実力はアーモンドアイ以上? JRA史に残る「最強マイル女王」は社台グループが母を410万円で手放したあの馬

 最強牝馬はよく耳にするが、最強マイル牝馬はあまり聞かない。ヴィクトリアマイルの歴史が14回しかないこと、そして古馬マイルG1レース(安田記念マイルCS)における牡馬の壁が高いことがその理由だろう。実際にレースが新設された1984年以降、マイルCSを制した牝馬は

 1986年タカラスチール
 1990年パッシングショット
 1993年シンコウラブリイ
 1994年ノースフライト
 2008年ブルーメンブラット

 の5頭で、なんと1995年以降牝馬は1勝のみだ。そして同じく1984年以降に安田記念を制した牝馬は

 1991年ダイイチルビー
 1994年ノースフライト
 2008年ウオッカ
 2009年ウオッカ

 の4頭しかおらず、なんと1995年以降牝馬はウオッカしか勝利していない。そしてこの成績から分かるように、マイルCSと安田記念のJRA古馬マイルG1レースを制した牝馬は、ノースフライトただ1頭なのである。

 ノースフライトが安田記念で負かしたのは、外国から来日した5頭(フォレ賞優勝馬ドルフィンストリート、ブリーダーズCマイル2着スキーパラダイス、ジャック・ル・マロワ賞優勝馬サイエダティ、ミドルパークS優勝馬ザイーテン、香港の強豪ウィニングパートナーズ)を筆頭に、サクラバクシンオー(最強短距離馬・スプリンターズS連覇など重賞5勝)、ホッカイセレス(重賞2勝)、フジヤマケンザン(重賞5勝)、ゴールデンアイ(重賞2勝)、マザートウショウ(重賞3勝)といった強力メンバーばかり。

 しかも外国馬を含め6頭の牝馬の中で優勝を果たしたのだから、見事な勝利というほかない。勝ち時計の1分33秒2はオグリキャップの記録に続く史上2番目と速く、その内容も文句なしだった。

 続くマイルCSで負かした馬も、サクラバクシンオー、フジノマッケンオー(重賞4勝・皐月賞3着)、ホッカイセレス(重賞2勝)、ビコーペガサス(重賞2勝)、イナズマタカオー(重賞3勝)、ニホンピロプリンス(重賞2勝)、ゴールドマウンテン(重賞2勝)となかなかのレベル。

 さらに勝ち時計1分33秒0はコースレコードであり、決して偶然ではなく実力に裏付けされた強さであった。ノースフライトは最終的にマイル実績を5戦全勝としており、マイルにおいてその実績と実力に匹敵する馬は、アーモンドアイを含めてもいない。まさに最強マイル女王の称号に相応しい名馬と言えるだろう。

 同馬の生い立ちに目を向けると意外な事実が判明する。

 ノースフライトの母シャダイフライトは、もともと社台ファームが所有していた繁殖牝馬だったが、それまでの繁殖成績が振るわなかったこと、そして18歳という高齢もあってか、社台グループの繁殖牝馬セールにて売却された馬だった。

 その金額はわずか410万円、なんと上場全馬の中で最低金額だったという。しかもトニービンの子供を受胎していたのだから、破格の金額と言えよう。社台ファームとしては苦渋の決断だっただろうが、結果としてそれは最悪の結末になってしまった。

 シャダイフライトが産んだノースフライトは、安田記念とマイルCSを制覇。JRA賞最優秀5歳以上牝馬に選出されたのである。

 奇しくも同様のケースはその後も見られている。日本ダービーを勝利したジャングルポケットは、同馬を産んだ母ダンスチャーマーが売却されてから日本ダービーを勝ち、今年の桜花賞を制したデアリングタクトの母デアリングバードも、社台ファームが繁殖牝馬セールで手放した馬だったのだ。

 今週のヴィクトリアマイルに出走するアーモンドアイは、昨年の安田記念で不利もあって3着。マイルは4戦3勝だが、まだ古馬マイルG1レースを勝利していない。

 もし、今週のヴィクトリアマイルの次に安田記念を選択し、秋はマイルCSへの参戦を考えているのであれば、ノースフライトが唯一持つ「牝馬による古馬マイルG1春秋制覇」の偉業に挑むことになる。

 アーモンドアイにとって今週のヴィクトリアマイルは、おそらく現時点でのマイル適性を図る格好のレースといえよう。また、香港遠征中止→有馬記念大敗→ドバイ遠征中止と、昨年暮れから続く負の連鎖を断ち切ることができるのか。

