社内の当たり前、ふつうはスルーですよね?

「会社の正解」を得るのが難しい時代の中、オリジナリティーを発揮する元気の良い会社があります。その秘訣(ひけつ)とは一体何でしょうか? 電通「カンパニーデザイン」チームがそれぞれの会社のキーパーソンに伺った話をご紹介する本連載コラム。1回目は、兵庫県の東田ドライのケースです。

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東田ドライ
「おせっかい」なクリーニングで、業績V字回復

宅配クリーニング「リナビス」を展開し、首都圏を中心に全国から注文が殺到する東田ドライ。その躍進の陰には、「おせっかい」という現場力を企業のオリジナリティーに据えた経営があった。

話し手:東田伸哉氏(東田ドライCEO 社長)
聞き手:後藤一臣氏(電通 第1統合ソリューション局)
 
東田ドライ 1961年創業。元々は兵庫県西脇市を拠点とする町のクリーニング屋さん。2014年からインターネットを使った宅配クリーニングサービス「リナビス」をスタート。
東田ドライ
1961年創業。元々は兵庫県西脇市を拠点とする町のクリーニング屋さん。2014年からインターネットを使った宅配クリーニングサービス「リナビス」をスタート。
「リビナス生産工場」内部の様子
「リビナス生産工場」内部の様子

高品質宅配のブルーオーシャンを開拓した「おばちゃんのおせっかい」

「単純にショックでした」。大学を卒業して家業を継いだ時、東田氏は初めて事業が赤字であることを知ったという。受注量を増やすために宅配サービスを始め、「安さ」「早さ」を訴求したウェブ広告を出稿したが、1年しても効果が表れなかった。そこでふと思い出したのが、母親の「おせっかい」だった。「寒い冬の夜に、取りに来るのを忘れたお客さまにわざわざ届けに行くんですよ」。そこから東田氏は「消費者がクリーニングに望んでいるものは『誰に頼みたいか』なのではないか」という発想に至り、職人のおばちゃんたちが勝手にやっていたボタン直しやシミ抜きなどの「無料のおせっかい」を、サービス品質の価値としてアピールした。すると、広告の反応率は3倍に跳ね上がったのだ。

ただいま、「おせっかい」作業中。
ただいま、「おせっかい」作業中。
作業が終わると、このような手紙が添えられる。一つ一つ
作業が終わると、このような手紙が一つ一つ添えられる。

現場が自分たちで考える余白をつくる経営術

「おせっかい」という価値を生み出す現場を、どのように東田氏が運営しているのか尋ねてみると、「ふわっとしたルールだけをつくるようにしている」とのこと。「端から端まで決まっているとそれしか生まれない」という考え方で、現場が自分で考える余白を残しているのだという。具体的には、期間における生産量とおせっかいサービスの実施を指示する程度で、八つある「無料のおせっかい」からどれを適用するかも職人自ら考えてもらっているそうだ。「技術のことは職人に任せて口を出さず、いつも現場をふらふらしています」と謙遜気味に語ったが、自分の目で現場を観察し、疑問に思ったことは素直に質問する東田氏の姿勢こそが、会社の業績と職場の良好な雰囲気につながっていると感じた。

東田ドライCEO 社長・東田伸哉氏(写真右)と電通 第1統合ソリューション局・後藤一臣氏(同左)。「東田氏は、クリーニングサービスを通して「日本人の思いやり」を世の中に再提示しているのかもしれないですね(後藤氏)」
東田ドライCEO 社長・東田伸哉氏(写真右)と電通 第1統合ソリューション局・後藤一臣氏(同左)。「東田氏は、クリーニングサービスを通して「日本人の思いやり」を世の中に再提示しているのかもしれないですね」(後藤氏)

編集部が見た「カンパニーデザイン術」#01

東田社長の印象を端的に言うと、マーケティングの本質を知っている人、ということだ。顕在的な事象に捉われることなく、潜在的なニーズを掘り下げる。奇抜なサービスを提供するのではなく、誰に、何を頼みたいのか、を徹底的に調べ尽くす。その結果、クリーニング店に求められているのは「自分では洗えないくらい大事なものを、信頼できる誰かに預ける」という期待にこそあるのだ、ということに気付く。

その期待に「おせっかい」というネーミングをすることで、お客さまの期待を、見える化する。社員のやる気を、喚起する。その様が、そのまま広報のソースとなる。広報のソースは、ポジティブなことばかりではない。卓越した技術を誇る現場のチカラをもってしても「できなかったこと」の説明を、きちんと行う。そうした姿勢が、オンリーワンの信頼につながっているのだと思う。

東田社長によれば、努力とは「やった結果、いい方向に向かう」こと。やった結果、疲れただけやな、というのはただ単に苦労しただけ、なのだという。その姿勢は広報や広告にも現れていて、「伝えた」ということと「伝わった」ということには、天地の開きがあるのだそう。「早い、安い、安心」など、どの店でも掲げているメッセージを、どれだけ演出したところで、今の時代、お客さまの心には響かない。その先にある「東田ドライならではの価値」を、とことん突き詰める。その姿勢にこそ、人の心を揺さぶるヒミツがあるのだと、改めて学ばされた。

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「コカ・コーラ」リボンボトル リトグリが華やかにミニライブ

日本コカ・コーラは11月19日、東京・世田谷区の二子玉川ライズ ガレリアで、人気女性ボーカルグループ・Little Glee Monster(リトグリ)のクリスマスミニライブを開催した。

同社は10月から、発売4年目になる“リボンボトル”をメーンにしたウィンターキャンペーンを展開中で、新テレビCM「リボンボトル」編では、リトグリの新曲「愛しさにリボンをかけて」がCMソングになっている。
リボンボトルは、ラベルをはがしてテープを引くと、華やかなリボンになる仕掛けのボトルで、今回はリトグリが歌うクリスマスソングが聴けるなどの特典がある。

