パチンコ「平均で5500発」の一撃性!? コンテンツや演出の在り方を問う「極エンターテイメント」マシン!

 若い頃、別に菅野美穂ファンでもないのだが、何を思ったかイグアナを飼っていたことがある。イグアナといえば見た目がいかつい爬虫類なので、めちゃめちゃ虫とか食べそうなのだが、実はチンゲン菜とか小松菜などの野菜を好む。

 そして、意外なのがハイビスカスが好きなのである。人生で初めて買ったハイビスカス。イグアナがぐいぐい食べていた。思えばこの時期、30パイの光りも鈍かったかもしれない。一時期の溺愛によってこすれば光るハイビスカスが、うんともすんとも言わないのである。あれはイグアナの祟りだったのかもしれない。

 ただ、どんなに嫌われようと私がハイビスカスから離れることはない。演出にハイビスカスが付いている機種なら種類やタイプ、スペックを問わずにいつでも一定以上に楽しむことができるのである。

 そんなハイビスカスの魅力を今一番堪能できるのが『Pデカビスカス』なのである。

 盤面に咲いた巨大なハイビスカスの花。その下に設置された14段階のメーター。アンテナの感度が高いパチンコマニアなら一目見ただけで、「絶対面白い」と気づくであろうし、事実、面白いのである。

 ハイビスカスが搭載された幾千のマシン同様、ハイビスカスが光れば大当りとなる期待を裏切らないゲーム性となっている。

 そのハイビスカスを光らすためにはまず、盤面左にあるクルーンを狙い打つ。クルーンにはひとつの穴だけ穿たれていて、入賞すれば必ずその下部に設置された「GO」チャッカーの方向へ排出されるが、途中にある風車の加減で入賞したりしなかったり、やきもきさせられる。

「GO」にはいれば大当り抽選の開始。となるが、本機の抽選表示は液晶や7セグといった通常のデジタル機器ではなく、巨大なメーター役物がリーチの代わりとなるのである。

 このメーターが14目盛りまで上昇し、大当りの最終当否演出の結果、ハイビスカス光る、といったプロセスとなっていて、いうなれば欽ちゃんの仮装大賞メソッドなのである。14まで行って外れた後は当然「子どもたちがんばったよ。点入れてあげてよ」と懇願したくなるのである。

 それはさておき、このメーターがマックスまでいってランプが光るかどうかといった極めて単純な演出がそれだけでめちゃめちゃ楽しいのである。


 もちろん、ランプや音、ボタンなどの演出要素が組み合わさってのことであるが、私くらいの妄想ニストになると、魚群もキセルも役物ガッシャーンもいらず、メーターの浮沈と間だけで行間を埋め、興奮できるのである。

 このように、わずか14個のメーターランプには無限に読み取れる物語が詰まっているのであるが、それを可能にしているのが1/26.99という大当り確率である。いつ当たってもおかしくない、この確率が妄想とモチベーションの持続を可能にするのである。

 そして、当れば平均で5610発ほどの出玉が得られる一撃性も必要不可欠である。このリターンの存在がドキドキ感を増幅させる機能を果たしているのである。

 夏に一花咲かせてみてはいかが?

(文=大森町男)

JRA札幌記念、ラッキーライラック前走まさかの6着は想定内!? 宝塚記念の敗因は「馬場」にあらず……、勝負買い目とお宝穴馬3頭!

 夏競馬で唯一のG2競走である札幌記念。昨年はブラストワンピース、フィエールマン、ワグネリアンといった豪華メンバーが集結した夏競馬で最注目のレースと言っても過言ではないだろう。

 しかし、今年の出走メンバーはラッキーライラック「1強」の様相となっている。

 昨年のエリザベス女王杯(G1)で復活の勝利、そして今年の大阪杯(G1)で牡馬相手に勝利して、覚醒を印象付けたラッキーライラック。今回、他にもノームコア、マカヒキ、ペルシアンナイトというG1馬が出走を予定しているが、現在の勢いを考慮すれば、ラッキーライラックが抜けた存在と言えるはずだ。

 つまり、ラッキーライラックの人気が一本かぶりすることは目に見えている。圧倒的人気馬は配当妙味が少ない上に、必ず勝つとは限らない危険をはらんでいることを忘れてはならない。

 実際に、今年の安田記念(G1)では単勝1.3倍の圧倒的な支持を集めたアーモンドアイがまさかの敗戦。その結果、上位人気3頭による決着にもかかわらず、3連単は「万馬券」超えとなった。そして、今回圧倒的人気を集めるであろうラッキーライラックは前走の宝塚記念(G1)で3番人気ながら6着に凡走しているのだ。

 驚くことに、このラッキーライラックの敗戦は、競馬情報のプロフェッショナル集団「ホースメン会議」にとって「想定内」だったようである。

「今年の宝塚記念はレースの1時間前に降った雨の影響で、馬場状態は『良』から『稍重』に変わったことが結果を大きく左右したと思われています。1番人気サートゥルナーリアは道悪に泣き、それに対して2番人気クロノジェネシスは道悪を味方につけて勝利を挙げました。

 ラッキーライラックも馬場が影響しての敗戦と見られがちですが、それ以前に『状態面が万全ではない』という情報がありました。我々としては戦前からあまり評価が高くなかったため、決して驚きの敗戦というわけではありません」(関係者)

 ホースメン会議にとって、ラッキーライラックが宝塚記念で敗れたことは見立て通り。その一方で、中山記念(G2)は勝負気配との情報から3連単1万2020円を的中している。どちらも表面的には上位人気に支持されていたが、内情は違ったようだ。表に出ない情報こそが馬券攻略のカギと言えるのだろう。

 これには大阪スポーツの本紙を37年にわたって担当し「関西記者クラブのレジェンド」と呼ばれる米原聡氏が、ホースメン会議のメンバーに名を連ねていることが大きく影響しているようだ。

 ラッキーライラックを管理する松永幹夫調教師は、かつて栗東所属の騎手として大活躍した名手でもある。天覧競馬となった2005年の天皇賞・秋(G1)をヘヴンリーロマンスで制し、馬上で最敬礼した姿は競馬史に残る名シーンだ。そんな松永調教師を騎手時代から知る米原氏を擁するホースメン会議の情報は、ラッキーライラックの「取捨」を決定づけるに十分だったに違いない。

 また、ホースメン会議の情報がいかに現場に精通したものであるのか裏付けがある。これはほんの一例に過ぎないのだが、穴馬を見抜いての的中例を紹介したい。

 6月6日に行われた阪神12Rは単勝オッズ1.8倍の圧倒的1番人気が1着、2着は4番人気という堅めの決着となった。だが、3着には13番人気サンビショップが入る波乱。今年、5走して一度も馬券に絡んだことのない8歳馬と、人気薄になって当然の存在だった。

それでも、ホースメン会議の情報網に「激走気配」という強力ネタが入ったことで、見事に3連単「4万430円」を的中しているのだ。

 “競馬の神様”と呼ばれた故大川慶次郎氏が設立したホースメン会議。米原氏以外にも、日刊スポーツの本紙予想を25年にわたって務めた堀内泰夫氏、総監督を務める能勢俊介氏は競馬専門チャンネルやラジオで解説を歴任している大物だ。さらには皐月賞(G1)や有馬記念(G1)を制した元JRA騎手の東信二氏、騎手と厩舎を繋ぐ仕事である現役エージェント、某大手牧場スタッフなど、多くの「情報通」関係者が在籍している。その結果、世間には明らかにされない「マル秘情報」が入手できるというわけだ。

「最強軍団」と「マル秘情報」が相まって実現できる予想は超強力。人気馬の的確な取捨と同時に、勝負気配漂う人気薄を拾えるという夢のようなものだ。

 特に今年の札幌記念では、ラッキーライラックを除いた出走予定馬は混戦模様となっている。ラッキーライラックの取捨はもちろんだが、どの馬を拾うべきかも非常に重要になるはずだ。多くのファンが頭を抱えることになるのではないだろうか。

