コロナ禍と、三つの企業広報戦略

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行により、深刻な事態の長期化が懸念されています。本連載では、こうした非常事態下における企業のPR活動について、さまざまな観点から論じていきます。

企業にとっての“危機管理広報”は、不祥事への対応だけではなく、コロナ禍のような非常事態時においても重要です。例えば、「密集」「密接」「密閉」の3密と関わりの深いイベントや新商品発表、記者会見が軒並み自粛になる中で、企業活動はどこまですべきなのか。悩み、手探りの日々を送っている企業は多いのではないでしょうか。

連載第1回では、企業広報戦略研究所(電通PR内)が国内企業を対象に実施した、コロナ禍に対する企業の取り組み、広報対応に関する緊急アンケート結果を見つつ、今後、企業がとるべき広報戦略について考察します。

<目次>
企業がコロナ禍において優先的に検討したこととは?
広報戦略①従業員に寄り添う「インターナルコミュニケーション」
広報戦略②物理的制約のある中でのメッセージ発信
広報戦略③企業のCSR活動、SDGs貢献

企業がコロナ禍において優先的に検討したこととは?

「コロナ禍における企業活動アンケート」と題し、当研究所で過去アンケートに協力いただいた企業、もしくは当研究所が主催したフォーラム、セミナーに参加いただいた企業に対してアンケート調査を2回実施しました。

「コロナ禍における企業活動アンケート」

・調査期間:第1回 2020年2月28日(金)~3月6日(金)
         第2回 2020年4月10日(金)~4月17日(金)
・調査対象:企業広報戦略研究所の調査に協力いただいた企業担当者(広報・危機管理、その他)
・サンプル数:1回目195社/2回目170社から回答 ※未回答は除く
・調査方法:インターネットアンケートサイトにアクセス、オンライン回答

以下は、4月に実施した第2回アンケート調査において「今後の1カ月程度の間、企業コミュニケーションについてあなたはどのような検討が必要と考えますか(複数回答)」を聞いた結果のグラフです。
コロナ禍における企業活動アンケート

上位には以下のような回答が集まりました。

■1位…「社内に感染者が発生した際に備えた公表の準備」(76.9%)

社内での感染者発生の可能性が高まるにつれ、広報・リスク担当者も対策、対外的情報発信の準備に追われていることが分かります。情報の独り歩き、フェイクニュースを避けるため、従業員の健康管理、安全確保に向けた企業姿勢は企業レピュテーションにとって最重要事項といえます。

■2位…「労働環境の変更による従業員ストレスへの配慮」(69.8%)

従業員の職種によっては、テレワークが困難で、仕事そのものが行えない事態も生じています。物理的制約から突如「社内失業」状態になり、雇用不安からくる心理的ストレスへの配慮は、まさに今、企業が全面的にサポートする姿勢を示さねばならない時期にきています。

さて、このアンケート結果を踏まえ、コロナ禍における企業広報戦略のポイントをまとめてみました。現段階では、以下の3点に絞られます。

①従業員に寄り添う「インターナルコミュニケーション」

雇用不安、精神面でのストレスを抱える現場に寄り添うメッセージ、温度感の伝わる言葉が、トップには求められています。

②物理的制約のある中でのメッセージ発信

コロナ禍では物理的制約の中で企業活動を行わなくてはなりません。具体的には、人を集めての会見ではなく、オンラインでの対外的発表が必須となっています。そうした場では、話の内容も、伝え方も、従来とは異なる考え方が必要になります。

③企業のCSR活動、SDGs貢献

3点目はコロナ禍における持続可能な社会に向け、企業としてどのように社会貢献するのかという姿勢です。この点でプレゼンスが示せない企業は同業他社に差別化を図られ、ESGでの銘柄選別、資金調達や収益など財務面にも影響してくると推察されます。

以下、詳細に考察していきます。

広報戦略①従業員に寄り添う「インターナルコミュニケーション」

まず、非常事態時におけるトップ(=経営層)から従業員へのメッセージについて考えてみましょう。

当研究所では隔年で「企業広報力調査」(※)を行っています。2018年度の結果では、企業が重要視するステークホルダーとして「従業員」が上昇傾向にあると分かりました。背景としては、人手不足、人材不足が挙げられます。今や企業は本格的に「健康経営」「ダイバーシティー経営」に乗り出しています。職場環境の改善が、離職率の低減につながり、従業員の組織に対するエンゲージメントを高めるからです。

※企業広報力調査 https://www.dentsu-pr.co.jp/analysis/
 

今回のコロナ禍でいえば、アマゾンのCEOであるジェフ・ベゾス氏による社員向けメッセージ(https://blog.aboutamazon.jp/initiatives_a-message-from-our-ceo-and-founder)は、まさに企業が従業員ら重要ステークホルダーに寄り添う姿勢を見せた好例といえます。

ベゾス氏はメッセージの中で、新型コロナウイルスに伴う世界的な危機に対し、同社が「世界中の人々に極めて重要なサービスを提供している」「多くの人々は私たちを頼りにしている」と訴え、米大統領をはじめ数多くの感謝のメッセージをもらっていることを伝えています。