 そして最強牝馬というだけでなく、最強マイラーとして新たな勲章を勝ち取ることができるか。今週のヴィクトリアマイルは注目の一戦だ。

JRA武豊、宝塚記念(G1)は世界の名門厩舎とタッグか!? 海外の「超大物」がグランプリ予備登録も、ゴドルフィンの二の舞を危惧……

 新型コロナウイルスの影響で中断していたフランス競馬が、11日から無観客で開催再開となった。同じく欧州の主要国であるイギリスは6月初旬、アイルランドは6月29日の再開で調整されている。フランス競馬を皮切りに海外競馬も徐々に活気を取り戻していくのではないだろうか。

 日本では幸いにも、無観客で競馬開催が継続されていたが、欧州は軒並み中止となってしまっていただけに、競馬再開の知らせは嬉しい限りだ。

 そんな中、世界のA.オブライエン厩舎の有力馬が日本のレースに出走するかもしれないという驚きのニュースが入ってきた。

 14日、JRAはブルーム、ジャパン(牡4歳、愛・A.オブライエン厩舎)の2頭が、6月28日に行われる宝塚記念(G1)に予備登録があったことを発表した。

 昨年のインターナショナルS(G1)で、当時レーティング世界トップだったクリスタルオーシャンを撃破したジャパン。凱旋門賞(G1)でも4着に入るなど、欧州競馬の中でもトップーホースとして数えられる1頭である。

 また今年に入って日本の馬主であるキーファーズがクールモアグループとジャパンを共同所有することが発表された。武豊騎手を懇意にしていることで知られるキーファーズ代表の松島正昭オーナーが、武豊騎手と凱旋門賞挑戦するために購入に踏み切ったのだ。

 同じく予備登録されたブルームも、キーファーズが所有権の一部を購入しており、昨年の凱旋門賞は武豊騎手との参戦予定だったが、体調が整わず回避となってしまった馬だ。

 昨年のジャパンC(G1)は残念ながら、初めて外国馬0頭で行われた。国際招待競走ながら外国馬出走なしは寂しい内容ではあったが、もし宝塚記念にA.オブライエン厩舎の2頭が参戦するとなれば、それも帳消しになるぐらいの盛り上がりとなるだろう。

「現在、アイルランド競馬の再開予定が6月29日のため、それより先に行われる宝塚記念出走は全く可能性がないわけではなさそうですね。フランス競馬は再開しましたが、人馬ともにフランス所属が条件のため、海外からの参戦はできない状況です。

もしジャパンが日本で出走となれば、当然鞍上は武豊騎手が期待されます。さらに宝塚記念から凱旋門賞挑戦となれば、2006年のディープインパクトと同じローテーションです。そこに武豊騎手となれば、どうしてもディープインパクトのリベンジに期待してしまいますね。ただA.オブライエン厩舎所属なので、全く同じローテーションになる可能性はかなり低そうですが……」(競馬記者)

 4月にはゴドルフィンの専属調教師として知られるC.アップルビー師が管理する10頭の外国馬がヴィクトリアマイル(G1)ら計7レースに予備登録をするということがあった。だが、結局は来日することなく終わってしまった。

 ゴドルフィンに続いて、今度はクールモアと驚きの予備登録となったが、やはり現在の社会情勢を考えると参戦のハードルはかなり高いのが実情だろう。

 それでもジャパンが日本に来るとなれば盛り上がること間違いなし。淡い期待を抱きながら楽しみにしたい。

コロナは死亡率3%の肺炎…第3波に備え無症状者は通常活動で集団免疫を 医師が提言

 去る5月4日、当初(4月7日)は5月6日までとしていた「緊急事態宣言」が5月31日までに延長された。5月7日になったら事業が再開できることを目標に必死に耐えていた観光関連業(ホテル、鉄道、バス等)、レストラン、百貨店、小売業等を含め、コロナ禍で窮地に陥っている経営者にとっては「地獄の沙汰」である。

「専門家」によると、とにかく「三密(密集、密閉、密接)を避け、手洗いを励行し、コロナウイルスを体(肺)の中に入れない」ことが、コロナウイルス感染を防ぐ、最上、最良の方法とされている。しかし、こうした「外出規制」により、一時的にコロナウイルスの感染が終息したように見えても、体内に免疫ができていないと再度コロナウイルスの感染が拡がっていく可能性が十分にある。日本のどの都市よりも早く「学校閉鎖」を断行し、「外出自粛励行」を呼びかけ、一旦はコロナウイルス感染が終息したように見えた北海道で再び感染が拡大しているのが良い例である。

「ハシカに一回かかると二度とかからない」というのは、ハシカ(麻疹)ウイルスに対して、抗体ができるからである。細菌やウイルスなどの病原体、アレルゲン(花粉、ダニ、ハウスダスト)など、体内に入ってくる異物・有害物は「抗原」と呼ばれ、それに対して白血球のリンパ球で抗体(免疫グロブリン)がつくられ(免疫ができる)、病原体などの異物を攻撃・排除する。抗体は一生、体内・血液内に保有されることがほとんど。よって、「同じ病気には二度とかからない」のである。