 そこでホースメン会議から朗報がある。なんと、「お宝馬穴馬3頭」を含めた札幌記念の買い目を「無料公開」するという。しかも、万が一、不的中だった場合は有馬記念まで年内のG1と重賞情報を無料で公開するというのだ。まだ秋G1が始まってもいないタイミングで、有馬記念までの情報提供を約束するということは、よほど札幌記念の予想に自信があるということの証拠だろう。

 ただ闇雲に馬券を買うのと、強力情報という武器を手にして馬券攻略に挑むのとでは、全く結果は異なるはず。今回の無料公開というビッグチャンスに乗っかり、秋のG1戦線に向けて弾みをつけてみてはいかがだろうか。

(文=編集部)

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※本稿はPR記事です。

かんぽ不正から1年、変われない日本郵政の病巣…土光敏夫“社長”なら、こう再建する

「週刊ポスト」(小学館/8月14・21合併特大号)で「窮地のニッポン企業を任せたい 昭和の名経営者」という企画で「日本郵政社長が土光敏夫だったら」を書いた。スペースの都合で、半分以上、削られてしまった。とても面白い企画なので、当サイトの読者にもぜひ、お読みいただきたいと思う。

土光敏夫とはどんな人物か

「メザシの土光さん」が、一躍有名になったのは、1982年の夏に放映された『NHK特集 85歳の執念 行革の顔 土光敏夫』というテレビ番組だった。行政改革を推進する宣伝として企画されたが、番組を観た人々が驚いたのは、土光の私生活の見事なまでの「つつましさ」にあった。横浜市鶴見区の古びた小さな家に住んで、散髪は自宅で息子が行う。つぎはぎだらけの帽子。戦前から使用しているクシ。使い古された歯磨き用コップ。農作業用のズボンのベルト代わりに古びたネクタイ。そして、妻と二人きりでメザシと麦飯の夕食。これが「メザシの土光さん」のイメージを定着させた。

 5000万円近い年収のうち、1カ月の生活費に使われるのは10万円程度しかない。収入のほとんどは、母親が創立した橘学苑(現・橘学苑中学・高校)という女子中学校のためになげうった。「財界総理」と呼ばれた経団連会長まで務めた土光のあまりに清貧な生き方は、国民に感動を与えた。

 土光は1950年6月、石川島重工業(社長時代の60年に播磨造船所を電撃的に合併。石川島播磨重工業となる。現・IHI)の社長に就任。進水量で世界一の造船会社にした。「財界総理」の異名をとる経団連会長の石坂泰三が、その手腕を買って、土光に東芝の再建を頼んだ。土光は1965年5月、東芝社長に就任した。

 74年5月から80年5月まで第4代経団連会長を2期6年にわたって務め、81年第二次臨時行政調査会長に就任。三公社(国鉄、専売公社、電電公社)の民営化路線を打ち出した。土光は「増税なき財政再建」を基本理念とした最終報告書をまとめた。82年に首相に就任した中曽根康弘が「臨調の答申を必ず実行する」と約束したことから、土光は行革に邁進した。

 こうした経歴から見ると、正統派財界人にみえるが、財界本流とは距離を置いた異端児。実直な人柄と余人の追随を許さない抜群の行動力、そして質素な生活から「ミスター合理化」「荒法師」「怒号敏夫」「行革の鬼」「メザシの土光さん」の異名がついた。

 土光が日本郵政グループを経営したら、どうなるか。石川島播磨と東芝でとった行動を見ればわかる。

土光の行動原理:機先を制する

 山本五十六連合艦隊司令長官の「やってみせ、言ってきかせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉を好む土光の打った手は、徹底した合理化の率先垂範だった。石川島重工の社長に就任するとすぐに、役員だけでなく、一般社員が持っていた伝票や領収書の類をことごとく社長室に運び込ませた。伝票の山をバックに社員の1人1人を順番に呼び入れた。脛にキズもつ社員は多い。社内はパニック状態となった。

 効果はてきめんだった。翌月から経費は、半分から3分の1に減った。社長が自ら伝票をチェックしたという伝説が生まれたが、土光氏は後日、「伝票や領収書をただ集めただけのこと。目を通していない」と打ち明けている。相手の機先を制する威嚇戦術で人心を掌握した。

 東芝でも機先を制した。土光を迎える東芝の役員室の雰囲気は冷ややかなものだった。誰も口をきかない。それでも一度やると引き受けた以上、とことんやり抜くのが、土光の真骨頂だ。社長就任して初の取締役会で、役員たちを一喝した言葉は、今では語り草になっている。

「社員諸君には、これまでの3倍働いてもらう。役員は10倍働け。私はそれ以上働く」

 当時の重役クラスは朝10時ごろ出勤し、夜は銀座で接待を受けるのが当たり前だった。そんなだらけた雰囲気を一掃し、先陣を切って働くと土光は宣言したのである。

 東芝改革では一切の遠慮と妥協を断ち切った。それを象徴するのが“岩下御殿”と呼ばれる前社長の岩下文雄の社長室の打ちこわし作業だった。「ガーン、ガーン、バリバリ……」と、耳をつんざく社長室解体工事の大騒音がぬるま湯体質の東芝の風土を粉砕した。公約通り、土光は率先垂範して10倍以上働いた。午前4時に起床、仏間で30分、読経(土光は日蓮宗の熱心な信者だった)。それから散歩して庭で木刀の素振り、野菜ジュースとヨーグルトの朝食をとって7時半に出社。ゴルフもやらず、料亭も大嫌い。朝早くから夜遅くまで働きづめで、無駄な時間を過ごすことはなかった。

土光の人生哲学:根性と執念の人

「会社で働くなら知恵を出せ。知恵のないものは汗を出せ。汗も出ないものは静かに去って行け」

 元祖モーレツ経営者である土光は、部下に会社人間になることを求めた。部長クラスに対するしごきはすさまじかった。無理難題と思われることでも要求し、できなければ口汚くののしった。今なら、パワハラで問題になりかねないところだ。

「何だ、これしきのことが、まだできないのか。そんなに役立たずなら、もう死んでしまっていい……」

 これには“殿様気風”の強い東芝マンは誰もが落ち込んでしまう。気の弱い管理職が次々とノイローゼにかかったのも無理はない。役員人事に際し土光は役員候補にこう申し渡した。

「君を役員に推薦したいのだが、もし役員になると家庭生活が完全に犠牲になる。その覚悟があるかどうか。奥さんとよく相談して、一週間後に返事をしてくれたまえ」

 もちろん、役員候補は全員、受諾すると報告をした。晴れて名門東芝の取締役になれるからだ。ところが、数カ月もたたず脱落する人が相次いだ。それほど土光の“管理職しごき”はすさまじかった。大きな仕事を示されると、「できない、無理、難しい」と拒否反応を示し、その理由をあれこれ述べるサラリーマンは少なくない。土光は、「個人の能力には大きな差はなく、あるのは根性と持続力の差だ」と言っている。東芝の経営再建を見事にやり遂げた土光ほど「執念」という言葉が似つかわしい経営者はいない。

 有名な言葉を残している。「やるべきことが決まったならば、執念をもってとことんまで押しつめよ。問題は能力の限界ではなく、執念の欠如である」。けだし名言である。

土光の経営観:インテリ経営者ほど優柔不断で、決断と実行力に欠ける

「私はどのようなポストでも、一度引き受けたからには全知全能を傾けて全うします」

 土光は、根性と執念の人だった。理路整然と卓説を論じるインテリでは、決してなかった。そのため、石坂に推されて経団連会長になった時、インテリを自認する知性派財界人とは肌が合わなかった。モーレツ教教祖の土光の気迫と迫力に圧倒され、息苦しさを覚えたのだろう。「書生っぽ」と批判する土光嫌いの財界人は少なくなかった。

