乗合バスが存亡の危機、需要減退→経営悪化の負のスパイラル…高齢者の免許証返納を阻害

 乗合バス事業が苦境に立たされている。利用者減少に歯止めがかからない上、運転手不足が運営会社の経営悪化に拍車をかけているためだ。大都市圏を除けば、公共交通は全国的に利用者の減少傾向が続いている。要因は少子高齢化とマイカーの普及によるものだ。なかでも衰退が著しいのが乗合バス。大都市圏と地方では大きな差があり、特に地方では乗合バス事業は継続が難しい地域が多く見られる。

 1965年からの「いざなぎ景気」は、マイカーブームをもたらした。この時期から公共交通では利用者の減少が始まる。地方では利用者の減少から鉄道の廃線が相次いだ。そして現在は乗合バス、特に地方における路線バスが廃線の危機に瀕している。

 国土交通省の自動車輸送統計によると、乗合バスの利用者は1968年の101億4400万人をピークに、2000年には48億300万人と半数以下に減少し、15年には42億7000万人にまで落ち込んでいる。鉄道系バス会社の幹部は、「マイカーの普及によるところも大きいが、少子高齢化や地域の過疎化の影響が非常に大きい。特に中山間部では路線バスの運営を継続できないところが出ている」と指摘している。

 高齢者は日常的に路線バスを利用するケースは少ない。学生や勤め人のように毎日出かける必要がないためだ。路線バスの運行地域で高齢化が進めば、路線バスの需要が減少する。過疎化が進めば、需要の減少に拍車がかかることになる。路線バスの需要減少は、バス事業の運営を悪化させ、赤字路線の減便や廃線につながる。減便になれば不便さも手伝い、より路線バスを利用しなくなる。こうした“負のスパイラル”に陥り、路線バスは衰退している。

 加えて、人手不足の影響も大きい。特に運転手不足は深刻で、減便の原因の一つとなっている。たとえば利用率の高い路線の増便や、新規路線の開設などサービスの拡充を行おうとしても運転手不足が原因で実施できないケースもある。さらに最も問題なのは、長時間労働による事故発生のリスクが高まることだ。

 政府は路線バス事業の赤字解消に向け、2000年に貸切バス事業や高速バス事業の規制緩和を実施した。路線バス事業者は規制緩和を受けて、貸切バス事業や高速バス事業へ参入を進めたが、それでも黒字の路線バス事業者は約3割にとどまっている。

運転免許証返納の促進の阻害要因

 路線バスの弱体化は、「需要の減少による減便が、さらなる需要の減少を招く」という負のスパイラル以外にも、別の負のスパイラルを惹起する可能性があり、これが今後大きな問題となるかもしれない。

 それは、近年大きな社会問題となっている「高齢ドライバーによる交通事故」問題だ。防止策としては運転免許証の返納がキーとなるが、返納を促進するためにはマイカーに代わる交通手段の確保が重要だ。代替の交通手段として最も有力なのは「乗合バス」だが、その乗合バスが衰退すれば、運転免許証返納の促進の阻害要因となる可能性がある。

 大都市のように公共交通手段が多いところは路線バスの必要性は低いが、公共交通手段の発達していない地方では、マイカーを除けば、最も身近な公共交通手段は乗合バスだ。つまり、公共交通手段が少なくマイカー需要が大きい地方は、高齢者の運転免許証返納が進みづらいにもかかわらず、地方でマイカーの代替手段となる乗合バスが衰退していることが、免許返納が進まない要因をつくり出すという負のスパイラルを発生させてしまう。

 地方での乗合バスの弱体化をカバーするため、地方自治体ではコミュニティバスの導入が進んでいる。国土交通省によると、全国で約6割の地方自治体がコミュニティバスを運行している。このコミュニティバス利用者の15%程度が運転免許証を返納した高齢者だという統計も出ている。だが、コミュニティバスの運行は地方自治体の財政に悪影響を与えることにもなり、すべてを賄うのは困難だ。

 高齢ドライバーによる交通事故防止を促進するためにも、今、公共交通機関としての乗合バスの活性化策を早急に検討する必要がある。

(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

パチンコ「伝説のゲーム性」が大復活! 強力な“一撃”も期待できる最新機種へ期待の声!!

 シリーズ最大「デカパト」を搭載した『キュインぱちんこP南国育ち デカパトver.』の導入を控える平和。そんな同社は、最新パチンコ機『P真黄門ちゃま』の予告ページと予告PVを公開した

 パチスロファンがこの名を聞くと、2008年に同社から発売された5号機『真・黄門ちゃま』を思い浮かべることだろう。

 RPG型パチスロと銘打たれた『黄門ちゃまシリーズ』第2弾パチスロは80Gの完走型RT「黄門チャンス」とボーナスのループで出玉を増やす仕様。RTへの突入契機は「弥七チャレンジ」で、この弥七チャレンジにはボーナス終了後や通常ゲーム500G消化、RT終了後などに突入する。

 6号機へと切り替わった現在でも『パチスロ黄門ちゃまV 女神盛』が登場している。コミカルな演出と強力な上乗せ性能が融合した同シリーズは同社パチスロの代表格ともいえるが、そもそも『黄門ちゃま』はパチンコとして産声を上げた。

 1994年にCR機として世に送り出された3分の1確変→2回継続タイプの『CR黄門ちゃま2』は、高い連チャン性とリーチ絵柄で大当り期待度が変化するゲーム性で大ヒットを記録したわけだが、『P真黄門ちゃま』は、その継続システムを踏襲しているようだ。

 本機の特徴は「初当りが赤図柄ならば以降、2回の大当りが確定する」という点。つまり、その時点で納得できる“まとまった出玉”が期待できるというわけだ。

 単純明快×安心感。大当り確率はおそらく約319分の1、RUSH突入率は53%程度だと思われるが、分かりやすいゲーム性は万人受けする可能性が十分ある。

 とりわけ2回継続タイプのCR機、或いは権利物などを好んで打っていたオールドプレイヤーたちは、ノスタルジックに浸りながら楽しめることだろう。

「15秒おしごとTV」 経営者1000人と出会った先に。

中小企業と創る、新スタイル求人広告

2020年1月6日に公開した「日本の企業は、バラエティ。15秒おしごとTV」は、“17社の中小企業の魅力を15秒動画で紹介する、新スタイル求人広告”です。その企業にしかない思いや、そこでしか体験できない仕事を可視化し、がんばる企業・団体を応援することを目的としています。

「中小企業白書2019」によると“経済の好循環が中小企業にも浸透しつつある”とあり、経常利益も“過去最高水準となった17年とほぼ同水準で推移”とあります。しかし、19年末から景況指数は低水準に。20年4月からは、中小企業でも働き方改革がスタートするなど、規模の大きくない企業にとっては難しい局面を迎えます。

