安倍政権、野菜農家への収入補填廃止を検討…野菜の安定供給制度と価格安定を破壊

 歴史的暖冬で野菜の成長が早く、鍋需要も伸びないなかで、野菜価格の下落が続いている。キャベツ、レタス、白菜、大根、ブロッコリーなどは平年と比べ3割前後のダウンとなっており、全国の野菜生産者は廃棄などで出荷調整などに取り組んでいるが、経営への打撃は大きい。

 このようななか、生産者をさらに不安にさせているのが、野菜価格安定制度の廃止を狙う財務省の動きである。野菜生産出荷安定法で、価格の著しい下落時は生産者補給金が給付されることになっている。対象指定野菜は14品目で、キャベツ、きゅうり、里芋、大根、たまねぎ、人参、トマト、白菜、ナス、馬鈴薯、ねぎ、ピーマン、ほうれん草、レタスとなっている。ただし、暖冬で同じように影響を受けているブロッコリーは、指定野菜でない。

 指定野菜は、平均販売価額が基準価格の9割を下回った場合、差額の9割を補填するというもの。財源は積立金で賄われているが、積立金の6割が国庫補助で、2割が都道府県補助となっている。消費量が相対的に多い、または多くなることが見込まれる野菜を政令で指定することによって対象野菜になる。

 今回の歴史的暖冬による価格下落についても、野菜価格安定制度により3割の価格下落のうち、下落分の9割が補填されることになる。補填までに時間がかかるが、生産者の経営の安定にとっては不可欠な制度といえる。

野菜価格安定制度には出荷調整機能も

 財務省は昨年10月17日に農林水産行政を分析した「農林水産」という文書を公表した。財務省は農林水産予算に対して絶対的権限を持っており、財務省の一存で農林水産予算の削減、予算項目のカットができる。もちろん農水省も抵抗をするが、多勢に無勢である。

 今回の「農林水産」文書で財務省が槍玉にあげたのが、野菜価格安定制度であった。財務省は、「従来より(略)野菜価格安定制度といった形で品目ごとに収入補填の制度が存在」しているとして、「既存制度を収入保険へと円滑に移行させることにより、一元的なセーフティネットを構築していくべきではないか」としたのである。要するに、野菜価格安定制度は廃止して、保険に切り替えるべきと主張しているのだ。

 財務省の狙いは、財政負担の軽減である。野菜価格安定制度は、国、県、生産者が基金に拠出して運営されている。その国の負担分は6割に上っている。また、異常気象で野菜価格の低迷が続き、生産者補給金交付額は17年度には124億円に上り、財源となる基金は数年後には枯渇するとも指摘され、さらなる国の財政負担が想定されるのである。

 これに対して収入保険は、保険料に対する国庫負担は5割である。また、現在の収入保険への野菜農家の加入率は、わずか4%である。野菜価格安定制度を廃止して収入保険に一本化しても、加入率が低いなかでは確実に国の財政負担は軽減されることになる。

 野菜価格安定制度は生産者の収入補填機能だけでなく、野菜生産の安定供給を確保して価格安定を図る機能も有している。指定野菜をつくる産地に供給計画をつくらせ、それを守っている産地には補填率を高める仕組みや、出荷調整機能も持っている。これらを廃止するなら、野菜価格の乱高下を招くことになりかねない。

 消費増税で野菜産地を苦しめ、さらに財政負担を減らすことを狙う目的での野菜価格安定制度の廃止は、日本の野菜生産の存亡に関わる問題となり得る。

(文=小倉正行/フリーライター)

「楽天銀行」使い倒し術…楽天ペイ&楽天ポイント大量取得、楽天証券とリンクして金利5倍

 2019年10月からの消費税増税の影響、同年11月のPayPayの親会社・ZホールディングスとLINE Payをグループに持つLINEの経営統合、そして2020年1月に発表されたメルペイを擁するメルカリによるOrigami Payの吸収合併……等々の環境激変の影響もあり、以前にもまして「使わにゃ損」状態になってきた各種ペイサービスなどのスマホ決済。

 これらのサービスをさらにお得に、便利に使い倒すには、店舗を持たないネット銀行を組み合わせることもきわめて重要だろう。そこで、最新のネット銀行の傾向やシェアなどを解説しつつ、実際に利用した際の“ネットバンク使い倒し術”を、いまさらではあるが紹介していこう。

驚くほど簡単な、楽天銀行の口座開設

 各種ポイントに、スマホ決済のペイサービス、それにクレジットカードを組み合わせて……と、少しでもおトクに生活するため、地道な活動を続けているのだが、大事な部分を見落としていた。そう、肝心のお金の出どころである「銀行口座」をしっかり考えていなかったのだ。

 筆者のメインバンクは、某・有名都市銀行。会社に入ったときに、給与振込口座を作らなきゃいけなかったため、適当に開設したものを利用し続けている。

 しかし、最近ではメガバンクの大規模リストラや地方銀行の消滅危機など、「銀行神話」が揺らいでおり、逆に需要を伸ばしているのが店舗を持たないネット銀行だ。さらに、各種ポイントサービスやペイサービスをよりおトクに利用するためには、こうしたネット銀行を絡める必要があるため、その開設から使い方までひととおり体験してみることにした。

