先週の天皇賞・春(G1)で3番人気に支持されながらも、6着に敗れた2017年の菊花賞馬キセキ(牡6歳、栗東・角居勝彦厩舎)。その「敗因」が話題になっている。
「平成の盾男」武豊騎手を鞍上に迎えたキセキは、課題となっていたスタートを決めると好位につける絶好の展開。しかし、1周目のスタンド前の直線で突如先頭に立つと、後続を離して逃げる形に。先頭のまま最後の直線を迎えたが、そこから失速し6着に敗れた。
レース後、武豊騎手は「スタートは上手くいきましたが、1周目の直線でスイッチが入ってしまいました。あそこで我慢出来なかったのが勿体なかったです」と敗因を分析。「自分との戦いですね。2、3番手で行ければ良かったのですが……」と、気性面を課題に挙げていた。
しかし、この結果に疑問を呈したのが、元JRA騎手のアンカツこと安藤勝己氏だ。
安藤氏はレース後、自身の公式Twitterで「オレとすれば不思議な天皇賞春やった」と率直な感想を述べている。特にキセキが逃げた際は「やられたなと思った」とのこと。しかし、「最後の直線入るとアレって止まり方」と、ゴール前の失速ぶりに疑問を提示していた。
あれから約1週間、9日付の『スポニチ』で連載されている『サタデー物語』で、安藤氏の疑問の“真相”を武豊騎手が語っている。
詳細は紙面をご覧いただきたいが、実は武豊騎手もキセキで逃げた際に「ハナに立ってからのタイムとペースからして粘って不思議ではない」と手応えを感じていた。ただ、最後の直線でキセキが持ち前の粘りを欠いてズルズル後退……。
レース後、その失速ぶりに安藤氏と同じように首を傾げた1人だったようだ。
「どうやら1周目のホームストレッチで『落鉄』があったそうです。武豊騎手も気付いていなかったらしく、レース後に他の騎手に指摘されて知ったとか。ただ、その時すでにメディア対応が終わっていたために話す機会がなかったようですね」(競馬記者)
確かに、改めて天皇賞・春のラップを振り返ってみると、掛かり気味のキセキを武豊騎手が泣く泣くハナに立たせた区間こそ12.0 – 11.6と速くなったが、その後は12秒台に落ち着いている。
これは道中11.6 – 11.7 – 11.9 – 11.9 – 11.8と“暴走”し、ドレッドノータスやタイセイトレイルらと失速して7着に敗れた前走・阪神大賞典(G2)とは明らかに異なっている。
武豊騎手にとって1周目のスタンド前でキセキの我慢が利かなくなったのは計算外だったものの、その後はなんとか最善の対応をしていた自負があったのだろう。
「アクシデントも含めてすべて競馬ですからね」
すでに前を向いている武豊騎手。次走に春のグランプリ宝塚記念(G1)を予定しているキセキだが、今度こそ本領発揮といきたいところだ。