継承に関わる方からのご相談なども多く寄せられるようになりました。経営者が70歳を超える中小企業の約半数は、後継者が決まっていないのです。

斉藤:そうなると、経済にも影響を及ぼしますね。これまで高齢者の課題は、行政や社会福祉法人の領域だと考えられてきました。しかし今後は、行政と民間が協働して取り組まないと間に合いません。世界ではSDGsのような社会的テーマにビジネスとして取り組む動きも活発化しています。

重要なのは、日本にも行動を起こす若い人たちが出てきたという点です。とはいえ、超高齢化課題に応じたアイデアを市場化することは容易ではありません。なぜなら、世界的に先例がない。

黒川:だからこそ、私たちは今とてもチャレンジングでワクワクするステージに立っていますよね。

また、高齢者の課題を単体で考えていてはダメで、若者世代がこれからどう生きたいのかも知らなければなりません。今の20〜40代の人たちにこそ、超高齢化は切実です。全ての課題はつながっており、生きる哲学も含めて考えていくことが大切です。

斉藤:どんな社会を理想として追求していくのかをベースに、超高齢化を考えていく。

黒川:世代や立場を超え、お互いにリスペクトを持って学び合う姿勢が重要だと認識しています。


原点はたった一人の声を傾聴して考えるN=1の発想

斉藤:超高齢化社会の課題解決ビジネスに必要なことの一つに、傾聴が挙げられると思います。

黒川:私ども臨床心理士のなりわいは、目の前のたった一人の声を継続的に聞くことです。そこで語られるのは、ミクロな世界で起きている個人的な困りごと。マクロの社会に表れている課題は、一人一人の不自由、不具合、不足の集合体です。

何人たりとも当たり前に日々の暮らしがあり、当たり前に幸せを願うもの。相手の生活や思いをリアルに感じるセンスが養われていないと、おかしなことになってしまいます。

斉藤:ところが、実際に自分ごととして捉えるのは難しく、どこか他人ごとに感じてしまう。私はよく「この商品は高齢者に売れますか?」と聞かれるのですが「そのサービスを、自分の祖父母や両親が買うと思えますか?」と返すことが多いです。N=1の重要性というか。

黒川:「どうしたらこの人の役に立てるだろう?」という観点で考え出されたものが、後に広く支持を得た例は多々ありますよね。

電通シニアプロジェクト代表・斉藤徹氏

斉藤:『超高齢社会の「困った」を減らす課題解決ビジネスの作り方』で紹介しているのも、個人の体験に基づいた強い思いがベースとなった商品やサービスがほとんどです。結果的にベンチャーの事例が中心になりました。大企業のシステムでは、なかなか個人の思いを実現するのが難しい面がある。ならばベンチャーを支援する、開発に投資するなど、属性によって役割を分担するという発想もできます。


じっくりと、中長期目線でトライアンドエラーを重ねる

黒川:関わる人全てが自分ごととして捉え、かつ深い理解に基づいてニーズをくみ上げ、細やかに構築していかないと良いサービスはできませんね。

斉藤:そのためには、時間をかけることが不可欠ではないでしょうか?本の中でお話を聞いたベンチャーでも、アイデアがすんなりと軌道に乗ったケースはほぼありません。先例がないことは、知見を蓄積するために時間がかかります。

黒川:まさに、時間をかけることの価値を見直す時期にきています。一定時間内に多くのものをつくってばらまくのではなく、今一度、じっくりと取り組む手仕事的な価値観に立ち返るべきではないでしょうか?

斉藤:確かに、中長期的に取り組んだ方がうまくいっているケースが多い。相手の声に耳を傾けながらリチューニングを繰り返していくことが重要です。

黒川:そのようにゆっくりと学びや仕事を積み重ねていくことが、長い目で自他にとって意味を持つというメッセージを若い人たちに伝えたいですね。

斉藤:社会の課題を解決する試みを後押しし、今後参入したい人たちへのきっかけをつくっていきたいと思います。

日本の事業開発者がフィンランドで得た気付きとは?