大きなクリスマスツリーをバックにした会場には、事前応募で当選した招待客約260人が詰め掛け、道行く人たちも足を止める中、メンバー5人が登場すると、大きな歓声が起きた。5人は特典で聞ける楽曲のひとつ「We Wish a Merry Christmas」を美しいコーラスで披露し、会場を盛り上げる。

リボンボトルで楽曲を聴くには、ラベルのテープに印字された番号を公式サイトに入力し、希望の曲を選択する。曲は新曲の他、メンバーが歌うクリスマスソングなど計5曲。新曲以外は、メンバー全員の歌唱バージョンに加え、各メンバー別のソロパートも用意されている。
かれんさんは、全員でMAYUさんのパートを聴いたと明かし、芹奈さんは「友達と集まって、5人のパートを一気に再生すると、コーラスで歌っているみたい」と楽しみ方を紹介した。
今年のリボンボトルには、オリジナルアイスケーキやLINEポイントが当たるプレゼントくじの楽しみもある。アイスケーキを目の当たりにしたメンバーは、ライブ後に楽屋に差し入れると聞くと大喜びだった。

5人が新曲のCMソングをライブで初披露すると、観客はその歌声に聞き入り、「メリークリスマス!」の掛け声で、メンバーと観客がコカ・コーラで乾杯。
メンバーは「今日は本当にうれしかった。クリスマス当日も、リボンボトルと私たちの音楽で楽しんでほしい」と話し、最後に「もろびとこぞりて/Joy to the World」をプレゼント。会場は一足早いクリスマスムードに包まれた。

公式サイト:
https://c.cocacola.co.jp/ribbon2019/

今年の「桜を見る会」は安倍自民党の参院選事前運動だった! 参院改選議員に招待枠、安倍首相の「前夜祭」も大会場で開催

 安倍首相「桜を見る会」問題をめぐって、想像以上の私物化、悪質な選挙利用の証拠が出てきた。  自民党が、今年4月の「桜を見る会」に、7月の参院選で改選を迎えた党所属の参院議員に、後援会関係者らを「4組までご招待いただけます」と記載した案内状を1月に送っていたことがわかった...

パチンコ「必殺の一撃」は不要! 第3世代きっての迷機!?【羽根物・名機列伝】

 

羽根物コラム 『がんばれ丸ちゃん』

 

 羽根物第3世代きっての迷機である。

 役物こそ『たぬ吉くん』『玉ちゃんファイト』に連なる王位継承のマシンであるものの、致命的ともいえる役物のマイナーチェンジと「結局射幸性かい」と言わんばかりのV連続出現機能を搭載していないことから、前任者たちのような爆発的な人気を獲得することができなかった羽根物となる。

 ただ、私はパチンコに出玉力を重視していないし、ましてや羽根物である。『玉ちゃんファイト』も好んで打っていた理由はやっぱり役物の面白さゆえなのである。翻ってこの『がんばれ丸ちゃん』。必殺の一撃がなかろうと楽しめる自信があった。

 のであるが、なんとVゾーンの手前に穴があり、そこからもぐらがランダムに飛び出してきてV入賞を邪魔するのである。「は? リアル『花のもぐら組』かよ?」血気盛んな私は悪態をついたものだ。

 ちなみに、『花のもぐら組』とは大一商会の生み出した傑作権利物である。しかし、これは私の事実誤認で、実際には『CRいれてなんぼ』を引き合いに出したかったのだ。

 この『CRいれてなんぼ』とは、タヌキがゴルフに興じる演出が展開する5回リミッター時代の名機(私の主観である。異論は認めない)なのだが、その演出内でバンカーに打ち込んだ際にもぐらが登場し、玉を拾い上げてグリーンと逆方向の池に投げ入れるという無慈悲な演出があるのだが、それを指して前述の揶揄なのである。

 さらなる余談ではあるが、『花のもぐら組』に登場するヘルメットをかぶったもぐらは、バトルヒーローシリーズの絵柄で登場したりする。

 どのもぐらの話だかすっかりとっちらかってしまったが、『がんばれ丸ちゃん』のもぐらが絶妙に嫌なタイミングで邪魔をする、人とイライラさせることにおいては人後に落ちないものとなっていたのである。

 本当にいいところで毎回のように“ひょっこりはん”するので、カイジの沼ではないが、「絶対大当りさせないマン機能」が働いているのかと勘ぐるほどである。

 このもぐらのおかげで悪い意味で印象に残っている稀有な羽根物である。私はハマらなかった台をすぐに忘れるのだ。

 

 しかしこの台、前述したように世間的にもあまり評判が良いとは思えなかったのであるが、なぜかスペック違いの兄弟機がトータルで4タイプも発売されており、導入率はそこそこ高かったように記憶している。

 それもそのはずで、2001年の『CR必殺仕事人』メガヒットを皮切りに、一時代を築く勃興期の真っ最中。京楽イケイケなのである。

 羽根物1機種で4タイプこそあまり見かけない事象であるものの、この頃から羽根物でも2タイプくらいはコンスタントにスペック違いを出すような風潮となっていた。いろんなホール業態へ対応するための販売戦略であるが、羽根物での走りは本機であったようだ。もぐらだけに。

かかってない。

(文=大森町男)

パチスロ『バジリスク絆』撤去の前にガチ勝負……人気パチスロ誌で「衝撃的」大敗!!


