【SGオーシャンカップ】準優予想! 瓜生正義が緻密な戦略で予選1位通過“ポールポジション”奪取で連覇へ視界良好!?

 SGオーシャンカップ(優勝賞金3300万円)は24日、予選最終日の4日目を終え、準優勝戦に駒を進めるベスト18が出そろった。予選を1位通過したのは昨年覇者の瓜生正義(44・福岡)。6戦4連対の堅実な走りで“ポールポジション”を手にして、連覇へ大きく前進した。

“頭脳派レーサー”瓜生が本領を発揮した。手探り状態の初日ドリーム戦は4着だったが、道中の競り合いで感触を体感。その後の5戦を2勝、2着2回、4着1回と手堅くまとめ、予選1位でポールポジションの「12R・1号艇」を手に入れた。

 瓜生の類いまれな戦略眼で得たポールポジションだ。1号艇(2日目12R)は確勝の逃げ切り。5号艇だった2日目2Rは展開の利を見逃さず、まくり差し一撃で仕留めた。また不利な6号艇(4日目3R)では大崩れを避け、4着でしのぐなど、得点率争いで禁物の5、6着を避ける航跡はまさに頭脳派・瓜生の真骨頂だ。

 ちなみに瓜生は過去SGに36回優出して優勝10回。優勝率の高さは、ここ一番での勝負強さと冷静な分析力、類いまれなハンドルワークの賜物。瓜生のオーシャンカップ連覇、11度目のSG戴冠が現実味を帯びてきた。

 それでは注目の準優3レースの予想をお届けしたい。

準優10R
1号艇 茅原悠紀(33・岡山)
2号艇 峰 竜太(35・佐賀)
3号艇 桐生順平(33・埼玉)
4号艇 西山貴浩(33・福岡)
5号艇 魚谷智之(44・兵庫)
6号艇 杉山正樹(40・愛知)

 茅原のテクニック、勝負強さはボートレース界でも屈指の存在。峰、桐生の超スピード派が横にいるが、まくらせず、差されずのレースで頭は堅い。相手は桐生、峰の順。桐生は峰を引き波にいれるターンで2着を死守する走り。峰も桐生の引き波を避け、鋭く差して茅原に迫る。
舟券は1-3-25、1-2-35。


準優11R
1号艇 山口 剛(37・広島)
2号艇 長田頼宗(35・神奈川)
3号艇 篠崎元志(34・福岡)
4号艇 高野哲史(31・兵庫)
5号艇 石野貴之(38・大阪)
6号艇 徳増秀樹(45・静岡)

 順当なら山口の逃げに篠崎がまくり差しで迫る展開。エンジンパワーは山口が上だが、テクで上回る篠崎のまくり差しが入る展開もある。一発なら大外の徳増。タッチスタート覚悟の踏み込みなら強気な攻めが怖い。
舟券は1=3-25、13-25-13本線に、穴で6=13-135。


準優12R
1号艇 瓜生正義(44・福岡)
2号艇 枝尾 賢(38・福岡)
3号艇 磯部 誠(29・愛知)
4号艇 松井 繁(50・大阪)
5号艇 白井英治(43・山口)
6号艇 深谷知博(32・静岡)

 ここはポールポジションの瓜生の逃げで不動。隙のないスタート&ターンで他を寄せ付けない。ターンスピードある磯部に、ここ一番の勝負強さで白井が相手。
舟券は1-35-3546

JRA「6億円狙い!?」WIN5厳選穴馬10頭紹介! 令和最初のキャリーオーバーを見逃すな!

 先週のWIN5は、中京記念で18番人気メイケイダイハードが勝ち、函館記念も15番人気アドマイヤジャスタが勝利と大波乱が連続。令和最初のキャリーオーバーが発生した。

 その金額は「464,091,040円」で4億円を超える大金だ。仮に今週も7億円前後の売り上げが見込めるなら、最高払い戻し額はWIN5の配当上限でもある6億円に到達するかもしれない。

 今週はこのキャリーオーバーを狙って多くの競馬ファンがWIN5を購入するだろうが、どうせならWIN5最高額を目指したいところ。そこで、今週はあえて6億円狙いの超人気薄馬をピックアップした。

 馬場傾向が掴みにくい開幕週、そして不安定な天候と状況は波乱含み。先週のような波乱が続けば、史上初の6億円が飛び出すかも……。


■WIN5対象 第1レース
新潟9R 糸魚川特別
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★エピックスター
★マイエンフェルト

 まずは、一週前追い切りと最終追い切りが上々の内容だったエピックスターを抜擢。新潟は2戦して1勝3着1回の実績があり、休み明けでも勝負気配は高い。またパンパンの良馬場より湿った馬場の方がいいタイプで、雨予報もプラス。

 もう一頭はマイエンフェルト。単騎逃げ濃厚の組み合わせで、外回りとはいえ開幕週で他馬が牽制し合えば、まんまと逃げきりも……。

■WIN5対象 第2レース
札幌10R 知床特別
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★セントセシリア
★コスモアンジュ

 セントセシリアは初勝利が札幌コース。当時は386㎏と小柄だったが、今では400㎏台まで体が増えた。馬体の維持と調整がしやすい滞在競馬はプラス。前々走も13番人気で勝利と意外性があり、昇級2戦目で慣れた札幌に移動した今回は狙い目。

 昇級初戦のコスモアンジュも狙える。前走は悠々逃げ切りで1分9秒1の時計。同じ日の2勝クラスの勝ち時計は1分8秒9で、2着は1分9秒3だった。つまりひとつ上のクラスでも2着相当の好時計だったのである。ここも先手が取れる組み合わせで、開幕週の馬場が追い風になれば面白い。


■WIN5対象 第3レース
新潟10R 苗場特別
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★フラッシングジェム
★リシュブール

 フラッシングジェムは昨年の今頃に、このコースで昇級初戦の1勝クラスを快勝。この時期とダート1800mを得意としている。2勝をあげているベストの距離で前進は必至。

 リシュブールは超がつく良血馬で、このクラスでも2着の実績がある。平坦のダート中距離は現状でベストの条件。前走より距離延長がプラスになるはず。また鞍上の岡田騎手は、日曜はこの馬だけの騎乗であり、渾身の騎乗が見られるだろう。


■WIN5対象 第4レース
札幌11R 大雪ハンデキャップ
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★ボードウォーク
★ライジングドラゴン

 まずは軽ハンデの逃げ馬でボードウォークを狙う。先手が取れるメンバー構成、平坦小回りで直線が短い札幌コースなら外せない存在。北海道の滞在競馬は[2.3.2.0]とすべて馬券圏内の安定度も光る。

