JRA日本ダービー(G1)M.デムーロVS川田将雅「仁義なき争い」第2幕!? 皐月賞後「殴り合い寸前」口論から"因縁の火"メラメラ……

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 26日に行われる日本ダービー(G1)はサートゥルナーリア、ヴェロックス、ダノンキングリーら「3強」の再戦が大きな注目を集めているが、ある事情通の関係者によると2人のトップジョッキーによる「因縁の再戦」も要注目だそうだ。

「レース後は、周りが止めないと殴り合いのケンカになる寸前だったからね......」

 日本ダービーの前哨戦となった皐月賞(G1)レース後の出来事だった。

 激しい言い争いをしていたのは、ヴェロックスに騎乗していた川田将雅騎手と、アドマイヤマーズに騎乗していたM.デムーロ騎手。どうやら勝負所の4コーナーで外から進出したかったアドマイヤマーズの進路を、ヴェロックスが蓋をして厳しく締めたのが"ケンカ"の発端となったらしい。

「先に突っかけたのはデムーロ。川田としてはG1の舞台だし、有力馬の進路を厳しく締めることはよくあること。だけどデムーロとしては、それが我慢ならなかった様子......。かつて主戦だったサートゥルナーリアが勝ったことも、少なからず影響していたのかな。まあデムーロの気持ちもわかるけど、あれはエキサイトし過ぎだね......」(関係者)

 確かに、ヴェロックスに進路を絞められて内に切り替えざるを得なくなったアドマイヤマーズは、そこで仕掛けが遅れ、サートゥルナーリアやヴェロックスに先を越された格好だった。さらに直線に入って、サートゥルナーリアに馬体を併せに行こうとしたところを、先にヴェロックスに入られて、再び進路を切り替える羽目に......。

 両馬に対する制裁などはなかったが、デムーロ騎手としては我慢ならなかったようだ。

 また、前出の関係者曰く、その後に別のレースが原因で川田騎手が騎乗停止となった際、デムーロ騎手は大喜びだったという。一昨年にはレース中の進路を巡って、デムーロ騎手が川田騎手に肘打ちを食らわして過怠金処分を受ける前代未聞の事件があったが、今年の皐月賞を巡って両者の溝はさらに深まってしまったということだろうか。

 あれから約1か月半。日本ダービーを迎える今週になっても、両者の「因縁の火」はまだまだ消えていないようだ。

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 先週18日のメルボルントロフィー(500万下)で、断トツの一番人気プランドラーに騎乗していた川田騎手。勝負所の4コーナーを迎え、満を持して進出を開始しようとした矢先、今度はデムーロ騎手のダンスディライトが"審議スレスレ"の厳しいカット。

 結局、不利を跳ね返したプランドラーが勝利し審議もなかったが、川田騎手が「4コーナーで苦しい形になりました」と振り返った通り、一瞬立ち上がって手綱を絞るシーンも見られた。

 近しい関係者によると、最後の直線は"鬼の形相"だったらしい......。レース後、相当怒っている様子を複数の記者が目撃していたようだ。

「同じ日の平安S(G3)でも、同じように勝負所でデムーロ(オメガパフューム)が、川田(チュウワウィザード)に外から被せるシーンがあった。デムーロは皐月賞以来、相当根に持ってるみたいだけど、それを跳ね返して勝ち切る川田もさすがだね」(同)

 レース後、勝負所で動きを封じられた川田騎手は「なんとか届いてくれという気持ち」だったという。幸いチュウワウィザードが勝利したが、見守っていた大久保龍志調教師も「力のあるところを見せてくれた」と手応えを語った一方、「ヒヤヒヤした」シーンもあったようだ。

 そういった中、いよいよ迎える日本ダービー。アドマイヤマーズからアドマイヤジャスタに乗り替わるデムーロ騎手は、ここに来てNHKマイルC(G1)、オークス(G1)勝利と調子を上げているだけに侮れない存在だ。

 果たして、2人の「仁義なき争い」はどういった決着を見せるのか。川田騎手とヴェロックスにとって「最大のライバル」はサートゥルナーリアに他ならないだろうが、思わぬ"刺客"に足を引っ張られるシーンがあるかもしれない。

パチスロ「4号機の名作」が復活!? 伝説の"爆裂"が新時代で実現か

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 6号機の新機種『パチスロ鉄拳4』を発表したヒットメーカー山佐。圧巻の臨場感を生み出す150度液晶が開いた新筐体「バトルスクリーン阿修羅」を採用した本機に、熱い視線が注がれている。

 純増は約4.0枚。2種類の「疑似ボーナス」と「バトルボーナス」で出玉を増やしていくゲーム性だ。

 最大の特徴は、初代『パチスロ鉄拳R』のゲーム性を継承×進化させた新システム「新・鉄拳コンボシステム」。ボーナス終了後は「ボーナス高確」「鉄拳チャンス高確」のいずれかへ滞在することが濃厚だ。

「鉄拳チャンス」高確率中は、約1/10で「鉄拳チャンス」の抽選が行われている。ボーナスと「鉄拳チャンス」のコンボが最大の醍醐味と言えるだろう。

 5月20日時点で詳しいスペック情報は公開されていないが、早くも話題になっていることも納得だ。6号機では初となる『鉄拳』シリーズへの期待は高まる。

 3月には、4号機時代を沸かした人気システムCT( チャレンジタイム)を搭載した『CTザクザク七福神』を導入した山佐。フル攻略時の出玉率は「101%超え」と言われている仕上がり。ハードルは低くはないが、6号機トップクラスの遊びやすさを実現したと言えるだろう。

 5月7日には、一時代を築き上げた名作『コングダム』のシリーズ機がデビューを果たした。

『ジャングルマスターコングダム』はシリーズの代名詞となる「ナビ 矛盾」を追求。それだけではなく、新たなテトラリールアクションを搭載するなど魅力的な仕上がりだ。一撃性も兼ね備えているため、古参ファン以外の支持を得られる可能性もある。

 2019年も存在感を放っている山佐。パチスロ界の最大手に君臨するヒットメーカーが、今後もホールを大いに盛り上げてくれそうだが......。

 同社への注目は、さらに高まっていきそうな気配だ。ホールへ熱狂を呼び込んだ"爆裂タイプ"や、4号機時代に熱狂的ファンを獲得した"名作"の登場が囁かれている。

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「以前からATスペックで高い評価を得た『鉄拳 DEVIL ver.』の名前を出す関係者は多いですね。そのうえで『純増10枚を実現?』『4thリールを使用した可能性も』といった情報も浮上しています。

さらには4号機で絶賛された名機の復活も噂されています。ヒット作が多いために絞るのは難しいですが、平均8連チャンの破壊力を誇るビッグバンモードを搭載した『メフィスト』を予想する関係者は多いですね。名前を聞いただけで楽しみです。続報に注目ですね」(パチスロライター)

 多くのパチスロファンを魅了した名機が新時代に降臨するのだろうか。手腕を発揮し続ける山佐の動向から目が離せない。

吉野家・すき家・松屋で今、買ってはいけない“地雷”メニュー6選!高いのにガッカリ!