 しかし、日本や欧米各国でやってきた「外出規制」でコロナウイルスに感染させる機会を奪うと、ほとんどの人の体内には抗体はできていないのだから、コロナウイルスの第2波、第3波がやってきた場合、再度、再三の「外出規制」や「緊急事態宣言」が必要になってくる。

 1月から3月半ばまで日本人が感染したコロナウイルスは中国武漢由来のもので、3月21日の連休後のコロナウイルス感染は、連休をヨーロッパで過ごした旅行者たちが、中国からヨーロッパに伝播し変異したウイルスを持ち込んだものによるものだという。このように同じウイルスでも変異を繰り返すので、一回終息したように見えても、第2波、第3波がやってくる可能性がある。

免疫力を高める

 1918年から1920年に世界的に流行したインフルエンザ(スペイン風邪)は全世界で約5000万人の生命を奪ったとされている。日本では1918(大正7)年の夏から秋に最初の感染拡大が始まり、1919年には一旦収まったが、秋から再拡大し、結局1921年までの間に計3回流行した。当時の人口(約5600万人)の40%にあたる2380万人が感染し、38万人が死亡した。

 こうした史実を参考にしたのか、スウェーデンでは国民に外出規制を強いず、むしろ「自由に感染させて抗体保有率を上げる」という「集団免疫」戦術をとって成功したようだ。ただし、発熱など肺炎の症状が出た人は初期段階から積極的に治療した。スウェーデンの疫学者アンデシュ・テグネル氏は、「USA TODAY」(4月28日付)で「ストックホルムではたぶん25%の人がコロナウイルスの抗体を持っている」と述べている。

 日本が慶応大学病院に4月13日から19日までの間に「コロナ肺炎以外で入院した67人のコロナウイルス抗体の発現率を調べたところ、4人(=5.97%)が陽性だった」という。この伝えでいくと、人口約1300万人の東京都民の抗体保有者は約80万人ということになる。

 4月24日、米国ニューヨーク州で3000人を調べたところ、コロナウイルスの抗体保有率は13.9%で、同州の人口約1945万人のうち約270万人に当たるという。抗体を保有していると、第2波、第3波のコロナウイルスが襲来しても、発病率はうんと下がるということになる。

 日本では欧米に比べて新型コロナウイルスの感染率、死亡率が格段に低いのは、幼少期にツベルクリン反応陰性(結核菌に免疫のない)の人に接種された「BCG」(牛の結核菌からつくられたワクチン)が一役買っているという説もある。風邪やインフルエンザ、コロナなどのウイルスと接触したり、吸引したりしても、発症する人としない人がいるのは、ひとえにその人の持つ免疫力の差である。ここ3カ月以上、テレビにはほぼ同じ顔ぶれの感染症の専門家と称する人が出ずっぱりで、異口同音に「三密を避ける」「手洗いをする」しかおっしゃらない。なぜ、「免疫力を高めてコロナウイルス感染を防ごう」という考えがないのか不思議である。

「集団免疫」を獲得する

 風邪、肺炎などの感染症をはじめ、がん、膠原病など、どんな病気でもある程度以上の症状になると必ず「発熱」と「食欲不振」を伴ってくる。この両者とも、神様が我々動物に下さった病気を治すための「免疫力」である。

 よって、日頃「お風呂、温泉、サウナなどで体を温め、生姜紅茶、酒の熱燗、熱々のうどんやみそ汁、すき焼き、豚汁、カレーなど、食べている端から発汗するようなものを飲食する」「一日一回は空腹の時間を作る」などを励行し、「免疫力を上げておく」ことこそ、コロナウイルス感染に対する最上、最良の方法と私は確信しているのだが。ちなみに人が発汗するときは、体温は1℃上昇し、免疫力は数時間4~5倍になるとされる。

 コロナウイルス肺炎とは、100人がコロナウイルスに感染すると、

・80人=無~軽症

・20人=中~重症化(うち17人=治療によって治る、3人=死亡)

という、死亡率「3%」の肺炎である。しかも、亡くなるのは高齢者、慢性的に肺・心臓・腎臓に疾患のある人や、糖尿病など免疫力の低下した持病のある人たちである。よって、こういう人たちには「毎日主治医が電話診療する」「看護師の訪問」などを励行し、発熱したら「37.5℃以上の発熱が4日続いたらPCR検査をする」などと悠長なことを言わず、即入院させて徹底した治療を行う。軽症~中等症の人はホテルでの療養をさせ、医師・看護師がケアすることを実践し、「無~軽症」の人は「集団免疫」を獲得するためにも、経済を死なせないためにも社会活動をさせるべきである。

 コロナウイルス肺炎が問題化してから約3カ月の死亡者は697人(5月14日現在)。一方、普通の細菌性や誤嚥性の肺炎で亡くなる人は毎月約1万人、年間12万人である。コロナウイルスに関して、もう少し冷静に対処できないものか。

(文=石原結實/イシハラクリニック院長、医学博士)

JRA「出世レース」青竜S(OP)3歳ダート最強馬に最も迫った「あの馬」が二刀流“断念”でダート界「制圧」へ!