とかく大企業に目がいきがちな昨今、多様な仕事、働き方、志を持った中堅中小企業や団体に注目し、独自の技術や思いを若年層も含めた多くの方に知ってもらうことで、日本経済を元気にすることを目指しました。日本経済新聞社と中堅中小企業17社、電通がONE TEAMで取り組んでいます。

日本経済新聞全ページカラー告知
「15秒おしごとTV 」特設サイト

「社歌コン」の反響から「中間管理職劇場 マルマルの女」へ。

2016年に立ち上げ、これまで3回実施した「社歌コンテスト」は、企業の社内外コミュニケーション活性化を目的に、社歌動画日本一を競う企画です。3回目の2019年は、日本経済新聞社が主催、JOYSOUNDが特別協力になり、174社から応募がありました。うれしいことに、これまで多くの参加企業からたくさんの好意的な反響を頂き、企業の魅力をこれまでと違う切り口で表現し拡散すれば、一定の成果(ブランド強化・採用促進)につながる、と身をもって感じました。

そこで2019年3月、中小企業の採用促進に向けた新企画「中間管理職劇場 マルマルの女」を立ち上げました。
20社の中堅中小企業で働く女性をウェブで取り上げ、ドラマ仕立てのクリエーティブと記事で紹介するものです。参加企業からは、「普段、地道に頑張る社員に注目が集まってよかった」「日経新聞に取り上げられるという夢がかなった」「企画を見て学生が入社を希望してくれた」など、ポジティブな反響をもらいました。

「15秒おしごとTV」で企業の魅力を集約

「社歌コン」同様に、大きな反響のあった「マルマルの女」でしたが、サイトの閲覧数やSNSでの拡散には、まだ伸びしろがあると思っていました。

今回の「15秒おしごとTV」は、マルマルの女に次ぐ、中小企業PR企画第2弾という位置付けです。これまでの企画をブラッシュアップし、最初のインパクトを強めることを念頭に「企業の魅力を15秒に集約する」という手法に切り替えました。

おしごとTVには、多くの人が関わっています。17社の参加企業の皆さん、日本経済の背中を押すという使命感を持った日本経済新聞社、社歌コンを一緒に創ってきた、電通パブリックリレーションズの井上大輔さん、CDCの外崎郁美さん(電通ギャルラボ代表)、鎌田明里さん、5CRPの小松崎舞さん、電通クリエーティブフォースの高杉蒔さん、新聞局の川島里佳子さん、ロボットの林隆行監督、須藤江理さん、宇都宮渉さんら、組織も立場も違うメンバーですが、同じ熱量でそれぞれの強みを発揮しています。

日本経済新聞「マルマルの女」全ページカラー告知

1000人の経営者と会い、見えた中小企業の魅力

社歌コン立ち上げ時に相談に乗っていただいた、「情熱の学校」エサキヨシノリさんの紹介もあり、数年かけて約1000人の経営者と会いました。そこには、中小企業ならではの斬新かつ人情味あふれる取り組みが多数ありました。ミナロの緑川賢司社長が創った、喧嘩ゴマで町工場の技術を競う「世界コマ大戦」、浜野製作所の浜野慶一社長が中心となり、町工場の力を結集した深海探査艇「江戸っ子1号」、中小企業の工場でライブセミナーを行い、20以上のオリジナル曲だけで5時間来場者を引きつける「Passion Lives Here Band」、高橋和勧監督による地域連携をテーマにワークショップまでついたロングラン映画「未来シャッター」、マテリアルの細貝淳一社長率いる大田区の企業技術でオリンピックを目指す「下町ボブスレー」など。

熱狂を生む全日本製造業コマ大戦のメンバー

経営者では、オリジナルDMに特化し、最高売り上げと働き方改革を両立させた、ガリバーの中島真一社長、ダルマ塗料シェア1位から環境事業でも活躍する島田商店の嶋田淳社長、サプールを応援し、社員のスター性を前面に出す電子部品メーカーフジコンの大島右京社長、ゴム屋魂で人々を魅了し、NIKKEI全国社歌コンテスト情熱賞を受賞したダイワ化工の大藪建治社長、釣り竿用ソリッドでシェア1位である平家製作所の平家利也社長ら、枚挙にいとまがありません。

結成10年を迎えた「Passion Lives here band」は、工場ライブセミナーで働く人の背中を押す

そこで見えたのは、ただ商品を売るだけではない、人々を熱くする「コンテンツメーカー」としての中小企業の魅力でした。市場調査やフレームワークだけに頼り、やる前から正解を求めて動けなくなるのではなく、ある程度調査した後は自分の感性と情熱を信じて、「正解は自分で作るものだ!」と打ち出した企画の方が、爆発力があることも体感できました。だからこそ、こういう人たちと一緒に仕事がしたいという思いが強くなったのです。

売り上げは、笑顔の総量

一連の活動を通して私が強く感じたのは、「売り上げ=笑顔の総量」だということです。成果を出す経営者は皆さん、最初に数字を求めるのではなく、とにかく人を喜ばせ、笑顔にするためにはどうすればいいか?と考えています。その結果として、後から数字が付いてきています。そして、その笑顔はお客さんだけではなく、“自分たちも笑顔に”という点がポイントです。自分達が楽しむからこそ、その情熱は伝播していくのだと思います。15秒おしごとTVが、そんな笑顔を生む企業と誰かをつなぎ、小さくてもポジティブな何かが生まれたとしたらこれほどうれしいことはありません。

 
関連コラム:ブームに火をつけた「社歌コン」に込めた思い[2019.11.08]
 
関連記事:「NIKKEI全国社歌コンテスト」応募174作から、富国生命が最優秀賞[2019.12.19]
 

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中小企業と創る、新スタイル求人広告

2020年1月6日に公開した「日本の企業は、バラエティ。15秒おしごとTV」は、“17社の中小企業の魅力を15秒動画で紹介する、新スタイル求人広告”です。その企業にしかない思いや、そこでしか体験できない仕事を可視化し、がんばる企業・団体を応援することを目的としています。

「中小企業白書2019」によると“経済の好循環が中小企業にも浸透しつつある”とあり、経常利益も“過去最高水準となった17年とほぼ同水準で推移”とあります。しかし、19年末から景況指数は低水準に。20年4月からは、中小企業でも働き方改革がスタートするなど、規模の大きくない企業にとっては難しい局面を迎えます。

とかく大企業に目がいきがちな昨今、多様な仕事、働き方、志を持った中堅中小企業や団体に注目し、独自の技術や思いを若年層も含めた多くの方に知ってもらうことで、日本経済を元気にすることを目指しました。日本経済新聞社と中堅中小企業17社、電通がONE TEAMで取り組んでいます。