 人気になるかもしれないがライジングドラゴンも狙いたい一頭。札幌ダートは[2.2.0.0]とパーフェクト連対。そして鞍上の吉田隼人騎手は、先週の函館記念でアドマイヤジャスタを勝たせて勢いに乗っている。この流れは軽視できない。


■WIN5対象 第5レース
新潟11R アイビスサマーダッシュ(G3)
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★レジーナフォルテ
★ナランフレグ

 レジーナフォルテは2017年のアイビスサマーダッシュで3着や、ルミエールオータムダッシュの勝利など直線競馬で実績がある。稍重や重馬場でも好走しており、雨の影響が残れば期待値は跳ね上がる。さらに三浦皇成騎手への乗り変わりも勝負気配を感じる。

 ナランフレグは前走の韋駄天ステークスで、勝ち馬ライオンボスを上回る上がり31秒6を記録。アイビス過去10年の優勝馬を見てみると、上がり31秒台を記録している馬が7頭と多い。ナランフレグは新潟1000mで上り31秒台を2度記録。ここは逃げ先行馬が揃ってチャンス大。


 以上、今週のWIN5対象レースで注目すべき穴馬10頭をまとめてみた。JRAの馬券の中でも屈指の難易度を誇るWIN5だが、せっかくのキャリーオーバーを傍観するのは惜しい。ぜひ馬券を購入し、一獲千金を狙ってみるのもいいだろう。その時にこの穴馬10頭が参考になれば幸いだ。

ファミマ、伊藤忠商事“ほぼ完全子会社”化の真の理由…セブンに遠く及ばない“稼ぐ力”

 ファミリーマートが伊藤忠商事の、ほぼ完全子会社になることが発表された。伊藤忠が5800億円を投じてTOB(株式公開買い付け)を実施する。完全子会社化後に伊藤忠はファミマ株式の4.9%分を全国農業協同組合連合会(JA全農)と農林中央金庫に譲渡する。ファミマを上場廃止にして経営の意思決定を迅速化するほか、ファミマに対する伊藤忠の関与を強め、新型コロナウイルスを機に不振にあえぐファミマのてこ入れを図る。

 コンビニエンスストア大手3社において、ファミマの失速が際立っている。コロナ禍において、ファミマの既存店売上高は競合と比べて大きく落ち込んでいる。ファミマは3月が前年同月比7.6%減、4月が14.8%減、5月が11%減、6月が8.2%減だった。一方、セブン-イレブン・ジャパンは3月が3.2%減、4月が5%減、5月が5.6%減、6月が1.0%増。ローソンは3月が5.2%減、4月が11.5%減、5月が10.2%減、6月が5.8%減。ファミマの落ち込みが際立っている。

 ファミマの落ち込みが大きいのは、都心部の店舗が多いためだ。外出自粛や在宅勤務の広がりなどで都心部の人口が減ったことが影響し、ファミマの2020年3~5月期連結決算は厳しいものとなった。売上高にあたる営業収益は前年同期比15.9%減の1117億円、純利益は71.5%減の57億円だった。大幅な減収減益だ。

 新型コロナの影響でファミマは業績が大きく悪化したわけだが、新型コロナの終息は見通しがつかない状況で、長期化すれば深刻な状況に陥りかねない。こうした懸念があり、上場廃止とほぼ完全子会社化により、伊藤忠が持つ経営資源をファミマに迅速かつ効率的に提供できる態勢を整える。それによりファミマの競争力を高め、業績回復を図りたい考えだ。

 これまで大手コンビニは積極的な規模拡大策により成長を果たしてきた。ファミマはM&A(合併・買収)を活用して規模を拡大。09年に「am/pm」のエーエム・ピーエム・ジャパンと、16年に「サークルK」「サンクス」のサークルKサンクスを傘下に収めるユニーグループ・ホールディングスと経営統合している。これによりファミマブランドの国内店舗数は1万8200店に達し、当時2位だったローソンを抜き去った。現在は少し減って1万6600店となっている。なお、セブンは2万900店、ローソンは1万4500店を展開している。

ファミマの“稼ぐ力”が落ちた理由

 こうして各社は成長を果たしてきたが、ただ、国内は飽和感が漂っており、出店による成長に限界が見えてきている。そのため、これからは、これまで以上に1店1店の収益力向上が重要となる。

 だが、ファミマはこの面で大きな懸念がある。19年度のファミマの日販(1店舗の1日当たり売上高)は52万8000円で前年度から2000円低下したのだ。一方、セブンは65万6000円で前年度から横ばい、ローソンは53万5000円と前年度(53万1000円)から大きく上昇している。ファミマだけが稼ぐ力が大きく低下している状況だ。

 なお、19年度は締め月が各社とも20年2月と新型コロナが本格化する前なので、19年度の日販は通常時の稼ぐ力を示していると考えていいだろう。ファミマは新型コロナに関係なく稼ぐ力が落ちているのだ。3社の日販の順位は長らくセブンがトップでローソンが2位、ファミマが3位となっているが、このままではファミマは万年3位から脱却することはできないだろう。

 ファミマの稼ぐ力が落ちているのは、商品力を高めきれていないことが大きい。セブンは圧倒的な知名度と商品力があるプライベートブランド(PB)「セブンプレミアム」を持っている。セブンの日販はファミマより12万円以上も高いが、この高い日販を支えているのがPBだ。セブンのPBは安定的な力を持っている。

 ローソンもPBが充実してきている。ヒット商品も多く生まれており、最近では19年3月に発売したスイーツ「バスチー」が代表的だ。バスチーは発売からわずか3日で100万個を販売。今年1月には累計4000万個に達する大ヒット商品となった。19年度の日販が高まったのも、バスチーの貢献が大きかったといえる。

 今年3月末に発売したスナックパイ「グーボ」もヒット商品となりそうだ。発売からわずか2日で販売個数が100万個を突破。バスチーは100万個を販売するのに3日かかったので、初速はグーボのほうが上だ。18年10月に発売した「悪魔のおにぎり」もヒット商品といえる。発売から2週間で300万個、1年間で5600万個をも販売した。このように最近のローソンにはヒット商品がたくさんある。

 一方、最近のファミマには、これらに匹敵するほどのヒット商品が見当たらない。18年11月に発売したスイーツ「スフレ・プリン」が今年2月に累計販売個数が1900万個を突破し、売れた商品といえるかもしれない。だが、バスチーや悪魔のおにぎりと比べると見劣りが否めない。