 17日、東京10Rは青竜S(OP)が行われる。同レースは2014年に創設された3歳限定のダート競走で、今年で7回目を迎える。まだ歴史の浅いレースだが、過去の勝ち馬からはG1馬・ノンコノユメのほかにも、サンライズソアやグリムらの重賞馬を輩出しており、2015年以降の勝ち馬はすべて重賞勝ちを収めている出世レースだ。

 3歳ダート路線を占う上重要な一戦に、今年も好メンバーが揃った。その中でも、ダート路線に照準を絞ったタガノビューティー(牡3歳、栗東・西園正都厩舎)に期待したい。

 デビューからダートレースを2連勝したタガノビューティー。3戦目で初の芝レースに挑戦するのだが、なんといきなり朝日杯FS(G1)という大舞台を選択した。同レースで1番人気に支持されたサリオスと同じ無敗馬だったが、芝初出走のヘニーヒューズ産駒ということを考えれば9番人気の低評価は当然と言えるだろう。

 だが、レースではその下馬評を覆し、4着に入る健闘を見せた。3着とはクビ差だったため、あわや馬券に絡む激走だ。G1で好走したため、次走のシンザン記念(G3)では、3番人気に支持されるも6着に敗れてしまった。

 この敗戦を受けて、陣営は負けなしのダートでの仕切り直しを決断する。

次走に選択したのはヒヤシンスS(L)。得意のダートで景気よく復活といきたいところだったが、出鼻をくじかれてしまう。

 レースを後方から進め、末脚勝負にかけたタガノビューティー。自慢の末脚を繰り出すも、勝ち馬カフェファラオとは1馬身1/4差の2着に敗れてしまい、ダート初黒星となってしまった。

 だが、負けた相手カフェファラオは、3歳世代のダート最強の呼び声高い馬だ。新馬戦は2着に10馬身、3着馬はそこからさらに9馬身差という圧勝を決めている。このとき2着だったバーナードループは、その後3連勝で兵庫チャンピオンシップ(G2)を優勝。負かした相手も強かったことで、よりカフェファラオの評価を高めている状況だ。

 単純比較はできないが、重賞勝ち馬バーナードループが「10馬身差」つけられた相手に、「1馬身1/4差」まで迫ったタガノビューティーは世代No.2という評価をしてもおかしくはないだろう。

「朝日杯FSはレース展開が向いたことが、4着に好走した大きな要因です。本質的にタガノビューティーはダート馬で間違いないでしょう。ダート復帰戦のヒヤシンスSで敗れたとはいえ、3着とは2馬身半差ありました。また芝レースで好走したのは能力自体が高いことを示しており、世代ではトップクラスのダート馬のはずです」(競馬記者)

 ヒヤシンスSが行われた日のメインレースはフェブラリーS(G1)で、モズアスコットが芝・ダート「二刀流」のG1制覇を達成した。奇しくも、二刀流を断念したタガノビューティーのダート復帰日に偉業が成し遂げられてしまった……。

 主戦場をダートに定めたタガノビューティー。カフェファラオと再戦するためには、青竜Sで足元をすくわれるわけにはいかないだろう。

錦戸亮が大復活へ? 大河ドラマで俳優業再開の可能性

正解のないWEBマガジン~wezzyより】

NOMAD RECORDSのInstagramより

 錦戸亮の俳優としての活動再開を心待ちにしているファンは多いだろう。昨年ジャニーズ事務所を辞め、すぐさまソロアルバムをリリース、ライブツアーもソールドアウトで幸先の良いリスタートを切った錦戸。だが役者業はご無沙汰となっている。

 ジャニーズ時代から仲の良かった赤西仁とのプロジェクト「N/A」を発足し、YouTubeチャンネル「NO GOOD TV」も展開。山田孝之や小栗旬とのオンライン飲み会を放送するなど、業界内の人脈を見せつけてもいる。

 しかし地上波キー局のドラマ出演は今のところなく、錦戸は今年2月、Twitterに芝居への欲求を投稿していた。

コロナ「自粛警察=歪んだ正義」批判で隠れる本質…自己犠牲を厭わない真面目な人ほど陥る

 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が長引くにつれ、「自粛警察」と呼ばれる動きに関心が集まっている。自粛警察とは、緊急事態宣言の下で外出や営業などの自粛要請に応じない個人や店舗に対して、私的な取り締まりを行う一般市民のことを指すとされている。