吉野家の店舗

 牛丼チェーン業界を引っ張る存在として“牛丼御三家”と呼ばれている、吉野家すき家・松屋の大手3社。しかし、その業績はまちまちなようだ。

 すき家を運営するゼンショーホールディングスの発表によれば、2018年度第3四半期(18年4~12月)決算は営業利益146億円と好調。また、松屋を手がける松屋フーズホールディングスも、19年3月期第3四半期(18年4~12月)決算で、前年同期比マイナスではあるものの営業利益30億円を記録したという。

 一方で、苦境が伝えられているのが吉野家を展開する吉野家ホールディングスだ。公表された18年度第3四半期(18年3~11月)決算によれば、前期は25億円の黒字だった営業利益が5.6億円の赤字に転じてしまったという。

 各社、くっきりと明暗が分かれているようだが、共通しているところもある。それは、メニューに“ハズレ商品”があるということ。「うまい、やすい、はやい」は吉野家のキャッチコピーとして有名だが、大してうまくも安くもない“地雷”のような商品が、3社それぞれの商品のなかには2つや3つ、含まれてしまっているのが現状なのだ。

 そこで今回は、味、量、価格といったさまざまな観点から、「この春、買ってはいけない3大牛丼チェーンの商品6選」をピックアップした(価格は税込み)。

吉野家/牛丼・超特盛/780円


 1品目は、今年の3月に吉野家が満を持して投入した「牛丼・超特盛」。牛丼としては28年ぶりの新サイズ登場となったこの商品は、「並盛」(380円)の2.4倍もの牛肉がごはんの上にどっさりと盛られており、そのボリュームが大きな売りとなっている。

 ただし、ごはんも含めた分量を考えれば、並盛を2杯(=760円)頼んだほうが、1杯で780円する超特盛よりもコストパフォーマンス的に優秀だといわざるを得ないだろう。もっとも、吉野家の牛丼の味つけが好きで、とにかく牛肉をたくさん食べたいという人には、辛うじておすすめできる商品かもしれない。

吉野家/鰻重・一枚盛/790円


 すっかり定番商品となった感のある吉野家の「鰻重」。徐々に暑くなってくる時期、精をつけるために鰻を食べたいという人も多いだろうが、こちらの鰻重は「食べてガッカリした」というクチコミが散見されてしまっている。

 どうやら、ごはんの上に乗せられた鰻の食感について、「ボソボソしている」という指摘が目立つようだ。また、「一枚盛」に加えて「二枚盛」(1190円)、「三枚盛」(1690円)とランクがあるうち、「一枚盛」は下のごはんがかなり顔を見せているので、鰻の大きさが少しさびしく感じられてしまうのも正直なところ。価格のほうも、牛丼チェーンというファストフードにしては790円と高めなので、コスパ面からもすすめにくい商品だ。

すき家/まぐろたたき丼・並盛/580円


 次に紹介するのは、まぐろのたたきにだしの利いた特製の醤油をかけ、ワサビと混ぜて食べる、すき家の「まぐろたたき丼」。まぐろの下に敷かれた海苔や上に乗せられたネギもアクセントになっており、味のクオリティ自体は高いのだが……。

 問題は、インターネット上で「フリスビー丼」と揶揄されたこともある見た目。固められたまぐろのたたきは、まるで分厚いハムを丼に乗せたようなフォルムで、あまり食欲をそそらないものになってしまっている。

 とはいえ、前述したように味そのものはおいしい商品なので、友人や家族とお出かけした帰りなどにネタとして頼むのも一興だろう。

すき家/牛丼・並盛/350円


「おろしポン酢牛丼」(並盛480円)や「高菜明太マヨ牛丼」(同)、さらには「とろ~り3種のチーズ牛丼」(並盛500円)など、実に多様な商品を提供するすき家では、プレーンな「牛丼」がおすすめできない商品となっている。

 もちろん、決してまずいわけではないのだが、すき家ではほかの個性的なトッピングに合うように牛肉の味つけが調整されているためか、単体で食べると物足りなく感じてしまう人も少なくないはず。プレーンな牛丼を食べたいときは、別のチェーン店を利用するのがベターといえそうだ。

松屋/旨辛チーズポテト牛めし・並盛/430円


 松屋の「旨辛チーズポテト牛めし」は、関東や東北に住んでいる人にとっては馴染みがないだろう。というのも、主に関西や中国地方などの限られた店舗でしか取り扱っていない商品だからだ。

 旅行に出かける機会も増えるこのシーズン、出先で松屋に入った際にこの商品を見かけたら、物珍しさからつい頼んでみたくなるかもしれないが、少し待ってほしい。

 名前からして“こってり感”が伝わってくるこの商品は、牛めしの中央にどっかりとポテトサラダが鎮座し、さらにその上から3種類のチーズがまぶされているとのこと。非常にジャンクな味わいかつ重たい商品であることは確実なので、注文する際は気分や胃袋とよく相談してからにしよう。

松屋/キムカル丼・並盛/500円


 ガッツリ食べたい男性にはもってこいの松屋の「キムカル丼」だが、なかなか人を選ぶ商品であることも間違いない。カルビの味つけがしっかりしている……といえば聞こえはいいのだが、実際のところ、人によっては塩辛く感じてしまうことだろう。

 また、カルビの上に乗せられたキムチの主張も強く、両者がハーモニーを奏でているとはいいがたい仕上がり。前述の「旨辛チーズポテト牛めし」と同じく、繊細とはほど遠いジャンクな商品なので、頼むときには注意が必要だ。

――吉野家、すき家、松屋の“買ってはいけない商品”を紹介してきたが、もちろん、“牛丼御三家”にはおいしい商品がたくさん存在している。商品選びで後悔しないためにも、ぜひ当記事を活用していただきたい。
(文=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)

JRA日本ダービー(G1)「ドゥラメンテ風血統」ランフォザローゼス! 恐怖の2着馬で福永祐一連覇成る?

日本ダービー(G1)「ドゥラメンテ風血統」ランフォザローゼス! 恐怖の2着馬が福永祐一で連覇成る?の画像1

 26日に開催される日本ダービー(G1、芝2400メートル)にランフォザローゼス(牡3歳、美浦・藤沢和雄厩舎)が出走する。4戦1勝2着3回と連を外していないのは不気味。同馬の可能性について探ってみる。

 ランフォザローゼスは父キングカメハメハ、祖母はオークス(G1、芝2400メートル)と天皇賞・秋(G1、芝2000メートル)を制した女傑エアグルーヴという血統。近5年では皐月賞(G1、芝2000メートル)と日本ダービーを制した唯一の2冠馬ドゥラメンテに似た血統だ。2017年のセレクトセールで約1億3000万円で落札され、デビュー前から話題になっていた。

 昨年10月、府中の新馬戦(芝2000メートル)で菊花賞(G1、芝3000メートル)と有馬記念(G1、芝2500メートル)を制したサトノダイヤモンドの全弟サトノジェネシスを破って優勝。3歳クラシックでの活躍が大いに期待された。ところが、その後3戦してすべて2着と勝ち切れない。力を出しきれずの惜敗続きなのだろうか、それとも根本的に勝負弱いのだろうか。

「府中のデビュー戦を勝った後、陣営は2戦目に中山の2000メートル戦、葉牡丹賞(500万下)を選択しました。ここを勝って皐月賞(G1、芝2000メートル)目標を明確にする予定だったのでしょう。しかし、シークレットランに2歳日本レコード(1分59秒6)で大駆けされ、2着に敗れました。

 陣営はもう一度中山の2000メートル戦にチャレンジします。それが1月の京成杯(G3)です。今度は1戦1勝のラストドラフトが大駆け。直線で追いすがるも差は縮まらず、またしても2着でした。陣営はこの敗戦で中山適性に見切りをつけます。皐月賞には向かわず、青葉賞(G2、芝2400メートル)から日本ダービーというローテーションに切り替えました」(競馬雑誌ライター)

 日本ダービーで勝ち負けするためには青葉賞は負けられない一戦となった。府中は新馬戦を勝っている得意コース。1番人気に支持された。しかし、2度あることは3度あるだろうか。逃げたリオンリオンをつかまえられずハナ差の2着。やはり勝負弱い馬と判断すべきなのか。

