ゴーン海外逃亡、空港の保安検査“穴だらけ”の呆れた実態…過酷な労働環境で職員疲弊

 空前の逃亡劇に世界中の注目が集まっている。前日産自動車会長、カルロス・ゴーン被告(65)がレバノンに逃亡した事件。年末から年明けにかけて、どのようにゴーン被告が逃亡したのか、その手法についてさまざまな報道がなされた。産経新聞インターネット版は5日、「関空、荷物エックス線検査せず ゴーン被告逃亡」と報道。「被告が出国に使ったとみられるプライベートジェット機に持ち込まれた荷物が、関西国際空港でエックス線検査を受けていないことが5日、関係者への取材で分かった」としている。出国した空港は関西国際空港だが、ここで疑問なのが、なぜ空港の保安検査員はゴーン被告の逃亡を見逃してしまったのかという点だ。

「成田空港、保安検査員大量離職」

 今から3年前の2017年2月9日、テレビ番組『NHK首都圏ネットワーク』で放送された「成田空港の保安検査員 大量離職の背景は」と題した特集で、離職者が相次ぐ空港の保安検査現場の厳しい環境が報道されていた。

 番組では保安検査職員に密着。不規則な勤務に月給が手取り15万円であることなど、厳しい労働環境を伝えている。昇給など労働条件の改善が難しい業界特有の事情を解説している。

 出入国時の荷物検査など、保安検査は国が行うものではなく、各航空会社の責任で行うことが航空法86条で定められている。航空会社には保安検査を行うノウハウや人員はないので、警備会社に委託することになる。そして、保安検査場は各航空会社が共同で使っているため、複数の航空会社が委託料を分割負担して支払うシステムになっている。仮に、警備会社が検査員の給料を上げるために委託料の値上げを打診しても、委託しているすべての航空会社の同意を得なければならない仕組みになっているという。

疲弊する保安検査場

 成田空港などの保安検査を請け負う警備会社大手セノンの元社員は次のように語る。

「今回のゴーン被告の逃亡事件の報道を見て、ああ、ついにやってしまったなと思いました。昨年は伊丹空港などで、保安検査のミスで、乗客がカッターナイフを機内に持ち込んでしまった事件が話題になりました。訪日外国人の急増、格安航空会社の増加などで、成田のみならず各国際空港は人員不足で、保安検査場は正直疲弊しきっています。うちの会社は元自衛官が在籍し、タフで注意深い職員も多いですがそれでもキツイ仕事です。

 一部報道では、ゴーン被告はアンプやスピーカーなど音響機器用の機材箱に隠れていたという指摘があるようですが、正直、エックス線検査機に入らない箱なら、もはや検査場はお手上げです。注意深い検査員なら、箱を開けて中身を確認したかもしれませんが、相当重量があるものでしょうし、中身を外に出して確認というわけにはいかないでしょう。

 開けてもそれらしい機器が見られれば、OKを出すでしょう。入国時であれば、細心の注意を払うかもしれませんが、出国となると話は別です。日本は比較的厳しいほうですが、米国などでも『出ていく者(物)は追わず』という不文律があり、やはり甘くなりがちです。いずれにせよ、東京五輪前になんらかの対策が必要になるでしょうね」

 今回の手口が、他国の情報機関や犯罪組織が物や人を運ぶ際に使われていた可能性もある。また逃亡の足跡にも気になる点は多い。ゴーン被告は自宅から出て、どこで問題の「箱」に入ったのか。空港で入ったとは考えにくく、どこかで偽装工作をしたうえで逃亡した可能性が高い。いずれにせよ、世紀の逃亡劇の波紋は当面収まりそうにない。

(文=編集部)

 

お正月太りをラクに解消する「間食ダイエット法」…間食してヤセる食品リスト

 日本人にとって最大のイベントであるお正月が終わりました。お正月は、食生活のリズムが普段と異なる結果、体重が増えてしまうもの。毎年この時期になるとダイエットを始める方も多いのではないでしょうか。

 お正月の食生活スタイルをみていきましょう。まず、1日中、何かを食べ続けたり、飲み続けたり、しかも就寝間際まで飲食していたり不規則な食生活を送ることが多いです。次に、食事の内容が、おしるこ、お雑煮、焼きもち、お蕎麦、おせち料理、お酒、お菓子と糖質が高いものを食べることが多く、栄養バランスに偏りがみられがちです。

 3つめは、暖かい部屋でテレビなどをみて過ごし、体を動かす時間が減ることにより、エネルギー消費量が普段以上に少なくなります。4つめは、起床時間や就寝時間が不規則となり、体のリズムが乱れることがあります。

 このように、食べ過ぎ飲みすぎ、偏った食事、そして運動不足、生体リズムの乱れから体重が増えるのです。逆に考えれば、この4つに注意をして食生活を送れば、体重の増加を防ぐことができるともいえます。

 お正月明け、いつもの生活に戻れば自然に減量できる人もいますが、一度ついたダラダラ食い、食べ過ぎや飲みすぎの習慣を修正するのは大変なことであり、それらが原因でなかなか体重が減らず、増加の一途をたどる人が多いのも事実です。自由奔放に食べていたお正月と打って変わり、ダイエットのために食欲を我慢し食事量を抑えることは、本当に至難の業です。

