ブランディングの未来はどうあるべきか。DX推進に必要な四つの視点

電通による“人”基点のマーケティング「People Driven Marketing(※)」(ピープル・ドリブン・マーケティング)も、4年目を迎え、「PDM4.0」として大きく進化しました。 

本連載では、電通人と企業のゲストたちが、マーケティングとデータの未来を語った「People Driven Marketing® 実践ウェビナー2020」3日間の模様を、ダイジェストでレポートします。

今回は、数々の「ブランド体験」を創造してきた、電通デジタルのエグゼクティブクリエーティブディレクター・佐久間崇氏が、「クリエイティビティーが拓くブランドの未来」について語ったセッションを紹介。

デジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中で、ブランドの未来はどうあるべきか。社会の変化に伴うブランドの在り方を示し、ブランド変革に必要な視点を提示します。

※People Driven Marketing
https://www.dentsu.co.jp/business/pdm/
電通が提唱する、データ&デジタル時代に対応した“人”基点の統合マーケティング・フレームワーク。課題を人(People)基点で捉え直し、電通グループが持つ最先端のマーケティング手法を統合して、顧客の持続的な成長を支援していく。
 
PDM実践ウェビナー2020
※課題解決マーケティング情報サイト「Do!Solutions」でも、本ウェビナーの特集ページを開設しています。より詳細なレポートはこちらへ

 


DXを推進する前に、ブランドの本質に立ち戻る

佐久間崇

デジタル化が加速する昨今、人々の価値観は大きく変容しています。消費動向は「所有価値から使用価値へ」「モノからコトへ」「製品からサービスへ」とシフトし、企業のDXもさらに重視されるようになりました。

こうした変革期において、重要なのがクリエイティビティーです。クリエイティブディレクターとして、企業のブランディング立案・実施に取り組んできた佐久間氏は、企業がDXを推進する前に、まずは本質に立ち返る必要があると指摘します。

「DXの目的は、デジタルツールの導入ではありません。それでは手段の目的化になってしまいます。改めて自社の製品、ビジネス、ブランドを未来に向けてトランスフォームしていく意味を見つめ直し、その本質を理解した上でDXを考えていくことが必要です」

「People」「Purpose」「Creativity」「Data/Tech」の4視点で、ブランドのDXを促進

その上で、ブランドをトランスフォームするために、以下の「四つの視点」を挙げました。

PDM実践ウェビナー2020


1. People ターゲットや顧客の視点

デジタルシフトやグローバリゼーション、新型コロナウイルスの拡大に伴い、働き方やライフスタイルが多様化し、生き方の選択肢も増えています。佐久間氏は、「これからは、人々が自分ならではの物語、自分らしい生き方を模索しながら生きていく時代」だと分析します。つまり、ますます“人”が主役になっていく時代です。

その時、ブランドの役割はどうあるべきでしょうか。佐久間氏は、発想を転換し、「個人の人生を輝かせること」を考えるべきだと述べます。

「ブランドには、“高級”“憧れ”などのイメージがあります。そのため、これまでブランドと個人の関係性は、“ブランドが描く世界観を個人が享受する。その世界観に参加させてもらう”というものでした。しかし、これからは一人一人が主役になる時代。ブランドの役割は、“人=LIFEを輝かせること”になっていきます。大切なのは、人が輝く舞台を整えること。その意識を持つことが、DXを進める上で大前提になるでしょう」

2.Purpose 目的を明確にする視点

ブランドをトランスフォームするには、事業の目的を再定義すること、つまり「何を、何のためにするのか」を突き詰めることも重要です。

これまでは、商品の存在を知ってもらうための手段として広告がありました。そして、販促や商品をプロモートするためにPRがあり、商品を届ける手段として販売がありました。つまり、企業活動のすべてが“商品を売ること”が中心になっており、その他は手段だったのです。

しかし、目的を中心に置くと、企業活動はすべて目的のための手段だと気づきます。すると、企業活動も製品からサービスへと必然的にシフトしていきます。佐久間氏は、「商品ではなく目的の実現を中心に据え、そのための手段を再発明・再解釈することがDXの本質」だと述べ、事業の目的や商品が生まれた経緯、そこにある意思をもう一度探るよう促しました。

3. Creativity サービスやプロダクトの視点

では、目的を規定した上で、どのようにサービスやプロダクトを生み出していくべきでしょうか。佐久間氏は、「クリエイティビティーの解放」が重要だと指摘します。

「クリエイティビティーというと、難解なイメージを持たれるかもしれません。しかし、大事なのは子どものような発想。『これ、よくない?』『これ面白くない?』という無邪気な感覚こそ、クリエイティビティーです」

ビジネスにおいては、直感やひらめき、「なんとなくいい」という感覚は、表に出さない傾向がありますが、佐久間氏は「一人一人のセンスを信じることがクリエイティブ思想」だと言います。

「自分の直感、ひらめき、イメージを解放し、常識を疑って言語化していくこと。あるいは『何か変だ』という感覚や違和感を掘り下げること。それが、多様化が進む社会にマッチする新たなクリエイティブにつながるのではないでしょうか」と佐久間氏。

こうして生まれたクリエイティブアイデアを評価する軸として、佐久間氏が大事にしているのは「ハッとして、グッとくる」かどうかです。

PDM実践ウェビナー2020

「ハッとする」は驚きや新しさ、ビックリマークがつく状態を指します。さらに、共感や好感を抱かせる「グッとくる」要素も必要です。こちらはハートマークがつくような状態を指します。つまり、「ビックリマークとハートマークをつけたくなるクリエイティブアイデアこそが、新しさと普遍性を兼ね備えている」と、佐久間氏は述べました。

