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プロ野球のキャンプ開始!で思い出される、巨人「地獄の伊東キャンプ」とは?
あなたにとって「懐かしい」とはどんな情景でしょうか? 1970~90年代の「懐かしい」を集めたのが「ミドルエッジ」。あなたの記憶をくすぐる「懐かしい」から厳選した記事をお届けします。
今回のテーマは、「地獄の伊東キャンプ」。2月1日より、プロ野球の各球団がキャンプインしますが、キャンプといえば今でも、40年前の第1次長嶋政権時に行われた巨人伝説の秋季キャンプを思い出す人もいるのではないでしょうか。今の時代では、「パワハラ」「しごき」などとのそしりを受けたかもしれない、このキャンプについて振り返っていきます。
参加したのは当時の若手有望株
2019年9月21日、5年ぶり37回目のリーグ優勝を果たした読売巨人軍。投手・野手共に充実の陣容で「球界の盟主」としての威厳を示したシーズンとなりました。
しかし、今から40年前の1979年シーズンにおける巨人はリーグ5位と低迷。V9時代の栄光を失っていました。そこで長嶋茂雄監督(当時)は、プロ野球史上43年ぶりとなる秋季キャンプの復活を決意。キャンプ地に選ばれたのは、ミスターが立教大学時代にキャンプで訪れたことのある静岡県・伊東市でした。
この秋季キャンプに参加した選手は、総勢18名。野手では中畑清(当時25歳)、松本匡史(当時25歳)ら12名、投手では江川卓(当時24歳)、西本聖(当時23歳)ら6名と、若手有望株が集められました。王貞治(当時39歳)など、主力の高齢化が著しかった巨人にとって、若手の育成は喫緊の課題。長嶋監督の「巨人の将来を背負って立つ若手を徹底的に鍛えたい。血ヘドを吐かせるまでやらせる」という指示のもと、25日間に及ぶ過酷なキャンプが組まれたのです。
江川卓は「朝が来るのが怖かった」と証言
「地獄」と形容されるだけあって、その練習メニューは過酷を極めます。投手は1日最低10キロの走り込み&200球~300球の投げ込み、野手は1000スイング&2時間連続のノックがそれぞれ義務付けられました。
そこから筋力を鍛える強化トレーニングで身体を酷使した後は、夕方恒例のランニング。使用されたのはクロスカントリーコース・馬場平でした。でこぼこしたコースと、頂上付近にある全長80メートル・傾斜30度の坂道が、選手の体力を容赦なく奪い取ったのはいうまでもありません。
練習終了後には自力で立てなくなったり、風呂場で横になったりする選手が続出。疲労困憊のため食事ものどを通らず、中には水をかけて無理やり胃に流し込んでいた選手もいたと言います。当時について江川卓は「夜、目をつむった瞬間にすぐ朝になるから、怖くて寝られなかった」と振り返っています。
キャンプ参加者が活躍し、1981年にはリーグ優勝&日本一!
