JRA杉本清「前の2頭なんてどうでもいい!」コントレイル馬主の“脇役”の歴史。史上初、年度代表馬に選ばれなかった三冠馬……屈辱の「迷実況」から29年

 6日、JRAは『2020年度JRA賞』の各部門受賞馬を発表。年度代表馬にはアーモンドアイが選出され、最優秀3歳牡馬を満票で受賞したコントレイル(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、牡馬三冠を達成しながらも年度代表馬に選ばれなかった史上初めての馬になった。

 無論、矢作調教師や福永祐一騎手ら関係者にとっては残念だろうが、「世紀の一戦」と称された昨年11月のジャパンCを直接対決で敗れたのだから、納得といったところだろう。

 ちなみに年度代表馬投票ではコントレイルの44票に対して、アーモンドアイは236票と圧倒的な差をつけられた。ジャパンCでは1馬身1/4差だったが、結果的に大きく明暗を分けることとなった。

 言ってしまえば、コントレイルは歴史の不幸な“犠牲者”になったといえるだろう。だが、筆者の勝手な思い込みで恐縮だが、コントレイルを生産した「ノーヒルズ」にとっては、なんとも「らしい」と言えなくもない。

 はっきり言ってノーヒルズの物語は、競馬界の名脇役の歴史だ。

 1984年に前田幸治さんが「日本一美しい牧場をつくる」という意気込みで前身となるマエコウファームを開設。今でこそオーナーブリーダーとして日本屈指の名門に上り詰めたが、その歴史は常に競馬界の絶対王者・社台グループの間隙を縫うような活躍に過ぎなかった。

 1998年にファレノプシスで初のG1制覇(桜花賞)を飾ってから、皐月賞馬ノーリーズン、牝馬ながらに天皇賞を勝ったヘヴンリーロマンス、宝塚記念を勝ったアーネストリーなど、ノーヒルズ軍団の活躍馬を挙げれば枚挙に暇がない。

 しかし、ヴィクトワールピサが日本競馬史上初のドバイワールドカップ制覇を成し遂げた2011年。東日本大震災に揺れた日本へ競馬が明るいニュースを届けたものの、トランセンドがその2着に甘んじるなど、ノースヒルズにはどこかバイプレーヤー的なイメージが付きまとうのだ。

 そんなノースヒルズの名脇役の歴史の始まりといえる象徴的な珍事が、1992年の産経大阪杯(当時G2)の“迷”実況だ。

「前の2頭なんてどうでもいい――」

 この年の大阪杯におけるファンの視線は、前年に無敗で春二冠を達成しながら無念の故障離脱となったトウカイテイオーに注がれていた。ここまでデビュー6連勝、日本ダービー以来の出走となった本馬だが、単勝は1.3倍というズバ抜けた人気だった。

 それもそのはず。次走に予定されている天皇賞・春では、現役No.1ステイヤーのメジロマックイーンが待ち受けていた。この戦いは後に「世紀の一戦」と呼ばれ、つまりは昨年のジャパンCに匹敵する注目度だったのである。その前哨戦となる大阪杯は「トウカイテイオーが、どう勝つのか」だけが多くのファンの興味だった。

 そして、そんなファン心理を代弁したのが、レースの実況を担当した杉本清さんだ。

 最後の直線を迎えた際、カメラは必然的に先頭を争うイクノディクタスとゴールデンアワーを大写しにした。しかし、ファンの興味は、やはりトウカイテイオーに尽きる。そこで杉本さんが思わず「前の2頭なんてどうでもいい!」と叫んだのだ。

 結果的にレースはトウカイテイオーが復活の勝利を挙げ、杉本さんの実況はまさにファンの気持ちを代弁することとなった。

 しかし、一方で「どうでもよくなかった」のが、イクノディクタスとゴールデンアワーの関係者たちだろう。ゴールデンアワーは、後にコントレイルで三冠オーナーとなる前田晋二さんの所有馬だったのだ。後に、杉本さんは前田さんから「ウチの馬も出てたんだよ……(笑)」とお叱りを受けたという。

 そんな前田さんにとってコントレイルの出現は、まさに待ち焦がれた競馬界の主役になれる存在だ。

 本馬を管理する矢作芳人調教師は、7冠馬ディープインパクトの正統後継種牡馬として、父に並ぶべく「あと3つはG1を勝ちたい」と公言している。「日本一美しい牧場」から「日本一素晴らしい牧場」へ、取り逃がしてしまった年度代表馬の座は、2021年の最大のテーマとなるだろう。(文=浅井宗次郎)

JRAグラスワンダー以来の特別賞……。春秋グランプリ制覇クロノジェネシスが“無冠回避”も、「21年前」とは大きな変化が!?

 6日、JRAは「2020年度JRA賞競走馬部門」の受賞馬を発表した。

 年度代表馬はG1・3勝を挙げ、史上初となる芝G1・9勝を達成したアーモンドアイが受賞。安田記念(G1)でアーモンドアイを破り、G1・3勝を挙げたグランアレグリアは最優秀短距離馬に輝いた。

 昨年の競馬界はまさに牝馬が大活躍した1年だった。古馬芝G1は天皇賞・春を除いて、すべて牝馬が優勝。牡馬として唯一のタイトルを守ったフィエールマンが最優秀4歳以上牡馬に輝いたことからも、牝馬は非常にハイレベルな争いとなった。

 それを象徴するのが特別賞を受賞したクロノジェネシス(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だ。

 特別賞とは特別に表彰すべき対象がある場合に臨時に設けられるもので、2016年に受賞したモーリス以来4年ぶりの受賞である。

 この年はキタサンブラックが年度代表馬と最優秀4歳以上牡馬を受賞したものの、モーリスも海外G1・2勝、天皇賞・秋の優勝が評価されて特別賞となった。これ以前には8歳馬として史上初の平地競走G1を勝ったカンパニー、日本産馬初の海外G1を制したステイゴールドなども受賞している。

 大活躍したがJRA賞の受賞に至らなかった馬、もしくは歴史的な記録を達成した馬に与えられるのが特別賞というわけだ。
 
 昨年のクロノジェネシスは5戦3勝という成績で、春秋グランプリ制覇を達成。敗れたレースも大阪杯(G1)の2着、天皇賞・秋(G1)の3着と、安定した走りだった。

 しかし、今年の牝馬はアーモンドアイ、グランアレグリアがそれぞれG1・3勝を挙げる大活躍ということで、最優秀4歳以上牝馬の投票ではクロノジェネシスに1票も入らないという事態が発生。だが、春秋グランプリ制覇という点が評価されて特別賞が与えられることになった。

