アイデアは、考え続けた先で気付くもの

2018年「電通インターンシップ」の講師を務めた電通社員が登場し、思考法や仕事の取り組み方などを紹介する本連載。今回は、デザインサマースクール2018の校長を務めたアートディレクター河合雄流が、広告業界におけるアート職の現状と今後の可能性についてお話しします。

クリエーターのプロフェッショナリティーはどうなっていくのか

僕は、2016年から若いクリエーターの育成に関わっていますが、その中で見聞きすることを通して、日々感じることがあります。

それは、アートディレクターの仕事の大きな領域の一つ、グラフィックデザインに関してです。

今、メディアは大きく変わってきています。長く続いてきた紙メディアから、ウェブメディアの時代へと移り変わり、グラフィックデザイナーの意味合いが、少し変化してきていると感じています。

というのも、少し極端に言えば、これまではグラフィック広告をつくるためにグラフィックデザイナーが雇われてきましたが、今僕らがやっているのは、グラフィック以外のこともかなり多いという現実があるからです。つまり、プロフェッショナリティーが曖昧になってきているといえるでしょう。

メディアの変革期にあって、若い人たちはこの先、未知の世界に身を置かなければならない。その時に、アートディレクターを志望する若い人たちが電通という会社とどう関わっていくのか。デザイナーをどういう立ち位置で捉え、どこに活躍の場を見つけていくべきなのか。そこを急速に考えていく必要があると思います。

プロフェッショナリティーが曖昧になってきているというのは、アートディレクターに限らず、クリエーティブのどの職種にも言えます。僕は、クリエーティブの世界でプロフェッショナルは存在すべきだと考えているのですが、もしかしたら、その価値観自体が間違っているのかもしれません。

個人がメディアになれる世の中になり、誰もが自由に表現し、自分の作品を世界中の人たちに見てもらえる可能性を手に入れました。それは「総クリエーター化」でもあり「総素人化」ともいえるのでしょう。

そうなった時に、今まで表現に携わってきた人たちのプロフェッショナリティーはどうなるのか。クリエーターが日々の積み重ねで培ってきた技術がどうでもよくなる社会って一体どうなるんだろう。そんな社会の到来に不安を感じつつ、そうなってしまう可能性も十分あり得ると思うのです。

これまでのように時間や労力を費やして技術を身につけても、それに見合うだけの対価が社会的に約束されないかもしれません。苦労をしてまで技術を手に入れる必要があるのだろうか、と若い人たちの行く末を考えると心配でもあります。

技術とは表現において自由を手に入れること

今の若い世代を見ると、僕らの若い頃と変わらず、古典的ないわゆるグラフィックデザインが好きな人たちは一定数います。変化の時代にあっても、美大の中では今なおグラフィックデザイン的な価値観に基づいた、それができる方が能力が高いというヒエラルキーが何となく存在していると感じています。

しかし、そこにまったく違う価値観が導入されることで、急に才能が花開くこともあり得ます。例えば、SNSなどを駆使して、多くの人から「いいね」と言われることで、自分の価値を見つけるのというのも一つ。大学という価値観の中では、さほど優秀とされていなくても、世の中から認められることは、美大という枠を超えた現代的な価値と言えます。

ただ、それはいろんな技術の積み重ねの結果、手に入れたものではなく、もともと個々に備わっていた資質による表現が偶然うまくいっただけ、ということが多いので、飽きられやすく、消費されやすい側面もあります。

今、世の中の表現者の多くは、“消費”という脅威にさらされていますが、そこと戦うために、「技術」が必要だと思います。

こういうときはこうした方がよいなど過去の多くの経験や知識を学ぶことで、考え、身につく力があります。それを手に入れるために、一つ一つ小さな経験を積み重ねる必要がありました。その力を技術というとすると、技術とは表現において自由を手に入れることではないでしょうか。