 自粛警察という言葉は、ヤフーのリアルタイム検索では4月上~中旬からみられていたが、多くても1日に500件程度だった。転機になったのは4月28日、朝のワイドショーがこれを取り上げ、著名人が相次ぎ「自粛警察がトレンド入りしているけれど良くない」とツイートしたことで、ゴールデンウィーク入りした29日には検索回数が7000件以上となり、その後も高水準で推移している。

 自粛警察については、「正義の暴走」や「歪んだ正義」と批判的な見方が大方だが、このように単純に結論づけるだけでいいのだろうか。

 NHKは5月9日、自粛警察に関する報道を行ったが、自粛警察を行ったとされる人たちは匿名インタビューに対して「自粛警察と呼ばれる行為をしたつもりはない」と回答している。

 筆者が関心を持ったのは、介護施設に勤務する30代の男性がコンビニエンスストアでマスクをせずに電話をする男性を見かけ、地元の自治体に通報したというケースである。「施設で暮らす高齢者に感染を広げまいと細心の注意を払う中、対策を採っていないように見える人が本当に許せなかった」とした上で、「自粛警察と呼ばれる行為に全面的に賛成はできないが、対策をとらない人は自由に行動し、注意して生活する人ばかりが疲れてしまっている。事態を良くするには、こうするしかなかった」と話していた。

 ヒト、モノ、カネが圧倒的に不足する状況下で、介護崩壊を必死に食い止めようとする彼が、街中で無責任な行動をとっている人に対して、怒りを覚えるのは納得できる。心理学では、実験を通して「普段誰かのために自己犠牲を厭わず真面目に働く人が、理不尽な行為に接すると、自らの損失を顧みず、どんな手を使ってでも、相手に目にもの見せてくれようと燃え立ってしまう」ことが知られている。

 この義憤に駆られた行動は、体の中で自然に合成され、精神安定剤とよく似た構造を持つセロトニンという脳内物質が関係していることがわかっている。脳内でのセロトニンの量が少ないほど、利他的行為を行う半面、理不尽な行為に対する許容度が低い傾向があり、日本人の脳内のセロトニン量の分泌量は世界でも最も少ない部類に入ると言われている。脳の生理的な仕組みから見て、自粛警察という現象は日本人の強みが引き起こす負の側面であるといえるのかもしれない。

日本社会が抱える問題も浮き彫り

 自粛警察の犠牲になった人の話からは、日本社会が抱える問題も浮き彫りになる。前述のNHKの放送では、杉並区のライブバーが取り上げられていた。東京都からの自粛要請を受け、4月から客を入れての営業を取りやめていたが、4月26日に客を入れずに歌手のライブを行い、その模様をインターネットで配信するという新たな取り組みを実施した。するとライブの最中、何者かに店の出入り口に「自粛してください。次発見すれば、警察を呼びます」などと書かれた紙が3枚貼り付けられていたという。

 東京都が示す感染防止の対策(換気や消毒等)を講じた上で実施したにもかかわらず、十分な理解が得られなかったことに、ライブバーの経営者は「誤解を受けたのは残念で、店側も配慮が足りなかった。不安な時期だから指摘をしたい気持ちもわかるが、お互いに落ち着いてできることをやっていくしかない」と話していた。

 専門家は「人にはそれぞれ事情があり、非常時の最適な行動も人によって違うことを理解しなければならない」と呼びかけている(5月9日付時事通信)が、地域社会におけるコミュニケーション不足という古くて新しい問題が露呈したかたちである。

新たな「近隣トラブル」

 自粛警察という現象は、緊急事態宣言の発令で生じた新たな「近隣トラブル」なのかもしれない。近隣トラブルは昔から存在しているが、現在発生しているトラブルの背景には深刻な文化の壁がある。そもそもライブバーやインターネット配信という仕組みを知らない近隣住民が存在していたことが、今回の問題の背景にあるのではないだろうか。ルールを知らず言語が異なることから、ゴミの分別などで外国人との間でトラブルが発生することが多いが、同じ日本人の間でも残念ながら同様の問題が生じているのである。

 騒音問題を中心に近隣トラブルの解決に取り組んでいる「騒音問題研究所」の橋本典久代表は「騒音トラブルは、音量ではなく、音の発生者とそれを聞く人との関係に起因するものがほとんどである。都市部では『お互い様』という言葉はもはや死語である。トラブル解決の鍵は人間関係の構築にある」と指摘する。