 こうした状況から、ファミマは商品力の向上が喫緊の課題といえる。そうしたなか、伊藤忠のほぼ完全子会社となるわけだが、それにより伊藤忠の経営資源をより効果的に活用できるようになる。それにより商品力の向上が期待できるだろう。また、JAグループとの提携を生かしてファミマの農畜産物などの品ぞろえの強化も期待できる。こうしてファミマは商品力を強化し、業績回復を図りたい考えだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

ワークマン、高機能&低価格なのに“突出した高い利益率”の理由…ユニクロの約2倍

 東証一部上場のレナウンや、米大手ブルックス・ブラザーズなど、アパレル業界の名門企業の経営破綻が相次いでいる。アパレル不況が叫ばれて久しいが、新型コロナウイルスが追い打ちをかけ、アパレル各社はかつてないほどの危機に瀕している。 

 しかし、そんななかでもひときわ異彩を放つのがワークマンだ。2020年3月期の業績は絶好調で、コロナの逆風にもかかわらず、今年4~6月の月次売上は前年同月比100%を上回る。そんなワークマンの強さを、財務数値をもとに紐解いてみたい。

実質無借金のキャッシュリッチ企業

 まず、過去5年間の業績の推移を見てみると、営業総収入(売上高に相当)も営業利益も右肩上がりで伸びている。直近では営業総収入が前年同期比37.8%増の923億円、営業利益も41.7%増の191億円と急上昇している。

 一方、店舗数はどうかというと、増加しているものの、その伸びは緩やかだ。出店ペースが緩やかなのに売り上げが急増しているということは、既存店で着実に業績を伸ばしていることの証だ。

 過剰な出店攻勢で売上を急拡大させ、その歪みで財務体質が悪化する会社もあるが、ワークマンはそうではない。安全性を表す自己資本比率は約80%と非常に高い。しかも、現預金452億円に対して、借入金は13億円しかない。実質無借金のキャッシュリッチ企業だ。

 ワークマンはもともと建設現場や工事現場の作業服専門店として40年前に誕生した会社だ。プロの職人向け店舗なので、長らく一般客には縁遠い存在だった。しかし、2018年9月から「ワークマンプラス」という一般客向け業態始めたのをきっかけに、一気にブレイクした。

 もともと職人向けなので、耐久性や機能性は高く、アウトドアやスポーツにも適している。しかもオシャレで値段も安いとあって、若者や女性など新たな顧客を呼び込むことに成功した。

 このような成長力もさることながら、特筆すべきは、営業利益率20.8%という非常に高い収益力だ。これは業界内でも極めて高い。現に、ユニクロを展開するファーストリテイリングの営業利益率は11.2%、ファッションセンターしまむらは4.4%しかない。

 ワークマンは、高機能な衣料品を低価格で販売しているので、一見、儲けが少ない薄利多売ビジネスかと思いきや、実はそうではなかったのである。

FC店を軸とする出店戦略

 大手アパレルをも凌ぐワークマンの高収益率の要因は、ワークマンの出店戦略にある。2020年3月末時点で全国に868店舗を出店しているが、そのうち96.1%がフランチャイズ(FC)店である。ちなみに、ユニクロはほとんどが直営店であり、しまむらに至ってはすべてが直営店だ。

 ワークマンのFC契約によると、FC店の粗利益を加盟店とワークマンで分け合う方式であり、ワークマンの取り分は6割だ。ロイヤリティ収入は、ワークマンにとって原価ゼロの収入となる。しかも、人件費も家賃もFC加盟店負担なので、FC店を増やしても、ワークマンの追加コストはそれほどかさまない。

 FC店オーナーはいわば社外の個人事業主なので、一般に、直営店よりも本部からのコントロールが難しい。ややもすれば、FC店の離反でブランド価値が毀損することもあり得る。しかしワークマンは、創業当初から店舗オペレーションの標準化に力を入れており、FC化に絶対的な自信を持っている。実際、目標とする経営指標に「フランチャイズ比率」を掲げており、年々その比率を引き上げている。

 また、出店するエリアはすべて本部の方針の下で決定する。コンビニのように同一商圏内に複数出店して顧客の奪い合いにならないようにするためだ。さらに、小売業は地域密着という考えのもと、出店する地域の地元住民でないとFC店オーナーになれないという。

 ワークマンの高い営業利益率は、このような緻密なFC経営の賜物といえる。

唯一の懸念材料

 ここまで見てきたように、ワークマンに懸念材料はほとんど見当たらない。唯一あるとすれば在庫リスクだろう。

 一般に、アパレル会社は粗利益を高めに設定している。それは、在庫リスクを織り込む必要があるからだ。アパレル品には流行があり、売れ残った在庫は値引きしてでも売らなければならない。その分のロスを見越して、定価はやや高めにしておく必要がある。

 アパレル業界の原価率はおおむね30~50%なのに対し、ワークマンの商品の平均原価率は約65%。粗悪品を安く販売しているのではなく、しっかりコストをかけてつくられた高機能商品を低価格で販売しているからこそ、消費者にとってはお得感があり、人気がある。

 ではなぜ、ワークマンは高い原価率でも大丈夫なのだろう。ワークマンがもともと販売していた職人向け作業服には、流行がないということが要因として考えられる。季節が過ぎても来年になればまた売れる商品ばかりなので、他のアパレル会社と比較したら在庫リスクは限定的だろう。極端なことを言えば、今までの高機能低価格戦略は、在庫リスクが少なかったからこそ有効な手段なのではないだろうか。

 現在、販売が好調な若者向けや女性向けの商品は流行り廃りがある。デザインが古臭くなれば、多少なりとも販売に影響が及ぶだろう。つまり、これまであまり意識する必要がなかった在庫リスクというものを意識しなければならない。

 かといって、他のアパレル会社のように粗利益を高めてしまうと、高機能かつ低価格というワークマンのコンセプトから外れてしまい、魅力が薄れてしまう。一方、大量に売れ残ったら廃棄ロスとなり、FC店の粗利益が減ってしまう。FC店の粗利益が減れば、ワークマンの取り分も減って、営業利益率が低下する。

 そんな最悪のシナリオにならないかどうかを、財務数値で検証してみよう。売上高の伸び率に比べて、在庫金額の伸びが大きいのが気になる。しかし、在庫回転期間を計算したところ、2019年3月期は60日で、2020年3月期は66日。極端に長くなっているわけではなく、依然として2カ月程度しかない。むしろ人気商品は品薄状態で、機会ロスが発生しているくらいだ。今のところは問題ないが、この数値は今後も注視していきたい。

(文=川口宏之/公認会計士)

