パチンコ「残金500円」からの奇跡…「3万発」も余裕の「約91%ループ」RUSHが天国へと導く!?

 2021年はスタートから話題の新機種が立て続けにホールへ導入されてますが、皆さんはもう打ちました?

 パチスロよりもパチンコ派の自分が特に注目していたマシンは『Pコードギアス 反逆のルルーシュ』ですね。コンテンツ自体が好きということもあって、京楽産業.がリリースした初代もかなり打ち込みました。

 三共系列にメーカーが変わってパチンコでは3作目となる本機。その魅力は何と言っても継続率約91%のRUSHでしょう。連チャン特化マシンに目がない自分にとって「コードギアス×ハイループ」のコンボは夢の競演。「我に従え!」とギアスを発動するルルーシュが大当りの連鎖を生み出す…そう考えるだけで顔がニヤけてしまいますね。

 しかも連チャンに期待できるだけでなく、右打ち中は10R比率も20%あるので出玉感も侮れません。ネットで調べたところボーダーもかなり甘めのようですし、打たない手はないでしょう。

 本機を打ちたい一心で、馴染みのホールへ足繁く通っていたんですが…。導入日からなかなか空き台になることがなくて1月は一度も打てる機会はありませんでした。そんな中で、遂に先週初打ちする事ができたのです。

 なぜ空き台になっていたのかは隣を見てすぐ分かりました。爆連街道を邁進中だったのです。約2万発の出玉を持ってなおもRUSH継続中。「こんな台の横じゃ打つ気も失せるよなあ」と思いましたが、それをも上回る欲求に支配されていたのです。

「自分も隣に負けないくらい出してやる!」くらいの気構えで、鼻息を荒くしながら実戦を開始しました。台のコンディションはまあまあ良好。この時点で“勝利”の二文字しか頭にありませんでした。

 しかし、赤保留が来ようが役物が完成しようが全てハズレ…。盛り上げるだけ盛り上げて崖から突き落とされるような展開が続きました。この時点で激萎えですが、そんな自分に更なる追い打ちをかけるように隣の勢いは留まることを知りません。一撃3万発を目の当たりにして、もはやメンタルはボコボコでした。

 しかし、私の頭の中に撤退の2文字はありませんでした。「ようやく打てたんだ。絶対に引けない」と、心で呟き続行したのです。

 ほどなくして隣の快進撃は終幕を迎えていましたが、その後も初当りを引くことができず私の財布の中身は種切れ寸前。軍資金の3万円が溶けようとしていたのです。

「残高打ち切ったら帰ろう…」そう思って最後の500円を玉にした矢先、なんと激アツの0図柄がテンパイしたんですよ!「頼む!当たってくれ!」そう強く願いながらリーチのなりゆきを見守りました。

 その後はチャンスアップのオンパレードで画面には「000」が。最後の最後にようやく初当りを射止める事ができたのです。しかし、これはあくまでもスタートラインに立ったに過ぎません。「時短1回+残保留4回」で当てる事ができなければRUSH突入は叶わないのです。

 私は固唾を飲んで運命の5回転を見守りました。テンパイ図柄は“3”。「これは期待できるかも」と内心期待してたんですが、1回転、2回転とチャンスが減っていき、気づけば最終回転…。あっさりと窮地に追いやられてしまいました。

「おいおい3テンだろ?頼むよルルーシュ!」と、ギアスを発動しない主人公に心の中で何度語りかけたか分かりません。「あなたに従いますから大当りを下さい!」と切実に願ったのです。

 すると、そんな自分を見かねたのかルルーシュは最後の最後にギアスを発動。心身ともにボロボロの状態から全てを解き放ってくれたのです!まさにギリギリの戦い。首の皮一枚繋がった状態から遥かなる天の頂へいざなってくれました。

 ここからは待ちに待った約91%ループのRUSHの始まり。隣で嫌というほど見せつけられた至福のひと時が遂に自身に訪れたのだと、何とも言えぬ感情が込み上げてきましたね。まあそれは隣の3万発オーバーの爆連を見ている訳ですから、期待しないはずはないでしょう。「自分に脳を溶かすほどの連チャンを見せてくれ!と願ったのですが…。

圧倒的スルー。痛恨のスルー。極悪のスルー。

「嘘だろ?」と内心半ベソになりながら目の前に映し出された通常画面を茫然と眺めていましたね。この悲しいまでの現実を受け入れるまで何分間そうしていたでしょうか。

 手元に残ったのはドル箱の底が、かろうじて隠れるほどの微々たる出玉…。最後の奇跡を信じて持ち球を打ち込みましたが、当然のように大当りを引けることなく私の実戦は終了。

 約91%ループで当てられないようでは、パチンコは向いていないのかもしれない。そんな思いを抱きながらホールを後にしたのでした。

 しかし、悪夢のような記憶も、ひと眠りすればサッパリ忘れ去るのがパチンカーの性。こうしてコラムを綴りながら既に「リベンジしたい!」という気持ちで一杯になっている自分が憎らしくもありますね(笑)。次は絶対に勝つ!

(文=HIRA.777)

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JRAフェブラリーS(G1)同日「裏舞台」から約1年。チュウワウィザード、クリソベリル…… 鬼の居ぬ間に「あの騎手」が再び!?

 21日、東京競馬場で行われるダート1600m戦、フェブラリーS(G1)。昨年のチャンピオンズC(G1)に比べメンバーは劣るものの、混戦模様で馬券的には面白いレースとなりそうだ。

 昨年のチャンピオンズCで、1番人気で4着に敗れたクリソベリルは故障により休養中。2着ゴールドドリームは同レースを最後に、現役を引退している。

 勝利したチュウワウィザードは、1着賞金約10億円のサウジカップに選出。招待を受諾しており、2月20日の同レースに戸崎圭太騎手で出走予定だ。

 昨年のフェブラリーSも有力馬の回避が目立ち、有力馬であったゴールドドリーム、クリソベリルが共にサウジカップへ出走。コパノキッキングも「来年は世界の1200mを目指す」という理由から回避し、混戦必至のメンバー構成となっていた。

 そんな大混戦を物語るように、7歳馬のケイティブレイブ(16番人気)が2着に入り波乱の決着。今年も一筋縄では収まらないかもしれない。

 注目したいのは、8歳馬のエアスピネル。鞍上は、鮫島克駿騎手だ。

 昨年のチャンピオンズCでは、カフェファラオと同タイムの7着。騎乗した福永祐一騎手は「(ダート1800mより)マイルの方がいい感じがします」とコメントしており、距離短縮はプラスとなりそう。2走前の武蔵野S(G3)はハイペースの追い込み決着となったが、早め抜け出しで唯一、馬券圏内に残ったのがエアスピネル。負けて強しの内容だったことからも、この舞台への適性は高そうだ。

『netkeiba.com』の予想オッズでは、カフェファラオが1番人気に対しエアスピネルが11番人気。カフェファラオは東京ダート1600mで無敗という点が評価されてのものだろうが、それならばチャンピオンズCで同タイムだったエアスピネルも侮れない。

 フェブラリーSでダート5戦目となるエアスピネルだが、間隔を開けた方がいいタイプなのか、ダートに転戦後はフレッシュな状態でしか好走していない。

 1年間の休み明けであったプロキオンS(G3)で2着、3カ月のリフレッシュ放牧明けだった武蔵野Sで好走。間隔を詰めて使った、エルムS(G3)、チャンピオンズCの2走は、ともに7着と敗戦を喫している。

