富山県に見る、コロナ対抗策 団体やメディアがプロジェクト、キャンペーンを展開

昨今のコロナ禍による生活の変化で、自粛疲れなどが浮き彫りになる中、多くの企業・団体やメディアが、それに対抗するさまざまなプロジェクト、キャンペーンを立ち上げている。ここでは、富山県の事例を紹介する。


「Think at home いまだからこそじっくり未来を考えよう」

富山の市街地活性化を推進するTOYAMATOは5月、県の未来に向けたプロジェクト「Think at home いまだからこそじっくり未来を考えよう」を始動した。家で過ごす時間が増えた今だからこそ、STAY HOMEの次のフェーズを見据え、「未来」をどう捉えどう過ごすかを、各界の第一人者とともに考えるもの。

※「TOYAMATO」は、アトム、北日本新聞社、石川歩氏(プロ野球千葉ロッテマリーンズ)の3者が、2019年12月に設立した新会社。
関連記事:https://dentsu-ho.com/articles/7091


本プロジェクトは、富山の新しい未来づくりのための知を集積し、共有し、発信していくことが目的。家にいながら参加できるリモート会議に、未来を担う子どもたちを招き、さまざまなジャンルで活躍するスポーツ選手や著名人から、今の環境下での思いを聞き、共に未来を考える。
スタートに当たり、県を代表するプロスポーツチーム・富山グラウジーズ(バスケットボール)とカターレ富山(サッカー)の所属選手らが参加し、それぞれのジュニアチームの子どもたちと語り合った。その様子は、公式YouTubeチャンネルで公開。北日本新聞では告知を掲載した。今後もアスリートや著名人に協力を募り継続する予定だ。

TOYAMATO公式チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCpF9N6cCKvSl8cg6gxfiOcQ

Think at home_1
北日本新聞 5月23、24日付紙面
Think at home_2

「クタベ画を描こう」キャンペーン

北日本新聞社と電通西日本は5月30日、富山由来の妖怪「クタベ」の絵を描くことで、コロナ疲れを軽減し元気になってもらおうと、「クタベ画を描こう」キャンペーンを開始した。
クタベとは、江戸時代に富山に現れた妖怪で、「これから原因不明の病が流行するが、自分の姿を絵にして飾れば難を逃れるであろう」と告げた、とされる。
本キャンペーンでは、北日本新聞紙面で、広く一般からクタベ画を募集(6月30日締め切り)し、応募作の中から選ばれたクタベ画を同紙上で随時紹介する予定だ。
募集紙面を飾った、妖怪漫画家の故水木しげるさんによるクタベの原画は、県内で大きな話題を呼んだ。全国的には、同様の妖怪として、「アマビエ」が有名になったが、キャンペーンにより、クタベも広めていきたい考えだ。

【概要】
応募方法:メールまたは郵送(詳細は下記まで)
問い合わせ先: 北日本新聞社営業局「クタベ画を描こう」係
電話番号: 076-445-3373
メールアドレス:kutabe@ma.kitanippon.co.jp    
詳細:https://webun.jp/pub/ad/2020/kutabe/boshu_kutabe.pdf

クタベ画を描こう
北日本新聞 5月30日付紙面

山口敬之に月80万円支払い「OKWAVE」社外取締役に安倍首相と親密な女性実業家! 経営企業で安倍政権が推進する“性暴力電話相談”を受注

 ジャーナリスト・伊藤詩織さんが漫画家のはすみとしこ氏らを提訴したことで、あらためて浮き彫りになったのが、この国の性暴力被害者が置かれた状況だ。本来、被害者は救済を受けるべき存在であり、その主張は広く社会で共有されるべきなのに、日本では逆に被害者のほうに落ち度があったとか、...

離れていても仲間をリードできる。「最強」のチームマネジメント術とは?