「皐月賞を使わずに青葉賞まで待ったことで馬体が成長したこともあり、陣営は期待していたのですが......。しかし、この敗戦を危惧する必要はありません。現在も成長途上にある馬ですから、日本ダービーを前にしてメイチの仕上げはできませんからね。

 日本ダービーはサートゥルナーリア、ヴェロックス、ダノンキングリーの3強と言われていますが、3強以外で崩れたことのないのはこの馬だけです。3強激突の隙を突けるのはこの馬ではないでしょうか。

 藤沢厩舎は青葉賞の使い方がうまい厩舎です。たとえばシンボリクリスエスとゼンノロブロイは青葉賞1着から日本ダービーに挑戦。日本ダービーで好走すると、その後にG1レースで大活躍しました。このように日本ダービー後も見据えた馬作りをするのが藤沢厩舎です。好走できれば今後の活躍が楽しみになります」(同)

 今回、鞍上は昨年のダービージョッキー福永祐一騎手。ランフォザローゼスの母ラストグルーヴは1戦1勝で引退したが、その手綱を取ったのが福永騎手だった。藤沢厩舎+福永騎手というちょっと異色のタッグは楽しみだ。

 日本ダービーに向けては「成長途上でダービーまで進んだのはさすがですし、青葉賞のような競馬ができたのはポテンシャルが高いからでしょう」「皐月賞上位馬は強いですが、3歳のこの時期はグンと良くなる馬もいます。連覇のチャンスがあるのは自分だけなので、もちろん狙っていきます」とかなり意欲的。ランフォザローゼスと福永騎手のコンビに3強の1角崩しを期待しよう。

大企業の間で、今年か来年の“リーマンショック級経済危機”到来への警戒高まる

リーマン・ショック(写真:AP/アフロ)

 大企業によって多少は時期はずれたりするのですが、毎年5月というのは多くの大企業で今年度の事業予算計画が確定する時期です。どれだけの売上を予定し、どれくらいの投資を行うのか、そういった計画がこの時期にほぼ出そろいます。

 それで本業が経営コンサルタントの私としては、守秘義務の関係であまり詳細はお話しすることができないのですが、今年、大企業の経営者たちが比較的共通認識として懸念しているあることについて、今回は書かせていただきたいと思います。

 それは一言でいうと、

「今年か来年のどこかで、リーマンショック級のグローバルな経済不況がやってくるのではないか」

という懸念です。

 この点については経済評論家の間でも意見が分かれるところで、最大の懸念事項はアメリカのトランプ政権が推進している過剰な保護政策が世界経済をどう停滞させるのかという点です。加えて、これまで世界経済をけん引していた中国の成長が本格的に止まりそうだという懸念や、EUから英国が離脱する政治的インパクトに関係する懸念など、グローバル市場における懸念材料があふれているという問題があります。

 それらに関係したなんらかの引き金でパニック的な経済混乱が起きるリスクは、一定規模で存在するわけです。具体的なきっかけはアメリカの金利上昇かもしれませんし、中国やアメリカの有力企業と思われてきた企業が急に行き詰まるといったニュースかもしれません。

 何がきっかけになるかわかりませんし、いつ起きるかもわからない。けれども今年か来年にそれが起きる可能性はある。だから経営計画にそのリスクを織り込んでおこうと大企業経営者たちが考えているという現実があります。

 では、実際にリーマンショック級の経済恐慌は起こりうるのでしょうか?

今回のケースの特徴


 リーマンショックのときにはひとつ、具体的な火種が存在していました。それがサブプライムローンという返済不能な負債が莫大な金額におよび、かつそれが細かく証券化されて世界中の金融商品にばらまかれていたという火種でした。

 平成初期に起きたバブル崩壊も同様です。火種としては大手金融機関が貸し付けてきた不動産融資が不動産価格崩壊とともに焦げ付いて、その不良債権規模が100兆円に及ぶ規模へと膨らんでいたという火種です。

 それらの事態と比べると、今、私たちの目の前にある「リーマンショックの再来の危機」というべきものには、同じような火種は目に見えるかたちでは存在していません。起きる可能性があることはむしろ大きな経済停滞であり、これはリーマンショックのような破壊的な恐慌ではなく、5年から10年の間に1~2回起きるような周期的な不況で終わる可能性も小さくはない。恐慌は起きないかもしれないというのが今回のケースの特徴ではあります。

 とはいえ、火種はひとつ存在します。それは先進国の株式市場の価格がかつてないレベルにまで高騰しているという事実。そして、日本の場合は東京オリンピックに向けて首都圏の不動産価格がかつてないレベルにまで上昇しているという事実です。株価と不動産価格の上昇が経済成長の背景にある以上、それらが価格崩壊すれば少なくない投資家たちが巨大なダメージをうけ、それに応じて相応の不良債権が出現するはずです。

 冒頭に申し上げたように経営コンサルタントとしての守秘義務がからんでくるので、大企業側の情報についてはあまりお伝えすることはできないのですが、私が大企業にどのようにアドバイスしているかはお伝えすることができます。それは、

「リーマンショックの3分の1ぐらいのインパクトのクラッシュがきても大丈夫なように備えておきましょう」

というアドバイスです。

 何かが起きる可能性は小さくないが、その規模は過剰に想定するほどのことではないのではないかという分析です。あくまでひとつの見識として聞いていただきたいのですが、2008年頃の不気味な状況と比べると、そこまでの不安材料はないようにみえるというのが現時点での状況ではあります。

経済の教科書には書いていない事態も


 ただもうひとつ、読者である皆さんに対しては別のアドバイスがあります。それは今のままだといずれ、これからの10年の単位でみれば、どこかでもっと大きなクラッシュがやってくる可能性があるということです。

 最大の懸念材料は国の借金の増加です。日本の借金が過去最大の1100兆円になったというニュースがありますが、今後、高齢化社会がさらに進んでいけば、医療費の問題や年金の負担で国家財政がさらに悪化するのは必定です。

 そして、このような状態が近づいていてもまだ日本の財政が破たんしていない最大の経済学的な根拠は、ゼロ金利下ではそういった巨額の国の借金が維持できるという、未解明の経済学説通りに事が進んでいるという点にあります。もしその状況が崩れたらこの先どうなるのかは、経済の教科書には書いてはありません。

 しかし、国の借金が日本の個人資産1500兆円を超える時期はいずれやってきます。もう国内の金融機関が国債を買い支える資金がなくなって、仮に海外の金融機関に国債を買ってもらわなければならない時期が来るとすれば、今の借金を正当化できる経済前提は崩れるわけです。

 では、そのようなクラッシュが来たらどうなるでしょう。おそらくリーマンショックではなく、オイルショック的な経済恐慌が日本を襲うことになると思われます。リーマンショックの場合はあらかじめ資産を現金化しておけば恐慌をやり過ごすことができたのですが、オイルショックの場合は、狂乱物価が起きることで現金を持っていても資産は半分以下に目減りしてしまいました。

 今回恐れられている経済クラッシュとは別に、日本経済は少子高齢化による縮小と政府財政の肥大という確実に来るであろう未来のもうひとつのリスクを抱えているのです。そのことも念頭におきながら、ここまでの経済成長が来年の東京オリンピックまで持つかどうか、微妙な未来を心配しながら今年一年を過ごすという考えが、多くの大企業における今年の年度計画の前提にあるのだということを今回はお伝えしておきます。
(文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役)

●鈴木貴博(すずき・たかひろ)
事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング代表取締役。1986年、ボストンコンサルティンググループ入社。持ち前の分析力と洞察力を武器に、企業間の複雑な競争原理を解明する専門家として13年にわたり活躍。伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)の起業に参画後、03年に独立し、百年コンサルティングを創業。以来、最も創造的でかつ「がつん!」とインパクトのある事業戦略作りができるアドバイザーとして大企業からの注文が途絶えたことがない。主な著書に『ぼくらの戦略思考研究部』(朝日新聞出版)、『戦略思考トレーニング 経済クイズ王』(日本経済新聞出版社)、『仕事消滅』(講談社)などがある。