4. Data/Tech 実現方法の視点

こうして生まれたクリエイティブアイデアを実現するために、活用するのがデータやテクノロジーです。その好例が、シリコンバレー発のD2C(Direct to Consumer)シューズブランド「allbirds」だと佐久間氏は言います。

allbirds

このブランドのコンセプトは、「世界で最も快適なシューズ」。機能性が優れているだけでなく、羊毛やサトウキビなど肌にも地球にも優しいサステナブルな素材を用いているのが特徴です。「“サステナブルな靴を選んで履くことはかっこいい”という価値を提供している点が新しい」と、佐久間氏は同ブランドの方向性に賛意を寄せます。

また、公式サイトでは、素材調達から商品廃棄までのプロセスにおけるCO2排出量を“見える化”した動画も公開。さらに、グローバルな顧客データ管理や在庫調整を瞬時に行ったり、ユーザーからのフィードバックを取り入れ、細やかにプロダクトリニューアルを行ったりする点でも快適性を追求しています。

「ユーザーの快適性向上やサステナビリティーのためにデータを活用する。この点に新しさを感じます。データドリブンを否定するつもりはありませんが、やりたいことを実現するためにどんな手段があるのか考え、その上でデータを活用するという順番の方がスムーズではないでしょうか」

個人のライフを輝かせるために、ブランドにできること

視点1で述べたように、これからは人が主役です。個人のライフを輝かせるために、ブランドに何ができるか。ブランドの未来を切り開くには、その役割を追求する必要があります。

ブランドのDXに必要な「四つの視点」を紹介しましたが、必ずしも順番通りに行う必要はありません。2番目の「目的を明確にする視点」から始めるとスムーズですが、どれを起点にしてもすべての視点で考えることが大事だと佐久間氏は指摘します。

その上で「優れたクリエイティブアイデアは、どの視点からも説明でき、さらにアイデアを上乗せできます。その繰り返しにより、ブランドが輝き、人に親しまれ、必要とされるのだと思います」と締めくくりました。

※本ウェビナーのより詳細なレポートは、「Do!Solutions」の特集ページをご覧ください!

コロナ禍が助長した『鬼滅の刃』ブーム…ありえない家族愛への感動、存在論的恐怖の克服

 新型コロナウイルスパンデミックの勢いが止まらない。日本でも新型コロナの「第3波」襲来により、政府は「勝負の3週間」と感染防止対策を強化せざるを得ない事態に追い込まれているが、新型コロナとの「終わりの見えない闘い」は人々の心に大きなダメージを与えつつある。

 コロナ禍の日本でも、「穏やかな性格の人が怒りっぽくなった」「SNSであまり発言しなかった人がコロナ対策の情報を積極的に発信するようになった」「自分の利益ばかり考えていた人が支援活動に精を出すようになった」など人々の行動に変容の兆しが出始めている。「自粛生活が続くことによるフラストレーション」が主な原因だとされているようだが、筆者は「それだけではない」と考えている。

 私たちは1年近くにわたり、新型コロナに関する「死」についての情報を大量に浴び、知らず知らずのうちに「死」に対する漠然とした不安や恐怖を掻き立てられている。しかし人はこのような恐怖心に無防備でいられず、なんらかの防衛手段をとらざるを得なくなるのではないだろうか。

 社会心理学の分野には「存在脅威管理理論」という考え方がある。存在脅威管理理論とは「自分の命についての漠然的な恐怖心を抱くと、人は自らが信頼する世界観(文化的世界観)を利用して、自らの恐怖心を緩和しようとする自衛メカニズムを作動させる」という考え方である。人は高度な認知機能を獲得したことで、「自分はいつか死んでしまう」という認識から生まれる恐怖を抱くようになった。存在論的恐怖と呼ばれるものであるが、無意識のレベルにとどまっていることが多く、はっきりと意識されることは少ないといわれている。

 一般的な恐怖であれば、その対象を回避したり解決したりすることも可能かもしれないが、「いつか死んでしまう」という事実を解決することは不可能である。存在論的恐怖が解決不可能なのにもかかわらず、私たちが人生を悲観していないのは、存在論的恐怖を和らげる文化的世界観を持っているからだというわけである。

 文化的世界観とは、「『自分の存在は死を越えて、なんらかの形で存在し続ける』ことを人々に確信させる信念」のことである。人生になんらかの意味を与えてくれる信念と合致する行動をとっているという自尊心を持つことによって、「自分の存在の有限性」を乗り越え、死の恐怖から身を守っているのである。

 「文化的世界観などという大げさなものを持っていない」と考える日本人は多いだろう(筆者もその1人である)が、心配は無用である。恋人や子ども、あるいは親友といった近しい人々との関係(つながり)が存在論的恐怖を緩衝する効果を持つことがわかってきている。他者との親密な関係が「自分が社会的実体の一部である」ことを感じさせてくれることは、文化的世界観と同様「自分の存在の有限性」を越える効果を有する。

少子化の歯止めにはならない?