コロナ禍によって、図らずも日本社会に浸透したリモートワークの常態化が、私たちの働き方に新たな課題を突きつけています。前編では、オンラインミーティングで創造的なコラボレーションを生み出すためのポイントを紹介しました。

後編では、部下やチームメンバーと物理的に離れている中でも、円滑なコミュニケーションを実現するためのチームマネジメントのポイントを紹介します。

リモートワークでは、チームリーダーからは、物理的に離れた場所にいるメンバーをコントロールできていないのではないかという不安が、メンバーからは、自分の働きが見えていないのではないかという不安が生まれがちです。また経験の浅いメンバーには、先輩や上司にちょっとした相談をこまめにすることが難しい、という悩みも存在します。物理的な距離のギャップを埋めながら、チームワークの質を高めていくスキルが今、求められています。

四つの象限からチームメンバーの特性を俯瞰する

リモート環境において、チームリーダーにまず求められるのが、メンバー全体を俯瞰する視点です。オフィスにいれば誰が何をしていて、どんな課題を抱えているのかが自然に目に飛び込んできますが、離れているとそれらが分かりづらく、チーム全体のコラボレーションでパフォーマンスを最大化していく視点が欠落しがちになります。また、各メンバーとのコミュニケーションの量と質に個人差が生じやすくなるので、注意が必要です。

<図1:メンバーの特性に合わせたアプローチ>
図1:メンバーの特性に合わせたアプローチ

上記の図1は、メンバーを四つの類型に分類し、それぞれの特性に合わせたアプローチを検討するための図です。

縦軸は、「パフォーマンス軸」。現状の業務において十分な成果がでているかどうかで分類します。横軸は、「インテグリティー軸」。インテグリティー(Integrity)とは日本語に訳しづらい概念ですが、本稿においては、「業務の進め方や周囲とのコミュニケーションにおける誠実さ」という意味でお考えください。この四つの軸でチームメンバーの特性を分類し、それぞれに即したコミュニケーションを取ることで、メンバー全体のパフォーマンスを最大化させていきます。

1.「パフォーマンス高&インテグリティー高」のメンバーは、管理し過ぎないこと。

仕事の成果が十分に出ていて、上司や周囲のメンバーにも誠実なコミュニケーションを取ることができる「模範生」ともいえるメンバーです。このような人材に対しては管理をするというよりも、チームのロールモデルとして、そのナレッジやノウハウを他のメンバーに共有したり、経験の浅いメンバーを指導する役割を担ってもらうのがよいでしょう。また、本人のロイヤルティーをより高めていくために、意向をくみ取りながら「次のステージ」を見せてさらなる成長を促していく配慮が必要です。

2.「パフォーマンス高&インテグリティー低」のメンバーは、相談に乗ること。

仕事の成果は出しているものの、上司への「報・連・相」が十分でない、あるいは周囲への配慮やナレッジの共有の意識が不十分なメンバーがこちらに相当します。いわゆる「仕事ができていればそれでいいんでしょう」と言いたげに思えるタイプです。このような人材は、実は仕事に対し、不満や不安を抱えている可能性があります。また、何らかの理由で仕事の成果が出せない状況に陥ったとき、後述の3の象限に移行してしまうリスクもはらんでいます。リーダーは十分にコミュニケーションを取り、現在の業務への不満や、今後のキャリアへの不安を引き出しながら、適切なアドバイスを与えていくことが必要です。

3.「パフォーマンス低&インテグリティー低」のメンバーは、モニタリングすること。

仕事の成果が十分でなく、かつ他のメンバーとのコミュニケーションにも問題を抱えている層で、周囲から問題児扱いされることも多いメンバーがこちらに相当します。このタイプの人材は放置すると、本人のストレスが高まるだけでなく、周囲のメンバーに悪影響を及ぼすリスクが高いと考えられます。リーダーはこのようなメンバーに対しては、積極的に個別指導を増やす、あるいは外部へのミーティング時には必ず同伴するなど、意識してモニタリングをする頻度を高め、きめ細かい指導を通じて成長を促していく労力が不可欠となります。