技術を身につけること、一つの世界に精通することは、自分を自由にしてくれます。自由になれてからがようやくプロなのかな、と。

アートディレクターの技術とは、経験や知識を学び、考えることで身につく、「表現としての着地を見つける力」だと思います。最終的には時代や社会やいろんなものをひっくるめた上での定着力といってもよいのかもしれません。

頭に浮かんだ「ぼんやり気になること」を取り逃がさない

僕は、インターンシップに参加した学生さんによく言っていることがあります。それは、「『アイデアを考えなさい』という表現に惑わされないように」ということ。なぜならば、“アイデアを考える”ということ自体が、じつは間違っているからです。本来アイデアというのは“思い付き”でしかなく、考えるものではないのです。

思い付くというのは、いろんな情報が自分の中に入り込んで、たまたま何かと何かがパッとくっついた時に新しいものが生まれる、ということであって、順序立てて考えた結果として思い付くことは、あまりありません。

科学の世界ですら、何らかの偶然がないと思い切った発想や発見にはつながりませんよね。つまり、思い付くというのは、努力しても難しいのが現実かなと思っています。

ただ、目的に対してどういう解決方法があるのかを“考え続ける”ことは無駄ではありません。日頃から考え続けることは誰にでもできるし、考え続けることで気付きを得ることはできると思うのです。

何となく心の中に問題意識があると、ある時突然、「あ、そういえば」とハッと“気付く”ことができます。思い付くというのは、生み出すというより気付くに近いことなんです。思い付くためにできることを強いて挙げるなら、日常の中でいろんな情報を絶えずインプットしながら、視野を広げておくことです。

イメージ図

僕が、日頃から唯一意識しているのは、ぼんやり気になっていることを取り逃がさないこと。ぼんやり気になっていることの輪郭が少しでもつかめると、「それってこういうことなんだ」と、気になっている理由が明確になります。

それによって、気付き体験ができるので、頭の中がクリアになり、次のステップへと考えを進められるのです。

それがうまくできるのは、リラックスしている時ですね。新たにトライしたいことが思い浮かんだり、何かに気付けたりするのは、心身がリラックスしているような心理的に安定している時だと思います。

デザインや表現で価値の差をつける時のために

今いろんな価値観があるといっていても、テクノロジーというところに対して、世の中の期待というのがすごくあって、そちら側にすごく振れているような気がします。

しかし、テクノロジーは、発展と停滞を常に繰り返しているので、いずれコモディティー化され停滞期を迎えるはずです。そうなったときに次にやっぱり必要になってくるのが、デザインだったり表現だったり、基礎研究の上につける化粧部分なのかもしれませんが、そこで価値の差をつけていくということになると思うんです。

技術の平坦化、平均化の次には、新たにまたアートや表現、人間の感覚などが、価値としてすごく大事なものになってきます。そう考えると、今後追い風が吹き、今以上に活躍のチャンスが見えているともいえます。若い人たちには、そのときに向けてしっかり力を貯めて、バネを縮めておいてほしいと思っています。
 

スルガ銀行、総融資の3割・1兆円で不正発覚…みずほ・りそなは救済拒否、新生銀行が提携の裏事情

スルガ銀行(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 スルガ銀行のスポンサー探しに関して、4月13日付記事『スルガ銀行、5月の“Xデイ”が取り沙汰…単独生き残り困難、有力スポンサー候補に新生銀行』で報じたように、新生銀行がスルガ銀行の救済に動いた。

 だが、業務提携はしたものの資本提携まで踏み込めていない。それは、スルガ銀行の創業家がネックとなっているとみられている。

 新生銀行は、今や公的資金を返済できない唯一の銀行となった。前出記事で「新生銀行がスルガ銀行救済に手を挙げているのは、金融庁(遠藤俊英長官)に恩を売って、金融庁との関係を良くしたいとの思惑があるからだ。今や新生銀行は実質、ノンバンク状態。普通の銀行は新生銀行と組みたくない。その意味で、同様にノンバンク化したスルガ銀行なら親和性がある」(有力金融筋)との声を紹介した。こうした背景もあって、新生銀行がスルガ銀行の“受け皿”のダークホースとして急浮上してきたわけだ。