これほどハードなトレーニングであったものの、奇跡的に故障者はゼロ。当時の投手コーチが「人間の底力を感じた」と回想しているように、極限まで追い込まれた選手たちの研ぎ澄まされた集中力によって大きな負傷を回避できたという側面もあるのかもしれません。
この「地獄の伊藤キャンプ」で鍛え抜かれた若手選手たちの活躍もあって、翌1980年は3位、続く1981年は優勝及び日本一に輝くなど、巨人はかつての栄光を取り戻すことに成功したのでした。
この連載では次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、ぜひお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。
(文・構成=ミドルエッジ)
餃子の王将の底力炸裂…「にんにくゼロ餃子」→人気商品「生姜餃子」への立身出世物語
「餃子の王将 HP」より
徐々にファンを増やしていった「ゼロ餃子」
発売当初、ネットの評判は散々だった餃子の王将の「にんにくゼロ餃子」ですが、実はその後、徐々にではありますが状況は変化していきます。私は自分がこのゼロ餃子を食べるたびに、律儀にその評判をネット検索していました。そこでは相変わらず「物足りない」などのネガティブな評価が基調でしたが、時を追うごとにそこに肯定的な意見が目立って混ざるようになってきたのです。
「むしろこっちのほうが好き」
「臭いを気にして食べてるんじゃなくて、おいしいから食べてるんだ」
「すっかりハマって王将に通っている」
など、熱烈といってもいいファンの増加です。微力ながら私も自身のツイッターで何度となくゼロ餃子の素晴らしさをアピールしました。ツイッターというのはそもそも価値観や好みの近い人々がつながるSNSです。私の場合ももちろん例外ではなく、フォロワーさんは食に対して人一倍興味が強く、また私とおそらく好みが近いであろう方々、そして(やや一癖あるタイプの)プロの料理人の方々が大勢いらっしゃいます。そういう人たちが次々にゼロ餃子にハマっていきました。
なかでも、今もっとも注目を集めている中国料理店の一つ「南方中華料理 南三」の水岡孝和シェフが「私ももっぱらゼロ餃子しか食べません」とおっしゃっていたのは実に心強く、我が意を得たりの思いを強くしました。
グランドメニュー昇格、その名は「生姜餃子」
そんななか、2019年ついにこのゼロ餃子はグランドメニューに昇格し、それに伴い、味もブラッシュアップされました。味に関しては正直さほど大きく変化したとは思えません。むしろ大事なのはこの時点で正式名称が変わった、という点です。新しい名称はその名もずばり「生姜餃子」。正確には「にんにくゼロ生姜餃子」なのですが、メニューブック上では「にんにくゼロ」の部分は小さいフォントになっており、あくまで「生姜餃子」の文字が従来の「焼き餃子」と並んで二枚看板のようにトップページでその存在感を輝かせています。
これは、デビュー時においては「にんにく入りの餃子が食べられない時の代用品」という扱いだったものが、「生姜の風味を生かした新・定番商品」という位置付けに変わったという事を意味します。いうなればアイデンティティの確立、「大出世」です。
余談ですが私はツイッターでこのゼロ餃子、もとい生姜餃子に言及するにあたって卓上の餃子のタレではなく「酢コショウ」、すなわち、醤油は入れずに酢と胡椒だけで食べることを推奨していましたが、王将の店舗のメニューでもこれと同じことが推奨されていました。これまた「我が意を得たり」です。
そしてここにきて、生姜餃子に対するネットでの評価は、いつのまにかポジティブなものが完全に逆転、むしろネガティブな評価を探すほうが困難なほどです。「俺はあくまで生姜餃子の味が好きだから『生姜餃子』とオーダーしているのに、店員が『にんにくゼロですね』と復唱するのが許せない」なんていう愛が強すぎる投稿もあって、失礼ながら大笑いさせていただきました。
「生姜餃子」は現代のミラクルストーリー