 橋本氏が注目するのは、米国の「近隣司法センター(NJC)」という制度である。住民同士の小規模紛争をボランティア調停員が法廷外で解決するものであり、州が財政面から支援している。NJCでは双方が納得できる解決策を導き出すまで徹底的に話し合うことができるように、十分な訓練を受けた調停員がサポートするという。橋本氏は、2017年3月から日本版「近隣トラブル解決センター」を青森県八戸市に設立しようとしているが、自治体などからの支援が得られずいまだに実現に至っていない。

 NHKの取材に対し、専門家は「自粛警察は、ほとんどの人に悪意はなく過剰な防衛本能が問題行動を引き起こしている。行き過ぎると世の中を分断することにつながり感染予防に逆効果となる」と冷静な行動を呼びかけているが、無意識のうちに自粛警察的な行動を取りがちな日本人に対する社会の備えがなくてもよいのだろうか。

 新型コロナウイルスとの闘いが長期化することが予想される中にあって、日本にも警察や地方自治体に代わるNJCのような組織が必要な時代が到来しているのである。

(文=藤和彦/経済産業研究所上席研究員)

JRAアーモンドアイ「女王陥落」のシナリオ!? ヴィクトリアマイル「僕の馬の方が強い」相棒を信じ切り、最強女王に打ち勝った9年前の記憶

 17日に東京競馬場で開催されるヴィクトリアマイル(G1)。今年はG1・6勝を誇る最強女王アーモンドアイ(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)が参戦することで、異例の注目を集めている。

 昨年末の有馬記念(G1)で9着とキャリア初の惨敗を喫し、さらには今年の始動戦に予定されていたドバイターフ(G1)が新型コロナウイルスの影響によって中止。順風満帆だった頃と比較すれば、決して順調とは言えない現在のアーモンドアイだが、実績面では断トツの存在だ。

 心配された状態も13日に美浦のWコースで行われた最終追い切りで自己ベストを叩き出すなど、陣営の仕上げに抜かりはない。ディープインパクトらと並ぶG1・7勝目へ視界は良好と言えるだろう。

 しかし、その一方で、今年15回を迎えるヴィクトリアマイルは「女王陥落」の歴史に彩られていることでも有名だ。

 実際に過去1番人気が勝利したのは、わずか3度。毎年のように現役最強女王が苦杯を舐めているが、中でも単勝1.5倍に支持されたブエナビスタが敗れた2011年のヴィクトリアマイルは、レース史に残る名勝負だった。

こ のレースを制したのは、前年の三冠牝馬アパパネだった。逆に述べれば前年の三冠牝馬が単勝4.1倍の2番人気に甘んじるほど、当時のブエナビスタが抜けた存在だったということだ。

 前走のドバイワールドC(G1)こそ8着に敗れていたが、前年はヴィクトリアマイルと天皇賞・秋(G1)を制覇。敗れたジャパンC(G1)は1位入線後に降着、有馬記念(G1)は後にドバイワールドCを勝つヴィクトワールピサにハナ差で惜敗と、紛れもなく現役最強だったブエナビスタ。当時の存在感は、現在のアーモンドアイ以上と述べても差し支えないだろう。

「僕の馬の方が強い――」

 だが、アパパネと主戦の蛯名正義騎手は、そんな最強女王に真っ向勝負を挑んだ。レースは中団に構えたアパパネを、ブエナビスタががっちりマークする形。大本命馬に終始追走される厳しい展開だったが、鞍上の蛯名騎手は「『ついて来い』と。受けて立つつもりで『僕の馬の方が強い』という気持ちで乗った」と決して動じなかった。

 当時、アパパネを管理していた国枝調教師が「相手はブエナビスタだと思っていた」と振り返った通り、陣営には勝算があった。

 2400mのオークス(G1)でサンテミリオンと1着同着するなど、実は前年の牝馬三冠はアパパネ陣営にとって望外の偉業だった。何故なら、この年もあえてマイラーズC(G2)から始動していたように、アパパネは本質的に1600mがベストと考えられていたからだ。

 一方のブエナビスタは、前年のヴィクトリアマイル以来の1600m。戦績を振り返っても、マイルがやや短いことは明らか。だからこそアパパネ陣営には「マイル戦ならブエナビスタに負けない」という自負があったのだろう。

 アパパネは自分のレースを貫いた。直後に迫っていたブエナビスタを待たずに、自らのタイミングでスパート。それを待っていたかのようにブエナビスタも追撃を開始するが、蛯名騎手ら陣営にはそれを跳ね返すだけの自信があった。

 結果は、アパパネがブエナビスタをクビ差抑え込んでの勝利。ゴール直後、蛯名騎手が珍しく派手なガッツポーズで喜びを爆発させている姿が印象的だった。

 あれから9年。ここで燃え尽きたのかアパパネはその後、かつての輝きを取り戻せずに引退。一方、ブエナビスタは同年のジャパンCを制覇するなど、最後まで最強女王だった。

 ただ、このヴィクトリアマイルに限っては、アパパネがブエナビスタを上回った。

 最大の勝因は、アパパネを信じ抜き「勝つ競馬」を貫いた蛯名騎手や陣営の信頼関係だろう。ここまで培ってきた人馬の絆が大きな自信となり、ブエナビスタを必要以上に恐れなかったことが乾坤一擲の走りに繋がった。

 今年のアーモンドアイが、かつてのブエナビスタ級の注目を集めることは間違いない。しかし、そんな“最強女王”を恐れない陣営にこそ勝機はあるはずだ。

JRAフィエールマン宝塚記念(G1)へ黄色信号!? 「少し様子をみてから」アーモンドアイとの”兼ね合い”も?