 11月14日にガイドワークスより発行された「パチスロ必勝ガイドMAX12月号」で、衝撃の実戦結果が掲載された。

 問題の実戦は巻頭企画で敢行。当サイトでも既に報じた通り、12月15日が認定期間満了となる『バジリスク~甲賀忍法帖~絆』と『アナザーゴッドハーデス-奪われたZEUSVer.-』、その2機種でプライドを賭けた5対5のガチ勝負が繰り広げられたわけだが、人気パチスロライター・塾長を大将とした「バジ絆軍」がなんと、大マイナスを叩き出してしまったのだ。

 詳しくはネタバレとなるので割愛させていただくが、目も当てられぬ大きな負債を抱えてしまったのだから、実戦人全てが高設定に辿り着けなかったことは明白である。

『バジ絆』といえば、最高設定における機械割の高さ、高設定確定演出の発生しやすさなどから、特定日ともなれば朝イチからファンが台を取り合う人気タイトル。 優良店は高設定を積極的に投入する傾向にあったが、今は知識豊富なパチスロライターでさえ、高設定を探し出すことは困難なのであろうか。

 厳しい現実を、まざまざと見せつけられた気分だ。

 ちなみに、中武一日二膳率いる「ハーデス軍」の結果は5戦2勝でマイナス。2勝したとはいえこちらは確定役等を引き当てたことによるもので、高設定をブン回しての勝利ではない。

『ハーデス』は確定役の多さや強力な上乗せ性能、端的に言えば設定不問の爆発力が魅力でもあるわけだが、やはり高設定投入割合は下がっているように思える。

 どちらも、全国に大量設置されているビッグタイトルだ。撤去までの約3週間、もう一度、或いは初の「万枚達成」を目論んで勝負に挑むものもいるだろうし、勝負度外視で最後の想い出作りをしようと考えるものもいるだろう。

 対峙するスタンスは人それぞれだろうが、「せっかく打つならば勝利したい」と考えるプレイヤーは慎重にホール選びをすべきであろう。


 今回の実戦結果で学んだ教訓である。

税務調査で不正バレそうになり虚偽発言&隠蔽工作→余計に重加算税が重くなった!

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな加算税の割合は、「40%」です。

 先日、知らない税理士の方から、メッセージを頂きました。「今は、帳簿の保存期間は10年ですよ」という内容です。その理由も添えられた丁寧なメッセージでした。ぼくの過去の記事に、7年である旨の表記があったのでしょう。会社法では、昔から10年の保存が義務付けられていましたが、税法では7年。指摘をされて、「そういえば、税法も10年に変わったな」ということは思い出せましたが、どの記事に書いたかは失念したままです。

 通常の法人の税務調査では、5年分の帳簿を見て、誤りや不正があれば修正申告を逍遥(しょうよう)します。そこに、仮装・隠蔽が認められれば、重加算税が賦課されます。さらに、偽りその他不正の行為が認められれば、5年ではなく7年遡及になります。

 今回は、無申告だった自動販売機設置の仲介業者が税務調査を受け、偽りその他不正の行為があって7年遡及された話を紹介します。

領収書がないのに経費を主張

 ある年の7月、ジュースの自動販売機設置の仲介業者Aに、税務調査が入りました。Aはずっと無申告で、税務調査があっても調査担当者に虚偽の発言を続けたそうです。

 Aは、パチンコ店に自動販売機を設置する旨の契約を取り、自動販売機を設置した業者から、販売本数に応じた収入を得ていました。また、契約の見返りとして、パチンコ店経営会社に対し、協賛金を支払っていました。

 これらを預金口座から把握した調査担当者は、収入金額について追求したところ、口座への入金には貸付金の返済分が含まれており、一部は収入に当たらない。さらに、領収書のみを提示し、収入より経費が多いと説明した上で、所得がマイナスになったため申告しなかったと主張しました。また、領収書のみを提示したことからもわかるように、帳簿の作成は行っていませんでした。

 調査担当者は、調査の結果、入金の全額を収入とし、経費の全額を認めず、決定処分を行って、重加算税を賦課しました。

 貸付金が否定された理由については、Aが自販機設置業者との間で金銭の貸付があったという金銭消費貸借契約などの客観的証拠はなく、通常であれば、認識しているはずの貸付金の総額や残額を認識していなかったこと、また、その金額を管理すらしていなかったことが挙げられます。

 一般的な感覚として、どうでしょうか。他人にお金を貸した場合、どこかに金額をメモしませんか。「貸した金額はわからない。メモもしていない」という主張には、合理性がないように思えます。

 さらに、Aは契約書に他人の名前を用い、借名口座へ入金させ、取引先には仮装した支払伝票を作成・保存させ、誰の収入となるかを偽装していました。

 Aは、一見して、自身の所得とわからないように書類やお金の流れに手を加えていたのです。その上で、申告もしていませんでした。

 これだけにとどまりません。税務調査が行われることが決まると、所得の有無が容易に判明すると予期したのか、経費を過大に記載した取引記録とメモを作成して、調査担当者に提示していました。所得がマイナスであるかのように見せて、無申告であったことの理由をつくったのです。

 所得がマイナスであれば、生活費などはどこから捻出するのでしょうか。また、それだけの経費があれば、経費の詳細も調べます。しかし、領収証はなく、「領収証はないけれど、経費は認めてくれ」と言うのです。

 調査担当者も馬鹿ではありません。そのような主張を鵜呑みにするわけがありません。Aの行為は、故意に事実をわい曲しており、その結果、無申告であるため、重加算税を賦課され、さらに7年遡及されました。

 調査で7年遡及されることは多くありません。7年遡れば、調査担当者の事務手続きも増えます。Aの行為はそれだけ重大で、金額が大きかったとわかります。税務調査のために、おざなりに書類を偽造するなんて、調査担当者への侮辱です。例外なく正しく申告し、もし無申告で調査があったら、すぐにあきらめて事実を話すのが懸命かと思います。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。2017年12月14日、処女作『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)が発売された。

「ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員が社会をサバイバルするために必須の知識のみを厳選。たのしく学べます」