 これまでに同一年の春秋グランプリ制覇(グレード制導入後)を達成した馬は以下の通りである。

1989年 イナリワン
1992年 メジロパーマー
1999年 グラスワンダー
2000年 テイエムオペラオー
2006年 ディープインパクト
2009年 ドリームジャーニー
2019年 リスグラシュー

 ほとんどの馬が年度代表馬に輝いており、落選したドリームジャーニーも最優秀4歳以上牡馬を受賞している。この中で唯一、特別賞を受賞したのがグラスワンダーだった。

 この年、5戦4勝で春秋グランプリ制覇を達成したグラスワンダー。年度代表馬を受賞してもおかしくない成績である。しかし、年度代表馬と最優秀4歳以上牡馬を受賞したのは、年間一度も日本で走っていないエルコンドルパサーだった。

 前年にフランスのジャック・ル・ マロワ賞(G1)を制したタイキシャトルが年度代表馬に選出された流れもあり、日本馬初となる凱旋門賞(G1)で2着という大健闘が票を集めたのだった。

 ちなみに、この年は天皇賞の春秋制覇を達成したスペシャルウィークも特別賞を受賞。4歳牡馬が競馬界を盛り上げた1年であったことがよくわかる。

 あれから21年、クロノジェネシスの特別賞受賞は対照的に「牝馬時代」を象徴するものとなったようだ。

「脱ガソリン車」で菅首相の“盟友”日本電産・永守会長、EV用モーターに1兆円投資

 2020年12月23日、菅義偉首相は自民党の木村弥生衆院議員、日本電産永守重信会長と会食した。木村議員は日本看護協会政策秘書室長を務めた看護師。17年の衆院選で、選挙区を鞍替えして京都3区から立候補したが、落選し、比例区で復活当選した。菅氏を支援する無所属議員の集まり「令和の会」のメンバー。菅政権の誕生により、20年10月、自由民主党副幹事長に就任した。永守会長は木村議員の支援者である。

 菅首相と永守会長は脱炭素で歩調を合わせている。菅首相は10月26日の所信表明演説で「経済と環境の好循環」を成長戦略の柱に掲げた。温暖化対策として50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする脱炭素社会の実現を目指すと述べた。これを受けて経済産業省は30年代半ばに、国内の新車販売は電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などガソリン車以外にする目標の設定に向けた議論を始めた。

 次世代車の導入では英国が2030年までにガソリン車とディーゼル車の新車販売の禁止を決めるなど欧州が先行。中国や米カリフォルニア州も35年までにガソリン車の新車販売を全廃する方針を打ち出している。欧州委員会は30年の温室効果ガス排出削減目標を1990年比で55%とする計画。カリフォルニア州はすべての新車を排ガスを出さない「ゼロエミッション車」にする。

EV用駆動モーターに1兆円投資

 世界的な脱炭素の機運の高まりを追い風に、日本電産は車載事業で攻勢を強め、EV用駆動モーターに最大1兆円規模の投資を行う。永守会長は20年10月26日、オンライン決算説明会で「この事業は50年計画。シェア45%。1兆円の利益を出すような事業」と強調した。

 駆動モーターはガソリン車のエンジンにあたるEVの基幹部品だ。日本電産はモーターとギア、インバータなどを組み合わせたシステム製品「E-Axle(イーアクスル)」を開発し、19年から量産を始めた。これまでに中国の広州汽車集団や吉利汽車系の大手自動車メーカーに採用された。

 攻めの経営を打ち出せるのは業績が急速に回復してきたからだ。日本電産はコロナ禍で稼ぐ力を高めた。20年4~6月期の連結決算(国際会計基準)の売上高は前年同期比7%減の3368億円だった。新車販売台数が低迷したため、車載部品が567億円と25%減少した。ハードディスクドライブ用モーターなど精密小型モーター事業も1044億円で3%減だった。搬送用ロボットなど機器装置事業は6%減の357億円。新型コロナの感染拡大に伴う設備投資の減退の影響を受けた。

 こうした最中でも、本業の儲けを示す営業利益は2%増の281億円だった。営業増益を確保できたのは、新型コロナを契機に構造改革に取り組んでいるからだ。世界の生産拠点で部品の内製化や共通購買の推進、生産ラインの統合などの合理化を進めてコスト削減に努めた。

「連結売上高がピーク時から半減しても営業の黒字化を死守する」「連結売上高がピーク時の75%でピーク時と同水準の営業利益率を確保する」を合言葉にしている。4~6月期の売上高営業率は8.3%。コロナ前の前年同期の7.7%を上回った。20年7~9月期の売り上げは同6%増の4149億円、営業利益は20%増の410億円。営業利益率は9.9%で前年同期の8.7%から1.2ポイント伸ばした。

 収益力が確実についたことで21年3月期の業績予想を上方修正した。売上高は従来予想(1兆5000億円)を500億円引き上げ1兆5500億円、営業利益は150億円上乗せして1400億円とした。営業利益率は9.0%だ。当期利益も従来予想(1000億円)から50億円増え1050億円となる。

 コスト削減で収益力を高めたことに自信を深め、EV用モーターの1兆円投資に挑む。新型コロナによる「巣ごもり消費」でデータセンター向けのHDD用モーターが好調。在宅勤務の拡大でノートパソコンなどに使う超小型モーターの出荷が過去最高となった。

 永守会長はEV用モーターの世界シェアを30年に40~45%へ高める方針を表明。「過去の経済悪化と異なり市場が回復しても需要が元に戻ることはない」と指摘し、「これからは変化に追随できる企業だけが生き残る」と明言した。

経営トップのスカウトは今後も続くのか

 永守氏は後継者として、ライバル企業などから、さまざまな人物をスカウトしてきたが、お眼鏡に適わず、皆、辞めていった。20年4月、日産自動車の副最高執行責任者(COO)の関潤氏をヘッドハンティングして社長COOに就けた。「変化に追随できる」ことを期待してのトップ人事だった。

 関社長は20年12月23日付読売新聞のインタビューで、「23年までに従業員の年収を平均3割増やす」方針を明らかにした。世界的に脱炭素の機運が高まり、EV用モーターを中心に需要が見込まれるためで、待遇改善で優秀な人材を確保する狙いがある。関氏は企業の合併・買収(M&A)を積極的に進める意向を示し、候補は「20社程度ある」ことを明かした。自動車メーカーとの協業も広げる方針で、「将来的に自前でモーターを作る自動車メーカーはなくなる」とした。

 東京証券取引所の20年大納会(12月30日)の終値の時価総額ランキングで、日本電産(7兆7397億円)は9位につけ、初のベスト10入りを果たした。エレクトロニクス企業ではキーエンスが3位(14兆1060億円)、ソニーが4位(12兆9699億円)。日本電産はこれに続く。村田製作所(16位)、ファナック(24位)、自動車部品の最大手、デンソー(25位)を引き離している。

 自動車業界ではトヨタがダントツの1位(25兆9636億円)で、ホンダ(5兆2123億円、23位)が2番手である。日本電産はノーカーボン時代のEV関連銘柄として期待が高まっている。

(文=編集部)

「ポジティブデビアンス」のススメ。現場に埋もれたイノベーションを探し出せ!