 今回、開設してみたのは「楽天銀行」だ。2010年にイーバンク銀行株式会社から商号変更し、楽天カード株式会社の子会社となった国内最大級のインターネットバンクで、2018年12月時点で700万口座が開設されている。

 筆者は楽天カードも持っており、日夜ポイントをためるという「楽天経済圏」に身を置いており、以前から気になっていたネット銀行なのである。

 実際にやってみると、口座開設はいたって簡単だった。PCやスマホから楽天銀行の口座開設の申し込みを行い、本人確認が済めば2日~2週間ほどで完了する。

 まずはキャッシュカードを選ぶ。一般的な、クレジットカードと一体になったものから、デビット機能がやプリペイド機能がついたものなどさまざまなバージョンがあるが、筆者はペイメント機能がついていると湯水のごとく使ってしまうため、キャッシュカード機能しかついていないカードを選択した。

 このあと、本人確認書類をスマホで撮影し、送信すれば手続きは完了。筆者はコンビニのコピー機で免許証をコピーするのでさえ不安になるので、スマホでの撮影はさらにセキュリティー面で不安を助長させた。しかし、この方法で700万口座開かれているのだから、大丈夫なのだろうと覚悟を決める。

 約1週間後にはキャッシュカードが郵送され、すべての手続が完了した。操作自体は、スマホ1台、10分以内で完結する。マッチングサイトに登録するより簡単だった。

楽天銀行は手数料無料にする方法が多い

銀行選びをするときに、まず意識するのは手数料や金利の額だろう。しかし、いまや金利は0.001%などザラで、ATMで現金を降ろす際に手数料を210円も取られるなど、条件の悪いところが多い。ネット銀行だからこそ、できれば手数料はなるべく少なくしたいところだ。

 楽天銀行には「ハッピープログラム」という優遇制度があり、これにエントリーして、ランクを上げていくと手数料無料などの特典がある。「ハッピープログラム」という、浮かれすぎで怪しいネーミングのサービスにエントリーするのはちょっとイヤだったが、そんなプライドを捨ててでも加入するメリットが多い。というか、楽天銀行ユーザーにとっては必須だ。

「ハッピープログラム」には会員ステージというランクがあり、預けている金額か、楽天銀行での取引件数によって決まる。ベーシック、アドバンスト(預金10万円以上、または取引5件以上)、プレミアム(50万円以上または10件以上)、VIP(100万円以上または20件以上)、スーパーVIP(300万円以上または30件以上)まで階層が分かれている。

 300万で「スーパーVIP」というのも、持ち上げすぎというか、楽天経済圏者のリアルを感じさせるが、ランクが上がるほど特典は多くなる。

 たとえば、プレミアムの人は、ATM利用手数料が月2回無料、他行への振込手数料が月2回無料、楽天スーパーポイントの獲得倍率2倍、各種手数料の楽天スーパーポイント払いが可能というサービスが受けられる。

 特に給与受取口座に指定をした場合は、ランク査定件数が1件プラスされるだけでなく、無条件で他行への振込手数料が3回無料になるサービスも適用される。そのため、まずは楽天銀行をメインバンクにすることが望ましい。

 実際に給与受取口座に登録すると、すぐにサービスが反映された。意外と高くついてしまう振込手数料を無料にするハードルがここまで低いというのは楽天銀行ならではの特徴だろう。

 さらに、楽天銀行を給与受取口座に設定し、実際に給与が振り込まれるたびに楽天ポイントが1ポイント貯まるという謎のサービスもある。ランクが上がっても最大3ポイントと微々たるものだが、自分から何かアクションを起こさずとももらえるポイントは珍しい。

 また、楽天カードを利用している人は引き落とし口座を楽天銀行に変えることで、ポイント付与率がプラス1倍になる。ちなみに、楽天ペイを使う際も楽天カードとの紐づけでポイントを二重取りできるが、さらに楽天銀行とも紐付けると三重取りができる。筆者はこの方法で、楽天ペイ単独だと0.5%だった還元率を、5倍アップの2.5%獲得することが可能になった。

さらに、先述のハッピープログラムのランクによってはさらなるポイント還元も見込めるという。

楽天銀行で金利を5倍にする方法

 楽天銀行では、“最強”といわれている金利の爆上げ方法がある。楽天銀行の普通預金の金利は0.02%だが、これを5倍にできるのだ。

その方法は「マネーブリッジ」という仕組みを利用する。端的にいうと、楽天証券と楽天銀行に同一名義の口座を開設して、連携することで、金利を0.1%にできるのだ。

このマネーブリッジを行うには、楽天証券にも口座を開設する必要がある。なんだか面倒くさそうだったが、楽天銀行のアプリ内で「マネーブリッジ」というボタンがあり、そこを押すと証券の口座開設のサイトにすぐ飛んだ。

 申し込み自体、特段変わったことはなく、注意事項・規約に同意したうえで、暗証番号と生年月日を入力して申込手続きを行い、パスワードなどを設定すれば開設終了。5分もかからずに、金利を0.1%にできた。また、証券口座といっても、利用が必須ということではないし、口座開設も無料なのがいい。