このメッセージは以下の文章で締めくくられています。

(現在、私は)Amazonが最良な役割を果たしていく方法について、全ての時間と思考を集中しています。Amazonで働いている皆さんにも、Amazonが重要な役目を担い続けることを理解し、新しい支援の機会を探し続けていただきたいと思います。
(中略)
自身とあなたの愛する人々をどうか大切にしてください。私は、この現状を皆さんと一緒に乗り切ることができると信じています。

また、アマゾンは、“巣ごもり消費”による需要増大に伴う人員不足から、新たに世界で10万人の雇用を確保するとしています。同時に、コロナ禍において飲食・観光業等で失業してしまった人に対しても、「一時期でも一緒に働きませんか?」と呼び掛けています。このように「社会課題」を意識したトップメッセージには、広報的な戦略性も垣間見えます。

日本では、大打撃を受けている観光業において、星野リゾートの星野佳路社長が積極的にメディアに登場し、「こういう時こそ経営の力を発揮すべき」とのメッセージを絶えず発信しています。おそらくそのメッセージの半分はインターナルに向けており、現場を鼓舞することを意識しているのでは、ともとれる内容になっています。

広報戦略②物理的制約のある中でのメッセージ発信

さて、ここで冒頭の疑問に答えます。コロナ禍において企業広報活動は自粛すべきなのでしょうか。答えはノーです。

特に上場会社にとって、「事業の方向性」「重点施策」などについて、むしろ企業姿勢として積極的に何を課題として現在進行形で取り組んでいるかを示すべきタイミングといえます。

また、非常事態であろうと、トップ交代、新経営体制でのスタート期には経営方針を市場関係者、各ステークホルダーに対して示す必要があります。

ただし“3密”を避けるため、現在は企業の重要な発表もオンラインで行うことが一般的になりつつあり、対策が必要となっています。

例えばオンラインの会見では、ネットワークのインフラ環境や周囲の雑音などで、発言内容が聞き取りづらい可能性もあります。そのためホテルや大会議室でリアルに記者説明会するときよりも、2~3割、話す速度を落とさなくてはなりません。その分、話す内容もキーメッセージを凝縮する必要があります。ゆっくり話しても余裕がある、簡潔なスピーチライティングが求められるでしょう。

また、カメラを意識した視線の運びなど、求められる「分かりやすさ」のレベルが高くなるため、技術的な面を含めた事前リハーサルも重要になってきます。

それに加え、非常事態下でのメッセージ発信では、個人的な思いを含めた「エモーショナル」な要素も付加しないと視聴者側の集中力が持続せず、受け手の心に響かないという課題も新たに浮き彫りになりつつあります。前項でのベゾス氏や星野氏のメッセージが伝わるのは、経営者の「思い」を率直に語っているという面も大きいのです。

広報戦略③企業のCSR活動、SDGs貢献

最後に、現在企業が行うべきCSR活動について考えてみましょう。今や、コロナ禍を踏まえた新局面でのCSR活動、SDGs貢献が主流になりつつあります。

2~3月の段階では、企業による学童保育施設への物資無償提供などが目立っていました。そして感染者数が増加し、医療施設への負担がより深刻さを増してきた4月以降は、医療従事者に向けたメッセージや、具体的な支援策に注目と動きが集中しつつあります。

たとえ、全く医療従事者と関係のない企業であっても、「本業を通じてどのように社会に貢献できるか」という発想が必須となっています。

例として、軽度患者の受け入れをいち早く表明したアパホテルは、ソーシャルメディア上で好意的な言及が増えました。他にも、医療従事者に向けて物資提供などのサポートを行った企業では、自社のニュースを見た従業員から「この会社にいることが誇らしい」などの声が上がっています。当然ネガな反応もありますが、レピュテーション全体で見ると一過性です。

これからも社会課題と真に向き合った企業のCSR活動は、良い意味での“ブーメラン効果”をもたらし、従業員エンゲージメントを向上させ、企業レピュテーションを着実に高めていくでしょう。

次回は、コロナ禍で急速に進む、企業PR活動のオンライン化について詳しく解説します。

パチスロYouTuberが「シバター」訴訟を視野に⁉… ファンの反応は…


 5月12日、パチスロYouTubeチャンネル「桜鷹虎」が衝撃的な動画を配信し、大きな話題となっている。

 本動画のタイトルは『シバター訴えます。』となっており、内容によると、シバターより「業務妨害行動」を受けたとし、民事訴訟の提起と刑事訴訟を起こす構えのようだ。

 桜鷹虎は動画内で弁護士との相談の上、数千万円の損害賠償を求めると提言。賠償が成立した際には医療団体への寄付が示唆された。

 シバターは有名YouTuberで、パチンコ・パチスロの実戦動画の他、「物申す系動画」を投稿することでも知られている人物。

『GODを引くまで出れない部屋』にて、寺井一択と兎味ペロリナの交際疑惑を暴露したことでも話題になった。

 事の発端は、桜鷹虎の配信するパチスロ実戦動画が「明らかに自粛期間中にホールで収録されている」と視聴者の間で物議を醸したことから始まったようだ。

 桜鷹虎は4月21日に新台『押忍!サラリーマン番長2』と『サンダーVライトニング』の実戦を配信。両機種のホール導入日は4月20日であった。それ以降も新台実戦動画の投稿は4月29日まで継続する。

 この行動に「自粛すべき」と、一部批判の声も上がり、シバターも反応を見せた。

 シバターは桜鷹虎に関した複数の動画を配信。批判的な内容の中には過激な言動も含まれており、『桜鷹虎の潰し方』という動画も存在。視聴者を巻き込み、両者は対立の様相を呈した。