「企業文化変革は、経営が掲げた理念・ビジョンの効果的な浸透によって実現する」

それが、インターナルコミュニケーションの定石です。
しかし、変革の起点は常に経営サイドなのでしょうか?「経営が見たい景色」にこだわるあまり、現場で起きている「草の根の変革」を見逃しているとしたら?

コロナ禍の出口が見えず、組織のあり方にも大きな変容が迫られる中、改めて注目が高まる「インターナルコミュニケーション」についての本連載。2021年最初の記事となる今回は、応用編ともいえる、「現場から始まる変革」がテーマです。

「ポジティブデビアンス」というアプローチ

  • 目標と現状のギャップを分析し、足りない部分を埋めることで解決を図る
  • 成功している企業・組織のベストプラクティスを参考にして、自社に導入する
  • トップダウンで推進する

通常は、上記のようなアプローチで変革に取り組むのが一般的です。

しかしそれは、現場の従業員の気持ちに立つと「今の現場のパフォーマンスは不十分である」「外部の成功事例を学んで、変わるべき」というメッセージが暗黙のうちに込められているとも受け取れます。「やらされ感」にもつながり、場合によっては、変革への心理的抵抗の一因になることがあります。

それに対して、すでに現場に存在する「片隅の成功者」に着目するのが「ポジティブデビアンス」(Positive Deviance=ポジティブな逸脱)と呼ばれるアプローチです。

「他の人たちと同じような困難を抱えていて、しかもリソースに恵まれているわけでもないのに、他とは違っためずらしい行動(PD行動)をすることで、問題を解決している人」

を見つけ出し、そのやり方を広げることで変革を図る手法です。

ポジティブデビアンスは、従来のやり方ではうまく解決できなかった問題に新たな視点を与え、短期間に、かつ低コストで大きな効果を発揮することが期待できるアプローチとして、注目されています。

5万人の低栄養状態の子どもたちを救った「ポジティブな逸脱」

ポジティブデビアンスが注目されるきっかけとなった成功事例が、1990年からNGOセーブ・ザ・チルドレン(SC)のアメリカ支部によって推進された、ベトナムにおける子どもの栄養状態の改善プログラムです。

当時のベトナムは、台風による穀物の壊滅的な被害などによって、5歳以下の子どもたちの約65%が、深刻な栄養不足に苦しむ事態になっていました。しかし、支援を申し入れたSCに対するベトナム政府からの要望は「6カ月間で予算を使わずに解決すること」という非常にハードルの高いものでした。

しかし、そのような厳しい環境の中で、プロジェクトリーダーのスターニン夫妻は、以下のような問いを立てることでブレークスルーを見いだします。

「非常に貧しい家庭にもかかわらず、例外的に栄養状態の良い子どもはいないだろうか?」

そのような問題意識のもと調査を進めた結果、少数ですがそのような子どもたちを発見することができました。そして、他とは違ったどのような行動が見られるかを観察したところ、家庭におけるPD行動を複数発見しました。例えば、下記のような行動です。

  • 通常は食べる風習のない、田んぼの中にいる小エビやカニを食事として与えていた
  • 朝晩2回の食事が一般的な習慣であったが、4~5回に分けて食事をさせていた
  • 食事の前に手を洗う習慣が定着していた

そして、これらの行動について農村の人たちに気付きを与え、普及させていくことで、ベトナム政府に定められた6カ月という短期間で大きな成果を上げました。さらにその取り組みを全国的に拡大していくことで、結果的に7年間で約5万人の子どもたちの深刻な低栄養状態を改善したのです。

外部の専門家が食料を供給するだけでは、持続的な改善効果に限界がありました。農村の人たちが無理なく導入できる行動について、自ら気づき、広める場を提供したことで、低いコスト、少ない労力で大きな成果を上げることができたのです。

ポジティブデビアンスは現在、発展途上国の社会課題解決の支援のみならず、公衆衛生、企業の組織文化変革、営業改革などの領域において、導入が進んでいます。

「ポジティブデビアンス」推進における三つのポイント

PD行動を正確に特定し、効果的に普及させるためには、下記の3点に留意することが必要です。

① PD行動は、その組織特有のものである
ある組織で有効に機能したPD行動が、他でも適用できるとは限りません。あくまでPD行動は、そのコミュニティー固有の文脈の中で見いだされるものです。正確なデータの取得、精緻な行動観察が必須となります。

② PD行動は、その組織の人たちが自ら発見する
ある行動が、その組織内の習慣、文化において「ポジティブな逸脱」であるかどうかは、当然ですが、その中にいる人たちでないと分かりません。外部の専門家が普及すべき行動を「押し付ける」やり方ではなく、「自ら発見する」プロセスを通して、能動的に普及させていくモチベーションを高めていくことができるのです。

③ PD行動は、その当事者自らが普及させていく
変革につながる行動を発見したとしても、それらを組織の上層部が集約し、トップダウンで全体に号令していくやり方では、効果的に行動の変容を促すことはできません。あくまで当事者および「現場」の人たち同士で伝え合い、対話することによって「横に広げていく」手法を検討することが必要です。

「ポジティブデビアンス」が有効に機能する課題

それでは、ポジティブデビアンスは、どのような場面で特に効果を発揮するのでしょうか。

リーダーシップ研究の第一人者であるハーバード大学のロナルド・ハイフェッツ氏は、組織における課題を「技術的問題」(technical problem)と「適応課題」(adaptive challenge)の2種類に分類しています。