 14日、今年の天皇賞・春(G1)で連覇を飾ったフィエールマン(牡5歳、美浦・手塚貴久厩舎)が、予定している宝塚記念(G1)を回避する可能性があることがわかった。

「現在、ノーザンファーム天栄に放牧されているフィエールマンですが、レースのダメージが小さくないとのこと。予定されている宝塚記念には『少し様子をみてから』と慎重な姿勢を示しているようです。

 もともと体質に弱い所があって、デビューが遅れていた馬。3歳秋に菊花賞(G1)を制したのが、キャリア4戦目ですし、レース間隔を必要とする馬で、5歳春の現在でもまだ10戦しか使われていません。昨年も天皇賞・春の後は、夏の札幌記念(G2)でしたし、陣営としても慎重な判断が求められそうです」(競馬記者)

 また最終的な決断は、今週末に行われるヴィクトリアマイル(G1)の「結果に左右されるのでは」という意見もある。

「今週のヴィクトリアマイルに出走するアーモンドアイが以前から、この後、宝塚記念(G1)に向かうのではないかとウワサされています。もしヴィクトリアマイルを順当に勝利すれば、春のグランプリ出走の可能性も高まりますし、そうなると鞍上は当然、主戦のC.ルメール騎手でしょう。

 一方のフィエールマンも主戦はルメール騎手。もしアーモンドアイが出走して来れば、昨年の有馬記念のように“代打”を手配する必要が濃厚でしょうし、陣営のトーンは下がらざるを得ないでしょうね。“ルメール・ファースト”を背景に、さらに無理しない結論になってもおかしくありません」(競馬記者)

 この春は2006年のディープインパクト以来となる「天皇賞・春→宝塚記念」の連勝が期待されているフィエールマン。果たして、無事に春のグランプリを迎えることができるのだろうか。

JRA勝負強さを取り戻したM.デムーロ。「復活」の裏で、あの騎手が“スランプ”突入か……

 先週行われたNHKマイルC(G1)は9番人気のラウダシオンが優勝し、4年連続で3連単は10万馬券が飛び出す結果となった。伏兵を勝利に導いた立役者はやはりM.デムーロ騎手だろう。

 先行馬有利の馬場状態を読み、逃げるレシステンシアを徹底マークしての勝利は鞍上の手腕が大きいはずだ。かつての勝負強さを取り戻したように思われるデムーロ騎手。復活の裏には新しいエージェントの川島康孝氏との良好な関係が影響しているとも噂されている。

 その一方、デムーロ騎手と同じく川島氏をエージェントに起用している丸山元気騎手は苦戦を強いられているようだ。

「元々、丸山騎手は戸崎圭太騎手、内田博幸騎手と同じエージェントをつけていました。そのため3番手の位置付けとされることを嫌い、エージェントを川島氏に変更しました。これが功を奏し、再ブレイクを果たすことができました」(競馬記者)

 昨年は71勝を挙げた丸山騎手。70勝を超えたのは2011年以来、8年ぶりで、さらに重賞4勝は自身最多と再ブレイクどころか飛躍の年とも言える活躍だ。

 だが、今年はいまのところ17勝、重賞は未勝利と昨年と比較するといまひとつの成績である。これにはデムーロ騎手が同じエージェントになったことが影響しているようだ。

「当初、丸山騎手は川島氏がデムーロ騎手を担当する事に反対していたとか……。しかし、『デムーロ騎手を担当することで相乗効果がある』と説得され、納得したという経緯があったようです。

 今年はローカル回りはやめて中央場所で勝負する予定でしたが、東京開催は馬が集まらないという事で、再びローカルの新潟で乗ることになってしまったようです。さらに丸山騎手が中央場所で乗る予定の馬が、デムーロ騎手に流れる事案もちらほら見受けられます。今の丸山騎手は気の毒でなりませんね……」(同)

 このような状況が影響してか、先週の新潟開催では11鞍に騎乗するも未勝利に終わってしまった。騎乗馬の内訳は1番人気1回、2番人気3回、3番人気2回と、決して馬質が悪かったわけでない。メンタル面の心配をしてしまうほどの内容である。