 スルガ銀行は5月15日、新生銀行と、家電量販店・ノジマとの業務提携で基本合意したと正式に発表した。

 新生銀行とは個人向けローンなどの分野で、ノジマとはクレジットカード事業や、金融とITを融合した「フィンテック」事業を共同で展開することを目指す。

 ただ、新生銀行の資本参加(数パーセントと報じられていた)は、スルガ銀行創業家の持ち株の売却が価格面で折り合えなかったこともあって見送られた。スルガ銀行の現経営陣は、創業家から買い取った株式を業務提携先に割り当てるシナリオを描いており、金融庁も新生銀行の資本参加を視野に入れていた。発表前日まで金融庁を交えた協議が水面下で続けられたが、結局、合意に至らず、「今回はあくまで業務提携まで」(スルガ銀行の有國三知男社長)となった。

 スルガ銀行の3月末の預金残高は、前年同期比22.5%減の3兆1656億円。今年1~3月だけで預金残高が630億円減少、不正融資問題による顧客離れが依然として続いている。

 神奈川県が地盤の家電量販店中堅のノジマは、スルガ銀行株を市場経由で4.98%(議決権ベース)を保有しており、追加取得もあり得るとしている。しかし、年商5000億円のノジマがスルガ銀行を丸飲みするのは無理がある。異業種の軍門に降ることをスルガ銀行が潔しとはしないだろう。

りそなやみずほは出資等を拒否

 ノジマは2017年、富士通の子会社だったインターネット接続サービス大手、ニフティの個人向け事業を買収するなど、事業の多角化に積極的だ。スルガ銀行の有國社長は「(ノジマとの提携について)今までになかった新しいことができるのではないか」と期待感を滲ませたが、ノジマがスルガ銀行の経営再建で果たす役割は限定的だろう。

 SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝社長は「我々ならスルガ銀行をうまくマネージメントできる」と意欲を燃やしていた。市場経由でスルガ銀行株を買う可能性をスルガ銀行側に伝えたと報じられた。SBIHD傘下のSBI証券が業務提携する可能性は残るが、広がりを見せてはいない。金融庁から見ればSBIグループは、スルガ銀行のスポンサーの本命・本筋ではない。

 スルガ銀行は、りそなホールディングス(HD)とも業務提携を軸に交渉していたが、りそなHDは不正融資の拡大というリスクを考慮し、提携を見送った。シェアハウス以外に1.8兆円ある不動産関連の貸付債権の毀損度をどう見るかなど、受け皿候補となっている金融機関は慎重に審査せざるを得なかったということだ。

 これまでの取材で明らかになったことがある。スルガ銀行は、りそな銀行と埼玉りそな銀行を傘下に持つ、りそなHDと最優先に交渉を続けてきた。だが、りそなHDは結局、火中の栗を拾わなかった。

 一方、みずほ銀行を傘下に持つ、みずほフィフィナンシャルグループも、受け皿の有力候補と取り沙汰されたこともあって、「金融庁が非公式に、みずほに(引き受けを)打診した」(有力地銀の頭取)との情報が駆け巡った時期もあったが、これも幻となった。

 銀行に20%以上出資する場合には、金融庁の認可が必要になる。

 スルガ銀行の19年3月期決算は、971億円の純損失となった。前年の69億円の黒字から一転、17年ぶりの赤字となった。シェアハウス向け融資など貸し倒れに備えて2000億円超の引当金を積んだことが響いた。20年は105億円の黒字転換を見込むが、19年9月期(中間決算)の数字を見るまでは、達成できるか否か見通せない。

 投資用不動産向け融資を5月下旬に再開するとしているが、不正行為を招いた営業ノルマを廃止し、審査体制を厳しくする。投資用不動産融資で地方銀行随一の高収益を誇ったスルガ銀行が、新しい事業モデルを見つけるのは容易ではない。