●川口宏之(かわぐち・ひろゆき)

公認会計士

1975年栃木県生まれ。2000年より監査法人トーマツにて、主に上場企業の会計監査業務に従事。2006年、みずほ証券(旧・みずほインベスターズ証券)にて、新規上場における引受審査業務に従事する。2008年、これまでの経験を活かし、ITベンチャー企業の取締役兼CFOに就任。ベンチャーキャピタルからの資金調達、株式交換による企業買収などで成果を上げた。現在は会計コンサルタントとして、上場企業の決算支援業務や、各種研修・セミナーの講師等で活躍する。「監査法人・証券会社・ベンチャー企業・会計コンサル」。4つの視点で会計に携わった数少ない公認会計士。

著書『経営や会計のことはよく分かりませんが、儲かっている会社を教えてください!』(ダイヤモンド社)など多数。

筆者ホームページ:https://kawaguchihiroyuki.com/

書籍:https://www.amazon.co.jp/dp/4478109060/

携帯電話基地局、周辺住民の「がん死亡率」高く…5G、一部欧州で中止、人体へ影響懸念

国策としての無線通信網整備の影で

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言が続いていた5月27日、スーパーシティ法(改正国家戦略特区法)と呼ばれる法律が国会で成立した。5G(第5世代移動通信システム)の導入と連動して、日本の未来型都市の構築を進めるための法律である。国家戦略特区を設け、そこで人工知能(AI)や5Gなどを駆使した自動運転、医療、防犯などの「実験」を行うための法的な布石にほかならない。

 このプロジェクトの有識者懇談会の座長には、小泉政権の時代に急進的な規制緩和策を押し進めた竹中平蔵・東洋大学教授が就任している。あまり報道されていないが、未来型都市の構築はいわば政府肝いりの計画なのである。

  こうした状況下で、通信基地局の設置をめぐるトラブルが増えている。3月31日付日本経済新聞によると、千葉市は「楽天モバイルと共同で学校敷地内に基地局を設置」することで合意しているという。「導入するのはまず市内の5小学校」で、7月から基地局設置の工事に取り掛かる。埼玉県野田市では楽天が住居から2メートルの位置に基地局を設置しようとして、住民から抗議を受け計画中止に追い込まれた。

「電磁波からいのちを守る全国ネット」の運営委員をしている筆者のもとには、基地局設置に関する相談が頻繁に持ち込まれる。その背景には、電磁波による人体への影響について認識が広がってきたことに加えて、携帯電話各社が基地局の設置を急ピッチに進めている事情がある。たとえばKDDI「今後2023年度末までに国内最多となる53,626局」の設置を予定しているという。

 筆者自身も基地局設置をめぐるトラブルに巻き込まれている。埼玉県朝霞市の自宅から100メートルほどの場所でKDDIが基地局を設置するための工事に着手したのだ。しかも、設置場所は朝霞市の公有地である城山公園の敷地内である。基地局設置をめぐるトラブルは今後、多くの人が直面する問題である。

   6月8日の午後、筆者はたまたま工事現場を通りかかった。そして工事の標識を見て、KDDIの基地局設置工事であることを知った。同社の下請け工事会社に工事の中止を求めたところ、数時間して工事のペンディングを伝えてきた。そして翌日、現場から重機を搬出した。こうして筆者とKDDIは話し合いをすることになったのだ。

 一方、朝霞市のみどり公園課には、基地局設置を目的とした公園使用の許可取り消しを求めたが、KDDIに法的な不備はないので、応じられないとの返答を受けた。

電磁波による人体への影響

 携帯基地局や携帯電話端末から発せられる電磁波による人体への影響は、特に欧米で指摘されている。スイスでは5Gの計画が中止になった。日本と欧米の認識の違いは、規制値の著しい数値差に的確に現れている。たとえば携帯電話で使われるマイクロ波の規制値は、日本が1000μW/平方センチメートル(1.5GHz~300 GHz)であるのに対して、欧州評議会の勧告値は0.1μW/平方センチメートルである。

 欧米でも各国の政府が定めている規制値は、日本とあまり変わらないほど緩やかな傾向があるが、地方自治体などが独自の推奨値を設定したり、条例を制定するなどして、基地局の設置をある程度規制している。どこにでも自由に設置することはできない。基地局の撤去を命じる判決も下されている。

 マイクロ波をめぐる安全性の研究は、大きく2つに分類できる。マイクロ波による人体への影響は熱作用だけと考える研究者群と、それ以外の要素も考慮すべきであるとする研究者群である。「それ以外の要素」は総称して「非熱作用」と呼ばれ、その代表格は遺伝子毒性である。遺伝子を傷つけて、がんなどを発症するリスクがあるとする説である。

 アメリカの国立環境衛生科学研究所のNTP(米国国家毒性プログラム)の最終報告(2018年)は、マイクロ波によって「雄のラットが心臓腫瘍を発症したという明確な証拠がある」(電磁界情報センター)などと結論づけた。これは携帯電話端末を想定した実験であるが、だからといって基地局からの電磁波が安全という保証はない。というのも電磁波自体は弱くても、基地局周辺の住民は1日に24時間、5年、10年、15年と長期にわたり電磁波を被曝し続けるからだ。

基地局からの距離とがんによる死亡を検証した疫学調査

 基地局周辺にがん罹患者が多いという疫学調査は複数ある。たとえば11年にブラジルのミナス・メソディスト大学のドーデ教授らが実施した調査である。これは1996年から2006年まで、ベロオリゾンテ市においてがんで死亡した7191人の住民の居住地点と基地局との距離関係などを調査したものである(出典:Science of the Total Environment)。基礎資料として使われたのは、次の3点である。

・市当局が管理している、がんによる死亡データ

・国の電波局が保管している携帯基地局のデータ

・国政調査のデータ

 対象の基地局数は856基。電力密度は40.78μW/平方センチメートル~0.04μW/平方センチメートルである。結論を先に言えば、基地局に近いほど、また基地局の設置数が多い地区ほど、がんによる死亡率が高い。下記のデータは、調査対象の7191人の住居と基地局の距離を分類したものである。

※基地局からの距離:がん死亡者数

・100m以内:3569人

・200 m以内:4977人

・300 m以内:5950 人

・400 m以内:6432 人

・500 m以内:6724 人

・600 m以内:6869人

・700 m以内:6947人

・800 m以内:6989人

・900 m以内:7000人

・1000 m以内:7044人

(その他、基地局から1000 mより外のケースが147人)