 土光は、そんな口舌の徒のインテリを心底嫌った。「大学卒はろくな奴がいない。とくにエリート大学出の秀才面をしている奴がいけない」というのが本心だった。土光は、インテリ経営者ほど優柔不断で、決断と実行力に欠ける人種はいないと見ていた。日本郵政グループの歴代トップは、まさに決断と実行力が欠如していた。

 現在、高学歴社会になって、土光が嫌ったインテリ経営者ばかりになった。日本経済が長い低迷から浮上できないのは、「メザシの土光さん」の根性と執念を失ったことに根ざしているといっても間違いはないだろう。

日本郵政の宿痾:ガバナンス(企業統治)不全

 かんぽ生命保険の不正発覚から1年が過ぎ、日本郵政グループは保険営業の再開の道を探り始めた。ただ、全容の解明にほど遠い。不正の横行を経営陣はなぜ見過ごしたのか。

 保険料の二重徴収などかんぽの不適切販売問題の原因究明にあたる特別調査委員会は昨年12月、ガバナンス(企業統治)不全を原因の1つとする報告書を公表した。鈴木茂樹総務事務次官(辞任)による日本郵政への行政処分情報の漏洩は、2007年に民営化した日本郵政グループが今なお総務省ともたれ合う構図を浮き彫りにした。監督官庁と企業は適切な距離を保たなければ、ガバナンスは働かない。

 鈴木総務事務次官から、極めて秘匿性の高い内部情報が日本郵政の鈴木康雄上級副社長に伝わっていた。鈴木副社長は1973年に旧郵政省に入省。2009年総務次官に就いた。13年から郵政の副社長を務め、郵政グループの人事を取り仕切るなど実権を握ってきた。実質的に日本郵政グループの“社長”だった。

 10年に退官後も「郵政のドン」と呼ばれる鈴木副社長は現役次官を上回る影響力を持っているといわれていた。郵政がかんぽ問題を報じたNHKに抗議した際の中心人物。NHKの取材手法を「まるで暴力団」と発言し、物議をかもした。

 高市早苗総務相は記者会見で「郵政グループの取締役クラスに旧郵政省採用のOBが入ることはマイナス」と指摘した。日本郵政、日本郵便、かんぽ生命の3社長と、実質的な最高権力者であった鈴木副社長が辞任した。

 2020年1月、元総務大臣の増田寛也が、日本郵政の社長に就任。取締役会は社外取締役で構成される体制に移行した。日本郵政が6月に開いた株主総会では、株主から「社外取締役は経営の監督・チェック機能を果たしているのか」と質問が飛んだ。社長の増田は、「問題を早期に把握し対処できなかった大きな要因に、適時に必要な情報が社外取締役に伝わっていなかったことがある」と強調し、以前からの社外取締役の多くが再任された。そこには、日本郵政グループのガバナンスを回復させるという熱意と迫力が感じられなかった。日本郵政グループの腐敗の一因は社外取締役がまったく機能していないところにあった。

土光敏夫ならどう変える。どう変わる:結論は日本郵政グループの完全民営化

 土光が日本郵政社長だったらどう変えるかだ。どんなポストでも根性と執念でやり遂げるのが土光流だ。彼が日本郵政の社長を引き受けたら、日本郵政グループの完全民営化に「全知全能」を傾ける。日本郵政とかんぽ生命、ゆうちょ銀行の株価は一連のスキャンダルで大幅に下落したままだ。マーケット(投資家)は、日本郵政グループは「成長性が乏しく、投資の対象ではない」とクールに判断している。

 現在、日本郵政への政府の出資比率は57%。本来なら昨年秋に株式の売り出しを行い、民営化法が定める3分の1超まで出資比率を下げるはずだった。日本郵政はかんぽ生命の株式の64%を保有する。ゆうちょ銀行は同88%である。日本郵政の出資比率が過半の現状のままで、新しいことをやろうとすると、「民業圧迫」と非難される。かんぽ生命、ゆうちょ銀行は新商品の認可などに大きな制約がある。だから、同比率を5割未満にすることを目指してきた。しかし、株価が低迷しており、それすらおぼつかない。

 株価低迷はそもそも3社同時上場という、ボタンのかけ違えに起因する。日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の日本郵政グループ3社は15年11月、東証1部に同時上場した。だが、これに欧米の機関投資家は拒否反応を示した。持ち株会社の日本郵政と、その完全子会社の金融2社の同時上場を目指す“親子上場”に「ノー」を突きつけた。

 東芝出身の社長の西室泰三(当時)が3社同時上場を強行したのは、売却益を東日本大震災の復興財源に充てるとする政府の意向を忖度したからだ。親会社、日本郵政の上場だけでは復興財源を確保できなかった。勲章ハンターの西室は安倍晋三政権に逆らう気は、さらさらなかった。利益相反を防ぐという観点から親子上場は歓迎されない。これが株価低迷の根本的要因であることを知るべきだ。

 東芝は第2代経団連会長の石坂泰三、第4代会長の土光敏夫を輩出したが、その後は新日本製鐵、東京電力、トヨタ自動車の経団連御三家の時代が続いた。西室は東芝から3人目の経団連会長になるという野望を抱く。だが、なれなかった。やむなく、日本郵政の社長に転じた。国鉄、電電公社、専売公社の民営化で、土光は歴史に名を残した。西室は郵政民営化で歴史の一ページを飾るという野心に燃えたが、見事に失敗。ガバナンス不全という負の遺産を残しただけで終わった。

 東芝は2015年4月、粉飾決算(全国紙など経済ジャーナリズムは不正会計問題と書くが、粉飾決算である)が発覚。ガバナンスの不全が明らかになった。同年6月25日、東芝は暫定的な株主総会を開いた。監査法人が決算を承認しなかったからである。株主から「現場を直視した土光さんの時代に戻って欲しい」との声が相次いだ。創業以来最大の危機に陥った東芝が今、必要とするのは土光さんだった。

 土光が日本郵政の再生に乗り出していたら、どう変わっているのだろうか。機先を制する威嚇の術で、取締役会の主導権を握る。「エリート大学出の秀才面した奴」が、大嫌いな土光は、学歴に関係なく、執念のある人物を執行役員に抜擢し、日本郵政グループの完全民営化のスキームを立案させる。総務省ともたれあうことから切り離す完全民営化へ向けて、抜群の行動力を発揮するだろう。石播や東芝、臨調で見せた実行力があればできる。

ラッキーな男

 土光は“日本株式会社”が金融引き締めによる大不況に喘いでいた1950年6月24日に、石川島重工業の再建社長に石坂に請われて就任した。土光、54歳の時である。その翌日の6月25日、朝鮮戦争が勃発した。朝鮮戦争特需が、その後の日本経済復興に大きく貢献した。朝鮮戦争特需で石川島は息を吹き返した。

 東京オリンピック特需の反動による「昭和40年不況」の最中に東芝の再建社長に就いた時(これも石坂の推薦だった)も、またまた幸運の女神がほほ笑んだ。まもなく「いざなぎ景気」が到来したからである。無事、再建を果たし、第4代経団連会長に推されたのである(もちろんこれも石坂の指名である)。石坂はこの時、経団連会長就任を固辞する土光にこう言った。「君は大工の棟梁としては一流になったが、このまま終わるつもりかね。樹木と同じで、人生には必ず節目がある。これからは一企業の枠を超えて、国家という巨大なビルづくりをやってみてはどうか」。

 土光は第4代経団連会長に就いた。77歳の遅咲きの「財界総理」であったが、「行動する財界」に変身させる使命を帯びていた。この時もラッキーだった。日本経済は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれる黄金期を迎えていた。