不適切融資は1兆円超

 スルガ銀行は、総額1.8兆円の投資用不動産向け融資の洗い直しを進めてきた。その結果を5月15日に発表した。5537億円(7813件)分については、借入希望者の預金通帳の改竄といった明らかな不正行為が見つかった。計75人の行員が不正の指示や不正の黙認に関与していた、と認定した。

 調査の対象となったのは、シェアハウスや中古のマンション(1棟売りを含む)など約3万8000件。改竄や偽造など「不正の疑い」がある融資も864億円(1575件)判明した。

 このほか、借り手が用意すべき自己資金(物件購入額の1割)を不動産業者が立て替え、自己資金を偽装したと疑われる案件が4300億円(4000件。資料改竄分との重複を除く)に達した。

 これら3つの不正を合計すると、総額1兆700億円(計1万3000件超)となり、同行の総融資残高2.9兆円の3割超となった。有國社長は「これだけの件数の不正が検出されたことは、誠に申し訳ない」と陳謝したが、厳しいノルマや創業家におもねる行内の雰囲気やパワハラの横行が無謀な融資拡大に突っ走った原因と指摘されている。

 スルガ銀行は銀行法で禁じられている無担保ローンの抱き合わせ販売が1372件あったことも、合わせて公表した。
(文=編集部)

元JRA騎手・藤田伸二氏「100%アウトやろ」決裁に"激怒"!? 松山弘平騎手「騎乗停止」も審議ランプ点かず「ポンコツだらけじゃの!」

元JRA騎手・藤田伸二氏「100%アウトやろ」決裁に激怒!? 松山弘平騎手「騎乗停止」も審議ランプ点かず「ポンコツだらけじゃの!」の画像1

 19日、メインレースのオークス(G1)直後に行われた丹沢S(1600万下)の決着が、ファンの間で物議を醸している。

 勝ったカラクプアに騎乗していた松山弘平騎手が、最後の直線で内側に斜行。結果的に2着だったフリーフリッカーと接触してしまい、そのまま4着シロニイ、3着アドラメレクが巻き込まれる"玉突き事故"のような状況に......。

 結果的に到達順位通りで確定し、1位入線したカラクプアはそのまま1着となったが、松山騎手には5月25日から6月2日まで9日間(開催4日間)の騎乗停止処分が下された。

 ただ、この結果を巡り、ネット上を中心に競馬ファンの間では不満の声が聞かれている。

「結果的にカラクプアが2着フリーフリッカーに1馬身3/4差を付けたので、不利がなければ逆転していたかは定かではないですが、"玉突き事故"にあった2着フリーフリッカー、3着アドラメレク、4着シロニイの着差はクビ+アタマ差でしたからね。

2着のフリーフリッカーに騎乗していた北村友一騎手からは『差し切れそうな手応えがあったので、伸びかけたところでの不利は大きかったです。馬がかわいそうでした』というコメントもありましたし、不利がなければ結果が変わっていた可能性は十分ありました。3着と4着は馬券に絡むか否かという非常にデリケートな着順だけに、不満の声を上げるファンも多かったようです。

ただ、それ以上にファンが指摘していたのは、レース直後に審議のランプが点かなかったことです」(競馬記者)

 この状況に"激怒"したのが、元JRA騎手で何度もフェアプレー賞を獲得している藤田伸二氏だ。

 藤田氏は自身の公式Twitterを通じて「東京最終は審議も付かん......松山やってもうたやろ~」と呟いた後、JRAの判断の遅さに業を煮やしたのか「松山、騎乗停止じゃないんかい? 今パトロール観たけど100%アウトやろ 絶対2着、3着変わってるやろ?」と怒りの声。

 さらに「ホンマ、ジャッジしてる奴らはポンコツだらけじゃの!」とJRAの判断に疑問を呈している。後にJRAの公式HPで決裁の内容が掲載されたことに関しても「着順の変化もありそうやったし降着もつけなアカンな!」「発表も遅すぎやろ?」と、最後まで納得いっていない様子だった。

