自然との共生~映画会

アースビジョン多摩は、映像を通して地球環境について考える映画会です。
16回目の2020年は、2月22日(土)パルテノン多摩で開催します。

~自然との共生~をテーマに『東京干潟』+村上浩康監督トーク。『おだやかな革命』。『シード~生命の糧~』を上映。
上映後には市民トーク「映画と再エネ、循環型社会」もプログラム。

  • 開催: 2020年2月22日(土曜日)13:00~19:30
  • 会場: パルテノン多摩小ホール(小田急・京王多摩センター駅下車)
  • 前売券 一般 ¥1,000
    当日券 一般 ¥1,500
    小・中学生 ¥100(前売・当日共通)幼児は無料
    全席自由、入れ替えなし、全日1枚のチケットで出入り自由。

上映作品

『東京干潟』

オリンピックへ向けて変わりゆく東京の現在を人と自然から捉えたドキュメンタリー。2019年の新藤兼人賞金賞と門真国際映画祭ドキュメンタリー部門最優秀作品賞を受賞。

『おだやかな革命』

自然エネルギーを活用し、地域再生に取り組む人々を描いた自主製作ドキュメンタリー。

『シード~生命の糧~』

20世紀中に種子の94%が消滅し、その多様性が失われている。トウモロコシの種を守るアメリカ先住民や種子貯蔵所に種を保存する人々など、シードキーパーたちの挑戦を追う。

『東京干潟』村上監督トーク

市民トーク「映画と再エネ、循環型社会」

■上映作品の詳細、前売券予約申込は

ホームページ:https://taenoha.com/ev

主催: EARTH VISION多摩実行委員会
共催: たえのは
後援: 多摩市教育委員会
提携: 公益財団法人 多摩市文化振興財団(パルテノン多摩)

投稿 自然との共生~映画会多摩ニュータウンで生活する人の情報ページ|多摩ニュータウン暮らしの情報センター に最初に表示されました。

ソニー「プレステ」が月額850円の「PS Plus」で年3千億円も売上を上げていた

 ソニーのゲーム事業が好調だ。牽引するのは「PlayStation4 (PS4)」、さらに月額制の有料オンラインサービス「PlayStation Plus(PS Plus)」で、同サービスは今やゲーム事業の売り上げの6割を占めるという。サブスクリプション型のビジネスモデルを確立したソニーの戦略や成功の背景などについて、ゲーム事情に詳しいコラムニストのジャンクハンター吉田氏に聞いた。

会員制サービスの有料版に3600万人

 定額制でさまざまなサービスが利用可能な、いわゆるサブスクリプションは多くの分野で取り入れられている。その理由は、企業側は売り切り型より確実かつ継続的な収益が見込め、ユーザーにとっても毎月少額でサービスが使い放題になるため、両者の利害が一致している点にある。

 ゲーム業界もその例に漏れないが、なかでもソニーのサブスクサービスの成長が目覚ましい。2018年度、ソニーのゲーム事業部門は3100億円の営業利益を達成した。好調を牽引するのはPS4で、世界累計販売台数は1億の大台を突破。ただ、PS4の販売台数は16年度の2000万台をピークに縮小を続けている。

 そんな状況で稼ぎ頭となっているのは、ソフトのダウンロードやネット対戦機能などのサービスを提供する会員制のネットワークサービス「PlayStation Network(PSN)」だ。

 06年にサービスを開始したPSNは、19年3月時点の利用者数が9400万人にのぼる。登録自体は無料だが、月額850円(19年8月から。それ以前は514円)でオンライン対戦やチャット機能が楽しめる有料サービスのPS Plusが3600万人の会員を獲得しており、単純計算で年間3672億円の売り上げが見込まれるほどだ。

 PSNには、PS Plus以外にも、選んだタイトルが遊び放題になる「PlayStation Now」をはじめ、音楽、ビデオ、テレビ配信などのさまざまな継続課金サービスが用意されている。世界最大のゲームのサブスクサービスと言っても過言ではないだろう。

ソニーのサブスクが好調な理由

 では、なぜソニーのサブスクサービスはこれほどの会員数を獲得できたのか。吉田氏は次のように指摘する。

「PS Plusに入らないとオンライン対戦が楽しめないことが、もっとも大きな要因でしょう。また、人気タイトルを追加料金なし、回数や時間の制限もなく遊べる『フリープレイ』サービスは、毎月タダでソフトがもらえるようなもの。会員ならゲームのアイテムが割安で買えることなどもあり、ユーザーにとっては会員にならない理由がないのです」(吉田氏)

 まさに、ユーザー心理をうまく突いた戦略が奏功したといえそうだ。また、ディスクレスの普及も大きいという。

「ゲームソフトを現物のディスクで所有したいと思っているのは、もはや一部のマニアだけです。ダウンロード版のほうが入手が簡単ですし、手っ取り早い。ゲーム関係がすべてネットで完結しているユーザーは、いわゆる“課金”に対するハードルも低いため、サブスクサービスにもお金を出すのでしょう」(同)

 かつては友達同士でディスクを貸し借りをするのもゲームの楽しみのひとつだったが、もはやそんな時代でない。ゲーム友達がネット上にしか存在しないという人も多く、サブスクをはじめとしたオンラインサービスがゲーム業界で普及するのは、ある意味で必然といえる。現在のような状況を見越してか、10年以上前からPSNを開始していたソニーには先見の明があったということだろう。

ソニーは2020年末に「PS5」を発売

 18年の世界のゲームコンテンツ市場は前年比2割増の13兆1774億円と推定されており、年々増加が見込まれている。パッケージ商品の売り上げが落ち込むなかで、デジタル配信が急速に伸びてきているのだ。これからのゲーム業界について、吉田氏はこう予測する。

「すでにディスクレスが進み、サブスクのプラットフォームが主流になっているため、ソニーの今後のライバルは任天堂などのゲーム会社ではなく、アップルやグーグルなどのプラットフォーマーになっていくでしょう」(同)

 IT業界の巨人であるグーグルがクラウドゲームへの参入を表明し、9000万の月間アクティブユーザー数を誇るゲーム配信プラットフォーム「Steam」が台頭するなど、激動の様相を呈しているゲーム業界。言うまでもなく、既存の事業者はビジネスモデルの転換を余儀なくされるだろう。

「ソニーに関して言うと、20年末にPS5が発売される頃には、ソフトはほぼ配信のみになると思います。映像業界も同じですが、パッケージ商品はマニア向けにして特典をつけて高く売るしかない。でも、そうした特典を求めるのは中高年のおっさんだけです。ゲームは近い将来、ディスクがなくなり、新規参入も増え、このようなサブスクサービスがメインとなるでしょう」(同)