1万円以下&ブルートゥース対応…激推奨のスピーカー5選!コンパクト&防水&重厚な音質

 今や音楽の楽しみ方もスマートフォンやパソコンがメインになっているが、大人数で楽しむ際にはスピーカーが欠かせない。そこで、秋の行楽シーズンに大活躍してくれそうな、アウトドアでも使える防水ワイヤレススピーカーをビックカメラで探してみた。

 コジマやソフマップをグループ企業化しており、家電業界で2位の売り上げを誇るビックカメラ。都市型の店舗が多いため最先端アイテムの品揃えが豊富で、Bluetooth対応スピーカーも限定カラーが充実している。

 スピーカーのセレクト基準は「持ち運びができるコンパクトサイズ」「防水機能は雨に濡れても大丈夫なIPX5以上」、そして「価格は1万円以下」とした。普段使いにも便利なBluetooth対応スピーカー5選を紹介する(価格は税込み)。

JBL FLIP4GRY ブルートゥース スピーカー/8660円

 JBLはプロ御用達で多くの劇場や映画館でも採用されている、老舗の音響メーカースピーカー。そんなJBLが培ったノウハウをコンパクトに詰め込んだのが、このスピーカーだ。

 クリアな中高音と厚みのある低音に定評があり、全体のまとまりが良い。音質に関しては1万円以下のスピーカーで最高峰レベルといわれており、人目を引く筒状のデザインもアウトドア映えする。ビックカメラでは店舗限定の柄も多数用意されているので、ファッションに合わせて選べるのもうれしい。

 防水機能はIPX7で、水深1mに30分間沈めても機能に問題がないことが認められている。突然の豪雨をはじめ、万が一、川や湖に落としても壊れにくいため、予期せぬトラブルが起こりがちなキャンプなどでの使用も安心だ。連続再生もワイヤレスで10時間以上可能なので、充電が難しい環境でも頼りになる。

ブルートゥーススピーカー JBLGO2CHAMPAGNE/4260円

 こちらもJBL製だが、さらにコンパクトに仕上がっており、ポータブル性を重視した作り。重さは184gと、りんご1個分しかない。しかし、さすがはJBLブランド。これだけコンパクトでも40mm径フルレンジスピーカーとパッシブラジエーターが装備されているので、屋外でも迫力あるサウンドが楽しめる。

 2.5時間の充電で連続再生は最大5時間、防水もIPX7。そして、ビックカメラだけのオリジナルデザインは、シャンパン、ネイビー、シナモンと、高級感あるカラーが揃っている。5000円を切る価格で、音質、防水性は申し分ないので、初めてのBluetooth対応スピーカーにもオススメだ。

Anker ブルートゥース スピーカー Soundcore Motion Q/5657円

 Anker(アンカー)というブランド名を聞いたことがない人も多いだろう。2011年にグーグル出身のエンジニアたちが立ち上げた新興企業で、アマゾンのマーケットプレイスではおなじみのメーカーだ。安さだけが売りのブランドとは違い、グーグルのDNAを受け継いでいるので、機能も品質も高い水準にあり、人気も高い。

 特徴は、見た目通り360度からサウンドが出て、さらにいろんな場所に置けるという点だ。たとえば、付属のストラップをフックにかければ、クルマの後部座席に吊り下げることもできるし、シャワーを浴びながらでも音楽を聴ける。360度サウンドで、どこにでも音を届けてくれるので、場所を選ばず、使い勝手のいいスピーカーだ。防水機能はIPX7。連続再生は10時間。この性能で5000円台は、かなりコスパがいいだろう。また、2台用意すれば臨場感あふれるステレオサウンドを楽しむことができる。

SONY  SRS-XB01WC ブルートゥース スピーカー/4100円

 横幅が約8cmという超コンパクト設計。手のひらサイズなので、荷物の多いキャンプでもまったく邪魔にならない。音質も、このサイズでよくここまで完成度が高い音が出るものだと感心するほど。音質にこだわるソニーの面目躍如といったところだ。低音から高音までカバーするフルレンジスピーカーユニットで、クリアな音がしっかりと響く。

 連続再生は最大6時間、防水機能は IPX5。雨に濡れても問題なしで、場所を取らないため、アウトドア以外にお風呂やキッチンなどでもガンガン使えそうだ。

 また、スピーカー本体の操作ボタンで再生・停止・曲送り、曲の頭出しが可能なのもうれしい。脱衣所にスマホを置いて、お風呂で楽しんでいるときなどに重宝するだろう。

ブルートゥース スピーカー Creative MUVO PLAY SP-MVPL-BUA/4290円

 直径約8cm、高さ11cmの小型ボディ。サウンドは低音重視のパワフル仕様。1回の充電で連続10時間使用可能で、防水性能もIPX7相当なので文句なし。

 Anker のスピーカーと同じく、2台つなげればステレオサウンドが可能だ。工夫すれば、ホームシアターに組み込んで迫力のサウンドを楽しむこともできる。また、Bluetoothの最新バージョンである5.0に対応しており、Bluetoothでの音声通話もできるので、スマホのハンズフリー通話にも対応してくれる。

 この価格帯のBluetooth対応防水スピーカーは老舗と新興のメーカーがしのぎを削っているので、製品数も多く、よりどりみどりな状況だ。キャンプやバーベキューなどで、スマホの音量をマックスにして音が割れてしまっているケースを見かけることもあるが、今回紹介した手頃な価格のBluetooth対応防水スピーカーさえあれば、よりスマートに、良い音質でアウトドアを楽しめるはずだ。さらに、ビックカメラ限定カラーで周囲と差をつけてみるのも悪くないだろう。

(文=清談社)