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2016年に立ち上げ、これまで3回実施した「社歌コンテスト」は、企業の社内外コミュニケーション活性化を目的に、社歌動画日本一を競う企画です。3回目の2019年は、日本経済新聞社が主催、JOYSOUNDが特別協力になり、174社から応募がありました。うれしいことに、これまで多くの参加企業からたくさんの好意的な反響を頂き、企業の魅力をこれまでと違う切り口で表現し拡散すれば、一定の成果(ブランド強化・採用促進)につながる、と身をもって感じました。

そこで2019年3月、中小企業の採用促進に向けた新企画「中間管理職劇場 マルマルの女」を立ち上げました。
20社の中堅中小企業で働く女性をウェブで取り上げ、ドラマ仕立てのクリエーティブと記事で紹介するものです。参加企業からは、「普段、地道に頑張る社員に注目が集まってよかった」「日経新聞に取り上げられるという夢がかなった」「企画を見て学生が入社を希望してくれた」など、ポジティブな反響をもらいました。

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「社歌コン」同様に、大きな反響のあった「マルマルの女」でしたが、サイトの閲覧数やSNSでの拡散には、まだ伸びしろがあると思っていました。

今回の「15秒おしごとTV」は、マルマルの女に次ぐ、中小企業PR企画第2弾という位置付けです。これまでの企画をブラッシュアップし、最初のインパクトを強めることを念頭に「企業の魅力を15秒に集約する」という手法に切り替えました。

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1000人の経営者と会い、見えた中小企業の魅力

社歌コン立ち上げ時に相談に乗っていただいた、「情熱の学校」エサキヨシノリさんの紹介もあり、数年かけて約1000人の経営者と会いました。そこには、中小企業ならではの斬新かつ人情味あふれる取り組みが多数ありました。ミナロの緑川賢司社長が創った、喧嘩ゴマで町工場の技術を競う「世界コマ大戦」、浜野製作所の浜野慶一社長が中心となり、町工場の力を結集した深海探査艇「江戸っ子1号」、中小企業の工場でライブセミナーを行い、20以上のオリジナル曲だけで5時間来場者を引きつける「Passion Lives Here Band」、高橋和勧監督による地域連携をテーマにワークショップまでついたロングラン映画「未来シャッター」、マテリアルの細貝淳一社長率いる大田区の企業技術でオリンピックを目指す「下町ボブスレー」など。

熱狂を生む全日本製造業コマ大戦のメンバー

経営者では、オリジナルDMに特化し、最高売り上げと働き方改革を両立させた、ガリバーの中島真一社長、ダルマ塗料シェア1位から環境事業でも活躍する島田商店の嶋田淳社長、サプールを応援し、社員のスター性を前面に出す電子部品メーカーフジコンの大島右京社長、ゴム屋魂で人々を魅了し、NIKKEI全国社歌コンテスト情熱賞を受賞したダイワ化工の大藪建治社長、釣り竿用ソリッドでシェア1位である平家製作所の平家利也社長ら、枚挙にいとまがありません。

結成10年を迎えた「Passion Lives here band」は、工場ライブセミナーで働く人の背中を押す

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売り上げは、笑顔の総量

一連の活動を通して私が強く感じたのは、「売り上げ=笑顔の総量」だということです。成果を出す経営者は皆さん、最初に数字を求めるのではなく、とにかく人を喜ばせ、笑顔にするためにはどうすればいいか?と考えています。その結果として、後から数字が付いてきています。そして、その笑顔はお客さんだけではなく、“自分たちも笑顔に”という点がポイントです。自分達が楽しむからこそ、その情熱は伝播していくのだと思います。15秒おしごとTVが、そんな笑顔を生む企業と誰かをつなぎ、小さくてもポジティブな何かが生まれたとしたらこれほどうれしいことはありません。

 
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「あいトリ」「主戦場」攻撃、「旭日旗」肯定…政治家とメディアの扇動で高まる歴史修正主義圧力、破壊される「表現の自由」

 リテラの新年特別企画としてお届けしている「嫌韓ヘイト・歴史修正事件簿」。前編は安倍首相の“嫌韓キャンペーン”にまる乗っかりし、嫌韓ヘイトを拡散し続けたマスコミやコメンテーターの言動を検証したが、後編では、その大元にもなっている歴史修正主義が引き起こした事件を中心に振り返っ...

パチスロ『北斗の拳 天昇』まだまだ狙う価値アリ!「52戦の実戦結果」で確信!!

 大松のパチスロ「ハイエナ実戦」。今回は『パチスロ 北斗の拳 天昇』は本当に勝てるのか、実戦結果を元に検証していきたい。

 本機の狙い目についてはかなり有名になってしまった。有利区間のリセット法則が規則的で、「激闘ボーナス2回」か「AT当選」でリセットである。

 俗説では内部的に「有利区間1000ゲーム」を起点に次回のモードが抽選されていると言われており、前回が650ゲームで「激闘ボーナス」に当選していれば、次回は250ゲームまでの当選が濃厚となるようだ。前回が450ゲームならば次回も450ゲーム以内である。

 実戦値でもおおよそ俗説通りの挙動になっているが、狙う際の注意点として「前回350ゲーム付近での当選」の場合は次回650ゲームが天井に選ばれる可能性もあることだ。

 つまり、この「天井の短縮」は1000ゲームギリギリまで選択される可能性があることを頭に入れておきたい。

 この狙い目は一般的に「奇数スルー狙い」と言われている。前回が450ゲーム以上での当選であれば0ゲームからでも狙い目である。

 加えて、筆者の場合は「100ゲーム以上で且つ勝舞2つ以上」の台も狙うようにしている。勝舞とは激闘ボーナスを有利に進めるアイテムのようなものである。これは多ければ多いほど良い。

 

 

 結果から言えばこの立ち回り52回の実戦で6000枚ほどのプラスになっている。実際のところは狙い目が有名なので良いところで台が空いていない、という状況が多い。

 しかし、それでも土日祝日などは何度か座れたりするので30分に1回程度見に行く価値はまだ充分にある。

 更に言うとプラスは6000枚だが、ATで「1000枚を超えたのが1度のみ」「2400枚経験無し」という状況である。

 

 

 実戦結果では平均獲得が約696枚という大幅な下ブレに見舞われている。

 枚数だけ見ると「平均1000枚」の触れ込みには遠く及ばず死屍累々といった感じであるが、それでも大幅なプラスになっている。

 実は本機の特徴として「高設定ほどATの獲得が少ない」という特徴がある。正確にいえば「偶数設定はATレベル1が選ばれやすい」のだ。

 恐らく結果を見ると「設定1をあまり触っていない」からこそ獲得枚数が低いのではないか、という仮説が立つ。

 実際に「設定5期待大」のラオウ・カイオウ背景も何度か目撃しているし、高設定特有の「低小役レベル」でのAT当選も経験している。

 いまでこそ空き台が目立ってしまっている本機だが、実は高設定のお宝台が眠っているなんてこともあるかもしれない。

(文=大松)

パチンコ「新たな可能性」を積んだ爆撃機……「必打」すべき魅力的マシン!!