 今回は、約2カ月半ぶりの出走。根岸S(G3)の上位2頭、レッドルゼル、ワンダーリーデルにもプロキオンSでは先着しており、人気ほどの力差はないだろう。

 エアスピネルに騎乗する鮫島駿騎手は、昨年はフェブラリーS同日に裏の小倉大賞典(G3)に騎乗。単勝18.1倍のカデナで、重賞初制覇を飾っている。

 それから約1年が経ち、表舞台でのチャンスを手にした鮫島駿騎手。今年はフェブラリーSで、人馬初となる悲願の初G1制覇に期待したい。

レオパレス、施工不良物件の改修を先送り…逆ざや地獄で危機、オーナーに賃料減額要請へ

 経営再建中の賃貸アパート大手のレオパレス21は、施工不良物件の改修工事の完了を2024年末に先送りした。大きな不備があり改修工事が必要な施行不良物件は全国に約20万戸あり、このうち約4万戸の改修を終えている。

 21年1月以降の改修工事計画によると、6月までに6000戸程度行う。7月以降は入居者の退去状況を見ながら施工不良物件の改修工事を進め、24年末までにすべて完了させるとしている。

 これからは需要が見込める首都圏や地方の都市部の物件の改修を優先的に実施。全国一律体制を変える。春の住み替えシーズンをにらみ、入居者の確保がしやすい物件の改修を急ぎ、収入増につなげる考えだ。入居率の低下が続くなか、予定通り改修を実行できるかが課題だ。

入居率は採算分岐点の8割を割り込む

 レオパレスなど賃貸アパート各社は、郊外などの地主(オーナー)らに、相続税が軽減される点をセールストークにして、アパート経営を提案。地主が銀行から融資を受けて物件を建て、長期間、月一定の家賃を保証するサブリースの仕組みをとる。

 アパート所有者から一括で借り上げ、企業や個人へ転貸している。空室があっても所有者に家賃を支払う必要があり、入居率の低下は業績悪化に直結する。レオパレス21の場合、施工不良が発覚する前の18年5月までは、入居率は90%を超えていた。だが、改修作業の遅れがたたり、入居率を回復できていない。これに新型コロナウイルス感染拡大が追い打ちをかけた。景気悪化で社員寮として使う企業からキャンセルが出た。

 入居率が急落して以降、レオパレスの頼みの綱は外国人入居者だった。外国人の入居者は20年3月末で2万3000人と、この5年間で1万人近く増加した。個人契約に占める外国人の比率は1割を超えた。しかし、新型コロナウイルスのまん延で外国人留学生の入国がストップ。その影響を受けて20年5月以降、入居率は損益分岐点の80%を割り込んだままだ。

 21年1月末時点で物件オーナーから委託を受けている賃貸アパートの管理戸数は57万4068戸。このうち契約済戸数は44万8677戸。残り12万5391戸が空き室になっている。管理戸数に占める契約済戸数の割合が入居率になる。現時点の入居率は78.16%だ。

 つまり、入居者から受け取る賃料より、物件オーナーに支払う金額が大きい“逆ざや”の状態に陥っていて危機的な状態だという指摘もある。そのため、現状の保証水準の維持が難しくなり、オーナーに保証している賃料の見直し交渉に入った。21年春以後に更新時期を迎える物件について減額要請をする方針だ。

 レオパレスが賃貸アパートを借り上げているオーナーは約2万8000人。家賃保証の減額や、地域によって改修の優先順位に差をつけることが反発を招く可能性がある。関係者によると、「一括借り上げの維持を望むオーナーが多く、賃料の減額を受け入れる方向にある」という。オーナーにとって一括借り上げによる家賃保証のメリットが、かなり大きいからだ。

フォートレスが救済に乗り出す

 20年9月28日、レオパレスは「20年6月末時点で118億円の債務超過になった」と発表した。18年5月に施行不良が発覚した時点では35%を超える高い自己資本比率を誇り、事業継続になんら支障はなかった。それが、わずか2年後に債務超過に転落したのは、衝撃的な事実であった。

 21年3月期末時点で債務超過が続けば東証1部から2部に降格になり、1年後に解消できないと上場廃止となる。このままの状態で推移すれば経営破綻しかねない、瀬戸際に追い込まれた。

 債務超過を発表した2日後の9月30日、ソフトバンクグループ(SBG)系の不動産ファンド、米フォートレス・インベストメント・グループがレオパレスの救済に乗りだした。レオパレスはフォートレスを引受先に、普通株式で122億円の第三者割当増資を実施するとともに、同ファンドから新株予約権が付いた300億円を借り入れる。さらに、連結子会社のレオパレス・パワーがフォートレスを引受先に優先株で150億円の第三者割当増資を行う。 実施後はフォートレス系企業がレオパレス株の25.71%を持つ筆頭株主になる。

 レオパレスの20年4~9月期連結決算は売上高が前年同期比6%減の2086億円、最終損益が175億円の赤字(前年同期は244億円の赤字)だった。同年9月末時点で債務超過は171億円に膨れ上がったが、11月2日付でフォートレスから272億円の出資を受け、債務超過を脱した。300億円の融資を原資に施工不良物件の改修費用を調達した。

 21年3月期の連結決算の売上高は前期比0.6%減の4311億円、営業損益は98億円の赤字、最終損益は80億円の赤字の見込みだったが、2月12日、業績を下方修正した。最終損益の赤字は80億円から444億円に拡大。売上高は4311億円から4089億円に引き下げた。目先の資金繰り懸念は和らいだとはいえ、再生のメドはまったく立っておらず、不透明な状況が続く。

 2月12日に発表した20年4~12月期の連結売上高は前年同期比6%減の3083億円。サブリース物件の入居率は20年12月に過去最低の77.07%となった。業績の回復がはかばかしくないことから、22年3月まで役員報酬を削減する。宮尾文也社長は60%削減することを明らかにした。

 不動産の専門家は、「フォートレスは不動産ファンドであって事業会社ではない。真の経営の再生は事業会社に任せるしかない」と見ている。

インドのOYOが“受け皿”として浮上

 SBGは19年から、水面下でレオパレスの買収に動いていた。フォートレスとは別でインドの格安ホテルチェーン、OYO(オヨ)を通じての買収だったという。OYOは19年、SBGの通信子会社ソフトバンクと日本でホテル事業会社を、SBG傘下のZホールディングス(ZHD、旧ヤフー)と不動産賃貸会社を立ち上げた。賃貸会社の強化のために「SBGはレオパレスの買収を計画した」(不動産業界筋)。

 この計画は出足から躓いた。契約をめぐる苦情が寄せられ、ZHDは19年11月、合弁を解消した。これでOYOを通じてのレオパレス買収話は立ち消えになったとみられていた。この間、OYOは日本で立ち上げた法人2社がうまくいかず、ホテル事業会社と不動産賃貸会社を統合した。ホテルは200軒以上をオペレーションしており、部屋数は約6000室、不動産賃貸は約4000室を取り扱う。

 OYO本体に投資ファンドを通じて出資しているSBGは2社の統合後も、OYO本体の経営を支援する方針だ。レオパレスの買収は仕切り直しとなった。OYOにとって、57万戸の管理戸数があるレオパレスは魅力的存在だ。SBG系のフォートレスがレオパレスの再生のメドをつけた暁に、OYOに譲渡するシナリオが取沙汰されている。

