和心(わごころ)のIPO(新規上場株・新規公開株)に関する基本情報から分析、価格予想など、銘柄ごとの詳細データを公開! IPOに参加するかどうかは、事前に入念な銘柄分析や初値予想が必要。そのために必要な企業概要やら主幹事証券会社、公開規模、事業内容、売上高や利益と いった過去の業績、既存の大株主などの詳細なデータを公開。さらにはフィスコによる「市場の注目度」の分析や「業績コメント」「銘柄紹介」「投資のポイン ト」も掲載!
体験の共有が鍵になる
前回に引き続き、電通イージス・ネットワークのカラが発表した「TOP 10 TRENDS」から、2018年のデジタルの10大潮流を紹介する。

デジタルメディアのおかげで、私たちは好きなものを好きな時に読んだり、見たり、聴いたりできるようになった。
ライブ動画は、参加することを重視する傾向にある。セルフィーをアップした時は、どのくらい「いいね」やコメントが寄せられているかを後で確認する人が多く、ライブ活動に参加する時は、その時その場所での交流を楽しむことを多くの人が望んでいる。
新しいアプリや機能の登場で、より簡単に体験の共有ができるようになった。
ゲームショーアプリの「HQ(エイチキュー)」は、視聴者が参加できる15分間のクイズ番組を1日2回ライブ配信している。選択問題を間違えるとゲームから脱落するが、番組を視聴し続けることは可能だ。
ビデオチャットアプリ「Houseparty(ハウスパーティー)」では、複数の友達がグループチャットに参加できる。友達同士でテレビ番組を一緒に見たり、寝る前のひと時を一緒に過ごしたりする際に有効活用されているようだ。
インスタグラムは現在、自分のライブ動画に友達を招待し、スマホで友達と一緒に配信ができるようになっている。
「Uptime(アップタイム)」は、YouTubeの新しいiOSアプリで、ビデオを友達と同時に見ることができる視聴室を設けることができるようになった。

ネットフリックスでは、ユーザーがいつでもあらゆるコンテンツを視聴することが可能だが、最近は番組用のイベントづくりに力を入れている。ハロウィーンの週末にリリースされた番組「ストレンジャー・シングス 未知の世界 2」は、公開直後の週末に1600万人ものファンが視聴したと推測されている。
アマゾン、ネットフリックス、スナップチャット、フェイスブックといったテック企業も、スポーツのライブ放送権に関心を持っている。なぜならば、ライブのスポーツ観戦は大勢の仲間と共通の体験を味わえるからだ。
アナログメディアやオフライン世界の集団体験をデジタルメディアが再現しようと試みているように、これからは新たな体験を生み出したり、既存の体験に人々を参加させたりすることを考える必要があるだろう。iPodによる音楽の個人視聴がライブコンサートの再流行につながったのと同じように、オンデマンドビデオの人気の高まりが、映画館に訪れる人を増やすかもしれない。
世界を変えた6つの「気晴らし」の物語
未来を知りたくない人なんていますか?
昨今、経済ニュースをよくよく読んでいると、AIやブロックチェーンなどの新しい技術がもたらす未来社会へのインパクトを論じた記事や、超少子高齢化社会の到来を目前にして、日本(企業)はイノベーションを起こし、高い生産性を早急に実現すべし、という論考などがあふれています。
そして、多くの論者が「未来をシミュレーションし、課題と機会を知り、来るべき変化の時代に今から備えておきましょう」と主張しています。
おそらく、今、よっぽど能天気な人でもない限り、(それが、悲観的なものか楽観的なものかは分かりませんが)私たちの「未来」はどうなるのか、ということに関心のない人はいないでしょう。
あらゆる分野において、変化のスピードが加速度的に上がっている現在、少しでも、今からわかる「未来」があるなら、なるべく早く知っておきたい、と思うのは、人情でもあり、競争が激化している各企業の経営者にとっては、大きな問題でしょう。
ある意味、私たちは現在、「未来中毒」と言ってもいいくらい、未来へ執着しているのかもしれません。
実際、グローバル規模でイノベーション事例を集め、新しいアイデアのリサーチをしている私たちのところにも、多くのクライアントから、「未来」はどうなるかを教えてほしい、一緒に「未来」を描き、戦略を立てるのを手伝ってほしい、という相談を多く頂きます。

計算できる未来はほんの一部にすぎない
しかし、ここでちょっと冷静になってみてください。
そもそも未来は、そんなに簡単に描けて、その上、イノベーションはそんなに簡単に設計できるものなんでしょうか?人々のニーズがこれからどのようになっていくのか、なんてそんなに単純に描けるのでしょうか?