 

 おまたせいたしました。おまたせしすぎたのかもしれません。

 2019年、久方ぶりの新台にしてP機初となる羽根物として登場した『スカイレーサー』。スカイラッシュと呼ばれる時短機能や直撃大当りの設定差などの事前情報によってデジパチ要素もわりと強い羽根物、正確には1種2種混合機かと思っていた。

 しかし、圧倒的に羽根物だったのである。

 デジパチ色が強いと推察する要因となったのが公表されたラッシュ継続率が設定によって変化する点にあった。つまり、ラッシュ突入時はデジタル抽選メインに変化し、そっちで連チャンと出玉を楽しむゲーム性かと。

 実際には、ラッシュ中も役物抽選による継続となっていて、まあたぶん設定1だろうとは思うが、今回の実戦中に直撃大当りはほとんど発生しなかったのである。

 とはいえ、やはりラッシュに入れないとまとまった出玉の確保は難しい印象である。実戦値では役物確率が約1/18と辛め。1開放あたりの大当り確率は約38.6%で、拾い率が約47.6%となった。

 特に厳しさを感じたポイントはスペシャルルートで、相当に手前傾斜にしているのか、役物奥にある中段ステージの中央にある「くぼみ」で玉がまったく静止せず、勢いのままにすぐに溝を飛び出して左右にずれるのである。スペシャルルートのV入賞率はおおむね1/3らしいが、この台は1/5ほど。

 それでも長時間遊べたのは、やはり「ラッシュ」による出玉の確保ゆえである。先に述べた実戦データからも容易に想像できると思うが、初当り時に突入する4回転の時短「スカイチャレンジ」はかなり高い壁である。

 4回がすべて2開放だとして8開放のチャンスとなる。そのうち、拾い率を加味すると3.76個が拾われるので、役物確率1/18なら約20%である。意外に高いと感じるかもしれないが、すべてがうまくいっての20%である。4回がすべて1開放だったら約10%の期待値となる。

 しかし、その期待値を少しでもあげる方法がある。実戦前に細かい仕様を確認していなかったのだが、明らかに電チュー入賞時のほうが2開放の選択率が高い印象を持った。そこで時短中は単発打ちで電チューを狙ったほうが得なのではないかと思い至ったのである。

 のちに確認したところ、ヘソ10%に対して電チュー60%とかなりの差で、やはり電チュー入賞時の2開放割合が高く設計されていたのである。

 電チューが盤面左上部に搭載されている構造上、普通に打っていると玉はヘソ方向にも流れ、時短中でもヘソに入賞し、そのまま開放の抽選となってしまう。そしてヘソの9割が1開放なので、チャンスが減るのである。

 そこで、電チューを狙いながらあわせてヘソへの入賞を最大限に防ぐ単発打ちが効果的となる。

 ただ、注意してほしいのは1開放が抽選された時。2開放時は1回目の開放までわりとタイムラグがあるので少しくらい再度打ち出しに時間がかかっても充分に羽根開放に間にあうが、1開放は7セグ表示後すぐに羽根開放するパターンもあるので、「1」が表示された瞬間にすぐに打ち出しを開始しないと貴重なチャンスをみすみす逃すことになる。

 そのリクスがあっても積極的に電チューを狙う理由がもうひとつ。実は電チューの開放で大当りすると必ず10R(実質9R)になるのである。

 この出玉面でのベネフィットは非常に大きい。本機のラウンド振り分けは3R(実質2R)、5R(実質4R)、10R(実質9R)と少出玉域の割合が多くなっている。これはラッシュに出玉配分を割いた分のしわ寄せなので仕方がないが、ユーザーに「辛さ」を印象づけている要因でもある。

 しかし逆にいえば、時短中のその恩恵を享受しない手はないわけである、ラッシュ中も同様に単発打ちが良いだろう。

 ただ、20回と回数に余裕もあるので、時間や状況による使い分けも必要となる。もちろん普通に打っていてもラッシュの楽しみや破壊力は充分に味わえるし、本機のゲーム性はこれまでの時短付き羽根物とは違う面白さとなっている。

 

 従来の時短付き羽根物といえば100回転の強力な時短によるもので、抽選は役物とはいえ、ほぼ大当りが確定している状況でラウンド抽選による格下げ、転落をもって時短が終了するというデジパチ的なゲーム性であった。

 時短突入も直撃やラウンド振り分けのデジタル要素に依存する面からもそれが色濃く印象づけられる。

 しかし本機は、時短4回で役物大当りすることによる突入条件や20回に設定された時短回数によってスリルやドキドキ感が倍増され、より玉の動きに夢中になれるのである。

 特にスカイチャレンジ中のV入賞した時のカタルシス、やったった感と突き抜ける歓喜は格別である。

 まだまだ話し足りないが、ひとまずここで筆を置く。『羽根モノ スカイレーサー』、必打すべきマシンである。

(文=大森町男)

象皮病で外出できず…医師も見過ごすがん手術後の「リンパ浮腫」、画期的治療の病院が注目

 医療の進歩に伴い、がんの早期発見・早期治療が可能になり、診断後の生存率も上がっている。国立がん研究センターは12月13日、全国の「がん診療連携拠点病院」を対象に行った調査で、2010~11年にがんと診断された患者の5年生存率は66.4%だったと発表した。今や、がんは“治る病気”となりつつある。

 がん生存者のなかには、病巣の摘出手術を受けた患者も多く、がん生存率が上昇する一方で術後のQOL(生活の質)の維持や向上をいかにケアするかという新たなテーマも関心を集めている。実は、術後に「リンパ浮腫」に悩む患者が多いにもかかわらず、リンパ浮腫の治療については、患者はもちろんながら医師にも広く知られていないのが現状である。

 リンパ浮腫について、麹町皮ふ科・形成外科クリニックの苅部淳医師に話を聞いた。

リンパ浮腫とは

「がんの治療におけるリンパ節郭清(治療箇所付近のリンパ節の切除のこと)や、放射線治療が引き起こすリンパの流れの停滞が原因で、腕や脚のむくみのことをリンパ浮腫といいます」(苅部医師)