4.「パフォーマンス低&インテグリティー高」のメンバーは、孤立させないこと。

現在は成果が出ていないものの、仕事に取り組む姿勢や、日々の周囲とのコミュニケーションについては誠実に遂行しているメンバーです。このタイプの人材は、適切な環境と指導を与えることで、次第に成果が伴ってくる可能性が高いと考えます。リーダーは、現状のパフォーマンスをもって周囲から軽んじられてしまい、孤立することがないように配慮することが必要です。また、このタイプの人材に必要なことは、欠けているスキルに対する具体的な改善指導です。そのために、上記1のタイプをメンターとして、学習機会を与えることも有効です。

行動計画はSMARTに

各メンバーとの個別コミュニケーションにおける留意点を下記に整理したのが図2です。

<図2:行動計画はSMARTに>
図2:行動計画はSMARTに

リモート環境においては、リアルでのコミュニケーション以上に、チームメンバー間の明確な役割分担と、きめ細かい意思疎通を必要とします。

チームの成果と個人の成果やモチベーションを同じベクトルに向けるためには、抽象的な課題意識や感情論ではなく、個別の具体的な事象をもとに話し合うこと、また、目標設定に当たっては測定可能な指標について合意しておくことが必要です。

そして、メンバーの現状の力量を踏まえて、難しいけれども達成可能なビジョンや目標を共有すること、かつそれらが、そのメンバーの資質やキャリア志向とかみ合ったものであるときにこそ、エンゲージメントが高まるのです。

最後に、「いつまでに何を達成するのか」という具体的な期間設定も、中長期目標と短期目標に区分した上で入念なコミュニケーションを行い、合意することを忘れないようにしましょう。

ミーティング以外での、チーム力の高め方

チーム力を高める場は、業務に関するミーティングや個別の面談だけとは限りません。必要に応じて以下のような手法で、メンバー間の相互理解を促進し、チームワークを高める工夫をするとよいでしょう。

1.「オープンチャットルーム」の設置

曜日・時間を決めて定期的に、チームメンバーが誰でも気軽に雑談ができる場を設置します。話す内容は、必ずしも仕事に関するものだけでなくても構いません。リモート環境において多くのチームメンバーは、他の人は何をしているのか、自分は取り残されていないかといった不安を多かれ少なかれ、抱えています。カジュアルな雰囲気で近況の情報交換をし合うことは、チーム内の心理的安全性を高めていくために効果的です。

2.「オフィスアワー」の設置

定期的に実施することはオープンチャットルームと同様ですが、こちらは「若手や経験の浅いメンバーが、上司や先輩に相談する」目的に特化した時間です。リモート環境では、業務上のちょっとした不明点を身近な先輩に教えてもらうことが難しく、また教える側も、部下や後輩がどんなことにつまずいているのかを把握しづらい状況です。定期的に相談に乗る時間を設けることで成長を促進するだけでなく、精神面のコンディションを把握する良い機会にもなります。

3.リーダー自身が、組織のビジョンや自分の考えを積極的に発信

リモート環境において、組織内の連帯感、各メンバーの帰属意識をどのように維持、強化するかは大きな課題です。そのために、チームをリードする立場の人材は目先の業務の効率的な推進だけでなく、組織全体の方向性やその中での自部署、チームの役割などをリアル以上に意識して、自分の言葉で発信していく必要があります。そのような場は従来、年頭あいさつや全社ミーティングなど、オフラインの社内イベントで主に設けられてきましたが、今後はリーダーのオンライン環境での発信力が、組織文化を強化するために非常に重要になってきます。筆者はインターナルコミュニケーションを専門領域のひとつにしていますが、コロナ禍の影響を大きく受けている今だからこそ、企業ビジョンの具現化に向けて従業員の連帯感を高め、主体的な行動を促進したいという相談が増えています。

リモートワークはもともと、多様な人材が自分らしく働ける場の実現に向けて推進されてきました。しかしそれは同時に、企業トップをはじめとする組織のリーダーに対して、組織文化の強化に向けたプレゼンテーション、ストーリーテリングのスキルとマインドセットにおいて、リモート環境に適応した形でアップデートすることが喫緊の課題であることも意味しているのです。