仮に200万円を普通預金に1年間預けた場合を想定すると、金利0.001%の銀行だと金利は20円。口座未連携の楽天銀行(金利0.02%)だと400円、マネーブリッジで口座連携後(金利0.1%)だと2000円となる。この差はデカい。

ほかにも楽天銀行では、アプリ上でさまざまなサービスが利用できる。外貨預金や住宅ローン、宝くじ、保険など金融サービスから日常生活の娯楽まですべてアプリ上で済ますことができる。口座残高ももちろんスマホで確認ができるため、わざわざ記帳する手間も省ける。

 さらに使えば使うほどおトクになるのが、「楽天経済圏」の特徴だ。まず楽天ペイやカードを利用した際の楽天ポイントは常に1%増える。筆者は楽天ポイントのプラチナ会員(半年で2000ポイント以上獲得)なので、単純に考えると倍の4000ポイント獲得できる計算になるのだ。これはお得すぎる。

強いてデメリットを挙げれば、楽天のサービスでは申し込みや同意画面において、メルマガ配信のチェック項目がデフォルトでオンになっている。このチェックを外し忘れると、大量のメルマガを送りつけられるので注意が必要だ。筆者は、口座開設後に大量のメルマガを拝受したことは言うまでもない。

楽天銀行は、金利が高く、かつ手数料無料となるプログラムが豊富に用意され、各種サービスと紐付けることで大量のポイントがゲットできる。楽天ポイントと楽天ペイを使っているなら、もはや口座開設は必須だろう。

(文=清談社)

新型コロナウイルスを防ぐ食事術…ヨーグルト・きんぴらごぼう・イチゴ等が効果的?

免疫力をあげる食事について

 新型コロナウイルスが猛威をふるっています。私たちが新型コロナウイルスをはじめ、インフルエンザ、風邪、その他の感染症などにできるだけ罹らないためには、また、罹っても軽く済ませるためには、普段からどのような点に注意していけばよいのか、管理栄養士の視点から考えてみたいと思います。

 私たちの身体には、細菌やウイルスの侵入を防御する免疫機能が備わっています。その免疫機能をいつでも十分に発揮できる体制を整えておくことが大事であることは、いうまでもありません。

 免疫機能に関わっているのが、自律神経と白血球です。白血球は血液に含まれる成分の一つで、細菌やウイルスなどの外敵を排除する役割があります。自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類があり、活動時、緊張時に優位に働くのが交感神経、一方、副交感神経はリラックス時、睡眠時に優位に働きます。

 白血球は自律神経によりコントロールされているため、自律神経のバランスを保つことが大事です。それには、睡眠不足にならないように、質の良い睡眠をしっかりとって生活のリズムを整えること、ストレスをコントロールすることなどが大切です。

 睡眠ホルモンと呼ばれる神経伝達物質「メラトニン」には、睡眠の質を上げる作用、免疫力を高める働き、抗酸化作用があります。メラトニンは22時~2時の間に分泌が活発になります。メラトニンの恩恵を受けるためには、就寝時刻は24時前とし、7時間程度の睡眠を確保、早寝早起きを心がけましょう。

 また、就寝前の飲食、飲酒は質の良い睡眠の妨げになりますので、夕食後から就寝までの4時間くらいは、水以外は何も口にしないようにすることをおすすめします。メラトニンは、必須アミノ酸のトリプトファンからストレス軽減作用のある神経伝達物質「セロトニン」を経て産生されます。トリプトファンは食品からしか摂れない成分であるため、肉、魚、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品などからしっかり補給していきましょう。

 ほかに免疫力に非常に大きな影響を与えるのが体温です。体温が1度下がると免疫力は30%も低くなります。逆に体温が1度上がるだけで免疫力は5倍から6倍も高くなります。寝ている間、体温は下がっています。そのため朝食を摂ることは、体温を上げる意味からも必要な食事となります。食事を摂ると体が温かくなるのは、体内に吸収された糖質、脂質、タンパク質が分解されたときに産生するエネルギーの一部が体熱となって消費されるからです。免疫力アップに朝食は不可欠ですし、1日3度の食事を欠食せず、体温を下げないようにしましょう。

免疫力を向上させる栄養素

 続いて免疫力を向上させる栄養素をみていきましょう。

 まず、食物繊維です。小腸には免疫に関わる細胞があるため、腸内環境を整えることも重要です。免疫力を高めるには、免疫細胞の働きを活発にすることです。食物繊維の多い食品は、噛みごたえのあるものが多いのが特徴です。

 きんぴらごぼうを食べている時を想像してください。必然的に噛む回数が増え、唾液がたっぷり分泌されますね。食物繊維は胃や腸で水分を吸収して膨らむことで便のカサを増やし、腸管を刺激して腸の働きを活性化させます。このような消化活動は、副交感神経が優位になり血流が良くなり白血球も増加し、免疫機能が活性化されます。

 さらに、便通が良くなれば善玉菌が増え、これによっても白血球が増加し免疫力アップがさらに期待できます。食物繊維のほかに、ヨーグルトなどの発酵食品も利用しましょう。発酵過程で整腸作用のある酵素が産生され免疫力アップに貢献してくれます。