この現象、商品が時間をかけてゆっくりとファンを育てていったというだけでなく、王将自らがリニューアルと名称変更によって「これはもはや単なる代用品ではない」ということを力強く宣言したという点が最大のポイントだと思います。開発陣の喜びいかばかりかと思うと、感動的ですらある立身出世物語です。
これはあくまで想像ですが、当初開発陣に与えられたミッションは、「にんにくを入れずに最良の代用品をつくれ」というものだったのではないでしょうか。開発陣はその要望に対して、ある意味オーバースペックともいえる素晴らしい商品を提示しました。そしてそれは時間はかかりましたが、徐々に想定以上の支持を獲得し、ついには従来の焼き餃子と並ぶ二大看板商品の一つとして全社を挙げてプッシュする商品に格上げされ、それがさらにファンの幅を広げる結果にもつながった、というストーリー。
最初のミッションが最終的にこの段階に至る可能性を多少は想定していたのか? それは私にもわかりませんが、想定していたとしたら、それは凄まじいまでに卓越した「読み」ですし、そうではなくて一部の顧客の深く静かな支持を敏感にとらえての柔軟な方針転換だったとしても、それもまた実に優れたマーケティングだと思います。
いずれにせよ、何かと後ろ向きなニュースの多い昨今の飲食業界において類い稀な、実に痛快なサクセスストーリーであることは間違いありません。
(文=稲田俊輔/飲食店プロデューサー、料理人、ナチュラルボーン食いしん坊)
「パチスロ」打ちの皆さまへ「伝えたいこと」……【濱マモルの のほほんコラムvol.31~手洗い~】
新型コロナウイルスが世界を震撼させている。2人の幼い子供を持つ身としては感染するわけにもいかず、移動中はマスク必須。帰宅時もいつも以上に手洗いとうがいを徹底させているし、そもそも出来るだけ人混みには近付かないようにしているものの、仕事上、混雑したホールへ足を踏み入れなければならないことがある。
無論、フリーランスなのだから喜んで業務を遂行するが、そんな時、ふと思うことがある。なぜ、ホールにいる人々はトイレ後に手を洗わない確率が高いのだろうか……と。
まぁこれは、ホールに限ったことではない。女性は信じられないかもしれないが、男性はトイレの後に手を洗わない人々が少なからずいる。もしかしたらイケメン俳優に似た憧れの彼がそうかもしれないし、ダンディを地でいくジェントルマンがそうかもしれない。
逆に、アタシは手を洗ってハンカチで拭いた際、「ハンカチなんて持ち歩いてるの!?」と驚かれたことがある。やかましいわ。
ご存じの通り、パチスロのコインは現金の小銭と同等、いや、もしかしたらそれ以上に様々な人が触れる。優良ホールであればこまめに洗浄してくれるとはいえ、やはりあらゆる菌が付着している可能性がある。
それなのに、いち早く席に戻りたいのか、不思議と手を洗わない人々が多いのである。基本的にゴミ箱は「ゴミ箱及びその周辺」と考えていて仕事部屋にはゴミが散乱しており潔癖どころか超ズボラな人間でも時期が時期だもの、人の手洗いに過敏になってしまうのは致し方ないことだろう。
過去、後輩はコインを触ったままの手で用を足し、病気にかかったことがある。当時の彼女に浮気を疑われて、ザ・修羅場。
有名人や一流スロタレントならば釈明文を掲載せねばならないほど周囲を巻き込んで揉めに揉めたそうだが、パチスロを打たない女性からしたら、コインを触っただけで病気にかかるなどとは想像も付かないことだろう。
コインはそれだけ汚れていることがあるのだ。多くの人々が触れている上に、トイレ後に手を洗わなかった人々によってさらなる大量上乗せ。
新型コロナウイルス感染の危険性があるだけでなく、パートナーから執拗に問い詰められる恐怖もあるのだから、パチスロ打ちの皆さま、トイレの後は必ず手を洗うようにしましょうね。
(文=濱マモル)
東出と唐田の不倫の発端、『寝ても覚めても』が「素晴らしい傑作映画」と話題に
「素晴らしい映画でした。2018年の日本映画のベスト3に、私は挙げました」