 桜高虎によると、その後Twitterにてシバターの成りすましアカウントが出現。桜鷹虎に誹謗中傷を浴びせる事態にまで発展し、問題は肥大化していったという。

 一連の流れに対し、「炎上目的だろう」「視聴数稼ぎで協力しているのでは⁉」など、懐疑的な見方をする視聴者が多かったが、『シバター訴えます。』の配信後、先述したシバターの動画が全て削除され、事態は一変した。

 本当に炎上目的で、合意の上の出来レースであれば、視聴数を大きく稼ぐ動画を削除するのは不自然だ。

「削除した方が真実味が出る」「これも計算の内」と、依然として懐疑的な見解を持つ視聴者も存在する中、「本当にまずいと思ったのだろう」という声が日に日に大きくなっている印象だ。

 いずれにせよ、両者の活動にとって大きな問題であり、パチスロ動画界全体にも影響を及ぼす可能性も存在する。今後の展開に注目したい。
 

  

実力はアーモンドアイ以上? JRA史に残る「最強マイル女王」は社台グループが母を410万円で手放したあの馬

 最強牝馬はよく耳にするが、最強マイル牝馬はあまり聞かない。ヴィクトリアマイルの歴史が14回しかないこと、そして古馬マイルG1レース(安田記念マイルCS)における牡馬の壁が高いことがその理由だろう。実際にレースが新設された1984年以降、マイルCSを制した牝馬は

 1986年タカラスチール
 1990年パッシングショット
 1993年シンコウラブリイ
 1994年ノースフライト
 2008年ブルーメンブラット

 の5頭で、なんと1995年以降牝馬は1勝のみだ。そして同じく1984年以降に安田記念を制した牝馬は

 1991年ダイイチルビー
 1994年ノースフライト
 2008年ウオッカ
 2009年ウオッカ

 の4頭しかおらず、なんと1995年以降牝馬はウオッカしか勝利していない。そしてこの成績から分かるように、マイルCSと安田記念のJRA古馬マイルG1レースを制した牝馬は、ノースフライトただ1頭なのである。

 ノースフライトが安田記念で負かしたのは、外国から来日した5頭(フォレ賞優勝馬ドルフィンストリート、ブリーダーズCマイル2着スキーパラダイス、ジャック・ル・マロワ賞優勝馬サイエダティ、ミドルパークS優勝馬ザイーテン、香港の強豪ウィニングパートナーズ)を筆頭に、サクラバクシンオー(最強短距離馬・スプリンターズS連覇など重賞5勝)、ホッカイセレス(重賞2勝)、フジヤマケンザン(重賞5勝)、ゴールデンアイ(重賞2勝)、マザートウショウ(重賞3勝)といった強力メンバーばかり。

 しかも外国馬を含め6頭の牝馬の中で優勝を果たしたのだから、見事な勝利というほかない。勝ち時計の1分33秒2はオグリキャップの記録に続く史上2番目と速く、その内容も文句なしだった。

 続くマイルCSで負かした馬も、サクラバクシンオー、フジノマッケンオー(重賞4勝・皐月賞3着)、ホッカイセレス(重賞2勝)、ビコーペガサス(重賞2勝)、イナズマタカオー(重賞3勝)、ニホンピロプリンス(重賞2勝)、ゴールドマウンテン(重賞2勝)となかなかのレベル。

 さらに勝ち時計1分33秒0はコースレコードであり、決して偶然ではなく実力に裏付けされた強さであった。ノースフライトは最終的にマイル実績を5戦全勝としており、マイルにおいてその実績と実力に匹敵する馬は、アーモンドアイを含めてもいない。まさに最強マイル女王の称号に相応しい名馬と言えるだろう。

 同馬の生い立ちに目を向けると意外な事実が判明する。

 ノースフライトの母シャダイフライトは、もともと社台ファームが所有していた繁殖牝馬だったが、それまでの繁殖成績が振るわなかったこと、そして18歳という高齢もあってか、社台グループの繁殖牝馬セールにて売却された馬だった。

 その金額はわずか410万円、なんと上場全馬の中で最低金額だったという。しかもトニービンの子供を受胎していたのだから、破格の金額と言えよう。社台ファームとしては苦渋の決断だっただろうが、結果としてそれは最悪の結末になってしまった。

 シャダイフライトが産んだノースフライトは、安田記念とマイルCSを制覇。JRA賞最優秀5歳以上牝馬に選出されたのである。

 奇しくも同様のケースはその後も見られている。日本ダービーを勝利したジャングルポケットは、同馬を産んだ母ダンスチャーマーが売却されてから日本ダービーを勝ち、今年の桜花賞を制したデアリングタクトの母デアリングバードも、社台ファームが繁殖牝馬セールで手放した馬だったのだ。

 今週のヴィクトリアマイルに出走するアーモンドアイは、昨年の安田記念で不利もあって3着。マイルは4戦3勝だが、まだ古馬マイルG1レースを勝利していない。

 もし、今週のヴィクトリアマイルの次に安田記念を選択し、秋はマイルCSへの参戦を考えているのであれば、ノースフライトが唯一持つ「牝馬による古馬マイルG1春秋制覇」の偉業に挑むことになる。