 存在脅威管理理論は、海外でさまざまな実証的研究が行われ、その正しさが明らかになってきているが、コロナ禍で日本に生じているいくつかの社会現象についても適用可能ではないだろうか。

 コロナ禍の社会現象といえば、『鬼滅の刃』の大ブームである。国会議員までが「全集中の呼吸」という決めゼリフを公の場で口にし、挙げ句の果ては、『鬼滅の刃』のアニメや漫画、映画を見ることを他人に強要するという「キメハラ」現象までが起きている。

『鬼滅の刃』は2019年頃から人気に火が付いていたが、それがコロナ禍でさらに一段と加速された感が強い。「現実ではありえない家族愛や兄妹愛」に感動して号泣したとされる多くの人々(子育て世代の女性が多い印象がある)の姿を見ると、コロナ禍で惹起された存在論的恐怖に打ち勝つために、『鬼滅の刃』という文化的世界観に身を捧げているように思えてならない。

 他者とのつながり欲求の高まりから、今後若者の間で結婚願望が高まることが予想されるが、残念ながら日本の喫緊の課題である少子化の歯止めにはならないかもしれない。コロナ禍で日本はもちろん、欧米でも出生数の大幅減少が懸念されているが、妊娠や出産という行為は、存在論的恐怖を高めてしまう可能性が高いとされている。妊娠や出産は、人間以外の動物と共通する行為であることから、「社会的役割や意味を持った特別な存在である」という枠組みを与えている文化的世界観を脅かす作用をもたらしてしまうからである。人は「自分の存在の有限性」という認識が生じないよう、自己の身体の動物性を示唆する妊娠や出産を忌避するのである。

「反・資本主義」運動の広がり

 最後に日本ではあまり目立った動きが生じていないが、世界の若者の間で広がる「反・資本主義」運動の広がりについて見てみたい。

 筆者は7月9日付コラムで「存在論的恐怖が米国の人種差別反対(BLM)運動を激化させる要因になっている」と述べたが、その後の展開は「富の配分の不公平」へと軸足を移しており、このことがバイデン氏の史上最多数の得票による大統領選の勝利につながる一因となった。

 文化的世界観の中でもっとも有力なものに「公正世界観」がある。「世界はその人がその人にふさわしいものを手に入れる公正な場所である」という世界観だが、新型コロナのパンデミックが世界の多くの人々の心にこの世界観を呼び覚ましてしまったのだとすれば、世界は再び「革命の時代」に戻ってしまうのではないだろうか。

(文=藤和彦/経済産業研究所上席研究員)

(参考文献)『なぜ人は困った考えや行動にとらわれるのか? 存在脅威管理理論から読み 解く人間と社会』(ちとせプレス/脇本竜太郎著)

コロナ禍が助長した『鬼滅の刃』ブーム…ありえない家族愛への感動、存在論的恐怖の克服

 新型コロナウイルスパンデミックの勢いが止まらない。日本でも新型コロナの「第3波」襲来により、政府は「勝負の3週間」と感染防止対策を強化せざるを得ない事態に追い込まれているが、新型コロナとの「終わりの見えない闘い」は人々の心に大きなダメージを与えつつある。

 コロナ禍の日本でも、「穏やかな性格の人が怒りっぽくなった」「SNSであまり発言しなかった人がコロナ対策の情報を積極的に発信するようになった」「自分の利益ばかり考えていた人が支援活動に精を出すようになった」など人々の行動に変容の兆しが出始めている。「自粛生活が続くことによるフラストレーション」が主な原因だとされているようだが、筆者は「それだけではない」と考えている。

 私たちは1年近くにわたり、新型コロナに関する「死」についての情報を大量に浴び、知らず知らずのうちに「死」に対する漠然とした不安や恐怖を掻き立てられている。しかし人はこのような恐怖心に無防備でいられず、なんらかの防衛手段をとらざるを得なくなるのではないだろうか。

 社会心理学の分野には「存在脅威管理理論」という考え方がある。存在脅威管理理論とは「自分の命についての漠然的な恐怖心を抱くと、人は自らが信頼する世界観(文化的世界観)を利用して、自らの恐怖心を緩和しようとする自衛メカニズムを作動させる」という考え方である。人は高度な認知機能を獲得したことで、「自分はいつか死んでしまう」という認識から生まれる恐怖を抱くようになった。存在論的恐怖と呼ばれるものであるが、無意識のレベルにとどまっていることが多く、はっきりと意識されることは少ないといわれている。

 一般的な恐怖であれば、その対象を回避したり解決したりすることも可能かもしれないが、「いつか死んでしまう」という事実を解決することは不可能である。存在論的恐怖が解決不可能なのにもかかわらず、私たちが人生を悲観していないのは、存在論的恐怖を和らげる文化的世界観を持っているからだというわけである。

 文化的世界観とは、「『自分の存在は死を越えて、なんらかの形で存在し続ける』ことを人々に確信させる信念」のことである。人生になんらかの意味を与えてくれる信念と合致する行動をとっているという自尊心を持つことによって、「自分の存在の有限性」を乗り越え、死の恐怖から身を守っているのである。

 「文化的世界観などという大げさなものを持っていない」と考える日本人は多いだろう(筆者もその1人である)が、心配は無用である。恋人や子ども、あるいは親友といった近しい人々との関係(つながり)が存在論的恐怖を緩衝する効果を持つことがわかってきている。他者との親密な関係が「自分が社会的実体の一部である」ことを感じさせてくれることは、文化的世界観と同様「自分の存在の有限性」を越える効果を有する。

少子化の歯止めにはならない?