 クラウドゲームの国内市場規模は、22年には現在の10倍にあたる100億円を突破すると見込まれている。ゲーム事業の好調を謳歌するソニーでさえも、今後は据え置きゲーム機ありきのビジネスモデルを転換するなどの必要性に迫られるだろう。そのとき、本当の勝者となるのはどの企業なのだろうか。

(文=沼澤典史/清談社)

ドンキ、安いけど“大不評な”商品5選…撮影しづらいドラレコ、水に弱い「防水」絆創膏

 朝から夜遅くまで、場所によっては24時間営業している大手ディスカウントストアの「ドン・キホーテ」。生活雑貨に家電、食品といったバラエティ豊かな商品ラインナップと、“驚安の殿堂”というキャッチコピーを体現した低価格に惹かれ、頻繁に利用している人も多いのではないだろうか。

 2019年1月に総合スーパー「ユニー」を子会社化し、同年12月6日には「ドン・キホーテ十三店」(大阪市淀川区)がオープンしたことでグループ店舗数が700に達するなど、開業から30年の歳月を経ながらも、その勢いはとどまることを知らない。

 そんなドンキでは、「情熱価格」というPB(プライベートブランド)商品が販売されている。安さと高品質を両立させていることで消費者から好評を博している商品が多いが、なかには値段以下のクオリティーだと不評なものも存在する。

 そこで今回「Business Journal 買うべき・買ってはいけない調査班」では、ファミリー型の総合ディスカウントストアとして知られているドンキの系列店「MEGAドン・キホーテ」の販売商品から「この冬、買ってはいけないアイテム5選」を独自調査。あくまで調査班による独断ではあるが、買い物の参考にしていただければ幸いである。

防水救急ばんそうこう 100枚/128円(税別、以下同)

 気温が低下し、空気が乾燥する冬は、ひびやあかぎれといった手荒れに悩まされている人も多いだろう。よく洗い物をする人だと、ばんそうこうの使用頻度が増えるのではないか。

「防水救急ばんそうこう 100枚」は、その名のとおり100枚のばんそうこうが入っており、これで128円というのは、一見するとコストパフォーマンスが高い商品のように思える。しかし、“防水”を謳っているにもかかわらず、その性能に疑問を抱いている購入者が目立つ。そのため、指のように水と接することが多い部位に貼るのは向いていないようだ。

 また、粘着力にも課題がある。実際に調査班が使用してみたところ、特にパッド部分の上下の粘着力が非常に弱く感じられた。もし購入する場合は、「剥がれたらすぐに貼り替えればいい」と割り切って使うしかなさそうだ。

電子コミックス 読みまくリーダー/9980円

 凍てつくような寒さで外出が億劫になる冬は、家の中で読書やゲームをして過ごすのも悪くない。そんなときに活用したくなる、情熱価格の「電子コミックス 読みまくリーダー」には要注意である。

 このタブレットのセールスポイントは、新書版コミックスとほぼ同サイズであること。だが、一方で「解像度が低いため画質が粗い」「元から貼られている保護フィルムの品質が悪く、スワイプやフリック操作がしにくい」といった、厳しい商品レビューが集まっている。

 また、Wi-Fiによるネット接続が可能なため、音楽や動画の再生にも対応しているのだが、そもそも機体性能がそこまで高くないため、せっかくのコンテンツを存分に楽しみきれないという声も多い。しかしながら、約1万円でタブレットが買えるのは魅力的なので、これらのデメリットに目をつむれるのなら、購入を検討してもいいかもしれない。

貼らないカイロ/498円

 防寒対策の定番である使い捨てカイロ。冬の外出には欠かせないという人も大勢いると思われるが、複数のメーカーから多種多様なカイロが発売されており、その品質はピンからキリまでさまざまだ。そんななか、情熱価格の「貼らないカイロ」は、残念ながら“キリ”に分類されてしまうだろう。

 この商品は極めてオーソドックスな貼らないカイロで、498円で30個入りという大容量は、さすがドンキと感じさせる。だが、購入者たちの感想によると、“20時間持続”と打ち出している割には、そこまで長持ちせずに冷めてしまうことも少なくないという。

 また、開封してから温まるまでに数分かかるうえに、温度もあまり高く上がらないという欠点も指摘されている。そのため、一刻も早く暖を取りたいというシチュエーションでは役に立たないかもしれない。

情熱価格PLUS 360°撮影カメラ搭載ドライブレコーダー/1万2800円

 近年、交通事故やあおり運転対策として注目を浴びているドライブレコーダー。帰省や旅行などで長時間ドライブする人は、自分の車にも導入してみようと考えているかもしれない。

「情熱価格PLUS 360°撮影カメラ搭載ドライブレコーダー」は、相場を考えるとかなり安い価格設定ながらも、360度の映像が高画質で録画できることで、発売当時は一部で話題となった。

 しかし、強い日差しの下や夜間では映像が撮影しづらく、録画データの再生に手間がかかってしまうという問題点も、購入者から次々と指摘されている。必要最低限の機能は揃っているため決して悪い商品ではないのだが、人によっては不便に感じてしまう場面も多そうだ。

とろけるスライスチーズ/158円

 寒い冬は温かい料理が食べたくなるもの。この季節に特に人気なのは、とろりと濃厚なチーズを使った料理だ。だが、情熱価格の「とろけるスライスチーズ」は買い控えたほうが賢明だろう。

 このチーズの最大の欠点は、商品名に“とろける”とあるのに、他社製品に比べてとろけにくいこと。加熱してもほとんど原形をとどめたままで、チーズが糸を引くようなこともない。多くの人が“とろけるチーズ”に期待するような食感を味わうのは困難といえる。

 また、動物のにおいにも似た、独特の臭みがあることもマイナスポイント。それが逆にクセになるという人もいるかもしれないが、確実においしいチーズ料理をつくりたいというときには、他社製品を選んだほうがいいだろう。

 国内のディスカウントストアでは屈指の知名度を誇るドンキのPBだけあって、基本的にはコスパが高い商品の揃った情熱価格。だが、低価格の実現のために機能性がオミットされている部分もあるようで、用途によっては“安物買いの銭失い”となってしまう恐れもある。いくら安い商品だからといってすぐには手を伸ばさず、賢い買い物を心がけたいところだ。
(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)

大塚家具、久美子社長放逐で“ヤマダ家具”化シナリオ…10年間の父娘争いで再起不能に

 父娘の“骨肉の争い”の果てに、大塚家具ヤマダ電機に身売りすることが決まった。ヤマダは大塚家具に43億7400万円出資し、51.74%の株式を握り子会社にする。

 2019年12月12日、大塚家具の大塚久美子社長はヤマダの山田昇会長と共に記者会見を行い、「部屋の中には家電も家具もある。それをトータルで提案する。日本の住生活の向上に一番いいことをするための提携だ」と笑顔を見せながら語った。