 特に四肢に発症するため、日常生活の動作(ADL)やQOLの低下は著しい。苅部医師によると、特定のがんの手術がリンパ浮腫を起こしやすいという。

「特に乳がんや子宮がん、卵巣がんの婦人科系がん手術においては、がんの転移を考慮し、病巣付近のリンパ節を切除する『リンパ節郭清』を行うことがあります。多くのリンパ管が集まるリンパ節を切除するため、リンパ液の流れが停滞することで浮腫が生じます。リンパ浮腫は、乳がん手術でリンパ節郭清をした方のうち10~20%、婦人科系疾患によるがん手術でリンパ節郭清をした方のうち30~35%発症するという報告があります」(同)

 また、発症時期には個人差があり、術後すぐのこともあれば、10~20年経過してからのこともある。婦人科の医師はがんを治すことにフォーカスし、がんを切除すればすべてが完了したかのように考えるケースも多いという。

「リンパ浮腫は20~30万人の患者がいるといわれています。残念なことですが、術後に浮腫が出るのは当たり前の現象です。だからこそ、症状が進行しないうちに治療が必要です。しかし、多くの場合、主治医にも見過ごされ、大きく腫れて日常生活が滞り、象皮病となってスカートもはけなくなってから駆け込んでくる方が少なくありません」(同)

 上肢や下肢に左右差などが見られるようになったら、すでにリンパ浮腫が進行している状態だという。進行を防ぐには早期発見が重要である。

リンパ浮腫の診断

 従来の代表的な検査方法は、「SPECT-CT」「MRIリンパ管造影」などであったが、造影剤の使用が患者の負担となり、検査が難しい場合もあった。患者の負担を軽減するために苅部医師がクリニックで推奨するのは、2017年に確立された超高周波超音波である。超高周波超音波は、造影剤を使用しない診断、治療が可能であり、体への負担を大きく軽減することができた。

「この検査をできる医療機関は日本でも限られており、麹町皮ふ科・形成外科クリニックでは、亀田総合病院と連携して最先端の治療を行っています」

 リンパ浮腫の治療には、圧迫療法が大切だという。

「当院ではリンパ浮腫専門ナースが在籍しており、専門的な圧迫療法をきちんと指導します。また、細かな周径を測り、オーダーメイドのストッキングを作成いたします」

 苅部医師は、多くのリンパ浮腫の患者を治療してきた経験から、日本の医療のあり方を変えるべきだと言う。

「リンパ浮腫に限ったことではありませんが、がん生存者に対して『助かったのだからいいじゃないか』といった考えの医師がいることが非常に残念です。確かに、がんになり、命の危機を感じた患者が助かったことは素晴らしいですが、助かった後にそれまでと同じように日常生活が送れないとしたらどうでしょうか。女性がスカートをはけない、外出も思うようにできない、という状態になった患者の気持ちを考えなければなりません。可能な限りQOLを落とさずに治療するのが、医師の使命だと私は考えます」

 リンパ浮腫の治療を行うクリニックは全国でも少ない。苅部医師は、リンパ浮腫を広く知ってもらうよう各地での講演など啓蒙活動も行っている。リンパ浮腫を疑う患者や、これからがん手術を控えた患者の相談も受けている。苅部医師の活動は、これからのがん治療に一石を投じている。がん治療とQOLの維持が今後のキーワードとなることは間違いない。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)



吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

「不正義と政治的な迫害」からの逃亡を主張するゴーンに共感できない理由…江川紹子の考察

 特別背任や金融商品取引法違反で起訴されていた日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告が、昨年末に日本から逃亡した。

「私はレバノンにいる」という彼のメッセージが世界を駆け巡ったのは、日本の大晦日。以降、「楽団のふりをした者たちが、楽器のケースに隠して自宅から運び出した」「キャロル夫人が計画した」「アメリカの動画配信最大手、ネットフリックスと独占契約を結んだ」……などさまざまな情報が報じられては、それを否定する情報が後を追う事態となった。日本のメディアは、海外で報じられた情報を「○○はこう伝えた」と引用する形で伝えることも多く、海外情報に振り回された観がある。

沈黙を続けた日本当局

 海外の当局も、それぞれの立場を積極的に発信した。フランスはすぐに関与を否定する外務省コメントを発表し、レバノンはゴーン氏がフランスのパスポートで合法的に入国したと明らかにした。経由地となったトルコでは、自社のプライベートジェットが逃亡のために違法に使われた、とする航空会社が刑事告訴を発表。同国の治安当局は、ゴーン氏を運んだと見られるパイロットら5人を逮捕した。

 ところが日本政府は、法務大臣の見解すら発表せず、沈黙が続いた。その間、森雅子法相はSNSで自身の和装姿をアップしたり、自分の活動についてのPRメッセージは発信していた。世界中に情報が飛び交っているこういう出来事で、タイミングよく効果的に情報を発信しなければ、国際世論を味方につけることはできないのではないか。

 ようやく5日になって、東京地検が斎藤隆博次席検事名で公式コメントを発表。「正規の手続を経ないで出国し、逃亡したことは、我が国の司法手続きを殊更に無視したものであるとともに、犯罪に当たり得る行為であって、誠に遺憾」などとし、違法な密出国の可能性が高いとの認識を、当局として初めて明らかにした。

 森法相も同日中にコメントを発し、「ゴーン被告人が日本を出国した旨の記録がないことが判明しており、何らかの不正な手段を用いて不法に出国したものと考えられ、このような事態に至ったことは誠に遺憾である」と述べた。ただ、コメント文をメディアに配布するだけでは、メッセージとしてはあまりにインパクトに欠ける。法相として記者会見を行い、自らの顔を出して見解を述べ、質疑にも応じるべきだったろう。

 いずれにしても、ゴーン氏逃亡の事実が明らかになって6日間が経過し、日本政府はやっと違法な密出国があったことを認めた。

 保釈を巡って、弁護人が「知恵を絞って逃亡や証拠隠滅があり得ないシステムを提示した」と自信を示したのも、それに応じて東京地裁が保釈の決定を出したのも、空港では厳しいチェックが行われているはずだという、出入国管理体制への信頼があったればこそだろう。ところがそこには、大きな穴が開いていた。

 報道によれば、ゴーン氏は昨年12月29日午後2時半頃、東京都港区の自宅から1人で出かけたことが、監視カメラ映像で確認されている(その後、どのように移動したのかは、これを書いている1月5日現在では明らかにされていない)。そして、29日午後11時過ぎに関西空港を飛び立ったプライベートジェットに、スピーカーなどの音響機械を入れる大型のケースが積み込まれ、その中にゴーン氏が潜み、荷物と化して日本を脱出した、とみられる。