 土光は自ら持ち株会社、日本郵政の社長兼CEOとなり、かんぽ生命、ゆうちょ銀行、日本郵便(非上場)の各子会社の社長にラッキー(幸運)な星のもとに生まれた経営者を充てるだろう。火中の栗を拾うという気概を持った男を学歴に関係なく起用する。

具体的な処方箋はズバリこうだ

 日本郵便の全国一律サービスの扱いをどうするか。過疎地域では郵便局が唯一の金融機関という現実を無視できない。郵便局員のフットワークを活用して訪問介護、弁当の宅配などの事業への進出。先進的な企業との提携などを検討する。郵便事業の将来展望をきちんと示す。土光なら「やれないことは(民間企業では)やれない」とはっきり言うだろう。あいまいにはしない。国民に過大な期待を抱かせることはない。

 NTTがやったが、東日本、西日本に2分割する案もある。日本郵便東日本、同西日本にして効率化を図る。特に西日本の効率化が必要になる。持ち株会社、日本郵政のガバナンスの強化。役人出身の社長ではダメ。現社長の増田は元総務大臣。自公に担がれ東京都知事選に出て小池百合子・都知事に惨敗した。役人上がりだし、ラッキーな男でもない。民間企業の成功体験を持つ経営者を引っ張ってきて、ゆうちょ銀行、かんぽ生命、日本郵便のトップを刷新する。土光ならできる。

 日本郵政のゆうちょ銀行、かんぽ生命への利益依存度を下げる。ゆうちょ銀行、かんぽ生命はどうやって生き残るのか。日銀がマイナス金利を導入し、厳しい経営環境下にあるが、どう稼ぐかを考える。金融界のトップクラスの人材を土光はスカウトしてくるだろう。日本郵便に関しては全国一律サービスを続ける場合の費用負担について政府・地方自治体と本音で話し合う必要がある。

 日本郵政グループは不動産を多数、保有しているが、効率良く使われているとはいいがたい。都市部の一等地にある大きな郵便局(中央郵便局)の不動産を、早急に有効活用すべきである。この実現のためには、大手不動産会社との業務提携が必要になる。日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の政府保有株の放出を早める。そのためには株価を上昇させる必要があるのは、これまで書いた通りだ。

 日本郵政の大型M&Aの失敗を生きた教訓とする。豪州の物流大手、トール・ホールディングスを6000億円の巨額資金を投下して子会社にしたのは、西室泰三だった。「日本郵政グループに高い成長を牽引する機関車がいない」という海外の機関投資家の指摘に敏感に反応した結果、M&A市場に棚ざらしになっていたトールに飛びついたのだ。日本郵政グループは2015年11月に株式上場を果たしたが、同年2月にトールの買収を決定している。上場するにあたって企業実態を良く見せるために巨額のM&Aに踏み切ったわけだが、見事にすってんころりんした。時間をM&A、すなわちカネで買う戦略だったが、協業による相乗効果をあげられず、日本郵政は17年3月期に約4000億円の減損損失を計上。300億円弱の最終赤字に転落した。現在、トールの売却話が急浮上している。

 土光だったら、完全民営化が最終ゴールだとしても、日本郵政、かんぽ生命、ゆうちょ銀行の3社同時上場に待ったをかけたかもしれない。少なくとも熟慮したはずだ。そうすれば失敗することがわかっていたトールを常識外の高値で、慌てて買うこともなかった。

(文=有森隆/ジャーナリスト、文中敬称略)

新型コロナがもたらす「リモコンライフ」 その本質を探る

お互いの距離は離れていても、テクノロジーを上手に使うことで、今までよりも近くに感じられる。ちょっとした発想の転換で、まったく新たなつながりが生まれる。新型コロナをきっかけにして始まりつつある新しいライフスタイルは「リモコンライフ」(Remote Connection Life)といえるものなのかもしれません。リモコンライフは、Remote Communication Lifeであり、Remote Comfortable Lifeも生み出していく。そうした離れながらつながっていくライフスタイルの「未来図」を、雑誌の編集長と電通のクリエイターが一緒に考えていく連載が、近々、はじまります。

連載の開始を前に、担当の野澤友宏氏(1CRP局)に聞きました。


何げなく過ごしていった先の「ライフスタイルの未来図」

新型コロナウイルスは、私たちの生活にどんな影響を及ぼすのか?新型コロナウイルスの影響で、今後、世界はどう変化するのか?といったような書き出しの文章を、この数カ月どれだけ目にしてきたことか。

アフターコロナ・withコロナについては、AIなどの技術革新からの考察や若者たちの意識変化など、数え切れないほどのリサーチとレポートが世界中にあふれています。さまざまな情報は飛び交っているけれど、では、具体的に日々の暮らしの何がどう変わるのか、「暮らし方」について真正面に取り組んでいるものは少ない気がしています。

野澤氏写真

AIや5Gがもたらす未来を大げさに語るものでもなければ、世界情勢を読み解いて危機をあおるものでもなく。私たちが何げなく生活していく先の、さりげなく起こりそうな変化を予測することの意味は決して小さくないと思っています。暮らしの中にまぎれた、ささいな変化にこそ、実は、大きなビジネスチャンスが隠れている。日々の心の変化にこそ、時代を大きく変える兆しがあるように思うのです。

リモコンライフロゴ

雑誌の編集長の皆さんから話を聞いて、エピソードに落とし込む

そうした新しいライフスタイルを、僕らチームは仮に「リモコンライフ」と名付けてみました。リモコンのリモは、もちろん「リモート」のリモです。コンには、コネクションの他、コニュニケーション、カンフォタブルなど、リモートによって広がっていくであろう新しい生活イメージのコンセプトを込めてみました。

「ライフスタイルの未来図」をつくるに当たって、われわれチームは三つのことにチャレンジしようと考えています。

一つは、常に「今」を見つめ続けている雑誌の編集長の皆さんの知恵をお借りすることで、まずは全10誌。いずれも、ライフスタイルを語る上で欠かせない雑誌を想定。多忙な編集長の皆さんに時間を頂き、新型コロナをきっかけにして何が変わり、何が変わらないのか、独自の視点で語っていただく予定です。

二つ目は、編集長の皆さんから頂いた示唆をもとに想像力を膨らませ、ほんの数カ月後の未来をシミュレーションすること。チームでさまざまなキーワードを抽出しながら、具体的で分かりやすいエピソードをつくっていこうと考えています。

キーワードは「離れながら、つながっていく」

三つ目は、これから起こりうる「新しいライフスタイル」に名前をつけることで、それが最初にご紹介した「リモコンライフ」(Remote Connection Life)です。

「離れながらつながっていく」新しいライフスタイル。今を、そしてこれからの生活を表すシンボルでもあり、これから向かう先を示す指針にもなるような呼び方はないものか…。STAY HOMEが叫ばれる中でも、新しいコミュニケーションや生活の楽しみ方がたくさんある。編集長の皆さんから話を伺う中でいただいたたくさんのヒントから、思いついたワードです。

「物理的な距離」と「テクノロジー」と「心」の関係。「発想の転換」から生まれる「新しいつながり」や「ワクワク」。新しいライフスタイルの真ん中には、人々の「離れながらも、つながっていこうとする」欲望があるように思うのです。

これから、10回の連載想定で、編集長の皆さんと編むライフスタイルの未来図「リモコンライフ」をお届けしていこうと思います。ぜひ、お楽しみください。

リモート取材に応じていただいたDiscover Japan高橋編集長。(下段は、電通のプロジェクトチームメンバー)
リモート取材に応じていただいたDiscover Japan高橋編集長。(下段は、電通の「リモコンライフ」チームメンバー)

【連載予定】

▶︎vol.1「Discover Japan」
高橋俊宏編集長
 これからは、「観光スポット」よりも「観光パーソン」が人を呼ぶ

▶︎vol.2「AERA」片桐圭子編集長
 リモートワークで見えてくる、マイノリティの人々の新しいチカラ(仮)