(文=編集部)

JRA「屈辱」オーソリティがヴェロックス以下の低評価!? 東京2400m「レコード勝ち」アルゼンチン共和国杯(G2)で古馬撃破が軽視される理由とは

 低評価を覆すことが出来るだろうか。

 20日、東京競馬場でダイヤモンドS(G3)が開催される。3000m超の平地重賞は3歳限定の菊花賞(G1)を除けば、年にわずか4回しかない。そのため、フルゲート16頭に対して19頭のスタミナ自慢が集結した。

 ダイヤモンドSは長距離重賞の中で唯一のハンデ戦という特徴がある。

 15日に発表されたハンデは最重量が57,5キロ、最軽量が51キロと6.5キロもの開きがあり、どの馬にもチャンスがありそうだ。

 その中で1番人気が予想されるオーソリティ(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)は56キロの斤量を背負うことになった。

 父オルフェーヴル、母ロザリンド(母父シンボリクリスエス、母母シーザリオ)という良血馬のオーソリティ。昨年の青葉賞(G2)をレコード勝ちするも、レース後に骨折が判明して日本ダービー(G1)を見送った。

 秋は復帰初戦のアルゼンチン共和国杯(G2)で古馬を撃破。次走の有馬記念(G1)は14着に敗れたが、4歳牡馬でトップクラスの実力馬であることに違いないだろう。

 だが、ダイヤモンドSで背負うハンデ56キロは、過小評価と言えそうだ。

 トップハンデの57.5キロが課せられるパフォーマプロミスは重賞3勝馬。実績最上位のため、納得の内容である。

 しかし、同じ56キロの出走予定馬はメイショウテンゲンとボスジラの2頭。19年の弥生賞(G2)を制したメイショウテンゲンは昨年のダイヤモンドSで2着、阪神大賞典(G2)で3着と長距離実績がある。だが、単純な重賞勝利数ではオーソリティの方が上。さらに、ボスジラに至っては重賞未勝利馬だ。

 また、重賞勝ち鞍が19年の中日新聞杯(G3)のみのサトノガーネットが55キロ。セックスアローワンスの2キロを考慮すれば、オーソリティより1キロ重い評価ということになる。

 G2を2勝しているオーソリティが56キロということは、軽視されているという見方ができるだろう。

 だが、妥当という見解もあるようだ。

「昨年の同時期に行われた小倉大賞典(G3)に出走したヴェロックスのハンデは57キロでした。重賞未勝利馬ですが、クラシックですべて3着以内ということが評価されたのだと思います。

対して、オーソリティはホープフルS(G1)で5着、有馬記念で14着とG1で結果を残していません。これが評価されていない理由かもしれませんね」(競馬記者)

 ただ、オーソリティにとってハンデが軽いのはプラス。ダイヤモンドSを圧勝して、実力を証明することに期待したい。

智辯和歌山式、中小企業経営者に響いた「六つの考え方」

中小企業とのコンテンツ開発事例や、私が体験した心が動く中小企業プロジェクトを紹介する本連載。

これまで私は1000人以上の中小企業経営者と会ってきました。その皆さんと話す中で最も深く共感いただけた考え方があります。今回は毛色を変え、自身の企画開発にも活用している、そんな「六つの考え方」をご紹介します。

突然ですが、私は智辯和歌山高校の野球部出身です。恩師の髙嶋仁先生(前監督)は、100年を超える高校野球で史上最多の甲子園勝利記録(68勝)を樹立。高校野球の常識とかけ離れた独自のアプローチを次々と打ち出し、少数精鋭で成果を生む智辯和歌山の話には、中小企業の経営と通じる部分があるようです。

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髙嶋先生と筆者(高校3年生当時 卒業式前)
智辯和歌山高校甲子園
甲子園出場時の筆者

六つの考え方(1) 人数より、結束力

 

智辯和歌山の野球部員は1学年10人限定でした。いわゆる強豪校では100人以上の部員を抱える学校も多い中、髙嶋先生はあえて30人に絞るという策をとります。これには、「3年生は全員ベンチ入りさせる」「下級生を試合に出して甲子園を狙い続ける」「全員の進路の面倒を見る」「1人当たりの練習量を最大化する」といった狙いがあります。

そして、これらの共通点が「部員の気持ち重視」ということ。苦しくても「希望がある」と思えるからこそ頑張れるし、何より、選手を一番に考えていることが、この「仕組み」から伝わります。だから先生と生徒の信頼関係が崩れにくいのです。

「モチベーションマネジメント」を「仕組み」で強化し、少人数で成果を生む。これは中小企業経営のみならず、大企業の新規プロジェクト開発にも通じるヒントです。

六つの考え方(2) 短く伝える

 

髙嶋先生の話は、簡潔でインパクト大です。広告コピーも短い方が印象に残るといわれますが、まさにそれを高校時代に体感しました。

例えば、私が入部早々、先生に言われたのは「君はうちで通用しない。辞めた方がいい」という言葉です。理由は簡単に補足(広告でいうボディーコピーのようなもの)がありましたが、最初の言葉が印象的過ぎて、結果的に3年間の原動力となりました。

また、2年生の時、甲子園前の練習でエラーした際、「おまえは一生使わん!」と言われて深く傷ついたことも(笑)。「森本なんか初球からガンガンいっとるで」と珍しくほめられたときのうれしさも、昨日のことのように鮮明に覚えています。

言葉を選び、短く伝えるから、気持ちが動く。気持ちが動くから、印象に残る。印象に残るから選手は自分の頭で考えるようになる。これは社内コミュニケーションにも生きる考え方だと思いますし、有力経営者と会話しても、「自信のある人の話は短い」は共通している点だと感じます。

智辯式1

六つの考え方(3) 常識より、考えた非常識

 

智辯和歌山には、かつて高校野球で「非常識」といわれた多くの特徴があります。

前述の「少数精鋭」をはじめ、「複数投手制」もそのひとつ。1人のエースが連投で投げ抜くことが注目されがちですが、連戦を勝ち抜くために智辯は必ず3~4人のピッチャーで回します。

また、「ゴロを打つな」という教えもあります。これは少し専門的な話になりますが、0死か1死でランナーが3塁にいる場合、ゴロでヒットになるのは結果論であり、チャンスをつぶすリスクがある。しかし、ライナーかフライを打てば確実に点が入る。うまく外野の頭を越せば大量得点にもつながるという考えです。

また、「全校応援」も欠かせない強みです。夏は県予選の1回戦から全校生徒で応援を行います。それも、他校が演奏しないオリジナル曲に加え、甲子園に行くと名物の「C」の人文字もあります。

智辯和歌山高校応援

(私が2016年に立ち上げた「社歌コンテスト」は、智辯の野球応援から着想を得ています。オリジナル応援曲が組織の成果につながる、という体験から、「企業の歌=社歌 → 社歌で企業の課題解決」として企画展開)

これらは、「一発勝負の高校野球でどうすれば成果を生めるか?」という問いに対し、常識にとらわれずトライした結果です。

また、中にいて感じたのは、「考えた非常識から生まれるブランドは強い」ということ。強烈な個性は強烈なファンと、組織の底力を引き出します。ここにブランディングの本質があると分析します。

六つの考え方(4) 分解して、量を稼ぐ

 