 アーモンドアイにとって今週のヴィクトリアマイルは、おそらく現時点でのマイル適性を図る格好のレースといえよう。また、香港遠征中止→有馬記念大敗→ドバイ遠征中止と、昨年暮れから続く負の連鎖を断ち切ることができるのか。

 そして最強牝馬というだけでなく、最強マイラーとして新たな勲章を勝ち取ることができるか。今週のヴィクトリアマイルは注目の一戦だ。

JRA武豊、宝塚記念(G1)は世界の名門厩舎とタッグか!? 海外の「超大物」がグランプリ予備登録も、ゴドルフィンの二の舞を危惧……

 新型コロナウイルスの影響で中断していたフランス競馬が、11日から無観客で開催再開となった。同じく欧州の主要国であるイギリスは6月初旬、アイルランドは6月29日の再開で調整されている。フランス競馬を皮切りに海外競馬も徐々に活気を取り戻していくのではないだろうか。

 日本では幸いにも、無観客で競馬開催が継続されていたが、欧州は軒並み中止となってしまっていただけに、競馬再開の知らせは嬉しい限りだ。

 そんな中、世界のA.オブライエン厩舎の有力馬が日本のレースに出走するかもしれないという驚きのニュースが入ってきた。

 14日、JRAはブルーム、ジャパン(牡4歳、愛・A.オブライエン厩舎)の2頭が、6月28日に行われる宝塚記念(G1)に予備登録があったことを発表した。

 昨年のインターナショナルS(G1)で、当時レーティング世界トップだったクリスタルオーシャンを撃破したジャパン。凱旋門賞(G1)でも4着に入るなど、欧州競馬の中でもトップーホースとして数えられる1頭である。

 また今年に入って日本の馬主であるキーファーズがクールモアグループとジャパンを共同所有することが発表された。武豊騎手を懇意にしていることで知られるキーファーズ代表の松島正昭オーナーが、武豊騎手と凱旋門賞挑戦するために購入に踏み切ったのだ。

 同じく予備登録されたブルームも、キーファーズが所有権の一部を購入しており、昨年の凱旋門賞は武豊騎手との参戦予定だったが、体調が整わず回避となってしまった馬だ。

 昨年のジャパンC(G1)は残念ながら、初めて外国馬0頭で行われた。国際招待競走ながら外国馬出走なしは寂しい内容ではあったが、もし宝塚記念にA.オブライエン厩舎の2頭が参戦するとなれば、それも帳消しになるぐらいの盛り上がりとなるだろう。

「現在、アイルランド競馬の再開予定が6月29日のため、それより先に行われる宝塚記念出走は全く可能性がないわけではなさそうですね。フランス競馬は再開しましたが、人馬ともにフランス所属が条件のため、海外からの参戦はできない状況です。

もしジャパンが日本で出走となれば、当然鞍上は武豊騎手が期待されます。さらに宝塚記念から凱旋門賞挑戦となれば、2006年のディープインパクトと同じローテーションです。そこに武豊騎手となれば、どうしてもディープインパクトのリベンジに期待してしまいますね。ただA.オブライエン厩舎所属なので、全く同じローテーションになる可能性はかなり低そうですが……」(競馬記者)

 4月にはゴドルフィンの専属調教師として知られるC.アップルビー師が管理する10頭の外国馬がヴィクトリアマイル(G1)ら計7レースに予備登録をするということがあった。だが、結局は来日することなく終わってしまった。

 ゴドルフィンに続いて、今度はクールモアと驚きの予備登録となったが、やはり現在の社会情勢を考えると参戦のハードルはかなり高いのが実情だろう。

 それでもジャパンが日本に来るとなれば盛り上がること間違いなし。淡い期待を抱きながら楽しみにしたい。

コロナは死亡率3%の肺炎…第3波に備え無症状者は通常活動で集団免疫を 医師が提言

 去る5月4日、当初(4月7日)は5月6日までとしていた「緊急事態宣言」が5月31日までに延長された。5月7日になったら事業が再開できることを目標に必死に耐えていた観光関連業(ホテル、鉄道、バス等)、レストラン、百貨店、小売業等を含め、コロナ禍で窮地に陥っている経営者にとっては「地獄の沙汰」である。

「専門家」によると、とにかく「三密(密集、密閉、密接)を避け、手洗いを励行し、コロナウイルスを体(肺)の中に入れない」ことが、コロナウイルス感染を防ぐ、最上、最良の方法とされている。しかし、こうした「外出規制」により、一時的にコロナウイルスの感染が終息したように見えても、体内に免疫ができていないと再度コロナウイルスの感染が拡がっていく可能性が十分にある。日本のどの都市よりも早く「学校閉鎖」を断行し、「外出自粛励行」を呼びかけ、一旦はコロナウイルス感染が終息したように見えた北海道で再び感染が拡大しているのが良い例である。

「ハシカに一回かかると二度とかからない」というのは、ハシカ(麻疹)ウイルスに対して、抗体ができるからである。細菌やウイルスなどの病原体、アレルゲン(花粉、ダニ、ハウスダスト)など、体内に入ってくる異物・有害物は「抗原」と呼ばれ、それに対して白血球のリンパ球で抗体(免疫グロブリン)がつくられ(免疫ができる)、病原体などの異物を攻撃・排除する。抗体は一生、体内・血液内に保有されることがほとんど。よって、「同じ病気には二度とかからない」のである。