2019年11月、電通は、新規事業開発に携わる日本企業の皆さんとフィンランドを訪ねるツアーを実施。イノベーション拠点として注目を集めるエスポー市や、北欧最大級のスタートアップイベント「SLUSH」を視察しました。

オープンイノベーション先進国で、日本の事業開発者はどのような気付きを得たのか?

今回は、ツアー参加者が登壇した「北欧オープンイノベーション」カンファレンス(2020年1月27日、電通で開催)をレポートします。

北欧オープンイノベーションレポート
カンファレンスは、ツアーに参加した日本企業4社の事業開発者と電通のメンバーが登壇。北欧のオープンイノベーションエコシステムや、日本の事業開発に必要なことなどについて活発な意見が交わされた。

イノベーションの種を海外企業と一緒に育てるのが、フィンランド流のエコシステム

カンファレンスの冒頭では、フィンランド大使館商務部の渥美栄司氏が登壇。イノベーションの観点からフィンランドの特徴を述べました。

渥美栄司氏
さまざまな産業領域でフィンランドと日本企業の協業や投資をプロデュースしている渥美栄司氏。

「この10年間に、フィンランドは大企業型の経済からスタートアップエコノミーへと意識を変えつつある」と述べた渥美氏。スタートアップへの投資について、10年以上前は国内外とも額が少なかったといいます。しかし近年は投資額が大幅に上昇。2017年は、2007年に比べて3倍以上の資金がスタートアップに集まり、その半分以上が海外資金であることをデータで提示。「フィンランドは新規事業の種を、外国と一緒に大きく育てるビジネスモデルを実践している」と述べました。

 “イノベーションの国”として世界から注目されるフィンランドに、イノベーションセンターを設ける海外企業も増えているといいます。他国のフィンランドにおける現地法人設立件数は、隣国のスウェーデンが最も多く、次いでイギリス、アメリカ、デンマークと続き、日本は中国に次いで9番目。フィンランドに現地法人を設立してイノベーションを起こすエコシステムは、日本の大企業やスタートアップにとっても非常に注目すべきことだと伝えました。

フィンランド式サウナカルチャーを現地で実感

カンファレンス第1部のテーマは、「北欧オープンイノベーションエコシステムについて」。本連載の1回目 でも紹介した “フィンランド式のサウナカルチャー”について、各登壇者が現地で感じたことを語りました。

北欧オープンイノベーションレポート2
左から、近藤俊平氏(電通 ビジネスプロデュース局)、尾崎耕司氏(電通 事業投資推進室)、加藤由将氏(東急 フューチャー・デザイン・ラボ)。

約550万人の人口に対して約300万ものサウナがあるフィンランド。現地でサウナに入ると、いろいろな人から話しかけられ、人々の交流の場になっていることを肌で感じたそうです。現地の方の話では、有名な投資家は行きつけのサウナがあり、そこにスタートアップ企業の担当者が訪れて投資の話をすることもあるとのこと。フィンランドのサウナは、人と人が心を開き、仕事を開拓する場になっていて、日本の和室に通じるものがあるという意見も出ました。

SLUSHには各国の有名企業も出展していましたが、ブースには展示物が少なく、中にはミーティングスペースしかないところも。コーヒーを提供して、皆さんどうぞしゃべってくださいというスタイルだったと言います。加えて、会場では知らない人がどんどん話しかけてくる。そんなところにも他人にフラットに心を開くサウナカルチャーを感じ、それが外国から来た人にも浸透してしまうほどのエネルギーがあったそうです。

フィンランドのオープンイノベーションエコシステムは、各企業がそれぞれ社会に対して役に立とうという意識が高いことが特徴的。しかも自社だけで社会課題を解決することには、こだわっていません。例えば、技術を提供できる企業、その技術を使って製品化できる企業、製品販売を行う企業…というように、それぞれが自社の強みを持ちより、複数社で力を合わせることで、より早く、大胆な解決策を実現できる、とのコメントがありました。