▶︎vol.3「VERY」今尾朝子編集長
 「新しい時間割」から生まれる、新しい家族のつながり(仮)

▶︎vol.4「SPA!」犬飼孝司編集長
 「副業」から「複業」へ。そして、「福業」へ(仮)

▶︎vol.5「WIRED」松島倫明編集長
 複数の「リアリティ」がかなえる「場所」と「人」との新しい関係(仮)
 
以降も、「日経TRENDY」三谷弘美編集長、「BRUTUS」西田善太編集長、「Forbes JAPAN」藤吉雅春編集長、「週刊プレイボーイ」松丸淳生編集長、「anan」北脇朝子編集長といった方々の取材を、すでに終えています。ぜひ、お楽しみに。

【「リモコンライフ」チームメンバーより】

新型コロナウイルスで、私たちのライフスタイルはどう変わるのか ─── 人々の暮らしの中にまぎれた、ささいな変化や日々の心の変化に目を向け、身近な “新常態”を未来予測し、新たな価値創造を目指したい。新たに始まる連載では「リモコンライフ」という切り口で、その可能性を探っていきたいと考えています。

アサイーバブル崩壊で経営危機のフルッタフルッタ、債務超過解消も資金調達先に重大な不安

 高い栄養価と抗酸化作用で2013年に大ブームを巻き起こした「アサイー」を覚えているだろうか。

 アサイーはブラジル・アマゾン原産のヤシ科の果実。見た目はブルーベリーと似ているが、含まれるポリフェノールはブルーベリーの約18倍。さらに、レバーの3倍の鉄分、牛乳の3倍のカルシウム、食物繊維、ビタミンB、ミネラルも豊富で、栄養価の高い「スーパーフード」として脚光を浴び、スーパーやコンビニの店頭には、ジュースやスムージー、冷凍ピューレなど多種多様なアサイー関連商品が並んだ。

 そのアサイーを含むブラジル・アマゾン原産のフルーツ原料に目をつけ、02年に独占輸入総代理店契約を結んだのが「クプアス・インターナショナル・ジャパン」である。同社は02年に神戸・三宮にジュースバーをオープンすると、翌年には早くも関東へと進出。千葉県津田沼市にジュースバーの2号店をオープンしたほか、05年にはタリーズコーヒーを始め、外食チェーンや食品メーカー、スポーツ施設などに原材料の販売を開始した。

 市場規模は4年で10倍以上にまで膨張。社名もポルトガル語で「フルーツ」を意味する「フルッタフルッタ」に改名した。13年の大ブームで、同社は14年12月に東証マザーズへの上場を果たすまでに急成長した。ところが、このブームのピークは、残酷なことに、上場を果たした14年までだったのである。14年に約57億円だった市場規模は、翌15年には早くも36億円まで減少した。

 同社の売上高も15年3月期の33億4400万円をピークに下がり続け、16年3月期から4期連続で営業利益、純利益ともに赤字となった。19年3月期には7億9500万円の純損失を計上し、7億7100万円の債務超過に陥った。同社は19年6月27日、上場廃止の猶予期間入りを宣告され、20年3月期に債務超過を解消しないと上場廃止になる危機に直面していた。

「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)7月25日号の「最新版 倒産危険度ランキング ワースト10」では、フルッタフルッタは第3位にランクインしている。そこで、毎年「危ない会社300社リスト」を発表している東京経済東京支社情報部の森田幸典氏に話を聞いた。

「フルッタは昨年の『ダイヤモンド』のランキングでは4位で、今年はどうにか債務超過を解消したにもかかわらず、3位ですからね。単純に業績が赤字続きで、株の資金調達でなんとかやっている状況です。うちの『300社リスト』にも、ここ5年くらいは情報として出していて、昨年8月のリストには掲載しています。

 会社が上場した直後くらいに、アサイーブームが終わってしまいましたからね。それからは、第三者割当で新株予約権を発行するパターンの繰り返しでどうにかしのいできましたが、それももう限界でしょう。新株を発行しすぎたので、株が希薄化しているからです。東証のルールでは300%以上希薄化すると新たな上場廃止基準に抵触するのですが、現状で296%まで希薄化しています。しかも、今回7回目の新株予約権を引き受けたのは、悪名高いアメリカのエボファンドですからね」(森田氏)

 エボファンドとは、どのようなファンドなのだろうか。

「ボロ株ばかりに手を出すファンドで、ここが入ってくると投資家もあきらめると言われています。一種の仕手筋で、昔は株価操作で課徴金を科されたこともあるようです。フルッタは商工中金からの借り入れが多いのですが、その次に多いのが三井住友銀行なんです。今回はエボファンドが三井住友の貸付債権を安く買って、それを株式化するというややこしいスキームも使っているようです」(同)

フルッタフルッタ、債務超過解消のカラクリ

 フルッタフルッタは確かに債務超過を解消しているのだが、今年1月14日に割り当てた新株予約権だけでは2億8900万円しか資金調達できない。しかも、すでに株式は296%まで希薄化しているので、同じ手は使えない。いったい、どうやって債務超過を解消したのだろうか。

「昨年まで、フルッタの第三者割当増資の引受先は外食チェーンを手がけるアスラポート・ダイニングとマイルストーン・キャピタル・マネジメントという国内ファンドだったのですが、業績が上がらないので、どちらも手を引いてしまった。そのため、最後の資金調達先として、エボファンドが出てきたわけです。

 しかし、新株予約権をエボファンドに発行すると、300%ルールで上場廃止になる。それで、フルッタは発行する新株をこれまでの普通株から、議決権がなく普通株への転換もできないA種種類株とすることで300%ルールをクリアし、さらに第8回、第9回の新株予約権を発行して、エボファンドから合計14億4200万円の資金を調達したのです。債務超過を解消した上に7億円の資金を増強したわけですが、あくまでマネーゲームの結果であり、それで経営状況が改善されるわけではありませんからね」(同)

 同社は新たにアサイーの「造血機能」に着目し、新型コロナウイルスに対抗する「免疫力」で訴求する戦略を立てている。その第一の矢として6月8日、渋谷ヒカリエ東横のれん街に「アサイーエナジーバー」をオープンした。アサイー効果にプロテインを加えて、新たなダイエット飲料として再起をかけるが、果たしてアサイーブームの再来はあるのか。

(文=兜森衛)

ラニーニャ現象と新型コロナウイルスの関係性…感染拡大と経済悪化を助長の懸念

猛暑・厳冬をもたらすラニーニャ

 世界的に異常気象を招く恐れのあるラニーニャ現象発生の可能性が高まっている。気象庁が8月11日に発表したエルニーニョ監視速報によると、ペルー沖の海面水温が平年より低くなっており、冬にかけてはラニーニャ現象が発生する可能性が60%と最も高くなっている。

 ラニーニャ現象とは、南米沖から日付変更線付近にかけての太平洋赤道海域で、海面水温が平年より1~5℃低くなる状況が1年から1年半続く現象である。ラニーニャ現象が発生すると、地球全体の大気の流れが変わり、世界的に異常気象になる傾向がある。

 近年では、2016年夏から2017年春にかけて発生し、北海道を中心とした8月の長期的な大雨・豪雨 となったほか、1951年に気象庁が統計を取り始めて以来、初めて東北地方の太平洋側に台風が上陸した。また北日本では平年より7~10日早い初雪・初冠雪を観測し、関東甲信越では2016年11月に初雪・初冠雪を観測した。このほか、2017年1月中旬と2月中旬、3月上旬は日本国内のみならず、国外の多くで十数年に1度の北半球最大規模の大寒波が襲来した。

 気象庁の過去の事例からの分析では、ラニーニャ現象の日本への影響として、梅雨入りと梅雨明けが早まることで夏の気温は平年並みから高めとなり、冬の気温は平年並みから低めとなる傾向がある、ということ等が指摘されている。