 存在脅威管理理論は、海外でさまざまな実証的研究が行われ、その正しさが明らかになってきているが、コロナ禍で日本に生じているいくつかの社会現象についても適用可能ではないだろうか。

 コロナ禍の社会現象といえば、『鬼滅の刃』の大ブームである。国会議員までが「全集中の呼吸」という決めゼリフを公の場で口にし、挙げ句の果ては、『鬼滅の刃』のアニメや漫画、映画を見ることを他人に強要するという「キメハラ」現象までが起きている。

『鬼滅の刃』は2019年頃から人気に火が付いていたが、それがコロナ禍でさらに一段と加速された感が強い。「現実ではありえない家族愛や兄妹愛」に感動して号泣したとされる多くの人々(子育て世代の女性が多い印象がある)の姿を見ると、コロナ禍で惹起された存在論的恐怖に打ち勝つために、『鬼滅の刃』という文化的世界観に身を捧げているように思えてならない。

 他者とのつながり欲求の高まりから、今後若者の間で結婚願望が高まることが予想されるが、残念ながら日本の喫緊の課題である少子化の歯止めにはならないかもしれない。コロナ禍で日本はもちろん、欧米でも出生数の大幅減少が懸念されているが、妊娠や出産という行為は、存在論的恐怖を高めてしまう可能性が高いとされている。妊娠や出産は、人間以外の動物と共通する行為であることから、「社会的役割や意味を持った特別な存在である」という枠組みを与えている文化的世界観を脅かす作用をもたらしてしまうからである。人は「自分の存在の有限性」という認識が生じないよう、自己の身体の動物性を示唆する妊娠や出産を忌避するのである。

「反・資本主義」運動の広がり

 最後に日本ではあまり目立った動きが生じていないが、世界の若者の間で広がる「反・資本主義」運動の広がりについて見てみたい。

 筆者は7月9日付コラムで「存在論的恐怖が米国の人種差別反対(BLM)運動を激化させる要因になっている」と述べたが、その後の展開は「富の配分の不公平」へと軸足を移しており、このことがバイデン氏の史上最多数の得票による大統領選の勝利につながる一因となった。

 文化的世界観の中でもっとも有力なものに「公正世界観」がある。「世界はその人がその人にふさわしいものを手に入れる公正な場所である」という世界観だが、新型コロナのパンデミックが世界の多くの人々の心にこの世界観を呼び覚ましてしまったのだとすれば、世界は再び「革命の時代」に戻ってしまうのではないだろうか。

(文=藤和彦/経済産業研究所上席研究員)

(参考文献)『なぜ人は困った考えや行動にとらわれるのか? 存在脅威管理理論から読み 解く人間と社会』(ちとせプレス/脇本竜太郎著)

株式相場、空前の高値…投資で今、重要な「わからない見通し」と「確度が高い見通し」

 株式相場が活況です。アメリカのNYダウ平均株価は、新型コロナウイルスによる下落前の水準を超え、史上最高値を更新しています。日本の株式相場も同様で、日経平均株価は29年ぶりの高値を付けました。報道では、新型コロナワクチンの実用化への期待が高まったことを材料に買われたということです。「株価は景気の先を読む」といわれますが、コロナの収束はもう時間の問題なのでしょうか。

結局、理由はなんでもあり

 アメリカの大統領選挙ではジョー・バイデン氏が勝利しましたが、今年の夏ぐらいまでは「トランプ勝利=株高、バイデン勝利=株安」と見られていました。コロナ対策よりも経済活動を優先するドナルド・トランプ大統領に対して、バイデン氏はコロナ対策を重視し、さらに企業や富裕層への増税を公約としていたためです。

 ところが、世論調査でバイデン氏がリードしたまま選挙が近づくと、バイデン勝利で株価は上がるとの見方に変わってきました。バイデン氏が勝つと公共投資が増えるからというのがその理由です。とはいっても、トランプ勝利の場合に株価が下がるわけではなく、「トランプ勝利=株高、バイデン勝利=株高」だというのです。どっちに転んでも株価は上がるというわけで、その“理由”は取って付けたようなものです。

 結局、「上がる理由はなんでもあり」の状態ですが、相場に勢いがついてしまうとこうなります。株価の上昇が続いているときに、株式相場にとって良い材料が出ると上昇にさらに弾みが付きますが、悪い材料が出ても上昇が続くことは少なくありません。「悪材料が出尽くした」とされて、また買われるのです。相場が悪く下落が続いているときは逆で、悪材料はもちろん、好材料が出ても「好材料出尽くし」と売りの要因になってしまいます。

 新型コロナの感染がヨーロッパやアメリカで広がった今年の2月から、アメリカを中心として世界の株式市場は暴落しました。各国で外出が制限され、4-6月期の実質GDP成長率はアメリカが▲31.4%、日本は▲27.8%(いずれも前期比年率換算)となりましたが、2月からの大幅な下落はこれを先取りしたものです。

 そして、3月後半からは急回復となりました。外出制限が徐々に緩和され、7-9月期の実質GDP成長率はアメリカが33.1%、日本は21.4%(いずれも同上)となりましたが、それを見込んだ動きをしたわけです。

 もっとも7-9月の数値が大きいのは、前年比ではなく、前期比を年率に換算したためで、景気が良いとはとてもいえない状況であるのは、誰もが実感するとおりです。株価が上昇に転じるのはともかく、史上最高値や29年ぶりの高値は、実際の経済状況とはかけ離れているのではないでしょうか。

 各国の中央銀行による空前の金融緩和による資金が、株式市場に流れ込んできたことによる影響が大きいと思われます。お金の流れに勢いが付くと、そのこと自体が勢いを加速するように作用します。取って付けたような理由は、その流れを正当化しようとするものでしかありません。