制作協力:バルーン・コンサルティング

江崎グリコ 新テレビCM 吉高さんが、モヤっとした気分を「アイスの実」でリフレッシュ(動画あり)

江崎グリコは6月10日、「アイスの実」の新テレビCM「ひやとろリフレッシュ!」編の放送を開始した。イメージキャラクターは、引き続き女優の吉高由里子さんが務める。またCMとは別に、ウェブ動画「アイスの実を食べてない人になんで食べないかリアルに聞いてみた。」編も公開した。

 CMでの吉高さんは会社員役。会社のセキュリティーゲートでいつものようにタッチしたはずの社員証が、なぜか自宅から持ってきてしまったテレビリモコンだったり、食堂で会った男性上司と服のデザインがかぶってしまうなど、クスッと笑えるシーンながら、吉高さんはモヤっとした気分に。
そんな吉高さんは、素材の濃厚な味わいが詰まった“ひやとろ”フルーツ感満点の「アイスの実」をパクリと食べ、気分をリセット。いつもの笑顔を取り戻す。

 

ウェブ動画の舞台は、「アイスの実」をしばらく食べていないという一般の人たちの座談会。語られる商品イメージは“氷を食べるのに近い”“水っぽい”“シャリシャリしている”といったもの。
それをモニタリングしていた吉高さんは、商品を手に会場をサプライズ訪問。吉高さんの出現に驚きながら、手渡された「アイスの実」を食べた参加者は、かつての記憶と異なる食感、味わいに驚きの表情を見せ「デザートのよう」などと高評価に変わる。
吉高さんは、すかさず「溶けそうなぐらいにするのが好き」と、ややソフトな食感になるまで待つお勧めの食べ方を紹介し、「アイスの実」のファンになってほしいと呼び掛ける。

 

テレビCM:https://youtu.be/VyJBIz33bv0

ウェブ動画:https://youtu.be/e---fZj2iZo

 

P&Gジャパン 新テレビCM 今こそ“想いをつないで未来への架け橋に”(動画あり)

P&Gグループ(ワールドワイドオリンピックパートナー、東京2020 パラリンピックゴールドパートナー)のプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンは6月10日、新テレビCM「想いの架け橋」編(30秒)の放送を開始した。

ロゴ

“想いをつないで未来への架け橋に”をテーマに、日常が変わった今だからこそ、前向きな思いが誰かの元気や楽しみに、笑顔につながっていくことや、思いあふれる毎日の先には、きっとより温かく明るい未来が待っていると伝える。
ナレーションは、同社のオリンピックキャンペーン「ママの公式スポンサー」で熱血応援リーダーを務める、タレントの松岡修造さんが担当。いつもと違う、やわらかく温かな声で未来への思いをつむいでいる。
画面では、大きく変化した日常の中でも楽しみを見つけ、人を思いやりながら頑張って生活する人たちの様子を紹介。その中には、水泳の瀬戸大也選手が、在宅トレーニングに取り組む姿も。

 

また同社は、未来への架け橋の一助になればとして、アスリートや医療従事者、コロナ禍で困難な状況にある子どもへの支援活動に、新たに計5000万円の寄付を決めたという。

特設サイト:
https://www.myrepi.com/family

 

マルコメ君のアーティスト活動 「DJ MARUKOME」が,「読めるスパイスカレー」を発売

LINEは6月9日から、同社が運営する「LINE RECORDS」(https://linerecords.me/)の所属アーティスト「DJ MARUKOME」が、食品専門店などを展開するエースと、カレールウやレトルトカレーを製造・販売するキャニオンスパイスとコラボし、レトルトカレー「読めるスパイスカレー」を発売する。
 

DJ MARUKOMEは、味噌製造のマルコメのイメージキャラクター「マルコメ君」が、味噌や発酵を世界に広めるため、2016年からアーティスト活動を開始したもので、その後、LINE RECORDSから正式デビューした。今後は、有名ミュージシャンらとのコラボ企画や、楽曲と連動した施策をより積極的に展開するという。
今回、エースが手掛ける店舗「北野エース」のカレー売り場「カレーなる本棚」が10周年を迎えたことから、両者のコラボによるカレーを発売することになった。同所では商品棚を本棚に見立て、カレーのパッケージの背表紙を見せるなどして陳列し販売。そのユニークさが注目されている。