登壇者の皆さんは、エスポ―でのセミナーにも参加しましたが、大企業とスタートアップに優劣はないことを感じたそうです。大企業が中小企業やスタートアップを助けるという考え方ではなく、大企業はスタートアップの技術を取り込みたいから協業し、スタートアップは大企業の持つ販路を使いたいから協業する。また、大企業はスタートアップにできることとできないこともよく理解してコミュニケーションしているので、マッチング後の違和感がないことも教わりました。

カンファレンス第2部では、登壇者が入れ替わり、日本の事業会社のオープンイノベーション・新規事業をテーマにセッションが行われました。

北欧オープンイノベーションレポート2
左から、稲葉慶一郎氏(日立製作所 オープンイノベーション推進室)、真田昌太郎氏(MBSイノベーションドライブ)、高橋朗氏(アダストリア・イノベーションラボ)、外崎郁美氏(電通CDC)。

セッションでは、日本での事業開発の問題点として、売り上げ目標や成果を出すまでのスパンなど、新規事業の定義が各人バラバラになりがちなことが指摘されました。ビジョンとミッションが明確でない、チーム内での共有がきちんとされていないケースもあるため、事業の目的が売り上げを確保することにどうしても向かいがちで、何のために事業を興すのかが見えづらいというコメントも出ました。

事業開発チーム内のコミュニケーションが非常に大事というのが登壇者の共通認識です。また、組織だけつくってもうまくいかなことがあり、事業開発に意欲を持つ人たちがうまく集えるような仕組みを社内につくる必要性も指摘されました。

他にも、新規事業がすべて成功するとは限らないので、10案件のうち一つでも継続できれば成功。動きだしてみないと判断できないことは多いので、失敗を恐れずにトライすることが大事、という発言もありました。

現地の空気や人に触れることで得られるものは大きい

約2時間に及んだカンファレンス終了後は、参加者同士が交流し情報交換も行われました。登壇者は皆、オープンイノベーション先進国であるフィンランドを訪れたからこそ、得られたものは大きいとコメントしました。最後に、日本企業の事業開発担当者の声を紹介して、このレポートをまとめます。

マーケットを国外に広く求め、ダイナミックにビジネスを展開している 
~加藤由将氏(東急 フューチャー・デザイン・ラボ)

加藤由将氏
2015年に、東急グループとベンチャーとの事業共創プログラム「東急アクセラレートプログラム」を立ち上げ、運営統括を務めている。

フィンランドは人口約550万人の小国で、国内マーケットの規模は大きくありません。しかしこの国では、イノベーションエコシステムがきちんと機能して著しく成長しています。その大きな理由の一つは、マーケットをヨーロッパ全体に広く求め、拡大していく速さと強さがあるからだと感じました。

フィンランドの競争優位性の一つは、同国の特殊な自然環境から生まれる「デザインの力」だと感じました。イッタラやマリメッコなどが有名ですが、意匠的かつ機能的であるさまざまなプロダクトデザインがあり、それらをSLUSHなどを活用して国外に広めています。

日本にも独自の伝統工芸品がたくさんあります。市場を広く捉えて、それらを海外に出していくことに日本の活路がありそうだと感じました。IOTを利用して生産現場をスマート化し、もっと使いやすく現代に合わせてUXを考えたプロダクトの制作拠点みたいなものができると面白いのではないでしょうか。

メンバー全員が主体的に役割を担い、とにかくアイデアを試す
 ~稲葉慶一郎氏(日立製作所 オープンイノベーション推進室)

稲葉慶一郎氏
金融系のSE・PMを経て、米国に駐在して現地立ち上げ支援、帰国して官民ファンドとファンド会社の設立・運営などを行う。現在は主に、社内外アクセラレーション活動に奔走。

イノベーションの現場に中国人やドイツ人など、外国人を当たり前のように引っ張ってきて運営していることが印象的でした。必要な人材は世界中から集めてくることを、エコシステムとして取り入れていることが日本との大きな違いです。

加えて、大企業、スタートアップ、行政の各スタッフが、「ミッションを成し遂げる」という共通目的のもとにつながり、フラットな関係の中で事業を推進していることにも驚きを受けました。