不倫関係になった唐田えりかと東出昌大の出会いは、濱口竜介監督の映画『寝ても覚めても』。映画業界関係者の間では、「改めて観てみたら、かなり良い映画で驚いた」「唐田は初主演の映画でこんなにいい“ハマり役”に巡り合えたのに、もったいない」と話題になっているという。
作品について、映画業界関係者は語る。
「音楽も含めて、かっこいい映画でしたね。唐田が演じているヒロインは、ちょっと、いっちゃってる女の子。東出は一人二役。一人は浮世離れしたわけのわからない男だけど、芸能界で成功していく。もう一人は困った人を助けてあげるような、優しさのあるサラリーマン。ヒロインはサラリーマンと平穏な家庭を築くところだったのに、それをぶち壊して、浮世離れした男に走ってしまう。恋人が他の人に行ってしまうというのは、誰の人生にも起こりそうなこと。それを非現実的な展開で描いています。そのまま突っ走っていけばいいのに、最後にヒロインが正気に戻っちゃって贖罪している。そこにちょっと違和感を感じましたけど、芸術的な映画として成立しています」
唐田と東出の演技はどうだったのだろうか。
「2人は似たタイプの役者なんですよ。演技は下手だけど、存在感があるという。東出が俳優デビューしたのは『桐島、部活やめるってよ』でしたけど、なんかボーッとしてて下手だけど存在感があるのは、あの時から変わっていません。唐田も下手なのが、何を考えているのかわからない女の子の透明感を際立たせています。
それに対して、脇を固めている役者がうまい。友人役の山下リオと同僚役の瀬戸康史が演劇をめぐってけんかになる場面があります。会話をしていて感情が揺れ動くというのは濱口監督が得意とするシーンで、山下と瀬戸は見事に演じています。そこで唐田と東出は浮いちゃってるんですけど、それが映画の世界観に嵌まっています」
テレビドラマやCMからの降板が相次ぎ、芸能界の表舞台から去る可能性も出てきた唐田と東出だが、今後の展望はどうだろうか。
「濱口さんはすごい才能のある監督です。唐田さんはもともとモデル志向で演技の経験が浅かったところを、『寝ても覚めても』で濱口監督からヒロインに大抜擢されてカンヌ映画祭まで行った。つまらないことでつまずいて、もったいないなと思います。輝かしいキャリアでスタートした東出にしても、同じことが言えます。
2人とも、これで演技はうまくなるでしょう。昔から、芸の肥やしと言いますけど、いいことでも悪いことでも、どんな経験でも肥やしにはなりますから。でも、復帰するまでの時間はかかるでしょう。特に唐田さんの場合、『寝ても覚めても』しか目立ったキャリアがないですから。同じように不倫で干されたベッキーが、昨年公開された映画『麻雀放浪記2020』に出ていました。アンドロイドと麻雀クラブのママの一人二役で、それまでのベッキーにはなかった毒気のある演技をしていました。
唐田と東出にそういうことができるかといったら、かなり疑問ですね。ベッキーにしても、『麻雀放浪記2020』を好むようなタイプの映画マニアには受け入れられたとしても、本格復帰にはつながりませんでしたからね」
唐田と東出が、一回りスケールの大きい役者となって、戻って来てほしいと願うばかりだ。
(文=深笛義也/ライター)
高齢化で“救急車出払い問題”が深刻…病院への移動手段化も、重症者の救急に支障
今や急速な高齢化の弊害が、救急活動にまで影響を与えていることが鮮明になっている。消防庁が発表した「令和元年版 救急・救助の現況」によると、2018年に救急車で搬送された人のうち、満65歳以上の高齢者の割合は約6割に上っている。
19年4月1日現在、救急隊は全国1690 市町村に 5215 隊配備されており、前年比 36 隊(0.7%)増加している。救急隊員は6万3723人(うち女性は1395人)で同952人(1.5%)増加した。また、救急自動車(以下、救急車)の保有台数は、非常用を含め6364台で同35台(0.6%)の増加となっている。