 次にビタミンCです。ビタミンCは、細菌やウイルスに排除効果のある白血球や免疫系および炎症の調整をする「インターフェロン」を活性化し免疫力を高める作用があります。ある報告によると大量のビタミンCを摂取することで風邪による発熱、せきなどの症状の回復を短縮できるということです。

 ビタミンCは、人は体内で合成できませんので食事から十分に補給しないといけません。水溶性のビタミンなので、余分に摂取しても2~3時間後に尿から排出されます。2020年版食事摂取基準によると、18歳以上の男女ともビタミンCの推奨量は1日100mgです。

 ビタミンCは、野菜や果物、イモ類に含まれています。たとえば、ミニトマト(10個:100g)32mg、イチゴ(大粒6個:150g)で100mg、じゃがいも(卵大2個:100g)で28mg摂取できます。

ビタミンDは意識して摂取

 最後に、ビタミンDです。ビタミンDは、細菌やウイルスを死滅させる「カテリジン」「β-ディフェンシン」という抗菌ペプチド(タンパク質の1種)をつくる働きがあり、皮膚のバリア機能を高めます。ビタミンDは、紫外線を浴びることで産生されますが、日照時間が短い冬はビタミンDの体内合成量が減り、抗菌ペプチドも減少すると考えられます。

 例えば、茨城県のつくば(北緯36度)では、ビタミンD5.5μgを産生するために必要な日照暴露時間は、12月の12時で22.4分。7月の12時で3.5分というデータがあります。このことからも冬は産生する時間が長くかかることがわかります。

 2020年版食事摂取基準によると18歳以上の男女とも目安量は1日8.5μgとされています。この8.5μgは、日常生活において可能な範囲内で適度な日光浴を心がけながら食事からビタミンDをどれぐらい摂取したらよいかの目安量となります。

 ビタミンDは、鮭、卵、キクラゲなどに多く含まれます。鮭(生1切れ80g)で25.6μg、卵(1個50g)で0.9μg、乾燥キクラゲ(10個5g)で4.27μg摂取できます。注意したいのは、ビタミンDが、魚類、卵、キノコ類品など一部の食品にしか含まれていませんので積極的に摂らないと不足しがちな栄養素であることです。

 新型コロナウイルスにともなう感染症を避けるには、手洗いと咳のエチケットを順守するほかに自律神経のバランスが崩れないような十分な睡眠と正しい食生活を送ることに努め、免疫力を下げないようにするしか自己防衛手段はないのかもしれません。

 早寝早起き、質の良い十分な睡眠、1日3食、規則正しい時間にバランスのとれた食事をこころがけましょう。

(文=森由香子/管理栄養士)

新型コロナ、政府の基本方針を専門家が一刀両断…国内蔓延の事実を隠蔽、開業医の利益優先

 新型コロナウイルスの影響拡大を懸念して日経平均株価が一時1000円超値下がりした2月25日午後、政府の新型コロナウイルス対策本部が対策基本方針を決定した。これは24日に行われた専門家会議の結果を受けたものだが、対策が手ぬるいとの批判を受け、政府は朝令暮改で一転、イベントなどの中止、延期要請に加え、3月2日から全国の小中高の一斉休校に踏み切らざるを得なくなった。

 政府のこれまでの新型コロナウイルス対策について、一貫して問題提起をしてきた医療ガバナンス研究所の上昌広理事長も、今回の政府の基本方針を「問題だらけ」と一刀で切り捨てた。上理事長に話を聞いた。

政府が触れなかった2つのタブー

――政府の対策基本方針のどこが問題だらけなんですか?

上昌広氏(以下、上) 検査態勢が相変わらず不十分なところです。民間の検査機関での検査、スマホやPCのテレビ電話を使った遠隔診断についてもまったく触れていない。現時点で、新型コロナウイルスの検査は厚生労働省が認めたところでしかできない。PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)の機械なんか持っているのは、国立感染症研究所や大学病院か大病院だけですよ。

 でも、この病気は患者さんの立場に立てば風邪と同じなんです。風邪で大学病院なんか行かないでしょ。つまり、近所のクリニックで検査できないとダメなんです。どのクリニックも、血液検査や尿検査は民間の検査会社がやっています。検体をとれば民間の検査会社が取りに来て、夜に検査して朝には結果を教えてくれます。

 民間の検査機関は100社あって、900のラボを経営しています。少なく見積もって、ひとつのラボで20検体しか検査できないとしても、1日に1万8000近い数の検査ができる。この検査を保険適用で受けられるようにすればいいんです。

 もうひとつは遠隔診断ですね。病院に行くと、そこで病気を広めたりもらったりする可能性もあるので、スマホやPCを使った遠隔診断は新型コロナウイルスなどの感染症には最適なのですが、遠隔診断が認められているのは再診だけです。初診から認めると、みんな専門医に診てほしいので、近所の開業医が儲からなくなるからです。つまり、開業医の利益を守るために厚労省が規制しているといえます。この2つはタブーなので、触れなかったのでしょう。

 PCR法の検査につべこべ理由を付けているのも、国立感染症研究所や大学病院で検査すれば補助金が下りるからです。民間の検査会社で保険適用で検査できるようになったら、上前をはねられなくなる。つまり、政府は今回の新型コロナウイルス検査も公共事業にしたいのでしょう。