コロナの収束はまだ見通せない

 ワクチンの開発に成功したと製薬会社から発表されましたので、そう遠くないうちに新型コロナは収束するという期待が膨らみます。一方、秋の深まりとともにヨーロッパやアメリカ、そして日本でも感染者数は増加しており、再び経済活動が落ち込む不安もあります。

 どちらが正しいかという問題ではなく、株式相場が好調なときには、不安材料には目をつむり、期待ばかり目が向いてしまう傾向があることに注意が必要です(相場が悪いときは逆です)。エコノミストや経済評論家までもが新型コロナの感染見通しについてコメントをしているのを見かけます。感染症の専門家ですら見解が異なるぐらいですから、経済の専門家のコメントは素人判断にすぎません。今後の新型コロナの感染状況とそれによる経済への影響は「わからない」とするのが、正しい見方ではないでしょうか。

 では、資産運用をする上で、株式相場の投資判断はどのように考えたらよいでしょうか。まず、わからないことについては素人判断をせず、両方の可能性を考えておく必要があります。ワクチンの実用化で新型コロナが収束し、比較的早くに景気が回復する可能性もあれば、感染拡大が続き、外出規制で景気が再び悪化する可能性も考慮しておく必要があります。

 一方、わかっている、あるいは確度が高い見通しもあります。新型コロナが収束しても、生活様式や仕事のスタイルの変化が続くであろうということです。インターネットによる商品の購入やリモートワークの導入は、新型コロナによって加速しましたが、それ以前からいずれは普及していくことは予想されていました。新型コロナの収束が早期であっても、この流れが逆に向かうことは考えにくいでしょう。確度が高い見通しに基づいた投資判断であれば、目先の動きに振り回されず、長期の資産形成に寄与するのではないでしょうか。

(文=村井英一/家計の診断・相談室、ファイナンシャル・プランナー)

株式相場、空前の高値…投資で今、重要な「わからない見通し」と「確度が高い見通し」

 株式相場が活況です。アメリカのNYダウ平均株価は、新型コロナウイルスによる下落前の水準を超え、史上最高値を更新しています。日本の株式相場も同様で、日経平均株価は29年ぶりの高値を付けました。報道では、新型コロナワクチンの実用化への期待が高まったことを材料に買われたということです。「株価は景気の先を読む」といわれますが、コロナの収束はもう時間の問題なのでしょうか。

結局、理由はなんでもあり

 アメリカの大統領選挙ではジョー・バイデン氏が勝利しましたが、今年の夏ぐらいまでは「トランプ勝利=株高、バイデン勝利=株安」と見られていました。コロナ対策よりも経済活動を優先するドナルド・トランプ大統領に対して、バイデン氏はコロナ対策を重視し、さらに企業や富裕層への増税を公約としていたためです。

 ところが、世論調査でバイデン氏がリードしたまま選挙が近づくと、バイデン勝利で株価は上がるとの見方に変わってきました。バイデン氏が勝つと公共投資が増えるからというのがその理由です。とはいっても、トランプ勝利の場合に株価が下がるわけではなく、「トランプ勝利=株高、バイデン勝利=株高」だというのです。どっちに転んでも株価は上がるというわけで、その“理由”は取って付けたようなものです。

 結局、「上がる理由はなんでもあり」の状態ですが、相場に勢いがついてしまうとこうなります。株価の上昇が続いているときに、株式相場にとって良い材料が出ると上昇にさらに弾みが付きますが、悪い材料が出ても上昇が続くことは少なくありません。「悪材料が出尽くした」とされて、また買われるのです。相場が悪く下落が続いているときは逆で、悪材料はもちろん、好材料が出ても「好材料出尽くし」と売りの要因になってしまいます。

 新型コロナの感染がヨーロッパやアメリカで広がった今年の2月から、アメリカを中心として世界の株式市場は暴落しました。各国で外出が制限され、4-6月期の実質GDP成長率はアメリカが▲31.4%、日本は▲27.8%(いずれも前期比年率換算)となりましたが、2月からの大幅な下落はこれを先取りしたものです。

 そして、3月後半からは急回復となりました。外出制限が徐々に緩和され、7-9月期の実質GDP成長率はアメリカが33.1%、日本は21.4%(いずれも同上)となりましたが、それを見込んだ動きをしたわけです。

 もっとも7-9月の数値が大きいのは、前年比ではなく、前期比を年率に換算したためで、景気が良いとはとてもいえない状況であるのは、誰もが実感するとおりです。株価が上昇に転じるのはともかく、史上最高値や29年ぶりの高値は、実際の経済状況とはかけ離れているのではないでしょうか。

 各国の中央銀行による空前の金融緩和による資金が、株式市場に流れ込んできたことによる影響が大きいと思われます。お金の流れに勢いが付くと、そのこと自体が勢いを加速するように作用します。取って付けたような理由は、その流れを正当化しようとするものでしかありません。

コロナの収束はまだ見通せない

 ワクチンの開発に成功したと製薬会社から発表されましたので、そう遠くないうちに新型コロナは収束するという期待が膨らみます。一方、秋の深まりとともにヨーロッパやアメリカ、そして日本でも感染者数は増加しており、再び経済活動が落ち込む不安もあります。

 どちらが正しいかという問題ではなく、株式相場が好調なときには、不安材料には目をつむり、期待ばかり目が向いてしまう傾向があることに注意が必要です(相場が悪いときは逆です)。エコノミストや経済評論家までもが新型コロナの感染見通しについてコメントをしているのを見かけます。感染症の専門家ですら見解が異なるぐらいですから、経済の専門家のコメントは素人判断にすぎません。今後の新型コロナの感染状況とそれによる経済への影響は「わからない」とするのが、正しい見方ではないでしょうか。

