「勘と経験」の時代は終わる…データとAIが動かす、次世代の人材戦略

 労働人口が40年後に4割減少するという現実を前に、企業は採用競争だけでは生き残れない。いま求められているのは、手元にいる人材の可能性を最大化する「タレントインテリジェンス」という新たなアプローチだ。

 人事領域に静かな革命が起きている。スキルシートと面談の積み重ねで「この人はどんな人か」を把握してきた従来の方法に、AIとデータという新たな軸が加わりはじめた。だがその変化は、単なるデジタル化ではない。人事の意思決定そのものの構造が変わろうとしている。

タレントマネジメントとは何か? そして何が足りないのか

「タレントマネジメント」という言葉は、すでに多くの企業に浸透している。しかし、その実態を問い直すと、多くの場合「人材情報の一元管理」にとどまっているのが現実だと井上氏は指摘する。

 本来のタレントマネジメントとは、集まったデータをもとに人事評価・スキル管理・配置検討へと活用する概念だ。過去の評価、スキル、個人の趣味嗜好、適性検査の結果——これらすべてが揃ってはじめて意味を持つ。だが現実には、データは集まっているのに「たまったまま」になっているケースが後を絶たない。

「データを収集したものの、たまったままになっている状態です。そこからどう活用するかまで設計して、どのようなデータを生かしていくかまで検討できていないのが実情といえます」

 なぜこうした状況が生まれるのか。理由はシンプルだ。「データを集める理由が薄い」のである。集めた先に何が見えるのか。それが示されなければ、現場はデータ入力をルーティン作業としか捉えない。タレントマネジメントが「形骸化」する最大の原因はここにある。

「タレントインテリジェンス」という次のステップ

 そこで同社が提唱しているのが、タレントインテリジェンスという概念だ。タレントマネジメント+AIの掛け算、という理解が最もわかりやすい。

 従来のタレントマネジメントは「過去」を管理するものだった。対してタレントインテリジェンスが目指すのは「未来の予測」だ。過去の評価・目標・実績に加え、個人の趣味嗜好や性格的な情報もプラスして、その人にとって最も輝けるポジションやキャリアを導き出す——そこに汎用AIとは異なる専門性がある。

「汎用AIでは一般的な回答に終始してしまいますが、カオナビでは個人の趣味嗜好など性格的な情報もプラスし、過去の評価や実績も加味して、その人にとって最適なキャリアや、最も輝けそうなポジションを探すことができるようになります」

日本の現場で、何が変わるのか

 欧米では「スキルベース」の採用・配置が主流だが、日本型雇用では事情が異なる。雇用の流動性が低く、外部採用より「社内人材のポテンシャルをいかに引き出すか」が問われる。この点こそ、タレントインテリジェンスが日本の組織に刺さる理由でもある。

・これまでの課題
「なんとなく」の組織編成。勘と経験による配置判断。データはあるが活用されない。目の前の業務に忙殺される人事担当。

・タレントインテリジェンス後
離職兆候の早期検知。最適配置の予測提案。人事担当が「戦略」に頭を使える環境。経営層への意思決定支援。

 たとえば「離職率10%」という数値も、タレントインテリジェンスがあれば業界平均や同業他社との比較、自社内の傾向から「高いのか低いのか」「どこに原因があるのか」を可視化できる。データは「見るもの」から「動かすもの」へと変わる。

【タレントインテリジェンスで変わる3つの現場】

人事担当者——事務作業から解放され、人と対話し、施策を考える時間が生まれる

経営者——役職や役員登用など、経営的意思決定をデータに基づいて判断できる

現場マネージャー——チームメンバーの得意・不得意を可視化し、個人の生産性を最大化できる

今すぐ始めるべきこと

 タレントインテリジェンスは遠い未来の話ではない。だが、その恩恵を受けるためには前提条件がある——データの蓄積だ。

 井上氏が繰り返し強調するのは、「まず集めること」の重要性だ。システムの導入は後からでも間に合う。だがデータの蓄積だけは、今この瞬間から始めなければ間に合わない。紙でも、Excelでも構わない。人に関するデータを集める習慣をいま持っている組織が、3〜5年後に圧倒的な優位を持つことになる。

「データを集める理由が薄いと思います。そのデータがどのように活用できるかを示すことで、データを入れる・集める思いにもつながってくると思います」

 タレントインテリジェンスをキャッチアップできた会社と、できなかった会社の差は、じわじわと、しかし確実に広がっていく。その分岐点は、遠い未来ではなく、今この選択の中にある。

すべての人が自分の可能性に気づける社会へ

「働いている人、一人ひとりが自分の可能性に気づける社会をつくることのキーワードに、カオナビがなれるとうれしい」——これがカオナビの中長期ビジョンだ。人事という仕事の本質は変わらない。人を見る、人を動かす、人を活かす。AIはその精度を、かつてないほど高める道具になりつつある。

井上英樹 氏|株式会社カオナビ CPO プロダクトプランニング本部長
AI時代の人事戦略 特別インタビュー

※本稿はPR記事です。