ラニーニャ発生時期の9割近くが景気回復

 ラニーニャ現象の発生時期と我が国の景気局面の関係を見るべく、過去のラニーニャ現象発生時期と景気回復局面を図にまとめてみた。すると、1990年代以降全期間で景気回復期だった割合は76.6%となる。しかし驚くべきことに、ラニーニャ発生期間に限れば90.2%の割合で景気回復局面に重なることがわかる。

 実際、2005年のラニーニャ発生局面では記録的な寒波に舞われた。気象庁の発表によると、10-12月期の東京の平均気温は前年より1.37℃低くなった。この寒波効果で2005年10-12月期の消費支出(家計調査)は前年比+1.3%の増加に転じた。特に、家具家事用品が暖房器具の売り上げが好調に推移したことから、同+9.4%の伸びを記録した。また、冬物衣料を見ても、寒波効果は明確に表れた。同時期の被服及び履物支出は寒波の影響で季節商材の動きが活発化し、大型小売店でも冬物商材が伸長したことで回復が進んだ。保険医療の支出動向もインフルエンザ関連がけん引し、全体として好調に推移した。

 国民経済計算ベースで見ても、寒波の恩恵が及んだ。2005年10-12月期の実質国内家計最終消費支出は前年比+2.3%と伸びが加速し、家計調査同様に家庭用機器の支出額が大幅に増加した。また、冬のレジャーの活況により娯楽・レジャー関連でも寒波が追い風となった。

幅広い厳冬の影響

 以上より、仮にラニーニャ現象により今年の冬も厳冬となれば、各業界に影響が及ぶ可能性がある。事実、過去の経験によれば、厳冬で業績が左右される代表的な業界としては冬物衣料関連や百貨店関連がある。また、ガス等のエネルギー関連のほか、医薬品やマスク等のインフルエンザ関連も過去の厳冬では業績が大きく左右されている。そのほか、車等の防寒や凍結対策関連といった業界も厳冬の年には業績が好調になりがちとなる。さらに、鍋等冬に好まれる食料品を提供する業界や外食、コンビニ等の売り上げも増加しやすい。冬物販売を多く扱うホームセンターや暖房器具関連、冬のレジャー関連などへの好影響も目立つ。

感染症拡大リスクには注意が必要

 ただ一方で、コロンビア大学の公衆衛生学部メールマンスクールのジェフリーシャーマンとハーバード大学公衆衛生学部のマークリプシッチの研究から、ラニーニャ現象の気象パターンと世界的なインフルエンザの世界的流行との関係が明らかになっていることには注意が必要だ。

 というのも、過去の代表的パンデミックである1918年のスペインインフルエンザ、1957年のアジアインフルエンザ、1968年の香港インフルエンザ、2009年のパンデミックインフルエンザのいずれにおいても、パンデミック発生前にラニーニャ現象が先行している(January 20, 2012「Does the La Niña Weather Pattern Lead to Flu Pandemics?」)。

 この関係について、コロンビア大学Mailman School of Public Healthの研究者であるジェフリーシャーマン氏は、ラニーニャのパターンは鳥の渡り鳥のパターンを変化させ、これまでと異なる種の鳥が接触したりすることになる。その過程で遺伝子交雑や遺伝子変化が起こり、それが今度は危険な新型インフルエンザの発生を促進する可能性があると述べている。また、鳥同士の接触以外にも、鳥と豚などの動物との接触パターンも変化させることがあるとしている。

 もちろん、ラニーニャ現象が起こったら必ずパンデミック拡大というわけではない。しかし、足元ではすでに新型コロナウィルスの感染が拡大しているため、ラニーニャ現象に伴う厳冬により感染がさらに深刻化すれば、医療現場のひっ迫などを通じて、経済活動に深刻なダメージが及ぶ可能性があることにも注意が必要であろう。

 なお、仮にそこまでならなかったとしても、2005年の時のように年明け以降の厳冬は、豪雪に伴う交通機関の乱れや農作物の生育などへの悪影響を通じて経済活動に悪影響を与える可能性がある。また、異常気象は世界的な現象であることから、海外にも影響が及ぶことにより、穀物価格高騰を通じた悪影響も考えられる。世界的なラニーニャ現象により穀物価格が高騰すれば、2008 年当時のように我が国食料品の値上げラッシュをもたらし、家計の購買力低下を通じて経済に悪影響をもたらしかねないことにも注意が必要だろう。

(文=永濱利廣/第一生命経済研究所経済調査部首席エコノミスト)

マスク“あせも”急増、簡単な4つの予防法と応急処置…マスクはガーゼや綿素材を

マスクあせもが急増中、どんな症状?

 遅く始まった、今年の夏。まだまだ猛暑が続きますが、外出やお仕事などでマスクを1日中つけている方も多いと思います。そして実は今、日本中で「マスクあせも」といわれる現象が急増中なのです。

 発症する場所はさまざまですが、当研究所へのご相談内容として多いのは、鼻の下とあごです。症状は、かゆみや痛みがないことがほとんどで、子供に多いのも特徴です。

【マスクあせもの相談の特徴】

・鼻の下とあご、たまに、ほほ(ほほ骨のあたり)にできる

・子供に多い

・プツプツができる(色はあまりない)

・赤いポツポツができるけど、かゆみや痛みはない場合が多い

マスクであせもになる原因は?

 あせもの原因は、汗管の詰まりです。まず、「高温多湿の環境」で「たくさんの汗をかく」という条件が重なると、汗が空気や風にあたって徐々に蒸発していったり、お肌の表面の皮脂に自然と馴染んで溶けることができなくなります。

 すると汗は分散できずに、汗の通り道である汗管の出口近くに偏在(集まって存在)します。そして、徐々に含まれる塩分の濃度が高くなってしまい、ついには塩分が塩となったり、塩分によって皮膚表面にある皮脂の成分が固まってしまい、汗の出口をふさいでしまうのです。つまり、汗管の出口にフタをしてしまうということです。

 皮膚の内側では、それでも汗がつくられるので、汗管に汗が流れ込んできています。出口がふさがれてしまったので、汗は汗管の中にぎゅうぎゅうにたまります。そして、どこかでついには汗管の周りに漏れ出ていくのです。

 汗腺の出口はお肌の最表面にあるのですが、汗管は皮膚表面の角層内やその下、またはもっと深いところで詰まり、皮膚の内側で漏れ出てしまった状態になる。これが汗疹の原因です。

子供にマスクあせもが多発のワケ

 子供は、大人と同じように汗をかく機能が備わっているわけではありません。まだ発汗機能は未熟で、ひとつの汗腺から出てくる汗の量が少ないのが特徴です。水道管でも、大量の水が流れる太い管よりも、水があまり流れない細い管のほうが詰まりやすい。同じように、子供の汗腺は細くて詰まりやすいのです。本格的に大量の汗をかくようになるのは、汗腺が発達する思春期です。

 さらに、子供は肌を守る皮脂の分泌量がかなり少なく、弱肌が多いのも影響しています。バリア層である皮脂膜がほとんど形成されないために、ますます汗疹ができやすくなります。

マスクあせもの対処法は?