では、救急出動件数はどうかといえば、18年中で救急車による出動件数は、660万5213件(前年比26万3066件増、4.1%増)、搬送人員は596万295人(同 22万4209人増、3.9%増)と出動件数、搬送人員共に過去最多を更新している。
前年比で救急隊が0.7%、救急隊員が1.5%、救急車が0.6%しか増加していないのに、出動件数は4.1%、搬送人員は3.9%も増加している。これは、救急活動の増加に対して、人員と設備が追いついていない状況を示している。言い換えれば、現状の救急体制以上に救急活動の要請が増加しているということだ。
救急車は1日平均1万8096件(前年は1万7376件)、4.8秒に1回(前年は5.0秒に1回)の割合で出動し、国民の21人に1人(前年は22人に1人)が搬送されたことになる。救急車の出動頻度が高まっており、救急車により搬送される人の比率が高まっていることがわかる。
この結果、現場到着所要時間(入電から現場に到着するまでに要した時間)は全国平均で8.7分(前年比0.1分増)に、病院収容所要時間(入電から医師引継ぎまでに要した時間)は全国平均で39.5分(同0.2 分増)と、若干だが年々時間が延びている。
救急隊員に広がる危機感
さて、救急車出動の理由で最も多いのは、急病429万4924件でその割合は65.0%に上る。次いで一般負傷99万7804件(15.1%)、交通事故45万9977件(7.0%)となっている。これは搬送人員でも同様で、最も多いのは急病389万1040人(65.3%)、次いで一般負傷91万2346人(15.3%)、交通事故44万1582人(7.4%)の順だ。
救急車出動の理由を年齢区分別に見ると、最も多い急病では高齢者が241万1050人(62.0%)、一般負傷では高齢者が62万1929人(68.2%)と圧倒的に多い。結果的に救急車搬送人員の年齢区分では、高齢者が353万9063人(59.4%)、続いて成人193万5986人(32.5%)、乳幼児26万6032 人(4.5%)で、救急車の出動の約6割が高齢者搬送のために出動していることがわかる。
この搬送人員に対する高齢者が占める割合を5年ごとの推移で見ていくと、1998年には35.1%だったが、2003年には41.4%、08年には48.3%、2013年には54.3%増加し、18年には59.4%と約6割にまで上昇した。高齢者の比率は上昇の一途をたどっており、今後も増加していく見込みだ。ちなみに、高齢者の搬送比率が高い都道府県は、秋田県、山形県、山口県、島根県、高知県など高齢化率が高い県と一致している。
これでわかるように、救急活動は件数、搬送人員共に救急体制の人員と設備の増加を上回るペースで増加が続いていることで、迅速な救急活動の実施に影響を及ぼしかねない状況になっているということだ。実際に現場の救急隊員からは、「不測の事故や交通事故への出動時に、急病人(特に高齢者)搬送で救急車が出払っており、対応が遅れる可能性がある」との危機感を持った声が聞かれる。
この救急車の出動件数、搬送人員の増加には、2つの大きな要因がある。ひとつは救急車を呼ぶのに、どの程度の病気やケガの状態だったのかという点だ。搬送人員のうち、長期入院が必要な重症は8.2%、入院が必要な中等症は41.6%、外来診療で済む軽症は48.8%と、軽症で救急車を呼んでいる人が最も多い。極端に言えば、呼ぶ必要がない程度の病気やケガで救急車を呼んでいる人が多いということだ。特に、乳幼児では76.0%、少年では74.9%、成人では61.4%が軽症で救急車を呼んでいる。
だが、最も問題なのは“言わずもがな”だが高齢者の搬送が増加の一途をたどっていることだろう。15年の国勢調査における高齢化率は26.6%。比率と同様に救急車を使っているとすれば、救急車搬送人員の年齢区分でも高齢者の比率は27%程度のはずだが、実際には59.4%となっており、高齢者は概ね9人に1人(全体は21人に1人)が搬送されていることとなる。高齢者の場合、「同じ人が月に何度も救急車を呼ぶ」「病院への交通手段として救急車を呼ぶ」人がいるという指摘もある。