――最大の目標は感染拡大のスピードの抑制と死亡数を減らすこと、とありますが。

 すでに蔓延してかなりの感染者が出ているので、抑制するのは難しいでしょう。それも検査をしたからわかった数字であって、実態を反映した数字ではないですからね。症状が軽い人には検査を受けさせないのですから。厚労省は蔓延していることを否定したいだけ。今の感染者数は、すべて適切に診断できている数字だと言いたいのでしょう。

 重要なのは死者を減らすことですが、死亡のリスクが高いのは高齢者です。クルーズ船でも4人目の死者が出ましたが、あれは健康で元気なおじいちゃん、おばあちゃんを4人殺したのと同じです。外出を自粛するかどうかという以前に、高齢者への感染をいかに防ぐかが大事です。その間にワクチンをつくればいいわけですからね。

パンデミックの可能性が濃厚か

――すでにパンデミック(世界的流行)が起きているのでしょうか。

 2月5日に日本から帰国して感染が確認されたタイ人夫婦も、感染ルートがまったくわかっていない。とにかく、世界中で感染者が山ほど出ています。WHO(世界保健機関)も言葉遊びをしているだけ。アフリカでもヨーロッパでも出ているし、イタリアでは流行しています。私はパンデミックになると思いますが、その議論はどうでもいい。大事なのは、日本だけでなく世界中できちんとした検査が行われていないことです。中国は多くの検査をしたから感染者が増えました。感染者が増えると相対的に致死率は下がるので、中国にとって感染者は増えたほうが都合がよかったのでしょう。

――今回の政府の対策は不十分でしょうか?

 政府の対策は机上の空論の思いつきです。PCR検査をしなければ診断がつかないのですから、可能な限り最優先で検査を行うべきです。しかし、いまだに検査には条件がもうけられており、これではデータを取っていないのと一緒です。一番大事なのは、不安を感じている人に寄り添うこと。厚労省にはやる気がないのでしょう。厚労省が民間の検査会社に問い合わせたのも、つい最近だそうです。袋叩きに遭ったからでしょう。とにかくひどい対応です。

 このままでは、放っておいてもパンデミックになります。日本には、もうウイルスが蔓延していると私は思っています。検査すべき人が検査を受けていないだけです。1人の重傷者がいれば100人は感染者がいる。それは、クルーズ船内の感染者数を見ればわかるはずです。

――ありがとうございました。

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、2月26日までに乗客・乗員あわせて705人が新型コロナウイルスに感染していることがわかった。25日には80代の乗船者1人が搬送先の病院で死亡した。クルーズ船での死亡者は4人目となった。新型コロナは、相当厄介なウイルスなのかもしれない。

(構成=兜森衛)

うつ病患者に明るい曲はNG?楽器演奏で認知症予防?音楽の意外な“医療効果”

 今年はオリンピック・イヤーです。いまだにさまざまな意見が飛び交っていますが、2012年のロンドン・オリンピックの時にロンドンに在住していた経験から、実際にオリンピックが始まってしまえば、みんな大喜びでテレビにかじりつくだろうと予想しています。当時のイギリスでは、オリンピック予算を確保するために、日本の消費税にあたる付加価値税を17.5%から20%に引き上げたり、ロンドン市内の公共機関の料金を1.5倍まで上げるなど、日本では考えられないくらい露骨に国民に負担を強いていましたが、オリンピックが始まってみるとイギリス国民はお祭り騒ぎでした。

 ちなみに、オリンピックに続いてパラリンピックが開催されますが、日本ではパラリンピックは長い間、障害者の福祉という側面から厚生労働省所管となっていましたが、今では本格的なスポーツの一部門として文部科学省に移され、オリンピックと一緒に管轄されるようになったことは、大きな転換期だったと思います。

 視覚障害者のためのサッカーまであり、ボールの中に入っている鈴の音を聞き分けながらプレイをする、鋭い選手の聴覚には舌を巻くしかありません。

 音楽家のなかには、視覚障害を抱えながら素晴らしい演奏を繰り広げて、観客を魅了している方々がたくさんいます。クラシック演奏家以外にも、まだまだ往年のファンも多い、ジャズ歌手でピアニストの故レイ・チャールズは盲目でしたが、聴衆の心を一度つかめば離さない歌唱力とピアノ演奏を繰り広げていました。同じく視覚障害を持ったミュージシャンのスティーヴィー・ワンダーも、まだまだ現役で活躍しています。彼らの視覚障害が、演奏する音楽に直接影響するわけではないので、彼らにはパラリンピック的な考え方は当てはまりません。

 パラリンピックには、視覚障害者だけでなく肢体不自由者、つまりは腕や足を失くしたり、麻痺を持っている選手も参加しています。しかし、ここでも演奏家の場合は事情が異なるのです。それは、楽器のほとんどは脚を使うことがないからで、ヴァイオリンもフルートも演奏に使うのは両手のみです。車いすに乗りながら活躍している演奏家も、たくさんいらっしゃいます。例外として、足でペダルを踏まなくてはならないピアノ、ハープ、オルガンなどもありますが、両手さえあればほとんどの楽器を問題なく演奏できるのです。