 では、資産運用をする上で、株式相場の投資判断はどのように考えたらよいでしょうか。まず、わからないことについては素人判断をせず、両方の可能性を考えておく必要があります。ワクチンの実用化で新型コロナが収束し、比較的早くに景気が回復する可能性もあれば、感染拡大が続き、外出規制で景気が再び悪化する可能性も考慮しておく必要があります。

 一方、わかっている、あるいは確度が高い見通しもあります。新型コロナが収束しても、生活様式や仕事のスタイルの変化が続くであろうということです。インターネットによる商品の購入やリモートワークの導入は、新型コロナによって加速しましたが、それ以前からいずれは普及していくことは予想されていました。新型コロナの収束が早期であっても、この流れが逆に向かうことは考えにくいでしょう。確度が高い見通しに基づいた投資判断であれば、目先の動きに振り回されず、長期の資産形成に寄与するのではないでしょうか。

(文=村井英一/家計の診断・相談室、ファイナンシャル・プランナー)

リモートワーク時代、スーツの“新基準”…失敗しないためのビジネスファッションの新常識

 誰も夢にも思わなかったコロナ禍が社会を変えている。終焉は見えず“ウィズコロナ”は長期戦となり世界を急変させている。世界中の「旅行産業」「外食産業」が大きな打撃を受けている。

 アパレル産業も例外ではない。グローバル化したサプライチェーンが商品供給体制に多くの課題を残している。都市のロックダウンが売上を激減させ、アパレル産業のキャッシュフローが大打撃を受け、上場企業まで破綻した。今までのように毎シーズン、コレクションの大イベントを開催して情報発信することは、人の移動が制限されるなかでは難しく、新たな模索が続く。

 そして在宅勤務が日常化し、人々のビジネススタイルも変化した。そこで今回は、各場面に最適な新ビジネススタイルのアイテム選びを解説する。

1.他人軸から自分が選ぶ自分軸へ

 これまで仕事着とは、社内外の第三者から見られる印象を良くするためのものだった。男性では世界共通のビジネススーツがユニフォームとなっていたが、世界的に進むファッションのカジュアル化のなかで、コロナ禍は一気にビジネススタイルを変化させた。

 まず、得意先を訪れて対面で打ち合わせる機会が激減した。社内でも会議はリモートに移行している。今まで意識していた第三者目線の他人軸は必要なくなりつつある。ゆえに自分が着てみたい服を自分が選ぶ。つまり選択の軸が他人軸から自分軸に確実に変化している。

2.スーツ、ジャケット着用機会減と選ぶべきアイテム

 コロナ禍までは、誰もが毎朝、満員電車で決まった時間に出社し時間が過ぎると帰宅の途についていたが、その日常が消えた。東京メトロの利用運賃の30%が戻っていない。もちろん、今でも丸の内や新宿の高層ビル街には以前と同じスーツスタイルのビジネスマンはいる。しかし、ビジネススーツのみならずジャケットさえ着用する機会も減っている。最後にネクタイを結んだ日を思い出せない人も多いだろう。

 ウエストが伸縮する素材のパンツ、肩にパッドの入っていないジャケットなどを着用すると、従来の堅苦しいルールから解放されたくなる。従来のスーツスタイルに変わって、一見スーツに見える伸縮機能素材のカジュアルなセットアップ(上着とパンツが自由に選べる販売方法)が主流になりつつある。肩にパッドが入ったテーラードタイプが古く見えだしている。ジャケットも同じく、肩にパッドの入らないアンコンストラクションタイプ(略してアンコン)が増えている。言い方は悪いが、襟の付いたシャツジャケットである。

 特別な場面を除いては、これからも旧来型のスーツジャケットの着用機会は少なくなるだろう。ゆえに、改めてスーツ、ジャケットを着用する場面では、違う愉しみが見つかりそうだ。洋服には和装と違い、年令でのルールはない。和装では、お婆ちゃんと孫が同じ振袖など着ることはありえないが、洋装ならお爺ちゃんと孫が同じネイビージャケットを着ても不思議ではなく、むしろ服装教育ができる。

 筆者の作成した「タカギ式フォーマル度数表」から、イラストで選ぶべきアイテムを参考にしていただきたい。“これでなければならない”というものではなく、標準としてのアイテム選びである。ご自身のワードロープと比較していただければ、わかりやすく、無駄な買い物もなくなる。

3.自宅からのリモート会議の日常化

 自宅では、パジャマから着替えてジャージの上下で一日を過ごす日もあるかもしれない。しかし、服装を着替えることで気分が変わるのは事実である。意識的に自宅内でも仕事の際は着替える習慣を心がけていただきたい。

 リモート会議では、上半身しか見えないので上半身コーディネートとでも呼ぶ新語が生れた。確かにリモート会議なら上半身しか映らないが、会議には相手がいるし、複数人の場合もある。よくカジュアル化で誤解されるのだが、だらしなさとカジュアルは別軸であるし、清潔感は社会人としては当然のマナーである。各アイテムにもフォーマル度数と呼ぶ尺度が存在し、相性がある。Tシャツよりポロシャツ、ポロシャツよりワイシャツとフォーマル度数が上がり、相手に与える“キッチリ感”も上がってゆく。自分軸とはいえ、会議相手に相応しいフォーマル度数アイテムをリモートだからこそ選んでいただきたい。