 しかし、日本や欧米各国でやってきた「外出規制」でコロナウイルスに感染させる機会を奪うと、ほとんどの人の体内には抗体はできていないのだから、コロナウイルスの第2波、第3波がやってきた場合、再度、再三の「外出規制」や「緊急事態宣言」が必要になってくる。

 1月から3月半ばまで日本人が感染したコロナウイルスは中国武漢由来のもので、3月21日の連休後のコロナウイルス感染は、連休をヨーロッパで過ごした旅行者たちが、中国からヨーロッパに伝播し変異したウイルスを持ち込んだものによるものだという。このように同じウイルスでも変異を繰り返すので、一回終息したように見えても、第2波、第3波がやってくる可能性がある。

免疫力を高める

 1918年から1920年に世界的に流行したインフルエンザ(スペイン風邪)は全世界で約5000万人の生命を奪ったとされている。日本では1918(大正7)年の夏から秋に最初の感染拡大が始まり、1919年には一旦収まったが、秋から再拡大し、結局1921年までの間に計3回流行した。当時の人口(約5600万人)の40%にあたる2380万人が感染し、38万人が死亡した。

 こうした史実を参考にしたのか、スウェーデンでは国民に外出規制を強いず、むしろ「自由に感染させて抗体保有率を上げる」という「集団免疫」戦術をとって成功したようだ。ただし、発熱など肺炎の症状が出た人は初期段階から積極的に治療した。スウェーデンの疫学者アンデシュ・テグネル氏は、「USA TODAY」(4月28日付)で「ストックホルムではたぶん25%の人がコロナウイルスの抗体を持っている」と述べている。

 日本が慶応大学病院に4月13日から19日までの間に「コロナ肺炎以外で入院した67人のコロナウイルス抗体の発現率を調べたところ、4人(=5.97%)が陽性だった」という。この伝えでいくと、人口約1300万人の東京都民の抗体保有者は約80万人ということになる。

 4月24日、米国ニューヨーク州で3000人を調べたところ、コロナウイルスの抗体保有率は13.9%で、同州の人口約1945万人のうち約270万人に当たるという。抗体を保有していると、第2波、第3波のコロナウイルスが襲来しても、発病率はうんと下がるということになる。

 日本では欧米に比べて新型コロナウイルスの感染率、死亡率が格段に低いのは、幼少期にツベルクリン反応陰性(結核菌に免疫のない)の人に接種された「BCG」(牛の結核菌からつくられたワクチン)が一役買っているという説もある。風邪やインフルエンザ、コロナなどのウイルスと接触したり、吸引したりしても、発症する人としない人がいるのは、ひとえにその人の持つ免疫力の差である。ここ3カ月以上、テレビにはほぼ同じ顔ぶれの感染症の専門家と称する人が出ずっぱりで、異口同音に「三密を避ける」「手洗いをする」しかおっしゃらない。なぜ、「免疫力を高めてコロナウイルス感染を防ごう」という考えがないのか不思議である。

「集団免疫」を獲得する

 風邪、肺炎などの感染症をはじめ、がん、膠原病など、どんな病気でもある程度以上の症状になると必ず「発熱」と「食欲不振」を伴ってくる。この両者とも、神様が我々動物に下さった病気を治すための「免疫力」である。

 よって、日頃「お風呂、温泉、サウナなどで体を温め、生姜紅茶、酒の熱燗、熱々のうどんやみそ汁、すき焼き、豚汁、カレーなど、食べている端から発汗するようなものを飲食する」「一日一回は空腹の時間を作る」などを励行し、「免疫力を上げておく」ことこそ、コロナウイルス感染に対する最上、最良の方法と私は確信しているのだが。ちなみに人が発汗するときは、体温は1℃上昇し、免疫力は数時間4~5倍になるとされる。

 コロナウイルス肺炎とは、100人がコロナウイルスに感染すると、

・80人=無~軽症

・20人=中~重症化(うち17人=治療によって治る、3人=死亡)

という、死亡率「3%」の肺炎である。しかも、亡くなるのは高齢者、慢性的に肺・心臓・腎臓に疾患のある人や、糖尿病など免疫力の低下した持病のある人たちである。よって、こういう人たちには「毎日主治医が電話診療する」「看護師の訪問」などを励行し、発熱したら「37.5℃以上の発熱が4日続いたらPCR検査をする」などと悠長なことを言わず、即入院させて徹底した治療を行う。軽症~中等症の人はホテルでの療養をさせ、医師・看護師がケアすることを実践し、「無~軽症」の人は「集団免疫」を獲得するためにも、経済を死なせないためにも社会活動をさせるべきである。

 コロナウイルス肺炎が問題化してから約3カ月の死亡者は697人(5月14日現在)。一方、普通の細菌性や誤嚥性の肺炎で亡くなる人は毎月約1万人、年間12万人である。コロナウイルスに関して、もう少し冷静に対処できないものか。

(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)

JRA「出世レース」青竜S(OP)3歳ダート最強馬に最も迫った「あの馬」が二刀流“断念”でダート界「制圧」へ!