「藤田氏が述べている通り、今回は結果的に松山騎手が騎乗停止になるほど大きなアクシデントでしたし、審議対象が1着馬という最も重要なところ。

結局、ランプは点かずそのまま確定し、後で決裁の模様がJRAの公式ホームページ上で掲載されても、多くのファンは納得しないでしょう。最近は騎乗停止絡みの大きな決裁が続いているだけに、JRAにはファンが納得する審議を行ってほしいところです」(同)

 レース後、「最後は他馬に迷惑をかけてしまい申し訳なかったです」と謝罪の意を示した松山騎手。激しいレースの中、アクシデントは付き物。だが、その制裁を受けるのが多くの場合、騎手ばかりになっているのは考え物だ。

『あなたの番です』が犯した痛恨のミス…異例の“2クールのミステリー”に挑んだ弊害

あなたの番です|日本テレビ - 日テレ」より

 今春スタートのドラマで「賛否両論」という言葉がもっとも当てはまるのは、『あなたの番です』(日本テレビ系)で間違いないだろう。

 人気者の田中圭を主演に起用したほか、30人超のキャストを揃え、2クールにわたる本格ミステリーに挑戦。同枠で放送されていた前期『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』と前々期『今日から俺は!!』が連続ヒットしたことも踏まえ、放送前の期待値は最高レベルにあった。

 序盤の否定的な意見は、そんな期待値の裏返しともいえるが、そこに「企画・原案 秋元康」の名前に食いついた人々が加勢。ドラマを見ていないであろう人々も含めて、批判の声が増えていった。

 しかし、その一方で「ほかにはないサスペンス&ミステリーで犯人を予想するのが楽しい」「いろいろ謎めいてきて続きが気になる」などの称賛も、少しずつ上がり始めている。いまだ批判のほうが圧倒的に多いが、『3年A組』『今日から俺は!!』がそうだったように、中盤以降、右肩上がりに称賛を集めていく可能性はあるのか? さまざまな角度から考えていきたい。

死体の描写はエスカレートする一方


 当作最大のテーマである“交換殺人”は30人超の大量キャストあってのものだけに、まずは「登場人物をどのように見せて理解してもらうか?」が重要だった。

 そこで制作サイドが利用したのは住民会。これを初回から何度も行い、しかも話し合いのシーンを長めに取ることで、登場人物の理解を促そうとしている。ところが、「ひとつの場所に一同が集まる」この方法では、視聴者に登場人物の名前と特徴を覚えさせ、魅力を感じてもらうのは難しい。

 実際、「いっぺんに見せられても、誰がどんな名前で、どういう人なのか、わからない」「キャラをつかめず、特徴も魅力もわからないまま物語が進んでしまう」という戸惑いで早期離脱した人は少なくなかった。

 たとえば、プロレスには“時間差バトルロイヤル”という試合形式があり、それは一定時間ごとに新しい選手を次々に登場させることで、観客が名前と特徴をつかみ、魅力を引き出そうとしているが、当作の第1話もそういう配慮が必要だったのではないか。このあたりは、「“2クールのミステリー”という、慣れない上に難易度の高いことに挑んだ弊害が出ている」と言われても仕方がないだろう。

 次に、“交換殺人”のミステリーは、まだほとんど解明されていない半面、凄惨なカットは回を追うごとにエスカレートしていて、これが賛否を分ける大きな要因となっている。

 ここまでは直接的な殺人のシーンこそないが、窓の外から吊るされる、バラバラにされて首をランドリーに入れられる、ダイニングに座ったまま袋をかぶせられるなど、死体の描写はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の反響を狙ったようなホラーテイストを徹底。日曜夜に寝つきが悪くなりそうな凄惨なカットをわざわざ入れているのだから、「生理的に嫌」という人がいるのは当然だろう。

 ただ、ここまで徹底していれば、「いつの間にか、それを待っている自分がいる」「これがないと物足りない」と、一周回ってやみつきになる可能性もあるだけに、さらにエスカレートさせてもいいのかもしれない。