図:「技術的問題」と「適応課題」
「技術的問題」と「適応課題」

ポジティブデビアンスは、特に「適応課題」に対して有効であるとされています。ある課題の解決に向けて、技術革新だけではうまく効果が出ない、その組織特有の習慣や価値観に基づく行動の変容が必要な状況において、有効なアプローチであるといえるでしょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が急務である日本企業。新しいテクノロジー、ツールの導入が注目されがちですが、組織文化との葛藤や、部門間のリレーションが原因で思うように効果が出ない、という課題もよく耳にします。

「現場に埋もれたイノベーション」を見つけ出す。スター社員やリソースに恵まれた部門だけでなく、「どこにでもいる人たちのちょっとした工夫」を現場発で広げていく。「片隅の成功者」は、皆さんの組織の中にも、きっと存在するはずです。

参考文献:
・Richard Pascale, Jerry Sternin, Monique Sternin“The Power of Positive Deviance: How Unlikely Innovators Solve the World's Toughest Problems”,Harvard Business Review Press,2010
・『図解 組織を変えるファシリテーターの道具箱』森時彦編著、伊藤保/松田光憲著(ダイヤモンド社)

 

新型コロナ・ワクチン、自分が接種するかを判断するチェックポイント…重症化のリスクも

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなか、米製薬大手ファイザーとドイツのビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンの接種が昨年12月14日(アメリカ現地時間)から始まった。日本でもワクチン接種を待ち望む声が日に日に高まる一方で、アメリカのあまりにも早い承認に懐疑的な声もある。ワクチン接種は任意だ。納得のいく選択をするためには、ワクチンを正しく理解することが不可欠となる。そこで、中山哲夫 北里大学 大村智記念研究所(旧北里生命科学研究所) ウイルス感染制御学研究室 Ⅱ 特任教授に聞く。

――中山先生は、2024年から新千円札の肖像となる“日本の細菌学の父”である北里柴三郎博士が設立された北里生命科学研究所の所長も務められた、ウイルス学の大家でいらっしゃいます。このたび、一般の方に向けて、コミック『感染症とワクチンについて専門家の父に聞いてみた』(KADOKAWA/娘さんの消化器外科医・漫画家さーたりさんとの共著)を発行され、たちまち重版になり話題を呼んでいます。一般の人は、ワクチンと言われてもわかるような、わからないような存在です。

中山 超ざっくりと説明しますね。病原体を敵とするならば、病原体から守ったり、やっつけてくれる防衛軍を誘導するのがワクチンと思っていただければ。一般の方には「ワクチン=予防接種」というと、イメージがつきやすいかもしれません。ワクチンには大きく分けて“不活化(ふかつか)ワクチン”と“生ワクチン”の2種類があります。

――どう違うのですか。

中山 不活化ワクチンとは、感染性がなくなったウイルスや成分からなるワクチンで、全身反応は少ない反面、値段が高く、効果が短いので複数回の接種が必要です。一方、生ワクチンは弱毒化した病原体そのものを軽く感染させるワクチンで、値段が安く、効果が長持ちするといった強いメリットはありますが、接種希望者の免疫が低下していると打てなかったり、体内で増加するため発熱したりします。こちらも複数回接種するものもあります。それぞれの特性を活かして、日本脳炎や破傷風などに不活化ワクチンを、BCGや風疹などに生ワクチンを接種しています。新型コロナウイルスワクチンには不活化ワクチンと生ワクチンの両方のタイプが開発されているようです。

――先生の著書には、ワクチンを接種しなかった場合の悲劇も紹介されています。例えば、風疹の二次被害です。妊娠1カ月で風疹に感染した母親からは50%の確率で、妊娠2カ月なら35%の確率で、新生児が先天性風疹症候群(CRS)として誕生しているとあります。

中山 CRSの3 大徴候は白内障、難聴、心臓の奇形です。心臓の奇形と白内障は妊娠3カ月以内の母親からの感染で発症しますが、難聴は妊娠3カ月以内に限らず、しかも高度難聴になるケースも少なくありません。それ以外にも、発育遅延、精神発達遅延、小眼球などさまざまな障害を持った子供が出生しています。

 アメリカで大流行した関係で、日本では1964年~1965年の2年間に沖縄で408例のCRSが出生しています。近年でも2012年~2013年の流行に際して45人のCRSが出生しました。2018年~2019年にも風疹が流行し5人のCRSが出生しています。風疹患者の3分の2はワクチン未接種の男性で、1962年~1976年生まれの男性は風疹ワクチンの接種機会がなく、抗体を測定して陰性ならワクチン接種が無料でできます。

――著書によると2015年に日本は麻疹排除状態と認められたとありますから、もう心配ないのではないでしょうか。

中山 それは大きな誤解です。日本土着の麻疹ウイルスがなくなっただけで、根絶したわけではないからです。事実、海外から麻疹ウイルスが入ってきて、散発的に流行を起こしてきました。2018年には台湾からの観光客によって沖縄に麻疹が持ち込まれ、全国的に拡散する輸入感染が起こりました。またいつ麻疹が流行するかわかりません。今は、麻疹ワクチンと風疹ワクチンが一緒になったMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)が開発されています。2回接種すればウイルスの感染を抑える抗体ができます。ワクチンを接種すれば病気を防ぎ、助かる命があることは、ぜひとも知っていただきたいですね。

――ワクチンを接種すれば、必ず予防ができ、軽症化できるのでしょうか。

中山 誤解していただきたくないのですが、1回の接種で抗体ができるタイプばかりではなく、生ワクチンでも複数回接種しなければならないワクチンもあります。本にも紹介しましたが、孫娘は水痘ワクチンを一度接種し、次の接種までの間に水痘に罹ってしまいました。水痘、ムンブス(おたふくかぜ)、ロタウイルスワクチンは生ワクチンですが、複数回の接種が必要です。不活化ワクチンは有効な感染防御レベルを維持するためには追加接種を忘れないようにしてください。

承認されるワクチンの条件

――改めて、ワクチンを接種するメリットを確認させてください。

中山 ワクチンの目的は感染の予防および重症化を予防することです。二次的には接種を希望する方の周囲に伝播するリスクを防止することにもなります。天然痘のようにワクチンによって地球上から根絶できた例もあります。個人の防衛の積み重ねが社会全体の疾病を抑制できることに加え、医療費の抑制にもつながります。

――新型コロナウイルスによって日本人は3000人以上、世界では死者180万人以上が亡くなっています。ワクチンを待望する声が高まっていますが、日本での新型コロナウイルスワクチンは、どんなものになりそうですか。