 プライベートジェットの場合、乗客が爆発物を持ち込む可能性が低く、テロ防止のための保安検査は不特定多数の乗客が乗る一般の航空機より緩い、と指摘されている。そのうえ、今回は持ち込まれたケースが大きいためにX線検査の機械を通せず、同検査は行っていなかった、とも報じられた。

 では、係員の肉眼によるチェックも行われなかったのだろうか。あるいは、それだけの大荷物を機内に運び入れるに際して、税関の検査はなかったのだろうか。疑問は募るばかりだ。こうした問題について、当局はきちんと調査し、国民に説明する責任がある。

 実は空港でのチェックは、人の出入国の管理は法務省、保安検査の所管は国土交通省、さらに税関検査を担うのは財務省など、担当省庁がいくつにも分かれている。今回のケースではどこに問題があったのか、どうすれば防げたか、省庁横断的に検証し、再発防止のための対策を早急に立てる必要があろう。森法相は出国時の手続き厳格化を現場に指示したとするが、法務省だけの問題ではないのだ。

 このままでは、プライベートジェットを利用して、輸出入が禁止されたり制限されたりしている物の輸送や、輸出入に伴う税金を免れる脱税行為を許し、資金豊富な国際的犯罪集団が人を国外に拉致することすら可能なのではないか、という懸念が生まれる。オリンピックイヤーにこの状況で、大丈夫なのだろうか。

日本の司法を全否定したゴーン氏の逃亡

 ところでゴーン氏は、レバノン到着後のメッセージで、日本の司法を非難したうえで、次のように主張した。

「私は正義から逃げたわけではない。不正義と政治的な迫害から逃れたのだ。やっと、メディアと自由にコミュニケーションを取ることができる」

 日本の司法がさまざまな問題を抱えていることは事実だ。否認をすれば、長期の身柄拘束が続く人質司法。裁判では有罪率が99%を超え、被告人が無罪を主張しても、裁判所が有罪ありきの姿勢で臨んだり、時にはあからさまな検察側への肩入れすら見られる。

 ゴーン氏の場合は、3回目の請求で保釈を認められたが、保釈条件に、検察が事件への関与を指摘している妻との接触禁止が含まれていた。妻との接触を禁じても、他の家族を通じて要件は伝達できるわけで、罪証隠滅や逃走の防止という観点では、こうした制限はあまり意味があるとは思えない(逃走防止にはなんの役にも立たなかったことが、証明されてしまった)。妻との接触については人道的に批判もあり、実際、異国で被告人という立場に置かれたゴーン氏にとっては、非常にこたえたようだ。これが逃走への決意を高めた可能性もある。

 こうしたことから、ゴーン氏の逃走に共感を示す人もいる。1月4日付朝日新聞デジタルは、フランスでは日本の司法システムを批判する論調が支配的で、新聞のアンケートに「ゴーン氏が日本から逃げ出したのは正しかった」とする回答が77%もあった、と伝えている。日本でも、ゴーン氏の行動に理解を示す声もある。

 しかし、私はこれに同調できない。

 理想論かもしれないが、司法は公平さが命だ。彼は大富豪だからこそ、金の力によって違法な手段を用い、司法の手続きから逃れることができた。これには、とてもではないが共感できない。

 それに、日本の裁判が人権を守った判断も、いくつも見てきた。特捜検察が扱った事件においても、バブル時代の金融機関の経営陣の不正が問われた長銀事件や日債銀事件、クレディ・スイス証券集団申告漏れ事件、大阪地検特捜部が起訴した郵便不正事件、名古屋地検特捜部が扱った名古屋市道路清掃談合事件などで、無罪判決が確定している。問題は山ほどあり、それを厳しく批判するのは大事だが、司法をまるごと否定することに、私は抵抗がある。

 ゴーン氏は、これまで無罪判決をいくつも獲得してきた極めて優秀な弁護士を何人も雇い、弁護団は彼のために裁判の準備を進めていた。これも、金の力、といえるかもしれないが、こうした弁護団による法廷活動は、日本の刑事司法をよい方向へ変えていく力にもなる、という期待があった。

 その弁護団の1人で、刑事弁護のエキスパートである高野隆弁護士は、ブログの中で裁判の公正さに疑問を持つゴーン氏に対し、その懸念を認めつつ、次のように告げた、と書いている。

「無罪判決の可能性は大いにある。私が扱ったどの事件と比較しても、この事件の有罪の証拠は薄い。検察が無理して訴追したことは明らかだ。われわれは他の弁護士の何倍もの数の無罪判決を獲得している。弘中さんも河津さんも、著名なホワイト・カラー・クライムの裁判で無罪を獲得している。だからわれわれを信頼してほしい。必ず結果を出してみせる」

 だが、被告人がいなければ裁判は開けない。無罪判決の可能性は失われた。これまで弁護人たちが費やしてきた努力も無駄になった。そればかりか、今回の逃走について弁護人らの責任を問う論調まで出て、彼らは窮地に立たされている。ゴーン氏は日本を出てから1週間、アメリカの広報担当者などを通じて、メディアなどへのメッセージ発信はあっても、弁護団にはなんの連絡もないようだ。

 またゴーン氏は、自分が違法な手段で逃走するだけでなく、そのために他の人を犯罪に巻き込んだ可能性がある。おそらくは多額の報酬を得て主体的に計画や実行に及んだ者はともかく、巻き添えになった人もいるのではないか。実際、トルコではパイロットら5人が逮捕された。その中には、「協力しなければ子どもや妻に危害を加える」と脅された、と供述している者がいる、と報じられている。日本でも協力者がいれば、犯人隠避罪に問われよう。

 彼が言う「政治的な迫害」というのも、何を意味しているのかよくわからない。彼は日本でメディアとの接触を禁じられていたわけでもない。昨年6月28日には、海外特派員協会で弁護人とともに記者会見が設定されていた。ところが、「彼の家族とそのメディア・アドバイザー」が会見に反対したため、ゴーン氏自身が会見中止を判断した。

 4月にも開かれるはずだった裁判は公開の法廷で行われ、通訳がつけられ、外国メディアのために複数の記者席が用意されただろう。裁判所に不公正な訴訟指揮があったり、通訳の質が悪かったり、検察の捜査に違法が発覚したりすれば、一斉に国際社会に発信される状況にあった。

 ゴーン氏がおかれた状況は、北朝鮮や中国でまさに「政治的な迫害」によって囚われの身となっている人たちが陥っている状況とはまったく違う。ゴーン氏は、欧米の人たちにとっては北朝鮮や中国に拘束されている人と同じであるかのように言う人がいるが、そういう比喩は、真に「政治的な迫害」に苦しむ人たちの過酷な状況を、ひどく薄めるものでもあるとも思う。