 基地局に近いほど、がんによる死亡率が高い。基地局から100メートル以内に、調査対象となった7191例の約半分が位置づけられたのである。また、地域別の死亡率についていえば、がんによる死亡率が最も高かったのは、中央南区である。この地区には市全体の基地局の39.6%(06年の時点)が集中していた。逆に最も低かったのはバレイロ区で、基地局の設置割合は全体のわずか5.37%だった。

 もちろん懸念されているのは発がんだけではない。10年に沖縄県糸満市の西崎病院・新城哲治医師が実施した疫学調査では、倦怠感、精神錯乱、意識障害、しびれ、めまい、視力障害、頭痛、不眠などさまざまな症状が報告されている。

基地局に関する情報が住民に開示されない不思議

 朝霞市のケースでは、2つの重要な問題点がある。第1に電磁波によって健康上のリスクが生じるとする有力な説があることを、朝霞市とKDDIが住民に説明したのかという点である。第2に、両者とも基地局に関する情報、たとえば電磁波の放射範囲や予測される電力密度、将来的に基地局の仕様を変更する予定の有無、さらには両者の契約書などの詳細を開示していないことである(周波数帯と出力についてはKDDI側が開示した)。

 朝霞市の富岡勝則市長に筆者が内容証明で送った公開質問状の回答によると、KDDIは今年 4月 20日 に携帯電話基地局建設のための公園占用許可申請書を朝霞市のみどり公園課に提出した。そして25日に朝霞市は「申請内容が許可基準等に適合している」として、許可を下ろしたのである。つまり緊急事態宣言で自粛要請が行われていた時期に基地局設置の手続きが急ピッチに行われたのだ。

 朝霞市の説明によると、住民に対してKDDIが基地局設置に関する説明を行い、それを示す書面も提出されているとのことだった。ところが筆者が基地局の設置場所から直近に住む住民にKDDIから説明を受けたかどうかを取材したところ、「説明は受けていない」と答えた。そこでKDDIの広報部に事情を尋ねたところ、「基地局の建設にあたっては適切な説明を関係者の方々へ実施しています」との回答があった。説明会の日時と場所を明かさないので、広報部に繰り返し書面で質問したが、説明会を開いた日時と場所が明かされることはなかった。

 朝霞市も、この点について、「住民説明の個別具体的な内容につきましては事業者に対し確認をお願いします」(質問状の回答)と回答を回避した。筆者が重ねて回答を催促すると、7月10日に次のようなメールが来た。

「住民説明につきましては、令和元年7月6日から令和元年8月6日までの間で実施されたようです。個別具体的な内容につきましては、事業者に確認をお願いします」

 公園占用許可を申請する約1年前に住民に対して説明したというのである。

 筆者は朝霞市に対して、KDDI基地局に関する情報などを全部開示するように、公式に情報公開請求を申し立てた。これに対して朝霞市は、「図面」「基地局位置が特定できる情報」「委任事項」「対応結果」「内容(対応相手の反応)」「工作物の高さ」「築造面積」など肝心な部分は非公開とする決定を通知してきた。

 これでは朝霞市とKDDIがどのような契約を結んでいるのか分からない。住民が被曝することになる電磁波の正体すらも知ることができない。KDDIと筆者の話し合いの前提となる基本的な資料の提出を阻んでいるわけだから、筆者としては不服(異議申立)の手続きを取る以外に選択肢がない。

 学校や公園など公有地への基地局設置問題は、今後増えていく可能性がある。それ以外の場所への設置はますます加速するだろう。そんな時代、電磁波による人体への影響を軽視することはできないのである。

(文=黒薮哲哉/「メディア黒書」主宰者)

日常会話のなかで我が子の「計算力」を伸ばす方法…ケーキで分数、料理で単位換算

算数の力の基準となる「計算力」

「新型コロナウイルス」の影響の下、各ご家庭においてお子様の学習のご様子(行っている、行っていないも含め)をご覧になる機会は、例年以上に増加したのではないでしょうか。少しずつ普段の状況に戻りつつも、「テレワーク」の増加等お子様の学習の機会を目にすることは今までよりも多くなることと思います。特に中学受験をお考えのご家庭においては、行っている行っていないだけではなく、「中身」についても知っておきたいものです。

 そこでその「中身」の中から、ご家庭でもできる確認・チェック事項やお子様へのアドバイス項目、親子の対話の一つにでもしていただきたい「ネタ」等をお伝えできればと思っています。あくまでも「中身」についてということで、「モチベーションアップ」等の精神面のことではございませんのでご理解ください。

 よく中学受験の算数の力は「計算力」の有無であるといわれます。もちろんそれだけではありませんが、大きな比重を占めていることは間違いありません。また保護者の方が考えている以上にお子様方(特に低学年)は「計算力」の有無を、算数のできるできないの判断基準(相対評価)としているように感じます。

 それでは「計算力」とは何をさすのでしょうか?

 中学受験においてもとめられる「計算力」とは、そろばん的暗算のような瞬発力のみのことではありません。もちろん一定の技術やある程度のスピードは必要です。それら以上に必要なのが、知識として取り入れた方法を利用しながら計算するといったことで、この知識の利用状況を確認チェックしてあげてほしいと思います。

親子の会話の中での計算知識

 ご家庭でできる計算知識としての手始めは、いきなり計算問題を与えドリル的計算の量を増やすことではありません。特に低学年のお子様はまだまだ計算技術を習得している最中で、学校でも塾でもその手習いが最優先となっていることと思います。ご家庭ではその手習いの量を増やすこと以上に、会話の中で計算に関する知識を取り入れてほしいと思います。

 以下、初期段階(主に低学年)でできる親子におけるやりとりの例です。

・(料理のお手伝いの場面で)

母「計量カップには1L(リットル)=1000mL(ミリリットル)ってかいてあるね。この計量カップの半分まで牛乳を入れてね。何L入った?」

子「0.5L=500mLってかいてあるところまで入ったよ。」

母「正解!」                 →単位換算

・(食事前)

母「お父さんにはAちゃんの2倍のご飯をよそってね。」

子「だいたいこのぐらい?」

母「ちょっと少ないかな。Aちゃんのお茶碗2杯分になるようにすればOKよ。」

子「じゃあ、私のお茶碗によそった量をもう一回やればいいね。」

母「正解!」 

・(食事後)

母「デザートのケーキを3人でいっしょに分けましょう。3人が同じ大きさになるように1/3ずつに分けてね。」

子「3人が同じ大きさになるように分けるのって難しいね。」

父「3つの同じ大きさに分けると1人が1/3ずつになるんだよ。」

子「ふ~ん。」

父「じゃあ、2人分ではいくつになると思う?」

子「…?」

父「3つに等しく分けたうちの1つ分が1/3だから、3つに等しく分けたうちの2つ分は?」

子「わかった、2/3だ!」

父母「正解!」                →倍数関係、分数計算

・(買い物の場面で)