恐らく、日本一の練習量をこなしているのが智辯和歌山です。私がいた当時は、スイング1日1000本、腹筋背筋2000回、100メートルダッシュ100本が基本で、時期によって、さまざまなメニューが追加されます。

最初にこの練習量を聞いたときは「無理じゃないか」と感じたのですが、これを可能にするためのコツがありました。それは「一気にやらないこと」。髙嶋先生の教えでは、例えば、バッティング練習の待ち時間が5分あれば、「今、その間に集中して(バットを)50本振るんや!」というもので、聞くところによると「細かい時間を有効に積み上げると、意外と簡単に量はこなせる」とのこと。

実際、簡単ではありませんでしたが(笑)、この考え方を取り入れてから、こなせる量と集中力が格段に増加しました。

VUCA時代に加え、コロナで働き方も多様になる中、空き時間をいかに有効活用できるかが成果を上げるポイントになります。「分解して、量を稼ぐ」という視点に立つと、今を大切にできるというメリットも生まれます。

智辯式2

六つの考え方(5) 相手をよく見る

 

髙嶋先生の印象を一言で言うと、「よく見ている」。助言がとにかく個別最適化されているのです。

甲子園の延長戦で私が打席に入る際、「おい、いつもより上からたたく意識でいけ」と言われ、その通りにすると甲子園初ヒット。県大会の9回1点ビハインド場面では、「おまえのスイング軌道は少しバットのヘッドが下がるから、ベルト周辺の高さに絞れ」と言われ、その通りにすると逆転ホームランが打てました。

また、慶應義塾大学に進学後、試験休み中に近況報告へ行った際には、「森本が試合に出るぐらいなら慶應も大したことないな」と、まだ何も話していないのに先生から先にコメントがありました。恐らく、卒業後も私が出場する試合をチェックしてくれていたのだと思います。

これらの経験で気付いたことがあります。それは、「言は、それ自体の正しさよりも、自分を見てくれていると伝わることこそが重要」ということ。無論、私が受けたアドバイスはどれも的確で、成果につながったわけですが、内容以上に「そこまで見てくれているなら応えたい」という思いを持てたことが大きかったのです。

年功序列、終身雇用が崩れ、さまざまな価値観が入り乱れる昨今。特別な何かをするよりも、まずは、身近な人を「よく見る」ことが大事なのかもしれません。

六つの考え方(6) 逆境から生まれる魅力こそ、心を動かす

 

智辯和歌山の代名詞が「強打」(=打ち勝つ野球)です。10点取られても11点取り返す。そんな強力打線が伝統です(私は甲子園通算打率1割台なので強打ではありませんが……)。大差で負けていてもファンは逆転を期待し、応援団も諦めず、選手は最後まで自分たちを信じます。しかし、この強打がなぜ生まれたのか?という点は多く語られていないように思います。

私の考えはシンプルですが「点をたくさん取られたから」だと分析します。つまり、逆境の数が圧倒的に多いがゆえに、それを乗り越える過程で「強打」というイメージができたと考えます。

今は先が見通しづらい、難しい世の中ですが、「逆境から生まれるものは強い」はどんな時代でも変わらない真理だと思います。

 

今回は少し個人的な内容に寄りましたが、物事の本質は普遍的であると信じています。

人生に必要なことが、このグランドには詰まっている

髙嶋先生の言葉が、17年たった今、響きます。

智弁和歌山ユニフォーム


(1)人数より、結束力
(2)短く伝える
(3)常識より、考えた非常識
(4)分解して、量を稼ぐ
(5)相手をよく見る
(6)逆境から生まれる魅力こそ、心を動かす

この六つの考え方が、中小企業経営はもちろん、さまざまな企画開発のヒントとして少しでもお役に立てれば幸いです。

ユニクロ「ヒートテックどん兵衛」食べたら想像を上回る“ヒートテック効果”に驚愕

 まだまだ寒さが続いているが、みなさんは万全な寒さ対策をとっているだろうか。新型コロナウィルスの影響により2回目の緊急事態宣言が発令され、外出自粛を余儀なくされているこのご時世で、寒いお家のなかでじっと籠もっているのも体に堪えることだろう。

 そんな今日この頃、厚着をしても、暖房の温度を上げても、体の芯まで温まらないという方にぜひおすすめしたい商品が登場した。

“ヒートテックのようにインナーから温まる一杯”というキャッチコピーとともに、1月25日に発売された「日清のヒートテックどん兵衛 明太風あんかけうどん」「日清のヒートテックどん兵衛 豚だしあんかけそば」である。

 パッケージにはヒートテックのタグを想起させるようなデザインで「HEATTECH DONBEI」とオシャレに書かれている。そう、あの日清の「どん兵衛」がなぜかユニクロの「ヒートテック」とコラボレーションしたのである。

 ヒートテックどん兵衛はSNSでも大きな話題に。「怪しさMAXのヒートテックどん兵衛」「ヒートテックどん兵衛って意味わからん」と不思議がる人もいれば、実際に食べた感想として「ポカポカになった!」「コンセプト通り体温まる一杯」などと絶賛する人も多く見られた。

 カップ麺とインナーが組み合わさった食べ物とは一体どんな商品なのかと、思わず疑問が頭をよぎる異例のコラボ。「日本の冬をもっと温めたい」という思いからコラボに踏み切った商品のようだが、果たして本当に効果はあるのだろうか。

 そこで、ヒートテックのように温まるどん兵衛にはどんな工夫がされているのか、本当に美味しくて体が温まるのかを検証するため、実食し率直な感想をレポートしていく。

「日清のヒートテックどん兵衛 明太風あんかけうどん」薄味のダシが生姜を引き立てる

 スーパーにて「日清のヒートテックどん兵衛 明太風あんかけうどん」を購入。パッケージに書かれている「明太風あんかけうどん」の文字は、もはや食べなくても美味しさが伝わってくるような組み合わせだ。食べる前から期待大である。

 パッケージをよくよく見てみると「※本商品はユニクロとのコラボ商品です。ヒートテックインナーは入っていません。」との注釈が。こんな些細なところからも少しユニークさを感じる商品となっている。

 フタを開けると「かやく」「粉末スープ」「生姜&七味唐辛子」が入っていた。この「生姜&七味唐辛子」がどうやら、体の内側からポカポカになる決め手のようだ。「かやく」と粉末スープを入れ、5分待ち、後入れの生姜&七味唐辛子を入れれば完成。つくり方はいたってシンプル、普通のカップ麺と同じだ。

 ほかほかの出来たて明太風うどんをさっそく実食していく。

 最初は麺から。ひとくち麺をすすってみると、ふわっと生姜の風味が香ってきた。どん兵衛ならではのモチモチとした平麺うどんに、生姜と七味の風味と和風だしのあんかけスープが絡んでとても美味しい。「かやく」の明太子も崩しながら食べると、明太子の風味も加わってさらに味の深みが増した。

 肝心の体のポカポカ具合は、食べている途中から効果を感じ始めた。生姜と七味唐辛子、そしてスープに含まれる「あんかけ」という最高に体が温まる組み合わせによって、少し汗をかいてしまうほど体が温まった。これは確かに「ヒートテックうどん」といっても過言ではない。

 ただ、和風だしのスープがベースになっているため、濃い味が好みな筆者は食べ進めるうちに少し薄味に感じてしまった。そこで、家にあった生姜を足して生姜の風味を強めてみると、和風だしスープのコクが引き締まって、また一味違う味を楽しめる。購入した際は、ぜひお試しいただきたい。