救急活動が本当に必要な重症の人たちに、遅れることなく十分な対応ができるように、高齢者の健康状態を見守りながら、救急車を使わなくても治療ができる体制をつくり上げることで、救急車がより一層有効に活動できるようにしていく必要があるだろう。
(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)
沢尻エリカ、初公判で依存症特有の「否認」、危険なサイン…改めない限り薬物断つのは困難
自宅で合成麻薬のMDMAやLSDを所持していたとして、麻薬取締法違反の罪に問われた女優の沢尻エリカ被告の初公判が31日、東京地裁で開かれた。沢尻被告は「間違いありません」と起訴内容を認め、最終意見陳述で「全力で更生し、反省していくことが自分にできる唯一の償いと思っています。二度と繰り返さないように、立ち直っていきたいと思っています」と述べた。
沢尻被告が違法薬物と決別できればいいとは思うが、本当に決別できるのだろうかという疑問も抱かずにはいられない。その理由として、まず薬物使用歴の長さを挙げておきたい。検察官は、沢尻被告が19歳の頃から大麻などを使うようになったと明らかにしているので、違法薬物をすでに10年以上使用していることになる。
また、沢尻被告は「大麻に関しては、コントロールできる、やめられると思っていた」と述べたが、これは依存症特有の「否認」と考えられる。アルコール依存症の人が、自分の意志では酒の飲み方を調節できなくなり、「コントロール障害」に陥っているのに、「酒なんかいつでもやめられる」と思い込んでいるのと同じである。
沢尻被告も、「薬物なんかいつでもやめられる」と高をくくっていた可能性が高い。だが、実際にはなかなかやめられなかったからこそ、逮捕・起訴され、NHKの大河ドラマを降板する羽目になったのだ。だから、沢尻被告本人が認めたように「すべては自身の甘さが招いた結果」といえる。
「否認」をやめるべき
もう1つ気になるのは、沢尻被告が「女優への復帰は考えていません」と語ったことだ。今回の事件で、大河ドラマを降板するなど多方面に迷惑をかけたので、女優復帰がそんなに簡単に許されるわけではないだろう。第一、世間の理解がなければ、女優としてはやっていけない。
だが、沢尻容疑者が天職ともいうべき女優の仕事を奪われたら、空虚感と喪失感にさいなまれるのではないか。その結果、薬物にのめり込む危険性が一層高まるのではないか。そう危惧せずにはいられない。
そもそも、これまで薬物に溺れたのも、快感を得るためばかりではなく、不安や孤独感、抑うつ気分や鬱屈した気持ちをなんとかしたいと思ったからだろう。そういうネガティブな感情や気持ちを薬物が改善してくれた体験を持つ人は、同じようなつらい状況に陥ると、また薬物に頼ろうとしがちだ。
沢尻被告への求刑は懲役1年6カ月で、初犯ということもあって、執行猶予がつく可能性が高い。だから、執行猶予が明け、その後も違法薬物をやめ続けられたら、女優復帰を目指すべきだし、周囲もサポートすべきだと思う。
そのためには、何よりも「否認」をやめることが必要だ。「自分の中では薬物をコントロールでき、いつでもやめられると思っていた」のは間違いだと認識し、「自分はコントロールできなかったから、薬物をやめられなくなったのだ」と肝に銘じなければならない。そのうえで、交友関係を見直し、更生プログラムを受けながら、「薬物をやめよう」という気持ちを持ち続けるべきである。
(文=片田珠美/精神科医)
岩井俊二『ラストレター』、傑作の誕生…言葉を失う“映画的瞬間”に魂が揺さぶられる
岩井俊二監督の映画『ラストレター』が、1月17日に公開された。その魅力を、映画業界関係者から聞いた。
※以下、一部に映画の内容に関する記述があるため、閲覧にご注意ください。