 だが、内実は厳しい。大塚家具は創業者の大塚勝久氏と長女の久美子氏の対立でブランドが毀損。14年からは赤字が続き、15年に110億円あった現預金が19年9月末には21億9000万円まで減った。ここ3カ月で9億円が流出しており、このまま手を打たなければ20年3月末までに手元資金はほぼ枯渇しかねない。資金ショートの崖っぷちに立たされていたことになる。財務諸表には企業の存続に疑義が生じたことを示す「継続企業の前提に関する注記」がついたままだ。

ハイラインズとの提携

 ヤマダ傘下入りに決まるまでの経緯は、誤算続きだった。

 17年以降、資本・業務提携している貸し会議室大手のティーケーピーをはじめ、ヨドバシカメラやヤマダなどの家電量販店にも増資引き受けを求めたが、出資比率などで折り合わず頓挫していた。ヤマダとは19年2月に業務提携にこぎつけた。

 18年12月には中国の最大手、「イージーホーム」を展開する居然之家(北京市)と、日中間の越境EC(電子商取引)のハイラインズと業務提携。米投資ファンドと合わせて合計76億円の資金を調達すると公表した。3月4日、大塚社長とハイラインズの陳海波社長は日本外国特派員協会(東京)で記者会見を開いた。大塚社長は「守りから攻めに打って出る体制が整った。日本から一歩、歩みだす」と大見得を切った。陳社長は「日本だけでなく中国の富裕層の取り込みを目指す」と資本・業務提携の狙いを語った。

 大塚家具の中国資本への事実上の身売り宣言といえるものだった。3月31日に開かれた株主総会で“新しいオーナー”となる陳社長の主導で大塚家具の経営再建が図られることになり、人事も刷新された。ところが、新体制は出足からつまずいた。ハイラインズが率いるファンドは「中国当局の認可を得られない」との理由で、直前になって資金の払い込みをキャンセル。実際に調達できたのは26億円にとどまった。中国向けのビジネスは一向に動き出す気配がなかった。大塚社長の経営力を評価していなかった陳社長は、「父・勝久氏との和解」を支援の条件としていたが、和解できなかった。

 ハイラインズが事実上、手を引き、ピンチに陥った大塚家具に救済の手を差し伸べたのがヤマダだった。

タイムリミットは今年10月

 ヤマダの狙いは住宅事業の補完だ。11年、注文住宅のエス・バイ・エル(現ヤマダホームズ)を買収して、住宅事業に進出した。12年には住宅機器のハウステックを買収。リフォームに特化した住宅事業を非家電事業の柱に据えた。

 家電量販店のビジネスモデルのまま、リフォームも安売り路線で突っ走った。大量受注したものの、施工業者の人手不足で施工が追いつかず、赤字経営が続いた。

「そこで、大塚家具を取り込んで、安売りをやめて再び高級路線を目指す。というのも、もともとエス・バイ・エルは高級注文住宅が主力だった。しかし、ヤマダが買収した後、経営陣を全部入れ替え、ヤマダから送り込んだが、家電の安売りしかやったことのない人たちなので、安価なリフォーム事業に走ってしまった」(小売担当のアナリスト)

 ヤマダは、家具に本格的に進出するが、家具市場にはニトリホールディングス(HD)が待ち構えている。家電の王者・ヤマダと家具の帝王・ニトリHDは、ここへきて業態が急接近してきた。山田昇氏、似鳥昭雄氏というカリスマ創業者が率いる両社のガチンコ勝負が今後、展開される。

 大塚家具では、久美子氏は社長にとどまる。

「ヤマダの子会社になることを受け入れる代わりに、社長続投を条件にした可能性がある」(大塚家具の元幹部)

 12月12日の記者会見で、ヤマダの山田会長は「ウチは結果主義。黒字にするというからやらせる。チャンスを与えないといけない」と述べた。20年4月期決算(12月決算から4月決算に移行。16カ月の変則決算)は水面下に沈んだままだが、「21年4月期決算で黒字にできなければ、大塚社長はクビ」(業界筋)だとみられている。

 次の21年4月決算の折り返し点は今年10月。ここで黒字転換できないと通年での黒字化は厳しくなってくる。創業者である大塚家一族の経営は終止符を打たれ、大塚家具は“ヤマダ家具”となるのか。

 大塚家具はこの10年近く、経営路線をめぐり父と娘の対立が続いた。この間に低価格路線をとるニトリやイケアが家具市場を席巻した。これが壮絶な父娘バトルの結末である。喧嘩両成敗といってしまえばそれまでなのかもしれない。

(文=編集部)

“勝手KPI”のススメ!

これまでKPIの役立て方やその測定における課題、オウンドメディアの効果測定、海外の状況などを述べてきました。これらは実は以前から議論されてきたことでもあり、また企業や団体、PR会社やPR業界もこのアップデートに日々努力をしている状態でもあります。

われわれもまずは業界における回答として、何らかのデファクトスタンダードでも示せればよいのですが、各企業・団体の置かれているそれぞれの状況が異なるため、そう簡単にいくものでもありません。そこでまず私がお勧めしたいのが“勝手KPI”の実践です。

“勝手KPI”って意味あるの?

現状PR活動のKPIにおいて完全なものはありません。誰しもが同様の基準でそのKPIを算出し、横並びで比較できればどんなに楽なことか。また各PR活動の目標設定なども数値だけで示せれば、よりシンプルなゴール設定が可能となるでしょう。ただし、その設定数値を常に上回ることだけを考えていてよいのかという疑問が頭をもたげてくるのです。

例えば手段を選ばず、この最終的な数値を向上させるためだけにPR活動を続けたときに、その数値は最終的に100%に到達するのでしょうか?私は不可能とも思いますし、そもそもどんな手を使っても、という条件下の取り組みは再現性がないと思うのです。

KPIを使ってPDCAを回していくというのは、すなわち常によりよい方向への改善を促し、活動を継続していくためなのではないでしょうか。この自身が今いるポジションを把握し、次の一歩でどの方向へどれだけ進めるのか、それを設定し最適と思われる手段を選びチャレンジするのがPDCAの意味だと思うのです。

よってKPIに絶対値はなく、「常に以前の自分を超える」ことがその指標であってもいいのではないかと思うのです。そこで周辺環境とばかり比較するのではない、自社独自の“勝手KPI”をまずは実行してみることをお勧めします。

広報リーダーが悩まされるPRチームへの社内理解不足

広告換算が定着しているのは“認知向上型コミュニケーションにおけるコストパフォーマンスの向上”という意味で分かりやすいからです。広告だと知名度アップにこれだけの費用がかかるのに、PRによる露出や情報拡散で“こんなにお金が節約できました!”というのが経営者に喜ばれたわけですね。リーマンショック後の各企業における販管費大削減の時にはなおさらだったでしょう。