「住民のほとんどが悪?」最悪の展開も


 もうひとつの肝は“多様な登場人物の抱える謎”。2016年秋放送の『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS系)でも描かれていたように、同じ建物に住む他人は、謎が多く、かつ、恐ろしい存在となり得るものだ。

「なかなか距離が縮まらない」「距離が縮まったと思ったら突き放された」「思わぬ秘密を知ってしまった」「とんでもない過去を抱えていた」「悪口を吹聴されていた」「嫌がらせを受けていた」……それどころか「人を殺していた」、さらに「住民の多くがそうだった」という最悪の展開すら頭をよぎるのが当作の醍醐味だ。

 ただ、中盤以降、「実は味方だった」「いろいろ助けてもらっていた」という人物も現れるはずであり、単に犯人探しだけでなく、登場人物が多いからこそ、善人と悪人を予想することも、当作ならではの楽しみといえる。

 とはいっても、2クールの長丁場だけに、大きく状況を動かして視聴者を驚かせる「“中盤の山場”が2つくらいほしい」のが正直なところ。ただ、それが「甘えん坊キャラの手塚翔太(田中圭)が一変して悪人になる」という、視聴者に見透かされるようなものは避けなければいけないだろう。

 視聴者の予想を上回り、驚かせるほど、「今まで見ていてよかった」の声が飛び交うなど、一気に風向きが変わるかもしれない。

日曜夜にフィットしないダークサイドの物語


 批判の多い現在は、「田中圭の甘えん坊キャラがキツイ」「原田知世の髪型が変」などと細部をつつくようなバッシングが増え、悪目立ちしているのがつらいところだ。なかでも、田中圭の熱心なファンからは、「こんなドラマで2クールも拘束するなんてありえない」「『ゴチ』も含めて日テレは圭くんを安易に使いすぎ」なんて辛辣な声も上がっている。

 しかし、ハイリスクな2クール放送も、30人超の大量キャスト抜擢も、制作サイドの意欲と挑戦の表れにほかならない。高齢層狙いで保守的な1話完結の刑事、医療、弁護士ドラマばかりのなか、多少の文句はあっても、「見ておこうかな」と思えるほどの差別化がされているのは確かだ。

「次々に人が殺されていく」というダークサイドの物語は、翌日の仕事が気になる日曜の夜にフィットしているとは思えない。しかし、今さら「もし土曜の夜に放送していたら……」と考えても遅いだけに、さらなるダークサイドに掘り下げながらやり切るしかないだろう。あらためて、脚本・演出を担うスタッフの技量が問われている。
(文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト)

●木村隆志(きむら・たかし)
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』(フジテレビ系)、『TBSレビュー』(TBS系)などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

百均・キャンドゥ、大不評の買ってはいけない商品5選…逆に汚れる&面倒で本末転倒

「キャンドゥ HP」より

 手頃な価格で、毎日の便利グッズや生活品を揃えることができる100円ショップは、なにかと重宝する存在だ。なかでも「キャンドゥ」は、「ダイソー」や「セリア」といった業界大手のなかでは後進のスタートだったものの、今年3月末時点で1005店舗まで達しており、快進撃を続けている。

 キャンドゥの創業は、バブル崩壊後の1993年。翌年からフランチャイズ展開を始め、2013年の20周年イヤーには白とオレンジが映えるデザインにロゴをリニューアルし、シンプルかつモダンな印象を与えるようになった。

 奇をてらわない品揃えが支持を集めているほか、315円、525円と、価格によって取り扱い商品が異なる生活雑貨ショップも同時に展開中。キャラクターとのコラボ商品開発や、InstagramなどのSNSでの情報発信に積極的なのもキャンドゥの特徴だろう。

 しかし、そんなキャンドゥにも「これはイマイチでは?」と首をかしげてしまうような商品が紛れ込んでいるのもまた事実。今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」では独断と偏見で、キャンドゥの「買ってはいけないプチプラグッズ5選」をチョイスした。春の新生活シーズンで思わず「失敗した!」と後悔しなくてすむよう、参考にしてほしい。

Laundry Hanger(20ピンチ)/108円(税込、以下同)