「日清のヒートテックどん兵衛 豚だしあんかけそば」あんかけスープがポカポカを促進

 続いて「日清のヒートテックどん兵衛 豚だしあんかけそば」を実食していこう。

 先ほどの「明太風あんかけうどん」よりも「豚だし」と「あんかけそば」の組み合わせはあまり馴染みがないため、好奇心をくすぐられた。

 中には、「粉末スープ」、後入れの「液体スープ」、そして「うどん」と同じく「生姜&七味唐辛子」。カップの中には豚だしの豚と思われるものと、すこしの野菜が麺と一緒に入れられていた。

 粉末スープを入れ、フタの上で後入れの液体スープを温めながら、待つこと3分。フタをあけ、液体スープと生姜&七味唐辛子を入れれば完成だ。後入れの液体スープからは、食欲をそそるような豚だしの香りがほのかに感じられた。

 いよいよ実食していこう。こちらも麺をすすったとき、まず生姜の風味が香る。コシのある食感の良いそばと、少々甘めの和風だしあんかけスープとの相性が最高にマッチしていた。

 後に入れた豚だしがちょうどよく和風だしのスープに、絶妙なアクセントを加えているのだ。このスープが本当にいい味を出していて、最後の一滴まで残さず飲み干してしまうほど美味しかった。

 こちらの「そば」も、うどん同様に体のポカポカ具合をすぐに感じられた。細い「そば」の麺によく絡む「あんかけ」のおかげか、体の温まり方はうどんよりも効果を感じやすかったように思う。

 また、この「そば」は先ほど食べた「うどん」よりも味が濃く、「あんかけ」もしっかりとろみが付いているので、しっかり底からかき混ぜながら食べるのがおすすめ。下に味の濃い「あんかけ」が溜まってしまって、最後まで美味しさを楽しめなくなるのはぜひ避けていただきたい。

 あくまで筆者個人の感想ではあるが、「日清のヒートテックどん兵衛 明太風あんかけうどん」と「日清のヒートテックどん兵衛 豚だしあんかけそば」、どちらも体の芯からの温まりを実感することができた。

 食べている最中もポカポカしていたが、食べた後もしばらく温かさが体に残っていた。これならば、“ヒートテックのようにインナーから温まる一杯”という謳い文句も納得できる。

 春に近づいているとはいえまだ気が抜けない寒さが続くため、ユニクロのヒートテックを着ながら、日清のヒートテックどん兵衛を食べて体調を整えていただければ幸いだ。

(取材・文=海老エリカ/A4studio)

菅政権の愚策で日本の自動車産業が衰退危機…コスト削減で外資依存、台湾の半導体支配を助長

 コロナ禍で動画配信、オンラインミーティングやストリーミングゲームが流行し、半導体チップの需要がうなぎのぼりとなって、自動車メーカーがチップを調達できない事態に追い込まれている。

 今や自動車1台に50~80個のマイコンが必要であり、自動車生産コストの3割が半導体部品だ。そして、その調達費用は2030年には自動車コストの5割に達すると予想されるほどである。

 半導体不足で自動車メーカーは減産を余儀なくされ、その影響はトヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業(ホンダ)などの日系メーカーから、フォルクスワーゲン、フォード、フィアット・クライスラー(ステランティス)などの欧米メーカーにまで波及している。

 自動車メーカーの苦境は、運転支援、大型ディスプレイ、コネクテッドカーなどの目新しい機能を満たす処理のために必要な半導体部品が調達できないことで、悪化している。

半導体不足の元凶

 車載の半導体不足に関する原因は、いくつか挙げられている。

 味の素のCPU向け絶縁体不足、旭化成の半導体工場火災などが指摘されているが、それだけにはとどまらない。この10年かけて日本の半導体メーカーがチップ製造を台湾へ委託することが進行していたことにある。

 日本企業のルネサスだけではなく独インフィニオン、蘭NXPなどの車載チップに強いメーカーがチップ製造を委託していた台湾大手半導体ファウンドリのTSMCが、車載チップの供給を満たしていなのだ。

 日米欧の首脳らが、車載チップ不足で台湾当局とTSMCの製造強化について協議しているところからも、チップ不足の原因は世界の半導体製造シェア55%を誇るTSMCだとみるべきだろう。

 ここで奇妙なのは、車載用チップの多くは28ナノ、40ナノなどのレガシーテクノロジーで、かつ変更の難しい車載認定ラインであるため、最先端プロセスを利用するスマホなどのコンシューマへ転用することは難しく、車載ラインをコンシューマに充てることはないという点だ。単純に、TSMCが計画通りに受注した車載チップを製造せずに、車載チップ製造ラインの人員リソースをコンシューマ製造ラインに優先して割いているのではないかという疑惑がある。

 TSMCの最高経営責任者(CEO)であるC・C・ウェイ氏は1月15日の英文ニュースで、「車載チップ不足解消がTSMCにおいての最優先事項」と語ったと報じられたが、同日に出た中文ニュースでは「5Gとハイパフォーマンスコンピュータに焦点を当てている。認証期間が長く、製造プロセスが複雑なため、自動車用チップの増産をまだ決定していない」と、矛盾する回答を行っている。

 このウェイ氏のコメントから、「英語圏の人々には車載が最優先だと調子のいいことを言って、中国語圏の人々に対しては車載増産を決定していないと答えるのはおかしいのではないか」と、自動車業界から不満の声も上がっている。

 中国が国家戦略計画「製造2025」で、半導体が産業の肝だとして自給率75%を目指しているにもかかわらず、日米欧の政府が自国の半導体自給率を甘く見ていたことにも責任がある。

キングメーカーは台湾へ

 自動車メーカーだけでなくエレクトロニクスメーカー全般にいえることだが、半導体製造を外資に依存するのは高リスクだ。ところが、半導体市場は投資額が大きい一方で競争が激しく利益確保が難しいため、各国政府が自国半導体企業を支えてこなかったという背景がある。

 2008年のリーマンショック前までは、日本のエレクトロニクスメーカーはパソコンや携帯、スマホに強かったが、チップ製造を台湾にアウトソースした結果、新製品リリースのタイミングでチップが供給されずにシェアを落としたということが何度もあった。

 台湾半導体企業は、自分たちが選んだ“仲間”へ優先的にチップを供給して市場で勝たせるという、“キングメーカー”の役割を果たしている。

 奇妙なことに、世界的な車載チップ不足による減産が指摘されるなかで、テスラだけが40%の増産を発表しており、チップが不足しているとの報道はない。車載半導体の供給不足で日米欧の各自動車メーカーが数万台ずつ減産したが、ちょうどテスラの増産分20万台が市場の自動車需要分に穴が開かないように供給されるのは偶然だろうか。

 トヨタが米国市場でピックアップトラック減産に踏み切るが、そのタイミングでアマゾンがピックアップトラック投入を発表した。

 各社減産分を増産する企業が存在するという流れが、半導体を牛耳る企業が自動車市場での勝者を決める“キングメーカー”となったと言われるゆえんである。

同郷・血縁でつながる台湾半導体企業群

 日本で上場する某ファブレス半導体企業の社長から、「台湾には半導体シンジケートが存在し、逆らうとチップが供給されなくなるという話を聞く」と聞いたことがある。

 その後、調査を重ねるにつれて、台湾の半導体企業の多くが100年以上前から同郷・血縁関係で成り立っていることがわかった。その中心にいるのが、戦中の蒋介石を支えた上海疎開地を牛耳るマフィアのトップ・杜月笙であり、米制裁対象のファーウェイ最高財務責任者(CFO)の孟晩舟は、杜月笙と周恩来の共通の部下、孟東波の孫である。