中山 製薬会社名で申し上げると、95%の効果が得られたとしてアメリカで昨年12月14日(現地時間)から接種が始まったファイザー、同じくアメリカのモデルナ、イギリス最大手の製薬会社アストラゼネカ、国内でいえば大阪大学と共同開発しているアンジェスなどが候補として挙がっています。昨年、ファイザー日本法人は10月20日から、アンジェスでは12月8日から治験を開始しました。また、塩野義製薬はスパイク蛋白を精製したウイルス様粒子(VLP)ワクチンを開発し接種試験が始まっています。モデルナは武田薬品工業が治験を担当しますが、こちらもほどなく実施予定のようです。

――承認されるワクチンの条件には、どんなことが求められるのでしょうか。

中山 安全性とともに免疫能(抗体)が持続して効果があるとされる期間です。こうしたことをいくつもの段階を経て検証していくのが治験です。日本の場合は、治験が終了すると、厚労省に申請して最終判断を仰ぎます。認められたら製造開始となり、医療機関などで接種をスタートします。接種後も、接種者に副反応などがあったり、あるいは効果がないとのデータがあれば、適宜、承認を見直すことになります。

――衆議院本会議では昨年11月10日に新型コロナウイルスのワクチンを国の全額負担で接種する体制を整備する予防接種法改正案が審議入りしました。菅義偉首相は「来年前半までにすべての国民に提供できる量を確保する」と表明しています。日本ではいつ頃、承認され、接種がスタートするのでしょうか。

中山 すでに治験が始まっているものもあり、早いものでは3月ぐらいに結果が出るかもしれません。国も新型コロナワクチンウイルスの承認は優先的に行うでしょうから、2月との見方もあります。

接種には科学的な判断が必要

――ワクチンが待望される一方で、気になるデータがあります。米国研究製薬工業協会の「ワクチンファクトブック2012」に、米国での許可取得から、日本における認可取得までの所要年数が紹介されています。それによると、平均して数年です。今回の治験は急ピッチで許可を出す印象が払拭できません。

中山 今回のファイザーワクチンの場合、世界的な感染防止のために製薬会社が総力を結集して治験が実施されたと思いますが、治験期間は約4カ月と非常に短い期間であったことは事実です。治験の最終段階であるⅢ相(そう)の臨床治験の結果では、55歳以上では接種部位の痛みが70%前後に認められ、全身症状は2回目の接種で倦怠感が51%、頭痛が39%に見られ、筋肉痛や関節痛も報告されています。

 有効率95%ということは、ワクチンを受けないで罹った人の内で、ワクチンを受けていれば95%の人が罹らなくて済んだだろうという意味です。今後、日本でもワクチン接種がスタートしたら、接種後に少しでも変化があれば、「ワクチン接種とまったく関係ない」「些細なこと」と自己判断せずに、医療機関などに伝えていただきたいと思います。些細な情報のなかに、医学の進歩につながるヒントが潜んでいるかもしれないからです。

――新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスも同じRNAという遺伝子情報を持ちます。インフルエンザワクチンを接種しても、インフルエンザに罹り症状が重くなったという事例もあります。新型コロナウイルスのワクチンでも同様のことが起こる可能性はあるのでしょうか。

中山 ゼロではないと考えます。ワクチンを接種した後で感染して重症化したような例があります。1960年頃にはワクチン接種後の免疫能は、まだはっきりとわかっておらず、バランスのとれた免疫ができずに感染して重くなるようなことがありました。最近ではデング熱ワクチンが海外で接種された後にデング熱に罹患し、重症化したことが報告されています。この原因が「抗体依存性感染増強(ADE)」と呼ばれる現象です。

 ワクチンが多くの人々を救ってきたことは紛れもない事実です。新型コロナウイルスワクチンは国の全額負担で接種する方向で体制を整えています。しかし、接種は自己判断に委ねられます。ワクチンに関しても「有効で、安全だから」「無料だから」「みんなが接種しているから」接種するのではなく、ワクチンのメリットと副反応、感染症のリスクと合併症のリスクなどの情報から自分で接種を受けるかどうかを、科学的に判断することが必要だとご理解いただきたいのです。娘とコミックで共著を出版したのも、こぼれ話などをふんだんに盛り込めば、感染症とワクチンをとっつきやすく理解していただき、自己判断の一助を担えればと思ったからです。

アナフィラキシー反応

――アレルギーのある方は、新型コロナワクチンを打っても大丈夫なのでしょうか。

中山 新型コロナのワクチンに限らず、ワクチン接種後にアナフィラキシー反応といって息苦しくなったり、まぶたや唇が腫れるアレルギー反応が報告されています。アメリカで報告されている頻度は27万接種あたり6例(10万接種で2.2例)です。アナフィラキシー反応は接種30分前後で起こります。「ワクチン接種して30分は様子をみましょう」というのはこうしたことがあるからで、医療機関では対処できるように準備されています。 

 1990年代に麻疹ワクチンをはじめとした生ワクチン接種後に10万接種に約2例の頻度でアナフィラキシー反応が認められました。2011年12年にはインフルエンザワクチンでアナフィラキシー反応が10万接種に1.4例の頻度で認められました。原因はワクチンの成分に対するIgE抗体というアレルギーに関連する抗体ができていたことです。その原因はそれまでアレルギー反応に関連するとは考えられていなかった成分でした。こうした原因が解明されてワクチンが改良され頻度は10万接種に0.1例以下となっています。

 アナフィラキシー反応は対処できるものです。重要なことはその原因が何かということです。初めて何十万人という人たちに接種される新しいワクチンですから、その原因をはっきりさせることが必要です。

ワクチンを選ぶ基準

――新型コロナウイルスワクチンが複数承認されるとしたら、自分に合ったワクチンを選ぶ基準は何でしょうか。

中山 まずはファイザー社のワクチン、次いでモデルナ社、アストラゼネカ社のワクチンが認可されるかと思います。アナフィラキシーの原因も不明ですのでどのワクチンがという基準はわかりませんが、日本での臨床治験の結果と外国ですでに接種が始まっているワクチンの安全性情報を基準にします。

――安全性情報はどのように調べればよいでしょうか。

中山 製薬会社が治験の結果やワクチンの特性をHPなどで紹介すると思います。内容が専門的でよくわからない方は、製薬会社のコールセンターに確認するか、接種する医療機関に、どんなワクチンを接種予定しているのか、ワクチンの特性は何か、ご自身のアレルギーも含め、納得いくまで確認されるべきだと思います。接種後は、少しの変化であっても医療機関に報告してください。