 まず、ダイエットを始めるにあたり、間食をやめる人が多いでしょう。さらに食事量も減らし、強い空腹を我慢して減量を試みる――。

 よくある失敗例として、食欲を我慢の末、我慢しきれず爆発してドカ食い、まもなくリバウンドという一途をたどるケースがあげられます。また、朝食と昼食の間、昼食と夕食の間が長くなってしまう場合、朝食や昼食を抜いた場合も同様です。長い空腹状態を我慢してからの食事は、食べ過ぎを招くのではないでしょうか。長い空腹時間のあとに摂る食事は、血糖値の乱高下により体脂肪が蓄えられやすくなります。

フルーツや牛乳・乳製品を食べる

 そこで、私はむしろ間食を上手にとりいれて食欲をコントロールし、食事での食べ過ぎを防ぐという減量を試みてほしいと思います。ダイエットしたい人は、間食をしてください。必要以上に食べ過ぎなくてすむばかりでなく、食べる回数を増やすことで体の熱産生が高まり、代謝量アップ効果も期待できます。

 とはいっても、お菓子をだらだら食べることはお勧めできません。また、何を食べてもよいわけではありません。まず、フルーツや牛乳・乳製品を食べてください。これらの食品は、ビタミンCやカルシウムなど意識して摂らないと不足しがちな栄養素の供給源でもあり、毎日摂るべき体に必要な食品です。それぞれ適量であれば余分なエネルギー摂取にはなりません。

 体に必要な食品が摂れて体に必要な栄養素が供給できれば、代謝を助け健康的にやせやすい体をつくることができます。

 ここまで読んで「お菓子は絶対にダメなの?」と思われた方もいるかもしれません。そんなことはありませんが、個人によって、さらには日によって適切な食品は異なると考えています。拙著『おやつを食べてやせ体質に!間食ダイエット』(文藝春秋)で、牛乳・乳製品やフルーツのほかに、あなたにとってベストな間食は何か、お菓子を食べた時の太らないコツ、間食をしながら健康的にやせるコツ、ノウハウなどを書かせていただきました。

 これまで間食で太ってしまった方は、食べ方や選び方が間違っていたかもしれません。2020年、お正月太り解消に、そして今年こそやせたい人は、間食をしてください。

(文=森由香子/管理栄養士)

東京五輪時期、宿泊施設の料金高騰…1泊1万円→94万円に上昇の部屋も

 今年の夏に迫った東京五輪を前に、宿泊施設の料金が高騰している。昨年12月下旬に宿泊予約サイトで五輪開幕日(7月24日)チェックイン分の料金(1泊)を調べてみた。すると「東京」で796軒が見つかったものの、「選択した日程では、この目的地にある室の81%が当サイトで予約不可となっています」と表示された。料金は1泊8600円から。

 その最低料金の部屋をみると、「大人2名 二段ベッドのベッド1台 12平方メートル」で「最後の1部屋」となっていた。外国人向けのゲストハウスのようだ。アパート(マンション)タイプの民泊施設(50平方メートル)は「1ベッドルーム 定員7人」で手数料・税込みで10万7200円、お台場のリゾートホテルは「スーペリア ダブルルーム ベイビュー」で11万4660円。そして、銀座に近い中央区内のゲストハウスは25平方メートルのダブルルームは94万円。サイトには「キッチン施設が充実。自宅のように寛げた」「ワンルームマンションの感覚で使えた」といった利用客の声が添えられている。この施設、1月中旬の料金を調べてみると、1万3260円となっている。

 スカイツリー近くの開会式当日の物件で、1泊120万円というものもあるという。現在は1泊8万円強で、あるテレビ番組で取り扱い業者がAI(人工知能)で120万円の値付けをしたと説明していた。こうした極端なケースは別にしても、通常期に比べ料金が高騰するのは間違いない。都心のホテルの多くが五輪の大会組織委員会や旅行会社などに押さえられているからだ。そのため空いている部屋の多くは民泊施設(アパートタイプ)のようだ。2万円、3万円の部屋が安く思えてしまう高騰ぶりには唖然とさせられる。 

都内の民泊施設届出数は約7000件

 五輪期間中、主だったホテルの予約が取りにくいとなると、狙いは民泊施設だろう。2018年6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されてから1年半。民泊の状況はどうなっているのだろうか。

 観光庁が発表した2019年12月11日時点の民泊施設の届出状況は、全国で「届出件数」が2万2671、「事業廃止件数」が2471、「届出住宅数」が2万200となっている。同法施行前は全国に民泊施設は約5万6000あるといわれていたが、現在合法的に営業しているのは半分以下ということになる。

 都道府県別では東京が最も多い。届出住宅数は東京都(東京都下)が190、23区が6775で合計6965件となっている。次いで大阪府、大阪市、堺市を合わせた大阪が2822件、北海道と札幌市が合計で2796件となっている。ひところ闇民泊問題が話題となった京都は京都府と京都市合わせて724件にとどまっている。