以来、その単純さからこの広告換算による金額の上昇ばかりがその指標として掲げられてきました。社内のPR担当者からすれば、これが上に報告していくのにも納得感が高いと思っていたし、その他の部門に対しても“お金”という共通の物差しで見ることができるのでアピールがしやすかったはずです。

企業のトップや、事業部などの他部門を相手としてみていると、このような社内事情によるKPI設定に陥りがちです。しかし、実際のところ経営トップはこの数字に本当の意味を見いだしているのでしょうか?答えは否といえるでしょう。そしてこれが後の戒めの言葉として、“量だけでなく、質をしっかり把握すべき”“アウトプットよりアウトカムを見るべし”といった原則として語られるまでになっていったのだと思います。

KPIの一例

社長はみんな知っている

タレントを起用したCMを上手に使うあるクライアントさんでは、常に記者発表会においてその広告換算値を更新し続けていました。社長も発表会には非常に前向きで、ご自身も発表会に登壇され、またメディアの気持ちをつかむ発言で人気を博していました。あるときこれまでのPR活動を振り返る場に出席させていただき、そのPR活動への会社としての前向きな姿勢やご自身のPR的目線、メッセージングのうまさについて触れ、その露出の成功についても言及しました。

ところがここに意外な回答をいただいたのを覚えています。社長曰く、「広告換算という数字で社内報告書は常に上がってきているし、短い時間でこういった報告書をまとめていただいているのもありがたい。CMを多用している会社だから、こういう数値が喜ばれると思っているのでしょう。PRの担当者のやる気をそぎたくないのでその時は褒めてやりますが、私が直後に見るのは実際の商品の売れ行きデータだけなんです。今回のPRがそこにどれだけ貢献できたのか。外部の皆さんにはぜひここを明らかにできるような、新しいKPIで活動を再設定していただきたい」と。

この言葉は私自身にも突き刺さり、クライアント側で容認・定着された手法だからそれでいいじゃないか、と半ばおざなりに対応してしまっていたことを強く反省しました。勝手に思い込んでいた社長の評価基準、やりやすさでルーティン化してしまっていた評価手法、導き出していた数値の本来的意味の欠落、これらはまさに各企業・団体が現状を把握し、個々の事情に合わせて今こそ再設定/設計すべき部分なのです。

ちなみにその後、私たちは記者発表会の情報発信がどこまで生活者に理解され、評価されているかなどをメディア露出とは別に、ソーシャルリスニングなどを活用しながら拾っていくなどもしています。実際にわれわれが伝えたかったことが、どこまで生活者に届いているのかを、そのつぶやきの中から確認するわけです。

ここでも面白い発見がありました。メディアにおいてはある程度、狙った文脈でこちらの意図が書かれていたにもかかわらず、それらを見た生活者の実際の声を拾ってみると「なんかよく分からない」「もう少し、かみ砕いてもらわないと」など、少しポイントがぼやけた形で伝わってしまっている部分があったのです。

もちろん即座に、これらをカバーする情報発信をソーシャルメディアやオウンドメディアを通じて行うなどして対応しましたが、こういう生活者の声をダイレクトに拾うといった評価軸もこの時代に大切なのだと思います。さらには、先の社長の発言のように、情報発信と売り上げの相関もきちんと見ていく必要があるでしょう。PRと売り上げ上昇を結ぶデータの収集・解析法の構築なども急務といえるでしょう。

日々の成長を実感できるかが最重要

KPIに絶対的なものはなく、各施策や日々の活動において以前より改善されてきているか。これを数値のみならず、そのスキルの蓄積やアイデア創出の頻度、社内各部署との関係性など、いろんな角度から自己評価することが必要です。

これらを一つずつでも高めていくことができれば、実はそれが現場の成長とそれに伴う成果の創出において最強なのではないかとも思うのです。そこに抜け漏れがあったっていい、要は昨日と違う自分や会社の成長が、緩やかでも右肩上がりで感じられればいいのではないでしょうか。このような“勝手KPI”を経て、自社が目指す、上回りたいPR上手な企業をベンチマークしてみるといったステップを踏むのもいいかもしれません。

ここで再度、広報・PRに携わる皆さんに申し上げたいのは、他者とばかり比較せず、自身の成長をどこまで客観的に見つめられるかといった自己評価がまず先にあるべきということです。

ニュースリリースの書き方、メディアとのリレーションのつくり方、オウンドメディアの活用方法、その他ステークホルダーへの対応など、広報・PR部門が対峙しなければならない領域はとても広いです。それぞれをすでに100%対応できているところなんかないと安心していただきたい。そして急がず、着実に自身やチームのスキルや経験値を整えていただくことに注力していただきたいのです。

私自身、すでにこの世界で30年やってきましたが、今も時代の流れの速さにほんろうされている状態です。ただこの変化を楽しみ、日々の一歩一歩を自己反省/評価することで一歩でも、いや半歩でも成長できていると思えるからこそ、いまだこの業界にとどまれていると思うのです。完璧なんてつまらないですからね。皆さんも、失敗し、反省し、成長して、この仕事を完成形に近づけていく、そんな姿勢でやってみませんか。

“KPIは誰がためにあるのか?”そう、それは社長のためでもない、他部署のためでもない。まさに経営を支えるため、そしてあなたが成長するため、“汝のために”あるのです。

効率は、人を本当に幸せにするのか?

フジテレビの敏腕プロデューサーとして名高い黒木さんと、電通でチーフ・ソリューション・ディレクターを務める北風さん。異なるようで近しいフィールドで活躍するお2人の対談では、同世代ならではの鋭い視点や葛藤も浮き彫りに! テレビや広告のミライは、“狭間の世代”にかかっているのかも…。お二人の日々の奮闘の様子や熱い思いがあふれる対談を全5回のシリーズでお送りする本企画。

第4回のテーマは、「効率を追求することで、人は本当に幸せになれるのか?」です。

満足や幸せは、効率化できない

北風:口コミで“人の判断”に関する情報が入りやすくなったことによって、「自分が試してみよう」よりも「誰かに話を聞いてみよう」という雰囲気になっていると感じませんか? 例えば映画の感想をSNSに上げるにしても、誰かの感想を見てから書く人が多いそうで。自信がないというか、「みんなが言っていることをチェックしてから、自分もそれと似たようなことを言っておこう」というような。

北風祐子氏(電通)
北風祐子氏(電通)

黒木:自分で試すのが効率悪く思えるのか、あるいは既に集められるかぎりの情報を元に判断するのがあたりまえだと思っているのかも…。以前もそうだったとは思いますが、その傾向はとっても強くなってきていますね。