多くの企業は、中長期的な経営戦略を立てたり、研究開発の計画を立てたりしていますが、そんなにうまく未来の社会や経済をシュミレーションできるものなのでしょうか。そして、それは創造的な未来なのでしょうか。
もちろん、可能な限りの努力をして、なるべく正確な計画を立てることは重要です。それをしなければ、近代的な経営は成り立ちません。「これから高齢者が増える」なんてことは、シミュレーションから明らかではあります。しかし、私は、全ての未来が、「現在の延長線上」にあるものだとも思えません。むしろ、半分以上は、予測不可能なシナリオになるのではないかと思うのです。
というのも、人間は、いい意味で、行き当たりばったりの「偶然」の出会いから「思いつく」ことがある生き物だからです。そして、人間は、「偶然に思いつくこと」を、あらかじめ、「計画」することはできません。「この企業は2年後にバイオテクノロジーの分野で画期的な発見をするだろう」なんて予測ができたら大変です。ノーベル賞を受賞するような素晴らしい科学者は、その計算能力や処理能力以上に「まだ誰も気付いていないことを発見したこと」が評価されているように思います。研究者としての、血のにじむような努力があるとは思うのですが、その努力の先に「偶然」思いつけたこと、ある種の奇跡的な発見があったからこそ、評価されているように思うのです。努力をしている研究者は非常に多い中で、その中でも偶然の力が味方した人のみが、歴史に名を残しているように思うのです。そして、そんな偶然の発見が、「今」とは不連続な世界を開くものだからこそ、素晴らしいのです。
すなわち、未来とは、半分は、偶然に思いつかれたものから生まれてくるものだと思うのです。いわば、計算できる未来なんて、人間の可能性の半分、つまり、人間の創造性を信じていない未来だ、とも言えないでしょうか。
考えてみてください。ほんの数年前は、ブロックチェーンなんて言葉や、Eスポーツなんて言葉は、一部の専門家や、コアなファン以外は知りませんでしたよね?
しかし、偶然生まれた優れたアイデアが、大きく世の中を変えることがあります。当たり前ですが、現状分かっているデータをいくら集めて、計算しようとも、そうは簡単に描けないのが「未来」の面白いところであり、難しいところでもあるのです。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回紹介するこの『世界を変えた6つの「気晴らし」の物語』(朝日新聞出版)は、まさに、過去の人々が、意図せず、偶然にやっていたこと、さらにいえば、「経済的な意味など考えていなかったこと」こそが、後世の人たちによって、偶然に「意味」を見いだされて、社会的、経済的、文化的イノベーションにつながった、という事例を集め、歴史の物語として描いています。
私たちは、未来を考える時、ついつい、生真面目な研究の先に何かを思いつくと思ってしまいがちですが、歴史をひもとくと、意外や意外、今、革新的な技術として世の中に意味を持って、普及しているものも、元をたどれば、ある人が「気晴らし」や「趣味」でやっていたこと、いわば「無意味なもの」が案外多いぞ、ということがわかるのです。
コンピューティングの起源には、おもちゃの楽器があった
例えば、コンピューティングはどのようにして生まれたのでしょうか?本書によれば、9世紀に生きた、イスラムの玩具設計者バーヌ・ムーサ兄弟による「ひとりでに鳴る楽器」までさかのぼれるといいます。
バーヌ・ムーサの装置には、それまでどの楽器設計者も実現したことのない、きわめて重要な特徴がひとつあった。そのオルガンの音を鳴らすのは、鍵盤上の人間の指ではない。そうではなく、ピン付きシリンダーと呼ばれるようになったものー兄弟間での呼び方では小さな「歯」が表面に不規則に配された樽ーだった。樽が回転すると、その歯が一連のレバーを作動させ、それがオルガンにパイプを開いたり閉じたりする。(中略)本物の音楽家が奏でる音を、黒いロウで覆われた回転ドラムに記録することによって、メロディーをシリンダー上にコード化できることも、兄弟は説明している。(P105-106)
著者によれば、コンピューターの元は、プログラムできる楽器のおもちゃだったのだというのです。その偶然の発見が、のちに音楽のパターンを、「模様」に応用できると考えた人につながり、さらに着色の領域でも応用可能であるとアイデアに飛び火し、産業革命期における、機織り機の発明につながります。そして、ついには計算機に応用されて、コンピューターへと行き着いた、というプロセスが紹介されていきます。あたかも、合目的的に生まれたように思えるコンピューターも、元は、遊びや、祈りのための「楽器」だったというわけです。