 宿泊の実態はどうか。2019年8-9月の2カ月間の事業者からの報告数によると、全国における宿泊総日数は30万4879日。東京都が11万7864日で最も多く、次いで北海道(4万7396日)、大阪府(4万623日)の順。宿泊者数は総数が38万4999人。最多は東京都の10万1294人で、北海道(6万3993人)、大阪府(3万8550人)と続く。

インバウンドは伸び悩み気味

 民泊というとキャリーケースを引っ張った外国人客というイメージだが、実際はそうでもないようだ。事業者からの報告によると、利用者の内訳は日本国内に住所を有する者が15万5312人で40.3%。海外からの宿泊者が22万9687人で59.7%だった。前回調査(6-7月分)は日本が8万948人、海外が26万9249人だった。日本人利用者がほぼ倍増し、海外客が4万人近く落ち込んだ。韓国人の利用者が2万人ほど減っている。

 外国人利用客の内訳は1位が中国(30.9%)、2位が台湾(10.5%)、3位がアメリカ(9.5%)、4位が韓国(7.8%)、5位が香港(7.5%)。この5カ国・地域で全体の3分の2を占めている。

 政府は2020年のインバウンド数を4000万人とする目標を掲げているが、日韓関係の冷え込みによる韓国客の大幅減少により、2019年1-11月の訪日客は2935万5700人で、前年同期比2.8%増と伸び悩み、2019年通年の訪日客数は3200万人程度とみられている。2020年の4000万人達成は困難との見方が出ているが、数の目標を追いかけるのはもはや意味がないのではないか。

 すでに全国各地の観光地でオーバーツーリズムの弊害が顕著になり、五輪を控えた東京の宿泊料金高騰も問題となりつつある。それでも政府は富裕層向けの超高級ホテルの建設やカジノ誘致などに熱心だが、それで一体誰が潤うのか。カジノ誘致では国会議員が逮捕される事態となった。前のめりの「観光立国」路線の中身と方向性を、冷静に議論すべきではないだろうか。

(文=編集部)

六代目山口組と神戸山口組がいよいよ特定抗争指定に…曖昧な逮捕基準や地下潜伏への危惧も

 2017年4月、兵庫県尼崎市で任侠山口組が結成式を行ったことで、当時、同市内が騒然としたことがあった。同組織の関連組織周辺には、警備やマスコミの数が増え、物々しさを醸し出していた。それも月日の経過とともに落ち着きを取り戻し、町中が以前と同じ空気に包まれていた昨年の11月下旬に起きたのが、神戸山口組幹部射殺事件であった【参照「山口組に狙われ続けた神戸山口組幹部」】。尼崎市内随一の繁華街、阪神尼崎周辺でマシンガンが乱射されたこの事件の影響は、繁華街にとっては書き入れ時である年末にまで及んだのであった。

「11月にマシンガン事件が起きたので、どこの店も忘年会のキャンセルが相次いでいた」と話す地元の飲食店関係者も少なくはなかった。この事件をきっかけに、尼崎が六代目山口組と神戸山口組の抗争の舞台と化してしまうのではないかと震撼する市民が少なくなかったということだろう。

 その尼崎市も、今回、六代目山口組と神戸山口組が特定抗争指定暴力団に指定されたことに伴って定められた警戒区域に含まれたのである。両団体は1月7日にも特定抗争指定暴力団として官報に公示され、暴力団対策法に基づくさまざまな規制を受けることになるが、例えば、警戒区域では組員が5人以上で集まったり、敵対する組織に対して抗争を誘発する行為をしたりすれば、逮捕の対象になる。

 2012年に暴対法が改正され、特定抗争指定暴力団の指定制度が設けられて以来、同指定を受けるのは、同年に指定を受けた道仁会と九州誠道会(解散)以来となり、今回が2度目のケースということなる。ただ、2012年の時は指定を機に両組織が抗争を鎮静化させ、九州誠道会が解散することで指定も解除されており、指定期間における組員の逮捕者は出ていない。そのため、どのような行為や活動で逮捕されるのかという点では、前例がない制度といえるのだ。

「明確な逮捕基準がまだないために、当局サイドも、現場の捜査員になればなるほど判断しにくいという声があるようです。むろん、抗争が激化すれば、逮捕の基準も一気に跳ね上がる可能性もあるでしょう。組員が抗争に関連する行為をしたと当局が解釈すれば、ちょっとした行動でも即逮捕されることも考えられる。現時点では、何をしたら逮捕されるかということを誰も理解できていないわけです」(暴力団に詳しいジャーナリスト)

 だからといって、今回の指定で必ずしも抗争が終焉する、もしくは山口組が壊滅状態になるかといえば、そうとはいえないだろう。特定抗争指定とは、あくまで抗争を拡大させないための措置であり、組織を壊滅させるために設けられた制度ではない。現に警戒区域以外では、これまでのように組事務所に出入りすることも可能であり、組員が5人以上集まってはならないという制限を受けることもないのだ。必然的に、警戒区域内に拠点を置いていた組織は、区域外の関連施設に臨時的に機能を移転させ、組織運営を行うことになるというわけだ。