北風:先が見えなくて怖いけど冒険してみるとか、やってみたら何かおもしろいことがあるかもしれないって、テレビ番組ならではの魅力ですよね。黒木さんが手がけてこられた番組にもあったような「相手が何を言うか分からない」というおもしろさを普段から楽しんでいけると、いい企画が生まれるんでしょうね。

今、社内でがんサバイバーのためのカフェ(LAVENDER CAFE)を開催しているのですが、皆さんに企画を募ったら、吉本に行きたいとか、はとバスツアーに乗ってみたいといった案が出ました。「行った先で何があるか分からない。おもしろくないかもしれないけど、おもしろいかもしれないから、ひとまず行ってみよう」みたいなノリで参加できたらいいですよね。

今のテレビ番組に関しても、最初からサッカー好きはサッカー、ドラマ好きはドラマ、バラエティー好きはバラエティーを見てくださいと決まっているチケット制みたいに感じてしまうんですけど、本来のテレビって、「全然関係ない人が来ちゃってもめちゃくちゃおもしろかった」みたいなことが起こせる可能性を秘めていると思うんですよ。

黒木:そうですね。幸せとか満足は個々人のものだから、ホントは効率化できないですよね。計測化もしにくい。

黒木彰一氏(フジテレビ)
黒木彰一氏(フジテレビ)

レギュラーのバラエティー番組がおもしろくなってゆくには、もちろん企画やゲストが良いことも大事なんですが、ちょっと地味めかなぁと思っていた放送回の反応がよかったっていうことが不思議とあるんです。そういう回を後から振り返ると、出演者が一生懸命になっているさまが出ていたり、制作陣の効率を重視しない遠回りが逆に功を奏していたりします。“汗の量”が伝わっていたというか。ゲストと企画とパッケージだけでは番組は作れないんだなと最近感じます。共感してもらうためには、やはり汗や思いの量が必要かと。あー、また昭和のバラエティー観出しちゃいました(笑)。

北風:制作陣が裏でかいた汗の量は、画面を通じて分かるものなんですか?

黒木:チームのかいた汗の量は確実に出ます。それが演者さんの表情とか立ち振る舞にすごく自然と出ている番組は信用してもらえるのだと思う。われわれは生き物だから、やっぱりイキイキしている魅力的な生き物が見たいのだと思います。もちろん、カラダの汗だけでなく、アタマの汗、ココロの汗を含めて。

黒木彰一氏(フジテレビ)と北風祐子氏(電通)

“マイナスの反転”や“違い”を面白がる

黒木:北風さんは、クライアントさんの商品を作るときに、生活者としての実感と商品がヒットするというところを、どう結びつけてゆかれるんですか? そこになにかロジックのようなものがあるのですか?

北風:“売れない理由”を真っ先に考えますね。売れないというか、ダメな理由、うまくいかない理由を、ものすごく暗いところから考えてみます。うまくいってないから弊社に仕事が来るわけですが、n=1(1人のサンプル)を考える前に、自分が冷徹な目で見てみると、うまくいかない理由が山のように見つかります。それを全部出し尽くすのが、最初にやることですね。「これでもか」というくらい悪いことを考えます。

私は人と人の関係でも、うまくいかないときには絶対に逃げないようにしています。「私はこの人のどこが嫌いでイライラしているんだろう」とずっと考えて、また会いに行ったりして。ネガティブな負のところに、実はすごくチャンスがあるんですよね。そこが変わるだけで、相手が喜んだり、私も楽しくなったり、いろんな転換が起きるじゃないですか。だからモノに関しても、売れない理由とか見向きもしてもらえない理由とか、あえてマイナスのところを見るようにしていますね。何が悪いかを徹底的に考えて、それを改善するやり方です。

黒木:僕らテレビ制作者でいうと、演者さんたちと付き合うときと同じかも。マイナスに思うことが反転したときはうれしいですよね。ダメなところが多い方がポテンシャルが高いこともあります。チームワークのことでいうと、ダメでドジなADほど実は大きく化ける可能性が高い。実際、“シュアな人たち”ばかりを揃えても、つまんないです。

中卒のADと東大卒のADが並んで会議にいても、同じ議題でもまったく違うことを思っているのでおもしろいんですよ。そこに化学反応もあるし。もともと日本語が苦手なんて奴もいるんですが(笑)そういうADがいないとさみしい。仕事ができないとか、ダメだとかでそういうメンバーを外してしまうと、結果的にはチーム全体のパフォーマンスが落ちちゃうんですよね。

北風:同質性って危ういですよね。「似てきたな」と思うと、すごく危機感を感じます。ちょっとしっくりこない人がいるとか、誰か一人怒っている人がいるチームとかの方が健全だと思っているので。「違う=間違っている」と思う風潮があるけど、「違っている」と「間違っている」は別モノです。違っていていいし、違う部分を何かしらのおもしろみに変えたい。全部が自分の思ったようにいくと、逆に気持ち悪いですしね。そもそも自分が不完全なので、誰かに止めてほしいというか、「違う」「おかしい」って言ってくれ!と思います。

黒木:日々ピンチを乗り越える作業を一緒にしていく中で、仲間感やチーム感が生まれますよね。仲がいいとか気が合うとかよりは、戦友としての信頼関係があるかどうかが大事。バックグラウンドが違っても、お互いにそういう感覚さえ持てればうれしいですよね。テレビだけでなく、きっといい職場ってそうなんだと思います。

この対談の出典は、こちら

黒木彰一氏(フジテレビ)と北風祐子氏(電通)

編集部の視点 #04

「効率的に、汗をかく」という視点が、とても新鮮だった。「汗をかく」という言葉は、しばしば旧態依然とした体育会系のニュアンスで捉えられがち。努力だ、根性だ、という精神論だ。お二人は、その汗を決して否定はしない。否定しないどころか、流した汗には魂が宿り、それはテレビ画面を通して、確実に世の中の心を響かせる。ただし、同じ汗を流すのなら、効率的に流しましょうよ、というのだ。

料理人の世界でも、一昔前までは「店の味は、盗むものだ」というのが常識だったという。門外不出のレシピは、門内でも出回ることはない。10年、20年という歳月をかけて、日々、ひたすら汗をかいて「盗む」しかなかったのだ。今の時代、そんなことをしていたのでは、伝統の味も暖簾も、継承していくことはできない。それどころか、寿司屋なら寿司、天ぷら屋なら天ぷらという「業界」そのものが、失速してしまう。だからこそ、全てをオープンにする。すると、共創が生まれる。そこから、真の競争が生まれ、豊かな未来が切り開かれていくのだ。そんなことに気づかされた回だった。

「テレビのハザマで、テレビを語る」最終回となる次回のテーマは、いよいよ「テレビの未来」について、お二人に熱く語っていただきます。ご期待ください。

伝統だから、を言い訳にしてません?