 また、ウイルスの変異株の出現も問題となっています。こうした情報は国立感染症研究所の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報ページに掲載されています(新型コロナウイルス(2019-nCoV)関連情報ページ (niid.go.jp))。

――ワクチンが開発・承認されたからといって、新型コロナウイルスを封じ込められるというわけではないのですね。

中山 新型コロナウイルスワクチンの歴史は始まったばかりで、まだはっきりわかっていないこともたくさんあります。免疫能の持続の調査もこれからですし、高齢者と医療従事者が対象となってワクチン接種が始まるかと思いますが、こうした人たちが感染を広げる感染源となっているわけではありません。コントロールには時間がかかると思います。それまでは「かからない、うつさない」ための感染防御対策が基本です。科学は信じることではなく、理解することです。ワクチンの有効性と安全性に関しては慎重に見守っていきたいと思っています。今一番必要なことは、正しく知って正しく恐れることに尽きるかもしれません。

(文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表)

●中山哲夫(なかやま てつお)

1976年 慶應義塾大学医学部卒業。東京都済生会中央病院小児科、北里研究所ウイルス部、北里生命科学研究所所長を経て、北里大学 大村智記念研究所(旧北里生命科学研究所) ウイルス感染制御学研究室 Ⅱ 特任教授。

日本小児科学会小児科専門医、日本臨床ウイルス学会総務幹事、日本ワクチン学会理事、医学博士 専門はウイルス感染制御。

受賞歴は日本ワクチン学会高橋賞2018年「ワクチンの安全性に関する研究 -42歳からの基礎研究-」、2019年第43回多ヶ谷勇記念ワクチン研究イスクラ奨励賞「有効かつ安全なワクチン開発の研究」。

著書は「ワクチン ―基礎から臨床まで」(朝倉書店)ほか

令和3年、知らないと損する「税金の変更点」…贈与税非課税・住宅ローン減税・エコカー減税

 12月21日に「令和3年度税制改正の大綱」が閣議決定されました。これは、税金の制度をどのように変えるのかを示した政府の方針です。国会の審議はこれからなされますが、たいていは大綱どおりに決定します。そこで、このなかから私たちの生活にかかわる改正点を見ていきましょう。コロナ禍の中で、政府がどのような手を打つのかも見えてきます。

住宅購入にかかわる税制改正

 令和3年度の税制改正で大きな比重を占めているのは、住宅の購入に関するものです。その1つは、住宅取得資金の贈与税の非課税枠の据え置きです。マイホーム購入の際に、親から資金援助を受けることはよくありますが、基本的には贈与税の対象となります。しかし、景気対策の観点から、自宅購入(または建築)のための資金を親や祖父母などからもらう場合に限り、一定の金額までは贈与税が非課税になる制度を設けています。

 ただ、景気を回復させるための特別な優遇制度ですので期間限定で、徐々に非課税枠が縮小するようになっています。令和3年の3月末にも縮小する予定でしたが、非課税枠を据え置くこととしました。もっとも、同年の年末に制度が終了することに変わりはありません。恩恵ではありますが、9カ月間、非課税枠が200万~300万円拡大するだけです。

 あわせて対象となる住宅の条件を広げる改正も行われます。今までは購入する住宅は床面積50平方メートル以上が条件となっていましたが、所得が1,000万円以下の人であれば、床面積40平方メートルまでが対象になります。

 住宅ローン減税は、条件に該当すれば、年末の住宅ローン残高の1%分の金額が減税となる制度です。通常は購入後10年間適用されますが、消費税増税に合わせて、令和2年末までの入居であればさらに3年間減税が受けられるようにしています。今回の改正で、令和3年9月(新築)または11月(購入・増改築)までに契約すれば、令和4年中の入居でも13年間の適用が受けられることになりました。対象となる住宅の条件については、贈与税の非課税枠と同様に拡大されました。

 コロナ禍でのリモートワークの導入などもあり、住み替えをする人が増えています。住宅の購入も前年を上回る水準となっています。住宅資金贈与の非課税措置や住宅ローン減税の縮小が少し延びましたので、令和3年の購入でも優遇措置が受けられます。

その他の税制改正

 自動車にかかる税金では、令和3年に期限を迎える減税措置が、それぞれ対象を見直した上で延長されます。自動車重量税のエコカー減税は、新たな燃費基準で区分を見直し、2年間延長されます。

 自動車税環境性能割(旧自動車取得税)も同様に区分を見直します。そして、1%の軽減措置は令和3年12月まで、9カ月延長されます。自動車税種別割のグリーン化特例は、ガソリン車を除外し、電気自動車、天然ガス自動車、プラグインハイブリッド車に限定して、2年延長します。

 親や祖父母から教育資金として一括で贈与を受けた際に、一定の条件を備えていると、1,500万円までは贈与税が非課税になる制度があります。同様に、結婚・子育て資金については、1,000万円まで贈与税が非課税になります。期間限定の優遇制度で、令和3年3月末までとなっていましたが、2年延長されます。ただし、祖父母である贈与者が死亡した場合で、相続税がかかる場合は2割加算が適用されることとなりましたので、注意が必要です。

 令和3年末に期限を迎えるセルフメディケーション税制は、手続きを簡素化した上で、5年延長されることになりました。セルフメディケーション税制は、スイッチOTC医薬品(医療用から転用された市販の医薬品)を購入すると、年間で1万2,000円を超える金額について、所得控除ができる制度です。商品には「税控除」などの表示があり、レシートにも対象となる旨の記載があります。レシートを集めておき、確定申告をすると、税の還付を受けることができます。

 令和3年度の税制改正大綱から、私たちの生活にかかわる主なものを取り上げてみました。ご覧いただいておわかりのように、「期間限定の減税策の延長」という改正ばかりです。減税期間が終了して元の税率に戻ると、実質的には“増税”になります。それを避けるために、手を加えながら一定期間の延長をしているわけです。コロナ禍で景気が落ち込みましたので、景気を刺激したいところですが、財政状況が厳しく、積極的な減税策は打てません。そこで苦肉の策として、減税措置の延長という手段が取られています。

(文=村井英一/家計の診断・相談室、ファイナンシャル・プランナー)

ファミマ、今、買うべき食品5選…トリプルチーズインポケチキ、ジューシー餃子まん

 購入してそのまま、もしくはレンジで温めるだけで手軽にお腹を満たすことができる商品が多いコンビニ食品は、なかなか自炊をする時間を取ることが難しい、多忙なビジネスパーソンたちの食生活を支えているという側面もあるだろう。