 台湾メモリ大手ウィンボンド及びマイコン中堅ヌヴォトンは、杜月笙の右腕で上海電線工場利権を得ていた焦廷標の息子焦佑鈞が創業者である。そのウィンボンドと同時に創業したのが、先祖代々の仲間である孟家のファーウェイと、台湾大手半導体製造にまで成長したTSMCであり、この3社は支え合いながら成長してきた。

 また、焦佑鈞は、側近の張汝京に出資してWSMCを創業させ、後にTSMCと株式交換による統合でTSMCの株主となる。その後、張汝京は中国大手半導体SMICを創業し、TSMCが株主となった。

 こう見ると、ファーウェイのチップ製造を行っているTSMCもSMICも、焦佑鈞が支配者である。そしてファーウェイ製品の組み立てを行うフォックスコンの郭台銘と張忠謀は親戚だ。

 ARMを買収したソフトバンクグループの初期の投資家である蔡崇信の祖父は、杜月笙の弁護士・蔡六乗だ。その蔡崇信の妻・呉明華は、台湾土着のビジネスグループである台南幇の重鎮の孫娘。その台南幇の仲間うちがエヌビディアCEOのジェンスン・ファンと、その親戚のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)のCEOであるリサ・スーだ。

 こう見ると、世界の主要な半導体メーカーが仲間意識の強い同郷血縁関係にある華人にかなり牛耳られており、彼らに逆らったり、にらまれたりすると「半導体調達がひっ迫」する羽目に陥るというわけだ。

高まる外資依存のリスク

 今回の世界的な半導体不足で、エレクトロニクス産業にしろ自動車産業にしろ、半導体製造を台湾に依存するリスクの高さが露呈した。コメの自給率が100%である一方、日本では“産業のコメ”と呼ばれる半導体チップの自給率にまで経産省が注力しなかったことが原因である。

 半導体製造を外資に委託することで、コスト削減やバランスシートの改善というメリットが得られるが、その一方で日本の国策産業であったエレクトロニクスは低迷し、いまや自動車産業まで凋落の危機に晒されている。

 過去に、台湾で上場していたファブレス企業も台湾ファウンドリから納品がなされずに倒産、日本のコンピュータ・メーカーが台湾にチップ製造を委託して9割が不良品だとして1割しか納品されず、いつの間にか中国闇市場で同チップが大量に流通していたというトラブルも業界では指摘されている。

 では、コスト削減のために、日本企業は海外で半導体を生産すべきなのかというと、それも違う。日本のエレクトロニクス企業が凋落した原因は、中国に半導体工場を設立し、チップの設計から製造技術までが流出したことにある。

 2011年の時点で、パナソニックの中国人社員が「チップ営業を努力しても、本物が半額以下で闇市場に流れているので勝ち目がない」と零していた。

半導体製造は国家戦略

 半導体製造を「コスト」でしか捉えられなければ、半導体企業だけでなく「国家」が衰退することになる。

 中国の「製造2025」でも発表されたが、高い半導体自給率は強い国家の戦略となるため、米国はそうはさせまいと闘ったのだ。韓国はサムスン、LGが戦略的に半導体製造を維持し、台湾も半導体産業支配で世界のエレクトロニクス産業から自動車産業までも支配しようとしている。

 菅政権最大の愚策は、日本のエレクトロニクス産業を侵食し、自動車産業を支配するために供給を怠ったTSMCに日本人の血税を注いで、半導体工場をつくらせようとしていることだ。過去に日本は半導体素材、製造装置で世界トップレベルであった。同じだけの金と土地を日本企業に与えれば、日本の半導体復興は自前で可能なのに、外国企業に利権を与えるのは癒着以外の何物でもない。日台連携を目指して滅んだエルピーダのことを忘れたか。

 日本の国策半導体企業であるDRAM大手エルピーダは、産業活力再生特別措置法(産活法)いよって台湾と連携して復興を目指したが、台湾企業に技術が流出して類似品大量市場投入によるDRAM価格暴落を招き、会社更生法を申請するに至った。

 もともと日本は半導体製造で輝かしい技術を持っていた。そして、今も素材から半導体製造装置まで、多くを日本企業が占めている。今こそ、日本の半導体企業に対して投資し、解雇された半導体企業社員を呼び戻すべき時なのである。

 菅政権は中小企業を潰し、地方銀行に中小企業を買収させて外資に売り飛ばす方向で銀行法改正に動き、そして産業の心臓部分である日本の半導体産業を潰そうと動いている。

 国民には自粛を押し付ける一方で、菅義偉総理は3カ月で会食100回以上、長男は総務省役人を高級料亭で接待することに明け暮れている。

 国民を思いやらず、日本経済の未来も考えず、法律改悪で利権漁りに明け暮れる政権には早期に退陣していただかなければ、日本は追い詰められた半導体産業だけでなく自動車産業まで滅びる運命となる。
(文=深田萌絵/ITビジネスアナリスト)

深田萌絵(ふかだもえ)
ITビジネスアナリスト
早稲田大学政治経済学部卒 学生時代に株アイドルの傍らファンドでインターン、リサーチハウスでジュニア・アナリストとして調査の仕事に従事。外資系証券会社を経て、現在IT企業を経営。

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高崎卓馬×YouTube。動画と映像って、何がちがうんですかね。

TRACKロゴ

緊急事態宣言が出てからよく歩くようになった。平均1万2000歩くらいをずっと維持している。

リモート社会になってガラッと変わった生活環境にジワジワ自律神経がやられていく感覚があって、こりゃヤバイなと意識的にリズムをつくるようにした。ルーティンはストレスを減らしてくれる。曖昧になりがちな1日の輪郭をつくってくれる。なぜか、痩せはしないけど。

リモートになって一番きついのが、プレゼンで外した直後の慰めタイムが消えたことだ。

仲間だけになったエレベーターで「でもあの企画好きですよ僕」とか「〇〇さんはいい反応でしたよ」みたいな優しい言葉に、どれだけ自分が救われていたか痛感する。

TeamsやZoomだと退出ボタンを押した瞬間にひとりだ。もう誰もなんにも言ってくれない。ただスベったという事実だけがズンと心を重くする。

自分より悔しそうにしている後輩や、すぐさま対応を考える仲間のなんと心強かったことか。「帰り道」みたいな無駄な時間がもっていたものを僕らは便利の代わりに失っている。無駄ってけっこう大事だったんだなあ。

プレゼン帰り道

あ、本題にはいらなければ。こんど電通のクリエーティブ局の若手数人とTRACKというプロジェクトを立ち上げた。これは主にインフルエンサーの映像コンテンツを考えるチームだ。わかりやすく言うとYouTuberの映像企画だ。

このプロジェクトの話をするとたいていのひとがなんで高崎が?という顔をする。そういう顔をするひとはたいていおじさんだ。新入社員の部屋に、もはやテレビがなかったりすることに驚いちゃうタイプのひとだ。といいつつ僕自身ちょっと前までそっちのタイプだったんだけど。

映像と動画の境界線はどこに?