商品は、“大豆のお肉”とマルコメこだわりの味噌を隠し味に使用。これに、アーティスト・作家・漫画家らによる読み物を同封することで、“読めるカレー”を実現した。
同日発売の第1弾は、タブラ奏者として活躍するユザーンさんによる「発酵する楽器」が封入される。これ以降も、音楽と発酵を掛け合わせたコンテンツを展開する予定で、第2弾はショートショート作家の田丸雅智さん、第3弾は漫画家の豊田悠さんの作品がラインアップされる。
また、パッケージのQRコードから、LINE MUSICの「カレーを食べながら聴きたい曲 By DJ MARUKOME」にアクセスすることで、“聴けるカレー”にもなる。
「DJ MARUKOME」公式サイト: https://www.djmarukome.com/

 

 

香港の国家安全法制「反対声明に日本が参加拒否」の共同電 安倍応援団の「デマ認定」こそフェイクだ! 本田圭佑も踊らされた詐術を検証

 中国が香港での導入を決めた「国家安全法制」。香港で市民の抗議デモが広がっているのはもちろん、国際社会からも厳しい批判の声が上がっている。当然だろう。この国家安全法制は政治活動や言論の自由を奪い、中国の直接支配を強行しようとする制度。「香港の高度な自治」「一国二制度」を崩壊...

オンラインミーティングの成否を分けるものは?

コロナ禍によって、図らずも日本社会に浸透したリモートワークの常態化が、私たちの働き方に新たな課題を突きつけています。

柔軟なスケジューリング、通勤負荷の軽減などのメリットがある一方で、リモートゆえの創発の難しさや、コミュニケーションの希薄化がチームのクリエーティビティーに与える影響など、多くのことが社会全体で浮き彫りになってきています。

アフターコロナでも、確実に私たちの生活の一部となる、リモートワーク。
そのリモートワークの成否を分ける存在が、実は、「ファシリテーター」なのです。

前編では、オンラインミーティングで創造的なコラボレーションを生み出すためのポイントを、そのカギとなる「ファシリテーター」の役割に焦点を当てて解説します。

今、リモート環境における創発が課題に

業務報告や情報共有には問題ないが、イチからアイデアを生み出すようなコラボレーションは難しい―。

リモートワークの長期化に伴い、オンラインミーティングについてよく聞かれる悩みです。

Buffer & AngelListが今年実施した、「世界各国のリモートワーカーに対する調査※1」においても、一番の問題として「コミュニケーション/コラボレーション」が挙げられています。

オンラインとオフラインでは何が違うのか、まずは、それぞれのメリット・デメリットを整理してみました。

<図1:オフライン/オンラインミーティングのメリット・デメリット>
図1:オフライン/オンラインミーティングのメリット・デメリット

自分のアイデアがチームメンバーにどう思われているのか、さまざまなアイデアの中で多くのメンバーが支持するのはどの案なのか、言葉や文字だけでなく、表情や空気感なども含めた、合意形成のために重要となる「一体感の醸成」。

一番の課題は、これをオンラインミーティングで実現するのが難しいことです。

それを克服するために、ウェブ会議システムにはさまざまな機能が搭載されていますが、リテラシーの個人差もあるため、多くの日本企業では使いこなせていない状況です。

さらに、リモートワークが定着してくると、すでにオフラインで十分に交流があるメンバーだけでなく、リモート環境で初めて出会ったメンバーとプロジェクトを推進していく機会も増加していきます。

そのような環境の中で、個々のチームメンバーの能力を十分に引き出しながら、高いレベルのコラボレーションを実現させるスキルとマインドセットの標準装備という、高度なスキルが今、求められているのです。

