ちょうど1年前、キャリア2戦目で京成杯(G3、2000m)を制覇したラストドラフト(牡4歳、美浦・戸田博文厩舎)がAJCC(G2、芝2200m)に出走する。
京成杯を最後に勝ち星こそないが、前走の中日新聞杯(G3、2000m)では優勝したサトノガーネットからアタマ差の2着に好走。復調気配をうかがわせている。
ラストドラフトはデビュー戦で1800mを走った後、一貫して2000mを使われ続けてきた。今回は距離を伸ばし、初めての2200m戦に臨む。父ノヴェリスト、母の父ディープインパクトという血統背景から、距離延長はむしろ歓迎。
自身も距離延長で臨んだ京成杯を制しているだけに、人気はなくとも不安よりも期待の方が大きい。
22日の追い切りは、美浦・Wコースで単走追い。ラストは馬なりのまま11秒8を記録した。抜群の動きを披露し、前走からさらなる上積みが期待できそうだ。
管理する戸田調教師の勢いもラストドラフトにとって追い風になる。同厩舎は昨年1月にラストドラフトが京成杯を制し、幸先いいスタートを切ったが、その後は勝利数が伸びず17勝に終わった。
20勝に届かなかったのは、開業3年目の2003年以来、実に16年ぶりという不振だ。そのうっ憤もあったのか、戸田師は昨年10月に問題を起こしている。
レース後の検量室内で松若風馬騎手に対し粗暴な行為に及び、JRAから過怠金20万円を科された。それ以前から騎手やスタッフに対し怒鳴りつけるなど悪評も多かった同師。JRAからの処分で“改心”したかどうかはさておき、年が変わり一転2020年は好調を維持している。
戸田調教師は現時点でリーディングトレーナー部門2位の5勝を挙げているが、平地だけなら単独1位。勝率は昨年の5.8%から29.4%に飛躍的に良化し、堂々の全国トップである。
戸田調教師は昨年のAJCCにもメートルダールを出走させ、単勝オッズ25.9倍の5番人気ながら、優勝したシャケトラから0.1秒差の3着とあわやのシーンを演出。メートルダールも、中日新聞杯からのローテーションで、今回のラストドラフトとイメージはかぶる。
ラストドラフトにとってもう一つの追い風が、昨年のAJCCでメートルダールを3着に導いたO.マーフィー騎手の存在だろう。
前走の中日新聞杯で初めてコンビを組み2着と好走。レース後にマーフィー騎手は「最後(ゴール前)にふわっとした」というコメントを残しており、同馬の癖をつかんだ今回はさらなる期待をしていいだろう。
またマーフィー騎手自身も先週だけで7勝、現在全国リーディングトップの18勝を挙げており、今「最も乗れている」騎手だ。2月3日に短期免許が切れるが、日本を離れる前に一発を狙っているはずだ。
2020年絶好調の「戸田×マーフィー」タッグ。勢いそのままに、ラストドラフトで重賞制覇を狙う。