本書では、他にも現代のショッピングモールは、古代から中世にかけてティリアンパープルという特殊な紫色に染色された衣服を求めた上流階級たちのファッションの流行から生まれている、ということまでさかのぼって、偶然のつながりをひもといたり、18世紀、ライプツィヒの怪しげな霊媒師の見世物が、3D映画につながるスリリングな過程を紹介したりしています。
時には気晴らしも大事ですね
本書では、「もともとは、そういうつもりではやっていなかったもの」「ただの遊びで、経済活動とは無縁だったもの」たちが、数奇な運命をたどり、世界を変えるイノベーションにつながったという話が描かれています。
もしかすると、今は大人たちが眉をひそめてしまうような子どもの遊びも、100年後には、世の中をあっと驚かすようなイノベーションにつながっているのかもしれません。
さて、ここまでくれば、私の言いたいことはもう伝わったと思います。未来を考えるには、時には「気晴らし」をすることや、「偶然」の力も利用することが大事なんですよね。未来の計画に疲れたら、旅に出てみたり、過去の文化に学んでみること、お金のことなんて忘れて遊んでみるのも、とても大事なことなのかもしれません。それも立派なイノベーションへの近道なのですから。
【電通モダンコミュニケーションラボ】
捏造の次はデータ隠し!厚労省が「裁量労働制のほうが労働時間が長くなる」という“不都合なデータ”を隠蔽
「2017年 日本の広告費」解説―止まらないインターネット広告費の伸長で6年連続のプラス成長
2月22日、「2017年 日本の広告費」が発表されました。マスコミ4媒体、インターネット、プロモーションメディアの各広告市場の変化について、電通メディアイノベーションラボの北原利行が解説します。

2017年(1~12月)における日本の総広告費は前年比101.6%の6兆3907億円で、2012年から6年連続で前年実績を上回りました。
日本の広告費は、マスコミ4媒体の広告費とインターネット広告費、そしてプロモーションメディア広告費に大別できます。総広告費におけるそれぞれの構成比は、マスコミ4媒体が43.7%、インターネットが23.6%、プロモーションメディアが32.7%となっています。
ここ数年、マスコミ4媒体とプロモーションメディアの構成比が次第に低下する一方、14年以来2桁成長を続けるインターネット広告の構成比は年々高まっており、17年には日本の広告費全体の4分の1弱をインターネット広告が占めるに至りました。

金額ベースで見ると、新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディアのマスコミ4媒体広告費は、前年比97.7%の2兆7938億円で3年連続の減少となりました。この中でラジオ広告費だけは、前年比100.4%の1290億円と2年連続でプラス成長となっています。
プロモーションメディア広告費は、前年比98.5%の2兆875億円で3年連続の減少となりましたが、「屋外広告」「展示・映像ほか」については5年連続でプラス成長となりました。
4年連続で2桁成長を遂げているインターネット広告費は、前年比115.2%の1兆5094億円となり、1兆5000億円台に乗せました。内訳を見ると、昨年1兆円を超えた媒体費が好調で前年比117.6%の1兆2206 億円、制作費も前年比106.1%の2888億円となっています。さらに媒体費を細かく見ると、前年比127.3%の9400億円に達した運用型広告費が大きく伸長しています。予約型広告から運用型広告へのシフトがいっそう進んだ結果として、インターネット広告の媒体費における運用型広告の構成比は77.0%と、全体の4分の3以上を占める規模となりました。
17年を通して見ると、円安を追い風にした企業業績の回復、株価上昇、雇用環境の改善など、戦後2番目の長さといわれる景気拡大に連動するかたちで、広告費もわずかながら拡大したといえるでしょう。

クライアントもメディアもデジタル・トランスフォーメーションが進む
ここ数年の傾向として、インターネット広告費の伸びが広告費全体を押し上げる要因となっています。また、昨年に引き続き、モバイル視聴のさらなる浸透による動画広告隆盛のかたちに変化は見られません。
17年に顕著だったのは、さまざまな局面でデジタル・トランスフォーメーションが進んだこと。例えば、従来は予約型の広告利用が主だった自動車や通信などの業種で運用型広告の活用が進み、これまでマス広告の利用が盛んだった食品や飲料といった業種でインターネットへの出稿が増加しています。特にナショナルクライアントによるデジタル・トランスフォーメーションは、今後さらに加速していくと思われます。