オンラインミーティングで重要性を増すファシリテーター

リモート環境においては「あうんの呼吸」によって物事が円滑に進むことが期待できない分、リアルでのコミュニケーション以上に、チームメンバー間の明確な役割分担と、きめ細かい意思疎通を必要とします。

また、良好なリレーションシップを維持するために、オフライン時以上の相互の配慮も重要です。それらを担う司令塔の役割を果たすのが、ファシリテーターです。

円滑なミーティングを運営するためにファシリテーション能力が重要であることはリアルの場でも同様ですが、オンラインミーティングにおいてはその巧拙の差が、よりチーム全体のパフォーマンスに直結します。オンラインミーティングにおけるファシリテーターの役割は、以下の三つです。

1.ミーティング全体のPDCA設計

「段取り八分」という言葉がありますが、ミーティング中だけでなく、その事前準備、および事後のアクションの設計が、円滑なプロジェクト運営のためには不可欠です。ミーティングのゴール設計およびアジェンダ設定、その時間配分、そして事前作業の指示もファシリテーターの仕事です。

アジェンダの設定に当たっては、会議の時間内で終わらせることができる分量・内容かどうかに留意することが必要です。また、重要度、緊急度の高いものから順に議論をすることで、重要なことが議論できずに終了時間が来てしまう、いわゆる「尻切れトンボ」のリスクを低減させる工夫も必要でしょう。また、長時間のミーティングの際は60分ごとに10分程度の休憩を入れるなど、メンバーのコンディションを維持するための配慮も忘れないようにしましょう。

限られた時間の中で質の高いコラボレーションを実現するためには、ミーティング当日のディスカッションに必要な事前資料の読み込みや、チームメンバーそれぞれの意見や課題意識を、メールやチャットなどで収集しておくことも必要です。さらに、それらの事前準備をメンバーに遵守させることも求められます。

ミーティングの終了後には、決定事項や次へのアクションなどを迅速に共有することも忘れてはいけません。その際、ファシリテーターは当日の会議の運営に専念し、議事録作成については他のメンバーが実施する方がスムーズです。

<図2:ミーティング全体のPDCAの設計>
図2:ミーティング全体のPDCAの設計

2.中立な立場で、参加者の主体性、可能性を最大化する

オンラインミーティングではお互いの存在を感じにくいことから、発言が一部の人に限られてしまう傾向が強くなります。また、年次、役職の高い人や、チームの中心メンバーは、悪気はなくてもついつい話し過ぎてしまうことが多々あります。そのような時に、ファシリテーターは、時には話し過ぎてしまう人を制止し、発言の少ないメンバーの意見を積極的に引き出す判断が必要です。オンラインミーティングの良いところは、会議室の「上座、下座」のように、場の設計によって力関係が見える化されないところです。これまで以上にフラットな関係性の構築に努めましょう。

フラットなコミュニケーションをつくるための仕掛けとしては、ミーティングの際にいきなりアジェンダに入るのではなく、「アイスブレーク」の時間を設けることが、緊張感の緩和や一体感の醸成に有効です。日本人にはあまりなじみのないコミュニケーションですが、特別なことをする必要はなく、「最近気になった面白いニュース」や「お勧めの情報」などを参加メンバーで情報交換し合うだけでも、十分効果があります。

3.意思表示・合意形成を円滑にするための「リアクションデザイン」

チームメンバーの積極的な参加を促進するためには、アイデアへの反応や絞り込みについて「ルール化」しておくことが有効です。

例えば、ブレストで出たアイデアを絞り込む際に、それぞれの案をトランプで採点する(例:10点満点中5点だったら5のカードを挙げる)、あるいは単純に挙手を募ることで、思ってもいない案が、実は全体の評価が高いと判明することもあります。

<図3:トランプのイメージ画像>
また、質問を募るときにあえてチャット機能を使うことも効果的です。若手や新しいメンバーなど、口頭での質問をためらいがちな人からも、積極的な発言が聴取しやすくなります。口頭での対話とチャットでの意見募集をうまく交えながら、メンバーの参画意識を最大化していくことも、ファシリテーターの腕の見せ所です。