最初の緊急事態宣言が出て、YouTuberのことを勉強しはじめた。このビジネスがどうして成り立っているのかあまり知らなかったし、これからどうなるのかなんて考えたこともなかった。

漠然とテレビ対YouTubeみたいな構造をうのみにしていた。自分のなかで動画と映像の違いはとてつもなく大きい。伝えたいものがあって構築されたものが映像で、撮れてしまった偶然の面白いものが動画、となんとなく線を引いていた。

だから自分のつくるものが動画と呼ばれることに抵抗を感じてもいたし、子猫たちが鍋のなかにギッチギチに入っているみたいなものは、つくっても勝てないからつくらないと決めていた。事実が面白くてそれを記録するのが動画の役割で、ノンフィクションの面白さと、フィクションの面白さは別のものだ、と思っていた。

フィルムとビデオの差とかウジウジ考え続けてきた人生だから、そのあたりなんとなく無理やり腑に落としてたんだろう。後輩たちとそのあたりの話をしてもなんとなくスルーされたから、まあどっちがどっちでもいいのかもしれない。

猫鍋企画

実際、YouTuberの動画を観てみるとなんだか昔の深夜テレビのようなものが多い。企画内容だけでなく最近はそこに芸能人が入ってきて余計その感じが強くなっている。やってみた系とか、大食い系とか、〇〇系というパターンが見える。聞けば、中身の想像がつかないものはクリックされないらしい。

つくり手としては寂しい気もするが、動画を見る側になるとそれはそうだなとも思う。あれだけの数があふれかえっているのだから、見る側からすると整理されていないと探せないし、探している時点で自分の欲しているものを自覚する。それにフィットしないものを見ようなんて気持ちには、まずならない。

昔お菓子のパッケージをつくらせてもらったときに「オシャレなデザインだと売れない」と言われたことがある。中身の写真がないと人は手にとらない、と。実際にそうだった。それを当時はデザインの敗北みたいに受け止めていたところもあるけど、買う側になったらそらそうだなとも思う。

説明過多デザイン

 
とある後輩プランナーは映画やドラマのあらすじを知らずに観るのは嫌だと断言していた。ある程度安心しないとディティールを楽しめないのだそうだ。ううむ。

ネタバレ上等

動画のなかにときどき、広告案件というものを目にする。ほとんどがいわゆるプロダクトプレースメントの延長にあるものだ。これだけ登録数もあって再生数も半端ないインフルエンサーを、企業やブランドはまだ活用しきれていない印象がある。

YouTuberは視聴者とダイレクトに向き合っているから、その期待に応え続ける必要がある。ひょいひょい広告案件をやっていたらチャンネル登録数は減っていくはずだ。だから彼らは広告案件には慎重になるという声も聞く。クライアントは自分たちの都合があまり反映できないとあきらめているという声も聞く。

そんな風景を眺めているうちにここが広告的に「未開の土地」に見えてきた。広告が向いていないのではなくて、広告がまだ浸透していないだけなんじゃないか?そんなふうに思うと風景が一変した。

そもそもテレビCMがどうして面白くなきゃいけなかったか?広告って邪魔なものだからだ。そうだ、僕らは企業の情報を、視聴者が見てよかったと思うものに変える「企画」という魔法を持っている。YouTubeの動画という領域にはまだ「広告の企画」が入っていないんじゃないか。

そう考えるとこれから面白くなっていく匂いがプンプンする。たぶんチャンスありだ。BumperとかTrueViewは、ここをメディアと考えてそこに広告を置く。でももっと企画は深入りできる。テレビとは違う形があるはずだ。プレースメント以上のことができるかもしれない。

クライアントもYouTuberも視聴者も幸せになるものはきっとある。動画じゃなくて、映像なものが。突然ワクワクしだした。動画の世界に、映像を持ち込むことができるかもしれない。動画と映像のちがいについてウジウジ考えてきた甲斐があったかもしれない。

え?必要な既視感ってなんですか?

さっそく若手の有志を集めた。普段からYouTubeに接している世代の感覚が大事なはずだ。

でも彼らは広告のスキルはあっても、この手の動画のスキルは知らない。きっと僕らの知らない動画の作法や秘訣があるはずだ。動画の世界のルールをしっかり学んでおくのは大事だ。そこでUUUMのみなさんに何度かレクチャーの会を開いてもらった。実践形式で企画を出して、コメントをもらった。これが実に面白かった。

一番面白かったのが、「既視感」と「過ぎたもの感」の違いだ。まったく既視感のないものを視聴者は選ばない。サムネイルで中身を想像してクリックするからだ。想像がつかないものに時間を割くひとはいない。

でもだからと言って、それがなんだか古い印象を連れてくるともうダメになる。動画の賞味期限は思うよりずっと短い。

腐りかけが一番美味なり

鮮度という基準を僕たちは普段そこまでは意識していなかった。広告の場合はもう少し長いスパンで考える。アウトプットのジャンルによってそのあたりの速度がちがうのはよく考えたら当たり前だけど、この30年まったく意識したことのない感覚だったから面白かった。テレビの放送作家さんのほうがこのあたりは近いんだろうな。

それからさらに、YouTube独特のアルゴリズムの洗礼をうけて、最終的にクリエイティブ系の電通各局から5人の若手が仲間になった。原央海、萩原陽平、与座郁哉、真子千絵美、春田凪彩だ。

そして、心強いビジネスプロデューサーの3人、武士壮、山内伸浩、岸田雄也を加え合計9人。

これが今回のプロジェクトTRACKのメンバーになる。

TRACKって、跡とか轍とか小道みたいな意味だ。僕らがかきわけたそこがいつか道になるといいなと思って。

TRACKメンバー

このTRACKは、UUUMと企画業務の提携をした。YouTuberの動画企画をしながら、僕らは今までのYouTube動画にはなかった新しいものをつくる。しつこいけど、映像を。

企画というスキルをつかって僕らにしかできないものを。スポンサーとインフルエンサーのすてきな関係はきっとつくれるはずだ。学習しながら、検証しながら、この山をしばらくみんなで登ってみようと思う。このウェブ電通報でもまたレポートしていこうと思う。

というわけで、広告関係のみなさま、クライアントのみなさま、インフルエンサー×映像で、なにかやろう!というときはぜひお声かけください。学びながら新しくて効果のあるアウトプットをつくっていきますので。 


文とイラスト:高崎卓馬
TRACK ロゴデザイン:堀田さくら

高崎卓馬×YouTube。動画と映像って、何がちがうんですかね。

TRACKロゴ

緊急事態宣言が出てからよく歩くようになった。平均1万2000歩くらいをずっと維持している。

リモート社会になってガラッと変わった生活環境にジワジワ自律神経がやられていく感覚があって、こりゃヤバイなと意識的にリズムをつくるようにした。ルーティンはストレスを減らしてくれる。曖昧になりがちな1日の輪郭をつくってくれる。なぜか、痩せはしないけど。

リモートになって一番きついのが、プレゼンで外した直後の慰めタイムが消えたことだ。

仲間だけになったエレベーターで「でもあの企画好きですよ僕」とか「〇〇さんはいい反応でしたよ」みたいな優しい言葉に、どれだけ自分が救われていたか痛感する。

TeamsやZoomだと退出ボタンを押した瞬間にひとりだ。もう誰もなんにも言ってくれない。ただスベったという事実だけがズンと心を重くする。

自分より悔しそうにしている後輩や、すぐさま対応を考える仲間のなんと心強かったことか。「帰り道」みたいな無駄な時間がもっていたものを僕らは便利の代わりに失っている。無駄ってけっこう大事だったんだなあ。

プレゼン帰り道

あ、本題にはいらなければ。こんど電通のクリエーティブ局の若手数人とTRACKというプロジェクトを立ち上げた。これは主にインフルエンサーの映像コンテンツを考えるチームだ。わかりやすく言うとYouTuberの映像企画だ。

このプロジェクトの話をするとたいていのひとがなんで高崎が?という顔をする。そういう顔をするひとはたいていおじさんだ。新入社員の部屋に、もはやテレビがなかったりすることに驚いちゃうタイプのひとだ。といいつつ僕自身ちょっと前までそっちのタイプだったんだけど。

映像と動画の境界線はどこに?