「ただ、そうした施設近辺で抗争に関連するような事件が起きれば、当局はその地域も警戒区域に定めるでしょう。そうして、両組織の活動を取り締まっていき、抗争ができない状態どころか、通常の組織運営がしにくい状況へと持っていくことが狙いなのではないでしょうか」と法律に詳しい専門家は指摘しながらも、このような警笛を鳴らしている。

「警戒区域が拡大され、組織活動が制限されていく分、今後はこれまで以上にヤクザの身分を隠して、一般社会に溶け込んでいくケースが増えることが予想されます。それが海外のマフィアのように、地下へと潜るきっかけになり得る可能性もあるわけです」

 これまでヤクザは、自分たちがヤクザであること、その事務所がどこになるかなどを、ある種の矜持を持って律儀なくらいに世間に示して存在してきていた。それは、どれだけヤクザに対する厳罰化が進んでも変わらなかった。ある意味、そのようにヤクザ組織や組員たちがわかりやすく社会に存在し、一般市民とは一線を画しながら活動してきたからこそ安心できる側面があったと、この専門家は指摘しているのだ。それゆえ、身分や活動拠点を隠されてしまったほうが、市民にとっては恐怖となるのではないかというのである。それはそうかもしれない。たまたま知り合った相手と親しく付き合うようになったら、後で実はヤクザの幹部だったと聞かされるケースも出てくるかもしれないからだ。

 おかしな話かもしれないが、町中にヤクザの組事務所があり、そこに組員が出入りする……そうすることで地域住民は誰がヤクザの組員であるかを理解することができるという構図は、一般市民においても一定のメリットがあったといえるのかもしれない。いずれにせよ、今なお続く六代目山口組分裂抗争において、今回の特定抗争指定暴力団への指定は大きな転換期になるだろう。

(文=沖田臥竜/作家)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。以降、テレビ、雑誌などで、山口組関連や反社会的勢力が関係したニュースなどのコメンテーターとして解説することも多い。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任侠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)など。最新刊は、元山口組顧問弁護士・山之内幸夫氏との共著『山口組の「光と影」』(サイゾー)。

JRA理事長ジャパンC「外国馬ゼロ」問題を語る。東京競馬場に新・検疫厩舎も「高速馬場」改革には……

 問題解決へ、大きく舵を切ることになりそうだ。

 昨年、1981年の創設から39回目にして「外国馬の出走ゼロ」となったジャパンC(G1)。日本競馬最大の国際レースとして「存在意義を失った」という厳しい声もあるが、主催するJRAもその事実を重く受け止めているようだ。

「物理的にクリアできるものはクリアしていきたい――」

 そう話したのは『週刊ギャロップ』(サンケイスポーツ)で、毎年恒例の年頭インタビューに応じた後藤正幸JRA理事長だ。詳細は本誌をご覧いただきたい。

 昨年、外国馬が出走しなかったことを受け、多くのファンから批判の的となったジャパンC。

 だが、JRAの生え抜き理事長として、海外の駐在員事務所の所長を歴任した経験を持つ後藤理事長は「これまでの38年間、よく1頭でも2頭でも(海外からの)出走馬を確保できたと思いますよ」と、外国馬の招致の難しさを語っている。

 まさに「経験者は語る」だ。だが、日本の競馬ファンからすれば、毎年のように世界各国から強豪が名を連ねるドバイミーティングや香港国際競走を知っているのも事実。それだけに日本を代表する国際レースに外国馬が1頭も来なかったという状況は、何とも言えない寂しさがあったというわけだ。

 ただ、見識のすれ違いはあったにせよ、昨年の状況はJRA側も重く受け止めている。その大きな原因の1つに日本特有の検疫の厳しさが挙げられているが、まずは“そこ”にテコ入れを行うようだ。

「現在、外国馬がジャパンCが行われる東京競馬場のレースに出走するには、まず千葉にある競馬学校で検疫を受ける必要があります。そのため、外国馬は日本到着直後から満足な調教が行えず、さらにはレースに向け、再び東京競馬場へ移動しなければならないという問題があります。

そこで、国際検疫厩舎を東京競馬場の中に作る動きがあるようです。もし実現すれば、少なくとも東京の国際レースに出走する外国馬の負担が、大きく下がることが期待できるのではないでしょうか」(競馬記者)

 日本競馬の検疫は以前から長く議論されてきた問題だが、ついに大きく動くことになるのか。しかし、後藤理事長は「2020年秋に間に合うものではない」とコメント。工事期間はもちろん、国の許可や埋蔵文化財調査など、様々な問題があるようだ。

「検疫問題は、海外に精通した関係者から必ずと言っていいほど話題に挙がる問題ですから、これは大きいと思いますよ。ただ、ジャパンCを始め、日本競馬か世界から敬遠される最大の問題となる『馬場』に関しては、あくまで否定的なようです」(同)

「海外に行けば馬場が違うのは当たり前で――」と語る後藤理事長だが、その背景には現場からの「支持」があるようだ。理事長によると、海外から遠征してきた騎手などは「走りやすい」と話しており、決して日本特有の高速馬場に問題があるわけではないという。