 あせもができる原因は、汗管の出口の詰まりなので、出口がふさがらないようにします。なるべくあせもになる前に、汗管が詰まらないように予防的なお手入れが大切です。もちろん、軽微なあせもなら、できてしまっていても、気を付けることは同じです。

(1)まずは洗顔

 なんといっても「洗顔」で汗を洗い流すことが大切です。あせも対策の基本です。お肌が弱肌状態でなければ、日中はこまめに水洗いして、朝晩は石けんで洗顔します。出先で洗顔が難しければ、水気をしっかり含んだおしぼりを持ち歩き、汗をかいたら、あごの下までしっかりとふき取る方法もあります。

(2)洗顔後は酸性成分の補充

 洗顔後は化粧水などで酸性成分を補充します。塩分濃度が高くなると、汗管出口を詰まらせる原因になるので、酸性成分で溶かして予防します。できてしまった汗管の詰まり改善にもおすすめです。

(3)部分仕上げは酸性のボディパウダー

 マスクあせもができやすいのは、あご。ここに汗がたまりやすく、通気性も悪い場所だからです。汗を吸収して湿度を低く保つために、ボディパウダーをつけます。ボディパウダーは、必ず酸性のものを選んでください。一般的なボディパウダーやベビーパウダーは、ほとんどがアルカリ性のタルクを主成分としています。これでは、皮膚表面がアルカリに偏り、弱肌になる原因になってしまう可能性も。また、粉は舞ってしまうと吸い込みの原因になるので、抑えるようにお肌にのせるのがおすすめです。

(4)マスクは天然素材

 高温多湿を避けるために、状況が許すときには通気性の良いガーゼや綿素材のマスクがおすすめです。あせも予防に効果テキメンです。もしどうしてもフィルター効果のある使い捨てマスクを使うのならば、お顔とマスクの間に一枚ガーゼや綿の布を入れるだけでも違うと思います。ただしガーゼや綿素材は濡れると通気性が悪くなり呼吸が苦しくなるので、汗で湿ったらこまめに取り替えるといいでしょう。

弱くなってしまったお肌にはバリア補強

 あせもができている状態は、お肌を守っている皮膚のバリア機能が弱まっている状態なので、弱肌の状態です。肌の弱さを感じたら、就寝前に皮膚の再生を促すビタミンAや保護力の高いミネラルオイルやワセリン配合のクリームを薄くつけると、バリア機能の回復に役立ちます。

 ポイントとしては、薄くつけること。指の腹にポンポンッと軽くとり、お肌全体に薄くしっかりのばします。

 また、お肌が弱い状態は、バリア機能の低下が原因です。回復までは当研究所がおすすめしている5段階法や、メイク落としに洗浄成分を使わずにコールドクリーム洗顔を行うことも、バリア機能の回復には有効です。

あせもが弱肌の原因に

 初期のあせもは、かゆみや痛みがないので、見過ごしてしまうこともあります。でも、あせもができている状態は、お肌を守っている皮膚のバリア機能が弱まっている状態。まさに弱肌の状態です。ですから、放置しておくと、あせもだけの問題ではなくなっていくのです。

 ひどくなると、湿疹になったり、そこから感染症になってしまうこともありますから、湿疹になったら皮膚科を受診することをおすすめします。

(文=小澤貴子/東京美容科学研究所)

米国がWeChatを禁止する真の理由…“バイデン大統領”誕生で米国は実質的に中国傘下に

 米国で動画投稿アプリ「TikTok」とメッセンジャーアプリ「WeChat」を禁止する動きが出ているが、そんななかTikTokが、アンドロイド端末から端末識別番号を収集し、利用者の位置情報から個人情報まで掌握していたとも報道されている。

 この利用禁止の背景には、米国内で発生した暴動との関連が指摘されている。

 今年5月、米警察が黒人男性のジョージ・フロイド氏を取り押さえた際に誤って死亡させてしまう事故があり、それを機に「ブラック・ライブズ・マター運動」が全米に拡大した。ところが、それに便乗して、人種差別運動とは関係ないアンティファ(半ファシスト運動)や極左団体などが加わり、暴力や略奪を伴うものへと変化を見せた。

 ロサンゼルス、フィラデルフィア、デンバー、シアトル、ポートランド、ルイビルなどは州知事と市長が双方「民主党」で、暴動を「平和的デモ活動」と呼び、市長権限の警察出動も、州知事に権限がある州兵出動も拒んでいた。その結果、これらの町は破壊・略奪され、6月1日時点でデモ関連の死者が30名以上出る事態となった。

 州知事及び市長が治安維持を拒否するため、ドナルド・トランプ大統領は、武装させた連邦職員を派遣して治安維持に努めようとした。ところがデモ隊や暴徒が、治安維持に当たる連邦職員の名前、住所、家族の名前などを取得して職員を脅迫する行為が発生し、家族の身柄を案じて出動を拒む職員も出始める事態になった。

 この暴動に一部絡んでいたのがヒューストンの中国領事館で、知財窃取の指示やスパイ活動だけでなく、暴動の指示を出していたとして閉鎖された。つまり、デモに便乗して暴動を起こさせたのが中国領事館で、連邦職員の個人情報を収集していたのがTikTokだったというわけである。

なぜWeChatも禁止するのか

 TikTokの禁止と同時にWeChatも対象であることが発表されたが、WeChatが禁止対象になった背景は明らかにされていない。

 WeChat自体は位置情報を追跡し、リアルタイムにユーザーを監視する機能が付いているが、TikTokと違ってWeChatユーザーのほとんどは中国人である。WeChatの運用会社であるテンセントに、米政府の禁止による影響を問い合わせてみると、「WeChatは、主に海外の中国人や、中国人と商取引をしている人が使用するものであり、当社に起こり得る影響を評価している最中です。現在、当社への影響は軽微で、社員は通常通りの営業を行っています」との回答を得た。確かに、WeChatユーザーの99%が中国人で、売上の95%が中国国内であるため、今回の禁止はほとんど影響がないというのは当然だ。

 米国政府が警戒する理由は、今回のデモで一部の暴徒がWeChatでやり取りし、フードデリバリーや物資調達にWeChatペイという決済システムを利用していたことがわかっている。

 それに加えて、WeChatが米国政府にとっての脅威である点は、米国国家安全保障局(NSA)はほとんどのメッセンジャーアプリの暗号を解読するバックドアを利用できる一方で、WeChatの暗号は中国政府が管理しており、米国政府がバックドアを利用できず解読に手間がかかり、事前に暴動を掌握できないというところにある。

米大統領が誕生しないリスク

 米暴動を裏からバックアップしているのは、どうやら中国と投資家のジョージ・ソロス氏のようだが、彼らはトランプ大統領の再選を妨害するために暴動を煽り、資金を供与している様子がうかがえる。

 新型コロナウイルスや暴動がひどくなっていることから、大統領選挙について民主党が「郵送投票」をするよう求めているが、トランプ大統領は郵送投票が不正選挙の温床となるのでやめるべきだと主張している。それも当然で、カリフォルニア州は大統領選挙には郵送投票を行うことを表明しているが、同州の大都市であるロサンゼルスでは人口の112%の人々が「有権者」として登録を済ませている実態は、いくらなんでもおかしい。

 また最近、シカゴ国際空港で、中国からの偽造運転免許証が約2万枚押収され、これらが偽有権者登録に悪用される恐れが指摘されている。この運転免許証偽造に、米国市民のTikTokやクレジットカードから収集された情報が利用されていたのである。

 この流れからすると、中国政府が暴動を煽り、郵送投票をするようにメディアで宣伝させて不正投票の準備を行っていると、トランプ政権が判断したといえるだろう。

 現在、米国内でもっとも恐れられているのは、11月の大統領選挙で郵送投票を多用することで「次期米大統領が決まらない空白の期間ができる」ことだ。民主党は郵送投票を推進しているが、郵送投票は確認事項が多く開票作業に時間がかかるうえに、不正投票のリスクが高い。

 仮に郵送投票でバイデン大統領が誕生すれば、トランプ陣営から不正選挙の疑惑を捜査することが要求され、民主党からはそれを差し止める裁判が提起されるという構図になる可能性が高い。そうなれば、両陣営の訴訟合戦で次期大統領が確定しない「空白の時間」が生まれることになり、そこを中国に付け込まれるリスクが高まることも指摘されている。

バイデン大統領誕生で米国は中国の支配下に

 トランプ大統領は先日、次期大統領選でバイデン候補が勝てば米国の所有者は中国となり、米国市民は中国語を学ばなければならなくなるとラジオで語ったが、これは冗談でもなんでもない。

