8日には、香港のシャティン競馬場で香港C、ヴァーズ、マイル、スプリントの4つのG1からなる香港国際競走が開催される。
今年は日本の大将格アーモンドアイが熱発のために回避という残念なニュースがあったが、それでもJRAから9頭の実力馬が遠征予定。日本馬による香港G1制覇も十分に期待できそうだ。
日本馬の期待の大きさで述べると、やはりG1馬4頭が出走する香港マイルか。筆頭は11月のマイルCS(G1)を制して、春の安田記念(G1)との統一マイル王に輝いたインディチャンプ(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。
他にも今春のヴィクトリアマイル(G1)を勝ったノームコア、NHKマイルC(G1)の覇者アドマイヤマーズ、マイルCSで3着と復調気味のペルシアンナイトと層の厚さは地元香港馬を凌駕すると述べても過言ではないだろう。
対する地元香港勢は、この路線の香港の絶対的エース・ビューティージェネレーション(セン7歳、J.ムーア厩舎)が、調子を落としているのが気掛かりだ。
昨年4月のチャンピオンズマイル(G1)を勝ってから怒涛の10連勝。無敵の快進撃を続けていたビューティージェネレーションだったが、この2走は3着で2連敗。トップハンデを背負っていたとはいえ、昨年ほどの勢いがないことは確かだ。
そんなビューティージェネレーションをジョッキークラブマイル(G2)で破ったワイクク、カーインスターも当然警戒が必要だが、総大将に陰りがある以上、勢いは日本勢に分があるか。2015年のモーリス以来、4年ぶりの戴冠の可能性も十分だ。
一方の香港Cは、アーモンドアイ不在とはいえ、ウインブライト(牡5歳、美浦・畠山吉宏厩舎)の優位は動かない。
今年、中山金杯(G3)、中山記念(G2)を連勝すると初の海外遠征となった香港のクイーンエリザベス2世C(G1)で3連勝。香港の強豪を抑え込んだだけでなく、3着馬が後に宝塚記念(G1)と豪コックスプレート(G1)を連勝するリスグラシューだけに、その価値は高い。
さらに当時の2着馬で、前哨戦のジョッキークラブC(G2)を勝ったエグザルタントが香港ヴァーズに回ったことで、ウインブライトの優位はより盤石なものとなっている。気になる地元勢は、前哨戦で2着だったフローレと4着のライズハイか。
そのエグザルタントが出走する香港ヴァーズには、日本からラッキーライラック(牝4歳、栗東・松永幹夫厩舎)、ディアドラ(牝5歳、栗東・橋田満厩舎)、グローリーヴェイズ(牡4歳、美浦・尾関和人厩舎)の3頭が出走する。
エリザベス女王杯(G1)で復活の勝利を上げたラッキーライラックだが、課題はやはり2400mの距離か。そこは今夏英国でナッソーS(G1)を制したディアドラも同じ。能力は国際G1級だが、距離適性に関してはディフェンディング・チャンピンオンであるエグザルタントに分があると述べざるを得ないだろう。
距離という点では、今年の天皇賞・春(G1)で2着だったグローリーヴェイズが、日本勢の中では最も信頼できる。だが、1番人気を裏切った前走の京都大賞典(G2)6着からどこまで立て直せるか。
ブリーダーズCターフ(G1)3着など今一歩足りない今年の英ダービー馬アンソニーヴァンダイクも強敵で、ジャパンC出走を断念したプリンスオブアランもワンチャンスある存在だ。
日本馬が毎年苦戦を強いられる香港スプリントには、ダノンスマッシュ(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)が挑戦するが、やはり苦戦は免れないだろう。
今年、高松宮記念(G1)、スプリンターズS(G1)と共に1番人気に推されたダノンスマッシュの素質は認めるものの、日本よりもハイレベルな香港の一流スプリンターは、その上を行く前評判だ。
中心は3歳馬のエセロ。キャリアこそ6戦だが、前哨戦のジョッキークラブスプリント(G2)では2着馬に2馬身差つける完勝劇。6戦5勝という底知れない実力は、今後の香港スプリント界を担えるだけの大器だ。
そのジョッキークラブスプリントで2着だったホットキングプローン、3着のビートザクロックも当然ながら優勝候補。英国から参戦するインハータイムも豪州のスプリント界ではG1戦線の常連だ。ダノンスマッシュには、ここで日本の意地を見せてほしいところだが……。
いずれにせよ、今年の香港国際競走の最大の見所は、香港マイルのビューティージェネレーションVS日本馬ということになるだろう。復活か、それとも覇権交代か――。香港国際競走は8日に開幕する。