音楽によるリハビリ効果

 フランスを代表する作曲家、モーリス・ラヴェルの名作のひとつに『左手のためのピアノ協奏曲』があります。左手だけで演奏する協奏曲ですが、左手の5本の指だけで弾いていることが信じられないくらい、ラヴェルの魔術的な才能が光っている作品です。しかし、この曲はラヴェルが酔狂で作曲したわけではありません。

 当時、パウル・ヴィトゲンシュタインという、オーストリア生まれのピアニストがいました。1913年にデビューをし、順調に活動をしていこうという矢先に、第一次世界大戦が勃発。ヴィトゲンシュタインは戦争に召集され、右手を失ってしまうのです。普通の考え方ならば、これでピアニストの道は完全に断たれるわけで、誰もがそう思ったに違いありません。

 ところが、彼は違いました。「左手で弾ける曲がなければ、作曲家に頼んでつくってもらえばいいじゃないか」と考え、ラヴェルをはじめ、オーストリアのエーリヒ・コルンゴルド、イギリスのベンジャミン・ブリテン、ドイツのパウル・ヒンデミット、ロシアのセルゲイ・プロコフィエフいった当時最高の作曲家に、左手だけで弾くことができる協奏曲の作曲を依頼したのです。そして、彼のもうひとつのすごさは、その鋭い鑑識眼でした。作曲家というのは、生存中は華やかに活躍していたとしても、あっという間に忘れ去られることが実に多いものです。そんななか、彼が選んだ作曲家は、今現在もなお、高い評価を受けている人たちばかりでした。

 彼が作曲家に依頼した左手のための協奏曲は、現在も脳疾患などのさまざまな理由で右手を使うことができなくなったピアニストの主要レパートリーとなっています。日本人では脳出血から復帰された舘野泉さんが有名です。音楽家、特にピアニストは中枢神経系が障害を起こす局所性ジストニアにかかるケースが多くみられますが、一定期間に繰り返し指を動かすことが原因と考えられています。それも、よく動かす右手に障害が出ることが多いのです。左手のための協奏曲は、そんな彼らの活動の場を支えているのです。

 一方で、音楽演奏が脳疾患のリハビリに効果があることも現在、注目されています。治療的楽器演奏というユニークな治療方法で、患者に歌を歌わせたり、楽器を一緒に演奏することで、効果を上げているそうです。

 今、社会問題化している認知症予防にも、楽器演奏は大きな効果があるといわれているのです。

 もちろん音楽を聴かせることも、音楽療法では積極的に行われています。しかし、落ち込んでいる人やうつ病患者に、良かれと思って明るい曲を聴かせて元気づけようとするのは逆効果です。実は、そのような場合には悲しい曲を聴かせるのがよいといわれているのです。

 医療情報源として有名な「コクラン共同計画」の2017年のレビューによると、悲しい音楽は、うつ病患者に少なくとも短期間の効果をもたらしたといい、将来的には音楽療法において悲しい音楽にさらなる焦点を当てることになるだろうと予測しています。

 医学博士でもあった作家の故渡辺淳一さんはコラムの中で、筋肉を傷めた場合、冷やす湿布か温める湿布か、どちらが貼ればいいのかという質問に対し、このように答えていました。

「炎症が起こっているときは冷やしたほうがいいし、回復期には温めたほうがいいとかありますが、簡単に言ってしまえば、患部が気持ち良く感じる湿布を貼ればいいのです」

 音楽も同じで、自分が今、聴きたい曲を聴くのが良いことなのでしょう。
(文=篠崎靖男/指揮者)

●篠﨑靖男
 桐朋学園大学卒業。1993年アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクールで最高位を受賞。その後ウィーン国立音楽大学で研鑽を積み、2000年シベリウス国際指揮者コンクール第2位受賞。
 2001年より2004年までロサンゼルス・フィルの副指揮者を務めた後、英ロンドンに本拠を移してヨーロッパを中心に活躍。ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、BBCフィルハーモニック、ボーンマス交響楽団、フランクフルト放送交響楽団、フィンランド放送交響楽団、スウェーデン放送交響楽団など、各国の主要オーケストラを指揮。
 2007年にフィンランド・キュミ・シンフォニエッタの芸術監督・首席指揮者に就任。7年半にわたり意欲的な活動でオーケストラの目覚ましい発展に尽力し、2014年7月に勇退。
 国内でも主要なオーケストラに登場。なかでも2014年9月よりミュージック・アドバイザー、2015年9月から常任指揮者を務めた静岡交響楽団では、2018年3月に退任するまで正統的なスタイルとダイナミックな指揮で観客を魅了、「新しい静響」の発展に大きな足跡を残した。
 現在は、日本はもちろん、世界中で活躍している。ジャパン・アーツ所属
オフィシャル・ホームページ http://www.yasuoshinozaki.com/

場当たり休校要請でひとり親や共働き家庭が生活崩壊! それでも安倍首相は休業補償にふれず「有給を」…国民の実情を平気で無視

 大きな混乱を招いている安倍首相による小中高、特別支援学校への一斉臨時休校要請。休校要請しておきながら、保護者への休業補償を打ち出さなかったことや急すぎる要請によって保護者や学校現場からは悲鳴があがっていたが、これに焦ってか、萩生田光一文科相はきょうになってトーンを弱め、「...