「海外だけでなく、JRAの騎手からも概ね好評を得ていますし、馬場そのものに関して問題があるということではないと思います。

ただ、例え日本の馬場に問題がないにしても欧州と大きなタイム差がある限り、ジャパンCが敬遠される問題は解決しないでしょうね。いえ、日本が素晴らしい馬場を誇っているからこそ、この問題は根深いと思います」(同)

 とはいえ、自然と調和した欧州競馬の馬場が、整備が行き届いた日本の馬場に劣るという見解もナンセンスだ。それはドバイや香港のような、いわば「中立」の馬場で日本のトップホースが欧州馬に後れを取ることがある事実からも、明白と言えるだろう。

 記者が語る通り、欧州の馬場と日本の馬場、どちらも間違ってはいないからこそ、この問題は根深い。多くの日本の競馬ファンとしては、かつての強豪外国馬が来日するジャパンCを観たいという思いがあるが、果たして実現する日は来るのだろうか。

浜崎あゆみ出産で「赤ちゃんの写真」「妊娠中のセルフィー」を“ママ”が明かし代理母疑惑を否定

浜崎あゆみInstagramより

 浜崎あゆみが昨年11月に極秘に出産していたことを明かし、ファンは驚きに包まれた。浜崎はカウントダウンライブを終えた1月1日深夜、公式ファンクラブサイトにて出産していたことを報告した。

 子どもの父親について一部では年下の一般人男性と報道されており、熱愛報道のあった年下ダンサーと見る向きが強い。ただ現状、浜崎側はそれを公表する意図はないようだ。

 浜崎あゆみの突然の出産報告が驚かれたのは、彼女が昨年5~8月に全国ツアーを行い、大みそかにはカウントダウンライブを開催、そして今年も2月から8月にかけて38公演の全国ツアーを予定しているからだ。

 頻繁に更新してきたInstagramでも、妊娠の片鱗を伺わせるような写真や動画は一切見られない。一体いつのまに妊娠し、産んでいたのか? ということだ。

 だが彼女はたしかに、我が子を出産していたようだ。浜崎が若い頃から“ママ”と慕っていた株式会社ピーチ・ジョン創業者の野口美佳氏は、Instagramに<グリグリに大きな目をしたなんとも可愛い赤ちゃんの写真と 大きなお腹をした妊娠中のセルフィー(しかも下着姿笑)>が浜崎からLINEで届いたと綴っている。

「もしや代理出産???」「一生秘密するつもりだったそうだ」

 ネット上には、祝福や浜崎あゆみの体調を気遣うコメントも多いが、妊娠・出産の気配を一切見せなかったことから「代理出産」を疑う声も散見された。

 浜崎の盟友として知られる野口美佳氏も5日、Instagramで浜崎の出産について言及し、代理出産を疑ってしまったと明かした。浜崎の出産はニュースを見て知り、あまりに驚いて本人に直接、連絡したのだという。

<いったいいつ妊婦してていつ産んだっていうわけ? どういうこと? ハテナハテナ??もしや代理出産???(実はわたしはそう思ってしまっていた)>
<ニュースを聞いた日の夜は 自然にあゆにLINEしていた  久しぶりのやりとりは懐かしい言葉遣いとともに なんと彼女から返ってきたのは グリグリに大きな目をしたなんとも可愛い赤ちゃんの写真と 大きなお腹をした妊娠中のセルフィー(しかも下着姿笑)であった (ハッキングされたらどうしよ…) ほんとに産んだんか!!まじか!>

 また、それによれば浜崎は子どもを産んだことを「最初は一生秘密するつもりだった」そうだが、実際に出産したことで気持ちに変化があり、公表に踏み切ったのだという。

 すっかり疎遠になってしまっていた浜崎と、「子育て」というライフスタイルの重なりが生まれたことを、野口氏は<彼女がどんなふうに子供と向き合っていくのか見守っていきたい また一緒に共感できることが始まった気がする>と喜びをもって綴っている。

「産後すぐに動けるという事の証明ではありません」

 とはいえ妊娠初期から中期まで、ハイヒールでダンスをし、コルセットで腹を締め付けながら全力で歌っていた浜崎あゆみの妊娠と出産に、驚かない人はいない。産後すぐのカウントダウンライブも、驚異的な体力だ。

 Twitterでは、産後間もない身体で見事なパフォーマンスを披露した浜崎を賞賛し「産後も頑張ればすぐに動ける」「妻にも見習ってほしい」といったツイートもわずかながら見られ、そうした向きに警鐘を鳴らす意見も多い。産褥期は母体の安静がとても重要だからだ。

 産後にスピード復帰する芸能人は少なくない。2017年に第3子を出産したモデルの土屋アンナは、わずか19日間後に「東京ガールズコレクション」で仕事復帰を果たした。芸能人のスピード復帰が伝えられる度に、ネット上では「産後もすぐに動ける」という誤解が噴出する。

 しかし基本的には、産後はなるべく体を休めたほうが良い。そのための周囲のサポートは必須だ。産後は身体的な負担だけでなく、ホルモンバランスが大きく変化すること、睡眠不足などから産後うつにかかるなど、精神的にも不安定になりやすい。「あの人はできたのだから」などと、無理強いしてはいけない。