現地の人が、「アジア人はプロジェクトを立ち上げるときに、まずリーダーを決めたがる」と言っていたことも心に残っています。フィンランドのプロジェクトは、リーダーが存在感を発揮して皆がその指示に従うことよりも、一人一人のメンバーが自分の能力を出し切り、主体的に役割を担うことを重要視しています。

アイデアを試すときは、日本は会社の規則を重んじることが多く、規則をクリアした、やせ細ったアイデアしか出てこない傾向があります。それに対してフィンランドのプロジェクトは、まずはアイデアをたくさん試すことが前提にあります。可能性を捨てずにアイデアを提案することで、実りのあるものも試しやすくなります。ミッション・オリエンテッド(理念重視)やプロジェクト・オリエンテッド(プロジェクト重視)を突き詰めると、こういうことになるのかと強く感じました。


イノベーションとはハードルが高いもの、というイメージが覆されました 
~真田昌太郎氏(MBS イノベーションドライブ)

真田 昌太郎氏
新規事業やベンチャー投資を担当しつつ、現在は、社内ベンチャーで立ち上げた「隠れ家レストラン」の開店に奔走している。

新規事業とは、お金をたくさん集めて、斬新な方法でどんどん成長させなければいけないものだと思っていたので、かなりハードルが高いと感じていました。ところが今回の視察で、そんなイメージが覆されました。

フィンランドは、高い売り上げを目指した派手なことではなく、社会や地域の課題をどう解決するかという観点できちんとイノベーションを起こしていました。地域に根差した取り組みは、私たち地方局の事業開発を考える上で大変勉強になりました。

ハードルの低さという意味ではもう一つ驚いたことがあります。日本ではスタートアップのイベントに、関係者や意識の高い人しか集まらない傾向があります。ところがSLUSHに参加している学生にインタビューしてみると、「私は別にスタートアップに興味はない。でもみんながイベントに行っているし、来てみたらすごく楽しい」と答えた方がいました。日常の中で、人々がイノベーションに自然と触れ合える文化が醸成されていることに驚きました。

プロジェクトを通して解決したい課題が明確 
~高橋朗氏(アダストリア・イノベーションラボ)

高橋 朗氏
カジュアル衣料品や雑貨の企画・製造・販売を手掛けるアダストリアで、ECの立ち上げやマーケティングに携わる。2017年に「アダストリア・イノベーションラボ」を創設。

フィンランドは組織にヒエラルキーがなくて、エンジニアもCEOもファウンダーもみんな同じ目線で同じ課題を共有していました。上下関係がないぶんコミュニケーションも生まれやすく、人間関係がフラットなことが、ビジネスの成長スピードが速い理由のひとつなのだと感じました。

印象的だったのは、企業の解決したい課題が明確であることです。例えば、こういう病気のこういう症状をこれだけ緩和できるというものが、一つのプロダクトになっています。

また、社会課題とビジネスが直結していて、事業を通して何を解決すべきなのか、立ち上げの時点で目的が明確です。少子高齢化や移民の増加など、フィンランドが抱える社会課題について、プロジェクトに参加している一人一人が自分事として捉えているからでしょう。多くの人が自分の実体験を事業の発想起点にしていることが伝わってきました。ですから、新規事業をやりなさいと言われてやっている人よりも思い入れや熱量が必然的に高い。私が自分のチームに新規事業を考えてもらう時も、まずはメンバー一人一人が納得して取り組めるかどうか目を向ける必要があると感じました。

安倍首相の独断“休校要請”に非難殺到! 親に負担押し付けの一方、コロナ対策費は足りてると153億円のまま! 韓国は1兆円以上なのに

 また安倍首相が場当たり的な決定を出した。本日、唐突に全国すべての小中高校と特別支援学校に3月2日からの臨時休校を要請すると発表したことだ。  安倍首相はまるで英断であるかのごとく発表したが、各方面から非難が殺到している。たとえば、政府の新型コロナ対策の専門家会議の岡部信...

映画レビュー「レ・ミゼラブル」

パリ郊外の犯罪多発地区。少年の些細な犯罪が、一触即発の危機を招く。打開を図る警察は大きな失態を犯し、窮地に追い込まれる。

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