「値上げの許容範囲を超えた」大戸屋、連続客数減地獄で危険信号…復活は困難かもしれない

 定食店「大戸屋ごはん処」を展開する大戸屋ホールディングス(HD)は11月5日、2019年4~9月期の連結業績を発表した。本業のもうけを示す営業損益が1億9000万円の赤字に転落する。従来予想は4000万円の黒字を見込んでいた。中間決算に営業赤字になるのは01年に店頭市場に登録、現在のジャスダック上場以来初めて。

 客離れで既存店売上高が低迷し、連結業績の下方修正を余儀なくされた。売上高は従来予想から7億円引き下げて123億円とした。最終損益は1000万円の黒字を見込んでいたが、一転して1億 8000万円の赤字に転落する。

 同社は下方修正の理由として、4月にメニュー改定を実施したが売り上げが計画に届かなかったことや、既存店客数の回復が遅れていることなどを挙げた。

 合わせて20年3月期通期の連結業績予想も下方修正した。売上高は従来予想の275億円を250億円に見直した。営業損益は4億8000万円の黒字からゼロに、最終損益は2億9000万円の黒字からゼロに、それぞれ下方修正した。

 同社は4月23日のメニュー改定を機に、定食メニューのうち12品目を10~70円値上げした。「しまほっけの炭火焼き定食」を70円引き上げて1040円(税込み、以下同)にしたほか、「ロースかつ定食」を40円値上げし950円にするなどした。こうした値上げが敬遠され、客離れが起きた。

 4月以降の客数は大きく落ち込んでいる。4月は前年同月比8.0%減、5月が6.4%減だった。4~9月はすべての月がマイナスで、マイナス幅は各月4~8%と大幅減が続いている。

 値上げが客数減につながったわけだが、安価で人気があった「大戸屋ランチ」(720円) をなくしたことも大きく影響したとみられる。同商品は、4月の改定後のメニュー表からは消えていたのだ。

 代わりとしてか、新たに「大戸屋おうちごはん定食」(870円)を売り出している。だが、同商品は大戸屋ランチの竜田揚げを肉団子に代えただけにすぎない。それ以外の食材に大きな違いはないのだ。それにもかかわらず、大戸屋ランチより150円も高い。これに対してネットでは不満の声で満ち溢れた。

 値上げと大戸屋ランチの廃止で「大戸屋は高い」というイメージが定着してしまった。こうした価格帯の引き上げで4~9月期の既存店の客単価は前年同期比1.6%増と伸びたものの、客数が6.5%減と大きく落ち込み、売上高は5.0%減と沈んだ。

コスト上昇への対応

 近年は外食店において食材費や人件費などコスト上昇が頭痛のタネとなっている。コスト上昇を吸収できなければ、値上げで対応せざるを得ない。だが、外食チェーンは需要の価格弾力性が大きくなりがちなため、少しの値上げでも需要は大きく減少してしまう。

 需要の価格弾力性とは、価格変化に対して需要がどの程度の割合で増減するかを示す概念だが、ほかで代替しやすい商品ほど需要の価格弾力性が大きくなりやすい。

 外食チェーンはほかで代替しやすい商品を扱うことが多いので、需要の価格弾力性は大きくなりやすい。大戸屋は店内で調理をするなど手間暇かけて商品をつくるなどして「おいしい」との評判を得ているため、外食チェーンのなかでは需要の価格弾力性は小さいほうだろう。ただ、価格の高さに対する許容範囲は当然存在する。

 大戸屋はこれまで値上げを繰り返し実施しており、許容範囲を超えているといえるだろう。現在、定食のグランドメニューはほとんど800円以上となっており、1000円を超えるものも少なくない。定食店のなかでは高いほうだ。また、大戸屋ランチを10月から復活販売しているが、790円に値上げしており、お手頃感はすっかりなくなっている。

 値上げを回避するにはコスト削減が欠かせない。外食チェーンの場合、店舗網拡大で生まれるスケールメリットによるコスト削減が大きな威力を発揮する。店舗網の拡大による大量仕入れ・大量販売により食材費の低減が期待できるほか、本社や工場にかかるコストなど固定的なコストの割合の低減につながるためだ。

 だが、ここ数年、国内店舗数は350店あたりで横ばいで推移している。スケールメリットを生かしたコスト削減がしづらい状況になっているのだ。

 ただ、「牛角」や「かっぱ寿司」などを傘下に収める外食大手のコロワイドから10月に出資を受けたため、これをきっかけに共同仕入れを行うなどコロワイドから支援を受けられる可能性もあり、スケールメリットを生かしたコスト削減が期待できるだろう。

 一方で、店舗運営におけるコスト削減も欠かせない。作業の従業員への割り当ての効率化や無駄な作業の削減といった地道な方法から、IT(情報技術)やロボットなど先端技術を活用した方法まで、あらゆる手法を検討・駆使してコスト削減を図っていく必要がある。

バイトテロの甚大な被害

 大戸屋における客離れは価格の高さが大きな要因だが、今年2月に世間を賑わせた「バイトテロ」の影響も大きいだろう。アルバイト従業員が店舗内で配膳用のトレーで裸の下半身を覆う様子が映った動画がインターネット上で確認され、それにより当該従業員はもちろん、大戸屋も世間の批判を浴びた。それも客離れにつながった。

 このバイトテロが世間に広く知れ渡った2月は、客数が前年同月比6.4%減と大きく落ち込んだ。翌3月は、再発防止に向けた従業員教育のために店舗の休業を実施したこともあり、10.8%減と大幅減となった。こうしたことから、バイトテロによるイメージ低下の影響が、客数減に少なからず影響したと考えるべきだろう。

 バイトテロが起きた月の客数が大きく減った外食チェーンは大戸屋だけではない。回転ずしチェーンの「くら寿司」でも同様の事象が起きている。

 くら寿司は、アルバイト従業員が食材の魚をゴミ箱に捨てた後にその魚をまな板に戻して調理しようとする様子が映った動画がネット上で拡散し、世間から批判を浴びるというバイトテロに見舞われた。このバイトテロが世間を賑わせた2月の客数は6.1%減、翌3月が5.2%減と大きく落ち込んでいる。バイトテロによりイメージが低下し、客足が遠のいたといえるだろう。