ルノー、日産へのTOBも取り沙汰…ルノー経営陣が日産乗り込み、西川社長退任説も

日産自動車・西川廣人社長兼CEO(写真:つのだよしお/アフロ)

 日産自動車は5月17日、6月25日に開催する定時株主総会へ向けた人事案を発表した。

 新しい取締役候補は11人。筆頭株主のルノーから経営トップ2人を迎え、日産の生え抜きと同数になった。残る7人は社外取締役で、全体の過半数を占める。

 ルノーからはジャンドミニク・スナール会長(日産取締役)が続投。新たにティエリー・ボロレCEO(最高経営責任者)が加わる。ボロレ氏の取締役就任はルノー側の強い要求で、これを日産が受け入れた。

 日産側は西川廣人社長兼CEO、山内康裕COO(最高執行責任者)の2人。5月16日付でCOOに就いた山内氏が新たに取締役となる。

 西川氏の続投に関しては、検討段階で「ゴーン前会長の不正を見過ごした責任を問う声が出た」(日産の元役員)という。

 新たな取締役候補を選ぶ「暫定指名・報酬諮問委員会」の井原慶子委員長(日産の社外取締役で新体制でも留任)は「不正の看過、検査不正、業績悪化について責任を問う声もあったが、経営の継続性を考えた」と述べた。「ルノー、三菱自動車とのアライアンス強化という面で(西川社長続投は)ふさわしい。刷新するのはリスクがある」(同)と判断したという。

 井原氏はボロレ氏が日産の取締役に就任することについて「日産の自立性を阻害しないか、十分に検討した。ボロレ氏は(日産の)代表権もなく、執行権もない。(ゴーン被告に権限が集中した)以前とはまったく違う」と説明した。

 西川氏の続投とボロレ氏の役員就任は、「日産・ルノーの妥協の産物」との見方が強い。「ギブ・アンド・テイク」と関係者は言う。日産はルノーとの交渉を担ってきた西川氏を交代させたくないと考え、ルノーに同氏の続投を承認してもらう代わりに、ボロレ氏を受け入れたというのだ。

 では、西川体制はいつまで続くのか。「2020年3月決算の中間決算がまとまる今年秋まで」と、ルノー及びフランス政府は考えているフシがある。2019年9月中間決算の業績がさらに悪化すれば、「西川社長の責任論が日産社内からも再び出てくる」(日産関係者)とみられているからだ。

 日産とルノーの提携協定には、ルノーから迎える取締役は日産の生え抜きを1人下回る「nマイナス1」というルールがある。ルノーの過度の経営干渉を防ぐ狙いだ。日産にとって対ルノーの「切り札のひとつ」なのに、今回の人事では適用を見送った。“来るべき日”に備えて力を温存したと前向きに評価できるかどうかは、今後の日産の経営方針の決定の過程で明らかになろう。

 井原氏は「スナール氏とボロレ氏からは、日産の業績回復が最優先で、しっかり支えていくと言及があった。問題ないと取締役会でも判断した」と強調したが、「そんなきれいごとではない」と冷ややかに見る向きが多い。

 常勤の取締役をルノーは2人確保した上、社外取締役に仏ミシュランタイヤ日本法人(日本ミシュランタイヤ)会長のベルナール・デルマス氏を推薦。日産はこの提案も飲んだ。ミシュランはスナールの出身企業でもある。

 一方、日産は現在の常勤監査役の永井素夫氏が社外取締役の候補になった。永井氏は、みずほ信託銀行の元副社長である。

 井原氏と豊田正和氏の社外取締役は続投。永井、井原、豊田の3氏を日産側とカウントすれば“日産関係者”は5人となる。ルノーは3人なので、数の上で有利となる、と日産社内では皮算用している。ちなみに、豊田氏は日本エネルギー経済研究所理事長で経済産業省OB。

 取締役会議長には新たに社外取締役となる木村康・JXTGホールディングス相談役(前経団連副会長)の就任が有力視されている。

 取締役会議長への就任を念頭に取締役に招請することを検討してきた榊原定征・前経団連会長は候補に残らなかった。榊原氏は日産のガバナンス改善特別委員会の共同委員長を務めたうえ、暫定指名・報酬諮問委員会の委員でもある。日産に会長職を廃止して取締役会議長のポストを新設するよう提言したガバナンス委の主要メンバーが、自らその役職に就くことを疑問視する声が社内外にあった。「お手盛り」と強く批判されてきた。

“ゴーン・チルドレン”の筆頭といわれてきた志賀俊之氏は、取締役を退任する。

 西川新体制は「統合」の火種を残したままスタートを切ることになる。6月の定時株主総会で西川氏への賛成票がどの程度になるかに関心が移った。「80%」を切るようなら、「株主は実質不信任を西川氏に突きつけた」との厳しい評価が下されることになる。

 日産は監査役設置会社から指名等設置会社に移行する。経営の執行と監督機能を分離し、再び“カルロス・ゴーン事件”が起きないようにする腹づもりだが、「ルノーvs.日産」のつばぜり合いが激化することは避けられない。

日産vs.ルノー、これまでの経緯

 18年11月、カルロス・ゴーン日産元会長が逮捕されて以降、ルノー・日産の対立が表面化したが、その後、議論を一旦棚上げにして衝突を回避してきた。

 ところが、ルノー側が態度を一変。日産に経営統合を再提案した。ルノーの筆頭株主である仏政府の意向とされている。

 仏経済紙レゼコーは4月26日、ルノーが日産に要求している経営統合について、「両社が対等な関係でアジアの第三国に持ち株会社を設立する計画が浮上している」と報じた。「持ち株会社は東京、パリの双方の証券市場に上場。両社の株主が受け取る持ち株会社の株式比率は公平になるように定める。日産がルノーとの対等な関係を求めることに配慮して、ルノーの依頼を受けた金融機関がまとめた。ルノーの筆頭株主である仏政府は受け入れに前向き」という内容だ。

 日産は6月25日の定時株主総会で監査役会設置会社から指名委員会等設置会社へ移行することを決めており、西川氏の続投を中心とする新たな経営陣の人選の真っただ中だった。

 ルノーがあえて経営統合を提案したのは、43.4%を出資する大株主であることを日産側に強く再認識させる狙いがある。日産の新たな経営陣にも、将来の統合に向けた議論を常に念頭に置くよう、要求したものと受け止められた。

 日産は4月23日、ナンバー2のCOOに山内康裕CCO(チーフ・コンペティティブ・オフィサー)を昇格させるなどの執行役員人事を発表した。13年、志賀俊之取締役がCOOを退任し、空席となっていたCOOのポストが約5年ぶりに復活する。

 副COO職を新設し、仏ルノー出身のクリスチャン・ヴァンデンヘンデCQO(チーフ・クォリティー・オフィサー)が兼務する。いずれも5月16日付だ。

 山内氏は81年、国際基督教大学教養学部社会科学科を卒業し、日産に入社。購買部門の経験が長く、CCOとして生産や研究開発・購買の3部門を統括してきた。今後は世界規模のマーケティングや営業なども幅広く担当。ルノーの取締役も務めている。

 日産は17年9月、資格のない担当者による検査の不正が発覚した。18年9月、再発防止に向けた対策を発表。検査担当者の増員や新たな測定装置などを導入。今後6年間で約1800億円を投資する。今年度、約670人を工場の検査関係で採用する計画も明らかにした。このとき記者会見したのが山内氏だ。「コスト管理と品質保証の優先順位が正しく判断されていなかった」と述べた。