 身も心も気分を一新したくなるこの季節、溜まった洋服を洗濯してスッキリしたいが、洗濯物を干すときにいちいちハンガーを使うのは面倒……なんてこともあるだろう。そんなときに活躍するのが、洗濯物を一度にまとめて干せる折りたたみ式のランドリーハンガーだ。ほとんどの100円ショップで取り扱っているので、馴染みの人も多いはず。

 しかしキャンドゥの「Laundry Hanger(20ピンチ)」については、少々難ありだというユーザーの声も多い。というのもこのハンガー、プラスチックの耐久性が全体的に低く、特に枠の部分は、持ってみると簡単にクニャクニャ曲がってしまう印象を受ける。これでは、水分を吸った洗濯物をたくさん干したら、すぐに壊れてしまいそうだ。

 もうひとつ、ピンチ同士が絡まりやすいというのも難点。ハンガーを広げていざ干そうというときに、絡まっているピンチをいちいちほどかなければならないのは、結構なストレスがかかる。また、プラスチック製のチェーン部分もつくりが粗く、絡まったままきちんと下を向いていない状態でうっかり干してしまうとテコの原理でパーツに負荷がかかり、思わぬ破損の原因になりかねない。避けたほうがベターなアイテムといえるだろう。

スライドアーム式コンパクトバスタオルハンガー/108円


 同じくハンガー製品で「買ってはいけない」に名を連ねるのが、「スライドアーム式コンパクトバスタオルハンガー」だ。毎日使うバスタオルをかけておくことができるお風呂場グッズなのだが、ユーザーを悩ませてしまう要素がいくつかある。

 ひとつ目は、耐久性の低さ。ハンガー系の商品に共通していえるこの課題、残念ながらこの商品もクリアできていないようだ。一見するとほかのハンガー製品よりはしっかりとしたつくりに見えるのに、実は商品名にもある“スライド式”という部分が考えもの。横にグイッと長く伸ばすことで、一般的なバスタオルであれば折りたたまずに干せるようになるのだが、こうするとスライド収納時に比べて、耐久性がガクッと落ちるという声が上がっているのだ。

 ふたつ目の問題点は、スライドを元に戻すときに発生。ストッパー部分がかなり固めで、それなりに力まないと元通りにならず、慎重に扱わないと一気に固定が外れてしまう危険性がある。まさに“行きはよいよい帰りは怖い”な、困り者ハンガーだ。

珪藻土 石けん置き 白/108円


 洗面所やキッチンといった汚れがちな水回りは、いつでも清潔に保ちたいもの。特に石けんは、使っていると水分を含んですぐにヌルヌルになってしまうのが厄介だ。そこで役立ちそうなのが「珪藻土 石けん置き 白」なのだが、かなりマズいポイントがあるという。

 そもそも珪藻土というのは、植物性プランクトンの珪藻の殻が泥と一緒に沈殿して化石化した岩のことで、超微細な穴がいくつも空いており、半永久的な調湿効果を期待できるのだそうだ。しかし“超微細な穴”という珪藻土ならではの特徴が、逆に欠点に変わってしまうケースもある模様。

 なぜなら、この商品に濡れた石けんを置いておくと、石けんが溶け出し、珪藻土の穴に染み込む可能性があるから。やがて石けんが固まり、そのまま石けん置きとがっちりくっついてしまったという事例も報告されているようなので、機能的にもビジュアル的にもガッカリといわざるを得ないだろう。

ふきんハンガー/108円


 水回りの商品でもうひとつ、「ふきんハンガー」を取り上げたい。洗い終わった食器を拭くのに使ったふきんを、このハンガーに干しておけばきれいに乾いてくれるというアイテムなのだが、デメリットも少なくないようだ。

 まずこのハンガーも、例によって耐久性に劣る。プラスチック製のアーム部分が3本ついているのだが、根元の作りが甘く、先端に行くにつれて斜めに下がってきてしまうのだ。さらに、表面がツルツルに加工されていることもあって、下手をするとふきんが滑り落ちてしまいかねない。