テレ朝『24』リメイク版、放送“できない”危機…「開局60周年記念」が深夜枠?

 人気ドラマシリーズ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』『相棒』、バラエティ番組『ポツンと一軒家』など高視聴率番組が多数ひしめくテレビ朝日。そのテレ朝は昨年1月、世界的に大ヒットした米ドラマ『24』の日本版リメイク『24 Japan』を2020年に放送すると発表したが、その後、正式なアナウンスはされていない。

「『24』といえば、米テロ対策機関のジャック・バウアー捜査官が凶悪なテロ組織に一人で立ち向かうという壮大なアクションドラマ。その日本版となる作品は、テロの標的が女性総理大臣候補で、初の女性首相が誕生するまでの24時間を克明に描くというもの。この世界的ドラマがテレ朝の開局60周年記念ドラマとしてリメイクされるとあって、当初は大きな話題を呼びました。しかし、その発表から1年経つにもかかわらず、キャスティングはおろか放送日程もいまだ伝えられていません」(マスコミ関係者)

 確かにテレ朝の公式サイトを見ても、放送時期やキャスティングに関する情報はまったく更新されていない。一部の週刊誌が「主演のジャック役に唐沢寿明、日本初の女性首相役に天海祐希が内定した」と報じているものの、その後、続報めいたものはない。

「通常であれば、このような大きなプロジェクトは各部署の幹部には日程やキャスティングなどの通知があるのですが、『24 Japan』に関してはそれがまったく降りてこないのです」(テレ朝関係者)

となると、本当に放送されるのかが心配されるが、テレ朝に出入りする芸能事務所関係者は言う。

「テレ朝がこれだけ大々的に発表したので、放送されないということはないようですが、要は『24 Japan』の“放送枠がない”みたいなんです。今年は7~8月に東京五輪がある関係で、各局とも春と秋に人気ドラマを持ってきます。テレ朝でいうと4月期に木村拓哉主演の『BG2』が決まっており、10月期には定番の『相棒』が内定。ほかにも連ドラ枠の調整が難航しているそうで、現在『24 Japan』を放送する時間帯として空いているのが深夜枠だけなのだとか。

 しかし、深夜枠では“開局60周年記念ドラマ”というにはあまりにもショボくなってしまう。しかも放送は24話と2クール、半年にわたって引っ張らなくてはならないわけで、とにかく調整が難航しているそうです。今のところは放送に向けてあらゆる可能性を探っているため、発表ができなくなっているそうなんですよ」

 放送までのドラマを『24』風に伝えたほうが、面白い作品が生まれるかもしれない。

(文=編集部)

公立学校休校、文科省も寝耳に水で大混乱…安倍政権、批判漏らす官僚の犯人捜す“恐怖政治“

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、安倍晋三首相が打ち出した「全国すべての小中学校、高校の臨時休校要請」。衝撃の一夜が明けた東京都霞ヶ関の官庁街では、早朝から赤い目をこすりながら登庁してくる文部科学省職員の姿があった。突如として厚生労働省から文部科学省にまで拡大した“コロナ防衛線”の拡大を受けて泊まり込んだ職員も多いという。みな一様に口は重く「想定を超える拡大方針です。とにかく官邸に聞いてください」「何も言えないことになっている」「現段階では何も言えない。どこで何が決まったのかもわからない」と足早に通り過ぎていく。

 岩盤規制撤廃、官僚主導の政治脱却を目指した現政権。「スピード感のある政策実現」「決められる政治」の結末がこれだ。全国の教育現場で混乱が広がるなか、事態を掌握できていなければいけないはずの文科省ですら、この異常な状況に翻弄されている。

結局、責任と判断は自治体に丸投げ

 萩生田光一文科相は28日朝、閣議後の記者会見で次のように語った。

「この状況を乗り越えるため、この1、2週間は極めて重要な時期だと判断した。臨時休業を実施する期間や形態については地域や学校の実情を踏まえて、設置者においてさまざまな工夫があってよいと考えている。行政機関や民間企業には引き続き、休みがとりやすい環境を整えてもらうとともに、保護者への配慮をお願いしたい。こうした措置に伴って生じるさまざまな課題に対しては政府として責任をもって対応していく」

 こうした発言を与党関係者は次のように解説する。

「つまり、首相は強い言葉で要請はしたが、最終的には自治体の責任で判断してほしい。加えて官邸のいつものロジックからすると、政府は責任をもって対応するが、責任を取るとは言っていないということですね。これは、各都道府県知事や自治体首長から批判が殺到するでしょう。しがらみにとらわれた政治決定プロセスでは、迅速な問題対処ができないかもしれません。それでも、混乱を防ぐための最低限の根回しは必要だったのではないでしょうか。公明党はもちろん自民党内ですら、まともなコンセンサスは取られていません」

緊急事態にもかかわらず“反乱分子”探し

 そんな状況下なのにもかかわらず、官僚や現場公務員への統制だけは強まっているようだ。政府関係者は次のように話す。

「クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』での感染拡大以降、厚労省などの現場職員から『すぐ特定されてしまうので、言えない』とのコメントが増えていると思いませんか?