「現代の人は皆、手紙を書かなくなって久しいと思うんですけど、松たか子が演じる裕里が必然的に手紙を書かざるをえなくなる状況が、すんなりと進んでいきます。姉の未咲が亡くなったことを知らせに同窓会に行った裕里が、皆から未咲に間違われてしまうのが物語の始まり。ちょっとマンガ的なシチュエーションなのに、岩井俊二の演出力で違和感なく見せています」
高校時代の裕里の片思いの相手であり、大学時代に未咲の恋人だった、乙坂鏡史郎を演じるのが、福山雅治だ。
「今までの映画でこんなにダメな福山見たことないってくらいの、みじめな売れない小説家ですよね。その冴えない感じがよかった。映画の中盤で、中山美穂と豊川悦司が、荒れた感じで出てきた時にドキッとします。岩井監督の25年前の映画『Love Letter』の2人じゃないですか」
乙坂から未咲を奪った阿藤陽市を演じるのが、豊川悦司。その同居人を演じているのが、中山美穂だ。
「小説家として乙坂が抱えている問題を、グサリグサリとえぐっていく阿藤のモンスター性をトヨエツはみごとに演じています。酒浸りのダメな人間である阿藤に、乙坂は完膚なきまでに打ちのめされる。その負けた感じを演じる福山もまたよかったです。自殺から始まるけど悲壮感はなくて、悲しみを抱えた人たちを温かな視線で描いているけど、あそこだけ荒涼としている。だけどあのシーンがなければ、この映画は成立しません。脚本の良さと、演技の素晴らしさ、演出が優れていることが現れています」
豪華キャストであるが、際だった役者は誰だろうか。
「映画監督の庵野秀明、フォークシンガーの小室等、ミュージシャンの鈴木慶一と、役者じゃない人たちが出ていますよね。この人たちの映画慣れしていない素の演技が、作品の世界観にぴったり嵌まっています。
特筆すべきは、高校時代の裕里を演じた、森七菜。実際に彼女は高校生ですけど、芸術的感度の高い女の子らしいですね。自分がどんなフレームで撮られるか、わかって演じていると聞きました。新しいスターが出てきたな、と感じました。森七菜は高校時代の裕里と、現在の裕里の娘の一人二役。広瀬すずは高校時代の未咲と、現在の未咲の娘の一人二役。同じくらいの年代の女の子の二役で、普通にやったら無理がありそうですけど、みごとに別の人物になっています。器用な役者はいっぱいいるけど、森七菜も広瀬すずも本当にうまい人です。物語のクライマックスで2人は、アッと息を呑むような映画的な瞬間を観客にもたらします」
映画の原作は、岩井俊二自身の小説『ラストレター』。小説ではこの場面が生み出す感情を言葉で語っているが、映画では一瞬にして観客の心に訴えかけている。
「初恋を扱った切ない物語だけど、映画ではなんでもありになった現代で、純愛こそがファンタジーなのかなと思わせる映画でした。昔からの岩井ファンが多いのか、映画館には年齢の高い観客が多かったんですけど、どの世代でも楽しめる映画。高校生などの学生や若い人に見てほしいです。『あれって、どういうこと?』『自分だったらこうするな』など、見終わった後に語り合えることが多いのではないでしょうか」
映像の美しさもずば抜けている。スクリーンで見るべき映画だろう。
(文=深笛義也/ライター)
沢尻エリカ、早くも年内復帰説…槇原敬之は覚せい剤で逮捕の翌年にCD発売
芸能界に大激震をもたらした女優・沢尻エリカの逮捕劇。早くも“年内復帰”の可能性が持ち上がり、「いくらなんでも早すぎでは?」と困惑の声が広がっている。
昨年11月、自宅に合成麻薬「MDMA」を所持していたとして、麻薬取締法違反容疑で警視庁に逮捕された沢尻被告。その後、取り調べのなかで「10年以上前から違法薬物を使用していた」「これまでに大麻やLSD、コカインも使った」などと供述し、世間に衝撃を与えた。
人気女優だっただけに、キャストに名を連ねていたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』が代役を立てて再撮影に追い込まれるなど、その影響は計り知れない。昨年12月に起訴され、保釈された後は、医療機関で治療に専念していることが伝えられていた。