まとめ

 男性のビジネススタイルには、歴史的にも長いルールが存在する。カジュアル化は止まらない。イギリス紳士の日常着であったモーニングは現在、もっともフォーマルな装いとなっている。だがカジュアル化が進んでも、基本的なルールはビジネスマンの素養のひとつとして身につけておきたい。

(文=たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表、東京モード学園講師)

リモートワーク時代、スーツの“新基準”…失敗しないためのビジネスファッションの新常識

 誰も夢にも思わなかったコロナ禍が社会を変えている。終焉は見えず“ウィズコロナ”は長期戦となり世界を急変させている。世界中の「旅行産業」「外食産業」が大きな打撃を受けている。

 アパレル産業も例外ではない。グローバル化したサプライチェーンが商品供給体制に多くの課題を残している。都市のロックダウンが売上を激減させ、アパレル産業のキャッシュフローが大打撃を受け、上場企業まで破綻した。今までのように毎シーズン、コレクションの大イベントを開催して情報発信することは、人の移動が制限されるなかでは難しく、新たな模索が続く。

 そして在宅勤務が日常化し、人々のビジネススタイルも変化した。そこで今回は、各場面に最適な新ビジネススタイルのアイテム選びを解説する。

1.他人軸から自分が選ぶ自分軸へ

 これまで仕事着とは、社内外の第三者から見られる印象を良くするためのものだった。男性では世界共通のビジネススーツがユニフォームとなっていたが、世界的に進むファッションのカジュアル化のなかで、コロナ禍は一気にビジネススタイルを変化させた。

 まず、得意先を訪れて対面で打ち合わせる機会が激減した。社内でも会議はリモートに移行している。今まで意識していた第三者目線の他人軸は必要なくなりつつある。ゆえに自分が着てみたい服を自分が選ぶ。つまり選択の軸が他人軸から自分軸に確実に変化している。

2.スーツ、ジャケット着用機会減と選ぶべきアイテム

 コロナ禍までは、誰もが毎朝、満員電車で決まった時間に出社し時間が過ぎると帰宅の途についていたが、その日常が消えた。東京メトロの利用運賃の30%が戻っていない。もちろん、今でも丸の内や新宿の高層ビル街には以前と同じスーツスタイルのビジネスマンはいる。しかし、ビジネススーツのみならずジャケットさえ着用する機会も減っている。最後にネクタイを結んだ日を思い出せない人も多いだろう。

 ウエストが伸縮する素材のパンツ、肩にパッドの入っていないジャケットなどを着用すると、従来の堅苦しいルールから解放されたくなる。従来のスーツスタイルに変わって、一見スーツに見える伸縮機能素材のカジュアルなセットアップ(上着とパンツが自由に選べる販売方法)が主流になりつつある。肩にパッドが入ったテーラードタイプが古く見えだしている。ジャケットも同じく、肩にパッドの入らないアンコンストラクションタイプ(略してアンコン)が増えている。言い方は悪いが、襟の付いたシャツジャケットである。

 特別な場面を除いては、これからも旧来型のスーツジャケットの着用機会は少なくなるだろう。ゆえに、改めてスーツ、ジャケットを着用する場面では、違う愉しみが見つかりそうだ。洋服には和装と違い、年令でのルールはない。和装では、お婆ちゃんと孫が同じ振袖など着ることはありえないが、洋装ならお爺ちゃんと孫が同じネイビージャケットを着ても不思議ではなく、むしろ服装教育ができる。

 筆者の作成した「タカギ式フォーマル度数表」から、イラストで選ぶべきアイテムを参考にしていただきたい。“これでなければならない”というものではなく、標準としてのアイテム選びである。ご自身のワードロープと比較していただければ、わかりやすく、無駄な買い物もなくなる。

3.自宅からのリモート会議の日常化

 自宅では、パジャマから着替えてジャージの上下で一日を過ごす日もあるかもしれない。しかし、服装を着替えることで気分が変わるのは事実である。意識的に自宅内でも仕事の際は着替える習慣を心がけていただきたい。

 リモート会議では、上半身しか見えないので上半身コーディネートとでも呼ぶ新語が生れた。確かにリモート会議なら上半身しか映らないが、会議には相手がいるし、複数人の場合もある。よくカジュアル化で誤解されるのだが、だらしなさとカジュアルは別軸であるし、清潔感は社会人としては当然のマナーである。各アイテムにもフォーマル度数と呼ぶ尺度が存在し、相性がある。Tシャツよりポロシャツ、ポロシャツよりワイシャツとフォーマル度数が上がり、相手に与える“キッチリ感”も上がってゆく。自分軸とはいえ、会議相手に相応しいフォーマル度数アイテムをリモートだからこそ選んでいただきたい。

まとめ

 男性のビジネススタイルには、歴史的にも長いルールが存在する。カジュアル化は止まらない。イギリス紳士の日常着であったモーニングは現在、もっともフォーマルな装いとなっている。だがカジュアル化が進んでも、基本的なルールはビジネスマンの素養のひとつとして身につけておきたい。

(文=たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表、東京モード学園講師)

竹中平蔵が『朝生』で炎上! 利益相反を追及され大ウソ言い訳、コロナでも「重症430名で医療崩壊するわけない」と現実無視の暴論

 また竹中平蔵・パソナグループ会長が炎上している。竹中氏といえば、10月30日放送の『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)で「正規雇用と言われるものはほとんど首を切れないんですよ」「首を切れない社員なんて雇えないですよ普通」「それで非正規をだんだんだんだん増やしていかざるを得な...