テレビや新聞が強いといわれてきたブランド広告についても、インターネットの運用型広告を活用する動きが拡大しています。特に動画広告による認知や好意、購買意欲度を高めるブランドリフト効果が注目されており、調査機能とともにセールスを行うケースが増えています。
ブランディングに関しては、一般的に長期的な記憶に基づいて形成されるものと考えられてきたわけですが、どちらかというと短期的な効果を追究してきたインターネット広告に新たな可能性が開けてきているといえます。こうした動きはクリエーティブの多様化や深化と無縁ではなく、非常に楽しみな領域です。
また、アナログとデジタル、それぞれの媒体特性を生かしたコミュニケーション活動が増加する傾向も見られます。例えば、マス媒体の強みを生かし、テレビスポットと運用型広告を連動させるなど、横断的なメディアプランニングに対する需要がますます高まってきています。
新聞や雑誌といったマス媒体によるデジタルシフトの動きも拡大しています。新聞各社のデジタルへの取り組みが進む一方、海外で発生したブランドセーフティー問題をきっかけに広告価値毀損への関心が高まり、リスクを回避したいというクライアントニーズに応えて、参加できるクライアントとメディアを限定したPMP(プライベート・マーケット・プレイス)の運用領域が拡大しました。また、ネットと連動した紙面企画や他メディアとの協働も増えています。
同じように、コンテンツの質で評価の高い出版社系のデジタルメディアが成長しており、出版社由来のデジタル広告の売り上げは2年連続で2桁成長を遂げています。雑誌はもともとコミュニティー的な性格を持っているメディアで、ネットとの親和性も高いため、SNSを活用したプロモーションや読み放題サービスなどをベースにした新たな広告展開が期待されます。
広告市場はアナログとデジタルの組み合わせが重要に
以下、注目されるポイントをいくつかご紹介します。
・新たなメディア特性を獲得しつつあるラジオ
マスコミ4媒体で唯一前年比プラスとなったラジオ広告費ですが、その要因のひとつがradiko.jp(ラジコ)の定着です。もともとプレミアム会員数が堅調に増加しているところに、昨年秋以来ラジコを搭載した、音声インターフェース対応のスマートスピーカーが販売され、さらなる利用者の増加が期待されています。
全国的に地域のコミュニティー放送が定着しつつある状況からは中高年層のリスナー像が浮かびますが、「モノからコトへ」のトレンドが強まる中、ライブイベントとも相性の良いラジオは、“ながら視聴”が常態化している若い世代にとっては、どこかアナログのにおいと身近な雰囲気を漂わせる新鮮なメディアといえるのもしれません。
・アナログとデジタルの組み合わせで最適化を図る
インターネット広告制作費は堅調に推移しています。気になるポイントとして、ここ数年減少傾向にあったバナー広告の制作費がここにきて増加しています。その背景には、さまざまなデータを一元管理するDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)などによる広告配信の最適化への取り組みがあります。配信先のユーザーに合わせて複数のバナーを出し分けるニーズが増大しているのです。
ネット広告の仕組みが自動化・最適化に向けて進化していくに従って、広告配信の対象は集団から個人へと変化しつつあります。個人に向けた配信の最適化は、One to Oneマーケティング、あるいはカスタマーセントリックに通じる考え方といえます。電通でもPDM(ピープルドリブンマーケティング=人を基点としたマーケティング)を掲げており、広告配信の個人最適化の方向に大きく踏み出しています。
また、アナログとデジタルの組み合わせもさまざまに進化し始めており、例えば個人対応のバリアブル印刷でQRコードを掲載したダイレクトメールを送付し、個々の顧客をウェブに誘導する仕組みで成果を上げているケースもあります。全てをデジタルで完結させようとしてメールマガジンを配信するよりも、実はアナログな印刷物などを送付した方がウェブへの誘導効果が高く、有効なデジタルマーケティングにつながるというケースもあるわけです。
インターネットが普及してから二十余年。さまざまな出来事や経験を踏まえたところで、生活者も企業も、アナログかデジタルかの二者択一ではなく、それぞれの嗜好に応じた新たな組み合わせ、効率的な組み合わせを模索しているのではないでしょうか。
・人工知能は広告の夢を見るか?