「会社の正解」を得るのが難しい時代の中、オリジナリティーを発揮する元気の良い会社があります。その秘訣(ひけつ)とは一体何でしょうか?電通「カンパニーデザイン」チームがそれぞれの会社のキーパーソンに伺った話をご紹介する本連載コラム。

4回目は、新潟県の玉川堂のケースです。

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玉川堂


職人とお客さまの距離を縮め、新しい伝統を開く

伝統工芸の担い手でありながら革新的な経営を行い、国内外から注目を集める玉川堂(ぎょくせんどう)。その事業成長の鍵となっていたのは、現場の職人の力を最大限に引き出す工夫だった。

話し手:玉川基行氏(玉川堂 代表取締役7代目)
聞き手:松崎 裕太(電通 第1統合ソリューション局)

 

玉川堂 1816年創業。「打つ。時を打つ。」というスローガンの下、伝統工芸品である鎚起銅器(ついきどうき)を製造販売。新潟県燕市にある本店の他、青山と銀座に直営店を構える。
玉川堂
1816年創業。「打つ。時を打つ。」というスローガンの下、伝統工芸品である鎚起銅器(ついきどうき)を製造販売。新潟県燕市にある本店の他、銀座に直営店を構える。
人間国宝 玉川宣夫氏の作品

現場を熟知する職人こそが、最高の営業

「伝承と伝統は違う。伝承はただ受け継ぐだけだが、伝統とは革新の連続である」と語る玉川氏。その革新を生み出すため、25年前に当時としてはタブーであった問屋取引の中止を断行。百貨店での実演販売に踏み切った。職人が自ら店頭に立ち、直接お客さまの声に触れたことが、ぐいのみや花器といった人気製品の開発につながっている。

高額なやかん
ビアカップとぐい呑み

「製品のことを一番知る職人こそが、最高の営業なんです」と言い切る玉川氏は、「職人とお客さまの距離をもっと縮めるためには、コミュニケーション力も大切」と考えている。営業日に毎日行っている工場見学では職人自らが案内を担当。増える海外のお客さまの対応に役立つよう、若手職人向けには英会話教室も定期的に実施している。

若手職人向けの英会話教室の様子
若手職人向けの英会話教室の様子

職人たちに、もっと発想を、もっと喜びを

職人がもっと発想を広げられるよう、就業時間以降は工場を開放し、日展や県展などに向けた自主製作ができる環境を整えている。「デッサンは物を見る目や感覚が磨かれる。そうなれば、おのずと商品開発の力もついてくる」との狙いからデッサン教室も実施。

職人の作業風景

さらに、「職人にとって製品は赤ちゃんのようなもの。お客さまに渡して育てていただきたいという思いで、長くお使いいただくことが職人の喜びにもつながる」という考えの下、修理対応はもちろん、直営店で定期的に催す実演販売会において職人がお客さまに直接説明をする機会をつくるなど、職人のモチベーションを高める取り組みも大切にしている。「世界中の人たちが燕にある工場に来て、職人と触れ合ってほしい」と語る玉川氏の目には、新しい伝統を開いていく未来像が鮮明に映っているのだろう。

玉川堂 代表取締役7代目・玉川基行氏(写真左)と電通 第1統合ソリューション局・松崎 裕太氏(同右)。「職人とお客さまの距離を縮めることがブランディングだという信念の下、次々に革新的な手を打つ玉川堂に触れ、次世代のブランドコミュニティーの可能性を感じました」(松崎)
玉川堂 代表取締役7代目・玉川基行氏(写真左)と電通 第1統合ソリューション局・松崎 裕太氏(同右)。「職人とお客さまの距離を縮めることがブランディングだという信念の下、次々に革新的な手を打つ玉川堂に触れ、次世代のブランドコミュニティーの可能性を感じました」(松崎)

編集部が見た「カンパニーデザイン術」#04

伝統工芸品を製造販売する会社の7代目・玉川氏のインタビューを通して、「問屋を切る」「リブランディングをするに当たって、お客さまの声を聞く」という経営判断やマーケティング戦略にも大いに驚かされた。が、それ以上に衝撃を受けたことが二つある。一つは、「機能性の追求こそが、デザインの本質なのだ」という指摘。ブランド品として、世界から評価されているバッグ、靴、楽器などは、いずれも機能性をとことん突き詰めた結果、確立された評価に違いない。

もう一つは、今の時代、伝統工芸品を作る職人に最も必要とされる能力とは、やかんの口を見事に作り上げる技術もさることながら、何よりもコミュニケーション能力なのだ、ということ。モノ作りを究めるのは、一つのプロセスにすぎない。自身が作り上げたモノの価値を、自ら伝えられてこそ、本物のプロフェッショナルであり、ブランド力の向上に寄与できる。それには当然、語学力が必要になってくる。職人であるだけではダメ。伝道師としての資質まで備えてこそ、一人前。そう、玉川氏は語る。

インタビューが終わったところで、ハッとさせられたことがある。このような玉川氏の姿勢は、クリエイティブとは何か?コミュニケーションビジネスの本質とは何か?といったことを、実に明確に体現している。メディアや流行りの商品、流通形態など、私たちを取り巻く環境は、日々、変わっていく。しかしながら、相手の心に響くクリエイティブ、相手の心に届くコミュケーション、その価値は普遍的なものだ。拠点はあくまで、新潟県の燕三条に置く。職人の技は、伝統へのリスペクトがあってこそ磨かれるものだ。その上で、玉川氏は前を向く。未来へ、そして、世界を見据えて。

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マツコ、宇多田に「女の子産んで」発言で再び批判殺到…本人憔悴で芸能活動に危機か

 再びあの人気タレントの発言が炎上しているようだ――。

 マツコ・デラックスの冠番組である『マツコの知らない世界』(TBS系)の正月SP版に、今や日本が誇る世界的アーティストとなった宇多田ヒカルがゲスト出演し、楽しくトークを展開したのだが、そこでマツコが放ったある発言が批判を浴びる事態に発展している。

 宇多田といえば、2014年にイタリア人男性と再婚し、翌15年に第1子となる長男を出産したが、18年に離婚。現在は英ロンドンに居を構え、長男と2人で暮らしながら、創作活動を行っている。18年には20周年を記念して12年ぶりに国内ツアーを敢行し、全公演で14万人を動員。さらに同年にリリースされた7枚目のアルバム『初恋』(ERJ)が世界的ヒットを記録するなど、精力的に活動を展開している。

 そんな宇多田とマツコの“異色対談”ということもあり、放送前から注目度が高く、マツコを前に宇多田も本音トークを展開しファンを喜ばせたのだが、話題が宇多田の長男に及んだ場面でマツコの“問題発言”が飛び出した。