 また、根元の吸盤にも欠点が。商品の注意書きにも記載はあるのだが、直射日光の当たる場所では透明な吸盤がレンズと同じ役割を果たし、日光が一点に集まってしまうと、最悪そこから発火の恐れがあるというのだ。ふきんを干すなら日当たりのいいところに……と考えるのが普通だろうが、そこでわざわざ火事の心配をしなくてはならないのは致命的だといえる。

大切なお洋服のホコリをとるブラシ/108円


 最後に紹介するのが、「大切なお洋服のホコリをとるブラシ」だ。新生活シーズン、急な出張などで遠出をしなければならない場面もあるだろう。そんなとき、サッと拭いて身だしなみを整えられる携帯式のホコリ取りを持っているとよさそうだが、いったいこの商品はどこがダメなのだろうか。

 最初の残念ポイントは、“靴べらとして使用できます”と謳われているカバー部分。別段ストッパーがついているわけでもないので、本当に靴べらとして使うと、グニャグニャと曲がりすぎてしまって心もとない。結局、カバーはカバーでしかないといえそうだ。

 そしてもうひとつの残念ポイントが、本来の用途であるホコリ取りとして使うと、ブラシの赤い毛が抜けて、衣服に付着してしまいやすいということ。これはクリーナー製品として、致命的な欠点といえるだろう。実際にセーターで試してみたところ、生地にはブラシの硬質な毛がびっしり。衣服を清潔にしたかったはずが逆に汚してしまうとは、なんとも本末転倒なアイテムである。

 今回選んだ商品のなかにはプラスチック製品が目立ち、これは108円という心強い低価格を実現するためには、仕方ないことでもあるのだろう。とはいえ、ほかの大半の商品は、アイデアや素材にこだわった高品質なものばかりだ。今回の記事も踏まえ、キャンドゥなどの100円ショップでの買い物を、積極的に楽しんでみてはどうだろうか。

(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)

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「Spotify」 ビッケブランカさんの新曲を使い テレビCMを展開

世界的な音楽ストリーミングサービスの「Spotify(スポティファイ)」は5月17日、人気上昇中のアーティスト・ビッケブランカさんの新曲「Ca Va?(サバ)」を使用したテレビCM「#音楽さえあればいい『飛行機』」編を、関東地区と静岡県で放送開始した。

スポティファイは2008年にサービスを開始。5000万以上の楽曲を無料でも発見・管理・共有できる。現在79の国と地域に1億人以上のスポティファイプレミアム(広告が入らず、より高音質で、ダウンロードしてオフラインでも音楽が楽しめる有料サービス)会員を含む2億1700万人以上のユーザーを持つ。

CMの舞台は、飛行機の機内。リクライニングシートを倒そうとした女性が、誤って隣の男性のシートを倒してしまう。その勢いで、男性は飲み始めたジュースを自分の顔いっぱいにかけてしまう。焦る女性。ところが、男性は何事もなかったかのようにヘッドホンを着けると、流れる音楽に身を任せ、穏やかな笑みを浮かべる。
キャッチコピーは「音楽さえあればいい。」で、ビッケブランカさんが乗客の一人として出演している。
予期せぬ事態でも音楽さえあれば乗り越えられる、スポティファイであれば、いつでも好きな時に好きな音楽を楽しめることを表現した。

 

また、テレビCMの放送と同時にウェブ動画も公開した。自分の部屋でスマホを充電しようとコードを引っ張った女性が、不足の事態に見舞われる「同『部屋』」編。テレビCM同様、クスッと笑ってしまう仕上がりだ。
ユーチューブの公式チャンネルでテレビCM、動画ともに視聴できる。
https://www.youtube.com/channel/UCgFc9PixmpXD9-53LqY-MDQ

スポティファイでは、6月30日までに有料のプレミアムプランに申し込むと、最初の3カ月間を100円で利用できるキャンペーンを実施している。(通常月額:980円)
キャンペーンサイト:https://www.spotify.com/jp/premium/