「人質司法」の解消を後退させないために

 何より心配なのは、今回の彼の行動が、日本の刑事司法にマイナスの影響を及ぼしかねない、という点だ。とりわけ、検察側が強く身柄拘束を求めた場合、裁判所が勾留や保釈の判断で、今まで以上に検察側の意見を尊重する事態が懸念される。一部メディアでは、「保釈を認めたのが誤りだ」などとして、裁判所の判断を批判したり、弁護人の責任を求めるなど、そうした方向に世論を誘導する論調も出ている。

 否認していると長期間身柄を拘束される「人質司法」は、冤罪の原因のひとつであり、深刻な人権侵害にもなってきた。郵便不正事件や志布志事件など、これまでの多くの事件でその弊害は明らかになっている。今回の逃走劇によって、人質司法の問題を軽視し、身柄拘束を巡る状況を後退させるようなことがあってはならない。

 そのためにも、保釈を巡る条件については、多角的に検証する必要はあるだろう。たとえば、ゴーン氏の弁護人は、2回目(現弁護団となってからは最初)の保釈請求の際、保釈条件のひとつにGPS装置の装着を提案したことがあった。この時には保釈は認められていない。3回目の請求の際には、弁護団は自宅の出入り口に監視カメラをつけることを提案。この請求で保釈が認められたために、ゴーン氏にGPS装置の装着はなされていない。

 参考になるのは、米国の要請でカナダ・バンクーバーの空港で身柄を拘束された中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の最高財務責任者・孟晩舟氏のケースではないか。彼女は保釈される際、多額の保証金のほか、警備会社による24時間の監視、夜11時から翌朝6時までの外出禁止、パスポートの提出、GPS装置の装着を義務づけられた。その後、裁判所への出頭の際にも、足首にGPS装置をつけた姿で現れた。彼女も、国際的に飛び回るビジネス・パーソンであり、逃走防止と人権擁護の兼ね合いで、このような厳しい保釈条件になったのだろう。

 ゴーン氏の逃走は、GPS装置をつけていれば防げたとは限らないが、当局がその動きを常時監視していれば、東京から関西に移動する際に、異常に気づけたかもしれない。監視のコストや、GPSの常時装着の人道上の問題については考える必要があるだろうが、逃走者の追跡には役に立つだろうし、これで身柄拘束の弊害が減るのであれば、逃亡のおそれが高いケースでは導入を検討してもいいのではないか。

 パスポートの管理についても検証が必要だろう。ゴーン氏はレバノン入国の際にフランスのパスポートを使用したようだ。保釈当初は、すべてのパスポートを弁護人に預けるよう義務づけられていたが、その後、2冊持っているフランスのパスポートの1つを、鍵付きケースに入れて携帯することを裁判所から許可されていた。入管法で、外国人はパスポートや在留カードなどを常に携帯し、官憲からの求めがあった時には提示することを義務づけているからだ。

 これについては、刑事被告人で出国を禁じられている者にその旨の在留許可書を発行すれば、パスポート携帯を許可する必然性がなくなり、国外逃亡のリスクは減らせる。

 こうした点をひとつひとつ検討し、人質司法の解消を前提に、どうしたら逃亡によって司法手続きが妨げられるリスクを減らせるか議論する。そうやって人権擁護と逃亡リスク低減という、2つの異なる要請の調和を図っていくしかないと思う。

(文=江川紹子/ジャーナリスト)

●江川紹子(えがわ・しょうこ)
東京都出身。神奈川新聞社会部記者を経て、フリーランスに。著書に『魂の虜囚 オウム事件はなぜ起きたか』『人を助ける仕事』『勇気ってなんだろう』ほか。『「歴史認識」とは何か – 対立の構図を超えて』(著者・大沼保昭)では聞き手を務めている。クラシック音楽への造詣も深い。

江川紹子ジャーナル www.egawashoko.com、twitter:amneris84、Facebook:shokoeg

IR汚職で逮捕の秋元司議員、その危険過ぎる金脈と人脈…東レに口利き、返済ねじ込み

 統合型リゾート(IR)参入をめぐり、秋元司衆議院議員(自民党を離党)が12月25日、収賄容疑で東京地検特捜部により逮捕された。IR担当の内閣府副大臣を務めていた当時、中国企業から賄賂を受け取っていたとされる。秋元議員といえば、かつて秘書として仕えていた小林興起元衆議院議員ともども仕手株の周辺でたびたび名前が取り沙汰されてきた政界関係者として知られる。

 古い法人登記簿をさかのぼり、その役員欄に秋元議員の名前が現れるのは16年前のことだ。就任先はゴルフ場を経営する「ワシントン」(その後、Wホールディングスに社名変更)という都内の会社。就任日は2003年10月16日である。

 鹿児島から上京した秋元議員は大東文化大学に通っていた1993年、学生秘書として小林氏の事務所に入った。通産キャリアだった小林氏は「地盤、看板、カバン」を持たないながら、3年前の衆院選に徒手空拳で自民党から立候補、見事に初当選を果たしていた。ただ、その年7月の衆院選では落選してしまっている。そんな小林氏が国政に復帰したのは1996年。大東文化大学を卒業していた秋元議員は公設秘書となった。

 ワシントンの取締役に就任した当時、小林氏は当選を重ね、中堅議員として知名度もあった。まだ隆盛を極めていた消費者金融業界と極めて近い国会議員としても知られていた。そんななか、秋元議員は独り立ちを考えていたようだ。その年12月、同議員は秘書仲間の西田譲氏(後に千葉県議、衆議院議員)を代表者に政治団体「秋元司後援会」を設立、翌2004年7月の参院選に比例区から立候補して初当選を果たした。その後の2005年3月31日、秋元議員はワシントンの取締役を辞任した。

 秋元議員はワシントンの取締役に就任する前の年、「グランディム」という不動産会社が大阪市内で設立された際、出資者のひとりだった。同社は上場を目指していたという。小林氏と同様、徒手空拳の秋元議員はカネの臭いに人一倍敏感だったのかもしれない。ただし、その後、秋元議員はグランディムとの間で1000万円のやり取りをめぐりトラブルになっている。こう見てくると、ワシントンという会社はそんな「地盤、看板、カバン」を持たない秋元議員に取締役のポジションを用意することで支援者の役割を果たしていたのだろう。

A.Cホールディングスとの深い縁

 さて、そのワシントンだが、役員欄のどこを探しても名前を見つけることができないものの、オーナーとして君臨していたのは河野博晶氏という人物だった。同氏は仕手株の世界で有数の実力者として知られていた。