 浜崎あゆみは3日更新のInstagramで、自分には<24時間体制のサポート>をしてくれるチームがあるから、妊娠中も産後すぐも活動することが可能だったのだと種明かしをしている。

<私には、夢のような魔法をかけてくれる衣装チーム、メイクアップアーティスト、ヘアスタイリストさん達が居て下さり、全力ですべてから守り通して下さるスタッフさん達が居て下さり、それこそ24時間態勢でサポートをして下さる病院の先生方、助産師さん達も居て下さいました>

<そんな環境だからこそ何とか実現出来たステージであって、女性が産後すぐに動けるという事の証明では決してありません 肉体的にも精神的にも難しい産褥期を身をもって実感している今、誰よりも側で支えてくれる家族と友人達に感謝の気持ちと共に、日本中の妊婦さん達、お母さん達が休まる時間を十分に持てますようにと心から願っています>

(文=WEZZY編集部)

パチンコ新台「業界初システム」「最高峰の出玉性能」……降臨した最新機種を特集!!

 2020年「最初」のパチンコ新台入れ替えが行われ、ホールは大いに盛り上がっている状況だ。

「業界初システム」「爽快な出玉スピード」を搭載した機種など魅力的なラインナップとなっている。今回は1月6日からの週に導入された「激アツ新台」に迫ってみたい。

 まず注目したいのは、業界初の「右打ち中システム」を搭載した驚愕の連チャン性能が話題の人気シリーズ最新作だ。

『Pひぐらしのなく頃に~廻~』(Daiichi)

 Daiichiを代表する人気シリーズ『ひぐらしのなく頃に』が新規則機として登場。

 ミドルタイプの一種二種混合機で、ヘソ大当り時の98%で時短1回+残保留4個の「真・身隠しモード」に突入する。ここで大当りすれば時短99回+残保留4個の「絆結びRUSH」突入が確定だ。

 業界初と言われる超天国モード「絆結びRUSH」は、転落するまで継続する連チャンゾーン。1/32の転落小当りが搭載されており、当選時は電サポが終了して残りの残保留で継続ジャッジが行われる仕組みだ。それらを合算した継続率は約89%を誇る。

 特図2における最大ラウンド(1500発)比率は約51%と、RUSHの継続率・出玉感を兼ね備えた新規則最高峰の出玉性能と言えるだろう。新規演出と新規楽曲が追加され、パワーアップした演出も見逃せないポイントだ。

 注目度では、業界のリーディングカンパニーSANKYOが「本気のミドル」と宣言する『フィーバー バイオハザード リベレーションズ2』も負けてはいない。

 世界的な人気を誇るゲームシリーズ「バイオハザード」とのタイアップ作。大当り確率1/319.7の転落抽選タイプのV確ループ機で、確変突入率は約64.2%(特図1確変突入率51%、時短引き戻し率約26.9%の合算値)となっている。転落確率は1/449だ。

 確変のトータル継続率は約80%。右打ち中は80%で「10R確変(約1500発)」が狙える強力な仕様だ。短時間勝負にも適した爽快な出玉スピードも魅力となっている。画面全体が回転する迫力ある役物や、緊迫した世界観を見事に再現した演出も好評を得そうだ。

 

 ヒットメーカー平和は『キュインぱちんこ P南国育ち デカパトver.』を導入。シリーズ史上最大のデカパトを搭載した仕様で登場だ。

 大当り確率1/315.0の確変ループタイプ。確変突入率は55%で、全ての通常大当り後に100回の電サポが付与される。図柄揃い時は出玉オール1500発と安心感のあるスペックだ。

 金図柄が揃えばプラスでスーパー小当りRUSHが発動。突入すれば確変終了まで小当りRUSHが継続と、まとまった出玉にも期待できる。連続予告は非搭載など時間効率を重視した点も注目したいポイントだ。

 ニューギンの新機種は超人気少女漫画とのタイアップ作。『Pぱちんこガラスの仮面』は、ミドルとライトミドルの2スペックで登場だ。「仮面ギミック」や「スポットライトギミック」「サーチライトギミック」といった多彩な役物や、名シーンによる演出が原作の世界観を高いレベルで再現している。

 今回紹介した機種は1月6日より全国への導入が開始。ぜひともホールで堪能していただきたい。

 

 

JRAルーツドール「フィエールマン妹」良血牝馬の真価を発揮⁉ シンザン記念(G3)からクラシックを席巻するか?