パチンコホール向けシステム開発最大手「極めて厳しい状況」!? 情報システム事業は健闘も…

 パチンコホール向けコンピューターシステムの開発・製造・販売、パチンコ遊技機の表示・制御ユニット及びパチスロ遊技機の製造などを手掛ける業界大手のダイコク電機(東証1部・名証1部:6430)は11月12日、2021年3月期第2四半期の連結決算を発表した。

 これによると、売上高は前年同期比40.7%減の110億6000万円、営業損失は2億2400万円、経常損失は1800万円、純損失は4800万円。前年同期比は売上高186億4300万円、営業利益は13億200万円、経常利益14億2100万円、純利益は9億1200万円だった。

 同社は当期間について、「わが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内外の経済活動は停滞し、景気は大幅に悪化」と説明。「緊急事態宣言解除後には政府の経済対策効果もあり、個人消費に一部持ち直しの動きがみられるものの、景気回復の足取りは鈍く、極めて厳しい状況」とした。

 パチンコ業界については、「2020年9月度におけるパチンコホールの稼働状況は前年同比約80%まで回復したが、緊急事態宣言解除後より継続した回復基調も踊り場に差し掛かった感があり、ファンの回帰傾向は鈍化」と判断。パチンコホール経営企業においては、「旧規則機の撤去期限が一部延長されたこともあり、新規則遊技機への置換に慎重な姿勢が継続している」とした。

 このような市場環境のもと、情報システム事業は、昨年6月にリリースした新製品AIホールコンピューター「X(カイ)」の提案を行い、既存ホールコンピューター「CⅡ」からのシステムアップによる入替を推進。7月には今年で17回目を迎えた「DK-SIS白書」2020年版(2019年データ)発刊の記者発表会を実施した。

 また、業界初となるオンライン形式の「MIRAIGATE2020web展示会&セミナー」を開催。例年の2倍以上のパチンコホール経営企業者が参加したセミナーでは、「遊タイム」搭載パチンコ遊技機の最適なデータ表示や、ファンに安心感を提供する新型コロナウイルス感染症対策など、業績向上につながる改善策を提案した。

 制御システム事業においては、パチスロ遊技機の受託開発や販売製品の事業領域を拡大する活動を推進するとともに、表示ユニットの低コスト化に向けた技術及び部品の調査研究に尽力。休業や在宅勤務等の新型コロナウイルス感染症への対策が徐々に緩和されて開発が本格化した遊技機メーカーの動きに合わせ、販売スケジュールへの影響を最小限に抑えるべく、リソースの再分配や工程の見直し等に積極的に取り組んだ。

 今後の戦略としては、「状況の変化に臨機応変に対応しつつ、将来を見据えた取組みを実施する」とし、情報システム事業では先述のAIコンピューター「X(カイ)」と、商圏分析サービス「Market-SIS」の普及に注力するとのこと。制御システム事業ではパチスロの一括受託開発による事業領域の拡大をテーマに上げた。

 2021年3月期通期の連結業績予想については、「新型コロナウイルス感染症拡大の懸念が依然として続き、現時点で終息時期の見通しは立っていないことから、今後の当社グループの業績に与える影響は不透明」とし、2021年5月21日に発表した数値からの修正はなかった。

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 これによると、売上高は前年同期比40.7%減の110億6000万円、営業損失は2億2400万円、経常損失は1800万円、純損失は4800万円。前年同期比は売上高186億4300万円、営業利益は13億200万円、経常利益14億2100万円、純利益は9億1200万円だった。

 同社は当期間について、「わが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、国内外の経済活動は停滞し、景気は大幅に悪化」と説明。「緊急事態宣言解除後には政府の経済対策効果もあり、個人消費に一部持ち直しの動きがみられるものの、景気回復の足取りは鈍く、極めて厳しい状況」とした。

 パチンコ業界については、「2020年9月度におけるパチンコホールの稼働状況は前年同比約80%まで回復したが、緊急事態宣言解除後より継続した回復基調も踊り場に差し掛かった感があり、ファンの回帰傾向は鈍化」と判断。パチンコホール経営企業においては、「旧規則機の撤去期限が一部延長されたこともあり、新規則遊技機への置換に慎重な姿勢が継続している」とした。

 このような市場環境のもと、情報システム事業は、昨年6月にリリースした新製品AIホールコンピューター「X(カイ)」の提案を行い、既存ホールコンピューター「CⅡ」からのシステムアップによる入替を推進。7月には今年で17回目を迎えた「DK-SIS白書」2020年版(2019年データ)発刊の記者発表会を実施した。

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 制御システム事業においては、パチスロ遊技機の受託開発や販売製品の事業領域を拡大する活動を推進するとともに、表示ユニットの低コスト化に向けた技術及び部品の調査研究に尽力。休業や在宅勤務等の新型コロナウイルス感染症への対策が徐々に緩和されて開発が本格化した遊技機メーカーの動きに合わせ、販売スケジュールへの影響を最小限に抑えるべく、リソースの再分配や工程の見直し等に積極的に取り組んだ。

 今後の戦略としては、「状況の変化に臨機応変に対応しつつ、将来を見据えた取組みを実施する」とし、情報システム事業では先述のAIコンピューター「X(カイ)」と、商圏分析サービス「Market-SIS」の普及に注力するとのこと。制御システム事業ではパチスロの一括受託開発による事業領域の拡大をテーマに上げた。

 2021年3月期通期の連結業績予想については、「新型コロナウイルス感染症拡大の懸念が依然として続き、現時点で終息時期の見通しは立っていないことから、今後の当社グループの業績に与える影響は不透明」とし、2021年5月21日に発表した数値からの修正はなかった。

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