ホンダは1980年代後半にいちはやく燃料電池(フューエルセル=FC)の基礎研究をスタートさせた歴史を持つ。一貫して技術向上にいそしみ、すでに何世代かのFCEVを世に送り出してきた。前作に当たるクラリティ・フューエルセルの販売終了から2年半が経過。最新作のCR-V e:FCEVは、通常のBEVのように外部から充電できるように進化したのが最大のポイントだ。
各部が改良された最新のアウトランダーPHEVを公道でドライブする機会を待っていた。試乗車は、装備が充実した新設定の最上級グレード、Pエグゼクティブパッケージだ。アウトランダーはこれまでも完成度が高かった。変える必要があるのだろうかとさえ思っていた。ところが、ひと足早くサーキットで新型プロトに乗って驚いた。想像以上に大きく進化し、よくなっていたからだ。公道でも素晴らしい走りが味わえるに違いないと期待していたら、やっぱりそうだったというのが第一印象である。
こだわりのコンパクトプレミアム、ノート・オーラ・オーテックに、爽快なドライビングフィールを追求した“スポーツスペック”が加わった。オーテックは“Premium Sporty”をキーワードに内外装をスペシャルな味わいに仕上げた個性派シリーズである。
満を持して登場した3代目はユーザーを“笑顔”にするマルチユースモデル。シンプル&ナチュラル志向のAIRと、アクティブスタイルのCROSSTARを用意し、AIRは全車3列シート構成。CROSSTARは2列と3列シートが選べる。パワーユニットはホンダ主力の最新e:HEVハイブリッドと1.5Lガソリン。ともに高効率設計により爽快な走りを計算。駆動方式はFFと4WDだ。新型は、日常を輝かせる+αを大切にしたフレンドリーモデル、魅力的である。
日産ノートがマイナーチェンジした。ノートは“2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー”に輝いた実力車。今回の改良は、内外装がメイン。メカニズムは基本的に従来と共通だ。試乗車は、電動4輪駆動のX FOURグレードである。
メルセデスはクーペに強い思い入れを持つメーカーである。過去に何台もの印象的なクーペを送り出してきた。少し前までSクラス、Eクラス、Cクラスのそれぞれにクーペとカブリオレをラインアップしていたほどだ。ところが時代は変わり、セダンやステーションワゴン以上にニーズの減少が顕著な2ドアクーペは存続するのが難しくなってきた。それでもプレミムブランドのメルセデスにとって、伝統的な2ドアクーペは守るべき存在。ラインアップしないわけにはいかない。
アストンマーティンは英国の名門。かつてル・マンを席巻した栄光の歴史の持ち主である。彼らは誇らしい未来に向け明確な一歩を踏み出した。テーマは「パフォーマンス」と「ラグジュアリー」の高次元融合。デビューした主軸モデルのヴァンテージは、AMG製4L・V8DOHC32Vツインターボを搭載。最高出力はDB12比30ps増の665psを誇る。トップスピードは325km/h、0→100km/h加速は3.5秒。スタイリングはアスリートを連想する緊張感が印象的だ。
アリアNISMOは“安心感があり、気持ちよく、結果として速いクルマ”を目指したスペシャルモデル。レース経験豊富な匠の技を傾注したスポーツBEVである。テストコースで走りを味わった。
ティグアンはオールラウンドなキャラクターの上級SUV。VWの屋台骨を支える主力である。MQBプロ・プラットフォームを採用し、快適性と逞しさに磨きをかけた新型に、南仏ニース近郊で試乗した。
WR-VはホンダSUVの最新エントリーカー。ボクシーな力強い造形と広い室内、そして全車250万円以下の価格が魅力だ。パワーユニットは1.5Lガソリン(118ps)。生産はインド工場が担当する。