 コンビニ業界の大手3社に名を連ね、全国に1万6600店舗以上を展開する「ファミリーマート」。このところ新型コロナウイルスの影響もあってか、前年売り上げを下回る月が多かったが、2020年11月度の全店の売上高は前年同月比101.0%。同じく11月度の既存店の客数は88.3%と引き続き落ち込んでいるが、客単価108.1%となっており、復調の兆しが見えているようだ。

 そんな今冬のファミリーマートでは、商品開発の本気が窺えるような魅力的な商品が続々登場している。初めてお目にかかるような真新しいものや、毎年冬季に発売され密かにファンを育てている食品など目白押しなのだ。そこで今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」は、ファミリーマートの食品を独自でリサーチし、「この冬、買うべきファミリーマートの5食品」を選出した。さっそく紹介していこう。

トリプルチーズインポケチキ/220円(税込、以下同)

 レジ横のホットスナックコーナーのポケチキシリーズに、「トリプルチーズインポケチキ」が新登場。チェダー・モッツァレラ・ゴーダの3種類が使用されており、一口ほおばると中からチーズがたっぷりとろけ出る。衣にもチーズが練り込まれているようで、全体からこれでもかというほどのチーズ感が溢れ出ていた。

 このポケチキシリーズ、もともと肉のジューシーさなどは控えめで衣も薄くあっさりしているので、ここに濃厚なチーズがたっぷりと加わることでかなり良いバランスの味と食感になっているのである。中からとろけ出るチーズは想像以上にぎっしり詰まっており、ファミリーマートの本気度が窺える仕上がりとなっていた。

 通常のポケチキが200円(5個入り)なのに対し、こちらのトリプルチーズインポケチキは220円(5個入り)となっているが、プラス20円でこのクオリティになるのであれば、コストパフォーマンスにも満足できるだろう。

もっちり生地のジューシー餃子まん/180円

 毎年秋冬シーズンに発売され、店頭に並ぶやいなやファンの「待ってました!」の声がSNSに立ち並ぶ「もっちり生地のジューシー餃子まん」。特大餃子のような見た目で焼き目も再現されており、見た目からも食欲をそそる一品だ。

 生地を2枚使用することで、中身のあんのジューシーさがしっかりと閉じ込められており、外側はふわふわもっちり、内側しっとりで美味。あんは餃子の具らしいニラの香りを立てながらも肉まんのような肉感溢れるボリューミーさもあり、餃子と肉まんのオイシイとこ取りをしたようなベストバランスに仕上げられている。

 価格は180円と中華まんコーナーにおいては少々お高めではあるが、その価格にも納得できるというもの。数量限定とのことなので、気になる方はお早めに購入することをおすすめする。

FAMIMA CAFE 森永監修 濃厚ココア/168円

 ファミマカフェから森永監修の「濃厚ココア」が発売。独自システムを搭載したレジ横のマシンで作るこの濃厚ココアは、コップをセットしてボタンを押せばラテの上にミルクのふわふわ泡がホイップされる。

 ふわラテシリーズは生乳100%使用なので飲んだときのミルク感もたっぷりだ。缶や紙パックといった既製品では100%のミルク感を味わえることは少ないため、その点でも、その場で生乳100%のミルクとブレンドしてくれるのは嬉しいポイント。実際に飲んだ感想としては、ココアはビター感があり甘さは多少控えめ、濃厚さも味わえるが後味は意外にもスッキリしている印象である。

 寒い冬、コンビニで温かいココアを購入して飲むのは季節感があって気持ちも盛り上がることだろう。最後にマドラーでかき混ぜないと底にココアの粉が溜まってしまうので、その点は注意が必要だが、こちらも数量限定なのでこの冬の間にぜひ味わっていただきたい。

お母さん食堂 ガーリックむき枝豆/168円

 三角パックのチルド商品「ガーリックむき枝豆」は、枝豆をペペロンチーノソースで味付けしたものである。味付きの枝豆は手が汚れるのがネックであったが、こちらの商品はむき枝豆となっており箸で食べられるため、手が汚れないというのも意外とありがたいポイントだろう。

 表面には唐辛子の赤いチップが見られるが、実際に食べてみるとピリッとした辛さはほとんど感じられず、にんにくの匂いもフワッと香る程度で控えめのため、おつまみ以外で職場のランチにプラス一品したいときにもアリだろう。

 内容量は90g。その数字だけ見るとやや少なめに思えるかもしれないが、枝豆の皮は含まずに中身の豆のみの重さなので充分な量が入っており、むしろたっぷりと食べられる印象であった。

お母さん食堂 根菜入りつくねの和風スープ/398円

「根菜入りつくねの和風スープ」は、出汁の効いた優しい味のスープに国産鶏肉、レンコン、人参、ゴボウ、生姜のつくね団子がたっぷり入った逸品。ほかにも春雨、椎茸、小松菜といった具材も入っている。生姜が効いており根菜も多いため、身体を温めてくれる寒い冬にはもってこいの食品なのである。

 また、主役となるつくね団子は、レンコンのシャキッとした食感と、しっとりした鶏肉の食感の相性が良くとても好バランス。1品で汁物と肉と野菜がまかなえるので、たとえば夕食時、自宅で白飯だけ用意しておけば、おかずは「根菜入りつくねの和風スープ」だけでもOKだろう。この満足度の高さでアンダー400円の価格におさまっているのも注目で、リーズナブルに感じられるのではないだろうか。

 身体を温めてくれそうな商品も多くあった、この冬にファミリーマートで「買うべき」商品を5つ紹介した。今回紹介したなかには冬ならではのものもあったが、季節感のある食品は胃袋だけでなく心も満足させてくれるだろう。

(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」 from A4studio)

※情報は2020年12月20日現在のものです。

大阪の感染者560人…吉村知事「感染拡大が抑えられている」「緊急事態宣言は不要」に非難殺到! 12月死者は東京の倍

 この男はこんな事態になっても、“やってる感アピール”することしか考えていないのか。もちろん吉村洋文・大阪府知事のことだ。  東京をはじめとする1都3県の知事がそろって官邸を訪れ、政府に緊急事態宣言を要請したことを受け、吉村知事は4日の会見でこう語ったのだ。 「副作用が...

パチスロ「5千枚」情報も浮上の『6号機ジャグラー』好調! ファン必見の新春「激アツ情報」も話題!!