 近年は商品の均質化が進んでいるため、商品以外の要素の重要性が相対的に高まっている。なかでも、「イメージの良さ」がより重要になっている。

「骨肉の争い」を演じた大塚家具や、「ブラック企業」との批判を受けたワタミがイメージ低下により消費者から敬遠されるようになって業績が悪化したが、これらはイメージの重要性を物語る典型例といえるだろう。今の時代は、イメージが良くなければ消費者から選ばれにくくなっており、それは大戸屋やくら寿司も例外ではない。大戸屋もバイトテロによりイメージが低下し客離れが起きたといっていいだろう。

 いずれにせよ大戸屋は19年4~9月期に営業赤字に陥る見込みで、抜本的な対策を早急に講じることが求められている。まずはコロワイドと協業できるかが焦点となりそうだが、動向を注視していきたい。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

脳みそを洗って返す?手話から伝え方を考えてみた。

こんにちは、Dentsu Lab Tokyoの和田夏実です。
私の両親は耳が聞こえず、手話を主な言語としています。そのため私は、家の中では日本手話という視覚言語を主に使い、家の外では日本語という音声言語で会話する環境で育ち、通訳として「伝える」ことについて考える機会が多くありました。

視覚的なイメージを駆使しながら会話をする人々と、音で今いる世界にラベルをつけながら会話をする人々、それぞれの文化や思考に飛び込みながら通訳をするには「言葉」だけではどうしようもなく足りない、と、大学時代はインタラクションデザインとリサーチデザインを学び、会社に入ってからは「技術」と「伝える」の可能性を模索しています。


イメージで会話する、とは?

「コップ」や「机」など、世界中のさまざまなものや概念にラベルをつける英語や日本語などの音声言語は、音の最小単位を組み合わせることによって言語を発達させてきました。
手話という視覚言語では、ものに記号的に名前をつけることもありますが、空間に手を使って、それ自体をトレースするように、描きながら、形作っていくCLclassifier=類別詞、類辞の略)と呼ばれる基本文法があります。

(左:コップの表現、右:机の表現)
(左:コップの表現、右:机の表現)
CLとは、物の形や性質、大きさや動きなどを手で表したもの。日本語の類別詞に見られる細長いもの、例えば鉛筆などは「〜本」と数え、紙のような薄いものは「〜枚」と数えるといった分類の仕方に共通性がある。
参考:『手話を言語と言うのなら』(森 壮也 佐々木 倫子編、ひつじ書房)13ページ。


今回は、手話だからこそ起こり得る視覚的な発想や冗談を、少しだけご紹介したいと思います(あくまでも一般的ではなく私の周りでの日常的な会話です)。

小さな自分で冒険に出かけよう。

幼い頃、父と私は夜ご飯のあとに「ぼうけんのじかん」がありました。「ぼうけんのじかん」には、ピースサインを作って下に向け、人差し指と中指を足に見立てることで小さな自分を作ります。

手話では、このように指を足に見立てて動かすことで「歩く」「泳ぐ」「飛ぶ」「潜る」などを表現します。父と私は毎晩、小さな自分を作ってはアスパラガスの上を登ったり、夜空の星の中を泳いだり、本の中の好きな言葉の上を歩いたりしました。

ぼうけんのじかん


脳みそを洗って返す。

もし友人に相談を受けた時、「それは考え直した方がいいよ」とちょっとした冗談も込めて伝えたい場合には、相手の頭を切って、脳みそを取り出し、ごしごしと洗って返すという動きを作ることもあります。

「その場にはいないけど、見に行きたい!」と伝える時には、自分の片目を取り出し、見たいものの方向に投げ飛ばすことで、実際に見ているかのような会話を繰り広げたりもします。自由に手を使いながら、視覚的な発想は次から次へとつながっていき、まるでファンタジーの世界に飛び込んだような感覚に陥ります。

脳みそを洗って返す。


視覚的な創造力、ファンタジア

手話特有の、この視覚的な伝え方から生まれる冗談には、視覚だからこその創造性があると思います。この「視覚的な創造性」についてもう少し考えてみたいと思います。

イタリアの美術家、ブルーノ・ムナーリは、コラージュや見立ての工夫、繰り返し表現やビジュアルコミュニケーションから生まれる「視覚的な創造性」についてファンタジアという本の中で以下のようにまとめています。

”初歩的なファンタジアは、ある状況を反転させたり、相反するもの、正反対のもの、補足的なものを利用したりすることから生まれる。ー子どもに砂糖が苦いといえば大笑いし、閃光のごとく足の速いカメの話をすれば大喜びする。”
『ファンタジア』 ブルーノ・ムナーリ、菅野有美訳、みすず書房、38ページ


“ファンタジアのもう一つの側面は、視覚的類似の関係、また他の性質との関係から生まれる。ー例えばこの普通のフォークを観察する。そうすると、フォークが小さな手のように見えはしないだろうか。指、掌、肘までの前腕がついた小さなフォーク。その瞬間から、やわらかいフォーク(普通のより安いフォーク)を手に取り、この器具にペンチを用いてどんな手の表情でも与えることができる。”
『ファンタジア』 ブルーノ・ムナーリ、菅野有美訳、みすず書房、63~64ページ

つまり、あるものに対する見立てやイメージを、反転させたり変化させることで視覚的に「驚き」を創り出すことができるということです。


ファンタジア

先ほどの例でも、実際には自分の眼球をボールのように飛ばすことはできないけれど、その丸い形の見立てからボールのように扱うことで「目がいろんな世界に飛んでいったら?」というイメージを相手の頭の中に創り出すことができます。