 17日、東京10Rは青竜S(OP)が行われる。同レースは2014年に創設された3歳限定のダート競走で、今年で7回目を迎える。まだ歴史の浅いレースだが、過去の勝ち馬からはG1馬・ノンコノユメのほかにも、サンライズソアやグリムらの重賞馬を輩出しており、2015年以降の勝ち馬はすべて重賞勝ちを収めている出世レースだ。

 3歳ダート路線を占う上重要な一戦に、今年も好メンバーが揃った。その中でも、ダート路線に照準を絞ったタガノビューティー(牡3歳、栗東・西園正都厩舎)に期待したい。

 デビューからダートレースを2連勝したタガノビューティー。3戦目で初の芝レースに挑戦するのだが、なんといきなり朝日杯FS(G1)という大舞台を選択した。同レースで1番人気に支持されたサリオスと同じ無敗馬だったが、芝初出走のヘニーヒューズ産駒ということを考えれば9番人気の低評価は当然と言えるだろう。

 だが、レースではその下馬評を覆し、4着に入る健闘を見せた。3着とはクビ差だったため、あわや馬券に絡む激走だ。G1で好走したため、次走のシンザン記念(G3)では、3番人気に支持されるも6着に敗れてしまった。

 この敗戦を受けて、陣営は負けなしのダートでの仕切り直しを決断する。

次走に選択したのはヒヤシンスS(L)。得意のダートで景気よく復活といきたいところだったが、出鼻をくじかれてしまう。

 レースを後方から進め、末脚勝負にかけたタガノビューティー。自慢の末脚を繰り出すも、勝ち馬カフェファラオとは1馬身1/4差の2着に敗れてしまい、ダート初黒星となってしまった。

 だが、負けた相手カフェファラオは、3歳世代のダート最強の呼び声高い馬だ。新馬戦は2着に10馬身、3着馬はそこからさらに9馬身差という圧勝を決めている。このとき2着だったバーナードループは、その後3連勝で兵庫チャンピオンシップ(G2)を優勝。負かした相手も強かったことで、よりカフェファラオの評価を高めている状況だ。

 単純比較はできないが、重賞勝ち馬バーナードループが「10馬身差」つけられた相手に、「1馬身1/4差」まで迫ったタガノビューティーは世代No.2という評価をしてもおかしくはないだろう。

「朝日杯FSはレース展開が向いたことが、4着に好走した大きな要因です。本質的にタガノビューティーはダート馬で間違いないでしょう。ダート復帰戦のヒヤシンスSで敗れたとはいえ、3着とは2馬身半差ありました。また芝レースで好走したのは能力自体が高いことを示しており、世代ではトップクラスのダート馬のはずです」(競馬記者)

 ヒヤシンスSが行われた日のメインレースはフェブラリーS(G1)で、モズアスコットが芝・ダート「二刀流」のG1制覇を達成した。奇しくも、二刀流を断念したタガノビューティーのダート復帰日に偉業が成し遂げられてしまった……。

 主戦場をダートに定めたタガノビューティー。カフェファラオと再戦するためには、青竜Sで足元をすくわれるわけにはいかないだろう。

錦戸亮が大復活へ? 大河ドラマで俳優業再開の可能性

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

NOMAD RECORDSのInstagramより

 錦戸亮の俳優としての活動再開を心待ちにしているファンは多いだろう。昨年ジャニーズ事務所を辞め、すぐさまソロアルバムをリリース、ライブツアーもソールドアウトで幸先の良いリスタートを切った錦戸。だが役者業はご無沙汰となっている。

 ジャニーズ時代から仲の良かった赤西仁とのプロジェクト「N/A」を発足し、YouTubeチャンネル「NO GOOD TV」も展開。山田孝之や小栗旬とのオンライン飲み会を放送するなど、業界内の人脈を見せつけてもいる。

 しかし地上波キー局のドラマ出演は今のところなく、錦戸は今年2月、Twitterに芝居への欲求を投稿していた。

コロナ「自粛警察=歪んだ正義」批判で隠れる本質…自己犠牲を厭わない真面目な人ほど陥る

 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が長引くにつれ、「自粛警察」と呼ばれる動きに関心が集まっている。自粛警察とは、緊急事態宣言の下で外出や営業などの自粛要請に応じない個人や店舗に対して、私的な取り締まりを行う一般市民のことを指すとされている。

 自粛警察という言葉は、ヤフーのリアルタイム検索では4月上~中旬からみられていたが、多くても1日に500件程度だった。転機になったのは4月28日、朝のワイドショーがこれを取り上げ、著名人が相次ぎ「自粛警察がトレンド入りしているけれど良くない」とツイートしたことで、ゴールデンウィーク入りした29日には検索回数が7000件以上となり、その後も高水準で推移している。

 自粛警察については、「正義の暴走」や「歪んだ正義」と批判的な見方が大方だが、このように単純に結論づけるだけでいいのだろうか。

 NHKは5月9日、自粛警察に関する報道を行ったが、自粛警察を行ったとされる人たちは匿名インタビューに対して「自粛警察と呼ばれる行為をしたつもりはない」と回答している。

 筆者が関心を持ったのは、介護施設に勤務する30代の男性がコンビニエンスストアでマスクをせずに電話をする男性を見かけ、地元の自治体に通報したというケースである。「施設で暮らす高齢者に感染を広げまいと細心の注意を払う中、対策を採っていないように見える人が本当に許せなかった」とした上で、「自粛警察と呼ばれる行為に全面的に賛成はできないが、対策をとらない人は自由に行動し、注意して生活する人ばかりが疲れてしまっている。事態を良くするには、こうするしかなかった」と話していた。