最初の緊急事態宣言が出て、YouTuberのことを勉強しはじめた。このビジネスがどうして成り立っているのかあまり知らなかったし、これからどうなるのかなんて考えたこともなかった。

漠然とテレビ対YouTubeみたいな構造をうのみにしていた。自分のなかで動画と映像の違いはとてつもなく大きい。伝えたいものがあって構築されたものが映像で、撮れてしまった偶然の面白いものが動画、となんとなく線を引いていた。

だから自分のつくるものが動画と呼ばれることに抵抗を感じてもいたし、子猫たちが鍋のなかにギッチギチに入っているみたいなものは、つくっても勝てないからつくらないと決めていた。事実が面白くてそれを記録するのが動画の役割で、ノンフィクションの面白さと、フィクションの面白さは別のものだ、と思っていた。

フィルムとビデオの差とかウジウジ考え続けてきた人生だから、そのあたりなんとなく無理やり腑に落としてたんだろう。後輩たちとそのあたりの話をしてもなんとなくスルーされたから、まあどっちがどっちでもいいのかもしれない。

猫鍋企画

実際、YouTuberの動画を観てみるとなんだか昔の深夜テレビのようなものが多い。企画内容だけでなく最近はそこに芸能人が入ってきて余計その感じが強くなっている。やってみた系とか、大食い系とか、〇〇系というパターンが見える。聞けば、中身の想像がつかないものはクリックされないらしい。

つくり手としては寂しい気もするが、動画を見る側になるとそれはそうだなとも思う。あれだけの数があふれかえっているのだから、見る側からすると整理されていないと探せないし、探している時点で自分の欲しているものを自覚する。それにフィットしないものを見ようなんて気持ちには、まずならない。

昔お菓子のパッケージをつくらせてもらったときに「オシャレなデザインだと売れない」と言われたことがある。中身の写真がないと人は手にとらない、と。実際にそうだった。それを当時はデザインの敗北みたいに受け止めていたところもあるけど、買う側になったらそらそうだなとも思う。

説明過多デザイン

 
とある後輩プランナーは映画やドラマのあらすじを知らずに観るのは嫌だと断言していた。ある程度安心しないとディティールを楽しめないのだそうだ。ううむ。

ネタバレ上等

動画のなかにときどき、広告案件というものを目にする。ほとんどがいわゆるプロダクトプレースメントの延長にあるものだ。これだけ登録数もあって再生数も半端ないインフルエンサーを、企業やブランドはまだ活用しきれていない印象がある。

YouTuberは視聴者とダイレクトに向き合っているから、その期待に応え続ける必要がある。ひょいひょい広告案件をやっていたらチャンネル登録数は減っていくはずだ。だから彼らは広告案件には慎重になるという声も聞く。クライアントは自分たちの都合があまり反映できないとあきらめているという声も聞く。

そんな風景を眺めているうちにここが広告的に「未開の土地」に見えてきた。広告が向いていないのではなくて、広告がまだ浸透していないだけなんじゃないか?そんなふうに思うと風景が一変した。

そもそもテレビCMがどうして面白くなきゃいけなかったか?広告って邪魔なものだからだ。そうだ、僕らは企業の情報を、視聴者が見てよかったと思うものに変える「企画」という魔法を持っている。YouTubeの動画という領域にはまだ「広告の企画」が入っていないんじゃないか。

そう考えるとこれから面白くなっていく匂いがプンプンする。たぶんチャンスありだ。BumperとかTrueViewは、ここをメディアと考えてそこに広告を置く。でももっと企画は深入りできる。テレビとは違う形があるはずだ。プレースメント以上のことができるかもしれない。

クライアントもYouTuberも視聴者も幸せになるものはきっとある。動画じゃなくて、映像なものが。突然ワクワクしだした。動画の世界に、映像を持ち込むことができるかもしれない。動画と映像のちがいについてウジウジ考えてきた甲斐があったかもしれない。

え?必要な既視感ってなんですか?

さっそく若手の有志を集めた。普段からYouTubeに接している世代の感覚が大事なはずだ。

でも彼らは広告のスキルはあっても、この手の動画のスキルは知らない。きっと僕らの知らない動画の作法や秘訣があるはずだ。動画の世界のルールをしっかり学んでおくのは大事だ。そこでUUUMのみなさんに何度かレクチャーの会を開いてもらった。実践形式で企画を出して、コメントをもらった。これが実に面白かった。

一番面白かったのが、「既視感」と「過ぎたもの感」の違いだ。まったく既視感のないものを視聴者は選ばない。サムネイルで中身を想像してクリックするからだ。想像がつかないものに時間を割くひとはいない。

でもだからと言って、それがなんだか古い印象を連れてくるともうダメになる。動画の賞味期限は思うよりずっと短い。

腐りかけが一番美味なり

鮮度という基準を僕たちは普段そこまでは意識していなかった。広告の場合はもう少し長いスパンで考える。アウトプットのジャンルによってそのあたりの速度がちがうのはよく考えたら当たり前だけど、この30年まったく意識したことのない感覚だったから面白かった。テレビの放送作家さんのほうがこのあたりは近いんだろうな。

それからさらに、YouTube独特のアルゴリズムの洗礼をうけて、最終的にクリエイティブ系の電通各局から5人の若手が仲間になった。原央海、萩原陽平、与座郁哉、真子千絵美、春田凪彩だ。

そして、心強いビジネスプロデューサーの3人、武士壮、山内伸浩、岸田雄也を加え合計9人。

これが今回のプロジェクトTRACKのメンバーになる。

TRACKって、跡とか轍とか小道みたいな意味だ。僕らがかきわけたそこがいつか道になるといいなと思って。

TRACKメンバー

このTRACKは、UUUMと企画業務の提携をした。YouTuberの動画企画をしながら、僕らは今までのYouTube動画にはなかった新しいものをつくる。しつこいけど、映像を。

企画というスキルをつかって僕らにしかできないものを。スポンサーとインフルエンサーのすてきな関係はきっとつくれるはずだ。学習しながら、検証しながら、この山をしばらくみんなで登ってみようと思う。このウェブ電通報でもまたレポートしていこうと思う。

というわけで、広告関係のみなさま、クライアントのみなさま、インフルエンサー×映像で、なにかやろう!というときはぜひお声かけください。学びながら新しくて効果のあるアウトプットをつくっていきますので。 


文とイラスト:高崎卓馬
TRACK ロゴデザイン:堀田さくら