 日本事業担当の星野朝子氏、渉外担当の川口均氏、開発担当の中畔邦雄氏の3人の専務執行役員を副社長に昇格させる。事業の立て直しを担うポスト「パフォーマンス・リカバリー」を新設し、生産技術担当の関潤氏を専務執行役員のまま専任させる。

 星野、川口、関の3氏と、中国担当の内田誠、北米担当のホセ・ルイス・バルスの両専務執行役員を最高意思決定機関のエグゼクティブ・コミッティ(EC)のメンバーに新たに加える。

 星野氏の夫は星野リゾートの星野佳路社長。朝子氏は旧日本債券信用銀行出身のマーケティングのプロで、ゴーン前会長がスカウトして専務執行役員に大抜擢した。

 川口氏はゴーン追放を仕掛けた中心人物のひとりとされている。菅義偉官房長官との太いパイプを持つ。

 日本・アジア・オセアニア事業を担当するダニエル・スキラッチ副社長は、5月15日付で退任した。今年1月の電気自動車(EV)リーフの改良型を発表する会見でスピーチを任されるなど、世界に向けた「日産の顔」であった。スキラッチ氏はゴーン派ではないが、混乱続きの日産に見切りをつけたとみられている。

 日産とルノーの合意文書には「ルノーは日産のCOO以上のポストの人材を指名できる」とある。4月23日の取締役会で人事案の議論にテレビ電話方式で参加したルノーのジャンドミニク・スナール会長から「山内氏のCOO就任について異論は出なかった」(日産幹部)とされる。

 その一方で、スナール氏は4月12日、パリで日産の西川社長に経営統合を打診したと伝えられている。提案と合わせてボロレ氏を日産の取締役にすることや、ルノー出身者をCOO以上のポストに就任させるよう求めたとされている。合併推進派を複数、日産の経営陣に送り込み、日産の取締役会で議論をリードしていくとの思惑がある。

 日産とルノーがぶら下がる持ち株会社のトップ(会長兼CEOが有力)の椅子には、スナール会長が座る案が現地では報道された。

日産の株価が急落

 日産の株価が下げ足を速め、連日の安値更新となった。5月15日には一時、8%安で800円割れとなった。一時、772.8円と年初来安値をつけた。20日には一時、763.9円まで下げ、再び年初来安値を更新した。

 5月第3週末にはゴーン元会長が逮捕されて半年を迎えたが、逮捕当日(18年11月19日)の終値は1005.5円。5月15日現在で23.1%安だ。同じ期間でみるとトヨタは1.8%安、本田技研工業(ホンダ)は13.2%安で、日産の下げが突出している。

 日産の20年3月期決算の連結純利益が46.7%の減益。トヨタは19.5%増益でホンダも8.9%増益を予想している。収益格差が株価に反映されている、とアナリストは分析する。

 北米販売の不振、ゴーンの拡大路線のツケ、19年3月期の営業利益が10年ぶりにルノーのそれを下回ったなど、ネガティブな報道が相次いだ。

 株価急落のもうひとつの原因が減配(前期57円から今期40円に減らす)だ。過去には、会社の実力を上回る高い配当を実施してきた。これはゴーン体制下、配当金は43.4%の大株主のルノーへの貢ぎ物という側面があった。ルノーvs.日産の対立が激化すれば、今後も減配の可能性がある。

 ただ、日産の株価がこれ以上下がると、「ルノーによるTOB(株式公開買い付け)の動きが出てくる」(パリ在住の自動車アナリスト)という見方もあるため、注視し続ける必要がある。
(文=編集部)

有機スズ化合物に関して「環境ホルモン」という言葉を聞かなくなった理由

「Gettyimages」より

有機金属化合物


 有機金属化合物は有機物と金属が結合したものの総称です。食品に限って考えると、人にとって有用なものと安全性に気をつけなければならないものとがあります。

 食品に関係する有機金属化合物としては銅、亜鉛、スズ、ヒ素、水銀があります。これらの化合物は無機金属化合物と比較すると、毒性が強いものと毒性が非常に弱いものとがあります。

有機銅化合物


 食品に関係のある有機銅化合物は、農薬(殺菌剤)としてオキシン銅が許可されています。特に食品衛生法の違反もなく、殺菌剤としての効果もあり問題になっていません。食品添加物としてはグルコン酸銅や銅クロロフィル、銅クロロフィリンナトリウムがあります。

 グルコン酸銅は、食品衛生法で母乳代替食品および保健機能食品以外の食品に使用してはならないとなっています。これらが添加物として許可された理由は、銅の不足を補うためのものです。母乳代替食品は大規模な調査により銅の含量が母乳の100分の1程度であることがわかりました(注1)。銅が欠乏すると発育の遅れ、貧血、多核白血球の減少、筋肉の緊張低下などの恐れがあるため、乳及び乳製品の成分規格等に関しては省令によって「厚生労働大臣の承認を受けて調整粉乳に使用する場合を除いて、母乳代替食品を標準調乳濃度に調乳したとき、その1L(リットル)につき、銅として0.60mgを超える量を含有しないように使用しなければならない」となっています。

 保健機能食品は食品衛生法により、いわゆる健康食品のうち、国が安全性や有効性等を考慮して設定した規格基準等を満たす食品で、通常の食品の形態をしていない液剤、カプセル、顆粒及び錠剤に限り使用できることとなっています。保健機能食品に加えるとき「当該食品の一日当たりの摂取目安量に含まれる銅の量が5mgを超えないようにしなければならない」となっています。

 なお、米国では、グルコン酸銅は一般に安全と認められる物質(GRAS 物質)として取り扱われ、栄養強化剤としてサプリメント類、あめ類、飲料等に用いられており、使用量の制限は設定されていません。

 銅クロロフィルや銅クロロフィリンナトリウムは青~緑色であるため、着色料として許可されています。使用対象食品が決められており、昆布、野菜類や果実類の貯蔵品、チューインガム、魚肉ねり製品、生菓子、チョコレートおよびみつ豆缶詰中の寒天に、銅クロロフィリンナトリウムについては、あめ類にも使用が許可されています。

 植物の緑色はクロロフィルですが、ワラビ等を銅鍋で煮ると綺麗な緑色になるのは、鍋から溶出する銅イオンがワラビのクロロフィルのマグネシウムと置き換わるためです。特に安全性は問題ありません。

有機亜鉛化合物

 
 グルコン酸亜鉛は、グルコン酸銅と同じく食品衛生法により母乳代替食品と保健機能食品以外の食品に使用してはならないことになっています(注1)。食品添加物として許可された理由は亜鉛強化のためで、不足すると成長が遅れる、皮膚炎や下痢などの症状が表れやすいなどです。

 添加量としては「母乳代替食品を標準調乳濃度に調乳したとき、その1Lにつき、亜鉛として6.0mgを超える量を含有しないように使用しなければならない」となっています。グルコン酸亜鉛は保健機能食品に使用したとき、「当該食品の一日当たりの摂取目安量に含まれる亜鉛の量が15mgを超えないようにしなければならない」となっています。

 米国では、グルコン酸亜鉛はGRAS 物質として取り扱われ、栄養強化剤としてサプリメント類、あめ類、飲料等に用いられており、使用量の制限は設定されていません。また、EUではグルコン酸亜鉛等の栄養強化剤は、食品添加物ではなく、食品成分扱いとなっており、調製乳についてのみ使用量の制限があります。普通の食事をしていれば、不足することはありませんが、カキをはじめ魚介類や種実類に多く含まれています。