 ヒト、モノ、カネが圧倒的に不足する状況下で、介護崩壊を必死に食い止めようとする彼が、街中で無責任な行動をとっている人に対して、怒りを覚えるのは納得できる。心理学では、実験を通して「普段誰かのために自己犠牲を厭わず真面目に働く人が、理不尽な行為に接すると、自らの損失を顧みず、どんな手を使ってでも、相手に目にもの見せてくれようと燃え立ってしまう」ことが知られている。

 この義憤に駆られた行動は、体の中で自然に合成され、精神安定剤とよく似た構造を持つセロトニンという脳内物質が関係していることがわかっている。脳内でのセロトニンの量が少ないほど、利他的行為を行う半面、理不尽な行為に対する許容度が低い傾向があり、日本人の脳内のセロトニン量の分泌量は世界でも最も少ない部類に入ると言われている。脳の生理的な仕組みから見て、自粛警察という現象は日本人の強みが引き起こす負の側面であるといえるのかもしれない。

日本社会が抱える問題も浮き彫り

 自粛警察の犠牲になった人の話からは、日本社会が抱える問題も浮き彫りになる。前述のNHKの放送では、杉並区のライブバーが取り上げられていた。東京都からの自粛要請を受け、4月から客を入れての営業を取りやめていたが、4月26日に客を入れずに歌手のライブを行い、その模様をインターネットで配信するという新たな取り組みを実施した。するとライブの最中、何者かに店の出入り口に「自粛してください。次発見すれば、警察を呼びます」などと書かれた紙が3枚貼り付けられていたという。

 東京都が示す感染防止の対策(換気や消毒等)を講じた上で実施したにもかかわらず、十分な理解が得られなかったことに、ライブバーの経営者は「誤解を受けたのは残念で、店側も配慮が足りなかった。不安な時期だから指摘をしたい気持ちもわかるが、お互いに落ち着いてできることをやっていくしかない」と話していた。

 専門家は「人にはそれぞれ事情があり、非常時の最適な行動も人によって違うことを理解しなければならない」と呼びかけている(5月9日付時事通信)が、地域社会におけるコミュニケーション不足という古くて新しい問題が露呈したかたちである。

新たな「近隣トラブル」

 自粛警察という現象は、緊急事態宣言の発令で生じた新たな「近隣トラブル」なのかもしれない。近隣トラブルは昔から存在しているが、現在発生しているトラブルの背景には深刻な文化の壁がある。そもそもライブバーやインターネット配信という仕組みを知らない近隣住民が存在していたことが、今回の問題の背景にあるのではないだろうか。ルールを知らず言語が異なることから、ゴミの分別などで外国人との間でトラブルが発生することが多いが、同じ日本人の間でも残念ながら同様の問題が生じているのである。

 騒音問題を中心に近隣トラブルの解決に取り組んでいる「騒音問題研究所」の橋本典久代表は「騒音トラブルは、音量ではなく、音の発生者とそれを聞く人との関係に起因するものがほとんどである。都市部では『お互い様』という言葉はもはや死語である。トラブル解決の鍵は人間関係の構築にある」と指摘する。

 橋本氏が注目するのは、米国の「近隣司法センター(NJC)」という制度である。住民同士の小規模紛争をボランティア調停員が法廷外で解決するものであり、州が財政面から支援している。NJCでは双方が納得できる解決策を導き出すまで徹底的に話し合うことができるように、十分な訓練を受けた調停員がサポートするという。橋本氏は、2017年3月から日本版「近隣トラブル解決センター」を青森県八戸市に設立しようとしているが、自治体などからの支援が得られずいまだに実現に至っていない。

 NHKの取材に対し、専門家は「自粛警察は、ほとんどの人に悪意はなく過剰な防衛本能が問題行動を引き起こしている。行き過ぎると世の中を分断することにつながり感染予防に逆効果となる」と冷静な行動を呼びかけているが、無意識のうちに自粛警察的な行動を取りがちな日本人に対する社会の備えがなくてもよいのだろうか。

 新型コロナウイルスとの闘いが長期化することが予想される中にあって、日本にも警察や地方自治体に代わるNJCのような組織が必要な時代が到来しているのである。

(文=藤和彦/経済産業研究所上席研究員)

JRAアーモンドアイ「女王陥落」のシナリオ!? ヴィクトリアマイル「僕の馬の方が強い」相棒を信じ切り、最強女王に打ち勝った9年前の記憶

 17日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1)。今年はG1・6勝を誇る最強女王アーモンドアイ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)が参戦することで、異例の注目を集めている。

 昨年末の有馬記念(G1)で9着とキャリア初の惨敗を喫し、さらには今年の始動戦に予定されていたドバイターフ(G1)が新型コロナウイルスの影響によって中止。順風満帆だった頃と比較すれば、決して順調とは言えない現在のアーモンドアイだが、実績面では断トツの存在だ。

 心配された状態も13日に美浦のWコースで行われた最終追い切りで自己ベストを叩き出すなど、陣営の仕上げに抜かりはない。ディープインパクトらと並ぶG1・7勝目へ視界は良好と言えるだろう。