リモートワークの進展によって加速するカルチャー変革

日本では、コロナ禍による「リアルの代替手段」としてリモートワークが急速に普及しました。しかし世界的では、もともとリモートワークは「多様な人材を生かすことができる生産性の高い働き方」として推進されてきました。例えば、欧州では、移民の受け入れやワークシェアリングの推進のために、業務のマニュアル化やペーパーレス化の推進など、リモートワークのベースとなる仕事スタイルが定着してきた経緯があります。

そして、仕事と並行して専門スキルを高めたい知識労働者の自由でクリエーティブな働き方として、あるいは仕事と子育てや介護などとの両立が可能な働き方として浸透してきました。

多様なバックグラウンド、ライフスタイル、価値観のチームメンバーと、リモート環境で質の高いコラボレーションを実現させるには、ツールの使いこなしもさることながら、心理的安全性を保ちながら多様な人材と対話を進めるスキルや、自分と異なる考え方を受容するマインドセットが不可欠です。リモート環境に適応したコラボレーションスキルの進化は、日本企業のカルチャー変革、そして競争力強化に直結すると、筆者は確信しています。

※1:The 2020 State of Remote Work
制作協力:バルーン・コンサルティング 
 

キャリアデザインから見える教育の本義

 

BBT大学ロゴ

床面積0㎡。日本初、100%オンラインで経営が学べるBBT大学。世界110カ国に居住する在学生が、サイバースペースに集結する。その最前線で教壇に立つグローバル経営学科長の谷中修吾教授に、オンライン教育の本質と可能性について聞いた。


私が教鞭を執るビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)では、世界110カ国に居住するビジネスパーソンたちが、100%オンライン環境でビジネスを学んでいます。「起業に必要な専門スキルを習得したい」「学位を取得して、転職につなげたい」皆それぞれ、何らかの形で、キャリアに対する強い情熱を持っています。

オンライン講義の様子
谷中教授によるオンライン講義の様子。東京・麹町のスタジオから配信し、世界110カ国に居住する学生が受講。谷中教授はBBT大学の人気科目『マーケティング基礎』を教えている。

それでは、より良いキャリアとは、一体、何なのでしょうか?

ビジネス教育においても、キャリアそのものを設計する「キャリアデザイン」の重要性がうたわれるようになって久しいですが、その本質はいつも“ふわっ”としています。そのため、一般的に、キャリアデザインという言葉を聞くと、「専門スキルを習得したり、資格をとったりして、キャリアアップを目指すこと」「人材紹介会社と相談しながら、転職の計画を立てること」というように、計画論としてキャリア設計をイメージする方が多いと思います。

未来の自分を想像して、理想とする職業、役職、年収などについて目標を立てる。そして、その目標を達成するための計画を練る。そのようなキャリア設計を否定するつもりはありません。しかし、キャリアデザインの本質を見失うと、歯を食いしばって達成するための努力目標論になってしまうことも事実です。だから、あえて定義します。キャリアデザインの本質とは、「自分のワクワクと素直に向き合うこと」なのです。

ライブ講義の様子
学生から提出された成果物に対して、バラエティ番組感覚でフィードバック講義を行う。学生は単に講義映像と向き合っているのではない。自身のワクワクと向き合っているのだ。

ワクワクと向き合うには、まず、自分に正直になる必要があります。
というのも、人には必ず、「つい夢中になってしまうこと」や「理屈抜きに好きなこと」など、ワクワクの源が自分の中に存在するものです。
ところが、「世の中の常識がこうだから…」「世間体を考えると…」など、頭の中にインストールされた既成概念プログラムが立ちはだかります。
自分のワクワクは「ここにいるよ」と声をあげているのに、「いや、そんなはずはない」と自分で耳をふさいでいるわけです。

ワクワクと向き合うことなしにキャリアを歩もうとすると、次第に苦しくなります。自分の本来の姿を無視してキャリアの目標を設定することになるため、重い試練に打ちのめされるのも当然でしょう。逆に、素直に心の声に耳を傾けて、ワクワクに基づいたキャリアを歩み始めると、努力なしに道が開かれます。とにかく楽しいから、どのような境遇でも充実しかない。

