世界は、米国を中心とする民主主義国と、中国を軸とする非民主主義国の二大勢力に分断され、それらの対立が深まりつつある。現在の地政学リスクの高まりは、米国の伝統的孤立主義への回帰による歴史的必然である。本連載の最終回は、ロシアと中国、インドの結束が非民主主義国の勢力を強める可能性について分析する。
中国には伝統的に華夷思想があり、自らを世界の中心である「中華」と位置付ける。習近平政権は、この華夷思想を色濃く反映した政策を展開する。米ドナルド・トランプ政権が西半球重視の国家戦略を打ち出したため、東半球に位置する中国にとって、これは地政学的に有利な事情となろう。
インドの特徴は、英語と数学に強い人が多いことである。その恩恵を受けるかたちで、現在のテクノロジー業界でインドの強みが生きている。
中国による台湾への軍事侵攻の可能性は、現時点で著しく低いと考えられる。しかし万が一、台湾への侵攻が発生した場合、AI(人工知能)関連企業を中心に、世界の株式市場を大きく揺るがす事態に至る可能性が高い。
ロシアにとっては、安全保障上、ウクライナをその影響下に置いておく必要がある。そのため、ロシアのウクライナ侵攻は長期化し、結果として、世界の金融市場に対して大きな影響を与えている。
ドナルド・トランプ米大統領は2025年に新国家安全保障戦略を公表した。これは、西半球の軍事力を強化する方針を示したもので、「ドンロー主義」(トランプ版モンロー主義)を具現化したものとされている。
ロシアのウクライナ侵攻の長期化と2025年のトランプ大統領の再登場で、世界的な地政学リスクが高まっている。その結果、世界的に国防費が増加しつつあり、これが株式市場にも大きな影響を与えている。
ドナルド・トランプ大統領は、米国第一主義を掲げ、関税率の大幅な引き上げ、国際機関などからの離脱、不法移民対策の強化などを打ち出した。トランプ関税が長期化した場合、日本最大の産業である自動車業界に大きな影響を及ぼすものとみられる。
地政学的視点から米国を分析し、それらが金融市場に与える影響について検討する。今年2月、米国とイスラエルはイランに本格的な軍事攻撃を実施した。地政学的な視点から両国によるイラン攻撃の背景を分析する。
地政学は、国際政治や安全保障において地理的要素を重視する学問だ。本連載では10回にわたり、地政学リスクが株式相場に与える影響を分析していく。