ムナーリは、この視覚的な発想自体を活用した作品を作っただけでなく、さまざまな人が生み出すことができるツールや遊び方、ゲームを数多く開発しました。絵を描く、コラージュする、手と顔と身体で表す、イメージを形づくり表すことで「視覚的な発想」を引き出すことができるのではないか、と思います。


視覚的な発想を修練させたプリントの歴史

今年、私はフランスのカンヌで開催されたヤングカンヌ、プリント部門コンペティションにアートディレクターの根岸桃子さんと一緒に参加しました。24時間の耐久コンペに参加するために、世界中のプリント広告の歴史を勉強していると、非常に多くの視覚的な想像力を活用した秀逸なプリント広告に出合いました。

ポスターやグラフィック表現には、瞬間的に意図を理解してもらうために、さまざまな見立てや比較を活用した、「視覚的な発想」がたくさん隠れています。なじみの概念に遊び心を加え、「驚き」を生み出すことで見る人を引きつける、瞬間的に伝えるということを行っています。

2018年にBNN出版から出版された『A Smile in the Mind: Witty Thinking in Graphic Design/遊び心のあるデザイン  ─視線を勝ち取る「ウィット」なアイデア』に、この「視覚的な発想」を活用した例が載っています。

例えば【MODIFICATION:変化】のページでは、主体となるイメージに、意味深いバリエーションを内在させることで、頭の中で見え方が変わる体験を作り出すことができます。「ジャズの即興演奏」を表現した雑誌の挿絵では、五線譜という誰もがイメージできる楽譜の線をぐちゃぐちゃと絡ませることで、「楽譜=流れにそって演奏するもの」が「絡む=想像つかない動きをもつ」という表現を作り出しています。

また、【AMBIGUITY:両義性】のページに載っている2004年のEconomist誌のキャンペーンでは、雑誌自体を折り曲げて配置し、脳みそのように見立てることで、雑誌にも脳みそにも見える、目の錯覚のような表現を作り、「the magazine that makes you smarter(読めば賢くなる雑誌)」(Ogilvy & Mather Singapore、2004年。34ページ)というメッセージを伝えています。

コラージュや見立てから発想を膨らませて伝える方法など、2次元でのポスター制作の歴史の中にはイメージで伝えることの面白さがたくさん詰まっています。

ちなみに、今年のヤングカンヌでのプリント部門の課題は、「2019年、冬のクリスマスキャンペーンとして、WWFで野生動物の保護への寄付を促すプリント広告のアイデアを作ってください」という内容でした。 優勝したのは、ロシアの森を上から俯瞰で撮った写真に、コピーで「アンナ、あなたのプレゼントはクリスマスツリーの下にあるよ」と伝えるものでした。あえて、「動物をみせない」という方法をとり、動物たちの存在を想像させることで、野生動物たちに寄付をしようというメッセージを伝えています。「見せずに想像させる」ということもまた、言葉と絵を効果的に活用して視覚的な想像を引き出す表現だと思います。

“Wood”© Enrico Strocchi
(画像はイメージです)
Created by modifying “Wood”© Enrico Strocchi(Licensed under CC BY-SA 2.0) 


映像の世紀と視覚の世界

さて、今私たちの日常にはスマートフォンが欠かせない存在になっています。友人が何をしているのか、世界では何が起こっているのかを、まるで本当に目ん玉を飛ばして見ているかのように知ることができます。

Instagramで自分の生活や美しいと思う世界を発信することも、Pinterestで好きな世界を集めることも、今まで保存が難しかった人々の動きの情報やしぐさもデータとして、保存できるようになっています。

今まで「言葉」で共有してきた情報や知の多くを、映像や画像でも一人一人が記録し、保存したり、伝えるツールとして使うことができるのです。

それだけでなく、映像や画像を用いた視覚的な発想をアプリやツールを使って、数多く生み出すことができるようになりました。口から出る言葉のように流暢に、スマートフォンを駆使して会話をすることができるようになったということは人類が言語のような「新しい伝え方」を獲得したともいえるかもしれません。

「新しい伝え方」を獲得した私たちは、一体どんなことを伝え、どんなふうに発想を広げていくのでしょう?

「イメージで会話する」

例えば今日は、身ぶりでも手話でも、映像でも、アニメでも。いろんな方法を使いながら家族や友人、好きな人と発想を広げ伝え合ってみてはいかがでしょうか?

世界一、ラグビーを楽しむ国へ。

「最も偉大なワールドカップとして記憶に残る。日本は開催国として最高だった」

主催者のワールドラグビー(以下、WR)会長、ビル・ボーモント氏が最大級の賛辞を贈った「ラグビーワールドカップ2019日本大会」。

日本代表が悲願のベスト8進出を達成し、44日間の熱戦は南アフリカの優勝で幕を閉じた。

ラグビーワールドカップ南アフリカ優勝
©フォート・キシモト

チケット販売率は約99%(約184万枚)、観客動員数は延べ約170万人、全国16カ所に設置されたファンゾーンには約114万人が来場した。テレビの瞬間最高視聴率は53.7 %を記録するなど、日本のラグビー熱に火をつけた大会だった。

ワールドカップの成功と今後の日本ラグビーを、日本ラグビーフットボール協会(以下、協会)はどのように捉えているのか。岩渕専務理事が語った。

岩渕健輔氏
日本ラグビーフットボール協会専務理事の岩渕健輔氏

感謝の思いを込めた、閉幕翌日の新聞広告

われわれ協会は、ワールドカップ閉幕の翌日11月3日付の読売・開催都市の朝刊に、応援してくださったファン、自治体、スポンサーへのお礼を伝える全ページ広告を掲載しました。