すでに広告クリエーティブの分野ではAI(人工知能)の活用が始まっており、AIが書いた広告コピーなども登場していますが、今後の人工知能と広告の関係は気になるところです。
例えば、AIがセンサーを駆使して人間の感情をデータとして取り込むなどのテクノロジーが実現すれば、現在よりもはるかに精緻なマーケティングのアプローチが可能になるかもしれません。
その一方、そもそも人はいかなる刺激によってモノを購入するのか、というミステリアスな問いに対する回答は、デジタルテクノロジーがどれだけ進展してもそう簡単には得られないとも思います。デジタルの可能性を追究しながら、人間そのものに対する興味や関心もさらに深めていく必要があるのではないでしょうか。
「2017年 日本の広告費」詳細はこちら(電通ニュースリリース)。

被害額300億円!昭恵夫人が怪しい投資商法の広告塔に!「私は総理大臣の一番近くにいる存在」と語り宣伝に協力
「ビジョン」なんて、ホントに役立ちますか?
嗚呼、金沢に行きたい!
新幹線に乗っちゃえば、たったの2時間半。ズワイガニや幻のステーキなんてぜいたくを言わなくとも、ブリにガスエビ。加賀野菜や治部煮。おでんもうまいし、地酒は抜群。気分転換の洋食だって充実しているし、食いしん坊にはたまらん街です。たとえば香港だとご飯はおいしくても、食事と食事の間、そのインターバルにやることがなくて困っちゃうのですが、金沢ならその心配も無用。美術館や庭園巡りはもちろん、個人的には「九谷焼」が大きな楽しみです。
中でも代表的な技法のひとつである「青粒(あおちぶ)」。地色の上に配された小さな小さな青色の点で構成される美しい文様。作家さんによって粒の大きさや並び方はまちまちなのですが、熟練の技で見事渦状にコントロールされた作品なんかを見ちゃうと、ほれぼれします。
「古九谷」ならぬ「今九谷」という取り組みをなさっているプロデューサーの中村太一さんと、アーティストでサイエンティストの中村元風さんから「グレイズ」シリーズのお話を伺ったときも、正直なところ、あの「青粒」を現代風にアレンジしたシリーズだろう、くらいに思っていました。しかし何度か作品を拝見していくうちに、その解釈がかなり的外れであることに気が付きました。

最近の個展に並んでいたのは、こんな作品です。一見するとキャンバスに液状の顔料を飛散させて描いた現代画のようにもみえますが、この黒くフラットな背景も焼物。そこにみずみずしい釉薬が、水玉の球状をそのままに焼き付けられているのです。重力を拒否したような、時間が止まった世界。作品のそばには「Dont touch!」ならぬ「Please touch」の張り紙がありますが、それもこれが焼物だから。直に触って感じることができます。


展覧会の入口に飾られたこの作品は北陸の雪深い土地から何かが誕生する、その瞬間をとらえた彫刻にも見えます。加賀前田家唯一の御用窯という九谷焼の伝統を受け継ぎながら、同時に、見たことがないようなチャレンジをなさっているのです。
私は、ひとりの芸術家として、ひとりの科学者として、人類の永続を祈り続けてきました。人類は、自然に対して尊敬と畏怖の念を抱き、自然との共生を図るべきであります。(中略)
私の芸術は、自然と人類が創り出す両者の理想的な関係を形にしたものです。水、土、鉱物、金属など、約40 億年前、地球が生命を育んだ当時に存在した物質を主な材料とし、同様に存在した大気、熱、重力といった自然のエネルギーを大いに借りて制作します。(中略)
自然と人類が対等な関係を超越し、両者が分かち難く結びつく。これは、新たな生命体の誕生です。我が最愛の作品たちには、世界を変える力があると信じています。人類の永続のために。
中村元風さんの「人類と自然との共生」というビジョンは確固たるものです。その裏側には、全ての存在は同等であり、お互いが敬意を持って付き合うことによって初めて両者の可能性を最大限引き出すことができるという思想があります。