 しかし、その一方で、今年15回を迎えるヴィクトリアマイルは「女王陥落」の歴史に彩られていることでも有名だ。

 実際に過去1番人気が勝利したのは、わずか3度。毎年のように現役最強女王が苦杯を舐めているが、中でも単勝1.5倍に支持されたブエナビスタが敗れた2011年のヴィクトリアマイルは、レース史に残る名勝負だった。

こ のレースを制したのは、前年の三冠牝馬アパパネだった。逆に述べれば前年の三冠牝馬が単勝4.1倍の2番人気に甘んじるほど、当時のブエナビスタが抜けた存在だったということだ。

 前走のドバイワールドC(G1)こそ8着に敗れていたが、前年はヴィクトリアマイルと天皇賞・秋(G1)を制覇。敗れたジャパンC(G1)は1位入線後に降着、有馬記念(G1)は後にドバイワールドCを勝つヴィクトワールピサにハナ差で惜敗と、紛れもなく現役最強だったブエナビスタ。当時の存在感は、現在のアーモンドアイ以上と述べても差し支えないだろう。

「僕の馬の方が強い――」

 だが、アパパネと主戦の蛯名正義騎手は、そんな最強女王に真っ向勝負を挑んだ。レースは中団に構えたアパパネを、ブエナビスタががっちりマークする形。大本命馬に終始追走される厳しい展開だったが、鞍上の蛯名騎手は「『ついて来い』と。受けて立つつもりで『僕の馬の方が強い』という気持ちで乗った」と決して動じなかった。

 当時、アパパネを管理していた国枝調教師が「相手はブエナビスタだと思っていた」と振り返った通り、陣営には勝算があった。

 2400mのオークス(G1)でサンテミリオンと1着同着するなど、実は前年の牝馬三冠はアパパネ陣営にとって望外の偉業だった。何故なら、この年もあえてマイラーズC(G2)から始動していたように、アパパネは本質的に1600mがベストと考えられていたからだ。

 一方のブエナビスタは、前年のヴィクトリアマイル以来の1600m。戦績を振り返っても、マイルがやや短いことは明らか。だからこそアパパネ陣営には「マイル戦ならブエナビスタに負けない」という自負があったのだろう。

 アパパネは自分のレースを貫いた。直後に迫っていたブエナビスタを待たずに、自らのタイミングでスパート。それを待っていたかのようにブエナビスタも追撃を開始するが、蛯名騎手ら陣営にはそれを跳ね返すだけの自信があった。

 結果は、アパパネがブエナビスタをクビ差抑え込んでの勝利。ゴール直後、蛯名騎手が珍しく派手なガッツポーズで喜びを爆発させている姿が印象的だった。

 あれから9年。ここで燃え尽きたのかアパパネはその後、かつての輝きを取り戻せずに引退。一方、ブエナビスタは同年のジャパンCを制覇するなど、最後まで最強女王だった。

 ただ、このヴィクトリアマイルに限っては、アパパネがブエナビスタを上回った。

 最大の勝因は、アパパネを信じ抜き「勝つ競馬」を貫いた蛯名騎手や陣営の信頼関係だろう。ここまで培ってきた人馬の絆が大きな自信となり、ブエナビスタを必要以上に恐れなかったことが乾坤一擲の走りに繋がった。

 今年のアーモンドアイが、かつてのブエナビスタ級の注目を集めることは間違いない。しかし、そんな“最強女王”を恐れない陣営にこそ勝機はあるはずだ。

JRAフィエールマン宝塚記念(G1)へ黄色信号!? 「少し様子をみてから」アーモンドアイとの”兼ね合い”も?

 14日、今年の天皇賞・春(G1)で連覇を飾ったフィエールマン(牡5歳、美浦・手塚貴久厩舎)が、予定している宝塚記念(G1)を回避する可能性があることがわかった。

「現在、ノーザンファーム天栄に放牧されているフィエールマンですが、レースのダメージが小さくないとのこと。予定されている宝塚記念には『少し様子をみてから』と慎重な姿勢を示しているようです。

 もともと体質に弱い所があって、デビューが遅れていた馬。3歳秋に菊花賞(G1)を制したのが、キャリア4戦目ですし、レース間隔を必要とする馬で、5歳春の現在でもまだ10戦しか使われていません。昨年も天皇賞・春の後は、夏の札幌記念(G2)でしたし、陣営としても慎重な判断が求められそうです」(競馬記者)

 また最終的な決断は、今週末に行われるヴィクトリアマイル(G1)の「結果に左右されるのでは」という意見もある。

「今週のヴィクトリアマイルに出走するアーモンドアイが以前から、この後、宝塚記念(G1)に向かうのではないかとウワサされています。もしヴィクトリアマイルを順当に勝利すれば、春のグランプリ出走の可能性も高まりますし、そうなると鞍上は当然、主戦のC.ルメール騎手でしょう。

 一方のフィエールマンも主戦はルメール騎手。もしアーモンドアイが出走して来れば、昨年の有馬記念のように“代打”を手配する必要が濃厚でしょうし、陣営のトーンは下がらざるを得ないでしょうね。“ルメール・ファースト”を背景に、さらに無理しない結論になってもおかしくありません」(競馬記者)

 この春は2006年のディープインパクト以来となる「天皇賞・春→宝塚記念」の連勝が期待されているフィエールマン。果たして、無事に春のグランプリを迎えることができるのだろうか。