 宇多田の実母で人気歌手だった藤圭子のファンだというマツコは、宇多田に「もう1回、子ども産めない?」と提案。宇多田が戸惑った表情で「なんでですか?」と返すと、マツコは「女の子をつくってほしいの」と言い、宇多田は「ああ。そりゃあまあ、でも……」「私は男の子でよかったって、なんとなく」と反応した。さらにマツコが「私は化け物を生んでほしいわけですよ」と話題を続けたが、宇多田は「すごい大変じゃないですか、赤ちゃん。もう、これからまた、というのは」と微妙な反応を示すと、マツコは「手伝えることがあったら、手伝うわよ」と言葉をかけたのだった。

 このマツコの発言に対し、インターネット上では、

「なかなかの老害セクハラ発言な気がするしちょっと引いた」

「普通に女性の人権侵害」

「デリカシーのなさに引いちゃった」

「マツコの宇多田への発言がいちいちハラスメントを感じてしまってしんどい」

「あの『宇多田ヒカル』ですら、こんなこと言われなきゃいけないのか。嘘だろ」

「『子どもって大変じゃないですか』みたいなこと言った彼女に対して『手伝う』発言。んんんー」

「マツコさんが宇多田ヒカルさんに子供の話をしたとき、なんとも言えないゾワゾワ感というか、逃げ出したくなる気持ちになった」

などと、批判があがる事態に発展している。

マツコと一般視聴者の間の感覚のズレ

テレビ局関係者は語る。

「マツコがもう10年近く売れ続け、今もテレビ各局から重用されている理由は、いくら毒舌を発しても人を傷つけず、さらにテレビで言ってはいけない一線を絶対に超えないという安心感があるからです。しかし、昨年発売された『週刊文春』(文藝春秋)の取材に対し、元SMAPでジャニーズ事務所を退所した稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛について、『SMAPだから(テレビに)使われていたわけで、SMAPじゃなくなった3人に魅力を感じますか』『旬かどうかわかるでしょう。あの3人は木村拓哉や中居正広とはマンパワーが違うのよ』などと発言し、大バッシングを受けるという失態をおかしてしまいました。

 好感度が高かったマツコですが、その頃から世間がマツコを見る目が少しずつ変わり、マツコを取り巻く空気も変わっていったように感じます。実際にマツコも、テレビでも妙に気を使っているというか、他の共演者や視聴者に媚びを売るような言動が目立つようになりました。今回の発言も、マツコ的には宇多田に対して“あなたのことを、これだけリスペクトしてますよ”というリップサービスのつもりだったのかもしれませんが、一部の視聴者からはそう受け取られなかったということでしょう。その意味では、マツコと一般視聴者の間の感覚のズレが出始めているともいえます」

 また、マツコを心配するこんな声も聞こえる。

「昨年、参院選で初議席を獲得した『NHKから国民を守る党』を揶揄する発言をマツコが、同党代表の立花孝志氏(すでに議員辞職)から執拗な攻撃を受け、世間を騒がせました。ほぼ同時期に『文春』での発言がバッシングを受けていたこともあり、マツコはかなりダメージを受けていたようです。

 実はマツコはその毒舌キャラのイメージとは裏腹に、自分が他人から責められると極度に落ち込んでしまうタイプ。立花氏と元SMAP発言の騒動が重なった時期は、本人はかなり参った様子で、親しいスタッフなどに『引退したい』『休みたい』などとこぼし、周囲から『情緒不安定っぽい』『憔悴気味』などと心配されていたようです。せっかくほとぼりが冷めたのに、また今回のようなバッシングが続けば、本当にタレント生命に影響が出かねない状況になってしまわないかが心配されます」(別のテレビ局関係者)

 もっとも、「マツコのブレイクの長さは、はっきりいって異常。むしろ綻びが出てこないほうがおかしいくらい」(別のテレビ局関係者)という声もあるが、マツコの試練は続きそうだ。

(文=編集部)

 

 

 

株式相場、年始から急落で大荒れ、今年の低迷を暗示…即刻“予想外れた”アナリストたち

 2020年の東京株式市場の大発会(1月6日)は、前年に続いて波乱の幕開けとなった。米国のトランプ大統領がイラクの首都バクダッドへの空爆を指示。現地を訪れていたイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が爆死したことを受け、中東情勢が一気に緊迫した。

 日経平均株価は一時、前年末比508円安に急落した。19年の大発会も452円安(一時、773円安)だった。値幅が高安(上下)いずれかで400円超となるのは2016年から5年連続である。地政学リスクが高まるなか、1月3日のNYダウも下げ、為替は1ドル=107円台まで円高が進んだ。国際原油相場も上昇した。ニューヨークの金先物は6年9カ月ぶりの高値をつけ続伸中。

 6日の東証1部の値下がり銘柄数は全体の85%を占めた。日米とも米・イランの武力衝突は株価に織り込んでいない。戦争を回避できなければ、株価の一段安は避けられそうにない。バブル崩壊の年となった1990年や、リーマン・ショックの2008年などは、大発会急落が年間の下げを暗示した。

 1月7日は前日比370円高の2万3577円と反発したが、8日は大きく下げ、7日に戻った分が帳消しとなり、さらに下値を模索する動きとなった。8日の安値は2万2951円である。

予想はしょせん予想

 年始恒例の新聞各紙の2020年相場アンケートのなかで、「日経ヴェリタス」(日本経済新聞社/1月5日号)だけは反面教師として参考になる。日経平均株価の安値をチェックしてみた。

 菊池真・ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表取締役は弱気筋の筆頭だが、高値2万4500円(1月)、安値1万4000円(12月)。これが的中すると、証券会社が数社潰れる。安値1万7000円(月は明示せず)は草刈貴弘・さわかみ投信取締役最高投資責任者。草刈氏の予想は当たる。高値は2万6000円(同)。安値が2万円大台割れとしたのは、上野泰也・みずほ証券金融市場調査部チーフマーケットエコノミストの安値1万9500円(12月)、高値は2万4500円(8月)である。

 伊藤篤・新生銀行金融調査室長は安値1万9000円(5月)、高値2万5000円(12月)。田辺孝則・田辺経済研究所代表取締役は安値1万9500円(12月)、高値は2万4500円(1月)だ。筆者が信頼している藤戸則弘・三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ投資ストラジストは高値2万4800円(5月)、安値2万円(10月)である。筆者が信頼しているアナリストの多くは、高値2万5000円突破は難しい、と判断しているようだ。

 強気派はこうなる。嶌峰義清・第一生命経済研究所取締役首席アナリストは高値2万8000円(12月)、安値2万3000円(1月)。三宅一弘・レオス・キャピタルワークス運用本部経済調査室長も高値2万8000円(12月)、安値2万2000円(6月)。柳谷俊郎・あおぞら投信取締役会長は高値2万7500円(12月)、安値2万1500円(1月)。広木隆・マネックス証券執行役員チーフ・ストラジストは高値2万7200円(8月)、安値2万3500円(1月)。秋野充成・いちよしアセットマネジメント上席執行役員は高値2万7000円(10月)、安値2万2000円(2月)。大谷正之・証券ジャパン調査情報部長は高値2万7000円(12月)、安値2万1500円(1月)。ほかにも高値2万7000円は数人いる。