とはいえ、そのビジョンは容易に実現できるものではありません。さて、何がネックになっているのでしょう?中村元風さんはたぶん「現代人は自然との距離感が分からなくなっている」ことが課題だととらえ、「地球をつかまえる」ことで解決できると考えたのでしょう。つまり水や土、鉱物、金属といった物質を駆使して生き生きとした作品をつくることによって、自然に包まれた人間の手のひらで小さな自然を包み込もう。そんな関係性を提案しているように思えました。
そしてビジョンや課題に導かれた具体的な取り組みはクリアです。
たとえば先ほど名前を挙げた「グレイズ」というのは、日光を受けて輝く水滴の輝きを永遠化したいという思いで開発したオリジナルの釉薬のこと。口で言うのは簡単ですが、歴史上存在しない釉薬をつくりだすのは非常に困難で、時間もかかる作業だそうです。挫折することなくそれを成し遂げられたのも「ちょっと面白そうだから」という以上の、明確なビジョンがあったからでしょう。
「地球をつかまえる」というコンセプトは中村元風さんの言葉ではなく、ぼくが作品を眺めながら勝手に夢想したものですが、こうして「視点」を言語化することによって、一つ一つの作品が身近に感じられました。
絵画とも陶芸とも言いづらいこの手法の未来には何が待っているのでしょうか。例えば絵と違って水にぬれても大丈夫などころか、ひと味違う風合いすら生まれる陶器の特性を生かして、屋外に大きな作品を展示することもイメージなさっているようです。
伝統が、ビジョンによって新たな生命を吹き込まれ、今に生きています。
どうぞ、召し上がれ!
広告企画やプレゼンにおけるサンプルイメージの取り扱いには注意!
この連載では、書籍『広告法』の中から、特に実務的にフォーカスしたい点を取り上げて、Q&A形式で解説していきます。
今回は、広告企画やプレゼンにおけるサンプルイメージの取り扱いについて取り上げます。
Q.広告の企画やプレゼンテーションの際に,完成形のイメージを共有するために,ヴィジュアル、音楽などについて既存の作品をサンプルイメージとして使うことがあります。どんなことに気を付ければよいでしょうか?サンプルイメージの利用としては、例えば既存の写真・映像などのヴィジュアルをサンプルイメージとしてプレゼンテーションにおいて使用し、「このようなイメージのグラフィック広告にします」と説明したり、企画チーム内で「このようなイメージのオリジナル曲を作曲するのはどうか」と内部で検討したりするようなケースです。
A.完成品がサンプルイメージに強く影響を受けることによって、著作権侵害(複製・無断改変など)が問題となることがあります。著作権法に基づいて使用の差止めや損害賠償請求を受けることもあるのです。
したがって、サンプルイメージの取り扱いについては、広告ビジネス実務的には細心の注意を払う必要があります。
あくまでもイメージ共有のためにサンプルイメージを利用した場合においても、完成した広告制作物が、サンプルイメージとは別の独立した創作物として認められるかどうかについて迷うことがあるかもしれません。
このような場合には、企業内の専門セクション等のチェックを受けるようにしてください。
【基礎知識】
著作権について簡単に解説します。
1.著作権とは?
①「思想又は感情を創作的に表現したもの」は著作物
②「著作物を創作した人」が著作者
③「著作者が著作物を独占的に利用できる権利」が著作権
2.著作権が有する権利とは?(以下が全てではありません)
① 他人に無断で自らの著作物を複製(コピー)されない権利
② 他人に無断で自らの著作物を改変されない権利
③ 改変したものを利用されない権利
したがって、他人が思想又は感情を創作的に表現したもの(=著作物)を無断で広告に利用(無断複製)したり、少しだけ変えて利用(無断改変)したりする場合には、著作権侵害の問題となり得るというわけです。
詳しくは、広告に関連する法規制を網羅的に、実務的に、理論的に解説を試みた『広告法』を手に取ってみてください。