これが、キャリアデザインの本質なのです。その視点に立つと、ビジネスパーソンの学びの場、すなわち、ビジネス教育というのは、キャリアアップのための場というよりも、「ワクワクを思い出し、そのスイッチを入れる場」と捉えるのが適切だと考えます。

アバター卒業式の様子
BBT大学では教授が自らワクワクをカタチにする。2020年3月、新型コロナに対応して、谷中教授が「アバター卒業式」をプロデュース。卒業生が自宅からアバターロボットを操作して、大前研一学長から卒業証書を受け取った。

新型コロナの影響で、オンライン教育が超速で広がる中だからこそ、教育の本義を捉え直すには良い機会ともいえるでしょう。このコラムでは「ワクワクとは何か?」ということをひもときながら、教育の本質、オンライン教育の特性、オンラインとリアルを交錯させる教育の可能性について、100%オンライン大学のビジネス教育者の視点でお話しさせていただこうと思います。
 

 

工程全てにオーナーシップを持って “全方位” のプロデュースを目指す

あらゆる業界が大きく変化している時代。何が起こるか、先が見えない時代。
広告業界でも、新しい職種がいろいろ生まれています。

今回はその中から、電通のグループ内でも注目の職種「ビジネスプロデューサー」をご紹介。
顧客企業のビジネスをいかに豊かなものにしていくか。それぞれのやり方で、あの手この手で取り組んでいます。
どんな仕事をしているのか、この先どんな世界を目指していくのか、聞いてみました。

連載第8回は、清水仁志さんを紹介します。


クライアント担当者の喜ぶ姿がチームのやりがいに

今は電通デジタルに出向していて、プランニングディレクターとしてデジタル起点のビジネスプロデュースをしています。デジタル領域で幅広く事業展開している会社なので、多様なバックボーンのメンバーに囲まれながら、新しいことを吸収し続けている毎日です。

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昨年は、ある外資系IT企業のプロデュースに注力していました。競合プレゼンに勝ってパートナーになり、その後実際に成果を上げられたことが心に残っています。

この案件は、あるアプリのダウンロード増加を目標としたものだったのですが、成熟市場かつ後発アプリという状況から、目標はチャレンジングなものでした。その中でわれわれのチームは、電通の独自データを活用してターゲットを導き、インフルエンサーを活用したオンオフ統合型のコミュニケーションプランを設計。複数のメディアと独自の企画開発を行うなどしてリーチも工夫した結果、目標を大幅に上回るダウンロード数を達成し、ベンチマークの競合アプリを追い抜くことができました。

数字と共にうれしかったのは、このプロモーションが、クライアントのグローバルグループ全体で社内表彰を受けたこと。クライアント担当者が喜んでいらっしゃって、その姿がチーム一同、とてもうれしかったですね。

オーナーシップを持ち、パートナー全員のグロースを目指す

日頃心掛けているのは、「全部自分でやる」くらいのオーナーシップを持ってプロジェクトに臨むことです。「クライアント意向を聞く」「メンバーのアイデアを聞く」だけではなく、メディア、クリエイティブ、データ活用など、全ての工程においてまず自分で仮説を持つ。そして、それをメンバーにシェアしてチームをリードする。

もちろん、最後は各領域のプロフェッショナルに頼りまくるのですが、最初から意志や意図なく相談しても、プロフェッショナルのプロフェッショナルたる力を引き出せないと思っています。ですので、疎まれることを恐れずに積極的に意見をぶつけることをこれからも大切にしていきたいです。

今後追求していきたいのは、クライアントへのコミットを通して、メディア、コンテンツなどパートナー全員のビジネスをグロースさせていく「全方位のプロデュース」です。これが、昨今の情勢下でわれわれが生み出せる価値だと信じていますし、「若さで動き回る」という自身の強みを生かせる方向性とも考えています。

オーナーシップを持って全方位をプロデュースする、それを目指してこれからも精進していきます。