 マスコミは取材源の秘匿を守るためにそれなりのノウハウを持って取材対象者と接触しているようですが、官邸がやっきになって『S』(スパイ)や『穴』の存在を探っています。機密情報はもちろんのこと、安倍晋三首相や政府対応に批判的な感想や愚痴を漏らすのもアウトです。

 普段でも新聞や雑誌へのリークが確認されるたびに各省内で非公式に情報源探しが行われ、『あいつではないのか』といった噂話が流れますが、現在の状況ははっきりいって異様です。国の一大事ですから関与するのは当たり前なのかもしれませんが、内閣情報調査室が動いているという話もあります。もうコロナに対応する各省の職員は軽々に口を開けません」

 官邸が自己防衛に労力を注ぐ中、感染者が増えている北海道の鈴木直道知事は28日午後5時半、緊急事態宣言を出した。28日から3月19日まで道民に対して不要不急の外出控えるよう呼びかけた。

 日本史上に残る混乱の週末は始まったばかりだ。ゴールはいっこうに見えない。

(文=編集部)

安倍首相、独断で一斉休校要請に批判の嵐「事実上の強要」「科学的根拠なき線引き」

 感染拡大が止まらず、日常生活に大きな影響を及ぼしている新型コロナウイルス。安倍晋三首相は全国の小・中・高校に対して“臨時休校”を要請したものの、識者を含めて激しい議論を巻き起こすことになった。

 報道によると、安倍首相は2月27日に「子どもたちの健康・安全を第一に考え、多くの子どもたちや教員が日常的に長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備える観点」から、臨時休校を要請すると発表した。特別支援学校も含め、臨時休校期間は“3月2日から春休みに入るまで”だという。

 安倍首相の要請について、千葉市長・熊谷俊人氏は同日更新のツイッターを通して「いくらなんでも…」と苦言を呈し、続けて「医療関係者など社会を支えている職種の親はどうするのか。社会が崩壊しかねません」「学校を一斉休校にして、親が満員電車に乗って仕事をして帰ってきたら意味が無い」などと危険性を訴えた。

“尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹氏も同日にブログを更新し、「あまりに突然 しかも 企業や職場の責任者への具体的な保護者サポート策の要請もなかったものですから 学校も保護者も大混乱しているのは当たり前です!」と驚きを隠せない様子。「緊急措置はコロナ封じ込め対策としては極めて的確だと思います」「ただ保護者が休み易い措置をとるように雇い主さんに要請することが大切」といった持論を展開している。

 また、立憲民主党の蓮舫参議院議員は28日、今回の要請に“保育所・学童は原則含まれない”という報道をツイッターで引用し、“働く親に考慮”という理由について「新型肺炎へのリスク対策と言いながらこの科学的根拠なき線引きに驚く」「場当たり的政府の対応はどうなの?」と怒りを露わにした。

 ネット上に寄せられたコメントを見ても、批判的な意見があふれており、

「緊急事態とはいえ本当に急だし、何より一国の首相として対応が遅すぎる」

「まさに、なんでも思いつきで動く安倍政権らしいやり方」

「建前上は個々の判断次第となっているけど、首相のトップダウンなのだから事実上の強要に近い」

「簡単に“要請する”なんて言わないでほしい。基本方針や具体的な対応策は政府内で決まっているの?」

といった反応が上がっている。

 さらに、両親が共働きのケースを踏まえ、臨時休校措置がさらなる感染拡大を引き起こしかねないという指摘も目立つ。「監視の目がなく外へ遊びに出てしまったら、より感染を広めてしまうだけなのでは?」「祖父母に預けたくても、子どもが無症状なだけで実は感染していたらと思うと怖い」などの声が寄せられており、先行き不透明な要請に不安を抱える人の多さが浮き彫りとなった。

 また、今回の決定が安倍首相の“独断”であったことも波紋を呼んでいる。報道によると、休校要請の方針が与党幹部に伝えられたのは公表される直前で、萩生田光一文部科学大臣にも“春休みまで”という期間については知らされていなかったという。

 あまりにも急な一斉休校要請は、今後どのような事態を招くのか。いずれにしても、新型コロナウイルスの問題が一刻も早く収束することを祈りたい。

(文=編集部)

新型コロナウイルスをばらまく日本へ相次ぐ批判 「安全通貨」の地位を失った「日本円」と経済危機

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

Bloomberg(Getty Imagesより)

 2月21日の為替市場では、珍しい現象が見られました。新型コロナウイルスの不安で世界の株が売られる中で、日本の円が韓国ウォンとともに売られたのです。

 これまで日本の円は「安全通貨」と認識され、株価が大きく下落したり、世界の市場が不安に襲われたりした場合には真っ先に買われていました。円はいわば「駆け込み寺」のように見られていたのです。このため、市場に不安が大きいほど円が買われ、円高になりました。

 しかし今回の新型コロナウイルスにおいては、従来と様相が異なります。感染の不安が広がり市場が怯える中で、安全資産と見られ、新たな「駆け込み寺」の役割を果たしたのは米国債でした。米国債が買われ、その結果ドルも買われてドル高が進みました。