子「お菓子ほしい~」

母「じゃあ、自分で買ってらっしゃい。いくらあればたりる?」

子「う~ん、290円と480円だから…」

母「おつりもらってくればいいから、だいたいいくらか教えて。290円はだいたいいくら?480円はだいたいいくら?」

子「えっと、290円はだいたい300円で、480円はだいたい500円だから…。じゃあ800円ちょうだい。」

母「ちゃんとおつりもらってくるのよ!」     →概数、検算(ケアレスミス点検)

・(休みの予定をたてる場面で)

父「今年のBくんの夏休みは何日間あるの?」

子「8月1日から8月25日までだから25日間あるよ。」

父「じゃあ、そのうち塾の講習会があるのは何日間?」

子「8月3日から8月12日までだから、えっと…(指を折り始める)」

父「じゃあ、8月3日から8月4日までなら何日間?」

子「2日間にきまってる!」

父「じゃあ、8月3日から8月5日までなら何日間?」

子「1日増えただけだから3日間」

父「じゃあ、8月3日から8月12日までは?」

子「う~ん…」

父「人の数で考えてみたら?3番の人と4番の人なら、4-3=1だけど人数は1+1=2人いるよね。3番・4番・5番の人なら、5-3=2だけど人数は2+1=3人いるよね。それなら3番から12番の人は?」

子「そっか!12-3=9だけど、人数は9+1=10人だ。じゃあ、8月3日から8月12日までは10日間!」

父「正解!」                  →日数計算、植木算

 上記の例のように、親子の会話の中にもたくさんの計算や数量の話題を盛り込むことができます。

 今回は「基本編」ということで、主に低学年のお子様に向けたものでした。次回は「応用編」として、会話以上にお子様がノート等に記載した計算に対し、アドバイスとなる確認・チェック事項を記したいと思います。

(文=内田実人/中学受験指導スタジオキャンパス)

個人事業者と給与所得者、得なのはどっち?税負担に大きな差、某大学教授が憲法違反だと裁判

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。好きな配当は「蛸配当」です。

 日本は「申告納税制度」なので、みなさんの申告によって税額が確定し、納税を行うことになります。場合によっては、それから税務調査が行われ、追加で本税を支払うこともあるでしょう。

 ただ、申告納税制度のもとにおいても、申告をしない、いわゆる“無申告者”は存在します。税務行政は、それを放置しているかというと、もちろんそのようなことはなく、情報収集に努め、それらについても是正しています。

 もうだいぶ昔のことですが、関西地方の有名大学の教授が、無申告加算税を賦課決定されたことがありました。教授の給与年収は170万円、雑収入は3万円で、決定は源泉所得税を引いた本税5万円と無申告加算税数千円でした。

 年収が少ないように見えますが、当時の平均年収は44万円で、私立大学の教授職の年収として170万円は相応の金額だと思います。教授は、3つの理由で納得がいかなかったようで裁判になりましたが、最高裁判所の判決が出たのは確定申告から20年後のことでした。

【教授の3つの主張】

(1)事業所得には必要経費の実額控除を認めているが、給与所得にはこれを認めず、給与所得控除の額も、実際に給与所得者が支出する必要経費の額を大きく下回る。

(2)事業所得の捕捉率に比べ、給与所得の捕捉率は極めて高く、給与所得者は不当に過大な所得税負担を強いられている。

(3)事業所得者には合理的な理由のない各種の租税優遇措置があるが、給与所得者にこれはなく、不当に過大な所得税負担を強いられている。

 つまり、給与所得者である自分は、個人事業者と比べて不当で過大な税負担を強いられており、これは憲法14条1項に違反して無効であると主張したのです。

【憲法14条】
 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

個人事業者と給与所得者、得なのはどっち?

 みなさんが税務調査を受けて、あるいは税務署の処分を受けて、その処理に納得がいかないということはあるでしょう。税法の規定が間違っている、実際の経済活動を考慮していないなどと考えて、不服申立てや裁判を行うこともあるかもしれません。

 しかし、憲法違反であると主張するのは、なかなかに難しいのではないでしょうか。教授の主張に対し、裁判所は次のように判断しました。

 まず、給与所得と事業所得の控除などの違いについては、「国民各自の事実上の差異に相応して法的取扱いを区別することは、その区別が合理性を有する限り、なんら違反するものではない」。そして、“クロヨン”“トゴーサンピン”と揶揄されるように、所得の捕捉率には乖離がありますが、これについては「租税公平主義の見地から、その是正のための努力が必要であるといわなければならない。しかしながら、このような所得の捕捉の不均衡の問題は、原則的には、税務行政の適正な執行により是正されるべき性質のものである」としました。

 さらに、「租税優遇措置が合理性を欠くものであるとしても、(略)違憲無効ならしめるものということはできない」として、教授の主張を退けました。

 教授の主張は認められませんでしたが、その後、昭和60年の税制改正において、給与所得控除は拡張され、確定申告関係の書籍やサイトでお馴染みの、まったく使えない制度“特定支出控除”が新たに創設されました。

 給与所得者と事業所得者の税負担が平等だとは思いませんが、それを理由に申告しないというのは、合理性に欠けます。ただ、教授の訴えがなければ、今日の所得税の制度はなかったかもしれない。そう考えると、勇敢かつ意義のある事件だと思います。

 なお、もし税負担のことだけを考えて、個人事業者になろうという人がいれば、それは正しい選択とはいえません。税負担以外の長所が給与所得者にはたくさんあるからです。
(文=さんきゅう倉田/元国税局職員、お笑い芸人)

●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。2017年12月14日、処女作『元国税局芸人が教える 読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)が発売された。

「ぼくの国税局時代の知識と経験、芸人になってからの自己研鑽をこの1冊に詰めました。会社員が社会をサバイバルするために必須の知識のみを厳選。たのしく学べます」

セブンイレブン、今買うと後悔する食品5選…うま辛チキン、フライドポテト、牛乳寒天

 大手コンビニチェーンのセブン-イレブン。新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、コンビニ業界全体の売上が減少傾向にあるなか、6月度のセブン既存店売上高は前年同月比で101.0%となり、3カ月ぶりに前年の売上高を超えた。ほかの大手チェーンはいまだ減少傾向にあるため、国内最大手の底力を見せつけたというところだろう。