 河野氏の名前が最初に世間を騒がせたのは、バブル崩壊直後の1990年代前半である。「環太平洋のリゾート王」との異名をとった故高橋治則氏率いる「EIEグループ」が破綻間際、小さな金融機関を舞台に乱脈の限りを尽くした二信組事件の関係者だったのだ。大分県内で次々とゴルフ場を開発していた河野氏が経営する会社は不正融資先のひとつで、同氏も罪に問われることとなった。

 その後、「草月グループ」と名乗り株式市場の裏側に活路を求めた高橋氏と同様、河野氏も仕手株にカネの臭いを嗅ぎ付けたようだ。まず1998年頃に接近したのは三井埠頭だった。かつて投資ジャーナル事件の首魁で知られ仕手筋としてひそかに復活していた中江滋樹氏が操っていた同社は手形を乱発、その総数は260枚余り、総額160億円にも上っていた。自転車操業的な資金繰りを続けるなか、河野氏も接近。ただ、同社は中江氏の失踪後、倒産してしまう。河野氏のワシントンは定温倉庫を買い取ったり、乱発手形を引き受けたりしたようだが、最終的に利益を得たのか損失を被ったのか定かでない。

 河野氏が次に接近したのは宝飾品販売のエフアール(後にクロニクルと社名変更)だった。同社は私募転換社債(CB)発行による錬金術の「ハコ」に使われた初期の銘柄といえるが、1999年に発行した私募CBの引受先の背後に河野氏がいた。同氏と共同戦線を張っていたのは「関西の大物仕手筋」と謳われていた故西田晴夫氏だった。

 その後、河野氏は東証マザーズ上場第1号のリキッド・オーディオ・ジャパンに影響力を持ったり、さらに支配株主・光通信との対立劇の最中に起きたクレイフィッシュの創業者保有株の流出騒動に一枚噛むなどしている。そして2005年7月に増資を引き受けたのを機に南野建設(後にA.Cホールディングスに社名変更、現アジアゲートホールディングス)を事実上傘下に入れることとなる。

 このA.Cホールディングスこそは、秋元議員はじめ小林氏の関係者と何かと縁が深い仕手銘柄だ。下方修正条項付き転換社債(MSCB)など新手の錬金術が幅を利かせていた当時、A.Cホールディングスも新株を乱発していた口だが、2005年10月の増資は、とあることで注目された。約41億円もの新株を引き受けた「ロイヤル投資事業組合」なるファンドで業務執行組合員を務めていたのは、前述した秋元議員の秘書仲間の西田氏だったからだ。

 さらに驚くのはその後。2007年12月、A.Cホールディングスが新社長に迎えたのは小林氏の実弟・壮貴氏だったのである。同時に監査役に就任した秋元武明氏は秋元議員の実父だ。小林氏は2年前の郵政選挙で時の小泉純一郎内閣に反旗を翻し落選しており、かたや2カ月前の2007年10月にはオープンインタフェースの取締役に就任していた。2011年に破産することとなる同社もまたよく知られた問題上場企業。保守系論壇の砦だった「日本文化チャンネル桜」との不可解な関係も風評を招く一因だった。

草月グループとの接点

 この頃の秋元司後援会の政治資金収支報告書を見ると、河野氏との蜜月ぶりがよくわかる。2006年分には河野氏関連企業としてA.Cホールディングスが63万円、ワシントンリゾートが76万円、富士箱根カントリークラブが39万円のパーティー券購入者として名を連ねている。2007年分ではやはりA.Cホールディングスが計200万円を購入。さらに2009年分でもワシントンが50万円の購入者として記載されている。

 2006年に30万円のパーティー券を購入していたシルバー精工も、傘下企業とはいえないながら、河野氏とは因縁深い問題上場企業だ。同社がその頃行った大規模増資の引受先のバックにいたのが河野氏だったからである。ただ、その後、河野氏は騙されたとして同社経営陣と対立、提訴する事態にまで発展した。その後、手形乱発に手を染めたシルバー精工は2011年に倒産している。

 2007年前後から証券取引等監視委員会は、大阪府警と組み不公正ファイナンスに長じた仕手筋の一掃キャンペーンを行った。最初に摘発されたのは前出の西田氏。相場操縦を行っていたのは南野建設株だった(その後、西田氏は公判中に死亡)。次なるターゲットは故高橋氏が率いた「草月グループ」で、その死後にグループを引き継いだ横濱豊行氏らが摘発された。そしてその延長線上の捜査が進んだ2009年暮れ、河野氏もついに年貢を納めることとなった。

東レ口利き疑惑

 その後の秋元議員だが、やはり仕手株との接点は垣間見られる。同議員が代表を務める「自由民主党東京都第十五選挙区支部」の2017年分の収支報告書にはソルガム・ジャパン・ホールディングスの名前が見られる。寄付額は36万円。同社は大盛工業株をめぐる風説の流布事件で首謀者だった大場武生氏が関係していたことで知られる銘柄だ。バイオ燃料事業を謳い新株を乱発していた同社もその後、粉飾決算が事件化している。

 直近、秋元議員との関係が囁かれている新興仕手グループがある。一部で報じられたが、債権回収をめぐり秋元議員が東レに口利きとも思われる電話を入れる騒ぎがあった。裁判記録などによると、そもそもは東レの水処理システム事業部に勤める担当部長級社員が自らの営業成績を取り繕うため架空循環取引を2017年頃から繰り返していたとみられる事案が発端だ。件の社員は静岡県内の会社などを騙して架空契約を結び循環取引を続けていたようだが、その過程で2018年11月、都内の金融会社から1000万円を借りていた。取引契約には東レの買い戻し保証があるため絶対に借金を返せると強弁していたようだ。が、東レにとっては与り知らない話。そこで金融会社はあの手この手で取り立て工作を画策したのだろう。そんななか、秋元議員が東レに返済をねじ込んだらしい。

 この金融会社は東証上場の外国企業、新華ホールディングス(現ビート・ホールディングス)の大株主にかつて登場したことがある。また、代表取締役の人的関係を辿ると、2017年に摘発されたストリーム株の相場操縦事件で公判中の被告との接点も確認できる。一連の人脈の中心にいるのはアングラ世界の著名人の息子とされる人物だ。ストリーム事件もそうだが、在日中国人ネットワークに独自のパイプを持っているらしく、パチスロ大手ユニバーサルエンターテインメントの創業者追放劇もそこに連なるエピソードのひとつだ。

 じつに奥が深い世界だが、秋元議員はその怖さをどの程度、自覚していたのか。今回の事件でキーマンを演じていたのは、SNSで自らの交友関係を嬉々として見せびらかしていたような小物ブローカー。そのことが秋元議員の脇の甘さを如実に物語っている。

(文=高橋篤史/ジャーナリスト)