ラグビーW杯新聞広告
11月3日付朝刊掲載の新聞広告

現在、日本のラグビーの競技人口は約10万人。そのご両親や友人を含めたラグビーファンが約100万人だとしても、日本の人口のわずか1%に過ぎません。今回の大会は、99%の方々にラグビーを知っていただける重要な機会となりました。

テレビでも電車の中でもラグビーの話題を見聞きする日々。大会を通してラグビーがこれだけ注目されたことを、とてもうれしく感じています。

振り返れば、ワールドカップの日本開催が決まったのは、10年前の2009年。それまで日本のワールドカップ通算成績は1勝2分け21敗、1995年にはニュージーランドに145対17で大敗したこともありました。大会での実績が乏しい中で招致を決めた協会の先輩方の努力、そしてWRの決断に大変感謝しております。

ワールドカップの成功要因として、組織委員会の力はもちろんですが、開催地やキャンプ地の自治体、ボランティアの方々の力が大きかったと感じています。

例えば、ウェールズ代表が北九州で公開練習を行った際、1万5000人が会場に集まりウェールズ国歌を斉唱したサプライズは世界中で賞賛されました。このような“おもてなし”が各キャンプ地で、地域の皆さまによって行われ、選手たちはSNSなどで、日本のワールドカップの素晴らしさを世界中に発信しました。

一方では各国代表の地道な活動も見逃せません。ウェールズ代表は、4、5年前から毎年北九州を訪れ、選手や子どもたちにラグビーのコーチングなどを行ってきました。国内外の方々が時間をかけて、ラグビーをきっかけにみんなで盛り上がる流れをつくったことが大きな成功に結びつきました。

ワールドカップをつくり、楽しんでくれたすべての人を思い、新聞広告では、「世界一のファンがいた。」というキャッチコピーを掲げ、強い感謝の思いを込めました。

われわれはサービス業。日常の中でラグビーの楽しさや価値を伝えたい

今後はワールドカップで生まれたラグビーの大きなうねりをどう生かしていくかが課題です。2015年大会でもラグビーブームは起こりましたが、残念ながら保つことはできませんでした。今回は開幕前から、どうやって皆さまにラグビーに関わり続けていただくかをずっと考え続けてきました。

例えば、すでに小学校の学習指導要領に「タグラグビー」(※1)を取り入れていただくよう働き掛け、過去4年間で60%以上の学校に採用いただきました。中学校や高校にはラグビー部創設を働き掛け、新しい大会の設立も進めています。他にもラグビー未経験者や女性でも楽しめるラグビー(※2)を提案したり、ラグビーを観戦しながらお酒を飲めるようなスペースも増やしていきたいです。

W杯ファンゾーン
全国16カ所に設置されたファンゾーンは、ラグビーを身近に感じる貴重な場になった。©フォート・キシモト

われわれ協会は、自らをサービス業だと考えています。多くの方に日常的にラグビーを楽しんでもらえるよう取り組んでいきます。

そのためには、ラグビーの価値を整理して発信していくことも必要です。例えば、WRが定めた「ラグビー憲章」では、ラグビーの五つの価値は「品位」「情熱」「結束」「規律」「尊重」と記載されています。世界の中で日本ほど、これらの言葉がマッチする文化・精神を持つ国はないはず。

今回、多くの方がラグビーに惹かれた要因のひとつは、ラグビーの五つの価値が皆さまの心を捉えたからではないでしょうか。日本がこれまで大切にしてきたことが、ラグビーの“ノーサイド”や“ONE TEAM”という精神、選手の振る舞いの中に感じられたのだと思います。

この他にも、ラグビーの価値や魅力はたくさんあるはずなので、それらを言語化して分かりやすく伝えていくこともわれわれの使命です。

ラグビーを世界中へ広げられる存在に

日本のラグビーはこれまで企業に支えられてきた部分が大きかったのですが、地域への浸透は遅れていました。それが、ラグビーが“限られた人のスポーツ”になっていた原因の一つです。今後ラグビーを広めていくためには、企業の皆さまに加え、地域の皆さまの支援も必要です。

世界的に見ても、ラグビーはまだまだ普及・発展する可能性があります。「伝統国」(※3)と呼ばれる国は限られていて、サッカーなどに比べると強国は多くありません。とはいえ、アルゼンチンが、20年ほどで強豪国になったように、日本も他国も今後の取り組み次第で大いに飛躍するでしょう。

ラグビーでは、「Grow the game」(競技を広める)とよく言われます。今回のワールドカップは、「Grow the game in Asia and Japan」、つまり、アジアと日本にラグビーを広めることが大きな目的でした。

ワールドカップの成功は、アジアの国々にも希望を与えたと感じていますが、次は「Grow the game globally」を掲げ、アジア以外の国々に対しても、われわれが希望を届けられる存在になりたい。すでに次回の招致に向けた計画を進行中で、もう一度日本でワールドカップを行うことで、さまざまな国で大会が開ける道をつくりたいという話をWRにいたしました。将来的には日本が国際的なリーダーシップをとって、世界中にラグビーを普及・発展させていくことが目標です。

※1 タグラグビー:イギリス生まれのスポーツで、タックルなど身体に接触するプレーを一切排除しているのが特徴。タックルの代わりに腰につけたタグを奪って相手の攻撃を阻止する。詳しくは、http://www.tagrugby-japan.jp/ 

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※2 一例として、ストリートラグビー:広い場所がなくてもプレーできるように考案されたラグビーで、3人対3人でプレーする。相手の動きを止めるときはタッチをするなど、女性や子ども、ラグビー未経験者でもプレーできるよう工夫されている。詳しくは、https://street-rugby.com/ 

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※3 伝統国:ラグビー競技の歴史が長く、常に世界ランキング上位を占める強豪国を指す。ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、イングランド、ウェールズなど。

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