 12日(日)に京都競馬場にて3歳初の重賞、シンザン記念(G3)が開催される。

 一昨年、アーモンドアイがここを制して牝馬3冠を手に入れたほか、過去にはペルシアンナイト、ジェンティルドンナ、マルセリーナ、ミッキーアイル、オルフェーヴルなど錚々たるメンバーがここで好走し、G1の栄冠を手に入れている。

 そういう意味では出世レースとも言える一戦だと言える。

 今年も有力馬がそろったが、良血牝馬2頭に注目が集まっている。その1頭がルーツドール(牝3、栗東・藤岡健一厩舎)だ。

 父・ジャスタウェイ、母・リュヌドール(母の父Green Tune)という血統で、去年の天皇賞・春(G1)、一昨年の菊花賞(G1)を制したフィエールマンの半妹という良血馬だ。

 フィエールマンは父・ディープインパクトということで、中長距離馬としての素質が色濃く出ているが、ルーツドールは父がジャスタウェイに替わったことで、血統的にはマイルから中距離に向いていると考えられる。

 この点、陣営では「体形から本来は長い距離で良さそうだが、マイルにも対応できたからね。春のためにもきっちり結果を出しておきたい」と藤岡調教師はコメントしており、クラシックだけではなく、その先まで見据えているようだ。

 ルーツドールは昨年11月の東京でデビューしたが、この新馬戦が圧巻だった。

 好スタートから終始2番手につける競馬で順調にレースを進め、4コーナーから直線に向いて一気にエンジンがかかって抜け出す。直線では持ったまま追われることもなく後続との差を広げる一方で、残り200mですでに2馬身程度の差がついていたが、ゴールではさらに差を広げ、結果的に5馬身差の圧勝を飾った。

 参考までに、同じく出世レースとして名が知れているアルテミスS(G3)の勝ちタイムが1:34:3。ルーツドールの新馬戦の勝ちタイムはアルテミスSと同コースで、1:33:3と重賞より1秒も速い好タイムで勝ち上がっているのだ。

 また、2歳女王決定戦の阪神JF(G1)の2着馬のタイムが1:33:5。同距離ながら別コースなので、単純な比較はできないがG1級のレースでも十分通用する実力を持っていると考えられる。

 シンザン記念でももう1頭の良血牝馬、サンクテュエールと人気を分け合う可能性が高いが、マイル戦だけにここでも実力を見せつけるレースを見せてくれるのではなかろうか。

 今年のクラシックを盛り上げてくれる1頭になるかどうか。シンザン記念でその真価が試される。

ソレイマニ司令官暗殺、“イラク発石油危機”の兆候…原油価格高騰、イラクが無政府状態

 年明け1月3日の米WTI原油先物価格は1バレル=64ドル台に急騰、昨年9月のサウジアラビア石油施設攻撃直後の高値(63ドル後半)を超えた。1月2日にイラン革命防衛隊の精鋭組織(コッズ部隊)のソレイマニ司令官が、イラクの首都バグダットで米軍のドローン攻撃により死亡したからだ。

  革命防衛隊とは、イラン指導部の親衛隊の性格を持つ軍事組織(兵員数は12万5000人)であり、陸海空軍とは別にイラン革命が起きた1979年に設立された。そのなかでコッズ部隊は対外工作や情報活動を取り仕切ってきたといわれている。

 ソレイマニ氏は1998年にコッズ部隊の司令官の座に就き、シリアやイラク、レバノンなどでイスラム教シーア派の民兵組織を支援し、東地中海につながる「シーア派の三日月地帯」と呼ばれる地域でイランの影響力を拡大させる立役者であった。「イラン最高指導者ハメネイ師の懐刀を暗殺されたイランが米国に報復し、米国とイランの間で軍事衝突が生じる」との懸念から、年明けの相場開始から原油価格が急騰したのである。

 原油価格はしばらくの間、高値が続く可能性があるが、米国とイラン双方が全面戦争を望んでいないとされていることから、小競り合いは続くものの、ただちに第3次石油危機に発展することはないだろう。

イラク内で強まる「反イラン」

  だが筆者は、「ソレイマニ司令官が暗殺されたことでイラク発石油危機が勃発するのではないか」と懸念している。暗殺されたソレイマニ氏はイラクの親イラン勢力の立て直しのためにバグダットに入っていた(1月4日付日本経済新聞より)が、イラクでは昨年10月上旬以降、生活苦を訴える大規模な抗議デモが続いており、「無政府状態に近づいている」といっても過言ではない。各政党や民兵組織が国庫を「現金自動支払機」のように扱い、自らの縄張りの拡大に終始している状況に、イラク国民の「堪忍袋」の緒が切れてしまったのである。

  イラク国民の怒りはイラクの内政に介入しているイランにも向かっている。直近の動きを見てみると、イランの勢力下にある治安部隊の弾圧により450人以上の犠牲者が出たことから、イラクのアブドルマハディ首相は11月下旬に辞任を表明したが、その後任選びが難航している。サレハ大統領は、12月26日イランの影響下にあるシーア派民兵組織を率いる政党連合が推薦するエイダニ・バスラ県知事を首相に指名することを拒否し、自らも大統領職を辞任する意向を表明した。

 イラク憲法では「議会(定数329)が推薦する首相候補を国家元首である大統領が指名する」ことになっているが、「弾圧が最も過酷だったバスラ県の知事を首相に任命すれば国内の混乱がさらに高まる」として、サレハ大統領は自らの地位を犠牲にしたのだろう。

 首相に加え大統領も辞任を表明したことで、下火になっていた抗議デモは再び勢いを取り戻している渦中にあって、政治情勢の安定化に奔走していたのがソレイマニ氏だった。退任を表明したアブドルマハディ氏を難産の末、首相の座に就けたソレイマニ氏は、イラク国内の「反イラン」の逆風にめげず「親イラン」の後継選びに躍起になっていた矢先の「殉職」となった。抗議デモ参加者は弾圧の元締めであった宿敵ソレイマニ氏の暗殺に歓呼の声を上げており(1月5日付BBCより)、「根本的な体制変換」という彼らの要求が現実味を帯びてきたと考えているのではないだろうか。