有機スズ化合物


 有機スズ化合物は多くの種類があります。過去に話題となったのが、内分泌かく乱化学物質(いわゆる「環境ホルモン」)作用があるのではないかということで一時期、環境ホルモンとしてテレビや新聞で連日騒がれました。

 酸化トリブチルスズ(TBTO)、トリブチルスズ(TBT)トリフェニルスズ(TPT)などの有機スズ化合物が船底塗料や魚網防汚剤などに使用されていました。その理由は、船の底の部分に海藻や貝等が付くと船の速度に大きな影響を与えるだけでなく、ガソリンの消費量も大幅に増えてしまうからです。また、魚網に海藻や貝が付着するといけすの魚が酸欠を起こして死んでしまうなど、いろいろの障害が出てしまいます。

 しかし、イボニシなどの巻貝にはメスがオス化する現象に影響を与えることがわかってきました。そこで1980年当初から世界的に船舶の船底などに有機スズ化合物を使用しないという取り決めがなされました。

 魚介類について国や各地の衛生研究所等で継続的に海産物の有機スズ化合物の調査をしています。船底塗料や漁網に使用しなくなった効果もあり、魚介類からの検出量は検出しない、あるいは微量で、格段に少なくなっています。

 食品と関連した有機スズ化合物の慢性中毒の事例はありませんが、ブチルスズ化合物製造従事者が味覚の減退を訴え、その他の症状は後頭部の頭痛、鼻血、倦怠感、肩こりなどであったことが報告されています。

 東京都健康安全研究センターは平成19~26年度の間に東京都内で流通していた輸入水産物(魚介類180検体)について有機スズ化合物の含有量調査を行っています。その結果、TBTは魚介類180検体中47検体から0.01~0.03 ppm、TPTは180検体中18検体から0.01~0.12 ppmであり、通常の摂取量では安全なレベルであったと結論付けています(注2、3)。

 北海道衛生研究所は平成11~26年度に魚介類中の有機スズ化合物(ジブチルスズ、トリブチルスズ、トリフェニルスズ)調査をしています。初年度から安全性に問題がなく、さらに徐々に減少しているとの報告をしています(注4)。その他、各地の衛生研究所で実態調査を行っていますが、特に問題となる結果はみられません。
 
 また、有機スズ化合物はプラスチックの安定剤や樹脂合成の触媒などに利用されていますが、人に対して特に問題になっていません。日本でも多くの研究者が研究対象とした環境ホルモンという言葉も、あまり聞かれなくなりました。
(文=西島基弘/実践女子大学名誉教授)

※後編に続く

注1)乳幼児における亜鉛と銅の重要性
注2)東京衛研年報, 52, 194-200, 2001
注3)東京健安研セ年報 66, 217-222, 2015
注4)道衛研所報 65, 79-81,2015

Hey!Say!ツアーを中止に追い込む、過激ジャニーズファンの“危険な生態”

「Gettyimages」より

 ファンの非常識な行動がアーティストのライブ、それも全国ツアーを中止に追い込むという前代未聞の事態が起こった――。

 ジャニーズ事務所は19日、アイドルグループ・Hey!Say!JUMPの全国ツアーについて、一部のファンによる迷惑行為がやまないことを理由に中止すると発表した。

 ジャニーズ事務所は2年前の2017年にも、公式サイト上で「ファンとしての品位を保ちタレントを温かく見守っていただいている一方で、マナーに反する過激な行為を行う方へ『大切なお願い』があります」と綴り、具体的に以下のようなファンによる危険行為を列挙していた(以下、要点を抜粋)。

・飛行機、新幹線でタレントに近い席を確保し、立ち上がってのぞき込む
・新幹線内でタレントの乗車車両の前後のデッキに留まり、一般の人の通行を妨げる
・タレントの写真、動画を撮影し続ける
・タレントに故意にぶつかったり、抱きついたりする
・スタッフに向けてエアガンを発砲する
・タレントを乗せた移動車両を白タクなどで追いかける

 こうしたタレントや事務所関係者のみならず一般人にも危害を与えかねない行為により、 「関係機関よりコンサートの開催中止勧告を受ける」懸念もサイト上では記載されていたが、今回、その懸念が現実のものとなったといえよう。

「ジャニヲタのなかでも特に過激な人たちは“やらかし”と呼ばれていますが、彼女たちのなかには普段は普通に働いている人も多く、自然と職業も多岐にわたることになり、図太いネットワークを形成しています。そのため、どこから情報を入手しているのかはわかりませんが、タレントの自宅は朝飯前のこと、地方への移動で使う飛行機や新幹線の便名や、宿泊先ホテルまで押さえることができ、週刊誌記者も顔負けの情報収集能力を持っています」(週刊誌記者)

 当サイトは2018年11月15日付記事『大倉忠義だけじゃない!ジャニヲタからも嫌われる「過激派やらかし」の異常な実態』で、そんな“やらかし”たちの実態を報じていたが、今回、改めて同記事を再掲する。

---以下、再掲---

 ジャニーズタレントがファンの行動を批判するという異例の事態が、物議を醸している――。

 関ジャニ∞の大倉忠義が8日、公式ファンサイト上のブログを更新し、一部ファンのつきまとい行動について、「執拗に追いかけてくる人たちがいます。僕達にぴったりくっつくことを目的に、周りが見えていなく 一般の方々にも体当たりをしたり」「ある時は、友人と食事をしていたら駅や空港にいつもいる人が横のテーブルにいました」と報告。さらに「鞄の中に物を入れられたり」「突然手を繋がれたり」といった行動に苦言を呈し、「普通の人に戻るほうがよっぽど楽 そろそろ限界だ」と苦しい心境を吐露した。

 ジャニーズタレントのファンといえば、これまでも一部のファンによる常軌を逸した過激行動が話題になってきたが、ジャニヲタの知人がいるマスコミ関係者は語る。

「ジャニタレのプライベートまで追っかける熱心なジャニヲタは“やらかし”と呼ばれ、なかにはプロの記者顔負けのクルマの運転技術でタレントを尾行したり、自宅の住所や行きつけの店を把握している優秀な人もいます。通常、あるタレントのファン同士が劇場やテレビ局での出待ちなどを通じて知り合い、強いネットワークを形成していくことが多く、ライブで地方へ行った際などは、メンバーの宿泊先や移動に使用する飛行機や新幹線の便までも特定して、ネットワーク内で情報を共有していますよ」

 では、やらかしとは、どのような人々なのであろうか。

「学生から一般企業でバリバリ働いている人、CAや看護師、キャバクラ嬢、アルバイトなど、本当に幅広い年齢や職業の人たちです。ただ、自然とネットワーク内でカーストが形成され、容姿の端麗な人が上位に立ち、そうではない下位の人々を“使っている”ようなケースもありますね。もっとも、突然やらかしを卒業し、今では結婚して子どもも生んで普通に生活している人もたくさんいますよ」(ジャニヲタ)

ジャニタレと飲み会をする、やらかしも


 そんな、やらかしだが、なかにはタレントとプライベートで関係を持とうとする人も、ごく一部にはいるという。

「超がつくほどカワイイA子は、あるタレントXが好きすぎて、知り合いをたどって、ついにXが複数の女性たちと定期的に開く飲み会のメンバーになることができましたが、やらかしであることがバレて、Xから『顔見たことあるぞ!』とキレられて以来、プライベートではXと会うことができなくなってしまいました。美人だったので、そのままいけばXと体の関係を持つところまでいけたと思いますが、Xのことが好きすぎて、気持ちを抑えきれなかったのでしょう」(元ジャニヲタ)