 さて、セブンの食品といえば、お弁当やチルド麺といった主食から、ちょっとしたスイーツまで幅広いラインナップで、いずれも高クオリティな食品が多いことでも有名だ。だが、なかには買ってみると期待とは違っていたという商品もちらほら……。

 そこで今回は、セブン-イレブンの食品をリサーチし、「この夏、買ってはいけない商品」を5つセレクト。あくまで「買うべき・買ってはいけない調査班」の独断ではあるが、買い物の際に参考にしていただければ幸いである。

みかんの牛乳寒天/203円(税込、以下同)

 去年の春に当サイトで掲載した記事『セブンイレブン、“感動”品質の「とみ田ラーメン豚骨醤油」「オマール海老のビスク」』では、買うべき商品として「セブンプレミアム牛乳寒天3個パック」を紹介した。しかし、今回紹介する「みかんの牛乳寒天」は、同じ牛乳寒天でも買ってはいけない商品といわざるを得ない。

 この商品は牛乳寒天でありながら、ミルクの風味は薄っすらと香る程度であり、甘さだけが続くうえに量が多いため、途中で飽きてしまうという声が多いのである。決して味が極端に不味いというわけではないのだが、掴みどころのない甘さが淡々と続くため新鮮さはなく、惰性で食べ進めることの虚しさを感じた人も少なくないだろう。

 みかんの果肉はフレッシュで美味しいのだが、表からはたっぷり入っているように見えるのに対して、実際は上部などに集中しているため、みかんの量に期待して購入すると落胆してしまうこともありそうだ。みかんが目当てでも、牛乳寒天が目当てでも、この夏を乗り切るためのご褒美スイーツとして買うと、期待外れとなってしまうかもしれない。

フライドポテト/162円

 セブン-イレブンのホットスナックコーナーには美味しい商品や、コストパフォーマンスに優れた商品もあるのだが、昨年夏掲載の記事『セブンイレブン、買うとガッカリな商品5選!ミニ冷し中華、冷しちく玉天うどん…』で紹介した「チキンナゲット 5個入り」のように、イマイチな商品も存在する。定番商品として並んでいる「フライドポテト」もそのひとつだ。

 最大の欠点は、保温時間による差が極めて大きいことだ。揚げたての美味しい状態であれば問題ないのだが、長い間並んでいたことで、パサパサとした食感になってしまっている商品に出くわしてしまうことも少なくはない。せめてセブンならではの際立った特徴があればまだいいのだが、残念ながらそれもあまり感じられない。

 しかし、その一方で冷凍食品の「レンジでフライドポテト」(138円)という商品は、電子レンジで加熱するだけで、細切りでカリッとした食感のポテトが味わえると評判になっている。ひと手間がかかってしまうが、ホットスナックコーナーのフライドポテトを買うならば、ぜひこちらの冷凍フライドポテトを味わってみてほしい。

ハッシュポテト/95円

 先ほど挙げた「フライドポテト」と同じく、「ハッシュポテト」も揚げてから時間が経過してしまったものだと、品質がガクッと落ちてしまうためオススメできない商品だ。

 揚げたてではない「ハッシュポテト」を実際に購入してみると、何よりもまず包装紙に油が染み出してしまったことによる持ちづらさが印象に残った。口にすることでさらに油が溢れ出てくるため、思わず胃もたれを心配してしまうほど。夏場の猛暑日ならば、その油っこさというデメリットが増すだろうことは想像に難くない。

 タイミングよく揚げたてを購入できたとしても、突出した美味しさがあるというほどでもないのが「ハッシュポテト」のつらいところ。また、そもそもサイズ・量を考えて、ポテトを揚げただけのこの商品が約100円もするということに、解せないと感じる人もいることだろう……。

うま辛チキン(黒胡椒にんにく味)/213円

 ホットスナックコーナーにたびたび登場する人気シリーズの「うま辛チキン」。だが、最近ラインナップに加わった新味の「うま辛チキン(黒胡椒にんにく味)」は、購入するにあたってやや注意が必要な商品だ。

 大きな難点としては、衣がオイリーで重く感じられることと、にんにくの風味が強いことのふたつが挙げられる。油でペトッとした衣になっているため、カリカリ感やサクサク感は味わうことができないのである。さらに、にんにくの香りが強いので、ビジネスパーソンが仕事の合間などに食べるには不向きと言える。

 しかしながら、商品名になっている黒胡椒の辛味とにんにくの味わいをしっかり堪能できるため、衣の油っこささえ許容することができる方であればナシではないかもしれない。

バスクチーズケーキ/257円

 ケーキのなかでも甘さが控えめであることから、男性にも愛好者が多いチーズケーキ。昨年はローソンから発売されたバスク風チーズケーキが一世を風靡したが、セブン-イレブンも後追いで「バスクチーズケーキ」を発売した。

 ローソンのものと比較するとひと回り大きなサイズを誇るこちら。しかし、肝心の中身はというと甘さばかりの単調な味で、口当たりについても公式サイトなどでは“とろけるような滑らかな食感”と謳われていたが、実際にはしっとりとしたやや重めのテイストであった。全体的にチーズケーキの特徴のひとつでもある軽やかな甘みが、完全に損なわれているような印象を抱いたのである。

 甘みが強いチーズケーキが好きだという方は、値段に見合ったボリュームなので満足できるかもしれない。だが、甘さを抑えたチーズケーキが食べたいのであれば、ローソンなどほかのチェーン店のバスクチーズケーキを購入したほうがいいだろう。

 今回紹介した商品のなかには、注意すべき点さえ踏まえれば、大きなギャップを感じることなく美味しく味わえるものもある。要するに、よく吟味して選ぶことが肝要ということだ。

(文・取材=「買うべき・買ってはいけない調査班」from A4studio)

サザンオールスターズ配信公演3600円の意味…新たなビジネスモデルとコロナ後の芸能界

 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が解除されてから約1カ月半。感染者が再び増加傾向にありまだまだ警戒をゆるめることはできませんが、放送が延期されていた4月クールのドラマも、続々と撮影再開、放送が開始されています。

 木村拓哉さん主演の『BG〜身辺警護人』(テレビ朝日系)は6月18日、綾野剛さん、星野源さん主演の『MIU404』(TBS系)は6月26日、中島健人くん・平野紫耀くん主演の『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)は6月27日から放送中。そしてこれぞ真打ち、の堺雅人さん主演の『半沢直樹』(TBS系)は、いよいよ7月19日にスタートしました。

 木村拓哉さんのインスタグラムには、フェイスシールドを着用してドラマ現場で過ごしている写真が頻繁に投稿されており、ドラマ撮影現場も新しいルールのなかで進んでいることがうかがえますね。