40年前のイラン革命を彷彿

  復活しつつある抗議運動のなかで存在感を高めているのが、シーア派でありながら反イランを鮮明に打ち出している宗教指導者のサドル師である(12月24日付アルジャジーラより)ことも気になるところである。

 混乱が増すにつれてサドル陣営に民意が集まる情勢は、「1978年9月親米のパーレビー国王の軍隊の強硬策が裏目に出てデモ隊の主張が『イスラム国家樹立』と過激化し、1979年2月の宗教指導者のホメイニ氏の帰国により反体制勢力が政権を掌握するに至った」という40年前のイラン革命を彷彿とさせる。

  首都バグダットとともに抗議運動が盛んなのは、大油田地帯を擁する南部地域である。12月28日、「祖国がない。石油もない」と叫ぶデモ隊が南部ナシリヤ油田の施設に侵入、職員に命じて電力を遮断し油田の生産を妨害するという事案が発生した(12月28日付ロイターより)。ナシリヤ油田は操業停止に追い込まれ、日量約8万バレルの原油生産が失われたことから、その穴埋めのためにバスラ油田で増産が行われている(12月30日付ブルームバーグより)。

  イランとの緊張関係の高まりを受け、米国政府はイラクの原油生産で中心的な役割を担う米国人の国外退去勧告を出している(1月3日付OILPRICEより)。イラン革命の勃発により日量560万バレルの原油供給がストップしたことから、原油価格は3倍に急騰した(第2次石油危機)。イラクでも、当時のイランと同様に大量の原油生産(日量約460万バレル)が停止するリスクが日増しに高まっているのではないだろうか。

(文=藤和彦/経済産業研究所上席研究員)

元JRAアンカツ「正直、つまらん」ノーザンファーム「使い分け」に苦言……日本馬海外大活躍も「昔」とは異なる事情

 競馬界の超一流馬が顔をそろえた昨年の有馬記念(G1)。現役最強馬と目されていたアーモンドアイが馬群に沈むショッキングな結果であったものの、馬券売り上げは前年比107.4%と大いに盛り上がった。

「レースの質が上がれば、確実に売り上げに跳ね返ってくる――」

 そう提言したのは、元JRA騎手のアンカツこと、安藤勝己氏だ。『東京スポーツ』の取材に応じた安藤氏は、インタビューの中で昨今の競馬界に蔓延している「使い分け」について苦言を呈している。

 詳細は記事を読んでいただきたいが、今の競馬界を圧倒的な勢力で実質支配しているのは、ノーザンファームだ。

 アーモンドアイのシルクレーシング、レイデオロのキャロットファーム、フィエールマンがいるサンデーレーシングと、3つの超有力一口馬主クラブを擁するノーザンファームは、これで9年連続の最優秀生産者に輝いている。

 1口馬主クラブの性質上、できるだけ多くの馬主に利益を分配したいと考えるのは、ある意味当然だ。

 その結果、頻繁に行われるようになったのがクラブ内の強い馬同士が戦わない「使い分け」というわけだが、その結果、特にビッグレースでのメンバーの分散化、レースレベル低下が問題視されている。

 純粋に強い馬同士の争いを期待するファンからすれば、いわば興ざめ……。

 安藤氏もインタビューの中で「ファンからすれば『肩透かし』を食う形になるケースが多かった。そういうのって正直、つまらんで」と苦言を呈している。

「昨年は、海外での日本馬の活躍が目立ちましたが、その中で大きく“開拓”されたのがオーストラリア競馬への参戦でした。

昨年はメールドグラースやリスグラシューがオーストラリアのG1を勝って注目を集めました。ですが、いずれもノーザンファーム系ホースクラブの所属馬。海外を利用することにより、飽和気味のノーザン系有力馬を使い分けたという見方もできます。

ノーザンファームにとって現在の海外遠征の多くは、昔のような夢やロマンを求めた挑戦というよりは、体のいい使い分けの場という印象もあります」(競馬記者)

 実際にアーモンドアイVSリスグラシューとして盛り上がった昨年の有馬記念も、当初は前者が香港へ遠征する予定だった。結局、アーモンドアイが遠征直前に熱発したため、有馬記念で対決となった。

 だが、有馬記念を最後にリスグラシューが引退したことから、もしアーモンドアイが予定通り香港C(G1)に出走していれば、時代を代表する2頭の名牝が「1度も対決しないまま」だったということだ。

「強い馬やったら、直接対決を避けんで、キッチリ白黒つける――。それが競馬を盛り上げるための、一番の処方箋やと思うわ」

 そうコメントした安藤氏の言葉は、まさにファンの思いを代弁している。今年も春のG1開催には多くのビッグレースがあるだけでなく、ドバイや香港などの選択肢もある。ファンがドキドキするような対決が、1つでも多く生まれることを願うばかりだ。