「美人のB子は、好きなタレントがよく来るキャバクラでキャバ嬢として働き始め、実際にそのタレントは仲の良い別のジャニーズグループのメンバーを連れて来店し、B子が接客することもありました。ちなみにこの2人のタレントは、世間的には遊び人とは真逆の誠実なイメージを売りにしていますが、なんでもB子はそのうちのひとりから体の関係を迫られたと悲しがっていました。好きなタレントの馴染みの店に店員として紛れ込むというケースは、よくあります。ほかにも、コンサート会場の関係者出入り口で、スーツを着て誘導スタッフに扮して『今、●●が出ました』とかやっている、やらかしもいましたね」(ジャニヲタの知人)

 やらかしにも、さまざまなタイプがいるようだが、前出のジャニヲタは、今回の大倉の警告で、やらかしに対する誤解が広まってしまいかねないと、こう懸念を示す。

「確かに、やらかしのなかにはタレントの自宅の前で、窓を観察しているような人もいますが、彼女たちの目的はあくまで“私しか知らない●●クンのプライベートを知る”ことなので、それ以上の行為に出たりはしません。彼女たちの名誉のために言えば、タレントに接触を図ったり迷惑をかけたりすることは、基本的にはしません。大倉クンが苦言を呈しているような行動をする人々は、決してファンとはいえず、ただの“迷惑な人”です。そんな人々と、タレントに正常な愛情を持つやらかしを一緒にしてほしくはないです。また、多くのジャニヲタややらかしは、そんな一部の過激なやらかしを嫌っています」

 今回の大倉の警告で、一般のジャニヲタややらかしに対する誤解が広まってしまわないことを、願うばかりである。
(文=編集部)

ZOZO、資金難示す材料も…前澤社長所有分の同社株式9割が銀行担保に

ZOZO前澤友作社長(AFP/アフロ)

 ZOZO前澤友作社長の言葉を借りるなら、これも「クソ記事」ということになるのかもしれない。前澤氏はツイッターで「人生の肥料はクソ記事」と言い放ったからだ。

 アパレル通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するZOZOの2019年3月期連結決算の売上高は、前期比20.3%増の1184億円と増収だったが、営業利益は同21.5%減の256億円、純利益は同20.7%減の159億円と上場以来初の減益となった。年間配当は24円とし、前期(29円)から5円減らした。

 18年4月に発表した初の中期経営計画で、前澤は「10年以内に時価総額5兆円」「グローバルアパレルトップ10入り」とぶち上げた。年間2~3割伸ばしてきた商品取扱高を21年3月期に18年3月期比2.6倍の7150億円にするとした。

 この目標に向けて新機軸を打ち出したが、ことごとく不発に終わった。

 18年1月に始めたプライベートブランド(PB)事業が足を引っ張った。全身を採寸できる「ゾゾスーツ」を無料で配り、試着なしでぴったりの服を届けられることを切り札に販売拡大につなげる計算だった。

 無料で配るゾゾスーツは話題を呼んだが、採寸結果が正確ではないという批判が出たほか、計測の煩わしさや予約から配送まで時間を要したことから、ゾゾスーツが届いてもPB商品を注文する人は少なかった。19年3月期にPB部門は200億円の売上げを見込んでいたが、結果は27億円にとどまった。

 中期経営計画では21年3月期にPB事業を2000億円に伸ばして第2の収益の柱とする超強気の目標を掲げたが、この計画は1年で撤回。海外向けPBからは撤退を決め、ドイツや米国の関連子会社の評価損を計上した。

有料会員向け割引サービスは優良ブランドの離反を招く

 18年12月に始めた有料会員向け割引サービス「ZOZOARIGATOメンバーシップ」も失敗した。月額500円か年額3000円を支払う有料会員になると、ゾゾタウン上での商品購入金額から10%が割引される。割引分はZOZO側が負担する。

 ゾゾタウンにおいて常時1割引で買えるという価格政策に、「ブランド価値が毀損する」と判断したオンワードホールディングスやミキハウスなどがゾゾタウンから相次いで撤退した。

 順調に伸びてきたゾゾタウンへの出店ショップ数は2019年3月末現在で1245店。昨年12月末時点と比べて10店減少した。ZOZOは出店企業の離反を防ぐため、4月25日で入会受け付けを停止。5月30日にサービスを終了する。

個人所有のZOZO株の87%を銀行へ担保提供

 資金難を示す懸念材料が出てきた。2月12日と22日、前澤氏は関東財務局に大量保有報告書を提出した。それによると、前澤氏個人が所有するZOZO株式の87%が、国内外の金融機関に担保として差し出されていた。担保提供先は三井住友銀行、野村信託銀行、みずほ銀行など7行だ。

 鳴り物入りで始めたPB事業は、スーツの発送費を回収することができなかった。さらに、利用者の支払いが最大2カ月後となる決済サービス「ツケ払い」を始めて、販売代金の回収期間が長期化。売掛金が増加し、18年末の現預金は82億円と18年3月末から7割近く減少した。

 金融機関は、前澤氏に保有株式を担保として差し出すことを求めたのだろうか。

 3月29日、三井住友銀行など3行と150億円を上限に借り入れができるコミットメントライン(融資枠)契約を結んだ。三井住友のほか千葉銀行と京葉銀行が参加。これにより運転資金を確保し、19年3月末の現預金の残高は216億円と持ち直した。

 ZOZOは18年5月に三井住友から240億円を借り入れている。同月、前澤社長から600万株を自社株買いで取得した。取得額は250億円に上った。1年もたたないうちに、こうした窮状に陥るなどとは、前澤氏は夢想だにしなかったことだろう。

株価上昇大作戦に市場は冷やか

 前澤氏は株価を引き上げるコツを心得ている。グローバルアパレルTOP10入り目標、PBゾゾブランドの10万着無料配布、さらにプロ野球への参入を表明するなど、話題づくりに長けている。知名度は、いつの間にか全国区となった。

 プロ野球への参入を表明した翌日(18年7月18日)のスタートトゥデイ(現ZOZO)の株価は、4875円の高値を付け、時価総額は1兆5192円と1兆5000億円を超えた。前澤氏は株式37.9%(18年3月31日現在)を保有しており、この時の株価で計算すると、同氏の保有株式の時価総額は5762億円となった。

 昨年9月には月周回旅行計画をぶち上げた。さらに今年1月上旬に前澤氏がツイッター上で、個人資産1億円を投じて100万円を100人に現金でプレゼントするキャンペーンを実施した。

 しかし、市場は冷やかだ。19年2月8日、年初来安値の1621円に沈んだ。株価は昨年夏の高値に比べて5割以上安い。半年で時価総額は1兆円が消し飛んだ計算だ。

 ZOZOの20年3月期の売上高は、前期比14.9%増の1360億円、営業利益は同24.7%増の320億円、純利益は同40.8%増の225億円と、超強気の見通しを立てている。 

 新しい株価上昇の起爆剤として打ち出したのが、10月に開催するゴルフ「ZOZOチャンピオンシップ」だ。賞金総額975万ドル(約10億9200万円)、優勝賞金は175万ドル(約1億9600万円)。日本で開催されるゴルフ大会では史上最高額となる。

 同大会には、スーパースターのタイガー・ウッズが参戦する。“ウッズ効果”で、失った信頼をどこまで取り戻せるか。

 前澤氏は停止していたツイッターの再開を4月25日に発表した。「今後のリスク要因」(アパレル業界担当のアナリスト)と見る向きもあり、連休明け後の株価の10%安につながった、という辛口の指摘もある。

 次は5月13日、「アルバイト2000人、時給1300円、ボーナス付き」で新規雇用すると発表したところ、「応募が殺到。わずか2日後の5月15日正午で募集を締め切った」そうだ。前澤氏は14日、ツイッターで締切りを表明。「(応募者は)全員面接させていただきます」と述べた。ただ、応募総数は公表していない。

「バイト改革」と銘打ち、千葉、茨城両県の物流センターで商品発送作業などをするバイトを新規に採用。週4日以上働く既存のバイトの時給も6月から300円増の1300円に上げることにした。成果などで一定の条件を満たせば、月最大1万円のボーナスも支給される。

 かつての現金100万円プレゼントや今回の時給3割引き上げなど、カネにまつわる話題が多いところが、前澤氏らしいといえるのかもしれない。
(文=編集部)

求人情報サイトで詐欺被害訴える企業続出…「掲載無料」と勧誘→突然30万円要求!