ビニールシートで客席と仕切られた、音楽ライブの“異常な光景”

 そして、まだまだ厳しい状況が続いているのが舞台やライブハウス。舞台は6月から上演に向けた稽古を始めたところが多いようですが、今まで通りの形で上演するのはやはり不可能。「劇団四季」などもそうですが、“前売りチケットの再販売”という形を取らざるを得ないんですよね。お客さんがコロナ禍前に購入してくれていたチケットを一度払い戻しし、もう一度、座席間に充分な空きを確保した状態の席数で販売し直すというものです。プレミアチケットをゲットできていた人は、本当に悲劇ですよね……。抽選がやり直しされるうえ、チャンスは半分に減ってしまうんですから。さらに、座席数を減らしたことでチケット料金を値上げしているケースも多い。そうしないと採算が取れないから仕方ないのですが……。

 ライブハウスも、6月19日以降、全国的に観客を入れた営業が可能になったものの、観客同士の距離、出演者と観客間の距離をあけるなどの対策が必要。小規模のライブハウスは営業を再開しているところが多いものの、ビニールシートがステージと観客の間に張られた状態で、客席にぽつぽつと置かれた椅子に座った観客たちが、声援の代わりにカスタネットや太鼓でエールを送る……などなど、今までとは違う形で試行錯誤しているようです。もちろん、ライブハウス内で正しいソーシャルディスタンスを取ろうとすると、収容人数はこれまでの5分の1〜4分の1ほどになってしまう。チケット料金を値上げする、複数回公演を行う、同時にオンラインで有料配信を行うなどして、なんとか収益を上げる工夫をする必要がありますよね。

サザンのかつての公演チケット9500円が、配信ライブでは3600円

 有料配信といえば、サザンオールスターズが6月25日に横浜アリーナから無観客ライブ配信を行いました。医療をはじめとするエッセンシャルワーカーの方々やファン、音楽活動を支えてくれているスタッフに感謝の気持ちを届けるのをテーマとして開催されたもので、有料配信チケット(3600円)購入者はなんと約18万人、推定視聴者数は50万人以上にものぼったそうです。すごい!

 とはいえ、サザンオールスターズクラスのミュージシャンでも、オンラインだと3600円程度の値段設定になってしまうんだなぁ……というのがぼくの正直な感想。サザンオールスターズが2019年に開催した全国ツアーのチケット料金は9500円。それに比べると3600円というのは破格の金額ですが、それでも「オンラインなのにこの値段は高い」といわれてしまうんですよね……。

 ミュージシャンのライブでも演劇の舞台でもそうですが、ファンってツアー中の公演には何度も足を運んでくれるじゃないですか。それが配信ライブだと、たった1回で終わりになってしまう。たとえば、500人程度のキャパがある劇場で、チケット1万円の舞台を30回上演したとして、それでざっと1億5000万の売上になりますよね。それを1回の配信で実現しようとすると、チケット料金が3000円だとして5万人が観ないと追いつかない、という計算になってしまう。

 そのうえ、さっきお話ししたように、舞台やコンサートの動員数って、人数そのままじゃなくて“のべ人数”なんですよね。熱心なファンは、初日・千秋楽と、さらにあと1回くらい観に行こうかな……と考えてくれますからね。1回×5万人ではなく、2回・3回来場している人を含めての5万人なんです。また、舞台には親子で連れ立ってくる人も多い。チケットが2枚売れていたのが、オンラインだと1枚のチケットで、家族全員が同じ画面で楽しめてしまうわけです。

配信限定ライブをわざわざ横浜アリーナでやったのはなぜなのか?

 こうなってくると、今までと同じやり方ではとても商売が成り立たない。公演を開催する側としては、これまでとは予算についての考え方をまったく変えていかないといけなくなった、ということです。

 ところで、サザンオールスターズの無観客配信ライブは横浜アリーナで開催されたのですが、なぜ横浜アリーナだったのでしょうか? 配信するだけならもっと小さい会場で十分だし、コスト削減になるのに……と疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

 今回のサザンのライブの収益の一部は新型コロナウイルスの治療や研究開発にあたる医療機関に寄付することになっており、現在の社会を支える「エッセンシャルワーカーの方々やファンに感謝を伝える」というのが大きなテーマになっていました。でも実は、それと同じくらい大きな裏テーマになっていたのが、先ほども触れましたが「音楽活動を支えてくれているスタッフに感謝の気持ちを伝える」という部分なんです。

 桑田さんは自身のラジオ番組(『桑田佳祐のやさしい夜遊び』TOKYO FM系、6月13日放送)で「同業者のみなさんやスタッフのみなさん、ライブやイベントがキャンセル・延期になっている。そういうなかで、おじさんおばさんたちが動くことで何かお手伝いできれば」と語っています。

 というのも、音響スタッフ、照明スタッフ、セット担当、ダンサー……。コンサートスタッフはフリーランスや制作会社が担っていることが多く、今回のコロナ禍でコンサートやイベントがなくなったことで大きな損害・ダメージを負った人たちがほとんど。そういうスタッフたちの働く場を作るため、そして、またいつかライブが開催できるようになったときにその人たちが廃業しているなんてことがないように、という思いが強くあったようですね。

サザンが「有料配信」にこだわったことの意味

 今回サザンが、無料でなく有料配信にしたことの意味も大きかったと思います。緊急事態宣言中にライブを無料配信するアーティストも多かったため、有料配信を「高い」と感じる視聴者も多かったと思いますが、サザンという国民的アーティストがこのように大規模な有料配信ライブを行ったことで、あとに続きやすい雰囲気が強くなってきたのではないでしょうか。

 今回のコロナ禍で、国民の生活はガラッと変わり、エンタメ業界も大きく変わろうとしています。少しでも人の心を救ったり、元気づけたりできるようなエンタメを届けられるよう、ぼくもこの業界に携わる人間として、いろんな方法を試行錯誤しつつ、考え続けていきたいと思います。

(構成=白井月子)

●芸能吉之助(げいのう・きちのすけ)
弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

警察による「夜の街」立入検査は違法だ! 安倍政権と小池都知事が「夜の街」叩きでごまかしているうちに医療と保健所が崩壊寸前

 昨日24日、国内の新規感染者が981人と過去最多を更新し、なかでも東京都では366人と初の300人超えを記録した。全国の都市部を中心に市中感染が広がっていることはもちろん、高齢者の感染も増えてきており、今後、重症者が増加していくことが予想される。  医療体制の整備や感染...