 現在、民主党が暴動鎮圧に意欲を見せていないもうひとつの隠された理由に、「監視システムの導入」がある。筆者が中国の監視カメラメーカーの社員に取材したところ、「バイデン氏が大統領選に勝てば、(民主党との密約で)監視システムを導入してもらうことになっている」と回答を得た。

 その監視システムとは、監視カメラと解放軍で訓練を受けた警備員をセットとしたサービスであり、ソーシャルメディアを通じて相談すれば警備員が駆け付けてくれるという仕組みになっている。

 バイデン氏が大統領となり、中国の監視システムを導入することによって瞬時に米国内の治安が改善し、支持率上昇にもつながる秘策であるそうだ。

 ここで気になるのが「解放軍で訓練を受けた警備員」という触れ込みだが、中国のことなので、解放軍の軍人がそのまま派遣されてくる可能性も十分にあるだろう。そうなれば、実質的にアメリカは中国解放軍に管理されることになり、米国の所有者は中国になるというトランプ大統領の発言は、まんざら放言でもなくなるのだ。

 その中国監視システムの資料を日本の専門家から見せてもらったことがあるが、中国は米国だけでなく日本にも解放軍による警備サービスを売り込んでいる。現在の日本は地方分権がそこまで進んでいないので、米国ほど悲惨な状況にはならないだろうが、都構想などで地方が分断されるリスクは残されており、対岸の火事とは言い切れないのである。
(文=深田萌絵/ITビジネスアナリスト)

深田萌絵(ふかだもえ)
ITビジネスアナリスト
早稲田大学政治経済学部卒 学生時代に株アイドルの傍らファンドでインターン、リサーチハウスでジュニア・アナリストとして調査の仕事に従事。外資系証券会社を経て、現在IT企業を経営。

手越祐也“無人島動画”に「ピンだとまったく面白くない」の声…スポンサー自慢も不安

 元NEWSの手越祐也が、8月15日にYouTubeチャンネルを更新。無人島生活の様子を公開し、賛否を呼んでいる。

 この日、手越は「【チャラ男の無人島生活①】島に上陸!まずは寝床を確保しにいきます」と題した動画を投稿。動画では無人島を訪れた手越が、ハンモック作りに挑戦し、ジャニーズ事務所退所後の現在について「仕事大好き人間としては、充実していろんな仕事やらせてもらってるのはうれしいこと」「いろんな人から『YouTube見てるよ』って言ってもらえるんだけど、必ず言われるのが『楽しそうだね』『表情が柔らかくなった』」などと語っていた。

 この動画のコメント欄では、「こんなん見たらイッテQの手越恋しくなるわ」「イッテQに戻ってきてほしい」との声が続出。無人島生活というテーマに、手越がかつて出演していた『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)を思い出したファンが少なくなかったようだ。

 手越は2017年、『イッテQ』10周年記念番組の取材に際し、「手越祐也という、ひとりの人間を作った中では細胞というか、心臓のような番組でもあります」「街を歩いていても、くやしいですけど『NEWSのCD聴いています。ライブ見に行ったことあります』よりも、95%くらいが『イッテQ観ています』っていうくらい、すごい番組なんだなって痛感しています」と明かしており、かなり思い入れがある番組であることはその後も折に触れて語っている。

「ピンでやってもまったく面白くない」との指摘も

「手越はジャニーズ事務所退所に際して『イッテQ』降板となりましたが、6月23日の退所会見でも『叶うなら今でもやらせてほしい』と同番組への並々ならぬ想いを語っていたほど。今回、手越の人気度・知名度アップにも大きく影響した『イッテQ』を彷彿とさせる動画を公開したことで、ファンは喜んでいるようですが、一方では『手越くんが輝いていたのはイッテQの編集でこそ』『あの番組だから面白かったけど、ピンでやってもまったく面白くない』との指摘もあるようです」(芸能ライター)

 無人島生活動画について手越は、自身のツイッターで「スポンサーもついて割と本格的に撮影してます」と意気込みを見せていたが……。

「今回の動画は、上陸編とあって本格的なサバイバルシーンもなく、手越が現状について語るシーンなどはまるでプロモーションビデオのような仕上がり。ファンは喜ぶでしょうが、世間にとっては今ひとつインパクトに欠けるかもしれません。無人島生活動画は今後、続編もあるようですが、そこで『イッテQ』顔負けのサバイバルに挑戦すれば、手越の本気度が伝わるだけでなく、タレントとしての新たな強みにもなるのでは」(同)

 先日発売したフォトエッセイ『AVALANCHE~雪崩~』(双葉社)では、女性芸能人やジャニーズ事務所の先輩・後輩について実名でエピソードをつづり、「ただの暴露本」と大バッシングを浴びた手越。『イッテQ』での経験を活かすことができるであろう無人島生活動画で、新たなキャリアを築くことはできるのか。

(文=編集部)

安倍首相が「8時間」病院検診、辞任説も広がる…突然の夏休み、代理で麻生首相の可能性も

 17日午前に慶応義塾大学病院に入った安倍晋三首相。首相官邸は「休み明けの体調管理に万全を期すため夏季休暇を利用しての日帰り検診」と発表しており、「通常の健康チェック」という首相周辺の談話も伝えられている。

 安倍首相は新型コロナウイルスの感染拡大や7月に広い範囲で発生した豪雨災害への対応などが重なり、1月から休日がなく連続勤務が続いていた。加えて、1カ月半以上も記者会見を行わず(8月6日に49日ぶりに会見)、7月以降は顔色や足取りが良くないという声も広がり、8月には週刊誌「フラッシュ」(光文社)による吐血報道もあった。

「ここ1~2週間、自民党周辺から『安倍首相の顔色が悪い』『気力を失っている』という声が広まっていました。テレビのニュースで映る首相の足取りの覚束なさは隠しきれないレベルで、特に15日の全国戦没者追悼式では眼が虚ろ気味にも見えました。

 そして17日、安倍首相は10時半に慶応病院に入り、病院を出たのは夜6時過ぎ。滞在時間は実に約8時間におよんでおり、検診が軽い類のものでないとも考えられるため、永田町では早くも辞任説も広がっています」(政治記者)

 また、別の政治記者はいう。

「首相官邸は『夏季休暇を利用しての日帰り検診』と説明していますが、首相が夏休みに入っていたとは正式には発表されていませんでした。突然検診を受けなければならない状況になったため、後付けで“夏休みに入っていた”という口実をつくったとみるのが自然です。それだけ今回の検診は緊急性が高かったとみられています」

 気になるのが今後の動きだが、政治ジャーナリストの朝霞唯夫氏は次のように見解を示す。

「安倍首相は15日午後、麻生太郎副総理兼財務相と約1時間にわたり会談していますが、安倍首相が自身の心身の状況を踏まえて、今後についてなんらかの話をした可能性があります。もし安倍首相がなんらかの理由で急遽公務を離れる場合、副総理である麻生氏が代理として首相に就くことになりますが、検診の2日前に2人だけで会談を行った経緯を踏まえ、その可能性も十分にあると考えられています。

 もっとも、安倍首相は来週24日に、連続在任期間で大叔父の佐藤栄作元首相を抜いて歴代トップ(2799日)を記録する。そこまではなんとしても続けるのではないでしょうか」(17日付当サイト記事より)

 安倍首相といえば第1次政権時の2007年、持病の潰瘍性大腸炎が悪化して入院し、退陣した経緯があるため、以前から体調を心配する声があったのは事実だ。

「1月からまったく休んでいないのだから、もし過労とストレスで体調が悪いのであれば、しっかりと休養や治療が必要です。しかし、国の危機管理の観点からも、一国の首相が長く公務を離れるという事態は避ける必要がある限り、官邸や自民党はさまざまな事態に備えて“次”を見据えた準備を進めておくことも、現実問題としては必要です」(国会議員秘書)

 安倍首相周辺の動向から目が離せない。

(文=編集部)