「ジョブサーチ HP」より

 お年寄りを狙ったオレオレ詐欺のみならず、我々も日常的に多種多様の詐欺または詐欺まがいの事態に遭遇する。

 筆者のスマートフォンにも大型連休開けの5月9日、これまでただの一度も利用したことのないアマゾンから詐欺メッセージが届いた。「料金未払いにより、法的措置を取った」とのメッセージだったが、アマゾンはこれまでもこれからも絶対に利用しないサービスなので、筆者にはすぐ詐欺であることがわかった。インターネットでも念のために検索してみたが、アマゾンをかたる同様の詐欺行為がいくつもヒットした。これも架空請求詐欺の一種なのだろう。

 こうした架空請求詐欺であれば完全に無視すれば済むが、契約書が介在する詐欺の場合は、やっかいである。「無料キャンペーン」と銘打った求人広告サイト詐欺もそのひとつで、日本全国の中小企業で被害が続出している。被害に遭った企業の求人担当者に話を聞いた。

「最初に電話があったのは、3月25日でした。内容は『当社が運営している求人サイトで、掲載無料のキャンペーンをやっているので、無料期間だけでも広告を載せてくれないか』というものでした。うちはハローワークに求人を出していたんですが、それを見て電話していると言っていました。運営会社名は名乗らず、『ジョブサーチ』というサイト名でした。

 そのあと、求人広告掲載申込書がFAXで送られてきて、『3カ月プラン』か『30日間無料キャンペーン対象プラン』を選ぶチェック欄があって、それで30日間無料キャンペーンプランにチェックを入れ、社判を押して、メールアドレスと電話番号等を記載して送り返したんです。運営会社がアシストという東京・渋谷にある会社だとわかったのは、その時です。

 FAXでは、チラシと「求人サイトへの募集掲載に関する契約条項」という書面が送られてきて、そこには確かに掲載終了7日前までに解約を申し出ないと自動更新されますよということが書かれていて、送り返し用のFAXにも小さい文字で別紙の契約条項を確認し、それが適用されることを了承したうえで送信しますという文言も入っていました」

 だが、当該担当者はキャンペーン終了1週間前までに解約の手続きを取らなかった。すると、4月17日付の消印で「32万4000円を支払え」という請求書が送られてきたのである。

警察「詐欺としての立件は困難」

ジョブサーチから送付された請求書

「契約書をちゃんと確認しなかったのですが、おそらくそこを見落とすようにつくられていると思います。それが手口なのでしょうが、確認不足については、こちらの落ち度でもあります。掲載期間は4月23日までの契約でしたが、4月16日までに解約の申し出をしないと自動更新される契約内容だったので、契約が自動更新されたということで請求書が送られてきたんです。

 実際、解約期限までに用紙は届いていたんですが、これも非常にわかりにくい書式で書かれていて、表は別のキャンペーンの広告がでかでかと載っていて、書面裏の一番下に小さく1行、『無料掲載終了後は有料掲載となっていますので、更新をしない方は必ずチェックをしてください』と書いてあった。おそらくそれにチェックして送り返さないといけなかったんでしょうが、封書を開けた瞬間、ただの営業のチラシだと思って、そのまま放置してしまったんです。

 どういうことかとクレームの電話を入れて、やりとりをしていくなかで、相手の口調とか態度から、これは詐欺的な会社で、自分がだまされたんだとようやく気づきました。最初は契約が継続してしまったので、32万4000円を支払うようにということでしたが、向こうも途中から、『そちらにも言い分があるでしょうから、半額の16万2000円にする』と変わってきました。それでも納得いかないと告げると、『更新手数料の10万8000円だけでも払え』と言われたんです。

 その後も、アシストからの電話はかかってきて、やりとりをしていたんですが、事務所にもばんばん電話がかかってくるようになったので着信拒否をしていたら、非通知の電話でヤクザみたいな口調の脅迫めいた電話がかかってきて、その非通知の電話も鳴りやまなくなったので、業務妨害として警察に相談して、これまでの経緯をお話ししました。

 契約書を綿密につくり上げているので、警察にも詐欺としての立件は難しいと言われました。非通知の電話についても、アシストからの電話かどうか判断できないので動けないということでした。うちは多店舗経営をしているので、非通知の電話が事務所以外の店舗にかかってくるとやっかいだなと思って悩んでいるところです。

 結果的に、求人情報を掲載したジョブサーチを経由した応募は1件もありませんでした。すべてハローワークの求人からの応募で採用が決まり、すでに募集も終了しているので、ジョブサーチでの求人効果はまったくありませんでした。ジョブサーチのサイトにはうちの求人広告がまだ掲載されているので削除するように要求しているのですが、削除されていないというのが現状です」(前出の担当者)

同様の手口を行う求人サイトは多数存在

 渋谷にあるアシストという会社に電話をかけてみたが、「おかけになった通話は、現在お取り扱いしておりません。番号をお確かめになってお掛け直しください」というメッセージが流れ、すでにつながらなくなっていた。

 ネットで検索したところ、アシストという運営会社とジョブサーチというサイトのほか、13の運営会社と名前の異なるサイト名に関して、同様の被害に遭った人たちが、昨年8月頃から、該当の電話番号も掲示しつつ警鐘を鳴らすメッセージを発信していることがわかった。以下にその一部を示す。

「株式会社アシスト。実態のない会社です。『3週間無料キャンペーン』で勧誘し、その後、自動契約更新で有料契約になり、多額の請求がきます」

詐欺会社です。支払いはしない旨を通知し、一切無視しましょう」

「悪質詐欺会社! 『無料求人サイト3週間無料掲載』と約束しておきながら、必ず有料期間に移行されるようになっていて高額の請求書がきます。ジョブサーチと騙っていますが、とんでもないインチキホームページ。本物のジョブサーチ(パソナ)さんも迷惑な話ですよね。逮捕してほしい!」

「ハローワークに求人を出すと必ず電話がかかってきます」

「メディアプロモーション株式会社の『まいじょぶねっと』は、昨今の人手不足につけこんだ悪質な求人広告会社です。個人店舗や中小企業の人手不足を悪用した非常に悪質かつ迷惑な企業です」

「横浜市のメディアプロモーション、とんでもない詐欺師。警察や消費者相談センターでは、これ以上話が展開しないことを逆手にとって、悪事を働き続けている。早く捕まってほしいです」

 詐欺まがいとして名指しされている求人広告サイトは、以下の通り。ジョブサーチ、ジョブランド、ジョブグッドナビ、ジョブグラム、アスクナビ、ワンビズネット、甲信越アットワーク、まいじょぶねっと、ジョブウォーリー、じょぶハウス、ジョブディア、マイジョブネット、WHITE Works、WORK WORK。

 10連休が明けて、従業員が出社しない、辞めてしまったなど、急に従業員が足りなくなるケースの対応に苦慮している事業所は、どれくらいあるのだろうか。地方であれば、とりあえず地元のハローワークを頼るしかないが、その求人情報はネットで誰もが簡単に閲覧可能だ。ある日突然、不審な求人サイトから無料広告掲載依頼の電話がかかってくるかもしれない。くれぐれもご用心を。
(文=兜森衛)