 新時代でも“王者”の存在感は健在だ。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で導入が延期された『アイムジャグラーEX』が、昨年12月14日より待望のホールデビューを果たした。

 北電子が誇る国民的パチスロ『ジャグラー』シリーズ最新作。初代『アイムジャグラーEX』が導入された記念すべき日に発表された本機は、「変わらぬ楽しさを提供したい」との思いによって開発された話題作である。

 多くのファンが待ちわびた『アイムジャグラーEX』は、GOGO!ランプの点灯パターンもバリエーションが増加。リール上部の「JUGGLERランプ」のアクションも搭載するなど、ファン必見の要素は満載だ。

 2種類のボーナスで出玉を増やすシンプルなゲーム性でBIGは252枚、REGは96枚の獲得が可能だ。

 ボーナス合算出現率は1/168.5~1/127.5となっており、50枚あたり約40ゲームのコイン持ちにアップ。さらに機械割も95.9%~105.2%から「97.0%~105.5%」と高められている点もポイントだ。

 ホール側の期待も当然ながら大きいようで、「高設定の投入率が高い」といった意見も目立つ。5千枚近い出玉報告も浮上し話題になった。そのような影響もあり、デビューから好稼働を実現。ロングヒットを予感する声も多い。

「パチスロの未来を占う機種」とも評される、国民的パチスロ最新作が低迷する6号機の起爆剤となるのだろうか。これまでのシリーズ同様に、長期稼働を実現できるかに注目したい。

『アイムジャグラーEX』の好調ぶりが目立っている状況だが、シリーズのファン必見の情報は他にも存在する。

 無料で遊べるバーチャルホール「ジャグラーアイランド」では、「新春キャンペーン2021」が開催中だ。

 アイテムやガチャチケットといった豪華報酬がプレゼントされる「ログインボーナス」(1/14AM3:59まで)や、「お正月超ペカラットセール」(1/7 12:00まで)など魅力的な内容となっている。

 新春LINEキャンペーンも注目。クイズに答えると、金のQUOカード(500円券)&ジャグラープレミアムカードが抽選で55名にプレゼントされる(応募締め切り1月24日)。

 Twitterでも銀のQUOカード(500円券)が55名に当る新春キャンペーンを実施中だ(応募締め切り1月24日)。こちらも大きな反響が寄せられている。

 どれもファンとしては見逃せない内容と言えるだろう。興味のある方はチェックしてみてはいかがだろうか。

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中村芝翫、2度目の不倫報道、名門歌舞伎俳優の“思考回路”…「不倫は悪くない」という伝統

 歌舞伎俳優の八代目中村芝翫さんが23歳年下の美女と不倫関係にあると「文春オンライン」(1月6日配信)で報じられた。「文春」の報道によれば、芝翫さんは昨年11月末に仕事で京都を訪れた際、不倫相手の女性と合流し、3日にわたりホテルで夜を共にしたという。また、2人は12月にも東京で密会していたとも報じられている。

 芝翫さんは、2016年9月にも京都の人気芸妓との不倫をやはり「週刊文春」で報じられており、一連の報道が事実とすれば、少なくとも2度目である。このように不倫を繰り返すのは一体なぜなのか?

 次の3つの理由によると考えられる。

1)強い特権意識

2)不倫が悪いとは思わない

3)万一ばれても大丈夫と高を括っている

 まず、芝翫さんは「自分は特別な人間だから、普通の人には許されないことでも許される」という特権意識を抱いているように見える。この特権意識を支えているのは、名門の生まれゆえの選民意識と過去の成功体験だろう。

 芝翫さんは歌舞伎の名門、成駒屋に生まれ、大名跡・芝翫を継ぎ、いまや歌舞伎界を代表する立役(男役)の1人にまでなった。しかも、前回不倫が報じられたのは2016年9月だったが、その翌月には八代目芝翫を無事襲名することができたし、3人の息子も同時に襲名という快挙を果たした。だから、少々のことは許されるという特権意識を抱いても決して不思議ではない。

 このように過去の成功体験が影響して、特権意識が強くなるのは、不倫を繰り返す“懲りない人”に共通して認められる特徴である。たとえば、俳優の石田純一さんもその1人で、過去に不倫が発覚した際、「不倫は文化」と発言した影響で仕事が激減し、数千万円の借金を抱えたそうだが、バッシングをものともせず、復活を果たした。こういう成功体験が特権意識に拍車をかけ、それが不倫を繰り返す一因になることは少なくない。

 また、不倫が悪いとは思っていないようにも見える。これは、やはり歌舞伎界で脈々と受け継がれてきた「遊びは芸の肥やし」という伝統のせいだろう。前回不倫が報じられた際、「文春」の取材に妻でタレントの三田寛子さんは、「ウチには“芸の肥やし”はありません!」と答えたが、歌舞伎の名門の家で生まれ育った芝翫さんには、この伝統が染みついているのではないか。

 この伝統は、まんざら間違いでもないと私は思う。歌舞伎は不義密通や心中などを題材にした演劇なので、“心のひだ”のようなものを表現するのに道ならぬ恋の経験が役立つこともあるだろう。それがいまどき許されるのかという問題は残るにせよ、この伝統を楯に取って自らの不倫を正当化する歌舞伎役者は少なくないように私の目には映る。

 さらに、万一ばれても大丈夫と高を括っているようなところもある印象を受ける。「前回不倫がばれたときも結局妻は許してくれたし、襲名もできた。だから、世間は少々騒ぐかもしれないが、そのうち収まるだろう」と思っているのではないか。

 その背景には、芝翫さんが妻の三田さんをなめていることもあるように見受けられる。「名門の歌舞伎役者の妻の座は捨てがたいはずで、どうせ離婚はしないだろう。いずれ許してくれるに違いない」と思っているからこそ、不倫を繰り返すのだ。

 もちろん、軽率な行動をしたことを妻に謝るだろうし、お詫びするコメントも出すだろう。だが、心の中では「どうせ許してくれるだろうから、それまでは反省する素振りを示し、おとなしくしておこう」と思っている可能性が高そうに私の目には映る。

 こうした姿勢は、不倫を繰り返す人にしばしば認められる。なかには、運が悪くてばれただけと思っている人もいる。これは厳格な倫理観を持っておらず、「不倫は犯罪ではないのだから、他人からとやかく言われる筋合いはない」という考えの持ち主だからかもしれない。この手の人は、機会さえあれば、また不倫を始めるだろう。

 芝翫さんの場合も、その確率がかなり高そうだが、それでも妻の三田さんは許すのだろうか? 今回の不倫報道を受けて、三田さんがどんな反応をするか見物である。

(文=片田珠美/精神科医)