 さらに、今週は丸山騎手がコンビを組んでいたステルヴィオが、川田将雅騎手に乗り替わりで京王杯SC(G2)に出走することになってしまった。オーナーサイドの意向とはいえ、今の丸山騎手にとってはダメージが大きいだろう。

 その一方、絶好調・デムーロ騎手の今週末は有力馬であるラヴズオンリーユーで、ヴィクトリアマイル参戦と順風満帆だ。

 再ブレイクを果たした丸山騎手にとって、今が正念場なのかもしれない。この逆境を乗り越えて、昨年以上の成果を上げることに期待したいところだ。

立憲・福山幹事長は「議員失格」だ…参考人質疑に呼んだ尾身氏を“恫喝&話を遮り”の暴挙

 立憲民主党福山哲郎幹事長(京都府選挙区)が参議院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症の政府専門家会議の尾身茂副座長に対して行った参考人質疑のあり方が波紋を広げている。特に福山氏が尾身氏の説明を途中で遮った上で、「まったく答えていただけませんでした」などと言い放ったことについて、インターネット上で批判が噴出している。

尾身副座長の説明を途中でシャットアウト

 福山氏は11日の同委で、「感染者総数は政府の報告よりも潜在的に多いという推測」について尾身氏に3回にわたり認識をただした。質疑の最後に尾身氏が東京都の陽性率を引き合いにして説明を加えようとしたところ、途中で「私が言っていることについて答えてください」「短くしてください」と言葉を挟んだ。尾身氏が説明を終えると「まったく答えていただけませんでした。残念です」と述べた。

 ネット上では、「完全にパワハラだ」「恫喝のようにみえる」などと批判が殺到。国会内でも福山氏の姿勢に関する疑義が与野党を超えて広がっている。立憲民主党の衆議院議員秘書も次のように嘆息する。

「あれはないです。福山幹事長体制になってから、党内で過激なパフォーマンスが目立ち、一部の先生は眉をひそめています。本来、うちの党はファクトを積み上げて与党を追及するスタンスが主流だったはずなのに、最近はしっかり情報の裏を取らない例が増え、事前に有識者や官僚にヒアリングしてから質問に立つ例が減っている気がします。大きな声では言えませんが、菅直人元首相が取り仕切っていたころの民主党を思い出します」

福山氏「敬意をもって質問をした」と謝罪?

 こうした事態に福山氏は13日夜、みずからのインターネット番組で次のように謝罪した。

「尾身氏には、この間のご尽力に感謝と敬意を申し上げて、敬意をもって質問していたつもりだが、少し言葉も含めて厳しい口調になった。不快な思いをさせた方々がいらっしゃるということで、今後は丁寧な質疑をしたいと思うし、私の本意ではなかったのでおわびを申し上げたい」

高橋洋一氏「参考人の発言を遮った福山氏は議会人失格」

 一連の国会でのやり取りと、福山氏の謝罪に関し、嘉悦大学ビジネス創造学部教授の高橋洋一氏は14日、Twitterで以下のように投稿し、問題点を指摘した。

「尾身氏を参考人として国会に呼びながら、その発言を遮ってしまった福山氏は議会人として失格でしょう」

 さらに高橋氏は当サイトの取材に対し、次のように話した。

「人間の資質がどうこうというより、議会運営のやり方として、福山哲郎議員のやり取りに関して所感を投稿しました。国会というのは基本的に、国会議員同士のやり取りの場です。

 ただ議題によって今回のように参考人は与野党合意のもとで呼ばれます。その際は、とにかく参考人の意見を聞くのが国会の常識でした。

 多くの参考人は自分の仕事や時間を犠牲にして出席しています。参考人の都合で国会日程が決まるわけではないからです。私も何度か参考人として国会に呼ばれたことがあるのですが、多くの場合、出席の要請があるのは前日など直前です。参考人が国会からの招致を拒否するのは容易ではありません。そのため、いろいろなスケジュールを繰り合わせて出席します。そういう事情で参考人が招致されていることは、多くの国会議員も知っています。

 だからこそ、参考人からどのような意見が出ても最後まで聞くことが国会審議の正しいあり方です。仮に自分たちに不都合な意見が出たとしても、最後まで意見を聞くことが必要です。その意見を与野党でどう取り上げるのかは自由ですが、そもそも意見を聞かないというのは前代未聞です。意見を聞かない参考人質疑はあり得ません。

 今回の福山議員の質問では、明らかに参考人の話を途中で遮っていました。しかも福山議員は立憲民主党幹事長であり、野党の代表のひとりとして国会審議をリードし、適切に運営する立場にあります。だからこそ、今回の質問には驚きました」

 国会は言論の府だ。まず相手の話を聞かなければ議論などできないはずではないのか。

(文=編集部)