 当たらないことで有名な日本経済新聞、1月1日付の経済人株価予想では、高値2万7000円(12月)が最高。大和証券グループ本社の中田誠司社長だ。安値は2万2000円(2月)である。その次は、三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長で高値2万6500円(9月)、安値2万3000円(3月)。高値2万6000円だと、大和ハウス工業の芳井敬一社長が6月と予想。安値は11月で2万1000円とした。日本電産の吉本浩之社長は2万6000円(12月)、2万2000円(6月)とした。退任が確実視されている吉本社長を登場させるのは残酷ではないのか。

 昔は良く当てた信越化学工業会長の金川千尋氏は高値2万6000円(12月)、安値2万1000円(5月)。日本ガイシの大島卓社長が12月に高値2万6000円、安値は2万2500円(1月)。東京海上ホールディングス社長の小宮暁氏は高値2万6000円(11月)、安値は2月で1万9500円。安値2万円割れを予想したのは小宮社長1人。

 該当月は違うが高値2万5000円、安値2万1000円という標準の回答をした経営者は伊藤忠商事・岡藤正広会長、三越伊勢丹ホールディングス・杉江俊彦社長、セコム・中山泰男会長、サントリーホールディングス・新浪剛史社長である。味の素・西井孝明社長は高値2万4000円(10月)、安値2万1000円(2月)だった。

 20人中会長が6人も回答していたのが目を引いた。日頃の日経の社長アンケートでも登場が多い富士フイルムホールディングスの古森重隆会長は「いつもの通り」で驚かないが、日頃の回答は社長名なのに、あえて会長にした企業もある。その思惑はなんなのだろうか。財界のイス獲りなのか。

 1月3日付読売新聞「景気・戦略30人の回答」でも株価を聞いている。同じ回答者なのに2019年は日経と読売で高値・安値が異なる人が複数いた。回答者名は違っていても企業が同じなのに予想の数字が違うケースもあった。広報部の責任者が調整した結果、ミスが起こったとしか思えない。本人はアンケート結果をきちんと確認しないのか。

 小宮暁・東京海上HD社長は違った。日経では安値1万9500円(2月)なのに読売では安値2万円。伊藤忠商事は日経は岡藤会長で、読売は鈴木善久社長。名前は違っても高値2万5000円、安値2万1000円で一致。商社業界随一といわれる“広報力”できちんと対応した。大和証券グループ本社の中田誠司社長、味の素の西井孝明社長、サントリーHDの新浪剛史社長、三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長は完全に一致。株価予想でダブった経営陣はこれだけ。東京海上HDはお粗末ではないか。

 日経はパナソニックの津賀一宏社長、三井不動産の菰田正信社長をスルーしていた。読売は三菱商事の垣内威彦社長を落とし、三井物産の安永竜夫社長に回答させていた。リーディングカンパニーのトップを自負する社長・会長が両紙で落とされるとその企業の広報部長の首が飛ぶというジンクスがある。今年はいかに。 読売は経済同友会代表幹事のSOMPOホールディングスの桜田謙吾社長をスルー。経団連会長会社の日立製作所の東原敏昭社長は両紙で回答している。

 今年もトヨタ自動車の豊田章男社長は出てこない。ポリシーがあって回答しないのだろうか。ソニーの吉田憲一郎代表取締役はトヨタを見習ったのだろうか。日経の有望銘柄の1位がソニー、2位がトヨタ自動車なのに両社とも回答していない。両紙とも建設(スーパーゼネコン)、陸運(ヤマトHDなど)から回答を求めていないのはなぜか。日産自動車を除外したのは見識があったからであろう。

初日に予想が外れた“専門家”

 株価の予想などあてにならないとわかっていても、大発会に予想が外れてしまった“専門家”は顔を洗って出直したほうがいい。アンケートの締切りが12月20日前後であるのはわかるが、それを理由にしてはいけない。

「日経ヴェリタス」の予想で今年の安値を2万4000円(1月)とした平野憲一・ケイ・アセット代表(元立花証券)は即アウト。2万3500円(1月)とした広木隆・マネックス証券執行役員も脱落。ご両人は証券界の論客として名前が売れているが、1日で即アウトはいただけない。豊田英男・水戸証券投資情報部部長は安値2万3800円(10月)。10月の安値という予想が、たった1日で没(ボツ)となってしまった。

 前野達志・岡三アセットマネジメントシニアストラテジストは安値2万3500円(1月)。松本聡一郎・クレディ・スイス証券日本最高投資責任者は安値2万4000円(1月)。日本最高投資責任者という肩書が泣いている。松波俊哉・ニッセイアセットマネジメントチーフ・アナリストは安値2万3700円(3月)、圷正嗣・SMBC日興証券チーフ株式ストラテジストは安値2万3500円(1月)だ。以上、7人が初日に競争中止とあいなった。

 安値2万3000円とした人は12人。首の皮一枚でセーフの状態だが1月8日には一時、2万2951円(624円安)まで突っ込んだ。12人もアウトとなった。トランプ大統領がもっと吠えれば、さらに脱落者が増える。73のサムライのうち20人近くが初日段階でレームダックとなり、3日目で競争中止である。こんな予想、誰が信じるものか。JPモルガン・アセット・マネジメントは2人の連名で回答している。2人ともグローバル・マーケット・ストラテジストだそうである。

 2016年は大発会から6日連続安となったが、初日に回答者66人中29人が年間安値予想を割り込み、6日目の1月12日には、“脱落者”が52人に達した。今年は連名の会社があるから67人である。

 日経新聞の株価予想(経済人20人)では、さすがに初日にアウトは出なかったが、安値2万3000円(1月)とした東京エレクトロンの河合利樹社長は3日目で脱落した。三菱ケミカルホールディングスの小林喜光会長は経済同友会の代表幹事の時代から「まるで評論家」(有力財界人)だったが、安値2万3000円(3月)で同じくアウト。読売では、片野坂真哉・ANAHD社長が安値2万4000円で初日でアウト。後藤高志・西武HD社長は2万3000円だから3日目で脱落だ。

 よくよく読売の回答をチェックしてみると、安値が2万円を切ると回答した人が2人いた。御手洗冨士夫・キヤノン会長兼CEOと八郷隆弘・ホンダ社長の2人が1万9000円だった。安値2万円が7人もいて、株価の先行きについて、かなり慎重な見方をしていることがわかる。

(文=有森隆/ジャーナリスト)