1月30日に沢尻被告についてコメントを発表した所属事務所のエイベックス・マネジメントは、「医療機関において専門家の指導の下、更生にむけて治療などに励んでおります」と明言しており、処分については「今後の裁判の結果を踏まえて決定」と伝えていた。
そして、1月31日に東京地方裁判所で初公判が行われ、黒髪に黒のパンツスーツと白シャツで入廷した沢尻被告は、裁判官から職業を聞かれて「職業は無職です」と返答したことが報じられている。また、薬物の所持などを含めた起訴内容について「間違いありません」と認め、「家族にも辛い思いをさせた」「女優復帰は考えていません」と語ったという。
検察側は懲役1年6月を求刑しているが、初犯であることなどから執行猶予が濃厚という見方が多い。サンスポコム1月31日付記事では、弁護士法人・響の西川研一代表弁護士が「懲役1年~1年6月、執行猶予3年が妥当」と分析している。
沢尻被告の初公判の様子について、ネット上では「そりゃ復帰したいとは言えないでしょ」「供述通り10年以上も使用していたとなると、薬物依存から抜け出すのは想像以上に難しいのでは」「まずは社会復帰できるようにならないと」などといった声が上がっている。
一方で、同日配信のNEWSポストセブンでは、早くも“地上波復帰”の可能性に言及している。かつて覚せい剤取締法違反で有罪判決を受けた女優の酒井法子と比較しつつ、芸能関係者が「判決次第ですが、沢尻さんはすぐに罪を認めているし、事務所のバックアップもあるはずなので、酒井さんより早く地上波に復帰するとみられています」と証言。続けて、「『麒麟がくる』の放送が終わる今年の年末あたりの可能性もゼロではありません」と語っているのだ。
年内復帰の可能性が浮上したことで、ネット上には
「NHKに大迷惑かけて、どのツラ下げて復帰できるのか」
「イメージ的にもうCM出演は無理だし、潔く引退したほうがいいのでは」
「さすがに芸能界は身内に甘すぎるでしょ」
「早めに仕事をさせて稼ぎたいという事務所の思惑が透けて見える」
という声が上がっている。
これまでも芸能人の逮捕・復帰については数多くの前例があり、『どんなときも。』などのヒット曲で知られる歌手・槇原敬之のケースもそのひとつだ。1999年に覚せい剤所持で逮捕・起訴された槇原だが、翌年にはアルバムをリリースして復帰。のちに、作詞・作曲を手がけたSMAPの楽曲『世界に一つだけの花』が大ヒットを記録したことで知られている。
薬物がらみではないものの、ファンに衝撃を与えたという意味では、2009年4月に公然わいせつの容疑で逮捕されたSMAP(当時)の草なぎ剛も同様だろう。草なぎの場合は翌月にバラエティ番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)の収録、ならびに『笑っていいとも!』(同)への生出演で復帰。わずか1カ月での活動再開に、少なからず「早すぎる」という批判が巻き起こった。
槇原や草なぎの例を見ると、沢尻被告の年内復帰もあり得ないとは言い切れないのが芸能界のようだ。世間を騒がせた人気女優は、今後どのような道を歩むのだろうか。
(文=編集部)
東京オリンピック2020は下品な「スクラップ・アンド・ビルド」/本間龍・武田砂鉄対談(前編)
本間龍(左)、武田砂鉄(右)
7月の東京オリンピック・パラリンピック開催まで半年あまり。これから夏にかけて日本は国をあげてお祭り騒ぎに浮かれるだろう。
しかし2020年東京オリンピックに関しては、招致段階からいまに至るまで数々の問題を抱えており、それらが解決されないまま本番に突入しようとしている。
こうした状況はなぜもたらされてしまったのか。東京オリンピックは今後の日本社会にどんな影響を与えるのか?
「WEZZY」で東京オリンピックの問題を指摘し続けている本間龍氏と、各媒体で厳しくオリンピック批判を行っている武田砂鉄氏が語り合った。